JPH106637A - インクジェット記録材用樹脂組成物 - Google Patents

インクジェット記録材用樹脂組成物

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JPH106637A
JPH106637A JP8162835A JP16283596A JPH106637A JP H106637 A JPH106637 A JP H106637A JP 8162835 A JP8162835 A JP 8162835A JP 16283596 A JP16283596 A JP 16283596A JP H106637 A JPH106637 A JP H106637A
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JP
Japan
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weight
nylon
resin
polyalkylene oxide
resin composition
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Application number
JP8162835A
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English (en)
Inventor
Manabu Osada
学 長田
Shinichi Takemori
信一 竹森
Hitoshi Ozawa
仁 小澤
Takahiro Imai
貴宏 今井
Masaya Matsuda
賢哉 松田
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Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性に優れ、インクの定着速度が速く、耐
湿熱性、耐水性に優れた水性インク用のインクジェット
記録に適した記録材を提供する。 【解決手段】 架橋ポリアルキレンオキシド樹脂13〜
15重量%、ポリアアミド樹脂3〜80重量%およびカ
チオン性重合体1〜50重量%を含んでなるインクジェ
ット記録材用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性インクを用
いたインクジェット記録に用いられる記録材用樹脂組成
物に関する。さらに詳しくは、本発明は、インクの吸収
能力に優れ、記録画像が鮮明で、かつ耐湿熱性、耐水性
に優れたインクジェット記録材用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式プリンター記録形態
は、高速、低騒音、印刷コストが安い、機構が簡単で小
型軽量、マルチカラー化が容易、画像の大型化が容易、
現像定着が不要、記録パターンの融通性が大きい等、多
くの特徴を持ち、文字だけではなく画像の処理をも含ん
だハードコピーを得る方法として広く普及している。一
方、OHPシートやPOPシートの利用が広がる中で、
プリンターとしてOHPシートやPOPシートにも印刷
可能なものが必要になってきている。また、インクジェ
ット方式プリンターが広く普及するに従って、多くの種
類のプリンター用インクが上市されており、マルチカラ
ー化もインクの種類の増加に拍車をかける結果となって
いる。これらのOHPシートやPOPシートに要求され
る品質としては、 (1)各種インクのシートへの定着が速やかで、かつ良
好であり、印刷後インクの液だれなどが起こらないこ
と; (2)インク濃度が高く、発色性に優れていること; (3)インク液滴がシート上で必要以上に拡散せず、ド
ットの径が必要以上に大きくならないこと; (4)インク画像の耐湿熱性、耐水性に優れていること
等が挙げられ、これらの要求を満たすため、各種の水溶
性インクが開発され、また、これらのインクに適した記
録用シートが提案されている。
【0003】しかしながら、これらすべての項目を満足
する記録材はなく、特に水性インクを使用した場合記録
画像の耐水性に欠け、水がかかったり、また、高湿下で
保存するだけでもにじみが生じる欠点がある。例えば、
特開昭60−171143号公報および特開昭59−2
07277号公報には、水溶性インクを対象として、基
材上にイオン性親水基を有する水溶性高分子または水可
溶性物質と多価アルコール可溶性物質を含有させてなる
インク吸収層を設けた記録材が開示されているが、耐水
性については十分なものではない。特開昭56−588
69号公報には、耐水性の改善方法として、水溶性高分
子を塗布した記録シートにインクジェット記録後、該水
溶性高分子を不溶化する方法等が開示されている。一
