JP2001293949A - 転写法により製造されたインクジェット用記録材 - Google Patents

転写法により製造されたインクジェット用記録材

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JP2001293949A
JP2001293949A JP2000111986A JP2000111986A JP2001293949A JP 2001293949 A JP2001293949 A JP 2001293949A JP 2000111986 A JP2000111986 A JP 2000111986A JP 2000111986 A JP2000111986 A JP 2000111986A JP 2001293949 A JP2001293949 A JP 2001293949A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インクジェット記録に好適なインクジェット用
記録材であって、特に耐熱性、耐ブロッキング性、印字
品質等に優れ、かつ層間剥離を生じないインクジェット
用記録材を提供すること。 【解決手段】基体上に吸水性樹脂を主成分とするインク
吸着層および最外層として耐熱層を有し、耐熱層が、仮
支持体上に塗布して形成された耐熱層用樹脂組成物から
なる被膜を、インク吸着層を基体上に溶融押出しすると
同時にインク吸着層上に転写し、その後、仮支持体を剥
離することにより製造されるインクジェット用記録材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録に好適なインクジェット用記録材に関し、特に耐熱性
および印字品質等に優れ、かつ層間剥離を生じないイン
クジェット用記録材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット法による記録は騒音が無
く、高速印字が可能であり、低コストであることからカ
ラーコピー、コンピューター等の画像情報出力装置に用
いられ、急速に普及しつつある。インクジェット用記録
材としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビ
ニルピロリドン等の親水性樹脂やポリエチレンオキシド
系の熱可塑性樹脂を使用したものが知られている。基体
上にPVA等を塗布したインクジェット用記録材は、イ
ンク受容層の厚さが薄くなってしまうので、インクの吸
収能力が低く、乾燥速度の低下等を引き起こし、その結
果インクのムラ等の印字品質の問題が生じた。また、高
温環境下では含有成分のブリードアウトによりべたつき
が生じ、ブロッキングの恐れもあった。ポリエチレンオ
キシド系の熱可塑性樹脂を用いて形成されたインクジェ
ット用記録材は、樹脂の物性上融点が低いので、高温高
湿環境下ではブロッキングが生じたり、表面の荒れから
ヘーズが高く、表面の光の反射も散乱するため非常に色
の発色が悪く、また、画像全体が暗くなる等の問題があ
った。また、グラビアコーティング等により直接形成し
た耐ブロッキング膜を有するインクジェット用記録材も
研究されているが、耐ブロッキング膜との間に層間剥離
や分離が生じる等の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、耐熱
性、耐ブロッキング性、耐傷性および印字品質に優れ、
かつ層間剥離も生じないインクジェット用記録材を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
用記録材は、基体上に吸水性樹脂を主成分とするインク
吸着層および最外層として耐熱層を有し、該耐熱層が、
仮支持体上に塗布して形成された耐熱層用樹脂組成物か
らなる被膜を、インク吸着層を基体上に溶融押出しする
際に該インク吸着層上に転写し、その後、仮支持体を剥
離することにより製造されることを特徴とする。本発明
の別の態様のインクジェット用記録材は、基体上に吸水
性樹脂を主成分とするインク吸着層および最外層として
耐熱層を有し、該耐熱層が、仮支持体上に塗布して形成
された耐熱層用樹脂組成物からなる被膜を、基体上に溶
融押出しして形成しておいたインク吸着層上に転写し、
さらに仮支持体を剥離することにより製造されることを
特徴とする。ここで、前記吸水性樹脂は、ポリアルキレ
ンオキシド、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリウ
レタン系樹脂、セルロース系化合物、およびこれらの変
性物からなる群から選ばれる少なくとも1つを含有する
樹脂組成物からなることができる。また、前記吸水性樹
