JP2002219866A - インキ受理層形成用被覆剤およびそれを用いた記録材 - Google Patents

インキ受理層形成用被覆剤およびそれを用いた記録材

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JP2002219866A
JP2002219866A JP2001019360A JP2001019360A JP2002219866A JP 2002219866 A JP2002219866 A JP 2002219866A JP 2001019360 A JP2001019360 A JP 2001019360A JP 2001019360 A JP2001019360 A JP 2001019360A JP 2002219866 A JP2002219866 A JP 2002219866A
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meth
resin
coating
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JP2001019360A
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Yoshinori Kawashima
美紀 川島
Hiroshi Saito
浩 斎藤
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗液の均一性や安定性などの塗液特性、印刷適
性(特に印字部の光沢)および塗膜特性のバランスがと
れたインキ受理層形成用被覆剤、および印字部の光沢が
良好な記録材の提供。 【解決手段】セラックおよび他の親水性樹脂を含むイン
キ受理層形成用被覆剤、および基材上に、前記被覆剤か
らなる受理層を有する記録材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種のインキを受
理する受理層の形成に用いられる、生分解性を有する被
覆剤およびそれを用いた記録材に関する。さらに詳しく
は、本発明は、印字部分の耐水性や光沢度を高めるイン
キ受理層形成用被覆剤およびそれを用いた記録材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷業界では、インキ中の有機溶
剤が印刷現場の作業環境の改善、大気汚染等の問題から
注目を浴びつつあり、有機溶剤を含むインキに代わり、
水性インキが注目されている。水性インキを用いる印刷
方法としては、インキジェット印刷、グラビア印刷、フ
レキソ印刷などがあり、なかでもインキジェット印刷
は、騒音の発生が少なく、高速印字、多色印刷が可能で
あり、近年、解像度の向上が図られ画質の向上も著し
い。また、低価格のパーソナル用インキジェットプリン
ターが発売されたことにともない、家庭あるいはオフィ
スへの普及も急速に図られている。
【0003】これらの水性インキを受理する記録材に
は、インキの吸収性が速やかであることだけでなく、イ
ンキの定着性、発色性、鮮明性、画像階調性が優れてい
ることが要求される。更に、インキジェット印刷用記録
材に対しては、画像が保存性、耐久性、特に耐水性及び
耐光性(耐候性)に優れることが要求される。そのた
め、記録材としては浸透性を有するプレーンペーパーな
どの紙や合成紙を使用することが多く、水性インキの乾
燥性の悪さから、プラスチックフィルムの場合には表面
にインキ受理層を設けたものが使用されている。インキ
受理層は、一般にシリカなどの無機フィラーおよび親水
性の樹脂、あるいは水溶性の樹脂を含むコーティング剤
を塗工することにより形成され、前述の如き種々の特性
を満足させるべく、コーティング剤には様々な工夫がな
されている。
【0004】また、近年ごみ処理問題から安全衛生性が
高く、且つ生分解性を有する天然物が好んで使用される
ようになってきた。これまで、水性インキ用のインキ受
理層に用いられる天然物としては澱粉、天然ゴム、カゼ
イン、ゼラチンなどがあるが、いずれも耐水性が劣って
いたり、塗膜が白濁しているなどの問題がある。さらに
最近では、耐水性の高いキトサン含有系のインキ受理層
形成用被覆剤も開発されたが、キトサンは溶剤系の樹脂
とは相溶性がなく、多様化するインキ受理層形成用被覆
剤のニーズには応じがたい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、塗
液の均一性や安定性などの塗液特性、印刷適性(特に印
字部の光沢)および塗膜特性のバランスがとれたインキ
受理層形成用被覆剤、および印字部の光沢が良好な記録
材の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の親
水性樹脂をメインバインダーとするインキ受容層形成用
被覆剤にセラックを添加することにより、バインダーで
ある親水性樹脂との相溶性などの塗液特性、耐水性や透
明性などの塗膜物性はもちろんのこと、これまで問題で
あった画像記録部分の光沢などの印刷適性にも優れたイ
ンキ受容層形成用被覆剤が得られることを見出し、本発
明に至った。また、本発明者らは、上記のインキ受容層
形成用被覆剤を使用することにより、実用的な記録材が
得られることを見出した。
【0007】すなわち、本発明は、セラックおよび他の
親水性樹脂を含むインキ受理層形成用被覆剤を提供す
る。また、本発明は、セラックの含有量が、セラックお
よび他の親水性樹脂の合計量を基準として0.1〜30重量
%である上記インキ受理層形成用被覆剤を提供する。さ
らに、本発明は、基材上に、上記インキ受理層形成用被
覆剤からなる受理層を有する記録材を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のインキ受理層形成用被覆
剤は、セラックおよび他の親水性樹脂が液状媒体に溶解