方、架橋ポリアルキレンオキシド樹脂を一成分として含
む優れたインクジェット記録材用樹脂組成物や記録シー
トが見出されている(特願平7−151459号、特願
平7−342624号、特開平8−67064号公
報)。しかしながら、インクの多様化と相まって、さら
にインクの吸収速度が速く、耐湿熱性、耐水性の高いも
のの開発が望まれている。さらに、水性インクジェット
用の記録材料の製造方法については、現在、プラスチッ
クシートにインク定着層をコーティングする方法が採用
されているが、溶媒を使用しないドライフィルムを得る
ため熱可塑性樹脂をベースにした加工性が良好なものも
望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
なインクジェット記録材における諸課題を解決するため
になされたもので、加工性に優れた、特にインクの定着
速度が速く、耐湿熱性、耐水性に優れた水性インクを用
いたインクジェット記録に最適な記録材用樹脂組成物を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究した結果、架橋ポリアルキレ
ンオキシド樹脂と特定のポリアミド樹脂および特定のカ
チオン性重合体とを併用使用することにより、加工性が
良好でインクの吸収能力に優れ画像が鮮明でかつ耐湿熱
性、耐水性に優れた水性インクジェット記録に最適な記
録材用樹脂組成物を提供できることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、架橋ポリアルキレン
オキシド樹脂13〜95重量%と、ポリアミド樹脂3〜
80重量%と、カチオン性重合体1〜50重量%とを含
むことを特徴とするインクジェット記録材用樹脂組成物
を提供するものである。
【0007】本発明においては、架橋ポリアルキレンオ
キシド樹脂が有するインクの吸収性能および記録画像の
鮮明性に優れた特性と、ポリアミド樹脂が有する耐湿熱
性、耐水性に優れた特性が発揮される。これに加え、例
えば、スルホン酸イオンを有するカチオン性重合体を使
用すると、そのスルホン酸イオンとインク中のスルホン
酸イオンが容易に交換反応することによるインクとの親
和性、定着性に優れた特性が発揮され、お互いの長所を
失うことなく相乗効果が得られるものと考えられる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる架橋ポリアル
キレンオキシド樹脂としては、ポリアルキレンオキシド
と、ジオールとを、イソシアネート化合物で反応させて
得られる、170℃、50kg/cm2加重下での溶融粘度
が2000〜20万ポイズであり、吸水能(g純水/g樹
脂)が10〜45g/gの樹脂が好適に用いられる。溶融
粘度が2000ポイズ未満の場合および吸水能が45g
/gを超える場合には、記録画像の耐湿熱性、耐水性が
低下するので好ましくない。また、溶融粘度が20万ポ
イズを超える場合および吸水能が10g/g未満の場合に
は、ポリアミド樹脂やカチオン性重合体との相溶性が悪
くなり、フィルム加工時のフィルム表面状態が悪化する
等の問題が生じるので好ましくない。架橋ポリアルキレ
ンオキシド樹脂の添加割合は、本発明の樹脂組成物の全
重量に対して、通常、13〜95重量%、好ましくは2
0〜90重量%である。13重量%より少ないと、初期
印刷性が悪くなり、95重量%を超えると耐湿熱性、耐
水性が低下するので好ましくない。
【0009】該架橋ポリアルキレンオキシド樹脂を構成
するポリアルキレンオキシドとしては、重量平均分子量
が500〜50万のものが好適に用いられ、例えば、ポ
リエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレ
ンオキシド/プロピレンオキシド共重合体、ポリブチレ
ンオキシドおよびこれらの混合物等を挙げることができ
る。特に、重量平均分子量2000〜10万のポリエチ
レンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキ
シド/プロピレンオキシド共重合体、またはこれらの混
合物が好適に用いられる。重量平均分子量が500未満
の場合、得られる架橋ポリアルキレンオキシド樹脂の溶
融粘度が低すぎ、また、重量平均分子量が50万を超え
ると溶融粘度が極端に高くなり、いずれの場合も他の樹
脂との相溶性に問題が生じるので好ましくない。
【0010】該ポリアルキレンオキシドと共に架橋ポリ
アルキレンオキシド樹脂を構成するジオールとしては、
同一分子内に水酸基(−OH)を2個有する有機化合
物、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、オクチレン
グリコール、グリセリルモノアセテート、グリセリルモ
