JP2008222974A - 親水性樹脂組成物およびインクジェット記録材 - Google Patents

親水性樹脂組成物およびインクジェット記録材 Download PDF

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Abstract

【課題】インク受容性および耐水性の両方の性質を兼ね備えている親水性樹脂およびインクジェット記録材料を提供する。
【解決手段】親水性樹脂、アクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマー、および硬化開始剤を備えて構成される親水性組成物において、硬化前の浸水後24時間経過時における面膨張率を4倍以上とし、硬化後の浸水後24時間経過時における面膨張率を1.7倍以下とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、本発明は親水性樹脂組成物およびインクジェット記録材に関し、より具体的には、インク受容層として好適に使用できる親水性樹脂組成物、および該親水性樹脂組成物からなるインク受容層を備えたインクジェット記録材に関する。
親水性樹脂には、水になじみやすいものから始まり、水を吸収するものや水に溶解するものと様々なものがある。親水性樹脂としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸・ヒアルロン酸・ポリグルタミン酸等の塩、キトサン、ポリリジン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリジオキソラン、ポリエチレンイミン等が挙げられる。一般的にこれらの親水性樹脂は、その組成や配合により、また、熱処理等の後処理によって、吸収性、水溶性等の親水性が決まる。そして、親水性を決定した後は、その親水性を変化させることは難しい。
親水性樹脂(吸水性樹脂)の製造方法として、特許文献1には、部分中和の酸基含有重合性単量体を必須とする単量体成分を、酸基含有重合性単量体に対して2〜10重量%の量で鹸化度90〜50モル%のポリビニルアルコールおよび架橋剤の存在下、単量体成分の濃度31重量%以上で重合した後、更に150℃以上で加熱乾燥することを特徴とする吸水性樹脂の製造方法が記載されている。また、この方法により、用いた親水性樹脂の溶出も少なく、水可溶分が少なく、吸水倍率、耐熱性や安全性にも優れた吸水性樹脂を安価に得ることができる旨が記載されている。
特許文献2には、物体の表面に固定化した付着物易除去被覆であって、複写、印字または印刷が可能な可撓性および厚さを有するシート状の基材の表面に被覆された、水によって膨潤するが流出して消失しない、親水性でかつ空気中常温で固体状の樹脂を主成分とする膜からなり、前記樹脂は、体積膨潤率が1.5倍以上であって、ゲル分率が50%以上の架橋されてなる樹脂であることを特徴とする、物体の表面に固定化した付着物易除去被覆が記載されている。この付着物易除去被覆は、水によって付着物を容易に除去できる被膜を物体表面に固定することによって、繰り返し物体を容易に清浄することを可能にしようとするものである旨が記載されている。
インクジェット記録方式は、近年解像度が向上してきたことや設備コストが低減されたことにより、オンデマンド印刷分野において急激に成長してきた。シルク印刷やグラビア印刷等のように他の方式で印刷を行う場合は、製版が必要であり、印刷設備が大規模なものとなるため、小ロット印刷には不向きであった。また、昇華転写方式や感熱方式等の印刷方式も普及してきたが、被印刷物への加熱接触が必要であり素材へのダメージが免れないという欠点があった。また、印刷インク/トナーの組成により被印刷物の材料組成が限定されることも多かった。また、その方式ゆえに印刷幅が限定され、広幅印刷は困難であった。インクジェット方式は、これらの問題を解決するものであり、業者向けの広幅機から一般家庭向けの小型機まで、広く普及している。
インクジェット記録方式において、印刷が施されるインクジェット記録材には、インク受容層が必要である。インク受容層にはいわゆる空隙型と膨潤型の二種類がある。空隙型のインク受容層としては、多孔質無機微粒子をバインダーで固めたものが用いられている。この空隙型のインク受容層では、多孔質無機微粒子がインクを吸収する。このため、バインダーに耐水性を持たせればインク受容層の耐水性を向上させることができる。ただし多孔質無機微粒子の空隙分のみがインクを吸収する構造であることから、それ以上インクが噴射されるとオーバーフローするため、インクの吸収性の点で問題があり、それを補うためにインク受容層の厚みを厚くすることが試みられてきた。
また、膨潤型のインク受容層は、上記で説明したような親水性樹脂により形成されており、この親水性樹脂そのものがインクを吸収する構造である。このことからインクの吸収性はその親水性樹脂の吸水倍率により決定される。膨潤型のインク受容層は、親水性樹脂自体が膨潤して吸収することから、一般的に耐水性に劣る。また、逆に、膨潤を抑制することにより耐水性を持たせることができるが、この場合インク受容性が低下する。このように、インク受容性と耐水性とはトレードオフの関係にあり、一般的なインクジェット記録材のインク受容層としては、空隙型のインク受容層が用いられてきた。
近年、インクジェット印刷したものを更に後加工し、ディスプレー材等に使用されることが増えてきている。例えば、インクジェット印刷したシートの印刷面に透明なシートを粘着材を介して積層することにより、表面保護を施したもの等である。このようなディスプレー材を作製する際、空隙型のインク受容層を備えたインクジェット記録材を用いた場合は、インク受容層自体に流動性が無いことから一般的に粘着材を介して透明シート等が積層される。
このとき、染料タイプのインクであればインク受容層内部の多孔質無機微粒子にインクが吸収されるために、インク受容層表面と透明シート等とを粘着することができる。しかし、近年増加してきた顔料タイプのインクにおいては、インク受容層に吸収されるのはほとんどが溶媒成分のみであり、顔料成分がインク受容層表面に残留しているため、この顔料成分と透明シート等とが粘着することになってしまい、該顔料成分がインク受容層から剥離してしまうという問題が発生し易かった。
一方、膨潤型のインク受容層を備えたインクジェット記録材においては、インク受容層自体を接着剤化することができ、これにより被接着物に接着させディスプレー材とすることができる。このため、ディスプレー材を形成するためには、膨潤型のインク受容層を使用することが好ましいのであるが、上記したように、インク受容性と耐水性とがトレードオフの関係にあることが問題であった。