および/または分散されているものであり、必要に応じ
てカチオン性付与剤、フィラー、その他の成分を含む。
本発明においてセラック(Shellac)とは、「Laccifer
Lacca Kerr」と言われるラックカイガラ虫が分泌する樹
脂状物質を精製したものである。セラックに含まれてい
る成分は原料であるラックカイガラ虫の産地、種類およ
び精製方法により異なる。これらの成分の解明はまだ完
全ではないが、樹脂酸の混合物であることが知られてお
り、主成分としては、樹脂分、ワックス分、色素に大別
される。
【0009】樹脂分は、樹脂酸またはそのエステル化物
であるといわれており、直鎖状の樹脂酸、セキスチルテ
ルペン系の樹脂酸に大別されている。直鎖状の樹脂酸と
しては、アレウリチン酸(Aleuritic acid)、Butolic
acid、セキスチルテルペン系の樹脂酸としては、Shello
lic acid、ジャラール酸(Jararic acid)、epi-Shello
lic acid、Laksholic acid、epi-Laksholic acid、Lacc
ishellolic acid、epi- Laccishellolic acid,ラクシジ
ャラール酸(Laccijararic acid)が挙げられる。これ
らのうち主成分をなす樹脂酸はアレウリチン酸(Aleuri
tic acid)、ジャラール酸(Jararic acid)やラクシジ
ャラール酸(Laccijararic acid)であり、アレウリチ
ン酸がジャラール酸やラクシジャラール酸とエステル結
合したものが、Shellac(セラック)を構成する
軟質の主成分して含まれる。
【0010】ワックス分には、ミリシルアルコール、セ
リルアルコール、ラクセリルアルコール等と、リグノセ
ル酸、セロット酸、ラクセル酸、ステアリン酸、パルミ
チン酸等との混合エステルが含まれる。色素には、赤色
のロッカイン酸、黄色のエリスロラクシン、デキシエリ
スロラクシン等が含まれる。
【0011】セラックは市販のものを使用することがで
き、(株)岐阜セラックの製品群の中から用途目的に応
じて選択すると簡便である。セラックの種類は、精製方
法により分別される。本発明のインキ受理層形成用被覆
剤には、(株)岐阜セラック製のPEANRL-N811などの脱
色セラック、またはGBN-D、GBN-DB、GBN-D-6、S-GB-D、
S-GB-D 、F-GB-D、S-GB、F-GB、GBN-DFなどの白ラック
など、色素を分解精製したタイプを使用することが好ま
しい。
【0012】また、セラックには生分解性があるが、セ
ラックのナトリウム塩を使用する、またはセラックを含
むインキ受理層形成用被覆剤または記録材をジ亜塩素酸
ナトリウムや炭酸水素ナトリウムなどにより処理すると
生分解性を飛躍的に向上させることができるため好まし
い。被覆剤中のセラックの含有量は、特に制限はしない
が、セッラクおよび他の親水性樹脂の合計量を基準とし
て0.1〜30重量%、特に5〜20重量%であることが好まし
い。この範囲より少ないとセラックの配合効果が十分得
られず、またこれより多いとインキの吸収性が遅く、滲
みが生じやすいため鮮明な画像が得られにくい。
【0013】また、本発明において親水性樹脂とは、親
水性構造単位を有する樹脂である。親水性構造単位とし
ては、ヒドロキシル基、エーテル結合、アミド基、アミ
ド結合、アミノ基、イミノ基などが挙げられる。例え
ば、ヒドロキシル基を有する樹脂としては、ポリビニル
アルコールおよびその変性物、セルロース系樹脂(ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース)などを使用でき、エーテル結合を有する樹脂
としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、およびこれらを原料としたウレタン系重合体
などを使用できる。また、アミド基、アミド結合を有す
る樹脂としては、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル
アミドなどのアクリル系重合体、ビニル系重合体、ウレ
タンウレア系重合体などの合成樹脂を使用できる。
【0014】特に、親水性樹脂として特願2000-260039
に記載されているマイケル付加型ウレタンウレア樹脂は
他の樹脂との相溶性に優れ、該樹脂を使用した場合に
は、高光沢の塗膜が得られ、低分子量のカチオン性付与
剤などの添加剤成分を多量に添加しなくても印刷適性に
優れたインキ受理層形成用被覆剤を得られるため好まし
い。
【0015】マイケル付加型ウレタンウレア樹脂とは、
例えば、少なくともポリオール(a)とポリイソシアネ
ート(b)を反応させて得られる末端にイソシアナト基
を有するウレタンプレポリマー(A)に、ポリアミン
(c)と不飽和化合物(d)とをマイケル付加反応させ
て得られる少なくとも2個の一級または二級アミノ基を
有するアミン化合物(B)を少なくとも反応させて得ら
れ、下記式(1-1)または(1-2)で示される結合部位
を含む。
【化1】 (式中、R3は1価の有機基、Xは水素原子または炭素
数1〜3のアルキル基、R4は水素原子または1価の有
機基を示す。)
【0016】式(1-1)または(1-2)中、R3を含む基と
連結している窒素に結合しているカルボニル基でない炭
素は、ポリアミン(c)に由来し、種々の原子と結合で
きるが、水素と結合する結合手は2本以下である。ま
た、カルボニル基および水素に結合した窒素に結合した
炭素は、ポリイソシアネート(b)に由来し、種々の原
子と結合できるが、水素と結合する結合手は2本以下で
ある。
【0017】また、R3 は1価の有機基であり、このウ
レタンウレア樹脂のモノマーの一つである不飽和化合物
(d)由来の有機残基である。具体的には、直鎖、分
岐、若しくは環状の脂肪族炭素水素基、芳香族基、およ
び主鎖中に炭素原子の他に窒素原子、酸素原子、および
