JP2001287447A - インクジェット用記録材 - Google Patents

インクジェット用記録材

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JP2001287447A
JP2001287447A JP2000107044A JP2000107044A JP2001287447A JP 2001287447 A JP2001287447 A JP 2001287447A JP 2000107044 A JP2000107044 A JP 2000107044A JP 2000107044 A JP2000107044 A JP 2000107044A JP 2001287447 A JP2001287447 A JP 2001287447A
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Japan
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cationic polymer
recording material
ink
carbon atoms
jet recording
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Jun Nishioka
潤 西岡
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Mitsubishi Plastics Inc
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Mitsubishi Plastics Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インクの滲み性が改良されたインクジェット用
記録材を提供すること。 【解決手段】 インクジェット用記録材は、基体上に、
親水性の熱可塑性樹脂及びカチオン性ポリマーAを含む
インク受容層、及び最外層としてポリビニルアルコール
及びカチオン性ポリマーBを含む表面層を有し、該カチ
オン性ポリマーA及びカチオン性ポリマーBがそれぞれ
独立して、エチレン構造単位が65モル%〜99モル
%、下記一般式 で表わされるアクリルアミド構造単位が1モル%〜35
モル%からなる、不規則に配列した重量平均分子量が
1,000〜50,000の線状のカチオン性高分子化
合物である。ただし、R21、R22、R23、R24
およびR25は、それぞれ特定の基を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録に好適なインクジェット用記録材に関し、特にインク
の滲み特性に優れたインクジェット用記録材に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット法による記録は騒音が無
く、高速印字が可能であり、低コストであることからカ
ラーコピー、コンピューター等の画像情報出力装置に用
いられ、急速に普及しつつある。インクジェット用記録
材としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビ
ニルピロリドン等の親水性樹脂を使用したものが知られ
ている。基材上にPVA等を塗布したインクジェット用
記録材は、インク受容層の厚さが薄くなってしまうの
で、インクの吸収能力が低く、乾燥速度の低下等を引き
起こし、その結果インクの滲み等の問題が生じた。ま
た、熱可塑性のPVA樹脂を用いて、溶融押出法により
形成されたインクジェット用記録材は、押出グレードの
PVAが耐水性の低いものが多いので、インクの滲み等
の画像保存性に問題があった。インクジェット用記録材
における滲みを防ぐために第4級アンモニウム塩を添加
することが以前から行われてきたが、通常の第4級アン
モニウム塩は水溶性のものが多く、親水性の樹脂と組み
合わせて用いると、高湿度条件下で保存された場合等に
インクの滲みを防ぐことができなかった。また、非水溶
性の第4級アンモニウム塩を用いると、溶融押出法で製
造されるインクジェット用記録材との相溶性が悪く分散
不良となり、高温多湿条件下では滲みを防止することが
できなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、イン
クの滲み性が改良されたインクジェット用記録材を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
用記録材は、基体上に、親水性の熱可塑性樹脂及びカチ
オン性ポリマーAを含むインク受容層、及び最外層とし
てポリビニルアルコール及びカチオン性ポリマーBを含
む表面層を有し、前記カチオン性ポリマーA及びカチオ
ン性ポリマーBはそれぞれ独立して、下記一般式(1)
で表されるエチレン構造単位が65モル%〜99モル
%、下記一般式(2)で表されるアクリレート構造単位
が15モル%以下、および下記一般式(3)で表される
アクリルアミド構造単位が1モル%〜35モル%からな
る、不規則に配列した重量平均分子量が1,000〜5
0,000の線状のカチオン性高分子化合物であること
を特徴とする。
【化3】 (式中、R22は炭素数2〜8のアルキレン基を表し、
23は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R24は水
素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R25
