JP5374520B2 - 半導体装置、ショットキバリアダイオード、電子装置、および半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置、ショットキバリアダイオード、電子装置、および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置、ショットキバリアダイオード、電子装置、および半導体装置の製造方法に関する。
ダイオードなどの整流素子の重要な性能指標として耐圧性能とオン抵抗とがある。高耐圧と低いオン抵抗を実現し得る整流素子として、ワイドバンドギャップを有するIII族窒化物系化合物半導体を用いたショットキバリアダイオード(SBD:Schottky Barrier Diode)が注目されている。SBDに関する先行技術文献としては、例えば、特許文献1(特開2006−156457号公報)が挙げられる。
図19の断面図に、SBDの構造の一例を模式的に示す。図示のとおり、このSBD100は、サファイア基板101上に緩衝層120、n型GaN層122およびn型GaN層123がこの順でエピタキシャル成長された積層構造を有する。この積層構造の上部には、n型GaN層123の上面にショットキ接合するアノード電極112が形成されている。前記積層構造の上端部よりも下方の他端部には、n型GaN層122にオーム性接触するカソード電極113が形成されている。
特開2006−156457号公報
半導体装置の特性の中でも、耐圧とオン抵抗は重要な特性である。具体的には、高性能の半導体装置を得るためには、耐圧をなるべく高くすること、および、オン抵抗をなるべく低くすることが好ましい。しかしながら、耐圧とオン抵抗の間にはトレードオフがあり、半導体装置の耐圧を高くすると、オン抵抗も高くなってしまう。また、この関係は、前記半導体装置における半導体層の誘電率、移動度、絶縁破壊電界という物性値で決まっているため、トレードオフ改善による性能向上が極めて困難である。
そこで、本発明の目的は、耐圧とオン抵抗のトレードオフが改善され、性能が向上した半導体装置を提供することである。
前記目的を達成するために、本発明の半導体装置は、
半導体層と、アノード電極と、カソード電極とを含み、
前記半導体層は、組成変化層を含み、
前記アノード電極は、前記半導体層の一部にショットキ接合されることにより、前記組成変化層の一方の主面と電気的に接続され、
前記カソード電極は、前記半導体層の他の一部に接合されることにより、前記組成変化層の他方の主面と電気的に接続され、
前記アノード電極および前記カソード電極によって、前記組成変化層に対し、前記主面と垂直な方向に電圧を印加可能であり、
前記組成変化層は、前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって、前記組成変化層の主面と垂直な方向に変化する組成を有し、前記変化する組成により発生する負の分極電荷を有し、かつ、ドナー不純物を含むことを特徴とする。
さらに、本発明は、前記本発明の半導体装置を含むことを特徴とする電子装置を提供する。
さらに、本発明は、
前記半導体層を形成する半導体層形成工程と、
前記アノード電極を前記半導体層の一部にショットキ接合させ、かつ、前記カソード電極を前記半導体層の他の一部に接合させる電極接合工程とを含み、
前記半導体層形成工程は、前記組成変化層を形成する組成変化層形成工程を含み、
前記組成変化層形成工程において、前記組成変化層が、その主面と垂直な方向に変化する組成を有することにより負の分極電荷を発生し、かつ、ドナー不純物を含むように前記組成変化層を形成し、
前記電極接合工程において、前記組成変化層に対し、その主面と垂直な方向に電圧を印加可能であるように前記アノード電極および前記カソード電極を形成することを特徴とする、前記本発明の半導体装置の製造方法を提供する。
本発明によれば、耐圧とオン抵抗のトレードオフが改善され、性能が向上した半導体装置を提供することができる。
実施形態1の半導体装置であるショットキバリアダイオード(SBD)の構造を概略的に示す断面図である。 本発明の半導体装置の組成変化層において、Al組成比と負電荷密度との関係を例示するグラフである。 実施形態1の半導体装置の組成変化層において、逆方向バイアス印加時の電界強度を模式的に例示するグラフである。 実施形態1の半導体装置において、オン抵抗と耐圧との関係の例示をプロットしたグラフである。 実施形態2の半導体装置であるSBDの構造を概略的に示す断面図である。 実施形態3の半導体装置であるSBDの構造を概略的に示す断面図である。 実施形態4の半導体装置であるSBDの構造を概略的に示す断面図である。 実施形態4の半導体装置において、電荷密度の分布を概略的に例示するグラフである。 実施形態4の半導体装置において、オン抵抗と耐圧との関係の例示をプロットしたグラフである。 実施形態5の半導体装置であるSBDの断面構造を概略的に示す図である。 実施形態5の半導体装置において、電荷密度の分布を概略的に示すグラフである。 実施形態6の半導体装置であるSBDの断面構造を概略的に示す図である。 実施形態6の半導体装置において、オン抵抗と耐圧との関係の例示をプロットしたグラフである。 実施形態7の半導体装置であるSBDの断面構造を概略的に示す図である。 実施形態8の半導体装置であるSBDの断面構造を概略的に示す図である。 実施形態8の半導体装置であるSBDにおいて、オフ動作時の構造を概略的に示す断面図である。 実施形態9の半導体装置であるSBDの断面構造を概略的に示す図である。 実施形態10の半導体装置であるSBDの断面構造を概略的に示す図である。 SBDの構造を模式的に例示する断面図である。
本発明の半導体装置における前記組成変化層は、前述の通り、前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって、前記組成変化層の主面と垂直な方向に変化する組成を有する。これにより、前記アノード電極および前記カソード電極間の電圧印加時に、前記組成変化層に含まれるドナー不純物により生じる正電荷を、前記組成変化層に発生する負の分極電荷により中和(キャンセル)して電界集中を緩和可能である。したがって、本発明の半導体装置は、前記の耐圧とオン抵抗との間のトレードオフを改善して高耐圧と低いオン抵抗とを実現することが可能である。詳しくは後述する。
なお、本発明において、「組成」とは、半導体層等を構成する元素の原子数の量的関係をいう。「組成比」とは、前記半導体層等を構成する特定の元素の原子数と、他の元素の原子数との相対的な割合をいう。例えば、AlGa1−xNの組成で表される半導体層において、xの数値を「Al組成比」という。また、本発明において、半導体層の組成または組成比を規定する場合、導電性等を発現させる不純物(ドーパント)は、半導体層を構成する元素として考慮しないものとする。例えば、p型GaN層とn型GaN層とは、不純物(ドーパント)が異なるが、組成は同一であるものとする。また、例えば、n型GaN層と、不純物濃度がさらに高いnGaN層とがあった場合、それらの組成は同一であるものとする。また、本発明において、半導体層中における不純物の濃度は、特に断らない限り、体積あたり(例えば1cmあたり)存在する前記不純物の原子数で表す。
また、半導体は、結晶状態である場合とアモルファス(非結晶)状態である場合とがある。本発明の半導体装置において、前記半導体層は、特に制限されないが、結晶状態であることが好ましい。また、前記結晶状態は、単結晶状態であることがより好ましい。また、本発明において、半導体層、基板等の「主面」とは、半導体層、基板等において最も広い面、すなわち、いわゆる表面もしくは裏面、または上面もしくは下面をいう。
また、本発明において、Xという構成要素とYという構成要素が存在する場合、XとYの位置関係は、以下の通りとする。まず、「Xの表面側にY」は、特に断らない限り、Xの表面にYが直接接触している状態でも良いし、Xの表面とYとの間に他の構成要素等が存在し、Xの表面とYとが直接接触していない状態でも良い。同様に、「Xの裏面側にY」は、特に断らない限り、Xの裏面にYが直接接触している状態でも良いし、Xの裏面とYとの間に他の構成要素等が存在し、Xの裏面とYとが直接接触していない状態でも良い。「Xの表面にY」は、Xの表面にYが直接接触している状態を指す。同様に、「Xの裏面にY」は、Xの裏面にYが直接接触している状態を指す。「Xの上にY」または「Xの上面側にY」は、特に断らない限り、Xの上面にYが直接接触している状態でも良いし、Xの上面とYとの間に他の構成要素等が存在し、Xの上面とYとが直接接触していない状態でも良い。同様に、「Xの下にY」または「Xの下面側にY」は、特に断らない限り、Xの下面にYが直接接触している状態でも良いし、Xの下面とYとの間に他の構成要素等が存在し、Xの下面とYとが直接接触していない状態でも良い。また、「Xの上面にY」は、Xの上面にYが直接接触している状態を指す。同様に、「Xの下面にY」は、Xの下面にYが直接接触している状態を指す。「Xの片面側にY」は、特に断らない限り、Xの片面側にYが直接接触している状態でも良いし、Xの片面側とYとの間に他の構成要素等が存在し、Xの片面側とYとが直接接触していない状態でも良い。「Xの両面側にY」も、同様とする。「Xの片面にY」は、Xの片面にYが直接接触している状態を指す。「Xの両面にY」も、同様とする。
本発明において「接合」とは、直接接触した状態でも良いし、他の構成要素を介してつなぎ合わされた状態でもよい。例えば、電極が半導体層に接合されている状態とは、前記電極と前記半導体層とが直接接触した状態でもよいし、基板、絶縁膜、または他の半導体層等を介してつなぎ合わされた状態でもよい。本発明において「電気的に接続」は、電気的に何らかの相互作用が可能な状態であれば良く、例えば、双方向に通電可能な状態でも良いし、整流作用が働くように接続された状態でも良い。また、「電気的に接続」は、直接接触した状態でも良いし、他の構成要素を介してつなぎ合わされた状態でも良い。例えば、前記アノード電極は、前述の通り、前記半導体層の一部にショットキ接合されることにより、前記組成変化層の一方の主面と電気的に接続されている。この場合、前記アノード電極がショットキ接合された部分は、前記組成変化層の前記主面でも良いし、前記半導体層の他の部分でも良い。また、例えば、前記カソード電極は、前述の通り、前記半導体層の他の一部に接合されることにより、前記組成変化層の他方の主面と電気的に接続されている。この場合、前記カソード電極が接合された部分は、前記組成変化層の前記主面でも良いし、前記半導体層の他の部分でも良い。また、本発明において、分極により発生する電荷(「分極電荷」、「分極負電荷」等)は、特に断らない限り、電圧を印加しない場合に発生する分極電荷をいう。電圧を印加しない場合に発生する分極電荷としては、例えば、いわゆる自発分極、ピエゾ分極等がある。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されない。各図において、同様な構成要素には適宜同一符号を付し、同様な部分の説明は適宜省略する場合がある。また、各数式は理論式であるため、本発明の半導体装置等における実際の現象は、各数式と完全には一致しない場合がある。
[実施形態1]
本発明の第1の実施形態についての説明に先立ち、半導体装置の耐圧とオン抵抗との関係について、図19のSBDを例にとって理論式で説明する。
まず、図19のSBDにおいて、n型GaN層123の電界強度の値は、アノード電極112との界面において最大値となる。前記電界強度の最大値Emax(V/m)は、下記数式(1)で表される。
Figure 0005374520
前記数式(1)において、各記号の意味は下記の通りである。

bi:内蔵電位(V)
k:ボルツマン定数(J/K)
T:温度(K)
q:素電荷(電気素量)(C)
W:n型GaN層123におけるアノード電極112側の空乏層幅(m)
また、前記数式(1)におけるアノード電極112側の空乏層幅Wは、下記数式(2)で表すことができる。
Figure 0005374520
前記数式(2)において、各記号の意味は下記の通りである。

ε:誘電率(F/m)
:n型GaN層123のドナー不純物濃度(m−3
なお、前記数式(1)および(2)は、S. M. Sze, ”Physics of Semiconductor Devices,” John Wiley & Sons, 2nd edition, 1981に記載の理論に基づいている。前記数式(1)および(2)より、下記数式(3)を導出することができる。
Figure 0005374520
電界強度の最大値Emaxが半導体の絶縁破壊電界Ecrit(V/m)に達するとブレークダウンを起こすため、このSBDの耐圧V(V)は、下記数式(4)で表される。
Figure 0005374520
すなわち、図19で表されるSBDの耐圧Vは、n型GaN層123のドナー不純物濃度Nに依存している。なお、上記の関係は、半導体層中に空乏層が十分に伸びている状態(すなわち中性領域が存在しうるだけの半導体の厚みがある状態)において成り立つ。この時の半導体の厚みをdmin(m)とすると、dminは半導体が絶縁破壊電界に達した状態でのn型半導体層の空乏層幅に等しいので、前記数式(1)および(2)より、下記数式(5)が導出できる。
Figure 0005374520
一方、耐圧と並んでSBDの重要な性能指標であるオン抵抗Ron(Ω・m)は、下記数式(6)で表される。
Figure 0005374520
前記数式(6)において、各記号の意味は以下の通りである。

μ:移動度(m/V・s)
n:キャリア濃度(m-3

キャリア濃度nは、不純物濃度Nとほぼ等しいと考えてよいので、前記数式(5)および(6)より、オン抵抗の最小値は、下記数式(7)で表される。
Figure 0005374520
ここで、V >>|Vbi−kT/q|の近似を用いると、前記数式(4)および(7)式より、耐圧とオン抵抗の間には、下記数式(8)の関係が導かれる。
Figure 0005374520
前記数式(8)に示されるとおり、耐圧Vの高いSBDを実現しようとすると、オン抵抗Ronも高くなってしまい、耐圧とオン抵抗の間にはトレードオフがある。また、この関係は、半導体層(図19ではGaN)の誘電率、移動度、絶縁破壊電界という物性値で決まっているため、トレードオフ改善による性能向上が極めて困難である。前記数式(1)〜(8)は、SBDに限らず半導体装置全般に対して当てはまるので、この問題は、半導体装置全般に共通する問題である。
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。図1の断面図に、本実施形態の半導体装置の構造の概略を示す。図示の半導体装置1は、ショットキバリアダイオード(SBD)である。なお、本発明の半導体装置は特に制限されないが、ショットキバリアダイオード(SBD)であることが好ましい。本実施形態および以下の各実施形態においては、主に、ショットキバリアダイオード(SBD)について述べる。
図1に示すとおり、本実施形態のショットキバリアダイオード(SBD)1は、半導体層と、アノード電極12と、カソード電極13とを主要な構成要素とし、さらに、基板(支持基板)10を含む。基板10は、例えば、サファイア基板である。前記半導体層は、第1緩衝層20、第2緩衝層21、n型化合物半導体層22およびn型化合物半導体層23の各層から形成されている。第1緩衝層20、第2緩衝層21、n型化合物半導体層22およびn型化合物半導体層23の各層は、基板10上に、前記順序で積層されている。n型化合物半導体層23は、組成変化層である。n型化合物半導体層23の一部は除去されている。前記除去部分においては、n型化合物半導体層22の上面が露出している。アノード電極12は、n型化合物半導体層23の上面にショットキ接合されている。カソード電極13は、n型化合物半導体層22の前記露出した上面に接合されている。本実施形態では、カソード電極13とn型化合物半導体層22との接合は、オーム性接触である。ショットキバリアダイオード(SBD)1は、アノード電極12およびカソード電極13間の電圧印加によって、n型化合物半導体層(組成変化層)23に対し、その主面と垂直な方向に電圧を印加可能である。n型化合物半導体層(組成変化層)23は、カソード電極13側からアノード電極12側に向かって、n型化合物半導体層(組成変化層)23の主面と垂直な方向に変化する組成を有する。n型化合物半導体層(組成変化層)23は、ドナー不純物を含む。n型化合物半導体層(組成変化層)23は、アノード電極12およびカソード電極13間の電圧印加時に、前記ドナー不純物によりn型化合物半導体層(組成変化層)23に生じる正電荷を、n型化合物半導体層(組成変化層)23に発生する負の分極電荷により中和して電界集中を緩和可能である。
型化合物半導体層22には、n型化合物半導体層(組成変化層)23よりも高濃度のドナー不純物が添加されている。第1緩衝層20、第2緩衝層21、n型化合物半導体層22およびn型化合物半導体層23は、例えば、III族窒化物半導体により形成することができ、また、例えば、基板10上にエピタキシャル成長で形成することができる。第1緩衝層20と第2緩衝層21は、基板10とn型化合物半導体層22との間の格子定数差を緩和する機能を有する。特に、第2緩衝層21は、その上に結晶成長するn型化合物半導体層22およびn型化合物半導体層23それぞれの格子定数を決定する機能を有する。