脂は、下記、一般式(1)
【化2】 であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であ
り、a、b、cより計算される重量比、44(a+c)
/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
b、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基
を2個有する有機化合物の残基、Zは炭素数1以上の炭
化水素基、R11はジカルボン酸類化合物残基またはジ
イソシアネート系化合物残基である)で示されることが
好ましい。また、前記耐熱層は、ポリビニルアルコール
系樹脂またはウレタン系樹脂を主成分とする樹脂組成物
からなることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット用記録材
は、基体上にインク吸着層及び耐熱層を有する。耐熱層
はインクジェット用記録材の最外層を構成し、インク吸
着層は基体と耐熱層との間に位置する。また、インク吸
着層と基体との間には他の層を有していてもよい。イン
ク吸着層は、吸水性樹脂を主成分とする樹脂組成物から
なり、耐熱層は有効成分として水溶性樹脂を含有する樹
脂組成物からなり、任意的に設けられる他の層は、例え
ば親水性樹脂層等の場合には汎用の親水性樹脂を含むこ
とができる。
【0006】本発明における耐熱層は、転写コーティン
グにより形成される。ここで、転写コーティングとは、
耐熱層を形成する樹脂組成物の溶液を仮支持体上にバー
コーターやグラビアコーター等で塗布して被膜を形成
し、この被膜をインク吸着層上に転写することをいう。
インク吸着層上への転写は、インク吸着層を形成する樹
脂組成物を基体上に溶融押出しする際に、または樹脂組
成物を基体上に溶融押出しした後に、インク吸着層面に
ラミネートすることにより行われる。
【0007】ここで、溶媒は適宜選択されるが、PVA
等を用いる場合には水を溶媒として用いることができ
る。また、仮支持体としては、塗布に適しており、かつ
転写した後に形成された塗布膜を傷つけることなく容易
に剥離できるものであれば特に限定されるものではない
が、例えば、PETシート等が挙げられる。本発明にお
いては、仮支持体の表面に剥離処理等が適宜施されてい
てもよい。なお、溶剤が水系である樹脂組成物をグラビ
アコーティング等により直接塗布しても、インク吸着層
と耐熱層との間の層間剥離や分離が生じてしまうので、
層間剥離を生じさせないためには本発明のように転写コ
ーティングにより形成する必要がある。
【0008】本発明のインクジェット用記録材は、基体
と、該基体上にインク吸着層および耐熱層を有する。本
発明のインクジェット用記録材は、例えば図1に示すよ
うに、共押出しサンドラミネートにより形成することが
できる。耐熱層を形成する樹脂組成物を水等の溶媒に溶
かして溶液とし、この溶液を仮支持体1上にバーコータ
ー、グラビアコーター等で塗布することにより耐熱層2
を形成する。一方、インク吸着層を形成する樹脂組成物
をTダイのホッパー3に投入し、溶融押出しによりイン
ク吸着層4を形成するが、形成と同時にインク吸着層4
の両面に基体5と耐熱層2とをラミネートする。ラミネ
ートされた積層体を冷却、固化した後、仮支持体1を剥
離することにより、基体5上にインク吸着層4と耐熱層
2を有するインクジェット用記録材6を形成することが
できる。
【0009】本発明のインクジェット用記録材は、基体
およびインク吸着層の積層体に耐熱層を転写することに
より形成する。基体にインク吸着層を積層する方法とし
ては、例えば、基体およびインク吸着層の各層の樹脂組
成物をそれぞれ配合し、あるいは必要に応じてペレット
状にして、Tダイを共有連結した2層Tダイ押出機の各
ホッパーにそれぞれ投入し、温度100〜170℃の範
囲で溶融して、2層Tダイから共押出しし、冷却ロー
ル、水中または空冷等で冷却固化して、2層積層体を形
成することができる。または、インク吸着層の樹脂組成
物をTダイ押出機に搭載して溶融し、Tダイから基体上
に直接押出して、基体上にインク吸着層を有する積層体
を形成してもよいし、または、押出しによりフィルムを
形成した後、このフィルムを基体上にラミネートして
も、もしくは基体上に接着剤を介して積層してもよい。
本発明において基体上の層はインク吸着層と耐熱層とに
限定されるものではないので、3層以上の層が基体上に
設けられる場合には、共押出しに必要な数のTダイを具
備するTダイ押出機を用いて同様に作製することができ
る。また、インク吸着層と基体との間に1層以上の層が
設けられている場合には、例えば基体上にかかる層を設
