JP4112529B2 - 記録基材コーティング用ポリウレタン樹脂及びこれを含むコーティング組成物 - Google Patents
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Description
また、本発明は、式1で示されるポリウレタン樹脂を效果的に製造するべく、触媒存在下でポリオールとジイソシアネートを反応させて下記の式2のプリポリマーを製造し、製造されたプリポリマーに有機溶媒とジオール系鎖延長剤を添加し1次鎖延長反応を通じて式3の化合物を製造し、式3の化合物に再びジアミン系鎖延長剤を添加し2次鎖延長反応を通じて式4のウレタンポリマーを製造し、式4のウレタンポリマーに陽イオン化剤を添加し反応させることを特徴とする記録基材コーティング用ポリウレタン樹脂の製造方法を提供する。
また、本発明は、上記の製造方法により製造されたもので、固形分含量が10〜30%であるポリウレタン樹脂を含むことを特徴とする記録基材コーティング用組成物を提供する。
上記の式1において、Rはジイソシアネート化合物からNCO基を除いた部分であり、ジイソシアネート化合物は、通常のポリウレタン樹脂の製造時と同様なものが適用でき、 本発明で適用されたジイソシアネート化合物は、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、4,6−キシレンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−フェニレンジイソシアネート、3,3'−ジクロロ−4,4’ビスフェニレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートから選ばれたものである。
上記の式1において、R2はジオール系鎖延長剤のOH基を除いた部分であり、ジオール系鎖延長剤は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、テトラメチレングリコール、N−メチルジエタノールアミンから選ばれる。
上記の式1において、R3はジアミン系鎖延長剤のNH2基を除いた部分であり、前記ジアミン系鎖延長剤は、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、イソホロンジアミン、ピペラジン、ジアミノシクロヘキシルメタン、2−メチルピペラジンから選ばれる。
このとき、上記の式2のプリポリマーを製造するべく、ポリオール化合物のOH基1当量に対して、ジイソシアネートのNCO基は3当量以上、より好ましくは5〜7当量比にして反応させる。この反応過程を反応式1に示す。
このとき、ポリオールとジイソシアネートとの反応により残留する過量のジイソシアネートのNCO基は、後述するジオール系鎖延長剤とジアミン系鎖延長剤の反応に使用される。反応過程でそれ以上のNCO基の含量変化がないと、反応が終了したと見なし、次の反応に進む。NCO基の含量は、ジ−N−ブチルアミンと反応させ、未反応のジ−N−ブチルアミンを塩酸で適定する通常の方法を適用すると容易に確認できる。
このとき、式2の化合物のNCO基1当量に対して、ジオール系鎖延長剤の反応当量が0.3当量未満と添加される場合、最終的に製造されたポリウレタン化合物の鎖が長くなるため陽イオン性に変化する部分が減り、インクの定着性が著しく劣ってしまう欠点があり、一方、ジオール系鎖延長剤の反応当量が0.8当量を超過すると、最終的に製造されたポリウレタン化合物の鎖が短くなるため陽イオン性に変化する部分が増え、インクの定着性は良好になるが、相対的に親油性部分が減るため記録基材との付着性が劣化してしまうという欠点がある。したがって、上記の範囲内でジオール系鎖延長剤を使用することが好ましい。
このとき、前記ジアミン系鎖延長剤は、式3の化合物の両端部のNCO基と反応して式4におけると同様に化合物の両端部をアミン基(NH2)に変化させるとともに増粘させるために添加する。反応後粘度は25℃でおよそ1000〜15000CPSとなる。
上述のように式4のウレタンポリマーに陽イオン化剤を添加すると、分子中の3級アミン部分が4級アミンに変わりつつ陽イオン性を示すようになるが、このように陽イオン性を示す4級アミンが形成されると、陰イオンとなっている大部分のインクとイオン結合しつつインクが定着し、この結果、インクの滲み及び脱落が防止される。前記陽イオン化剤は、スルホン酸ジメチル、酢酸、リン酸、塩酸、硫酸から選ばれたものを使用することができる。
<実施例1>
ポリウレタン樹脂の製造
