JPH1095914A - インクジェット記録材用樹脂組成物 - Google Patents

インクジェット記録材用樹脂組成物

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JPH1095914A
JPH1095914A JP8252792A JP25279296A JPH1095914A JP H1095914 A JPH1095914 A JP H1095914A JP 8252792 A JP8252792 A JP 8252792A JP 25279296 A JP25279296 A JP 25279296A JP H1095914 A JPH1095914 A JP H1095914A
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JP
Japan
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resin
copolymer
ethylene
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polyalkylene oxide
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JP8252792A
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English (en)
Inventor
Manabu Osada
学 長田
Shinichi Takemori
信一 竹森
Takahiro Imai
貴宏 今井
Hiroshi Miyamoto
洋志 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性に優れ、インクの定着速度が速く、耐
湿熱性、耐水性に優れた水性インク用のインクジェット
記録に適した記録材を提供する。 【解決手段】 架橋ポリアルキレンオキシド樹脂13〜
95重量%、エチレン共重合体3〜80重量%、および
カチオン性重合体1〜50重量%を含んでなるインクジ
ェット記録材用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インクを用い
たインクジェット記録に用いられる記録材用樹脂組成物
に関する。さらに詳しくは、本発明は、インクの吸収能
力に優れ、記録画像が鮮明で、かつ耐湿熱性、耐水性に
優れたインクジェット記録材用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式プリンター記録形態
は、高速、低騒音、印刷コストが安い、機構が簡単で小
型軽量、マルチカラー化が容易、画像の大型化が容易、
現像定着が不要、記録パターンの融通性が大きい等、多
くの特徴を持ち、文字だけではなく画像の処理をも含ん
だハードコピーを得る方法として広く普及している。一
方、OHPシートやPOPシートの利用が広がる中で、
プリンターとしてOHPシートやPOPシートにも印刷
可能なものが必要になってきている。また、インクジェ
ット方式プリンターが広く普及するに従って、多くの種
類のプリンター用インクが上市されており、マルチカラ
ー化もインクの種類の増加に拍車をかける結果となって
いる。
【0003】これらのOHPシートやPOPシートに要
求される品質としては、 (1)各種インクのシートへの定着が速やかで、かつ良
好であり、印刷後インクの液だれなどが起こらないこ
と; (2)インク濃度が高く、発色性に優れていること; (3)インク液滴がシート上で必要以上に拡散せず、ド
ットの径が必要以上に大きくならないこと; (4)インク画像の耐湿熱性、耐水性に優れているこ
と; (5)インク定着層そのものの耐湿熱性、耐水性に優れ
ていること等が挙げられ、これらの要求を満たすため、
各種の水性インクが開発され、また、これらのインクに
適した記録用シートが提案されている。
【0004】しかしながら、これらすべての項目を満足
する記録材はなく、特に水性インクを使用した場合、記
録画像の耐水性に欠け、水がかかったり、また、高湿下
で保存するだけでもにじみが生じる欠点がある。例え
ば、特開昭60−171143号公報および特開昭59
−207277号公報には、水性インクを対象として、
基材上にイオン性親水基を有する水溶性高分子または水
可溶性物質と多価アルコール可溶性物質を含有させてな
るインク吸収層を設けた記録材が開示されているが、耐
水性については十分なものではない。また、特開昭56
−58869号公報には、耐水性の改善方法として、水
溶性高分子を塗布した記録シートにインクジェット記録