は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数12以下のアリ
ールアルキル基または炭素数12以下の脂環式アルキル
基を表し、Xはハロゲンイオン、CHOSO
たはCOSO を表す)
【0005】ここで、前記インク受容層における親水性
の熱可塑性樹脂とカチオン性ポリマーAとの重量比が3
0/70〜95/5の範囲内であることができる。ま
た、前記表面層におけるポリビニルアルコールとカチオ
ン性ポリマーBとの重量比が、30/70〜95/5の
範囲内であることができる。
【0006】また、前記親水性の熱可塑性樹脂が、一般
式(4)
【化4】 であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であ
り、a、b、cより計算される重量比、44(a+c)
/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
b、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基
を2個有する有機化合物の残基、Zは炭素数1以上の炭
化水素基、R11はジカルボン酸類化合物残基またはジ
イソシアネート系化合物残基である)で示されることが
できる。
【0007】また、上記インクジェット用記録材は、少
なくともインク受容層用樹脂組成物および表面層用樹脂
組成物をそれぞれ多層用Tダイ押出機に搭載し、温度6
0〜200℃の範囲で溶融して共押出法により製膜され
たフィルムを、基体上に積層することにより製造される
ことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット用記録材
は、基体上にインク受容層及び表面層を有する。表面層
はインクジェット用記録材の最外層を構成し、インク受
容層は基体と表面層との間に位置する。また、インク受
容層と基体との間には他の層を有していてもよい。受容
層は親水性の熱可塑性樹脂及びカチオン性ポリマーAを
含み、表面層はポリビニルアルコール及びカチオン性ポ
リマーBを含む。用いられるカチオン性ポリマーA及び
カチオン性ポリマーBは同一でも異なっていてもよい。
なお、任意的に設けられる他の層は、例えば汎用の親水
性樹脂を含むことができる。
【0009】カチオン性ポリマーA及びカチオン性ポリ
マーBとしては、例えばポリアリルアミン塩酸塩、ポリ
アルキルアミノアクリレート等、第4級化されたアミノ
基を有するモノマーからなる共重合体等の高分子化合物
が該当する。これらの高分子化合物は、融点(Tm)が
60℃〜200℃の範囲であり、分子量が1,000〜
10万の範囲内であることが好ましい。
【0010】本発明においては、カチオン性ポリマーA
及びカチオン性ポリマーBとして、下記一般式(1)で
表されるエチレン構造単位が65モル%〜99モル%、
下記一般式(2)で表されるアクリレート構造単位が1
5モル%以下、および下記一般式(3)で表されるアク
リルアミド構造単位が1モル%〜35モル%からなる、
不規則に配列した重量平均分子量が1,000〜50,
000の線状のカチオン性の高分子化合物を用いる。
【化5】 (式中、R22は炭素数2〜8のアルキレン基を表し、
23は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R24は水
素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R25
は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数12以下のアリ
ールアルキル基または炭素数12以下の脂環式アルキル
基を表し、Xはハロゲンイオン、CHOSO
たはCOSO を表す)
【0011】表面層の形成に用いられるポリビニルアル
コール(PVA)としては、特に限定されることなく一
般に用いられるものが挙げられるが、例えば、冷水可溶
タイプのPVAであり、ケン化度が約20〜90%であ
ることが好ましく、分解温度と融点(成形温度)との差
が20℃以上であることが好ましい。分解温度と融点
(Tm)との温度差を20℃以上にするためには、例え
ば、PVAの粘度平均重合度を200〜1,000に調
整することにより、またはPVAとエチレン性モノマー
との共重合体を形成することにより、またはPVAに可
塑剤を添加することにより、温度差を20℃以上にする
ことができる。PVAとエチレン性モノマーとの共重合
体を形成することにより温度差を設定する場合には、例
えば、N−ビニルピロリドンを10モル%程度重合する
とよい。可塑剤を添加することにより温度差を設定する
場合には、グリセリン、エチレングリコール等を15重
量%程度添加することが好ましい。このようにして、P
VAの融点を180℃以下にすることができ、したがっ
て分解温度と融点との温度差を20℃以上にすることが
できる。さらに、本発明に用いられるPVAはネッキン
グ(押出機から押し出されたフィルムまたはシートが横
方向に収縮してたわむこと)を改良するために、重量平
均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw
/Mn)が2.8以上であることが好ましい。
【0012】本発明において、インク受容層に好ましく
用いられる親水性の熱可塑性樹脂は、下記一般式(4)
で表される繰り返し単位から構成される。
【化6】 であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であ
り、a、b、cより計算される重量比、44(a+c)
/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