特許文献3には、少なくとも基材層と、親水性樹脂を含むインク受容層とを有するインクジェット記録材料であって、インク受容層における親水性樹脂が、架橋構造を形成しているインクジェット記録材料が記載されており、これにより、インク吸収性と耐熱性に優れたインク受容層を有するインクジェット記録材料を提供すると記載されている。
特許文献4には、インク受容層に印刷した後、その表面に透明プラスチック層を転写するにあたり、インク受容層に架橋剤を添加しておき、転写時の熱により架橋させることによって密着強度を向上させることが提案されている。
特開平7−228616号公報 特許第3755775号公報 特開2006−56099号公報 特開2001−315427号公報
特許文献1あるいは特許文献2に記載された吸水性樹脂は、インク受容性と耐水性のトレードオフを解決するものではない。また、特許文献3あるいは特許文献4に記載のインクジェット記録材料においては、耐水性について考慮されてなく、やはり、インク受容性と耐水性のトレードオフは解決されていない。
そこで、本発明は、インク受容性および耐水性の両方の性質を兼ね備えている親水性樹脂組成物およびインクジェット記録材を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、これにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
第1の本発明は、親水性樹脂、アクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマー、および硬化開始剤を備えて構成される組成物であり、該組成物が硬化する前における浸水後24時間経過時における面膨張率が4倍以上であり、該組成物が硬化した後における浸水後24時間経過時における面膨張率が1.7倍以下である、親水性樹脂組成物である。
親水性樹脂は水等を吸収する際に膨張(膨潤)するが、逆に言えば膨張できるがゆえに吸収すると言える。よって、親水性樹脂の膨張率を調整することは、吸水性を調整することになる。具体的には、親水性樹脂の膨張率を大きく維持することにより吸水性を良好にでき、逆に、親水性樹脂の膨張率を小さく制限した場合は、吸水性を小さくして耐水性を付与することができる。このような観点から、第1の本発明では、アクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマー、および硬化開始剤を加えることで、必要に応じて親水性樹脂に架橋構造を導入できるようにし、これにより必要に応じて吸水性を小さくし耐水性を付与できるようにしている。
なお、面膨張率の測定方法は、第1の本発明の親水性樹脂組成物のサンプルを5cm角に採取し、23℃、24時間、蒸留水に浸漬した後の面膨張率を測定することにより行った。ここで、「面膨張率」とは、吸水前の状態で所定の面積Aが吸水後に面積A’になった場合における、「面積A’/面積A」をいう。
第1の本発明において、硬化開始剤としては、紫外線硬化開始剤を用いることができる。紫外線による硬化反応は安定して進行するため、近年広く利用されている。この紫外線硬化開始剤の中でも、特に、水素引き抜き型の紫外線硬化開始剤を用いることが好ましい。水素引き抜き型の紫外線硬化開始剤を用いた場合は、アクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマーだけでなく、親水性樹脂に対しても架橋構造を導入することができ、これにより、架橋硬化後の親水性樹脂組成物により大きな耐久性を付与することができる。
第1の本発明の親水性樹脂組成物が硬化する前における、該親水性樹脂組成物の23℃における弾性率は、1×10Pa以上であることが好ましい。これにより、親水性樹脂組成物が常温で粘着性を持たず、ハンドリングをよくすることができる。
第1の本発明の親水性樹脂組成物は、さらに多孔質無機微粒子を含有していてもよい。多孔質無機微粒子を含有させることにより耐水性をさらに向上させる効果がある。
第1の本発明において、親水性樹脂としては、下記一般式(1)で表される樹脂を用いることが好ましい。
Figure 2008222974
[一般式(1)において、Xは活性水素基を2個以上有する有機化合物の残基であり、Rはジカルボン酸類化合物残基またはジイソシアネート系化合物残基であり、Aは下記一般式(2)によって表される。
Figure 2008222974
一般式(2)において、Zは炭素数1以上の炭化水素基であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であり、a、b、cより計算される質量比、{44(a+c)/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)×b}は、80/20〜94/6である。]
このような親水性樹脂を用いることによって、架橋硬化前の本発明の親水性樹脂組成物は優れたインク受容性を発揮することができる。また、本発明の親水性樹脂組成物をインクジェット記録材のインク受容層を構成する材料とした場合において、このインク受容層にホットメルト接着性を付与できる。
第1の本発明において、アクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマーは下記組成Aで表される混合物であることが好ましい。
(組成A)
ポリウレタンアクリレート 40質量%以上100質量%以下
多官能性のアクリル系モノマー 0質量%以上60質量%以下
また、具体的な組成Aとしては、例えば、以下の組成を挙げることができる。
ポリウレタンアクリレート 66質量%
ペンタエリスリトールトリアクリレート 2質量%
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 20質量%
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 2質量%
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 10質量%
このような組成Aを備えた混合物を採用することにより、架橋硬化後の親水性樹脂組成物の硬度をより高くすることができ、これにより、架橋後の耐水性をより向上させることができる。
第2の本発明は、第1の本発明の親水性樹脂組成物を基材(20)上に積層して親水性樹脂組成物層(10)を形成する工程、該親水性樹脂組成物層(10)に液体を吸収させる工程、該親水性樹脂組成物層(10)側にさらに他の基材(22)を積層する工程、親水性樹脂組成物を架橋させる工程を備えて構成される積層体(200、210)の製造方法である。