硫黄原子の少なくとも1つを含んだ有機基が挙げられ
る。R3 は、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子、
水酸基、アミノ基、エポキシ基などの置換基を含んでい
ても良い。R3 が芳香族基である場合、脂肪族基を置換
基として有していてもよい。また、R3 の重量平均分子
量は20〜20000が好ましく、より好ましくは40〜10000、
さらに好ましくは45〜5000で1価の有機残基である。
【0018】また、R4は水素原子または1価の有機基
であり、具体的にはポリアミン(c)由来の水素原子ま
たは1価の有機残基、または不飽和化合物(d)由来の
1価の有機残基である。末端が二級アミノ基のポリウレ
タンウレア(C)を用いた場合には、R4は末端部位を
形成したポリアミン(c)または後述する反応停止剤
(f)由来の有機残基である。1価の有機基としては、
3 で例示したものを挙げることができる。また、重量
平均分子量は15〜1000が好ましく、より好ましく
は15〜500である。また、末端に一級アミノ基を有す
るポリウレタンウレア(C)を用いた場合には、R4
水素原子または−CH2-CH(X)-R3で示される有機基であ
る。また、Xは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基
を示し、不飽和化合物(d)に由来する。
【0019】式(1−1)は、使用したポリアミン
(c)が含む少なくとも1個の一級または二級アミノ基
と、不飽和化合物(d)が含む不飽和基と、ウレタンプ
レポリマー(A)が含むイソシアナト基とが結合した構
造を示している。上記のマイケル付加型ウレタンウレア
樹脂の合成に使用される原料について簡単に説明する。 (ポリオール(a)について)ポリオール(a)として
は、高分子量ポリオール類、その他のポリオール類等を
用いることができる。
【0020】高分子量ポリオール類は、重合度2以上の繰
り返し単位を有し、且つ2個以上の水酸基を有する化合
物であり、ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポ
リオール類、ポリエーテルポリオールおよび/またはポ
リエステルポリオールとこれらと等モル当量未満の下記
ポリイソシアネートとを反応させた末端が水酸基のウレ
タンポリオール等が挙げられる。
【0021】ポリエーテルポリオール類としては、公知
のポリエーテルポリオール、例えば、テトラヒドロフラ
ン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチ
レンオキサイド等のアルキレンオキサイドの重合体、共
重合体もしくはグラフト共重合体;ヘキサンジオール、
メチルヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタン
ジオールもしくはこれらの混合物の縮合により得られる
ポリエーテルポリオール類;プロポキシル化またはエト
キシル化されたポリエーテルポリオール類等の水酸基が
2個以上のものを用いることができる。ポリエーテルポ
リオール類の重量平均分子量は、側鎖の効果を得やすく
するためには、好ましくは100〜100,000、よ
り好ましくは500〜25,000、さらに好ましくは
1,000〜10,000である。ポリオール(a)
は、エチレンオキサイド及びエチレングリコールによっ
て形成されるポリエチレングリコール鎖を含有すること
が、吸水性が樹脂に付与されるため好ましい。特に、マ
イケル付加型ウレタンウレア樹脂中のポリエチレングリ
コール鎖の含有率が20〜90重量%の範囲であること
が水性インキの吸収の点から望ましい。ポリエチレング
リコール鎖の含有率が20重量%未満であると、インキ
の吸収性が遅く、ドットゲイン(ドットの膨れ)を生じ
たり、滲みを生じたりするため鮮明な画像が得られな
い。また、ポリエチレングリコール鎖の含有率が90重
量%を超えるとタックが強くブロッキングの原因とな
り、耐水性も低下する。さらに、ポリエチレングリコー
ル鎖の含有率が30〜60重量%であることが、吸水
性、耐水性及びインキ受理層の成膜性のバランスの点か
ら望ましい。
【0022】その他のポリオール類としては、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、ブタンジオール、プロパンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘ
キサンジメタノール、3,9−ビス(1,1−ジメチル
−2−ヒドロキシエチル2,2,8,10−テトラオキ
ソスピロ〔5.5〕ウンデカン等の2個の水酸基を有する
化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメ
チロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトー
ル、メチルグルコシド等の3個以上の水酸基を有する化
合物等が挙げられる。
【0023】また、ポリオール(a)として、水酸基以
外の少なくとも1個のイオン性官能基を含有するポリオ
ール(e)を使用することもできる。水酸基以外の少な
くとも1個のイオン性官能基を含有するポリオールの具
体例としては、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン
酸、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、2,2-ビス(ヒド
ロキシメチル)吉草酸、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)ブ
タン酸などのカルボキシル基含有ポリオール、N,N-ビス
(2-ヒドロキシプロピル)アニリン、N-メチルジエタノ
ールアミンなどの三級アミノ基含有のポリオールなどが
