JP2003211826A - 空隙型インクジェット受像層、インクジェット記録材料及びその製造方法 - Google Patents

空隙型インクジェット受像層、インクジェット記録材料及びその製造方法

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JP2003211826A JP2002008567A JP2002008567A JP2003211826A JP 2003211826 A JP2003211826 A JP 2003211826A JP 2002008567 A JP2002008567 A JP 2002008567A JP 2002008567 A JP2002008567 A JP 2002008567A JP 2003211826 A JP2003211826 A JP 2003211826A
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Tomomi Yoshizawa
友海 吉沢
Kazumasa Matsumoto
和正 松本
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Konica Minolta Inc
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    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間に、低コストで高濃度の塗布液を調製
することが可能で、インク吸収量が大きい高空隙型イン
クジェット受像層を提供することであり、それにより優
れたインクジェット記録材料を提供する。 【解決手段】 気相法シリカからなる粒子とコロイダル
シリカからなる粒子を含有し、光散乱法により測定され
た粒子径が50〜500nmである粒子を含有する塗布
液を用いて形成されたことを特徴とする空隙型インクジ
ェット受像層。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
材料に関し、特に空隙型インクジェット受像層を有する
インクジェット記録材料及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】空隙型インクジェット受像層を有するイ
ンクジェット記録材料は高速のインクジェットプリント
に適し、ドットの形状が真円に近く、高画質が得られる
ことが知られている。
【0003】このような空隙型インクジェット受像層
は、通常気相法により形成された非常に微粒子のシリカ
を用いて形成される。気相法によるシリカは、コロイダ
ルシリカや液相法によるシリカに比べて非常にコストが
高いという問題があり、いかに少ない量で高いインク吸
収性を得ることができるかという技術課題があった。ま
た、気相法シリカは非常に微粒子であること及び表面が
活性なことから、凝集性が強く、塗布液の濃度を上げる
と凝集してしまい、送液ができなかったり、塗布ムラが
生じてしまうと言う問題が発生し、塗布液の濃度を高く
することができなかった。同じインク吸収量を得るた
め、大量の水を含有する塗布液を、wet膜厚を厚く塗
布しなければならず、同じ乾燥能力の工程では、塗布速
度を上げることができず、又蒸発速度を上げようとする
と細かなひび割れが発生すると言う問題があった。
【0004】このような問題を解決する方法として、特
開2001−105720には、気相法シリカとコロイ
ダルシリカを用い、混合して水に分散させた後、5日以
上経過させた後、水溶性ポリマーを加えて得られた塗布
液を支持体上に塗布する方法が記載されている。確かに
上記方法により、初期の粘度の上昇も収まり、安定し
た、塗布可能な粘度となり、それにより形成された空隙
型インクジェット受像層は十分な空隙を有するものであ
った。
【0005】しかしながら、5日間も放置しておかなけ
ればならないと言う点では、分散物を5日間停滞させる
ための製造スペースが必要となり、連続生産しようとす
る場合は特に大きな問題であり、また、塗布液の濃度を
高濃度に調製することは難しく、製造工程としては負荷
が大きく、コストアップの要因となるものであった。
【0006】また、前記技術では気相法シリカの含有量
を増加させないと粒子間相互作用による擬似架橋構造に
よるゲル化を発生させることが困難であり、気相法シリ
カと湿式法シリカの混合比を1:1より気相法シリカ低
下させることは困難であった。しかも粘度が安定となる
状態をつくるのに長時間がかかるという問題から生産効
率が非常に悪かった。
【0007】また湿式法シリカの平均粒子径は数μmで
あり、インクジェット用紙として表面光沢を高めようと
すると粒径を小さくして少なくとも1μm以下とする必
要があるが、従来の分散方法では低濃度で高剪断を与え
るマントンゴーリンや超音波分散で分散させるため、高
濃度塗料は得られにくかった。
【0008】そのため、空隙容量を高めるには気相法シ
リカの擬似三次元架橋構造によるゲル化を利用するには
気相法シリカの含有量が高いことが必要であった。少な
いとゲル化しにくく、乾燥時の乾燥空気圧力で表面が荒
れたりという故障が起き易くなるという問題があった。