けたシートを形成しておき、その上にインク吸着層をラ
ミネート等することによって設けることもできる。イン
ク吸着層等の積層体は公知の方法により形成することが
でき、例えば、特開平10−71763号第(6)〜
(7)頁の記載に従って得ることができる。
【0010】なお、基体としては用途によってプラスチ
ック、紙等の各種のものを用いることができ、例えば、
オーバーヘッドプロジェクター等に用いられるインクジ
ェット用記録材としては透明な基体が選択される。
【0011】耐熱層は水溶性樹脂を主成分とする樹脂組
成物からなることが好ましく、水溶性樹脂としてはポリ
ビニルアルコール(以下「PVA」ということもあ
る)、変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコ
ール系樹脂、ウレタン系樹脂等が好ましく用いられる。
具体的には、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケ
ン化ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルア
ルコール、ポリビニルアセタール、他の樹脂と共重合し
たポリビニルアルコール、他の親水性ポリマーとブレン
ドしたポリビニルアルコール等が挙げられる。なお、本
発明に用いられる水溶性樹脂は、融点が80℃以上であ
ることが好ましく、また、樹脂の構造単位に親水基、例
えば−OH、−COOHを有することが好ましい。
【0012】耐熱層の形成に用いられるポリビニルアル
コール(PVA)としては、特に限定されることなく一
般に用いられるものが挙げられるが、例えば、冷水可溶
タイプのPVAであり、好ましくはケン化度が20〜1
00%、さらには60〜100%であることが好まし
い。
【0013】本発明に用いられるPVAの粘度平均重合
度は40〜5000であることが好ましい。
【0014】耐熱層に用いられるウレタン系樹脂として
は、例えば、アルキレンオキサイド鎖を含有するポリウ
レタン樹脂、スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂、ポリ
カーボネート鎖を含有するポリウレタン樹脂、ポリカー
ボネート鎖およびポリエステル鎖を含有するポリウレタ
ン樹脂等が挙げられ、例えば商品名「パテラコールA−
60」(大日本インキ(株)製)、を商業的に入手する
ことができる。
【0015】インク吸着層に用いられる吸水性樹脂とし
ては熱可塑性樹脂等が挙げられ、例えば、ポリアルキレ
ンオキシド、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリウ
レタン系樹脂、セルロース系化合物、およびこれらの変
性物等が挙げられる。これらは単独で用いても、1以上
を混合して用いてもよい。
【0016】生産性に優れた押し出し法等のドライな方
法でフィルム化できる吸水性樹脂としては、例えば、ポ
リエチレンオキシドが適しており、本発明においては、
下記一般式(1)で表される繰り返し単位から構成され
る親水性の熱可塑性樹脂を好ましく用いることが好まし
い。
【化3】 であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であ
り、a、b、cより計算される重量比、44(a+c)
/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
b、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基
を2個有する有機化合物の残基、Zは炭素数1以上の炭
化水素基、R11はジカルボン酸類化合物残基またはジ
イソシアネート系化合物残基である。
【0017】ここで、活性水素基を2個有する有機化合
物としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ビスフェノールA、アニリンプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等がある。
【0018】上述した重量比、すなわち44(a+c)
/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
b、が80/20より小さいと親水性が低下し、インク
吸水性、印刷適性で劣るものとなる。一方、94/6を
超えると、インクの滲み耐水性等の点で劣るものとな
る。Zは前記一般式(1)で示される樹脂組成物に疎水
性を付与する機能を有するものであり、例えば好ましい
ものとしてはエチル基等のアルキル基等が上げられ、
