JP2002047454A - インクジェット用記録媒体の製造方法 - Google Patents

インクジェット用記録媒体の製造方法

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JP2002047454A
JP2002047454A JP2001153779A JP2001153779A JP2002047454A JP 2002047454 A JP2002047454 A JP 2002047454A JP 2001153779 A JP2001153779 A JP 2001153779A JP 2001153779 A JP2001153779 A JP 2001153779A JP 2002047454 A JP2002047454 A JP 2002047454A
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disperser
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Kiyoshi Endo
喜芳 遠藤
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ひび割れが少なく、最大濃度が充分に得ら
れ、光沢性に優れ、かつ、生産性を向上させることがで
きるインクジェット用記録媒体の製造方法を提供する。 【解決手段】 支持体上に塗布液を塗布して製造するイ
ンクジェット用記録媒体の製造方法において、前記塗布
液が無機微粒子分散物を用いて製造されており、該無機
微粒子分散物は、少なくとも無機微粒子及び水系媒体を
分散機に連続的に供給しながら分散処理すると同時に、
前記分散機内で製造された分散物を連続的に分散機より
吐出することによって製造された分散物であることを特
徴とするインクジェット用記録媒体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット用
記録媒体(以下、単に記録媒体ともいう)の製造方法に
関し、特に塗布故障が無く、生産性、光沢性、最大濃度
等に優れるインクジェット用記録媒体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、インクの微小液
滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シー
トに付着させ、画像・文字などの記録を行うものである
が、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点
を有している。
【0003】従来の記録方法で従来から問題となってい
たノズルの目詰まりとメンテナンスについては、インク
および装置の両面から改良が進み、現在では各種プリン
ター、ファクシミリ、コンピューター端末等、さまざま
な分野に急速に普及している。
【0004】このインクジェット記録方式で使用される
記録用紙としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明
るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドット
が重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだ
りしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上
に大きくなく、かつ周辺が滑らかでぼやけないこと等が
要求される。
【0005】特にインク吸収速度が遅い場合には、2色
以上のインク液滴が重なって記録される際に、記録用紙
上で液滴がハジキ現象を起こしてムラになったり、ま
た、異なる色の境界領域でお互いの色が滲んだりして画
質を大きく低下させやすいために、記録用紙としては高
いインク吸収性を持たせるようにすることが必要であ
る。
【0006】これらの問題を解決するために、従来から
非常に多くの技術が提案されている。例えば、特開昭5
2−53012号公報に記載されている低サイズ原紙に
表面加工用の塗料を湿潤させた記録用紙、特開昭55−
5830号に記載されている支持体表面にインク吸収性
の塗層を設けた記録用紙、特開昭56−157号公報に
記載されている被覆層中の顔料として非膠質シリカ粉末
を含有する記録用紙、特開昭57−107878号に記
載されている無機顔料と有機顔料を併用した記録用紙、
特開昭58−110287号公報に記載されている2つ
の空孔分布ピークを有する記録用紙、特開昭62−11
1782号に記載されている上下2層の多孔質層からな
る記録用紙、特開昭59−68292号、同59−12
3696号および同60−18383号公報などに記載
されている不定形亀裂を有する記録用紙、特開昭61−
135786号、同61−148092号および同62
−149475号公報等に記載されている微粉末層を有
する記録用紙、特開昭63−252779号、特開平1
−108083号、同2−136279号、同3−65
376号および同3−27976号等に記載されている
特定の物性値を有する顔料や微粒子シリカを含有する記
録用紙、特開昭57−14091号、同60−2190
83号、同60−210984号、同61−20797
号、同61−188183号、特開平5−278324
号、同6−92011号、同6−183134号、同7
−137431号、同7−276789号等に記載され
ているコロイド状シリカ等の微粒子シリカを含有する記
録用紙、および特開平2−276671号公報、同3−
67684号、同3−215082号、同3−2514
88号、同4−67986号、同4−263983号お
よび同5−16517号公報などに記載されているアル
ミナ水和物微粒子を含有する記録用紙等が多数知られて
いる。
【0007】一方、インクジェット記録においては、得
られる画像の耐水性を改良するために、インク受容層中
にカチオン性物質を添加しておき、染料を固定化する方
法も種々用いられており現在の主流となっている。
【0008】しかしながら、上記の空隙構造を有するイ
ンク受容層中において、空隙構造を形成する物質がカチ
オン性の無機顔料である場合にはカチオン性コロイダル
シリカのように高い空隙率が形成しにくかったり、ある
いは、アルミナ水和物微粒子を使用すると高い製造コス
トになる等の問題点がある。製造コストと空隙形成能力
の点でシリカ微粒子を用いることが有利である。シリカ
微粒子はアニオン性のため、カチオン物質の添加が必要
で、特開平10−181190号には、カチオン性ポリ
マー含有液中で凝集体顔料(シリカ)を数平均粒径が5
00nm以下になるまで粉砕分散して得られる顔料を含
有する塗布液を支持体上に塗布することで光沢性が良好
で印字濃度の高い記録用紙が記載されている。
【0009】特開平10−181190号に記載の方式
は、あらかじめバッチの中にカチオン性ポリマー含有液
を入れておき、撹拌しながらシリカを投入、分散させ
(いわゆるバッチ分散)、その後、サンドグラインダー
と高圧ホモジナイザーで繰り返し分散する方法を用いて
いる。しかし、この方法では、生産性の点で劣り、しか
も、記録媒体の光沢、ひび割れ発生において、満足でき
るものではない。
【0010】無機微粒子を媒体に分散する場合、微粒子
が凝集して粗大粒子(ダマ)を作りやすく、生産上記録
媒体の品質に問題がある。特に、シリカ粉とカチオン性
ポリマー含有液を最初に分散する工程にバッチ分散工程
を用いると、シリカとカチオン性物質は、ダマを非常に
作りやすいため、一度、ダマを作ると、これを分散する
のに、多大な時間を費やすこととなり生産性を悪化させ
更に、粗大凝集粒子が残存して、光沢の低下やこれに起
因するひび割れが起きやすいことが判った。
【0011】また、分散液の最終分散度が、塗布故障、
光沢等に大きく影響し、従来のように、電子顕微鏡や粒
径測定器で求めた、平均粒径のみでは、品質を保証でき
ないのが現状である。
【0012】インクジェット用記録媒体の高画質化、生
産性をさらに向上させるには、ひび割れ故障のような塗
布故障が大きな障害となり、上述の技術ではいまだ満足
できるものではないのが現状である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の実態に
鑑みてなされたものであって、本発明が解決しようとす
る課題は、特にひび割れが少なく、最大濃度が充分に得
られ、光沢性に優れ、かつ、生産性を向上させることが
できるインクジェット用記録媒体の製造方法を提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成された。