b、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基
を2個有する有機化合物の残基、Zは炭素数1以上の炭
化水素基、R11はジカルボン酸類化合物残基またはジ
イソシアネート系化合物残基である。
【0013】ここで、活性水素基を2個有する有機化合
物としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ビスフェノールA、アニリンプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等がある。
【0014】上述した重量比、すなわち44(a+c)
/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
b、が80/20より小さいと親水性が低下し、インク
吸水性、印刷適性で劣るものとなる。一方、94/6を
超えると、インクの滲み耐水性等の点で劣るものとな
る。Zは前記一般式(4)で示される樹脂組成物に疎水
性を付与する機能を有するものであり、例えば好ましい
ものとしてはエチル基等のアルキル基等が上げられ、
a、b、cの割合を上述の範囲内とすることにより、親
水性を失わず、かつ、水に対して不溶化することができ
る。かかる熱可塑性樹脂は、エチレングリコールにエチ
レンオキシドを付加重合した後、アルキレンオキシドを
付加重合し、さらにエチレンオキシドを付加重合して生
成したポリアルキレンオキシドにジカルボン酸化合物ま
たはジイソシアネート化合物を反応させて生成すること
ができる。
【0015】上記ジカルボン酸化合物としては環状ジカ
ルボン酸化合物または直鎖状ジカルボン酸化合物が望ま
しく、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物、ジカルボン
酸の低級アルキルエステルが挙げられる。上記ジカルボ
ン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、マロン酸、コハク酸、セバシン酸、マレイン酸、フ
マル酸、アジピン酸、イタコン酸が挙げられる。上記ジ
カルボン酸無水物としては、上記各種ジカルボン酸の無
水物が挙げられる。また、上記ジカルボン酸の低級アル
キルエステルとしては、上記各種のジカルボン酸のメチ
ルエステル、ジメチルエステル、エチルエステル、ジエ
チルエステル、プロピルエステル、ジプロピルエステル
等が挙げられる。特に好ましくは、炭素数12〜36の
直鎖状ジカルボン酸およびその低級アルキルエステルが
挙げられ、1,10−デカメチレンジカルボン酸、1,
14−テトラデカメチレンジカルボン酸、1,18−オ
クタデカメチレンジカルボン酸、1,32−ドトリアコ
ンタンメチレンジカルボン酸等が挙げられる。上記の低
級アルキルエステルとしては、これらジカルボン酸のメ
チルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ジ
プロピルエステル等が挙げられる。これらは単独で、も
しくは2種以上併せて用いることができる。なかでも、
反応の容易性という観点から、上記ジカルボン酸無水物
およびジカルボン酸の低級アルキルエステルを用いるこ
とが好ましい。
【0016】上記ジイソシアネート化合物としては、
4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、メチレンビスシクロヘキシ
ルジイソシアネート等が挙げられる。これらは単独で、
または2種以上併せて用いることができる。
【0017】本発明において、インク受容層における親
水性の熱可塑性樹脂とカチオン性ポリマーAとの割合
は、親水性の熱可塑性樹脂が30〜95重量%に対して
カチオン性ポリマーAが5〜70重量%の範囲内である
ことが好ましい。ただし、親水性の熱可塑性樹脂とカチ
オン性ポリマーAとの合計が100重量%とする。親水
性の熱可塑性樹脂の含有量が30重量%以上であれば、
記録材としての機能を確保することができ、カチオン性
ポリマーAの含有量が5重量%以上であれば、インクの
滲みを効果的に抑制することができる。
【0018】本発明において、表面層におけるポリビニ
ルアルコール(PVA)とカチオン性ポリマーBとの割
合は、PVAが30〜95重量%に対してカチオン性ポ
リマーBが5〜70重量%の範囲内であることが好まし
く、PVAが60〜85重量%に対してカチオン性ポリ
マーBが15〜40重量%の範囲内であることが特に好
ましい。ただし、PVAとカチオン性ポリマーBとの合
計が100重量%とする。カチオン性ポリマーBが15
重量%以上であれば、得られるインクジェット用記録材
を高温、高湿度下で保存しても印字のにじみの状態は極
めて良好である。カチオン性高分子化合物が40重量%
以内であれば、得られるインクジェット用記録材の印字
品質は優れたものとなる。ただし、カチオン性ポリマー
Bが50重量%を越すとPVAに対してカチオン性高分
子化合物の分散不良を生じることがあり、得られるイン
クジェット用記録材のインク受容層に粒子状のブツが生
じることがあるので、分散状態に注意が必要となる。
【0019】インク受容層には親水性の熱可塑性樹脂お
よびカチオン性ポリマーAの他に、また表面層にはPV
Aおよびカチオン性ポリマーBの他に、さらにカチオン
性活性剤またはノニオン性活性剤を含めることができ
る。本発明において、カチオン性活性剤またはノニオン
性活性剤の樹脂中の含有量は1重量%〜10重量%の範
囲内であることが好ましい。本発明に好ましく用いられ
るカチオン性活性剤としては、ポリエチレンイミン、第
