JP2001158167A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JP2001158167A
JP2001158167A JP34467499A JP34467499A JP2001158167A JP 2001158167 A JP2001158167 A JP 2001158167A JP 34467499 A JP34467499 A JP 34467499A JP 34467499 A JP34467499 A JP 34467499A JP 2001158167 A JP2001158167 A JP 2001158167A
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ink jet
recording paper
silica
water
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Yukako Kobayashi
友香子 小林
Manabu Kaneko
学 金子
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク吸収性に優れたインクジェット記録用
紙を提供する。 【解決手段】 支持体上にシリカ微粒子および水溶性ポ
リマーを含有する色材受容層を有するインクジェット記
録用紙において、該シリカ微粒子のコロイダルシリカの
一次粒子が有機化合物と共有結合して連結したことを特
徴とするインクジェット記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用紙(以下、単に記録用紙ともいう)に関し、特にイ
ンク吸収性に優れたインクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、インクの微小液
滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シー
トに付着させ、画像・文字などの記録を行うものである
が、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点
を有している。
【0003】上記の記録方法で従来から問題となってい
たノズルの目詰まりとメンテナンスについては、インク
および装置の両面から改良が進み、現在では各種プリン
ター、ファクシミリ、コンピューター端末等さまざまな
分野に急速に普及している。
【0004】このインクジェット記録に使用される記録
用紙としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく
鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドットが重
なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだりし
ないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大
きくなく、かつ周辺が滑らかでぼやけないこと等が要求
される。
【0005】特にインク吸収速度が遅い場合には、2色
以上のインク液滴が重なって記録される際に、記録用紙
上で液滴がハジキ現象を起こしてムラになったり、ま
た、異なる色の境界領域でお互いの色が滲んだりして画
質を大きく低下させやすい。また、インク吸収容量が少
ない場合、出力されたインクがあふれて印字部にムラが
発生したりする。したがって、インクジェット記録用紙
としては高いインク吸収性を持たせるようにすることが
必要である。
【0006】これらの問題を解決するために、無機微粒
子とバインダーポリマーからなる空隙構造をもつインク
吸収層が提案されている。これまで無機微粒子としては
シリカ微粒子が多く用いられ、気相法シリカ又はコスト
の点で有利なコロイダルシリカが用いられるが、無機微
粒子として従来のコロイダルシリカ(有機化合物と共有
結合して連結していない)だけを使用するとインク吸収
層の空隙率が低く、インク吸収性に劣るという欠点があ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の実態に
鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、インク
吸収性に優れたインクジェット記録用紙を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成される。
【0009】1.支持体上にシリカ微粒子および水溶性
ポリマーを含有する色材受容層を有するインクジェット
記録用紙において、該シリカ微粒子のコロイダルシリカ
の一次粒子が有機化合物と共有結合して連結したことを
特徴とするインクジェット記録用紙。
【0010】2.支持体上にシリカ微粒子および水溶性
ポリマーを含有する色材受容層を有するインクジェット
記録用紙において、該シリカ微粒子の一次粒子が2価以
上の金属イオンにより鎖状または分岐状に連結した数珠
状のコロイダルシリカが更に有機化合物と共有結合した
ことを特徴とするインクジェット記録用紙。
【0011】3.前記有機化合物が下記一般式(1)で
表される化合物であることを特徴とする1または2に記
載のインクジェット記録用紙。 一般式(1) L−(X)n 式中、Xはシリカ微粒子表面のシラノール基と反応して
共有結合を形成する基を表す。Lは2価以上の連結基を
表し、nは2以上の整数を表す。
【0012】4.前記一般式(1)において、Xがトリ
アルコキシシリル基であることを特徴とする3に記載の
インクジェット記録用紙。
【0013】5.前記水溶性ポリマーがポリビニルアル
コールであることを特徴とする1〜4のいずれか1項に
記載のインクジェット記録用紙。
【0014】6.前記色材受容層がホウ酸およびホウ酸
塩から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする
1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用
紙。
【0015】7.前記支持体が原紙の表面をポリオレフ
ィン樹脂で被覆した紙であることを特徴とする1〜6の
いずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、1次粒子が有機化合物と共有結合して連結した