ノブチレート、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナ
ンジオール、ビスフェノールA等を挙げることができ
る。好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,9−ノナンジオール等が用いられる。
【0011】上記のポリアルキレンオキシドとジオール
との架橋するのに用いるイソシアネート化合物として
は、同一分子内にイソシアネート基を2個有する有機化
合物、例えば、キシリレンジイソシアネート(XD
I)、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(M
DI)、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8−ジ
メチルベンゾール−2,4−ジイソシアネート、2,4−
トリレンジイソシアネート(TDI)、TDIの3量
体、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、トリメ
チロールプロパンなどのポリオールにその活性水素の数
に対応するモル数のジイソシアネートを反応させて得ら
れるウレタンイソシアネート化合物、ポリイソシアネー
トアダクト等を挙げることができる。好ましくは、4,
4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、
ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジ
イソシアネート(TDI)等が用いられる。
【0012】上記のポリアルキレンオキシド、ジオール
およびイソシアネート化合物の使用割合は、ポリアルキ
レンオキシドの末端水酸基とジオールの有する水酸基の
数の和とイソシアネート化合物の有するイソシアネート
基の数の比(R値)(−NCO基/−OH基)が0.5
〜2.0となる範囲、好ましくは、0.8〜1.7とな
る範囲で選択される。R値が0.5未満の時は、架橋密
度が低くなり十分な溶媒吸収性を有する架橋ポリアルキ
レンオキシド樹脂が得られず、一方、R値が2.0を超
えると架橋密度が高くなると共に、溶融粘度が高くなり
成形の際の加工性が悪くなるため好ましくない。ポリア
ルキレンオキシドのモル数は、その重量を重量平均分子
量で割ることにより求めることができる。ジオールの添
加は、ポリアルキレンオキシドとイソシアネート化合物
との架橋反応時に行う。ジオールを添加することによ
り、得られる架橋ポリアルキレンオキシドの溶融粘度の
低下を図ることができ、加工性が向上する。
【0013】上記イソシアネート化合物の使用量は、イ
ソシアネート化合物の種類および反応条件によっても異
なるが、一般に、ポリアルキレンオキシド100重量部
に対して、0.5〜80重量部、好ましくは、1〜50
重量部の範囲である。0.5重量部より少ない量では、
得られる架橋ポリアルキレンオキシド樹脂の架橋密度が
低くなって十分なフィルム強度が得られず、一方、80
重量部を超えて用いた場合、得られる架橋ポリアルキレ
ンオキシド樹脂の架橋密度が高くなりすぎてフィルムに
成形する際の加工温度が高くなり、成形が困難になるた
め好ましくない。ポリアルキレンオキシドとジオールと
をイソシアネート化合物と反応させる方法としては、適
当な溶媒を用いた溶液状で反応させる方法が一般的であ
る。分散状で反応させる方法や、粉末状または固体状で
両者を均一に混合した後に所定の温度に加熱して反応さ
せることもできるが、工業的実施の見地から各原料を溶
融状態で連続的に供給し多軸押出機中で混合、反応させ
る方法が好ましい。上記反応の反応温度は、通常50〜
210℃である。なお、この反応系にトリエチルアミ
ン、トリエタノールアミン、ジブチル錫ジアセテート、
ジブチル錫ジラウレート、スタナスオクトエート、トリ
エチレンジアミン等を少量添加することにより、反応を
促進させることできる。
【0014】本発明で用いられるポリアミド樹脂として
は、結晶化度が0〜50%で、融点もしくはTg(ガラ
ス転移温度)が70〜230℃の樹脂が好ましく用いら
れる。具体的には、6ナイロン、66ナイロン、8ナイ
ロン、11ナイロン、12ナイロン、6/12共重合ナ
イロン、6/66/12共重合ナイロン、非晶性ナイロ
ン、透明性ナイロン樹脂、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル等のポリエーテルと上記ポリアミドの共重合体である
ポリエーテル・ポリアミド共重合体等が挙げられる。結
晶化度が50%を超え、融点またはTgが230℃を超
えると架橋ポリアルキレンオキシドとの相溶性が悪くな
ったり、加工温度が高くなるために架橋ポリアルキレン
オキシドの分解等が生じる可能性があるため好ましくな
