JP2003200658A - インクジェット記録用媒体の製造方法及びインクジェット記録用媒体 - Google Patents

インクジェット記録用媒体の製造方法及びインクジェット記録用媒体

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JP2003200658A
JP2003200658A JP2002306866A JP2002306866A JP2003200658A JP 2003200658 A JP2003200658 A JP 2003200658A JP 2002306866 A JP2002306866 A JP 2002306866A JP 2002306866 A JP2002306866 A JP 2002306866A JP 2003200658 A JP2003200658 A JP 2003200658A
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Masako Kikuchi
雅子 菊地
Kiyoshi Endo
喜芳 遠藤
Kaneo Mamiya
周雄 間宮
Tomohiko Sakai
智彦 坂井
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 「ひび割れ」が少なく、インク吸収容量が充
分に得られるインクジェット記録用媒体を、優れた生産
性で製造できるインクジェット記録用媒体の製造方法、
及びインクジェット記録用媒体を提供する。 【解決手段】 顔料粒子分散物と水溶性ポリマーから成
る塗布液を支持体上に塗布して製造するインクジェット
記録用媒体の製造方法において、顔料粒子分散物と水溶
性ポリマーを混合する際、カチオンポリマーの顔料粒
子への吸着が安定してから顔料粒子分散物と水溶性ポリ
マー溶液を混合する、又は、顔料粒子分散物の分散粒
径の平均値が150〜300nmの時に顔料粒子分散物
と水溶性ポリマー溶液を混合する、ことを特徴とするイ
ンクジェット記録用媒体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
用媒体(以下、単に記録用媒体とも言う)の製造方法及
び、その製造方法で製造されたインクジェット記録用媒
体に関し、詳しくは、塗布故障が無く、生産性が高いイ
ンクジェット記録用媒体の製造方法及びインクジェット
記録用媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、インクの微小液
滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シー
トに付着させ、画像・文字などの記録を行うものである
が、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点
を有しており、近年、急速に普及して来ている。一方、
写真等の高画質印刷にも用いられており、記録シートと
してインク吸収量が多く、シート上に異物、クラック
(ひび割れ)等の故障が無いことが要求されている。
【0003】これらの問題を解決するために、従来から
非常に多くの技術が提案されている。例えば、特開昭5
2−53012号に記載される低サイズ原紙に表面加工
用の塗料を湿潤させた記録用媒体、特開昭55−583
0号に記載される支持体表面にインク吸収性の塗層を設
けた記録用媒体、特開昭56−157号に記載される被
履層中の顔料として非膠質シリカ粉末を含有する記録用
媒体、特開昭57−107878号に記載される無機顔
料と有機顔料を併用した記録用紙、特開昭58−110
287号に記載される二つの空孔分布ピークを有する記
録用媒体、特開昭62−111782号に記載されてい
る上下2層の多孔質層から成る記録用媒体、特開昭59
−68292号、同59−123696号及び同60−
18383号等に記載される不定形亀裂を有する記録用
紙、特開昭61−135786号、同61−14809
2号及び同62−149475号等に記載される微粉末
層を有する記録用媒体、特開昭63−252779号、
特開平1−108083号、同2−136279号、同
3−65376号及び同3−27976号等に記載され
る特定の物性値を有する顔料や微粒子シリカを含有する
記録用媒体、特開昭57−14091号、同60−21
9083号、同60−210984号、同61−207
97号、同61−188183号、特開平5−2783
24号、同6−92011号、同6−183134号、
同7−137431号、同7−276789号等に記載
されるコロイド状シリカ等の微粒子シリカを含有する記
録用媒体、及び特開平2−276671号、同3−67
684号、同3−215082号、同3−251488
号、同4−67986号、同4−263983号及び同
5−16517号等に記載されるアルミナ水和物微粒子
を含有する記録用媒体等が多数知られているが、何れも
未だ満足するものでは無かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の実態に
鑑みて為されたものであって、本発明が解決しようとす
る課題は、インク受容層の塗布筋や「ひび割れ」が少な
く、かつ、生産性を向上させることができるインクジェ
ット記録用媒体の製造方法、及びその製造方法で製造さ
れたインクジェット記録用媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成によって達成された。
【0006】1)顔料粒子分散物と水溶性ポリマーから