シリカ微粒子とは、有機化合物とシリカの1次粒子とを
反応させて共有結合を形成させ、有機化合物を介してシ
リカ微粒子同士を連結させたものである。
【0017】通常、シリカの1次粒子は球状であり、こ
れを用いてインク吸収層を形成すると、シリカ微粒子が
球状であるがゆえに密に凝集して空隙率が小さくなる。
一方本発明の上記方法によりシリカ微粒子を連結し、凝
集したものはその形状が三次元の網目構造となり空間が
できやすく、空隙率を高めることができる。
【0018】本発明に使用するシリカ微粒子としては、
天然または合成のシリカのいずれも使用できるが、特に
合成シリカである数珠状コロイダルシリカは鎖状(直鎖
状および/または分岐鎖状)であり三次元の網目構造を
形成しやすい性質を持っており、この効果と、有機化合
物を介してシリカ微粒子同士を連結させることによる効
果の相乗効果(本発明)により、高い空隙率を達成する
ことができるので、数珠状コロイダルシリカを用いるこ
とが好ましい。
【0019】本発明のコロイダルシリカは、通常、無水
珪酸(シリカ)の超微粒子を安定に水に分散させた、ア
ニオン性コロイダル状分散液であり、例えば次のように
製造される。まず、珪酸ナトリウム水溶液を陽イオン交
換樹脂に通して、これを60℃以上に加熱焼成して独立
分散粒子まで成長させ、これにさらにイオン交換樹脂を
通したゾルを添加することにより重合沈積させる。これ
によって、3nm〜200nmの平均粒子径まで成長し
安定したゾルとしてコロイダルシリカを得ることができ
る。さらにその中の数珠状コロイダルシリカとは一次粒
子を2価以上の金属イオンを介在させ粒子−粒子間を連
結させたものをいい、少なくとも3個以上、好ましくは
5個以上、更に好ましくは7個以上連結したものをい
い、更には数珠状に連結した粒子が分岐したものおよび
/または屈曲したものも包含する。
【0020】また、コロイダルシリカと他の無機粒子、
例えばアルミナ、セリア、チタニアなどとの複合あるい
は混合粒子であってもよく、これらを介在させて連結し
たものでもよい。介在させる金属イオンとしては2価以
上の金属イオンが好ましく、例えばCa2+、Zn2+、M
2+、Ba2+、Al3+、Ti4+などである。特にCa 2+
とした場合には、数珠状に連結および分岐したコロイダ
ルシリカを作製するのに好適である。また、コロイダル
シリカの1次粒子径は5〜100nm、好ましくは7〜
50nm、更に好ましくは8〜30nmである場合、イ
ンク吸収性の点で好ましい。
【0021】このような数珠状コロイダルシリカとして
は日産化学株式会社のスノーテックスPSシリーズがあ
る。
【0022】本発明に使われる、シリカ微粒子と共有結
合してシリカ微粒子同士を連結する有機化合物として
は、シリカ微粒子表面にあるシラノール基と反応して共
有結合を形成する基を2つ以上有した化合物が挙げら
れ、好ましくは下記一般式(1)で表される化合物が挙
げられる。 一般式(1) L−(X)n 式中、Xはシリカ微粒子表面のシラノール基と反応して
共有結合を形成する基を表すが、トリアルコキシシリル
基であることが好ましい。Lは2価以上の連結基を表
し、例えば、メチレン基、エチレン基のようなアルキレ
ン基、フェニレン基のようなアリーレン基等が挙げら
れ、Lの総炭素数としては100以下が好ましく、30
以下がより好ましい。nは2以上の整数を表す。
【0023】以下に一般式(1)で示される化合物の具
体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0024】
【化1】
【0025】以下に一般式(1)で表される化合物の具
体的合成例を示す。 化合物A−1の合成 反応経路
【0026】
【化2】
【0027】γ―アミノプロピルトリメトキシシラン
7.2gと、トリエチルアミン4.0gとを酢酸エチル
25ml中に加え、室温にて攪拌した。ここへ二塩化ス
クシニル3.1gを加え、60℃にて8時間攪拌した。
生成した結晶を吸引濾去し、酢酸エチルを減圧留去した
ところ、乳白色の結晶の目的の化合物A−1を8.8g
得た。
【0028】前記一般式(1)で表される化合物とシリ
カ微粒子とを反応させる方法としては、コロイダルシリ
カ水溶液を攪拌中に、一般式(1)で表される化合物を
有機溶媒中に溶解したものを添加して反応させる方法等
が挙げられる。
【0029】一般式(1)で表される化合物の添加量
は、シリカ微粒子の表面積により決められるが、好まし
くはシリカ微粒子100質量部に対して0.01〜50
質量部、より好ましくは0.1〜10質量部であり、あ
まり多すぎるとシリカ微粒子同士の連結が多くなりすぎ
て分散ができなくなるため好ましくない。
【0030】本発明において、一般式(1)で表される
化合物は単独でも、二種以上組み合わせて使用してもよ
い。
【0031】インク吸収層に用いられる水溶性ポリマー
としては、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、ポ
リエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、デキス
トラン、デキストリン、カラギーナン(κ、ι、λ
等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、
ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース等が挙げられる。
【0032】本発明で好ましく用いられる水溶性ポリマ
ーは、ポリビニルアルコールである。このポリビニルア
ルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる
通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変
性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するア
ニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルア
ルコールも含まれる。
【0033】酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビ
ニルアルコールは、平均重合度が1000以上のものが
好ましく用いられ、特に平均重合度が1500〜500
