JP3907378B2 - インクジェット用記録材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録に好適なインクジェット用記録材に関し、特に耐熱性、耐ブロッキング性、耐傷性、すべり性、印字品質等に優れたインクジェット用記録材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット法による記録は騒音が無く、高速印字が可能であり、低コストであることからカラーコピー、コンピューター等の画像情報出力装置に用いられ、急速に普及しつつある。
インクジェット用記録材としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン等の親水性樹脂やポリエチレンオキシド系の熱可塑性樹脂を使用したもの等が知られている。基体上にPVA等を塗布したインクジェット用記録材は、インク受容層の厚さが薄くなってしまうので、インクの吸収能力が低く、乾燥速度の低下等を引き起こし、その結果インクのムラ等の印字品質の問題が生じた。また、高温環境下では含有成分のブリードアウトによりべたつきが生じ、ブロッキングの恐れもあった。ポリエチレンオキシド系の熱可塑性樹脂を用いて形成されたインクジェット用記録材は、樹脂の物性上融点が低いので、高温高湿環境下ではブロッキングが生じたり、シート表面の摩擦係数が多く、給紙時に不具合が生じる等の問題があった。
熱可塑性樹脂からなる層と親水性樹脂からなる層とを積層したインクジェット用記録材が研究されているが、高温高湿環境下で保存されるとブロッキングが生じた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、耐熱性、耐湿性、耐ブロッキング性、耐傷性、すべり性および印字品質が改良されたインクジェット用記録材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット用記録材は、基体上に下記一般式(1)で示される吸水性樹脂を主成分とするインク吸着層および最外層として耐熱層を有し、該耐熱層が多孔質の無機充填剤としてシリカ又はタルクを0.5〜50重量%含有し、該耐熱層がポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなることを特徴とする。
【化2】
Figure 0003907378
であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であり、a、b、cより計算される重量比、44(a+c)/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)b、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基を2個有する有機化合物の残基、Zは炭素数1以上の炭化水素基、R11はジカルボン酸類化合物残基である。)
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のインクジェット用記録材は、基体上にインク吸着層及び耐熱層を有する。耐熱層はインクジェット用記録材の最外層を構成し、インク吸着層は基体と耐熱層との間に位置する。また、インク吸着層と基体との間には他の層を有していてもよい。
インク吸着層は、吸水性樹脂を主成分とする樹脂組成物からなり、耐熱層は有効成分として水溶性樹脂を含有する樹脂組成物からなり、任意的に設けられる他の層は、例えば親水性樹脂層等である場合には汎用の親水性樹脂を含むことができる。
【0006】
耐熱層は水溶性樹脂を主成分とする樹脂組成物からなることが好ましく、水溶性樹脂としてはポリビニルアルコール(以下「PVA」ということもある)、変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系樹脂、ウレタン系樹脂等が好ましく用いられる。具体的には、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、他の樹脂と共重合したポリビニルアルコール、他の親水性ポリマーとブレンドしたポリビニルアルコール等が挙げられる。
なお、本発明に用いられる水溶性樹脂は、融点が80℃以上であることが好ましく、また、樹脂の構造単位に親水基、例えば−OH、−COOHを有することが好ましい。
【0007】
耐熱層は多孔質の無機充填剤を含有していることが必要である。その含有量は0.5〜50重量%であることが好ましく、更には5〜30重量%であることが好ましい。
好ましく用いられる多孔質の無機充填剤としては、タルク、シリカ等が挙げられる。なお、本発明においては多孔質であることが必要であり、多孔質でない通常の無機充填剤を用いた場合には、インクののりが悪く、印字品質に問題が生じる。
【0008】