4級アンモニウムクロライド、第4級アンモニウムサル
フェート等が挙げられ、本発明に好ましく用いられるノ
ニオン性活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキル
アミン、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0020】インク受容層を形成する親水性の熱可塑性
樹脂およびカチオン性ポリマーA、表面層を形成するP
VAおよびカチオン性ポリマーB等は、これらを配合し
た後、二軸押出機を用いて、好ましくは同方向二軸押出
機を用いて混合してから、ペレット化しておくことがで
きる。なお、ペレット化は約160℃の温度で行うこと
が好ましい。
【0021】本発明においては、本発明の特性を損なわ
ない範囲内で酸化防止剤、紫外線防止剤等の各種の添加
剤をさらに含有させることができる。例えば、溶融押出
時の熱劣化を防止するために、樹脂組成物中に酸化防止
剤を含有させることが出来る。なお、熱安定性向上のた
めに添加する酸化防止剤の量としては、0.3〜1.5
重量%程度が適当である。
【0022】また、インクジェット用記録材の手触りや
柔らかさ等、材料の風合いを改良するため可塑剤等を含
めることができる。本発明に好ましく用いられる可塑剤
としては、ポリエチレングリコール(PEG)等が挙げ
られる。また、ブロッキングを防止するために充填剤を
含めることができる。本発明に好ましく用いられる充填
剤としては例えばタルク等の無機充填剤を挙げることが
できる。
【0023】本発明のインクジェット用記録材は、基体
と、該基体上にインク受容層および表面層を有する。本
発明のインクジェット用記録材の積層方法としては、例
えば、各層の樹脂組成物を共押出して積層する共押出
法、2層以上を共押出でフィルム状に形成し、これを他
のシートと積層する押出ラミネート法等により製造する
ことができる。例えば、基体、インク受容層および表面
層の各層の樹脂組成物をそれぞれ配合し、あるいは必要
に応じてペレット状にして、Tダイを共有連結した3層
Tダイ押出機の各ホッパーにそれぞれ投入し、温度10
0〜200℃の範囲で溶融して、3層Tダイから共押出
し、冷却ロール、水中または空冷等で冷却固化して、3
層積層体のインクジェット用記録材を形成することがで
きる。または、インク受容層および表面層の各層の樹脂
組成物を2層Tダイ押出機に搭載して溶融し、2層Tダ
イから基体上に直接押し出して、インクジェット用記録
材を作製することもできる。また、2層共押出しにより
積層フィルムを形成した後、この積層フィルムを基体上
にラミネートしてもよいし、あるいは基体上に接着剤を
介して積層してもよい。本発明において基体上の層はイ
ンク受容層と表面層とに限定されるものではないので、
3層以上の層が基体上に設けられる場合には、共押出に
必要な数のTダイを具備するTダイ押出機を用いて同様
に作製することができる。また、インク受容層と基体と
の間に1層以上の層が設けられている場合には、例えば
基体上にかかる層を設けたシートを形成し、一方でイン
ク受容層と表面層とを共押出により形成しておき、これ
らをラミネート等することによって設けることもでき
る。このようなインクジェット用記録材は公知の方法に
より形成することができ、例えば、特開平10−717
63号公報の記載に従って得ることができる。なお、基
体としては用途によってプラスチック、紙等の各種のも
のを用いることができ、例えば、オーバーヘッドプロジ
ェクター等に用いられるインクジェット用記録材として
は透明な基体が選択される。
【0024】本発明のインクジェット用記録材を用い
て、通常のインクジェット法により画像記録を行うこと
ができ、良好な画像を得ることができる。
【0025】
【実施例】実施例1 ポリエチレンオキサイド(商品名「パオゲン PP−1
5」、第一工業製薬(株)製)70重量%とカチオン性
ポリマー(商品名「レオレックス AS1720」、第
一工業製薬(株)製)30重量%とを混合したインク受
容層用樹脂組成物と、ポリビニルアルコール(商品名
「CP−1000」、(株)クラレ製)70重量%と分
子量が約2万で融点(Tm)が約120℃のカチオン性
ポリマー(商品名「レオレックス AS170」、第一
工業製薬(株)製)30重量%とを混合した表面層用樹
脂組成物とを2層Tダイ押出機に搭載した。これらをT
ダイ温度170℃で溶融し、厚さ75μmのポリエステ
ルフィルム上に、インク受容層の厚さが30μm、表面
層の厚さが5μmとなるように、共押出しして本発明の
インクジェット用記録材を作製した。
【0026】実施例2〜4 実施例1において、インク受容層の樹脂組成物の配合割
合と、表面層の樹脂組成物の配合割合とを、表1に示す
ように変更した以外は実施例1と同様にして、インクジ
ェット用記録材を得た。
【0027】比較例1 ポリエチレンオキサイド(商品名「パオゲン PP−1
5」、第一工業製薬(株)製)を30μmの厚さとなる
ように、厚さ75μmのポリエステルフィルム上に、1
20℃の温度で溶融押出成形により溶融キャストして積
層シート(インクジェット用記録材)を作製した。
【0028】比較例2 ポリビニルアルコール(商品名「PVA 505」、
(株)クラレ製)を30μmの厚さとなるように、厚さ
75μmのポリエステルフィルム上に、120℃の温度
で溶融押出成形により溶融キャストして積層シート(イ
ンクジェット用記録材)を作製した。
【0029】得られた実施例1〜4および比較例1〜2
の各インクジェット用記録材について、下記の評価を行
った。その結果を表1に示す。 耐熱性の評価:得られたインクジェット用記録材を10