成る塗布液を支持体上に塗布して製造するインクジェッ
ト記録用媒体の製造方法において、該顔料粒子分散物が
顔料粒子とカチオンポリマーを含み、かつ該カチオンポ
リマーの顔料粒子への吸着が安定してから顔料粒子分散
物と水溶性ポリマー溶液を混合するインクジェット記録
用媒体の製造方法。
【0007】2)顔料粒子分散物と水溶性ポリマーから
成る塗布液を支持体上に塗布して製造するインクジェッ
ト記録用媒体の製造方法において、該顔料粒子分散物の
分散粒径の平均値が150〜300nmの時に顔料粒子
分散物と水溶性ポリマー溶液を混合するインクジェット
記録用媒体の製造方法。
【0008】3)顔料粒子分散物の分散粒径の平均値が
光子相関法により測定した平均粒径である2)記載のイ
ンクジェット記録用媒体の製造方法。
【0009】4)顔料粒子がシリカである1)、2)又
は3)記載のインクジェット記録用媒体の製造方法。
【0010】5)水溶性ポリマーがポリビニルアルコー
ルである1)〜4)の何れか1項記載のインクジェット
記録用媒体の製造方法。
【0011】6)1)〜5)の何れか1項記載のインク
ジェット記録用媒体の製造方法により製造されたインク
ジェット記録用媒体。
【0012】以下、本発明を更に詳しく説明する。本発
明のインクジェット記録用媒体の製造方法は、顔料粒子
を含有する塗布液を支持体に塗布し、空隙層を塗膜とし
て形成するものである。該塗布液は、顔料粒子分散物と
水溶性ポリマー溶液を混合して得られるものであり、該
顔料粒子分散物とは、顔料粒子を予め水に分散したもの
にカチオン性ポリマーや硬膜剤など、他の添加物を加え
るか、あるいは顔料粒子を、水にカチオン性ポリマーや
硬膜剤など他の添加物を溶解した水性媒体に分散して得
られるものである。又、顔料粒子を水性媒体に分散して
得られたものに、水や他の添加剤、例えばpH調整剤な
どを添加したものも該顔料粒子分散物に含まれる。
【0013】しかしながら、該顔料粒子分散物の分散条
件や構成物によっては、該顔料粒子分散物と水溶性ポリ
マー溶液の混合後の塗布液の粘度が増加して、シリカ含
有濃度の高い塗布液が作製できなくなり、生産性が下が
ったり、調製した塗布液を塗布した塗膜に塗布筋や「ひ
び割れ」等の故障が多くなるという問題が発生する。
【0014】この問題に対し、本発明者らは鋭意検討し
た結果、カチオンポリマーの顔料粒子への吸着が安定し
てから顔料粒子分散物と水溶性ポリマー溶液を混合する
ことにより、前記問題を発生させず、顔料粒子分散物の
分散条件や構成物によらず、生産性が高く塗布筋や「ひ
び割れ」が少ない塗膜、即ちインクジェット記録用媒体
を製造できることを発見した。
【0015】本発明における「カチオンポリマーの顔料
粒子への吸着が安定してから」とは、カチオンポリマー
が吸着平衡に達した時の吸着量を100%とする時、吸
着量が80%以上であることを意味する。好ましくは、
吸着量が90%以上になった時に顔料粒子分散物と水溶
性ポリマー溶液を混合する方が良く、吸着量が95%以
上になった時に混合することが更に好ましい。
【0016】カチオンポリマーの顔料粒子への吸着量を
求めるには、吸着前後の溶液相におけるカチオンポリマ
ーの濃度変化を調べればよく、顔料粒子分散物の赤外吸
収スペクトル変化を調べる方法、顔料粒子分散物及び上
澄み溶液のGPC(ゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィー)から求める方法、上澄み溶液の紫外〜可視
吸収スペクトルや赤外吸収スペクトルの変化を調べる方
法などが挙げられる。上澄み溶液は、顔料粒子分散物か
ら遠心分離機により顔料粒子を沈降させる方法などによ
り得ることができる。
【0017】又、本発明者らは、該顔料粒子分散物と水
溶性ポリマー溶液を混合する時に、顔料粒子分散物の平
均粒径が150〜300nmの範囲であれば、前記問題
が発生せず、顔料粒子分散物の分散条件や構成物に依ら
ず、生産性が高く、塗布時の故障筋やひび割れが少ない
塗膜(インクジェット記録用媒体)を製造できることも
発見した。
【0018】本発明における顔料粒子分散物は、1次粒
子が凝集して2次粒子を形成して分散しており、その分
散粒径の平均値は150〜300nmであることが必要
である。本発明における平均粒径は、光子相関法を用い
て測定した強度分布から求まる平均粒径とする。顔料粒
子分散物の無機顔料の質量濃度が高濃度だと正確な平均
粒径が測定できないので、顔料粒子分散物を水で希釈し
て0.01〜1%の質量濃度に希釈し、超音波洗浄器で
100W・28kHzの条件で5分間超音波処理を行
う。その結果、希釈によって凝集した凝集体が解れると
考えられる。
【0019】顔料粒子分散物の分散粒径の平均値は15
0〜300nmであることが必要だが、より安定にイン
クジェット記録用媒体を製造するためには、200〜3
00nmが好ましく、200〜250nmが更に好まし
い。
【0020】分散粒径を所望の粒径にするためには、分
散条件をコントロールして初めから所望の粒径を得る方
法と、より細かく分散して経時で凝集させる方法がある
が、どちらの方法によっても本発明の目的は達成され
る。又、顔料粒子分散物の分散終了後にマイルダーなど
を用いて剪断処理を行うことで凝集を促進させ、所望の
2次粒子を造る方法によっても本発明の目的は達成され
る。
【0021】顔料粒子としては、例えばシリカ、炭酸カ
ルシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、炭酸マグ
ネシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー等の他、各
