JP2002052807A - インクジェット用記録材 - Google Patents

インクジェット用記録材

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JP2002052807A
JP2002052807A JP2000237855A JP2000237855A JP2002052807A JP 2002052807 A JP2002052807 A JP 2002052807A JP 2000237855 A JP2000237855 A JP 2000237855A JP 2000237855 A JP2000237855 A JP 2000237855A JP 2002052807 A JP2002052807 A JP 2002052807A
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Japan
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ink
layer
ink jet
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JP2000237855A
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English (en)
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Shigeki Nishimura
茂樹 西村
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Mitsubishi Plastics Inc
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Mitsubishi Plastics Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】感光材料表面に荒れを生じることなく、印刷ム
ラが生じないインクジェット用記録材を提供すること。 【解決手段】インクジェット用記録材は、少なくとも一
方の最外層の表面が、印刷版焼き付けの際に発生するガ
スを排出できるような凹凸を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録に好適なインクジェット用記録材に関し、特に表面に
適度な凹凸を有するインクジェット用記録材に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット法による記録は騒音が無
く、高速印字が可能であり、低コストであることからカ
ラーコピー、コンピューター等の画像情報出力装置に用
いられ、急速に普及しつつある。近年においては、フレ
キソ印刷をはじめとする各種製版工程において、インク
ジェット用記録材を用いることが提案されている。すな
わち、インクジェット法により製版用透明プラスチック
フィルム(インクジェット用記録材)に所定の画像が形
成され、この透明プラスチックフィルムを製版用のフォ
トマスクとして感光材料に接触させ、フォトマスクを通
して露光する。露光後、感光材料からフォトマスクとし
て使用された透明プラスチックフィルムを剥離し、現
像、水洗、乾燥、硬化処理等を施して印刷用の版を作成
する工程である。フレキソ印刷等における製版では、版
を焼き付ける際に、感光材料からガスが発生することが
ある。また、フォトマスク(インクジェット用記録材)
自体からの揮発成分も問題となることがある。この場
合、フォトマスクとしてのインクジェット用記録材と感
光材料とが密着してしまうと、発生したガスや揮発成分
が十分に抜けきらずにインクジェット用記録材と感光材
料との間に残存してしまうので、感光材料の表面に荒れ
を生じる。この荒れにより判の表面に凹凸を生じ、印刷
ムラが発生してしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、感光
材料表面に荒れを生じることなく、印刷ムラが発生しな
いインクジェット用記録材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
用記録材は、少なくとも一方の最外層の表面が、版焼き
付けの際に発生するガスを排出できるような凹凸を有す
ることを特徴とする。本発明の別の態様のインクジェッ
ト用記録材は、少なくとも一方の最外層の表面のSRa
が0.08以上であることを特徴とする。本発明のこれ
らの態様のインクジェット用記録材は、基体上に吸水性
樹脂を主成分とするインク吸着層を有することができ
る。また、前記吸水性樹脂は、下記、一般式(1)
【化2】 であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であ
り、a、b、cより計算される重量比、44(a+c)
/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
b、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基
を2個有する有機化合物の残基、Zは炭素数1以上の炭