この方法では、親水性樹脂組成物を架橋硬化させる前の吸水性の良い状態で、液体を親水性樹脂組成物層(10)に吸収させているので、良好な吸収性を発揮することができる。また、硬化前の状態で親水性樹脂組成物層(10)を他の基材(22)と積層させているので、ホットメルト接着により積層させることができる。さらに、最後に親水性樹脂組成物を架橋硬化させているので、耐水性を備えた積層体(200、210)とすることができる。
第3の本発明は、第2の方法によって製造された積層体(200、210)である。
第4の本発明は、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカーボネート、およびこれらの樹脂の変性物からなる群から選ばれる一種以上の樹脂から構成される樹脂基材(20a)、および、該樹脂基材(20a)の上に積層された第1の本発明の親水性樹脂組成物から構成されるインク受容層(10a)、を備えて構成されるインクジェット記録材(100a、110a)である。第4の本発明のインクジェット記録材(100a、110a)は、第1の本発明の親水性樹脂組成物から構成されるインク受容層(10a)を備えているので、架橋硬化前の状態において優れたインク受容性を備えている。また、架橋硬化前の状態においては、さらに、他の基材へのホットメルト接着性を備えている。
第4の本発明において、樹脂基材(20a)の上に接着剤を介してインク受容層(10a)が積層されていてもよい。
第4の本発明において、樹脂基材(20a)のインク受容層(10a)が積層された側の反対側に、インク受容層(10a)と熱融着性を有さない支持層(30a)が積層されていてもよい。インク受容層(10a)と熱融着性を有さない支持層(30a)が積層されていることによって、インクジェット記録材(110a)を巻き物で保管した際におけるブロッキングを防止することができる。
第5の本発明は、第4の本発明のインクジェット記録材(100a、110a)のインク受容層(10a)側に印刷する工程、印刷したインク受容層(10a)側を他の基材(22a)に積層する工程、インク受容層(10a)を構成する親水性樹脂組成物を架橋させる工程、を備えて構成されるディスプレー材(200a、210a)の製造方法である。第5の本発明においては、架橋硬化前のインク受容層(10a)が優れたインク受容性を発揮し、また、他の基材(22a)にホットメルト接着することができる。さらに、最後に架橋硬化されることで、耐水性を備えることができる。なお、インクジェット記録材(100a、110a)が支持層(30a)を備えている場合は、該支持層(30a)を剥離してから樹脂基材(20a)を通して紫外線を照射してもよいし、他の基材(22a)が透明である場合は、支持層(30a)を剥離しないで、他の基材(22a)を通して紫外線を照射してもよい。
第6の本発明は、第5の本発明の方法によって製造されたディスプレー材(200a、210a)である。
第1の本発明においては、必要に応じて親水性樹脂に架橋構造を導入できるようにし、これにより、架橋硬化前の状態においては、親水性樹脂の膨張率を大きく維持することにより吸水性を良好にでき、逆に、架橋硬化後の状態においては、親水性樹脂の膨張率を小さく制限して、吸水性を小さくし耐水性を付与することができる。
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
<親水性樹脂組成物>
本発明の親水性樹脂組成物は、親水性樹脂、アクリル系モノマー/アクリル系オリゴマーおよび硬化開始剤を備えて構成されている。本発明の親水性樹脂組成物は、吸水性を備えると共に、吸水後には耐水性をも備えている必要があるような用途、例えば、インクジェット記録材およびディスプレー材におけるインク受容層を形成するための材料、止水材や水収縮性チューブ、被覆材、土壌改質材、シーリング材、表面保護材等が考えられ、硬化により耐水性・耐久性・耐傷性等も向上することから屋外での使用も可能になる。
(親水性樹脂)
親水性樹脂としては、例えば、ポリアルキレンオキシド、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸・ヒアルロン酸・ポリグルタミン酸等の塩、キトサン、ポリリジン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリジオキソラン、ポリエチレンイミン、またはこれらの変性体が挙げられる。
親水性樹脂は、高い吸水性を有すると共に、他の基材へホットメルト接着可能であるように熱融着性を有するものであることが好ましい。さらに、熱可塑性および優れた加工性を有するものであることが好ましい。このような観点から、親水性樹脂としては、特に、下記一般式(1)で表される樹脂(ポリアルキレンオキシド)を用いることが好ましい。
Figure 2008222974
一般式(1)において、「X」は活性水素基を2個有する有機化合物の残基であり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールA、アニリンプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。「R」はジカルボン酸類化合物残基もしくはジイソシアネート系化合物残基であり、ジカルボン酸類化合物残基としては、環状ジカルボン酸化合物または直鎖状ジカルボン酸化合物が望ましく、例えば、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸の低級アルキルエステルが挙げられる。
上記ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マロン酸、コハク酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、イタコン酸が挙げられる。上記ジカルボン酸無水物としては、上記各種ジカルボン酸の無水物が挙げられる。
また、上記ジカルボン酸の低級アルキルエステルとしては、上記各種のジカルボン酸のメチルエステル、ジメチルエステル、エチルエステル、ジエチルエステル、プロピルエステル、ジプロピルエステル等が挙げられる。特に好ましくは、炭素数12〜36の直鎖状ジカルボン酸およびその低級アルキルエステルが挙げられ、1,10−デカメチレンジカルボン酸、1,14−テトラデカメチレンジカルボン酸、1,18−オクタデカメチレンジカルボン酸、1,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸等が挙げられる。