挙げられる。
【0024】(ポリイソシアネート(b)について)本
発明においてポリイソシアネート(b)としては、従来
公知のものを使用することができ、例えば、芳香族ポリ
イソシアネート、鎖式もしくは環状脂肪族ポリイソシア
ネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられ
る。例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシア
ネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル
イソシアネート(イソホロンジイソシアネート)、キシ
リレンジイソシネート、4,4’−メチレンビス(シク
ロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)等の無黄変
型または難黄変型のポリイシソアネート化合物を用いる
ことが、耐候性の点から好ましい。
【0025】(ポリアミン(c)について)本発明におい
てポリアミン(c)とは、少なくとも2個の一級または
二級アミノ基を有する化合物であり、少なくとも1個の
不飽和基を有する不飽和化合物(d)をマイケル付加さ
せることによりアミン化合物(B)を合成するために用
いられる。また、ポリアミン(c)は、ポリオール
(a)、ポリイソシアネート(b)とともに、末端に少なくと
も1個の一級または二級アミノ基を有するウレタンウレ
ア(C)を合成するために用いられる。
【0026】ポリアミン(c)としては、公知のものを
使用することができ、具体的には、エチレンジアミン、
プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメ
チレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレント
リアミン、トリアミノプロパン、2,2,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミン、ヒドラ
ジン、ピペラジン等の脂肪族ポリアミン、イソホロンジ
アミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン
等の脂環式ポリアミン、及びフェニレンジアミン、キシ
リレンジアミン等の芳香族ポリアミンが挙げられる。
【0027】さらに、2−ヒドロキシエチルエチレンジ
アミン、N-(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミ
ン、(2−ヒドロキシエチルプロピレン)ジアミン、
(ジ−2−ヒドロキシエチルエチレン)ジアミン、(ジ
−2−ヒドロキシエチルプロピレン)ジアミン、(2−
ヒドロキシプロピルエチレン)ジアミン、(ジ−2−ヒ
ドロキシプロピルエチレン)ジアミン等の水酸基を有す
るジアミン類、ダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基
に転化したダイマージアミン、および両末端にプロポキ
シアミンを有し、下記式(2)で示されるポリオキシア
ルキレングリコールジアミン等も使用することができ
る。 H2N-CH2-CH2-CH2-O(Cn2n-O)m-CH2-CH2-CH2-NH2 (2 ) (式(2)中、nは2〜4の任意の整数、mは2〜50の任意
の整数を示す。)
【0028】さらに、ポリアミン(c)として末端に一
級または二級アミノ基を有するデンドリマーも使用する
ことができる。上記のポリアミン(c)の中でも、イソ
ホロンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミンは、反応の制御が
容易で衛生的であることから好ましい。また、上記式
(2)で示されるポリオキシアルキレングリコールジア
ミンは、ポリエチレングリコール鎖を効果的に導入でき
ることから、本発明のインキ受理層形成用被覆剤を水性
インキ用の受理層形成に使用する場合には好ましい。
【0029】(不飽和化合物(d)について)本発明に
おいて不飽和化合物(d)は、ウレタンウレア樹脂を変
性する目的で使用される。従って、使用する不飽和化合
物(d)の種類は、変性の目的に応じて任意に選択する
ことができる。変性の目的に応じて使用する不飽和化合
物(d)の種類を選択する際には、不飽和化合物(d)
が有する官能基に着目することが好ましい。このような
不飽和化合物(d)が有する官能基としては、アルキル
基、ポリアルキレングリコール鎖、アルコキシ基、フェ
ノキシ基、水酸基、カルボキシル基、パーフルオロアル
キル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、さらにはア
ミド基やジアルキルアミノ基、四級アンモニウム塩基等
の窒素含有基等を例示することができる。
【0030】不飽和化合物としては、例えば、(メタ)
アクリル系不飽和化合物、アミド系不飽和化合物、脂肪
酸ビニル系不飽和化合物、ビニルエーテル系不飽和化合
物、酢酸アリル系不飽和化合物、酢酸アリル系不飽和化
合物以外のアリル系不飽和化合物、シアン化ビニル系不
飽和化合物、スチレンまたはビニルベンゼン系不飽和化
合物、脂環式オレフィン系不飽和化合物、αオレフィン
系不飽和化合物等の上記以外の不飽和化合物等が挙げら
れる。
【0031】(メタ)アクリル系のアルキル基含有不飽和
化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)
アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル
(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート等
の炭素数1〜22のアルキル(メタ)アクリレートが挙
げられる。
【0032】アミド基含有不飽和化合物としては、(メ