n型化合物半導体層(組成変化層)23は、前述のとおり、その最下部(カソード電極13側)から最上部(アノード電極12側)に向かって、n型化合物半導体層(組成変化層)23の主面と垂直な方向に変化する組成(以下「組成分布」ということがある)を有する。n型化合物半導体層23は、前記組成分布により、その内部に負の分極電荷を発生しうる。n型化合物半導体層23は、例えば、シリコンなどのドナー不純物が導入されたAlGa1−xN(0≦x<1)により形成することができる。このn型化合物半導体層(n型AlGa1−xN層)23は、その最下部(カソード電極側主面すなわちn型化合物半導体層22との界面)でx=x(x>0)のAl組成比を有し、最上部(アノード電極側主面すなわちアノード電極12との界面)でx=x(x≧0)のAl組成比を有する。n型AlGa1−xN層23の内部では、その最下部(カソード電極13側)から最上部(アノード電極12側)に向かって、Al組成比xがxからxまで連続的にまたは分子層単位(オングストロームオーダー)で段階的に変化する。また、n型AlGa1−xN層23において、x>xである。すなわち、前記Al組成比xは、n型AlGa1−xN層23の最下部(カソード電極13側)から最上部(アノード電極12側)に向かって連続的にまたは分子層単位で段階的に減少する。なお、1オングストローム(Å)は、10−10mすなわち0.1nmに等しい。
型化合物半導体層22は、例えば、シリコンなどのドナー不純物が高濃度で導入されたAlGa1−yN(0≦y<1)により形成できる。このn型化合物半導体層22は、全体に一様なAl組成比yを有している。このAl組成比yは、n型化合物半導体層23の最下部でのAl組成比xとほぼ等しい。すなわち、y=xまたはy≒xである。
前記の構成を有するショットキバリアダイオード(SBD)1の耐圧とオン抵抗との関係について説明する。ここで、第2緩衝層21はAlGaNバッファ層であり、n型化合物半導体層22は、n型AlGaN層であるものとする。AlGaNバッファ層21、n型AlGaN層22、およびn型AlGaN層23の最下部は、全て同一のAl組成比xを有するものとする。n型AlGa1−xN層23の最上部のAl組成比はxである。前記n型AlGaN層23のAl組成比xは、前記n型AlGaN層23の最下部(カソード電極13側)から最上部(アノード電極12側)に向かってK段階で変化すると考える。ただし、Kは、2以上の整数である。Kの値を十分に大きくとると、組成変化は連続的なものとみなすことができる。例えば、前記組成変化層の組成が分子層単位(オングストロームオーダー)で段階的に変化する場合は、実質的には、前記組成変化層の組成変化は連続的であるとみなして良い。以下、n型AlGa1−xN層23中の下からk番目の層のAl組成比をxとする。kは、0からKまでのいずれかの整数である。k=0は、n型AlGa1−xN層23の最下端、すなわち、カソード電極13側主面(n型AlGaN層22との界面)に相当する。
以下、図1に示す本実施形態の半導体装置(SBD)について、理論式を用いて説明する。まず、O. Ambacher, et al., "Pyroelectric properties of Al(In)GaN/GaN hetero- and quantum well structures," Journal of Physics C:Condensed Matter, Vol. 14, pp. 3399-3434(2002)によれば、Al組成比xを有するAlGaN層に生じる自発分極電荷PSPは、下記数式(9)で表される。前記PSPの単位は、下記数式(9)に記載のとおり、C/m=C・m−2である。
Figure 0005374520
ここで、n型AlGa1−xN層23中における下からk番目の層の歪εを下記数式(10)のように定義する。
Figure 0005374520
前記数式(10)中、各記号の意味は下記の通りである。

:n型AlGaN層22との界面における格子定数
:n型AlGa1−xN層23中、下からk番目の層(Al組成比x)の格子定数
本実施形態では、n型AlGa1−xN層23は、その下部から上部に向かうにつれてAl組成比が下がる。このため、n型AlGa1−xN層23の格子定数は、最上部に近いほど大きくなる。したがって、前記数式(10)から分かるとおり、n型AlGa1−xN層23においてε<0である。このとき、n型AlGa1−xN層23に発生するピエゾ分極電荷PPZは、下記数式(11)で与えられる。前記PPZの単位は、下記数式(11)に記載のとおり、C/m=C・m−2である。
Figure 0005374520
n型AlGa1−xN層23中の分極電荷PPOLは、下記数式(12)で与えられる。
Figure 0005374520
n型AlGa1−xN層23において、下からk−1番目のAlGaN層とk番目のAlGaN層との間には分極電荷の差分が生じ、前記両層間の界面に当該差分の負電荷Δσ(C・m−2)が存在する。負電荷Δσ(C・m−2)は、下記数式(13)で表される。
Figure 0005374520
前記両層の界面に発生した負電荷の体積密度をNPOL、下からk番目のAlGaN層の厚みをt(m)とすると、体積密度NPOL(C・m−3)は下記数式(14)で与えられる。
Figure 0005374520
図2のグラフに、n型AlGa1−xN層23において、x=0.3、x=0(すなわち、n型AlGaN層23の上面はGaN面)、K=100として計算したAl組成比xと負電荷密度との関係を示す。同図において、横軸はAl組成比を示し、縦軸は負電荷密度(q/cm)を示す。なお、同図中において、負電荷密度の単位中「q(素電荷)」の表示を省略している。本発明において、電荷密度について、特に示さないときは、「q(素電荷)」の倍数の絶対値に換算した密度または濃度を表す。例えば、電荷密度の単位を、単に「m−3」と示すときは、1m−3中に存在する電荷をq(素電荷)で割った値の絶対値を示すものとする。また、本発明において、不純物濃度について、特に示さないときは、前記不純物により発生しうる電荷の最大値を、「q(素電荷)」の倍数の絶対値に換算した密度または濃度を表す。例えば、不純物濃度の単位を、単に「m−3」と示すときは、1m−3中に存在する前記不純物により発生しうる電荷の最大値をq(素電荷)で割った値の絶対値を示すものとする。なお、前記不純物により発生しうる電荷の最大値は、前記不純物の活性化率(イオン化率)が100%である場合に前記不純物により発生する電荷に等しい。なお、同図において、前記の、組成が連続的に変化する(以下「傾斜組成」ということがある)AlGaN層(n型AlGa1−xN層)のトータル厚tAlGaN(=t+t+…+t)は、1μmとして計算した。同図において「一定ステップ」と示した実線は、tを一定(10nm)とした場合の結果を表す。図示の通り、カソード側電極13からアノード電極12側に向かって、負電荷密度がほぼ線形に減少していることがわかる。この場合、平均の負電荷密度に対して±17%程度の変化が生じている。このような電荷分布密度においても、ドナー不純物による正電荷をキャンセルし、耐圧とオン抵抗のトレードオフを改善する十分な効果が得られる。以下では、さらにこの負電荷密度を一定にすることを考える。
すなわち、図示の通り、tを一定(10nm)とした場合はアノード電極12側が負電荷の面密度が高いので、体積密度を一定にするには面密度の減少に応じてtを薄くすればよい。すなわち、下から1層目の厚みをtとすれば、下記数式(15)に従ってtを薄くすればよい。
Figure 0005374520
このように、前記組成変化層が複数の層からなるとして、Al組成比が高い側(前記カソード電極側)の層の厚みを大きく、Al組成比が低い側(前記アノード電極側)の層の厚みを小さくすれば、前記組成変化層のAl組成比減少勾配が、前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって急勾配となる構成を実現できる。これにより、例えば、図2に「補正ステップ」と示した点線のように、前記組成変化層の負電荷密度を、前記カソード電極側から前記アノード電極側まで均一にすることができる。なお、このことは、前記複数の層の厚みが十分に小さくて前記組成変化層の組成変化が連続的とみなせる場合のみならず、前記複数の層の厚みが大きくて前記組成変化層の組成変化が段階的である場合についても同様である。
ここで、負電荷密度(C・m−3)の平均をNPOL AVG、変化分をΔNPOLとすると、下記数式(16)が成り立つ。
Figure 0005374520
このような負電荷密度分布を持つ傾斜組成AlGaN層に対し、図1に示すようにN=NPOLのドナー不純物をドーピングすると、逆方向バイアス(逆バイアス)印加時の電界は真性半導体と同様に一定の値になる。図3のグラフに、この関係を模式的に示す。同図において、横軸は電界強度であり、縦軸は、半導体装置のAlGaN層における、主面と垂直方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かう位置を示す。同図中、Laは、図1の半導体装置(SBD)1におけるn型AlGa1−xN層23を示す。Lbは、n型AlGa1−xN層23に代えて、組成の傾斜(変化)がないAlGaN層を有する以外は図1の半導体装置(SBD)1と同様の半導体装置における、前記AlGaN層を示す。Lbにおける前記AlGaN層は、厚みがn型AlGa1−xN層23と同じであるものとする。また、逆方向バイアスの印加条件は、LaとLbとで同じであるものとする。
図示のとおり、Laは、組成変化層(n型AlGa1−xN層23)のカソード側(カソード電極13側)からアノード側(アノード電極12側)にわたって、ほぼ均一の電界強度を示すラインである。一方、同図のラインLに示すとおり、組成変化の無い層では、電界強度は一次関数に従って変化する。このため、前記組成変化のない層(AlGaN層)は、ラインLに示すとおり、アノード電極側の主面(アノード電極の直下)に電界強度の最大値を有する。したがって、前記組成変化のない層(AlGaN層)の厚みは、前記電界の最大値が絶縁破壊電界Edb(V/m)を越えないように設計する必要がある。これに対し、図1のSBD(本実施形態)では、ラインLに示すとおり、電界強度の最大値が低くなるので、さらに高い逆方向バイアスを印加することが可能である。これは、耐圧の向上を意味する。以下、この効果について詳細に説明する。
図1(本実施形態)のSBDは、前記数式(16)を満たし、図3に示すように電界強度が均一であるので、耐圧Vを実現するのに必要な半導体層の厚みdは、下記数式(17)で与えられる。
Figure 0005374520
本実施形態のSBDで発生し得る分極電荷の面密度は、前記数式(13)より、下記数式(18)のように計算される。
Figure 0005374520
すなわち、この面密度は、Al組成比xのAlGaNバッファ層上にAl組成比xのAlGaN層を形成した場合の面密度と等しい。
前記数式(17)および(18)により、本実施形態のSBDの耐圧がVであるときに発生しうる分極電荷の体積密度NPOL MAX(C・m−3)は、下記数式(19)で与えられる。
Figure 0005374520
本実施形態では、この体積密度NPOL MAXの値と同濃度のドナー不純物をドーピングすることができるので、前記数式(6)から、オン抵抗(Ω・m)は、下記数式(20)で与えられる。
Figure 0005374520
前記数式(17)、(19)および(20)から、オン抵抗Ronを表す下記数式(21)を導き出すことができる。
Figure 0005374520
図4のグラフに、前記数式(8)および(21)に基づきオン抵抗Ronと耐圧Vとの関係をプロットした結果を示す。同図において、縦軸はオン抵抗Ronを示し、横軸は耐圧Vを示す。同図中、3本の点線は、本実施形態のSBDにおいて、AlGa1−xN層23のxを、それぞれ、図示したxの値(0.3、0.62または1.0)からx=0まで連続的に減少させた場合のプロットを示す。実線は、AlGa1−xN層23の組成比をx=0で一定(すなわちGaN層)としたSBDのプロットを示す。図示の通り、実線で示したGaN層に対し、x=0.3からx=0に組成を変化させたAlGa1−xN層23では、同じ耐圧で比較すると、SBDのオン抵抗を1/3に低減できる。同じ耐圧における前記オン抵抗は、x=0.62として更に分極電荷を増加させると、GaN層の15%まで低減可能であり、x=1.0としてこの系で最大の分極電荷を発生させるとGaN層の8%にまで低減可能である。このことから、本実施形態のSBDによれば、前記組成変化層を有さないSBDと比較して、同じ耐圧でオン抵抗を大幅に低減可能であることが分かる。
本発明の半導体装置の製造方法は、特に制限されないが、前記本発明の製造方法により製造することが好ましい。図1に示す半導体装置1の製造方法は、特に制限されないが、例えば以下のとおりである。すなわち、まず、サファイアからなる基板10を準備する。次に、この基板10上に、例えば分子線エピタキシ(MBE:Molecular Beam Epitaxy)成長法により、III族窒化物半導体の積層構造を有する半導体層を形成する(半導体層形成工程)。前記半導体層の形成は、アンドープAlNからなる第1緩衝層20(厚さ20nm)、アンドープAlGaNからなる第2緩衝層21(厚さ2μm)、n型AlGaNからなる化合物半導体層22(厚さ500nm、ドーピング濃度(ドナー不純物濃度)3×1018cm−3、Al組成比y=0.3)、および、n型AlGaNからなる化合物半導体層23(厚さ1.8μm、ドーピング濃度(ドナー不純物濃度)7.1×1016cm−3)を、基板10の側から前記順序で成長させて行う。n型化合物半導体層22は、Ga面上に成長(Ga面が上面となるように成長)させる。
ここで、n型化合物半導体層23は、その下面でx=0.3のAl組成比を有し、その上面でx=0のAl組成比を有するように成長させて形成する(組成変化層形成工程)。Al組成比xは、n型化合物半導体層23の前記下面から前記上面に向かって連続的に、または分子層単位(オングストロームオーダー)で段階的に変化するように制御する。なお、n型化合物半導体層(組成変化層)23の組成の変化の仕方(組成分布)およびドナー不純物濃度の分布を調整するためには、例えば、MBE成長法において、分子(原子)ビームの組成、照射時間等を適宜調整すればよい。以下の各実施形態においても同様であり、また、前記組成変化層がAlGaN以外から形成されている場合も同様である。
次に、n型化合物半導体層23の一部を、n型化合物半導体層22上面が露出するまでエッチングにより除去する。さらに、前記アノード電極を前記半導体層の一部にショットキ接合させ、かつ、前記カソード電極を前記半導体層の他の一部に接合させる前記電極接合工程を行う。すなわち、まず、前記エッチングにより生じたn型化合物半導体層22の露出面上に、例えば、Ti/Al多層膜などの金属膜の蒸着により、カソード電極13を形成する。その後、650℃でアニールすることにより、カソード電極13とn型化合物半導体層22との間のオーム性接触を取る。さらに、n型化合物半導体層23上に、例えば、Ni/Au多層膜などの金属膜を蒸着することによりアノード電極12を形成する。
以上のようにして、半導体装置(SBD)1を製造(作製)することができる。
なお、前記の通り、本実施形態の半導体装置(SBD)は、n型化合物半導体層23を組成変化のない層に変えた半導体装置(SBD)と比較すると、同じ耐圧ではオン抵抗を低減できる。一方、n型半導体層23の厚みが前記組成変化のない層の厚みと同じであれば、同じオン抵抗で、より高い耐圧を得ることができる。具体的には、以下のとおりである。すなわち、まず、本実施形態の半導体装置1は、n型化合物半導体層23の下部から上部に向かって変化する組成分布(傾斜組成)を有する。n型化合物半導体層23は、この組成分布により下部から上部に向かうにつれて変化する結晶歪みを有しており、この結晶歪みの分布がn型化合物半導体層23の内部に負の分極電荷を生じさせる。半導体装置1のアノード電極12とカソード電極13との間に逆方向バイアスが印加されると、n型化合物半導体層23の内部に空乏層が広がる。前記空乏層が広がることで、n型化合物半導体層23の内部に含まれるドナー不純物による正電荷が発生する。n型化合物半導体層23の内部において、前記負の分極電荷が前記正電荷を打ち消す(中和する)ことにより、n型化合物半導体層23中のピーク電界強度が抑制(緩和)される。その結果、本実施形態の半導体装置1は、組成変化層を有さない前記SBDよりも高い耐圧を実現することができる。一方、n型化合物半導体層23の組成分布は、順方向バイアス印加時のキャリア濃度には影響を与えないので、オン抵抗は変わらない。すなわち、本実施形態の半導体装置1は、物性限界以上にオン抵抗と耐圧との間のトレードオフを改善することが可能である。