後、該水溶性高分子を不溶化する方法等が開示されてい
る。しかしながら、インクの多様化と相まって、さらに
インクの吸収速度が速く、記録画像の耐湿熱性、耐水性
の高いもの、また、インク定着層そのものの耐湿熱性、
耐水性の高いものの開発が望まれている。また、OHP
シート等においてはインク定着層の透明性が要求され
る。
【0005】さらに、水性インクジェット用の記録材料
の製造方法については、現在、一般的にプラスチックシ
ートにインク定着層をコーティングする方法が採用され
ているが、溶媒を使用しないドライフィルムを得るた
め、熱可塑性樹脂をベースにした熱ラミネーションやイ
ンフレーションなどの加工法も望まれている。
【0006】本発明者らは、これらの課題を解決するも
のとして、すでに、架橋ポリアルキレンオキシド樹脂、
ポリアミド樹脂、およびカチオン性重合体を含むインク
ジェット記録材用樹脂組成物を見出した(特願平8−1
62835号)。しかしながら、このものは、記録画像
の耐湿熱性、耐水性、インク定着層の透明性、耐水性の
点で未だ改良の余地がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
なインクジェット記録材における諸課題を解決するため
になされたものであり、インクの定着速度が速く、記録
画像の耐湿熱性、耐水性に優れ、かつインク定着層その
ものも耐湿熱性、耐水性に優れるとともに、熱ラミネー
ションやインフレーションなどの加工性に優れた、水性
インクを用いたインクジェット記録に最適な記録材用樹
脂組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究した結果、架橋ポリアルキレ
ンオキシド樹脂と特定のエチレン共重合体樹脂および特
定のカチオン性重合体とを併用使用することにより、イ
ンクの吸収能力に優れ、記録画像が鮮明でかつ耐湿熱
性、耐水性に優れ、さらにインク定着層そのものも耐湿
熱性、耐水性に優れるとともに、熱ラミネーションやイ
ンフレーション等の加工性に優れた、水性インクジェッ
ト記録に最適な記録材用樹脂組成物を提供できることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、架橋ポリアルキレン
オキシド樹脂13〜95重量%と、エチレン共重合体樹
脂3〜80重量%と、カチオン性重合体1〜50重量%
とを含むことを特徴とするインクジェット記録材用樹脂
組成物を提供するものである。
【0010】本発明の組成物においては、(1)架橋ポ
リアルキレンオキシド樹脂が有する熱加工に優れた特性
およびインクの吸収性能、記録画像の鮮明性に優れた特
性、(2)エチレン共重合体樹脂が有する耐湿熱性、耐
水性、透明性に優れた特性、(3)カチオン性重合体の
アニオン部とインク中のアニオンが容易に交換反応する
ことによるインクとの親和性、定着性に優れた特性がこ
れらを併用しても、お互いの長所を失うことなく相乗効
果を発揮しているものと考えられる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる架橋ポリアル
キレンオキシド樹脂としては、ポリアルキレンオキシド
とジオールとをイソシアネート化合物で反応させて得ら
れる、170℃、50kg/cm2加重下での溶融粘度
が2000〜20万ポイズであり、吸水能(g純水/g
樹脂)が10〜45g/gの樹脂が好適に用いられる。
溶融粘度が2000ポイズ未満の場合、および吸水能が
45g/gを超える場合には、記録画像の耐湿熱性、耐
水性も低下するので好ましくない。また、溶融粘度が2
0万ポイズを超える場合、および吸水能が10g/g未
満の場合には、エチレン共重合体樹脂やカチオン性重合
体との相溶性が悪くなり、フィルム加工時のフィルム表
面状態が悪化する等の問題が生じるので好ましくない。
【0012】架橋ポリアルキレンオキシド樹脂の添加割
合は、本発明の樹脂組成物の全重量に対して、通常、1
3〜95重量%、好ましくは20〜90重量%である。
13重量%より少ないと初期印刷性が悪くなり、95重
量%を超えるとインク定着層の耐湿熱性、耐水性が低下
するので好ましくない。
【0013】該架橋ポリアルキレンオキシド樹脂を構成
するポリアルキレンオキシドとしては、重量平均分子量
が500〜50万のものが好適に用いられ、例えば、ポ
リエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレ
ンオキシド/プロピレンオキシド共重合体、ポリブチレ
ンオキシドおよびこれらの混合物等を挙げることができ
る。特に、重量平均分子量2000〜10万のポリエチ
レンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキ
