JP2000238253A - インクジェット記録用紙の製造方法及びインクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙の製造方法及びインクジェット記録用紙

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JP2000238253A
JP2000238253A JP4791599A JP4791599A JP2000238253A JP 2000238253 A JP2000238253 A JP 2000238253A JP 4791599 A JP4791599 A JP 4791599A JP 4791599 A JP4791599 A JP 4791599A JP 2000238253 A JP2000238253 A JP 2000238253A
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stirring
recording paper
dispersion
ink jet
jet recording
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Kiyoshi Endo
喜芳 遠藤
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特にひび割れが少なく、最大濃度が充分に得
られ、光沢性に優れ、かつ、生産性を向上させることが
できるインクジェット記録用紙の製造方法及びその製造
方法で製造されたインクジェット記録用紙の提供。 【解決手段】 予め分散された無機微粒子分散液を含有
する調製済み塗布液を攪拌機が具備されている容器へ投
入し、式(1)を満足する条件(攪拌条件A)で攪拌し
た後に、支持体上に塗布する事を特徴とするインクジェ
ット記録用紙の製造方法。 式(1) 0.15<t・n・D3/V<100000 t:攪拌時間(min)、V:塗布液体積(m3)、
n:攪拌回転数(rpm) D:攪拌翼径(m)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用紙(以下、単に記録用紙ともいう)の製造方法及び
その製造方法で製造されたインクジェット記録用紙に関
し、特に塗布故障が無く、生産性、光沢性、耐水性、イ
ンク吸収性等に優れるインクジェット記録用紙の製造方
法及びその製造方法で製造されたインクジェット記録用
紙に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、インクの微小液
滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シー
トに付着させ、画像・文字などの記録を行うものである
が、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点
を有している。
【0003】従来の記録方法で従来から問題となってい
たノズルの目詰まりとメンテナンスについては、インク
および装置の両面から改良が進み、現在では各種プリン
ター、ファクシミリ、コンピューター端末等、さまざま
な分野に急速に普及している。
【0004】このインクジェット記録方式で使用される
記録用紙としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明
るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドット
が重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだ
りしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上
に大きくなく、かつ周辺が滑らかでぼやけないこと等が
要求される。
【0005】特にインク吸収速度が遅い場合には、2色
以上のインク液滴が重なって記録される際に、記録用紙
上で液滴がハジキ現象を起こしてムラになったり、ま
た、異なる色の境界領域でお互いの色が滲んだりして画
質を大きく低下させやすいために、記録用紙としては高
いインク吸収性を持たせるようにすることが必要であ
る。
【0006】これらの問題を解決するために、従来から
非常に多くの技術が提案されている。
【0007】例えば、特開昭52−53012号公報に
記載されている低サイズ原紙に表面加工用の塗料を湿潤
させた記録用紙、特開昭55−5830号に記載されて
いる支持体表面にインク吸収性の塗層を設けた記録用
紙、特開昭56−157号公報に記載されている被履層
中の顔料として非膠質シリカ粉末を含有する記録用紙、
特開昭57−107878号に記載されている無機顔料
と有機顔料を併用した記録用紙、特開昭58−1102
87号公報に記載されている2つの空孔分布ピークを有
する記録用紙、特開昭62−111782号に記載され
ている上下2層の多孔質層からなる記録用紙、特開昭5
9−68292号、同59−123696号および同6
0−18383号公報などに記載されている不定形亀裂
を有する記録用紙、特開昭61−135786号、同6
1−148092号および同62−149475号公報
等に記載されている微粉末層を有する記録用紙、特開昭
63−252779号、特開平1−108083号、同
2−136279号、同3−65376号および同3−
27976号等に記載されている特定の物性値を有する
顔料や微粒子シリカを含有する記録用紙、特開昭57−
14091号、同60−219083号、同60−21
0984号、同61−20797号、同61−1881
83号、特開平5−278324号、同6−92011
号、同6−183134号、同7−137431号、同
7−276789号等に記載されているコロイド状シリ
カ等の微粒子シリカを含有する記録用紙、および特開平
2−276671号公報、同3−67684号、同3−
215082号、同3−251488号、同4−679