種の天然又は合成の無機微粒子を使用することが出来
る。中でも、シリカは低い屈折率を有するため、透明性
が要求されるインクジェット記録用媒体のインク受容層
(以下、空隙層とも言う)を形成するのに好ましく用い
られる。
【0022】シリカとしては、通常の湿式法で合成され
たシリカ、コロイダルシリカ又は気相法で合成された微
粒子シリカ等が好ましく用いられる。
【0023】気相法で合成された微粒子シリカとして
は、日本アエロジル社やトクヤマ社より市販されてい
る。湿式法で合成されたシリカとしては、トクヤマ社や
Grace社より市販されている。
【0024】顔料粒子分散物を造る際、無機顔料を水性
媒体に所望比率で分散するが、無機顔料の質量濃度とし
ては5〜40%が好ましい。特に好ましくは10〜35
%である。質量濃度が低いと生産効率が劣り、大量の分
散液を必要とし、分散性が劣化することになる。又、質
量濃度が高すぎると、分散液の粘度が高くなり、後工程
でのハンドリングに負荷が掛かる。無機顔料の質量濃度
とは、(無機顔料質量)/(無機顔料質量+水性媒体質
量)×100で求めた値である。
【0025】分散方法としては、連続式、バッチ式の何
れでもよいが、生産効率上は連続式が好ましい。又、無
機顔料と水性媒体を分散機に連続的に供給しながら分散
処理し、分散物を連続的に分散機より吐出する方法によ
り製造された分散物において、本発明の効果が顕著にな
ることから、無機顔料と水性媒体を連続式で混合し分散
する方法がより好ましい。分散機としては、ローラミル
タイプ、ニーダータイプ、ピンミキサータイプ、高圧ホ
モジナイザー、湿式メディア型粉砕機(サンドミル、ボ
ールミル)、連続式高速撹拌型分散機、超音波分散機等
が挙げられる。
【0026】水性媒体としては、少なくともカチオン性
ポリマーが含有されることが好ましく、更に好ましくは
硬膜剤も含有していることである。
【0027】カチオン性ポリマーとして好ましくは、第
4級アンモニウム塩基を有するポリマーであり、特に好
ましくは、第4級アンモニウム塩基を有するモノマーの
単独重合体又は他の共重合し得る1又は2以上のモノマ
ーとの共重合体である。
【0028】第4級アンモニウム塩基を有するモノマー
の例としては、例えば以下の具体例を挙げることが出来
る。
【0029】
【化1】
【0030】
【化2】
【0031】第4級アンモニウム塩基と共重合し得るモ
ノマーは、エチレン性不飽和基を有する化合物であり、
例えば以下の具体例を挙げることが出来る。
【0032】
【化3】
【0033】特に、第4級アンモニウム塩基を有するカ
チオン性ポリマーが共重合体である場合、カチオン性モ
ノマーの比率は10モル%以上が好ましく、より好まし
くは20モル%以上、特に好ましくは30モル%以上で
ある。
【0034】第4級アンモニウム塩基を有するモノマー
は単一でも2種類以上であってもよい。
【0035】以下に本発明に用いることができるカチオ
ン性ポリマーの具体例を挙げるが、これらに限定される
ものではない。
【0036】
【化4】
【0037】
【化5】
【0038】
【化6】
【0039】
【化7】
【0040】ここで、Mnは数平均分子量を表す。上記
第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマー
は、第4級アンモニウム塩基のために水溶性が一般に高
い。共重合する第4級アンモニウム塩基を含まないモノ
マーの組成や比率によっては水に充分に溶解しないこと
はあるが、水混和性有機溶媒と水との混合溶媒に溶解さ
せることにより溶解し得るものであれば本発明に使用で
きる。
【0041】ここで水混和性有機溶媒とは、メタノー
ル、エタノール、i−プロパノール、プロパノール等の
アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、グリセリンなどのグリコール類;酢酸エチル、酢
酸プロピル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケ
トン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド等の
アミド類など、水に対して通常10%以上溶解し得る有
機溶媒を言う。この場合、有機溶媒の使用量は水の使用
量以下であることが好ましい。
【0042】本発明に用いるカチオン性ポリマーは、数
平均分子量が10万以下であることが好ましい。ここで
数平均分子量は、前述のGPCから求められたポリエチ
レングリコール値に換算した値である。
【0043】数平均分子量が10万を超える場合には、
カチオン性ポリマーの溶液を表面がアニオン性である無
機微粒子を含有する分散液に添加した際に凝集物の発生
が激しく、又、その後、分散処理を施しても均一な分散
液に成り難く、粗大粒子が多数存在して均一な分散液に
成り難い。このようなカチオン性ポリマーと無機微粒子
を含有する複合微粒子分散液を使用してインクジェット
記録用媒体を作製した場合、高い光沢性が得られ難い。
特に好ましい数平均分子量は5万以下である。又、数平
均分子量の下限は、インクの耐水性の点から、通常、2
000以上である。
【0044】無機微粒子とカチオン性ポリマーの比率
は、無機微粒子の種類や粒径、あるいはカチオン性ポリ
マーの種類や数平均分子量で変わり得る。本発明におけ
る上記比率は、無機微粒子の表面をカチオン性に置き換
えて安定化させる必要があることから、1:0.01〜
1:1であることが好ましい。
【0045】上記分散液を調製する際には各種の添加剤
