JPH082095A - 水性インキ印刷用多層基材 - Google Patents

水性インキ印刷用多層基材

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JPH082095A
JPH082095A JP6139869A JP13986994A JPH082095A JP H082095 A JPH082095 A JP H082095A JP 6139869 A JP6139869 A JP 6139869A JP 13986994 A JP13986994 A JP 13986994A JP H082095 A JPH082095 A JP H082095A
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JP
Japan
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water
resin
ink
layer
ethylene
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JP6139869A
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Yoshimasa Kume
義正 粂
Akira Morikawa
陽 森川
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Gunze Ltd
Original Assignee
Gunze Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、水性インキの吸収速度が速く、支
持基材との密着強度が強く、水性インキの定着性が良好
であり、インキの滲みがなく、しかも耐ブロッキング
性、透明性及び印刷性に優れた水性インキ印刷用多層基
材を提供することを目的とする。 【構成】 本発明の水性インキ印刷用多層基材は、少な
くとも一方の表面層が吸水性樹脂5〜95重量%とエチ
レン−酢酸ビニル共重合体けん化物及び/又は直鎖状ポ
リエステル系樹脂95〜5重量%とを含有する吸水性樹
脂層であることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性インキ印刷用多層
基材に関する。更に詳しくは、本発明は、バブルジェッ
トプリンター、ペンプロッター等で水性インキを印刷す
る際に、該水性インキを吸収させて画像等を定着するの
に好適な水性インキ印刷用多層基材に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】従来より、例えばバブルジェッ
トプリンター等を用いて水性インキで画像等を印刷又は
塗布して定着せしめる印刷用シート、オーバーヘッドプ
ロジェクター(OHP)用シート等としては、種々のプ
ラスチックフィルムが使用されている。斯かる水性イン
キ印刷用フィルムとしては、例えばポリエステル系フィ
ルムの表面に、水溶性ポリマー、例えばポリビニルピロ
リドン(PVP)等がコーティングされたフィルムが知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなポリエステル系フィルム(支持基材)の表面にPV
Pがコーティングされた水性インキ印刷用フィルムは、
表面がベトツキ易く保管性に問題があると共に、印刷直
後に水で拭き取るだけで水性インキが消去され、また吸
収された後でも擦るとインキが剥離し易い等インキの定
着性が不充分であるという問題点を有している。しかも
PVPはポリエステル系フィルムとの密着性に乏しく、
また水を含んで膨潤するとインキが滲み易くなり、更に
PVPがコーティングされた膜は強度が弱いという欠点
をも有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、水性インキ
の吸収速度が速く、支持基材との密着強度が強く、水性
インキの定着性が良好であり、インキの滲みがなく、し
かも耐ブロッキング性、透明性及び印刷性に優れた水性
インキ印刷用多層基材を開発すべく鋭意研究を重ねてき
た。その結果、支持基材に下記特定の吸水性樹脂層を積
層した多層積層体が所望の水性インキ印刷用多層基材に
なり得ることを見い出し、ここに本発明を完成するに至
った。
【0005】即ち、本発明は、少なくとも一方の表面層
が吸水性樹脂5〜95重量%とエチレン−酢酸ビニル共
重合体けん化物及び/又は直鎖状ポリエステル系樹脂9
5〜5重量%とを含有する吸水性樹脂層であることを特
徴とする水性インキ印刷用多層基材に係る。
【0006】本発明の吸水性樹脂層は、吸水性樹脂5〜
95重量%とエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物及
び/又は直鎖状ポリエステル系樹脂95〜5重量%とを
含有するものである。
【0007】ここで吸水性樹脂としては、従来公知のも
のをいずれも使用でき、例えばポリアルキレンオキシド
化合物及びその誘導体、架橋ポリアルキレンオキシド化
合物及びその誘導体、ポリアルキレンオキシド化合物又
