JP2004311673A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】N+型基板1の上にP型半導体層11を形成し、P型半導体層11にトレンチ12を形成する。トレンチ12の内壁上にトレンチ12の凹みを残すようにN型半導体層13をエピタキシャル成長法により形成し、同様にN型半導体層13の表面上にP型半導体層14を形成する。その後、P型半導体層11の表面を平坦化することで、N型領域4及びP型領域5が横方向にて交互に繰り返された構造のドリフト領域2を形成する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図13に従来におけるパワーMOSFETの断面図を示す。従来、図13に示すように、ドリフト領域がP型領域、N型領域の繰り返し構造となっているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このパワーMOSFETは、N+型基板1上にドリフト領域2、P型ベース領域3が形成されている。ドリフト領域2は、N型領域4とP型領域5とが横方向に繰り返し配置された構成である。そして、トレンチ6が基板表面からN型領域4に到達するように形成され、トレンチの内部にゲート絶縁膜7を介して、ゲート電極8が形成されている。また、P型ベース層3の領域中には、ゲート電極8に隣接してN+型ソース領域9が形成されており、ゲート電極8から離れて、P+型コンタクト領域10が形成されている。
【0004】
このように構成されたパワーMOSFETは、オフ状態でソース・ドレイン間に逆バイアスが印加された場合、このN型領域4とP型領域5とによるPN接合から空乏層が横方向に広がり、ドリフト領域2が完全に空乏化される。これにより、高耐圧が確保されている。
【0005】
このパワーMOSFETでは、N型領域4及びP型領域5の横方向の幅4a、5aは小さいことが望ましい。これは、N型領域4及びP型領域5の不純物濃度を高濃度としても、ドリフト領域2を完全に空乏化することができ、すなわち、高耐圧を確保しつつ、オン抵抗を低減できるからである。
【0006】
一方、さらなる高耐圧化のためには、ドリフト領域2の深さ2aが大きいことが望ましい。
【0007】
したがって、さらなる高耐圧化と低オン抵抗化を両立させようとすると、N型領域4及びP型領域5の幅4a、5aを小さくし、これらの領域の深さ2aを大きくする必要がある。
【0008】
ところで、このようなN型領域4、P型領域5の繰り返し構造を形成する方法として、図14に示す方法がある(例えば、特許文献2、3参照)。
【0009】
この方法は、図14(a)、(b)に示すように、N+型基板1の上に形成されたP型半導体層11のうち、N型領域4の形成予定領域にトレンチ12を形成する。続いて、図14(c)に示すように、エピタキシャル成長法により、このトレンチ内にN型半導体層41を埋め込む。その後、図14(d)に示すように、P型半導体層11の表面を平坦化研磨することで、N+型基板1上にN型領域4及びP型領域5が横方向に繰り返された構造を形成する方法である。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−127289号公報
【0011】
【特許文献2】
特開昭57−124469号公報
【0012】
【特許文献3】
特開2001−196573号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記した方法では、N型領域4の幅4aを小さくし、ドリフト領域2の深さ2aを大きくするためには、細長い(アスペクト比が大きな)トレンチ12を形成し、そのトレンチ12の内部にN型半導体層41を埋め込む必要がある。
【0014】
しかし、トレンチ12のアスペクト比が大きくなるにつれ、トレンチ12の内部にN型半導体層13を埋め込むことが困難となる。このため、トレンチ12の幅及び深さに限界があり、低オン抵抗化と高耐圧化に限界がある。
【0015】
また、P型領域5の幅5aを小さくするためには、トレンチ12を構成する側壁部11aの横方向の幅11bを小さくする必要がある。
【0016】
しかし、トレンチ12の側壁部11aの幅11bが小さすぎると、トレンチ12を形成した後に行うトレンチ12の内部を洗浄する工程等において、トレンチ12の側壁部11aが折れてしまうという問題が発生する。
【0017】
そこで、本発明は上記点に鑑みて、従来の製造方法よりも低オン抵抗化及び高耐圧化を行うことができる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、半導体基板(1)の上に第1導電型の第1の半導体層(11、31)を形成する工程と、第1の半導体層(11、31)にトレンチ(12)を形成する工程と、トレンチ(12)の内壁上にトレンチ(12)の凹みを残すように第2導電型の第2の半導体層(13)を形成し、第2の半導体層(13)の上に、第1導電型の第3の半導体層(14)を形成することで、トレンチ(12)の内部に異なる導電型の半導体層(4、5)を基板表面と平行な方向にて交互に形成する工程とを有することを特徴としている。
【0019】
このようにトレンチの内部に複数の半導体層を形成することで、P型領域及びN型領域の横方向における幅を、従来の製造方法のようなトレンチの幅でなく、トレンチの内部に形成した半導体層の膜厚によって決定している。
【0020】
これにより、トレンチ内に一種類の半導体層を形成する従来の製造方法と比較して、従来と同一幅のトレンチを形成した場合、P型領域及びN型領域の横方向における幅を従来よりも小さくすることができる。すなわち、第1の半導体層に形成するトレンチの幅を従来よりも小さくすることなく、P型領域及びN型領域の横方向における幅を従来よりも小さくすることができる。
【0021】
この結果、本発明によれば、従来の製造方法よりも低オン抵抗化及び高耐圧化が可能となる。