【0009】湿式法シリカのうち、コロイダルシリカは
分散操作を必要としないが、粒子間の凝集力は弱くゲル
化には気相法シリカの効果を同様に使うことが必要であ
った。また、大部分のコロイダルシリカはアニオン性で
あるため染料を固着するためのカチオンポリマーとは極
性が異なるため、混合時ゲル化を引き起こし易く、平均
粒子径が大きくなったり粘度が高くなり、結果として濃
度を高くすることができず、気相法シリカの含有量を下
げることと塗料濃度を高くすることの両立をはかること
ができなかった。コロイダルシリカを用いることによ
り、シリカ全体としての価格を低下させ、高濃度塗料を
塗布して生産効率を高めるという点では不十分であっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】即ち、本発明の目的
は、短時間に、低コストで高濃度の塗布液を調製するこ
とが可能で、インク吸収量が大きい高空隙型インクジェ
ット受像層を提供することであり、それにより優れたイ
ンクジェット記録材料を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題は、下記の構成
により解決することができた。
【0012】(1)気相法シリカからなる粒子とコロイ
ダルシリカからなる粒子を含有し、光散乱法により測定
された粒子径が50〜500nmである粒子を含有する
塗布液を用いて形成されたことを特徴とする空隙型イン
クジェット受像層。
【0013】(2)気相法シリカの一次粒子径が5〜2
0nmであることを特徴とする(1)記載の空隙型イン
クジェット受像層。
【0014】(3)コロイダルシリカの一次粒子径が9
〜50nmであることを特徴とする(1)又は(2)記
載の空隙型インクジェット受像層。
【0015】(4)表面を電子顕微鏡で観察したときの
粒径が20〜100nmであることを特徴とする(1)
〜(3)の何れか1項記載の空隙型インクジェット受像
層。
【0016】(5)気相法シリカ質量/コロイダルシリ
カ質量の比が0.1〜1.0の範囲であることを特徴と
する(1)〜(4)の何れか1項記載の空隙型インクジ
ェット受像層。
【0017】(6)気相法シリカがDSC(示差熱分
析)測定において、200〜400℃にピークを有する
ことを特徴とする(1)〜(5)の何れか1項記載の空
隙型インクジェット受像層。
【0018】(7)気相法シリカの赤外分光吸収スペク
トルにおける、3200cm-1と1600cm-1との吸
収比率(A3200/A1600)が2.0〜6.0であること
を特徴とする(1)〜(6)の何れか1項記載の空隙型
インクジェット受像層。
【0019】(8)前記(1)〜(7)の何れか1項記
載の空隙型インクジェット受像層を支持体上に有するこ
とを特徴とするインクジェット記録材料。
【0020】(9)前記(8)記載のインクジェット記
録材料を製造する方法において、気相法シリカ及びコロ
イダルシリカを含有し、固形分濃度が12〜40質量%
の塗布液を塗布乾燥することを特徴とするインクジェッ
ト記録材料の製造方法。
【0021】(10)塗布液の粘度が30〜300mP
a・s(5000〜10000/sの剪断速度におい
て)であることを特徴とする(9)記載のインクジェッ
ト記録材料の製造方法。
【0022】以下、本発明を詳細に説明する。先ず、本
発明に用いられる気相法シリカ、コロイダルシリカにつ
いて説明する。気相法シリカとは、二酸化ケイ素を主体
とする合成ケイ素化合物である合成シリカの中で、四塩
化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作るいわゆる乾
式法または気相法により合成される超微粒子シリカであ
る。気相法シリカの1次粒子径は5〜20nmである。
このような気相法シリカとしては、日本アエロジル社の
AEROSILシリーズ、トクヤマ社のレオロシールシ
リーズなどがある。
【0023】本発明に用いられる気相法シリカがDSC
(示差熱分析)測定において、200〜400℃にピー
クを有することが好ましい。この範囲にピークを有する
と言うことは、活性なシラノール基を有することを表
し、水に分散する際、粒子表面の活性なOH基が互いに
水素結合を形成して、大きな2次粒子を形成することが
できる。このようにして形成された2次粒子中には空隙
が形成され、空隙型インクジェット受像層として機能す
るものである。しかしながら、この2次粒子を形成する
過程で分散液が高粘度化したりゲル化したりするが、あ
る時間経過すると粘度の変化も少なくなり安定状態(安
定な結合状態)となるという特性を示す。
【0024】本発明においては、気相法シリカを用い
て、空隙を効率的につくると共に、如何に安定化するま
での時間を短縮し、且つ高濃度化し得るかを検討したも
のである。
【0025】また、気相法シリカの赤外分光吸収スペク
トルにおける、3200cm-1と1600cm-1との吸
収比率(A3200/A1600)が2.0〜6.0であること
が好ましい。このような吸収比率を有するものとは、安
定なSiOSi結合に対し活性なSiOH(シラノー
ル)の存在比率が高いことを表すもので、表面に活性な
シラノール基を有するものは水素結合を形成しやすく、