ジイソシアネート系化合物残基の例としては、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
上記の中でも、「R」としては、反応の容易性という観点から、上記ジカルボン酸無水物およびジカルボン酸の低級アルキルエステルを用いることが好ましい。これらは単独で、または2種以上併用して用いることができる。
また、「A」は下記一般式(2)によって表される。
Figure 2008222974
一般式(2)において、Zは炭素数1以上の炭化水素基であり、例えば好ましいものとしてはエチル基、プロピル基等のアルキル基が挙げられる。a、b、cはそれぞれ1以上の整数であり、a、b、cより計算される質量比、{44×(a+c)/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)×b}は、80/20〜94/6である。
ここで、炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量とは、式(2)中における
Figure 2008222974
の分子量を意味している。
この質量比が、小さすぎる場合は、低温度域での熱ラミネート性が低下し、大きすぎる場合は、耐水性が悪化する。また、c/(a+c)は、0.5以上1.0未満に設定される。
上記の一般式(1)で表される樹脂の具体例としては、エチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合した後、ブチレンオキシドを付加重合し、さらにエチレンオキシドを付加重合して得たポリアルキレンオキシドに、オクタデカン−1,18−ジカルボン酸メチルを加えエステル交換反応を行って得た樹脂(重量平均分子量:15万、融点:50℃、分解温度:230℃)を挙げることができる。また、一般式(1)で表される樹脂には、トコフェロール等の酸化防止剤を添加することができ、これにより、熱分解等の問題を回避できる。
また、親水性樹脂は、溶融押出法により作製すると高品質な厚膜を生産性よく作製することができることから、そのような成型ができるように、インク受容層に使用する親水性樹脂は、熱可塑性を有し、融点と分解温度との差が100℃以上あるものであることが好ましく、この点からも上記ポリアルキレンオキシドが好ましい。
親水性樹脂の含有量は、親水性樹脂組成物全体を基準(100質量%)として、好ましくは40質量%以上95質量%以下、より好ましくは60質量%以上80質量%以下である。親水性樹脂の含有量が少なすぎる場合は、吸水性が劣る場合があり、親水性樹脂の量が多すぎる場合は、面膨張率を抑制する効果が劣る場合がある。
(アクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマー)
添加するアクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマーは、ベースである親水性樹脂とある程度相溶し、かつ親水性を有するものであれば特に限定されないが、透明性を維持する場合は屈折率差の小さいものが好ましい。
親水性組成物自体の粘性が高いと取扱性やその後の加工性に影響を及ぼすことから、配合後の弾性率をある程度高く維持することが必要である。また、添加したものが未架橋の間に分離することを抑制するためにも、添加するアクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマーは粘度の比較的高いものが好ましい。また、より強固なマトリックスを得るためには、多官能性のアクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマーが好ましい。
アクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマーの粘度は、23℃において、10Pa・s以上500Pa・s以下であることが好ましい。
以上の観点から、アクリル系モノマーとしては、例えば、多官能性のアクリル系モノマーであるトリプロピレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。また、アクリル系オリゴマーとしては、例えば、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート等が挙げられる。
アクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマーは下記組成Aで表される混合物であることが好ましい。
(組成A)
ポリウレタンアクリレート 40質量%以上100質量%以下
多官能性のアクリル系モノマー 0質量%以上60質量%以下
組成Aにおいて、ポリウレタンアクリレートが100質量%の場合は、多官能性のアクリル系モノマーは0質量%となるため、多官能性のアクリル系モノマーは任意成分である。
また、具体的な組成Aとしては、例えば、以下の組成を挙げることができる。
ポリウレタンアクリレート 66質量%
ペンタエリスリトールトリアクリレート 2質量%
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 20質量%
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 2質量%
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 10質量%
上記したアクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマーを用いた場合は、架橋硬化後の硬度をより高くすることができるので、親水性樹脂の膨張を抑制する効果が高い。これにより、架橋後に吸水性を低下させ、耐水性を付与することができる。
また、アクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマーの含有量は、親水性樹脂組成物全体を基準(100質量%)として、好ましくは5質量%以上60質量%以下、より好ましくは20質量%以上40質量%以下である。アクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマーの含有量が多すぎると、架橋硬化前の状態における吸水性が劣る場合があり、また、アクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマーの含有量が少なすぎると、強固なマトリックスを形成できないため親水性樹脂の吸水時の膨潤を抑制することができず、耐水性が劣る場合がある。
(硬化開始剤)