を添加することが出来る。例えば、ノニオン性又はカチ
オン性の各種の界面活性剤(アニオン性界面活性剤は凝
集物を形成するため好ましくない)、消泡剤、ノニオン
性親水性ポリマー(ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルア
ミド、各種の糖類、ゼラチン、プルラン等)、ノニオン
性又はカチオン性ラテックス分散液、水混和性有機溶媒
(酢酸エチル、メタノール、エタノール、i−プロパノ
ール、プロパノール、アセトン等)、無機塩類、pH調
整剤など、必要に応じて適宜使用することが出来る。特
に、水混和性有機溶媒は、無機微粒子とカチオン性ポリ
マーを混合した際の微小なダマの形成が抑制されるため
好ましい。そのような水混和性有機溶媒は、分散液中に
好ましくは0.1〜20質量%、特に好ましくは0.5
〜10質量%使用される。
【0046】カチオン性分散液を調製する際のpHは、
無機微粒子の種類やカチオン性ポリマーの種類、各種の
添加剤等により広範に変化し得るが、一般的にはpH1
〜8であり、特に2〜7が好ましい。
【0047】本発明に係る水溶性ポリマーとしては、例
えばゼラチン(酸処理ゼラチンが好ましい)、ポリビニ
ルピロリドン(平均分子量が約20万以上が好まし
い)、プルラン、ポリビニルアルコール又はその誘導
体、カチオン変性ポリビニルアルコール、ポリエチレン
グリコール(平均分子量が10万以上が好ましい)、ヒ
ドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリ
ン、水溶性ポリビニルブチラールを挙げることができ、
これらの水溶性ポリマーはインク受容層の親水性バイン
ダーとして機能し、単独で使用してもよく、2種以上を
併用してもよい。特に好ましい親水性バインダーは、ポ
リビニルアルコール又はカチオン変性ポリビニルアルコ
ールである。
【0048】好ましく用いられるポリビニルアルコール
は、平均重合度が300〜4000のもので、特に平均
分子量が1000以上のものが、得られる皮膜の脆弱性
が改良されることから好ましい。又、ポリビニルアルコ
ールの鹸化度は70〜100%のものが好ましく、80
〜100%のものが特に好ましい。
【0049】カチオン変性ポリビニルアルコールは、カ
チオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニ
ルとの共重合体を鹸化することにより得られる。
【0050】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミ
ド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシエチル−ジメチル(3−メタクリルアミド)
アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−メタクリ
ルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−
(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)ア
クリルアミド等が挙げられる。
【0051】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%が好ましく、より好ましくは0.2
〜5モル%である。又、カチオン変性ポリビニルアルコ
ールの重合度は、通常500〜4000、好ましくは1
000〜4000が好ましい。更に、カチオン変性ポリ
ビニルアルコールの鹸化度は、通常60〜100モル
%、好ましくは70〜99モル%である。
【0052】本発明のインクジェット記録用媒体は、高
光沢性と高い空隙率を皮膜の脆弱性を劣化させずに得る
ために、前記水溶性ポリマーが硬膜剤により硬膜されて
いることが好ましい。硬膜剤は、一般的には水溶性ポリ
マーと反応し得る基を有する化合物、又は水溶性ポリマ
ーが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物
であり、水溶性ポリマーの種類に応じて適宜選択して用
いられる。
【0053】硬膜剤の具体例としては、例えばエポキシ
系硬膜剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリ
コールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオール
ジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘ
キサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシ
アニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリ
セロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬
膜剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハ
ロゲン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−
1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物
(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−
トリアジン、ビス(ビニルスルホニルメチル)エーテル