シド/プロピレンオキシド共重合体、またはこれらの混
合物が好適に用いられる。重量平均分子量が500未満
の場合、得られる架橋ポリアルキレンオキシド樹脂の溶
融粘度が低すぎ、また、重量平均分子量が50万を超え
ると溶融粘度が極端に高くなり、いずれの場合も他の樹
脂との相溶性に問題が生じるので好ましくない。
【0014】該ポリアルキレンオキシドと共に架橋ポリ
アルキレンオキシド樹脂を構成するジオールとしては、
同一分子内に水酸基(−OH)を2個有する有機化合
物、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、オクチレン
グリコール、グリセリルモノアセテート、グリセリルモ
ノブチレート、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナ
ンジオール、ビスフェノールA等を挙げることができ
る。好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,4-フ゛タンシ゛オール、1,6−ヘキサンジオール、1,9
−ノナンジオール等が用いられる。
【0015】上記のポリアルキレンオキシドとジオール
とを架橋するのに用いるイソシアネート化合物として
は、同一分子内にイソシアネート基を2個有する有機化
合物、例えば、キシリレンジイソシアネート(XD
I)、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(M
DI)、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8−ジ
メチルベンゾール−2,4−ジイソシアネート、2,4−
トリレンジイソシアネート(TDI)、TDIの3量
体、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、トリメ
チロールプロパンなどのポリオールにその活性水素の数
に対応するモル数のジイソシアネートを反応させて得ら
れるウレタンイソシアネート化合物、ポリイソシアネー
トアダクト等を挙げることができる。好ましくは、4,
4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、
ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジ
イソシアネート(TDI)等が用いられる。
【0016】上記のポリアルキレンオキシド、ジオール
およびイソシアネート化合物の使用割合は、ポリアルキ
レンオキシドの末端水酸基とジオールの有する水酸基の
数の和とイソシアネート化合物の有するイソシアネート
基の数の比(R値)(−NCO基/−OH基)が0.5
〜2.0となる範囲、好ましくは、0.8〜1.7となる
範囲で選択される。R値が0.5未満の場合は、架橋密
度が低くなり十分な溶媒吸収性を有する架橋ポリアルキ
レンオキシド樹脂が得られず、一方、R値が2.0を超
えると、架橋密度が高くなると共に溶融粘度が高くなり
成形の際の加工性が悪くなるため好ましくない。ポリア
ルキレンオキシドのモル数は、その重量を重量平均分子
量で割ることにより求めることができる。ジオールを添
加する場合は、ポリアルキレンオキシドとイソシアネー
ト化合物との架橋反応時に添加する。ジオールを添加す
ることにより、得られる架橋ポリアルキレンオキシドの
溶融粘度の低下を図ることができ、加工性が向上する。
【0017】上記イソシアネート化合物の使用量は、イ
ソシアネート化合物の種類および反応条件によっても異
なるが、一般に、ポリアルキレンオキシド100重量部
に対して、0.5〜80重量部、好ましくは、1〜50
重量部の範囲である。0.5重量部より少ない量では、
得られる架橋ポリアルキレンオキシド樹脂の架橋密度が
低くなって十分なフィルム強度が得られず、一方、80
重量部を超えて用いた場合、得られる架橋ポリアルキレ
ンオキシド樹脂の架橋密度が高くなりすぎてフィルムに
成形する際の加工温度が高くなり、成形が困難になるた
め好ましくない。
【0018】ポリアルキレンオキシドとジオールとをイ
ソシアネート化合物で反応させる方法としては、適当な
溶媒を用いた溶液状で反応させる方法が一般的である。
分散状で反応させる方法や、粉末状または固体状で両者
を均一に混合した後に所定の温度に加熱して反応させる
こともできるが、工業的実施の見地から各原料を溶融状
態で連続的に供給し多軸押出機中で混合、反応させる方
法が好ましい。上記反応の反応温度は、通常50〜21
0℃である。なお、この反応系にトリエチルアミン、ト
リエタノールアミン、ジブチル錫ジアセテート、ジブチ
ル錫ジラウレート、スタナスオクトエート、トリエチレ
