JP3907381B2 - インクジェット用記録材の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録に好適なインクジェット用記録材に関し、特に耐熱性および印字品質等に優れ、かつ層間剥離を生じないインクジェット用記録材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット法による記録は騒音が無く、高速印字が可能であり、低コストであることからカラーコピー、コンピューター等の画像情報出力装置に用いられ、急速に普及しつつある。
インクジェット用記録材としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン等の親水性樹脂やポリエチレンオキシド系の熱可塑性樹脂を使用したものが知られている。基体上にPVA等を塗布したインクジェット用記録材は、インク受容層の厚さが薄くなってしまうので、インクの吸収能力が低く、乾燥速度の低下等を引き起こし、その結果インクのムラ等の印字品質の問題が生じた。また、高温環境下では含有成分のブリードアウトによりべたつきが生じ、ブロッキングの恐れもあった。ポリエチレンオキシド系の熱可塑性樹脂を用いて形成されたインクジェット用記録材は、樹脂の物性上融点が低いので、高温高湿環境下ではブロッキングが生じたり、表面の荒れからヘーズが高く、表面の光の反射も散乱するため非常に色の発色が悪く、また、画像全体が暗くなる等の問題があった。
また、グラビアコーティング等により直接形成した耐ブロッキング膜を有するインクジェット用記録材も研究されているが、耐ブロッキング膜との間に層間剥離や分離が生じる等の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、耐熱性、耐ブロッキング性、耐傷性および印字品質に優れ、かつ層間剥離も生じないインクジェット用記録材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット用記録材の製造方法は、基体上に下記一般式(1)で表される吸水性樹脂を主成分とするインク吸着層および最外層として耐熱層を有し、該耐熱層がポリビニルアルコール系樹脂またはウレタン系樹脂を主成分とする耐熱層用樹脂組成物からなり、該耐熱層が、仮支持体上に塗布して形成された耐熱層用樹脂組成物からなる被膜を、インク吸着層を基体上に溶融押出しする際に該インク吸着層上に転写し、その後、仮支持体を剥離することを特徴とする。
【化2】
Figure 0003907381
であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であり、a、b、cより計算される重量比、44(a+c)/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)b、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基を2個有する有機化合物の残基、Zは炭素数1以上の炭化水素基、R11はジカルボン酸類化合物残基またはジイソシアネート系化合物残基である)
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のインクジェット用記録材は、基体上にインク吸着層及び耐熱層を有する。耐熱層はインクジェット用記録材の最外層を構成し、インク吸着層は基体と耐熱層との間に位置する。また、インク吸着層と基体との間には他の層を有していてもよい。
インク吸着層は、吸水性樹脂を主成分とする樹脂組成物からなり、耐熱層は有効成分として水溶性樹脂を含有する樹脂組成物からなり、任意的に設けられる他の層は、例えば親水性樹脂層等の場合には汎用の親水性樹脂を含むことができる。
【0006】
本発明における耐熱層は、転写コーティングにより形成される。ここで、転写コーティングとは、耐熱層を形成する樹脂組成物の溶液を仮支持体上にバーコーターやグラビアコーター等で塗布して被膜を形成し、この被膜をインク吸着層上に転写することをいう。インク吸着層上への転写は、インク吸着層を形成する樹脂組成物を基体上に溶融押出しする際に、または樹脂組成物を基体上に溶融押出しした後に、インク吸着層面にラミネートすることにより行われる。
【0007】
ここで、溶媒は適宜選択されるが、PVA等を用いる場合には水を溶媒として用いることができる。また、仮支持体としては、塗布に適しており、かつ転写した後に形成された塗布膜を傷つけることなく容易に剥離できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、PETシート等が挙げられる。本発明においては、仮支持体の表面に剥離処理等が適宜施されていてもよい。
なお、溶剤が水系である樹脂組成物をグラビアコーティング等により直接塗布しても、インク吸着層と耐熱層との間の層間剥離や分離が生じてしまうので、層間剥離を生じさせないためには本発明のように転写コーティングにより形成する必要がある。
【0008】