等)、硼酸又はその塩、硼砂、アルミ明礬などが挙げら
れる。
【0054】水溶性ポリマーとしてポリビニルアルコー
ル又はカチオン変成ポリビニルアルコールを使用する場
合には、硼酸又はその塩又はエポキシ系硬膜剤から選ば
れる硬膜剤を使用するのが好ましい。最も好ましいのは
硼酸又はその塩から選ばれる硬膜剤である。
【0055】硼酸又はその塩としては、硼素原子を中心
原子とする酸素酸及びその塩を示し、具体的にはオルト
硼酸、二硼酸、メタ硼酸、四硼酸、五硼酸、八硼酸又は
それらの塩が挙げられる。
【0056】硬膜剤の使用量は、水溶性ポリマーの種
類、硬膜剤の種類、顔料粒子の種類、水溶性ポリマーに
対する比率等により変化するが、通常、水溶性ポリマー
1g当たり5〜500mg、好ましくは10〜300m
gである。
【0057】上記硬膜剤は、空隙層を形成する塗布液を
塗布する際に、空隙層を形成する塗布液中及び/又は空
隙層に隣接するその他の層を形成する塗布液中に添加し
てもよく、あるいは予め硬膜剤を含有する塗布液を塗布
してある支持体上に、該空隙層を形成する塗布液を塗布
する。更には、空隙層を形成する硬膜剤非含有の塗布液
を塗布・乾燥後に硬膜剤溶液をオーバーコートするなど
して、空隙層に硬膜剤を供給することもできる。製造上
の効率の観点から、好ましくは空隙層を形成する塗布液
又はこれに隣接する層を形成する塗布液中に硬膜剤を添
加して、空隙層を形成するのと同時に硬膜剤を供給する
のが好ましい。
【0058】本発明で特に好ましいのは顔料粒子として
微粒子シリカを使用し、親水性バインダーとしてポリビ
ニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールを用いる
場合である。この場合、微粒子シリカ表面のシラノール
基とビニルアルコールの水酸基が弱い水素結合を行い、
軟凝集体が形成されて空隙率が高くなり易い。
【0059】上記水溶性ポリマーと顔料粒子の比率は、
通常1:10〜1:3であり、特に好ましくは1:8〜
1:5である。
【0060】水溶性ポリマーを前記分散液に添加混合す
る方法は、水溶性ポリマーの水溶液を分散液に攪拌しな
がらバッチ内で添加する方法や、分散液と水溶性ポリマ
ーを連続的にスタチックミキサー等の混合機で混合する
方法が挙げられる。連続式で混合した方が、装置スペー
スや生産効率上好ましい。
【0061】インクジェット用記録媒体の支持体として
は、従来、インクジェット用記録用紙として公知の紙支
持体、プラスチック支持体(透明支持体)、複合支持体
など適宜使用できるが、より高い濃度で鮮明な画像を得
るためには支持体中にインク液が浸透しない疎水性支持
体を用いるのが好ましい。
【0062】透明支持体としては、例えばポリエステル
系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹脂、
アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド
等の材料から成るフィルム等が挙げられ、中でもOHP
として使用された時の輻射熱に耐える性質のものが好ま
しく、ポリエチレンテレフタレート(PET)が特に好
ましい。このような透明な支持体の厚さとしては10〜
200μmが好ましい。透明支持体のインク受容層側及
びバッキング層側には、公知の下引層を設けることが、
インク受容層やバック層と支持体の接着性の観点から好
ましい。
【0063】又、透明である必要のない場合に用いる支
持体としては、例えば基紙の少なくとも一方に白色顔料
等を添加したポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹脂被
覆紙(所謂RCペーパー)、PETに白色顔料を添加し
て成る所謂ホワイトペットが好ましい。
【0064】支持体上に上記塗布液を塗布する方法は、
公知の方法から適宜選択して行うことが出来る。好まし
くは、塗布液を支持体上に塗設し乾燥して得られる。こ
の場合、2層以上を同時に塗布することもでき、特に全
ての親水性バインダー層を1回の塗布で済ます同時塗布
が好ましい。塗布方式としては、ロールコーティング
法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティン
グ法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、又
は米国特許2,681,294号記載のホッパーを使用
するエクストルージョンコート法が好ましく用いられ
る。
【0065】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるもので
はない。尚、実施例中の「%」は、特に断りのない限り
「質量%」を示す。
【0066】 実施例1 (分散物1−1の調製) 水性媒体(以下、A液と称す)として、 水 80L 硼酸 0.27kg 硼砂 0.23kg 5%硝酸 0.4L エタノール 1.8L カチオン性ポリマー(P−13,25%水溶液) 17L を混合、溶解した。又、無機顔料として1次粒子の平均
粒径が約7nmの気相法シリカ(日本アエロジル社製:
A300,以下、A300と称す)32kgを用意し
た。
【0067】A液を1.56kg/min、A300を
0.44kg/minの割合でスパイラルピンミキサー
SPM25W(大平洋機工社製,以下、SPMと称す)
に供給した。
【0068】その後、LMK−4(連続式湿式メディア
型粉砕機:アシザワ製,以後、LMKと称す)を用い、
SPMからの分散液をモノーポンプを用いLMKに2.