化水素基、R11はジカルボン酸類化合物残基またはジ
イソシアネート系化合物残基である)で示されることが
好ましい。また、最外層は、ポリビニルアルコール系樹
脂またはウレタン系樹脂を主成分とする樹脂組成物から
なることができる。また、少なくとも一方の最外層の表
面が有する凹凸は、最外層にマットシートを熱密着させ
た後、マットシートを剥離して、マットシート表面の凹
凸を最外層に転写することにより形成されてもよい。ま
た、少なくとも一方の最外層の表面が有する凹凸は、マ
ット処理された仮支持体上に最外層用樹脂をコーティン
グして形成された膜を転写し、その後、仮支持体を剥離
することにより形成されてもよい。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット用記録材
は、少なくとも一方の最外層の表面に適度な凹凸を有す
る。ここで凹凸の大きさや状態は、例えば製版工程にお
いて、版焼き付けの際に発生するガスが抜けきれるよう
な凹凸であれば特に限定されることはない。例えば、三
次元表面粗さ(SRa)が0.08以上、好ましくは
0.08以上0.3以下であるような微細な凹凸が該当
する。SRaが0.08未満では発生するガスを逃がす
ことができない。SRaが0.3を超えると、インクジ
ェット用記録材の材質によっては透明性が低下する場合
があるので、本発明においてはSRaが0.3以下であ
ることが好ましい。本発明において三次元表面粗さ(S
Ra)は、以下に示す方法により求められる。すなわ
ち、フィルム表面を比接触式三次元表面粗さ計(ERA
−8000、エリオニクス社製)を用いて、加速電圧1
0kVにてフィルムの長手方向に測定長360μm、幅
方向240μmにわたって測定し、1.2μmピッチで
各点の高さを取り込ませ、解析装置を用いてSRaを求
める。
【0006】かかる凹凸の形成方法としては、例えば、
インクジェット用記録材の最外層に適度な凹凸のあるシ
ート(マットシート)を熱密着させた後、マットシート
を剥離することにより、マットシートの凹凸を最外層に
転写する方法がある。ここで、マットシートとしては、
適度な凹凸を転写することができるようにマット処理さ
れたポリエチレンテレフタレート(PET)や配向ポリ
プロピレン(OPP)が好ましく用いられる。適度な凹
凸を有するエンボスロールを用いて、インクジェット用
記録材の最外層に凹凸を転写することもできるし、また
は、エンボスグラビアコーターを用いてインクジェット
用記録材の最外層に印刷を施すことにより凹凸を形成し
てもよい。
【0007】あるいは転写コーティング法により、凹凸
を形成することもできる。すなわち、最外層を形成する
樹脂組成物の溶液をマット処理された仮支持体上にバー
コーターやグラビアコーター等で塗布して被膜を形成
し、この被膜を例えばインク吸着層上に転写する。イン
ク吸着層上への転写は、インク吸着層を形成する樹脂組
成物を基体上に溶融押出しする際に、インク吸着層面に
ラミネートすることにより行われることが好ましい。
【0008】具体的には以下に示す共押し出しサンドラ
ミネートにより形成することができる。すなわち、最外
層を形成する樹脂組成物を水等の溶媒に溶かして溶液と
し、この溶液を仮支持体のマット面上にバーコーター、
グラビアコーター等で塗布することにより最外層を形成
する。一方、インク吸着層を形成する樹脂組成物をTダ
イから溶融押し出しによりインク吸着層を形成するが、
形成と同時にインク吸着層の両面に基体と最外層とをラ
ミネートする。ラミネートされた積層体を冷却、固化し
た後、仮支持体を剥離することにより、最外層に適度な
凹凸を有するインクジェット用記録材を形成することが
できる。
【0009】ここで、溶媒は適宜選択されるが、PVA
等を用いる場合には水を溶媒として用いることができ
る。また、仮支持体の材料としては、塗布に適してお
り、かつ転写した後に形成された塗布膜を傷つけること
なく容易に剥離できるものであれば特に限定されるもの
ではないが、例えば、PETシート、OPPシート等が
挙げられる。本発明においては、仮支持体の表面にシリ
コーン等の剥離処理が適宜施されていてもよい。
【0010】本発明のインクジェット用記録材は、基体
上にインク吸着層及び最外層を有する構成とすることが
できる。この場合には、最外層の表面に上述したような
適度な凹凸が形成されていることが必要である。また、
インク吸着層は基体と最外層との間に位置する。また、
インク吸着層と基体との間には他の層を有していてもよ
い。インク吸着層は、吸水性樹脂を主成分とする樹脂組
成物からなり、最外層は有効成分として水溶性樹脂を含
有する樹脂組成物からなり、任意的に設けられる他の層
は、例えば汎用の親水性樹脂を含むことができる。
【0011】最外層は水溶性樹脂を主成分とする樹脂組
成物からなることが好ましく、水溶性樹脂としてはポリ
ビニルアルコール(以下「PVA」ということもあ
る)、変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコ
ール系樹脂、ウレタン系樹脂等が好ましく用いられる。
具体的には、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケ
ン化ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルア
ルコール、ポリビニルアセタール、他の樹脂と共重合し
たポリビニルアルコール、他の親水性ポリマーとブレン
ドしたポリビニルアルコール等が挙げられる。なお、本
発明に用いられる水溶性樹脂は、融点が80℃以上であ
ることが好ましく、また、樹脂の構造単位に親水基、例
えば−OH、−COOHを有することが好ましい。
【0012】最外層の形成に用いられるポリビニルアル
コール(PVA)としては、特に限定されることなく一
般に用いられるものが挙げられるが、例えば、冷水可溶
タイプのPVAであり、好ましくはケン化度が20〜1
00%、さらには20〜90%、特に40〜80%であ
ることが好ましい。また、分解温度と融点(成形温度)
との差が20℃以上であることが好ましい。分解温度と
融点(Tm)との温度差を20℃以上にするためには、
例えば、PVAの粘度平均重合度を200〜1000に
調整することにより、またはPVAとエチレン性モノマ
ーとの共重合体を形成することにより、またはPVAに
可塑剤を添加することにより、温度差を20℃以上にす
ることができる。PVAとエチレン性モノマーとの共重
合体を形成することにより温度差を設定する場合には、
例えば、N−ビニルピロリドンを10モル%程度重合す
るとよい。可塑剤を添加することにより温度差を設定す
る場合には、グリセリン、エチレングリコール等を15
重量%程度添加することが好ましい。このようにして、
PVAの融点を180℃以下にすることができ、したが
って分解温度と融点との温度差を20℃以上にすること
ができる。
【0013】本発明に用いられるPVAの粘度平均重合
度は40〜5000であることが好ましく、さらには5
0〜2000、特に100〜1000であることが好ま
しい。また、本発明に用いられるPVAはネッキング
(押出機から押し出されたフィルムまたはシートが横方
向に収縮してたわむこと)を改良するために、重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/
Mn)が2.8以上であることが好ましい。
【0014】最外層に用いられるウレタン系樹脂として
は、例えば、商品名「パテラコールA−60」(大日本
インキ(株)製)を商業的に入手することができる。
【0015】インク吸着層に用いられる吸水性樹脂とし
ては熱可塑性樹脂等が挙げられ、例えば、ポリアルキレ
ンオキシド、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリウ
レタン系樹脂、セルロース系化合物、およびこれらの変
性物等が挙げられる。これらは単独で用いても、1以上
を混合して用いてもよい。
【0016】生産性に優れた押出法等のドライな方法で
フィルム化できる吸水性樹脂としては、例えば、ポリエ
チレンオキシドが適しており、本発明においては、下記
一般式(1)で表される繰り返し単位から構成される親
水性の熱可塑性樹脂を好ましく用いることができる。
【化3】 であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であ
り、a、b、cより計算される重量比、44(a+c)
/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
b、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基
を2個有する有機化合物の残基、Zは炭素数1以上の炭
化水素基、R11はジカルボン酸類化合物残基またはジ
イソシアネート系化合物残基である。
【0017】ここで、活性水素基を2個有する有機化合
物としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ビスフェノールA、アニリンプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等がある。
【0018】上述した重量比、すなわち44(a+c)
/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
b、が80/20より小さいと親水性が低下し、インク
吸水性、印刷適性で劣るものとなる。一方、94/6を
超えると、インクの滲み耐水性等の点で劣るものとな
る。Zは前記一般式(1)で示される樹脂組成物に疎水
性を付与する機能を有するものであり、例えば好ましい
ものとしてはエチル基等のアルキル基等が上げられ、
a、b、cの割合を上述の範囲内とすることにより、親
水性を失わず、かつ、水に対して不溶化することができ
る。かかる熱可塑性樹脂は、エチレングリコールにエチ
レンオキシドを付加重合した後、アルキレンオキシドを
付加重合し、さらにエチレンオキシドを付加重合して生
成したポリアルキレンオキシドにジカルボン酸化合物ま
たはジイソシアネート化合物を反応させて生成すること
ができる。
【0019】上記ジカルボン酸化合物としては環状ジカ
ルボン酸化合物または直鎖状ジカルボン酸化合物が望ま
しく、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物、ジカルボン