本発明のインクジェット用記録材は、基体と、該基体上にインク吸着層および耐熱層を有する。
本発明のインクジェット用記録材は、例えば図1に示すように、共押出しサンドラミネートにより形成することができる。耐熱層を形成する樹脂組成物を水等の溶媒に溶かして溶液とし、この溶液を仮支持体1上にバーコーター、グラビアコーター等で塗布することにより耐熱層2を形成する。一方、インク吸着層を形成する樹脂組成物をTダイのホッパー3に投入し、溶融押出しによりインク吸着層4を形成するが、形成と同時にインク吸着層4の両面に基体5と耐熱層2とをラミネートする。ラミネートされた積層体を冷却、固化した後、仮支持体1を剥離することにより、基体5上にインク吸着層4と耐熱層2を有するインクジェット用記録材6を形成することができる。
【0009】
本発明のインクジェット用記録材は、基体およびインク吸着層の積層体に耐熱層を転写することにより形成する。
基体にインク吸着層を積層する方法としては、例えば、基体およびインク吸着層の各層の樹脂組成物をそれぞれ配合し、あるいは必要に応じてペレット状にして、Tダイを共有連結した2層Tダイ押出機の各ホッパーにそれぞれ投入し、温度100〜170℃の範囲で溶融して、2層Tダイから共押出しし、冷却ロール、水中または空冷等で冷却固化して、2層積層体を形成することができる。または、インク吸着層の樹脂組成物をTダイ押出機に搭載して溶融し、Tダイから基体上に直接押出して、基体上にインク吸着層を有する積層体を形成してもよいし、または、押出しによりフィルムを形成した後、このフィルムを基体上にラミネートしても、もしくは基体上に接着剤を介して積層してもよい。
本発明において基体上の層はインク吸着層と耐熱層とに限定されるものではないので、3層以上の層が基体上に設けられる場合には、共押出しに必要な数のTダイを具備するTダイ押出機を用いて同様に作製することができる。また、インク吸着層と基体との間に1層以上の層が設けられている場合には、例えば基体上にかかる層を設けたシートを形成しておき、その上にインク吸着層をラミネート等することによって設けることもできる。
インク吸着層等の積層体は公知の方法により形成することができ、例えば、特開平10−71763号第(6)〜(7)頁の記載に従って得ることができる。
【0010】
なお、基体としては用途によってプラスチック、紙等の各種のものを用いることができ、例えば、オーバーヘッドプロジェクター等に用いられるインクジェット用記録材としては透明な基体が選択される。
【0011】
耐熱層は水溶性樹脂を主成分とする樹脂組成物からなることが好ましく、水溶性樹脂としてはポリビニルアルコール(以下「PVA」ということもある)、変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系樹脂、ウレタン系樹脂等が好ましく用いられる。具体的には、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、他の樹脂と共重合したポリビニルアルコール、他の親水性ポリマーとブレンドしたポリビニルアルコール等が挙げられる。
なお、本発明に用いられる水溶性樹脂は、融点が80℃以上であることが好ましく、また、樹脂の構造単位に親水基、例えば−OH、−COOHを有することが好ましい。
【0012】
耐熱層の形成に用いられるポリビニルアルコール(PVA)としては、特に限定されることなく一般に用いられるものが挙げられるが、例えば、冷水可溶タイプのPVAであり、好ましくはケン化度が20〜100%、さらには60〜100%であることが好ましい。
【0013】
本発明に用いられるPVAの粘度平均重合度は40〜5000であることが好ましい。
【0014】
耐熱層に用いられるウレタン系樹脂としては、例えば、アルキレンオキサイド鎖を含有するポリウレタン樹脂、スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート鎖を含有するポリウレタン樹脂、ポリカーボネート鎖およびポリエステル鎖を含有するポリウレタン樹脂等が挙げられ、例えば商品名「パテラコールA−60」(大日本インキ(株)製)、を商業的に入手することができる。
【0015】
インク吸着層に用いられる吸水性樹脂としては熱可塑性樹脂等が挙げられ、例えば、ポリアルキレンオキシド、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリウレタン系樹脂、セルロース系化合物、およびこれらの変性物等が挙げられる。これらは単独で用いても、1以上を混合して用いてもよい。
【0016】
生産性に優れた押し出し法等のドライな方法でフィルム化できる吸水性樹脂としては、例えば、ポリエチレンオキシドが適しており、本発明においては、下記一般式(1)で表される繰り返し単位から構成される親水性の熱可塑性樹脂を好ましく用いることが好ましい。
【化3】
Figure 0003907381
であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であり、a、b、cより計算される重量比、44(a+c)/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)b、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基を2個有する有機化合物の残基、Zは炭素数1以上の炭化水素基、R11はジカルボン酸類化合物残基またはジイソシアネート系化合物残基である。
【0017】
ここで、活性水素基を2個有する有機化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールA、アニリンプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等がある。
【0018】
上述した重量比、すなわち44(a+c)/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)b、が80/20より小さいと親水性が低下し、インク吸水性、印刷適性で劣るものとなる。一方、94/6を超えると、インクの滲み耐水性等の点で劣るものとなる。Zは前記一般式(1)で示される樹脂組成物に疎水性を付与する機能を有するものであり、例えば好ましいものとしてはエチル基等のアルキル基等が上げられ、a、b、cの割合を上述の範囲内とすることにより、親水性を失わず、かつ、水に対して不溶化することができる。
かかる熱可塑性樹脂は、エチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合した後、アルキレンオキシドを付加重合し、さらにエチレンオキシドを付加重合して生成したポリアルキレンオキシドにジカルボン酸化合物またはジイソシアネート化合物を反応させて生成することができる。
【0019】
上記ジカルボン酸化合物としては環状ジカルボン酸化合物または直鎖状ジカルボン酸化合物が望ましく、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸の低級アルキルエステルが挙げられる。上記ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マロン酸、コハク酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、イタコン酸が挙げられる。上記ジカルボン酸無水物としては、上記各種ジカルボン酸の無水物が挙げられる。また、上記ジカルボン酸の低級アルキルエステルとしては、上記各種のジカルボン酸のメチルエステル、ジメチルエステル、エチルエステル、ジエチルエステル、プロピルエステル、ジプロピルエステル等が挙げられる。
特に好ましくは、炭素数12〜36の直鎖状ジカルボン酸およびその低級アルキルエステルが挙げられ、1,10−デカメチレンジカルボン酸、1,14−テトラデカメチレンジカルボン酸、1,18−オクタデカメチレンジカルボン酸、1,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸等が挙げられる。上記の低級アルキルエステルとしては、これらジカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ジプロピルエステル等が挙げられる。これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いることができる。なかでも、反応の容易性という観点から、上記ジカルボン酸無水物およびジカルボン酸の低級アルキルエステルを用いることが好ましい。
【0020】
上記ジイソシアネート化合物としては、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上併せて用いることができる。
【0021】
本発明のインクジェット用記録材には、インクの滲み特性を改良する目的等で、カチオン性ポリマーを含有することができる。カチオン性ポリマーが添加される層は特に限定されず、例えばインク吸着層および耐熱層のいずれか1層または両方に含有することができる。本発明に好ましく用いられるカチオン性ポリマーとしては、例えばポリアリルアミン塩酸塩、ポリアルキルアミノアクリレート等、第4級化されたアミノ基を有するモノマーからなる共重合体等の高分子化合物が挙げられる。これらの高分子化合物は、融点(Tm)が60℃〜200℃の範囲であり、分子量が1000〜10万の範囲内であることが好ましい。
【0022】
本発明において、カチオン性ポリマーの含有量は約5〜70重量%であることが好ましい。カチオン性ポリマーの含有量が5重量%以上であれば、インクの滲みを効果的に抑制することができる。
【0023】
インク吸着層、耐熱層等には、さらにカチオン性活性剤またはノニオン性活性剤を含めることができる。本発明において、カチオン性活性剤またはノニオン性活性剤の樹脂中の含有量は1重量%〜10重量%の範囲内であることが好ましい。