耐熱層の形成に用いられるポリビニルアルコール(PVA)としては、特に限定されることなく一般に用いられるものが挙げられるが、例えば、冷水可溶タイプのPVAであり、好ましくはケン化度が20〜100%、さらには20〜90%、特に40〜80%であることが好ましい。また、分解温度と融点(成形温度)との差が20℃以上であることが好ましい。
分解温度と融点(Tm)との温度差を20℃以上にするためには、例えば、PVAの粘度平均重合度を200〜1,000に調整することにより、またはPVAとエチレン性モノマーとの共重合体を形成することにより、またはPVAに可塑剤を添加することにより、温度差を20℃以上にすることができる。PVAとエチレン性モノマーとの共重合体を形成することにより温度差を設定する場合には、例えば、N−ビニルピロリドンを10モル%程度重合するとよい。可塑剤を添加することにより温度差を設定する場合には、グリセリン、エチレングリコール等を15重量%程度添加することが好ましい。このようにして、PVAの融点を180℃以下にすることができ、したがって分解温度と融点との温度差を20℃以上にすることができる。
【0009】
本発明に用いられるPVAの粘度平均重合度は40〜5,000であることが好ましく、さらには50〜2,000、特に100〜1,000であることが好ましい。
また、本発明に用いられるPVAはネッキング(押出機から押し出されたフィルムまたはシートが横方向に収縮してたわむこと)を改良するために、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.8以上であることが好ましい。
【0010】
耐熱層に用いられるウレタン系樹脂としては、例えば、アルキレンオキサイド鎖を含有するポリウレタン樹脂、スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート鎖を含有するポリウレタン樹脂、ポリカーボネート鎖およびポリエステル鎖を含有するポリウレタン樹脂等が挙げられ、例えば商品名「パテラコールA−60」(大日本インキ(株)製)、を商業的に入手することができる。
【0011】
インク吸着層に用いられる吸水性樹脂としては熱可塑性樹脂等が挙げられ、例えば、ポリアルキレンオキシド、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリウレタン系樹脂、セルロース系化合物、およびこれらの変性物等が挙げられる。これらは単独で用いても、1以上を混合して用いてもよい。
【0012】
本発明においては、インク吸着層に、下記一般式(1)で表される繰り返し単位から構成される親水性の熱可塑性樹脂を好ましく用いることが好ましい。
【化3】
Figure 0003907378
であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であり、a、b、cより計算される重量比、44(a+c)/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)b、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基を2個有する有機化合物の残基、Zは炭素数1以上の炭化水素基、R11はジカルボン酸類化合物残基またはジイソシアネート系化合物残基である。
【0013】
ここで、活性水素基を2個有する有機化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールA、アニリンプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等がある。
【0014】
上述した重量比、すなわち44(a+c)/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)b、が80/20より小さいと親水性が低下し、インク吸水性、印刷適性で劣るものとなる。一方、94/6を超えると、インクの滲み耐水性等の点で劣るものとなる。Zは前記一般式(1)で示される樹脂組成物に疎水性を付与する機能を有するものであり、例えば好ましいものとしてはエチル基等のアルキル基等が挙げられ、a、b、cの割合を上述の範囲内とすることにより、親水性を失わず、かつ、水に対して不溶化することができる。
かかる熱可塑性樹脂は、エチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合した後、アルキレンオキシドを付加重合し、さらにエチレンオキシドを付加重合して生成したポリアルキレンオキシドにジカルボン酸化合物またはジイソシアネート化合物を反応させて生成することができる。
【0015】