0のものが好ましい。平均重合度が低いと膜の造膜性が
悪く、ひびわれを生じたりする。けん化度は70〜10
0%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に
好ましい。
【0034】カチオン変性ポリビニルアルコールとして
は、例えば特開昭61−10483号に記載されるよう
な、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基を、上
記ポリビニルアルコールの主鎖又は側鎖中に有するポリ
ビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレ
ン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体を鹸化する
ことにより得られる。
【0035】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミ
ド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
トリメチル−(ヒドロキシルエチル)アンモニウムクロ
ライド、トリメチル−(メタクリルアミドプロピル)ア
ンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−
ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられ
る。
【0036】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して好
ましくは0.1〜10モル%、より好ましくは0.2〜
5モル%である。
【0037】アニオン変性ポリビニルアルコールは、例
えば特開平1−206088号に記載される様なアニオ
ン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−2
37681号、同63−307979号等に記載される
様なビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物
との共重合体及び特開平7−285265号に記載され
るような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが
挙げられる。
【0038】又、ノニオン変性ポリビニルアルコールと
しては、例えば特開平7−9758号に記載される様
な、ポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの
一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8
−25795号に記載される、疎水性基を有するビニル
化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙
げられる。
【0039】ポリビニルアルコールは、重合度や変性の
種類違いなど2種類以上を併用することもできる。
【0040】本発明のインクジェット記録用紙には、記
録後の耐水性、滲み耐性を向上させるために、カチオン
性樹脂を使用するのが好ましい。カチオン性樹脂には従
来インクジェット記録用紙で公知のカチオン性ポリマー
の中から任意に選択して使用することが出来る。
【0041】本発明においてカチオン性ポリマーとして
は好ましくは第4級アンモニウム塩基を有するポリマー
であり、特に好ましくは第4級アンモニウム塩基を有す
るモノマーの単独重合体または他の共重合し得る1また
は2以上のモノマーとの共重合体であり、特に好ましい
ものは、重量平均分子量が2000〜10万のものであ
る。
【0042】上記第4級アンモニウム塩基を有するモノ
マーの例としては例えば以下の例を挙げることが出来
る。
【0043】
【化3】
【0044】
【化4】
【0045】上記第4級アンモニウム塩基と共重合し得
るモノマーはエチレン性不飽和基を有する化合物であ
り、例えば以下の具体例を挙げることが出来る。
【0046】
【化5】
【0047】特に第4級アンモニウム塩基を有するカチ
オン性ポリマーが共重合体である場合、カチオン性モノ
マーの比率は10モル%以上が好ましく、より好ましく
は20モル%以上、特に好ましくは30モル%以上であ
る。第4級アンモニウム塩基を有するモノマーは単一で
も2種類以上であっても良い。
【0048】本発明に用いられるカチオン性ポリマー
(以下、本発明のカチオン性ポリマーともいう)の具体
例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0049】
【化6】
【0050】
【化7】
【0051】
【化8】
【0052】
【化9】
【0053】上記第4級アンモニウム塩基を有するカチ
オン性ポリマーは第4級アンモニウム塩基のために水溶
性が一般に高いが、共重合する第4級アンモニウム塩基
を含まないモノマーの組成や比率によっては水に充分に
溶解しないことがあるが、水混和性有機溶媒と水との混
合溶媒に溶解させることにより溶解し得るもので有れば
本発明に使用できる。また、カチオン性ポリマーとし
て、第4級アンモニウム塩構造を有するシランカップリ
ング剤を加水分解して、重縮合させたものを使用するこ
ともできる。
【0054】ここで水混和性有機溶媒とは、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、プロパノールなど
のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、グリセリンなどのグリコール類、酢酸エチル、
酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メチルエチル
ケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド等
のアミド類など、水に対して通常10%以上溶解し得る
有機溶媒を言う。この場合、有機溶媒の使用量は水の使
用量以下であることが好ましい。
【0055】本発明のカチオン性ポリマーは数平均分子
量(Mn)が10万以下であることが好ましい。
【0056】ここで数平均分子量は、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー(GPC)から求められたポリ
