JP2002052206A - 遊技機 - Google Patents

遊技機

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JP2002052206A JP2000241931A JP2000241931A JP2002052206A JP 2002052206 A JP2002052206 A JP 2002052206A JP 2000241931 A JP2000241931 A JP 2000241931A JP 2000241931 A JP2000241931 A JP 2000241931A JP 2002052206 A JP2002052206 A JP 2002052206A
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史高 関根
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源断状態が発生しても、遊技媒体等の価値
払出に関して遊技者に不利益を与えることを防止し、さ
らに遊技機運用上の利便性を向上させる。 【解決手段】 電源断が発生すると、球払出装置の駆動
を停止させたあと、払い出された遊技球の検出を行う。
そして、検出した遊技球の数を加味した未払出の遊技球
の数をバックアップ記憶する。従って、電源の供給が再
開されたときに、バックアップした未払出数の遊技球を
払出す制御を実行することが可能となる。また、電源の
供給が再開されたときに、クリアスイッチの操作によっ
て、バックアップ内容をクリアすることもできる。よっ
て、遊技機運用上の利便性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遊技者の操作に応
じて遊技が行われるパチンコ遊技機、コイン遊技機、ス
ロット機等の遊技機に関し、特に、遊技盤における遊技
領域において遊技者の操作に応じて遊技が行われる遊技
機に関する。
【0002】
【従来の技術】遊技機として、遊技球などの遊技媒体を
発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けら
れている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞する
と、所定個の賞球等の価値が遊技者に払い出されるもの
がある。遊技媒体の払い出しは払出機構によって行われ
る。
【0003】払出機構は、一般に、払出制御基板に搭載
された賞球制御手段によって制御される。遊技の進行は
主基板に搭載された遊技制御手段によって制御されるの
で、入賞にもとづく賞球個数は、遊技制御手段によって
決定され、払出制御基板に送信される。
【0004】また、遊技者は、遊技媒体を借り出し、借
り出した遊技媒体および入賞に応じて払い出された遊技
媒体を用いて遊技を行う。その際、遊技者からの遊技媒
体貸し要求はカードユニット等の貸出要求処理装置で一
旦受け付けられ、遊技機の貸出制御手段は貸出要求処理
装置と通信することによって遊技者からの貸出要求を受
け付ける。遊技機は、遊技者からの貸出要求に応じて遊
技媒体を貸し出すのであるが、賞球制御手段と貸出制御
手段とは一体化された払出制御手段で構成されているこ
とが多い。また、一般に、払出制御手段は払出制御マイ
クロコンピュータを含む構成とされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】遊技機に停電等による
電源断状態が発生すると、停電等からの復旧時には、最
初の状態(例えば、遊技店においてその日最初に遊技機
に電源投入されたときの状態)に戻さざるを得ないの
で、遊技者に不利益がもたらされる可能性がある。例え
ば、払出制御手段が貸出要求処理装置を介した貸出要求
に対応する全ての遊技媒体の貸出処理を完了していない
うちに、停電等による電源断状態が発生すると、電源が
復旧したときに、遊技機の状態が初期状態に戻ると貸出
遊技媒体の未払出が生じ、遊技者に不利益がもたらされ
る。また、入賞に応じた賞球払出が完了していないうち
に、停電等による電源断状態が発生すると、電源が復旧
したときに、遊技機の状態が初期状態に戻ると賞球とし
ての遊技媒体の未払出が生じ、遊技者に不利益がもたら
される。
【0006】そのような問題が生じないようにするに
は、電源の供給が停止する前に、そのときの遊技状態
を、遊技機に対する電力供給停止中でも電源バックアッ
プされている記憶手段(バックアップ記憶手段)に保存
しておき、記憶手段に遊技状態が保存されている状態で
電力供給が再開されたら、保存されている遊技状態にも
とづいて遊技を再開するようにすることが考えられる。
【0007】しかし、保存されている遊技状態にもとづ
いて遊技の再開を行うような制御を行うと、遊技機が設
置されている遊技店の利便性が損なわれる場合がある。
例えば、停電が生じて遊技が続行できなくなった場合に
遊技の再開を待たずに遊技の続行をあきらめた遊技者が
あったときには、他の遊技者が遊技途中の状態から遊技
を開始できることになるので、遊技状態を停電前の状態
に復旧させることは好ましくない。
【0008】そこで、本発明は、遊技機に停電等による
電源断状態が発生しても、遊技媒体等の価値払出に関し
て遊技者に不利益を与えることを防止することができる
とともに、遊技店での遊技機運用上の利便性を向上させ
ることもできる遊技機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による遊技機は、
遊技者が所定の遊技を行うことが可能な遊技機であっ
て、遊技媒体の払出に関わる制御を行う払出制御手段
と、払出制御手段によって制御され、貸出要求に応じた
遊技媒体の払出を行う貸出遊技媒体払出機構部(例え
ば、球払出装置97)と、払出制御手段が制御を行う際
に発生する変動データを記憶する変動データ記憶手段
(例えば、RAM)と、遊技機への電力供給が停止して
いても電力供給停止直前の変動データ記憶手段の最終記
憶内容(電力供給が停止されたことによって遊技が中断
された場合に記憶される、電力供給停止直前の最終的な
制御状態の内容を意味する)を保持可能な記憶内容保持
手段と、記憶内容保持手段に記憶される最終記憶内容を
初期化することが可能な初期化操作手段(例えば、クリ
アスイッチ921)とを含み、変動データには、貸出要
求にもとづいた遊技媒体の払出数のうち払出しが完了し
ていない未払出数を特定可能なデータが含まれており、
払出制御手段は、電力供給再開時に記憶内容保持手段に
より保持された未払出数を特定可能なデータにもとづい
て遊技媒体の払出制御を再開することが可能であるとと
もに、初期化操作手段が所定の操作状態である場合に記
憶内容保持手段によって保持される最終記憶内容を初期
化することが可能であることを特徴とするものである。
【0010】払出制御手段は、電力供給再開時に、初期
化操作手段が所定の操作状態とされていることを条件
に、変動データ記憶手段の最終記憶内容を初期化するこ
とが好ましい。
【0011】払出制御手段が所定のデータを取得するた
めの入力ポートが設けられ、初期化操作手段が所定の操
作状態とされているときに出力される初期化信号(例え
ば、クリアスイッチ信号)が入力ポートに入力されるこ
とが好ましい。
【0012】遊技媒体を検出するための遊技媒体検出手
段と、遊技機で使用される所定の電源の状態を監視する
電源監視手段とを備え、払出制御手段は、電源監視手段
により電源の状態があらかじめ定められた所定の状態と
なったことが検出された場合に、遊技媒体検出手段から
の検出信号の入力処理を所定期間実行した後、未払出数
を特定可能なデータを含む制御状態の保存に関わる電力
供給停止時処理を行うことが好ましい。
【0013】払出制御手段は、電源監視手段により電源
の状態があらかじめ定められた所定の状態となったこと
が検出された場合に、貸出遊技媒体払出機構部の駆動を
停止した後、遊技媒体検出手段からの検出信号の入力処
理を実行することが好ましい。
【0014】電源監視手段により電源の状態があらかじ
め定められた所定の状態となったことが検出された後
の、遊技媒体検出手段からの検出信号の入力処理の実行
中に、払出制御手段および遊技媒体検出手段を駆動可能
な電源を供給可能な補助駆動電源供給手段を備えること
が好ましい。
【0015】初期化操作手段が所定の操作状態とされて
いるか否かを判定するための初期化要求検出判定期間
が、遊技媒体検出手段による遊技媒体の検出有りを判定
する遊技媒体検出判定期間とは異なる期間とされていて
もよい。例えば、初期化要求検出判定期間は、CPU5
6がクリアスイッチ信号の入力があるか否か1回だけ確
認する場合の確認時期においてオン出力されていればオ
ンと判定され、遊技媒体検出判定期間は、スイッチ処理
において用いられるスイッチオン判定値(例えば
「2」)により決定される0.002秒間とされる。従
って、遊技媒体検出手段の信号は、少なくとも約0.0
02秒間隔の判定時期に2回連続してオン判定があった
場合にオンと判定されるのに対し、初期化操作手段の信
号は、1回の判定時期にオンと判定されるとオンと判定
される。
【0016】払出制御手段によって制御され、遊技の進
行に応じた遊技媒体の払出を行う賞遊技媒体払出機構部
(例えば、球払出装置97。なお、貸出要求に応じた遊
技媒体の払出を行う機構部と兼用されていてもよく、別
体とされていてもよい。)を備え、変動データ記憶手段
は、賞遊技媒体払出制御手段が制御を行う際に発生する
変動データをも記憶する構成とされ、変動データには、
遊技の進行に応じた遊技媒体の払出数のうち払出しが完
了していない未払出数を特定可能なデータを含むように
してもよい。
【0017】遊技媒体検出手段として、賞遊技媒体検出
手段(例えば、賞球カウントスイッチ301A)と、貸
出遊技媒体検出手段(例えば、球貸しカウントスイッチ
301B)とを別個に設けるようにしてもよい。
【0018】電気部品制御手段は、電力供給停止時処理
において変動データ記憶手段へのアクセスを禁止する処
理を実行することが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチン
コ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチン
コ遊技機1を正面からみた正面図である。なお、ここで
は、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発
明はパチンコ遊技機に限られず、例えばコイン遊技機や
スロット機等であってもよい。
【0020】図1に示すように、パチンコ遊技機1は、
額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠
2の下部表面には打球供給皿3がある。打球供給皿3の
下部には、打球供給皿3からあふれた遊技球を貯留する
余剰玉受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作
ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の後方には、
遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。また、遊技
盤6の前面には遊技領域7が設けられている。
【0021】遊技領域7の中央付近には、複数種類の図
柄を可変表示するための可変表示部(特別図柄表示装
置)9と7セグメントLEDによる普通図柄表示器(普
通図柄表示装置)10とを含む可変表示装置8が設けら
れている。可変表示部9には、例えば「左」、「中」、
「右」の3つの図柄表示エリアがある。可変表示装置8
の側部には、打球を導く通過ゲート11が設けられてい
る。通過ゲート11を通過した打球は、玉出口13を経
て始動入賞口14の方に導かれる。通過ゲート11と玉
出口13との間の通路には、通過ゲート11を通過した
打球を検出するゲートスイッチ12がある。また、始動
入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導か
れ、始動口スイッチ17によって検出される。また、始
動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置
15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノ
イド16によって開状態とされる。
【0022】可変入賞球装置15の下部には、特定遊技
状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開
状態とされる開閉板20が設けられている。この実施の
形態では、開閉板20が大入賞口を開閉する手段とな
る。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球の
うち一方(Vゾーン)に入った入賞球はV入賞スイッチ
22で検出される。また、開閉板20からの入賞球はカ
ウントスイッチ23で検出される。可変表示装置8の下
部には、始動入賞口14に入った入賞球数を表示する4
個の表示部を有する始動入賞記憶表示器18が設けられ
ている。この例では、4個を上限として、始動入賞があ
る毎に、始動入賞記憶表示器18は点灯している表示部
を1つずつ増やす。そして、可変表示部9の可変表示が
開始される毎に、点灯している表示部を1つ減らす。
【0023】遊技盤6には、複数の入賞口19,24が
設けられ、遊技球のそれぞれの入賞口19,24への入
賞は、対応して設けられている入賞口スイッチ19a,
19b,24a,24bによって検出される。遊技領域
7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ
25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収
するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左
右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設け
られている。遊技領域7の外周には、遊技効果LED2
8aおよび遊技効果ランプ28b,28cが設けられて
いる。
【0024】そして、この例では、一方のスピーカ27
の近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ5
1が設けられ、他方のスピーカ27の近傍に、補給球が
切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられてい
る。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設
置され、プリペイドカードが挿入されることによって球
貸しを可能にするカードユニット50も示されている。
【0025】カードユニット50には、使用可能状態で
あるか否かを示す使用可表示ランプ151、カード内に
記録された残額情報に端数(100円未満の数)が存在
する場合にその端数を打球供給皿3の近傍に設けられる
度数表示LEDに表示させるための端数表示スイッチ1
52、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技
機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器15
3、カードユニット50内にカードが投入されているこ
とを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体として
のカードが挿入されるカード挿入口155、およびカー
ド挿入口155の裏面に設けられているカードリーダラ
イタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放
するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0026】打球発射装置から発射された打球は、打球
レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7
を下りてくる。打球が通過ゲート11を通ってゲートス
イッチ12で検出されると、普通図柄表示器10の表示
数字が連続的に変化する状態になる。また、打球が始動
入賞口14に入り始動口スイッチ17で検出されると、
図柄の変動を開始できる状態であれば、可変表示部9内
の図柄が回転を始める。図柄の変動を開始できる状態で
なければ、始動入賞記憶を1増やす。
【0027】可変表示部9内の画像の回転は、一定時間
が経過したときに停止する。停止時の画像の組み合わせ
が大当り図柄の組み合わせであると、大当り遊技状態に
移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過する
まで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞
するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球
が特定入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出され
ると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われ
る。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)
許容される。
【0028】停止時の可変表示部9内の画像の組み合わ
せが確率変動を伴う大当り図柄の組み合わせである場合
には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、高
確率状態という遊技者にとってさらに有利な状態とな
る。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定
の図柄(当り図柄=小当り図柄)である場合に、可変入
賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、高
確率状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が
当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球
装置15の開放時間と開放回数が高められる。
【0029】次に、パチンコ遊技機1の裏面に配置され
ている各基板について説明する。図2に示すように、パ
チンコ遊技機1の裏面では、枠体2A内の機構板の上部
に玉貯留タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊
技機設置島に設置された状態でその上方から遊技球が球
貯留タンク38に供給される。球貯留タンク38内の遊
技球は、誘導樋39を通って賞球ケース40Aで覆われ
る球払出装置に至る。
【0030】遊技機裏面側では、可変表示部9を制御す
る可変表示制御ユニット29、遊技制御用マイクロコン
ピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が
設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マ
イクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37、
およびモータの回転力を利用して打球を遊技領域7に発
射する打球発射装置が設置されている。さらに、装飾ラ
ンプ25、遊技効果LED28a、遊技効果ランプ28
b,28c、賞球ランプ51および球切れランプ52に
信号を送るためのランプ制御基板35、スピーカ27か
らの音声発生を制御するための音声制御基板70および
打球発射装置を制御するための発射制御基板91も設け
られている。なお、払出制御基板37には、エラー表示
用LED374も搭載されている。
【0031】また、DC30V、DC21V、DC12
VおよびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源
基板910が設けられ、上方には、各種情報を遊技機外
部に出力するための各端子を備えたターミナル基板16
0が設置されている。ターミナル基板160には、少な
くとも、球切れ検出スイッチの出力を導入して外部出力
するための球切れ用端子、賞球個数信号を外部出力する
ための賞球用端子および球貸し個数信号を外部出力する
ための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近
には、主基板31からの各種情報を遊技機外部に出力す
るための各端子を備えた情報端子盤34が設置されてい
る。
【0032】さらに、図2には、ランプ制御基板35お
よび音声制御基板70からの信号を、枠側に設けられて
いる遊技効果LED28a、遊技効果ランプ28b,2
8c、賞球ランプ51および球切れランプ52に供給す
るための電飾中継基板A77および度数表示LED等を
搭載した残高表示基板74が示されている。また、この
実施の形態では、各基板(例えば、主基板31、払出制
御基板37)に含まれる変動データ記憶手段(例えば、
バックアップRAM)に記憶されたバックアップデータ
をクリアするためのクリアスイッチ921が搭載された
スイッチ基板190が設けられている。なお、スイッチ
基板190には、例えば主基板などの他の基板と接続さ
れるコネクタ(図6、図7参照)が設けられている。さ
らに、図示はしないが、信号中継の必要に応じて他の中
継基板も設けられる。
【0033】図3はパチンコ遊技機1の機構板を背面か
らみた背面図である。球貯留タンク38に貯留された玉
は誘導樋39を通り、図3に示されるように、球切れ検
出器(球切れスイッチ)187a,187bを通過して
球供給樋186a,186bを経て球払出装置97に至
る。球切れスイッチ187a,187bは遊技球通路内
の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、球タンク
38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ1
67も設けられている。以下、球切れスイッチ187
a,187bを、球切れスイッチ187と表現すること
がある。
【0034】球払出装置97から払い出された遊技球
は、連絡口45を通ってパチンコ遊技機1の前面に設け
られている打球供給皿3に供給される。連絡口45の側
方には、パチンコ遊技機1の前面に設けられている余剰
玉受皿4に連通する余剰玉通路46が形成されている。
【0035】入賞にもとづく景品球が多数払い出されて
打球供給皿3が満杯になり、ついには遊技球が連絡口4
5に到達した後さらに遊技球が払い出されると遊技球
は、余剰玉通路46を経て余剰玉受皿4に導かれる。さ
らに遊技球が払い出されると、感知レバー47が満タン
スイッチ48を押圧して満タンスイッチ48がオンす
る。その状態では、球払出装置97内のステッピングモ
ータの回転が停止して球払出装置97の動作が停止する
とともに打球発射装置34の駆動も停止する。
【0036】次に、機構板36に設置されている中間ベ
ースユニットの構成について説明する。中間ベースユニ
ットには、球供給樋186a,186bや球払出装置9
7が設置される。図4に示すように、中間ベースユニッ
トの上下には連結凹突部182が形成されている。連結
凹突部182は、中間ベースユニットと機構板36の上
部ベースユニットおよび下部ベースユニットを連結固定
するものである。
【0037】中間ベースユニットの上部には通路体18
4が固定されている。そして、通路体184の下部に球
払出装置97が固定されている。通路体184は、カー
ブ樋174(図3参照)によって流下方向を左右方向に
変換された2列の遊技球を流下させる払出球通路186
a,186bを有する。払出球通路186a,186b
の上流側には、球切れスイッチ187a,187bが設
置されている。球切れスイッチ187a,187bは、
払出球通路186a,186b内の遊技球の有無を検出
するものであって、球切れスイッチ187a,187b
が遊技球を検出しなくなると球払出装置97における払
出モータ(図4において図示せず)の回転を停止して球
払出が不動化される。
【0038】なお、球切れスイッチ187a,187b
は、払出球通路186a,186bに27〜28個程度
の遊技球が存在することを検出できるような位置に係止
片188によって係止されている。すなわち、球切れス
イッチ187a,187bは、賞球の一単位の最大払出
量(この実施の形態では15個)および球貸しの一単位
の最大払出量(この実施の形態では100円:25個)
以上が確保されていることが確認できるような位置に設
置されている。
【0039】通路体184の中央部は、内部を流下する
遊技球の球圧を弱めるように、左右に湾曲する形状に形
成されている。そして、払出球通路186a,186b
の間に止め穴189が形成されている。止め穴189の
裏面は中間ベースユニットに設けられている取付ボスが
はめ込まれる。その状態で止めねじがねじ止めされて、
通路体184は中間ベースユニットに固定される。な
お、ねじ止めされる前に、中間ベースユニットに設けら
れている係止突片185によって通路体184の位置合
わせを行えるようになっている。
【0040】通路体184の下方には、球払出装置97
に遊技球を供給するとともに故障時等には球払出装置9
7への遊技球の供給を停止する球止め装置190が設け
られている。球止め装置190の下方に設置される球払
出装置97は、直方体状のケース198の内部に収納さ
れている。ケース198の左右4箇所には突部が設けら
れている。各突部が中間ベースユニットに設けられてい
る位置決め突片に係った状態で、中間ベースユニットの
下部に設けられている弾性係合片にケース198の下端
がはめ込まれる。
【0041】図5は球払出装置97の分解斜視図であ
る。球払出装置97の構成および作用について図5を参
照して説明する。この実施形態における球払出装置97
は、ステッピングモータ(払出モータ)289がスクリ
ュー288を回転させることによりパチンコ玉を1個ず
つ払い出す。なお、球払出装置97は、入賞にもとづく
景品球だけでなく、貸し出すべき遊技球も払い出す。
【0042】図5に示すように、球払出装置97は、2
つのケース198a,198bを有する。それぞれのケ
ース198a,198bの左右2箇所に、球払出装置9
7の設置位置上部に設けられた位置決め突片に当接され
る係合突部280が設けられている。また、それぞれの
ケース198a,198bには、球供給路281a,2
81bが形成されている。球供給路281a,281b
は湾曲面282a,282bを有し、湾曲面282a,
282bの終端の下方には、球送り水平路284a,2
84bが形成されている。さらに、球送り水平路284
a,284bの終端に球排出路283a,283bが形
成されている。
【0043】球供給路281a,281b、球送り水平
路284a,284b、球排出路283a,283b
は、ケース198a,198bをそれぞれ前後に区画す
る区画壁295a,295bの前方に形成されている。
また、区画壁295a,295bの前方において、玉圧
緩衝部材285がケース198a,198b間に挟み込
まれる。玉圧緩衝部材285は、球払出装置97に供給
される玉を左右側方に振り分けて球供給路281a,2
81bに誘導する。
【0044】また、玉圧緩衝部材285の下部には、発
光素子(LED)286と受光素子(図示せず)とによ
る払出モータ位置センサが設けられている。発光素子2
86と受光素子とは、所定の間隔をあけて設けられてい
る。そして、この間隔内に、スクリュー288の先端が
挿入されるようになっている。なお、玉圧緩衝部材28