【0015】1.支持体上に塗布液を塗布して製造する
インクジェット用記録媒体の製造方法において、前記塗
布液が無機微粒子分散物を用いて製造されており、該無
機微粒子分散物は、少なくとも無機微粒子及び水系媒体
を分散機に連続的に供給しながら分散処理すると同時
に、前記分散機内で製造された分散物を連続的に分散機
より吐出する工程を経て製造された分散物であることを
特徴とするインクジェット用記録媒体の製造方法。
【0016】2.前記分散機が、混練分散機または粉砕
分散機であることを特徴とする前記1に記載のインクジ
ェット用記録媒体の製造方法。
【0017】3.前記無機微粒子分散物の濁度が50p
pm以下であることを特徴とする前記1又は2に記載の
インクジェット用記録媒体の製造方法。
【0018】4.前記分散物が、カチオン樹脂を含有す
ることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の
インクジェット用記録媒体の製造方法。
【0019】5.前記無機微粒子がシリカであることを
特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載のインクジ
ェット用記録媒体の製造方法。
【0020】6.支持体上に塗布液を塗布して製造する
インクジェット用記録媒体の製造方法において、前記塗
布液が顔料粒子分散物を用いて製造されており、該顔料
粒子分散物は、少なくとも顔料粒子及び水系媒体を分散
機に連続的に供給しながら分散処理すると同時に、前記
分散機内で製造された分散物を連続的に分散機より吐出
し、更に該吐出された分散物を連続的に別の分散機に供
給しながら同時に該別の分散機内で分散処理された分散
物を連続的に分散機より吐出する工程を経て製造された
分散物であることを特徴とするインクジェット用記録媒
体の製造方法。
【0021】7.前記複数の分散機が直列に接続されて
おり、前記無機微粒子及び前記水系媒体を最初の分散機
に連続的に供給すると同時に、最後の分散機より前記無
機微粒子分散物を連続的に吐出することを特徴とする前
記6に記載のインクジェット用記録媒体の製造方法。
【0022】8.支持体上に塗布液を塗布して製造する
インクジェット用記録媒体の製造方法において、前記塗
布液が無機微粒子分散物を用いて製造されており、該無
機微粒子分散物は、少なくとも無機微粒子及び水系媒体
を第1分散機に連続的に供給しながら分散処理すると同
時に、前記第1分散機内で製造された第1分散物を連続
的に分散機より吐出し、該第1分散物を第2分散機に連
続的に供給しながら該第2分散機内で分散処理すると同
時に、該第2分散機内で製造された第2分散物を連続的
に該第2分散機より吐出し、さらに該第2分散物を第3
分散機に連続的に供給しながら該第3分散機内で分散処
理すると同時に、該第3分散機内で製造された第3分散
物を連続的に該第3分散機より吐出して製造される無機
微粒子分散物であることを特徴とするインクジェット用
記録媒体の製造方法。
【0023】9.前記第1分散機、前記第2分散機及び
第3分散機が直列に接続されており、前記無機微粒子及
び前記水系媒体を前記第1分散機に連続的に供給すると
同時に、前記第3分散物を連続的に前記第3分散機より
吐出することを特徴とする前記8に記載のインクジェッ
ト用記録媒体の製造方法。
【0024】10.前記第1分散機及び前記第2分散機
の少なくとも一方が混練分散機であることを特徴とする
前記8又は9に記載のインクジェット用記録媒体の製造
方法。
【0025】11.前記混練分散機が周速10〜40m
/sの回転体を有する分散機であることを特徴とする前
記10に記載のインクジェット用記録媒体の製造方法。
【0026】12.前記第1分散機及び前記第2分散機
内での各々の滞留時間が0.1〜600秒であることを
特徴とする前記8〜11のいずれか1項に記載のインク
ジェット用記録媒体の製造方法。
【0027】13.前記第3分散機が粉砕分散機である
ことを特徴とする前記8〜12いずれか1項に記載のイ
ンクジェット用記録媒体の製造方法。
【0028】14.前記粉砕分散機が平均粒径0.2〜
2mmのビーズを分散媒体として用いる分散機であるこ
とを特徴とする前記13に記載のインクジェット用記録
媒体の製造方法。
【0029】15.前記第3分散機内での滞留時間が1
〜30分であることを特徴とする前記8、9又は13の
いずれか1項に記載のインクジェット用記録媒体の製造
方法。
【0030】16.前記第2分散物の濁度が300pp
m以下であることを特徴とする前記8〜15のいずれか
1項に記載のインクジェット用記録媒体の製造方法。
【0031】17.前記第3分散物の濁度が50ppm
以下であることを特徴とする前記8〜16のいずれか1
項に記載のインクジェット用記録媒体の製造方法。
【0032】18.前記無機微粒子がシリカであること
を特徴とする前記8〜17のいずれか1項に記載のイン
クジェット用記録媒体の製造方法。
【0033】以下に本発明を更に詳しく説明する。本発
明において、連続的に供給とは、一定量秤量された無機
微粒子と一定量秤量された水系媒体を分散機に投入し、
分散を行い、一定時間の後分散処理を停止し、分散物を
取り出すという方式ではなく、無機微粒子と水系媒体そ
れぞれの分散機に供給する量を時間あたりの体積あるい
は質量で管理し、常に両者を一定の量比になるように途
切れることなく供給することである。あるいは、実質的
に分散処理をしていない両者の混合物を時間あたりの体
積あるいは質量で管理し、とぎれることなく供給するこ
とを言う。
【0034】又、連続的に吐出とは、無機微粒子と水系
媒体を供給しながら分散を行うので、分散機には次々と
分散物原料が入ってくる。いわばこれに押し出される形
で一定時間、分散機内で処理されたものは分散機から吐
出されることになる。従って分散物原料が連続的に供給
される以上分散物の吐出も連続的となる。よって分散物
の吐出が始まれば、原料供給を停止するまで同時に供
給、分散、吐出は行われることとなる。
【0035】本発明では、無機粒子の分散液(以後分散
液ともいう)の分散方法は無機粒子と水系媒体の全量を
分散機(バッチタイプ)に存在させ、その後ある時間、
分散液を得るために行う方法ではない。本発明の分散方
法は、1)連続的に少なくとも無機粒子と水系媒体を分
散機に供給し、2)無機粒子の分散液を得るために、分
散機内で無機粒子を分散し、3)できあがった分散液を
分散機から連続的に吐出する工程を有し、供給、分散、
吐出は分散液を作製するための工程において、最初の分
散工程として行われることを特徴とする。本発明では上
記1)〜3)までの工程を連続的分散方法と呼び、その
ような分散方法に使用可能な分散機を連続分散機と呼
ぶ。本発明では連続分散機は、特に事情のない限り単に
分散機と呼ぶこともある。本発明では、無機粒子と水系
媒体の全量を分散機(通常バッチタイプ分散機で分散す
る)に存在させ、その後ある時間、分散液を得るために
行う方法をバッチタイプ分散方法と呼ぶ。
【0036】本発明のインクジェット用記録媒体は、無
機微粒子を含む塗布液を支持体に塗布し、空隙層である
塗膜を形成するものである。該塗膜の形成に用いられる
水系媒体とは、水を主成分とする媒体であり、分散に支
障を来さない程度に水以外の溶媒が含まれていても良
い。無機微粒子と水系媒体を混合し塗布液とし、塗布す
る事が必要である。空隙層の空隙率は、40〜80%で
あり、特に50〜70%が好ましい。尚、空隙率は以下
の式で示される。
【0037】空隙率=100×(全乾燥膜厚−塗布固形
分膜厚)/全乾燥膜厚 全乾燥膜厚としては、20〜80μmが好ましく、特に
30〜70μmが好ましい。無機微粒子は、分散液とし
て添加するのが一般的で、無機微粒子の分散性の良し悪
しが、塗布故障および品質を左右する。さらに如何に効
率的に分散液を作製するかが生産性向上の最大のポイン
トである。
【0038】本発明は、分散液の生産性向上と塗布故障
低減および品質向上の両立を図ったものである。
【0039】無機微粒子分散液を作る際、無機微粒子と
水系媒体を所望比率で連続的に分散することが生産効率
上好ましく、分散液の無機微粒子の質量濃度として5〜
40%になるような比率で供給することが好ましい。特
に好ましくは10〜35%である。質量濃度が低いと生
産効率が劣り、大量の分散液を必要とする、更に分散性
が劣る方向になる。また、質量濃度が高すぎると、分散
液の粘度が高くなり、後工程でのハンドリングに負荷が
かかる。質量濃度とは無機微粒子質量/(無機微粒子質
量+水系媒体質量)×100で求めた値である。供給量
としては、無機粒子と水系媒体の合計が、1.0kg/
min以上100kg/min以下で、好ましくは1.