本発明に好ましく用いられるカチオン性活性剤としては、ポリエチレンイミン、第4級アンモニウムクロライド、第4級アンモニウムサルフェート等が挙げられ、本発明に好ましく用いられるノニオン性活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0024】
インク吸着層を形成する樹脂組成物、耐熱層を形成する樹脂組成物は、これらを配合した後、二軸押出機を用いて、好ましくは同方向二軸押出機を用いて混合してから、ペレット化しておくことができる。なお、ペレット化は約160℃の温度で行うことが好ましい。
【0025】
本発明においては、本発明の特性を損なわない範囲内で酸化防止剤、紫外線防止剤等の各種の添加剤をさらに含有させることができる。例えば、溶融押出し時の熱劣化を防止するために、樹脂組成物中に酸化防止剤を含有させることが出来る。なお、熱安定性向上のために添加する酸化防止剤の量としては、0.3〜1.5重量%程度が適当である。
【0026】
また、インクジェット用記録材の手触りや柔らかさ等、材料の風合いを改良するため可塑剤等を含めることができる。本発明に好ましく用いられる可塑剤としては、ポリエチレングリコール(PEG)等が挙げられる。また、ブロッキングを防止するために充填剤を含めることができる。本発明に好ましく用いられる充填剤としては例えばタルク等の無機充填剤を挙げることができる。
【0027】
最外層である耐熱層の厚さは、0.5μm〜10μmであることが好ましく、耐熱層の厚さを1μm以下にすれば、印字されたインクの殆どがインク吸着層に捕捉される。また、インク吸着層の厚さは、10μm〜70μmであることが好ましく、インク吸着層の厚さが20μm以上であれば、飛来したインクの殆ど全てを吸収することができる。
【0028】
本発明のインクジェット用記録材を用いて、通常のインクジェット法により画像記録を行うことができ、良好な画像を得ることができる。
【0029】
【実施例】
実施例1
エチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合した後、ブチレンオキシドを付加重合し、さらにエチレンオキシドを付加重合して得たポリアルキレンオキシドにオクタデカン−1,18−ジカルボン酸メチルを加え、エステル交換反応を行って、重量平均分子量が15万の熱可塑性樹脂を得た。これに熱安定剤としてトコフェロール(「UVINUL2000AO」、BASF社製)を1部を配合した(試料A)。
耐熱層用樹脂組成物としてPVA(「ゴーセファイマー200」、日本合成化学(株)製)を水に溶解した溶液(試料B)を、グラビアコーターで乾燥膜厚が0.5μmとなるように仮支持体のPETシート上に塗布して、耐熱層用の膜を形成した。同時に試料AをTダイを用いて溶融押出しし、一方の面を基体のPETフィルムで、他方の面を形成した耐熱層用の膜で挟みつつラミネートしてインクジェット用記録材を作製した。ただし、Tダイの温度は120℃であり、インク吸着層の厚さは30μmであり、基体のPETフィルムの厚さは100μmであった。
【0030】
実施例2
実施例1において、耐熱層の厚さを2μm、インク吸着層の厚さを30μmと変更した以外は実施例1と同様にして、インクジェット用記録材を作製した。
【0031】
比較例1
実施例1と同様にして試料Aを作製し、これを溶融押出しして30μmの厚さのシートを得た。次いで、このシートを厚さ100μmのPETフィルム上に貼り合わせて、基体上にインク吸着層のみを有するインクジェット用記録材を作製した。
【0032】
比較例2
実施例1において試料Bを転写コーティングを用いないで形成した以外は実施例1と同様にしてインクジェット用記録材を作製した。すなわち、実施例1と同様にして試料Aを作製し、これを溶融押出しして30μmの厚さのシートを得た。次いで、厚さ100μmのPETフィルム上に貼り合わせ、基体上にインク吸着層を有するフィルムを作製した。その後、インク吸着層上に、PVA(「ゴーセファイマー200」、日本合成化学(株)製)を水に溶解した溶液(試料B)をグラビアコーターで乾燥膜厚が0.5μmとなるようにコーティングしてインクジェット用記録材を作製した。
【0033】
実施例3
エチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合した後、ブチレンオキシドを付加重合し、さらにエチレンオキシドを付加重合して得たポリアルキレンオキシドにオクタデカン−1,18−ジカルボン酸メチル加え、エステル交換反応を行って、重量平均分子量が15万の熱可塑性樹脂を得た。これに熱安定剤としてトコフェノール(「UVINUL2000AO」、BASF社製)を1部を配合した(試料A)。
耐熱層用樹脂としてウレタン系樹脂(「パテラコールA−60」、大日本インキ(株)製)を水に溶解した溶液(試料C)を用意し、実施例1と同様にしてグラビアコーターで乾燥膜厚が0.5μmとなるように仮支持体(PETシート)上にコーティングして耐熱層用の膜を形成し、溶融押出しにより形成されたインク吸着層を基体(PETフィルム)と耐熱層用の膜とで挟みつつラミネートしてインクジェット用記録材を作製した。ただし、インク吸着層の厚さは30μm、基体の厚さは100μm、Tダイの温度は120℃であった。
