JP2002050773A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
向電圧(VF)と逆方向漏れ電流(JR)のトレードオ
フ関係を効果的に改善する方法を提供する。 【解決手段】n+とnの2層半導体基板上面に巾S深さ
d間間wの環状トレンチT1〜Tnを形成し、その内部
に7000Å以上の膜厚のシリコン酸化膜8を成膜し、
更にポリシリコン10を充填する。このトレンチTは底
の角を丸くし、又、酸化膜8は周辺部フィールドプレー
トに連続している。基板及びトレンチ上面を平坦化てシ
ョッキー金属層1を接合させる。最外側のトレンチ間に
薄いp+拡散層を形成する。こうした構造によりSBD
のチャネル抵抗を低くし、且つ逆バイアス時の耐圧を高
くしてJRを少なくし得る。
Description
トキバリアダイオードの構造に関する物である。
向電圧が低くスイッチング速度が速い反面、逆方向漏れ
電流が大きく、逆方向降伏電圧が低いと言う欠点があ
る。又、ショットキダイオードの順方向電圧(VF)と
逆方向電流(JR)にはトレードオフの関係がある事が知
られている。VFとJRはショットキダイオードの損失の
原因であるため、トレードオフ関係を改善する為に種々
の構造が提案されてきた。図11(a)〜(d)は夫々
従来構造を示す。図11(a)は一般的なショットキダ
イオードの構造を示す。メタルとシリコンの間には、金
属と半導体の仕事関数の差によって約0.5〜0.7eVのショ
ットキバリアが生じる。逆バイアス印加時の漏れ電流
は、熱電子電流と呼び、バリア高さによって決まってい
る。逆バイアスの増加に伴い、バリア高さは鏡像力によ
って低くなる為、バリアを超える熱電子電流は増加し、
漏れ電流は徐々に増加する。ショットキダイオードの順
電圧はショットキバリアの高さとチャネル抵抗によって
決まっている。チャネル抵抗を低減し、耐圧を落さず、
漏れ電流が増加しないよう工夫すれば、VF−JRトレード
オフを低減できる。
イオード(JBS)、又、同図(c)は超接合型ショット
キダイオード、(d)はトレンチMOSショットキダイオ
ードの例を示す。図11(b)ではショットキ接合SとP
N接合Jが交互に配置されている。この素子に逆方向電圧
を印加すると、PN接合が無い場合ショットキ接合に全て
かかる電圧が、一部PN接合によって負担される。そのた
め、電界のピークはショットキ接合表面からチャネルの
内部に移動する。そのため、ショットキ接合表面の電界
が緩和されるので、耐圧は増加し漏れ電流は減少する。
しかし、この構造にはつぎのような問題がある。一部に
ビルトインポテンシャルの高いPN接合があるため、順方
向電圧が増加する。その為、総合するとVF−JRトレード
オフを大きく改善できない。
型の柱状不純物4、もしくはP型半導体にN型の柱状不純
物4が等間隔に存在する。チャネル抵抗を低減するため
に、導電率を高くしている。一般のショットキ接合では
導電率を高くすれば耐圧が低下する。表面に垂直方向の
みならず、表面に水平方向からも電圧が印加されるの
で、ショットキ接合面の電界は緩和され、耐圧は高くな
る。しかし、この構造にはつぎのような問題点がある。
導電率が高いため、周辺部は主部に比べ電界が集中しや
すい。周辺に深い拡散をおこなわないとブレークダウン
が生ずる。深い拡散を周辺部に形成し、電界を緩和する
方法もあるが、周辺で十分な耐圧を得るには、拡散の深
さをトレンチより深くし、かつ拡散の濃度をエピ層の濃
度と同じにする必要がある。例えば、耐圧が100V程度の
素子を得るとする。トレンチの深さは4μmとなる。ま
た、P-の濃度は1×1016cm-3で、濃度分布は表面から拡
散深さまで均一にする必要がある。その為には高温・長
時間の拡散熱処理が必要である。
オードを示す。等間隔に掘ったトレンチ側壁に酸化膜8
が形成され、トレンチ内部にはショットキメタル2が堆
積されている。本素子は、逆バイアス時、MOSゲートよ
り空乏層が広がり、半導体を完全に空乏化する。この作
用により半導体表面の電界を緩和するため、漏れ電流を
低減する事ができる。しかし、トレンチMOSショットキ
ダイオードの耐圧は約30Vと低く、耐圧をより高くす
るためには、傾斜のある不純物ドーピングを行ない、電
界強度分布を平坦化する必要があった。又、トレンチの
側壁に深く低濃度の均一な拡散をおこなう必要があり、
上述した通り、トレンチが深くなるほど、実現が難しく
なる。
課題は次の通りである。従来のショットキダイオードは
VF-JRトレードオフがあり、これを改善する事はできな