凝集を起こし易いものである。
【0026】従来は、表面の活性なOH基は水分散系を
形成するためには、非常に扱い難いものであったが、本
発明においては、この活性なOH基を利用して、凝集し
易い気相法シリカを少量使い、次に示す湿式沈殿法シリ
カを比較的多く用いることにより、適度な凝集性を有
し、分散液の安定化迄の時間が短く、且つ高濃度に調製
し、塗布乾燥負荷の少ない、インクジェット記録材料の
製造方法を提供するものである。
【0027】次にコロイダルシリカについて説明する。
コロイダルシリカは、1次粒子径が9〜50nm程度で
球状であり、このようなコロイダルシリカとしては、日
産化学工業社のスノーテックスシリーズ、触媒化成工業
社のカタロイド−Sシリーズ、バイエル社のレバシルシ
リーズなどがある。
【0028】これらの気相法シリカとコロイダルを水媒
体中で、活性剤、バインダ等と分散して塗布液を形成す
る。形成された塗布液中のシリカの2次粒子径として
は、光散乱法による粒子径は50〜1000nmである
ことが好ましい。
【0029】光散乱法による粒子径の測定方法として
は、堀場製作所製動的光散乱方式の粒度分布計LB−5
00等で測定することが可能である。
【0030】本発明のインクジェット記録材料の空隙型
インクジェット受像層には、記録後の耐水性、滲み耐性
を向上させるために、カチオン性ポリマーを含有するこ
とをが好ましい。カチオン性ポリマーとしては公知のカ
チオン性ポリマーの中から任意に選択して使用すること
が出来る。
【0031】本発明で用いるカチオン性ポリマーは、好
ましくは第4級アンモニウム塩基を有するポリマーであ
り、さらに好ましくは第4級アンモニウム塩基を有する
モノマーの単独重合体または他の共重合し得る1または
2以上のモノマーとの共重合体である。特に好ましく
は、重量平均分子量が2000〜10万のものである。
第4級アンモニウム塩基を有するモノマーの例として
は、例えば、以下の例を挙げることができる。
【0032】
【化1】
【0033】
【化2】
【0034】また、第4級アンモニウム塩基を有するモ
ノマーと共重合し得るモノマーとしてはエチレン性不飽
和基を有する化合物が挙げられ、例えば、以下の具体例
を挙げることができる。
【0035】
【化3】
【0036】特に、第4級アンモニウム塩基を有するカ
チオン性ポリマーが共重合体である場合、用いるカチオ
ン性モノマーの比率は10モル%以上あることが好まし
く、より好ましくは20モル%以上、特に好ましくは3
0モル%以上である。第4級アンモニウム塩基を有する
モノマーは単一で用いても2種類以上を併用してもよ
い。以下に本発明のカチオン性ポリマーの具体例を挙げ
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】
【化4】
【0038】
【化5】
【0039】
【化6】
【0040】
【化7】
【0041】上記第4級アンモニウム塩基を有するカチ
オン性ポリマーは第4級アンモニウム塩基を有するため
に水溶性が一般に高いが、共重合する第4級アンモニウ
ム塩基を含まないモノマーの組成や比率によっては水に
充分に溶解しないものもある。しかし、これらのポリマ
ーであっても、水混和性有機溶媒と水との混合溶媒に溶
解し得るものであれば本発明に使用することができる。
また、カチオン性ポリマーとして、第4級アンモニウム
塩構造を有するシランカップリング剤を加水分解して、
重縮合させたものも使用することもできる。
【0042】ここで水混和性有機溶媒とは、例えば、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパ
ノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、グリセリンなどのグリコール類、酢
酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホル
ムアミド等のアミド類などで、水に対して通常10%以
上溶解し得る有機溶媒をいう。水混和性有機溶媒の使用
量は水の使用量以下であることが好ましい。
【0043】本発明で用いるカチオン性ポリマーは数平
均分子量(Mn)が10万以下であることが好ましい。
ここで数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC)から求められたポリエチレング
リコール値に換算した値である。
【0044】数平均分子量が10万を越える場合には、
カチオン性ポリマーの溶液を表面がアニオン性である無
機微粒子を含有する分散液に添加した際に、凝集物の発
生が激しく、また、その後分散処理を施しても均一な分
散液になりにくく、粗大粒子が多数存在して均一な分散
液になりにくい。特に好ましい数平均分子量は5万以下
である。カチオン性ポリマーの数平均分子量は、染料を
カチオン性ポリマーに吸着させてにじみや水による染料
の流出を防ぐという点からすると通常2000以上とす
ることが好ましい。
【0045】カチオン性ポリマー溶液中に、コロイダル
シリカを徐々に添加することで、液全体が常にカチオン
性を維持されるため分散液が得られ好ましい。この際、
コロイダルシリカを添加する過程では十分な攪拌を行う