はその誘導体とイソシアナート系化合物との反応生成
物、ポリアクリル系樹脂等を挙げることができ、本発明
ではこれらを1種単独で又は2種以上混合して使用し得
る。これら吸水性樹脂の中でも、ポリアルキレンオキシ
ド化合物及びその誘導体、架橋ポリアルキレンオキシド
化合物及びその誘導体、ポリアルキレンオキシド化合物
又はその誘導体とイソシアナート系化合物との反応生成
物並びにこれらの混合物が好適である。
【0008】ポリアルキレンオキシド化合物としては、
例えばエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド
を付加重合して得られるポリアルキレンオキシド化合物
が挙げられる。ポリアルキレンオキシド誘導体として
は、例えば多価アルコール(例えばエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール等)にエチレンオキシド及び/
又はプロピレンオキシドを付加して得られるポリアルキ
レンオキシド誘導体が挙げられる。これらポリアルキレ
ンオキシド化合物又はその誘導体の分子量は、特に限定
されるものではないが、通常2万以上が望ましい。
【0009】架橋ポリアルキレンオキシド化合物及びそ
の誘導体としては、上記ポリアルキレンオキシド化合物
及びその誘導体に電子線を約20Mrad程度照射した
もの等を挙げることができる。
【0010】ポリアルキレンオキシド化合物又はその誘
導体と反応するイソシアナート系化合物としては、分子
内にイソニトリル基(−N=C=O)を少なくとも1個
有するものである限り従来公知のものを広く使用でき、
例えばn−プロピルイソシアナート、n−ヘキシルイソ
シアナート、シクロヘキシルイソシアナート、フェニル
イソシアナート、ヘキサンジイソシアナート、ヘキサメ
チレンジイソシアナート等が挙げられる。
【0011】本発明で用いられるエチレン−酢酸ビニル
共重合体けん化物のエチレン含有量は特に限定がなく従
来公知のものを広く使用することができるが、エチレン
含有量が20〜60モル%のエチレン−酢酸ビニル共重
合体けん化物が好適に使用され得る。エチレン含有量が
20モル%より少なくなると、エチレン−酢酸ビニル共
重合体けん化物の融点が高くなり、水性インキ印刷用多
層基材の成形が困難になる傾向が生ずるので、好ましく
ない。また逆にエチレン含有量が60モル%を越える
と、過度の結晶化により延伸等が困難になる傾向が生
じ、好ましくない。またエチレン−酢酸ビニル共重合体
けん化物のけん化度も特に限定されるものではないが、
けん化度が96モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共重
合体けん化物が特に好ましい。
【0012】本発明で用いられる直鎖状ポリエステル系
樹脂としては、ジカルボン酸成分とジオール成分とから
なる従来公知の直鎖状ポリエステル系樹脂が広く使用さ
れる。ここでジカルボン酸成分としては、脂肪族ジカル
ボン酸、芳香族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸等や
これらの混合物が挙げられ、具体的には脂肪族ジカルボ
ン酸としては炭素数2〜20のアジピン酸、セバシン
酸、ドデカンカルボン酸等が、芳香族ジカルボン酸とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸等が、脂環式ジカルボン酸としてはシクロヘキサ
ンジカルボン酸等がそれぞれ例示される。またジオール
成分としては、脂肪族グリコール、脂環式グリコール等
やこれらの混合物が挙げられ、具体的には脂肪族グリコ
ールとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオ
ール等が、脂環式グリコールとしては1,4−シクロヘ
キサンジオール等がそれぞれ例示される。
【0013】本発明の吸水性樹脂層には、上記吸水性樹
脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物及び/又は
直鎖状ポリエステル系樹脂とが、重量比で通常前者:後
者=5〜95:95〜5、好ましくは前者:後者=30
〜80:70〜20、より好ましくは前者:後者=60
〜80:20〜40の割合で配合されているのがよい。
吸水性樹脂の配合量が5重量%より少なくなると、水性
インキの吸収速度が遅くなり、印刷直後の印刷インキが
水で拭くだけで容易に消去され、また吸収乾燥された後
でも擦るとインキが容易に剥離する等インキの定着性が
悪化する傾向があり、望ましくない。また逆に吸水性樹
脂の配合量が95重量%より多くなると、水性インキの
吸収量が多くなるためベトツキ易くなり、印刷後のフィ
ルムの保管性が悪くなると共に、インキの定着性も乏し
くなる傾向になり、好ましくない。
【0014】本発明の吸水性樹脂層には、更に必要に応
じて各種添加剤、充填剤等を適宜配合することができ
る。斯かる配合剤としては、界面活性剤、耐ブロッキン
グ剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等を例