5は、ケース198a,198bが張り合わされたとき
に、完全にその内部に収納固定される。
【0045】球送り水平路284a,284bには、払
出モータ289によって回転させられるスクリュー28
8が配置されている。払出モータ289はモータ固定板
290に固定され、モータ固定板290は、区画壁29
5a,295bの後方に形成される固定溝291a,2
91bにはめ込まれる。その状態で払出モータ289の
モータ軸が区画壁295a,295bの前方に突出する
ので、その突出の前方にスクリュー288が固定され
る。スクリュー288の外周には、払出モータ289の
回転によって球送り水平路284a,284bに載置さ
れた遊技球を前方に移動させるための螺旋突起288a
が設けられている。
【0046】そして、スクリュー288の先端には、発
光素子286を収納するように凹部が形成され、その凹
部の外周には、2つの切欠部292が互いに180度離
れて形成されている。従って、スクリュー288が1回
転する間に、発光素子286からの光は、切欠部292
を介して受光素子で2回検出される。
【0047】つまり、発光素子286と受光素子とによ
る払出モータ位置センサは、スクリュー288を定位置
で停止するためのものであり、かつ、払出動作が行われ
た旨を検出するものである。なお、発光素子286、受
光素子および払出モータ289からの配線は、まとめら
れてケース198a,198bの後部下方に形成された
引出穴から外部に引き出されコネクタに結線される。
【0048】遊技球が球送り水平路284a,284b
に載置された状態において、払出モータ289が回転す
ると、スクリュー288の螺旋突起288aによって、
遊技球は、球送り水平路284a,284b上を前方に
向かって移動する。そして、遂には、球送り水平路28
4a,284bの終端から球排出路283a,283b
に落下する。このとき、左右の球送り水平路284a,
284bからの落下は交互に行われる。すなわち、スク
リュー288が半回転する毎に一方から1個の遊技球が
落下する。従って、1個の遊技球が落下する毎に、発光
素子286からの光が受光素子によって検出される。
【0049】図4に示すように、球払出装置97の下方
には、球振分部材311が設けられている。球振分部材
311は、振分ソレノイド310によって駆動される。
例えば、ソレノイド310のオン時には、球振分部材3
11は右側に倒れ、オフ時には左側に倒れる。振分ソレ
ノイド310の下方には、近接スイッチによる賞球カウ
ントスイッチ301Aおよび球貸しカウントスイッチ3
01Bが設けられている。入賞にもとづく賞球時には、
球振分部材311は右側に倒れ、球排出路283a,2
83bからの玉はともに賞球カウントスイッチ301A
を通過する。また、球貸し時には、球振分部材311は
左側に倒れ、球排出路283a,283bからの玉はと
もに球貸しカウントスイッチ301Bを通過する。従っ
て、球払出装置97は、賞球時と球貸し時とで払出流下
路を切り替えて、所定数の遊技媒体の払出を行うことが
できる。
【0050】このように、球振分部材311を設けるこ
とによって、2条の玉流路を落下してきた玉は、賞球カ
ウントスイッチ301Aと球貸しカウントスイッチ30
1Bとのうちのいずれか一方しか通過しない。従って、
賞球であるのか球貸しであるのかの判断をすることな
く、賞球カウントスイッチ301Aと球貸しカウントス
イッチ301Bの検出出力から、直ちに賞球数または球
貸し数を把握することができる。
【0051】なお、この実施の形態では、電気的駆動源
の駆動によって遊技球を払い出す球払出装置として、ス
テッピングモータの回転によって遊技球が払い出される
球払出装置97を用いることにするが、その他の駆動源
によって遊技球を送り出す構造の球払出装置を用いても
よいし、電気的駆動源の駆動によってストッパを外し遊
技球の自重によって払い出しがなされる構造の球払出装
置を用いてもよい。また、この実施の形態では、球払出
装置97は賞球にもとづく景品球と貸出要求にもとづく
貸し球の双方を払い出すが、それぞれについて払出装置
が設けられていてもよい。
【0052】図6は、スイッチ基板190が搭載された
遊技盤6を正面からみた例を示す正面図である。図2に
おいて、パチンコ遊技機1の裏面にスイッチ基板190
が搭載された状態の例として、枠体2Aを含む裏面の状
態について説明したが、さらに詳細には、スイッチ基板
190は、例えば図6に示すように、遊技機1の裏面側
の遊技盤6に設置されている。なお、図6には、例えば
主基板などの他の基板と接続されるためのコネクタ92
2が開示されている。
【0053】図7は、スイッチ基板190に搭載された
クリアスイッチ921の回路構成の一例を示す回路図で
ある。クリアスイッチ921は、本例では、押しボタン
構造とされている。クリアスイッチ921が押下されて
いれば(オン状態であれば)、ローレベルのクリアスイ
ッチ信号が出力され、コネクタ922を介して例えば主
基板31などの各基板に対して送信される。また、クリ
アスイッチ921が押下されていなければ(オフ状態で
あれば)、ハイレベルの出力信号が出力される。
【0054】図8は、主基板31における回路構成の一
例を示すブロック図である。なお、図8には、払出制御
基板37、ランプ制御基板35、音声制御基板70、発
射制御基板91、図柄制御基板80およびスイッチ基板
190も示されている。主基板31には、プログラムに
従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲ
ートスイッチ12、始動口スイッチ17、V入賞スイッ
チ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ19
a,19b,24a,24b、満タンスイッチ48、球
切れスイッチ187および賞球カウントスイッチ301
Aからの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58
と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開
閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の
経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路5
3からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが
搭載されている。なお、この実施の形態では、スイッチ
回路58は、スイッチ基板190に搭載されたクリアス
イッチ921からの信号をも基本回路53に与える。ま
た、図8には示されていないが、カウントスイッチ短絡
信号もスイッチ回路58を介して基本回路53に伝達さ
れる。
【0055】また、基本回路53から与えられるデータ
に従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示部
9の画像表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す
有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等
の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部機器に対
して出力する情報出力回路64が搭載されている。
【0056】基本回路53は、ゲーム制御用のプログラ
ム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用さ
れる記憶手段の一例であるRAM55、プログラムに従
って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部5
7を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM5
5はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU5
6は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1
チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55
が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポー
ト部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。
【0057】さらに、主基板31には、電源投入時に基
本回路53をリセットするためのシステムリセット回路
65が設けられている。
【0058】遊技球を打撃して発射する打球発射装置は
発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モー
タ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力
は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわ
ち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の
操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御され
る。
【0059】なお、この実施の形態では、ランプ制御基
板35に搭載されているランプ制御手段が、遊技盤に設
けられている始動記憶表示器18、ゲート通過記憶表示
器41および装飾ランプ25の表示制御を行うととも
に、枠側に設けられている遊技効果ランプ・LED28
a,28b,28c、賞球ランプ51および球切れラン
プ52の表示制御を行う。また、特別図柄を可変表示す
る可変表示部9および普通図柄を可変表示する普通図柄
表示器10の表示制御は、図柄制御基板80に搭載され
ている表示制御手段によって行われる。
【0060】図9は、払出制御基板37および球払出装
置97の構成要素などの払出に関連する構成要素を示す
ブロック図である。図9に示すように、満タンスイッチ
48からの検出信号は、中継基板71を介して主基板3
1のI/Oポート57に入力される。満タンスイッチ4
8は、余剰球受皿4の満タンを検出するスイッチであ
る。また、球切れスイッチ187(187a,187
b)からの検出信号も、中継基板72および中継基板7
1を介して主基板31のI/Oポート57に入力され
る。
【0061】主基板31のCPU56は、球切れスイッ
チ187からの検出信号が球切れ状態を示しているか、
または、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状
態を示していると、払出禁止を指示する払出制御コマン
ドを送出する。払出禁止を指示する払出制御コマンドを
受信すると、払出制御基板37の払出制御用CPU37
1は球払出処理を停止する。
【0062】さらに、賞球カウントスイッチ301Aか
らの検出信号は、中継基板72および中継基板71を介
して主基板31のI/Oポート57に入力されるととも
に、中継基板72を介して払出制御基板37の入力ポー
ト372bに入力される。賞球カウントスイッチ301
Aは、球払出装置97の払出機構部分に設けられ、実際
に払い出された賞球払出球を検出する。
【0063】入賞があると、払出制御基板37には、主
基板31の出力ポート(ポート0,1)570,571
から賞球個数を示す払出制御コマンドが入力される。出
力ポート(出力ポート1)571は8ビットのデータを
出力し、出力ポート570は1ビットのストローブ信号
(INT信号)を出力する。賞球個数を示す払出制御コ
マンドは、入力バッファ回路373Aを介してI/Oポ
ート372aに入力される。INT信号は、入力バッフ
ァ回路373Bを介して払出制御用CPU371の割込
端子に入力されている。払出制御用CPU371は、I
/Oポート372aを介して払出制御コマンドを入力
し、払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動し
て賞球払出を行う。なお、この実施の形態では、払出制
御用CPU371は、1チップマイクロコンピュータで
あり、少なくともRAMが内蔵されている。
【0064】また、主基板31において、出力ポート5
70,571の外側にバッファ回路620,68Aが設
けられている。バッファ回路620,68Aとして、例
えば、汎用のCMOS−ICである74HC250,7
4HC14が用いられる。このような構成によれば、外
部から主基板31の内部に入力される信号が阻止される
ので、払出制御基板37から主基板31に信号が与えら
れる可能性がある信号ラインをさらに確実になくすこと
ができる。なお、バッファ回路620,68Aの出力側
にノイズフィルタを設けてもよい。
【0065】払出制御用CPU371は、出力ポート3
72cを介して、貸し球数を示す球貸し個数信号をター
ミナル基板160に出力する。さらに、出力ポート37
2dを介して、エラー表示用LED374にエラー信号
を出力する。
【0066】さらに、払出制御基板37の入力ポート3
72bには、中継基板72を介して球貸しカウントスイ
ッチ301Bからの検出信号が入力される。球貸しカウ
ントスイッチ301Bは、球払出装置97の払出機構部
分に設けられ、実際に払い出された貸し球を検出する。
払出制御基板37からの払出モータ289への駆動信号
はあ、出力ポート372cおよび中継基板72を介して
球払出装置97の払出機構部分における払出モータ28
9に伝えられ、振分ソレノイド310への駆動信号は、
出力ポート372eおよび中継基板72を介して球払出
装置97の払出機構部分における振分ソレノイド310
に伝えられる。
【0067】カードユニット50には、カードユニット
制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、
カードユニット50には、端数表示スイッチ152、連
結台方向表示器153、カード投入表示ランプ154お
よびカード挿入口155が設けられている(図1参
照)。残高表示基板74には、打球供給皿3の近傍に設
けられている度数表示LED、球貸しスイッチおよび返
却スイッチが接続される。
【0068】残高表示基板74からカードユニット50
には、遊技者の操作に応じて、球貸しスイッチ信号およ
び返却スイッチ信号が払出制御基板37を介して与えら
れる。また、カードユニット50から残高表示基板74
には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信
号および球貸し可表示信号が払出制御基板37を介して
与えられる。カードユニット50と払出制御基板37の
間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(B
RDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し
完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(P
RDY信号)が入力ポート372bおよび出力ポート3
72eを介してやりとりされる。
【0069】パチンコ遊技機1の電源が投入されると、
払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カード
ユニット50にPRDY信号を出力する。また、カード
ユニット制御用マイクロコンピュータは、VL信号を出
力する。払出制御用CPU371は、VL信号の入力状
態により接続状態/未接続状態を判定する。カードユニ
ット50においてカードが受け付けられ、球貸しスイッ
チが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カー
ドユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基
板37にBRDY信号を出力する。この時点から所定の
遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロ
コンピュータは、払出制御基板37にBRQ信号を出力
する。
【0070】そして、払出制御基板37の払出制御用C
PU371は、カードユニット50に対するEXS信号
を立ち上げ、カードユニット50からのBRQ信号の立
ち下がりを検出すると、払出モータ289を駆動し、所
定個の貸し球を遊技者に払い出す。このとき、振分ソレ
ノイド310は駆動状態とされている。すなわち、球振
分部材311を球貸し側に向ける。そして、払出が完了
したら、払出制御用CPU371は、カードユニット5
0に対するEXS信号を立ち下げる。その後、カードユ
ニット50からのBRDY信号がオン状態でなければ、
賞球払出制御を実行する。
【0071】以上のように、カードユニット50からの
信号は全て払出制御基板37に入力される構成になって
いる。従って、球貸し制御に関して、カードユニット5
0から主基板31に信号が入力されることはなく、主基
板31の基本回路53にカードユニット50の側から不
正に信号が入力される余地はない。また、カードユニッ
ト50で用いられる電源電圧AC24Vは払出制御基板
37から供給される。
【0072】なお、この実施の形態では、カードユニッ
ト50が遊技機とは別体として遊技機に隣接して設置さ
れている場合を例にするが、カードユニット50は遊技
機と一体化されていてもよい。また、コイン投入に応じ
てその金額に応じた遊技球を遊技機が貸し出すように構
成した場合でも本発明を適用できる。
【0073】図10は、電源基板910の一構成例を示
すブロック図である。電源基板910は、主基板31、
図柄制御基板80、音声制御基板70、ランプ制御基板
35および払出制御基板37等の電気部品制御基板と独
立して設置され、遊技機内の各電気部品制御基板および
機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC
24V、VSL(DC+30V)、DC+21V、DC+
12VおよびDC+5Vを生成する。また、バックアッ
プ電源となるコンデンサ916は、DC+5Vすなわち
各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電され
る。なお、VSLは、整流回路912において、整流素子
でAC24Vを整流昇圧することによって生成される。
VSLは、ソレノイド駆動電源となる。
【0074】トランス911は、交流電源からの交流電
圧を24Vに変換する。AC24V電圧は、コネクタ9
15に出力される。また、整流回路912は、AC24
Vから+30Vの直流電圧を生成し、DC−DCコンバ
ータ913およびコネクタ915に出力する。DC−D
Cコンバータ913は、1つまたは複数のコンバータI
C922(図10では1つのみを示す。)を有し、VSL
にもとづいて+21V、+12Vおよび+5Vを生成し
てコネクタ915に出力する。コンバータIC922の
入力側には、比較的大容量のコンデンサ923が接続さ
れている。従って、外部からの遊技機に対する電力供給
が停止したときに、+30V、+12V、+5V等の直
流電圧は、比較的緩やかに低下する。この結果、コンデ
ンサ923は、後述する補助駆動電源の役割を果たす。
コネクタ915は例えば中継基板に接続され、中継基板
から各電気部品制御基板および機構部品に必要な電圧の
電力が供給される。
【0075】ただし、電源基板910に各電気部品制御
基板に至る各コネクタを設け、電源基板910から、中
継基板を介さずにそれぞれの基板に至る各電圧を供給す
るようにしてもよい。また、図10には1つのコネクタ
915が代表して示されているが、コネクタは、各電気
部品制御基板対応に設けられている。
【0076】DC−DCコンバータ913からの+5V
ラインは分岐してバックアップ+5Vラインを形成す
る。バックアップ+5Vラインとグラウンドレベルとの
間には大容量のコンデンサ916が接続されている。コ
ンデンサ916は、遊技機に対する電力供給が遮断され
たときの電気部品制御基板のバックアップRAM(電源
バックアップされているRAMすなわち電力供給停止時
にも記憶内容保持状態となりうるバックアップ記憶手
段)に対して記憶状態を保持できるように電力を供給す
るバックアップ電源となる。また、+5Vラインとバッ
クアップ+5Vラインとの間に、逆流防止用のダイオー
ド917が挿入される。この実施の形態では、バックア
ップ用の+5Vは、主基板31および払出制御基板37
に供給される。
【0077】なお、バックアップ電源として、+5V電
源から充電可能な電池を用いてもよい。電池を用いる場
合には、+5V電源から電力供給されない状態が所定時
間継続すると容量がなくなるような充電池が用いられ
る。
【0078】また、電源基板910には、電源監視用I
C902が搭載されている。電源監視用IC902は、
VSL電圧を導入し、VSL電圧を監視することによって電
源断の発生を検出する。具体的には、VSL電圧が所定値
(この例では+22V)以下になったら、電源断が生ず
るとして電圧低下信号(電源断信号)を出力する。な
お、監視対象の電源電圧は、各電気部品制御基板に搭載
されている回路素子の電源電圧(この例では+5V)よ
りも高い電圧であることが好ましい。この例では、交流
から直流に変換された直後の電圧であるVSLが用いられ
ている。電源監視用IC902からの電圧低下信号は、
主基板31や払出制御基板37等に供給される。
【0079】電源監視用IC902が電源断を検知する
ための所定値は、通常時の電圧より低いが、各電気部品
制御基板上のCPUが暫くの間動作しうる程度の電圧で
ある。また、電源監視用IC902が、CPU等の回路
素子を駆動するための電圧(この例では+5V)よりも
高く、また、交流から直流に変換された直後の電圧を監
視するように構成されているので、CPUが必要とする
電圧に対して監視範囲を広げることができる。従って、
より精密な監視を行うことができる。さらに、監視電圧
としてVSL(+30V)を用いる場合には、遊技機の各
種スイッチに供給される電圧が+12Vであることか
ら、電源瞬断時のスイッチオン誤検出の防止も期待でき
る。すなわち、+30V電源の電圧を監視すると、+3
0V作成の以降に作られる+12Vが落ち始める以前の
段階でそれの低下を検出できる。
【0080】よって、+12V電源の電圧が低下すると
スイッチ出力がオン状態を呈するようになるが、+12
Vより早く低下する+30V電源電圧を監視して電源断
を認識すれば、スイッチ出力がオン状態を呈する前に電
源復旧待ちの状態に入ってスイッチ出力を検出しない状
態となることができる。
【0081】また、電源監視用IC902は、電気部品
制御基板とは別個の電源基板910に搭載されているの
で、電源監視回路から複数の電気部品制御基板に電源断
信号を供給することができる。電源断信号を必要とする
電気部品制御基板が幾つあっても電源監視手段は1つ設
けられていればよいので、各電気部品制御基板における
各電気部品制御手段が後述する復帰制御を行っても、遊
技機のコストはさほど上昇しない。
【0082】なお、図10に示された構成では、電源監
視用IC902の検出出力(電源断信号)は、バッファ
回路918,919を介してそれぞれの電気部品制御基
板(例えば主基板31と払出制御基板37)に伝達され
るが、例えば、1つの検出出力を中継基板に伝達し、中
継基板から各電気部品制御基板に同じ信号を分配する構
成でもよい。また、電源断信号を必要とする基板数に応
じたバッファ回路を設けてもよい。
【0083】図11は、主基板31におけるCPU56
周りの一構成例を示すブロック図である。図11に示す
ように、電源基板910の電源監視回路(電源監視手
段)からの電源断信号(電圧低下信号)が、CPU56
のマスク不能割込端子(XNMI端子)に接続されてい
る。電源監視回路は、遊技機が使用する各種直流電源の
うちのいずれかの電源の電圧を監視して電源電圧低下を
検出する回路である。この実施の形態では、VSLの電源
電圧を監視して電圧値が所定値以下になるとローレベル
の電源断信号を発生する。VSLは、遊技機で使用される
直流電圧のうちで最大のものであり、この例では+30
Vである。従って、CPU56は、割込処理によって電
源断の発生を確認することができる。
【0084】図11には、システムリセット回路65も
示されている。リセットIC651は、電源投入時に、
外付けのコンデンサの容量で決まる所定時間だけ出力を
ローレベルとし、所定時間が経過すると出力をハイレベ
ルにする。すなわち、リセット信号をハイレベルに立ち
上げてCPU56を動作可能状態にする。また、リセッ
トIC651は、電源監視回路が監視する電源電圧と等
しい電源電圧であるVSLの電源電圧を監視して電圧値が
所定値(電源監視回路が電源断信号を出力する電源電圧
値よりも低い値)以下になると出力をローレベルにす
る。従って、CPU56は、電源監視回路からの電源断
信号に応じて所定の電力供給停止時処理を行った後、シ
ステムリセットされる。
【0085】図11に示すように、リセットIC651
からのリセット信号は、NAND回路947に入力され
るとともに、反転回路(NOT回路)944を介してカ
ウンタIC941のクリア端子に入力される。カウンタ
IC941は、クリア端子への入力がローレベルになる
と、発振器943からのクロック信号をカウントする。
そして、カウンタIC941のQ5出力がNOT回路9
45,946を介してNAND回路947に入力され
る。また、カウンタIC941のQ6出力は、フリップ
フロップ(FF)942のクロック端子に入力される。
フリップフロップ942のD入力はハイレベルに固定さ
れ、Q出力は論理和回路(OR回路)949に入力され
る。OR回路949の他方の入力には、NAND回路9
47の出力がNOT回路948を介して導入される。そ
して、OR回路949の出力がCPU56のリセット端
子に接続されている。このような構成によれば、電源投
入時に、CPU56のリセット端子に2回のリセット信
号(ローレベル信号)が与えられるので、CPU56
は、確実に動作を開始する。
【0086】そして、例えば、電源監視回路の検出電圧
(電源断信号を出力することになる電圧)を+22Vと
し、リセット信号をローレベルにするための検出電圧を
+9Vとする。そのように構成した場合には、電源監視
回路とシステムリセット回路65とが、同一の電源VSL
の電圧を監視するので、電圧監視回路が電源断信号を出
力するタイミングとシステムリセット回路65がシステ
ムリセット信号を出力するタイミングの差を所望の所定
期間に確実に設定することができる。所望の所定期間と
は、電源監視回路からの電源断信号に応じて電力供給停
止時処理を開始してから電力供給停止時処理が確実に完
了するまでの期間である。
【0087】CPU56等の駆動電源である+5V電源
から電力が供給されていない間、RAMの少なくとも一
部は、電源基板から供給されるバックアップ電源によっ
てバックアップされ、遊技機に対する電源が断しても内
容は保存される。そして、+5V電源が復旧すると、シ
ステムリセット回路65からリセット信号が発せられる
ので、CPU56は、通常の動作状態に復帰する。その
とき、必要なデータがバックアップRAMに保存されて
いるので、停電等からの復旧時に停電発生時の遊技状態
に復帰することができる。
【0088】なお、図11に示す構成では、電源投入時
にCPU56のリセット端子に2回のリセット信号(ロ
ーレベル信号)が与えられるが、リセット信号の立ち上
がりタイミングが1回しかなくても確実にリセット解除
されるCPUを使用する場合には、符号941〜949
で示された回路素子は不要である。その場合、リセット
IC651の出力がそのままCPU56のリセット端子
に接続される。