硬化開始剤としては、アクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマー、場合によっては親水性樹脂をも含めて、架橋反応を開始できるものであれば、特に限定されない。例えば、紫外線硬化開始剤を用いることができる。
紫外線硬化開始剤としては、紫外線の照射により架橋反応を開始することができる化合物であれば特に限定されず、例えば、アセトフェノン系、フォスフィンオキサイド系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系化合物が挙げられる。紫外線硬化開始剤は、製作工程において使用する紫外線の波長に応じて適宜選択される。
また、紫外線硬化開始剤の中でも、水素引き抜き型の紫外線硬化開始剤を使用するのが好ましい。アクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマーについては、耐久性について問題は少ないが、親水性樹脂は一般的に耐久性が劣っている。よって、親水性樹脂組成物全体としての耐久性を向上させたい場合は親水性樹脂においても何らかの処理が必要である。一般的な紫外線硬化開始剤は、アクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマーにおいて架橋反応を進行させるが、親水性樹脂には影響しない。一方、水素引き抜き型の紫外線硬化開始剤の場合、親水性樹脂自体においても架橋構造を促進させることができ、ひいてはアクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマーと親水性樹脂との間で架橋構造をとることができる。このように、一般的な紫外線硬化開始剤を用いた場合でも、架橋硬化後の親水性樹脂組成物が耐久性を備えることは十分に可能であるが、より高い耐久性を備えることが必要な場合においては、水素引き抜き型の紫外線硬化開始剤を使用することが好適である。
硬化開始剤の添加量は、親水性樹脂組成物全体を基準(100質量%)として、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、より好ましくは1質量%以上5質量%以下である。
(面膨張率)
本発明の親水性樹脂組成物は、架橋硬化前は、吸水性が高くインク受容性が優れている。一方、架橋硬化後は、吸水性が抑制される、このため耐水性に優れた素材となる。このように本発明においては、架橋硬化反応させることによって吸水性を調整可能に構成されているが、この吸水性の程度を面膨張率によって規定している。
本発明の親水性樹脂組成物は、架橋硬化前の状態において浸水させた場合、浸水後24時間経過時における面膨張率が4倍以上であることが好ましく、6倍以上であることがより好ましい。架橋硬化前の親水性樹脂組成物がこのような面膨張率を備えていることで、吸水性に優れた素材となる。
また、架橋硬化後の状態の親水性樹脂組成物を浸水させた場合、浸水後24時間経過時における面膨張率は1.7倍以下であることが好ましく、1.5倍以下であることがより好ましい。架橋硬化後の親水性樹脂組成物がこのような面膨張率を備えていることで、架橋硬化後においては素材に耐水性を付与できる。
(弾性率)
架橋硬化前の親水性樹脂組成物の23℃における弾性率は、1×10Pa以上であることが好ましく、5×10Pa以上であることがより好ましい。このような弾性率とすることで、親水性樹脂組成物が常温で粘着性を持たず、ハンドリングをよくすることができる。
(多孔質無機微粒子)
本発明の親水性樹脂組成物は、さらに多孔質無機微粒子を含有していてもよい。親水性樹脂組成物をシート化して、非透水性のシート基材間で挟んだ構成の積層体とした場合において、積層体の端部においては、親水性樹脂組成物がむき出しになっているので、浸水試験等の際に該むき出しの部分から水の浸透等がどうしても生じる。架橋により膨張率が抑制されているとはいえ、未架橋部分等が存在しているので膨張はゼロではない。よって、長時間水中に浸漬した場合に、剥離等の不具合が発生するおそれがある。
親水性樹脂組成物に多孔質無機微粒子を添加した場合は、水が浸透してきた際に多孔質無機微粒子が水を吸収し、水が内部へ浸透するのを抑制する効果がある。このように多孔質無機微粒子を添加した場合は、耐水性をさらに向上させる効果がある。
多孔質無機微粒子の添加量は、親水性樹脂組成物全体を基準(100質量%)として、
好ましくは5質量%以上30質量%以下、より好ましくは7質量%以上11質量%以下である。多孔質無機微粒子の量が少なすぎると、耐水性を向上させる効果が付与できなくなる場合があり、逆に多すぎると、透明性(画像視認性)の低下や再凝集による外観不良、流動性の低下等の問題がある。
<インクジェット記録材>
本発明のインクジェット記録材100aは、樹脂基材20aおよびインク受容層10aを備えて構成されている。図1(a)にインクジェット記録材100aの基本構成を模式的に示した。
(樹脂基材20a)
樹脂基材20aの材料としては、透明なものであればどんな素材でもよいが、インク受容層10aとの接着性・密着性、吸水倍率、耐水性、剛性を考慮すると、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、およびこれらの樹脂の変性物からなる群から選ばれる一種以上の樹脂から構成されるものであることが好ましい。樹脂基材20aは、これらの材料からなる単層構成でもよいし、異種材料からなる多層構成であってもよい。また、樹脂基材20aの脆性を高く設計した場合は、インクジェット記録材100aを他の基材にホットラミネートした後に、他の基材の形状にそって樹脂基材20aが割れるようにすることもできる。このような用途には、紫外線硬化型のアクリル系樹脂が用いられる。
樹脂基材20aの厚みは、好ましくは1μm以上250μm以下であり、より好ましくは10μm以上200μm以下である。
(インク受容層10a)
インク受容層10aは、上記した親水性樹脂組成物により構成される。インク受容層10aは、樹脂基材20a上に親水性樹脂組成物を塗布して成形したり、あらかじめシート状に成形した親水性樹脂組成物と樹脂基材20aとを熱により貼り合わせたりして作製することができるが、樹脂基材20a上に、親水性樹脂組成物を押出成型すると同時にラミネートしてインク受容層10aを形成するのが、簡便かつ高品質な記録材料を作製できる方法として特に好ましい。
例えば、親水性樹脂組成物をT型マニホールドダイで溶融成形すると同時に、ニップロールで樹脂基材20aのフィルムとラミネートをすることにより、インクジェット記録材となる積層フィルムを得ることができる。