四ツフラスコに平均分子量6000のポリエチレングリコール75gとイソホロンジイソシアネート16.5g及びジブチルすずジラウレート0.05gを添加した後90℃で3時間反応させてNCO基含量変化がない時までNCO基が5.7重量%含有されたプリポリマーを製造した。ここにDMF109.2gとN−メチルジエタノールアミン2.975gを入れ60℃で2時間の間NCO基含量変化がない時まで反応させ、再びここにDMF109.2gを入れ60℃でイソホロンジアミン6.375gを滴加した後、DMF72.8gとトルエン72.8gで希釈した。ここに陽イオン化剤の酢酸7.5gを40℃で添加し1時間反応させた後、最終固形分含量20%のポリウレタン樹脂を製造した。
<実施例2>
ポリウレタン樹脂の製造
四ツフラスコに平均分子量が4000のポリエチレングリコール52.0gと4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート20.44g及びジブチルすずジラウレート0.05gを添加した後90℃で3時間反応させてNCO基含量変化がない時までNCO基が7.54重量%含有されたプリポリマーを製造した。ここにDMF102.72gとN−メチルジエタノールアミン3.09gを入れ60℃で2時間反応させてNCO基含量変化がない時まで反応させ、再びここにDMF102.72gを入れ60℃でジエチルトルエンジアミン6.953gを滴加した後DMF68.48gとトルエン68.48gで希釈した。ここに陽イオン化剤の酢酸7.8gを40℃で添加し1時間反応させた後、最終固形分含量20%のポリウレタン樹脂を製造した。
<実施例4>
ポリウレタン樹脂の製造
四ツフラスコに平均分子量が6000のポリエチレングリコール78.0gとイソホロンジイソシアネート5.77g、ジブチルすずジラウレート0.05gを入れ90℃で3時間反応させてNCO基含量変化がない時までNCO基が1.303重量%含有されたプリポリマーを製造した。ここにDMF105.03gとN−メチルジエタノールアミン1.547gを入れ60℃で反応させた後、DMF105.03gを入れイソホロンジアミン2.21gを滴加した後、DMF70.02gとトルエン70.02gで希釈した。ここに陽イオン化剤の酢酸4.68gを40℃で添加し1時間反応させた後、最終固形分含量20%のポリウレタン樹脂を製造した。
<実施例6>
コーティング用組成物の製造
上記の実施例1で製造した固形分含量20%のポリウレタン樹脂100gに混合溶剤100gを混合して記録基材コーティング用組成物を製造した。このとき、混合溶剤には、メチルエチルケトン、トルエン及びジメチルホルムアミドを3:2:5の割合で混合したものを使用した。
<実施例7>
コーティング用組成物の製造
上記の実施例2で製造した固形分含量20%のポリウレタン樹脂100gに混合溶剤100gを混合して記録基材コーティング用組成物を製造した。このとき、混合溶剤には、メチルエチルケトン、トルエン及びジメチルホルムアミドを3:2:5の割合で混合したものを使用した。
<実施例9>
コーティング用組成物の製造
上記の実施例4で製造した固形分含量20%のポリウレタン樹脂100gに混合溶剤100gを混合して記録基材コーティング用組成物を製造した。このとき、混合溶剤には、メチルエチルケトン、トルエン及びジメチルホルムアミドを3:2:5の割合で混合したものを使用した。
<実施例11>
上記の実施例1で製造した固形分含量20%のポリウレタン樹脂100gに混合溶剤100g及びシリカ粉末20gを混合して記録基材コーティング用組成物を製造した。このとき、混合溶剤には、メチルエチルケトン、トルエン及びジメチルホルムアミドを3:2:5の割合で混合したものを使用した。
<実験例1、2、4>
上記の実施例6、7、9で製造したコーティング用組成物をPETフィルムに0.3mm厚となるように点コーティング(comma coating)して正面印刷用(front print coating type)インクジェット用の記録基材を得た。このように得られた記録基材に対して下記のように耐水性、インク滲み性、接着性、インクの吸収速度、表面光沢度を測定し、その結果を下記の表1に示した。
記録基材にインクジェットプリンタ(Epson 830)を使って黒、青緑、紫紅及び黄色のそれぞれの単色を印刷し1時間放置した後、流水に5時間浸漬して印刷された部分の変化を肉眼で観察し、下記のように評価した。
○:印刷部分に滲みがない。
△:印刷部分がやや滲む。
×:印刷部分が多く滲む。
記録基材にインクジェットプリンタ(EPSON 830)を使って黒色を点(dot)印刷し、拡大鏡で50倍拡大して点印刷された部分を観察し、下記のように評価した。
○:滲みない。
△:やや滲む。
×:多く滲む。
記録基材の表面に接着力試験器(AGS−J/AHIMADZU)を使って接着性を測定し、その結果を○(良好)、△(普通)、×(不良)に区分した。