【0089】この実施の形態で用いられるCPU56
は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回
路(CTC)も内蔵している。PIOは、PB0〜PB
3の4ビットおよびPA0〜PA7の1バイトのポート
を有する。PB0〜PB3およびPA0〜PA7のポー
トは、入力/出力いずれにも設定できる。
【0090】また、図11に示すように、スイッチ基板
190に搭載されたクリアスイッチ921の出力信号
が、論理を反転させるバッファ回路578A、および入
力ポート578を介して入力される。なお、入力ポート
578には、バッファ回路578Aを介して、V入賞ス
イッチ22などの他の各スイッチの出力信号も入力され
ている。このような構成によれば、クリアスイッチ92
1の切換により出力信号がクリアスイッチ信号(ローレ
ベル信号)とされていると、クリアスイッチ信号が反転
(なお、バッファ回路578Aがクリアスイッチ信号を
反転して出力した信号を、クリアスイッチ信号と呼ぶこ
とがある。)されてCPU56に与えられるので、CP
U56により変動データ記憶手段の記憶内容が初期デー
タとされる処理が行われるが、その詳細は後述する。こ
のように、クリアスイッチ921の出力信号が入力ポー
ト578を介して入力するようにしているので、簡単な
構成でクリアスイッチ信号を導入することが可能とな
る。
【0091】図12は、この実施の形態における入力ポ
ートのビット割り当てを示す説明図である。図12に示
すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞ
れ、入賞口スイッチ24a、入賞口スイッチ24b、入
賞口スイッチ19a、入賞口スイッチ19b、始動口ス
イッチ17、カウントスイッチ23、V入賞スイッチ
(特定領域スイッチ)22、ゲートスイッチ12の検出
信号が入力される。また、入力ポート1のビット0〜4
には、それぞれ、賞球カウントスイッチ301A、満タ
ンスイッチ48、球切れスイッチ187の検出信号、カ
ウントスイッチ短絡信号、クリアスイッチ921の出力
信号が入力される。
【0092】次に遊技機の動作について説明する。図1
3は、主基板31におけるCPU56が実行するメイン
処理を示すフローチャートである。遊技機に対する電源
が投入されると、メイン処理において、CPU56は、
まず、必要な初期設定を行う。
【0093】初期設定処理において、CPU56は、ま
ず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込
モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタ
ックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定す
る(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの
初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス
(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)お
よびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステッ
プS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定
する(ステップS6)。
【0094】この実施の形態で用いられているCPU5
6には、マスク可能な割込(INT)のモードとして以
下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可
能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁
止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容
をスタックにセーブする。
【0095】割込モード0:割込要求を行った内蔵デバ
イスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3
バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よっ
て、CPU56は、RST命令に対応したアドレスまた
はCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行す
る。リセット時に、CPU56は自動的に割込モード0
になる。よって、割込モード1または割込モード2に設
定したい場合には、初期設定処理において、割込モード
1または割込モード2に設定するための処理を行う必要
がある。
【0096】割込モード1:割込が受け付けられると、
常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
【0097】割込モード2:CPU56の特定レジスタ
(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力
する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成
されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すな
わち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値と
され下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示さ
れるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあ
るが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各
内蔵デバイスは割込要求を行うときに割込ベクタを送出
する機能を有している。
【0098】よって、割込モード2に設定されると、各
内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可
能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込
処理を設置することが可能になる。さらに、割込モード
1とは異なり、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を
用意しておくことも容易である。上述したように、この
実施の形態では、初期設定処理のステップS2におい
て、CPU56は割込モード2に設定される。
【0099】次いで、CPU56は、入力ポート578
を介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の
状態を、本例では1回だけ確認する(ステップS7)。
クリアスイッチ921がオンである場合(押下されてい
る場合)には、ローレベルのクリアスイッチ信号が出力
されている。従って、CPU56は、クリアスイッチ9
21がオンとされていれば、通常の初期化処理を実行す
る(ステップS11〜ステップS15)。クリアスイッ
チ921のオン判定は、初期設定を行う前に実行するこ
とが好ましい。遊技機の起動に先立ってバックアップ記
憶(最終記憶内容)の消去の意思を確認したのちに制御
を再開することができるからである。この様な場合、初
期設定を行う前に、タイマ処理やスイッチ入力判定(複
数回)を行うと、バックアップ内容を壊す可能性があ
る。また、遊技中のパチンコ遊技機の裏側には、遊技球
が流動しておりノイズが発生しやすく、このため、通常
スイッチ検出は複数回入力判定を行うが、クリアスイッ
チ921のオン判定は、遊技開始前に行われるため、ノ
イズの影響を受けにくい。従って、クリアスイッチ92
1入力判定を1回のみとしても、ノイズの影響は受け難
く、また、プログラム開発効率も上がる。なお、クリア
スイッチ921が確実に操作されたか否かを重視する場
合には、CPU56がクリアスイッチ921の出力信号
の状態を例えば3秒間確認する構成としてもよい。
【0100】クリアスイッチ921がオンの状態でなけ
れば(押下されていない状態)、CPU56は、電源断
時にバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えば
パリティデータの付加等の停電発生NMI処理)が行わ
れたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態
では、不測の電源断が生じた場合には、バックアップR
AM領域のデータを保護するための処理が行われてい
る。そのような保護処理が行われていた場合をバックア
ップありとする。バックアップなしを確認したら、CP
U56は初期化処理を実行する。
【0101】この実施の形態では、バックアップRAM
領域にバックアップデータがあるか否かは、電源断時に
バックアップRAM領域に設定されるバックアップフラ
グの状態によって確認される。この例では、図14に示
すように、バックアップフラグ領域に「55H」が設定
されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、
「55H」以外の値が設定されていればバックアップな
し(オフ状態)を意味する。
【0102】バックアップありを確認したら、CPU5
6は、バックアップRAM領域のデータチェック(この
例ではパリティチェック)を行う。不測の電源断が生じ
た後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデ
ータは保存されていたはずであるから、チェック結果は
正常になる。チェック結果が正常でない場合には、内部
状態を電源断時の状態に戻すことができないので、停電
復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行
する。
【0103】チェック結果が正常であれば(ステップS
9)、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と表示制
御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電源断時の状
態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS1
0)。そして、バックアップRAM領域に保存されてい
たPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定さ
れ、そのアドレスに復帰する。
【0104】なお、この実施の形態では、ステップS7
でクリアスイッチ921がオンでない場合に、バックア
ップデータの有無が確認されていたが、逆に、バックア
ップデータの有無を確認した後、バックアップデータが
存在する場合(さらに、バックアップ領域のチェックを
行い、バックアップ領域のチェック結果が正常であった
ことが確認された場合であってもよい)にクリアスイッ
チ921の操作状態を確認するようにしてもよい。
【0105】また、この実施の形態では、ステップS8
でバックアップデータの有無が確認された後、バックア
ップデータが存在する場合にステップS9でバックアッ
プ領域のチェックが行われたが、逆に、バックアップ領
域のチェック結果が正常であったことが確認された後、
バックアップデータの有無の確認を行うようにしてもよ
い。また、バックアップデータの有無の確認、またはバ
ックアップ領域のチェックの何れか一方の確認を行うこ
とによって、停電復旧処理を実行するか否かを判定して
もよい。
【0106】また、例えば停電復旧処理を実行するか否
か判断する場合のパリティチェック(ステップS9)の
際に、すなわち、遊技状態を復旧するか否か判断する際
に、保存されていたRAMデータにおける特別プロセス
フラグ等や始動入賞記憶数データによって、遊技機が遊
技待機状態(図柄変動中でなく、大当り遊技中でなく、
確変中でなく、また、始動入賞記憶がない状態)である
ことが確認されたら、遊技状態復旧処理を行わずに初期
化処理を実行するようにしてもよい。
【0107】このように、クリアスイッチ921の操作
状態に応じて電源断時の遊技状態に復旧するか否かの判
断を行うようにし、その際、クリアスイッチ921がオ
ン状態であれば、遊技状態復旧処理は実行されず、通常
の初期化処理を実行する構成としたので、遊技店員等
は、遊技機の電源供給再開時に、クリアスイッチ921
を操作することによって、バックアップデータ記憶領域
(変動データ記憶手段)に記憶されているバックアップ
データにもとづく遊技状態復旧処理を実行するか否かを
選択することができる。従って、電源断が発生しても遊
技者に不利益がもたらされることを防止することができ
るとともに、遊技店での遊技機運用上の利便性を向上さ
せることもできる遊技機が提供される。
【0108】なお、電源投入時に、変動データ記憶手段
にバックアップデータが記憶されていない場合に実行さ
れる初期化処理と、変動データ記憶手段にバックアップ
データが記憶されていてもクリアスイッチ921がオフ
状態である場合に実行される初期化処理とは、プログラ
ム上兼用されている。従って、遊技店での運用上の利便
性を向上させる制御を付加しても、プログラム容量はさ
ほど増えない。
【0109】初期化処理では、CPU56は、まず、R
AMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定
の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普
通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、
払出コマンド格納ポインタなど)に初期値を設定する初
期値設定処理も行われる。さらに、サブ基板(ランプ制
御基板35、払出制御基板37、音声制御基板70、図
柄制御基板80)を初期化するための処理を実行する
(ステップS13)。サブ基板を初期化する処理とは、
例えば初期設定コマンドを送出する処理である。
【0110】そして、2ms毎に定期的にタイマ割込が
かかるようにCPU56に設けられているCTCのレジ
スタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、
初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時
間定数レジスタ)に設定される。そして、初期設定処理
のステップS1において割込禁止とされているので、初
期化処理を終える前に割込が許可される(ステップS1
5)。
【0111】この実施の形態では、CPU56の内蔵C
TCが繰り返しタイマ割込を発生するように設定され
る。この実施の形態では、繰り返し周期は2msに設定
される。そして、タイマ割込が発生すると、図15に示
すように、CPU56は、例えばタイマ割込が発生した
ことを示すタイマ割込フラグをセットする(ステップS
12)。
【0112】初期化処理の実行(ステップS11〜S1
5)が完了すると、メイン処理で、タイマ割込が発生し
たか否かの監視(ステップS17)の確認が行われるル
ープ処理に移行する。なお、ループ内では、表示用乱数
更新処理(ステップS16)も実行される。
【0113】CPU56は、ステップS17において、
タイマ割込が発生したことを認識すると、ステップS2
1〜S31の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理に
おいて、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介し
て、ゲートセンサ12、始動口センサ17、カウントセ
ンサ23および入賞口スイッチ19a,19b,24
a,24b等のスイッチの状態を入力し、それらの状態
判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0114】次いで、パチンコ遊技機1の内部に備えら
れている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行
われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる
(エラー処理:ステップS22)。
【0115】次に、遊技制御に用いられる大当り判定用
の乱数等の各判定用乱数を示す各カウンタを更新する処
理を行う(ステップS23)。CPU56は、さらに、
停止図柄の種類を決定する乱数等の表示用乱数を更新す
る処理を行う(ステップS24)。
【0116】さらに、CPU56は、特別図柄プロセス
処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御
では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序
で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当
する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄
プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更
新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステッ
プS26)。普通図柄プロセス処理では、7セグメント
LEDによる可変表示器10を所定の順序で制御するた
めの普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選
び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラ
グの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0117】次いで、CPU56は、特別図柄に関する
表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して
表示制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマ
ンド制御処理:ステップS27)。また、普通図柄に関
する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定
して表示制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄
コマンド制御処理:ステップS28)。
【0118】さらに、CPU56は、例えばホール管理
用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確
率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う
(ステップS29)。
【0119】また、CPU56は、所定の条件が成立し
たときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステッ
プS30)。ソレノイド回路59は、駆動指令に応じて
ソレノイド16,21を駆動し、可変入賞球装置15ま
たは開閉板20を開状態または閉状態とする。
【0120】そして、CPU56は、各入賞口への入賞
を検出するためのスイッチ17,23,19a,19
b,24a,24bの検出出力にもとづく賞球数の設定
などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具
体的には、入賞検出に応じて払出制御基板37に払出制
御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されて
いる払出制御用CPU371は、払出制御コマンドに応
じて球払出装置97を駆動する。
【0121】以上の制御によって、この実施の形態で
は、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。
なお、この実施の形態では、タイマ割込処理では例えば
割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなさ
れ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるが、
タイマ割込処理で遊技制御処理を実行してもよい。
【0122】また、メイン処理には遊技制御処理に移行
すべきか否かを判定する処理が含まれ、CPU56の内
部タイマが定期的に発生するタイマ割込にもとづくタイ
マ割込処理で遊技制御処理に移行すべきか否かを判定す
るためのフラグがセット等がなされるので、遊技制御処
理の全てが確実に実行される。つまり、遊技制御処理の
全てが実行されるまでは、次回の遊技制御処理に移行す
べきか否かの判定が行われないので、遊技制御処理中の
全ての各処理が実行完了することは保証されている。
【0123】以上に説明したように、この実施の形態で
は、CTCやPIOを内蔵するCPU56に対して、初
期設定処理で割込モード2が設定される。従って、内蔵
CTCを用いた定期的なタイマ割込処理を容易に実現で
きる。また、タイマ割込処理をプログラム上の任意の位
置に設置できる。また、内蔵PIOを用いたスイッチ検
出処理等を容易に割込処理で実現できる。その結果、プ
ログラム構成が簡略化され、プログラム開発工数が低減
する等の効果を得ることができる。
【0124】次に、メイン処理におけるスイッチ処理
(ステップS21)の具体例を説明する。この実施の形
態では、検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確
かにスイッチがオンしたと判定されスイッチオンに対応
した処理が開始される。所定時間を計測するために、ス
イッチタイマが用いられる。スイッチタイマは、バック
アップRAM領域に形成された1バイトのカウンタであ
り、検出信号がオン状態を示している場合に2ms毎に
+1される。図16に示すように、スイッチタイマは検
出信号の数Nだけ設けられている。この実施の形態では
N=12である。なお、N=12である(13でない)
のは、クリアスイッチ921の出力信号に対応したスイ
ッチタイマが設けられていない(クリア信号の検出の有
無の判断はスイッチ処理で実行されないため不必要)か
らである。また、RAMにおいて、各スイッチタイマの
アドレスは、入力ポートのビット配列順(図12に示さ
れた上から下への順)と同じ順序で並んでいる。
【0125】図17は、遊技制御処理におけるステップ
S21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートで
ある。なお、スイッチ処理は、図13に示すように遊技
制御処理において最初に実行される。スイッチ処理にお
いて、CPU56は、まず、入力ポート0に入力されて
いるデータを入力する(ステップS71)。次いで、処
理数として「8」を設定し(ステップS72)、入賞口
スイッチ24aのためのスイッチタイマのアドレスをポ
インタにセットする(ステップS73)。そして、スイ
ッチチェック処理サブルーチンをコールする(ステップ
S74)。
【0126】図18は、スイッチチェック処理サブルー
チンを示すフローチャートである。スイッチチェック処
理サブルーチンにおいて、CPU56は、ポート入力デ
ータ、この場合には入力ポート0からの入力データを
「比較値」として設定する(ステップS81)。また、
クリアデータ(00)をセットする(ステップS8
2)。そして、ポインタ(スイッチタイマのアドレスが
設定されている)が指すスイッチタイマをロードすると
ともに(ステップS83)、比較値を右(上位ビットか
ら下位ビットへの方向)にシフトする(ステップS8
4)。比較値には入力ポート0のデータ設定されてい
る。そして、この場合には、入賞口スイッチ24aの検
出信号がキャリーフラグに押し出される。
【0127】キャリーフラグの値が「1」であれば(ス
テップS85)、すなわち入賞口スイッチ24aの検出
信号がオン状態であれば、スイッチタイマの値を1加算
する(ステップS87)。加算後の値が0でなければ加
算値をスイッチタイマに戻す(ステップS88,S8
9)。加算後の値が0になった場合には加算値をスイッ
チタイマに戻さない。すなわち、スイッチタイマの値が
既に最大値(255)に達している場合には、それより
も値を増やさない。
【0128】キャリーフラグの値が「0」であれば、す
なわち入賞口スイッチ24aの検出信号がオフ状態であ
れば、スイッチタイマにクリアデータをセットする(ス
テップS86)。すなわち、スイッチがオフ状態であれ
ば、スイッチタイマの値が0に戻る。
【0129】その後、CPU56は、ポインタ(スイッ
チタイマのアドレス)を1加算するとともに(ステップ
S90)、処理数を1減算する(ステップS91)。処
理数が0になっていなければステップS82に戻る。そ
して、ステップS82〜S92の処理が繰り返される。
【0130】ステップS82〜S92の処理は、処理数
分すなわち8回繰り返され、その間に、入力ポート0の
8ビットに入力されるスイッチの検出信号について、順
次、オン状態かオフ状態か否かのチェック処理が行わ
れ、オン状態であれば、対応するスイッチタイマの値が
1増やされる。
【0131】CPU56は、スイッチ処理のステップS
75において、入力ポート1に入力されているデータを
入力する。次いで、処理数として「4」を設定し(ステ
ップS76)、賞球カウントスイッチ301Aのための
スイッチタイマのアドレスをポインタにセットする(ス
テップS77)。そして、スイッチチェック処理サブル
ーチンをコールする(ステップS78)。
【0132】スイッチチェック処理サブルーチンでは、
上述した処理が実行されるので、ステップS82〜S9
2の処理が、処理数分すなわち4回繰り返され、その間
に、入力ポート1の4ビットに入力されるスイッチの検
出信号について、順次、オン状態かオフ状態か否かのチ
ェック処理が行われ、オン状態であれば、対応するスイ
ッチタイマの値が1増やされる。
【0133】なお、この実施の形態では、遊技制御処理
が2ms毎に起動されるので、スイッチ処理も2msに
1回実行される。従って、スイッチタイマは、2ms毎
に+1される。
【0134】図19〜図21は、遊技制御処理における
ステップS31の賞球処理の一例を示すフローチャート
である。この実施の形態では、賞球処理では、入賞口ス
イッチ19a,19b,24a,24b、カウントスイ
ッチ23および始動口スイッチ17が確実にオンしたか
否か判定されるとともに、オンしたら所定の払出制御コ
マンドが払出制御基板37に送出されるように制御し、
また、満タンスイッチ48および球切れスイッチ187
が確実にオンしたか否か判定されるとともに、オンした
ら所定の払出制御コマンドが払出制御基板37に送出さ
れるように制御する等の処理が行われる。
【0135】賞球処理において、CPU56は、入力判
定値テーブルのオフセットとして「0」を設定し(ステ
ップS121)、スイッチタイマのアドレスのオフセッ
トとして「0」を設定する(ステップS122)。入力
判定値テーブルのオフセット「0」は、入力判定値テー
ブルの最初のデータを使用することを意味する。また、
各スイッチタイマは、図12に示された入力ポートのビ
ット順と同順に並んでいるので、スイッチタイマのアド
レスのオフセット「0」は入賞口スイッチ24aに対応
したスイッチタイマが指定されることを意味する。ま
た、繰り返し数として「4」をセットする(ステップS
123)。そして、スイッチオンチェックルーチンがコ
ールされる(ステップS124)。
【0136】入力判定値テーブルとは、各スイッチにつ
いて、連続何回のオンが検出されたら確かにスイッチが