エチレングリコール値に換算した値である。
【0057】数平均分子量が10万を越える場合には、
カチオン性ポリマーの溶液を表面がアニオン性である無
機微粒子を含有する分散液に添加した際に凝集物の発生
が激しく、またその後分散処理を施しても均一な分散液
に成りにくく粗大粒子が多数存在して均一な分散液に成
りにくい。特に好ましい数平均分子量は5万以下であ
る。数平均分子量の下限は染料の耐水性の点から通常2
000以上である。
【0058】上記無機微粒子とカチオン性ポリマーの比
率は、無機微粒子の種類や粒径、あるいはカチオン性ポ
リマーの種類や数平均分子量で変わり得る。
【0059】本発明において、上記比率は無機微粒子の
表面がカチオン性に置き換わって安定化させる必要があ
ることから、1:0.01〜1:1であることが好まし
い。
【0060】本発明において、表面がアニオン性である
無機微粒子のアニオン部分をカチオン性ポリマーのカチ
オン部分で徐々に置き換え最終的にカチオン部分を過剰
にすることが好ましく、そのため、無機微粒子の分散液
とカチオン性ポリマーの添加方法には注意が必要であ
り、カチオン性ポリマー溶液中に無機微粒子の分散液を
添加することが好ましい。
【0061】この逆に、無機微粒子の分散液中にカチオ
ン性ポリマー溶液を攪拌しながら添加した場合には、途
中で液全体が一つの巨大な固まりになり攪拌が殆ど難し
くなる。この理由は初めの液全体がアニオン性になって
いる中にカチオン性ポリマーが徐々に添加されてくる
と、アニオンが徐々に減少し、途中で電荷的に中性領域
を通過するために液全体が巨大な固まりに成りやすいた
めではないかと推定される。この様な場合であっても、
カチオン性ポリマーが充分存在すれば、攪拌を時間をか
けて充分行えば最終的には徐々に液状化してくるが生産
効率上あまり好ましいことではない。
【0062】カチオン性ポリマー溶液中に、無機微粒子
分散液を徐々に添加することで、液全体は常にカチオン
性を維持されるため容易に分散液が得られ好ましい。こ
の際、無機微粒子分散液を添加する過程では十分な攪拌
を行うことが好ましく、場合によっては、添加中又は添
加後に分散機を併用するなどするのが生産効率上好まし
い。
【0063】このようにして得られた混合液は、ミクロ
的に見た場合、微小のダマ状凝集物が多数存在してい
る。これは無機微粒子分散液が添加された箇所では局所
的には無機微粒子の分散液に対してカチオン性ポリマー
が不足するために、電荷的に不安定な状態が形成される
為と推定される。
【0064】このような微小ダマ状凝集物はその後の分
散処理を行うことにより軽減される。そのような分散処
理を行うことにより、元々の1次粒子状態の無機微粒子
の粒子径を有するカチオン変換された無機微粒子の分散
液が得られる。
【0065】この分散処理方法としては、高速回転分散
機、媒体攪拌型分散機(ボールミル、サンドミルな
ど)、超音波分散機、コロイドミル分散機、ロールミル
分散機、高圧分散機等従来公知の各種の分散機を使用す
ることが出来るが、本発明では形成されるダマ状微粒子
の分散を効率的に行うという点から超音波分散機または
高圧分散機が好ましく用いられる。
【0066】超音波分散機は通常は20〜25kHzの
超音波を照射することで固液界面にエネルギーを集中さ
せることで分散するものであり非常に効率的に分散され
るが、大量の分散液を調製する必要がある場合にはあま
り適当ではない。一方、高圧分散機は3個または5個の
ピストンを持った高圧ポンプの出口に、ねじまたは油圧
によってその間隙を調整できるようになっている均質バ
ルブを1個または2個備えられたものであり、高圧ポン
プにより送液された液媒体が均質バルブによりその流れ
が絞られて圧力がかかり、この均質バルブを通過される
瞬間に微小なダマ物質が粉砕される。
【0067】この分散処理方法は連続的に多量の液を分
散できるために、多量の液を製造する場合特に好ましい
方法である。均質バルブに加えられる圧力は通常50×
9.8〜1000×9.8N/cm2であり、分散は1
回のパスで済ますことも多数回繰り返して行うことも出
来る。
【0068】上記の分散処理方法は2種以上を併用する
ことも可能である。上記の分散液を調製する際には、各
種の添加剤を添加して調製することが出来る。例えば、
ノニオン性またはカチオン性の各種の界面活性剤(アニ
オン性界面活性剤は凝集物を形成するために好ましくな
い)、消泡剤、ノニオン性の親水性ポリマー(ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオ
キサイド、ポリアクリルアミド、各種の糖類、ゼラチ
ン、プルラン等)、ノニオン性またはカチオン性のラテ
ックス分散液、水混和性有機溶媒(酢酸エチル、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、
アセトンなど)、無機塩類、pH調整剤など、必要に応
じて適宜使用することが出来る。
【0069】特に水混和性有機溶媒は、無機微粒子とカ
チオン性ポリマーを混合した際の微小なダマの形成が抑
制されるために好ましい。上記水混和性有機溶媒は分散
液中に好ましくは0.1〜20質量%、特に好ましくは
0.5〜10質量%使用される。
【0070】カチオン性分散液を調製する際のpHは無
機微粒子の種類やカチオン性ポリマーの種類、各種の添
加剤等により広範に変化し得るが、通常pHは1〜8で
あり、2〜7が特に好ましい。
【0071】また、本発明のインクジェット記録用紙に
おいては、インク吸収層の架橋による造膜性を上げるた
めにインク吸収層中にホウ酸およびホウ酸塩から選ばれ
る少なくとも1種を含有するのが好ましい。
【0072】ホウ酸もしくはその塩としては、ホウ素原
子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことを示し、具
体的にはオルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ
酸、五ホウ酸、八ホウ酸及びそれらの塩が含まれる。
【0073】これらのホウ酸又はその塩は、インクジェ
ット記録用紙1m2当たり好ましくは0.05〜2g、
より好ましくは0.1〜1gの範囲で用いられる。
【0074】本発明のインクジェット記録用紙に用いら
れる支持体は非吸水性支持体が好ましく、非吸水性支持
体としては、透明支持体あるいは不透明支持体がある。