タ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリル
アミド、N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミ
ド、N−エトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N
−プロポキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ブ
トキシメチル−(メタ)アクリルアミドなどのモノアル
キロール(メタ)アクリルアミド;N,N−ジ(メチロ
ール)アクリルアミド、N−メチロール−N−メトキシ
メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシ
メチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−メ
トキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(エトキ
シメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−
プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(プ
ロポキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル
−N−(プロポキシメチル)メタアクリルアミドジアル
キロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。さら
に、ポリアルキレングリコール鎖含有不飽和化合物も使
用でき、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート等が挙げられる。
【0033】また、ポリアルキレングリコール鎖含有不飽
和化合物であり、末端にアルコキシ基を有する不飽和化
合物も使用でき、メトキシエチレングリコール(メタ)
アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)
アクリレート、メトキシトリエチレングチコール(メ
タ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール
(メタ)アクリレート、メトキシポリテトラメチレング
リコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレン
グリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0034】さらに、ポリアルキレングリコール鎖含有不
飽和化合物であり、末端にフェノキシ基を有する不飽和
化合物も使用でき、フェノキシジエチレングリコール
(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレン
グリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチ
レングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
他成分との親和性を向上させる目的としては、好ましく
は2〜25、さらに好ましくは4〜22の繰り返し単位
であるポリアルキレングリコール鎖を有する不飽和化合
物(d)を使用することが好ましい。また、本発明の被
覆剤を用いて水性インキ用の受像層を形成させる場合に
は、親水性が向上することから、ポリエチレングリコー
ル鎖を有する不飽和化合物を使用することが好ましい。
【0035】上記以外の水酸基含有不飽和化合物も不飽和
化合物(d)として使用でき、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4
-ヒドロキシビニルベンゼン、1−エチニル−1−シク
ロヘキサノール、アリルアルコールなどが挙げられる。
また、カルボキシル基含有不飽和化合物としては、コハ
ク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、ア
クリル酸、メタクリル酸が使用できる。
【0036】ジアルキルアミノ基含有不飽和化合物も使用
でき、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ
スチレン、ジエチルアミノスチレン等が挙げられる。ま
た、上記ジアルキルアミノ基含有不飽和化合物を四級ア
ンモニウム塩化することにより得られ、対イオンとして
Cl-、Br-、I-等のハロゲンイオンまたはQSO3-
(Q:炭素数1〜12アルキル基)を有する四級アンモニウ
ム塩基含有不飽和化合物も使用でき、(メタ)アクリル
酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、トリメチ
ル−3−(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチ
ルプロピル)アンモニウムクロライド、トリメチル−3
−(1−(メタ)アクリルアミドプロピル)アンモニウ
ムクロライド及びトリメチル−3−(1−(メタ)アク
リルアミド−1,1−ジメチルエチル)アンモニウムクロ
ライド等が挙げられる。本発明の被覆剤を用いて、染料
タイプの水性インキ用の受像層を形成させる場合には、
インキの定着性を向上させることから、四級アンモニウ
ム塩基含有不飽和化合物を使用することが好ましい。上
記の不飽和化合物(d)は単独であるいは2種類以上を
併用することができる。また、(メタ)アクリル系化合
物、特にアクリレート系化合物が化合物(d)として好
ましい。さらに、アクリレート系化合物と、対応するメ
タアクリレート系化合物とを比較すると、アクリレート
系化合物の方がマイケル付加反応の効率がよく好まし