5kg/min以上70kg/min以下である。供給
量が少ないと生産性を劣化させ、多すぎると生産設備が
大きくなりすぎる。
【0040】無機微粒子と水系媒体を所望比率で連続的
に分散する際、ダマを作らないことが重要で、用いるこ
とのできる分散機としては連続的に分散できるものであ
り、連続式混練分散機や粉砕分散機を用いることでダマ
を作らず分散できることを見いだした。無機微粒子と水
系媒体を所望比率で連続的に混練分散機や粉砕分散機で
分散した後、更に複数回、混練分散機や粉砕分散機で連
続的に分散することが、分散度を高め、生産効率上好ま
しい。
【0041】ここで言うダマとは100ミクロン以上の
粗大粒子とする。ダマの評価は、分散液を手で触ること
で有り無しは判断できるが、本発明では、分散液を光学
顕微鏡を用い、50倍で500視野観察して判断した。
【0042】混練分散機としては、ローラミルタイプ、
ニーダータイプ、ピンミキサータイプ等があげられる。
具体的には、KRCニーダー、KEXエクスルローダー
(栗本鉄鋼製)、フロージェットミキサー(粉研パウテ
ックス製)、スパイラルピンミキサー(大平洋機工製)
等があげられる。
【0043】粉砕分散機としては、高圧ホモジナイザ
ー、湿式メディア型粉砕機(サンドミル、ボールミ
ル)、連続式高速撹拌型分散機、超音波分散機等があげ
られる。具体的にはマントンゴーリンホモジナイザー、
ソノレータ(同栄商事)、マイクロフルイタイザー(み
ずほ工業)、ナノマイザー(月島機械)、アルティマイ
ザー(伊藤忠産機)、パールミル、アジテーターミル
(アシザワ)、グレンミル、トルネード(浅田鉄鋼)、
ビスコミル(アイメックス)、マイティーミル、RSミ
ル、SGミル(井上製作所)、荏原マイルダー(荏原製
作所)、ファインフローミル、キャビトロン(大平洋機
工)等があげられる。
【0044】無機微粒子と水系媒体を所望比率で連続的
にダマ無く分散した後は、得られた分散液をバッチに投
入して、バッチ式の混練分散機や粉砕分散機で分散して
も良いことを見いだした。この場合、用いることのでき
るバッチ式混練、粉砕分散機としては具体的には、万能
混合攪拌機(ダルトン製)、プラネタリーニーダーミキ
サー(アシザワ製)、TKハイビスディスパーミックス
(特殊機化製)、プラネタリーディスパー、ADミル、
バスケットミル(浅田鉄鋼製)、EGミル(井上製作所
製)、クリアミックス(エムテクニック製)等があげら
れる。
【0045】インクジェット記録紙に無機微粒子分散液
を用いる場合、前記分散液の最終分散度が、塗布故障、
光沢等に大きく影響し、従来のように、電子顕微鏡や粒
径測定器で求めた、数平均粒径のみでは、品質を保証で
きないのが現状で、塗布故障や光沢等の品質を向上させ
るには、分散液中の粗大粒子を把握することが重要であ
る。その手段として、濁度評価を用いることで、解決で
きることがわかった。もちろん数平均粒径と濁度を併用
して分散度評価に用いることが好ましい。数平均粒径
は、一般的に、光沢性を得るために300nm以下3n
m以上が好ましい。
【0046】インクジェット記録紙に用いる無機微粒子
分散液の場合、濁度値として50ppm以下5ppm以
上で有ることが必要であることが検討の結果わかった。
【0047】本発明の濁度は、積分球式濁度計により、
5mm幅の石英セルに、分散液を入れ、測定した値であ
る。例えば、濁度計SEP−PT−706D(三菱化学
社製)等が挙げられる。
【0048】無機微粒子分散液の濁度を50ppm以下
にするために、前記記載の混練分散機や粉砕分散機を複
数用いても良く、生産性向上の点で、直列に接続して用
いるのが好ましい。
【0049】直列に接続しているとは、分散機と分散機
との間に、分散機への分散液供給精度を上げるために、
ポンプを用いても良く、最初の分散機から吐出された分
散液を一度、バッチに受けポンプで次の分散機に供給し
ても良い。
【0050】また、必要に応じて分散機と分散機の間、
もしくは最終分散機の出側に、分散液の温度を制御する
ために、熱交換機や、脱泡の目的で脱泡機等を用いても
良い。
【0051】分散時の分散液の温度は、20〜70℃の
範囲が好ましい。水系媒体は、最初の分散機には必ず供
給する必要が有るが、必要に応じて、次以降の分散機に
も加えても良い。水系媒体は、最初の分散機に供給する
ものと同じでも、異なっても良い。
【0052】生産性と分散性を両立するための好ましい
形態の1つとして、3つの分散機を用いて、更に好まし
くは3つの分散機を直列に接続することが好ましい。更
に好ましくは3つの分散機が、連続式分散機であること
である(ここでは、完全連続型分散方式と称す)。第
1、2分散機では、混練と液状化を目的とした分散を行
い、第3の分散機で最終的に目的の粒径、濁度に分散す
る。第1,2分散機では予備分散、第3分散機で本分散
という機能をもつ。第1、2分散機のどちらか一方は、
混練分散機を用いることが好ましく、更に好ましくは、
第1分散機が混練分散機である。第3の分散機は好まし
くは粉砕分散機である。
【0053】その他、次の形態も用いることができる。
前記第1、2分散機を直列に接続し、第2分散機の出側
に第3分散機を複数並列に並べることもできる。いわゆ
るバッチ連続型分散方式である。この場合、第3分散機
は、バッチ式粉砕分散機である。
【0054】前記混練分散機は、連続式が好ましく、周
速10〜40m/secで回転する、回転体で分散する
方式であることが好ましい。周速が10m/sec未満
であると、ダマが発生しやすく、40m/secを超え
ると、機械的負荷が大きく、摩耗が激しくなる。更に発
熱が大きく、分散液の品質を損なうことになる。回転体
の周速は、摩耗と発熱を考慮して3〜15m/secが
好ましい。
【0055】前記第1、2分散機内で各々の滞留時間が
0.1〜600秒が好ましく、0.1秒未満であると分
散性が劣り、600秒を超えると発熱が激しく、分散液
の品質を損なう。ここでいう滞留時間とは、分散処理し
ている時間であり、最初に分散機に顔料と水系媒体を供
給してから初めて分散物が吐出されるまでの時間であ
る。
【0056】前記第3分散機は、ビーズを媒体とする粉
砕分散機が好ましく、ビーズ径としては0.2〜2mm
が好ましい。0.2mm未満であると、扱いが難しく、
分散機の点検の際、ビーズを回収したりするのが困難
で、ねじ目等の細いところに混入すると回収が不可能と
なり、ねじ目に入った状態でねじを締めたりすると破損
する危険が多大にある。2mmを超えると、扱いは容易
になるが、分散時間が多大にかかることになり生産性の
低下を引き起こす。
【0057】第3分散機内での滞留時間は1〜30分が
好ましい。1分未満であると分散性が劣り、30分を超
えると発熱が大きくなり分散液の品質を損なう。
【0058】ビーズ型粉砕分散機に用いる、ベッセル及
び回転ロータ、ビーズの材質は、摩耗性やコストの観点
から選択することができるが、例えば、無機微粒子とし
てシリカ粉を用いる場合は、ベッセル、回転ロータは樹
脂性が好ましく、特にウレタンが好ましい。ビーズは、
ジルコニア性が好ましい。
【0059】第3分散機で分散された分散物の濁度が5
0ppm以下にする事がインクジェット記録体に用いる
ために塗布故障、光沢等の点で必要で、第2分散機で分
散された分散物の濁度を、300ppm以下にすること
が好ましいことを見いだした。300ppmを超えると
ダマが完全に解消せず、この状態の分散物を第3分散機
で分散し、50ppm未満にするのは、多大な時間とエ
ネルギーがかかり、生産効率が悪くなる。
【0060】次に本発明で用いることのできるシステム
の例を図で示すが、本発明はこれに限定されるものでは
無い。
【0061】図1,2は、従来の分散方法を示す模式図
である。図1では、シリカと水系媒体を全量添加し、分
散機1で分散した後、分散機2へ送って、分散機2で分
散する方法を示している。この方法において、分散機2
で分散完了後、更に全量を分散機1に戻して分散工程を
繰り返すこともある。図2は、シリカと水系媒体を全量
添加し、分散機1で分散を完了する方法を示す。
【0062】図3〜13は、分散方法を示す模式図であ
る。図3,4,5,6,9,10は複数の分散機を直列
に接続した方法で完全連続型分散方式である、図4,
6,9は分散機と分散機の間にポンプを設置した方法で
ある。図4では、シリカと水系媒体を連続的に供給し、
分散機1で分散した後、ため釜に連続的に吐出し、該た
め釜に吐出した分散液をポンプで分散機2に送り分散機
2で分散する方法を示す。図10は、シリカと水系媒体
を連続的に供給し、分散機1で分散すると同時に分散機
1から分散機2へ分散物を連続的に送り、分散機2で分
散後、ため釜に連続的に吐出し、該ため釜に吐出した分
散液をポンプで分散機3に送る過程で更に水系媒体を添
加し分散機3で分散する方法を示す。
【0063】図7,12,13は、連続分散の後、バッ
チ式分散機を用いる方法でバッチ連続方式である。図1
2,13は連続分散機を2台直列に接続し、その後、バ
ッチ式分散機を並列に複数用いる方法である。図12
は、分散機2で分散を終えた分散液を単数又は複数の分
散機3に送り、分散する方法を示す。図13は、分散機
2で分散を終えた分散液を単数又は複数の分散機3に送
り、連続的に水系媒体を該分散機3に添加して分散する
方法を示す。
【0064】図11は単一分散の後、一度バッチに分散
液を受け、その後、連続分散機で複数回循環分散する方
法である。即ち、シリカと水系媒体を連続的に供給し、
分散機1で分散した後、ため釜に連続的に吐出し、一定
量の分散が終えた後、分散機2へその分散液を供給して
分散を行い、分散機2で分散を終えた分散液を再度ため
釜に戻し、再び分散機2で分散する方法を示す。
【0065】前記塗布液には、そのほか耐水性、インク
吸収性等の観点からカチオン性ポリマーや膜強度の観点
から硬膜剤が含まれている事が好ましい。そのほか前記
以外の添加剤を目的に応じ加える事もできる。もちろ
ん、上記添加剤は、分散液中に含有されていても良くカ
チオン性ポリマー、硬膜剤は分散液中に含有されている
ことが好ましい。
【0066】複数の分散機を用いる場合は、分割して添
加することができる。また無機微粒子の濃度を調整する