なお、図1の半導体装置の説明においては、前記半導体層は、III族窒化物半導体から形成された化合物半導体層とした。ただし、本発明の半導体装置において、前記半導体層は、これに限定されない。前記半導体層は、例えば、III−V族化合物半導体等から形成されていても良く、III−V族窒化物半導体を含んでいても良いし、含んでいなくても良い。前記半導体層は、窒化物半導体層から形成されていることが好ましく、III−V族窒化物半導体から形成されていることがより好ましく、III族窒化物半導体から形成されていることが特に好ましい。なお、本発明において、「窒化物半導体」は、窒素を含む半導体全般をいい、「III−V族窒化物半導体」および「III族窒化物半導体」を含む。「III−V族化合物半導体」は、III族元素およびV族元素を含む半導体全般をいい、例えば、GaAs、InP等が挙げられる。また、窒素はV族元素であるから、「III−V族窒化物半導体」および「III族窒化物半導体」も、「III−V族化合物半導体」に含まれる。「III−V族窒化物半導体」は、III族元素およびV族元素を含む窒化物半導体全般をいい、例えば、GaAsN等が挙げられ、「III族窒化物半導体」をも含む。「III族窒化物半導体」は、III族元素を含む窒化物半導体全般をいい、例えば、AlN、GaN、AlGaN、InGaN、InAlGaN等が挙げられる。また、図1の半導体装置において、基板10は、サファイア基板に限定されず、任意であり、例えば、Si基板、SiC基板、GaN基板等であっても良い。また前記基板は、単一材料に限らず、SOI(Silicon-On-Insulator)等の、複数の材料で構成される基板であっても良い。以下の各実施形態においても同様である。
また、本実施形態では、前記カソード電極と前記半導体層との接合面、および前記組成変化層の前記カソード電極側主面が、同一平面内に配置されているが、本発明の半導体装置はこれに限定されない。前記カソード電極は、例えば、前記半導体層の上面側に形成されていても良いし、前記半導体層の下面側に形成されていても良い。また、前記カソード電極は、例えば本実施形態のように、前記半導体層とオーム性接触されていることが好ましい。
[実施形態2]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図5の断面図に、本実施形態の半導体装置であるSBD2の構造を概略的に示す。図示のとおり、この半導体装置(SBD)2は、半導体層と、アノード電極39と、カソード電極33とを主要な構成要素とし、さらに、基板(支持基板)34を含む。基板34は、例えば、炭化シリコン(SiC)である。前記半導体層は、第1緩衝層35、第2緩衝層36、n型化合物半導体層37およびn型化合物半導体層38の各層から形成されている。これら各層は、基板34上に、前記順序で積層されている。前記各層は、例えば、III族窒化物半導体で形成することができ、また、例えば、エピタキシャル成長により形成することができる。n型化合物半導体層38は、組成変化層である。n型化合物半導体層(組成変化層)38は、ドナー不純物を含む。アノード電極39は、n型化合物半導体層38の上面にショットキ接合されている。基板34、第1緩衝層35、第2緩衝層36、およびn型化合物半導体層37の一部には、基板34下面(裏面)からn型化合物半導体層37下部まで達するビアホール(開口埋め込み部)が形成されている。カソード電極33は、基板34下面に接触し、かつ前記ビアホール(開口埋め込み部)を埋め込むように形成されている。カソード電極33は、n型化合物半導体層37と直接接触することにより、n型化合物半導体層37と接合している。カソード電極33とn型化合物半導体層37との前記接合は、オーム性接触である。n型化合物半導体層37のn型不純物(ドナー不純物)濃度は、n型化合物半導体層37とカソード電極33との間の接触抵抗が低くなるように十分に高濃度にされている。n型化合物半導体層37に添加されているドナー不純物の濃度は、n型化合物半導体層38のドナー不純物濃度よりも高濃度である。SBD2は、アノード電極39およびカソード電極33間の電圧印加によって、n型化合物半導体層(組成変化層)38に対し、その主面と垂直な方向に電圧を印加可能である。n型化合物半導体層(組成変化層)38は、カソード電極33側からアノード電極39側に向かって、n型化合物半導体層(組成変化層)38の主面と垂直な方向に変化する組成を有する。n型化合物半導体層(組成変化層)38は、アノード電極12およびカソード電極13間の電圧印加時に、n型化合物半導体層(組成変化層)38に含まれるドナー不純物により生じる正電荷を、n型化合物半導体層(組成変化層)38に発生する負の分極電荷により中和して電界集中を緩和可能である。
第1緩衝層35と第2緩衝層36は、基板34とn型化合物半導体層37との間の格子定数差を緩和する機能を有する。特に、第2緩衝層36は、その上に結晶成長するn型化合物半導体層37およびn型化合物半導体層38それぞれの格子定数を決定する機能を有する。
n型化合物半導体層(組成変化層)38は、前記実施形態1のn型化合物半導体層23(図1)と同様に、その最下部(カソード電極33側)から最上部(アノード電極39側)に向かって、n型化合物半導体層(組成変化層)38の主面と垂直な方向に変化する組成分布(傾斜組成)を有する。n型化合物半導体層38は、前記組成分布により、その内部に負の分極電荷を発生しうる。n型化合物半導体層38は、前記実施形態1と同様に、例えば、シリコンなどのドナー不純物が導入されたAlGa1−xN(0≦x<1)により形成することができる。このn型化合物半導体層(n型AlGa1−xN層)38は、その最下部でx=x(x>0)のAl組成比を有し、最上部でx=x(x≧0)のAl組成比を有する。n型AlGa1−xN層38の内部では、その最下部(カソード電極33側)から最上部(アノード電極39側)に向かって、Al組成比xがxからxまで連続的にまたは分子層単位(オングストロームオーダー)で段階的に変化する。また、n型AlGa1−xN層38において、x>xである。すなわち、前記Al組成比xは、n型AlGa1−xN層38の最下部(カソード電極33側)から最上部(アノード電極39側)に向かって連続的にまたは分子層単位で段階的に減少する。
図5の半導体装置2の製造方法は、特に制限されないが、例えば、以下のとおりである。すなわち、まず、SiC等から形成された基板34を準備する。次に、基板34上に、例えば、MBE成長法により、III族窒化物半導体の積層構造を有する半導体層を形成する(前記半導体層形成工程)。前記半導体層の形成は、アンドープAlNからなる第1緩衝層35(厚さ20nm)、アンドープAlGaNからなる第2緩衝層36(厚さ2μm)、n型AlGaNからなる化合物半導体層37(厚さ500nm、ドーピング濃度3×1018cm−3、Al組成比y=0.3)、および、n型AlGaNからなる化合物半導体層38(厚さ1.8μm、ドーピング濃度7.1×1016cm−3)を、基板34の側から前記順序で成長させて行う。n型化合物半導体層37は、Ga面上に成長(Ga面が上面となるように成長)させる。
ここで、n型化合物半導体層38は、その下面でx=0.3のAl組成比を有し、その上面でx=0のAl組成比を有するように形成する(成長させる)。Al組成比xは、n型化合物半導体層38の前記下面から前記上面に向かって連続的に、または分子層単位(オングストロームオーダー)で段階的に変化するように制御する。
次に、前記電極接合工程を行う。すなわち、まず、n型化合物半導体層38上に、例えば、Ni/Au多層膜などの金属膜の蒸着により、アノード電極39を形成する。さらに、基板34、第1緩衝層35、第2緩衝層36、およびn型化合物半導体層37の一部をエッチングにより除去し、基板34下面(裏面)からn型化合物半導体層37下部まで達するビアホール(開口埋め込み部)を形成する。なお、基板34、第1緩衝層35、第2緩衝層36のみをエッチングにより除去し、n型化合物半導体層37下面が露出したところでエッチングをやめてもよい。そして、基板34下面および前記ビアホール内に、例えば、Ti/Al多層膜などの金属膜を蒸着し、カソード電極33を形成する。カソード電極33は、n型化合物半導体層37に接触するように形成する。以上のようにして、半導体装置(SBD)2を製造(作製)することができる。
本実施形態の半導体装置2は、前記実施形態1の半導体装置1と同様、物性限界以上にオン抵抗と耐圧との間のトレードオフを改善することが可能である。具体的には、本実施形態においても、前記実施形態1と同様、例えば図2〜4のグラフに示した関係が成立し得る。
すなわち、本実施形態の半導体装置(SBD)は、前記実施形態1の半導体装置(SBD)と同様、n型化合物半導体層38を組成変化のない層に変えた半導体装置(SBD)と比較すると、同じ耐圧ではオン抵抗を低減できる。また、前記実施形態1と同様、n型半導体層38の厚みが前記組成変化のない層の厚みと同じであれば、同じオン抵抗で、より高い耐圧を得ることができる。
上記の通り、第2の実施形態の半導体装置2は、n型化合物半導体層38の下部から上部に向かって変化する組成分布を有する。n型化合物半導体層38は、この組成分布により下部から上部に向かうにつれて変化する結晶歪みを有しており、この結晶歪みの分布がn型化合物半導体層38の内部に負の分極電荷を生じさせる。したがって、第1の実施形態の半導体装置1と同様に、物性限界以上にオン抵抗と耐圧との間のトレードオフを改善することが可能である。さらに、カソード電極33が、基板34の下面(半導体装置2の裏面側)に形成されているので、実質的なチップ面積を低減することが可能である。
なお、図5の半導体装置2において、基板として導電性基板(例えば、高濃度のn型導電性基板)を用い、前記ビアホール(開口埋め込み部)の形成を省略しても良い。この場合、カソード電極33を、導電性基板34、第1緩衝層35および第2緩衝層36を介してn+型化合物半導体層37と接合(電気的に接続)させることになる。この場合、第1緩衝層および第2緩衝層は、導電性の観点から、例えば、高濃度n型ドーピング層であることが好ましい。
[実施形態3]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図6の断面図に、本実施形態の半導体装置であるSBD3の構造を概略的に示す。図示のとおり、この半導体装置(SBD)3は、n型化合物半導体層(組成変化層)23に代えてn型化合物半導体層(組成変化層)40を有すること以外は、前記実施形態1(図1)のSBD1と同様である。n型化合物半導体層22には、n型化合物半導体層40よりも高濃度のドナー不純物が添加されている。
n型化合物半導体層40は、その最下部(カソード電極13側)から最上部(アノード電極12側)に向かって、n型化合物半導体層(組成変化層)40の主面と垂直な方向に変化する組成(組成分布)を有する。n型化合物半導体層40は、前記組成分布により、前記実施形態1のn型化合物半導体層23(図1)と同様に、その内部に負の分極電荷を発生しうる。n型化合物半導体層40は、例えば、シリコンなどのドナー不純物が導入されたAlGa1−xN(0≦x<1)により形成することができる。このn型化合物半導体層(n型AlGa1−xN層)40は、前記実施形態1のn型化合物半導体層23(図1)と同様に、Al組成比xが、最下部(カソード電極側主面すなわちn型化合物半導体層22との界面)から最上部(アノード電極側主面すなわちアノード電極12との界面)に向かってx(x>0)からx(x>x≧0)まで連続的にまたは分子層単位で段階的に減少する。ただし、Al組成比xおよびドナー不純物濃度の分布が、以下のように、前記実施形態1のn型化合物半導体層23と異なる。
前記実施形態1のn型化合物半導体層23では、Al組成比に対して厚みの増分を変えることにより、分極による負電荷の体積密度を一定とした。これに対し、本実施形態のn型化合物半導体層40では、Al組成比の変化に対して厚みの変化を一定とする。この場合、分極による負電荷の体積密度は、カソード電極13の側で高くなり、アノード電極12の側で低くなる。すなわち、本実施形態では、前記組成変化層に発生する分極電荷の体積密度が、前記組成変化層の主面と垂直な方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって減少する。n型化合物半導体層40においては、ドナー不純物濃度にも、負電荷の体積密度と同様の分布(カソード電極13の側で高く、アノード電極12の側で低い分布)を持たせて、ドナー不純物濃度と分極による負電荷とを互いにキャンセルさせる。すなわち、本実施形態では、前記組成変化層のドナー不純物濃度が、前記組成変化層の主面と垂直な方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって減少する。n型化合物半導体層40においては、全体にわたって、ドナー不純物濃度Nと負電荷の体積密度NPOLが等しい(N=NPOL)。なお、図6に示すとおり、n型化合物半導体層40において、最下部(カソード電極側主面すなわちn型化合物半導体層22との界面)における負電荷の体積密度をNPOL1とし、最上部(アノード電極側主面すなわちアノード電極12との界面)における負電荷の体積密度をNPOL2とする。また、n型化合物半導体層40において、最下部(カソード電極側主面すなわちn型化合物半導体層22との界面)におけるドナー不純物濃度をND1とし、最上部(アノード電極側主面すなわちアノード電極12との界面)におけるドナー不純物濃度をND2とする。
本実施形態のn型化合物半導体層40では、このように、分極負電荷(負の分極電荷)の体積密度分布とドナー不純物濃度分布とを完全に一致させることで、逆方向バイアス印加時の電界を真性半導体と同様の分布にすることができる。これにより、逆方向バイアス印加時に生じる正電荷を、前記負の分極電荷でキャンセルすることができる。したがって、本実施形態の半導体装置(SBD)3によれば、前記実施形態1の半導体装置(SBD)1と同様、オン抵抗と耐圧との間のトレードオフを物性限界以上に改善することが可能である。
図6に示す半導体装置3の製造方法は、特に制限されないが、例えば、n型化合物半導体層(組成変化層)23に代えて本実施形態のn型化合物半導体層(組成変化層)40を形成する以外は前記実施形態1と同様でよい。より具体的には、例えば、後述する実施例のとおりに製造することができる。
本実施形態の半導体装置(SBD)は、前記実施形態1の半導体装置(SBD)と同様、n型化合物半導体層40を組成変化のない層に変えた半導体装置(SBD)と比較すると、同じ耐圧ではオン抵抗を低減できる。また、前記実施形態1と同様、n型半導体層40の厚みが前記組成変化のない層の厚みと同じであれば、同じオン抵抗で、より高い耐圧を得ることができる。
[実施形態4]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図7の断面図に、本実施形態の半導体装置であるSBD4の構造を概略的に示す。図示のとおり、この半導体装置(SBD)4は、n型化合物半導体層(組成変化層)23に代えてn型化合物半導体層(組成変化層)41を有すること以外は、前記実施形態1(図1)のSBD1と同様である。n型化合物半導体層22には、n型化合物半導体層41よりも高濃度のドナー不純物が添加されている。
n型化合物半導体層41は、その最下部(カソード電極13側)から最上部(アノード電極12側)に向かって、n型化合物半導体層(組成変化層)41の主面と垂直な方向に変化する組成(組成分布)を有する。n型化合物半導体層41は、前記組成分布により、前記実施形態1のn型化合物半導体層23(図1)と同様に、その内部に負の分極電荷を発生しうる。n型化合物半導体層41は、例えば、シリコンなどのドナー不純物が導入されたAlGa1−xN(0≦x<1)により形成することができる。このn型化合物半導体層(n型AlGa1−xN層)41は、前記実施形態1のn型化合物半導体層23(図1)および前記実施形態3のn型化合物半導体層40(図6)と同様に、Al組成比xが、最下部(カソード電極側主面すなわちn型化合物半導体層22との界面)から最上部(アノード電極側主面すなわちアノード電極12との界面)に向かってx(x>0)からx(x>x≧0)まで連続的にまたは分子層単位で段階的に減少する。ただし、Al組成比xおよびドナー不純物濃度の分布が、以下のように、前記実施形態1および実施形態3と異なる。
前記実施形態1のn型化合物半導体層23では、Al組成比に対して厚みの増分を変えることにより、分極による負電荷(負の分極電荷)の体積密度を一定とした。これに対し、本実施形態のn型化合物半導体層41では、実施形態3のn型化合物半導体層40と同様、Al組成比の変化に対して厚みの変化を一定とする。この場合、分極による負電荷の体積密度は、カソード電極13の側で高くなり、アノード電極12の側で低くなる。すなわち、本実施形態では、前記アノード電極および前記カソード電極間の電圧印加により前記組成変化層に発生する分極電荷の体積密度が、前記組成変化層の主面と垂直な方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって減少する。また、実施形態3のn型化合物半導体層40では、この分布と同様の分布をドナー不純物濃度にも持たせた。これに対し、本実施形態のn型化合物半導体層41では、ドナー不純物濃度を均一分布とする。すなわち、本実施形態では、前記組成変化層のドナー不純物濃度が、前記組成変化層全体にわたって均一である。なお、図7に示すとおり、n型化合物半導体層41において、最下部(カソード電極側主面すなわちn型化合物半導体層22との界面)における負電荷の体積密度をNPOL1とし、最上部(アノード電極側主面すなわちアノード電極12との界面)における負電荷の体積密度をNPOL2とする。また、n型化合物半導体層41において、ドナー不純物濃度Nは、前記の通りn型化合物半導体層41全体にわたって均一であり、N=NPOL1である。