いとされていた。これに対し、JBSや超接合型構造のよ
うに、電界を緩和し耐圧を高める事でチャネル抵抗を低
減しVF-JRトレードオフを改善する素子では、周辺部で
耐圧が制限されてしまうため、これを防ぐために周辺部
に深いガードリング拡散をおこなう必要があった。ま
た、従来のトレンチMOSショットキダイオードは、濃度
分布に傾斜を持たせなくては高い耐圧が得られなかっ
た。本発明は、ガードリング拡散をおこなう事無く周辺
部の耐圧を改善する事ができ、濃度分布を傾斜させる事
無く100Vを超える高い耐圧が得られ、VF-JRトレードオ
フを改善する事ができるショットキダイオードを提供す
る。
請求項1の発明は、一導電型の第一半導体層と、該第一
半導体層より低不純物濃度の一導電型の第二半導体層と
を積層して成る半導体基板と、該第二半導体層表面に所
定の幅と間隔をもって形成された複数の環状トレンチ部
と、該環状トレンチ部の内壁に設けたシリコン酸化膜と
該トレンチ部を充填するポリシリコンと、該第二半導体
層表面と該ポリシリコン表面に連接して形成されたショ
ットキー金属層を備えた半導体装置において、前記シリ
コン酸化膜の膜厚を7000Å以上にしたことを特徴と
する。
面図及び同図A−A’断面図で、図中6は一導電型の半導
体基体、5は該基体1上に積層された低不純物濃度の一
導電型の導電層(エピ層)、T1〜Tnは該導電層5に形成
されたトレンチ部で、夫々所定の巾S、深さd、間隔w
をもって配設されている。又、該トレンチ部(T1〜T
n)は夫々直線部分aと曲線部分bから成る環状に形成
されている。そして隣接するトレンチ部(例T1とT2)の
間隔(W)(メサ巾)は全て一定であり又、夫々曲線部
分bの曲率は全て同一である。
たシリコン酸化膜(SiO2)、10は該酸化膜上に充
填されたポリシリコン、1はショットキ金属層、3は最
外郭のトレンチ部Tnに囲まれた半導体層5に形成され
た逆導電型の半導体層(P+)である。
750nm以上に厚く、トレンチ側壁酸化膜とフィールドプ
レートが連続した構造になっており、フィールドプレー
トにトレンチ底と同じ電圧が印加される。フィールドプ
レートの直下の半導体には電圧はほとんど印加されな
い。したがって、フィールドプレート直下で降伏は生じ
ない。幅の狭いシリコンメサで周辺を取り囲む事で、周
辺部の耐圧を、内側より高くする事ができる。シリコン
メサの表面には、薄いP+3を拡散しPN接合を作っても良
い。この処理をする事により、表面からの熱電子電流を
カットし、周辺部の漏れ電流を小さくする事ができる。
P+の深さは薄くしないと、P+を拡散した部分がショット
キ接合部より耐圧が低くなってしまう。メサ幅を狭くす
る事により、ピンチオフを増加し耐圧を高める事ができ
る。又、シリコンメサ部2はリング構造となっている。
リングに垂直の断面は全て同じ構造になっており、チャ
ネル内部の電界分布は任意の垂直断面で同じである為、
耐圧は任意の位置で一定である。
した場合の電圧−電流特性を示す。メサ幅が狭いほど、
耐圧が高くなっている。図4は、全くボロン拡散をおこ
なわない場合の電圧−電流特性を示す。同様にメサ幅が
狭いほど、耐圧が高くなっている。ボロン拡散した場合
と、ボロン拡散しない場合で、耐圧は等しい。また、ボ
ロン拡散をおこなわない方が、漏れ電流が大きい。次に
図5は、周辺構造の有無による電圧−電流特性の比較を
示す。周辺構造が無い場合、耐圧は20V程度しかな
い。周辺構造があると、耐圧は70〜80Vとなり、高
くなる。又、図6は、通常のショットキダイオード
(イ)と本発明品(ロ)の電圧−電流特性の比較を示
す。通常のショットキダイオードでは、耐圧は30V程
度しかない。それに対し、本発明品の逆耐圧は約110
Vある。また、図7は、同じ耐圧(約110V)での通常
のショットキダイオードと本発明品の、順電圧−逆電流
トレードオフの比較を示す。通常のショットキダイオー
ドに比べて、VFを約0.17V低減する事ができる。ま
た、従来のトレンチ型ショットキダイオードに比べトレ
ードオフを改善する事ができる事がわかる。
の膜厚と耐圧(逆方向電圧)の関係を示す特性図で、図
中特性(イ)は膜厚690nm、(ロ)は765nm、
(ハ)は790nmの例を示し、(イ)の場合の耐圧は
せいぜい40Vであるのに対し、(ロ)、(ハ)に示す
ように700nm以上になると急激に耐圧が向上するこ
とを示している。
で環状トレンチ部を全て直線を構成したストライプ型と
したものでこれによっても同様に効果が得られ、更に漏