記録基材にインクジェットプリンタ(Epson 830)を使って黒色を印刷し、ガーゼで擦って検索色相がつく度合を肉眼で観察し、その結果を○(良好)、△(普通)、×(不良)に区分した。
記録基材にインクジェットプリンタ(Epson 830)を使って黒色を印刷し、表面の光沢度を肉眼で観察し、その結果を○(良好)、△(普通)、×(不良)に区分した。
<実験例6>
上記の実施例6で製造したコーティング用組成物をPETフィルムに0.3mm厚となるように点コーティングし、その上に実施例11で製造されたコーティング用組成物を0.3mm厚となるように2次点コーティングして背面印刷用(BACK−LIT TYPE)インクジェット用の記録基材を得た。このように得られた記録基材を、上記の実験例におけると同様に耐水性、インク滲み性、接着性、インクの吸収速度、表面光沢度を測定し、その結果を下記の表1に示した。
<実験例7>
上記の実施例6で製造したコーティング用組成物をナイロン生地に0.3mm厚となるように点コーティングして正面印刷用(front print coating type)インクジェット用の記録基材を得た。このように得られた記録基材に対して、上記の実験例におけると同様に、耐水性、インク滲み性、接着性、インクの吸収速度、表面光沢度を測定し、その結果を下記の表1に示した。
<比較実験例1>
固形分含量40%、分子量2000〜3000のアクリル樹脂100gとPVA100g及びシリカ20gからなる公知のインクジェットコーティング用組成物を、PETフィルムに0.3mm厚となるように点コーティングして正面印刷用(front print coating type)インクジェット用の記録基材を得た。このように得られた記録基材に対して、上記の実験例におけると同様に、耐水性、インク滲み性、接着性、インクの吸収速度、表面光沢度を測定し、その結果を下記の表1に示した。
Claims (8)
- 触媒存在下でポリオールとジイソシアネートを反応させて下記の式2のプリポリマーを製造し、製造されたプリポリマーに有機溶媒とジオール系鎖延長剤としてN−メチルジエタノールアミンを添加し1次鎖延長反応を通じて式3の化合物を製造し、式3の化合物に再びジアミン系鎖延長剤を添加し2次鎖延長反応を通じて式4のウレタンポリマーを製造し、式4のウレタンポリマーに陽イオン化剤を添加し反応させて式1のポリウレタン樹脂を得ることを特徴とする記録基材コーティング用ポリウレタン樹脂の製造方法。
- 上記の式2のプリポリマーを製造するべく、ポリオール化合物のOH基1当量に対してジイソシアネートのNCO基を5〜7当量比として反応させることを特徴とする請求項1に記載の記録基材コーティング用ポリウレタン樹脂の製造方法。
- 前記ポリオール化合物に、平均分子量が200ないし12000のポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールから選ばれるポーリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びエチレングリコールとプロピレングリコールとのブロック共重合ポリオールから選ばれたものを使用することを特徴とする請求項1または2に記載の記録基材コーティング用ポリウレタン樹脂の製造方法。
- 前記ポリオール化合物に、分子量4000〜6000のポリエチレングリコールを使用することを特徴とする請求項3に記載の記録基材コーティング用ポリウレタン樹脂の製造方法。
- 上記の式3の化合物を製造するべく、式2のプリポリマーのNCO基1当量に対してジオール系鎖延長剤のOH基を0.3〜0.8当量比にして反応させることを特徴とする請求項1に記載の記録基材コーティング用ポリウレタン樹脂の製造方法。
- 上記の式4の化合物を製造するべく、式3の化合物のNCO基1当量に対してジアミン系鎖延長剤のNH2基を1〜1.2の当量比にして反応させることを特徴とする請求項1に記載の記録基材コーティング用ポリウレタン樹脂の製造方法。
- 前記ジアミン系鎖延長剤に、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、イソホロンジアミン、ピペラジン、ジアミノシクロヘキシルメタン、2−メチルピペラジンから選ばれたものを使用することを特徴とする請求項6に記載の記録基材コーティング用ポリウレタン樹脂の製造方法。
- 陽イオン化剤に、スルホン酸ジメチル、酢酸、リン酸、塩酸、硫酸から選ばれたものを使用することを特徴とする請求項1に記載の記録基材コーティング用ポリウレタン樹脂の製造方法。
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