ンジアミン等を少量添加することにより、反応を促進さ
せることもできる。
【0019】本発明で用いられるエチレン共重合体樹脂
としては、融点またはTg(ガラス転移点)が40〜23
0℃の樹脂が好ましく用いられる。具体的には、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体のケン化物、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレ
ン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリ
レート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合
体、エチレン−アクリル酸エステル−マレイン酸三元共
重合体等が挙げられる。また、これらのエチレン共重合
体は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても
よい。融点またはTgが230℃を超えると架橋ポリア
ルキレンオキシドとの相溶性が悪くなったり、加工温度
が高くなるために架橋ポリアルキレンオキシドの分解、
カチオン性重合体の分解等が生じる可能性があるため好
ましくない。エチレン共重合体樹脂の添加割合は、通常
3〜80重量%、好ましくは5〜70重量%である。添
加割合が3重量%未満の場合にはインク定着層の耐湿熱
性、耐水性の向上効果が少なく、一方80重量%を超え
る場合にはインクの吸収性能が低下し鮮明な画像が得ら
れないので好ましくない。
【0020】本発明で用いられるカチオン性重合体とし
ては、ポリマーの主鎖または側鎖にアミノ基、もしくは
その変性物、第4級アンモニウム塩基などのカチオン基
を含有するものであればよく、例えば、下記の一般式
(1)で示されるカチオン化マレイミド構造単位を有す
るマレイミド系共重合体、下記の一般式(2)で示され
る側鎖にカチオン化マレイミドを含むオレフィン構造単
位を有するマレイミド系共重合体、下記の一般式(3)
で示されるカチオン化ビニルベンゾイル構造単位を有す
るビニルベンゾイル系共重合体などを挙げることができ
る。中でも下記の一般式(2)で示される側鎖にカチオ
ン化マレイミドを含むオレフィン構造単位を有するマレ
イミド系共重合体、下記の一般式(3)で示されるカチ
オン化ビニルベンゾイル構造単位を有するビニルベンゾ
イル系共重合体が好ましい。
【0021】一般式(1):
【化1】
【0022】(式中、R1は炭素数2〜8のアルキレン
基、R2およびR3はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル
基、R4は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜1
2のアリールアルキル基、アルキル基で置換されていて
もよい炭素数2〜4のエポキシ基または炭素数6〜12
の脂環アルキル基、Xはハロゲン原子、CH3OSO3
たはC25OSO3を示す。)
【0023】一般式(2):
【化2】
【0024】(式中、R1、R2、R3、R4、Xは前記定
義に同じ、R5は水素原子またはメチル基を示す。mは
0または1を示す。)
【0025】一般式(3):
【化3】
【0026】(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ炭
素数1〜12のアルキル基、Xはハロゲン原子、CH3
OSO3またはC25OSO3を示す。)
【0027】本発明に使用されるカチオン性重合体の具
体例としては、一般式(2)で示される側鎖にカチオン
化マレイミドを含むオレフィン構造単位を有するマレイ
ミド系共重合体として、例えば、第一工業製薬(株)製
のレオレックス、一般式(3)で示されるカチオン化ビニ
ルベンゾイル構造単位を有するビニルベンゾイル系共重
合体として、例えば、日本化学工業(株)製のサイダッ
プスなどが挙げられる。
【0028】カチオン性重合体の添加割合は、1〜50
重量%、好ましくは1〜40重量%である。添加割合が
1重量%未満の場合には耐湿熱性、耐水性の向上効果が
少なく、一方、50重量%を超えて用いてもそれに見合
う効果が得られず、かえって加工性が低下したり、イン
ク定着層の耐水性が低下するため好ましくない。
【0029】本発明の記録材用樹脂組成物は、架橋ポリ
アルキレンオキシド樹脂とエチレン共重合体樹脂および
カチオン性重合体とを押出機、ニーダー、ロール等、一
般的に用いられる加工機械で混練して得られるが、上記
架橋ポリアルキレンオキシド樹脂の製造中に、予めカチ
オン性重合体を加えておいてもよい。得られた樹脂組成
物は、インフレーション成形、Tダイ押出しによりシー
