JP2001287445A - インクジェット用記録材 - Google Patents

インクジェット用記録材

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JP2001287445A
JP2001287445A JP2000106046A JP2000106046A JP2001287445A JP 2001287445 A JP2001287445 A JP 2001287445A JP 2000106046 A JP2000106046 A JP 2000106046A JP 2000106046 A JP2000106046 A JP 2000106046A JP 2001287445 A JP2001287445 A JP 2001287445A
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JP
Japan
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group
cationic polymer
weight
recording material
carbon atoms
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Pending
Application number
JP2000106046A
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English (en)
Inventor
Jun Nishioka
潤 西岡
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Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Plastics Inc filed Critical Mitsubishi Plastics Inc
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インクの滲みが改良されたインクジェット用記
録材を提供すること。 【解決手段】インクジェット用記録材は、基体上に、親
水性の熱可塑性樹脂及びカチオン性ポリマーAを含むイ
ンク受容層、及び最外層としてポリビニルアルコール及
びカチオン性ポリマーBを含む表面層を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録に好適なインクジェット用記録材に関し、特にインク
の滲み特性に優れたインクジェット用記録材に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット法による記録は騒音が無
く、高速印字が可能であり、低コストであることからカ
ラーコピー、コンピューター等の画像情報出力装置に用
いられ、急速に普及しつつある。インクジェット用記録
材としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビ
ニルピロリドン等の親水性樹脂を使用したものが知られ
ている。基材上にPVA等を塗布したインクジェット用
記録材は、インク受容層の厚さが薄くなってしまうの
で、インクの吸収能力が低く、乾燥速度の低下等を引き
起こし、その結果インクの滲み等の問題が生じた。ま
た、熱可塑性のPVA樹脂を用いて、溶融押出法により
形成されたインクジェット用記録材は、押出グレードの
PVAが耐水性の低いものが多いので、インクの滲み等
の画像保存性に問題があった。インクジェット用記録材
における滲みを防ぐために第4級アンモニウム塩を添加
することが以前から行われてきたが、通常の第4級アン
モニウム塩は水溶性のものが多く、親水性の樹脂と組み
合わせて用いると、高湿度条件下で保存された場合等に
インクの滲みを防ぐことができなかった。また、非水溶
性の第4級アンモニウム塩を用いると、溶融押出法で製
造されるインクジェット用記録材との相溶性が悪く分散
不良となり、高温多湿条件下では滲みを防止することが
できなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、イン
クの滲み性が改良されたインクジェット用記録材を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
用記録材は、基体上に、親水性の熱可塑性樹脂及びカチ
オン性ポリマーAを含むインク受容層、及び最外層とし
てポリビニルアルコール及びカチオン性ポリマーBを含
む表面層を有することを特徴とする。ここで、前記イン
ク受容層における親水性の熱可塑性樹脂とカチオン性ポ
リマーAとの重量比が30/70〜95/5の範囲内で
あることができる。また、前記表面層におけるポリビニ
ルアルコールとカチオン性ポリマーBとの重量比が、3
0/70〜95/5の範囲内であることができる。
【0005】また、前記カチオン性ポリマーA及びカチ
オン性ポリマーBがそれぞれ独立に、メチルメタクリレ
ート系共重合体、および一般式(1)
【化7】 (式中、Rは水素またはメチル基を表し、R,R
およびRはそれぞれ水素または置換基を有していても
よい炭素数1〜9のアルキル基を表し、mは1〜10の
整数、Xは無機もしくは有機の一価の酸基、または無機
酸もしくは有機酸の相応する等価物を表す)で示される
第4級アンモニウム塩を有する単量体成分20〜90重
量%と、ポリアルキレングリコール成分を有する共重合
可能な単量体成分10〜80重量%と、共重合可能なビ
ニル系単量体成分0〜70重量%とからなる共重合体を
有する高分子化合物であることができる。
【0006】また、前記カチオン性ポリマーA及びカチ
オン性ポリマーBがそれぞれ独立に、一般式(2) (式中、Gはハロゲン原子を1〜3個有する飽和炭化水
素基または不飽和炭化水素基を表し、Rは水素、メチ
ル基、エチル基、塩素原子または臭素原子を表す)で示
されるハロゲン含有単量体5〜84重量部と、一般式
(3)
【化8】 (式中、Rは水素、メチル基またはエチル基を表し、
,RおよびRはそれぞれ独立に炭素数18以下
のアルキル基、アルケニル基またはアラルキル基を表
し、Jは
【化9】 を表し、かつ、上記式中、R'は水素、メチル基または
エチル基を表し、sは2〜12の整数を表し、tは1〜
5の整数を表す)で示される第4級アンモニウム塩を含
む単量体95〜16重量部と、共重合しうるビニル系単
量体0〜50重量部とを共重合させた高分子化合物であ
ることができる。
【0007】また、前記カチオン性ポリマーA及びカチ
オン性ポリマーBがそれぞれ独立に、グリシジルメタク