【0075】透明支持体としては、ポリエステル系樹
脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹脂、アク
リル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル
系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等の
材料から成るフィルム等が挙げられ、中でもOHPとし
て使用された時の輻射熱に耐える性質のものが好まし
く、ポリエステル系樹脂、特にコストの点からポリエチ
レンテレフタレートが好ましい。この様な透明な支持体
の厚さとしては、約10〜200μmが好ましい。
【0076】又、不透明支持体としては、例えば基紙の
少なくとも一方に白色顔料等を添加したポリオレフィン
樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(所謂RCペーパー)、
ポリエチレンテレフタレート(PET)に硫酸バリウ
ム、酸化チタン等の白色顔料を添加して成る所謂ホワイ
トPETが好ましい。
【0077】上記各種支持体とインク受像層の接着強度
を大きくする等の目的で、インク受容層の塗布に先立っ
て、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが
好ましい。更に、本発明の記録シートは、必ずしも無色
である必要はなく、着色された記録シートであってもよ
い。
【0078】本発明のインクジェット記録用紙では、原
紙支持体の両面をポリエチレンでラミネートした紙支持
体を用いることが、記録画像が写真画質に近く、しかも
低コストで高品質の画像が得られるため特に好ましい。
その様なポリエチレンでラミネートした紙支持体につい
て以下に説明する。
【0079】紙支持体に用いられる原紙は、木材パルプ
を主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプ
ロピレン等の合成パルプあるいはナイロンやポリエステ
ル等の合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとして
は、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LD
P、NDP、LUKP、NUKPの何れも用いることが
出来るが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBS
P、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。
ただし、LBSP及びLDPから選ばれる少なくとも1
種の比率は10〜70質量%であることが好ましい。
【0080】上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ
(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いら
れ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも
有用である。
【0081】原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテン
ダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化
チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白
剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散
剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加する
ことが出来る。
【0082】抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSF
の規定で200〜500mlが好ましく、又、叩解後の
繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッシ
ュ残分質量%と42メッシュ残分質量%との和が30〜
70%が好ましい。尚、24メッシュ残分の質量%は2
0質量%以下であることが好ましい。
【0083】原紙の坪量は30〜250gが好ましく、
特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さは40〜2
50μmが好ましい。
【0084】原紙は、抄紙段階又は抄紙後にカレンダー
処理して高平滑性を与えることも出来る。原紙密度は
0.7〜1.2g/m2(JIS−P−8118)が一
般的である。更に、原紙剛度はJIS−P−8143に
規定される条件で20〜200gが好ましい。
【0085】原紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよ
く、表面サイズ剤としては、前記原紙中に添加できるサ
イズ剤と同様のサイズ剤を使用できる。
【0086】原紙のpHは、JIS−P−8113で規
定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であ
ることが好ましい。
【0087】原紙表面及び裏面を被覆するポリエチレン
は、主として低密度ポリエチレン(LDPE)及び/又
は高密度ポリエチレン(HDPE)であるが、他のLL
DPEやポリプロピレン等も一部使用することが出来
る。
【0088】特に、インク受容層側のポリエチレン層
は、写真用印画紙で広く行われている様にルチル又はア
ナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不
透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チタ
ン含有量は、ポリエチレンに対して概ね3〜20質量
%、好ましくは4〜13質量%である。
【0089】ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用い
ることも、又ポリエチレンを原紙表面上に溶融、押し出
してコーティングする際に、いわゆる型付け処理を行っ
て、通常の写真印画紙で得られる様なマット面や絹目面
を形成したものとして用いることもできる。