【0022】
請求項2に示すように、トレンチ(12)の内壁上に2組以上の異なる導電型の半導体層(13、14、21、22)を形成する場合では、トレンチ(12)の内部に異なる導電型の半導体層(13、14、21、22)を複数形成する工程の後に、熱処理により半導体基板(1)の不純物を這い上がらせ、半導体基板(1)と接続しておらず、半導体基板(1)と同一の導電型の半導体層(21)を、半導体基板(1)と接続する。このようにしても、半導体基板上に、P型領域、N型領域が繰り返し配置された構造を有するドリフト領域を形成することができる。
【0023】
本発明によれば、請求項1に記載の発明よりも、トレンチの内部により多くの半導体層を形成しているので、トレンチの幅を請求項1の発明と同等とした場合、P型領域及びN型領域の横方向における幅をさらに小さくすることができる。これにより、請求項1に記載の発明よりもさらなる低オン抵抗化及び高耐圧化が可能となる。
【0024】
なお、半導体基板(1)を這い上がらせるため、請求項3に示すように、不純物濃度が1×1018cm−3以上である半導体基板(1)を用いたり、請求項4に示すように、半導体基板(1)の表面側に導電型不純物としてのPもしくはBが1×1018cm−3以上の濃度にて導入されている半導体基板(1)を用いることが好ましい。
【0025】
請求項5に記載の発明では、トレンチ(12)内に順に形成される1つの第1導電型の半導体層と1つの第2導電型の半導体層とを一組とし、その組数をKとしたとき、トレンチ(12)内に最後に埋め込む半導体層(14、22)を除く半導体層(13、21)の膜厚をトレンチ幅(12a)の1/(4K−1)とし、最後に埋め込む半導体層(14、22)の膜厚をトレンチ幅(12a)の1/{2(4K−1)}として、半導体層(13、14、21、22)をトレンチ(12)の内部に形成することを特徴としている。
【0026】
請求項6に記載の発明では、トレンチ(12)内に最後に埋め込まれた半導体層(14)の幅(14a)が、トレンチ(12)内の他の半導体層(13)の膜厚よりも大きくなるように、トレンチ(12)内に複数の半導体層(13、14)を形成することを特徴としている。
【0027】
これにより、トレンチの内部に形成する最後の半導体層を良好に埋め込むことができる。なお、この場合、隣接する半導体層とキャリア量を一致させるため、すなわち、チャージバランスを取るため、トレンチの内部に形成する最後の半導体層のドーパント濃度を小さくする。
【0028】
請求項7に記載の発明では、トレンチ(12)内に最後に埋め込まれる半導体層(14)を形成するときでは、トレンチ(12)内にエピタキシャル成長法により半導体膜(15)を形成する工程と、半導体膜(15)の一部のエッチング処理と、エピタキシャル成長法による半導体膜(16)の成膜処理を行う工程とにより、トレンチ(12)内に最後に埋め込まれる半導体層(14)を形成することを特徴としている。
【0029】
これにより、トレンチの内部に形成する最後の半導体層を良好に埋め込むことができる。なお、半導体膜の一部のエッチング処理としては、例えば、HClガスによるエッチングを行うことができる。
【0030】
また、トレンチ(12)内に複数の半導体層(13、14、21、22)を形成する工程では、請求項8に示すように、それぞれの半導体層(13、14、21、22)を異なる成膜装置若しくは異なるチャンバー内で形成することができる。また、請求項9に示すように、それぞれの半導体層(13、14、21、22)を同一の成膜装置及び同一のチャンバー内で連続して形成することもできる。
【0031】
請求項9の発明によれば、各半導体層を形成するときの温度、流量、真空度等の形成条件を同じ状態に保つことができるため、隣接する各半導体層のチャージバランスを取りつつ、各半導体層を形成することが容易となる。
【0032】
請求項10に記載の発明では、トレンチ(12)の内部に形成された複数の半導体層(13、14、21、22)の平面パターンを同心円形状パターンとし、円の中心に向かうにつれ、半導体層(13、14、21、22)の膜厚が厚くなるように、トレンチ(12)内に複数の半導体層(13、14、21、22)を形成することを特徴としている。
【0033】
平面パターンが同心円形状である場合では、このようにすることが好ましい。これは、この場合、各半導体層の体積は異なっているため、各半導体層の不純物濃度を同程度に設定するとき、このように各半導体層の膜厚を設定することで、各半導体層のチャージバランスをとることができる。
【0034】
請求項11に記載の発明では、半導体基板(1)の上に第1導電型の第1の半導体層(31)を形成する工程と、第1の半導体層(31)にトレンチ(12)を形成する工程と、トレンチ(12)を構成するトレンチ側壁部(31a)の表面に対して、第2導電型の不純物を拡散させることで、トレンチ側壁部(31a)の表層に第2導電型の第2の半導体層(32)を形成する工程と、トレンチ(12)の内部に第3の半導体層(13、14、21、22、33)を形成する工程とを有することを特徴としている。
【0035】
このようにトレンチの側壁部に複数の半導体層を形成することにより、トレンチの側壁部を細くせずに、横方向の幅が小さなP型領域、N型領域を形成することができる。このため、トレンチ形成後の洗浄工程等でトレンチの側壁部が折れるのを抑制することができる。
【0036】
また、第1の半導体層に形成したトレンチを構成するトレンチの側壁部の幅を従来よりも小さくすることなく、P型領域及びN型領域の横方向における幅を従来よりも小さくすることができる。この結果、本発明によれば、従来の製造方法よりも低オン抵抗化及び高耐圧化が可能となる。
【0037】
なお、拡散を行う方法として、第1の半導体層の導電型をN型とした場合では、ジボラン雰囲気での気相拡散、トレンチの内壁上に形成したBSG膜からの固相拡散、若しくはトレンチの側壁部表面に対するBのイオン注入を行う方法を用いることができる。これにより、N型の第1の半導体層の表層にP型の第2の半導体層を形成することができる。