い。ポリアミド樹脂の添加割合は、通常3〜80重量
%、好ましくは5〜70重量%である。添加割合が3重
量%未満の場合には耐湿熱性、耐水性の向上効果が少な
く、一方、80重量%を超える場合にはインクの吸収性
能が低下し鮮明な画像が得られないので好ましくない。
【0015】本発明で用いられるカチオン性重合体とし
ては、ポリマーの主鎖または側鎖にアミノ基、もしくは
その変性物、第4級アンモニウム塩基などのカチオン基
を含有するものであればよく、例えば、下記の一般式
(1)で示されるアクリルアミド構造単位を有するアク
リルアミド系共重合体、下記の一般式(2)で示される
カチオン化マレイミド構造単位を有するマレイミド系共
重合体、下記の一般式(3)で示される側鎖にカチオン
化マレイミドを含むオレフィン構造単位を有するマレイ
ミド系共重合体などを挙げることができる。中でも一般
式(3)で示される側鎖にカチオン化マレイミドを含む
オレフィン構造単位を有するマレイミド系共重合体が好
ましい。
【0016】
【化1】
【0017】(式中、R1は炭素数2〜8のアルキレン
基、R2およびR3はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル
基、R4は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜1
2のアリールアルキル基または炭素数6〜12の脂環ア
ルキル基、Xはハロゲン原子、CH3OSO3またはC2
5OSO3を示す。)
【0018】
【化2】
【0019】(式中、R1、R2、R3は上記と同じ、R4
は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリ
ールアルキル基、アルキル基で置換されていてもよい炭
素数2〜4のエポキシ基または炭素数6〜12の脂環ア
ルキル基、Xは前記と同じである。)
【0020】
【化3】
【0021】(式中、R1、R2、R3、R4、Xは上記と
同じ、R5は水素原子またはメチル基を示す。mは0また
は1を示す。) 上記一般式(1)、(2)および(3)で示される重合
体は、公知であり、例えば、特開平5−320526号
公報、特開平5−194660号公報、特開平5−19
4661号公報などに示される方法で製造される。本発
明に使用されるカチオン性重合体の具体例としては、一
般式(3)で示される側鎖にカチオン化マレイミドを含
むオレフィン構造単位を有するマレイミド系共重合体と
して、例えば、第一工業製薬(株)製のレオレックスな
どが挙げられる。カチオン性重合体の添加割合は、1〜
50重量%、好ましくは1〜40重量%である。添加割
合が1重量%未満の場合には耐湿熱性、耐水性の向上効
果が少なく、一方、50重量%を超えて用いてもそれに
見合う効果が得られず、かえって加工性が低下するため
好ましくない。
【0022】本発明の記録材用樹脂組成物は、架橋ポリ
アルキレンオキシド樹脂とポリアミド樹脂およびカチオ
ン性重合体とを押出機、ニーダー、ロール等、一般的に
用いられる加工機械で混練して得られるが、上記架橋ポ
リアルキレンオキシド樹脂の製造中に、予めカチオン性
重合体を加えておいてもよい。得られた樹脂組成物は、
インフレーション成形、Tダイ押出しによりシート状に
成形することができる。また、該組成物とPP、LDP
E等の熱可塑性樹脂をインフレーション成形、Tダイ押
出しによる共押出しにより、熱可塑性樹脂を支持層とし
てシート状に成形することもできる。この際、支持層と
インク定着層との接着性を高めるなどの目的で、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレンア
クリレート、エチレンメタクリレート、エチレン−アク
リル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アク
リロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エステル−マレイン酸三元共重合体、オ
レフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性
エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー等の熱
可塑性樹脂を単独あるいは2種以上適宜混合して該組成
物に添加してもよい。また、さらに目的により、例え
ば、超微粉シリカ、タルク、ゼオライト、アルミナ、酸
化チタン等の熱安定剤、酸化防止剤、顔料、充填剤を少
量添加できる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を製造例、実施例および比較例
によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に