a、b、cの割合を上述の範囲内とすることにより、親
水性を失わず、かつ、水に対して不溶化することができ
る。かかる熱可塑性樹脂は、エチレングリコールにエチ
レンオキシドを付加重合した後、アルキレンオキシドを
付加重合し、さらにエチレンオキシドを付加重合して生
成したポリアルキレンオキシドにジカルボン酸化合物ま
たはジイソシアネート化合物を反応させて生成すること
ができる。
【0019】上記ジカルボン酸化合物としては環状ジカ
ルボン酸化合物または直鎖状ジカルボン酸化合物が望ま
しく、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物、ジカルボン
酸の低級アルキルエステルが挙げられる。上記ジカルボ
ン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、マロン酸、コハク酸、セバシン酸、マレイン酸、フ
マル酸、アジピン酸、イタコン酸が挙げられる。上記ジ
カルボン酸無水物としては、上記各種ジカルボン酸の無
水物が挙げられる。また、上記ジカルボン酸の低級アル
キルエステルとしては、上記各種のジカルボン酸のメチ
ルエステル、ジメチルエステル、エチルエステル、ジエ
チルエステル、プロピルエステル、ジプロピルエステル
等が挙げられる。特に好ましくは、炭素数12〜36の
直鎖状ジカルボン酸およびその低級アルキルエステルが
挙げられ、1,10−デカメチレンジカルボン酸、1,
14−テトラデカメチレンジカルボン酸、1,18−オ
クタデカメチレンジカルボン酸、1,32−ドトリアコ
ンタンメチレンジカルボン酸等が挙げられる。上記の低
級アルキルエステルとしては、これらジカルボン酸のメ
チルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ジ
プロピルエステル等が挙げられる。これらは単独で、も
しくは2種以上併せて用いることができる。なかでも、
反応の容易性という観点から、上記ジカルボン酸無水物
およびジカルボン酸の低級アルキルエステルを用いるこ
とが好ましい。
【0020】上記ジイソシアネート化合物としては、
4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、メチレンビスシクロヘキシ
ルジイソシアネート等が挙げられる。これらは単独で、
または2種以上併せて用いることができる。
【0021】本発明のインクジェット用記録材には、イ
ンクの滲み特性を改良する目的等で、カチオン性ポリマ
ーを含有することができる。カチオン性ポリマーが添加
される層は特に限定されず、例えばインク吸着層および
耐熱層のいずれか1層または両方に含有することができ
る。本発明に好ましく用いられるカチオン性ポリマーと
しては、例えばポリアリルアミン塩酸塩、ポリアルキル
アミノアクリレート等、第4級化されたアミノ基を有す
るモノマーからなる共重合体等の高分子化合物が挙げら
れる。これらの高分子化合物は、融点(Tm)が60℃
〜200℃の範囲であり、分子量が1000〜10万の
範囲内であることが好ましい。
【0022】本発明において、カチオン性ポリマーの含
有量は約5〜70重量%であることが好ましい。カチオ
ン性ポリマーの含有量が5重量%以上であれば、インク
の滲みを効果的に抑制することができる。
【0023】インク吸着層、耐熱層等には、さらにカチ
オン性活性剤またはノニオン性活性剤を含めることがで
きる。本発明において、カチオン性活性剤またはノニオ
ン性活性剤の樹脂中の含有量は1重量%〜10重量%の
範囲内であることが好ましい。本発明に好ましく用いら
れるカチオン性活性剤としては、ポリエチレンイミン、
第4級アンモニウムクロライド、第4級アンモニウムサ
ルフェート等が挙げられ、本発明に好ましく用いられる
ノニオン性活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキ
ルアミン、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0024】インク吸着層を形成する樹脂組成物、耐熱
層を形成する樹脂組成物は、これらを配合した後、二軸
押出機を用いて、好ましくは同方向二軸押出機を用いて
混合してから、ペレット化しておくことができる。な
お、ペレット化は約160℃の温度で行うことが好まし
い。
【0025】本発明においては、本発明の特性を損なわ
ない範囲内で酸化防止剤、紫外線防止剤等の各種の添加
剤をさらに含有させることができる。例えば、溶融押出
し時の熱劣化を防止するために、樹脂組成物中に酸化防
止剤を含有させることが出来る。なお、熱安定性向上の
ために添加する酸化防止剤の量としては、0.3〜1.