86号、同4−263983号および同5−16517
号公報などに記載されているアルミナ水和物微粒子を含
有する記録用紙等が多数知られている。
【0008】一方、インクジェット記録においては、得
られる画像の耐水性を改良するために、インク受容層中
にカチオン性物質を添加しておき、染料を固定化する方
法も種々用いられている。
【0009】しかしながら、上記の空隙構造を有するイ
ンク受容層中において、空隙構造を形成する物質がカチ
オン性の無機微粒子である場合にはカチオン性コロイダ
ルシリカのように高い空隙率が形成しにくかったり、あ
るいは、アルミナ水和物微粒子を使用すると高い製造コ
ストになる等の問題点がある。
【0010】特開平10−181190号には、カチオ
ン性ポリマー含有液中で凝集体顔料を平均粒径が500
nm以下になるまで粉砕分散して得られる顔料を含有す
る塗布液を支持体上に塗布することで光沢性が良好で印
字濃度の高い記録用紙が記載されている。
【0011】特開平10−181191号には、平均粒
径が300nm以下の顔料分散液にカチオン樹脂を添加
して増粘・凝集させた後、平均粒径が1μm以下になる
まで粉砕分散した顔料を含有する塗布液を支持体に塗布
して得られる記録用紙が記載されている。
【0012】特開平10−71764号には3〜40n
mの1次粒子が凝集している10〜150nmの平均粒
径を有する2次凝集粒子(シリカなど)と親水性樹脂を
含有する層を有する記録用紙が記載されている。
【0013】しかしながら、特開平10−181190
号に記載されている記録用紙は、粉砕分散される顔料が
凝集体を形成しているため、カチオン性ポリマー溶液中
で機械的に粉砕分散するために高エネルギーを必要とし
また、時間もかかる。しかも凝集過程で著しい増粘現象
が生じることも生産性を悪化させる。
【0014】また、特開平10−181191号に記載
されているように、300nm以下の顔料は、機械的な
方法で分散された2次凝集粒子であり、この2次凝集粒
子を粉砕するのに高エネルギーを必要として生産性が低
下するだけでなく粗大凝集粒子が残存して光沢の低下や
これに起因するひび割れが起きやすい。
【0015】インクジェット記録用紙の高画質化をさら
に向上させるには、ひび割れ故障のような塗布故障が大
きな障害となり、上述の技術ではいまだ満足できるもの
ではないのが現状である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の実態に
鑑みてなされたものであって、本発明が解決しようとす
る課題は、特にひび割れが少なく、最大濃度が充分に得
られ、光沢性に優れ、かつ、生産性を向上させることが
できるインクジェット記録用紙の製造方法及びその製造
方法で製造されたインクジェット記録用紙を提供するこ
とにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により達成される。
【0018】1.予め分散された無機微粒子分散液を含
有する調製済み塗布液を攪拌機が具備されている容器へ
投入し、式(1)を満足する条件(攪拌条件A)で攪拌
した後に、支持体上に塗布する事を特徴とするインクジ
ェット記録用紙の製造方法。
【0019】式(1) 0.15<t・n・D3/V<100000 t:攪拌時間(min)、V:塗布液体積(m3)、
n:攪拌回転数(rpm) D:攪拌翼径(m) 2.予め分散された無機微粒子含有分散液を攪拌機が具
備されている容器内に投入し、水溶性ポリマーと式
(2)を満足する条件(攪拌条件B)で攪拌混合した後
に、支持体上に塗布する事を特徴とするインクジェット
記録用紙の製造方法。
【0020】式(2) 0.15<t・n・D3/V<50000 t:攪拌時間(min)、V:塗布液体積(m3)、
n:攪拌回転数(rpm) D:攪拌翼径(m) 3.前記予め分散された無機微粒子含有分散液中に、カ
チオン性ポリマーが含有されている事を特徴とする前記
1又は2に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
【0021】4.前記容器内で攪拌後、塗布前に攪拌機
が具備されている他の容器へ投入し攪拌後に、支持体上
に塗布する事を特徴とする前記1及び2に記載のインク
ジェット記録用紙の製造方法。
【0022】5.前記1〜4のいずれか1項に記載の製
造方法で、製造された事を特徴とするインクジェット記
録用紙。
【0023】以下に、本発明を更に詳細に説明する。
【0024】本発明のインクジェット記録用紙は、無機
微粒子を支持体に塗布し、空隙層を有する塗膜形成する
ものである。該塗膜を形成するには、無機微粒子と水溶
性ポリマーを混合し塗布液とし、塗布する事が必要であ
る。塗布液には、そのほか耐水性、インク吸収性等の観
点からカチオン性ポリマーや膜強度の観点から硬膜剤が
含まれている事が好ましい。そのほか前記以外の添加剤
を目的に応じ加える事もできる。
【0025】調製済み塗布液とは、インクジェット記録
用紙を製造するのに必要な添加剤(例えば、後述する添
加剤)を全て添加した液を言う。無機微粒子、カチオン
性ポリマー、水溶性ポリマー、硬膜剤も添加剤として扱
うことができる。
【0026】無機微粒子としては、例えば、シリカ、炭
酸カルシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、炭酸
マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー等の他
各種の天然または合成の無機微粒子を使用することが出
来る。
【0027】中でもシリカは低い屈折率を有するために
透明性が要求されるインクジェット記録用紙のインク受
容層(以下、空隙層ともいう)を形成するのに好ましく
用いられる。
【0028】シリカとしては、通常の湿式法で合成され
たシリカ、コロイダルシリカ或いは気相法で合成された
微粒子シリカ等が好ましく用いられるが、コロイダルシ