限定されるものではない。なお、下記の製造例で得た架
橋ポリアルキレンオキシド樹脂の試験および実施例で得
た記録材用樹脂組成物を用いた記録シートの印字性能の
評価については以下の方法で行った。
【0024】1.架橋ポリアルキレンオキシド樹脂の試
験項目およびその方法 (1)吸水能[g(純水)/g(樹脂)]: 純水200ml
中に、架橋ポリアルキレンオキシド樹脂を1g添加し、
24時間撹拌後、200メッシュの金網にて濾過し、濾
過後のゲルの重量を吸水能とした。 (2)溶融粘度[ポイズ]: 170℃、50kg/cm2
重の条件下にて、ダイ1mmφ×1mmLオリフィス(島津
製作所製フローテスター CFT−500C)で測定し
た。
【0025】2.記録シートの印字性能の評価項目およ
びその方法 (1)乾燥速度: エプソン社製プリンターMJ−800
Cで評価パターン(5mmφ×12個、黒、マゼンタ、シ
アン、イエロー)を印字後、10秒間隔で印刷面にプッ
シュプルゲージにて6kgfの加圧下で濾紙をあて、イン
クが滲まなくなる時間を測定した。(2)印刷性: エプ
ソン社製プリンターMJ−800Cで評価パターン(上
記 に同じ)を印字後、マイクロスコープVH−5900
(KEYENCE社製)で各色の1ドットを200倍に
拡大したその直径(μm)ならびに円形度係数をイメー
ジアナライザーV10(東洋紡製)にて測定した。この
場合、直径が100μm以下であれば目視で画像に変化
なく、100〜200μmであれば目視でやや画像が滲
み、200μm以上になると目視でもはっきりと画像が
滲んでいるのが判別できる。
【0026】(3)耐湿熱性: エプソン社製プリンター
MJ−800Cで評価パターン(上記に同じ)を印字
後、温度40℃、湿度90%の恒温恒湿器に入れ、1時
間後、および24時間後に取り出してドットの直径(μ
m)ならびに円形度係数を上記と同様にして測定した。
上記と同様に、直径が100μm以下であれば目視で画
像に変化はなく、100〜200μmであれば目視でや
や画像が滲み、200μm以上になると目視でもはっき
りと画像が滲んでいるのが判別できる。 (4)耐水性: エプソン社製プリンターMJ−800C
で評価パターン(上記に同じ)を印字後、5分間水に浸
漬して色落ち状態を判定した。耐水性の評価基準は以下
の通りである; ○: 色落ちなし △: 若干色落ちあり ×: 色落ち大
【0027】製造例1 十分に脱水した重量平均分子量2万のポリエチレンオキ
シド100重量部、重量平均分子量1000のポリプロ
ピレンオキシド13.2重量部、1,4−ブタンジオー
ル1.97重量部およびトリエチレンジアミン0.2重
量部を、110℃に保温された撹拌機の付いた貯蔵タン
クAに入れ、窒素ガス雰囲気下で均一な混合物とした。
これとは別に、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネ
ートを50℃に保温された撹拌機の付いた貯蔵タンクB
に入れ、窒素ガス雰囲気下で貯蔵した。貯蔵タンクAの
混合物と貯蔵タンクBの4,4'−ジフェニルメタンジイ
ソシアネートを定量ポンプで各々154.6g/分と1
2.1g/分の速度で110〜140℃に設定した2軸
押出機に連続的に供給し、押出機中で混合、反応を行い
押出機出口からストランドを出し、ペレタイザーにより
ペレット化して架橋ポリアルキレンオキシド樹脂を得
た。このようにして得た架橋ポリアルキレンオキシド樹
脂の吸水能は20g/gであり、溶融粘度(170℃×5
0kg/cm2)は2万ポイズであった。
【0028】製造例2 十分に脱水した重量平均分子量2万のポリエチレンオキ
シド100重量部、重量平均分子量3000のエチレン
オキシド/プロピレンオキシド(80/20)共重合体
100重量部、1,4−ブタンジオール4.14重量
部、トリエチレンジアミン0.1重量部を70℃に保温
された撹拌機の付いた貯蔵タンクAに入れ、窒素ガス雰
囲気下で均一な混合物とした。これとは別に、4,4'−
ジフェニルメタンジイソシアネートを50℃に保温され
た撹拌機の付いた貯蔵タンクBに入れ、窒素ガス雰囲気
下で貯蔵した。貯蔵タンクAの混合物と貯蔵タンクBの
4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートを定量ポン
プで各々250g/分と17.4g/分の速度で140〜
170℃に設定した2軸押出機に連続的に供給し、押出
機中で混合、反応を行い押出機出口からストランドを出
し、ペレタイザーによりペレット化して架橋ポリアルキ
レンオキシド樹脂を得た。このようにして得た架橋ポリ
アルキレンオキシド樹脂の吸水能は10g/gであり、溶
融粘度(170℃×50kg/cm2)は3000ポイズで
あった。