示できる。充填剤としては、タルク、ガラス繊維等の無
機フィラーや有機フィラーを例示できる。
【0015】本発明の水性インキ用多層基材は、支持基
材の一方の面又は両面に上記吸着性樹脂層が積層された
ものである。
【0016】支持基材を構成する樹脂としては、熱可塑
性樹脂である限り従来公知のものを広く使用でき、例え
ばポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等を挙げることができ
る。本発明ではこれらの熱可塑性樹脂を1種単独で又は
2種以上混合して使用することができる。
【0017】ポリオレフィン系樹脂としては、例えばオ
レフィン類の単独重合体、相互共重合体、他の共重合可
能なモノマー、例えば他のビニル系モノマー等との共重
合体及びこれらの変性共重合体等を例示できる。具体的
には、低密度から高密度に亙る各種密度のポリエチレン
(線状低密度ポリエチレンを含む)、ポリプロピレン、
ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン
−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、アイ
オノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、変性ポリオレフィン系樹脂等
を例示できる。変性ポリオレフィン系樹脂としては、上
記オレフィン類の単独又は共重合体等に、例えばマレイ
ン酸、フマル酸、アクリル酸等の不飽和カルボン酸、そ
の酸無水物、エステル又は金属塩等を共重合、例えばグ
ラフト共重合したものを例示できる。前記変性ポリオレ
フィン系樹脂と他のポリオレフィン系樹脂との混合物も
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂の中に包含される。
【0018】ポリアミド系樹脂としては、脂肪族系ポリ
アミド樹脂、芳香族系ポリアミド樹脂、非晶質系ポリア
ミド樹脂等を例示できる。脂肪族ポリアミド樹脂として
は、従来公知のものを広く使用でき、具体的にはナイロ
ン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12等
のポリアミド、ナイロン6−66共重合体、ナイロン6
−610共重合体等を例示できる。芳香族系ポリアミド
樹脂としても従来公知のものを広く使用でき、具体的に
はメタキシリレンジアミンとアジピン酸とから合成され
たポリメタキシレンアジパニド等のメタもしくはパラメ
タキシリレンジアミンと炭素数4〜12程度のジカルボ
ン酸とから重縮合されたポリキシレン系重合体等を例示
できる。非晶質系ポリアミド樹脂は、結晶性がないもの
か又は結晶性に乏しいものを総称する概念であり、従来
公知のものを広く使用できる。斯かる非晶質系ポリアミ
ド樹脂としては一般的には主鎖及び/又は側鎖等に芳香
族環を有する半芳香族系ポリアミド樹脂を例示でき、具
体的にはテレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸
とヘキサメチレンジアミン等のジアミンとの共重合体、
三元共重合体等を例示できる。
【0019】ポリエステル系樹脂としては、上述した直
鎖状ポリエステル系樹脂をいずれも使用することができ
る。
【0020】ポリスチレン系樹脂としては、従来公知の
ものを広く使用でき、例えばスチレン系モノマーの単独
重合体、スチレンを主成分とした2成分系、3成分系共
重合体及びこれらに他の成分を配合した混合物等を例示
できる。より具体的には、スチレンモノマーの単独重合
体、合成ゴムを配合又は重合したポリスチレン、例えば
スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体(AN樹脂、AS樹脂)、スチレン−メ
チルメタアクリレート共重合体、スチレン,アクリロニ
トリル及びブタジエン3成分共重合体、例えばABS樹
脂、SNA樹脂、スチレン誘導体の重合体(例えばメチ
ルスチレン重合体、α−メチルスチレン重合体、ジクロ
ロスチレン重合体)及びこれらの混合物等を例示でき
る。
【0021】これらの熱可塑性樹脂には、更に必要に応
じて各種添加剤、充填剤等を適宜添加することができ
る。斯かる添加剤としては、界面活性剤、耐ブロッキン
グ剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等を例
示できる。充填剤としては、タルク、ガラス繊維等の無
機フィラーや有機フィラーを例示できる。
【0022】また本発明では、支持基材として上記熱可
塑性樹脂の他に、不織布、紙等を使用することもでき
る。
【0023】本発明においては、上記吸水性樹脂層と支
持基材層とを積層するに当り、両者の接着性を向上させ
る目的で、両層の間に接着性樹脂からなる接着層(以下
単に「接着層」という)を介在させるのが好ましい。斯
かる接着層を構成する樹脂としては、例えば上述した変
性ポリオレフィン系樹脂の他、従来公知のホットメルト
系接着剤、アイオノマー樹脂、エチレン−エチルアクリ
レート樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、変性エポ