リカまたは気相法で合成された微粒子シリカがより好ま
しく、中でも気相法により合成された微粒子シリカは高
い空隙率が得られるだけでなく、カチオン性ポリマーと
混合したときに粗大凝集体が形成されにくいので特に好
ましい。
【0029】本発明の無機微粒子分散液とは、前記無機
微粒子が分散されている分散液のことをいう。
【0030】無機微粒子の1次粒子平均粒径は3〜10
0nmが好ましく、より好ましくは4〜50nm、最も
好ましくは4〜20nmである。
【0031】最も好ましく用いられる、1次粒子の平均
粒径が4〜20nmである気相法により合成された微粒
子シリカとしては、例えば、日本アエロジル社のアエロ
ジルが市販されている。この気相法微粒子シリカは水中
に例えば、三田村理研工業株式会社製のジェットストリ
ームインダクターミキサーなどにより容易に吸引分散す
ることで比較的容易に1次粒子まで分散することが出来
る。
【0032】耐水性、インク吸収性等の観点からカチオ
ン性ポリマーを使用することが好ましい。
【0033】カチオン性ポリマーは、無機微粒子分散液
中に含有されていることが好ましい。
【0034】以下にカチオン性ポリマーの添加方法を述
べる。
【0035】カチオン性ポリマー溶液は分散された無機
微粒子分散液と混合するが、カチオン性ポリマーの量が
少ない場合には、無機微粒子のアニオン成分が完全に被
覆されずに残るために、無機微粒子のアニオン部分がカ
チオン性ポリマーのカチオン部分とイオン結合して粗大
な粒子を形成しやすい。
【0036】表面がアニオン性である無機微粒子のアニ
オン部分をカチオン性ポリマーのカチオン部分で徐々に
置き換え最終的にカチオン部分を過剰にすることが好ま
しく、そのため、無機微粒子の分散液とカチオン性ポリ
マーの添加方法は重要であり、カチオン性ポリマー溶液
中に無機微粒子の分散液を添加することが好ましい。
【0037】これとは逆に、無機微粒子の分散液中にカ
チオン性ポリマー溶液を撹拌しながら添加した場合に
は、途中で液全体が一つの巨大な固まりになり撹拌が殆
ど難しくなる。この理由は初めの液全体がアニオン性に
なっている中にカチオン性ポリマーが徐々に添加されて
くると、アニオン性成分が徐々に減少し、途中で電荷的
に中性領域を通過するために液全体が巨大な固まりに成
りやすいためではないかと推定される。この様な場合で
あっても、カチオン性ポリマーが充分存在すれば、撹拌
を時間をかけて充分行えば最終的には徐々に液状化して
くるが生産効率上あまり好ましいことではない。
【0038】この際、無機微粒子分散液を添加する過程
では十分な撹拌を行うことが好ましく、場合によって
は、添加中又は添加後に分散機を併用するなどするのが
生産効率上好ましい。
【0039】このようにして得られた混合液は、ミクロ
的に見た場合、微小のダマ状凝集物が多数存在してい
る。これは無機微粒子分散液が添加された箇所では局所
的には無機微粒子の分散液に対してカチオン性ポリマー
が不足するために、電荷的に不安定な状態が形成される
為と推定される。
【0040】このような微小ダマ状凝集物はその後の分
散処理を行うことにより軽減される。そのような分散処
理を行うことにより、元々の1次粒子状態の無機微粒子
の粒子径を有するカチオン変換された無機微粒子の分散
液が得られる。
【0041】この分散処理方法としては、高速回転分散
機、媒体撹拌型分散機(ボールミル、サンドミルな
ど)、超音波分散機、コロイドミル分散機、ロールミル
分散機、高圧分散機等従来公知の各種の分散機を使用す
ることが出来るが、本発明では形成されるダマ状微粒子
の分散を効率的に行うという点から超音波分散機または
高圧分散機が好ましく用いられる。
【0042】超音波分散機は通常は20〜25kHzの
超音波を照射することで固液界面にエネルギーを集中さ
せることで分散するものであり非常に効率的に分散され
るが、大量の分散液を調製する必要がある場合にはあま
り適当ではない。
【0043】一方、高圧分散機は3個または5個のピス
トンを持った高圧ポンプの出口に、ねじまたは油圧によ
ってその間隙を調製できるようになっている均質バルブ
を1個または2個備えられたものであり、高圧ポンプに
より送液された液媒体が均質バルブによりその流れが絞
られて圧力がかかり、この均質バルブを通過される瞬間
に微小なダマ物質が粉砕される。
【0044】この分散処理方法は連続的に多量の液を分
散できるために、多量の液を製造する場合特に好ましい
方法である。均質バルブに加えられる圧力は通常50〜
1000kg/cm2であり、分散は1回のパスで済ま
すことも多数回繰り返して行うことも出来る。
【0045】上記の分散処理方法は2種以上を併用する
ことも可能である。
【0046】前記カチオン性ポリマー好ましくは第4級
アンモニウム塩基を有するポリマーであり、特に好まし
くは第4級アンモニウム塩基を有するモノマーの単独重
合体または他の共重合し得る1または2以上のモノマー
との共重合体である。
【0047】第4級アンモニウム塩基を有するモノマー
の例としては例えば以下の例を挙げることが出来る。
【0048】
【化1】
【0049】
【化2】
【0050】上記第4級アンモニウム塩基と共重合し得
るモノマーはエチレン性不飽和基を有する化合物であ
り、例えば以下の具体例を挙げることが出来る。
【0051】
【化3】
【0052】特に第4級アンモニウム塩基を有するカチ
オン性ポリマーが共重合体である場合、カチオン性モノ
マーの比率は10モル%以上が好ましく、より好ましく
は20モル%以上、特に好ましくは30モル%以上であ
る。
【0053】第4級アンモニウム塩基を有するモノマー
は単一でも2種類以上であっても良い。
【0054】以下に本発明のカチオン性ポリマーの具体
例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0055】
【化4】
【0056】
【化5】
【0057】
【化6】
【0058】
【化7】
【0059】上記第4級アンモニウム塩基を有するカチ