リレート及びグリシジルアクリレートのうち少なくとも
一つと、一般式(4)
【化10】 (式中、Lはアルキレンオキサイドと反応し得る活性水
素を有し、かつアミノ基を含まない化合物から活性水素
を除いた有機基を表し、pは5〜100、qは0〜50
の整数を表し、R10は水素またはメチル基を表す)で
示される化合物の少なくとも一つと、イオン基を有する
エステル結合型及び/またはアミド結合型のアクリル酸
誘導体及びメタクリル酸誘導体から選択される少なくと
も一つとを共重合体させた高分子化合物であることがで
きる。
【0008】また、前記カチオン性ポリマーBが、下記
一般式(5)で表されるエチレン構造単位が65モル%
〜99モル%、下記一般式(6)で表されるアクリレー
ト構造単位が15モル%以下、および下記一般式(7)
で表されるアクリルアミド構造単位が1モル%〜35モ
ル%からなる、不規則に配列した重量平均分子量が1,
000〜50,000の線状のカチオン性高分子化合物
であることができる。
【化11】 (式中、R22は炭素数2〜8のアルキレン基を表し、
23は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R24は水
素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R25
は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアリ
ールアルキル基または炭素数1〜12の脂環式アルキル
基を表し、Xはハロゲンイオン、CHOSO
たはCOSO−を表す)
【0009】また、前記親水性の熱可塑性樹脂が、一般
式(8)
【化12】 であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であ
り、a、b、cより計算される重量比、44(a+c)
/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
b、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基
を2個有する有機化合物の残基、Zは炭素数1以上の炭
化水素基、R11はジカルボン酸類化合物残基またはジ
イソシアネート系化合物残基である)で示されることが
できる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット用記録材
は、基体上にインク受容層及び表面層を有する。表面層
はインクジェット用記録材の最外層を構成し、インク受
容層は基体と表面層との間に位置する。また、インク受
容層と基体との間には他の層を有していてもよい。受容
層は親水性の熱可塑性樹脂及びカチオン性ポリマーAを
含み、表面層はポリビニルアルコール及びカチオン性ポ
リマーBを含む。用いられるカチオン性ポリマーA及び
カチオン性ポリマーBは同一でも異なっていてもよい。
なお、任意的に設けられる他の層は、例えば汎用の親水
性樹脂を含むことができる。
【0011】カチオン性ポリマーA及びカチオン性ポリ
マーBとしては、例えばポリアリルアミン塩酸塩、ポリ
アルキルアミノアクリレート等、第4級化されたアミノ
基を有するモノマーからなる共重合体等の高分子化合物
が該当する。これらの高分子化合物は、融点(Tm)が
60℃〜200℃の範囲であり、分子量が1000〜1
0万の範囲内であることが好ましい。
【0012】具体的には、カチオン性ポリマーA及びカ
チオン性ポリマーBとして、メチルメタクリレート系共
重合体、および下記一般式(1)で示される第4級アン
モニウム塩基を有する単量体成分20〜90重量%と、
ポリアルキレングリコール成分を有する共重合可能な単
量体成分10〜80重量%と、共重合可能なビニル系単
量体成分0〜70重量%とからなる共重合体を混合して
なる高分子化合物(I)を用いることができる。ただ
し、一般式(1)で示される第4級アンモニウム塩基を
有する単量体成分が30〜80重量%、ポリアルキレン
グリコール成分を有する共重合可能な単量体成分が20
〜70重量%、共重合可能なビニル系単量体成分が0〜
50重量%であることが好ましい。
【0013】4級アンモニウム塩基を有する単量体成分
が20重量%以上であれば良好な制電性を付与すること
ができ、共重合可能なポリアルキレングリコール成分を
有する単量体成分が10重量%以上であれば高分子化合
物の透明性を損なうことがない。
【化13】 式中、Rは水素またはメチル基を表し、R,R
よびRはそれぞれ水素または置換基を有していてもよ
い炭素数1〜9のアルキル基を表し、mは1〜10の整
数、好ましくはm=2〜6の整数、Xは無機もしくは有
機の一価の酸基、または無機酸もしくは有機酸の相応す
る等価物を表し、Xは一般式R12SO もしくは
12OSO で示されるカウンターアニオンを表
す。ただし、R12は水素またはフェニル基を含んでい
てもよい炭素数1〜20のアルキル基である。
【0014】メチルメタクリレート系共重合体とは、メ
チルメタクリレート単位50重量%以上と他の単量体単
位50重量%以下とからなる共重合体である。メチルメ
タクリレートと共重合する他の共重合体としては、例え
ば、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2
−エチルヘキシルメタクリレート等のアルキルメタクリ
レート類、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート
等のアルキルアクリレート類、スチレン、アクリロニト
リル、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸、フマル酸、ビニルトルエン等が挙げられ、好まし
くはメチルアクリレート等のアルキルアクリレート類お
よびスチレンが挙げられる。また、メチルメタクリレー
ト系共重合体は、25℃のトルエン溶媒における極限粘
度が0.4〜0.8dl/gであることが好ましい。
【0015】上記一般式(1)で示される第4級アンモ
ニウム塩基を有する単量体成分とは、アミンを有するメ
タクリレートもしくはアクリレートが第4級化剤によっ
て第4級化されたものである。アミンを有するメタクリ
レートもしくはアクリレートとしては、ジメチルアミノ
エチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリ
レート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジメ
チルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチル
アクリレート、ジメチルアミノブチルメタクリレート、
ジヒドロキシエチルアミノエチルメタクリレート、ジプ
ロピルアミノエチルメタクリレート、ジブチルアミノエ
チルメタクリレート等が挙げられる。
【0016】第4級化剤としては、ジメチル硫酸、ジエ
チル硫酸、ジプロピル硫酸等のアルキル硫酸類、p−ト
ルエンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸メチル等
のスルホン酸エステル、ジメチル亜硫酸等のアルキル亜
硫酸、トリメチルホスフェート等のアルキルリン酸、ア
ルキルベンジルクロライド、ベンジルクロライド、アル
キルクロライド、アルキルブロマイド等の各種のハライ
ドが用いられ、特に、アルキル硫酸、スルホン酸エステ
ルが耐熱分解性の点から好ましい。なお、本発明に用い
られる第4級アンモニウム塩は非水溶性であることが好
ましく、このことは高分子化合物(I)に限定されるも
のではなく、後述する高分子化合物(II)〜高分子化
合物(IV)についても同様である。
【0017】共重合可能なポリアルキレングリコール成
分を有する単量体成分としては、末端スチリルのポリア
ルキレングリコールマクロマー、末端ビニルのポリアル
キレングリコールマクロマー等が好ましく使用すること
ができ、特に好ましい単量体成分は、下記一般式(9)
で示される、末端メタクリレートもしくはアクリレート
のポリアルキレングリコールマクロマーである。
【化14】 ただし、式中、R13は水素またはメチル基、R14
枝分かれしていてもよい炭素数4以下のアルキル基、R
15は水素または炭素数1〜20のアルキル基、rは1
〜500の整数を表す。
【0018】本発明に好ましく用いられるポリアルキレ
ングリコール成分を有する共重合可能な単量体成分は末
端メタクリレートもしくはアクリレートのポリアルキレ
ングリコールマクロマーであり、具体的には、例えば、
ポリエチレングリコール(4)モノメタクリレート、ポ
リエチレングリコール(23)モノメタクリレート、ポ
リエチレングリコール(300)モノメタクリレート、
ポリエチレングリコール(23)モノアクリレート、ポ
リプロピレングリコール(23)モノメタクリレート、
ポリプロピレングリコール(23)モノアクリレート、
ポリエチレングリコール(23)モノメタクリレートモ
ノメチルエーテル、ポリエチレングリコール(23)モ
ノメタクリレートモノブチルエーテル、ポリプロピレン
グリコール(23)モノアクリレートモノメチルエーテ
ル、ポリエチレングリコール(23)モノメタクリレー
トモノノニルエーテル、ポリエチレングリコール(2
3)モノメタクリレートモノステアリルエーテル、ポリ
プロピレングリコール(23)モノメタクリレートモノ
メチルエーテル、ポリエチレングリコール(4)モノメ
タクリレートモノメチルエーテル、ポリエチレングリコ
ール(9)モノメタクリレートモノメチルエーテル、ポ
リエチレングリコール(300)モノメタクリレートモ
ノメチルエーテル、ポリエチレングリコール(23)モ
ノメタクリレートモノオレイルエーテル等(かっこ内の
数字はポリアルキレングリコールのユニット数を示す)
が挙げられる。
【0019】共重合可能なビニル系単量体成分として
は、公知の単量体、例えば、メタクリル酸アルキルエス
テル、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸、メタ
クリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビ
ニル、不飽和ニトリル、芳香族ビニル、アルキルビニル
エーテル、アルキルビニルケトン、2−ヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、イソブテン、2−アシッドホスフォキシエチル(メ
タ)アクリレート等の1種または2種以上の単量体を使
用することができる。上記共重合体の製造法については
特に限定はなく、溶液重合、バルク重合等の手段を用い
ることができ、例えば、特開昭64−63739号公報
第4頁左下欄および実施例の記載に基づいて製造するこ
とができる。
【0020】また、上記メチルメタクリレート系共重合
体と上記共重合体とからなる高分子化合物は、例えば、
共重合体の存在下でメチルメタクリレート系共重合体を
重合することにより、または共重合体とメチルメタクリ
レート系共重合体とを加熱溶融混合することにより作製
することができるが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。本発明において、上記高分子化合物の分子量
は1000以上であることが好ましい。分子量が100
0以上であれば、良好な恒久制電性が得られる。
【0021】本発明においてはカチオン性ポリマーAお
よびカチオン性ポリマーBとして、下記一般式(2)で
示されるハロゲン含有単量体5〜84重量部と、一般式
(3)で示される第4級アンモニウム塩を含む単量体9
5〜16重量部と、共重合しうるビニル系単量体0〜5
0重量部とを共重合せしめた高分子化合物(II)を用
いることもできる。 ただし、式中、Gはハロゲン原子を1〜3個有する炭素
数1〜6の飽和炭化水素基または不飽和炭化水素基、R
は水素、メチル基、エチル基、塩素原子または臭素原
子を示す。
【化15】
【0022】ただし、式中、Rは水素、メチル基また
はエチル基を表し、R,RおよびRはそれぞれ独
立に炭素数18以下のアルキル基、アルケニル基または
アラルキル基を表し、Jは
【化16】 (式中、R'は水素、メチル基またはエチル基を表す)
を表し、Qは ―(CH― (式中、sは2〜12の整数
を表す) または ―(CH−CH−O)―CH―CH― (式中、tは1〜5の整数を表す)を表し、Yは塩素原
子、臭素原子、沃素原子、CHSO、CSO
【化17】 を表す。
【0023】高分子化合物(II)は、ハロゲン含有単
量体が6〜75重量部、第4級アンモニウム塩を含む単
量体が93.5〜25重量部、ビニル系単量体が0〜3
5重量部であることが好ましく、特に、ハロゲン含有単
量体が9〜50重量部、第4級アンモニウム塩を含む単
量体が91〜50重量部、ビニル系単量体が0〜25重
量部であることが好ましい。
【0024】ここで、ハロゲン含有単量体としては、例
えば、2−クロロエチルアクリレート、3−クロロプロ
ピルアクリレート、3−ブロモブチルアクリレート、
2,3−ジブロモプロピルアクリレート、2,3−ジク
ロロプロピルアクリレート、β−クロロアリルアクリレ
ート、γ−クロロアリルアクリレート、3,3−ジクロ
ロ−2−プロペニルアクリレート、p−クロロフェニル
アクリレート、2−クロロエチル−α−クロロアクリレ
ート、クロロメチル−α−クロロアクリレート、ブロモ