キシ樹脂、水系ウレタン樹脂、紫外線硬化型樹脂、反応
性ポリオレフィン系オリゴマー等を例示できる。本発明
では、これらを1種単独で又は2種以上混合して使用で
きる。
【0024】本発明の水性インキ用多層基材の好ましい
態様としては、共押出法で成膜したフラット状フィルム
であって、吸水性樹脂層(A)、接着層(B)及び支持
基材層(C)が、(A)/(C)又は(A)/(B)/
(C)の順序で積層された層構成のものを挙げることが
できる。
【0025】上記各層を多層化する方法としては、上記
の共押出法以外に、押出ラミネート法、ドライラミネー
ト法等であってもよい。
【0026】本発明の水性インキ用多層基材は、上記の
基本構成さえ備えていれば他はいかなる構成であっても
よい。以下に本発明の水性インキ用多層基材の好ましい
層構成を示す。なお、Aは吸水性樹脂層、Bは接着層、
1 は熱可塑性樹脂層、Cは不織布、紙等の基材を意
味する。
【0027】A/C、A/C2 、A/C1 /A、A
/C2 /A、A/B/C1 、A/B/C2 、A/B/C
1 /B/A、A/B/C2 /B/A、A/B/C1 /B
/C2 、A/B/C2 /B/C1 、A/B/C1 /B/
1 /B/A、A/B/C1 /B/C2 /B/A、A/
B/C1 /B/C1 /B/C2 、A/B/C2 /B/C
1/B/C1 、A/B/C2 /B/C1 /B/C2
【0028】本発明の水性インキ用多層基材における各
層の厚みは、通常吸水性樹脂層が2〜30μ、接着層が
2〜10μ、支持基材層が6〜80μであるのがよい。
吸水性樹脂層の厚みが2μ未満では、水性インキの印刷
性が悪くなるので、好ましくない。本発明の水性インキ
用多層基材の用途では、吸水性樹脂層の厚みが30μを
越える必要はないが、用途によっては30μを越えてい
てもよい。
【0029】本発明に係る水性インキ用多層基材に、寸
法安定性、熱収縮性等を付与するために、上記共押出法
等で得た多層フィルムを1軸又は2軸延伸してもよい。
延伸方法としては、特に限定されるものではなく、逐次
2軸延伸、同時2軸延伸、チューブ状延伸、1軸延伸等
の各種の延伸方法を例示できる。延伸倍率としては、縦
方向に2〜5倍、横方向に2〜5倍が望ましい。延伸温
度としても特に制限されるものではないが、例えば逐次
2軸延伸の場合には、縦方向50〜120℃、横方向6
0〜145℃とするのがよい。更に必要ならば、延伸
後、引続き適宜な方法、条件で、多層フィルムを熱処
理、熱固定してもよい。
【0030】本発明に係る水性インキ用多層基材の用途
としては、例えばインキジェットプリンター、ペンプロ
ッター等で水性インキを印刷したバーコード用基材、O
HP用基材、熱転写プリンター用基材等を挙げることが
できる。
【0031】
【発明の効果】本発明の水性インキ用多層基材は、水性
インキの吸収速度が速く、支持基材との密着強度が強
く、水性インキの定着性が良好である。従って印刷直後
に水で表面を拭き取っても水性インキが消去されること
はなく、また吸収された後に擦ってもインキが剥離する
ことはない。また本発明の水性インキ用多層基材は、表
面にベトツキ感がなく保管性に問題が生ずることはな
い。更に本発明の水性インキ用多層基材は、インキの滲
みがなく、しかも耐ブロッキング性、透明性及び印刷性
に優れたものである。
【0032】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明をより一層明ら
かにする。
【0033】実施例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(エチレン含有
量32モル%、けん化度96モル%、融点184℃)5
0重量部と熱可塑性架橋ポリエチレンオキシド(住友精
化(株)製、アクアコーク)50重量部とを混合した。
【0034】30mmφ2軸押出機をバレル温度220
℃、ダイス温度200℃に設定し、押出機のホッパーに
上記混合物を供給した。次いで溶融混練を行ない、押出
機のダイスより吐出された溶融ストランドを空冷後、切
断し、粒径3mm、長さ4mmの吸水性ペレットを得
た。
【0035】次に、共押出用ダイスを連結した各々独立
した5台の押出機のシリンダー温度を230℃、ダイス
温度を210℃に設定し、5台の押出機の2台に上記で
得たペレット(A)を、他の2台に接着性樹脂(変性ポ
リオレフィン系樹脂,アドマー,三井石油化学工業
(株)製)(B)を、他の1台にエチレン−酢酸ビニル
共重合体けん化物(エチレン含有量32モル%,けん化
度96モル%,融点184℃)(C)をそれぞれ供給し
た。次いで各樹脂を溶融混練し、共押出用ダイスより押
出し、A/B/C/B/A構成の溶融状5層フィルムを
得た。次いでこの溶融状5層フィルムを約45℃に設定
されたチルロールで冷却し、厚み120μの水性インキ
印刷用多層基材を得た。
【0036】実施例2 吸水性ペレットとして固有粘度(IV)0.78の直鎖
状非晶質系ポリエステル系ポリエステル樹脂(ダイヤナ
イト,三菱レーヨン(株)製)45重量部と熱可塑性架
橋ポリエチレンオキシド(住友精化(株)製、アクアコ