0kg/minで供給した。SPM条件は周速20m/
sec、滞留時間30sec、LMK条件は、ビーズ径
0.3mmジルコニア、滞留時間2分、ロータ回転周速
8m/secで行った。LMKから出て来た分散液をシ
リカ濃度が10%になるように水で希釈し、分散物1−
1を得た。
【0069】〈カチオンポリマー吸着量の定量1〉上記
分散物1−1を乾燥や蒸発が無いような密閉容器内で4
0℃で1週間攪拌した。その後、分散物5gに水を加え
て10倍に希釈した液に遠心分離を15000rpmで
10分間行い、シリカ粒子を沈降させて上澄み溶液を得
た。カチオンポリマーは200〜300nmのUV領域
に吸収を持つことから、この吸光度を測定して上澄み溶
液中のカチオンポリマー量を求めた。この時のシリカ1
g当りのカチオンポリマー吸着量を吸着平衡に達した時
の吸着量A0とした。
【0070】 (ポリビニルアルコール溶液1(以下、PVA−1と称す)の調製) ポリビニルアルコール(クラレ工業社製:PVA235) 7kg 水 93L を、ジャケット付釜で攪拌機を用いて混ぜ、10分間静
置後、ジャケット温度を110℃にし、溶解してPVA
−1を得た。
【0071】(塗布液1−1の調製)分散物1−1を4
0℃で撹拌して10分後、分散物600mlに対して上
記PVA−1を50℃で260ml添加して塗布液1−
1を得た。同時に、前記カチオンポリマー吸着量の定量
1と同じ方法により、カチオンポリマー吸着量を求め
た。この値の吸着平衡に達した時の吸着量A0に対する
割合を吸着率とし、表1に示す。
【0072】(塗布液1−2の調製)分散物1−1を4
0℃で3時間攪拌後、上記塗布液1−1の調製と同じ方
法で塗布液1−2を得ると共に、カチオンポリマーの吸
着率を求めた。この時の吸着率を表1に示す。
【0073】(塗布液1−3の調製)分散物1−1を4
0℃で3時間攪拌後、マイルダー(荏原製作所社製)を
用いて5×103(1/sec)の剪断を与えた。その
後、40℃で1時間攪拌した後、塗布液1−1の調製と
同じ方法で塗布液1−3を得ると共に、カチオンポリマ
ーの吸着率を求めた。この時の吸着率を表1に示す。
【0074】(塗布液1−4の調製)分散物1−1を4
0℃で3時間攪拌後、マイルダーを用いて1×10
4(1/sec)の剪断を与えた。その後、40℃で1
時間攪拌した後、塗布液1−1の調製と同じ方法で塗布
液1−4を得ると共に、カチオンポリマーの吸着率を求
めた。この時の吸着率を表1に示す。
【0075】(塗布液1−5の調製)分散物1−1を4
0℃で10時間攪拌後、マイルダーを用いて1×104
(1/sec)の剪断を与えた。その後、40℃で1時
間攪拌した後、塗布液1−1の調製と同じ方法で塗布液
1−5を得ると共に、カチオンポリマーの吸着率を求め
た。この時の吸着率を表1に示す。
【0076】(塗布液1−6の調製)分散物1−1の調
製において、無機顔料をトクヤマ製湿式シリカX−37
Bに変更した以外は同じ条件で分散物を調製し、マイル
ダーを用いて1×104(1/sec)の剪断を与え
た。その後、40℃で1時間攪拌した後、塗布液1−1
の調製と同じ方法で塗布液1−6を得ると共に、カチオ
ンポリマーの吸着率を求めた。この時の吸着率を表1に
示す。
【0077】(塗布液1−7の調製)分散物1−1の調
製において、無機顔料をGrace製P405に変更し
た以外は同じ条件で分散物を調製し、マイルダーを用い
て1×104(1/sec)の剪断を与えた。その後、
40℃で1時間攪拌した後、塗布液1−1の調製と同じ
方法で塗布液1−7を得ると共に、カチオンポリマーの
吸着率を求めた。この時の吸着率を表1に示す。
【0078】〈記録用媒体の作製〉両面をポリエチレン
で被覆した紙支持体(厚みが220μmで、インク吸収
層面のポリエチレン中にポリエチレンに対して13%の
アナターゼ型酸化チタンを含有)に、上記の各塗布液を
200μmの厚さで塗布した。
【0079】塗布は、塗布液1−1〜1−7を、それぞ
れ40℃でスライドホッパーを用いて行い、塗布直後に
0℃に保たれた冷却ゾーンで20秒間冷却した後、25
℃の風(相対湿度RHが15%)で60秒間、45℃の
風(RH25%)で60秒間、50℃の風(RH25
%)で60秒間、順次乾燥し、20〜25℃・40〜6
0%RHの雰囲気下で2分間調湿して、それぞれの塗布
液1−1〜1−7に対応する記録用媒体1−1〜1−7
を得た。
【0080】得られた記録用媒体1−1〜1−7につい
て、以下の項目を評価した。 《ひび割れ》塗布面の0.3m2当たりの「ひび割れ」
点数を目視でカウントした。ひび割れ点数は、通常、1
0点以下であれば実用上問題ない。
【0081】《塗布筋》塗布面の塗布筋の状態を目視に
て観察し、3段階評価した。△までが実用可能である。