メチル−α−クロロアクリレート、トリクロロ−α−ク
ロロアクリレート、3−クロロプロピル−α−クロロア
クリレート、2−クロロ−2−メチル−α−クロロアク
リレート、2−クロロ−3−メチル−α−クロロアクリ
レート、2,3−ジブロモプロピル−α−クロロアクリ
レート、2,3−ジブロモブチル−α−クロロアクリレ
ート、2,3−ジヨードプロピルアクリレート、2−ク
ロロ−3−ブロモプロピルアクリレート、2−クロロ−
3−ヨードプロピルアクリレート、4−ブロモブチルア
クリレート、2,3−ジブロモプロピル−α−ブロモア
クリレート、5−クロロペンチルアクリレート、2,3
−ジブロモブチル−α−ブロモアクリレート、2−ブロ
モプロピル−α−ブロモアクリレート、2−クロロブチ
ルアクリレート、3,4−ジブロモブチルアクリレー
ト、2−クロロ−1−メチルブチルアクリレート、4−
ブロモペンチルアクリレート、4,5−ジクロロペンチ
ルアクリレート、o−クロロフェニルアクリレート、ク
ロロメチルメタクリレート、2−クロロエチルメタクリ
レート、2,3−ジブロモプロピルメタクリレート、2
−ヨードエチルメタクリレート、2−フルオロエチルメ
タクリレート、2,2,2−トリクロロエチルメタクリ
レート、o−クロロフェニルメタクリレート、p−クロ
ロフェニルメタクリレート、2,4−ジクロロフェニル
メタクリレート、2,4,6−トリクロロフェニルメタ
クリレート、2,3−ジヨードプロピルメタクリレー
ト、2−クロロ−3−ブロモメタクリレート、3−ブロ
モブチルメタクリレート、2,3−ジクロロブチルメタ
クリレート、2−ブロモブチルメタクリレート、3,4
−ジブロモブチルメタクリレート、4,5−ジブロモペ
ンチルメタクリレート、4−クロロペンチルメタクリレ
ート、3−ブロモプロピルメタクリレート、4−ブロモ
ブチルメタクリレート、5−ブロモペンチルメタクリレ
ート、2−クロロエチル−α−エチルアクリレート、3
−クロロプロピル−α−エチルアクリレート、3−ブロ
モブチル−α−エチルアクリレート、2,3−ジクロロ
プロピル−α−エチルアクリレート等が挙げられ、耐久
性向上の点から、隣接した炭素にハロゲン原子を有する
単量体、例えば、2,3−ジクロロプロピルアクリレー
ト、2,3−ジブロモプロピルアクリレート、2,3−
ジブロモプロピルメタクリレート、2,3−ジクロロプ
ロピルアクリレート、2,3−ジクロロプロピルメタク
リレートが好ましい。
【0025】第4級アンモニウム塩を含む単量体として
は、例えば、構造式 [CH=CHCOOCHCH
N(CHCHSO のトリメチルアン
モニウム、エチルアクリレートメトスルフェート、エチ
ルジメチルアンモニウムエチルメタクリレートエトスル
フェート、ジエチルヒドロキシエチルアンモニウムエチ
ルメタクリレートクロライド、トリメチルアンモニウム
エチルアクリレートクロライド、ジメチルベンジルアン
モニウムプロピルアクリレートブロマイド、ジエチルメ
チルアンモニウムエチルアクリレートメトスルフェー
ト、ジエチルブチルアンモニウムエチルメタクリレート
スルフェート、ジメチルセチルアンモニウムエチルアク
リレートクロライド、ジメチルエチルアンモニウムブチ
ルメタクリレートクロライド、ジメチルアンモニウムオ
クチルアクリレートメトスルフェート、トリエチルアン
モニウムデシルアクリレートエトスルフェート、ジメチ
ルアリルアンモニウムエチルアクリレートブロマイド、
構造式[CH=CHCOOCHCHOC
(CH)(CCHSO のジエ
チルメチルアンモニウムエチルモノ(オキシエチル)ア
クリレートメトスルフェート、トリエチルアンモニウム
エチルモノ(オキシエチル)メタクリレートブロマイ
ド、トリエチルアンモニウムエチルトリ(オキシエチ
ル)メタクリレートブロマイド、トリエチルアンモニウ
ムペンタ(オキシエチル)アクリレートエトスルフェー
ト、構造式 [CH=CHCONHCN(CH
)(CCHSO のジエチルメ
チルアンモニウムエチルアクリルアミドメトスルフェー
ト、トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミド
ブロマイド、ジメチルハイドロキシエチルアンモニウム
オクチルアクリルアミドクロライド、ジメチルエチルア
ンモニウムドデシルアクリルアミドエトスルフェート等
が挙げられる。
【0026】ビニル系単量体としては、高分子化合物
(I)において既に列挙したビニル系単量体と同様のも
のが好ましく用いられる。
【0027】上記高分子化合物(II)は公知の共重合
法により、すなわち乳化重合、溶液重合等により製造す
ることができ、例えば、特公昭49−16033号公報
第8〜10欄および実施例の記載に基づいて製造するこ
とができる。
【0028】カチオン性ポリマーAおよびカチオン性ポ
リマーBとして、グリシジルメタクリレートおよびグリ
シジルアクリレートのうち少なくとも一つと、下記一般
式(4)で示される化合物の少なくとも一つと、イオン
基を有するエステル結合型及び/またはアミド結合型の
アクリル酸誘導体及びメタクリル酸誘導体から選択され
る少なくとも一つとの共重合体からなる高分子化合物
(III)を用いることもできる。
【化18】 式中、Lはアルキレンオキサイドと反応し得る活性水素
を有し、かつアミノ基を含まない化合物から活性水素を
除いた有機基、pは5〜100、qは0〜50、R10
は水素またはメチル基を表す。
【0029】ここで、一般式(4)において、アルキレ
ンオキサイドと反応しうる活性水素を有し、かつアミノ
基を含まない化合物とは、例えば、ヒドロキシル基、カ
ルボキシル基、メルカプト基、アミド基等の基を分子中
に1個またはそれ以上有する化合物を表す。アルキレン
オキサイドと反応し得る活性水素を有し、かつアミノ基
を含まない化合物から活性水素を除いた有機基とは、実
用的には1個の活性水素を有する化合物からその活性水
素を除いた型の熱に対して安定な基が望ましく、特に使
用しやすい化合物を挙げると、メタノール、エタノー
ル、ブタノール、オクタノール、ラウリルアルコール、
オレイルアルコール、ステアリルアルコール、2−エチ
ルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール等のような
アルコール類、フェノール、アルキルフェノール、ナフ
トール、フェニルフェノール等のフェノール類、メチル
ステアラミド、ラウリルオレアミド、ε−カプロラクタ
ム等のようなアミド類から活性水素を除いた残基等であ
る。その他、低級または高級脂肪酸、芳香族カルボン
酸、アルキルメルカプタン等もある。一般式(4)にお
けるエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの割合