【0038】
また、第1の半導体層の導電型をP型とした場合では、ホスフィン雰囲気での気相拡散、トレンチの内壁上に形成したPSG膜からの固相拡散、若しくはトレンチの側壁部表面に対するP、Asのイオン注入を行う方法を用いることができる。これにより、P型の第1の半導体層の表層にN型の第2の半導体層を形成することができる。
【0039】
また、第3の半導体層を形成する工程では、第3の半導体層として一種類の半導体層(33)を形成することができる。また、請求項12、13に示すように、第3の半導体層として、トレンチ(12)の内壁上にトレンチ(12)の凹みを残すように第1導電型の第4の半導体層(13)を形成し、第4の半導体層(13)の上に第2導電型の第5の半導体層(14)を形成することができる。
【0040】
請求項13に示す発明のように、トレンチ(12)の内壁上に2組以上の異なる導電型の半導体層(13、14、21、22)を形成する場合では、トレンチ(12)の内部に異なる導電型の半導体層(13、14、21、22)を複数形成する工程の後に、熱処理により半導体基板(1)の不純物を這い上がらせ、半導体基板(1)と接続しておらず、半導体基板(1)と同一の導電型の半導体層(21)を、半導体基板(1)と接続する。このようにしても、半導体基板上に、P型領域、N型領域が繰り返し配置された構造を有するドリフト領域を形成することができる。
【0041】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0042】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1に本発明の第1実施形態におけるパワーMOSFETの断面図を示す。また、図2に図1中のドリフト領域2の平面パターンを示す。
【0043】
図1に示すパワーMOSFETが、従来の技術の欄にて説明した図13に示す半導体装置に対して構造上異なっているところは、ドリフト領域2のN型領域4がU字形状となっている点である。その他は図13に示す半導体装置と同じ構造となっている。
【0044】
なお、本実施形態では、ドリフト領域2の平面パターンはN型領域4及びP型領域5が交互にストライプ状に配置されたパターンとなっており、N型領域4及びP型領域5のそれぞれの横方向の幅4a、5aは、例えば1μmとなっている。
【0045】
次に本実施形態におけるパワーMOSFETの製造方法を説明する。図3(a)〜(d)にこのパワーMOSFETの製造工程を示す。なお、図3(c)、(d)は図3(b)中の一点鎖線領域102に相当する。
【0046】
〔図3(a)に示す工程〕
As、Sb又はPを1×1018cm−3以上ドープした高濃度N+型シリコン基板1に厚さ50μmでボロン濃度が1×1016cm−3以上であるP型半導体層11をエピタキシャル成長法により形成する。
【0047】
〔図3(b)に示す工程〕
図示しないが、熱酸化若しくはCVDによりこのP型半導体層11の表面に酸化膜を形成し、ホトリソグラフィ工程及びエッチング工程により、トレンチ12の形成予定領域に対応する酸化膜部分を開口する。
【0048】
続いて、この酸化膜をマスクにしてP型半導体層11を選択的にウェット若しくはドライエッチングを行う。これにより幅12aが3μmであるトレンチ12を形成する。このとき、トレンチ12を構成するトレンチ側壁部11aの幅11bを1μmとする。なお、ウェットエッチングの場合は異方性エッチングするために、N+型基板1の表面の結晶面方位が(110)面であるとき、KOHやTMAH等のアルカリ性のエッチング液を用いる。
【0049】
〔図3(c)に示す工程〕
CVD装置を用い、シラン或いはジクロルシラン若しくはトリクロルシランの成長ガスにホスフィン若しくはアルシンのドーパントガスを流して、トレンチ12の内壁上にトレンチ12の凹みを残すように、厚さ1μmのN型半導体層13を形成する。続いて、同一のチャンバ内にて、ジボランのドーパントガスを流して厚さ1μm以上のP型半導体層14を連続して形成する。この工程では、トレンチ12の内部だけでなく、P型半導体層11の表面上にもN型半導体層13及びP型半導体層14が形成される。
【0050】
〔図3(d)に示す工程〕
表面から厚さ2μm以上CMPによる研磨若しくはドライエッチングによるエッチバックを行う。これにより、P型半導体層11の表面上に形成されたN型半導体層13及びP型半導体層14を除去し、N型領域4、P型領域5の繰り返し部分を露出させる。
【0051】
このようにして、N+型基板1の表面上に、PN繰り返し構造を有するドリフト領域2を形成する。なお、図3(d)に示している部分が図1中の破線領域101に相当する。
【0052】
その後、図示しないが、ドリフト領域2の表面上にP型ベース領域3を形成し、P型ベース領域3の表層にN+型ソース領域9を形成する。また、基板表面からN+型ソース領域9及びP型ベース領域3を貫通し、N型領域4に到達するトレンチ6を形成する。このトレンチ6の内部にゲート絶縁膜7を介して、ゲート電極8を形成する。さらに、P型ベース領域3の表層にP+型コンタクト領域10を形成する。このようにして、図1に示すパワーMOSFETを製造することができる。
【0053】
次に本実施形態の特徴を説明する。
【0054】
従来の製造方法では、図14(d)に示すように、1つのトレンチ12とそのトレンチ12を構成するトレンチ側壁部11bとを含む一単位領域(図14(b)中の一点鎖線領域501に相当)中に、N型領域4及びP型領域5が合わせて3本存在するようにドリフト領域2を形成していた。これに対して、本実施形態の製造方法では、図3(d)に示すように、一単位領域(図3(b)中の一点鎖線領域102に相当)中に、N型領域4及びP型領域5が合わせて5本存在するようにドリフト領域2を形成している。