【0082】 ○:塗布筋は全く無し △:塗布筋が僅かに観察される ×:塗布筋が多く実用上問題あり 《インク溢れ》セイコーエプソン社製のインクジェット
プリンターPM750Cを使用して、マゼンタのベタ印
字を行い、目視にてインク溢れの状態を観察し、3段階
評価した。△までが実用可能である。
【0083】○:溢れなし △:溢れ多い ×:実用上問題あり 結果を纏めて表1に示す。
【0084】
【表1】
【0085】表1から、本発明のインクジェット記録用
媒体は、インク吸収性に優れ、塗布面に「ひび割れ」や
塗布筋などの故障が極めて少ないことが判る。
【0086】 実施例2 (分散物2−1の調製) 水性媒体(以下、B液と称す)として、 水 80L 硼酸 0.27kg 硼砂 0.23kg 5%硝酸 0.4L エタノール 1.8L カチオン性ポリマー(P−9,25%水溶液) 17L を混合、溶解した。又、無機顔料として1次粒子の平均
粒径が約7nmの気相法シリカ(A300:前出)32
kgを用意した。
【0087】B液を1.56kg/min、A300を
0.44kg/minの割合でスパイラルピンミキサー
SPM25W(前出)に供給した。その後、連続式湿式
粉砕機LMK−4(前出)を用い、SPMから出て来た
分散液を、モノーポンプを用いLMKに2.0kg/m
inで供給した。SPM条件は周速30m/sec、滞
留時間30sec、LMK条件は、ビーズ径0.3mm
ジルコニア、滞留時間2分、ロータ回転周速12m/s
ecで行った。LMKから出て来た分散液をシリカ質量
濃度が10%になるように水で希釈し、分散物2−1を
得た。
【0088】(ポリビニルアルコール溶液2(以下、P
VA−2と称す)の調製)ポリビニルアルコール(PV
A235:前出)7kgと水93Lより、実施例1のP
VA−1の調製と全く同様にしてPVA−2を得た。
【0089】〈記録用媒体2−1の作製〉上記分散物2
−1を分散終了から40℃で10分間撹拌した後、分散
物600mlに対して上記PVA−2を50℃で260
ml添加して塗布液2−1を得た。同時に、分散物を少
量採り、水で希釈して0.1%に希釈し、超音波洗浄器
(HONDA W−113)で100W、28kHzの
条件で5分間超音波処理を行った。この液をゼータサイ
ザー1000HS(マルバーン社製)で測定したとこ
ろ、Intensityによるピーク解析から得られる
平均粒径は137nmであった。
【0090】続いて、実施例1で用いたのと同じポリエ
チレン被覆紙に、実施例1と同様にして塗布液2−1を
200μmの厚さで塗布した。塗布後の乾燥条件は実施
例1と全く同じである。このようにして記録用媒体2−
1を得た。
【0091】(分散物2−2の調製)SPMの条件を周
速20m/sec、滞留時間30sec、LMK条件を
ビーズ径0.3mmジルコニア、滞留時間2分、ロータ
回転周速8m/secで行う以外は、分散物2−1の調
製と同じ方法で分散物2−2を得た。
【0092】〈記録用媒体2−2の作製〉分散物2−2
を分散終了から40℃で3時間攪拌した後、記録用媒体
2−1の調製と同じ方法で塗布液2−2を得ると共に、
分散物の平均粒径を測定したところ、183nmであっ
た。塗布液2−2を記録用媒体2−1の作製と同じ方法
で塗布・乾燥・調湿して記録用媒体2−2を得た。
【0093】〈記録用媒体2−3の作製〉分散物2−1
を分散終了から40℃で10時間攪拌後、マイルダーを
用いて1×104(1/sec)の剪断を与えた。その
後、40℃で1時間攪拌した後、塗布液2−1の調製と
同じ方法で塗布液2−3を得ると共に、分散物の平均粒
径を測定したところ、211nmであった。塗布液2−
3を記録用媒体2−1の作製と同じ方法で塗布・乾燥・
調湿して記録用媒体2−3を得た。
【0094】〈記録用媒体2−4の作製〉分散物2−2
を分散終了から40℃で3時間攪拌後、マイルダーを用
いて1×104(1/sec)の剪断を与えた。その
後、40℃で1時間攪拌した後、塗布液2−1の調製と
同じ方法で塗布液2−4を得ると共に、分散物の平均粒
径を測定したところ、225nmであった。塗布液2−
4を記録用媒体2−1の作製と同じ方法で塗布・乾燥・
調湿して記録用媒体2−4を得た。
【0095】〈記録用媒体2−5の作製〉分散物2−2
を分散終了から40℃で10時間攪拌後、マイルダーを
用いて1×104(1/sec)の剪断を与えた。その
後、40℃で1時間攪拌した後、塗布液2−1の調製と
同じ方法で塗布液2−5を得ると共に、分散物の平均粒
径を測定したところ、272nmであった。塗布液2−
5を記録用媒体2−1の作製と同じ方法で塗布・乾燥・
調湿して、記録用媒体2−5を得た。
【0096】(分散物2−3の調製)分散物2−1の調
製と同じ方法により、B液を1.56kg/min、A
300を0.44kg/minの割合でSPMに供給し