は任意に選ぶことができるが、p=5〜100、q=0
〜50が適当である。
【0030】本発明に用いられるイオン基を有するエス
テル結合型および/またはアミド結合型のアクリル酸誘
導体およびメタクリル酸誘導体としては、例えば、アク
リル酸もしくはメタクリル酸、またはそれらの低級アル
キルエステルのうち少なくとも1種類とN,N−ジアル
キルアルカノールアミン、N,N−ジアルキルアルキレ
ンジアミン等をエステル結合またはアミド結合した型の
化合物の第3級アミノ基をさらに適当な第4級化剤で第
4級化することによって得られる第4級アンモニウムカ
チオン化合物、両性化合物あるいはスルホン酸基やリン
酸基等のアニオン基を有する型の誘導体が挙げられる。
具体的には、 CH=CRCOO−R01−N0203
04 CH=CRCONH−R01−N0203
04 CH=CRCOO−R01−N+R0203
05 CH=CRCONH−R01−N0203
05 CH=CRCOOCHCH(OH)CH
020304 CH=CRCOO−R05−Z CH=CRCONH−R05−Z CH=CRCOOCHCH(OH)CH−Z である。ただし、Rは水素またはメチル基、R01
よびR05はそれぞれ炭素数2〜4の2価の炭化水素基
を表し、R02,R03およびR04はそれぞれ独立に
炭素数1〜22の飽和または不飽和の炭化水素、ヒドロ
キシアルキル基、置換基を有するアルキル基を表し、X
はアニオン、例えばアルキルサルフェートイオン、
ハロゲンイオン、Y はCOOまたはSO 、Z
はスルホン酸基、ホスホン酸基、リン酸あるいはリン
酸モノエステルの残基、あるいはそれらの基の1〜3価
の金属塩を表す。金属塩としては、特にNa,K,L
i,Ca,Mg等が好ましい。本発明においては、熱安
定性の点でアニオン基が好ましい。
【0031】上記高分子化合物(III)は各種の重合
方法によって製造することができ、例えば、上記3種類
の成分の混合物を重合することによって、またはグリシ
ジルメタクリレートおよび/またはグリシジルアクリレ
ートと一般式(4)で示される化合物とをあらかじめ重
合させたものに、イオン基を導入することによって製造
することができる。具体的には、特公昭46−97号公
報第5〜6欄および実施例の記載に基づいて製造するこ
とができる。
【0032】本発明においてはカチオン性ポリマーBと
して、下記一般式(5)で表されるエチレン構造単位が
65モル%〜99モル%、下記一般式(6)で表される
アクリレート構造単位が15モル%以下、および下記一
般式(7)で表されるアクリルアミド構造単位が1モル
%〜35モル%からなる、不規則に配列した重量平均分
子量が1,000〜50,000の線状のカチオン性の
高分子化合物(IV)を用いることもできる。
【化19】 (式中、R22は炭素数2〜8のアルキレン基を表し、
23は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R24は水
素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R25
は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数12以下のアリ
ールアルキル基または炭素数12以下の脂環式アルキル
基を表し、Xはハロゲンイオン、CHOSO
たはCOSO を表す)
【0033】表面層の形成に用いられるポリビニルアル
コール(PVA)としては、特に限定されることなく一
般に用いられるものが挙げられるが、例えば、冷水可溶
タイプのPVAであり、ケン化度が約20〜90%であ
ることが好ましく、分解温度と融点(成形温度)との差
が20℃以上であることが好ましい。分解温度と融点
(Tm)との温度差を20℃以上にするためには、例え
ば、PVAの粘度平均重合度を200〜1000に調整
することにより、またはPVAとエチレン性モノマーと
の共重合体を形成することにより、またはPVAに可塑
剤を添加することにより、温度差を20℃以上にするこ
とができる。PVAとエチレン性モノマーとの共重合体
を形成することにより温度差を設定する場合には、例え
ば、N−ビニルピロリドンを10モル%程度重合すると
よい。可塑剤を添加することにより温度差を設定する場
合には、グリセリン、エチレングリコール等を15重量
%程度添加することが好ましい。このようにして、PV
Aの融点を180℃以下にすることができ、したがって
分解温度と融点との温度差を20℃以上にすることがで
きる。さらに、本発明に用いられるPVAはネッキング
(押出機から押し出されたフィルムまたはシートが横方
向に収縮してたわむこと)を改良するために、重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/
Mn)が2.8以上であることが好ましい。
【0034】本発明において、インク受容層に好ましく
用いられる親水性の熱可塑性樹脂は、下記一般式(8)
で表される繰り返し単位から構成される。
【化20】 であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であ
り、a、b、cより計算される重量比、44(a+c)
/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
b、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基
を2個有する有機化合物の残基、Zは炭素数1以上の炭
化水素基、R11はジカルボン酸類化合物残基またはジ
イソシアネート系化合物残基である。
【0035】ここで、活性水素基を2個有する有機化合
物としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ビスフェノールA、アニリンプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等がある。
【0036】上述した重量比、すなわち44(a+c)
/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
b、が80/20より小さいと親水性が低下し、インク
吸水性、印刷適性で劣るものとなる。一方、94/6を
超えると、インクの滲み耐水性等の点で劣るものとな
る。Zは前記一般式(8)で示される樹脂組成物に疎水
性を付与する機能を有するものであり、例えば好ましい
ものとしてはエチル基等のアルキル基等が挙げられ、
a、b、cの割合を上述の範囲内とすることにより、親
水性を失わず、かつ、水に対して不溶化することができ