い。
【0037】ポリオール(a)とポリイソシアネート
(b)の配合比は、化合物の反応性、ポリオール(a)
またはポリイソシアネート(b)中の3価以上の化合物
の存在比、得られた樹脂の用途等に応じて選択される。
ウレタンプレポリマーが少なくとも1個のイソシアナト
基を有するためには、ポリオール(a)および化合物
(e')のイソシアナト基と反応可能な官能基の1モル
に対して、ポリイソシアネート(b)のイソシアナト基
が1モルより多くなることが必要であり、好ましくは
1.01〜4.00モル、さらに好ましくは1.40〜
3.00モルの範囲内である。
【0038】また、アミン化合物(B)の合成方法とし
ては、マイケル付加反応に関する公知方法をそのまま利
用できる。ポリアミン(c)とこれに付加させる不飽和
化合物(d)との比率は、アミン化合物(B)を使用す
る目的によって異なる。少なくとも2個の一級または二
級アミノ基を有するアミン化合物(B)を得るには、ポ
リアミン(c)が有する一級アミノ基1モルに対して、
不飽和化合物を好ましくは0.1〜1.0モル、さらに
好ましくは0.2〜0.98モルの割合で反応させる。
不飽和化合物が0.1モルより少ないと側鎖の効果が発
現しにくいこと、保存安定性が低いことから好ましくな
い。
【0039】以下に、本発明のインキ受理層形成用被覆
剤および該被覆剤からなる受理層を有する記録材につい
て説明する。 <インキ受理層形成用被覆剤>本発明のインキ受理層形
成用被覆剤は、セッラクおよび他の親水性樹脂のほか
に、塗膜に発生する静電気を防止するため、水性インキ
の定着性を高めるため、さらにインキの滲みを防ぐため
に、カチオン性付与剤を含むことができる。このような
カチオン性付与剤としては、日本特許第2925723号, 特
公平6-74406号公報に記載されている製造法で得られる
帯電防止剤、日本特許第2867013号に記載されているカ
チオン変性アクリル共重合体、またカチオン変性ポリビ
ニルアルコール、カチオン変性天然ゴムなどの親水性樹
脂のカチオン変性物が好適に使用される。また、前述の
ポリアミン(c)に四級アンモニウム塩基を有する不飽
和化合物(d)をマイケル付加反応させたアミン化合物
もカチオン性付与剤として使用できる。
【0040】本発明のインキ受理層形成用被覆剤は、印
刷適性や塗膜特性を向上させる目的で、フィラーを含ん
でもよい。本発明で使用できるフィラーとしては、クレ
ー、ケイソウ土、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、
珪酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、タルク、カオ
リン、焼成カオリン、硫酸バリウム、二酸化チタン、硫
酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタ
ン、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化
鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、合成非晶質
シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、
擬ベーマタイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオ
ライト、モンモリナイト等の無機フィラーが挙げられ
る。
【0041】これらの無機フィラーのなかでも、インキ
受理層を透明にする場合には、硫酸バリウム、非晶質シ
リカ、コロイダルシリカ、アルミナゾルが好ましい。粉
末フィラーを使用する場合には、前記分散機としては、
各種ミル、高速攪拌分散機、超音波分散機等で、さらに
具体的にはボールミル、サンドミル、三本ロールミル、
二本ミル、フーバーマーラー等の大きなせん断力がかか
る分散方法による分散が好ましい。また、フィラーとし
てアルミナゾルやコロイダルシリカを使用する場合、親
水性樹脂を水に溶解または分散した後、フィラーと混合
すると安定な混合液が得られる。
【0042】本発明のインキ受理層形成用被覆剤がフィ
ラーを含む場合、親水性樹脂にフィラーを単に混合する
だけでなく、フィラーをグラフトさせることにより、塗
膜性能をさらに向上することができる。特に、フィラー
の配合率が高い場合、フィラーと樹脂をグラフトさせる
と、塗膜の機械特性が飛躍的に向上するため好ましい。
フィラーの配合量は、フィラー配合の目的により異なる
が、例えば、ブロッキング防止や塗膜の機械的特性の向
上を目的とする場合には、被覆剤の固形分の全重量を基
準とし、好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは
10〜40重量%であり、50重量%より多いと塗膜の
機械特性、特に折り曲げ性、伸張性が低下し、5重量%
より少ないと有効な効果が認められない。また、インキ
の乾燥性の向上を目的とする場合には、フィラーの配合
量は好ましくは50〜95重量%、さらに好ましくは6
0〜90重量%であり、50重量%より少ないと十分な
効果が得られず、95重量%より多いと塗膜が脆くなる
ため好ましくない。
【0043】本発明の被覆剤には、ブロッキング防止、
カーリング防止、表面光沢の調整、耐候性の向上、イン
キ滴の濡れ性の改善等の目的で上記の親水性ではない樹
脂、例えばアクリル樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂、
ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタ
ール、ポリスチレン、フッ素樹脂、ポリカーボネート、
ポリエーテル、ポリイソブチレン、石油樹脂、ロジン、
ニトロセルロース、しょ糖エステル、塩化ビニル/酢酸