酸の低級アルキルエステルが挙げられる。上記ジカルボ
ン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、マロン酸、コハク酸、セバシン酸、マレイン酸、フ
マル酸、アジピン酸、イタコン酸が挙げられる。上記ジ
カルボン酸無水物としては、上記各種ジカルボン酸の無
水物が挙げられる。また、上記ジカルボン酸の低級アル
キルエステルとしては、上記各種のジカルボン酸のメチ
ルエステル、ジメチルエステル、エチルエステル、ジエ
チルエステル、プロピルエステル、ジプロピルエステル
等が挙げられる。特に好ましくは、炭素数12〜36の
直鎖状ジカルボン酸およびその低級アルキルエステルが
挙げられ、1,10−デカメチレンジカルボン酸、1,
14−テトラデカメチレンジカルボン酸、1,18−オ
クタデカメチレンジカルボン酸、1,32−ドトリアコ
ンタンメチレンジカルボン酸等が挙げられる。上記その
低級アルキルエステルとしては、これらジカルボン酸の
メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、
ジプロピルエステル等が挙げられる。これらは単独で、
もしくは2種以上併せて用いることができる。なかで
も、反応の容易性という観点から、上記ジカルボン酸無
水物およびジカルボン酸の低級アルキルエステルを用い
ることが好ましい。
【0020】上記ジイソシアネート化合物としては、
4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、メチレンビスシクロヘキシ
ルジイソシアネート等が挙げられる。これらは単独で、
または2種以上併せて用いることができる。
【0021】本発明のインクジェット用記録材には、イ
ンクの滲み特性を改良する目的等で、カチオン性ポリマ
ーを含有することができる。カチオン性ポリマーが添加
される層は特に限定があるわけではなく、例えばインク
吸着層および最外層のいずれか1層または両方に含有す
ることができる。本発明に好ましく用いられるカチオン
性ポリマーとしては、例えばポリアリルアミン塩酸塩、
ポリアルキルアミノアクリレート等、第4級化されたア
ミノ基を有するモノマーからなる共重合体等の高分子化
合物が挙げられる。これらの高分子化合物は、融点(T
m)が60℃〜200℃の範囲であり、分子量が100
0〜10万の範囲内であることが好ましい。
【0022】本発明において、カチオン性ポリマーの含
有量は約5〜70重量%であることが好ましい。カチオ
ン性ポリマーの含有量が5重量%以上であれば、インク
の滲みを効果的に抑制することができる。
【0023】インク吸着層、最外層等には、更にカチオ
ン性活性剤またはノニオン性活性剤を含めることができ
る。本発明において、カチオン性活性剤またはノニオン
性活性剤の樹脂中の含有量は1重量%〜10重量%の範
囲内であることが好ましい。本発明に好ましく用いられ
るカチオン性活性剤としては、ポリエチレンイミン、第
4級アンモニウムクロライド、第4級アンモニウムサル
フェート等が挙げられ、本発明に好ましく用いられるノ
ニオン性活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキル
アミン、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0024】インク吸着層、最外層等の各層を形成する
樹脂組成物は、それぞれこれらを配合した後、二軸押出
機を用いて、好ましくは同方向二軸押出機を用いて混合
してから、ペレット化しておくことができる。なお、ペ
レット化は約160℃の温度で行うことが好ましい。
【0025】本発明においては、本発明の特性を損なわ
ない範囲内で酸化防止剤、紫外線防止剤等の各種の添加
剤をさらに含有させることができる。例えば、溶融押出
時の熱劣化を防止するために、樹脂組成物中に酸化防止
剤を含有させることが出来る。なお、熱安定性向上のた
めに添加する酸化防止剤の量としては、0.5重量%程
度が適当である。
【0026】また、インクジェット用記録材の手触りや
柔らかさ等、材料の風合いを改良するため可塑剤等を含
めることができる。本発明に好ましく用いられる可塑剤
としては、ポリエチレングリコール(PEG)等が挙げ
られる。また、ブロッキングを防止するために充填剤を
含めることができる。本発明に好ましく用いられる充填
剤としては例えばタルク等の無機充填剤を挙げることが
できる。
【0027】本発明のインクジェット用記録材が、基体
と、該基体上にインク吸着層および最外層を有する場合
に、その積層方法としては、例えば、各層の樹脂組成物
を共押出して積層する共押出法、2層以上を共押出でフ
ィルム状に形成し、これを他のシートと積層する押出ラ
ミネート法等を用いることができる。例えば、基体、イ
ンク吸着層および最外層の各層の樹脂組成物をそれぞれ
配合し、あるいは必要に応じてペレット状にして、Tダ
イを共有連結した3層Tダイ押出機の各ホッパーにそれ
ぞれ投入し、温度100〜150℃の範囲で溶融して、
3層Tダイから共押出し、冷却ロール、水中または空冷
等で冷却固化して、3層積層体のインクジェット用記録
材を形成することができる。または、インク吸着層およ