【0055】
したがって、本実施形態によれば、従来と同じ幅12aのトレンチ12を形成した場合、N型領域4及びP型領域5の横方向の幅4a、5aを、従来の大きさに対して3/5の大きさに縮小することができる。このことから、N型領域4を高濃度化できることになり、本実施形態によれば、従来よりも低オン抵抗化が可能となる。
【0056】
なお、従来の製造方法では、図14(b)〜(d)に示すように、1つのトレンチ12の内部に1つのN型領域4を形成していた。このため、N型領域4及びP型領域5の幅4a、5aはトレンチ12の幅12aの大きさで決まっていた。
【0057】
これに対して、本実施形態では、1つのトレンチ12の内部にN型領域4、P型領域5、及びN型領域4を形成している。このため、エピタキシャル成長法により形成したN型半導体層13及びP型半導体層14の膜厚でN型領域4及びP型領域5の幅4a、5aを決定することができる。したがって、幅4a、5aを小さくするためには、N型半導体層13及びP型半導体層14の膜厚を小さくすれば良いことから、トレンチ12の幅12aが小さすぎることで発生する埋め込み不良を抑制することができる。
【0058】
また、本実施形態では、図3(c)に示す工程にて、同一のCVD装置、同一のチャンバ内にて、連続してN型半導体層13、P型半導体層14を形成している。このように、連続して各半導体層13、14を形成することで、各半導体層13、14を形成するときの温度、流量、真空度等の形成条件を同じ状態に保つことができる。
【0059】
N型半導体層13及びP型半導体層14とを形成するときでは、これらの間におけるチャージバランスを取る必要がある。ここで、チャージバランスについて説明する。本実施形態の半導体装置は、従来の技術の欄にて説明したように、オフ時において、ドリフト領域2を完全に空乏化させることで、高耐圧を確保できるものである。したがって、ドリフト領域2を構成するN型領域4とP型領域5とによるPN接合から空乏層が生じるように、N型半導体層13及びP型半導体層14のそれぞれのキャリア量を調整する必要がある。チャージバランスを取るとはこれらのキャリア量を調整することを意味する。
【0060】
このことから、本実施形態では形成条件が同じであるため、N型半導体層13及びP型半導体層14の不純物濃度、膜厚等を一致させることが容易である。すなわち、N型半導体層13とP型半導体層14とのチャージバランスを取ることが容易である。
【0061】
また、チャージバランスを取るための最良の形態として本実施形態を説明したが、チャージバランスを取ることができれば、N型半導体層13とP型半導体層14とを別々の装置にて形成することもできる。
【0062】
また、図3(c)に示す工程では、3μmのトレンチ12の幅12aに対して、N型半導体層13の膜厚を1μmとし、P型半導体層14の膜厚が0.5μm以上となるようにN型半導体層13及びP型半導体層14を形成している。これにより、N型半導体層13及びP型半導体層14でトレンチ12の内部を完全に埋め込むことができ、かつ、N型領域4及びP型領域5の横方向の幅4a、5aを同等とすることができる。
【0063】
ここで、N型領域4及びP型領域5の横方向の幅4a、5aを同等としているのは、N型領域4及びP型領域5の横方向の幅4a、5aが異なる場合、最も幅が小さい領域が寸法等のばらつきの影響を受けやすくなってしまうからである。
【0064】
なお、本実施形態では、上記したように、トレンチ12の幅12aを3μm、トレンチ側壁部11aの幅11bを1μm、N型半導体層13及びP型半導体層14の幅を1μmとしていたが、他の大きさにて形成することもできる。この場合、N型領域4及びP型領域5の幅4a、5aが同等となり、トレンチ12が完全に埋め込まれるように、トレンチ12の幅12aに対し、トレンチ側壁部11aの幅11b及びN型半導体層13の膜厚をその1/3とし、最後にトレンチ12に埋め込むP型半導体層14の膜厚を1/6以上と設定する。
【0065】
また、本実施形態では、図2に示すように、ドリフト領域2の平面パターンがストライプ形状となるように、N型領域4及びP型領域5を形成する場合を例として説明したが、図4に示すように、ドリフト領域2の平面パターンを、半径が異なる複数の円が重なったような同心円形状とすることもできる。
【0066】
この場合では、N型領域4及びP型領域5の体積を同等にするため、円の中心側に位置するP型領域5の幅をN型領域4の幅よりも大きくする。これにより、N型領域4及びP型領域5のチャージバランスを取ることができる。
【0067】
(第2実施形態)
図5に第2実施形態におけるパワーMOSFETの製造工程を示す。本実施形態は、第1実施形態の図3(c)に示す工程におけるP型半導体層14の形成方法を変更したものである。
【0068】
本実施形態では、図3(a)、(b)に示す工程にて、幅12aが例えば4μmであるトレンチ12を形成する。その後、図5(a)に示す工程にて、第1実施形態と同様に、膜厚が例えば1μmであるN型半導体層13をトレンチ12の内壁上に形成する。その後、N型半導体層13の表面上に、P型半導体層15を一度形成する。
【0069】
続いて、図5(b)に示す工程にて、P型半導体層15の一部をHClガスを用いてエッチングする。このとき、P型半導体層15がエッチングされた部分の形状は、例えば、トレンチ12の深さ方向に進むにつれ幅が小さくなっているテーパ形状となる。なお、以下ではこのエッチングをテーパエッチングと呼ぶ。
【0070】
そして、図5(c)に示す工程にて、そのテーパエッチングされた部分に再度、P型半導体層16をエピタキシャル成長法により形成することで、トレンチ12の内部を完全に埋め込む。なお、チャージバランスの点からP型半導体層15、16のドーパント濃度は第1実施形態よりも小さくする。
【0071】