ために、途中の分散機に水系媒体として水を添加するこ
ともできる。
【0067】無機微粒子としては、例えば、シリカ、炭
酸カルシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、炭酸
マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー等の他
各種の天然または合成の無機微粒子を使用することが出
来る。
【0068】中でもシリカは低い屈折率を有するために
透明性が要求されるインクジェット記録媒体のインク受
容層(以下、空隙層ともいう)を形成するのに好ましく
用いられる。
【0069】シリカとしては、通常の湿式法で合成され
たシリカ、コロイダルシリカ或いは気相法で合成された
微粒子シリカ等が好ましく用いられるが、コロイダルシ
リカまたは気相法で合成された微粒子シリカがより好ま
しく、中でも気相法により合成された微粒子シリカは高
い空隙率が得られるだけでなく、カチオン性ポリマーと
混合したときに粗大凝集体が形成されにくいので特に好
ましい。
【0070】無機微粒子の1次粒子数平均粒径は3〜1
00nmが好ましく、より好ましくは4〜50nm、最
も好ましくは4〜20nmである。
【0071】最も好ましく用いられる、1次粒子の数平
均粒径が4〜20nmである気相法により合成された微
粒子シリカとしては、例えば、日本アエロジル社のアエ
ロジルが市販されている。
【0072】カチオン性ポリマーは、無機微粒子分散液
中に含有されていることが好ましい。
【0073】カチオン性ポリマー溶液は従来は、分散さ
れた無機微粒子水分散液とバッチ式撹拌分散機で混合、
分散してきたが、例えば上記シリカなどアニオン性の無
機微粒子とカチオン性ポリマーが出会うと必ず凝集が生
じ、ダマが発生する。バッチ式の場合、強力な撹拌を行
っても完全にダマ無く分散するには、多大なエネルギー
と時間を要する。本発明は、この問題をも、連続的に所
望の比率で、無機微粒子とカチオン性ポリマーを連続的
に混練、粉砕分散機を用いて分散することで解決してい
る。
【0074】前記カチオン性ポリマー好ましくは第4級
アンモニウム塩基を有するポリマーであり、特に好まし
くは第4級アンモニウム塩基を有するモノマーの単独重
合体または他の共重合し得る1または2以上のモノマー
との共重合体である。
【0075】第4級アンモニウム塩基を有するモノマー
の例としては例えば以下の例を挙げることが出来る。
【0076】
【化1】
【0077】
【化2】
【0078】上記第4級アンモニウム塩基と共重合し得
るモノマーはエチレン性不飽和基を有する化合物であ
り、例えば以下の具体例を挙げることが出来る。
【0079】
【化3】
【0080】特に第4級アンモニウム塩基を有するカチ
オン性ポリマーが共重合体である場合、カチオン性モノ
マーの比率は10モル%以上が好ましく、より好ましく
は20モル%以上、特に好ましくは30モル%以上であ
る。
【0081】第4級アンモニウム塩基を有するモノマー
は単一でも2種類以上であっても良い。
【0082】以下に本発明のカチオン性ポリマーの具体
例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0083】
【化4】
【0084】
【化5】
【0085】
【化6】
【0086】
【化7】
【0087】上記第4級アンモニウム塩基を有するカチ
オン性ポリマーは第4級アンモニウム塩基のために水溶
性が一般に高いが、共重合する第4級アンモニウム塩基
を含まないモノマーの組成や比率によっては水に充分に
溶解しないことがあるが、水混和性有機溶媒と水との混
合溶媒に溶解させることにより溶解し得るもので有れば
本発明に使用できる。
【0088】ここで水混和性有機溶媒とは、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール
などのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、グリセリンなどのグリコール類、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド等のアミド類など、水の質量に対して通常10%以上
溶解し得る有機溶媒を言う。この場合、有機溶媒の使用
量は水の使用量以下であることが好ましい。
【0089】本発明のカチオン性ポリマーは数平均分子
量が10万以下であることが好ましい。
【0090】ここで数平均分子量は、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーから求められたポリエチレング
リコール値に換算した値である。
【0091】数平均分子量が10万を越える場合には、
カチオン性ポリマーの溶液を表面がアニオン性である無
機微粒子を含有する分散液に添加した際に凝集物の発生
が激しく、またその後分散処理を施しても均一な分散液
に成りにくく粗大粒子が多数存在して均一な分散液に成
りにくい。このようなカチオン性ポリマーと無機微粒子
を含有する複合微粒子分散液を使用してインクジェット
記録用紙を作製した場合、高い光沢性が得られにくい。
特に好ましい数平均分子量は5万以下である。数平均分
子量の下限はインクの染料の耐水性の点から通常200
0以上である。
【0092】上記無機微粒子とカチオン性ポリマーの質
量比率は、無機微粒子の種類や粒径、あるいはカチオン
性ポリマーの種類や数平均分子量で変わり得る。
【0093】本発明において、上記質量比率は無機微粒
子の表面がカチオン性に置き換わって安定化させる必要
があることから、1:0.01〜1:1であることが好
ましい。
【0094】上記の分散液を調製する際には、各種の添
加剤を添加して調製することが出来る。
【0095】例えば、ノニオン性またはカチオン性の各
種の界面活性剤(アニオン性界面活性剤は凝集物を形成
するために好ましくない)、消泡剤、ノニオン性の親水
性ポリマー(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、
各種の糖類、ゼラチン、プルラン等)、ノニオン性また
はカチオン性のラテックス分散液、水混和性有機溶媒
(酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、n−プロパノール、アセトンなど)、無機塩類、
pH調整剤など、必要に応じて適宜使用することが出来
る。
【0096】特に水混和性有機溶媒は、無機微粒子とカ
チオン性ポリマーを混合した際の微小なダマの形成が抑
制されるために好ましい。そのような水混和性有機溶媒
は分散液中に好ましくは0.1〜20質量%、特に好ま
しくは0.5〜10質量%使用される。
【0097】カチオン性分散液を調製する際のpHは無
機微粒子の種類やカチオン性ポリマーの種類、各種の添
加剤等により広範に変化し得るが、一般的にはpHが1
〜8であり、特に2〜7が好ましい。
【0098】上記のようにして得られた分散液に、次に
バインダーとして、親水性ポリマーが添加されることが
好ましい。
【0099】本発明に用いられる親水性ポリマーとして
は、例えばゼラチン(酸処理ゼラチンが好ましい)、ポ
リビニルピロリドン(重量平均分子量が約20万以上が
好ましい)、プルラン、ポリビニルアルコールまたはそ
の誘導体、カチオン変性ポリビニルアルコール、ポリエ
チレングリコール(重量平均分子量が10万以上が好ま
しい)、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、
デキストリン、親水性ポリビニルブチラールを挙げるこ
とができ、これらの親水性バインダーは単独で使用して
も良く、2種以上を併用しても良い。
【0100】特に好ましい親水性バインダーは、ポリビ
ニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコー
ルである。
【0101】本発明に好ましく用いられるポリビニルア
ルコールは平均重合度が300〜4000のものが好ま
しく用いられ、特に重量平均分子量が1000以上のも
のが得られる皮膜の脆弱性が良好であることから好まし
い。
【0102】また、ポリビニルアルコールのケン化度は
70〜100%のものが好ましく、80〜100%のも
のが特に好ましい。
【0103】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
は、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢
酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られ
る。
【0104】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミ
ド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルジメチル(3−メタクリルアミド)
アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−メタクリ
ルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−
(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)ア
クリルアミド等が挙げられる。
【0105】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%が好ましく、より好ましくは0.2
〜5モル%である。
【0106】カチオン変性ポリビニルアルコールの重合
度は通常500〜4000、好ましくは1000〜40
00が好ましい。
【0107】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
のケン化度は通常60〜100モル%、好ましくは70
〜99モル%である。
【0108】本発明で特に好ましいのは微粒子シリカを
1次粒子として使用し、親水性バインダーとしてポリビ
ニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールを用い