る。かかる熱可塑性樹脂は、エチレングリコールにエチ
レンオキシドを付加重合した後、アルキレンオキシドを
付加重合し、さらにエチレンオキシドを付加重合して生
成したポリアルキレンオキシドにジカルボン酸化合物ま
たはジイソシアネート化合物を反応させて生成すること
ができる。
【0037】上記ジカルボン酸化合物としては環状ジカ
ルボン酸化合物または直鎖状ジカルボン酸化合物が望ま
しく、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物、ジカルボン
酸の低級アルキルエステルが挙げられる。上記ジカルボ
ン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、マロン酸、コハク酸、セバシン酸、マレイン酸、フ
マル酸、アジピン酸、イタコン酸が挙げられる。上記ジ
カルボン酸無水物としては、上記各種ジカルボン酸の無
水物が挙げられる。また、上記ジカルボン酸の低級アル
キルエステルとしては、上記各種のジカルボン酸のメチ
ルエステル、ジメチルエステル、エチルエステル、ジエ
チルエステル、プロピルエステル、ジプロピルエステル
等が挙げられる。特に好ましくは、炭素数12〜36の
直鎖状ジカルボン酸およびその低級アルキルエステルが
挙げられ、1,10−デカメチレンジカルボン酸、1,
14−テトラデカメチレンジカルボン酸、1,18−オ
クタデカメチレンジカルボン酸、1,32−ドトリアコ
ンタンメチレンジカルボン酸等が挙げられる。上記の低
級アルキルエステルとしては、これらジカルボン酸のメ
チルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ジ
プロピルエステル等が挙げられる。これらは単独で、も
しくは2種以上併せて用いることができる。なかでも、
反応の容易性という観点から、上記ジカルボン酸無水物
およびジカルボン酸の低級アルキルエステルを用いるこ
とが好ましい。
【0038】上記ジイソシアネート化合物としては、
4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、メチレンビスシクロヘキシ
ルジイソシアネート等が挙げられる。これらは単独で、
または2種以上併せて用いることができる。
【0039】本発明において、インク受容層における親
水性の熱可塑性樹脂とカチオン性ポリマーAとの割合
は、親水性の熱可塑性樹脂が30〜95重量%に対して
カチオン性ポリマーAが5〜70重量%の範囲内である
ことが好ましい。ただし、親水性の熱可塑性樹脂とカチ
オン性ポリマーAとの合計が100重量%とする。親水
性の熱可塑性樹脂の含有量が30重量%以上であれば、
記録材としての機能を確保することができ、カチオン性
ポリマーAの含有量が5重量%以上であれば、インクの
滲みを効果的に抑制することができる。
【0040】本発明において、表面層におけるポリビニ
ルアルコール(PVA)とカチオン性ポリマーBとの割
合は、PVAが30〜95重量%に対してカチオン性ポ
リマーBが5〜70重量%の範囲内であることが好まし
く、PVAが60〜85重量%に対してカチオン性ポリ
マーBが15〜40重量%の範囲内であることが特に好
ましい。ただし、PVAとカチオン性ポリマーBとの合
計が100重量%とする。カチオン性ポリマーBが15
重量%以上であれば、得られるインクジェット用記録材
を高温、高湿度下で保存しても印字のにじみの状態は極
めて良好である。カチオン性高分子化合物が40重量%
以内であれば、得られるインクジェット用記録材の印字
品質は優れたものとなる。ただし、カチオン性ポリマー
Bが50重量%を越すとPVAに対してカチオン性高分
子化合物の分散不良を生じることがあり、得られるイン
クジェット用記録材のインク受容層に粒子状のブツが生
じることがあるので、分散状態に注意が必要となる。
【0041】インク受容層には親水性の熱可塑性樹脂お
よびカチオン性ポリマーAの他に、また表面層にはPV
Aおよびカチオン性ポリマーBの他に、さらにカチオン
性活性剤またはノニオン性活性剤を含めることができ
る。本発明において、カチオン性活性剤またはノニオン
性活性剤の樹脂中の含有量は1重量%〜10重量%の範
囲内であることが好ましい。本発明に好ましく用いられ
るカチオン性活性剤としては、ポリエチレンイミン、第
4級アンモニウムクロライド、第4級アンモニウムサル
フェート等が挙げられ、本発明に好ましく用いられるノ
ニオン性活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキル
アミン、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0042】インク受容層を形成する親水性の熱可塑性
樹脂およびカチオン性ポリマーA、表面層を形成するP
VAおよびカチオン性ポリマーB等は、これらを配合し
た後、二軸押出機を用いて、好ましくは同方向二軸押出
機を用いて混合してから、ペレット化しておくことがで
きる。なお、ペレット化は約160℃の温度で行うこと
が好ましい。
【0043】本発明においては、本発明の特性を損なわ
ない範囲内で酸化防止剤、紫外線防止剤等の各種の添加
剤をさらに含有させることができる。例えば、溶融押出
時の熱劣化を防止するために、樹脂組成物中に酸化防止
剤を含有させることが出来る。なお、熱安定性向上のた
めに添加する酸化防止剤の量としては、0.3〜1.5
重量%程度が適当である。
【0044】また、インクジェット用記録材の手触りや
柔らかさ等、材料の風合いを改良するため可塑剤等を含
めることができる。本発明に好ましく用いられる可塑剤
としては、ポリエチレングリコール(PEG)等が挙げ
られる。また、ブロッキングを防止するために充填剤を
含めることができる。本発明に好ましく用いられる充填
剤としては例えばタルク等の無機充填剤を挙げることが
できる。
【0045】本発明のインクジェット用記録材は、基体
と、該基体上にインク受容層および表面層を有する。イ
ンク受容層および表面層は基体上にコーティングするこ
とにより設けられても、転写により設けられても、また
は接着剤を介して設けられてもよいし、あるいは積層体
として溶融押出し等により設けられてもよい。溶融押出
製膜機としては、樹脂を1軸または2軸以上の複数のス
クリューを有する押出機にTダイを取り付け、押出機中
で溶融させた樹脂をTダイよりシートとして押し出し、
冷却ロール等にで冷却、固化することによりフィルムを
製造する装置等を用いることができる。このようなイン
クジェット用記録材は公知の方法により形成することが
でき、例えば、特開平10−71763号公報第(6)
〜(7)頁、特開平3−177434号公報第(3)〜