本実施形態の半導体装置(SBD)は、n型化合物半導体層41が前記の構成を有することにより、逆方向バイアス印加時にn型化合物半導体層41に生じる正電荷を、前記負の分極電荷によりキャンセルすることができる。したがって、本実施形態の半導体装置(SBD)によれば、オン抵抗と耐圧との間のトレードオフを物性限界以上に改善することが可能である。
図8のグラフに、n型AlGa1−xN層41の電荷密度の分布を概略的に例示する。同図において、縦軸は前記負電荷密度および正電荷(全正電荷)の密度を示し、横軸は、基板平面に垂直に、アノード電極側からカソード電極側までの位置uを示す。図示の通り、ドナー不純物濃度N、カソード電極側の負電荷密度NPOL1、およびアノード電極側側の負電荷密度NPOL2において、N=NPOL1、NPOL1>NPOL2である。n型AlGa1−xN層41の全正電荷は、最上部(アノード電極側主面すなわちアノード電極12との界面)で最も高いNmaxであり、最下部(カソード電極側主面すなわちn型化合物半導体層22との界面)では0である。位置uに対して組成の変化が一定値βであれば、分極電荷密度の分布は、下記数式(22)で表される。
Figure 0005374520
空乏層端での電荷は0なので、空乏層幅W(m)は、下記数式(23)で与えられる。
Figure 0005374520
また、空乏層端では電界が0であることから、前記数式(22)をuについて積分すれば、n型化合物半導体層41の電界強度E(V/m)について、下記数式(24)が導出できる。
Figure 0005374520
u=0において電界強度の大きさは最大なので、下記数式(25)が成立する。
Figure 0005374520
ここで、Emax(V/m)は、前記数式(24)でu=0のときの電界強度Eの絶対値である。前記数式(24)式をuについて積分し、空乏層端でV=0とし、u=0でV=Vとすると、下記数式(26)が導出される。
Figure 0005374520
前記数式(6),(23)および(25)により、下記数式(27)が成り立つ。
Figure 0005374520
図9のグラフに、前記数式(26)および(27)に基づき、n型AlGa1−xN層41のオン抵抗と耐圧の関係をプロットする。同図において、縦軸はオン抵抗Ronを示し、横軸は耐圧Vを示す。同図中、3本の点線は、本実施形態のSBDにおいて、AlGa1−xN層41のxを、それぞれ、図示したxの値(0.35、0.62または1.0)からx=0まで連続的に減少させた場合のプロットを示す。実線は、AlGa1−xN層41の組成比をx=0で一定(すなわちGaN層)としたSBDのプロットを示す。図示の通り、x=0.35からx=0に組成を変化させた本実施形態のSBDでは、同じ耐圧で比較したオン抵抗は、GaN層を有する(組成変化層を有さない)SBDと比較して、若干ではあるが低減が見られる。前記オン抵抗は、x=0.62として更に分極電荷を増加させると、GaN層の1/2まで低減可能であり、x=1.0としてこの系で最大の分極電荷を発生させるとGaN層の1/4にまで低減可能である。このことから、本実施例のSBDによれば、組成変化層を有さないSBDと比較して、同じ耐圧でオン抵抗を大幅に低減可能であることが分かる。
図7に示す半導体装置4の製造方法は、特に制限されないが、例えば、n型化合物半導体層(組成変化層)23に代えて本実施形態のn型化合物半導体層(組成変化層)41を形成する以外は前記実施形態1と同様でよい。より具体的には、例えば、後述する実施例のとおりに製造することができる。
本実施形態の半導体装置(SBD)は、前記実施形態1の半導体装置(SBD)と同様、n型化合物半導体層41を組成変化のない層に変えた半導体装置(SBD)と比較すると、同じ耐圧ではオン抵抗を低減できる。また、前記実施形態1と同様、n型半導体層41の厚みが前記組成変化のない層の厚みと同じであれば、同じオン抵抗で、より高い耐圧を得ることができる。
[実施形態5]
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図10の断面図に、本実施形態の半導体装置であるSBD3の構造を概略的に示す。図示のとおり、この半導体装置(SBD)5は、n型化合物半導体層(組成変化層)23に代えてn型化合物半導体層(組成変化層)42を有すること以外は、前記実施形態1(図1)のSBD1と同様である。n型化合物半導体層22には、n型化合物半導体層42よりも高濃度のドナー不純物が添加されている。
n型化合物半導体層42は、その最下部(カソード電極13側)から最上部(アノード電極12側)に向かって、n型化合物半導体層(組成変化層)42の主面と垂直な方向に変化する組成(組成分布)を有する。n型化合物半導体層42は、前記組成分布により、前記実施形態1のn型化合物半導体層23(図1)と同様に、その内部に負の分極電荷を発生しうる。n型化合物半導体層42は、例えば、シリコンなどのドナー不純物が導入されたAlGa1−xN(0≦x<1)により形成することができる。このn型化合物半導体層(n型AlGa1−xN層)42は、前記実施形態1のn型化合物半導体層23(図1)および前記実施形態4のn型化合物半導体層41(図7)と同様に、Al組成比xが、最下部(カソード電極側主面すなわちn型化合物半導体層22との界面)から最上部(アノード電極側主面すなわちアノード電極12との界面)に向かってx(x>0)からx(x≧0)まで連続的にまたは分子層単位で段階的に減少する。ただし、ドナー不純物濃度が、実施形態4と異なる。すなわち、前記実施形態4のn型化合物半導体層41では、ドナー不純物濃度Nは、カソード側(カソード電極側主面すなわちn型化合物半導体層22との界面)の負電荷の体積密度NPOL1と等しい。これに対し、本実施形態のn型化合物半導体層42では、ドナー不純物濃度Nは、アノード側(アノード電極側主面すなわちアノード電極12との界面)の負電荷の体積密度NPOL2と等しく、かつ、n型化合物半導体層42にわたって均一である。これ以外は、n型化合物半導体層42は、前記実施形態4のn型化合物半導体層41と同様である。
図11のグラフに、n型AlGa1−xN層42の電荷密度の分布を概略的に例示する。同図において、縦軸は、n型AlGa1−xN層42の前記分極負電荷(負の分極電荷)密度および正電荷(全正電荷)の密度を示し、横軸は、基板平面に垂直に、アノード電極側(アノード電極側主面)からカソード電極側(カソード電極側主面)までの位置uを示す。図示の通り、カソード電極側主面の負電荷密度をNPOL1、アノード電極側主面の負電荷密度をNPOL2とすると、N=NPOL2、NPOL1>NPOL2である。全負電荷は、アノード電極側主面では最も低く0であり、カソード電極側主面で最も高いNmaxである。本実施形態のn型AlGa1−xN層42は、電界のピークがカソード電極側にあることと、ドーピング濃度(キャリア濃度)が、アノード電極側と等しい(N=NPOL2)ために実施形態4よりも低めである点が異なる。このため、本実施形態では、n型AlGa1−xN層42に、分極による負電荷が残る。しかしながら、本実施形態と実施形態4とは、n型AlGa1−xN層の電荷の正負が反転しているのみであるので、SBDのオン抵抗と耐圧の関係は、ほぼ同じである。
また、実施形態4および本実施形態では、ドナー不純物濃度Nを分極負電荷密度の最大値あるいは最小値と一致させる例を示した。しかしながら、前記Nを、前記最大値と前記最小値の間の任意の値と等しくなるようにしても、同様に、オン抵抗と耐圧との間のトレードオフを物性限界以上に改善することが可能である。
図10に示す半導体装置5の製造方法は、特に制限されないが、例えば、n型化合物半導体層(組成変化層)23に代えて本実施形態のn型化合物半導体層(組成変化層)42を形成する以外は前記実施形態1と同様でよい。より具体的には、例えば、後述する実施例のとおりに製造することができる。
本実施形態の半導体装置(SBD)は、前記実施形態1の半導体装置(SBD)と同様、n型化合物半導体層42を組成変化のない層に変えた半導体装置(SBD)と比較すると、同じ耐圧ではオン抵抗を低減できる。また、前記実施形態1と同様、n型半導体層42の厚みが前記組成変化のない層の厚みと同じであれば、同じオン抵抗で、より高い耐圧を得ることができる。
[実施形態6]
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
図12の断面図に、本実施形態の半導体装置であるSBD6の構造を概略的に示す。図示のとおり、この半導体装置(SBD)6は、n型化合物半導体層(組成変化層)23に代えてn型化合物半導体層(組成変化層)43を有すること以外は、前記実施形態1(図1)のSBD1と同様である。n型化合物半導体層22には、n型化合物半導体層43よりも高濃度のドナー不純物が添加されている。
n型化合物半導体層43は、その最下部(カソード電極13側)から最上部(アノード電極12側)に向かって、n型化合物半導体層(組成変化層)43の主面と垂直な方向に変化する組成(組成分布)を有する。n型化合物半導体層43は、前記組成分布により、前記実施形態1のn型化合物半導体層23(図1)と同様に、その内部に負の分極電荷を発生しうる。n型化合物半導体層43は、例えば、シリコンなどのドナー不純物が導入されたAlGa1−xN(0≦x<1)により形成することができる。このn型化合物半導体層(n型AlGa1−xN層)43は、前記各実施形態のn型AlGa1−xN層と同様に、Al組成比xが、最下部(カソード電極側主面すなわちn型化合物半導体層22との界面)から最上部(アノード電極側主面すなわちアノード電極12との界面)に向かってx(x>0)からx(x≧0)まで連続的にまたは分子層単位で段階的に減少する。ただし、以下の点が、前記各実施形態と異なる。
前記実施形態1および前記実施形態2に示したSBD1および2では、ドナー不純物による正電荷を、分極電荷による負電荷で完全にキャンセルしている。この構成は、オン抵抗と耐圧のトレードオフを改善するには最も効果があるが、ドナー不純物濃度、Al組成比および成長速度を同時に制御して結晶成長を行うには、高い制御技術が要求される。ドナー不純物濃度と分極電荷密度が完全に一致しなくても、分極による負電荷で逆方向バイアス印加時の正電荷を減少させれば、耐圧向上の効果が得られる。この点につき、以下に説明する。
本実施形態のSBD6においては、図12に示すとおり、n型化合物半導体層(組成変化層)43全体にわたって、ドナー不純物濃度N>分極負電荷密度NPOLである。このSBD6において、耐圧V(V)は、前記数式(4)を変形することにより下記数式(4B)で与えられる。
Figure 0005374520
このときのオン抵抗Ron(Ω・m)は、前記数式(6)に基づき、下記数式(6B)で表すことができる。
Figure 0005374520
ここで、n型AlGa1−xN層43の厚みdmin(m)は、下記数式(5B)で与えられる。
Figure 0005374520
図13に、前記数式(4B)、(6B)および(5B)に基づきオン抵抗と耐圧の関係をプロットした結果を示す。同図において、縦軸はオン抵抗Ron(Ω・m)を示し、横軸は耐圧V(V)を示す。同図中、3本の点線は、本実施形態のSBDにおいて、AlGa1−xN層43のxを、それぞれ、図示したxの値(0.3、0.62または1.0)からx=0まで連続的に減少させた場合のプロットを示す。実線は、AlGa1−xN層43の組成比をx=0で一定(すなわちGaN層)としたSBDのプロットを示す。図示の通り、実線で示したGaN層を有する(組成変化層を有しない)SBDに対し、x=0.3からx=0に組成を変化させた本実施形態のSBDでは、同じ耐圧で比較すると、オン抵抗は6割程度に低減できる。前記オン抵抗はx=0.62として更に分極電荷を増加させると、前記GaN層を有するSBDの4割にまで低減可能である。さらに、前記オン抵抗は、x=1.0としてこの系で最大の分極電荷を発生させると前記GaN層を有するSBDの1/4にまで低減可能である。また、前記数式(4B)、(6B)および(5B)より、オン抵抗を最小とするドナー不純物濃度と分極電荷の体積密度の比率を求めることができる。すなわち、前記数式(4B)、(6B)および(5B)によれば、前記組成変化層を有しない半導体装置に対する本発明の半導体装置のオン抵抗低減は、前記組成変化層においてドナー不純物濃度が分極電荷密度の5倍程度であれば、例えば2割減が実現可能であることが分かる。同様に、前記オン抵抗低減は、前記組成変化層においてドナー不純物濃度が分極電荷密度の2.5倍程度であれば、例えば4割減が実現可能である。この理由から、本発明では、前記組成変化層のドナー不純物濃度(m−3)が、前記組成変化層に発生しうる分極電荷の体積密度の最大値NPOL MAX(m−3)の5倍以下であることが好ましい。また、前記組成変化層のドナー不純物濃度(m−3)が、前記組成変化層に発生しうる分極電荷の体積密度の最大値NPOL MAX(m−3)の2.5倍以下であることがより好ましい。理想的には、前記組成変化層のドナー不純物濃度(m−3)が、前記第2のn型半導体層に発生しうる分極電荷の体積密度の最大値NPOL MAX(m−3)と等しい。
図12に示す半導体装置6の製造方法は、特に制限されないが、例えば、n型化合物半導体層(組成変化層)23に代えて本実施形態のn型化合物半導体層(組成変化層)43を形成する以外は前記実施形態1と同様でよい。より具体的には、例えば、後述する実施例のとおりに製造することができる。
本実施形態の半導体装置(SBD)は、前記実施形態1の半導体装置(SBD)と同様、n型化合物半導体層43を組成変化のない層に変えた半導体装置(SBD)と比較すると、同じ耐圧ではオン抵抗を低減できる。また、前記実施形態1と同様、n型半導体層43の厚みが前記組成変化のない層の厚みと同じであれば、同じオン抵抗で、より高い耐圧を得ることができる。なお、図12およびその説明においては、前記実施形態1と同様に、分極電荷密度NPOLが、前記組成変化層全体にわたって均一である半導体装置(SBD)を例示した。しかし、これに限定されず、前記組成変化層全体にわたってドナー不純物濃度N>分極負電荷密度NPOLであれば、前記数式(4B)〜(6B)にしたがってオン抵抗と耐圧との間のトレードオフを改善可能である。具体的には、例えば、前記組成変化層は、前記実施形態3〜5と同様に変化する分極電荷密度を有していても良い。
[実施形態7]
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
図14の断面図に、本実施形態の半導体装置であるSBD7の構造を概略的に示す。図示のとおり、この半導体装置(SBD)7は、n型化合物半導体層(組成変化層)23に代えてn型化合物半導体層(組成変化層)44を有すること以外は、前記実施形態1(図1)のSBD1と同様である。n型化合物半導体層22には、n型化合物半導体層44よりも高濃度のドナー不純物が添加されている。
n型化合物半導体層(組成変化層)44は、第1半導体層44A、第2半導体層44Bおよび第3半導体層44Cからなる多層構造を有する。これら多層構造には、シリコンなどのドナー不純物が導入されている。第1半導体層44Aは、AlGa1−xN(0≦x<1)からなり、第2半導体層44Bは、AlGa1−zN(0≦z<1)からなり、第3半導体層44Cは、AlGa1−wN(0≦w<1)からなる。本実施形態では、前記Al組成比x、z、およびwは、それぞれ一定である。すなわち、第1半導体層44A、第2半導体層44Bおよび第3半導体層44CのAl組成比はそれぞれ均一である。また、前記Al組成比x、z、wについて、x>z>w、の関係式が成立するものとする。したがって、n型化合物半導体層(組成変化層)44においては、Al組成比は、カソード電極13側からアノード電極12側に向かって3段階で変化する。なお、n型化合物半導体層(組成変化層)44のAl組成比は、3段階に限らず、任意のL段階(Lは2または4以上の整数)で変化してもよい。
例えば、n型化合物半導体層22のAl組成比がy=0.3、第1半導体層44AのAl組成比がx=0.2、第2半導体層44BのAl組成比がz=0.1、第3半導体層44CのAl組成比がw=0であるとする。このとき、n型化合物半導体層44における層間の電荷の差分は、前記数式(13)に基づき、4.74×1012cm−2、4.25×1012cm−2、および3.78×1012cm−2と算出できる。これら電荷量は各層の界面に偏在するので、逆方向バイアス印加時にドナー不純物による正電荷が残る。このような本実施形態のSBDでは、オン抵抗と耐圧との間のトレードオフを物性限界以上に改善する点において、実施形態6のSBDと同程度の性能を実現することができる。