る場合である。この場合、微粒子シリカ表面のシラノー
ル基とビニルアルコールの水酸基が弱い水素結合を行
い、軟凝集体が形成されて空隙率が高く成りやすい。
【0109】上記バインダーと無機微粒子の質量比率
は、通常1:10〜1:3であり、特に好ましくは1:
8〜1:5である。
【0110】バインダーである親水性ポリマーを前記分
散液に添加混合する方法は、親水性ポリマーの水溶液を
分散液に攪拌しながらバッチ内で添加する方法や、前記
分散液と親水性ポリマーを連続的にスタチックミキサー
等の混合機で混合する方法があげられる。連続式で混合
した方が装置スペースや生産効率上好ましい。
【0111】親水性ポリマーを添加する場合には、あら
かじめ、低分子量の親水性ポリマーを少量添加してお
き、次にこの液に高分子量の親水性ポリマーを添加する
と凝集や増粘がおきにくく安定な塗布と膜面が得られ、
ひび割れ等が生じにくい。
【0112】上記低分子量の親水性ポリマーの重量平均
分子量は通常2000〜5万のものであり、特に300
0〜4万のものが好ましい。また、上記低分子量の親水
性ポリマーと本発明の親水性ポリマーに対する質量比率
は通常0.001〜0.2の範囲であり、特に0.00
2〜0.1が好ましい。
【0113】本発明においては、上記低分子量の親水性
ポリマーとしては特に重合度が300〜600のポリビ
ニルアルコールが好ましい。
【0114】前記添加剤としては、先ず硬膜剤があげら
れる。硬膜剤は、一般的には前記親水性ポリマーと反応
し得る基を有する化合物あるいは親水性ポリマーが有す
る異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、
親水性ポリマーの種類に応じて適宜選択して用いられ
る。
【0115】硬膜剤の具体例としては、例えば、エポキ
シ系硬膜剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレング
リコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオー
ルジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロ
ヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキ
シアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グ
リセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系
硬膜剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性
ハロゲン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ
−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合
物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−
s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル
等)、ほう酸、その塩、ほう砂、アルミ明礬等が挙げら
れる。
【0116】親水性ポリマーとしてポリビニルアルコー
ルまたはカチオン変性ポリビニルアルコールを使用する
場合には、ほう酸、その塩またはエポキシ系硬膜剤から
選ばれる硬膜剤を使用するのが好ましい。
【0117】最も好ましいのはほう酸またはその塩から
選ばれる硬膜剤である。ほう酸またはその塩としては、
硼素原子を中心原子とする酸素酸およびその塩のことを
示し、具体的にはオルトほう酸、二ほう酸、メタほう
酸、四ほう酸、五ほう酸、八ほう酸またはそれらの塩が
挙げられる。
【0118】上記硬膜剤の使用量は親水性ポリマーの種
類、硬膜剤の種類、無機微粒子の種類、親水性ポリマー
に対する比率等により変化するが、通常親水性ポリマー
1g当たり5〜500mg、好ましくは10〜300m
gである。
【0119】上記硬膜剤は、空隙層を形成する塗布液を
塗布する際に、空隙層を形成する塗布液中及び/または
空隙層に隣接するその他の層を形成する塗布液中に添加
してもよく、あるいは予め硬膜剤を含有する塗布液を塗
布してある支持体上に、該空隙層を形成する塗布液を塗
布する。さらには空隙層を形成する硬膜剤非含有の塗布
液を塗布乾燥後に硬膜剤溶液をオーバーコートするなど
して空隙層に硬膜剤を供給することもできる。好ましく
は製造上の効率の観点から、空隙層を形成する塗布液ま
たはこれに隣接する層を形成する塗布液中に硬膜剤を添
加して、空隙層を形成するのと同時に硬膜剤を供給する
のが好ましい。
【0120】空隙層を形成するのが気相法により合成さ
れた超微粒子シリカおよびポリビニルアルコールである
特に好ましい態様においては、空隙層を形成する塗布液
中に予め硬膜剤を添加しておき、一定時間(好ましくは
10分以上、特に好ましくは30分以上)経過してから
支持体上に塗布・乾燥するとより高い空隙率を皮膜の脆
弱性を悪化させることなく達成することが出来る。
【0121】また、上記硬膜剤は予め本発明のカチオン
性の複合微粒子分散液を調製する場合に添加剤として添
加しておくこともできる。
【0122】その他、ポリスチレン、ポリアクリル酸エ
ステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル
アミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、
尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、流
動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホ
スフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、カチオ
ン、ノニオンの各種界面活性剤、特開昭57−7419
3号、同57−87988号及び同62−261476
号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192
号、同57−87989号、同60−72785号、同
61−146591号、特開平1−95091号及び同
3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、
特開昭59−42993号、同59−52689号、同
62−280069号、同61−242871号及び特
開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増
白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、
防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種
添加剤を含有させることもできる。
【0123】本発明のインクジェット用記録媒体の支持
体としては、従来インクジェット用記録用紙として公知
の紙支持体、プラスチック支持体(透明支持体)、複合
支持体など適宜使用できるが、より高い濃度で鮮明な画
像を得るためには支持体中にインク液が浸透しない疎水
性支持体を用いるのが好ましい。
【0124】透明支持体としては、例えば、ポリエステ
ル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩
化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロ
イド等の材料からなるフィルム等が挙げられ、中でもO
HPとして使用されたときの輻射熱に耐える性質のもの
が好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好まし
い。このような透明な支持体の厚さとしては、10〜2
00μmが好ましい。透明支持体のインク受容層側およ
びバッキング層側には公知の下引き層を設けることが、
インク受容層やバック層と支持体の接着性の観点から好
ましい。
【0125】また、透明である必要のない場合に用いる
支持体としては、例えば、基紙の少なくとも一方に白色
顔料等を添加したポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹
脂被覆紙(いわゆるRCペーパー)、ポリエチレンテレ
フタレートに白色顔料を添加してなるいわゆるホワイト
ペットが好ましい。
【0126】支持体上に塗布する方法は公知の方法から
適宜選択して行うことが出来る。好ましい方法は、塗布
液を支持体上に塗設して乾燥して得られる。この場合、
2層以上を同時に塗布することもでき、特に全ての親水
性バインダー層を1回の塗布で済ます同時塗布が好まし
い。
【0127】塗布方式としては、ロールコーティング
法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティン
グ法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法ある
いは米国特許第2,681,294号公報記載のホッパ
ーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用
いられる。
【0128】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるもので
はない。なお、実施例中で「%」は特に断りのない限り
絶乾質量%を示す。又、平均粒径とは数平均粒径を表
す。
【0129】 実施例1 水系媒体(以後A液と称す)として、 水 80L ホウ酸 0.27kg 硼砂 0.23kg 5%硝酸 0.4L エタノール 1.8L P−9(25質量%水溶液) 17L を混合、溶解した。無機微粒子として1次粒子の平均粒
径が約7nmの気相法シリカ(日本アエロジル製:A3
00以後A300と称す)32kgを用意した。
【0130】図9の方法で以下のように分散し分散物1
を得た。A液を1.56kg/min、A300を0.