(4)頁の記載に従って得ることができる。なお、基体
としては用途によってプラスチック、紙等の各種のもの
を用いることができ、例えば、オーバーヘッドプロジェ
クター等に用いられるインクジェット用記録材としては
透明な基体が選択される。
【0046】本発明のインクジェット用記録材を用い
て、通常のインクジェット法により画像記録を行うこと
ができ、良好な画像を得ることができる。
【0047】
【実施例】実施例1 ポリエチレンオキサイド(商品名「パオゲン PP−1
5」、第一工業製薬(株)製)70重量%とカチオン性
ポリマー(商品名「ルナペール QA−100」、荒川
化学工業(株)製)30重量%とを混合したものを30
μmの厚さとなるように、厚さ75μmのポリエステル
フィルム上に、120℃の温度で溶融押出成形により溶
融キャストして積層シートを作製した。次いで、ポリビ
ニルアルコール(商品名「CP−1000」、(株)ク
ラレ製)70重量%と分子量が約2万で融点(Tm)が
約120℃のカチオン性ポリマー(商品名「レオレック
ス AS170」、第一工業製薬(株)製)30重量%
とを混合したものを、170℃の温度で溶融押出成形に
より表面層用シートを形成した。ただし、表面層用シー
トの厚さは5μmであった。作製された積層シートと表
面層用シートとを170℃の温度で熱ラミネートして、
インクジェット用記録材を得た。
【0048】実施例2 ポリエチレンオキサイド(商品名「パオゲン PP−1
5」、第一工業製薬(株)製)90重量%とカチオン性
ポリマー(商品名「レオレックス AS1720」、第
一工業製薬(株)製)10重量%とを混合したものを3
0μmの厚さとなるように、厚さ75μmのポリエステ
ルフィルム上に、120℃の温度で溶融押出成形により
溶融キャストして積層シートを作製した。次いで、ポリ
ビニルアルコール(商品名「PVA 505」、(株)
クラレ製)80重量%と分子量が約7万で融点(Tm)
が約160℃のカチオン性ポリマー(商品名「ルナペー
ル QA−100」、荒川化学工業(株)製)20重量
%とを混合したものを、170℃の温度で溶融押出成形
により表面層用シートを形成した。ただし、表面層用シ
ートの厚さは5μmであった。作製された積層シートと
表面層用シートとを170℃の温度で熱ラミネートし
て、インクジェット用記録材を得た。
【0049】実施例3 ポリエチレンオキサイド(商品名「パオゲン PP−1
5」、第一工業製薬(株)製)70重量%とカチオン性
ポリマー(商品名「レオレックス AS1720」、第
一工業製薬(株)製)30重量%とを混合したものを3
0μmの厚さとなるように、厚さ75μmのポリエステ
ルフィルム上に、120℃の温度で溶融押出成形により
溶融キャストして積層シートを作製した。次いで、ポリ
ビニルアルコール(商品名「PVA 505」、(株)
クラレ製)85重量%と融点が200℃以下であるカチ
オン性ポリマー(商品名「サンフィックス 555」、
三洋化成工業(株)製)15重量%とを混合したもの
を、170℃の温度で溶融押出成形により表面層用シー
トを形成した。ただし、表面層用シートの厚さは5μm
であった。作製された積層シートと表面層用シートとを
170℃の温度で熱ラミネートして、インクジェット用
記録材を得た。
【0050】実施例4 ポリエチレンオキサイド(商品名「パオゲン PP−1
5」、第一工業製薬(株)製)70重量%とカチオン性
ポリマー(商品名「ルナペール QA−100」、荒川
化学工業(株)製)30重量%とを混合したものを30
μmの厚さとなるように、厚さ75μmのポリエステル
フィルム上に、120℃の温度で溶融押出成形により溶
融キャストして積層シートを作製した。次いで、ポリビ
ニルアルコール(商品名「PVA 505」、(株)ク
ラレ製)70重量%とカチオン性ポリマー(商品名「ル
ナペール QA−100」、荒川化学工業(株)製)3
0重量%とを混合したものを、170℃の温度で溶融押
出成形により表面層用シートを形成した。ただし、表面
層用シートの厚さは5μmであった。作製された積層シ
ートと表面層用シートとを170℃の温度で熱ラミネー
トして、インクジェット用記録材を得た。
【0051】比較例1 ポリエチレンオキサイド(商品名「パオゲン PP−1
5」、第一工業製薬(株)製)を30μmの厚さとなる
ように、厚さ75μmのポリエステルフィルム上に、1
20℃の温度で溶融押出成形により溶融キャストして積
層シート(インクジェット用記録材)を作製した。
【0052】比較例2 ポリビニルアルコール(商品名「PVA 505」、
(株)クラレ製)を30μmの厚さとなるように、厚さ
75μmのポリエステルフィルム上に、120℃の温度
で溶融押出成形により溶融キャストして積層シート(イ
ンクジェット用記録材)を作製した。
【0053】得られた実施例1〜4および比較例1〜2
の各インクジェット用記録材について、下記の評価を行
った。その結果を表1に示す。 耐熱性の評価:得られたインクジェット用記録材を10
cm角に切断する。切断されたシート10枚を重ね合わ
せて、500gの荷重をかけた状態で、温度80℃にお
いて1時間放置する。放置後のシートの状態を目視観察
し、シートがブロッキングを起こした場合を記号
「×」、ブロッキングを起こさなかった場合を記号
「○」で示した。 インクの滲みの評価:得られたインクジェット用記録材
にヒューレットパッカード社製の「デザインジェット
2500CP」を用いて、0.5mmの隙間を除いて黒
インクで塗りつぶす様に描画する。この描画されたシー
トを、温度40℃、湿度90%の恒温恒湿槽内で24時
間放置し、インクの滲みの程度を目視観察した。インク
の滲みがひどいものを記号「×」、インクの滲みが良好
なものを「○」で示した。
【0054】
【表1】
【0055】表1から明らかなように、実施例1〜4の
インクジェット用記録材は、耐熱性評価およびインクの
滲み性の評価について両方とも優れた結果が得られた。
一方、比較例1および比較例2の記録材は、耐熱性もイ
ンクの滲み特性も共に不良であった。すなわち、本発明
のインクジェット用記録材は、カチオン性ポリマーの融
点が親水性の熱可塑性樹脂の分解温度(200℃)より
20℃以上低いので、良好な共押出成形ができた。な
お、インク受容層において分子量の大きいカチオン性ポ
リマーを使用した実施例2および実施例4のインクジェ
ット用記録材は、他のインクジェット用記録材よりイン
クの滲み防止効果にいて優れていることが分かった。ま
た、本発明の実施例1〜4のインクジェット用記録材
は、表面層が耐熱性を有するので、高温高湿環境下で保
存してもべたつきが生じることもなく、ブロッキングの