ことが好ましく、場合によっては、添加中または添加後
に分散機を併用するなどするのが生産効率上好ましい。
【0046】このようにして得られた混合液は、ミクロ
的に見た場合、微小のダマ状凝集物が多数存在してい
る。これはコロイダルシリカが添加された箇所では局所
的にはコロイダルシリカに対してカチオン性ポリマーが
不足するために、電荷的に不安定な状態が形成されるた
めと推定される。
【0047】このような微小ダマ状凝集物はその後の分
散処理を行うことにより軽減される。この分散処理方法
としては、例えば、高速回転分散機、媒体攪拌型分散機
(ボールミル、サンドミルなど)、超音波分散機、コロ
イドミル分散機、ロールミル分散機、高圧分散機等従来
公知の各種の分散機を使用することができるが、本発明
では形成されるダマ状微粒子の分散を効率的に行うとい
う点からサンドミルが好ましく用いられる。シリカ固形
分の濃度を高めるために30質量%以上の液とすること
が必要なため高濃度で高粘度の塗料を分散させるのに適
している。その他の装置も本発明の目的に適していれば
使用可能である。
【0048】超音波分散機は通常は20〜25kHzの
超音波を照射し、固液界面にエネルギーを集中させるこ
とで分散するものであり非常に効率的に分散されるが、
大量の分散液を調製する必要がある場合にはあまり適当
ではない。一方、高圧分散機は3個または5個のピスト
ンを持った高圧ポンプの出口に、ねじまたは油圧によっ
てその間隙を調整できるようになっている均質バルブを
1個または2個備えられたものであり、高圧ポンプによ
り送液された液媒体が均質バルブによりその流れが絞ら
れて圧力がかかり、この均質バルブを通過される瞬間に
微小なダマ物質が粉砕される。
【0049】この分散処理方法は連続的に多量の液を分
散できるために、多量の液を製造する場合特に好ましい
方法である。均質バルブに加えられる圧力は通常5〜1
00MPaであり、分散は1回のパスで済ますことも多
数回繰り返して行うことも出来る。上記の分散処理方法
は2種以上を併用することも可能である。
【0050】このようにして形成された塗布液中の気相
法シリカ質量/コロイダルシリカ質量の比が0.01〜
1.0の範囲である。このような範囲とすることによ
り、コストの高い気相法シリカを少量使い、効率的に空
隙を形成し、且つ短時間に安定な塗布液を形成すること
が可能となる。
【0051】このようにして形成された塗布液の固形分
濃度は、12〜40質量%であることが好ましい。比較
的高濃度に形成することができ、乾燥工程の負荷を軽減
し、生産性の向上を図ることが可能である。
【0052】塗布液の粘度としては、30〜300mP
a・s(5000〜10000/sの剪断速度におい
て)であることが好ましく、本発明の方法により比較的
高濃度であっても高粘度とならず、塗布し易い塗布液と
することが可能である。
【0053】上記の分散液を調製する際には、各種の添
加剤を添加して調製することが出来る。例えば、ノニオ
ン性またはカチオン性の各種の界面活性剤(アニオン性
界面活性剤は凝集物を形成するために好ましくない)、
消泡剤、ノニオン性の親水性ポリマー(例えば、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン
オキサイド、ポリアクリルアミド、各種の糖類、ゼラチ
ン、プルラン等)、ノニオン性またはカチオン性のラテ
ックス分散液、水混和性有機溶媒(酢酸エチル、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノー
ル、アセトンなど)、無機塩類、pH調整剤など、必要
に応じて適宜使用することができる。
【0054】また、本発明のインクジェット記録材料に
おいては、受像層の架橋による造膜性を上げるためにイ
ンク受像層中にホウ酸はおよび/またはホウ酸塩を含有
するのが好ましい。ホウ酸もしくはその塩としては、ホ
ウ素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことを示
し、具体的には、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ
酸、四ホウ酸、五ホウ酸、八ホウ酸及びそれらの塩が含
まれる。これらのホウ酸またはその塩は、記録材料1m
2当たり0.05〜2g、好ましくは0.1〜1gの範
囲で用いられる。
【0055】本発明のインクジェット記録材料に用いら
れる支持体としては非吸水性支持体が好ましく、透明支
持体であっても不透明支持体であってもよい。透明支持
体としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ジアセテー
ト系樹脂、トリアセテート系樹脂、アクリル系樹脂、ポ
リカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイ
ミド系樹脂、セロハン、セルロイド等の材料からなるフ
ィルム等が挙げられる。
【0056】本発明の記録材料がOHPとして使用され
た時には、輻射熱に耐える性質を有する支持体が好まし
く、ポリエステル系樹脂、特に、コストの点からポリエ
チレンテレフタレートが好ましい。このような透明な支