【0090】原紙の表裏のポリエチレンの使用量は、イ
ンク受容層やバック層を設けた後で低湿及び高湿化での
カールを最適化する様にするために選択されるが、概ね
インク受容層側のポリエチレン層の厚さが20〜40μ
m、バック層側のポリエチレン層の厚さが10〜30μ
mの範囲である。
【0091】更に、上記ポリエチレン被覆紙支持体は、
以下の特性を有していることが好ましい。 1)引っ張り強さ:JIS−P−8113で規定される
強度で縦方向が2〜30kg、横方向が1〜20kg 2)引き裂き強度:JIS−P−8116による規定方
法で縦方向が10〜200g、横方向が20〜200g 3)弾性:圧縮弾性率≧103×9.8N/cm2 4)面ベック平滑度:JIS−P−8119に規定され
る条件で20秒以上(光沢面)、型付け品ではこれ以下
も可 5)不透明度:直線光入射/拡散光透過条件の測定条件
で、可視域の光線での透過率が20%以下(特に15%
以下)。
【0092】本発明のインクジェット記録用紙は、非吸
収性支持体上のインク吸収層に褪色防止剤として水溶性
還元剤、含硫黄化合物又は疎水性酸化防止剤の乳化分散
物を添加することもできる。
【0093】水溶性還元剤としては、特開平8−300
807号、同8−150773号、同8−108617
号、同9−267544号等に記載されており、例えば
亜硫酸塩、亜硝酸塩、亜燐酸塩、チオ硫酸塩、アスコル
ビン酸又はその塩、ヒドロキシルアミン誘導体(N,N
−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジスルホエチ
ルヒドロキシルアミン・ナトリウム塩、N−ヒドロキシ
フタルイミド、N,N−ジカルボキシエチルヒドロキシ
ルアミン・ナトリウム塩等)、グルコース等が挙げられ
る。
【0094】含硫黄化合物としては、特開昭61−17
7279号、同61−163886号、同64−364
79号、特開平7−314883号、同7−31488
2号、同1−115677号等に記載されており、例え
ばチオシアン酸塩、チオ尿素、2−メルカプトベンズイ
ミダゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メ
ルカプトベンズオキサゾール、5−メルカプト−1−メ
チルテトラゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4
−トリアゾール、2,4,6−トリメルカプトシアヌル
酸、チオサリチル酸、チオウラシル、1,2−ビス(2
−ヒドロキシエチルチオ)エタン等が挙げられる。
【0095】疎水性酸化防止剤としては、例えば特開昭
57−74192号、同57−87989号、特開平1
−115667号、同3−13376号等に記載されて
いる様な公知の酸化防止剤が利用できる。特に好ましい
酸化防止剤は、水酸基のオルト位の少なくとも一方が3
級アルキル基で置換されている所謂ヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤、窒素原子に連結する二つの炭素原子が
アルキル基で共に置換されているピペリジン系酸化防止
剤(所謂ヒンダードアミン類)、フェノール類又はポリ
ヒドロキシベンゼン類の少なくとも一つの水酸基がアル
キル基によりエーテル化されている酸化防止剤である。
【0096】上記疎水性酸化防止剤は、好ましくは疎水
性高沸点有機溶媒(ジ−2−エチルヘキシルフタレー
ト、ジ−i−デシルフタレート、トリクレジルホスフェ
ート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート等)と共
に親水性バインダー中に乳化分散された状態で添加され
る。この疎水性酸化防止剤をアセトンやメタノール等の
有機溶媒に溶解して添加したり、あるいは湿式粉砕法で
添加した場合には、褪色防止の持続効果が小さい。
【0097】疎水性酸化防止剤と高沸点有機溶媒の比率
は、質量比で概ね1:5〜10:1である。
【0098】また、印字後のにじみを防止する目的で水
溶性多価金属イオンを含有してもよい。水溶性多価金属
イオンとしては、2〜4価の多価金属イオンであり、具
体的にはCa2+、Mg2+、Zn2+、Cu2+、Fe3+、N
2+、Co2+、Al3+等が挙げられるが、特にCa2+
Mg2+、Zn2+、Al3+が好ましい。
【0099】上記水溶性多価金属イオンの添加量は、イ
ンクジェット記録用紙1m2当たり概ね0.1〜10ミ
リモルである。0.1ミリモル未満の場合は効果が少な
く、又、10ミリモルを超えると染料の凝集が促進さ
れ、表面でのブロンジング現象を起こし易くなる。特に
好ましいのは0.2〜2ミリモルである。
【0100】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層及び必要に応じて設けられるその他の層には、前
記した以外に各種の添加剤を添加することができる。例
えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリ
メタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン又はこれらの共重合体、尿素樹脂、メラミン
樹脂等の有機ラテックス微粒子;カチオン又はノニオン
の各種界面活性剤;特開昭57−74193号、同57
−87988号及び同62−261476号に記載の紫
外線吸収剤;特開昭57−74192号、同57−87
989号、同60−72785号、同61−14659
1号、特開平1−95091号、同3−13376号等
に記載されている褪色防止剤;特開昭59−42993
号、同59−52689号、同62−280069号、
同61−242871号、特開平4−219266号等
に記載されている蛍光増白剤;硫酸、燐酸、枸櫞酸、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のp
H調整剤;消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マッ
ト剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
【0101】多孔質のインク吸収層は2層以上から構成
されてもよく、この場合、それらのインク吸収層の構成
はお互いに同じであっても異なってもよい。