次に、図5(d)に示す工程にて、図3(d)に示す工程と同様に研磨することで、ドリフト領域2を形成する。その後は、第1実施形態と同様の工程を行う。
【0072】
第1実施形態の製造方法では、N型半導体層13の形成後における、P型半導体層14を埋め込む領域の幅が非常に狭い場合、P型半導体層14を形成するとき、トレンチ12の両側面から成長するP型半導体層14の合わせ面が不連続となりやすい。すなわち、P型半導体層14にいわゆる「す」と呼ばれる空隙が生じ、埋め込み不良が発生する恐れがある。
【0073】
そこで、本実施形態では、P型半導体層14を形成するとき、P型半導体層14を埋め込む領域の幅14aをN型半導体層13の膜厚よりも大きくし、P型半導体層15を形成した後、テーパエッチングして再度、P型半導体層16にて埋め込むことで、P型半導体層14を形成している。
【0074】
これにより、P型半導体層14を形成するとき、埋め込み不良が発生するのを抑制することができる。なお、本実施形態では、P型半導体層14を埋め込む領域の幅をN型半導体層13の膜厚よりも大きくすることと、テーパエッチングを行うことの両方を行っているが、どちらか一方のみを行うこともできる。これによっても、第1実施形態と比較して、埋め込み不良が発生するのを抑制することができる。
【0075】
(第3実施形態)
第1実施形態ではN型半導体層13、P型半導体層14の1組の異なる導電型の半導体層をトレンチ12の内部に形成していたが、本実施形態では2組の異なる導電型の半導体層をトレンチ12の内部に形成する場合を説明する。
【0076】
図6に本実施形態のパワーMOSFETの断面図を示す。なお、図1と同様の構成部には同一の符号を付している。図6に示すパワーMOSFETは、図13に示す半導体装置と構造は同じであるが、N型領域4及びP型領域5の幅4a、5aが例えば0.5μmとなっている。
【0077】
図7にこのパワーMOSFETの製造工程を示す。
【0078】
〔図7(a)に示す工程〕
図3(a)、(b)に示す工程と同様に、P型半導体層11にトレンチ12を形成する。本実施形態では、トレンチ12の幅12aを3.5μm、トレンチ側壁部11aの幅11bを1μmとする。
【0079】
〔図7(b)に示す工程〕
CVD装置を用い、シラン或いはジクロルシラン若しくはトリクロルシランの成長ガスにホスフィン若しくはアルシンのドーパントガスを流して、エピタキシャル成長法により、トレンチ12の内壁上にトレンチ12の凹みを残すようにN型半導体層13を形成する。続いて、N型半導体層13の表面上に同じくジボランのドーパントガスを流して、トレンチ12の凹みを残すようにP型半導体層14を形成する。さらに、P型半導体層14の表面上にトレンチ12の凹みを残すようにN型半導体層21を形成し、最後にP型半導体層22を形成する。このようにエピタキシャル成長法により、トレンチ12の内壁上に各半導体層を連続成長させる。
【0080】
なお、本実施形態では、N型領域4及びP型領域5の横方向の幅が同一となるように、N型領域4及びP型領域5の幅4a、5aがトレンチ幅12aの1/7となるようにする。すなわち、N型半導体層13、P型半導体層14、及びN型半導体層21の膜厚をトレンチ幅12aの1/7の大きさとし、トレンチ12に最後に埋め込むP型半導体層22のN型半導体層21の表面上での膜厚をトレンチ幅12aの1/14以上の大きさに設定する。
【0081】
具体的には、3.5μmのトレンチ12の幅12aに対して、各半導体層13、14、21の膜厚を0.5μmとし、P型半導体層22の膜厚を0.25μm以上となるようにしている。これにより、各半導体層13、14、21、22の横方向の幅を全て同一とし、かつ、トレンチ12の内部を完全に埋め込むことができる。
【0082】
〔図7(c)に示す工程〕
この工程では、例えば、1000℃にて熱処理をする。これにより、N+型基板1は不純物濃度が高いため、N+型基板1中の導電型不純物が上方に拡散し、U字型形状の各半導体層13、14、21の底部(連結部)が位置していた領域までN+型基板1が拡張する。この結果、トレンチ12内の全てのN型層13、21がN+型基板1と接続する。
【0083】
なお、不純物濃度が高濃度でないN+型基板1を用いる場合、予めN+型基板1の表面側に拡散係数の大きいPを高濃度(例えば、1×1018cm−3以上)にドープしておけば良い。このようにしても、同様に、N+型基板1が熱処理により這い上がり、N+型基板1と全てのN型層13、21とを接続することができる。
【0084】
〔図7(d)に示す工程〕
図3(d)に示す工程と同様に、CMPによる研磨若しくはエッチバックにより、平坦化する。このようにして、N+型基板1の表面上に、エピタキシャル成長法により形成する半導体層13、14、21、22の膜厚で、N型領域4及びP型領域5の幅4a、5aが決定された幅の狭いPN繰り返し構造を有するドリフト領域2を形成する。なお、7(d)中の破線領域201が図6中の破線領域201に相当する。その後は、第1実施形態と同様の工程を行う。
【0085】
次に本実施形態の特徴を説明する。本実施形態では、1つのトレンチ12の内部にN型領域4及びP型領域5を合わせて7本形成している。すなわち、図7(d)に示すように、1つのトレンチ12とトレンチ12を構成するトレンチ側壁部11aとを含む一単位領域中に、N型領域4及びP型領域5が合わせて9本存在するようにドリフト領域2を形成している。
【0086】
したがって、本実施形態によれば、従来と同じトレンチ12を形成した場合、N型領域4及びP型領域5の横方向の幅4a、5aを、従来の大きさに対して3/9の大きさに縮小することができる。このことから、本実施形態によれば、N型領域4を高濃度化できることになり、第1実施形態と比較して、より低オン抵抗化が可能となる。
【0087】
(第4実施形態)
本実施形態では、上記した各実施形態と異なる方法で図6に示すパワーMOSFETを形成する場合を説明する。
【0088】