び最外層の各層の樹脂組成物を2層Tダイ押出機に搭載
して溶融し、2層Tダイから基体上に直接押し出して、
インクジェット用記録材を作製することもできる。ま
た、2層共押出しにより積層フィルムを形成した後、こ
の積層フィルムを基体上にラミネートしてもよいし、あ
るいは基体上に接着剤を介して積層してもよい。なお、
最外層を形成する樹脂としてPVAが用いられる場合に
は、PVAの重合度とケン化度とを適宜選択して共押出
しすることにより、インク吸着層と最外層との積層体を
形成することが好ましい。本発明において基体上の層は
インク吸着層と最外層とに限定されるものではないの
で、3層以上の層が基体上に設けられる場合には、共押
出に必要な数のTダイを具備するTダイ押出機を用いて
同様に作製することができる。また、インク吸着層と基
体との間に1層以上の層が設けられている場合には、例
えば基体上にかかる層を設けたシートを形成し、一方で
インク吸着層と耐熱層とを共押出により形成しておき、
これらをラミネート等することによって設けることもで
きる。
【0028】本発明においては、最外層をコーティング
等により形成してもよい。例えば、最外層を形成する樹
脂組成物を水等の溶媒に溶かした溶液を、インク吸着層
上にバーコーター、グラビアコーター等で塗布すること
により形成することができる。または、上記溶液を一旦
仮支持体上に塗布して膜を形成し、この膜をインク吸着
層上に転写することにより形成することもできる。
【0029】本発明のインクジェット用記録材が2層か
らなる場合には、2層を共押し出し、ラミネート等によ
り、またはコーティングにより形成することができる。
【0030】このようなインクジェット用記録材は公知
の方法により形成することができ、例えば、特開平10
−71763号第(6)〜(7)頁の記載に従って得る
ことができる。なお、基体としては用途によってプラス
チック、紙等の各種のものを用いることができ、例え
ば、オーバーヘッドプロジェクター等に用いられるイン
クジェット用記録材としては透明な基体が選択される。
【0031】最外層は、0.5μm〜10μmであるこ
とが好ましく、最外層の厚さを1μm以下にすれば、印
字されたインクの殆どがインク吸着層に捕捉される。ま
た、インク吸着層は、20μm〜70μmであることが
好ましく、インク吸着層の厚さが20μm以上であれ
ば、飛来したインクの殆ど全てを吸収することができ
る。
【0032】インクジェット用記録材が、最外層に水溶
性樹脂を有し、最外層のすぐ下のインク吸着層に吸水性
樹脂を有する構造を採ることにより、優れた印字品質、
耐熱性、耐ブロッキング性も有することができる。
【0033】本発明のインクジェット用記録材を用い
て、通常のインクジェット法により画像記録を行うこと
ができ、良好な画像を得ることができる。また、本発明
のインクジェット用記録材を用いて、通常の方法により
印刷用の版を作製することができ、かかる版を使用して
印刷した印刷物は、良好な画像を与えることができる。
【0034】
【実施例】実施例1 エチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合した
後、ブチレンオキシドを付加重合し、さらにエチレンオ
キシドを付加重合して得たポリアルキレンオキシドにオ
クタデカン−1,18−ジカルボン酸メチルを加え、エ
ステル交換反応を行って、重量平均分子量が15万の熱
可塑性樹脂を得た。これに熱安定剤としてトコフェノー
ル(「UVINUL2000AO」、BASF社製)を
1部配合した(試料A)。最外層用樹脂組成物としてP
VA(「ゴーセファイマー200」、日本合成化学
(株)製)を水に溶解した溶液(試料B)を、グラビア
コーターで乾燥膜厚が1.0μmとなるようにSRaが
0.15のマット処理したPET(仮支持体)上に塗布
して、最外層用の膜を形成した。同時に試料AをTダイ
を用いて溶融押し出しし、一方の面を基体のPETフィ
ルムで、他方の面をマット処理済み最外層用の膜で挟み
つつラミネートし、仮支持体を剥離してインクジェット
用記録材を作製した。ただし、Tダイの温度は120℃
であり、インク吸着層の厚さは30μmであり、基体の
PETフィルムの厚さは100μmであった。
【0035】比較例1 実施例1と同様にして試料Aを作製し、これを溶融押出
して30μmの厚さのシートを得た。次いで、このシー
トを厚さ100μmのPETフィルム上に貼り合わせ
て、基体上にマット処理されていないインク吸着層のみ
を有するインクジェット用記録材を作製した。
【0036】実施例2 エチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合した
後、ブチレンオキシドを付加重合し、さらにエチレンオ
キシドを付加重合して得たポリアルキレンオキシドにオ
クタデカン−1,18−ジカルボン酸メチルを加え、エ
ステル交換反応を行って、重量平均分子量が15万の熱
可塑性樹脂を得た。これに熱安定剤としてトコフェノー
ル(「UVINUL2000AO」、BASF社製)を
1部を配合した(試料A)。最外層用樹脂としてウレタ
ン系樹脂(「パテラコールA−60」、大日本インキ
(株)製)を水に溶解した溶液(試料C)を用意し、実
施例1と同様にしてグラビアコーターで乾燥膜厚が1.