オン性ポリマーは第4級アンモニウム塩基のために水溶
性が一般に高いが、共重合する第4級アンモニウム塩基
を含まないモノマーの組成や比率によっては水に充分に
溶解しないことがあるが、水混和性有機溶媒と水との混
合溶媒に溶解させることにより溶解し得るもので有れば
本発明に使用できる。
【0060】ここで水混和性有機溶媒とは、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール
などのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、グリセリンなどのグリコール類、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド等のアミド類など、水に対して通常10%以上溶解し
得る有機溶媒を言う。この場合、有機溶媒の使用量は水
の使用量以下であることが好ましい。
【0061】本発明のカチオン性ポリマーは数平均分子
量が10万以下であることが好ましい。
【0062】ここで数平均分子量は、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーから求められたポリエチレング
リコール値に換算した値である。
【0063】数平均分子量が10万を越える場合には、
カチオン性ポリマーの溶液を表面がアニオン性である無
機微粒子を含有する分散液に添加した際に凝集物の発生
が激しく、またその後分散処理を施しても均一な分散液
に成りにくく粗大粒子が多数存在して均一な分散液に成
りにくい。このようなカチオン性ポリマーと無機微粒子
を含有する複合微粒子分散液を使用してインクジェット
記録用紙を作製した場合、高い光沢性が得られにくい。
特に好ましい数平均分子量は5万以下である。
【0064】数平均分子量の下限は染料の耐水性の点か
ら通常2000以上である。
【0065】上記無機微粒子とカチオン性ポリマーの比
率は、無機微粒子の種類や粒径、あるいはカチオン性ポ
リマーの種類や数平均分子量で変わり得る。
【0066】本発明において、上記比率は無機微粒子の
表面がカチオン性に置き換わって安定化させる必要があ
ることから、1:0.01〜1:1であることが好まし
い。
【0067】上記の分散液を調製する際には、各種の添
加剤を添加して調製することが出来る。
【0068】例えば、ノニオン性またはカチオン性の各
種の界面活性剤(アニオン性界面活性剤は凝集物を形成
するために好ましくない)、消泡剤、ノニオン性の親水
性ポリマー(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、
各種の糖類、ゼラチン、プルラン等)、ノニオン性また
はカチオン性のラテックス分散液、水混和性有機溶媒
(酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、n−プロパノール、アセトンなど)、無機塩類、
pH調整剤など、必要に応じて適宜使用することが出来
る。
【0069】特に水混和性有機溶媒は、無機微粒子とカ
チオン性ポリマーを混合した際の微小なダマの形成が抑
制されるために好ましい。そのような水混和性有機溶媒
は分散液中に好ましくは0.1〜20重量%、特に好ま
しくは0.5〜10重量%使用される。
【0070】カチオン性分散液を調製する際のpHは無
機微粒子の種類やカチオン性ポリマーの種類、各種の添
加剤等により広範に変化し得るが、一般的にはpHが1
〜8であり、特に2〜7が好ましい。
【0071】上記のようにして得られた分散液に、次に
水溶性ポリマーが添加混合される。
【0072】本発明の水溶性ポリマーとしては、例えば
ゼラチン(酸処理ゼラチンが好ましい)、ポリビニルピ
ロリドン(平均分子量が約20万以上が好ましい)、プ
ルラン、ポリビニルアルコールまたはその誘導体、カチ
オン変性ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコー
ル(平均分子量が10万以上が好ましい)、ヒドロキシ
エチルセルロース、デキストラン、デキストリン、水溶
性ポリビニルブチラールを挙げることができ、これらの
親水性バインダーは単独で使用しても良く、2種以上を
併用しても良い。
【0073】特に好ましい親水性バインダーは、ポリビ
ニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコー
ルである。
【0074】本発明に好ましく用いられるポリビニルア
ルコールは平均重合度が300〜4000のものが好ま
しく用いられ、特に平均分子量が1000以上のものが
得られる皮膜の脆弱性が良好であることから好ましい。
【0075】また、ポリビニルアルコールのケン化度は
70〜100%のものが好ましく、80〜100%のも
のが特に好ましい。
【0076】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
は、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢
酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られ
る。
【0077】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミ
ド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルジメチル(3−メタクリルアミド)
アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−メタクリ
ルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−
(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)ア
クリルアミド等が挙げられる。