5重量%程度が適当である。
【0026】また、インクジェット用記録材の手触りや
柔らかさ等、材料の風合いを改良するため可塑剤等を含
めることができる。本発明に好ましく用いられる可塑剤
としては、ポリエチレングリコール(PEG)等が挙げ
られる。また、ブロッキングを防止するために充填剤を
含めることができる。本発明に好ましく用いられる充填
剤としては例えばタルク等の無機充填剤を挙げることが
できる。
【0027】最外層である耐熱層の厚さは、0.5μm
〜10μmであることが好ましく、耐熱層の厚さを1μ
m以下にすれば、印字されたインクの殆どがインク吸着
層に捕捉される。また、インク吸着層の厚さは、10μ
m〜70μmであることが好ましく、インク吸着層の厚
さが20μm以上であれば、飛来したインクの殆ど全て
を吸収することができる。
【0028】本発明のインクジェット用記録材を用い
て、通常のインクジェット法により画像記録を行うこと
ができ、良好な画像を得ることができる。
【0029】
【実施例】実施例1 エチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合した
後、ブチレンオキシドを付加重合し、さらにエチレンオ
キシドを付加重合して得たポリアルキレンオキシドにオ
クタデカン−1,18−ジカルボン酸メチルを加え、エ
ステル交換反応を行って、重量平均分子量が15万の熱
可塑性樹脂を得た。これに熱安定剤としてトコフェロー
ル(「UVINUL2000AO」、BASF社製)を
1部を配合した(試料A)。耐熱層用樹脂組成物として
PVA(「ゴーセファイマー200」、日本合成化学
(株)製)を水に溶解した溶液(試料B)を、グラビア
コーターで乾燥膜厚が0.5μmとなるように仮支持体
のPETシート上に塗布して、耐熱層用の膜を形成し
た。同時に試料AをTダイを用いて溶融押出しし、一方
の面を基体のPETフィルムで、他方の面を形成した耐
熱層用の膜で挟みつつラミネートしてインクジェット用
記録材を作製した。ただし、Tダイの温度は120℃で
あり、インク吸着層の厚さは30μmであり、基体のP
ETフィルムの厚さは100μmであった。
【0030】実施例2 実施例1において、耐熱層の厚さを2μm、インク吸着
層の厚さを30μmと変更した以外は実施例1と同様に
して、インクジェット用記録材を作製した。
【0031】比較例1 実施例1と同様にして試料Aを作製し、これを溶融押出
しして30μmの厚さのシートを得た。次いで、このシ
ートを厚さ100μmのPETフィルム上に貼り合わせ
て、基体上にインク吸着層のみを有するインクジェット
用記録材を作製した。
【0032】比較例2 実施例1において試料Bを転写コーティングを用いない
で形成した以外は実施例1と同様にしてインクジェット
用記録材を作製した。すなわち、実施例1と同様にして
試料Aを作製し、これを溶融押出しして30μmの厚さ
のシートを得た。次いで、厚さ100μmのPETフィ
ルム上に貼り合わせ、基体上にインク吸着層を有するフ
ィルムを作製した。その後、インク吸着層上に、PVA
(「ゴーセファイマー200」、日本合成化学(株)
製)を水に溶解した溶液(試料B)をグラビアコーター
で乾燥膜厚が0.5μmとなるようにコーティングして
インクジェット用記録材を作製した。
【0033】実施例3 エチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合した
後、ブチレンオキシドを付加重合し、さらにエチレンオ
キシドを付加重合して得たポリアルキレンオキシドにオ
クタデカン−1,18−ジカルボン酸メチル加え、エス
テル交換反応を行って、重量平均分子量が15万の熱可
塑性樹脂を得た。これに熱安定剤としてトコフェノール
(「UVINUL2000AO」、BASF社製)を1
部を配合した(試料A)。耐熱層用樹脂としてウレタン
系樹脂(「パテラコールA−60」、大日本インキ
(株)製)を水に溶解した溶液(試料C)を用意し、実
施例1と同様にしてグラビアコーターで乾燥膜厚が0.