た。その時のSPMの条件は周速20m/sec、滞留
時間30secとした。SPMから出て来た分散液をシ
リカ濃度が10%になるように水で希釈し、分散物2−
3を得た。
【0097】〈記録用媒体2−6の作製〉分散物2−3
を分散終了から40℃で10時間攪拌した後、塗布液2
−1の調製と同じ方法で塗布液2−6を得ると共に、分
散物の平均粒径を測定したところ、304nmであっ
た。塗布液2−6を記録用媒体2−1の作製と同じ方法
で塗布・乾燥・調湿して記録用媒体2−6を得た。
【0098】〈記録用媒体2−7の作製〉分散物2−1
の調製において、無機顔料をトクヤマ製湿式シリカX−
37Bに変更した以外は同じ条件で分散物を調製し、マ
イルダーを用いて1×104(1/sec)の剪断を与
えた。その後、40℃で1時間攪拌した後、塗布液2−
1調製と同じ方法で塗布液2−7を得ると共に、分散物
の平均粒径を測定したところ、271nmであった。塗
布液2−7を記録用媒体2−1の作製と同じ方法で塗布
・乾燥・調湿して記録用媒体2−7を得た。
【0099】〈記録用媒体2−8の作製〉分散物2−1
の調製において、無機顔料をトクヤマ製湿式シリカT−
32に変更した以外は同じ条件で分散物を調製し、マイ
ルダーを用いて1×104(1/sec)の剪断を与え
た。その後、40℃で1時間攪拌した後、塗布液2−1
の調製と同じ方法で塗布液2−8を得ると共に、分散物
の平均粒径を測定したところ、210nmであった。塗
布液2−8を記録用媒体2−1の作製と同じ方法で塗布
・乾燥・調湿して記録用媒体2−8を得た。
【0100】得られた記録用媒体2−1〜2−8につい
て、実施例1と同一基準で「ひび割れ」、塗布筋、イン
ク溢れを評価した。
【0101】結果を併せて表2に示す。
【0102】
【表2】
【0103】表2から、本発明の記録用媒体は、インク
吸収性に優れ、塗布面に「ひび割れ」や塗布筋等の故障
が生じ難いことが判る。
【0104】
【発明の効果】本発明によれば、インク吸収性に優れ、
塗布面に「ひび割れ」や塗布筋等の故障の極めて少ない
インク受容層を有するインクジェット記録用媒体を得る
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂井 智彦 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 Fターム(参考) 2C056 EA05 FC01 2H086 BA15 BA33 BA35 BA37 BA45

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料粒子分散物と水溶性ポリマーから成
    る塗布液を支持体上に塗布して製造するインクジェット
    記録用媒体の製造方法において、該顔料粒子分散物が顔
    料粒子とカチオンポリマーを含み、かつ該カチオンポリ
    マーの顔料粒子への吸着が安定してから顔料粒子分散物
    と水溶性ポリマー溶液を混合することを特徴とするイン
    クジェット記録用媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 顔料粒子分散物と水溶性ポリマーから成
    る塗布液を支持体上に塗布して製造するインクジェット
    記録用媒体の製造方法において、該顔料粒子分散物の分
    散粒径の平均値が150〜300nmの時に顔料粒子分
    散物と水溶性ポリマー溶液を混合することを特徴とする
    インクジェット記録用媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 顔料粒子分散物の分散粒径の平均値が光
    子相関法により測定した平均粒径であることを特徴とす
    る請求項2記載のインクジェット記録用媒体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 顔料粒子がシリカであることを特徴とす
    る請求項1、2又は3記載のインクジェット記録用媒体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 水溶性ポリマーがポリビニルアルコール
    であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載
    のインクジェット記録用媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1項記載のインク
    ジェット記録用媒体の製造方法により製造されたことを
    特徴とするインクジェット記録用媒体。
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