ビニル系共重合体、エチレン/酢酸ビニル系共重合体、
α−オレフィン/無水マレイン酸系共重合体、スチレン
/無水マレイン酸系共重合体等の熱可塑性樹脂、フェノ
ール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポ
リエステル樹脂、アルキド樹脂、ケイ素樹脂等の他、エ
ポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレ
タンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ホスフ
ァゼン樹脂等の紫外線または電子線により硬化する樹脂
の1種以上を本発明の目的を妨げない範囲で配合するこ
とができる。
【0044】また、必要に応じて、紫外線吸収剤、蛍光
増白剤等の蛍光染料、着色剤、増粘剤、消泡剤、レベリ
ング剤、クレーター防止剤、沈降防止剤、酸化防止剤、
光安定剤、難燃剤、ワックス、熱安定剤等の添加剤も、
適宜1種または2種以上添加することができる。液状媒
体としては、水、有機溶剤およびこれらの混合物を使用
することができる。
【0045】<記録材>本発明の記録材は、基材上に上記
インキ受理層形成用被覆剤からなる受理層を備え、良好
な水性インキの定着性を有する。受理層は基材の少なく
とも一方の面に形成され、その形成は、従来公知のコー
ティング方式で本発明の被覆剤を塗工することにより行
われる。コーティング方式としては、例えば、スプレ
ー、スピンコーター、ダイコーター、グラビアコータ
ー、ナイフコーター、ディップコーター、コンマコータ
ー等を用いることができる。受理層の厚さは、一般に5
〜100μmであり、インキ吸収性、密着性、コスト等
のバランスから、10〜50μmであることが好まし
い。
【0046】受理層を設ける基材としては、例えば、
紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、硬
質ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポ
リイミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチ
レン・ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート、
ポリアクリロニトリル、ポリブテン、軟質ポリ塩化ビニ
ル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポ
リ酢酸ビニル等のプラスチックフィルムを挙げることが
できる。
【0047】特に、生分解性を有する記録材を得たい場
合には、ポリカプロラクトン、3−ヒドロキシ酪酸-3-
ヒドロキシ吉草酸共重合体、ポリ-γ-メチル-L-グルタ
メート、セルロース−キトサン複合体等の生分解性を有
する材料からなるフィルムを使用することが好ましい。
これらを基材として用いると、インキ受理層形成用被覆
剤に含まれるセラックによりインキ受理層が崩壊するこ
とから記録材としての生分解が進行する。その他に、各
種の不織布、合成紙、金属箔、あるいはこれらを組み合
わせた複合シート、金属、木材、ガラス等も使用するこ
とができる。但し、基材表面の表面自由エネルギーは2
0〜60mN/mの範囲であることが好ましく、密着性
を改善するために、基材の表面にコロナ処理、プラズマ
処理をしたり、あるいは基材との密着性に優れた樹脂を
コーティングしてもよい。
【0048】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、「%」は、「重量%」を意味する。
【0049】(合成例:マイケル付加型ウレタンウレア
の合成)撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴
下ロートを備えた4口フラスコに、IPDA170g、イ
ソプロピルアルコール(IPA)170gを仕込み、アク
リル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩の79
%水溶液318.4g、および4-ヒドロキシブチルアク
リレート79.2gを室温で滴下した。滴下終了後、50℃
で1時間反応させた後、IPA264gを加えて、固形分
50%のアミン化合物溶液を得た。撹拌機、還流冷却
管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラ
スコに、ポリエチレングリコール(Mw=2000)39.1
g、1,4−ブタンジオール5.6g、イソホロンジイソ
シアネート32.8g、メチルエチルケトン(MEK)33.2
g、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.02を仕込
み、86℃まで徐々に昇温し2.0時間反応を行った。滴
定でイソシアナト基残量を確認した後、30℃まで冷却
し、MEK57.8gを加えた後、アミン化合物溶液31.9g、
イソホロンジアミン(IPDA)5.44g、シ゛フ゛チルアミン(DB
A)1.0gおよびIPA28g、水14gからなる混合物を
30分で滴下し、さらに50℃で1時間反応した後、I
RチャートのNCO特性吸収(2270cm-1)が消失して
いることを確認し反応を終了した。得られたマイケル付
加型ウレタンウレア樹脂溶液は無色透明であり、固形分
37.6%、B型粘度計を用いて測定した粘度は3000mP
a・s、ゲル濾過クロマトグラフィー(東ソー社製「S
C−8020」)におけるスチレン換算値を採用した固
形分の数平均分子量Mn15,000、重量平均分子量
Mw35,000、ポリエチレングリコール鎖の含有率
40%であった。
【0050】[実施例1〜7]表1に記載した組成のインキ
受理層形成用被覆剤を調製した。フィラー混合系では、
サンドミル(φ3mmガラスビーズ、分散時間4時間)