0μmとなるようにSRaが0.15のマット処理した
PETシート(仮支持体)上にコーティングして耐熱層
用の膜を形成し、溶融押出しにより形成されたインク吸
着層を基体(PETフィルム)と最外層用の膜とで挟み
つつラミネートし、仮支持体を剥離してインクジェット
用記録材を作製した。ただし、インク吸着層の厚さは3
0μm、基体の厚さは100μm、Tダイの温度は12
0℃であった。
【0037】評価:作製したインクジェット用記録材に
ヒューレットパッカード社製の「デザインジェット 2
500CP」を用いて、独自に作製した模様パターンを
A4版で印刷し、フレキソ版に焼き付けを行って、印刷
用の版を作製した。得られた版を用いて印刷を行い、得
られた印刷物のインクの付着状態を観察し、インクムラ
が有るか否かを表1に示した。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、本発明の実施例
1,2のインクジェット用記録材を使用して作製した印
刷用の版は焼き付けムラがなかったので、この版を使用
して印刷した印刷物は、インクの付着状態が良好である
ことが分かった。一方、比較例1は、版の焼き付けの際
に焼き付けムラが生じ、得られた版の表面が荒れてお
り、また、かかる版を使用して印刷した印刷物はインク
の付着状態にムラが生じることが分かった。これは、実
施例1,2のインクジェット用記録材の表面には適度な
凹凸があるので焼き付け時に版の表面から発生するガス
を逃がすことができ、その結果、版の表面状態を良好に
することができるため、と考えられる。一方、表面に凹
凸のない比較例1においては、発生したガスが抜けきれ
ず、版の表面状態が悪化し、ムラが生じた。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明のインクジェ
ット用記録材は、フレキソ製版時に発生するガスを系外
に逃がすことができるので、印刷用の製版工程において
焼き付けムラを生じることがなく、この版を用いて印刷
された印刷物は良好な画像を与えることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方の最外層の表面が、版焼
    き付けの際に発生するガスを排出できるような凹凸を有
    することを特徴とするインクジェット用記録材。
  2. 【請求項2】 少なくとも一方の最外層の表面のSRa
    が0.08以上であることを特徴とするインクジェット
    用記録材。
  3. 【請求項3】 基体上に吸水性樹脂を主成分とするイン
    ク吸着層を有することを特徴とする請求項1または2の
    いずれか1項に記載のインクジェット用記録材。
  4. 【請求項4】 前記吸水性樹脂が、下記、一般式(1) 【化1】 であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であ
    り、a、b、cより計算される重量比、44(a+c)
    /(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
    b、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基
    を2個有する有機化合物の残基、Zは炭素数1以上の炭
    化水素基、R11はジカルボン酸類化合物残基またはジ
    イソシアネート系化合物残基である)で示されることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク
    ジェット用記録材。
  5. 【請求項5】 最外層としてポリビニルアルコール系樹
    脂またはウレタン系樹脂を主成分とする樹脂組成物から
    なる層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載のインクジェット用記録材。
  6. 【請求項6】 少なくとも一方の最外層の表面が有する
    凹凸は、最外層にマットシートを熱密着させた後、マッ
    トシートを剥離して、マットシート表面の凹凸を最外層
    に転写することにより形成されることを特徴とする請求
    項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット用記録
    材。
  7. 【請求項7】 少なくとも一方の最外層の表面が有する
    凹凸は、マット処理された仮支持体上に最外層用樹脂を
    コーティングして形成された膜を転写し、その後、仮支
    持体を剥離することにより形成されることを特徴とする
    インクジェット用記録材。
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