【0029】実施例1 製造例1で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂2
0重量部に、6/12共重合ナイロン[融点: 148
℃、商品名: 7125U、宇部興産(株)製]40重量
部とマレイミド系共重合体[商品名: レオレックスAS
−170、第一工業製薬(株)製]40重量部とを20
Lヘンシェルミキサーで混合した後、30mm押出機(L
/D=25、ダルメージスクリュー、170℃)で混練
しペレット化した後、熱ラミネーション加工によりPE
Tフィルムを支持層としてラミネート成形し、インク定
着層の厚みが50μmのシートを得、上記の性能評価を
行った。
【0030】実施例2 製造例1で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂5
0重量部に、非晶性ナイロン[Tg: 125℃、商品名:
グリポリG21、エムス社製]40重量部とマレイミ
ド系共重合体[商品名: レオレックスAS−170、第
一工業製薬(株)製]10重量部とを20Lヘンシェル
ミキサーで混合した後、30mm押出機(L/D=25、
ダルメージスクリュー、170℃)で混練しペレット化
した後、インフレーション成形により、厚み120μm
のシートを得、上記の性能評価を行った。
【0031】実施例3 製造例1で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂3
0重量部に、ポリエーテル・ポリアミド共重合体[融
点:158℃、商品名:ペバックスMV1074、エルフ
アトケム製]30重量部とマレイミド系共重合体[商品
名:レオレックスAS−170、第一工業製薬(株)
製]40重量部とを20Lヘンシェルミキサーで混合し
た後、30mm押出機(L/D=25、ダルメージスクリ
ュー、170℃)で混練しペレット化した後、熱ラミネ
ーション加工により上質紙を支持層としてラミネート
し、インク定着層の厚みが50μmのシートを得、上記
の性能評価を行った。
【0032】実施例4 製造例2で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂8
5重量部に、12ナイロン[Tg:155℃、商品名:グ
リルアミドTR55LY、エムス社製]10重量部とマ
レイミド系共重合体[商品名:レオレックスAS−17
0、第一工業製薬(株)製]5重量部とを20Lヘンシ
ェルミキサーで混合した後、30mm押出機(L/D=2
5、ダルメージスクリュー、170℃)で混練しペレッ
ト化した後、PPを支持層として2層インフレーション
成形を行い、インク定着層の厚みが50μmのシートを
得、上記の性能評価を行った。
【0033】実施例5 製造例2で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂3
0重量部に、6/12共重合ナイロン[融点:148
℃、商品名:7125U、宇部興産(株)製]30重量
部とポリエーテル・ポリアミド共重合体[融点:158
℃、商品名:ペバックスMV1074、エルフアトケム
製]30重量部およびマレイミド系共重合体[商品名:
レオレックスAS−170、第一工業製薬(株)製]1
0重量部とを20Lヘンシェルミキサーで混合した後、
30mm押出機(L/D=25、ダルメージスクリュー、
170℃)で混練しペレット化した後、熱ラミネーショ
ン加工により白色PETを支持層としてラミネートし、
インク定着層の厚みが50μmのシートを得、上記の性
能評価を行った。
【0034】比較例1 製造例1で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂5
0重量部と、6/12共重合ナイロン[融点:148
℃、商品名:7125U、宇部興産(株)製]50重量
部とを20Lヘンシェルミキサーで混合した後、30mm
押出機(L/D=25、ダルメージスクリュー、170
℃)で混練しペレット化した後、インフレーション成形
により、厚み80μmのシートを得、上記の性能評価を
行った。
【0035】比較例2 製造例1で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂1
0重量部に、ポリエーテル・ポリアミド共重合体[融
点:158℃、商品名:ペバックスMV1074、エルフ
アトケム製]85重量部とマレイミド系共重合体[商品
名:レオレックスAS−170、第一工業製薬(株)
製]5重量部とを20Lヘンシェルミキサーで混合した
後、30mm押出機(L/D=25、ダルメージスクリュ
ー、170℃)で混練しペレット化した後、熱ラミネー
ション加工によりPPを支持層としてラミネートし、イ
ンク定着層の厚みが50μmのシートを得、上記の性能