図14に示す半導体装置7の製造方法は、特に制限されないが、例えば、n型化合物半導体層(組成変化層)23に代えて本実施形態のn型化合物半導体層(組成変化層)44を形成する以外は前記実施形態1と同様でよい。より具体的には、例えば、後述する実施例のとおりに製造することができる。
本実施形態の半導体装置(SBD)は、前記実施形態1の半導体装置(SBD)と同様、n型化合物半導体層44を組成変化のない層に変えた半導体装置(SBD)と比較すると、同じ耐圧ではオン抵抗を低減できる。一方、n型半導体層44の厚みが前記組成変化のない層の厚みと同じであれば、同じオン抵抗で、より高い耐圧を得ることができる。具体的には、前記実施形態1と同様である。
[実施形態8]
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。
本発明の半導体装置は、さらに、絶縁膜を含み、前記半導体層における前記アノード電極接合部の一部に開口埋め込み部が形成されており、前記絶縁膜は、前記開口埋め込み部を覆うように形成され、前記アノード電極は、前記開口埋め込み部に、前記絶縁膜を介して接合され、かつ、前記開口埋め込み部以外の部分にショットキ接合されていることが好ましい。このような構成によれば、本発明の半導体装置に対する電圧非印加時(オフ時)に、前記開口埋め込み部にも空乏層が広がりやすい。このような構造の半導体装置は、前記半導体層における前記アノード電極側で、さらに電界(電界集中)が緩和されやすく、より高耐圧またはオン抵抗の低減が得られやすい。本実施形態では、このような半導体装置の一例について説明する。
図15の断面図に、本実施形態の半導体装置であるSBD8の構造を概略的に示す。図示のとおり、この半導体装置(SBD)8は、n型化合物半導体層(組成変化層)23上部にトレンチ部(開口埋め込み部)15が形成されていることと、さらに絶縁膜14を含むことと、トレンチ部15において、アノード電極12およびn型化合物半導体層(組成変化層)23が、絶縁膜14を介して接合されていること以外は、前記実施形態1(図1)の半導体装置(SBD)と同様である。以下、さらに具体的に説明する。
前記の通り、図15の半導体装置8は、絶縁膜14を含む。さらに、この半導体層8は、層20〜23により形成される半導体層のうち、n型化合物半導体層(組成変化層)23上部すなわちアノード電極12との接合部の一部に、トレンチ部(開口埋め込み部)15が形成されている。絶縁膜14は、トレンチ部(開口埋め込み部)15を覆うように形成されている。アノード電極12は、トレンチ部(開口埋め込み部)15に、絶縁膜14を介して接合されている。絶縁膜14は、特に制限されず、半導体装置(素子)に一般に用いられる絶縁膜でよく、例えば、SiO、SiON、Al、HfO等の酸化物が挙げられる。さらに、アノード電極12は、前記接合部のうちトレンチ部(開口埋め込み部)15以外の部分、すなわちn型化合物半導体層(組成変化層)23上面にショットキ接合されている。これら以外は、この半導体装置(SBD)8の構造は、前記実施形態1(図1)の半導体装置(SBD)と同様である。なお、前記アノード電極が金属から形成されている場合、前記絶縁膜を介した前記アノード電極と前記半導体層との接合は、MIS(Metal-Insulator-Semiconductor)接合であるということができる。前記MIS接合は、前記絶縁膜が酸化物である場合は、MOS(Metal-Oxide-Semiconductor)接合であるということができる。
図15の半導体装置8において、n型化合物半導体層(組成変化層)23は、例えば、シリコンなどのドナー不純物が導入されたAlGa1−xN(0≦x<1)により形成することができる。このn型化合物半導体層(n型AlGa1−xN層)23は、前記実施形態1(図1)の半導体装置(SBD)の場合と同様、その最下部(カソード電極側主面すなわちn型化合物半導体層22との界面)でx=x(x>0)のAl組成比を有し、最上部(アノード電極側主面すなわちアノード電極12とショットキ接合する界面)でx=x(x≧0)のAl組成比を有する。n型AlGa1−xN層23の内部では、その最下部(カソード電極13側)から最上部(アノード電極12側)に向かって、Al組成比xがxからxまで連続的にまたは分子層単位(オングストロームオーダー)で段階的に変化する。
図15のn型化合物半導体層(n型AlGa1−xN層)23において、Al組成比xの変化の仕方(組成分布)およびドナー不純物濃度の分布は、前記実施形態1と同様である。すなわち、同図のn型化合物半導体層(n型AlGa1−xN層)23は、前記実施形態1と同様、全体にわたって一定の分極負電荷(負の分極電荷)密度NPOLを有し、かつ、全体にわたって一定のドナー不純物濃度N=NPOLを有する。これにより、本実施形態の半導体装置(SBD)は、前記実施形態1と同様、物性限界以上にオン抵抗と耐圧との間のトレードオフを改善することが可能である。
さらに、本実施形態(図15)の半導体装置8は、前記の通り、電圧非印加時(オフ時)には、トレンチ部(開口埋め込み部)15の側面および底面からも空乏層が広がる。したがって、この半導体装置8では、前記実施形態1のようにトレンチ部(開口埋め込み部)15を有しない場合と比較して、電圧非印加時(オフ時)に、アノード電極12側に空乏層が広がりやすい。具体的には、例えば図16に示すとおりである。これにより、本実施形態(図15)の半導体装置8は、前記実施形態1(図1)の半導体装置1と比較して、アノード電極12側で、さらに電界(電界集中)が緩和されやすく、より高耐圧が得られやすい。
前述のとおり、本発明の半導体装置の製造方法は特に限定されないが、前記本発明の製造方法により製造することが好ましい。本発明の半導体装置の製造方法は、例えば、さらに、前記半導体層の一部に前記開口埋め込み部を形成する開口埋め込み部形成工程と、前記開口埋め込み部を覆うように前記絶縁膜を形成する前記絶縁膜形成工程とを含み、前記電極接合工程において、前記アノード電極を、前記開口埋め込み部に、前記絶縁膜を介して接合させ、かつ、前記開口埋め込み部以外の部分にショットキ接合させることが、より好ましい。この製造方法によれば、例えば、本実施形態の半導体装置または後述する実施形態9〜10の半導体装置を製造することができる。図15および16に示す半導体装置8の製造方法は、特に制限されないが、例えば、アノード電極12の形成に先立ち、トレンチ部(開口埋め込み部)15の形成(前記開口埋め込み部形成工程)および絶縁膜14の形成(前記絶縁膜形成工程)を行うことと、アノード電極12の接合を前記の通り行うこと以外は、前記実施形態1と同様でよい。すなわち、アノード電極12は、トレンチ部(開口埋め込み部)15に、絶縁膜14を介して接合され、かつ、n型化合物半導体層(組成変化層)23上面におけるトレンチ部(開口埋め込み部)15以外の部分にショットキ接合するように形成する。トレンチ部(開口埋め込み部)15の形成方法は特に制限されず、例えば、エッチング等でよい。絶縁膜14の形成方法は特に制限されず、例えば、MBE成長法等でよい。
本実施形態の半導体装置(SBD)は、前記実施形態1の半導体装置(SBD)と同様、n型化合物半導体層23を組成変化のない層に変えた半導体装置(SBD)と比較すると、同じ耐圧ではオン抵抗を低減できる。また、前記実施形態1と同様、n型半導体層23の厚みが前記組成変化のない層の厚みと同じであれば、同じオン抵抗で、より高い耐圧を得ることができる。
なお、本実施形態では、前記実施形態1と同様、n型化合物半導体層(組成変化層)23の分極負電荷密度およびドナー不純物濃度が全体にわたって一定である場合について説明した。しかし、これに限定されず、図15の半導体装置のn型化合物半導体層(組成変化層)23において、Al組成比xの変化の仕方(組成分布)およびドナー不純物濃度の分布を、例えば、前記実施形態3〜7のいずれかと同様にしても良い。これによれば、前記実施形態3〜7と同様、物性限界以上にオン抵抗と耐圧との間のトレードオフを改善できる。また、前記の通り、トレンチ部(開口埋め込み部)15および絶縁膜14を設けたことにより、さらに電界(電界集中)が緩和されやすく、より高耐圧が得られやすい。
また、例えば、図15では、カソード電極13を、前記実施形態1と同様、n型化合物半導体層22の上面に形成している。しかし、これに限定されず、例えば、前記実施形態2と同様、カソード電極13を、前記基板の下面側、または前記半導体層の下面側に形成しても良い。
実施形態1〜8においては、n型化合物半導体層23、38、または40〜44の全体にわたって、組成(例えばAl組成比)が変化する例を示した。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、n型化合物半導体層23、38、または40〜44の一部のみに、組成が変化する領域が存在してもよい。例えば、n型化合物半導体層23、38、または40〜44において、組成が変化する領域と変化しない領域とがそれぞれ複数あり、それらが交互に存在する構成としても良い。
[実施形態9]
次に、本発明の第9の実施形態について説明する。
図17の断面図に、本実施形態の半導体装置であるSBD9の構造を概略的に示す。図示のとおり、この半導体装置(SBD)3は、n型化合物半導体層(組成変化層)23に代えて、n型化合物半導体層51およびn型化合物半導体層(組成変化層)52を有すること以外は、前記実施形態8(図15)のSBD8と同様である。n型化合物半導体層22には、n型化合物半導体層51および52よりも高濃度のドナー不純物が添加されている。
n型化合物半導体層51および52は、図15のn型化合物半導体層23と同位置に配置されており、n型化合物半導体層22の上に、n型化合物半導体層51および52が、前記順序で積層されている。n型化合物半導体層(組成変化層)52は、その一部が、上面から下面に至るまで除去され、図15と同様にトレンチ部(開口埋め込み部)15が形成されている。絶縁膜14の下面は、n型化合物半導体層51の上面と接触している。n型化合物半導体層51は、n型化合物半導体層22と同様、全体にわたって一様な組成AlGa1−yN(0≦y<1)を有し、y=xまたはy≒xである。
n型化合物半導体層(組成変化層)52は、例えば、シリコンなどのドナー不純物が導入されたAlGa1−xN(0≦x<1)により形成することができる。このn型化合物半導体層(n型AlGa1−xN層)52は、その最下部(カソード電極側主面すなわちn型化合物半導体層51との界面)でx=x(x>0)のAl組成比を有し、最上部(アノード電極側主面すなわちアノード電極12とショットキ接合する界面)でx=x(x≧0)のAl組成比を有する。n型AlGa1−xN層52の内部では、その最下部(カソード電極13側)から最上部(アノード電極12側)に向かって、Al組成比xがxからxまで連続的にまたは分子層単位(オングストロームオーダー)で段階的に変化する。前記Al組成比の変化の仕方(組成分布)およびドナー不純物濃度分布は、例えば、前記実施形態1〜8(図1、5〜7、10、12、14または15)の半導体装置(SBD)におけるn型化合物半導体層23、38、41、41、42、43または44と同様である。
本実施形態の半導体装置は、前記実施形態8(図15)の半導体装置8と同様、トレンチ部(開口埋め込み部)15を有することで、アノード電極12側に空乏層が広がりやすいため、さらに電界(電界集中)が緩和されやすく、より高耐圧が得られやすい。
また、本実施形態の半導体装置は、n型化合物半導体層(組成変化層)52を有することで、前記各実施形態と同様、物性限界以上にオン抵抗と耐圧との間のトレードオフを改善できる。
さらに、本実施形態の半導体装置は、前記組成変化層が、前記開口埋め込み部(トレンチ部)の下端から上の部分に集中して形成されていることで、特に、オン抵抗の低減に優れた効果を示す。すなわち、まず、本実施形態または前記実施形態8のようにトレンチ部(開口埋め込み部)を形成した半導体装置では、特に、前記トレンチ部(開口埋め込み部)下端から上の部分において、抵抗が大きくなりやすい。これは、前記トレンチ部(開口埋め込み部)を形成しない場合と比較して、前記アノード電極において電流を流せる面積が狭いためである。しかしながら、前記トレンチ部(開口埋め込み部)下端から上の部分に前記組成変化層が存在すれば、物性限界以上にオン抵抗と耐圧との間のトレードオフを改善できる。したがって、前記トレンチ部(開口埋め込み部)を浅く形成してオン抵抗を低減させても、比較的高い耐圧を得ることができる。このような効果は、前記実施形態8においても得ることができるが、本実施形態では、前記組成変化層が、前記トレンチ部(開口埋め込み部)下端から上の部分に集中して存在するために、この部分における抵抗低減の効果が一層顕著である。この観点から、本発明では、前記組成変化層の下面が、前記開口埋め込み部の下端と同一平面内またはそれよりも上に配置されていることが好ましい。
本実施形態の半導体装置は、前記のように、特に、オン抵抗の低減に優れた効果を示す。例えば、500V以下の低い耐圧の半導体装置(デバイス)においては、特に低抵抗が重要であるため、本実施形態の構造とすることが有利である。ただし、本実施形態の半導体装置は、これに限定されず、耐圧が500Vを超える半導体装置であっても良い。
なお、n型化合物半導体層(組成変化層)52は、図17では、前記実施形態1と同様に、全体にわたって分極負電荷とドナー不純物濃度が等しい(N=NPOL)例を図示している。ただし、前記分極負電荷および前記ドナー不純物濃度の分布は、これに限定されず、例えば前述のように、前記実施形態3〜8のいずれかと同様であっても良い。
図17に示す半導体装置9の製造方法は、特に制限されないが、例えば、n型化合物半導体層(組成変化層)23に代えてn型化合物半導体層51およびn型化合物半導体層(組成変化層)52を形成することと、n型化合物半導体層(組成変化層)52の一部を上面から下面に至るまで除去してトレンチ部15を形成すること以外は、前記実施形態8と同様でよい。
本実施形態の半導体装置(SBD)は、前記実施形態1の半導体装置(SBD)と同様、n型化合物半導体層52を組成変化のない層に変えた半導体装置(SBD)と比較すると、同じ耐圧ではオン抵抗を低減できる。また、前記実施形態1と同様、n型半導体層52の厚みが前記組成変化のない層の厚みと同じであれば、同じオン抵抗で、より高い耐圧を得ることができる。また、本実施形態は、特に抵抗の低減に対し顕著な効果を有することは、前述のとおりである。
[実施形態10]
次に、本発明の第10の実施形態について説明する。
図18の断面図に、本実施形態の半導体装置であるSBD11の構造を概略的に示す。図示のとおり、この半導体装置(SBD)11は、組成が一定のn型化合物半導体層51に代えて組成変化層(n型半導体層)53を有し、組成変化層(n型化合物半導体層)52に代えて組成が一定のn型化合物半導体層54を有すること以外は、前記実施形態9(図17)のSBD8と同様である。すなわち、本実施形態では、n型化合物半導体層22上に形成されているn型化合物半導体層において、組成が一定である層と組成変化層とが、前記実施形態9と上下逆である。n型化合物半導体層22には、n型化合物半導体層53および54よりも高濃度のドナー不純物が添加されている。
n型化合物半導体層53および54は、n型化合物半導体層22の上に、前記順序で積層されている。n型化合物半導体層54は、その一部が、上面から下面に至るまで除去され、図15と同様にトレンチ部(開口埋め込み部)15が形成されている。絶縁膜14の下面は、n型化合物半導体層(組成変化層)53の上面と接触している。
n型化合物半導体層(組成変化層)53は、例えば、シリコンなどのドナー不純物が導入されたAlGa1−xN(0≦x<1)により形成することができる。このn型化合物半導体層(n型AlGa1−xN層)53は、その最下部(カソード電極側主面すなわちn型化合物半導体層22との界面)でx=x(x>0)のAl組成比を有し、最上部(アノード電極側主面すなわちn型化合物半導体層54との界面)でx=x(x≧0)のAl組成比を有する。n型AlGa1−xN層53の内部では、その最下部(カソード電極13側)から最上部(アノード電極12側)に向かって、Al組成比xがxからxまで連続的にまたは分子層単位(オングストロームオーダー)で段階的に変化する。前記Al組成比の変化の仕方(組成分布)およびドナー不純物濃度分布は、例えば、前記実施形態1〜8(図1、5〜7、10、12、14または15)の半導体装置(SBD)におけるn型化合物半導体層23と同様である。n型化合物半導体層54は、全体にわたって一様な組成AlGa1−zN(0≦z<1)を有し、z=xまたはz≒xである。
本実施形態の半導体装置は、前記実施形態8(図15)の半導体装置8と同様、トレンチ部(開口埋め込み部)15を有することで、アノード電極12側に空乏層が広がりやすいため、さらに電界(電界集中)が緩和されやすく、より高耐圧が得られやすい。
また、本実施形態の半導体装置は、n型化合物半導体層(組成変化層)54を有することで、前記各実施形態と同様、物性限界以上にオン抵抗と耐圧との間のトレードオフを改善できる。