44kg/minの割合で分散機1としてスパイラルピ
ンミキサーSPM25W(大平洋機工製、以後SPMと
称す)に供給した。その後、同じく分散機2としてSP
Mに供給した。その後、分散機3としてLMK−4(連
続式湿式メディア型粉砕機、アシザワ製、以後LMKと
称す)を用い、分散機2からでてきた分散液を、モノー
ポンプを用いLMKに2.0kg/minで供給した。
SPMの条件は周速36m/sec、滞留時間30se
c、LMK条件は、ビーズ径0.5mmジルコニア、滞
留時間2分、ロータ回転周速8m/sec、材質ウレタ
ン、ベッセル材質ウレタンである。
【0131】分散機2出側の分散物の濁度は52pp
m、平均粒径は59nmであった。分散機3出側の分散
物1の濁度は18ppmであった。尚、平均粒径は、5
3nmであった(平均粒径は、電子顕微鏡を用い、20
000倍で1000個の粒子を観察した平均値を示
す)。濁度は積分球式濁度計SEP−PT−706D
(三菱化学社製)で求めた。
【0132】実施例2 SPMの周速を11m/secに変更した以外は、実施
例1と同様に分散し分散物2を得た。分散機2の出側の
分散物濁度は290ppm、平均粒径は70nmであっ
た。分散機3出側の分散物2の濁度は、50ppmであ
った。尚、平均粒径は、60nmであった。
【0133】実施例3 LMKのビーズ径を2mm、滞留時間を20分にした以
外は、実施例1と同様に分散し分散物3を得た。LMK
の滞留時間は、LMKへの供給量を調整して変化させ
た。
【0134】分散物3の濁度は48ppm、平均粒径は
56nmであった。 実施例4 LMKのビーズ径を0.5mmに変更した以外は、実施
例3と同様に分散し分散物4を得た。
【0135】分散物4の濁度は17ppm、平均粒径は
51nmであった。 実施例5 実施例1の分散機2をファインフローミルFM−25
(連続式高速撹拌型分散機、大平洋機工製、以下FMと
称す)に変えた以外は、実施例1と同様に分散し分散物
5を得た。尚、FMの周速は25m/sec、滞留時間
は0.15secであった。
【0136】分散機2の出側の分散物濁度は、40pp
mで平均粒径は55nmであった。尚この状態での分散
物は、図3にあたる方法である。この分散物を分散物5
−aとする。分散物5の濁度は、16ppm、平均粒径
は53nmであった。
【0137】実施例6 実施例1の分散機1をKRCニーダーS5型(栗本鉄鋼
製、以下KRCと称す)に変えた以外は、実施例1と同
様に分散し分散物6を得た。尚、KRCの滞留時間は5
40sec、周速は2m/secに調整した。
【0138】分散機2の出側の分散濁度は50ppm、
平均粒径は60nmであった。分散物6の濁度は16p
pm、平均粒径は、55nmであった。
【0139】実施例7 分散機1のSPMの周速を25m/secにした以外
は、実施例5と同様に分散し分散物7を得た。
【0140】分散機2の出側の分散濁度は、49pp
m、平均粒径は、55nmであった。分散物7の濁度は
17ppm、平均粒径は、54nmであった。
【0141】実施例8 分散機1をフロージェットミキサー300型(ピンミキ
サータイプ、粉研パウテックス製、以下FJMと称す)
にし、周速25m/sec、滞留時間20secにした
以外は、実施例5と同様に分散し分散物8を得た。
【0142】分散機2の出側の分散濁度は、48ppm
で、平均粒径は55nmであった。分散物8の濁度は1
0ppm、平均粒径は、51nmであった。
【0143】実施例9 図10の方法で、分散機1、分散機2をFJMを用い、
周速は25m/sec、滞留時間20sec、分散機3
はLMKで、実施例1と同様A液を1.56kg/mi
n、A300を0.44kg/minの割合で分散機1
に供給した。LMKへ分散機2からでてきた分散物と同
時に、水系媒体として水を0.9kg/minで供給し
た。LMKの分散条件が、滞留時間が1.4分になった
以外は実施例1と同様に分散し分散物9を得た。
【0144】分散機2の出側の分散濁度は、49ppm
で、平均粒径は55nmであった。分散物9の濁度は、
15ppm、平均粒径は52nmであった。
【0145】実施例10 図7の方法で、分散機1にFJMを用い、周速11m/
sec、滞留時間30sec、バッチ式分散機2は、開
放型のバッチ式ビーズミルを用いた。用いたビーズは
0.5mmのジルコニアビーズで、分散物とビーズの比
率は、体積で1:1とした。周速は8m/secで分散
時間は、25分とした。用いた水系媒体、無機微粒子及
びFJMに供給する量、比率は実施例1と同様に行い分
散物10を得た。分散物10の濁度は60ppm、平均
粒径は60nmであった。
【0146】実施例11 図12の方法(バッチ式分散機3を1つ用いた)で、分
散機1,2にFJMを用い、周速11m/sec、滞留
時間30sec、バッチ式分散機3は、開放型のバッチ
式ビーズミルを用いた。用いたビーズは0.5mmのジ
ルコニアビーズで、分散物とビーズの比率は、体積で
1:1とした(分散物、ビーズとも50Lで行った)。
ロータ回転周速は8m/secで分散時間は、2分とし
た。用いた水系媒体、無機微粒子及びFJMに供給する
量、比率は実施例1と同様に行い分散物11を得た。
【0147】分散機2の出側の分散物濁度は200pp
m、平均粒径は、68nmであった。分散物11の濁度
は30ppm、平均粒径は54nmであった。
【0148】実施例12 FJMの周速を25m/secにした以外は実施例11
と同様に分散し分散物12を得た。
【0149】分散機2の出側の分散物濁度は49pp
m、平均粒径54nmであった。分散物12の濁度は1
0ppm、平均粒径は50nmであった。
【0150】実施例13 図13の方法で、分散機1,2にFJMを用い、周速2
5m/sec、滞留時間30sec、バッチ式分散機3
は、開放型のバッチ式ビーズミルを用いた。用いたビー
ズは0.5mmのジルコニアビーズで、実施例1と同様
A液を1.56kg/min、A300を0.44kg
/minの割合で分散機1に供給した。分散機2からで
てきた分散物50Lをビーズ50Lが入っているバッチ
式ビーズミル分散機3内に投入し、ロータ回転周速8m
/secで回転させながら、水22.5Lを1分で添加
し、更に1分分散し分散物13を得た。(バッチ式分散
機3を1つ用いた。)分散機2の出側の分散物濁度は4
9ppm、平均粒径53nmであった。分散物13の濁
度は13ppm、平均粒径は52nmであった。
【0151】実施例14 A液のP−9の17LをP−10の10Lに変え、水を
80Lから87Lに変えた以外は、実施例9と同様に分
散し分散物14を得た。分散物14の濁度は17pp
m、平均粒径は、50nmであった。
【0152】実施例15 A液のホウ酸0.27kg、硼砂0.23kgを水に置
き換えた以外は、実施例9と同様に分散し分散物15を
得た。分散物15の濁度は14ppm、平均粒径は、4
9nmであった。
【0153】実施例16 A液からP−9の17Lを水に置き換えた以外は、実施
例9と同様に分散し分散物16を得た。分散物16の濁
度は18ppm、平均粒径は、52nmであった。
【0154】実施例17 A液を1.3kg/min、A300を0.7kg/m
inで分散機1に供給した以外は、実施例8と同様に分
散し分散物17を得た。
【0155】分散物17の濁度は10ppm、平均粒径
は48nmであった。 実施例18 A液を1.8kg/min、A300を0.2kg/m
inで分散機1に供給した以外は、実施例8と同様に分
散し分散物18を得た。
【0156】分散物18の濁度は45ppm、平均粒径
は53nmであった。 実施例19 A300 32kgを湿式法シリカ(日本シリカ工業
製、Nipsil.HD−2:一次粒子径11nm)に
変えた以外は、実施例8と同様に分散し分散物19を得
た。
【0157】分散物19の濁度は30ppm、平均粒径
は60nmであった。 実施例20 バッチ式分散機2をクリアミックス(バッチ式高速撹拌
分散機、エムテクニック製)に変え、周速20m/se
cで25分分散した以外は、実施例10と同様に分散に
分散物20を得た。
【0158】分散物20の濁度は90ppm、平均粒径
は90nmであった。 実施例21 図11の方法で、水系媒体(以後B液と称す)として、 水 160L ホウ酸 0.27kg 硼砂 0.23kg 5%硝酸 0.4L エタノール 1.8L P−9(25質量%水溶液) 17L を混合、溶解した。無機微粒子としてA300を32k