持体においては、厚さとしては、約10〜200μmが
好ましい。
【0057】また、不透明支持体としては、例えば、基
紙の少なくとも一方に白色顔料等を添加したポリオレフ
ィン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(所謂RCペーパ
ー)、ポリエチレンテレフタレート(PET)に硫酸バ
リウム、酸化チタン等の白色顔料を添加してなる所謂ホ
ワイトPETが好ましい。支持体に受像層を設ける場
合、支持体と受像層との接着強度を大きくする等の目的
で、受容層の塗布に先立って、支持体にコロナ放電処理
や下引処理等を行うことが好ましい。更に、本発明のイ
ンクジェット記録材料は、必ずしも無色である必要はな
く、着色されていてもよい。
【0058】本発明のインクジェット記録材料におい
て、支持体として原紙の両面をポリエチレンでラミネー
トした紙支持体を用いことは、記録画像が写真画質に近
く、しかも、低コストで高品質の画像が得られるために
特に好ましい。
【0059】以下、上記のポリエチレンでラミネートし
た紙支持体について説明する。紙支持体に用いられる原
紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じてポリプロ
ピレン等の合成パルプあるいはナイロンやポリエステル
等の合成繊維を加えて抄紙することによって得られる。
木材パルプとしては、LBKP、LBSP、NBKP、
NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPの何れ
も用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、N
BSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いるこ
とが好ましい。ただし、LBSP及び/またはLDPの
比率は10〜70質量%が好ましい。パルプとしては、
不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パ
ルプ)が好ましく用いられ、また、漂白処理を行って白
色度を向上させたパルプも有用である。
【0060】原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテン
ダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化
チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白
剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散
剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加する
ことができる。
【0061】抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSF
の規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後
の繊維長は、JIS P 8207に規定される24メ
ッシュ残分質量%と42メッシュ残分質量%との和で示
した場合、30〜70%であることが好ましい。なお、
24メッシュ残分の質量%は20質量%以下であること
が好ましい。原紙の坪量は30〜250gが好ましく、
特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さは40〜2
50μmが好ましい。
【0062】原紙は、抄紙段階または抄紙後にカレンダ
ー処理して高平滑性を与えることもできる。原紙密度は
0.7〜1.2g/m2(JIS P 8118)が一
般的である。更に、原紙剛度はJIS P 8143に
規定される条件で0.2〜2Nが好ましい。原紙表面に
は表面サイズ剤を塗布してもよく、表面サイズ剤として
は、前記原紙中添加できるサイズ剤と同様のサイズ剤を
使用できる。原紙のpHは、JIS P 8113で規
定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であ
ることが好ましい。
【0063】原紙表面及び/または裏面を被覆するポリ
エチレンは、主として低密度ポリエチレン(LDPE)
及び/または高密度ポリエチレン(HDPE)である
が、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用する
ことができる。特に、インク受容層側のポリエチレン層
は、写真用印画紙で広く行われているようにルチルまた
はアナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加
し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸
化チタン含有量は、ポリエチレンに対して概ね3〜20
質量%、好ましくは4〜13質量%である。
【0064】ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用い
ることも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融、押