恐れもなかった。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明のインクジェ
ット用記録材は、滲み特性に優れており、かつ耐熱性に
も優れたものである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に、親水性の熱可塑性樹脂及びカ
    チオン性ポリマーAを含むインク受容層、及び最外層と
    してポリビニルアルコール及びカチオン性ポリマーBを
    含む表面層を有することを特徴とするインクジェット用
    記録材。
  2. 【請求項2】 前記インク受容層における親水性の熱可
    塑性樹脂とカチオン性ポリマーAとの重量比が30/7
    0〜95/5の範囲内であることを特徴とする請求項1
    に記載のインクジェット用記録材。
  3. 【請求項3】 前記表面層におけるポリビニルアルコー
    ルとカチオン性ポリマーBとの重量比が、30/70〜
    95/5の範囲内であることを特徴とする請求項1また
    は2のいずれか1項に記載のインクジェット用記録材。
  4. 【請求項4】 前記カチオン性ポリマーA及びカチオン
    性ポリマーBがそれぞれ独立に、メチルメタクリレート
    系共重合体、および一般式(1) 【化1】 (式中、Rは水素またはメチル基を表し、R,R
    およびRはそれぞれ水素または置換基を有していても
    よい炭素数1〜9のアルキル基を表し、mは1〜10の
    整数、Xは無機もしくは有機の一価の酸基、または無機
    酸もしくは有機酸の相応する等価物を表す)で示される
    第4級アンモニウム塩を有する単量体成分20〜90重
    量%と、ポリアルキレングリコール成分を有する共重合
    可能な単量体成分10〜80重量%と、共重合可能なビ
    ニル系単量体成分0〜70重量%とからなる共重合体を
    有する高分子化合物であることを特徴とする請求項1か
    ら3のいずれか1項に記載のインクジェット用記録材。
  5. 【請求項5】 前記カチオン性ポリマーA及びカチオン
    性ポリマーBがそれぞれ独立に、一般式(2) (式中、Gはハロゲン原子を1〜3個有する飽和炭化水
    素基または不飽和炭化水素基を表し、Rは水素、メチ
    ル基、エチル基、塩素原子または臭素原子を表す)で示
    されるハロゲン含有単量体5〜84重量部と、一般式
    (3) 【化2】 (式中、Rは水素、メチル基またはエチル基を表し、
    ,RおよびRはそれぞれ独立に炭素数18以下
    のアルキル基、アルケニル基またはアラルキル基を表
    し、Jは 【化3】 を表し、かつ、上記式中、R'は水素、メチル基または
    エチル基を表し、sは2〜12の整数を表し、tは1〜
    5の整数を表す)で示される第4級アンモニウム塩を含
    む単量体95〜16重量部と、共重合しうるビニル系単
    量体0〜50重量部とを共重合させた高分子化合物であ
    ることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記
    載のインクジェット用記録材。
  6. 【請求項6】 前記カチオン性ポリマーA及びカチオン
    性ポリマーBがそれぞれ独立に、グリシジルメタクリレ
    ート及びグリシジルアクリレートのうち少なくとも一つ
    と、一般式(4) 【化4】 (式中、Lはアルキレンオキサイドと反応し得る活性水
    素を有し、かつアミノ基を含まない化合物から活性水素
    を除いた有機基を表し、pは5〜100、qは0〜50
    の整数を表し、R10は水素またはメチル基を表す)で
    示される化合物の少なくとも一つと、イオン基を有する
    エステル結合型及び/またはアミド結合型のアクリル酸
    誘導体及びメタクリル酸誘導体から選択される少なくと
    も一つとを共重合体させた高分子化合物であることを特
    徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のインク
    ジェット用記録材。
  7. 【請求項7】 前記カチオン性ポリマーBが、下記一般
    式(5)で表されるエチレン構造単位が65モル%〜9
    9モル%、下記一般式(6)で表されるアクリレート構
    造単位が15モル%以下、および下記一般式(7)で表
    されるアクリルアミド構造単位が1モル%〜35モル%
    からなる、不規則に配列した重量平均分子量が1,00
    0〜50,000の線状のカチオン性高分子化合物であ
    ることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記
    載のインクジェット記録材用樹脂組成物。 【化5】 (式中、R22は炭素数2〜8のアルキレン基を表し、
    23は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R24は水
    素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R25
    は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数12以下のアリ
    ールアルキル基または炭素数12以下の脂環式アルキル
    基を表し、Xはハロゲンイオン、CHOSO
    たはCOSO−を表す)
  8. 【請求項8】前記親水性の熱可塑性樹脂が、一般式
    (8) 【化6】 であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であ
    り、a、b、cより計算される重量比、44(a+c)
    /(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
    b、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基
    を2個有する有機化合物の残基、Zは炭素数1以上の炭
    化水素基、R11はジカルボン酸類化合物残基またはジ
    イソシアネート系化合物残基である)で示されることを
    特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のイン
    クジェット用記録材。
JP2000106046A 2000-04-07 2000-04-07 インクジェット用記録材 Pending JP2001287445A (ja)

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