オンしたと判定するための判定値が設定されているRO
M領域である。入力判定値テーブルの構成例は図24に
示されている。図24に示すように、入力判定値テーブ
ルには、上から順に、すなわちアドレス値が小さい領域
から順に、「2」、「50」、「250」、「30」、
「250」、「1」の判定値が設定されている。また、
スイッチオンチェックルーチンでは、入力判定値テーブ
ルの先頭アドレスとオフセット値とで決まるアドレスに
設定されている判定値と、スイッチタイマの先頭アドレ
スとオフセット値とで決まるスイッチタイマの値とが比
較され、一致した場合には、例えばスイッチオンフラグ
がセットされる。
【0137】スイッチオンチェックルーチンの一例が図
22に示されている。スイッチオンチェックルーチンに
おいて、CPU56は、入力判定値テーブル(図24参
照)の先頭アドレスを設定する(ステップS101)。
そして、そのアドレスにオフセットを加算し(ステップ
S102)、加算後のアドレスからスイッチオン判定値
をロードする(ステップS103)。
【0138】次いで、CPU56は、スイッチタイマの
先頭アドレスを設定し(ステップS104)、そのアド
レスにオフセットを加算し(ステップS105)、加算
後のアドレスからスイッチタイマの値をロードする(ス
テップS106)。各スイッチタイマは、図12に示さ
れた入力ポートのビット順と同順に並んでいるので、ス
イッチに対応したスイッチタイマの値がロードされる。
【0139】そして、CPU56は、ロードしたスイッ
チタイマの値とスイッチオン判定値とを比較する(ステ
ップS107)。それらが一致すれば、スイッチオンフ
ラグをセットする(ステップ108)。
【0140】この場合には、スイッチオンチェックルー
チンにおいて、入賞口スイッチ24aに対応するスイッ
チタイマの値がスイッチオン判定値「2」に一致してい
ればスイッチオンフラグがセットされる(ステップS1
25)。スイッチオンフラグがセットされたら、10個
カウンタが1加算される(ステップS126)。スイッ
チチェックオンルーチンは、スイッチタイマのアドレス
のオフセットが更新されつつ(ステップS129)、最
初に設定された繰り返し数分だけ実行されるので(ステ
ップS127,S128)、結局、入賞口スイッチ19
a,19b,24a,24bについて、対応するスイッ
チタイマの値がスイッチオン判定値「2」と比較される
ことになる。なお、10個カウンタとは、景品としての
10個の遊技球払出の回数を示すカウンタである。
【0141】次に、CPU56は、入力判定値テーブル
のオフセットとして「0」を設定し(ステップS13
0)、スイッチタイマのアドレスのオフセットとして
「4」を設定する(ステップS131)。入力判定値テ
ーブルのオフセット「0」は、入力判定値テーブルの最
初のデータを使用することを意味する。また、各スイッ
チタイマは、図12に示された入力ポートのビット順と
同順に並んでいるので、スイッチタイマのアドレスのオ
フセット「4」は始動口スイッチ17に対応したスイッ
チタイマが指定されることを意味する。そして、スイッ
チオンチェックルーチンがコールされる(ステップS1
32)。
【0142】スイッチオンチェックルーチンにおいて、
始動口スイッチ17に対応するスイッチタイマの値がス
イッチオン判定値「2」に一致していればスイッチオン
フラグがセットされるので(ステップS133)、6個
カウンタが1加算される(ステップS134)。なお、
6個カウンタとは、景品としての6個の遊技球払出の回
数を示すカウンタである。
【0143】次いで、CPU56は、入力判定値テーブ
ルのオフセットとして「0」を設定し(ステップS13
5)、スイッチタイマのアドレスのオフセットとして
「5」を設定する(ステップS136)。入力判定値テ
ーブルのオフセット「0」は、入力判定値テーブルの最
初のデータを使用することを意味する。また、各スイッ
チタイマは、図12に示された入力ポートのビット順と
同順に並んでいるので、スイッチタイマのアドレスのオ
フセット「5」はカウントスイッチ23に対応したスイ
ッチタイマが指定されることを意味する。そして、スイ
ッチオンチェックルーチンがコールされる(ステップS
137)。
【0144】スイッチオンチェックルーチンにおいて、
カウントスイッチ23に対応するスイッチタイマの値が
スイッチオン判定値「2」に一致していればスイッチオ
ンフラグがセットされるので(ステップS138)、1
5個カウンタが1加算される(ステップS134)。な
お、15個カウンタとは、景品としての15個の遊技球
払出の回数を示すカウンタである。
【0145】さらに、CPU56は、入力判定値テーブ
ルのオフセットとして「1」を設定し(ステップS15
0)、スイッチタイマのアドレスのオフセットとして
「9」を設定する(ステップS151)。入力判定値テ
ーブルのオフセット「1」は、入力判定値テーブルの2
番目のデータ「50」を使用することを意味する。ま
た、各スイッチタイマは、図12に示された入力ポート
のビット順と同順に並んでいるので、スイッチタイマの
アドレスのオフセット「9」は満タンスイッチ48に対
応したスイッチタイマが指定されることを意味する。そ
して、スイッチオンチェックルーチンがコールされる
(ステップS152)。
【0146】スイッチオンチェックルーチンにおいて、
満タンスイッチ48に対応するスイッチタイマの値が満
タンスイッチオン判定値「50」に一致していればスイ
ッチオンフラグがセットされるので(ステップS15
3)、満タンフラグがセットされる(ステップS15
4)。なお、図20には明示されていないが、満タンス
イッチ48に対応したスイッチタイマの値が0になる
と、満タンフラグはリセットされる。
【0147】また、CPU56は、入力判定値テーブル
のオフセットとして「2」を設定し(ステップS15
6)、スイッチタイマのアドレスのオフセットとして
「0A(H)」を設定する(ステップS157)。入力
判定値テーブルのオフセット「2」は、入力判定値テー
ブルの3番目のデータ「250」を使用することを意味
する。また、各スイッチタイマは、図12に示された入
力ポートのビット順と同順に並んでいるので、スイッチ
タイマのアドレスのオフセット「0A(H)」は球切れ
スイッチ187に対応したスイッチタイマが指定される
ことを意味する。そして、スイッチオンチェックルーチ
ンがコールされる(ステップS158)。
【0148】スイッチオンチェックルーチンにおいて、
球切れスイッチ187に対応するスイッチタイマの値が
球切れスイッチオン判定値「250」に一致していれば
スイッチオンフラグがセットされるので(ステップS1
59)、球切れフラグがセットされる(ステップS16
0)。なお、図20には明示されていないが、球切れス
イッチ187に対応したスイッチオフタイマが用意さ
れ、その値が50になると、球切れフラグはリセットさ
れる。
【0149】そして、CPU56は、払出停止状態であ
るか否か確認する(ステップS201)。払出停止状態
は、払出制御基板37に対して払出停止状態指定のコマ
ンドを送出した後の状態である。払出停止状態でなけれ
ば、上述した球切れ状態フラグまたは満タンフラグがオ
ンになったか否かを確認する(ステップS202)。
【0150】いずれかがオン状態に変化したときには、
払出停止状態指定に関するコマンド送信制御処理を行う
(ステップS203)。コマンド送信制御処理では、払
出制御コマンド用のコマンド送信テーブルに所定のデー
タが設定された後、払出制御コマンドの送出処理が実行
される。なお、ステップS202において、いずれか一
方のフラグが既にオン状態であったときに他方のフラグ
がオン状態になったときには、コマンド送信制御処理
(ステップS203)は行われない。
【0151】また、払出停止状態であれば、球切れ状態
フラグおよび満タンフラグがともにオフ状態になったか
否かを確認する(ステップS204)。ともにオフ状態
となったときには、払出停止解除指定に関するコマンド
送信制御処理を行う(ステップS205)。
【0152】次いで、CPU56は、入賞に応じた賞球
個数に関する払出制御コマンドをコマンド送信テーブル
に設定し、設定内容に応じた払出制御コマンドを送出す
る制御を行う。まず、15個カウンタの値をチェックす
る(ステップS221)。上述したように、15個カウ
ンタは、遊技球が大入賞口に入賞してカウントスイッチ
23がオンするとカウントアップされる。15個カウン
タの値が0でない場合には、15個の賞球個数指示に関
するコマンド送信制御処理を行う(ステップS22
2)。コマンド送信制御処理では、払出制御コマンド用
のコマンド送信テーブルに所定のデータが設定された
後、払出制御コマンドの送出処理が実行される。また、
15個カウンタの値を−1する(ステップS223)。
さらに、総賞球数格納バッファの格納値に15を加算す
る(ステップS224)。
【0153】総賞球数格納バッファは、払出制御手段に
対して指示した賞球個数の累積値(ただし、払い出しが
なされると減算される)が格納されるバッファであり、
バックアップRAMに形成されている。
【0154】15個カウンタの値が0であれば、10個
カウンタの値をチェックする(ステップS225)。上
述したように、10個カウンタは、遊技球が入賞口に入
賞して入賞口スイッチ19a,19b,24a,24b
がオンするとカウントアップされる。10個カウンタの
値が0でない場合には、10個の賞球個数指示に関する
コマンド送信制御処理を行う(ステップS226)。ま
た、10個カウンタの値を−1する(ステップS22
7)。さらに、総賞球数格納バッファの格納値に10を
加算する(ステップS228)。
【0155】10個カウンタの値が0であれば、6個カ
ウンタの値をチェックする(ステップS231)。上述
したように、6個カウンタは、遊技球が始動入賞口に入
賞して始動口スイッチ17がオンするとカウントアップ
される。6個カウンタの値が0でない場合には、6個の
賞球個数指示に関するコマンド送信制御処理を行う(ス
テップS232)。また、6個カウンタの値を−1する
(ステップS233)。さらに、総賞球数格納バッファ
の格納値に6を加算する(ステップS234)。
【0156】以上にようにして、遊技制御手段から払出
制御基板37に賞球個数を指示する払出制御コマンドを
出力しようとするときに、コマンド送信テーブルの設定
が行われた後、コマンド送信テーブルに設定された払出
制御コマンドが払出制御基板37に送出される。そし
て、賞球個数を指示する払出制御コマンドの送出が行わ
れたときには、賞球払出中フラグをオンする(ステップ
S235)。また、賞球払出中フラグをオンしていると
きには(ステップS236)、球払出装置97から実際
に払い出された賞球数を監視して総賞球数格納バッファ
の格納値を減算する賞球個数減算処理が行われる(ステ
ップS237)。なお、賞球払出中フラグがオンからオ
フに変化したときには、ランプ制御基板35に対して、
賞球ランプ51の点灯を指示するランプ制御コマンドが
送出される。
【0157】図23は、賞球個数減算処理の一例を示す
フローチャートである。賞球個数減算処理において、C
PU56は、まず、総賞球数格納バッファの格納値をロ
ードする(ステップS241)。そして、格納値が0で
あるか否か確認する(ステップS242)。0であれば
処理を終了する。
【0158】0でなければ、賞球カウントスイッチ用の
スイッチタイマをロードし(ステップS243)、ロー
ド値とオン判定値(この場合は「2」)とを比較する
(ステップS244)。一致したら(ステップS24
5)、賞球カウントスイッチ301Aが確かにオンした
として、すなわち、確かに1個の遊技球が球払出装置9
7から払い出されたとして、総賞球数格納バッファの格
納値を1減算する(ステップS246)。
【0159】また、賞球情報カウンタの値を+1する
(ステップS247)。そして、賞球情報カウンタの値
が10以上であれば(ステップS248)、賞球情報出
力カウンタの値を+1するとともに(ステップS24
9)、賞球情報カウンタの値を−10する(ステップS
250)。なお、賞球情報出力カウンタの値は、図13
に示されたメイン処理における情報出力処理(ステップ
S29)で参照され、その値が1以上であれば、賞球信
号(出力ポート5のビット7:図14参照)として1パ
ルスが出力される。よって、この実施の形態では、10
個の遊技球が賞球として払い出される度に、1つの賞球
信号が遊技機外部に出力される。
【0160】そして、総賞球数格納バッファの格納値が
0になったら(ステップS251)、賞球払出中フラグ
をクリアし(ステップS252)、賞球残数がないこと
を報知するために、ランプ制御コマンド用のコマンド送
信テーブルに賞球ランプ51の消灯を示すコマンドデー
タを設定した後(ステップS253)、ランプ制御コマ
ンドの送出処理を実行する(ステップS254)。
【0161】次に、遊技制御手段から各電気部品制御手
段に対する制御コマンドの送出方式について説明してお
く。図25は、主基板31から他の電気部品制御基板に
送出される制御コマンドのコマンド形態の一例を示す説
明図である。この実施の形態では、制御コマンドは2バ
イト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分
類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を
表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず
「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)
は必ず「0」とされる。なお、図25に示されたコマン
ド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよ
い。
【0162】図26は、遊技制御基板から他の各電気部
品制御基板に対する制御コマンドを構成する8ビットの
制御信号とINT信号(ストローブ信号)との関係を示
すタイミング図である。図26に示すように、MODE
またはEXTのデータが出力ポートに出力されてから、
所定期間が経過すると、CPU56は、データ出力を示
す信号であるINT信号をオン状態にする。また、そこ
から所定期間が経過するとINT信号をオフ状態にす
る。
【0163】図27は、払出制御コマンドの内容の一例
を示す説明図である。図27に示された例において、M
ODE=FF(H),EXT=00(H)のコマンドF
F00(H)は、払出可能状態を指定する払出制御コマ
ンドである。MODE=FF(H),EXT=01
(H)のコマンドFF01(H)は、払出停止状態を指
定する払出制御コマンドである。また、MODE=F0
(H)のコマンドF0XX(H)は、賞球個数を指定す
る払出制御コマンドである。EXTである「XX」が払
出個数を示す。
【0164】払出制御手段は、主基板31の遊技制御手
段からFF01(H)の払出制御コマンドを受信すると
賞球払出および球貸しを停止する状態となり、FF00
(H)の払出制御コマンドを受信すると賞球払出および
球貸しができる状態になる。また、賞球個数を指定する
払出制御コマンドを受信すると、受信したコマンドで指
定された個数に応じた賞球払出制御を行う。
【0165】なお、払出制御コマンドは、払出制御手段
が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この
例では、INT信号がオン状態になることであり、認識
可能に1回だけ送出されるとは、この例では、払出制御
信号の1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて
INT信号が1回だけオン状態になることである。
【0166】遊技制御手段から払出制御基板等の各電気
部品制御基板に制御コマンドを出力しようとするとき
に、コマンド送信テーブルの設定が行われる。図28
(A)は、コマンド送信テーブルの一構成例を示す説明
図である。1つのコマンド送信テーブルは3バイトで構
成され、1バイト目にはINTデータが設定される。ま
た、2バイト目のコマンドデータ1には、制御コマンド
の1バイト目のMODEデータが設定される。そして、
3バイト目のコマンドデータ2には、制御コマンドの2
バイト目のEXTデータが設定される。
【0167】なお、EXTデータそのものがコマンドデ
ータ2の領域に設定されてもよいが、コマンドデータ2
には、EXTデータが格納されているテーブルのアドレ
スを指定するためのデータが設定されるようにしてもよ
い。この実施の形態では、コマンドデータ2のビット7
(ワークエリア参照ビット)が0あれば、コマンドデー
タ2にEXTデータそのものが設定されていることを示
す。そのようなEXTデータはビット7が0であるデー
タである。ワークエリア参照ビットが1あれば、他の7
ビットが、EXTデータが格納されているテーブルのア
ドレスを指定するためのオフセットであることを示す。
また、この実施の形態では各制御コマンド毎にコマンド
送信テーブルが用意されている。
【0168】図28(B)INTデータの一構成例を示
す説明図である。INTデータにおけるビット0は、払
出制御基板37に払出制御コマンドを送出すべきか否か
を示す。ビット0が「1」であるならば、払出制御コマ
ンドを送出すべきことを示す。従って、CPU56は、
例えば賞球処理において、払出制御コマンドを送出する
ときには、払出制御コマンド用のコマンド送信テーブル
のINTデータに「01(H)」を設定する。
【0169】INTデータのビット1,2,3は、それ
ぞれ、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音声制
御コマンドを送出すべきか否かを示すビットであり、C
PU56は、それらのコマンドを送出すべき場合には、
ポインタが指しているコマンド送信テーブルに、INT
データ、コマンドデータ1およびコマンドデータ2を設
定する。それらのコマンドを送出するときには、INT
データの該当ビットが「1」に設定され、コマンドデー
タ1およびコマンドデータ2にMODEデータおよびE
XTデータが設定される。
【0170】各電気部品制御基板への制御コマンドを、
対応する出力ポート(出力ポート1〜4)に出力する際
に、出力ポート0のビット0〜3のうちのいずれかのビ
ットが所定期間オン状態になるのであるが、INTデー
タにおけるビット配列と出力ポート0におけるビット配
列とは対応している。従って、各電気部品制御基板に御
コマンドを送出する際に、コマンド送信テーブルに設定
されているINTデータにもとづいて、容易にINT信
号の出力を行うことができる。
【0171】図29〜図31は、電源基板910からの
電源断信号に応じて実行されるマスク不能割込処理(電
力供給停止時処理)の処理例を示すフローチャートであ
る。
【0172】電力供給停止時処理において、CPU56
は、AFレジスタ(アキュミュレータとフラグのレジス
タ)を所定のバックアップRAM領域に退避する(ステ
ップS451)。また、割込フラグをパリティフラグに
コピーする(ステップS452)。パリティフラグはバ
ックアップRAM領域に形成されている。また、BCレ
ジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタお
よびスタックポインタをバックアップRAM領域に退避
する(ステップS454〜S458)。なお、電源復旧
時には、退避された内容にもとづいてレジスタ内容が復
元され、パリティフラグの内容に応じて、割込許可状態
/禁止状態の内部設定がなされる。
【0173】次いで、この実施の形態では、所定期間、
賞球カウントスイッチ301Aの検出信号をチェックす
る。そして、賞球カウントスイッチ301Aがオンした
ら総賞球数バッファの内容を1減らす。
【0174】なお、この実施の形態では、所定期間を計
測するために、所定期間計測用カウンタが用いられる。
所定期間計測用カウンタの値は、初期値mから、以下に
説明するスイッチ検出処理のループ(S461から始ま
ってS461に戻るループ)が1回実行される毎に−1
され、その値が0になると、所定期間が終了したとす
る。検出処理のループでは、例外はあるがほぼ一定の処
理が行われるので、ループの1周に要する時間のm倍の
時間が、ほぼ所定期間に相当する。
【0175】所定期間を計測するために、CPU56の
内蔵タイマを用いてもよい。すなわち、スイッチ検出処
理開始時に、内蔵タイマに所定値(所定期間に相当)を
設定しておく。そして、スイッチ検出処理のループが1
回実行される毎に、内蔵タイマのカウント値をチェック
する。そして、カウント値が0になったら、所定期間が
終了したとする。内蔵タイマの値が0になったことを検
出するために内蔵タイマによる割込を用いることもでき
るが、この段階では制御内容(RAMに格納されている
各値など)を変化させないように、割込を用いず、内蔵
タイマのカウント値を読み出してチェックするようなプ
ログラム構成の方が好ましい。
【0176】また、所定期間は、遊技球が、球払出装置
97から落下した時点から、賞球カウントスイッチ30
1Aに到達するまでの時間以上に設定される。球払出装
置97から賞球カウントスイッチ301Aまでの距離を
Lとすると、その間の落下時間tは、t=√(2L/
g)(g:重力加速度)になるので、所定期間は、それ
以上に設定される。
【0177】少なくとも、スイッチ検出処理が実行され
る所定期間では、賞球カウントスイッチ301Aが遊技
球を検出できる状態でなければならない。そこで、この
実施の形態では、図10に示されたように、電源基板9
10におけるコンバータIC922の入力側に比較的大
容量の補助駆動電源としてのコンデンサ923が接続さ
れている。よって、遊技機に対する電力供給停止時に
も、ある程度の期間は+12V電源電圧がスイッチ駆動
可能な範囲に維持され、賞球カウントスイッチ301A
が動作可能になる。その期間が、上記の所定期間以上に
なるように、コンデンサの容量が決定される。
【0178】なお、入力ポートおよびCPU56も、コ
ンバータIC922で作成される+5V電源で駆動され
るので、電力供給停止時にも、比較的長い期間動作可能
になっている。
【0179】ステップS461において、2ms計測用
カウンタに2msの時間に相当する初期値nが設定され
る。そして、2ms計測用カウンタの値が0になるまで
(ステップS462)、2ms計測用カウンタの値が−
1される(ステップS463)。
【0180】2ms計測用カウンタの値が0になると、
賞球カウントスイッチ301Aの検出信号の入力チェッ
クが行われる。すなわち、図17および図18に示され
たスイッチ処理およびスイッチチェック処理に類似した
処理が行われる。具体的には、入力ポート1に入力され
ているデータを入力する(ステップS464)。次い
で、クリアデータ(00)をセットする(ステップS4
65)。また、ポート入力データ、この場合には入力ポ
ート1からの入力データを「比較値」として設定する
(ステップS466)。さらに、賞球カウントスイッチ
301Aのためのスイッチタイマのアドレスをポインタ
にセットする(ステップS467)。
【0181】そして、ポインタ(スイッチタイマのアド
レスが設定されている)が指すスイッチタイマをロード
するとともに(ステップS468)、比較値を右(上位
ビットから下位ビットへの方向)にシフトする(ステッ
プS469)。比較値には入力ポート1のデータ設定さ
れている。そして、この場合には、賞球カウントスイッ
チ301Aの検出信号がキャリーフラグに押し出され
る。
【0182】キャリーフラグの値が「1」であれば(ス
テップS470)、すなわち賞球カウントスイッチ30
1Aの検出信号がオン状態であれば、スイッチタイマの
値を1加算する(ステップS471)。キャリーフラグ
の値が「0」であれば、すなわち賞球カウントスイッチ
301Aの検出信号がオフ状態であれば、スイッチタイ
マにクリアデータをセットする(ステップS472)。
すなわち、スイッチがオフ状態であれば、スイッチタイ
マの値が0に戻る。
【0183】そして、スイッチタイマの値が2になった
ときに(ステップS473)、総賞球数格納バッファの
格納値を1減算するとともに(ステップS474)、賞
球情報カウンタの値を+1する(ステップS475)。
そして、賞球情報カウンタの値が10以上であれば(ス
テップS476)、賞球情報出力カウンタの値を+1す
るとともに(ステップS477)、賞球情報カウンタの
値を−10する(ステップS478)。
【0184】次いで、所定期間計測用カウンタの値を−
1し(ステップS479)、その値が0になっていなけ
ればステップS461に戻る。
【0185】以上の処理によって、所定期間内に賞球カ
ウントスイッチ301Aがオンしたら、総賞球数格納バ
ッファの値が−1される。バックアップRAMの内容を
保存するための処理は、このようなスイッチ検出処理の
後で行われるので、払出が完了した賞球について、必ず
総賞球数格納バッファが−1される。従って、遊技球の
払出に関して、保存される制御状態に矛盾が生じてしま
うことが防止される。また、上記のスイッチ検出処理で
は、検出期間用カウンタを用いたタイマ処理が施されて
いる。すなわち、2ms毎に賞球カウントスイッチ30
1Aの検出出力のチェックが行われ、2回連続してオン
検出した場合に、賞球カウントスイッチ301Aが確実
にオンしたと見なされる。従って、誤ってスイッチオン
検出がなされてしまうことは防止される。また、スイッ
チ検出処理において、遊技機外部への賞球情報出力のた
めの賞球情報出力回数カウンタの演算も行われるので、
外部に出力される賞球情報と実際の払出賞球数とが食い
違ってしまうようなこともない。
【0186】なお、この実施の形態では、賞球カウント
スイッチ301Aのみのスイッチ検出処理が行われた
が、始動入賞口のスイッチや大入賞口に関連するV入賞
スイッチ22やカウントスイッチについても同様のスイ
ッチ検出処理を行ってもよい。また、他の入賞について
も同様のスイッチ検出処理を行ってもよい。そのような
オンチェックも行う場合には、入賞口に遊技球が入賞し
た直後に停電が発生したような場合でも、その入賞が確
実に検出され、保存される遊技状態に反映される。
【0187】所定期間が経過すると(ステップS48
0)、すなわち、所定期間計測用カウンタの値が0にな
ると、バックアップあり指定値(この例では「55
H」)をバックアップフラグにストアする(ステップS
481)。バックアップフラグはバックアップRAM領
域に形成されている。次いで、パリティデータを作成す
る(ステップS482〜S491)。すなわち、まず、
クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセ
ットし(ステップS482)、チェックサム算出開始ア
ドレスをポインタにセットする(ステップS483)。
また、チェックサム算出回数をセットする(ステップS
484)。
【0188】そして、チェックサムデータエリアの内容
とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を
演算する(ステップS485)。演算結果をチェックサ
ムデータエリアにストアするとともに(ステップS48
6)、ポインタの値を1増やし(ステップS487)、
チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS4
88)。ステップS485〜S488の処理が、チェッ
クサム算出回数の値が0になるまで繰り返される(ステ
ップS489)。
【0189】チェックサム算出回数の値が0になった
ら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の
各ビットの値を反転する(ステップS490)。そし
て、反転後のデータをチェックサムデータエリアにスト
アする(ステップS491)。このデータが、電源投入