【0078】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%が好ましく、より好ましくは0.2
〜5モル%である。
【0079】カチオン変性ポリビニルアルコールの重合
度は通常500〜4000、好ましくは1000〜40
00が好ましい。
【0080】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
のケン化度は通常60〜100モル%、好ましくは70
〜99モル%である。
【0081】本発明で特に好ましいのは微粒子シリカを
1次粒子として使用し、親水性バインダーとしてポリビ
ニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールを用い
る場合である。この場合、微粒子シリカ表面のシラノー
ル基とビニルアルコールの水酸基が弱い水素結合を行
い、軟凝集体が形成されて空隙率が高く成りやすい。
【0082】上記水溶性ポリマーと無機微粒子の比率
は、通常1:10〜1:3であり、特に好ましくは1:
8〜1:5である。
【0083】水溶性ポリマーを前記分散液に添加混合す
る方法は、水溶性ポリマーの水溶液を分散液に撹拌しな
がら添加するのが好ましい。更に好ましくは、予め分散
された前記分散液を、攪拌機を具備する容器に先ず投入
し、その後、攪拌しながら水溶性ポリマーを添加、攪拌
する方法である。分散液は分散後、容器に保存しておき
塗布に合わせて添加剤を加え調製する事が、一般的であ
るが、分散液は無機微粒子を含んでいるため保存容器の
気液界面で乾燥し無機微粒子が析出する、さらにこの析
出物が分散液中に混入する可能性が高く、粗大粒子とし
て塗布液に混入するとひび割れ故障の原因になるため、
分散液を別の容器に移しそこで、水溶性ポリマーやその
他の添加剤を加えることが好ましい。また必要な添加剤
が全て添加された調製済み塗布液を塗布前に、別容器に
移し攪拌後塗布する事も好ましい。
【0084】更に別容器に移す方が好ましく、この容器
にも攪拌機が付いていることが好ましい。容器に分散
液、塗布液を移す時は、容器の下から分散液、塗布液を
抜き取り移す事が好ましい。容器には、蓋が付いている
ことが気液界面での析出防止に好ましく、容器の開口面
積の50%以上蓋で覆われている事が好ましい。水溶性
ポリマーと分散液の混合状態が、塗布故障特にひび割れ
に大きく影響することを見いだした。
【0085】前記式(2)のt・n・D3/Vの値が
0.15未満であるとと混合が不十分で均一性に欠け
る。また50000を越えると、均一性は増すが液自身
の粘度が低くなり塗膜形成ができず、更にひび割れが増
加する傾向になる。本発明者は0.15<t・n・D3
/V<50000を満足する条件(攪拌条件B)で攪拌
すれば、ひび割れは、満足できることを見いだした。
【0086】また、調製された塗布液の混合状態も重要
であることも見いだした。
【0087】前記式(1)のt・n・D3/Vの値が
0.15未満であると混合が不十分で均一性に欠ける。
また100000を越えると、均一性は増すが液自身の
粘度が低くなり塗膜形成ができず、更にひび割れが増加
する傾向になる。本発明者は0.15<t・n・D3
V<100000を満足する条件で攪拌すれば、ひび割
れは、満足できることを見いだした。
【0088】本発明においては、式(1)を満足すれ
ば、式(2)は、満足しなくても可能であるが、本発明
においては、式(1)、(2)を両方満足すれば、更に
本発明の効果をより奏する点で好ましい。
【0089】但し、上記式(1)、式(2)において、
tは攪拌時間(min)、Vは塗布液体積(m3)、n
は攪拌回転数(rpm)、Dは攪拌翼径(m)を表す。
【0090】攪拌翼径は、例えば、プロペラ型攪拌機の
場合、該攪拌機のプロペラが描く直径のことをいう。
【0091】攪拌機としては、擢型攪拌機、タービン型
攪拌機、プロペラ型攪拌機が好ましい。攪拌周速として
は、式(1)または(2)を満足すれば良いが、均一
性、発泡等の観点から0.1m/sec〜40m/se
cが好ましく、更に好ましくは0.3m/sec〜20
m/secである。別容器に移しながら調製、攪拌する
ことは、ひび割れ効果をより奏する点以外に生産性もあ
げることができる。
【0092】水溶性ポリマーと分散液混合温度は通常3
0〜50℃の範囲にするのが良い。30℃未満では塗布
液の粘度が高く成りすぎて撹拌効率が低下して局所的に
凝集物やダマが形成されやすい。また、50℃を越える
と塗布液が停滞中、増粘等の劣化を起こしやすい。
【0093】水溶性ポリマーを添加する場合には、あら
かじめ、低分子量の水溶性ポリマーを少量添加してお
き、次にこの液に本発明の水溶性ポリマーを添加すると
凝集や増粘がおきにくく安定な塗布と膜面が得られ、ひ
び割れ等が生じにくい。
【0094】上記低分子量の水溶性ポリマーの重量平均
分子量は通常2000〜5万のものであり、特に300
0〜4万のものが好ましい。また、上記低分子量の水溶
性ポリマーと本発明の水溶性ポリマーに対する比率は通
常0.001〜0.2の範囲であり、特に0.002〜
0.1が好ましい。
【0095】本発明においては、上記低分子量の水溶性
ポリマーとしては特に重合度が300〜600のポリビ
ニルアルコールが特に好ましい。
【0096】前記添加剤としては、先ず硬膜剤があげら
れる。硬膜剤は、一般的には前記水溶性ポリマーと反応
し得る基を有する化合物あるいは水溶性ポリマーが有す
る異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、
水溶性ポリマーの種類に応じて適宜選択して用いられ
る。
【0097】硬膜剤の具体例としては、例えば、エポキ
シ系硬膜剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレング
リコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオー
ルジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロ
ヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキ
シアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グ
リセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系
硬膜剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性
ハロゲン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ
−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合
物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−
s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル
等)、ほう酸、その塩、ほう砂、アルミ明礬等が挙げら
れる。
【0098】水溶性ポリマーとしてポリビニルアルコー
ルまたはカチオン変性ポリビニルアルコールを使用する
場合には、ほう酸、その塩またはエポキシ系硬膜剤から
選ばれる硬膜剤を使用するのが好ましい。
【0099】最も好ましいのはほう酸またはその塩から
選ばれる硬膜剤である。
【0100】ほう酸またはその塩としては、硼素原子を
中心原子とする酸素酸およびその塩のことを示し、具体
的にはオルトほう酸、二ほう酸、メタほう酸、四ほう
酸、五ほう酸、八ほう酸またはそれらの塩が挙げられ
る。
【0101】上記硬膜剤の使用量は水溶性ポリマーの種
類、硬膜剤の種類、無機微粒子の種類、水溶性ポリマー
に対する比率等により変化するが、通常水溶性ポリマー
1g当たり5〜500mg、好ましくは10〜300m
gである。
【0102】上記硬膜剤は、空隙層を形成する塗布液を
塗布する際に、空隙層を形成する塗布液中及び/または
空隙層に隣接するその他の層を形成する塗布液中に添加
してもよく、あるいは予め硬膜剤を含有する塗布液を塗
布してある支持体上に、該空隙層を形成する塗布液を塗
布する。さらには空隙層を形成する硬膜剤非含有の塗布
液を塗布乾燥後に硬膜剤溶液をオーバーコートするなど
して空隙層に硬膜剤を供給することもできる。好ましく
は製造上の効率の観点から、空隙層を形成する塗布液ま
たはこれに隣接する層を形成する塗布液中に硬膜剤を添
加して、空隙層を形成するのと同時に硬膜剤を供給する
のが好ましい。
【0103】空隙層を形成するのが気相法により合成さ
れた超微粒子シリカおよびポリビニルアルコールである
特に好ましい態様においては、空隙層を形成する塗布液
中に予め硬膜剤を添加しておき、一定時間(好ましくは
10分以上、特に好ましくは30分以上)経過してから
支持体上に塗布・乾燥するとより高い空隙率を皮膜の脆
弱性を悪化させることなく達成することが出来る。
【0104】また、上記硬膜剤は予め本発明のカチオン
性の複合微粒子分散液を調製する場合に添加剤として添
加しておくこともできる。
【0105】その他、ポリスチレン、ポリアクリル酸エ
ステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル
アミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、
尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、流
動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホ
スフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、カチオ
ン、ノニオンの各種界面活性剤、特開昭57−7419
3号、同57−87988号及び同62−261476
号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192
号、同57−87989号、同60−72785号、同
61−146591号、特開平1−95091号及び同
3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、
特開昭59−42993号、同59−52689号、同
62−280069号、同61−242871号及び特
開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増
白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、
防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種
添加剤を含有させることもできる。
【0106】本発明のインクジェット記録用紙の支持体
としては、従来インクジェット用記録用紙として公知の
紙支持体、プラスチック支持体(透明支持体)、複合支
持体など適宜使用できるが、より高い濃度で鮮明な画像
を得るためには支持体中にインク液が浸透しない疎水性
支持体を用いるのが好ましい。
【0107】透明支持体としては、例えば、ポリエステ
ル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩
化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロ
イド等の材料からなるフィルム等が挙げられ、中でもO
HPとして使用されたときの輻射熱に耐える性質のもの
が好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好まし
い。このような透明な支持体の厚さとしては、10〜2
00μmが好ましい。透明支持体のインク受容層側およ