図8にパワーMOSFETの製造工程を示す。なお、図8(b)、(c)、(d)は図8(a)中の二点鎖線領域301に相当する。
【0089】
〔図8(a)に示す工程〕
As、Sb又はPを1×1018cm−3以上ドープした高濃度N+型シリコン基板1の上に厚さ50μmでリン濃度が1×1016cm−3以上であるN型半導体層31をエピタキシャル成長法により形成する。
【0090】
続いて、図示しないが、このN型半導体層31の表面上に酸化膜を形成し、ホトリソグラフィ工程及びエッチング工程により酸化膜をパターニングする。この酸化膜をマスクにしてN型半導体層31を選択的にウェット若しくはドライエッチングにより幅12aが1μmのトレンチ12、幅31bが3μmのトレンチ側壁部31aを形成する。
【0091】
〔図8(b)に示す工程〕
この工程では、トレンチ側壁部31aの表面に対してP型不純物を拡散させる。具体的には、ジボラン雰囲気での気相拡散、トレンチ側壁部31aの表面上に形成したBSG膜からの固相拡散、又はイオン注入により、ボロンを表面濃度が1×1016cm−3以上となるようにトレンチ側壁部31aの表面にドーピングする。そして、同時、若しくはドーピング後に熱処理を行って拡散深さを制御し、N型半導体層31の表層に厚さ1μmのP型半導体層32を形成する。このとき、P型半導体層32は上下逆のU字型形状となる。
【0092】
〔図8(c)に示す工程〕
CVD装置を用い、シラン或いはジクロルシラン若しくはトリクロルシランの成長ガスにホスフィン若しくはアルシンのドーパントガスを流して、トレンチ12の内部にN型半導体層33を形成する。このとき、N型半導体層33は基板表面上にも形成される。
【0093】
〔図8(d)に示す工程〕
基板表面から厚さ2μm以上CMPによる研磨、若しくはドライエッチによるエッチバックを行う。これにより、基板表面上のN型半導体層33と、U字形状のP型半導体層32の連結部を除去し、N型領域4、P型領域5の繰り返し部分を露出させる。
【0094】
このようにして、N+型基板1の表面上に、不純物拡散によりトレンチ側壁部31aに形成された半導体層の幅で、N型領域4及びP型領域5の横方向の幅4a、5aが決定されたPN繰り返し構造を有するドリフト領域2を形成する。なお、図8(d)中の破線領域303が図6中の破線領域201に相当する。その後は、第1実施形態と同様の工程を行うことで、図6に示すパワーMOSFETを製造することができる。
【0095】
次に、本実施形態の特徴を説明する。本実施形態の製造方法では、トレンチ12とトレンチ12との間に位置するトレンチ側壁部11aに、P型領域5、N型領域4、及びP型領域5を形成している。言い換えると1つのトレンチ12とトレンチ12を構成するトレンチ側壁部11aとを含む一単位領域(図8(d)中の一点鎖線領域302)中に、N型領域4及びP型領域5が合わせて5本存在するようにドリフト領域2を形成している。
【0096】
したがって、本実施形態によれば、従来と同じトレンチ12を形成した場合、N型領域4及びP型領域5の横方向の幅を、従来の大きさに対して3/5の大きさに縮小することができる。このことから、本実施形態によれば、N型領域4を高濃度化できることになり、従来よりも低オン抵抗化が可能となる。
【0097】
また、従来の製造方法では、低オン抵抗化及び高耐圧化のためには、トレンチ12を構成するトレンチ側壁部11aの幅11bもできるだけ小さくする必要があった。しかし、このトレンチ12を掘って残されたトレンチ側壁部11aの幅11bが小さすぎると、その後の洗浄工程等でトレンチ側壁部11aが折れてしまうという問題があった。
【0098】
これに対して、本実施形態では、トレンチ側壁部11aの表面に対して、トレンチ側壁部11aと異なる導電型の不純物を拡散させている。これにより、トレンチ側壁部11aの幅11bを小さくすることなく、幅4a、5aが小さなN型領域4及びP型領域5を形成することができるため、トレンチ側壁部11aが折れるのを抑制することができる。
【0099】
また、本実施形態では、N+型基板1の上にN型半導体層31を形成していたが、上記した各実施形態のように、N+型基板1の上にP型半導体層11を形成することもできる。この場合、トレンチ12を形成した後の不純物拡散の工程では、トレンチ側壁部11a表面に対して、ホスフィン雰囲気での気相拡散、トレンチ12の内壁上に形成したPSG膜からの固相拡散によりPをドーピングする。若しくは、トレンチ側壁部11a表面に対して、P、Asのイオン注入によるドーピングを行う。このようにしても、N型領域4及びP型領域5により構成されたドリフト領域2を形成することもできる。
【0100】
(第5実施形態)
第3実施形態と第4実施形態とを組み合わせることもできる。図9に本実施形態におけるパワーMOSFETのドリフト領域2の平面パターンを示す。なお、図1、8と同様の構成部には同一の符号を付している。
【0101】
本実施形態のパワーMOSFETの断面構造は、図6に示すパワーMOSFETと同じである。また、図9に示すように、ドリフト領域2の平面パターンは、ストライプ形状となっており、第1実施形態(図2)と比較して、N型領域4及びP型領域5の幅4a、5aが狭くなっており、全て0.5μmとなっている。
【0102】
次に、製造方法を説明する。図10、図11(a)〜(d)に本実施形態におけるパワーMOSFETの製造工程を示す。なお、図11(a)〜(d)は図10中の二点鎖線領域401に相当する。
【0103】
〔図10に示す工程〕
第4実施形態の図8(a)に示す工程と同様に、N+型基板1の表面上にN型半導体層31を形成し、N型半導体層31にトレンチ12を形成する。本実施形態では、トレンチ12の幅12aを3.5μm、トレンチ側壁部31aの幅31bを1.5μmとする。
【0104】
〔図11(a)に示す工程〕