さらに、本実施形態の半導体装置は、前記組成変化層が、前記開口埋め込み部(トレンチ部)の下端から下の部分に集中して形成されていることで、特に、耐圧の向上に優れた効果を示す。したがって、例えば、500V以上の高い耐圧が必要な半導体装置(デバイス)においては、特に、本実施形態の構造とすることが有利である。ただし、本実施形態の半導体装置は、これに限定されず、耐圧が500V未満の半導体装置であっても良い。なお、このような観点から、本発明の半導体装置においては、前記組成変化層の上面が、前記アノード電極接合部における前記開口埋め込み部の上端よりも下に配置されていることが好ましく、前記組成変化層の上面が、前記開口埋め込み部の下端と同一平面内またはそれよりも下に配置されていることがより好ましい。
なお、n型化合物半導体層(組成変化層)53は、図18では、前記実施形態1と同様に、全体にわたって分極負電荷とドナー不純物濃度が等しい(N=NPOL)例を図示している。ただし、前記分極負電荷および前記ドナー不純物濃度の分布は、これに限定されず、例えば前述のように、前記実施形態2〜8のいずれかと同様であっても良い。
図18に示す半導体装置11の製造方法は、特に制限されないが、例えば、n型化合物半導体層(組成変化層)23に代えてn型化合物半導体層53(組成変化層)およびn型化合物半導体層54を形成することと、n型化合物半導体層54の一部を上面から下面に至るまで除去してトレンチ部15を形成すること以外は、前記実施形態8と同様でよい。
本実施形態の半導体装置(SBD)は、前記実施形態1の半導体装置(SBD)と同様、n型化合物半導体層53を組成変化のない層に変えた半導体装置(SBD)と比較すると、同じ耐圧ではオン抵抗を低減できる。また、前記実施形態1と同様、n型半導体層53の厚みが前記組成変化のない層の厚みと同じであれば、同じオン抵抗で、より高い耐圧を得ることができる。また、本実施形態は、特に、耐圧の向上に顕著な効果を有することは、前述のとおりである。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。基板(支持基板)10または34は、前述のように、Si基板、SiC基板、GaN基板、SOI等、どのような基板でもよい。また、前記実施形態3〜10の半導体装置3〜9および11(図6、7、10、12、14、15、17、および18)では、前記実施形態1と同様、カソード電極13が、前記半導体層の上面(表面)側に形成されている。しかしながら、これに限定されず、前記実施形態2の半導体装置2(図5)と同様に、カソード電極が、前記半導体層の下面(裏面)側に形成されていてもよい。
さらに、本発明の半導体装置において、前記半導体層の形成材料および構成も、前記の説明に限定されず、任意である。例えば、前記半導体層は、前述のように、窒化物半導体層から形成されていることが好ましく、III族窒化物半導体から形成されていることがより好ましいが、これには限定されない。また、前記実施形態1および3〜10において、n型化合物半導体層22(図1、図6、図7、図10、図12、図14、図15、図16、図17および図18)は、カソード電極13との接触抵抗の低減のために形成された層である。本発明の半導体装置は、このn型化合物半導体層22を形成せずに、第2緩衝層21上にn型化合物半導体層23を直接形成した(成長させた)形態でも良い。この形態の場合、例えば、第2緩衝層21の上面にカソード電極13を直接形成すればよい。または、接触抵抗の低減のために第2緩衝層21に高濃度でドナー不純物を添加し、この第2緩衝層21の上面にカソード電極13を形成してもよい。同様に、前記実施形態2のn型化合物半導体層37(図5)も、カソード電極33との接触抵抗の低減のために形成された層である。本発明の半導体装置は、このn型化合物半導体層37を形成せず、第2緩衝層36上にn型化合物半導体層38を成長させた形態でも良い。この形態の場合は、例えば、第2緩衝層36の下面(裏面)にカソード電極33を直接接合すればよい。または、接触抵抗の低減のために第2緩衝層36に高濃度でドナー不純物を添加し、この第2緩衝層36の裏面にカソード電極33を接合してもよい。
さらに、前記実施形態1〜10では、前記組成変化層がAlGaNである例を示したが、前記組成変化層はこれに限定されず、例えば、AlGaN以外の他のIII族窒化物半導体であっても良い。前記III族窒化物半導体としては、InGaN、InAlGaN等が挙げられる。より具体的には、例えば、前記組成変化層は、InGa1−vN(0≦v<1)で表される組成を有し、かつ、組成比vが、前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって増加しても良い。この場合、前記カソード電極側界面のInGaNの組成比v(v≧0)と前記アノード電極側界面のInGaNの組成比v(v>0)とが、v>vの関係を有する。また、例えば、前記第2のn型半導体層は、InAlGa1−x−vN(0≦x<1、0≦v<1)で表される組成を有し、かつ、組成比xが前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって増加するという条件と、組成比vが前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって減少するという条件との少なくとも一方の条件を満たしていても良い。前記組成比xが前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって増加する場合、前記カソード電極側界面の組成比x(x≧0)と前記アノード電極側界面の組成比x(x>0)とが、x>xの関係を有する。前記組成比vが前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって減少する場合、前記カソード電極側界面の組成比v(v≧0)と前記アノード電極側界面の組成比v(v>0)とが、v>vの関係を有する。前記組成変化層における前記InGa1−vN、InAlGa1−x−vNの組成変化の仕方(組成分布)およびドナー不純物濃度の分布は、例えば、前記実施形態1〜10のAlGa1−xN(0≦x<1)層に準じることができる。また、前記組成変化層の前記カソード電極側界面に隣接するn型化合物半導体層は、例えば、GaNであっても良い。しかし、前記n型化合物半導体層は、GaNに限定されず任意である。また、前述のとおり、本発明は、前記n型化合物半導体層を含む形態に限定されない。
本発明の半導体装置において、前記組成変化層における組成の変化の仕方(組成分布)は、前記の通り、連続的でも段階的でもよい。前記実施形態1〜10では、主に、前記組成変化層がAlGaN層である場合について例示したが、前記組成変化層がAlGaN層以外の場合も同様である。また、前記組成変化層の組成がK段階で変化する場合において、Kは、2以上の任意の整数であって良い。前記の通り、Kの数が十分に大きいと、前記組成分布は、連続的であるとみなすことができる。また、本発明の半導体装置における前記半導体層は、前記組成変化層と、組成が一定である(変化しない)層とをそれぞれ複数含み、それらが交互に存在する構成であっても良い。
また、本発明の電子装置は、前記の通り、本発明の半導体装置を含むことを特徴とする。例えば、画像表示装置、情報記録再生装置、通信装置、モーター制御装置(例えば電気自動車用、エアコン用等)、電源装置(例えばコンピュータ用等)、インバータ照明、高周波電力発生装置(例えば電子レンジ用、電磁調理器用等)等の各種電子装置に広く用いることができる。
[実施例1]
以下のようにして、図1に示す構造の半導体装置1を製造した。すなわち、まず、サファイアからなる基板10を準備した。次に、この基板10上に、分子線エピタキシ(MBE:Molecular Beam Epitaxy)成長法により、III族窒化物半導体の積層構造を有する半導体層を形成した。前記半導体層の形成は、アンドープAlNからなる第1緩衝層20(厚さ20nm)、アンドープAlGaNからなる第2緩衝層21(厚さ2μm)、n型AlGaNからなる化合物半導体層22(厚さ500nm、ドーピング濃度(ドナー不純物濃度)3×1018cm−3、Al組成比y=0.3)、および、n型AlGa1−xNからなる化合物半導体層(組成変化層)23(厚さ1.8μm、ドーピング濃度(ドナー不純物濃度)7.1×1016cm−3)を、基板10の側から前記順序で成長させて行った。n型化合物半導体層22は、Ga面上に成長(Ga面が上面となるように成長)させた。n型化合物半導体層22およびn型化合物半導体層(組成変化層)23のドナー不純物としては、シリコン(Si)を用いた。
n型化合物半導体層(組成変化層、n型AlGa1−xN層)23は、その下面でx=0.3のAl組成比を有し、その上面でx=0のAl組成比を有するように成長させて形成した。Al組成比xは、n型化合物半導体層23の前記下面から前記上面に向かって連続的に変化するように制御した。このとき、Al組成比xは、実施形態1で述べたとおり、n型AlGa1−xN層(組成変化層)23全体にわたって分極負電荷密度が均一となるように制御した。n型AlGa1−xN層(組成変化層)23のドーピング濃度(ドナー不純物濃度)は、実施形態1で述べたとおり、n型AlGa1−xN層(組成変化層)23全体にわたって均一となるように制御した。
次に、n型化合物半導体層23の一部を、n型化合物半導体層22上面が露出するまでエッチングにより除去した。その結果生じたn型化合物半導体層22の露出面上に、Ti/Al多層膜の蒸着により、カソード電極13を形成した。その後、650℃でアニールすることにより、カソード電極13とn型化合物半導体層22との間のオーム性接触を取った。
次に、n型化合物半導体層23上に、Ni/Au多層膜を蒸着することによりアノード電極12を形成した。以上のようにして、図1に示す構造の半導体装置(SBD)1を製造(作製)することができた。この半導体装置1は、耐圧600Vに対して1.6×10−5Ωcmというオン抵抗を有していた。また、n型化合物半導体層23に代えて、GaN層(組成変化なし)を形成したSBD(参考例1)を作製した。前記GaN層の厚みは、参考例1のSBDの耐圧が本実施例のSBDと同じになるように調整した。その結果、本実施例のSBDにおいては、耐圧は、参考例1のSBDとほぼ同じであったが、オン抵抗は、参考例1のSBDの約1/3であった。
[実施例2]
図5に示す構造の半導体装置2を製造した。すなわち、まず、SiCから形成された基板34を準備した。次に、基板34上に、MBE成長法により、III族窒化物半導体の積層構造を有する半導体層を形成した。前記半導体層の形成は、アンドープAlNからなる第1緩衝層35(厚さ20nm)、アンドープAlGaNからなる第2緩衝層36(厚さ2μm)、n型AlGaNからなる化合物半導体層37(厚さ500nm、ドーピング濃度3×1018cm−3、Al組成比y=0.3)、および、n型AlGaNからなる化合物半導体層38(厚さ1.8μm、ドーピング濃度7.1×1016cm−3)を、基板34の側から前記順序で成長させて行った。n型化合物半導体層37は、Ga面上に成長(Ga面が上面となるように成長)させた。n型化合物半導体層37およびn型化合物半導体層(組成変化層)38のドナー不純物としては、シリコン(Si)を用いた。
n型化合物半導体層(組成変化層、n型AlGa1−xN層)38は、その下面でx=0.3のAl組成比を有し、その上面でx=0のAl組成比を有するように形成した(成長させた)。Al組成比xは、n型化合物半導体層38の前記下面から前記上面に向かって連続的に、または分子層単位(オングストロームオーダー)で段階的に変化するように制御した。このとき、Al組成比xは、実施形態1および2で述べたとおり、n型AlGa1−xN層(組成変化層)38全体にわたって分極負電荷密度が均一となるように制御した。n型AlGa1−xN層(組成変化層)38のドーピング濃度(ドナー不純物濃度)は、実施形態1および2で述べたとおり、n型AlGa1−xN層(組成変化層)38全体にわたって均一となるように制御した。
次に、n型化合物半導体層38上に、Ni/Au多層膜の蒸着により、アノード電極39を形成した。さらに、基板34、第1緩衝層35、第2緩衝層36、およびn型化合物半導体層37の一部をエッチングにより除去し、基板34下面(裏面)からn型化合物半導体層37下部まで達するビアホール(開口埋め込み部)を形成した。そして、基板34下面および前記ビアホール内に、Ti/Al多層膜を蒸着し、カソード電極33を形成した。カソード電極33は、n型化合物半導体層37に接触するように形成した。以上のようにして、半導体装置(SBD)2を製造(作製)した。
このようにして実際に作製された半導体装置2は、耐圧600Vに対して1.6×10−5Ωcmというオン抵抗を有していた。また、n型化合物半導体層38に代えて、GaN層(組成変化なし)を形成したSBD(参考例2)を作製した。前記GaN層の厚みは、参考例2のSBDの耐圧が本実施例のSBDと同じになるように調整した。その結果、本実施例のSBDにおいては、耐圧は、参考例2のSBDとほぼ同じであったが、オン抵抗は、参考例2のSBDの約1/3であった。
[実施例3]
n型AlGa1−xN層(組成変化層)23に代えてn型AlGa1−xN層(組成変化層)40を形成する以外は実施例1と同様にして、図6に示す構造の半導体装置3を製造した。n型AlGa1−xN層(組成変化層)40は、厚さ1.8μm、シリコンドーピング濃度(ドナー不純物濃度)7.1×1016cm−3とした。n型AlGa1−xN層40は、その下面でx=0.3のAl組成比を有し、その上面でx=0のAl組成比を有するように形成した(成長させた)。Al組成比xは、n型化合物半導体層(組成変化層、n型AlGa1−xN層)40の前記下面から前記上面に向かって連続的に変化するように制御した。このとき、n型AlGa1−xN層(組成変化層)40は、実施形態3で述べたとおり、Al組成比xの変化に対して厚みの変化を一定とした。このため、n型AlGa1−xN層(組成変化層)40において、分極負電荷の体積密度は、最下部(カソード電極側主面すなわちn型化合物半導体層22との界面)で最も高い値を示し、最上部(アノード電極側主面すなわちアノード電極12との界面)で最も低い値を示した。n型AlGa1−xN層(組成変化層)40のドナー不純物濃度は、全体にわたって、前記分極負電荷の体積密度と等しくし、前記分極負電荷を完全にキャンセルできるように調整した。なお、前記7.1×1016cm−3というシリコンドーピング濃度(ドナー不純物濃度)は、n型AlGa1−xN層(組成変化層)40全体の平均値である。
本実施例により製造した半導体装置3は、耐圧600Vに対して1.6×10−5Ωcmというオン抵抗を有していた。また、n型化合物半導体層40に代えて、GaN層(組成変化なし)を形成したSBD(参考例3)を作製した。前記GaN層の厚みは、参考例3のSBDの耐圧が本実施例のSBDと同じになるように調整した。その結果、本実施例のSBDにおいては、耐圧は、参考例3のSBDとほぼ同じであったが、オン抵抗は、参考例3のSBDの約1/3であった。
[実施例4]
n型AlGa1−xN層(組成変化層)23に代えてn型AlGa1−xN層(組成変化層)41を形成する以外は実施例1と同様にして、図7に示す構造の半導体装置4を製造した。n型AlGa1−xN層(組成変化層)41は、厚さ3.6μm、シリコンドーピング濃度(ドナー不純物濃度)1.1×1017cm−3とした。n型化合物半導体層(組成変化層、n型AlGa1−xN層)41は、その下面でx=0.62のAl組成比を有し、その上面でx=0のAl組成比を有するように形成した(成長させた)。Al組成比xは、n型化合物半導体層41の前記下面から前記上面に向かって連続的に変化するように制御した。このとき、n型AlGa1−xN層(組成変化層)41は、実施形態4で述べたとおり、Al組成比xの変化に対して厚みの変化を一定とした。このため、n型AlGa1−xN層(組成変化層)41において、分極負電荷の体積密度は、最下部(カソード電極側主面すなわちn型化合物半導体層22との界面)で最も高い値を示し、最上部(アノード電極側主面すなわちアノード電極12との界面)で最も低い値を示した。また、n型化合物半導体層41において、ドナー不純物濃度は、前記の通りn型化合物半導体層41全体にわたって均一とし、かつ、最下部(カソード電極側主面すなわちn型化合物半導体層22との界面)の分極負電荷と等しくした。
このようにして製造した本実施例の半導体装置4は、耐圧600Vに対して2.1×10−5Ωcmというオン抵抗を有していた。また、n型化合物半導体層41に代えて、GaN層(組成変化なし)を形成したSBD(参考例4)を作製した。前記GaN層の厚みは、参考例4のSBDの耐圧が本実施例のSBDと同じになるように調整した。その結果、本実施例のSBDにおいては、耐圧は、参考例4のSBDとほぼ同じであったが、オン抵抗は、参考例4のSBDの約1/2であった。
[実施例5]