時にチェックされるパリティデータとなる。次いで、R
AMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ス
テップS492)。以後、内蔵RAM55のアクセスが
できなくなる。
【0190】なお、この実施の形態では、遊技制御処理
において用いられるデータが格納されるRAM領域は全
て電源バックアップされている。従って、その内容が正
しく保存されているか否かを示すチェックサムの生成処
理、およびその内容を書き換えないようにするためのR
AMアクセス防止処理が、遊技状態を保存するための処
理に相当する。
【0191】内蔵RAM55のアクセスを禁止する処理
を実行すると、CPU56は、待機状態(ループ状態)
に入る。従って、システムリセットされるまで、何もし
ない状態になる。
【0192】なお、この実施の形態では、NMIに応じ
て電力供給停止時処理が実行されたが、電源断信号をC
PU56のマスク可能端子に接続し、マスク可能割込処
理によって電力供給停止時処理を実行してもよい。ま
た、電源断信号を入力ポートに入力し、入力ポートのチ
ェック結果に応じて電力供給停止時処理を実行してもよ
い。
【0193】また、この実施の形態では、電源断信号に
応じて起動される処理の最初にレジスタの保存処理が行
われたが、スイッチ検出処理においてレジスタを使用し
ない場合には、スイッチ検出処理の実行後に、すなわ
ち、バックアップフラグの設定とチェックサムの算出の
処理の前にレジスタ保存処理を行うことができる。その
場合には、レジスタ保存処理、バックアップフラグ設定
処理、およびチェックサム算出処理を電力供給停止時処
理と見なすことができる。さらに、スイッチ検出処理に
おいて幾つかのレジスタを使用する場合であっても、使
用しないレジスタについては、バックアップフラグの設
定とチェックサムの算出の処理の前にレジスタ保存処理
を行うことができる。
【0194】図32は、払出検出手段からの検出信号の
入力処理が実行される様子の一例を示すタイミング図で
ある。この実施の形態では、電源断信号は、主基板31
および払出制御基板37に入力され、主基板31のCP
U56および払出制御用CPU371のNMI端子に入
力される。主基板31のCPU56は、マスク不能割込
処理によって、上述した電力供給停止時処理を実行す
る。
【0195】図32に示すように、電源断信号がオン
(この例ではハイレベルからローレベルに変化)するあ
たりで賞球払出が実行された場合、払出検出手段からの
検出信号の入力処理が実行される所定期間内で賞球カウ
ントスイッチ301Aがオンする。従って、電源断信号
がオンするあたりで実行された球払出についても、電力
供給停止時処理が実行される際に、総賞球数バッファに
反映することができる。
【0196】VSLの電圧値がさらに低下して所定値(こ
の例では+9V)にまで低下すると、図11に示された
ように主基板31搭載されているリセットIC651の
出力がローレベルになり、CPU56がシステムリセッ
ト状態になる。なお、CPU56は、システムリセット
状態とされる前に、電力供給停止時処理を完了してい
る。
【0197】VSLの電圧値がさらに低下してVcc(各種
回路を駆動するための+5V)を生成することが可能な
電圧を下回ると、各基板において各回路が動作できない
状態となる。しかし、主基板31では、電力供給停止時
処理が実行され、CPU56がシステムリセット状態と
されている。
【0198】なお、後述するように、払出制御基板37
における払出制御用CPU371も、同様に電力供給停
止時処理を行った後にシステムリセット状態になる。
【0199】上記の実施の形態のパチンコ遊技機1は、
始動入賞にもとづいて可変表示部9に可変表示される特
別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所
定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ
遊技機であったが、始動入賞にもとづいて可変表示され
る図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開
放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発
生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本
発明を適用できる。
【0200】図33は、第3種パチンコ遊技機の遊技領
域7の一例を示す説明図である。この例では、始動入賞
口30Aに入賞があると可変表示部9において、図柄の
可変表示が開始される。そして、図柄の停止図柄が所定
の図柄の組み合わせになると、権利発生用電動役物30
Bが所定期間開放して入賞しやすい状態になる。その状
態で、権利発生用電動役物30Bへの入賞により権利が
発生すると、モータ等で駆動されるロータ30Cに入っ
た遊技球が大入賞口30Dの始動口スイッチに導かれ、
その始動口スイッチで検出されると大入賞口30Dが開
放される。なお、始動入賞口30A、権利発生用電動役
物30B、ロータ30Cおよび大入賞口30Dに入賞し
た遊技球を検出するそれぞれのスイッチが設けられてい
る。
【0201】このような第3種パチンコ遊技機におい
て、停電等の発生に応じて制御状態を保存するように構
成した場合にも、例えば電源断信号に応じて起動される
処理で、まず、出力ポートのクリア処理でロータ30C
を駆動するモータ等を停止する。そして、ロータ30C
によって始動口スイッチ(ロータ30Cに入った遊技球
を検出するスイッチ)に導かれた遊技球は、電源が断す
ることが検出された後でも所定期間スイッチ検出処理が
実行されるので、始動口スイッチで検出可能である。従
って、電源が復旧したときに、大入賞口30Dの作動条
件が成立することが保証される。この場合、所定期間
は、ロータ30Cの遊技球を保持する部位から始動口ス
イッチまで遊技球が移動するまでの時間以上の期間であ
る。また、権利発生用電動役物30Bに設けられている
スイッチについても、電源が断することが検出された後
でも所定期間検出処理が実行されることによって、不当
な権利消滅を防止することができる。
【0202】なお、電源断信号の発生に応じて起動され
る処理におけるスイッチ検出処理において全てのスイッ
チの検出を行う場合には、図17に示されたスイッチ処
理を、所定期間中に呼び出すようにしてもよい。そし
て、そのように構成した場合には、スイッチタイマ値が
オン判定値に達した場合の処理も行う。例えば、入賞球
スイッチのスイッチタイマ値がオン判定値に達したら賞
球個数を設定するための処理を行ったり(15個カウン
タのインクリメント等)、V入賞スイッチ22のスイッ
チタイマ値がオン判定値に達したらV入賞があった旨の
フラグを設定する等の処理を行う。
【0203】以下、遊技状態復旧処理について説明す
る。図34は、図13のステップS10に示された遊技
状態復旧処理の一例を示すフローチャートである。この
例では、CPU56は、バックアップRAMに保存され
ていた値を各レジスタに復元する(ステップS91)。
そして、バックアップRAMに保存されていたデータに
もとづいて停電時の遊技状態を確認して復帰させる。す
なわち、バックアップRAMに保存されていたデータに
もとづいて、ソレノイド回路59を介してソレノイド1
6やソレノイド21を駆動し、始動入賞口14や開閉板
20の開閉状態の復旧を行う(ステップS92,S9
3)。また、電源断中でも保存されていた特別図柄プロ
セスフラグおよび普通図柄プロセスフラグの値に応じ
て、電源断時の特別図柄プロセス処理の進行状況および
普通図柄プロセス処理の進行状況に対応した制御コマン
ドを、図柄制御基板80、ランプ制御基板35および音
声制御基板70に送出する(ステップS94)。
【0204】以上のように、遊技状態復旧処理では、復
元された内部状態に応じて、各種電気部品の状態復元が
行われるとともに、図柄制御基板80、ランプ制御基板
35および音声制御基板70に対して、制御状態を電源
断時の状態に戻すための制御コマンド(電源断時の制御
状態を生じさせるための制御コマンド)が送出される。
そのような制御コマンドは、一般に、電源断前に最後に
送出された1つまたは複数の制御コマンドである。
【0205】遊技状態を電源断時の状態に復帰させる
と、この実施の形態では、CPU56は、前回の電源断
時の割込許可/禁止状態を復帰させるため、バックアッ
プRAMに保存されていたパリティフラグの値を確認す
る(ステップS95)。パリティフラグがオフ状態であ
れば、割込許可設定を行う(ステップS96)。しか
し、パリティフラグがオン状態であれば、そのまま(ス
テップS1で設定された割込禁止状態のまま)遊技状態
復旧処理を終了する。パリティフラグがオン状態である
ということは、図29におけるステップS452に示さ
れたように、前回の電源断時に割込禁止状態であったこ
とを意味する。従って、パリティフラグがオン状態であ
る場合には、割込許可はなされない。
【0206】この実施の形態では、上述した遊技状態復
旧処理によって、以下のような状態復旧が可能である。
【0207】始動入賞口14および大入賞口(開閉板2
0)の状態が復元される。表示制御手段によって制御さ
れる普通図柄の表示状態(可変表示器10の表示状態)
は、電源断時に変動中であった場合を除いて復元され
る。表示制御手段によって制御される特別図柄の表示状
態(可変表示部9の表示状態)は、電源断時に変動中で
あった場合を除いて復元される。さらに、可変表示部9
に表示される背景やキャラクタは、特別図柄変動中およ
び大当り遊技中であった場合を除いて復元される。
【0208】特別図柄の変動中に電源断となった場合に
は、可変表示パターンの変動時間(例えば10秒)およ
び既に実行した時間(例えば4秒)の情報がバックアッ
プされる。そして、主基板31は、復旧時に、表示パタ
ーンを示す表示制御コマンドおよび停止図柄を示す表示
制御コマンドを表示制御基板80に出力し、残り時間
(上述の例では6秒)経過後に、図柄を停止させるため
表示制御コマンドを出力する。従って、特別図柄の表示
状態は、電源断時に特別図柄の変動中であった場合に
は、復旧時に、表示されていない残りの時間(上述の例
では6秒)につき可変表示が実行される。なお、復旧時
に表示制御基板80に対して出力される表示パターンを
示す表示制御コマンドは、電源断前に出力された表示パ
ターンを示す表示制御コマンドと同じものであってもよ
いが、「停電復旧中です」のような画像を表示させるた
めのコマンドとしてもよい。この場合、「停電復旧中で
す」の表示は、残りの時間(上述の例では6秒)表示さ
れる。なお、特別図柄の変動中に電源断となった場合
の、普通図柄の表示状態にについても、上述と同様の制
御が行われる。
【0209】なお、大当り遊技中に電源断となった場合
にも、上述した特別図柄の変動中に電源断となった場合
と同様に、ラウンド中あるいはラウンド間のインターバ
ルの残り時間について、復旧時に、表示、音、ランプ、
ソレノイド21などを制御するが、主基板31は、表示
制御基板80に対して電源断前に出力した確定時の図柄
(停止図柄)を指定する表示制御コマンドを出力する。
これにより、ラウンド中あるいはラウンド間の大当り図
柄による演出が可能となり(大当り図柄で大当り演出す
る機種について)、また、大当り終了後の変動開始時に
表示する図柄も表示制御基板80が認識することができ
る。
【0210】ランプ制御手段が制御する装飾ランプ2
5、始動記憶表示器18、ゲート通過記憶表示器41、
賞球ランプ51および球切れランプ52の表示状態が復
元される。遊技効果ランプ・LED28a,28b,2
8cの表示状態は、特別図柄変動中および大当り遊技中
であった場合を除いて復元される。ただし、電源断時に
大当り遊技中であった場合には、各制御区間の最初の状
態に復元可能である。各制御区間とは、例えば、大当り
開始報知状態、大入賞口開放前状態、大入賞口開放中状
態、大当り終了報知状態である。なお、特別図柄変動中
に電源断となったあと復旧した場合には、上述した可変
表示部9や可変表示装置10の表示制御と同様に、残り
時間分だけ遊技効果ランプ・LED28a,28b,2
8cの表示状態を制御するようにしてもよいが、消灯ま
たは停電復旧時特有のパターンで点灯/点滅させるよう
にしてもよい。
【0211】音声制御手段が制御する音発生状態は、特
別図柄変動中および大当り遊技中であった場合を除いて
復元される。ただし、電源断時に大当り遊技中であった
場合には、各制御区間の最初の状態に復元可能である。
なお、特別図柄変動中に電源断となったあと復旧した場
合には、上述した可変表示部9や可変表示装置10の表
示制御と同様に、残り時間分だけ音発生状態を制御する
ようにしてもよいが、無音または停電復旧時特有の音声
パターン(例えば「停電復旧中です」との音声)を出力
するようにしてもよい。
【0212】なお、この実施の形態では、電源断からの
復旧時に、主基板31の遊技制御手段から表示制御手
段、ランプ制御手段および音声制御手段に対して状態復
元のための制御コマンドが送出されるが、表示制御手
段、ランプ制御手段および音声制御手段が電源バックア
ップされる場合には、主基板31からの制御コマンドを
用いることなく、表示制御手段、ランプ制御手段および
音声制御手段が独自に制御状態を復元するように構成し
てもよい。
【0213】また、後述するように、払出制御基板37
に搭載されている払出制御手段は、電源バックアップさ
れているので、電源断からの復旧時に、賞球払出状態お
よび球貸し制御状態は、電源断時の状態(電圧低下を検
出したときから所定時間が経過したあとの状態)に復旧
する。この実施の形態では、発射制御基板は払出制御手
段に接続されているので、発射制御基板91における制
御状態も同様に復元される。
【0214】なお、上記の実施の形態では、遊技制御手
段において、データ保存処理および復旧処理が行われる
場合について説明したが、払出制御手段、音声制御手
段、ランプ制御手段および表示制御手段におけるRAM
の一部も電源バックアップされ、払出制御手段、表示制
御手段、音制御手段およびランプ制御手段も、上述した
ような処理を行ってもよい。ただし、払出制御手段、表
示制御手段、音制御手段およびランプ制御手段は、復旧
時にコマンド送出処理を行う必要はない。
【0215】次に、遊技制御手段以外の電気部品制御手
段においてデータ保存処理および復旧処理が行われる場
合の例として、払出制御手段においてデータ保存や復旧
が行われる場合について説明する。
【0216】図35は、払出制御用CPU371周りの
一構成例を示すブロック図である。図35に示すよう
に、電源基板910の電源監視回路(電源監視手段)か
らの電源断信号が、バッファ回路960を介して払出制
御用CPU371のマスク不能割込端子(XNMI端
子)に接続されている。従って、払出制御用CPU37
1は、マスク不能割込処理によって電源断の発生を確認
することができる。
【0217】払出制御用CPU371のCLK/TRG
2端子には、主基板31からのINT信号が接続されて
いる。CLK/TRG2端子にクロック信号が入力され
ると、払出制御用CPU371に内蔵されているタイマ
カウンタレジスタCLK/TRG2の値がダウンカウン
トされる。そして、レジスタ値が0になると割込が発生
する。従って、タイマカウンタレジスタCLK/TRG
2の初期値を「1」に設定しておけば、INT信号の入
力に応じて割込が発生することになる。
【0218】払出制御基板37には、システムリセット
回路975も搭載されているが、この実施の形態では、
システムリセット回路975におけるリセットIC97
6は、電源投入時に、外付けのコンデンサに容量で決ま
る所定時間だけ出力をローレベルとし、所定時間が経過
すると出力をハイレベルにする。また、リセットIC9
76は、VSLの電源電圧を監視して電圧値が所定値(例
えば+9V)以下になると出力をローレベルにする。従
って、電源断時には、リセットIC976からの信号が
ローレベルになることによって払出制御用CPU371
がシステムリセットされる。
【0219】リセットIC976が電源断を検知するた
めの所定値は、通常時の電圧より低いが、払出制御用C
PU371が暫くの間動作しうる程度の電圧である。ま
た、リセットIC976が、払出制御用CPU371が
必要とする電圧(この例では+5V)よりも高い電圧を
監視するように構成されているので、払出制御用CPU
371が必要とする電圧に対して監視範囲を広げること
ができる。従って、より精密な監視を行うことができ
る。
【0220】+5V電源から電力が供給されていない
間、払出制御用CPU371の内蔵RAMの少なくとも
一部は、電源基板から供給されるバックアップ電源がバ
ックアップ端子に接続されることによってバックアップ
され、遊技機に対する電源が断しても内容は保存され
る。そして、+5V電源が復旧すると、システムリセッ
ト回路975からリセット信号が発せられるので、払出
制御用CPU371は、通常の動作状態に復帰する。そ
のとき、必要なデータがバックアップされているので、
停電等からの復旧時には停電発生時の払出制御状態に復
帰することができる。
【0221】なお、図35に示すように、スイッチ基板
190に搭載されたクリアスイッチ921の出力信号
が、論理を反転させるバッファ回路372A、および入
力ポート372を介して入力される。なお、入力ポート
372には、本例では、バッファ回路372Aを介し
て、賞球カウントスイッチ301Aおよび球貸しカウン
トスイッチ301Bの各スイッチの出力信号も入力され
ている。このような構成によれば、クリアスイッチ92
1の切換により出力信号がクリアスイッチ信号(ローレ
ベル信号)とされていると、クリアスイッチ信号が反転
(なお、バッファ回路372Aがクリアスイッチ信号を
反転して出力した信号を、クリアスイッチ信号と呼ぶこ
とがある。)されて払出制御用CPU371に与えられ
るので、払出制御用CPU371により後述する初期化
処理が行われる。
【0222】なお、図35に示された構成では、システ
ムリセット回路975は、電源投入時に、コンデンサの
容量で決まる期間のローレベルを出力し、その後ハイレ
ベルを出力する。すなわち、リセット解除タイミングは
1回だけである。しかし、図11に示された主基板31
の場合と同様に、複数回のリセット解除タイミングが発
生するような回路構成を用いてもよい。
【0223】図36は、この実施の形態における出力ポ
ートの割り当てを示す説明図である。図36に示すよう
に、出力ポートC(アドレス00H)は、払出モータ2
89に出力される駆動信号の出力ポートである。また、
出力ポートD(アドレス01H)は、7セグメントLE
Dであるエラー表示LED374に出力される表示制御
信号の出力ポートである。そして、出力ポートE(アド
レス02H)は、振分ソレノイド310に出力される駆
動信号、およびカードユニット50に対するEXS信号
とPRDY信号とを出力するための出力ポートである。
【0224】図37は、この実施の形態における入力ポ
ートのビット割り当てを示す説明図である。図37に示
すように、入力ポートA(アドレス06H)は、主基板
31から送出された払出制御コマンドの8ビットの払出
制御信号を取り込むための入力ポートである。また、入
力ポートB(アドレス07H)のビット0〜2には、そ
れぞれ、賞球カウントスイッチ301A、球貸しカウン
トスイッチ301B、モータ位置センサの検出信号が入
力される。ビット3〜5には、カードユニット50から
のBRDY信号、BRQ信号およびVL信号が入力され
る。ビット6には、クリアスイッチ921の出力信号が
入力される。
【0225】図38は、払出制御用CPU371のメイ
ン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、
払出制御用CPU371は、まず、必要な初期設定を行
う。すなわち、払出制御用CPU371は、まず、割込
禁止に設定する(ステップS701)。次に、割込モー
ドを割込モード2に設定し(ステップS702)、スタ
ックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定す
る(ステップS703)。また、払出制御用CPU37
1は、内蔵デバイスレジスタの初期化を行い(ステップ
S704)、CTCおよびPIOの初期化(ステップS
705)を行った後に、RAMをアクセス可能状態に設
定する(ステップS706)。
【0226】この実施の形態では、内蔵CTCのうちの
一つのチャネルがタイマモードで使用される。従って、
ステップS704の内蔵デバイスレジスタの設定処理お
よびステップS705の処理において、使用するチャネ
ルをタイマモードに設定するためのレジスタ設定、割込
発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを
設定するためのレジスタ設定が行われる。そして、その
チャネルによる割込がタイマ割込として用いられる。タ
イマ割込を例えば2ms毎に発生させたい場合は、初期
値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定
数レジスタ)に設定される。
【0227】なお、タイマモードに設定されたチャネル
(この実施の形態ではチャネル3)に設定される割込ベ
クタは、タイマ割込処理の先頭番地に相当するものであ
る。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタ
とでタイマ割込処理の先頭番地が特定される。タイマ割
込処理ではタイマ割込フラグがセットされ、メイン処理
でタイマ割込フラグがセットされていることが検知され
ると、払出制御処理が実行される。すなわち、タイマ割
込処理では、電気部品制御処理の一例である払出制御処
理を実行するための設定がなされる。
【0228】また、内蔵CTCのうちの他の一つのチャ
ネル(この実施の形態ではチャネル2)が、遊技制御手
段からの払出制御コマンド受信のための割込発生用のチ
ャネルとして用いられ、そのチャネルがカウンタモード
で使用される。従って、ステップS704の内蔵デバイ
スレジスタの設定処理およびステップS705の処理に
おいて、使用するチャネルをカウンタモードに設定する
ためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジス
タ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設定
が行われる。
【0229】カウンタモードに設定されたチャネル(チ
ャネル2)に設定される割込ベクタは、後述するコマン
ド受信割込処理の先頭番地に相当するものである。具体
的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとでコマ
ンド受信割込処理の先頭番地が特定される。
【0230】この実施の形態では、払出制御用CPU3
71でも割込モード2が設定される。従って、内蔵CT
Cのカウントアップにもとづく割込処理を使用すること
ができる。また、CTCが送出した割込ベクタに応じた
割込処理開始番地を設定することができる。
【0231】CTCのチャネル2(CH2)のカウント
アップにもとづく割込は、上述したタイマカウンタレジ
スタCLK/TRG2の値が「0」になったときに発生
する割込である。従って、例えばステップS705にお
いて、特定レジスタとしてのタイマカウンタレジスタC
LK/TRG2に初期値「1」が設定される。また、C
TCのチャネル3(CH3)のカウントアップにもとづ
く割込は、CPUの内部クロック(システムクロック)
をカウントダウンしてレジスタ値が「0」になったら発
生する割込であり、後述する2msタイマ割込として用
いられる。具体的には、CH3のレジスタ値はシステム
クロックの1/256周期で減算される。ステップS7
05において、CH3のレジスタには、初期値として2
msに相当する値が設定される。
【0232】CTCのCH2のカウントアップにもとづ
く割込は、CH3のカウントアップにもとづく割込より
も優先順位が高い。従って、同時にカウントアップが生
じた場合に、CH2のカウントアップにもとづく割込、
すなわち、コマンド受信割込処理の実行契機となる割込
の方が優先される。
【0233】次いで、払出制御用CPU371は、入力
ポート372を介して入力されるクリアスイッチ921
の出力信号の状態を、本例では1回だけ所定期間(例え
ば、0.001秒)確認する(ステップS707)。ク
リアスイッチ921がオン(クリアスイッチ921が押
下されている状態)である場合には、ローレベルのクリ
アスイッチ信号が出力されている。従って、払出制御用
CPU371は、クリアスイッチ921がオンとされて
いれば、通常の初期化処理を実行する(ステップS71
1〜ステップS713)。なお、CPU56がクリアス
イッチ921の出力信号の状態を2回以上確認する構成
としてもよい。
【0234】クリアスイッチ921がオンの状態でなけ
れば(すなわち、クリアスイッチ921が押下されてい
ない状態であれば)、払出制御用CPU371は、払出
制御用のバックアップRAM領域にバックアップデータ
が存在しているか否かの確認を行う(ステップS70
8)。すなわち、例えば、主基板31のCPU56の処
理と同様に、電源断時にセットされるバックアップフラ
グがセット状態になっているか否かによって、バックア
ップデータが存在しているか否か確認する。バックアッ
プフラグがセット状態になっている場合には、バックア
ップデータありと判断する。
【0235】バックアップありを確認したら、払出制御
用CPU371は、バックアップRAM領域のデータチ
ェック(この例ではパリティチェック)を行う。不測の
電源断が生じた後に復旧した場合には、バックアップR
AM領域のデータは保存されていたはずであるから、チ
ェック結果は正常になる。チェック結果が正常でない場
合には、内部状態を電源断時の状態に戻すことができな
いので、停電復旧時でない電源投入時に実行される初期
化処理を実行する。
【0236】チェック結果が正常であれば(ステップS
709)、払出制御用CPU371は、内部状態を電源
断時の状態に戻すための払出状態復旧処理を行う(ステ
ップS710)。そして、バックアップRAM領域に保
存されていたPC(プログラムカウンタ)の指すアドレ
スに復帰する。
【0237】このように、クリアスイッチ921の操作
状態に応じて電源断時の遊技状態に復旧するか否かの判
断を行うようにし、その際、クリアスイッチ921がオ
ン状態であれば、遊技状態復旧処理は実行されず、通常
の初期化処理を実行する構成としたので、遊技店員等
は、遊技機の電源供給再開時に、クリアスイッチ921
を操作することによって、バックアップデータ記憶領域
(変動データ記憶手段)に記憶されているバックアップ
データにもとづく遊技状態復旧処理を実行するか否かを
選択することができる。従って、電源断が発生しても遊
技者に不利益がもたらされることを防止することができ
るとともに、遊技店での遊技機運用上の利便性を向上さ
せることもできる遊技機が提供される。
【0238】なお、電源投入時に、変動データ記憶手段
にバックアップデータが記憶されていない場合に実行さ
れる初期化処理と、変動データ記憶手段にバックアップ
データが記憶されていてもクリアスイッチ921がオフ
状態である場合に実行される初期化処理とは、プログラ
ム上兼用されている。従って、遊技店での運用上の利便
性を向上させる制御を付加しても、プログラム容量はさ
ほど増えない。
【0239】初期化処理では、払出制御用CPU371
は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS71
1)。そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかる
ように払出制御用CPU371に設けられているCTC
のレジスタの設定が行われる(ステップS712)。す
なわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジ
スタ(時間定数レジスタ)に設定される。そして、初期
設定処理のステップS701において割込禁止とされて
いるので、初期化処理を終える前に割込が許可される
(ステップS713)。
【0240】この実施の形態では、払出制御用CPU3
71の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生するよう
に設定される。この実施の形態では、繰り返し周期は2
msに設定される。そして、タイマ割込が発生すると、
図39に示すように、払出制御用CPU371は、例え
ばタイマ割込が発生したことを示すタイマ割込フラグを
セットする(ステップS721)。なお、図39には割
込を許可することも明示されているが(ステップS72
0)、2msタイマ割込処理では、最初に割込許可状態
に設定される。すなわち、2msタイマ割込処理中には
割込許可状態になってので、INT信号の入力にもとづ
く払出制御コマンド受信処理を優先して実行することが
できる。
【0241】払出制御用CPU371は、ステップS7
24において、タイマ割込フラグがセットされたことを
検出するとステップS751以降の払出制御処理を実行
する。以上の制御によって、この実施の形態では、払出
制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、こ
の実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットの
みがなされ、払出制御処理はメイン処理において実行さ
れるが、タイマ割込処理で払出制御処理を実行してもよ
い。
【0242】払出制御処理において、払出制御用CPU
371は、まず、中継基板72を介して入力ポート37
2bに入力される賞球カウントスイッチ301A、球貸
しカウントスイッチ301Bがオンしたか否かを判定す
る(スイッチ処理:ステップS751)。
【0243】次に、払出制御用CPU371は、センサ
(例えば、払出モータ289の回転数を検出するモータ
位置センサ)からの信号入力状態を確認してセンサの状
態を判定する等の処理を行う(入力判定処理:ステップ
S752)。払出制御用CPU371は、さらに、受信
した払出制御コマンドを解析し、解析結果に応じた処理
を実行する(コマンド解析実行処理:ステップS75
3)。
【0244】次いで、払出制御用CPU371は、主基
板31から払出停止指示コマンドを受信していたら払出
停止状態に設定し、払出開始指示コマンドを受信してい
たら払出停止状態の解除を行う(ステップS754)。
また、プリペイドカードユニット制御処理を行う(ステ
ップS755)。
【0245】次いで、払出制御用CPU371は、球貸
し要求に応じて貸し球を払い出す制御を行う(ステップ
S756)。このとき、払出制御用CPU371は、振
分ソレノイド310によって球振分部材311を球貸し
側に設定する。
【0246】さらに、払出制御用CPU371は、総合
個数記憶に格納された個数の賞球を払い出す賞球制御処
理を行う(ステップS757)。このとき、払出制御用
CPU371は、振分ソレノイド310によって球振分
部材311を賞球側に設定する。そして、出力ポート3
72cおよび中継基板72を介して球払出装置97の払
出機構部分における払出モータ289に対して駆動信号
を出力し、所定の回転数分払出モータ289を回転させ
る払出モータ制御処理を行う(ステップS758)。
【0247】なお、この実施の形態では、払出モータ2
89としてステッピングモータが用いられ、それらを制
御するために1−2相励磁方式が用いられる。従って、
具体的には、払出モータ制御処理において、8種類の励
磁パターンデータが繰り返し払出モータ289に出力さ
れる。また、この実施の形態では、各励磁パターンデー
タが4msずつ出力される。
【0248】次いで、エラー検出処理が行われ、その結
果に応じてエラー表示LED374に所定の表示を行う
(エラー処理:ステップS759)。
【0249】なお、出力ポートCは、払出制御処理にお
ける払出モータ制御処理(ステップS758)でアクセ
スされる。また、出力ポートDは、払出制御処理におけ
るエラー処理(ステップS759)でアクセスされる。
そして、出力ポートEは、払出制御処理における球貸し
制御処理(ステップS756)および賞球制御処理(ス
テップS757)でアクセスされる。
【0250】図40は、払出制御用CPU371が内蔵
するRAMの使用例を示す説明図である。この例では、
バックアップRAM領域に、総合個数記憶(例えば2バ
イト)と貸し球個数記憶とがそれぞれ形成されている。
総合個数記憶は、主基板31の側から指示された賞球払
出個数の総数を記憶するものである。貸し球個数記憶
は、未払出の球貸し個数を記憶するものである。
【0251】このように、未払出の賞球個数と貸し球個
数とが、所定期間はその内容を保持可能なバックアップ
RAM領域に記憶されるので、停電等の不測の電源断が
生じても、所定期間内に電源復旧すれば、バックアップ
RAM領域に記憶される賞球処理および球貸し処理を続
行できる。従って、遊技者に与えられる不利益を低減す
ることができる。
【0252】図41は、主基板31から受信した払出制
御コマンドを格納するための受信バッファの一構成例を
示す説明図である。この例では、2バイト構成の払出制
御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式の受信
バッファが用いられる。従って、受信バッファは、確定
コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成さ
れる。そして、受信したコマンドをどの領域に格納する
のかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コ
マンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。
【0253】図42は、割込処理による払出制御コマン
ド受信処理を示すフローチャートである。主基板31か
らの払出制御用のINT信号は払出制御用CPU371
のCLK/TRG2端子に入力されている。よって、主
基板31からのINT信号がオン状態になると、初期値
として「1」が設定されていたタイマカウンタレジスタ
CLK/TRG2の値が0になって払出制御用CPU3
71において割込がかかる。そして、図42に示す払出
制御コマンドの受信処理が開始される。なお、払出制御
コマンド受信処理の開始番地は、内蔵CTCから出力さ
れる割込ベクタとIレジスタに設定された値とで決定さ
れる番地である。また、タイマカウンタレジスタCLK
/TRG2の値が0になると、その値は自動的に初期値
(この例では「1」)に戻される。
【0254】払出制御コマンドの受信処理において、払
出制御用CPU371は、まず、各レジスタをスタック
に退避する(ステップS850)。なお、割込が発生す
るとCPU371は自動的に割込禁止状態に設定する
が、自動的に割込禁止状態にならないCPUを用いてい
る場合には、ステップS850の処理の実行前に割込禁
止命令(DI命令)を発行することが好ましい。次い
で、払出制御コマンドデータの入力に割り当てられてい
る入力ポート372aからデータを読み込む(ステップ
S851)。そして、2バイト構成の払出制御コマンド
のうちの1バイト目であるか否か確認する(ステップS
852)。1バイト目であるか否かは、受信したコマン
ドの先頭ビットが「1」であるか否かによって確認され
る。先頭ビットが「1」であるのは、2バイト構成であ
る払出制御コマンドのうちのMODEバイト(1バイト
目)のはずである(図25参照)。そこで、払出制御用
CPU371は、先頭ビットが「1」であれば、有効な
1バイト目を受信したとして、受信したコマンドを受信
バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタが示す
確定コマンドバッファに格納する(ステップS85
3)。
【0255】払出制御コマンドのうちの1バイト目でな
ければ、1バイト目を既に受信したか否か確認する(ス
テップS854)。既に受信したか否かは、受信バッフ
ァ(確定コマンドバッファ)に有効なデータが設定され
ているか否かによって確認される。
【0256】1バイト目を既に受信している場合には、
受信した1バイトのうちの先頭ビットが「0」であるか
否か確認する。そして、先頭ビットが「0」であれば、
有効な2バイト目を受信したとして、受信したコマンド
を、受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウン
タ+1が示す確定コマンドバッファに格納する(ステッ
プS855)。先頭ビットが「0」であるのは、2バイ
ト構成である払出制御コマンドのうちのEXTバイト
(2バイト目)のはずである(図25参照)。なお、ス
テップS854における確認結果が1バイト目を既に受
信したである場合には、2バイト目として受信したデー
タのうちの先頭ビットが「0」でなければ処理を終了す
る。
【0257】ステップS855において、2バイト目の
コマンドデータを格納すると、コマンド受信個数カウン
タに2を加算する(ステップS856)。そして、コマ
ンド受信カウンタが12以上であるか否か確認し(ステ
ップS857)、12以上であればコマンド受信個数カ
ウンタをクリアする(ステップS858)。その後、退
避されていたレジスタを復帰し(ステップS859)、
割込許可に設定する(ステップS859)。
【0258】コマンド受信割込処理中は割込禁止状態に
なっている。上述したように、2msタイマ割込処理中
は割込許可状態になっているので、2msタイマ割込中
にコマンド受信割込が発生した場合には、コマンド受信
割込処理が優先して実行される。また、コマンド受信割
込処理中に2msタイマ割込が発生しても、その割込処
理は待たされる。このように、この実施の形態では、主
基板31からのコマンド受信処理の処理優先度が高くな
っている。
【0259】なお、払出制御コマンドは2バイト構成で
あって、1バイト目(MODE)と2バイト目(EX
T)とは、受信側で直ちに区別可能に構成されている。
すなわち、先頭ビットによって、MODEとしてのデー
タを受信したのかEXTとしてのデータを受信したのか
を、受信側において直ちに検出できる。よって、上述し
たように、適正なデータを受信したのか否かを容易に判
定することができる。
【0260】図43は、ステップS753のコマンド解
析実行処理の一例を示すフローチャートである。コマン
ド解析実行処理において、払出制御用CPU371は、
確定コマンドバッファ領域中に受信コマンドがあるか否
かの確認を行う(ステップS753a)。受信コマンド
があれば、受信した払出制御コマンドが払出個数指示コ
マンドであるか否かの確認を行う(ステップS753
b)。なお、確定コマンドバッファ領域中に複数の受信
コマンドがある場合には、受信した払出制御コマンドが
払出個数指示コマンドであるか否かの確認は、最も前に
受信された受信された受信コマンドについて行われる。
【0261】受信した払出制御コマンドが払出個数指示
コマンドであれば、払出個数指示コマンドで指示された
個数を総合個数記憶に加算する(ステップS753
c)。すなわち、払出制御用CPU371は、主基板3
1のCPU56から送られた払出個数指示コマンドに含
まれる賞球数をバックアップRAM領域(総合個数記
憶)に記憶する。なお、払出制御用CPU371は、必
要ならば、コマンド受信個数カウンタの減算や確定コマ
ンドバッファ領域における受信コマンドシフト処理を行
う。
【0262】図44は、ステップS754の払出停止状
態設定処理の一例を示すフローチャートである。払出停
止状態設定処理において、払出制御用CPU371は、
確定コマンドバッファ領域中に受信コマンドがあるか否
かの確認を行う(ステップS754a)。確定コマンド
バッファ領域中に受信コマンドがあれば、受信した払出
制御コマンドが払出停止指示コマンドであるか否かの確
認を行う(ステップS754b)。払出停止指示コマン
ドであれば、払出制御用CPU371は、払出停止状態
に設定する(ステップS754c)。
【0263】ステップS754bで受信コマンドが払出
停止指示コマンドでないことを確認すると、受信した払
出制御コマンドが払出開始指示コマンドであるか否かの
確認を行う(ステップS754d)。払出開始指示コマ
ンドであれば、払出停止状態を解除する(ステップS7
54e)。
【0264】図45は、ステップS751のスイッチ処
理の一例を示すフローチャートである。スイッチ処理に
おいて、払出制御用CPU371は、賞球カウントスイ
ッチ301Aがオン状態を示しているか否か確認する
(ステップS751a)。オン状態を示していれば、払
出制御用CPU371は、賞球カウントスイッチオンカ
ウンタを+1する(ステップS751b)。賞球カウン
トスイッチオンカウンタは、賞球カウントスイッチ30
1Aのオン状態を検出した回数を計数するためのカウン
タである。
【0265】そして、賞球カウントスイッチオンカウン
タの値をチェックし、その値が250になっていれば
(ステップS751c)、賞球球詰まりフラグをセット
する(ステップS751d)。つまり、賞球カウントス
イッチ301Aのオン状態が長期間継続した場合に賞球
球詰まりフラグがセットされる。
【0266】また、賞球カウントスイッチオンカウンタ
の値が2になったときには(ステップS751e)、確
実に賞球カウントスイッチ301Aがオンした判断し、
賞球カウントスイッチオンフラグをセットする(ステッ
プS751f)。
【0267】ステップS751aにおいて賞球カウント
スイッチ301Aがオン状態でないことが確認される
と、払出制御用CPU371は、賞球カウントスイッチ
オンフラグをリセットするとともに(ステップS751
h)、賞球カウントスイッチオンカウンタをクリアする
(ステップS751i)。そして、球貸しカウントスイ
ッチ301Bがオン状態を示しているか否か確認する
(ステップS751j)。オン状態を示していれば、払
出制御用CPU371は、球貸しカウントスイッチオン
カウンタを+1する(ステップS751k)。球貸しカ
ウントスイッチオンカウンタは、球貸しカウントスイッ
チ301Bのオン状態を検出した回数を計数するための
カウンタである。
【0268】そして、球貸しカウントスイッチオンカウ
ンタの値をチェックし、その値が250になっていれば
(ステップS751l)、貸し球詰まりフラグをセット
する(ステップS751m)。つまり、球貸しカウント
スイッチ301Bのオン状態が長期間継続した場合に貸
し球球詰まりフラグがセットされる。
【0269】また、球貸しカウントスイッチオンカウン
タの値が2になったときには(ステップS751n)、
確実に球貸しカウントスイッチ301Bがオンした判断
し、球貸しカウントスイッチオンフラグをセットする
(ステップS751o)。
【0270】ステップS751jにおいて球貸しカウン
トスイッチ301Bがオン状態でないことが確認される
と、払出制御用CPU371は、球貸しカウントスイッ
チオンフラグをリセットするとともに(ステップS75
1p)球貸しカウントスイッチオンカウンタをクリアす
る(ステップS751q)。
【0271】図46は、ステップS756の球貸し制御
処理の一例を示すフローチャートである。なお、この実
施の形態では、連続的な払出数の最大値を貸し球の一単
位(例えば25個)とするが、連続的な払出数の最大値
は他の数であってもよい。
【0272】球貸し制御処理において、払出制御用CP
U371は、球貸し停止中であるか否かを確認する(ス
テップS501)。球貸し停止中でなければ、払出制御
用CPU371は、貸し球払出中であるか否かの確認を
行い(ステップS511)、貸し球払出中であれば、ス
テップS518以降の球貸し中の処理に移行する。な
お、貸し球払出中であるか否かは、後述する球貸し処理
中フラグの状態によって判断される。貸し球払出中でな
ければ、払出制御用CPU371は、カードユニット5
0から球貸し要求があったか否かを確認する(ステップ
S512)。要求があれば、球貸し処理中フラグをオン
するとともに(ステップS513)、25(球貸し一単
位数:ここでは100円分)をバックアップRAM領域
の貸し球個数記憶に設定する(ステップS514)。そ
して、払出制御用CPU371は、EXS信号をオンし
て(ステップS515)、球払出装置97の下方の球振
分部材311を球貸し側に設定するために振分用ソレノ
イド310を駆動する(ステップS516)。また、払
出モータ289をオンする(ステップS517)。
【0273】なお、払出モータ289をオンするのは、
厳密には、カードユニット50が受付を認識したことを
示すためにBRQ信号をOFFとしてからである。な
お、球貸し処理中フラグはバックアップRAM領域に設
定される。
【0274】ステップS518において、払出制御用C
PU371は、貸し球通過待ち時間中であるか否かの確
認を行う(ステップS518)。貸し球通過待ち時間中
でなければ、球貸し用センサ(本例では、払出モータ位
置センサ)のチェックを行い(ステップS519)、ま
た、後述する球貸しカウントスイッチチェック処理を行
う(ステップS520)。
【0275】次いで、払出制御用CPU371は、払出
モータ289の駆動を終了すべきか(一単位の払出動作
が終了したか)否かの確認を行う(ステップS52
1)。具体的には、所定個数の払出に対応した回転が完
了したか否かを確認する。所定個数の払出に対応した回
転は、払出モータ位置センサの出力によって監視され
る。所定個数の払出に対応した回転が完了した場合に
は、払出制御用CPU371は、払出モータ289の駆
動を停止し(ステップS522)、貸し球通過待ち時間
の設定を行う(ステップS523)。
【0276】ステップS518で貸し球通過待ち時間中
であれば、払出制御用CPU371は、後述する球貸し
カウントスイッチチェック処理を行うとともに(ステッ
プS524)、貸し球通過待ち時間が終了したか否かの
確認を行う(ステップS525)。貸し球通過待ち時間
は、最後の払出球が払出モータ289によって払い出さ
れてから球貸しカウントスイッチ301Bを通過するま
での時間である。
【0277】貸し球通過待ち時間の終了を確認すると、
一単位の貸し球は全て払い出された状態であるので、振
分用ソレノイド310をオフして、カードユニット50
に対して次の球貸し要求の受付が可能になったことを示
すためにEXS信号をオフにする(ステップS52
6)。また、球貸し処理中フラグをオフする(ステップ
S527)。
【0278】なお、球貸し要求の受付を示すEXS信号
をオフにした後、所定期間内に再び球貸し要求信号であ
るBRQ信号がオンしたら、振分用ソレノイド310、
および払出モータ289をオフせずに球貸し処理を続行
するようにしてもよい。すなわち、所定単位(この例で
は100円単位)毎に球貸し処理を行うのではなく、球
貸し処理を連続して実行するように構成することもでき
る。
【0279】貸し球個数記憶の内容は、遊技機の電源が
断しても、所定期間電源基板910のバックアップ電源
によって保存される。従って、所定期間中に電源が回復
すると、払出制御用CPU371は、貸し球個数記憶の
内容にもとづいて球貸し処理を継続することができる。
【0280】図47は、ステップS520およびS52
4で実行される球貸しカウントスイッチチェック処理を
示すフローチャートである。球貸しカウントスイッチチ
ェック処理は、球貸しカウントスイッチ301Bの状態
を監視して、貸し球個数記憶を減算する処理である。
【0281】球貸しカウントスイッチチェック処理にお
いて、払出制御用CPU371は、まず、球貸しカウン
トスイッチON待ちフラグがセットされているか否か確
認する(ステップS520a)。球貸しカウントスイッ
チON待ちフラグがセットされていれば、球貸しカウン
トスイッチオンフラグがオン状態になるのを待つ(ステ
ップS520b)。なお、球貸しカウントスイッチオン
フラグは、図45に示されたスイッチ処理におけるステ
ップS751oでセットされる。球貸しカウントスイッ
チオンフラグがオン状態になる前にタイマT11がタイ
ムアウトすると球貸し経路エラーフラグをセットする
(ステップS520f,S520g)。球貸しカウント
スイッチ301Bがオンすると、タイマT11を停止し
て(ステップS520c)、球貸しカウントスイッチO
N待ちフラグをリセットする(ステップS520d)。
なお、タイマT11は、球貸しカウントスイッチ301
Bが所定期間内にオンするか否かを確認するためのタイ
マである。
【0282】球貸しカウントスイッチ301Bがオンし
た場合には、球貸しカウントスイッチ301Bがオフす
ることを確認するために、オフを待つ状態であることを
示す球貸しカウントスイッチOFF待ちフラグをセット
する(ステップS520e)。
【0283】従って、払出制御用CPU371は、球貸
しカウントスイッチOFF待ちフラグがオンしていれば
(ステップS520h)、球貸しカウントスイッチオン
フラグがオフするのを待つ(ステップS520k)。球
貸しカウントスイッチオンフラグがオフすると、球貸し
カウントスイッチOFF待ちフラグをリセットする(ス
テップS520l)。そして、1個の遊技球が払い出さ
れたことが検出されたとして、貸し球個数記憶を−1す
る(ステップS520m)。
【0284】ステップS520hで、球貸しカウントス
イッチOFF待ちフラグもオンしていないことを確認し
たら、タイマT11をスタートするとともに(ステップ
S520i)、球貸しカウントスイッチON待ちフラグ
をセットする(ステップS520j)。
【0285】以上のように、この実施の形態では、1個
の遊技球が貸し出されたことを確認する度に、貸し球個
数記憶が−1される。
【0286】図48および図49は、ステップS758
の賞球制御処理の一例を示すフローチャートである。な
お、この例では、連続的な払出数の最大値を貸し球の一
単位と同数(例えば25個)とするが、連続的な払出数
の最大値は他の数であってもよい。
【0287】賞球制御処理において、払出制御用CPU
371は、貸し球払出中であるか否か確認する(ステッ
プS531)。貸し球払出中であるか否かは、球貸し処
理中フラグの状態によって判断される。貸し球払出中で
なければ賞球の払出中であるか否か確認し(ステップS
532)、賞球の払出中であれば図49に示す賞球中の
処理に移行する。賞球の払出中であるか否かは、後述す
る賞球処理中フラグの状態によって判断される。
【0288】貸し球払出中でも賞球払出中でもなけれ
ば、払出制御用CPU371は、カードユニット50か
らの球貸し準備要求があるか否か確認する(ステップS
533)。球貸し準備要求があるか否かは、カードユニ
ット50から入力されるBRDY信号のオン(要求あ
り)またはオフ(要求なし)を確認することによって行
われる。
【0289】カードユニット50からの球貸し準備要求
がなければ、払出制御用CPU371は、総合個数記憶
に格納されている賞球数(未払出の賞球数)が0でない
か否か確認する(ステップS534)。総合個数記憶に
格納されている賞球数が0でなければ、賞球制御用CP
U371は、賞球処理中フラグをオンし(ステップS5
35)、総合個数記憶の値が25以上であるか否か確認
する(ステップS536)。なお、賞球処理中フラグ
は、バックアップRAM領域に設定される。
【0290】総合個数記憶に格納されている賞球数が2
5以上であると、払出制御用CPU371は、25個分
の遊技球を払い出すまで払出モータ289を回転させる
ように払出モータ289に対して駆動信号を出力するた
めに25個払出動作の設定を行う(ステップS53
7)。総合個数記憶に格納されている賞球数が25以上
でなければ、払出制御用CPU371は、総合個数記憶
に格納されている全ての遊技球を払い出すまで払出モー
タ289を回転させるように駆動信号を出力するため
に、全個数払出動作の設定を行う(ステップS53
8)。次いで、球払出装置97の下方の球振分部材31
1を賞球側に設定し(ステップS539)、払出モータ
289をオンする(ステップS540)。そして、図4
9に示す賞球制御処理における賞球払出中の処理に移行
する。
【0291】図49は、払出制御用CPU371による
払出制御処理における賞球中の処理の一例を示すフロー
チャートである。賞球中の処理において、払出制御用C
PU371は、賞球通過待ち時間中であるか否かの確認
を行う(ステップS541)。賞球通過待ち時間中でな
ければ、賞球用センサ(本例では、払出モータ位置セン
サ)のチェックを行い(ステップS542)、また、後
述する賞球カウントスイッチチェック処理を行う(ステ
ップS543)。
【0292】そして、払出制御用CPU371は、払出
モータ289の駆動を終了すべきか(25個または25
個未満の所定の個数の払出動作が終了したか)否かの確
認を行う(ステップS544)。具体的には、所定個数
の払出に対応した回転が完了したか否かを確認する。所
定個数の払出に対応した回転は、払出モータ位置センサ
の出力によって監視される。所定個数の払出に対応した
回転が完了した場合には、払出制御用CPU371は、
払出モータ289の駆動を停止し(ステップS54
5)、賞球通過待ち時間の設定を行う(ステップS54
6)。賞球通過待ち時間は、最後の払出球が払出モータ
289によって払い出されてから賞球カウントスイッチ
301Aを通過するまでの時間である。
【0293】ステップS541において、賞球通過待ち
時間中であれば、払出制御用CPU371は、後述する
賞球カウントスイッチチェック処理を行い(ステップS
547)、賞球通過待ち時間が終了したか否かの確認を
行う(ステップS548)。賞球通過待ち時間が終了し
た時点は、ステップS537またはステップS538で
設定された賞球が全て払い出された状態である。そこ
で、払出制御用CPU371は、賞球処理中フラグをオ
フする(ステップS549)。なお、賞球通過待ち時間
が経過するまでに最後の払出球が賞球カウントスイッチ
301Aを通過しなかった場合には、賞球経路エラーと
される。
【0294】なお、この実施の形態では、ステップS5
31の判断によって球貸しが賞球処理よりも優先される
ことになるが、賞球処理が球貸しに優先するようにして
もよい。
【0295】図50は、ステップS543およびS54
7で実行される賞球カウントスイッチチェック処理を示
すフローチャートである。賞球カウントスイッチチェッ
ク処理は、賞球カウントスイッチ301Aの状態を監視
して、総合個数記憶を減算する処理である。
【0296】賞球カウントスイッチチェック処理におい
て、払出制御用CPU371は、まず、賞球カウントス
イッチON待ちフラグがセットされているか否か確認す
る(ステップS543a)。賞球カウントスイッチON
待ちフラグがセットされていれば、賞球カウントスイッ
チオンフラグがオン状態になるのを待つ(ステップS5
43b)。なお、賞球カウントスイッチオンフラグは、
図45に示されたスイッチ処理におけるステップS75
1fでセットされる。賞球カウントスイッチオンフラグ
がオン状態になる前にタイマT12がタイムアウトする
と賞球経路エラーフラグをセットする(ステップS54
3f,S543g)。賞球カウントスイッチ301Aが
オンすると、タイマT12を停止して(ステップS54
3c)、賞球カウントスイッチON待ちフラグをリセッ
トする(ステップS543d)。タイマT12は、賞球
カウントスイッチ301Aが所定期間内にオンするか否
かを確認するためのタイマである。
【0297】賞球カウントスイッチ301Aがオンした
場合には、賞球カウントスイッチ301Aがオフするこ