図8に示す工程と同様に、トレンチ側壁部31aの表面に対してP型不純物を拡散させることで、N型半導体層31の表層にP型半導体層32を形成する。本実施形態では、P型半導体層32の厚さを0.5μmとする。
【0105】
〔図11(b)に示す工程〕
第3実施形態の図7(b)に示す工程と同様に、トレンチ12の内壁上に、N型半導体層13、P型半導体層14、N型半導体層21、及びP型半導体層22を連続して形成する。このとき、本実施形態においても、第3実施形態と同様に、各半導体層13、14、21の膜厚を0.5μmとし、P型半導体層22の膜厚を0.25μm以上となるようにして各半導体層13、14、21、22を形成する。
【0106】
〔図11(c)に示す工程〕
図7(c)に示す工程と同様に、熱処理をすることでN+型基板1と全てのN型層13、21とを接続する。
【0107】
〔図11(d)に示す工程〕
図7(d)に示す工程と同様に、平坦化を行うことでドリフト領域2を形成する。なお、図11(d)中の破線領域403が、図6中の破線領域201に相当する。その後は、第1実施形態と同様の工程を行う。
【0108】
本実施形態の特徴を説明する。本実施形態の製造方法では、トレンチ12とトレンチ12との間に位置するトレンチ側壁部に1つのトレンチ12の内部にP型領域5、N型領域4、及びP型領域5を形成している。さらに、1つのトレンチ12の内部にN型領域4及びP型領域5を合わせて7本形成している。
【0109】
言い換えると、1つのトレンチ12とトレンチ12を構成するトレンチ側壁部とを含む一単位領域(図11(d)中の一点鎖線領域402)中に、N型領域4及びP型領域5が合わせて11本存在するようにドリフト領域2を形成している。
【0110】
したがって、本実施形態によれば、従来と同じトレンチ12を形成した場合、N型領域4及びP型領域5の横方向の幅4a、5aを、従来の大きさに対して3/11の大きさに縮小することができる。このことから、本実施形態によれば、N型領域4を高濃度化できることになり、上記した各実施形態と比較して、より低オン抵抗化が可能となる。
【0111】
なお、本実施形態では、図9に示すように、ドリフト領域2の平面パターンがストライプ形状となるように、N型領域4及びP型領域5を形成する場合を例として説明したが、図12に示すように、ドリフト領域2の平面パターンを同心円形状とすることもできる。
【0112】
この場合では、N型領域4及びP型領域5の体積を同等にする円の中心側に位置するP型領域5の幅をN型領域4の幅よりも大きくする。これにより、N型領域4及びP型領域5のチャージバランスを取ることができる。
【0113】
(他の実施形態)
第3実施形態及び第5実施形態では、トレンチ12の内部に2組の異なる導電型の半導体層を形成する場合を説明したが、2組に限らずそれよりも多くの組数の異なる導電型の半導体層を形成することもできる。
【0114】
また、上記した各実施形態では、Nチャネル型のパワーMOSFETを例として説明したが、各半導体層の導電型を逆にしたPチャネル型のパワーMOSFETにおいても本発明を適用することができる。また、MOSFETの他にサイリスタやIGBTにも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態におけるパワーMOSFETの断面図である。
【図2】図1中のドリフト領域2の平面パターンを示す図である。
【図3】図1に示すパワーMOSFETの製造工程を説明するための断面図である。
【図4】図1中のドリフト領域2の平面パターンを示す図である。
【図5】第2実施形態におけるパワーMOSFETの製造工程を説明するための断面図である。
【図6】第3、4、5実施形態におけるパワーMOSFETの断面図である。
【図7】第3実施形態におけるパワーMOSFETの製造工程を説明するための断面図である。
【図8】第4実施形態におけるパワーMOSFETの製造工程を説明するための断面図である。
【図9】第5実施形態におけるパワーMOSFET中のドリフト領域2の平面パターンを示す図である。
【図10】第5実施形態におけるパワーMOSFETの製造工程を説明するための断面図である。
【図11】図10に続くパワーMOSFETの製造工程を説明するための断面図である。
【図12】第5実施形態におけるパワーMOSFETのドリフト領域2の平面パターンを示す図である。
【図13】従来におけるパワーMOSFETの断面図である。
【図14】従来におけるパワーMOSFETの製造工程を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1…N+型基板、2…ドリフト領域、3…P型ベース領域、4…N型領域、
5…P型領域、6…トレンチ、7…ゲート絶縁膜、8…ゲート電極、
9…N+型ソース領域、10…P+型コンタクト領域、
11…P型半導体層、11a、31a…トレンチ側壁部、12…トレンチ、
13、21、41…N型半導体層、
14、15、16、22…P型半導体層、31…N型半導体層、
32…P型半導体層、33…N型半導体層。
Claims (13)
- 半導体基板(1)上のドリフト領域(2)が、前記半導体基板(1)表面と平行な方向にて、N型領域(4)、P型領域(5)が繰り返し配置された構造である半導体装置の製造方法において、
半導体基板(1)の上に第1導電型の第1の半導体層(11、31)を形成する工程と、
前記第1の半導体層(11、31)にトレンチ(12)を形成する工程と、
前記トレンチ(12)の内壁上に前記トレンチ(12)の凹みを残すように第2導電型の第2の半導体層(13)を形成し、前記第2の半導体層(13)の上に、第1導電型の第3の半導体層(14)を形成することで、前記トレンチ(12)の内部に異なる導電型の半導体層(4、5)を基板表面と平行な方向にて交互に形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記トレンチ(12)の内部に異なる導電型の半導体層(4、5)を複数形成する工程では、前記トレンチ(12)内に順に形成される1つの第1導電型の半導体層と1つの第2導電型の半導体層とを1組とすると、前記トレンチ(12)の前記内壁上に2組以上の異なる導電型の半導体層(13、14、21、22)を形成しており、