【0102】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層及び下引層など、必要に応じて適宜設けられる各
種の親水性層を支持体上に塗布する方法は、公知の方法
から適宜選択して行うことができる。好ましい方法とし
ては、各層を構成する塗布液を支持体上に塗設・乾燥す
る方法が挙げられる。この場合、2層以上を同時に塗布
することもでき、特に全ての親水性バインダー層を1回
の塗布で済ます同時塗布が好ましい。
【0103】塗布方式としては、ロールコーティング
法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティン
グ法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法又は
米国特許2,681,294号に記載のホッパーを使用
するエクストルージョンコート法が好ましく用いられ
る。
【0104】本発明のインクジェット記録用紙を用いて
画像記録する際には、水性インクを用いた記録方法が好
ましく用いられる。
【0105】本発明で言う水性インクとは、下記着色剤
及び液媒体、その他の添加剤から成る記録液体である。
【0106】着色剤としては、インクジェットで公知の
直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料又は食品
用色素等の水溶性染料又は水分散性顔料が使用できる。
中でも、特に効果が大きいのは、フタロシアニン系の染
料をシアン染料として含有するものである。フタロシア
ニン系染料は、シアン系染料の中でも特に広く知られ、
かつ用いられているものである。
【0107】水性インクの液媒体の主体である溶媒とし
ては、水及び水溶性の各種有機溶剤、例えばメチルアル
コール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、
t−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール等のアル
コール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等の
ケトン又はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、
ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコー
ル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
チレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,
6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレ
ングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ト
リエタノールアミン等の多価アルコール類;エチレング
リコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル
(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノ
ブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエー
テル類等が挙げられる。
【0108】これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、
ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセ
リン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモ
ノブチルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエー
テル類は好ましいものである。
【0109】その他、水性インクの添加剤としては、例
えばpH調節剤、金属封鎖剤、防黴剤、粘度調整剤、表
面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、防錆剤などが挙げ
られる。水性インクは、インクジェット記録用紙に対す
る濡れ性を良好にするため、20℃において25×10
〜60×10μN/cm、好ましくは30×10〜50
×10μN/cmの範囲内の表面張力を有することが好
ましい。
【0110】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の態様はこれらに限定されるものではな
い。 シリカ水分散液(S−1)の作製 球状コロイダルシリカ(商品名“スノーテックスO”日
産化学(株)製、固形分12%)30kgを80℃にて
撹拌し、ここへ5%酢酸水溶液1kgに溶かした本発明
の一般式(1)で表される化合物の化合物A−1を45
0g加え、これを80℃で3時間撹拌して、シリカ分散
液(S−1)を作製した。 シリカ水分散液(S−2)の作製 5%酢酸水溶液1kgに溶かした化合物A−1に代えて
メタノールにとかした化合物A−4を使用する以外はシ
リカ分散液(S−1)の作製と同様にしてシリカ水分散
液(S−2)を作製した。 シリカ水分散液(S−3)の作製 球状コロイダルシリカに代えて数珠状コロイダルシリカ
(商品名“スノーテックスPS−SO”日産化学(株)
製、固形分12%)を使用する以外はシリカ分散液(S
−1)の作製と同様にしてシリカ水分散液(S−3)を
作製した。 シリカ水分散液(S−4)の作製 球状コロイダルシリカ(商品名“スノーテックスO”日
産化学(株)製、固形分12%)30kgを室温にて撹
拌し、ここへ下記比較化合物(1)を加え、室温で3時
間撹拌して、シリカ分散液(S−4)を作製した。
【0111】
【化10】
【0112】実施例1 1.シリカ混合水分散液(1)の作製 カチオン性ポリマーP−10を1.29kg、エタノー
ル4.2L、プロパノール1.5Lを含有する水混合溶
液(pH=2.5)18Lに、シリカ水分散液(S−
1)の69.4Lを攪拌しながら添加し、ついで、ホウ
酸270gとホウ砂230gを含有する水溶液7.0L
を添加し、消泡剤(SN381:サンノプコ社製)を1
g添加した。
【0113】この混合液を三和工業株式会社製高圧ホモ