ト状に成形することができる。また、該組成物とPP、
LDPE等の熱可塑性樹脂をインフレーション成形、熱
ラミネーション成形、Tダイ押出しによる共押出しによ
り、熱可塑性樹脂を支持層とするシート状に成形するこ
ともできる。この際、支持層とインク定着層との接着性
を高めるなどの目的で、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−スチレン−ブ
タジエン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマ
ー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可
塑性エラストマー等の熱可塑性樹脂を単独で、または2
種以上を適宜混合して該組成物に添加してもよい。ま
た、さらに目的により、例えば、超微粉シリカ、タル
ク、ゼオライト、アルミナ、酸化チタン等の熱安定剤、
酸化防止剤、顔料、充填剤を少量添加できる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を製造例、実施例および比較例
によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に
限定されるものではない。なお、下記の製造例で得た架
橋ポリアルキレンオキシド樹脂の試験および実施例で得
た記録材用樹脂組成物を用いた記録シートの印字性能の
評価については以下の方法で行った。
【0031】1.架橋ポリアルキレンオキシド樹脂の試
験項目およびその方法 (1)吸水能[g(純水)/g(樹脂)]:純水200
ml中に、架橋ポリアルキレンオキシド樹脂を1g添加
し、24時間撹拌後、200メッシュの金網にて濾過
し、濾過後のゲルの重量を吸水能とした。
【0032】(2)溶融粘度[ポイズ]:170℃、5
0kg/cm2加重の条件下にて、ダイ1mmφ×1m
mLオリフィス(島津製作所製フローテスター CFT
−500C)で測定した。
【0033】2.記録シートの印字性能の評価項目およ
びその方法 (1)乾燥速度:エプソン社製プリンターMJ−800
Cで評価パターン(5mmφ×12個、黒、マゼンタ、
シアン、イエロー)を印字後、10秒間隔で印刷面にプ
ッシュプルゲージにて6kgfの加圧下で濾紙をあて
て、インクが滲まなくなる時間を測定した。
【0034】(2)印刷性:エプソン社製プリンターM
J−800Cで評価パターン(上記に同じ)を印字後、
各色のドットを200倍に拡大し、その直径および円形
度係数をイメージアナライザーV10(東洋紡製)にて測
定した。直径が、100μm以下であれば目視で画像に
変化なく、100〜200μmであれば目視でやや画像
が滲み、200μm以上になると目視でもはっきりと画
像が滲んでいるのが判別できる。
【0035】(3)記録画像の耐湿熱性:エプソン社製
プリンターMJ−800Cで評価パターン(上記に同
じ)を印字後、温度40℃、湿度90%の恒温恒湿器に
入れ、1時間後、および24時間後に取り出してドット
の状態を200倍に拡大しその直径および円形度係数を
イメージアナライザーV10(東洋紡製)にて測定した。
直径が、100μm以下であれば目視で画像に変化な
く、100〜200μmであれば目視でやや画像が滲
み、200μm以上になると目視でもはっきりと画像が
滲んでいるのが判別できる。
【0036】(4)記録画像の耐水性:エプソン社製プ
リンターMJ−800Cで評価パターン(上記に同じ)
を印字後、5分間水に浸漬して色落ち状態を判定した。
耐水性の評価基準は以下の通りである; ○:色落ちなし △:若干色落ちあり ×:色落ち大
【0037】(5)インク定着層の耐水性:記録シート
を、5分間純水に浸漬後、プッシュプルゲージで5kg
fの加圧下で擦り、インク定着層の強度を測定した。耐
水性の評価基準は以下の通りである; ○:定着層の破断なし △:定着層の一部破断 ×:定着層の破断あり
【0038】製造例1 十分に脱水した重量平均分子量20000のポリエチレ
ンオキシド100重量部、重量平均分子量1000のプ
ロピレンオキシド13.2重量部、1,4−ブタンジオー
ル1.97重量部およびトリエチレンジアミン0.2重量
部を、110℃に保温された撹拌機の付いた貯蔵タンク
Aに入れ、窒素ガス雰囲気下で均一な混合物とした。こ
れとは別に、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネー
トを50℃に保温された撹拌機の付いた貯蔵タンクBに
入れ、窒素ガス雰囲気下で貯蔵した。貯蔵タンクAの混
合物と貯蔵タンクBの4,4'−ジフェニルメタンジイソ
シアネートを定量ポンプで各々154.6g/分と12.