上記ジカルボン酸化合物としては環状ジカルボン酸化合物または直鎖状ジカルボン酸化合物が望ましく、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸の低級アルキルエステルが挙げられる。上記ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マロン酸、コハク酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、イタコン酸が挙げられる。上記ジカルボン酸無水物としては、上記各種ジカルボン酸の無水物が挙げられる。また、上記ジカルボン酸の低級アルキルエステルとしては、上記各種のジカルボン酸のメチルエステル、ジメチルエステル、エチルエステル、ジエチルエステル、プロピルエステル、ジプロピルエステル等が挙げられる。
特に好ましくは、炭素数12〜36の直鎖状ジカルボン酸およびその低級アルキルエステルが挙げられ、1,10−デカメチレンジカルボン酸、1,14−テトラデカメチレンジカルボン酸、1,18−オクタデカメチレンジカルボン酸、1,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸等が挙げられる。上記その低級アルキルエステルとしては、これらジカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ジプロピルエステル等が挙げられる。これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いることができる。なかでも、反応の容易性という観点から、上記ジカルボン酸無水物およびジカルボン酸の低級アルキルエステルを用いることが好ましい。
【0016】
上記ジイソシアネート化合物としては、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上併せて用いることができる。
【0017】
本発明のインクジェット用記録材には、インクの滲み性を改良する目的等で、カチオン性ポリマーを含有することができる。カチオン性ポリマーが添加される層は特に限定があるわけではなく、例えばインク吸着層および耐熱層のいずれか1層または両方に含有することができる。本発明に好ましく用いられるカチオン性ポリマーとしては、例えばポリアリルアミン塩酸塩、ポリアルキルアミノアクリレート等、第4級化されたアミノ基を有するモノマーからなる共重合体等の高分子化合物が挙げられる。これらの高分子化合物は、融点(Tm)が60℃〜200℃の範囲であり、分子量が1,000〜10万の範囲内であることが好ましい。
【0018】
本発明において、カチオン性ポリマーの含有量は約5〜70重量%であることが好ましい。カチオン性ポリマーの含有量が5重量%以上であれば、インクの滲みを効果的に抑制することができる。
【0019】
インク吸着層、耐熱層等には、更にカチオン性活性剤またはノニオン性活性剤を含めることができる。本発明において、カチオン性活性剤またはノニオン性活性剤の樹脂中の含有量は1重量%〜10重量%の範囲内であることが好ましい。本発明に好ましく用いられるカチオン性活性剤としては、ポリエチレンイミン、第4級アンモニウムクロライド、第4級アンモニウムサルフェート等が挙げられ、本発明に好ましく用いられるノニオン性活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0020】
インク吸着層を形成する樹脂組成物、耐熱層を形成する樹脂組成物は、これらを配合した後、二軸押出機を用いて、好ましくは同方向二軸押出機を用いて混合してから、ペレット化しておくことができる。なお、ペレット化は約160℃の温度で行うことが好ましい。
【0021】
本発明においては、本発明の特性を損なわない範囲内で酸化防止剤、紫外線防止剤等の各種の添加剤をさらに含有させることができる。例えば、溶融押出時の熱劣化を防止するために、樹脂組成物中に酸化防止剤を含有させることが出来る。なお、熱安定性向上のために添加する酸化防止剤の量としては、0.3〜1.5重量%程度が適当である。
【0022】
また、インクジェット用記録材の手触りや柔らかさ等、材料の風合いを改良するため可塑剤等を含めることができる。本発明に好ましく用いられる可塑剤としては、ポリエチレングリコール(PEG)等が挙げられる。また、ブロッキングを防止するために充填剤を含めることができる。
【0023】
本発明のインクジェット用記録材は、基体と、該基体上にインク吸着層および耐熱層を有する。
本発明のインクジェット用記録材の積層方法としては、例えば、各層の樹脂組成物を共押出して積層する共押出法、2層以上を共押出でフィルム状に形成し、これを他のシートと積層する押出ラミネート法等により製造することができる。例えば、基体、インク吸着層および耐熱層の各層の樹脂組成物をそれぞれ配合し、あるいは必要に応じてペレット状にして、Tダイを共有連結した3層Tダイ押出機の各ホッパーにそれぞれ投入し、温度100〜170℃の範囲で溶融して、3層Tダイから共押出し、冷却ロール、水中または空冷等で冷却固化して、3層積層体のインクジェット用記録材を形成することができる。または、インク吸着層および耐熱層の各層の樹脂組成物を2層Tダイ押出機に搭載して溶融し、2層Tダイから基体上に直接押し出して、インクジェット用記録材を作製することもできる。また、2層共押出しにより積層フィルムを形成した後、この積層フィルムを基体上にラミネートしてもよいし、あるいは基体上に接着剤を介して積層してもよい。なお、耐熱層を形成する樹脂としてPVAが用いられる場合には、PVAの重合度とケン化度とを適宜選択して共押出しすることにより、インク吸着層と耐熱層との積層体を形成することが好ましい。