びバッキング層側には公知の下引き層を設けることが、
インク受容層やバック層と支持体の接着性の観点から好
ましい。
【0108】また、透明である必要のない場合に用いる
支持体としては、例えば、基紙の少なくとも一方に白色
顔料等を添加したポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹
脂被覆紙(いわゆるRCペーパー)、ポリエチレンテレ
フタレートに白色顔料を添加してなるいわゆるホワイト
ペットが好ましい。
【0109】支持体上に塗布する方法は公知の方法から
適宜選択して行うことが出来る。好ましい方法は、塗布
液を支持体上に塗設して乾燥して得られる。この場合、
2層以上を同時に塗布することもでき、特に全ての親水
性バインダー層を1回の塗布で済ます同時塗布が好まし
い。
【0110】塗布方式としては、ロールコーティング
法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティン
グ法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法ある
いは米国特許第2,681,294号公報記載のホッパ
ーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用
いられる。
【0111】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるもので
はない。なお、実施例中で「%」は特に断りのない限り
絶乾重量%を示す。
【0112】実施例1 「酸化チタン分散液−1の調製」平均粒径が約0.25
μmの酸化チタン20kg(石原産業製:W−10)を
pH=7.5のトリポリリン酸ナトリウムを150g、
ポリビニルアルコール(クラレ株式会社製:PVA23
5)500g、カチオン性ポリマー(P−9)の150
gおよびサンノブコ株式会社消泡剤・SN381を10
gを含有する水溶液90Lに添加し高圧ホモジナイザー
(三和工業株式会社製)で分散したあと全量を100L
に仕上げて均一な酸化チタン分散液−1を得た。
【0113】「シリカ分散液−1の調製」1次粒子の平
均粒径が約0.007μmの気相法シリカ(日本アエロ
ジル工業株式会社製:A300)125kgを、三田村
理研工業株式会社製のジェットストリーム・インダクタ
ーミキサーTDSを用いて、硝酸でpH=2.5に調整
した620Lの純水中に室温で吸引分散した後、全量を
694Lに純水で仕上げた。下から液が抜ける様に液抜
きバルブが付いたステンレス容器に、0.429Lづつ
小分けし保存した。
【0114】この分散液を希釈して粒子の電子顕微鏡写
真を撮影したところ殆どの粒子が0.01μm以下のサ
イズであり1次粒子まで分散されていることを確認し
た。
【0115】「シリカ分散液−2の調製」カチオン性ポ
リマー(P−9)を0.129kg、エタノール0.4
2L、n−プロパノール0.15Lを含有する溶液(p
H=2.3)1.8Lに、シリカ分散液−1の6.94
Lを撹拌しながら添加し、ついで、ホウ酸26gとホウ
砂23gを含有する水溶液0.7Lを添加し、前記の消
泡剤SN381を0.1g添加した。
【0116】この混合液を三和工業株式会社製高圧ホモ
ジナイザーで250kg/cm2の圧力で2回分散し、
全量を純水で9.7Lに仕上げてほぼ澄明なシリカ分散
液−2を調製し、下から液が抜ける様に液抜きバルブが
付いたステンレス容器に、0.6Lづつ小分けし保存し
た。
【0117】「蛍光増白剤分散液−1の調製」チバガイ
ギー株式会社製の油溶性蛍光増白剤UVITEX−OB
・400gをジイソデシルフタレート9000gおよび
酢酸エチル12Lに加熱溶解し、これを酸処理ゼラチン
3500g、カチオン性ポリマー(P−1)、サポニン
50%溶液・6,000mlを含有する水溶液65Lに
添加混合して三和工業株式会社製の高圧ホモジナイザー
で250kg/cm2の圧力で3回乳化分散し、減圧で
酢酸エチルを除去した後全量を100Lに仕上げた。
【0118】「塗布液の調製」シリカ分散液−1の0.
429Lを保存容器の下から抜き、別の下から液が抜け
る用に液抜きバルブが付いたステンレス容器に移した。
このシリカ分散液に40℃で攪拌しながら以下の添加剤
を順次混合した。
【0119】 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA203) の10%水溶液: 0.6ml ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235) の5%水溶液: 260ml 蛍光増白剤分散液−1: 25ml 酸化チタン分散液−1: 33ml 第一工業株式会社製:ラテックスイマルジョン・AE−803: 18ml 純水で全量を1000mlに仕上げる。
【0120】その後、調製済み塗布液を、容器の下から
抜き、別の下から液が抜ける用に液抜きバルブが付いた
ステンレス容器に移した。そしてt・n・D3/Vの値
が0.17になるように攪拌し、両面をポリエチレンで
被覆した紙支持体(厚みが220μmでインク吸収層面
のポリエチレン中にはポリエチレンに対して13重量%
のアナターゼ型酸化チタンを含有)に、200μmの厚
さで塗布した。尚、かっこ内はそれぞれの湿潤膜厚を示
す。
【0121】塗布はそれぞれの塗布液を40℃でスライ
ドホッパーで塗布を行い、塗布直後に0℃に保たれた冷
却ゾーンで20秒間冷却した後、20〜30℃の風で6
0秒間、45℃の風で60秒間、50℃の風で60秒間
順次乾燥して記録用紙−1を得た。
【0122】記録用紙−2の作製:シリカ分散液−1の
0.429Lをシリカ分散液−2の0.6Lに変えた以
外は記録用紙−1と同様にして作製した。
【0123】記録用紙−3〜9の作製:記録用紙−2に
おいてt・n・D3/Vの値を変化させた以外は記録用
紙−2と同様に作製した。t・n・D3/Vの各記録用
紙の値は以下の通りである。
【0124】記録用紙−3:10、記録用紙−4:10