n型AlGa1−xN層(組成変化層)23に代えてn型AlGa1−xN層(組成変化層)42を形成する以外は実施例1と同様にして、図10に示す構造の半導体装置5を製造した。n型AlGa1−xN層(組成変化層)42は、厚さ3.6μm、シリコンドーピング濃度(ドナー不純物濃度)9×1016cm−3とした。n型化合物半導体層(組成変化層、n型AlGa1−xN層)42は、その下面でx=0.62のAl組成比を有し、その上面でx=0のAl組成比を有するように形成した(成長させた)。Al組成比xは、n型化合物半導体層42の前記下面から前記上面に向かって連続的に変化するように制御した。このとき、n型AlGa1−xN層(組成変化層)42は、実施形態5で述べたとおり、Al組成比xの変化に対して厚みの変化を一定とした。このため、n型AlGa1−xN層(組成変化層)42において、分極負電荷の体積密度は、最下部(カソード電極側主面すなわちn型化合物半導体層22との界面)で最も高い値を示し、最上部(アノード電極側主面すなわちアノード電極12との界面)で最も低い値を示した。また、n型化合物半導体層42において、ドナー不純物濃度は、前記の通りn型化合物半導体層42全体にわたって均一とし、かつ、最上部(アノード電極側主面すなわちアノード電極12との界面)の分極負電荷と等しくした。
このようにして製造した本実施例の半導体装置5は、耐圧600Vに対して2.2×10−5Ωcmというオン抵抗を有していた。また、n型化合物半導体層42に代えて、GaN層(組成変化なし)を形成したSBD(参考例5)を作製した。前記GaN層の厚みは、参考例5のSBDの耐圧が本実施例のSBDと同じになるように調整した。その結果、本実施例のSBDにおいては、耐圧は、参考例5のSBDとほぼ同じであったが、オン抵抗は、参考例3のSBDの約1/2であった。
[実施例6]
n型AlGa1−xN層(組成変化層)23に代えてn型AlGa1−xN層(組成変化層)43を形成する以外は実施例1と同様にして、図12に示す構造の半導体装置6を製造した。n型AlGa1−xN層(組成変化層)43は、厚さ3.6μm、シリコンドーピング濃度(ドナー不純物濃度)8.5×1016cm−3とした。n型化合物半導体層(組成変化層、n型AlGa1−xN層)43は、その下面でx=0.3のAl組成比を有し、その上面でx=0のAl組成比を有するように形成した(成長させた)。Al組成比xは、n型化合物半導体層(組成変化層、n型AlGa1−xN層)43の前記下面から前記上面に向かって連続的に変化するように制御した。このとき、n型AlGa1−xN層(組成変化層)43は、実施形態6で述べたとおり、Al組成比xの変化に対して厚みの変化を一定とした。このため、n型AlGa1−xN層(組成変化層)43において、分極負電荷の体積密度は、最下部(カソード電極側主面すなわちn型化合物半導体層22との界面)で最も高い値を示し、最上部(アノード電極側主面すなわちアノード電極12との界面)で最も低い値を示した。また、n型化合物半導体層43において、ドナー不純物濃度は、前記の通りn型化合物半導体層43全体にわたって均一とし、かつ、前記の通りn型化合物半導体層43全体にわたって前記分極負電荷密度よりも大きくなるようにした。
このようにして製造した本実施例の半導体装置6は、耐圧600Vに対して2.7×10−5Ωcmというオン抵抗を有していた。また、n型化合物半導体層43に代えて、GaN層(組成変化なし)を形成したSBD(参考例6)を作製した。前記GaN層の厚みは、参考例6のSBDの耐圧が本実施例のSBDと同じになるように調整した。その結果、本実施例のSBDにおいては、耐圧は、参考例6のSBDとほぼ同じであったが、オン抵抗は、参考例6のSBDの約1/3であった。
[実施例7]
n型AlGa1−xN層(組成変化層)23に代えて、第1半導体層(n型AlGa1−xN層)44A、第2半導体層(n型AlGa1−zN層)44B、および第3半導体層(n型AlGa1−wN層)44Cからなるn型AlGaN層(組成変化層)44を形成する以外は実施例1と同様にして、図14に示す構造の半導体装置7を製造した。n型AlGaN層(組成変化層)44は、全体の厚さ3.6μm、シリコンドーピング濃度(ドナー不純物濃度)8.5×1016cm−3とした。n型化合物半導体層(組成変化層、n型AlGaN層)44は、第1半導体層(最下層)44AのAl組成比がx=0.2、第2半導体層44BのAl組成比がz=0.1、第3半導体層(最上層)44CのAl組成比がw=0となるようにした。すなわち、第3半導体層44Cは、Alを含まないGaN層である。また、第1半導体層44A、第2半導体層44B、および第3半導体層44Cの厚さは、互いに等しくした。
本実施例により製造した半導体装置7は、耐圧600Vに対して2.7×10−5Ωcmというオン抵抗を有していた。また、n型化合物半導体層44に代えて、GaN層(組成変化なし)を形成したSBD(参考例7)を作製した。前記GaN層の厚みは、参考例7のSBDの耐圧が本実施例のSBDと同じになるように調整した。その結果、本実施例のSBDにおいては、耐圧は、参考例7のSBDとほぼ同じであったが、オン抵抗は、参考例7のSBDの約6割であった。
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
この出願は、2008年12月26日に出願された日本出願特願2008−335190を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
以下、参考形態の例を付記する。
1.半導体層と、アノード電極と、カソード電極とを含み、
前記半導体層は、組成変化層を含み、
前記アノード電極は、前記半導体層の一部にショットキ接合されることにより、前記組成変化層の一方の主面と電気的に接続され、
前記カソード電極は、前記半導体層の他の一部に接合されることにより、前記組成変化層の他方の主面と電気的に接続され、
前記アノード電極および前記カソード電極によって、前記組成変化層に対し、前記主面と垂直な方向に電圧を印加可能であり、
前記組成変化層は、前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって、前記組成変化層の主面と垂直な方向に変化する組成を有し、前記変化する組成により発生する負の分極電荷を有し、かつ、ドナー不純物を含むことを特徴とする半導体装置。
2.前記半導体層が、窒化物半導体から形成されていることを特徴とする1.記載の半導体装置。
3.前記半導体層が、III族窒化物半導体から形成されていることを特徴とする2.記載の半導体装置。
4.前記組成変化層が、Al Ga 1−x N(0≦x<1)で表される組成を有し、前記カソード電極側主面のAl組成比x (x >0)と前記アノード電極側主面のAl組成比x (x ≧0)とが、x >x の関係を有することを特徴とする1.から3.のいずれか一つに記載の半導体装置。
5.前記組成変化層のAl組成比xが、前記組成変化層の主面と垂直な方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かってx からx まで連続的に減少することを特徴とする4.記載の半導体装置。
6.前記組成変化層のAl組成比xが、前記組成変化層の主面と垂直な方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かってx からx まで段階的に減少することを特徴とする4.記載の半導体装置。
7.前記組成変化層のAl組成比減少勾配が、前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって急勾配となることを特徴とする5.または6.記載の半導体装置。
8.前記組成変化層に発生する分極電荷の体積密度が、前記組成変化層全体にわたって均一であることを特徴とする7.記載の半導体装置。
9.前記組成変化層に発生する分極電荷の体積密度が、前記組成変化層の主面と垂直な方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって減少することを特徴とする5.または6.記載の半導体装置。
10.前記組成変化層のドナー不純物濃度が、前記組成変化層の主面と垂直な方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって減少することを特徴とする9.記載の半導体装置。
11.前記組成変化層のドナー不純物濃度が、前記組成変化層全体にわたって均一であることを特徴とする9.記載の半導体装置。
12.前記組成変化層のドナー不純物濃度(m −3 )が、前記組成変化層に発生しうる分極電荷の体積密度の最大値N POL MAX (m −3 )と等しいことを特徴とする1.から11.のいずれか一つに記載の半導体装置。
13.前記組成変化層のドナー不純物濃度(m −3 )が、前記組成変化層に発生しうる分極電荷の体積密度の最大値N POL MAX (m −3 )の5倍以下であることを特徴とする1.から11.のいずれか一つに記載の半導体装置。
14.前記組成変化層のドナー不純物濃度(m −3 )が、前記組成変化層に発生しうる分極電荷の体積密度の最大値N POL MAX (m −3 )の2.5倍以下であることを特徴とする1.から11.のいずれか一つに記載の半導体装置。
15.前記カソード電極と前記半導体層との接合面、および前記組成変化層の前記カソード電極側主面が、同一平面内に配置されている1.から14.のいずれか一つに記載の半導体装置。
16.前記カソード電極が、前記半導体層の上面側に形成されていることを特徴とする1.から15.のいずれか一つに記載の半導体装置。
17.前記カソード電極が、前記半導体層の下面側に形成されていることを特徴とする1.から16.のいずれか一つに記載の半導体装置。
18.前記カソード電極が、前記半導体層とオーム性接触されていることを特徴とする1.から17.のいずれか一つに記載の半導体装置。
19.さらに、絶縁膜を含み、
前記半導体層における前記アノード電極接合部の一部に開口埋め込み部が形成されており、
前記絶縁膜は、前記開口埋め込み部を覆うように形成され、
前記アノード電極は、前記開口埋め込み部に、前記絶縁膜を介して接合され、かつ、前記開口埋め込み部以外の部分にショットキ接合されていることを特徴とする1.から18.のいずれか一つに記載の半導体装置。
20.前記組成変化層の下面が、前記開口埋め込み部の下端と同一平面内またはそれよりも上に配置されていることを特徴とする19.記載の半導体装置。
21.前記組成変化層の上面が、前記開口埋め込み部の上端よりも下に配置されていることを特徴とする19.記載の半導体装置。
22.前記組成変化層の上面が、前記開口埋め込み部の下端と同一平面内またはそれよりも下に配置されていることを特徴とする21.記載の半導体装置。
23.ショットキバリアダイオードであることを特徴とする1.から22.のいずれか一つに記載の半導体装置。
24.1.から23.のいずれか一つに記載の半導体装置を含むことを特徴とする電子装置。
25.前記半導体層を形成する半導体層形成工程と、
前記アノード電極を前記半導体層の一部にショットキ接合させ、かつ、前記カソード電極を前記半導体層の他の一部に接合させる電極接合工程とを含み、
前記半導体層形成工程は、前記組成変化層を形成する組成変化層形成工程を含み、
前記組成変化層形成工程において、前記組成変化層が、その主面と垂直な方向に変化する組成を有することにより負の分極電荷を発生し、かつ、ドナー不純物を含むように前記組成変化層を形成し、
前記電極接合工程において、前記組成変化層に対し、その主面と垂直な方向に電圧を印加可能であるように前記アノード電極および前記カソード電極を形成することを特徴とする、1.から23.のいずれか一つに記載の半導体装置を製造する方法。
26.前記半導体装置が、5.記載の半導体装置であり、
前記組成変化層形成工程において、前記組成変化層のAl組成比xが、前記組成変化層の主面と垂直な方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かってx からx まで連続的に減少するように前記組成変化層を形成することを特徴とする25.記載の製造方法。
27.前記半導体装置が、6.記載の半導体装置であり、
前記組成変化層形成工程において、前記組成変化層のAl組成比xが、前記組成変化層の主面と垂直な方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かってx からx まで段階的に減少するように前記組成変化層を形成することを特徴とする25.記載の製造方法。
28.前記半導体装置が、7.記載の半導体装置であり、
前記組成変化層形成工程において、前記組成変化層のAl組成比減少勾配が、前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって急勾配となるように前記組成変化層を形成することを特徴とする26.または27.記載の製造方法。
29.前記半導体装置が、8.記載の半導体装置であり、
前記組成変化層形成工程において、前記組成変化層に発生する分極電荷の体積密度が、前記組成変化層全体にわたって均一であるように前記組成変化層を形成することを特徴とする28.記載の製造方法。
30.前記半導体装置が、19.から23.のいずれか一つに記載の半導体装置であり、
さらに、前記半導体層の一部に前記開口埋め込み部を形成する開口埋め込み部形成工程と、
前記開口埋め込み部を覆うように前記絶縁膜を形成する前記絶縁膜形成工程とを含み、
前記電極接合工程において、前記アノード電極を、前記開口埋め込み部に、前記絶縁膜を介して接合させ、かつ、前記開口埋め込み部以外の部分にショットキ接合させることを特徴とする25.から29.のいずれか一つに記載の製造方法。
1〜9、11 半導体装置
10、34 支持基板
12、39 アノード電極
13、33 カソード電極
14 絶縁膜
15 トレンチ部
16 空乏層端
20、35 第1緩衝層
21、36 第2緩衝層
22、37 n型化合物半導体層
23、38 n型化合物半導体層(組成変化層)
40〜44 n型化合物半導体層(組成変化層)
51、54 n型化合物半導体層
52、53 n型化合物半導体層(組成変化層)

Claims (32)

  1. 半導体層と、アノード電極と、カソード電極とを含み、
    前記半導体層は、組成変化層を含み、
    前記アノード電極は、前記半導体層の一部にショットキ接合されることにより、前記組成変化層の一方の主面と電気的に接続され、
    前記カソード電極は、前記半導体層の他の一部に接合されることにより、前記組成変化層の他方の主面と電気的に接続され、
    前記アノード電極および前記カソード電極によって、前記組成変化層に対し、前記主面と垂直な方向に電圧を印加可能であり、
    前記組成変化層は、前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって、前記組成変化層の主面と垂直な方向に変化する組成を有し、前記変化する組成により発生する負の分極電荷を有し、かつ、ドナー不純物を含み、
    前記組成変化層が、Al Ga 1−x N(0≦x<1)で表される組成を有し、前記カソード電極側主面のAl組成比x (x >0)と前記アノード電極側主面のAl組成比x (x ≧0)とが、x >x の関係を有し、
    前記組成変化層のAl組成比xが、前記組成変化層の主面と垂直な方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かってx からx まで連続的に減少し、
    前記組成変化層のAl組成比減少勾配が、前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって急勾配となる半導体装置。
  2. 半導体層と、アノード電極と、カソード電極とを含み、
    前記半導体層は、組成変化層を含み、
    前記アノード電極は、前記半導体層の一部にショットキ接合されることにより、前記組成変化層の一方の主面と電気的に接続され、
    前記カソード電極は、前記半導体層の他の一部に接合されることにより、前記組成変化層の他方の主面と電気的に接続され、
    前記アノード電極および前記カソード電極によって、前記組成変化層に対し、前記主面と垂直な方向に電圧を印加可能であり、
    前記組成変化層は、前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって、前記組成変化層の主面と垂直な方向に変化する組成を有し、前記変化する組成により発生する負の分極電荷を有し、かつ、ドナー不純物を含み、
    前記組成変化層が、Al Ga 1−x N(0≦x<1)で表される組成を有し、前記カソード電極側主面のAl組成比x (x >0)と前記アノード電極側主面のAl組成比x (x ≧0)とが、x >x の関係を有し、
    前記組成変化層のAl組成比xが、前記組成変化層の主面と垂直な方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かってx からx まで段階的に減少し、
    前記組成変化層のAl組成比減少勾配が、前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって急勾配となる半導体装置。