【0024】
本発明において基体の上に設けられる層はインク吸着層と耐熱層とに限定されるものではないので、3層以上の層が基体上に設けられる場合には、共押出に必要な数のTダイを具備するTダイ押出機を用いて同様に作製することができる。また、インク吸着層と基体との間に1層以上の層が設けられている場合には、例えば基体上にかかる層を設けたシートを形成し、一方でインク吸着層と耐熱層とを共押出により形成しておき、これらをラミネート等することによって設けることもできる。
【0025】
本発明においては、耐熱層をコーティング等により形成してもよい。例えば、耐熱層を形成する樹脂組成物を水等の溶媒に溶かした溶液を、インク吸着層上にバーコーター、グラビアコーター等で塗布することにより形成することができる。または、上記溶液を一旦仮支持体上に塗布して膜を形成し、この膜をインク吸着層上に転写することにより形成することもできる。
耐熱層に対する多孔質の無機充填剤の配合量は、耐熱層の透明性を保持できる範囲で適宜選択されるが、通常、95:5〜50:50の範囲である。
【0026】
このようなインクジェット用記録材は公知の方法により形成することができ、例えば、特開平10−71763号公報第(6)〜(7)頁の記載に従って得ることができる。なお、基体としては用途によってプラスチック、紙等の各種のものを用いることができ、例えば、オーバーヘッドプロジェクター等に用いられるインクジェット用記録材としては透明な基体が選択される。
【0027】
本発明のインクジェット用記録材を用いて、通常のインクジェット法により画像記録を行うことができ、良好な画像を得ることができる。
【0028】
【実施例】
実施例1
エチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合した後、ブチレンオキシドを付加重合し、さらにエチレンオキシドを付加重合して得たポリアルキレンオキシドにオクタデカン−1,18−ジカルボン酸メチル加え、エステル交換反応を行って、重量平均分子量が15万の熱可塑性樹脂を得た。これに熱安定剤としてトコフェノール(「UVINUL2000AO」、BASF社製)を1部を配合した(試料A)。
耐熱層用樹脂組成物としてPVA(「CP−1000」、クラレ(株)製)にタルクを10部配合したもの(試料B)を準備し、試料Aおよび試料Bをそれぞれ2層Tダイ押出機のホッパーに投入して溶融し、2層共押出により試料Aからなるインク吸着層と試料Bからなる耐熱層の2層フィルムを形成した。ただし、Tダイの温度は190℃であり、2層の厚み比率は、インク吸着層:耐熱層=30:2であり、2層フィルムの総厚さは32μmであった。
次いで、得られた2層フィルムのインク吸着層面を、厚さ100μmのPETフィルム上にラミネートしてインクジェット用記録材を作製した。
【0029】
実施例2〜3
実施例1において、試料Bにおけるタルクの配合量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして試料B’および試料B”を調整し、試料Aおよび試料B’または試料B”を用いて実施例1と同様にしてインクジェット用記録材を作製した。
【0030】
比較例1
実施例1と同様にして試料Aを作製し、これを溶融押出して30μmの厚さのシートを得た。次いで、このシートを厚さ100μmのPETフィルム上に貼り合わせ、基体上にインク吸着層のみを有し、かつ耐熱層を有さないインクジェット用記録材を作製した。
【0031】
比較例2
実施例1と同様にして試料Bを作製し、これを溶融押出しして30μmの厚さのフィルムを形成した。次いで、このフィルムを厚さ100μmのPETフィルム上に貼り合わせて、耐熱層のみを有しインク吸着層を有さないインクジェット用記録材を作製した。
【0032】
比較例3
実施例1において、試料Bの作製の際にタルクを添加しない試料B−1を作製し、試料Aおよび試料B−1を用いて実施例1と同様にしてインクジェット用記録材を作製した。
【0033】
実施例4
実施例1において、試料Bの作製の際にタルクの替わりにシリカを10部配合した試料Cを調整し、試料Aおよび試料Cを用いて実施例1と同様にしてインクジェット用記録材を作製した。
【0034】
実施例5〜6
実施例4において、シリカの配合量を表1に示すように変更した以外は実施例4と同様にしてインクジェット用記録材を作製した。