ーク)55重量部との混合物からなる吸水性ペレットを
用い、且つ支持基材層(C)として固有粘度(IV)
1.20の非晶質系ポリエステル樹脂を用いる以外は、
実施例1と同様にして厚み120μの水性インキ印刷用
多層基材を得た。
【0037】比較例1 ポリエステル系樹脂(ダイヤナイト,三菱レーヨン
(株)製)にポリビニルピロリドン(分子量10万)を
コーティングした水性インキ印刷用基材を得た。
【0038】比較例2 吸水性ペレットとして熱可塑性ポリエチレンオキシドの
粉末(アルコックス,明成化学(株)製)を150℃に
加熱された加圧ニーダーで溶融混練して造粒した粒径4
mm、長さ4mmのペレットを用いる以外は、実施例1
と同様にして熱可塑性ポリエチレンオキシドからなる層
/接着層/エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物から
なる層/接着層/熱可塑性ポリエチレンオキシドからな
る層=30/10/100/10/30(μ)、トータ
ル厚み180μの水性インキ印刷用多層基材を得た。
【0039】上記実施例1〜2及び比較例2で得られた
水性インキ印刷用多層基材並びに比較例1で得られた水
性インキ印刷用基材につき、吸水後の吸水性樹脂からな
る膜強度、水性インキ吸収速度、水性インキの印刷性、
水性インキの定着性、水性インキの滲み、透明性、耐ブ
ロッキング性及び表面のベタツキを以下の方法で調べ、
結果を下記表1に示す。
【0040】吸水後の吸水性樹脂からなる膜強度;水性
インキ印刷用基材を流水中に30秒間浸漬し、吸水膜の
変化を測定した。◎:非常に優れている、○:優れてい
る、△:使用に差支えない、×:劣る 水性インキ吸収速度(速乾性);印刷後直ちに紙で拭き
取り、インキ消去の有無で評価した。◎:非常に優れて
いる、○:優れている、△:使用に差支えない、×:劣
る 水性インキの印刷性(印字性);キャノン社製BJ60
0Iで評価した。◎:非常に優れている、○:優れてい
る、△:使用に差支えない、×:劣る 水性インキの定着性;キャノン社製BJ600Iで印字
後、水を含浸した布で表面を拭き、評価した。◎:非常
に優れている、○:優れている、△:使用に差支えな
い、×:劣る 水性インキの滲み;水に10秒漬け水性インクの滲みを
評価した。◎:非常に優れている、○:優れている、
△:使用に差支えない、×:劣る 透明性;日本電色工業社製デシタルヘイズメターNDH
2Dでヘイズを測定して評価した 耐ブロッキング性;水性インキ印刷用多層基材を5枚重
ね合せ、20g/cm2の荷重をかけ、40℃、90%
RH、5日間放置後の状態を評価した。◎:非常に優れ
ている、○:優れている、△:使用に差支えない、×:
劣る 表面のベタツキ;水性インキ印刷用多層基材を25℃、
65%RH、5日間放置後、官能試験で評価した。○:
ベタツキなし、×:ベタツキあり。
【0041】
【表1】
【0042】表1から明らかなように、本発明の水性イ
ンキ印刷用多層基材(実施例1及び実施例2)は、水性
インキの吸収速度が速く、水性インキの定着性が良好で
あり、水性インキの滲みが発生せず、透明性、印刷性、
耐ブロッキング性に優れ、表面のベトツキが少ないもの
であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08L 23/08 LDM 29/04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方の表面層が吸水性樹脂5
    〜95重量%とエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
    及び/又は直鎖状ポリエステル系樹脂95〜5重量%と
    を含有する吸水性樹脂層であることを特徴とする水性イ
    ンキ印刷用多層基材。
  2. 【請求項2】 吸水性樹脂5〜95重量%とエチレン−
    酢酸ビニル共重合体けん化物及び/又は直鎖状ポリエス
    テル系樹脂95〜5重量%とを含有する吸水性樹脂層、
    接着性樹脂からなる接着層及び支持基材層がこの順序で
    積層された3層積層体を含む水性インキ印刷用多層基
    材。
JP6139869A 1994-06-22 1994-06-22 水性インキ印刷用多層基材 Pending JPH082095A (ja)

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JP (1) JPH082095A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09207425A (ja) * 1996-02-02 1997-08-12 Kuraray Co Ltd 被記録材
JPWO2006019134A1 (ja) * 2004-08-19 2008-05-08 三菱樹脂株式会社 インクジェット記録材料
WO2011132615A1 (ja) * 2010-04-23 2011-10-27 住友精化株式会社 湿潤時の潤滑性が維持された樹脂組成物

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