インク受容層10aの厚みは、好ましくは5μm以上100μm以下であり、より好ましくは15μm以上50μm以下である。
(接着剤)
インクジェット記録材100aにおいて、樹脂基材20aの上に接着剤を介してインク受容層10aが積層されていてもよい。この接着剤としては、例えば、アクリル系アンカーコート剤やウレタン系アンカーコート剤が挙げられる。
(支持層30a)
図1(b)に模式図を示したように、樹脂基材20aのインク受容層10aが積層された側の反対側には、インク受容層10aと熱融着性を有さない支持層30aが積層されていてもよい。インクジェット記録材100aが巻物形状での保管された場合、樹脂基材20aとインク受容層10aとが接着性が良い場合、熱によりブロッキングを起してしまう。そこで、樹脂基材20aの背面にインク受容層10aと熱融着性を有さない支持層30aを、剥離できるように積層した構成110aとしておくことで、該ブロッキングを抑制することができる。支持層30aを形成する樹脂としては、インク受容層10aの材質によるが、例えば、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
<ディスプレー材>
上記したインクジェット記録材100a、110aを用いたディスプレー材200a、210aの製造方法を以下に説明する。ディスプレー材200a、210aの製造方法は、印刷工程、ホットメルト接着工程、および、架橋工程を備えて構成される。以下、図2を用いて各工程を説明する。
(印刷工程)
まず、図2(a)のように上記したインクジェット記録材のインク受容層10a側に、印刷が施される。そして、図2(b)のように印刷が施されたインク受容層10a側を、他の基材22aにホットラミネートする。その後、図2(c)に示すようにインク受容層10aを架橋硬化させる。
図2(c)においては、紫外線を照射してインク受容層10aを構成する親水性樹脂組成物を架橋硬化させている様子を模式的に示している。他の基材22aが透明であれば、紫外線は他の基材22a側から照射してもよいし、支持層30aを剥離して、樹脂基材20a側から照射してもよい。他の基材22aが透明でない場合は、樹脂基材20a側から照射する必要がある。
以上のようにしてディスプレー材200a、210aが作製される。最後に、図2(d)のように支持層30aが剥離されてディスプレー材200aとされるが、支持層30aは表面保護層としての役割も有しているので、現場における最終段階で剥離することが好ましい。
(他の基材22a)
他の基材22aとしては、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ABS等の樹脂からなるシート、プレート、発泡成形体等を用いることができる。
<親水性樹脂組成物の作製>
(実施例1)
エチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合した後、ブチレンオキシドを付加重合し、さらにエチレンオキシドを付加重合して得たポリアルキレンオキシドにオクタデカン−1,18−ジカルボン酸メチルを加えエステル交換反応を行った。このようにしてえられた重量平均分子量15万の試料100質量部に対して、熱安定剤としてトコフェノール(BASF社製 UVINUL2000AO)を1質量部添加して樹脂Aを得た。親水性樹脂として、この樹脂Aを用い、アクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマーとして樹脂B(粘度:150Pa・s)を用い、紫外線硬化開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を用いた。これらを、表1に示す配合割合にて混合して、親水性樹脂組成物とした。また、親水性樹脂組成物100℃の熱プレスにより100μmのシートとした。
ここで、樹脂Bとは、以下の組成を有するアクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマーである。
(組成)
ポリウレタンアクリレート 66質量%
ペンタエリスリトールトリアクリレート 2質量%
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 20質量%
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 2質量%
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 10質量%
(実施例2)
実施例1において、さらに多孔質無機微粒子としてシリカ(ミズカシルP78A、水澤化学社製)を添加した以外は、実施例1と同様にしてシートを作製した。
(実施例3)
実施例1において、さらに紫外線硬化開始剤としてエザキュアTZT(Lanberti社製)を添加した以外は、実施例1と同様にしてシートを作製した。
(比較例1)
実施例1における樹脂Aのみで、実施例1と同様にシートを作製した。
(参考例1)
実施例1において、アクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマーを、(東亞合成製、アロニックスM8060、粘度:8Pa・s)(粘度低い)に替えた以外は、実施例1と同様にしてシートを作製した。
(比較例2)
樹脂A40質量%と変性EVA(HPR−VR105、三井デュポンポリケミカル社製)60質量%を配合し樹脂組成物を得た後、100℃の熱プレスにより100μmのシートを作製した。
(比較例3)
樹脂A60質量%と変性EVA(HPR−VR105、三井デュポンポリケミカル社製)40質量%を配合し樹脂組成物を得た後、100℃の熱プレスにより100μmのシートを作製した。
Figure 2008222974
表1中の括弧内の数字は、親水性樹脂組成物全体を基準(100質量%)とした各成分の質量%を表している。
<評価方法>
実施例1〜3、参考例1、比較例1〜3のシートを以下の方法により評価した。
(膨張率)
上記の実施例等において作製したシートの一部に紫外線を照射して、紫外線を照射したもの、照射していないものそれぞれのサンプルを用意した。紫外線照射条件は、160WのUVランプを用いて1.0J/cmとした。紫外線の照射前および照射後のそれぞれのサンプルを5cm角に採取し、23℃、24時間、蒸留水に浸漬した後の面膨張率を測定した。ここで、「面膨張率」とは、吸水前の状態で所定の面積Aが吸水後に面積A’になった場合における、「面積A’/面積A」をいう。結果を表2示した。
(吸水倍率)
上記の膨張率と同様にして、紫外線の照射前および照射後の吸水倍率を測定した。結果を表2に示した。ここで、吸水倍率とは、「吸水後質量/吸水前質量」をいう。