により親水性樹脂溶液にフィラーを分散した。得られた
被覆剤をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上
に、バーコーターを用いて乾燥膜厚が約30μmとなる
ように塗工し、100℃で2分間乾燥させて受理層を形成
し、記録材を得た。この記録材の塗膜物性およびインキ
ジェット印刷性を評価した。インキ受理層形成用被覆剤
の溶液特性および評価結果を表1に示す。なお、各評価
方法は次の通りである。
【0051】<保存安定性>得られたインキ受理層形成
用被覆剤を常温で1週間保存後の状態を目視判定した。 ○:透明均一で変化なし △:やや白濁しているが変化なし ×:分離
【0052】<塗膜物性> ・耐水性:記録材表面を、精製水をつけた綿棒でラビン
グし、塗膜が剥がれるまでの回数と試験後の表面状態の
変化の程度を以下の基準で評価した。 ○:ラビング100回以上で剥離せず記録材表面変化なし △:ラビング100回以上で剥離せず記録材表面やや膨潤 ×:ラビング100回以下で剥離
【0053】・表面タック:タッキング試験機(レスカ
製)で受理層のタックの強さを測定し、以下の基準で評
価した。 ◎:タックが全くない ○:タックが殆どない △:タックがややある ×:タックがかなりある
【0054】・透明性:得られたインキ受理層形成用被
覆剤を、ブレードコーターを用いて、PETフィルム上に
乾燥膜厚が30μmになるように塗工し、100℃で2分間
乾燥させた記録材の透明性を以下の基準で評価した。 ◎:完全透明 ○:ほぼ透明 △:半透明 ×:不透明
【0055】<インキジェット印刷特性>得られた記録
材に、水系の顔料インキ(Lorand製:FPG-シ
リーズ)を装填した市販のインキジェットプリンター
(Lorand製FJ-40)を用いてインキジェット記
録を行い、インキの吸水性及び印字品位を以下の基準で
評価した。 ・滲み:印字テストパターンにおける単色ベタ印刷間に
おける滲み程度を目視評価した。 ◎:極めて良好 ○:良好 △:やや不良 ×:不良
【0056】・光沢:印字テストパターンにおける画像
記録部の60度鏡面光沢度をBYK-Gardner社
製μ-トリグロス光沢計にて測定し、下記の基準で評価
した。 ○:70%以上 △:50以上70%未満 ×:50%未満
【0057】・割れ:印字テストパターンにおける画像
記録部分におけるひび割れの程度を印刷翌日に目視判定
した。 ◎:極めて良好 ○:良好 △:やや不良 ×:不良
【0058】・乾燥性:ベタ面印刷1分後に普通紙を重
ね、さらに2kgの荷重をかけた際にインキが紙面に移
ってくる程度を目視評価した。 ◎:極めて良好 ○:良好 △:やや不良 ×:不良
【0059】
【表1】
【0060】◎セラック ・GBN-D:(株)岐阜セラック製白ラックGBN-DのIPA/メタ
ノール=50/50(重量比)溶液(固形分30%) ◎親水性樹脂 ・PVP K-15:ISP TECHNOLOGIES,
INC製ポリビニルピロリドンPVP K-15の40%イ
ソプロピルアルコール溶液 ・PVA217:(株)クラレ製部分ケン化ポリビニルア
ルコールPVA217の10%水溶液 ・MUU:合成例で得られたマイケル付加型ウレタンウ
レア樹脂の37.6%溶液 ◎カチオン性付与剤 ・PJ-Z:大原パラジウム化学(株)製ジシアンジア
ミド系樹脂PJ-Z
【0061】表2に挙げた実施例および比較例で得られ
たインキ受理層形成用被覆剤を、フ゛レート゛コーターを用いて、
剥離処理したPETフィルムの剥離面上に乾燥膜厚が3
0μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させた
後、塗膜のみを引き剥がしフィルムを得た。得られたフ
ィルムを評価サンプルとし、下記の方法で簡易的に生分
解性を評価した結果を表2に示す。上記サンプルをコン
ポスター(三井ホーム社製生ゴミ処理機「MAM」)中
に入れ、10日後にサンプルの形態を目視で確認した ○:サンプルが消失した。 △:サンプルが部分的に残っていた。 ×:サンプルが殆ど残っていた。
【0062】
【表2】
【0063】
【発明の効果】セラックを使用することにより、塗液特
性、印刷適性および塗膜特性のバランスがとれたインキ
受理層形成用被覆剤が提供できるようになった。また、
本発明のインキ受理層形成用被覆剤を用いることによ
り、画像記録部分の光沢が飛躍的に向上し、耐水性にも
優れた記録材を提供することができるようになった。さ
らに、セラックの配合により、インキ受理層に生分解性
を付与することもできた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/00 D21H 19/46 D21H 19/46 B41J 3/04 101Y Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA15 BA34 BA35 4J038 BA091 BA231 CE021 CG171 CK031 DF021 DG061 DG131 DJ011 NA26 PC08 PC10 4J039 FA01 FA02 FA03 FA04 FA05 GA24 4L055 AG30 AG80 AG85 AG89 AH50 BE08 FA15 GA09 GA15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラックおよび他の親水性樹脂を含むイン
    キ受理層形成用被覆剤。
  2. 【請求項2】セラックの含有量が、セラックおよび他の
    親水性樹脂の合計量を基準として0.1〜30重量%である
    請求項1記載のインキ受理層形成用被覆剤。
  3. 【請求項3】基材上に、請求項1または2記載のインキ
    受理層形成用被覆剤からなる受理層を有する記録材。
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