とを確認するために、オフを待つ状態であることを示す
賞球カウントスイッチOFF待ちフラグをセットする
(ステップS543e)。
【0298】従って、払出制御用CPU371は、賞球
カウントスイッチOFF待ちフラグがオンしていれば
(ステップS543h)、賞球カウントスイッチオンフ
ラグがオフするのを待つ(ステップS543k)。賞球
カウントスイッチオンフラグがオフすると、賞球カウン
トスイッチOFF待ちフラグをリセットする(ステップ
S543l)。そして、総合個数記憶を−1する(ステ
ップS543m)。
【0299】ステップS543hで、賞球カウントスイ
ッチOFF待ちフラグもオンしていないことを確認した
ら、タイマT12をスタートするとともに(ステップS
543i)、賞球カウントスイッチON待ちフラグをセ
ットする(ステップS543j)。
【0300】総合個数記憶および貸し球個数記憶の内容
は、それぞれ、遊技機の電源が断しても、所定期間電源
基板910のバックアップ電源によって保存される。従
って、所定期間中に電源が回復すると、払出制御用CP
U371は、総合個数記憶および貸し球個数記憶の内容
にもとづいて払出処理を継続することができる。
【0301】なお、払出制御用CPU371は、主基板
31から指示された賞球個数を賞球個数記憶で総数とし
て管理したが、賞球数毎(例えば15個、10個、6
個)に管理してもよい。例えば、賞球数毎に対応した個
数カウンタを設け、払出個数指定コマンドを受信する
と、そのコマンドで指定された個数に対応する個数カウ
ンタを+1する。そして、個数カウンタに対応した賞球
払出が行われると、その個数カウンタを−1する(この
場合、払出制御処理にて減算処理を行うようにする)。
その場合にも、各個数カウンタはバックアップRAM領
域に形成される。よって、遊技機の電源が断しても、所
定期間中に電源が回復すれば、払出制御用CPU371
は、各個数カウンタの内容にもとづいて賞球払出処理を
継続することができる。
【0302】図51〜図53は、電源基板910からの
電源断信号に応じて実行されるマスク不能割込処理の処
理例を示すフローチャートである。この例では、NMI
に応じて電力供給停止時処理が実行されるが、電源断信
号を払出制御用CPU371のマスク可能端子に接続
し、マスク可能割込処理によって電力供給停止時処理を
実行してもよい。また、電源断信号を入力ポートに入力
し、入力ポートのチェック結果に応じて電力供給停止時
処理を実行してもよい。
【0303】マスク不能割込処理において、払出制御用
CPU371は、AFレジスタを所定のバックアップR
AM領域に退避する(ステップS801)。また、割込
フラグをパリティフラグにコピーする(ステップS80
2)。パリティフラグはバックアップRAM領域に形成
されている。また、BCレジスタ、DEレジスタ、HL
レジスタ、IXレジスタおよびスタックポインタをバッ
クアップRAM領域に退避する(ステップS804〜8
08)。なお、電源復旧時には、退避された内容にもと
づいてレジスタ内容が復元され、パリティフラグの内容
に応じて、割込許可状態/禁止状態の内部設定がなされ
る。
【0304】次いで、払出モータ289に出力される駆
動信号をオフ状態にする(ステップS761)。よっ
て、球払出装置97の駆動は停止する。その後、この実
施の形態では、所定期間、払出検出手段としての賞球カ
ウントスイッチ301A(賞遊技媒体検出手段に相当)
および球貸しカウントスイッチ301B(貸出遊技媒体
検出手段に相当)の検出信号をチェックする。そして、
賞球カウントスイッチ301Aがオンしたら総合個数記
憶の内容を1減らす。また、球貸しカウントスイッチ3
01Bがオンしたら貸し球個数記憶の内容を1減らす。
【0305】なお、この実施の形態では、所定期間を計
測するために、所定期間計測用カウンタが用いられる。
所定期間計測用カウンタの値は、初期値mから、以下に
説明するスイッチ検出処理のループ(S763から始ま
ってS763に戻るループ)が1回実行される毎に−1
され、その値が0になると、所定期間が終了したとす
る。検出処理のループでは、例外はあるがほぼ一定の処
理が行われるので、ループの1周に要する時間のm倍の
時間が、ほぼ所定期間に相当する。
【0306】所定期間を計測するために、払出制御用C
PU371の内蔵タイマを用いてもよい。すなわち、ス
イッチ検出処理開始時に、内蔵タイマに所定値(所定期
間に相当)を設定しておく。そして、スイッチ検出処理
のループが1回実行される毎に、内蔵タイマのカウント
値をチェックする。そして、カウント値が0になった
ら、所定期間が終了したとする。内蔵タイマの値が0に
なったことを検出するために内蔵タイマによる割込を用
いることもできるが、この段階では制御内容(RAMに
格納されている各値など)を変化させないように、割込
を用いず、内蔵タイマのカウント値を読み出してチェッ
クするようなプログラム構成の方が好ましい。また、所
定期間は、遊技球が、球払出装置97から落下した時点
から、賞球カウントスイッチ301Aまたは球貸しカウ
ントスイッチ301Bに到達するまでの時間以上に設定
される。
【0307】少なくとも、スイッチ検出処理が実行され
る所定期間では、賞球カウントスイッチ301Aおよび
球貸しカウントスイッチ301Bが遊技球を検出できる
状態でなければならない。そこで、この実施の形態で
は、図10に示されたように、電源基板910における
コンバータIC922の入力側に比較的大容量の補助駆
動電源としてのコンデンサ923が接続されている。よ
って、遊技機に対する電力供給停止時にも、ある程度の
期間は+12V電源電圧がスイッチ駆動可能な範囲に維
持され、賞球カウントスイッチ301Aおよび球貸しカ
ウントスイッチ301Bが動作可能になる。その期間
が、上記の所定期間以上になるように、コンデンサの容
量が決定される。
【0308】なお、入力ポートおよび払出制御用CPU
371も、コンバータIC922で作成される+5V電
源で駆動されるので、電力供給停止時にも、比較的長い
期間動作可能になっている。
【0309】さらに、この実施の形態では、賞球路と貸
し球路とを切り換えるために振分ソレノイド310が用
いられている。よって、図10に示されたコンデンサ9
23の容量は、少なくとも上記の所定期間の間、振分ソ
レノイド310も駆動できるような容量になっている。
なお、コンデンサ923は、VSLの電源ラインと並列接
続されているが、電源断信号に応じて遊技制御手段が他
のソレノイド(大入賞口開閉用等)の駆動信号をオフ状
態にしているので、電源断信号発生後では、コンデンサ
923は、各ソレノイドのうちでは振分ソレノイド31
0のみを駆動できればよい。
【0310】なお、この実施の形態で用いられているコ
ンデンサ923は補助駆動電源の一つの例であるが、補
助駆動電源として他のものを用いてもよい。少なくと
も、上記の所定期間の間は、賞球カウントスイッチ30
1A、球貸しカウントスイッチ301B、振分ソレノイ
ド310および払出制御用CPU371等の払出制御手
段を駆動できるものであれば、他の態様の補助駆動電源
を用いることができる。
【0311】払出検出手段からの検出信号の入力処理
(スイッチ検出処理)では、払出制御用CPU371
は、まず、所定期間計測用カウンタに、所定期間に対応
した値mを設定する(ステップS762)。そして、払
出制御用CPU371は、所定期間計測用カウンタの値
を−1し(ステップS763)、所定期間計測用カウン
タの値を確認する(ステップS764)。その値が0で
あれば、スイッチ検出処理を終了し、制御状態を保存す
るための処理である電力供給停止時処理に移行する。
【0312】所定期間計測用カウンタの値が0になって
いなければ、賞球カウントスイッチオン中であるか否か
確認する(ステップS765)。オン中であれば、検出
期間用カウンタの値を1減らした後(ステップS76
6)、検出期間用カウンタの値が0になったか否か確認
する(ステップS767)。0になっていれば、入力ポ
ートを介して賞球カウントスイッチ301Aの検出信号
を確認し(ステップS768)、オン状態を示していれ
ば、賞球カウントスイッチ301Aが確実にオンしたと
して、総合個数記憶の値を1減らす(ステップS76
9)。
【0313】ステップS765で、賞球カウントスイッ
チオン中でないことを確認したら、入力ポートを介して
賞球カウントスイッチ301Aの検出信号を確認し(ス
テップS770)、オン状態を示していれば、賞球カウ
ントスイッチON中フラグをセットするとともに(ステ
ップS771)、検出期間用カウンタに初期値nをセッ
トする(ステップS772)。
【0314】以上の処理によって、所定期間内に賞球カ
ウントスイッチ301Aがオンしたら、総合個数記憶の
値が−1される。バックアップRAMの内容を保存する
ための処理は、このようなスイッチ検出処理の後で行わ
れるので、払出が完了した賞球について、必ず総合個数
記憶が−1される。従って、遊技球の払出に関して、保
存される制御状態に矛盾が生じてしまうことが防止され
る。また、上記のスイッチ検出処理では、検出期間用カ
ウンタを用いたタイマ処理が施されている。すなわち、
一度賞球カウントスイッチ301Aのオンが検出された
後、所定時間(S763からS767に至りS763に
戻るループにおける処理時間のn倍)の経過後にもオン
が検出されないとスイッチオンと見なされない。従っ
て、誤ってスイッチオン検出がなされてしまうことは防
止される。
【0315】なお、通常時のスイッチ処理(図38にお
けるステップS751)でも、誤検出防止用のタイマ処
理が施されている。よって、そのような通常時のスイッ
チ処理をコールするようにしてもよい。また、ここで
は、検出期間用カウンタを用いたタイマ処理が行われた
が、所定期間の計測の場合にCPU内蔵タイマを用いて
もよいのと同様、CPU内蔵タイマを用いてスイッチ検
出処理におけるタイマ処理を実現してもよい。
【0316】賞球カウントスイッチオン中でなく、か
つ、賞球カウントスイッチ301Aのオン状態が検出で
きない場合には、球貸しカウントスイッチ301Bにつ
いてスイッチ検出処理を行う。すなわち、払出制御用C
PU371は、球貸しカウントスイッチオン中であるか
否か確認する(ステップS775)。オン中であれば、
検出期間用カウンタの値を1減らした後(ステップS7
76)、検出期間用カウンタの値が0になったか否か確
認する(ステップS777)。0になっていれば、入力
ポートを介して球貸しカウントスイッチ301Bの検出
信号を確認し(ステップS778)、オン状態を示して
いれば、球貸しカウントスイッチ301Bが確実にオン
したとして、貸し球個数記憶の値を1減らす(ステップ
S779)。
【0317】ステップS775で、球貸しカウントスイ
ッチオン中でないことを確認したら、入力ポートを介し
て球貸しカウントスイッチ301Bの検出信号を確認し
(ステップS780)、オン状態を示していれば、球貸
しカウントスイッチON中フラグをセットするとともに
(ステップS781)、検出期間用カウンタに初期値n
をセットする(ステップS782)。
【0318】以上の処理によって、所定期間内に球貸し
カウントスイッチ301Bがオンしたら、貸し球個数記
憶の値が−1される。バックアップRAMの内容を保存
するための処理は、このようなスイッチ検出処理の後で
行われるので、払出が完了した貸し球について、必ず貸
し球個数記憶が−1される。従って、遊技球の払出に関
して、保存される制御状態に矛盾が生じてしまうことが
防止される。また、上記のスイッチ検出処理では、検出
期間用カウンタを用いたタイマ処理が施されている。す
なわち、球貸しカウントスイッチ301Bのオンが所定
時間以上継続しないとスイッチオンと見なされない。従
って、誤ってスイッチオン検出がなされてしまうことは
防止される。
【0319】所定期間が経過すると(ステップS76
4)、払出制御用CPU371は、バックアップあり指
定値(この例では「55H」)をバックアップフラグに
ストアする(ステップS809)。バックアップフラグ
はバックアップRAM領域に形成されている。次いで、
主基板31のCPU56の処理と同様の処理を行ってパ
リティデータを作成しバックアップRAM領域に保存す
る(ステップS810〜S819)。そして、RAMア
クセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップ
S820)。以後、内蔵RAMのアクセスができなくな
る。
【0320】なお、この実施の形態では、払出制御処理
において用いられるデータが格納されるRAM領域は全
て電源バックアップされている。従って、その内容が正
しく保存されているか否かを示すチェックサムの生成処
理、およびその内容を書き換えないようにするためのR
AMアクセス防止処理が、払出制御状態を保存するため
の処理に相当する。
【0321】以上のように、この実施の形態では、停電
等の発生に応じて電源断信号が出力されたら、まず、球
払出装置97の駆動を停止した後、所定期間、払出検出
手段からの検出信号の入力処理が実行され、その後、払
出制御状態を保存するための処理が行われる。従って、
停電発生時に払出途中であった遊技球も、バックアップ
RAMの保存内容に反映される。
【0322】すなわち、この実施の形態では、遊技機へ
の電力供給停止時に制御状態をバックアップ記憶手段に
保存するように構成した場合に、制御の矛盾等を生じさ
せないようにすることができる。
【0323】RAMアクセス防止処理が完了すると、払
出制御用CPU371は、待機状態(ループ状態)に入
る。従って、システムリセットされるまで、何もしない
状態になる。
【0324】なお、ここでは、賞球カウントスイッチ3
01Aまたは球貸しカウントスイッチ301Bの検出信
号がオン状態を示したらタイマ(検出期間用カウンタ)
をセットし、タイマがタイムアップしたときにも検出信
号がオン状態を示していたら、スイッチが確実にオンし
たと判定したが、主基板31のCPU56と同様に、2
msのタイマ(2ms計測用カウンタ)がタイムアップ
する毎に検出信号の判定を行うように構成してもよい。
【0325】また、この実施の形態でも、電源断信号に
応じて起動される処理の最初にレジスタの保存処理が行
われたが、スイッチ検出処理においてレジスタを使用し
ない場合には、スイッチ検出処理の実行後に、すなわ
ち、バックアップフラグの設定とチェックサムの算出の
処理の前にレジスタ保存処理を行うことができる。その
場合には、レジスタ保存処理、バックアップフラグ設定
処理、およびチェックサム算出処理を電力供給停止時処
理と見なすことができる。さらに、スイッチ検出処理に
おいて幾つかのレジスタを使用する場合であっても、使
用しないレジスタについては、バックアップフラグの設
定とチェックサムの算出の処理の前にレジスタ保存処理
を行うことができる。
【0326】この実施の形態では、未払出の賞球および
貸し球の総数が保存されるが、払出回数(例えば1回に
ついて25個)を記憶するというような他の保存方式を
用いている場合であっても、電源断信号に応じて、所定
期間は払出検出手段からの検出信号の入力処理が実行さ
れるように構成されている場合には、保存される制御状
態に矛盾が生じてしまうことが防止される。
【0327】以上に説明したように、上記の各実施の形
態では、停電等の発生に応じて電源断信号が出力された
ら、まず、払出装置の駆動を停止した後、所定期間、払
出検出手段からの検出信号の入力処理が実行され、その
後、未払出の賞球および貸し球の総数を含む払出制御状
態を保存するための処理が行われる。従って、停電発生
時に払出途中であった遊技球も、バックアップRAMの
保存内容に反映される。よって、遊技機への電力供給停
止時に制御状態をバックアップ記憶手段に保存するよう
に構成した場合に、保存される制御状態と実際の制御状
態との間に矛盾等を生じさせないようにすることができ
る。
【0328】保存される制御状態と実際の制御状態とは
合致しているが、例えば電源断前に遊技していた遊技者
とは異なる者が遊技を行う場合には、そのまま制御状態
を復旧させることは好ましくない。上述した各実施の形
態では、クリアスイッチ921の操作状態に応じて電源
断時の遊技状態に復旧するか否かの判断を行うように
し、その際、クリアスイッチ921がオン状態であれ
ば、遊技状態復旧処理は実行されず、通常の初期化処理
を実行する構成としているので、遊技店員等は、遊技機
の電源供給再開時に、クリアスイッチ921を操作する
ことによって、バックアップデータ記憶領域(変動デー
タ記憶手段)に記憶されているバックアップデータにも
とづく遊技状態復旧処理を実行するか否かを選択するこ
とができる。このように、保存される例えば未払出の賞
球や貸し球の総数などの制御状態と実際の制御状態との
間に矛盾等を生じさせないようにするだけでなく、遊技
の再開時に例えば未払出の賞球や貸し球の総数などの制
御状態をクリアすることを可能として、遊技店での遊技
機運用上の利便性を向上させることもできる。
【0329】上述した実施の形態では、電源断信号に応
じて発生する割込による割込処理(上述した例ではマス
ク不能割込処理)の開始時に球払出装置の動作を止める
とともに、所定期間、払出検出手段からの検出信号の入
力処理を行った。しかし、遊技機への電力供給停止時
に、まず、そのことを示す第1の信号を発生し、さらに
電圧が低下すると第2の信号を発生するようにしてもよ
い。そして、第1の信号に応じて球払出装置の動作を止
めるとともに払出検出手段からの検出信号の入力処理を
行い、第2の信号に応じて、制御状態をバックアップR
AMに保存するための処理を行ってもよい。
【0330】図54は、そのような制御を行うための電
源基板910Aの一構成例を示すブロック図である。こ
の例では、電源基板910Aには、電源監視用IC93
2も搭載されている。電源監視用IC932は、VSL電
源電圧を導入し、VSL電源電圧を監視することによって
電源断の発生を検出する。具体的には、VSL電源電圧が
所定値(例えば+24V)以下になったら、電源電圧が
低下したとして電圧低下信号(第1の信号)を出力す
る。そして、電源監視用IC902は、VSL電源電圧が
所定値(この例では+22V)以下になったら、電源断
が生ずるとして電源断信号(第2の信号)を出力する。
【0331】第1の信号が発生してから第2の信号が発
生するまでの期間は、遊技球が、球払出装置97(また
は、賞球払出装置97A,貸し球払出装置97C)から
落下した時点から、賞球カウントスイッチ301Aまた
は球貸しカウントスイッチ301Bに到達するまでの時
間以上に設定される。すなわち、その時間以上になるよ
うに、電源監視用IC902,932の監視電圧が設定
される。電源監視用IC932の出力は、バッファ回路
939,940を経て主基板31および払出制御基板3
7に至る。
【0332】主基板31において、第1の信号である電
圧低下信号は、CPU56のマスク可能外部割り込み端
子に接続される。また、第2の信号である電源断信号
は、上述した実施の形態と同様に、マスク不能割込端子
に接続される。すなわち、第2の信号にもとづく割込の
優先度は、第1の信号にもとづく割込の優先度よりも高
い。
【0333】図54、図55は、第1の信号の発生に応
じて生ずる割込にもとづいて起動される割込処理(電圧
低下割込処理)の一例を示すフローチャートである。主
基板31のCPU56は、AFレジスタ(アキュミュレ
ータとフラグのレジスタ)を所定のバックアップRAM
領域に退避する(ステップS451)。また、割込フラ
グをパリティフラグにコピーする(ステップS45
2)。パリティフラグはバックアップRAM領域に形成
されている。また、BCレジスタ、DEレジスタ、HL
レジスタ、IXレジスタおよびスタックポインタをバッ
クアップRAM領域に退避する(ステップS454〜S
458)。
【0334】次いで、CPU56は、2ms計測用カウ
ンタに2msの時間に相当する初期値nを設定する(ス
テップS461)。そして、2ms計測用カウンタの値
が0になるまで(ステップS462)、2ms計測用カ
ウンタの値を−1する(ステップS465)。2ms計
測用カウンタの値が0になると、入力ポート1に入力さ
れているデータを入力する(ステップS464)。次い
で、クリアデータ(00)をセットする(ステップS4
65)。また、入力ポート1からの入力データを「比較
値」として設定する(ステップS466)。さらに、賞
球カウントスイッチ301Aのためのスイッチタイマの
アドレスをポインタにセットする(ステップS46
7)。
【0335】そして、ポインタ(スイッチタイマのアド
レスが設定されている)が指すスイッチタイマをロード
するとともに(ステップS468)、比較値を右(上位
ビットから下位ビットへの方向)にシフトする(ステッ
プS469)。比較値には入力ポート1のデータ設定さ
れている。そして、この場合には、賞球カウントスイッ
チ301Aの検出信号がキャリーフラグに押し出され
る。
【0336】キャリーフラグの値が「1」であれば(ス
テップS470)、すなわち賞球カウントスイッチ30
1Aの検出信号がオン状態であれば、スイッチタイマの
値を1加算する(ステップS471)。キャリーフラグ
の値が「0」であれば、すなわち賞球カウントスイッチ
301Aの検出信号がオフ状態であれば、スイッチタイ
マにクリアデータをセットする(ステップS472)。
すなわち、スイッチがオフ状態であれば、スイッチタイ
マの値が0に戻る。
【0337】そして、スイッチタイマの値が2になった
ときに(ステップS473)、総賞球数格納バッファの
格納値を1減算するとともに(ステップS474)、賞
球情報カウンタの値を+1する(ステップS475)。
そして、賞球情報カウンタの値が10以上であれば(ス
テップS476)、賞球情報出力カウンタの値を+1す
るとともに(ステップS477)、賞球情報カウンタの
値を−10する(ステップS478)。そして、ステッ
プS461に戻る。
【0338】ステップS461〜S478のスイッチ検
出処理を行っている間に、電源電圧が低下していくの
で、第2の信号が発生するはずである。従って、マスク
不能割込が発生する。図57は、マスク不能割込の一例
を示すフローチャートである。
【0339】マスク不能割込処理において、CPU56
は、バックアップあり指定値(この例では「55H」)
をバックアップフラグにストアする(ステップS48
1)。バックアップフラグはバックアップRAM領域に
形成されている。次いで、パリティデータを作成する
(ステップS482〜S491)。
【0340】そして、RAMアクセスを禁止した後に
(ステップS492)、全ての出力ポートをオフ状態に
する(ステップS493〜S499)。出力ポートに対
するクリア処理が完了すると、CPU56は、待機状態
(ループ状態)に入る。従って、システムリセットされ
るまで、何もしない状態になる。
【0341】以上の処理によって、所定期間(第1の信
号発生から第2の信号発生までの期間)内に賞球カウン
トスイッチ301Aがオンしたら、総賞球数バッファの
値が−1される。バックアップRAMの内容を保存する
ための処理は、このようなスイッチ検出処理の後で行わ
れるので、払出が完了した賞球について、必ず総賞球数
バッファが−1される。従って、遊技球の払出に関し
て、保存される制御状態に矛盾が生じてしまうことが防
止される。なお、既に説明したように、所定期間におい
て、払出検出手段以外の他の検出手段(スイッチ)の検
出信号についても入力チェック処理を行ってもよい。
【0342】また、出力ポートのクリア処理を、図55
および図56に示した電圧低下割込処理におけるスイッ
チ検出処理の前(ステップS458の後)に行ってもよ
い。
【0343】なお、この実施の形態では、電圧低下信号
(第1の信号)に応じて起動される処理の最初にレジス
タの保存処理が行われたが、スイッチ検出処理において
レジスタを使用しない場合には、スイッチ検出処理の実
行後に、すなわち、第2の信号に応じて起動される処理
において、レジスタ保存処理を行うことができる。その
場合には、レジスタ保存処理、バックアップフラグ設定
処理、チェックサム算出処理および出力ポートのオフ設
定処理を電力供給停止時処理と見なすことができる。さ
らに、スイッチ検出処理において幾つかのレジスタを使
用する場合であっても、使用しないレジスタについて
は、第2の信号に応じて起動される処理においてレジス
タ保存処理を行うことができる。
【0344】図58は、払出検出手段からの検出信号の
入力処理が実行される様子の一例を示すタイミング図で
ある。図58に示すように、電圧低下信号がオン(この
例ではハイレベルからローレベルに変化)するあたりで
球払出が実行された場合、払出検出手段からの検出信号
の入力処理が実行される所定期間(第2の信号が発生す
る前での期間)内で賞球カウントスイッチ301Aがオ
ンする。従って、電圧低下信号がオンするあたりで実行
された球払出についても、総賞球数バッファに反映する
ことができる。
【0345】払出制御基板37においも、第1の信号で
ある電圧低下信号は、払出制御用CPU371のマスク
可能外部割り込み端子に接続される。また、第2の信号
である電源断信号は、上述した実施の形態と同様に、マ
スク不能割込端子に接続される。すなわち、第2の信号
にもとづく割込の優先度は、第1の信号にもとづく割込
の優先度よりも高い。
【0346】図59は、第1の信号の発生に応じて生ず
る割込にもとづいて起動される割込処理(電圧低下割込
処理)の一例を示すフローチャートである。払出制御用
CPU371は、まず、AFレジスタを所定のバックア
ップRAM領域に退避する(ステップS801)。ま
た、割込フラグをパリティフラグにコピーする(ステッ
プS802)。パリティフラグはバックアップRAM領
域に形成されている。また、BCレジスタ、DEレジス
タ、HLレジスタ、IXレジスタおよびスタックポイン
タをバックアップRAM領域に退避する(ステップS8
04〜808)。
【0347】次いで、払出モータ289に出力される駆
動信号をオフ状態にする(ステップS761)。よっ
て、球払出装置97の駆動は停止する。賞球払出装置9
7Aと貸し球払出装置97Cとが別個に設けられている
場合には、双方の駆動を停止する。
【0348】そして、賞球カウントスイッチオン中であ
るか否か確認する(ステップS765)。オン中であれ
ば、検出期間用カウンタの値を1減らした後(ステップ
S766)、検出期間用カウンタの値が0になったか否
か確認する(ステップS767)。0になっていれば、
入力ポートを介して賞球カウントスイッチ301Aの検
出信号を確認し(ステップS768)、オン状態を示し
ていれば、賞球カウントスイッチ301Aが確実にオン
したとして、総合個数記憶の値を1減らす(ステップS
769)。
【0349】ステップS765で、賞球カウントスイッ
チオン中でないことを確認したら、入力ポートを介して
賞球カウントスイッチ301Aの検出信号を確認し(ス
テップS770)、オン状態を示していれば、賞球カウ
ントスイッチON中フラグをセットするとともに(ステ
ップS771)、検出期間用カウンタに初期値nをセッ
トする(ステップS772)。
【0350】以上の処理によって、所定期間内に賞球カ
ウントスイッチ301Aがオンしたら、総合個数記憶の
値が−1される。バックアップRAMの内容を保存する
ための処理は、このようなスイッチ検出処理の後で行わ
れるので、払出が完了した賞球について、必ず総合個数
記憶が−1される。従って、遊技球の払出に関して、保
存される制御状態に矛盾が生じてしまうことが防止され
る。また、上記の処理では、検出期間用カウンタを用い
たタイマ処理が施されている。すなわち、一度賞球カウ
ントスイッチ301Aのオンが検出された後、所定時間
(S763からS767に至りS763に戻るループに
おける処理時間のn倍)の経過後にもオンが検出されな
いとスイッチオンと見なされない。従って、誤ってスイ