(弾性率)
各シートの硬化前の23℃の弾性率を粘弾性スペクトロメーターにより測定した。
<積層体>
架橋硬化前のそれぞれのシートを、二枚のPVCシートに挟んで、熱圧着(100℃、10mm/分)した。そして、上記した膨張率の測定におけるのと同様の条件で紫外線を照射して、親水性樹脂シートを架橋硬化させた。なお、紫外線硬化開始剤を添加していない例については、該紫外線照射は行っていない。
(耐光性)
各積層体に対して、東洋精機製作所製「サンテストCPS」にて750W/mにて100時間光照射を実施し、その後、目視により以下の基準により評価した。
○:色に変化はなかった。
△:若干黄変があった。
×:明らかに黄変があった。
(耐水性)
各積層体を、蒸留水に23℃にて10日間浸漬した際の外観(剥がれ・吸水状態)を、以下の基準により評価した。
○:剥がれはなく、問題なかった。
△:端部が多少剥離した。
×:端部から、かなりの部分が剥離した。
Figure 2008222974
<インクジェット記録材、ディスプレー材>
(実施例4)
親水性樹脂として樹脂Aを69質量%、アクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマーとして樹脂Bを20質量%、硬化開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を2質量%、多孔質無機微粒子としてシリカ(ミズカシルP78A、水澤化学社製)を9質量%を溶融混合し、シート化して30μmのシート(インク受容層)を得た。そして、100μmのPVCシート(樹脂基材)(三菱樹脂社製、ビニホイル)の上に100℃にて熱ラミネートにより積層してインクジェット記録材とした。
(実施例5)
実施例4において多孔質無機微粒子を添加しなかった以外は、実施例4と同様にしてインクジェット記録材を得た。
(比較例4)
実施例4において、樹脂Aのみを用いてシート化した以外は、実施例4と同様にしてインクジェット記録材を得た。
(比較例5)
樹脂Aを69質量%、接着性樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、HPR−VR−105)を22質量%、無機微粒子(水澤化学社製、ミズカシルP78A)を9質量%を溶融混合して、実施例4と同様にしてシート化して、PVCシートとラミネートしてインクジェット記録材とした。
(比較例6)
比較例5において、樹脂Aの配合を55質量%、接着性樹脂の配合を36質量%とした以外は、比較例5と同様にして、インクジェット記録材を作製した。
(比較例7)
比較例5において、樹脂Aの配合を30質量%、接着性樹脂の配合を60質量%、多孔質無機微粒子の配合を10質量%とした以外は、比較例5と同様にして、インクジェット記録材を作製した。
(比較例8)
空隙型インクジェット記録シート(ピクトリコ社製、ピクトリコ透明フィルム多色用)を使用した。
<評価方法>
実施例4〜5、比較例4〜8のインクジェット記録材を以下の方法により評価した。
(印刷性)
得られたインクジェット記録材に、EPSON社製PM4000PXにより写真印刷を施した。その場合のインクの吸収性・画像の鮮明性を以下の基準により評価した。結果を表3に示す。
○:画像が鮮明でにじみがなかった。
△:多少ムラが目立つが、問題がない画質であった。
×:ムラがあり、画像が形成されなかった。
(接着性)
上記で印刷したシートの印刷面を、PVC板(1mm、三菱樹脂社製ヒシプレート)に熱ラミネート(120℃、6mm/分)し、その接着性を以下の基準により評価した。結果を表3に示す。そして、160WのUVランプを用いて1.0J/cmの条件で、樹脂基材側から紫外線を照射してインク受容層を架橋硬化させ、ディスプレー材を作製した。
○:0.8kg/cm以上の接着力であった。
△:0.5kg/cm以上0.8kg/cm未満の接着力であった。
×:0.5kg/cm未満の接着力であった。
(耐水性)
上記で作製したディスプレー材を蒸留水に23℃にて10日間浸漬した際の外観(剥がれ・吸水状態)を以下の基準により評価した。結果を表3に示す。
○:剥がれはなく問題はなかった。
△:端部が多少剥離した。
×:端部から、かなりの部分が剥離した。
Figure 2008222974
表3の結果より、比較例8の一般的に使用されている空隙型インクジェット記録材はラミネート適性が無いことが分かった。また膨潤型インクジェット記録材であっても吸水性がそのまま維持されていた場合(比較例4〜6)は、耐水性が劣っており、浸水などによって接着力が低下することから実用性に乏しいことが分かった。比較例7では、接着性樹脂を多く含むことで、耐水性が向上しているが、印刷性が劣っていた。これに対して、本発明のインクジェット記録材(実施例4〜実施例5)は、紫外線硬化を利用することで紫外線照射前後における膨潤率をコントロールして、印刷時は高い印字品質を備えると共に、ホットメルト接着性を有しており、使用時には高い耐久性を有している。
(実施例6)
実施例4における樹脂基材を、100μmのアクリルシート(住友化学社製、テクノロイ)にした以外は、実施例4と同様にしてインクジェット記録材を作製した。
(実施例7)
実施例4における樹脂基材を、100μmのポリエステルフィルム(三菱化学ポリエステル社製、ダイヤホイルT600E)にした以外は、実施例4と同様にしてインクジェット記録材を作製した。
(実施例8)
実施例7において、ポリエステルフィルムとインク受容層との間に、接着層として変性EVA(三井デュポンポリケミカル社製、HPR−VR−105)を15μm挟んで積層した以外は、実施例7と同様にしてインクジェット記録材を作製した。
(実施例9)
実施例4における樹脂基材を、100μmのポリカーボネートフィルム(帝人化成社製、パンライト)にした以外は、実施例4と同様にしてインクジェット記録材を作製した。
<評価方法>
実施例6〜9について、実施例4における場合と同様にして、印刷性、接着性、耐水性を評価したところ、実施例4と同じ性能が確認できた。
(実施例10)
実施例4において、樹脂基材を下記のものに変更した以外は、実施例4と同様にしてインクジェット記録材を作製した。
(樹脂基材)
ポリエステルフィルム(三菱化学ポリエステル社製、ダイヤホイルT600E、50μm)と延伸ポリプロピレンシート(東洋紡社製、パイレンP2102、20μm)をドライラミネートにより積層した。この積層体のポリエステルフィルム側に、シリコンコートを施し、その後、該シリコンコートの上に樹脂B100質量部に対しヒドロキシシクロヘキシル2部を添加したものを20μmコーティングし、紫外線照射により硬化させてコーティング層を形成した。インク受容層は該紫外線照射で硬化させたコーディング層側に積層した。