g用意した。
【0159】図11の方法で以下のように分散し分散物
21を得た。B液を1.71kg/min、A300を
0.29kg/minの割合で分散機1としてSPMに
供給した。周速は25m/sec、滞留時間30sec
である。分散機1からでてきた分散物を、ディゾルバー
型撹拌機を具備したバッチに投入し、その後分散機2と
して高圧ホモジナイザー(同栄商事製)で250kg/
cm2の圧力で3回分散した。
【0160】分散物21の濁度は15ppm、平均粒径
は51nmであった。 実施例22 図6の方法で以下のように分散し分散物22を得た。
【0161】B液を1.71kg/min、A300を
0.29kg/minの割合で分散機1としてSPMに
供給した。周速は25m/sec、滞留時間30sec
である。分散機2、3はLMKを用いた。ビーズは0.
5mmジルコニア、周速8m/sec、滞留時間は分散
機2,3とも2分である。
【0162】分散機2の出側の分散物濁度は35pp
m、平均粒径53nmであった。分散物22の濁度は1
3ppm、平均粒径は52nmであった。*全ての実施
例において、無機微粒子と水系媒体を最初に連続的に分
散する分散機1の出側での分散物には、ダマの存在は全
くなかった。もちろん最終分散物にもダマの存在は全く
無かった。
【0163】比較例1 図1の方法で、ディゾルバー型撹拌機を具備したバッチ
にB液を全量投入し、ディゾルバーを周速10m/se
cで回転しながら、A300 32kgを0.29kg
/minの速度で投入、分散した。A300が投入し終
わった時点で、分散液中にはダマが多数存在した。その
後、60分分散を追加したが、ダマは存在していた。次
に、高圧ホモジナイザーで250kg/cm2の圧力で
3回分散した。このときの分散物の濁度は100pp
m、平均粒径は80nmであった(分散物Aと称す)。
【0164】比較例2 図2の方法で、分散機1としてクリアミックス(高速撹
拌分散機)を用いた。クリアミックスにA液を全量投入
し、周速20m/secで回転しながら、A300 3
2kgを0.44kg/minの速度で投入、分散し
た。A300が投入し終わった時点で、分散液中にはダ
マが多数存在した。その後、60分分散を追加して分散
物Bを得た。このときの分散物Bの濁度は、130pp
m、平均粒径は90nmであった。
【0165】比較例3 図2の方法で、分散機1をバッチ式ビーズミルを用い
た。A液を全量投入し、その後、周速8m/secで回
転しながら、A300 32kgを0.44kg/mi
nの速度で投入分散した。A300が投入し終わってか
ら、25分分散を行って分散物Cを得た。ビーズは0.
5mmジルコニアビーズを用いた。ビーズの量は、体積
で分散液と同量用いた。
【0166】分散物Cの濁度は72ppm、平均粒径6
0nmであった。表1、表2に分散条件及び分散物の結
果について示す。
【0167】
【表1】
【0168】
【表2】
【0169】
【表3】
【0170】本発明の試料はダマもできず、生産効率上
優れていることが判る。 実施例23 「酸化チタン分散液−1の調製」平均粒径が約0.25
μmの酸化チタン20kg(石原産業製:W−10)を
pH=7.5のトリポリリン酸ナトリウムを150g、
ポリビニルアルコール(クラレ株式会社製:PVA23
5)500g、カチオン性ポリマー(P−9)の150
gおよびサンノブコ株式会社消泡剤・SN381を10
gを含有する水溶液90Lに添加し高圧ホモジナイザー
(三和工業株式会社製)で分散したあと全量を100L
に仕上げて均一な酸化チタン分散液−1を得た。
【0171】「蛍光増白剤分散液−1の調製」チバガイ
ギー株式会社製の油溶性蛍光増白剤UVITEX−OB
・400gをジイソデシルフタレート9000gおよび
酢酸エチル12Lに加熱溶解し、これを酸処理ゼラチン
3500g、カチオン性ポリマー(P−1)0.8k
g、サポニン50%溶液・6,000mlを含有する水
溶液65Lに添加混合して三和工業株式会社製の高圧ホ
モジナイザーで250kg/cm2の圧力で3回乳化分
散し、減圧で酢酸エチルを除去した後全量を100Lに
仕上げて蛍光増白剤分散液−1を得た。
【0172】「塗布液の調製」実施例及び比較例で作製
した分散物のシリカ質量濃度が10%になるように、水
で希釈し、調製分散物を得た。前記調製分散物600m
lに40℃で撹拌しながら以下の添加剤を順次混合して
塗布液を調製した。
【0173】 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA203) の10%水溶液: 0.6ml ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235) の5%水溶液: 260ml 蛍光増白剤分散液−1: 25ml 酸化チタン分散液−1: 33ml 第一工業株式会社製:ラテックスイマルジョン・AE−803: 18ml 純水で全量を1000mlに仕上げる。
【0174】「記録媒体の作製」両面をポリエチレンで
被覆した紙支持体(厚みが220μmでインク吸収層面
のポリエチレン中にはポリエチレンに対して13質量%
のアナターゼ型酸化チタンを含有)に、ウェット膜厚2
00μmの厚さで塗布した。
【0175】塗布はそれぞれの塗布液を40℃でスライ
ドホッパーで行い、塗布直後に0℃に保たれた冷却ゾー
ンで20秒間冷却した後、25℃の風(相対湿度が15
%)で60秒間、45℃の風(相対湿度が25%)で6
0秒間、50℃の風(相対湿度が25%)で60秒間順
次乾燥し、20〜25℃、相対湿度が40〜60%の雰
囲気下で、2分間調湿して記録媒体1〜22、記録媒体
5a,及び記録媒体A〜Cを得た。
【0176】記録媒体1〜22、記録媒体5a及び記録
媒体A〜Cについて、以下の項目を評価した。
【0177】(1)光沢度:日本電色工業株式会社製変
角光度計(VGS−1001DP)を用いて75度光沢
度を測定した。この値は高いほど光沢が良好であること
を示す。
【0178】(2)ひび割れ:塗布面の0.3m2当た
りを目視でカウントしたひび割れ点数は、通常10点以
下であれば実用上問題ないと考えられる。
【0179】(3)最大濃度:セイコーエプソン株式会
社製のインクジェットプリンター・PM750Cを使用
して、マゼンタのベタ印字を行いその最大反射濃度を測
定した。得られた結果を表4に示す。
【0180】
【表4】
【0181】表4から、本発明の記録媒体はひび割れが
少なく生産性を向上させることができ、光沢性に優れ、
高濃度が得られ優れた効果を有することが判る。
【0182】
【発明の効果】実施例で実証したごとく、本発明のイン
ジェット記録媒体の製造方法及び該製造方法で製造され
たインクジェット用記録媒体は、ひび割れが少なく生産
性を向上させることができ、光沢性に優れ、高濃度が得
られ優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の分散方法を示す模式図である。
【図2】従来の分散方法を示す模式図である。
【図3】複数の分散機を直列に接続した完全連続型分散
方式を示す模式図である。
【図4】複数の分散機を直列に接続した完全連続型分散
方式を示す模式図である。
【図5】複数の分散機を直列に接続した完全連続型分散
方式を示す模式図である。
【図6】複数の分散機を直列に接続した完全連続型分散
方式を示す模式図である。
【図7】連続分散後、バッチ式分散機を用いるバッチ連
続方式を示す模式図である。
【図8】分散機1を使用した連続分散方式を示す模式図
である。
【図9】複数の分散機を直列に接続した完全連続型分散
方式を示す模式図である。
【図10】複数の分散機を直列に接続した完全連続型分
散方式を示す模式図である。
【図11】単一分散後、バッチ式分散機を用いるバッチ
連続方式を示す模式図である。
【図12】連続分散後、バッチ式分散機を用いるバッチ
連続方式を示す模式図である。
【図13】連続分散後、バッチ式分散機を用いるバッチ