  3. 前記組成変化層に発生する分極電荷の体積密度が、前記組成変化層全体にわたって均一であることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
  4. 半導体層と、アノード電極と、カソード電極とを含み、
    前記半導体層は、組成変化層を含み、
    前記アノード電極は、前記半導体層の一部にショットキ接合されることにより、前記組成変化層の一方の主面と電気的に接続され、
    前記カソード電極は、前記半導体層の他の一部に接合されることにより、前記組成変化層の他方の主面と電気的に接続され、
    前記アノード電極および前記カソード電極によって、前記組成変化層に対し、前記主面と垂直な方向に電圧を印加可能であり、
    前記組成変化層は、前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって、前記組成変化層の主面と垂直な方向に変化する組成を有し、前記変化する組成により発生する負の分極電荷を有し、かつ、ドナー不純物を含み、
    前記組成変化層が、Al Ga 1−x N(0≦x<1)で表される組成を有し、前記カソード電極側主面のAl組成比x (x >0)と前記アノード電極側主面のAl組成比x (x ≧0)とが、x >x の関係を有し、
    前記組成変化層のAl組成比xが、前記組成変化層の主面と垂直な方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かってx からx まで連続的に減少し、
    前記組成変化層に発生する分極電荷の体積密度が、前記組成変化層の主面と垂直な方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって減少し、
    前記組成変化層のドナー不純物濃度が、前記組成変化層の主面と垂直な方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって減少する半導体装置。
  5. 半導体層と、アノード電極と、カソード電極とを含み、
    前記半導体層は、組成変化層を含み、
    前記アノード電極は、前記半導体層の一部にショットキ接合されることにより、前記組成変化層の一方の主面と電気的に接続され、
    前記カソード電極は、前記半導体層の他の一部に接合されることにより、前記組成変化層の他方の主面と電気的に接続され、
    前記アノード電極および前記カソード電極によって、前記組成変化層に対し、前記主面と垂直な方向に電圧を印加可能であり、
    前記組成変化層は、前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって、前記組成変化層の主面と垂直な方向に変化する組成を有し、前記変化する組成により発生する負の分極電荷を有し、かつ、ドナー不純物を含み、
    前記組成変化層が、Al Ga 1−x N(0≦x<1)で表される組成を有し、前記カソード電極側主面のAl組成比x (x >0)と前記アノード電極側主面のAl組成比x (x ≧0)とが、x >x の関係を有し、
    前記組成変化層のAl組成比xが、前記組成変化層の主面と垂直な方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かってx からx まで段階的に減少し、
    前記組成変化層に発生する分極電荷の体積密度が、前記組成変化層の主面と垂直な方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって減少し、
    前記組成変化層のドナー不純物濃度が、前記組成変化層の主面と垂直な方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって減少する半導体装置。
  6. 半導体層と、アノード電極と、カソード電極とを含み、
    前記半導体層は、組成変化層を含み、
    前記アノード電極は、前記半導体層の一部にショットキ接合されることにより、前記組成変化層の一方の主面と電気的に接続され、
    前記カソード電極は、前記半導体層の他の一部に接合されることにより、前記組成変化層の他方の主面と電気的に接続され、
    前記アノード電極および前記カソード電極によって、前記組成変化層に対し、前記主面と垂直な方向に電圧を印加可能であり、
    前記組成変化層は、前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって、前記組成変化層の主面と垂直な方向に変化する組成を有し、前記変化する組成により発生する負の分極電荷を有し、かつ、ドナー不純物を含み、
    前記組成変化層のドナー不純物濃度(m −3 )が、前記組成変化層に発生しうる分極電荷の体積密度の最大値N POL MAX (m −3 )と等しい半導体装置。
  7. 半導体層と、アノード電極と、カソード電極とを含み、
    前記半導体層は、組成変化層を含み、
    前記アノード電極は、前記半導体層の一部にショットキ接合されることにより、前記組成変化層の一方の主面と電気的に接続され、
    前記カソード電極は、前記半導体層の他の一部に接合されることにより、前記組成変化層の他方の主面と電気的に接続され、
    前記アノード電極および前記カソード電極によって、前記組成変化層に対し、前記主面と垂直な方向に電圧を印加可能であり、
    前記組成変化層は、前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって、前記組成変化層の主面と垂直な方向に変化する組成を有し、前記変化する組成により発生する負の分極電荷を有し、かつ、ドナー不純物を含み、
    前記組成変化層のドナー不純物濃度(m −3 )が、前記組成変化層に発生しうる分極電荷の体積密度の最大値N POL MAX (m −3 )の5倍以下である半導体装置。
  8. 半導体層と、アノード電極と、カソード電極とを含み、
    前記半導体層は、組成変化層を含み、
    前記アノード電極は、前記半導体層の一部にショットキ接合されることにより、前記組成変化層の一方の主面と電気的に接続され、
    前記カソード電極は、前記半導体層の他の一部に接合されることにより、前記組成変化層の他方の主面と電気的に接続され、
    前記アノード電極および前記カソード電極によって、前記組成変化層に対し、前記主面と垂直な方向に電圧を印加可能であり、
    前記組成変化層は、前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって、前記組成変化層の主面と垂直な方向に変化する組成を有し、前記変化する組成により発生する負の分極電荷を有し、かつ、ドナー不純物を含み、
    前記組成変化層のドナー不純物濃度(m −3 )が、前記組成変化層に発生しうる分極電荷の体積密度の最大値N POL MAX (m −3 )の2.5倍以下である半導体装置。
  9. さらに、絶縁膜を含み、
    前記半導体層における前記アノード電極接合部の一部に開口埋め込み部が形成されており、
    前記絶縁膜は、前記開口埋め込み部を覆うように形成され、
    前記アノード電極は、前記開口埋め込み部に、前記絶縁膜を介して接合され、かつ、前記開口埋め込み部以外の部分にショットキ接合されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の半導体装置。
  10. 前記組成変化層の上面が、前記開口埋め込み部の上端よりも下に配置されていることを特徴とする請求項記載の半導体装置。
  11. 前記組成変化層の上面が、前記開口埋め込み部の下端と同一平面内またはそれよりも下に配置されていることを特徴とする請求項10記載の半導体装置。
  12. 半導体層と、アノード電極と、カソード電極とを含み、
    前記半導体層は、組成変化層を含み、
    前記アノード電極は、前記半導体層の一部にショットキ接合されることにより、前記組成変化層の一方の主面と電気的に接続され、
    前記カソード電極は、前記半導体層の他の一部に接合されることにより、前記組成変化層の他方の主面と電気的に接続され、
    前記アノード電極および前記カソード電極によって、前記組成変化層に対し、前記主面と垂直な方向に電圧を印加可能であり、
    前記組成変化層は、前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって、前記組成変化層の主面と垂直な方向に変化する組成を有し、前記変化する組成により発生する負の分極電荷を有し、かつ、ドナー不純物を含み、
    さらに、絶縁膜を含み、
    前記半導体層における前記アノード電極接合部の一部に開口埋め込み部が形成されており、
    前記絶縁膜は、前記開口埋め込み部を覆うように形成され、
    前記アノード電極は、前記開口埋め込み部に、前記絶縁膜を介して接合され、かつ、前記開口埋め込み部以外の部分にショットキ接合されており、
    前記組成変化層の下面が、前記開口埋め込み部の下端と同一平面内またはそれよりも上に配置されている半導体装置。
  13. 前記組成変化層のドナー不純物濃度(m−3)が、前記組成変化層に発生しうる分極電荷の体積密度の最大値NPOL MAX(m−3)と等しいことを特徴とする請求項1から5までおよび12のいずれか一項、請求項1から5のいずれか一項に従属する請求項9、請求項1から5のいずれか一項に従属する請求項9に従属する請求項10、または請求項1から5のいずれか一項に従属する請求項9に従属する請求項10に従属する請求項11に記載の半導体装置。
  14. 前記組成変化層のドナー不純物濃度(m−3)が、前記組成変化層に発生しうる分極電荷の体積密度の最大値NPOL MAX(m−3)の5倍以下であることを特徴とする請求項1から5までおよび12のいずれか一項、請求項1から5のいずれか一項に従属する請求項9、請求項1から5のいずれか一項に従属する請求項9に従属する請求項10、または請求項1から5のいずれか一項に従属する請求項9に従属する請求項10に従属する請求項11に記載の半導体装置。
  15. 前記組成変化層のドナー不純物濃度(m−3)が、前記組成変化層に発生しうる分極電荷の体積密度の最大値NPOL MAX(m−3)の2.5倍以下であることを特徴とする請求項1から5までおよび12のいずれか一項、請求項1から5のいずれか一項に従属する請求項9、請求項1から5のいずれか一項に従属する請求項9に従属する請求項10、または請求項1から5のいずれか一項に従属する請求項9に従属する請求項10に従属する請求項11に記載の半導体装置。
  16. 前記組成変化層が、AlGa1−xN(0≦x<1)で表される組成を有し、前記カソード電極側主面のAl組成比x(x>0)と前記アノード電極側主面のAl組成比x(x≧0)とが、x>xの関係を有することを特徴とする請求項6から8までおよび12のいずれか一項、請求項6から8のいずれか一項に従属する請求項9、請求項6から8のいずれか一項に従属する請求項9に従属する請求項10、請求項6から8のいずれか一項に従属する請求項9に従属する請求項10に従属する請求項11、または請求項12に従属する請求項13から15のいずれか一項に記載の半導体装置。
  17. 前記組成変化層のAl組成比xが、前記組成変化層の主面と垂直な方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かってxからxまで連続的に減少することを特徴とする請求項16記載の半導体装置。
  18. 前記組成変化層のAl組成比xが、前記組成変化層の主面と垂直な方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かってxからxまで段階的に減少することを特徴とする請求項16記載の半導体装置。
  19. 前記組成変化層に発生する分極電荷の体積密度が、前記組成変化層の主面と垂直な方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって減少することを特徴とする請求項17または18記載の半導体装置。
  20. 前記組成変化層のドナー不純物濃度が、前記組成変化層全体にわたって均一であることを特徴とする請求項19記載の半導体装置。
  21. 前記半導体層が、窒化物半導体から形成されていることを特徴とする請求項1から20のいずれか一項に記載の半導体装置。
  22. 前記半導体層が、III族窒化物半導体から形成されていることを特徴とする請求項21記載の半導体装置。
  23. 前記カソード電極と前記半導体層との接合面、および前記組成変化層の前記カソード電極側主面が、同一平面内に配置されている請求項1から22のいずれか一項に記載の半導体装置。
  24. 前記カソード電極が、前記半導体層の上面側に形成されていることを特徴とする請求項1から23のいずれか一項に記載の半導体装置。
  25. 前記カソード電極が、前記半導体層の下面側に形成されていることを特徴とする請求項1から23のいずれか一項に記載の半導体装置。
  26. 前記カソード電極が、前記半導体層とオーム性接触されていることを特徴とする請求項1から25のいずれか一項に記載の半導体装置。
  27. ショットキバリアダイオードであることを特徴とする請求項1から26のいずれか一項に記載の半導体装置。
  28. 請求項1から27のいずれか一項に記載の半導体装置を含むことを特徴とする電子装置。
  29. 請求項1記載の半導体装置を製造する方法であって、
    前記半導体層を形成する半導体層形成工程と、
    前記アノード電極を前記半導体層の一部にショットキ接合させ、かつ、前記カソード電極を前記半導体層の他の一部に接合させる電極接合工程とを含み、
    前記半導体層形成工程は、前記組成変化層を形成する組成変化層形成工程を含み、
    前記組成変化層形成工程において、前記組成変化層が、その主面と垂直な方向に変化する組成を有することにより負の分極電荷を発生し、かつ、ドナー不純物を含むように前記組成変化層を形成し、
    前記電極接合工程において、前記組成変化層に対し、その主面と垂直な方向に電圧を印加可能であるように前記アノード電極および前記カソード電極を形成し、
    前記組成変化層形成工程において、前記組成変化層のAl組成比xが、前記組成変化層の主面と垂直な方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かってx からx まで連続的に減少するように前記組成変化層を形成し、
    前記組成変化層形成工程において、前記組成変化層のAl組成比減少勾配が、前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって急勾配となるように前記組成変化層を形成する製造方法。
  30. 請求項2記載の半導体装置を製造する方法であって、
    前記半導体層を形成する半導体層形成工程と、
    前記アノード電極を前記半導体層の一部にショットキ接合させ、かつ、前記カソード電極を前記半導体層の他の一部に接合させる電極接合工程とを含み、
    前記半導体層形成工程は、前記組成変化層を形成する組成変化層形成工程を含み、
    前記組成変化層形成工程において、前記組成変化層が、その主面と垂直な方向に変化する組成を有することにより負の分極電荷を発生し、かつ、ドナー不純物を含むように前記組成変化層を形成し、
    前記電極接合工程において、前記組成変化層に対し、その主面と垂直な方向に電圧を印加可能であるように前記アノード電極および前記カソード電極を形成し、
    前記組成変化層形成工程において、前記組成変化層のAl組成比xが、前記組成変化層の主面と垂直な方向に前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かってx からx まで段階的に減少するように前記組成変化層を形成し、
    前記組成変化層形成工程において、前記組成変化層のAl組成比減少勾配が、前記カソード電極側から前記アノード電極側に向かって急勾配となるように前記組成変化層を形成する製造方法。
  31. 前記半導体装置が、請求項記載の半導体装置であり、
    前記組成変化層形成工程において、前記組成変化層に発生する分極電荷の体積密度が、前記組成変化層全体にわたって均一であるように前記組成変化層を形成することを特徴とする請求項29または30記載の製造方法。
  32. 前記半導体装置が、請求項記載の半導体装置であり、
    さらに、前記半導体層の一部に前記開口埋め込み部を形成する開口埋め込み部形成工程と、
    前記開口埋め込み部を覆うように前記絶縁膜を形成する前記絶縁膜形成工程とを含み、
    前記電極接合工程において、前記アノード電極を、前記開口埋め込み部に、前記絶縁膜を介して接合させ、かつ、前記開口埋め込み部以外の部分にショットキ接合させることを特徴とする請求項29から31のいずれか一項に記載の製造方法。
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