【0034】
比較例3
実施例3において試料Cを転写コーティングを用いないで形成した以外は実施例3と同様にしてインクジェット用記録材を作製した。すなわち、実施例3と同様にして試料Aを作製し、これを溶融押出しして30μmの厚さのシートを得た。次いで、厚さ100μmのPETフィルム上に貼り合わせ、基体上にインク吸着層を有するフィルムを作製した。その後、インク吸着層上に、ウレタン系樹脂(「パテラコールA−60」、大日本インキ(株)製)を水に溶解した溶液(試料C)をグラビアコーターで乾燥膜厚が0.5μmとなるようにコーティングしてインクジェット用記録材を作製した。
【0035】
得られたインクジェット用記録材について、印字品質、耐熱性および層間の状態の評価を下記に従い行った。
(1)印字品質
インクジェット用記録材にヒューレットパッカード社製の「デザインジェット 2500CP」を用いて、独自に作製した模様パターンをA4版で印刷し、その発色状態や表面光沢状態等から写真に近い画質が得られるかを目視判定した。画質が良好で、写真に近い画像が得られたものを記号「○」、画像が暗く、発色も悪く、画質が悪いものを「×」で示した。
(2)耐熱性
インクジェット用記録材にヒューレットパッカード社製の「デザインジェット 2500CP」を用いて、独自に作製した模様パターンをA4版で印刷し、これを50枚重ねて、100℃の熱風乾燥機中に入れて6時間放置した。放置後のサンプルについて、ブロッキング性を評価した。ただし、ブロッキングがなく、タックも全く生じないものを記号「○」、ブロッキングはないがタックが若干認められるものを「△」、ブロッキングが生じたものを「×」で示した。その結果を表1に示す。
(3)層間の状態
耐熱層とインク吸着層との間の層間の状態を、剥離しているか否か、またヘーズが生じているか否か等の観点から評価した。ヘーズが低くて透明であり、層間に剥離が生じていないものを記号「○」、ヘーズが高く、部分的に層間剥離が生じているものを「×」で示した。
【0036】
【表1】
Figure 0003907381
【0037】
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜実施例3のインクジェット用記録材は、耐熱性に優れ、ハンドリング性に優れたものであり、また、印字品質も良好で、層間剥離も生じないものであることが分かった。一方、比較例1のように耐熱層を有さないインクジェット用記録材では、耐熱性の点でユーザーのハンドリングが悪くなった。比較例2および比較例3のように耐熱層を転写コーティングではなく、インク吸着層上に直接コーティングにより形成したインクジェット用記録材は層間剥離が生じた。すなわち、本発明の構成をとることによってはじめて、各特性すべてを同時に満足しうるインクジェット用記録材が得られる。なお、本発明のインクジェット用記録材は耐傷性にも優れていた。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のインクジェット用記録材は、耐熱性、耐ブロッキング性、耐傷性および印字品質に優れ、かつ層間剥離が生じないインクジェット用記録材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写コーティングによりインクジェット用記録材を形成する様子を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
1 仮支持体
2 耐熱層
3 Tダイのホッパー
4 インク吸着層
5 基体
6 インクジェット用記録材

Claims (1)

  1. 基体上に下記一般式(1)で表される吸水性樹脂を主成分とするインク吸着層および最外層として耐熱層を有し、該耐熱層がポリビニルアルコール系樹脂またはウレタン系樹脂を主成分とする耐熱層用樹脂組成物からなり、該耐熱層が、仮支持体上に塗布して形成された耐熱層用樹脂組成物からなる被膜を、インク吸着層を基体上に溶融押出しすると同時に該インク吸着層上に転写し、その後、仮支持体を剥離することを特徴とするインクジェット用記録材の製造方法。
    Figure 0003907381
    であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であり、a、b、cより計算される重量比、44(a+c)/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)b、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基を2個有する有機化合物の残基、Zは炭素数1以上の炭化水素基、R11はジカルボン酸類化合物残基またはジイソシアネート系化合物残基である)
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