得られたインクジェット記録材にインクジェット印刷を施した後、直径10cmの丸形に打ち抜いたPVC板(1mm)を印刷部に熱によりラミネートし、冷却後、剥離した。その際、ポリエステルフィルムのシリコンコートとコーティング層との間で剥離し、更にその丸形の周囲に沿ってきれいにコーティング層およびインク受容層が割れて剥離できた。バリは確認されなかった。
(実施例11)
実施例4において作製したインクジェットシートのPVCシート(樹脂基材)側背面に、支持層として粘着付ポリエチレンシート(サンエー科研社製、サニテクト)を貼りあせた。
(ブロッキングの評価)
実施例11、実施例10、実施例4、および比較例4において作製したシートを300mm幅で10m、3インチ紙管に小巻加工した。そのサンプルを100℃で2時間、熱風乾燥機に暴露した後、冷却させ状態を観察した。実施例4および比較例4においては、インク受容層が樹脂基材であるポリ塩化ビニルに熱接着することから、熱風乾燥機中でブロッキングした。実施例10、実施例11においては、インク受容層と樹脂基材とが非融着性であることから、ブロッキングも無く良好な結果であった。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う親水性樹脂組成物、インクジェット記録材、ディスプレー材もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
インクジェット記録材の層構成を示す模式図である。 インクジェット記録材をディスプレー材にする工程を示した模式図である。
符号の説明
10 インク受容層
20 樹脂基材
30 支持層
100(100A、100B) インクジェット記録材
200(200A、200B) ディスプレー材

Claims (16)

  1. 親水性樹脂、アクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマー、および硬化開始剤を備えて構成される組成物であり、
    該組成物が硬化する前における浸水後24時間経過時における面膨張率が4倍以上であり、該組成物が硬化した後における浸水後24時間経過時における面膨張率が1.7倍以下である、親水性樹脂組成物。
  2. 前記硬化開始剤が紫外線硬化開始剤である、請求項1に記載の親水性樹脂組成物。
  3. 前記紫外線硬化開始剤が、水素引き抜き型の紫外線硬化開始剤を含むものである、請求項2に記載の親水性樹脂組成物。
  4. 前記親水性樹脂組成物が硬化する前における23℃における弾性率が、1×10Pa以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の親水性樹脂組成物。
  5. さらに多孔質無機微粒子を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の親水性樹脂組成物。
  6. 前記親水性樹脂が、下記一般式(1)で表される樹脂である、請求項1〜5のいずれかに記載の親水性樹脂組成物。
    Figure 2008222974
    [一般式(1)において、Xは活性水素基を2個以上有する有機化合物の残基であり、Rはジカルボン酸類化合物残基またはジイソシアネート系化合物残基であり、Aは下記一般式(2)によって表される。
    Figure 2008222974
    一般式(2)において、Zは炭素数1以上の炭化水素基であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であり、a、b、cより計算される質量比、{44(a+c)/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)×b}は、80/20〜94/6である。]
  7. 前記アクリル系モノマーおよび/またはアクリル系オリゴマーが下記組成Aで表される混合物である、請求項1〜6のいずれかに記載の親水性樹脂組成物。
    (組成A)
    ポリウレタンアクリレート 40質量%以上100質量%以下
    多官能性のアクリル系モノマー 0質量%以上60質量%以下
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の親水性樹脂組成物を基材上に積層して親水性樹脂組成物層を形成する工程、
    前記親水性樹脂組成物層に液体を吸収させる工程、
    前記親水性樹脂組成物層側にさらに他の基材を積層する工程、
    前記親水性樹脂組成物を架橋させる工程を備えて構成される積層体の製造方法。
  9. 請求項8の方法によって製造された積層体。
  10. ポリエステル、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカーボネート、およびこれらの樹脂の変性物からなる群から選ばれる一種以上の樹脂から構成される樹脂基材、および、該樹脂基材の上に積層された請求項1〜7のいずれかに記載の親水性樹脂組成物から構成されるインク受容層、を備えて構成されるインクジェット記録材。
  11. 前記樹脂基材の上に接着剤を介して前記インク受容層が積層されている請求項10に記載のインクジェット記録材。
  12. 前記樹脂基材のインク受容層が積層された側の反対側に、インク受容層と熱融着性を有さない支持層が積層されている、請求項10または11に記載のインクジェット記録材。
  13. 請求項10または11に記載のインクジェット記録材の前記インク受容層側に印刷する工程、
    印刷した前記インク受容層側を他の基材に積層する工程、
    前記インク受容層を構成する前記親水性樹脂組成物を架橋させる工程、
    を備えて構成されるディスプレー材の製造方法。
  14. 請求項12に記載のインクジェット記録材の前記インク受容層側に印刷する工程、
    印刷した前記インク受容層側を他の基材に積層する工程、
    前記支持層を剥離する工程、
    前記インク受容層を構成する前記親水性樹脂組成物を架橋させる工程、
    を備えて構成されるディスプレー材の製造方法。
  15. 印刷した前記インク受容層側を他の基材に積層する工程が、印刷した前記インク受容層側を他の基材にホットメルト接着する工程である、請求項13または14に記載のディスプレー材の製造方法。
  16. 請求項13〜請求項15のいずれかに記載の方法によって製造されたディスプレー材。
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