0、記録用紙−5:1000、記録用紙−6:1000
0、記録用紙−7:90000、記録用紙−8:110
000、記録用紙−9:0.1 記録用紙−10の作製:シリカ分散液−2の保存されて
いる容器内で塗布液を調製した以外は、記録用紙−4と
同様に作製した。(調製後、別容器に移し攪拌した) 記録用紙−11の作製:記録用紙−4作製のため調製し
た塗布液(調製後別容器に移し攪拌した塗布液)を容器
の下から抜き、更に別容器に移し、攪拌した以外は記録
用紙−4と同様に作製した。
【0125】記録用紙−12の作製:シリカ分散液−2
が保存されている容器内で全ての添加剤を添加攪拌し塗
布液を調製し、この容器から塗布液を供給し塗布した以
外は、記録用紙−4と同様に作製した。
【0126】尚、記録用紙−1〜12まではポリビニル
アルコール(クラレ工業株式会社製:PVA203)の
10%水溶液、ポリビニルアルコール(クラレ工業株式
会社製:PVA235)の5%水溶液の添加攪拌条件
は、t・n・D3/V(以下、攪拌条件Aとする)=
0.1で行った。
【0127】記録用紙−13〜20の作製:記録用紙−
2においてポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社
製:PVA203)の10%水溶液、及びポリビニルア
ルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)の5
%水溶液の添加攪拌条件(t・n・D3/Vの値、以下
Aとする)と調製済み塗布液の攪拌条件(t・n・D3
/Vの値、以下、攪拌条件Bとする)を変化させた以外
は、記録用紙−2と同様に作製した。
【0128】記録用紙−21の作製:調製する容器条件
を変化させた以外は、記録用紙−14と同様に作製し
た。容器条件は表1に示す。
【0129】記録用紙−22の作製:調製する容器条件
を変化させた以外は、記録用紙−12と同様に作製し
た。容器条件は表1に示す。
【0130】記録用紙−1〜22について、以下の項目
を評価した。
【0131】(1)光沢度:日本電色工業株式会社製変
角光度計(VGS−1001DP)を用いて75度光沢
度を測定した。この値は高いほど光沢が良好であること
を示す。
【0132】(2)ひび割れ:塗布面の0.3m2当た
りのひび割れ点数を目視でカウントしたひび割れ点数
は、通常10点以下であれば実用上問題ないと考えられ
る。
【0133】(3)最大濃度:セイコーエプソン株式会
社製のインクジェットプリンター・PM750Cを使用
して、マゼンタのベタ印字を行いその最大反射濃度を測
定した。得られた結果を表1に示す。
【0134】比較 容器条件 1:シリカ分散液を別容器に移し、その容器
内でPVA等の添加剤を添加し調製する。その後、更に
別容器に液を移し塗布する。
【0135】2:シリカ分散液保存容器内にPVA(ポ
リビニルアルコール)等の添加剤を添加調製する。その
後、別容器に液を移し塗布する。
【0136】3:シリカ分散液を別容器に移し、その容
器内でPVA(ポリビニルアルコール)等の添加剤を添
加し調製する。その後、更に別容器に液を移す。その後
更に別容器に液を移した後、塗布する。
【0137】4:シリカ分散液保存容器内にPVA(ポ
リビニルアルコール)等の添加剤を添加調製する。その
後、塗布する。
【0138】5:シリカ分散液を別容器に移し、その容
器内でPVA(ポリビニルアルコール)等の添加剤を添
加し調製、その後塗布する。
【0139】
【表1】
【0140】表1の結果から、式(1)もしくは式
(2)を満足することで、ひび割れが少なく、光沢性も
優れると言え、カチオン樹脂を含有することで最大濃度
が高くなる。また、式(1)と式(2)を両方満足する
ことで更に効果が増す。調液する容器を本発明のように
することで、効果が増すことがわかる。
【0141】
【発明の効果】実施例で実証したごとく、本発明のイン
ジェット記録用紙の製造方法及び該製造方法で製造され
たインクジェット記録用紙は、ひび割れが少なく生産性
を向上させることができ、光沢性に優れ、高濃度が得ら
れ優れた効果を有する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め分散された無機微粒子分散液を含有
    する調製済み塗布液を攪拌機が具備されている容器へ投
    入し、式(1)を満足する条件(攪拌条件A)で攪拌し
    た後に、支持体上に塗布する事を特徴とするインクジェ
    ット記録用紙の製造方法。 式(1) 0.15<t・n・D3/V<100000 t:攪拌時間(min)、V:塗布液体積(m3)、
    n:攪拌回転数(rpm) D:攪拌翼径(m)
  2. 【請求項2】 予め分散された無機微粒子含有分散液を
    攪拌機が具備されている容器内に投入し、水溶性ポリマ
    ーと式(2)を満足する条件(攪拌条件B)で攪拌混合
    した後に、支持体上に塗布する事を特徴とするインクジ
    ェット記録用紙の製造方法。 式(2) 0.15<t・n・D3/V<50000 t:攪拌時間(min)、V:塗布液体積(m3)、
    n:攪拌回転数(rpm) D:攪拌翼径(m)
  3. 【請求項3】 前記予め分散された無機微粒子含有分散
    液中に、カチオン性ポリマーが含有されている事を特徴
    とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記容器内で攪拌後、塗布前に攪拌機が
    具備されている他の容器へ投入し攪拌後に、支持体上に
    塗布する事を特徴とする請求項1及び2に記載のインク
    ジェット記録用紙の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製
    造方法で、製造された事を特徴とするインクジェット記
    録用紙。
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