1g/分の速度で110〜140℃に設定した2軸押出
機に連続的に供給し、押出機中で混合、反応を行い押出
機出口からストランドを出し、ペレタイザーによりペレ
ット化して架橋ポリアルキレンオキシド樹脂を得た。こ
のようにして得た架橋ポリアルキレンオキシド樹脂の吸
水能は20g/gであり、溶融粘度(170℃×50k
g/cm2)は20000ポイズであった。
【0039】製造例2 十分に脱水した重量平均分子量20000のポリエチレ
ンオキシド100重量部、重量平均分子量3000のエ
チレンオキシド/プロピレンオキシド(=80/20)
共重合体100重量部、1,4−ブタンジオール4.14
重量部、トリエチレンジアミン0.1重量部を、70℃
に保温された撹拌機の付いた貯蔵タンクAに入れ、窒素
ガス雰囲気下で均一な混合物とした。これとは別に、
4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートを50℃に
保温された撹拌機の付いた貯蔵タンクBに入れ、窒素ガ
ス雰囲気下で貯蔵した。貯蔵タンクAの混合物と貯蔵タ
ンクBの4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートを
定量ポンプで各々250g/分と17.4g/分の速度
で140〜170℃に設定した2軸押出機に連続的に供
給し、押出機中で混合、反応を行い押出機出口からスト
ランドを出し、ペレタイザーによりペレット化して架橋
ポリアルキレンオキシド樹脂を得た。このようにして得
た架橋ポリアルキレンオキシド樹脂の吸水能は10g/
gであり、溶融粘度(170℃×50kg/cm2)は
3000ポイズであった。
【0040】実施例1 製造例1で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂4
5重量部に、エチレン−酢酸ビニル共重合体[軟化点:
73℃、商品名:エバテートD3012、住友化学
(株)製]45重量部とマレイミド系共重合体[商品
名:レオレックスAS−170、第一工業製薬(株)
製]10重量部とを20Lヘンシェルミキサーで混合し
た後、30mm押出機(L/D=25、ダルメージスク
リュー、150℃)で混練しペレット化した後、熱ラミ
ネーション加工によりPETフィルムを支持層としてラ
ミネート成形し、インク定着層の厚みが80μmのシー
トを得、上記の性能評価を行った。
【0041】実施例2 製造例1で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂2
5重量部に、エチレン−エチルアクリレート共重合体
[軟化点:43℃、商品名:NUC−6570、日本ユ
ニカー(株)製]70重量部とマレイミド系共重合体
[商品名:レオレックスAS−170、第一工業製薬
(株)製]5重量部とを20Lヘンシェルミキサーで混
合した後、30mm押出機(L/D=25、ダルメージ
スクリュー、150℃)で混練しペレット化した後、熱
ラミネーション加工によりPETフィルムを支持層とし
てラミネート成形し、インク定着層の厚みが100μm
のシートを得、上記の性能評価を行った。
【0042】実施例3 製造例1で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂3
5重量部に、エチレン−酢酸ビニル共重合体[軟化点:
82℃、商品名:エバテートD2011、住友化学
(株)製]35重量部とマレイミド系共重合体[商品
名:レオレックスAS−170、第一工業製薬(株)
製]30重量部とを20Lヘンシェルミキサーで混合し
た後、30mm押出機(L/D=25、ダルメージスク
リュー、150℃)で混練しペレット化した後、インフ
レーション成形により、厚み120μmのシートを得、
上記の性能評価を行った。
【0043】実施例4 製造例1で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂6
0重量部に、エチレン−メチルメタクリレート共重合体
[融点:94℃、商品名:アクリフトWH302、住友
化学(株)製]20重量部とビニルベンゾイル系共重合
体[商品名:サイダップスP−8CMS、日本化学工業
(株)製]20重量部とを20Lヘンシェルミキサーで
混合した後、30mm押出機(L/D=25、ダルメー
ジスクリュー、150℃)で混練しペレット化した後、
インフレーション成形により、厚み120μmのシート
を得、上記の性能評価を行った。
【0044】実施例5 製造例1で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂3
0重量部に、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物
[融点:183℃、商品名:エバールEP−F−10
1、クラレ(株)製]60重量部とビニルベンゾイル系
共重合体[商品名:サイダップスP−8CMS、日本化
学工業(株)製]10重量部とを20Lヘンシェルミキ
サーで混合した後、30mm押出機(L/D=25、ダ
ルメージスクリュー、220℃)で混練しペレット化し
た後、熱ラミネーション加工により上質紙を支持層とし
てラミネート成形し、インク定着層の厚みが80μmの
シートを得、上記の性能評価を行った。
【0045】実施例6 製造例2で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂7
0重量部に、エチレン−アクリル酸共重合体[軟化点:
43℃、商品名:ユカロンA220M、三菱化学(株)
製]25重量部とビニルベンゾイル系共重合体[商品
名:サイダップスP−8CMS、日本化学工業(株)
製]5重量部とを20Lヘンシェルミキサーで混合した
後、30mm押出機(L/D=25、ダルメージスクリ
ュー、150℃)で混練しペレット化した後、LDPE
を支持層として2層インフレーション成形を行い、イン
ク定着層の厚みが100μmのシートを得、上記の性能