前記トレンチ(12)の内部に異なる導電型の半導体層(13、14、21、22)を複数形成する工程の後に、熱処理により前記半導体基板(1)の不純物を這い上がらせ、前記半導体基板(1)と、複数の前記半導体層のうち、前記半導体基板と同一導電型の半導体層(21)とを接続する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。 - 不純物濃度が1×1018cm−3以上である前記半導体基板(1)を用いることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記半導体基板(1)の表面側に導電型不純物としてのPもしくはBが1×1018cm−3以上の濃度にて導入されている前記半導体基板(1)を用いることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記トレンチ(12)内に順に形成される1つの第1導電型の半導体層と1つの第2導電型の半導体層とを1組とし、その組数をKとしたとき、
トレンチ(12)内に最後に埋め込む半導体層(14、22)を除く前記半導体層(13、21)の膜厚を前記トレンチ幅(12a)の1/(4K−1)とし、前記最後に埋め込む半導体層(14、22)の膜厚をトレンチ幅(12a)の1/{2(4K−1)}として、前記半導体層(13、14、21、22)を前記トレンチ(12)の内部に形成することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。 - 前記トレンチ(12)内に最後に埋め込まれた前記半導体層(14)の幅(14a)が、前記トレンチ(12)内の他の前記半導体層(13)の膜厚よりも大きくなるように、前記トレンチ(12)内に複数の前記半導体層(13、14)を形成することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記トレンチ(12)内に最後に埋め込まれる前記半導体層(14)を形成するときに、前記トレンチ(12)内にエピタキシャル成長法により半導体膜(15)を形成する工程と、
前記半導体膜(15)の一部のエッチング処理と、エピタキシャル成長法による半導体膜(16)の成膜処理を行う工程とにより、前記トレンチ(12)内に最後に埋め込まれる前記半導体層(14)を形成することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。 - 前記トレンチ(12)内に複数の前記半導体層(13、14、21、22)を形成する工程において、それぞれの前記半導体層(13、14、21、22)を異なる成膜装置若しくは異なるチャンバー内で形成することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記トレンチ(12)内に複数の前記半導体層(13、14、21、22)を形成する工程では、それぞれの前記半導体層(13、14、21、22)を同一の成膜装置及び同一のチャンバー内で連続して形成することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- トレンチ(12)の開口形状を円形状とし、
前記トレンチ(12)の内部に形成された複数の前記半導体層(13、14、21、22)の平面パターンを同心円形状パターンとし、チャージバランスを満足させるために前記円の中心に向かうにつれ、前記半導体層(13、14、21、22)の膜厚が厚くなるように、前記トレンチ(12)内に複数の前記半導体層(13、14、21、22)を形成することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。 - 半導体基板(1)上に形成されたドリフト領域(2)を有し、前記ドリフト領域(2)が、前記半導体基板(1)表面と平行な方向にてN型領域(4)、P型領域(5)が繰り返し配置された構造である半導体装置の製造方法において、
半導体基板(1)の上に第1導電型の第1の半導体層(31)を形成する工程と、
前記第1の半導体層(31)にトレンチ(12)を形成する工程と、
前記トレンチ(12)を構成するトレンチ側壁部(31a)の表面に対して、第2導電型の不純物を拡散させることで、前記トレンチ側壁部(31a)の表層に第2導電型の第2の半導体層(32)を形成する工程と、
前記トレンチ(12)の内部に第3の半導体層(13、14、21、22、33)を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記第3の半導体層を形成する工程では、
前記トレンチ(12)の内壁上に前記トレンチ(12)の凹みを残すように第1導電型の第4の半導体層(13)を形成し、前記第4の半導体層(13)の上に第2導電型の第5の半導体層(14)を形成することを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記第3の半導体層を形成する工程では、1つの第1導電型の半導体層と1つの第2導電型の半導体層とを1組とすると、前記トレンチ(12)の前記内壁上に2組以上の異なる導電型の半導体層(13、14、21、22)を形成した後、熱処理により前記半導体基板(1)の不純物を這い上がらせ、前記半導体基板(1)と、前記2組以上の異なる導電型の半導体層のうち、前記半導体基板(1)と同一導電型の半導体層(21)とを接続する工程とを有することを特徴とする請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
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