ッチオン検出がなされてしまうことは防止される。
【0351】賞球カウントスイッチオン中でなく、か
つ、賞球カウントスイッチ301Aのオン状態が検出で
きない場合には、球貸しカウントスイッチ301Bにつ
いてスイッチ検出処理を行う。なお、その処理は、既に
説明した実施の形態の場合と同様である(図52参
照)。賞球カウントスイッチ301Aおよび球貸しカウ
ントスイッチ301Bについてスイッチ検出処理を行っ
ている間に、電源電圧が低下していくので、第2の信号
が発生するはずである。従って、マスク不能割込が発生
する。
【0352】なお、この実施の形態でも、少なくとも第
2の信号が発生するまでの間、賞球カウントスイッチ3
01A、球貸しカウントスイッチ301Bおよび振分ソ
レノイド310のスイッチ検出処理を行う部分と払出制
御手段を駆動可能な補助駆動電源(この例ではコンデン
サ923)が用いられている。
【0353】また、ここでは、賞球カウントスイッチ3
01Aまたは球貸しカウントスイッチ301Bの検出信
号がオン状態を示したらタイマ(検出期間用カウンタ)
をセットし、タイマがタイムアップしたときにも検出信
号がオン状態を示していたら、スイッチが確実にオンし
たと判定したが、主基板31のCPU56と同様に、2
msのタイマ(2ms計測用カウンタ)がタイムアップ
する毎に検出信号の判定を行うように構成してもよい。
【0354】また、出力ポートのクリア処理を、図59
に示す電圧低下割込処理におけるスイッチ検出処理の前
(ステップS808の後)に行ってもよい。
【0355】図60は、マスク不能割込の一例を示すフ
ローチャートである。マスク不能割込処理において、払
出制御用CPU371は、まず、バックアップあり指定
値(この例では「55H」)をバックアップフラグにス
トアする(ステップS809)。バックアップフラグは
バックアップRAM領域に形成されている。次いで、主
基板31のCPU56の処理と同様の処理を行ってパリ
ティデータを作成しバックアップRAM領域に保存する
(ステップS810〜S819)。そして、RAMアク
セスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS
820)。以後、内蔵RAMのアクセスができなくな
る。
【0356】さらに、払出制御用CPU371は、クリ
アデータ(00)を適当なレジスタにセットし(ステッ
プS821)、処理数(この例では「3」)を別のレジ
スタにセットする(ステップS822)。また、出力ポ
ートCのアドレス(この例では「00H」)をIOポイ
ンタに設定する(ステップS823)。IOポインタと
して、さらに別のレジスタが用いられる。
【0357】そして、IOポインタが指すアドレスにク
リアデータをセットするとともに(ステップS82
4)、IOポインタの値を1増やし(ステップS82
5)、処理数の値を1減算する(ステップS827)。
ステップS824〜S826の処理が、処理数の値が0
になるまで繰り返される。その結果、全ての出力ポート
C〜E(図36参照)にクリアデータが設定される。
【0358】出力ポートに対するクリア処理が完了する
と、払出制御用CPU371は、待機状態(ループ状
態)に入る。従って、システムリセットされるまで、何
もしない状態になる。
【0359】この実施の形態では、電源基板910Aに
搭載された電源監視手段(この例では電源監視用IC9
02,932)が電源を監視し、第1の条件(この例で
は+30V電源電圧が+24V以下になること)が成立
したら第1の信号を出力し、第2の条件(この例では+
30V電源電圧が+22V以下になること)が成立した
ら第2の信号を出力する。第1の信号が発生してから第
2の信号が発生するまでの期間は、払出手段から払い出
された遊技球が払出検出手段に到達するまでの時間以上
に設定されている。なお、この実施の形態で用いた+2
2Vおよび+24Vの条件は一例であって、遊技機の機
種に応じて異なる値になることもある。
【0360】そして、第1の信号に応じた処理におい
て、まず、払出装置の駆動を停止した後、払出検出手段
からの検出信号の入力処理が繰り返し実行され、その
後、第2の信号に応じて払出制御状態を保存するための
処理が行われる。従って、停電発生時に払出途中であっ
た遊技球も第1の信号に応じた処理で検出されるので、
第2の信号に応じた処理においてバックアップRAMの
保存内容に反映される。よって、遊技機への電力供給停
止時に制御状態をバックアップ記憶手段に保存するよう
に構成した場合に、保存される制御状態と実際の制御状
態との間に矛盾等を生じさせないようにすることができ
る。
【0361】電圧低下信号がオン(この例ではハイレベ
ルからローレベルに変化)するあたりで球払出が実行さ
れた場合、払出検出手段からの検出信号の入力処理が実
行される所定期間(第2の信号が発生する前での期間)
内で賞球カウントスイッチ301Aまたは球貸しカウン
トスイッチ301Bがオンする。この実施の形態では、
第1の信号の発生に応じて起動される電圧低下割込処理
(図59参照)でスイッチ入力処理が実行されるので、
従って、電圧低下信号がオンするあたりで実行された球
払出についても、総合個数記憶または貸し球個数記憶に
反映することができる。
【0362】なお、この実施の形態では、電圧低下信号
(第1の信号)に応じて起動される処理の最初にレジス
タの保存処理が行われたが、スイッチ検出処理において
レジスタを使用しない場合には、スイッチ検出処理の実
行後に、すなわち、第2の信号に応じて起動される処理
において、レジスタ保存処理を行うことができる。その
場合には、レジスタ保存処理、バックアップフラグ設定
処理、チェックサム算出処理および出力ポートのオフ設
定処理を電力供給停止時処理と見なすことができる。さ
らに、スイッチ検出処理において幾つかのレジスタを使
用する場合であっても、使用しないレジスタについて
は、第2の信号に応じて起動される処理においてレジス
タ保存処理を行うことができる。
【0363】また、上記の各実施の形態では、遊技制御
手段および払出制御手段が電源断信号に応じてスイッチ
検出処理を行う場合を例示したが、表示制御手段、音制
御手段およびランプ制御手段についても、制御状態保存
処理が行われる場合に、電源断信号に応じて、所定の電
気部品の駆動を停止し、その電気部品に関連するスイッ
チ手段の検出信号を所定期間に渡って確認した後に、制
御状態保存処理を行うように構成してもよい。
【0364】また、上記の各実施の形態では、クリアス
イッチ921を押しボタン構造としていたが、他の構造
であってもよい。図61は、スイッチ基板190に搭載
された他の実施の形態におけるクリアスイッチ921の
構成の一例を示す外観構成図である。図61に示すクリ
アスイッチ921は、「OFF」、「ON」および「ク
リア」の選択切り換えがされる切換操作スイッチ921
aを有する。この例では、クリアスイッチ921の「O
FF」が選択されているときは何らの信号も発生せずに
動作停止中となっており、「ON」が選択されていると
きはハイレベルの信号を出力する。クリアスイッチ92
1は、この例では、遊技機1に対する電源供給のオン/
オフ切換のためのスイッチと連動された構成とされてい
る。従って、クリアスイッチ921で「OFF」が選択
されているときには遊技機1の電源供給が停止された状
態(遊技機の電源がオフの状態)にあり、「ON」およ
び「クリア」が選択されているときには遊技機1が稼動
している状態(遊技機の電源がオンの状態)にあるとす
ればよい。また、クリアスイッチ921の「クリア」が
選択されているときに、ローレベルのクリア信号を出力
するようにすればよい。
【0365】なお、上述した各実施の形態において説明
したように、貸し球個数記憶の内容は、遊技機の電源が
断しても、所定期間電源基板910のバックアップ電源
によって保存され、所定期間中に電源が回復すると、払
出制御用CPU371は、貸し球個数記憶の内容にもと
づいて球貸し処理を継続することができる。このような
処理がなされる場合に、入力ポート372bおよび出力
ポート372eを介して、カードユニット50と払出制
御基板37の間でやりとりされる各種信号(BRDY信
号、BRQ信号、EXS信号、およびPRDY信号)の
状態について説明する。
【0366】図62は、電源供給が復帰した場合に、貸
し球個数記憶の内容にもとづいて未払出数の貸し球を払
出すための払出処理が実行されるときの各信号の状態の
一例を示すタイミング図である。なお、図62には、電
源の供給が停止されるまでの各信号の状態の例も示され
ている。
【0367】図62に示すように、パチンコ遊技機1の
電源が投入されると、払出制御基板37の払出制御用C
PU371がカードユニット50にPRDY信号を出力
するため、PRDY信号がオンとなる。次いで、カード
ユニット50においてカードが受け付けられ、球貸しス
イッチが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、
カードユニット制御用マイクロコンピュータが払出制御
基板37にBRDY信号を出力するため、BRDY信号
がオンとなる。この時点から所定の遅延時間が経過する
と、カードユニット制御用マイクロコンピュータが払出
制御基板37にBRQ信号を出力するので、BRQ信号
がオンとなる。
【0368】そして、払出制御基板37の払出制御用C
PU371は、カードユニット50に対するEXS信号
を立ち上げ、カードユニット50からのBRQ信号の立
ち下がりを検出すると、払出モータ289を駆動し、所
定個の貸し球を遊技者に払い出す。そして、払出が完了
したら、払出制御用CPU371は、カードユニット5
0に対するEXS信号を立ち下げる。しかし、払出が完
了する前に電源断が発生すると、遊技機は、貸し球個数
記憶の内容が所定期間電源基板910のバックアップ電
源によって保存された状態で電源の供給が開始されるの
を待つ。
【0369】貸し球個数記憶の内容が保存された状態で
電源の供給が開始されると、払出制御用CPU371が
カードユニット50にPRDY信号を出力するため、P
RDY信号がオンとなる。そして、払出制御用CPU3
71は、BRDY信号、およびBRQ信号を受けていな
い状態ではあるが、カードユニット50に対するEXS
信号を立ち上げ、未払出数の貸し球を払出す。このと
き、カードユニット50側では、一時的にエラー状態と
なる。未払出の貸し球の払出処理が実行されている際に
は、上記のように、各信号が立ち上げられ、または立ち
下げられる。
【0370】また、上記の各実施の形態では、電源監視
回路は電源基板910に設けられたが、電源監視回路は
主基板31や払出制御基板37などの電気部品制御基板
に設けられていてもよい。電源回路が搭載された電気部
品制御基板が構成される場合には、電源基板には電源監
視回路は搭載されない。
【0371】上記の各実施の形態のパチンコ遊技機1
は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部9に可
変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合
わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる
第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづい
て開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の
遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技
機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止
図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の
電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続
する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用で
きる。
【0372】さらに、遊技媒体が遊技球であるパチンコ
遊技機に限られず、スロット機等においても、遊技媒体
の払い出しを行う電気部品が備えられている場合には本
発明を適用することができる。
【0373】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、遊技機
を、遊技者が所定の遊技を行うことが可能な遊技機であ
って、遊技媒体の払出に関わる制御を行う払出制御手段
と、払出制御手段によって制御され、貸出要求に応じた
遊技媒体の払出を行う貸出遊技媒体払出機構部と、払出
制御手段が制御を行う際に発生する変動データを記憶す
る変動データ記憶手段と、遊技機への電力供給が停止し
ていても電力供給停止直前の変動データ記憶手段の最終
記憶内容を保持可能な記憶内容保持手段と、記憶内容保
持手段に記憶される最終記憶内容を初期化することが可
能な初期化操作手段とを含み、変動データには、貸出要
求にもとづいた遊技媒体の払出数のうち払出しが完了し
ていない未払出数を特定可能なデータが含まれており、
払出制御手段は、電力供給再開時に記憶内容保持手段に
より保持された未払出数を特定可能なデータにもとづい
て遊技媒体の払出制御を再開することが可能であるとと
もに、初期化操作手段が所定の操作状態である場合に記
憶内容保持手段によって保持される最終記憶内容を初期
化することが可能である構成としたので、電源断が発生
した場合であっても、未払出しの貸出遊技媒体数をバッ
クアップ記憶することができ、適正な制御状態を保存す
ることが可能となる。また、遊技店員などの判断によ
り、保存された制御状態に復旧させないようにすること
もできる。
【0374】払出制御手段が、電力供給再開時に、初期
化操作手段が所定の操作状態とされていることを条件
に、変動データ記憶手段の最終記憶内容を初期化すると
した場合には、遊技店員などの判断により、電力供給再
開による制御開始の初期段階でバックアップされていた
制御状態をクリアすることが可能となる。
【0375】払出制御手段が所定のデータを取得するた
めの入力ポートが設けられ、初期化操作手段が所定の操
作状態とされているときに出力される初期化信号が入力
ポートに入力されるとした場合には、既存の入力ポート
を利用した簡単な構成で、初期化操作手段の操作の操作
状態に応じて出力される初期化信号を導入することが可
能となる。
【0376】遊技媒体を検出するための遊技媒体検出手
段と、遊技機で使用される所定の電源の状態を監視する
電源監視手段とを備え、払出制御手段が、電源監視手段
により電源の状態があらかじめ定められた所定の状態と
なったことが検出された場合に、遊技媒体検出手段から
の検出信号の入力処理を所定期間実行した後、未払出数
を特定可能なデータを含む制御状態の保存に関わる電力
供給停止時処理を行うとした場合には、検出すべき遊技
媒体を検出することができ、遊技媒体数に関する適正な
制御状態をバックアップ記憶することができる。
【0377】払出制御手段が、電源監視手段により電源
の状態があらかじめ定められた所定の状態となったこと
が検出された場合に、貸出遊技媒体払出機構部の駆動を
停止した後、遊技媒体検出手段からの検出信号の入力処
理を実行するとした場合には、貸出遊技媒体払出機構部
によって新たに遊技媒体が払い出されることがないよう
にした状態で、遊技媒体の検出を行うことができるた
め、遊技媒体数に関するさらに適正な制御状態をバック
アップ記憶することができる。
【0378】電源監視手段により電源の状態があらかじ
め定められた所定の状態となったことが検出された後
の、遊技媒体検出手段からの検出信号の入力処理の実行
中に、払出制御手段および遊技媒体検出手段を駆動可能
な電源を供給可能な補助駆動電源供給手段を備えるとし
た場合には、遊技媒体検出手段からの検出信号の入力処
理を確実に完了することができるため、適正な遊技媒体
の検出処理を行うことが可能となる。
【0379】初期化操作手段が所定の操作状態とされて
いるか否かを判定するための初期化要求検出判定期間
が、遊技媒体検出手段による遊技媒体の検出有りを判定
する遊技媒体検出判定期間とは異なる期間とされている
場合には、初期化操作手段の操作状態を判定する処理と
遊技媒体の検出ありを判定する処理とを異なる処理とす
ることができる。
【0380】払出制御手段によって制御され、遊技の進
行に応じた遊技媒体の払出を行う賞遊技媒体払出機構部
を備え、変動データ記憶手段は、賞遊技媒体払出制御手
段が制御を行う際に発生する変動データをも記憶する構
成とされ、変動データには、遊技の進行に応じた遊技媒
体の払出数のうち払出しが完了していない未払出数を特
定可能なデータを含むとした場合には、貸出要求に応じ
て払い出される遊技媒体の未払出数だけでなく、遊技の
進行に応じて払い出される遊技媒体の未払出数をも適正
にバックアップ記憶することが可能となる。
【0381】遊技媒体検出手段として、賞遊技媒体検出
手段と、貸出遊技媒体検出手段とを別個に設けた場合に
は、貸出要求に応じて払い出される遊技媒体の検出と、
遊技の進行に応じて払い出される遊技媒体の検出とをそ
れぞれ別個に行うことが可能となる。
【0382】払出制御手段が、電力供給停止時処理にお
いて変動データ記憶手段へのアクセスを禁止する処理を
実行するとした場合には、電源電圧が低下していくこと
に伴って生ずる可能性がある異常動作に起因するバック
アップ記憶が格納されている領域(例えば、RAM)の
内容破壊等を確実に防止することができ、その後の電源
投入時に復旧されるRAMの保存データを確実に保護す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ遊技機を正面からみた正面図であ
る。
【図2】 パチンコ遊技機の裏面に設けられている各基
板を示す説明図である。
【図3】 パチンコ遊技機の機構盤を背面からみた背面
図である。
【図4】 機構板に設置されている中間ベースユニット
周りの構成を示す正面図である。
【図5】 球払出装置を示す分解斜視図である。
【図6】 スイッチ基板が搭載された遊技盤を正面から
みた例を示す正面図である。
【図7】 クリアスイッチの構成の例を示す回路図であ
る。
【図8】 遊技制御基板(主基板)の回路構成を示すブ
ロック図である。
【図9】 払出制御基板および球払出装置の構成要素な
どの賞球に関連する構成要素を示すブロック図である。
【図10】 電源基板の一構成例を示すブロック図であ
る。
【図11】 主基板におけるCPU周りの一構成例を示
すブロック図である。
【図12】 入力ポートのビット割り当ての一例を示す
説明図である。
【図13】 主基板におけるCPUが実行するメイン処
理を示すフローチャートである。
【図14】 バックアップフラグと遊技状態復旧処理を
実行するか否かとの関係の一例を示す説明図である。
【図15】 2msタイマ割込処理を示すフローチャー
トである。
【図16】 RAMにおけるスイッチタイマの形成例を
示す説明図である。
【図17】 スイッチ処理の一例を示すフローチャート
である。
【図18】 スイッチチェック処理の一例を示すフロー
チャートである。
【図19】 賞球処理の一例を示すフローチャートであ
る。
【図20】 賞球処理の一例を示すフローチャートであ
る。
【図21】 賞球処理の一例を示すフローチャートであ
る。
【図22】 スイッチオンチェック処理を示すフローチ
ャートである。
【図23】 賞球個数減算処理の一例を示すフローチャ
ートである。
【図24】 入力判定値テーブルの構成例を示す説明図
である。
【図25】 制御コマンドのコマンド形態の一例を示す
説明図である。
【図26】 制御コマンドを構成する8ビットの制御信
号とINT信号との関係を示すタイミング図である。
【図27】 払出制御コマンドの内容の一例を示す説明
図である。
【図28】 コマンド送信テーブルの一構成例を示す説
明図である。
【図29】 遊技制御手段におけるマスク不能割込処理
を示すフローチャートである。
【図30】 遊技制御手段におけるマスク不能割込処理
を示すフローチャートである。
【図31】 遊技制御手段におけるマスク不能割込処理
を示すフローチャートである。
【図32】 検出信号の入力処理が実行される様子の一
例を示すタイミング図である。
【図33】 第3種パチンコ遊技機の遊技領域の一例を
示す説明図である。
【図34】 遊技状態復旧処理の一例を示すフローチャ
ートである。
【図35】 電源監視および電源バックアップのための
払出制御用CPU周りの一構成例を示すブロック図であ
る。
【図36】 出力ポートのビット割り当ての一例を示す
説明図である。
【図37】 入力ポートのビット割り当ての一例を示す
説明図である。
【図38】 払出制御基板におけるCPUが実行するメ
イン処理を示すフローチャートである。
【図39】 2msタイマ割込処理を示すフローチャー
トである。
【図40】 払出制御手段におけるRAMの一構成例を
示す説明図である。
【図41】 受信バッファの一構成例を示す説明図であ
る。
【図42】 払出制御用CPUのコマンド受信処理の例
を示すフローチャートである。
【図43】 コマンド解析実行処理の例を示すフローチ
ャートである。
【図44】 払出停止状態設定処理の例を示すフローチ
ャートである。
【図45】 スイッチ処理の例を示すフローチャートで
ある。
【図46】 球貸し制御処理の例を示すフローチャート
である。
【図47】 球貸しカウントスイッチチェック処理の例
を示すフローチャートである。
【図48】 賞球制御処理の例を示すフローチャートで
ある。
【図49】 賞球制御処理の例を示すフローチャートで
ある。
【図50】 賞球カウントスイッチチェック処理の例を
示すフローチャートである。
【図51】 払出制御手段におけるマスク不能割込処理
を示すフローチャートである。
【図52】 払出制御手段におけるマスク不能割込処理
を示すフローチャートである。
【図53】 払出制御手段におけるマスク不能割込処理
を示すフローチャートである。
【図54】 電源基板の他の構成例を示すブロック図で
ある。
【図55】 遊技制御手段の電圧低下割込処理を示すフ
ローチャートである。
【図56】 遊技制御手段の電圧低下割込処理を示すフ
ローチャートである。
【図57】 遊技制御手段のマスク不能割込処理の他の
例を示すフローチャートである。
【図58】 検出信号の入力処理が実行される様子の一
例を示すタイミング図である。
【図59】 払出制御手段の電圧低下割込処理を示すフ
ローチャートである。
【図60】 払出制御手段のマスク不能割込処理の他の
例を示すフローチャートである。
【図61】 他の実施の形態におけるクリアスイッチの
外観構成の例を示す説明図である。
【図62】 未払出数の貸し球の払出処理が実行される
ときの各信号の状態の一例を示すタイミング図である。
【符号の説明】
31 遊技制御基板(主基板) 37 払出制御基板 54 ROM 55 RAM 56 CPU 97 球払出装置 301A 賞球カウントスイッチ 301B 貸し球カウントスイッチ 371 払出制御用CPU 921 クリアスイッチ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遊技者が所定の遊技を行うことが可能な
    遊技機であって、 遊技媒体の払出に関わる制御を行う払出制御手段と、該
    払出制御手段によって制御され、貸出要求に応じた遊技
    媒体の払出を行う貸出遊技媒体払出機構部と、前記払出
    制御手段が制御を行う際に発生する変動データを記憶す
    る変動データ記憶手段と、遊技機への電力供給が停止し
    ていても電力供給停止直前の前記変動データ記憶手段の
    最終記憶内容を保持可能な記憶内容保持手段と、該記憶
    内容保持手段に記憶される最終記憶内容を初期化するこ
    とが可能な初期化操作手段とを含み、 前記変動データには、貸出要求にもとづいた遊技媒体の
    払出数のうち払出しが完了していない未払出数を特定可
    能なデータが含まれており、 前記払出制御手段は、電力供給再開時に前記記憶内容保
    持手段により保持された未払出数を特定可能なデータに
    もとづいて遊技媒体の払出制御を再開することが可能で
    あるとともに、前記初期化操作手段が所定の操作状態で
    ある場合に前記記憶内容保持手段によって保持される最
    終記憶内容を初期化することが可能であることを特徴と
    する遊技機。
  2. 【請求項2】 払出制御手段は、電力供給再開時に、初
    期化操作手段が所定の操作状態とされていることを条件
    に、変動データ記憶手段の最終記憶内容を初期化する請
    求項1記載の遊技機。
  3. 【請求項3】 払出制御手段が所定のデータを取得する
    ための入力ポートが設けられ、 初期化操作手段が所定の操作状態とされているときに出
    力される初期化信号が前記入力ポートに入力される請求
    項1または請求項2記載の遊技機。
  4. 【請求項4】 遊技媒体を検出するための遊技媒体検出
    手段と、遊技機で使用される所定の電源の状態を監視す
    る電源監視手段とを備え、 払出制御手段は、前記電源監視手段により電源の状態が
    あらかじめ定められた所定の状態となったことが検出さ
    れた場合に、前記遊技媒体検出手段からの検出信号の入
    力処理を所定期間実行した後、未払出数を特定可能なデ
    ータを含む制御状態の保存に関わる電力供給停止時処理
    を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の
    遊技機。
  5. 【請求項5】 払出制御手段は、前記電源監視手段によ
    り電源の状態があらかじめ定められた所定の状態となっ
    たことが検出された場合に、貸出遊技媒体払出機構部の
    駆動を停止した後、遊技媒体検出手段からの検出信号の
    入力処理を実行することを特徴とする請求項4記載の遊
    技機。
  6. 【請求項6】 電源監視手段により電源の状態があらか
    じめ定められた所定の状態となったことが検出された後
    の、遊技媒体検出手段からの検出信号の入力処理の実行
    中に、払出制御手段および遊技媒体検出手段を駆動可能
    な電源を供給可能な補助駆動電源供給手段を備えたこと
    を特徴とする請求項4または請求項5記載の遊技機。
  7. 【請求項7】 初期化操作手段が所定の操作状態とされ
    ているか否かを判定するための初期化要求検出判定期間
    が、遊技媒体検出手段による遊技媒体の検出有りを判定
    する遊技媒体検出判定期間とは異なる期間とされている
    ことを特徴とする請求項4ないし請求項6記載の遊技
    機。
  8. 【請求項8】 払出制御手段によって制御され、遊技の
    進行に応じた遊技媒体の払出を行う賞遊技媒体払出機構
    部を備え、 変動データ記憶手段は、賞遊技媒体払出制御手段が制御
    を行う際に発生する変動データをも記憶する構成とさ
    れ、 前記変動データには、遊技の進行に応じた遊技媒体の払
    出数のうち払出しが完了していない未払出数を特定可能
    なデータを含むことを特徴とする請求項1ないし請求項
    7記載の遊技機。
  9. 【請求項9】 遊技媒体検出手段として、賞遊技媒体検
    出手段と、貸出遊技媒体検出手段とを別個に設けたこと
    を特徴とする請求項1ないし請求項8記載の遊技機。
  10. 【請求項10】 払出制御手段は、電力供給停止時処理
    において変動データ記憶手段へのアクセスを禁止する処
    理を実行することを特徴とする請求項1ないし請求項9
    記載の遊技機。
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