連続方式を示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09D 125/18 C09D 125/18 133/00 133/00 139/04 139/04 Fターム(参考) 2H086 BA02 BA33 BA34 BA41 4D075 BB16X BB91X BB95X CB04 DA04 DB18 DB31 DB33 DB36 DB38 DB43 DB48 DB53 DB63 DC27 EA02 EA06 EA10 EB01 EB07 EB13 EB14 EB19 4J038 CC021 CG141 CG171 CH031 CH161 GA03 GA08 GA09 HA156 HA446 KA08 KA20 LA06 LA07 MA08 MA10 NA01 NA12 PC08 PC10

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に塗布液を塗布して製造するイ
    ンクジェット用記録媒体の製造方法において、前記塗布
    液が無機微粒子分散物を用いて製造されており、該無機
    微粒子分散物は、少なくとも無機微粒子及び水系媒体を
    分散機に連続的に供給しながら分散処理すると同時に、
    前記分散機内で製造された分散物を連続的に分散機より
    吐出する工程を経て製造された分散物であることを特徴
    とするインクジェット用記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記分散機が、混練分散機または粉砕分
    散機であることを特徴とする請求項1に記載のインクジ
    ェット用記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記無機微粒子分散物の濁度が50pp
    m以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    インクジェット用記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記分散物が、カチオン樹脂を含有する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    インクジェット用記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記無機微粒子がシリカであることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジ
    ェット用記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 支持体上に塗布液を塗布して製造するイ
    ンクジェット用記録媒体の製造方法において、前記塗布
    液が顔料粒子分散物を用いて製造されており、該顔料粒
    子分散物は、少なくとも顔料粒子及び水系媒体を分散機
    に連続的に供給しながら分散処理すると同時に、前記分
    散機内で製造された分散物を連続的に分散機より吐出
    し、更に該吐出された分散物を連続的に別の分散機に供
    給しながら同時に該別の分散機内で分散処理された分散
    物を連続的に分散機より吐出する工程を経て製造された
    分散物であることを特徴とするインクジェット用記録媒
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記複数の分散機が直列に接続されてお
    り、前記顔料粒子及び前記水系媒体を最初の分散機に連
    続的に供給すると同時に、最後の分散機より前記顔料粒
    子分散物を連続的に吐出することを特徴とする請求項6
    に記載のインクジェット用記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 支持体上に塗布液を塗布して製造するイ
    ンクジェット用記録媒体の製造方法において、前記塗布
    液が無機微粒子分散物を用いて製造されており、該無機
    微粒子分散物は、少なくとも無機微粒子及び水系媒体を
    第1分散機に連続的に供給しながら分散処理すると同時
    に、前記第1分散機内で製造された第1分散物を連続的
    に分散機より吐出し、該第1分散物を第2分散機に連続
    的に供給しながら該第2分散機内で分散処理すると同時
    に、該第2分散機内で製造された第2分散物を連続的に
    該第2分散機より吐出し、さらに該第2分散物を第3分
    散機に連続的に供給しながら該第3分散機内で分散処理
    すると同時に、該第3分散機内で製造された第3分散物
    を連続的に該第3分散機より吐出して製造される無機微
    粒子分散物であることを特徴とするインクジェット用記
    録媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1分散機、前記第2分散機及び第
    3分散機が直列に接続されており、前記無機微粒子及び
    前記水系媒体を前記第1分散機に連続的に供給すると同
    時に、前記第3分散物を連続的に前記第3分散機より吐
    出することを特徴とする請求項8に記載のインクジェッ
    ト用記録媒体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第1分散機及び前記第2分散機の
    少なくとも一方が混練分散機であることを特徴とする請
    求項8又は9に記載のインクジェット用記録媒体の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 前記混練分散機が周速10〜40m/
    sの回転体を有する分散機であることを特徴とする請求
    項10に記載のインクジェット用記録媒体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第1分散機及び前記第2分散機内
    での各々の滞留時間が0.1〜600秒であることを特
    徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載のインク
    ジェット用記録媒体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記第3分散機が粉砕分散機であるこ
    とを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の
    インクジェット用記録媒体の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記粉砕分散機が平均粒径0.2〜2
    mmのビーズを分散媒体として用いる分散機であること
    を特徴とする請求項13に記載のインクジェット用記録
    媒体の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記第3分散機内での滞留時間が1〜
    30分であることを特徴とする請求項8、9又は13の
    いずれか1項に記載のインクジェット用記録媒体の製造
    方法。
  16. 【請求項16】 前記第2分散物の濁度が300ppm
    以下であることを特徴とする請求項8〜15のいずれか
    1項に記載のインクジェット用記録媒体の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記第3分散物の濁度が50ppm以
    下であることを特徴とする請求項8〜16のいずれか1
    項に記載のインクジェット用記録媒体の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記無機微粒子がシリカであることを
    特徴とする請求項8〜17のいずれか1項に記載のイン
    クジェット用記録媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7300969B2 (en) 2003-07-03 2007-11-27 Fujifilm Corporation Preliminary silica dispersion, fine silica dispersion, ink receiving layer coating solution and ink jet recording medium

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