5μmとなるように仮支持体(PETシート)上にコー
ティングして耐熱層用の膜を形成し、溶融押出しにより
形成されたインク吸着層を基体(PETフィルム)と耐
熱層用の膜とで挟みつつラミネートしてインクジェット
用記録材を作製した。ただし、インク吸着層の厚さは3
0μm、基体の厚さは100μm、Tダイの温度は12
0℃であった。
【0034】比較例3 実施例3において試料Cを転写コーティングを用いない
で形成した以外は実施例3と同様にしてインクジェット
用記録材を作製した。すなわち、実施例3と同様にして
試料Aを作製し、これを溶融押出しして30μmの厚さ
のシートを得た。次いで、厚さ100μmのPETフィ
ルム上に貼り合わせ、基体上にインク吸着層を有するフ
ィルムを作製した。その後、インク吸着層上に、ウレタ
ン系樹脂(「パテラコールA−60」、大日本インキ
(株)製)を水に溶解した溶液(試料C)をグラビアコ
ーターで乾燥膜厚が0.5μmとなるようにコーティン
グしてインクジェット用記録材を作製した。
【0035】得られたインクジェット用記録材につい
て、印字品質、耐熱性および層間の状態の評価を下記に
従い行った。 (1)印字品質 インクジェット用記録材にヒューレットパッカード社製
の「デザインジェット2500CP」を用いて、独自に
作製した模様パターンをA4版で印刷し、その発色状態
や表面光沢状態等から写真に近い画質が得られるかを目
視判定した。画質が良好で、写真に近い画像が得られた
ものを記号「○」、画像が暗く、発色も悪く、画質が悪
いものを「×」で示した。 (2)耐熱性 インクジェット用記録材にヒューレットパッカード社製
の「デザインジェット2500CP」を用いて、独自に
作製した模様パターンをA4版で印刷し、これを50枚
重ねて、100℃の熱風乾燥機中に入れて6時間放置し
た。放置後のサンプルについて、ブロッキング性を評価
した。ただし、ブロッキングがなく、タックも全く生じ
ないものを記号「○」、ブロッキングはないがタックが
若干認められるものを「△」、ブロッキングが生じたも
のを「×」で示した。その結果を表1に示す。 (3)層間の状態 耐熱層とインク吸着層との間の層間の状態を、剥離して
いるか否か、またヘーズが生じているか否か等の観点か
ら評価した。ヘーズが低くて透明であり、層間に剥離が
生じていないものを記号「○」、ヘーズが高く、部分的
に層間剥離が生じているものを「×」で示した。
【0036】
【表1】
【0037】表1から明らかなように、本発明の実施例
1〜実施例3のインクジェット用記録材は、耐熱性に優
れ、ハンドリング性に優れたものであり、また、印字品
質も良好で、層間剥離も生じないものであることが分か
った。一方、比較例1のように耐熱層を有さないインク
ジェット用記録材では、耐熱性の点でユーザーのハンド
リングが悪くなった。比較例2および比較例3のように
耐熱層を転写コーティングではなく、インク吸着層上に
直接コーティングにより形成したインクジェット用記録
材は層間剥離が生じた。すなわち、本発明の構成をとる
ことによってはじめて、各特性すべてを同時に満足しう
るインクジェット用記録材が得られる。なお、本発明の
インクジェット用記録材は耐傷性にも優れていた。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明のインクジェ
ット用記録材は、耐熱性、耐ブロッキング性、耐傷性お
よび印字品質に優れ、かつ層間剥離が生じないインクジ
ェット用記録材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写コーティングによりインクジェッ
ト用記録材を形成する様子を模式的に示した断面図であ
る。
【符号の説明】
1 仮支持体 2 耐熱層 3 Tダイのホッパー 4 インク吸着層 5 基体 6 インクジェット用記録材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に吸水性樹脂を主成分とするイン
    ク吸着層および最外層として耐熱層を有し、該耐熱層
    が、仮支持体上に塗布して形成された耐熱層用樹脂組成
    物からなる被膜を、インク吸着層を基体上に溶融押出し
    すると同時に該インク吸着層上に転写し、その後、仮支
    持体を剥離することにより製造されることを特徴とする
    インクジェット用記録材。
  2. 【請求項2】 基体上に吸水性樹脂を主成分とするイン
    ク吸着層および最外層として耐熱層を有し、該耐熱層
    が、仮支持体上に塗布して形成された耐熱層用樹脂組成
    物からなる被膜を、基体上に溶融押出しして形成してお
    いたインク吸着層上に転写し、さらに仮支持体を剥離す
    ることにより製造されることを特徴とするインクジェッ
    ト用記録材。
  3. 【請求項3】 前記吸水性樹脂が、下記、一般式(1) 【化1】 であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であ
    り、a、b、cより計算される重量比、44(a+c)
    /(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
    b、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基
    を2個有する有機化合物の残基、Zは炭素数1以上の炭
    化水素基、R11はジカルボン酸類化合物残基またはジ
    イソシアネート系化合物残基である)で示されることを
    特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のイ
    ンクジェット用記録材。
  4. 【請求項4】 前記耐熱層が、ポリビニルアルコール系
    樹脂またはウレタン系樹脂を主成分とする樹脂組成物か
    らなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載のインクジェット用記録材。
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CN113856931A (zh) * 2021-11-02 2021-12-31 朱凤英 一种改进型铝型材喷涂工艺

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