ジナイザーで250×9.8N/cm2の圧力で2回分
散し、全量を純水で97Lに仕上げてほぼ澄明なシリカ
混合水分散液(1)を調製した。 2.塗布液(1)の作製 上記シリカ混合水分散液(1)の600mlに40℃で
攪拌しながら、以下の添加剤を順次混合した。
【0114】 ポリビニルアルコール(クラレ工業社製:クラレポバールPVA203) の10%水溶液: 0.6ml ポリビニルアルコール(クラレ工業社製:クラレポバールPVA235) の5%水溶液: 442.8ml 純水で全量を1000mlに仕上げる。
【0115】両面をポリエチレンで被覆した紙支持体
(厚みが220μmでインク吸収層面のポリエチレン中
にはポリエチレンに対して13重量%のアナターゼ型酸
化チタンを含有)に、上記塗布液(1)を湿潤膜厚で1
80μmになるように塗布した。
【0116】塗布直後に0℃に保たれた冷却ゾーンで2
0秒間冷却した後、20〜30℃の風を60秒間、45
℃の風を60秒間、50℃の風を60秒間順次吹き付け
て乾燥し、インクジェット記録用紙1を得た。
【0117】実施例2 インクジェット記録用紙1の作製に使用したシリカ水分
散液(S−1)に代えて、シリカ水分散液(S−2)を
使用した以外はインクジェット記録用紙1の作製と同様
にしてインクジェット記録用紙2を得た。
【0118】実施例3 インクジェット記録用紙1の作製に使用したシリカ水分
散液(S−1)に代えて、シリカ水分散液(S−3)を
使用した以外はインクジェット記録用紙1の作製と同様
にしてインクジェット記録用紙3を得た。
【0119】比較例1 インクジェット記録用紙1の作製に使用したシリカ水分
散液(S−1)に代えて、球状コロイダルシリカ(商品
名“スノーテックスO”日産化学(株)製、固形分12
%)30kgを使用した以外はインクジェット記録用紙
1の作製と同様にしてインクジェット記録用紙4を得
た。
【0120】比較例2 インクジェット記録用紙1の作製に使用したシリカ水分
散液(S−1)に代えて、数珠状コロイダルシリカ(商
品名“スノーテックスPS−SO”日産化学(株)製、
固形分12%)30kgを使用した以外はインクジェッ
ト記録用紙1の作製と同様にしてインクジェット記録用
紙5を得た。
【0121】比較例3 インクジェット記録用紙1の作製に使用したシリカ水分
散液(S−1)に代えて、シリカ水分散液(S−4)を
使用した以外はインクジェット記録用紙1の作製と同様
にしてインクジェット記録用紙6を得た。実施例1〜
3、比較例1〜3について以下の評価を行った。 (1)吸水率 インク吸収層の吸水率を以下の方法で測定し、吸収性の
評価を行った。
【0122】まずインクジェット記録用紙を10cm×
10cmの大きさに切り、乾燥時の目方(これを(a)
とする)を測定する。その後に純水に30秒浸たし、表
面の水をふいて浸水後の目方(これを(b)とする)を
測定する。インク吸収層のない基材のみの目方(c)を
測定する。これらから以下のように吸水率を計算する。
ちなみに基材はRCペーパーであるため基材自身の吸水
量はゼロと仮定した。
【0123】 吸水率=((b)−(a))/((a)−(c)) (2)インク吸収性 ヒューレットパッカード社製インクジェットプリンター
DesignJet2000CPでYMCインク3色各
100%出力合計300%で重ね打ちを行った。プリン
ト直後の印字面の状態を目視で観察して以下のように評
価した。
【0124】 ○:インクが一様に吸収されている △:インクが部分的に吸収されずムラが発生している ×:インクが全面であふれている。
【0125】以上の経過および結果を表1に示す。
【0126】
【表1】
【0127】表1から明らかなように、本発明のインク
ジェット記録用紙試料は優れたインク吸収性を有してい
ることが判る。
【0128】
【発明の効果】本発明によるインクジェット記録用紙
は、インク吸収性に優れた効果を有する。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にシリカ微粒子および水溶性ポ
    リマーを含有する色材受容層を有するインクジェット記
    録用紙において、該シリカ微粒子のコロイダルシリカの
    一次粒子が有機化合物と共有結合して連結したことを特
    徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】 支持体上にシリカ微粒子および水溶性ポ
    リマーを含有する色材受容層を有するインクジェット記
    録用紙において、該シリカ微粒子の一次粒子が2価以上
    の金属イオンにより鎖状または分岐状に連結した数珠状
    のコロイダルシリカが更に有機化合物と共有結合したこ
    とを特徴とするインクジェット記録用紙。
  3. 【請求項3】 前記有機化合物が下記一般式(1)で表
    される化合物であることを特徴とする請求項1または2
    に記載のインクジェット記録用紙。 一般式(1) L−(X)n 式中、Xはシリカ微粒子表面のシラノール基と反応して
    共有結合を形成する基を表す。Lは2価以上の連結基を
    表し、nは2以上の整数を表す。
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)において、Xがトリア
    ルコキシシリル基であることを特徴とする請求項3に記
    載のインクジェット記録用紙。
  5. 【請求項5】 前記水溶性ポリマーがポリビニルアルコ
    ールであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
    項に記載のインクジェット記録用紙。
  6. 【請求項6】 前記色材受容層がホウ酸およびホウ酸塩
    から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請
    求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録
    用紙。
  7. 【請求項7】 前記支持体が原紙の表面をポリオレフィ
    ン樹脂で被覆した紙であることを特徴とする請求項1〜
    6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
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