れ電流が少ないことが確認された。
ードの製法を示す製造工程断面図で、先ずシリコンを酸
化し、その上にLPCVD等の手段によってSi3N4膜を堆積す
る。Si 3N4膜を写真によってパターニングし、フィール
ド酸化膜として残す部分を決定し、全面にPSGを堆積す
る。SiO2/Si3N4/PSG複合膜が得られる。一例としてSi3N
4膜は120nm、SiO2は40nm、PSG膜は1.200μmである。
積層マスクの目的は、1つはトレンチエッチの為のハー
ドマスクで、もう1つはトレンチ側壁と周辺SiO2膜との
選択酸化である。
グし、これをハードマスクとしてトレンチエッチをおこ
なう。トレンチの深さは、6μm〜7μmである。トレンチ
エッチは一例として反応性イオンエッチング(Reactive
Ion Etching:RIE)装置を用いる。ガス組成の代表例と
してはHBr:20sccm,NF3:20sccm,圧力 20mmTorrである。
エッチング時間は210秒である。トレンチエッチの後、P
エッチによってPSG膜のみを選択除去する。時間は約8mi
nである。Pエッチ液によりPSG膜のみを選択的にエッチ
ングする事ができる。図10(a)
チ(CDE)等の装置によりトレンチ底部の角を丸める。
省略すると、酸化の際にSiO2膜がトレンチの底の角の部
分で薄くなり、電界が集中する。CDEのガスの組成は一
例としてCF4:O2=1:3、圧力は50Paである。この後、7000
〜8000Åの厚いSiO2膜をトレンチ側壁に形成する。Si3N
4膜が無いとショットキ表面に厚いSiO2膜が形成され
る。SiO2膜が形成されないよう、事前にショットキ表面
にSi3N4膜を堆積してある。また、表面に酸化膜が露出
する面積をできるだけ小さくする為に窒化膜を堆積して
ある。選択酸化の後、Si3N4膜をCDEでエッチングした。
ガスの組成の一例はCF4:O2:N2=6:6:1である。
周辺部の窒化膜の無い部分は、フィールドSiO2膜となっ
て残り、耐圧を保つ働きをする。図10(b)
を埋め込み、ポリシリコンのエッチバックをおこなう。
側壁酸化後、トレンチ内に導電性のポリシリコンを充填
する。メタルを直接堆積する事は、トレンチが深くなる
と難しい。ポリシリコンは、縦形LP-CVD装置により、ボ
ロンドープポリシリコンを堆積した。一例として、温度
は550℃、堆積膜厚は1.024μm、時間は10時間、後処理
として850℃30分の熱処理をおこなう。堆積したポリシ
リコンをエッチバックで平坦化し、ショットキ面を露出
させる。ポリシリコンのエッチバックにはCDEを用い
た。エッチバックガスはCF4:O2=1:2で、圧力は70Pa、
時間は約400秒を要する。エッチバックによって、ポリ
シリコン面に約1.0μm弱の窪みが生じるが、シリコン面
はSi3N4膜で保護されているので侵されない。図10
(c)
ョットキバリアメタル1を堆積する。図10(d)
よれば逆方向電圧が高く、かつ逆方向漏れ電流の少ない
ダイオードが提供でき実用上の効果は大きい。
図
関係を示す特性図
Claims (5)
- 【請求項1】一導電型の第一半導体層と、該第一半導体
層より低不純物濃度の一導電型の第二半導体層とを積層
して成る半導体基板と、該第2半導体層表面に所定の幅
と間隔をもって形成された複数の環状トレンチ部と、該
環状トレンチ部の内壁に設けたシリコン酸化膜と、該ト
レンチ部を充填するポリシリコンと、該第二半導体層表
面と該ポリシリコン表面に連接して形成されたショット
キー金属層を備えた半導体装置において、前記シリコン
酸化膜の膜厚を7000Å以上にしたことを特徴とする
半導体装置。 - 【請求項2】環状トレンチ部は夫々直線部と曲線部によ
り形成され、且つ夫々曲線部は同一の曲率を備えたこと
を特徴とする請求項1の半導体装置。 - 【請求項3】環状トレンチ部は夫々直線部のみにより形
成され、且つ夫々一定の幅と一定の間隔で配設されたこ
とを特徴とする請求項1の半導体装置。 - 【請求項4】最外郭部の環状トレンチ部表面と第2半導
体層表面にまたがって環状絶縁体薄膜を形成したことを
特徴とする請求項1、請求項2 又は請求項3の半導体
装置。 - 【請求項5】最外郭の環状トレンチ部に囲まれた第2半
導体層表面に該第2半導体層と逆導電型の導電層が形成
されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求
項3又は請求項4の半導体装置
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