評価を行った。
【0036】比較例3 製造例1で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂5
0重量部と、マレイミド系共重合体[商品名:レオレッ
クスAS−170、第一工業製薬(株)製]50重量部
とを20Lヘンシェルミキサーで混合した後、30mm押
出機(L/D=25、ダルメージスクリュー、170
℃)で混練しペレット化した後、熱ラミネーション加工
により上質紙を支持層としてラミネートし、インク定着
層の厚みが50μmのシートを得、上記の性能評価を行
った。
【0037】比較例4 12ナイロン[融点:178℃、商品名:グリルアミドL
20、エムス社製]70重量部と、マレイミド系共重合
体[商品名:レオレックスAS−170、第一工業製薬
(株)製]30重量部とを20Lヘンシェルミキサーで
混合した後、30mm押出機(L/D=25、ダルメージ
スクリュー、170℃)で混練しペレット化した後、P
Pを支持層として2層インフレーション成形し、インク
定着層の厚みが50μmのシートを得、上記の性能評価
を行った。これら実施例および比較例の性能評価結果を
まとめて表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、本発明のインク
ジェット記録材用樹脂組成物は、乾燥速度が速く、印刷
性においては初期のドット径が小さく、耐湿熱性におい
てはドット径の拡大が見られず、耐水性においては色落
ちしない。したがって、各試験後であっても画像の変化
が見られず、印刷性、耐湿熱性、耐水性に優れている。
【0040】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録材用樹脂組
成物により、加工性が良好で、特にインクの吸収速度が
速く、耐湿熱性、耐水性に優れた水性インクジェット用
の最適な記録材が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 貴宏 兵庫県姫路市飾磨区入船町1番地 住友精 化株式会社第2研究所内 (72)発明者 松田 賢哉 兵庫県姫路市飾磨区入船町1番地 住友精 化株式会社第2研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋ポリアルキレンオキシド樹脂13〜
    95重量%と、ポリアミド樹脂3〜80重量%と、カチ
    オン性重合体1〜50重量%とを含むことを特徴とする
    インクジェット記録材用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 架橋ポリアルキレンオキシド樹脂が、ポ
    リアルキレンオキシドと、ジオールとをイソシアネート
    化合物で架橋させた樹脂であり、その170℃、50kg
    /cm2加重下での溶融粘度が2000〜20万ポイズで
    あって、吸水能(g純水/g樹脂)が10〜45g/gであ
    る請求項1記載のインクジェット記録材用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリアルキレンオキシドが、重量平均分
    子量500〜50万のポリエチレンオキシド、ポリプロ
    ピレンオキシド、エチレンオキシド/プロピレンオキシ
    ド共重合体およびこれらの混合物からなる群より選ばれ
    た少なくとも1種である請求項1記載のインクジェット
    記録材用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリアミド樹脂が、6ナイロン、66ナ
    イロン、8ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、6
    /12共重合ナイロン、6/66/12共重合ナイロ
    ン、非晶性ナイロン、透明性ナイロンおよびポリエーテ
    ル・ポリアミド共重合体からなる群より選ばれた少なく
    とも1種である請求項1記載のインクジェット記録材用
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 カチオン性重合体が、アクリルアミド系
    共重合体である請求項1記載のインクジェット記録材用
    樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 カチオン性重合体が、マレイミド系共重
    合体である請求項1記載のインクジェット記録材用樹脂
    組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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