cm角に切断する。切断されたシート10枚を重ね合わ
せて、500gの荷重をかけた状態で、温度80℃にお
いて1時間放置する。放置後のシートの状態を目視観察
し、シートがブロッキングを起こした場合を記号
「×」、ブロッキングを起こさなかった場合を記号
「○」で示した。 インクの滲みの評価:得られたインクジェット用記録材
にヒューレットパッカード社製の「デザインジェット
2500CP」を用いて、0.5mmの隙間を除いて黒
インクで塗りつぶす様に描画する。この描画されたシー
トを、温度40℃、湿度90%の恒温恒湿槽内で24時
間放置し、インクの滲みの程度を目視観察した。インク
の滲みがひどいものを記号「×」、インクの滲みが良好
なものを「○」で示した。
【0030】
【表1】
【0031】表1から明らかなように、実施例1〜4の
インクジェット用記録材は、耐熱性評価およびインクの
滲み性の評価について両方とも優れた結果が得られた。
一方、比較例1および比較例2の記録材は、耐熱性もイ
ンクの滲み性も共に不良であった。すなわち、本発明の
インクジェット用記録材は、カチオン性ポリマーの融点
が親水性の熱可塑性樹脂の分解温度(200℃)より2
0℃以上低いので、良好な共押出成形ができた。また、
本発明の実施例1〜4のインクジェット用記録材は、表
面層が耐熱性を有するので、高温高湿環境下で保存して
もべたつきが生じることもなく、ブロッキングの恐れも
なかった。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明のインクジェ
ット用記録材は、滲み性に優れており、かつ耐熱性にも
優れたものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に、親水性の熱可塑性樹脂及びカ
    チオン性ポリマーAを含むインク受容層、及び最外層と
    してポリビニルアルコール及びカチオン性ポリマーBを
    含む表面層を有し、該カチオン性ポリマーA及びカチオ
    ン性ポリマーBはそれぞれ独立して、下記一般式(1)
    で表されるエチレン構造単位が65モル%〜99モル
    %、下記一般式(2)で表されるアクリレート構造単位
    が15モル%以下、および下記一般式(3)で表される
    アクリルアミド構造単位が1モル%〜35モル%からな
    る、不規則に配列した重量平均分子量が1,000〜5
    0,000の線状のカチオン性高分子化合物であること
    を特徴とするインクジェット用記録材。 【化1】 (式中、R22は炭素数2〜8のアルキレン基を表し、
    23は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R24は水
    素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R25
    は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数12以下のアリ
    ールアルキル基または炭素数12以下の脂環式アルキル
    基を表し、Xはハロゲンイオン、CHOSO
    たはCOSO を表す)
  2. 【請求項2】 前記インク受容層における親水性の熱可
    塑性樹脂とカチオン性ポリマーAとの重量比が30/7
    0〜95/5の範囲内であることを特徴とする請求項1
    に記載のインクジェット用記録材。
  3. 【請求項3】 前記表面層におけるポリビニルアルコー
    ルとカチオン性ポリマーBとの重量比が、30/70〜
    95/5の範囲内であることを特徴とする請求項1また
    は2のいずれか1項に記載のインクジェット用記録材。
  4. 【請求項4】前記親水性の熱可塑性樹脂が、一般式
    (4) 【化2】 であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であ
    り、a、b、cより計算される重量比、44(a+c)
    /(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
    b、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基
    を2個有する有機化合物の残基、Zは炭素数1以上の炭
    化水素基、R11はジカルボン酸類化合物残基またはジ
    イソシアネート系化合物残基である)で示されることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク
    ジェット用記録材。
  5. 【請求項5】前記インクジェット用記録材が、少なくと
    もインク受容層用樹脂組成物および表面層用樹脂組成物
    をそれぞれ多層用Tダイ押出機に搭載し、温度60〜2
    00℃の範囲で溶融して共押出法により製膜されたフィ
    ルムを、基体上に積層することにより製造されることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク
    ジェット用記録材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007007547A1 (ja) * 2005-07-13 2007-01-18 Mitsubishi Plastics, Inc. インクジェット記録材料およびそれを用いたディスプレー材料

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