評価を行った。
【0046】比較例1 製造例1で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂1
0重量部に、エチレン−酢酸ビニル共重合体[軟化点:
73℃、商品名:エバテートD3012、住友化学
(株)製]85重量部とマレイミド系共重合体[融点:
80℃、商品名:レオレックスAS−170、第一工業
製薬(株)製]5重量%とを20Lヘンシェルミキサー
で混合した後、30mm押出機(L/D=25、ダルメ
ージスクリュー、150℃)で混練しペレット化した
後、熱ラミネーション加工によりPETフィルムを支持
層としてラミネート成形し、インク定着層の厚み80μ
mのシートを得、上記の性能評価を行った。
【0047】比較例2 製造例1で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂5
0重量部に、エチレン−エチルアクリレート共重合体
[軟化点:43℃、商品名:NUC−6570、日本ユ
ニカー社製]50重量部を20Lヘンシェルミキサーで
混合した後、30mm押出機(L/D=25、ダルメー
ジスクリュー、150℃)で混練しペレット化した後、
熱ラミネーション加工によりPETフィルムを支持層と
してラミネート成形し、インク定着層の厚み100μm
のシートを得、上記の性能評価を行った。
【0048】比較例3 製造例1で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂9
8重量部に、ビニルベンゾイル系共重合体[軟化点:1
00〜110℃、商品名:サイダップスP−8CMS、
日本化学工業(株)製]2重量%を20Lヘンシェルミ
キサーで混合した後、30mm押出機(L/D=25、
ダルメージスクリュー、150℃)で混練しペレット化
した後、インフレーション成形により、厚み120μm
のシートを得、上記の性能評価を行った。これら実施例
および比較例の性能評価の結果をまとめて表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】この表から明らかなように、本発明のイン
クジェット記録材用樹脂組成物は、乾燥速度が速く、印
刷性においては初期のドット径が小さく、耐湿熱性にお
いてはドット径の拡大が見られず、耐水性においては色
落ちしない。また、インク定着層の耐水性においては破
断しない。したがって、各試験後であっても、画像の変
化が見られず、印刷性、耐湿熱性、耐水性に優れている
ことが明らかとなった。
【0051】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録材用樹脂組
成物により、加工性が良好で、特にインクの吸収速度が
速く、記録画像の耐湿熱性、耐水性に優れ、かつインク
定着層の耐水性に優れた水性インクジェット用の最適な
記録材が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 洋志 兵庫県姫路市飾磨区入船町1番地 住友精 化株式会社第2研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋ポリアルキレンオキシド樹脂13〜
    95重量%と、エチレン共重合体樹脂3〜80重量%
    と、カチオン性重合体1〜50重量%とを含むことを特
    徴とするインクジェット記録材用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 架橋ポリアルキレンオキシド樹脂が、ポ
    リアルキレンオキシドとジオールとをイソシアネート化
    合物で架橋させた樹脂であり、その170℃、50kg
    /cm2加重下での溶融粘度が2000〜20万ポイズ
    であって、吸水能(g純水/g樹脂)が10〜45g/
    gである請求項1記載のインクジェット記録材用樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 ポリアルキレンオキシドが、重量平均分
    子量500〜50万のポリエチレンオキシド、ポリプロ
    ピレンオキシド、エチレンオキシド/プロピレンオキシ
    ド共重合体、およびこれらの混合物からなる群より選ば
    れた少なくとも1種である請求項1記載のインクジェッ
    ト記録材用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 エチレン共重合体樹脂が、エチレン−酢
    酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケ
    ン化物、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メ
    タクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリレート
    共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エ
    チレン−アクリル酸エステル−マレイン酸三元共重合体
    からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1
    記載のインクジェット記録材用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 カチオン性重合体が、マレイミド系共重
    合体である請求項1記載のインクジェット記録材用樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】 カチオン性重合体が、ビニルベンゾイル
    系共重合体である請求項1記載のインクジェット記録材
    用樹脂組成物。
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