【0035】
比較例4
実施例4と同様にして試料Cを作製し、これを溶融押出しして30μmの厚さのフィルムを形成した。次いで、このフィルムを厚さ100μmのPETフィルム上に貼り合わせて、耐熱層のみを有しインク吸着層を有さないインクジェット用記記録材を作製した。
【0036】
得られたインクジェット用記録材について、印字品質およびインクの乾燥速度、記録面のすべり性、および耐熱性の評価を下記に従い行った。
(1)印字品質
インクジェット用記録材にヒューレットパッカード社製の「デザインジェット 2500CP」を用いて、独自に作製した模様パターンを印刷し、その印刷状態を肉眼で観察し、印字品質を評価した。ただし、印字品質が非常に優れているものを記号「○」、印字品質が悪いものを「×」で示した。
(2)インクの乾燥速度
インクジェット用記録材にヒューレットパッカード社製の「デザインジェット 2500CP」を用いて、30mm×20mmの大きさに塗りつぶした四角形を印刷した。印刷直後から、0分、30分、60分、120分、240分、600分、1200分、2400分経過した時点で、キムワイプ((株)クレシア製)を密着させてキムワイプへのインクの付着状態、およびべたつきを調べた。印刷後、240分以内に乾燥するもの、すなわち240分経過した時点で、キムワイプへのインクの付着およびべたつきが認められないものを記号「○」、乾燥に240分より多くかかるものを「×」で示した
(3)記録面のすべり性
インクジェット用記録材を2枚重ね、その上に56gの錘をのせ、100mm/minの速度で上部のインクジェット用記録材を引っ張り、その摩擦抵抗状態を評価した。摩擦がなくスムーズに引っ張れるものを記号「○」、上部のインクジェット用記録材が動き始めるまでに力が必要とされるものを「×」で示した。
(4)耐熱性
インクジェット用記録材を5cm角に切り取り、それを2枚重ねて、その上部より500gの錘をかけ、100℃の熱風乾燥機中に入れて6時間放置した。放置後のサンプルについて、ブロッキング性を評価した。ただし、ブロッキングがなく容易に分離できるものを記号「○」、ブロッキングが生じて分離が不可能なものを「×」で示した。その結果を表4に示す。
(5)耐湿性
インクジェット用記録材を5cm角に切り取り、それを2枚重ねて、その上部より500gの錘をかけ、40℃×90%RHの恒温恒湿槽中に入れて24時間放置した。放置後のサンプルについて、ブロッキング性を評価した。ただし、ブロッキングが生じず容易に分離できるものを記号「○」、ブロッキングが生じて、分離が不可能なものを「×」で示した。その結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0003907378
【0038】
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜6のインクジェット用記録材は、印字品質、ハンドリング性ともに優れたものであり、さらに耐湿性にも優れていることが分かった。一方、比較例1のように耐熱層を有さないインクジェット用記録材では、すべり性、耐熱性の点でユーザーのハンドリングが悪くなった。比較例2および比較例4のようにインク吸着層のないインクジェット用記録材では、吸収能力、染料保持能力が低いので、良好な印字品質は期待できず、インクの乾燥速度も遅い。比較例3のようにタルクを含有しない耐熱層を積層しても、耐湿性の点で不十分であり、高湿高温環境下で保存されると、ブロッキングが生じた。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のインクジェット用記録材は、耐熱性、耐ブロッキング性、耐傷性、耐湿性およびすべり性に優れ、かつ優れた印字品質が得られる。

Claims (1)

  1. 基体上に下記一般式(1)で示される吸水性樹脂を主成分とするインク吸着層および最外層として耐熱層を有し、該耐熱層が多孔質の無機充填剤としてシリカ又はタルクを0.5〜50重量%含有し、該耐熱層がポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなることを特徴とするインクジェット用記録材。
    Figure 0003907378
    であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であり、a、b、cより計算される重量比、44(a+c)/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)b、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基を2個有する有機化合物の残基、Zは炭素数1以上の炭化水素基、R11はジカルボン酸類化合物残基である。)
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