し出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理を
行って、通常の写真印画紙で得られるようなマット面や
絹目面を形成しても用いることができる。原紙の表裏に
設けるポリエチレンの使用量は、インク受容層やバック
層を設けた後で低湿及び高湿化でのカールを最適化する
ように選択されるが、概ねインク受容層側のポリエチレ
ン層が20〜40μm、バック層側が10〜30μmの
範囲である。
【0065】更に、ポリエチレン被覆紙支持体は、以下
の特性を有していることが好ましい。 1)引っ張り強さ:JIS P 8113で規定される
強度で縦方向が20〜300N、横方向が10〜200
N 2)引き裂き強度:JIS P 8116による規定方
法で縦方向が0.1〜2N,横方向が0.2〜2N 3)弾性:圧縮弾性率≧10MPa 4)面ベック平滑度:JIS P 8119に規定され
る条件で20秒以上(光沢面)、型付け品ではこれ以下
も可 5)不透明度:直線光入射/拡散光透過条件の測定条件
で、可視域の光線での透過率が20%以下(特に15%
以下) 本発明のインクジェット記録材料において、インク吸収
層に褪色防止剤として水溶性還元剤、含硫黄化合物また
は疎水性酸化防止剤の乳化分散物を添加することもでき
る。上記水溶性還元剤は、特開平8−300807号公
報、同8−150773号公報、同8−108617号
公報、同9−267544号公報等に記載されており、
例えば、亜硫酸塩、亜硝酸塩、亜燐酸塩、チオ硫酸塩、
アスコルビン酸またはその塩、ヒドロキシルアミン誘導
体(例えば、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、
N,N−ジスルホエチルヒドロキシルアミン・ナトリウ
ム塩、N−ヒドロキシフタルイミド、N,N−ジカルボ
キシエチルヒドロキシルアミン・ナトリウム塩等)、グ
ルコース等が挙げられる。
【0066】上記含硫黄化合物は、特開昭61−177
279号公報、同61−163886号公報、同64−
36479号公報、特開平7−314883号公報、同
7−314882号公報、同1−115677号公報等
に記載されており、例えば、チオシアン酸塩、チオ尿
素、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプ
トベンズチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾー
ル、5−メルカプト−1−メチルテトラゾール、2,5
−ジメルカプト−1,3,4−トリアゾール、2,4,
6−トリメルカプトシアヌル酸、チオサリチル酸、チオ
ウラシル、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)
エタン等が挙げられる。疎水性酸化防止剤としては、例
えば、特開昭57−74192号公報、同57−879
89号公報、特開平1−115667号公報、同3−1
3376号公報等に記載されているような公知の酸化防
止剤が使用できる。特に好ましい酸化防止剤は、水酸基
のオルト位の少なくとも一方が3級アルキル基で置換さ
れている所謂ヒンダードフェノール系酸化防止剤、窒素
原子に連結する二つの炭素原子がアルキル基で共に置換
されているピペリジン系酸化防止剤(所謂ヒンダードア
ミン類)、フェノール類またはポリヒドロキシベンゼン
類の少なくとも一つの水酸基がアルキル基によりエーテ
ル化されている酸化防止剤である。
【0067】疎水性酸化防止剤は、好ましくは疎水性高
沸点有機溶媒(ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ
−i−デシルフェタレート、トリクレジルホスフェー
ト、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート等)と共に
親水性バインダー中に乳化分散された状態で添加され
る。この疎水性酸化防止剤をアセトンやメタノール等の
有機溶媒に溶解して添加したり、あるいは湿式粉砕法で
添加した場合には、褪色防止の持続効果が小さい。
【0068】疎水性酸化防止剤と高沸点有機溶媒の比率
は、質量比で概ね1:5〜10:1である。また、印字
後のにじみを防止する目的で水溶性多価金属イオンを含
有してもよい。
【0069】用いることができる水溶性多価金属イオン
としては、2〜4価の多価金属イオンが挙げられ、具体
的には、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Cu2+、Fe3+、N
2+、Co2+、Al3+等が挙げられるが、特に、C
2+、Mg2+、Zn2+、Al3+が好ましい。多価金属イ
オンの添加量は、記録材料1m2当たり概ね0.1〜1
0ミリモルである。0.1ミリモル未満の場合は効果が
少なく、また、10ミリモルを超えると染料の凝集が促
進され、表面でのブロンジング現象を起こし易くなる。
特に好ましいのは0.2〜2ミリモルである。本発明の
インクジェット記録材料に設けられるインク吸収層及び
必要に応じて設けられるその他の層には、前記した以外
に各種の添加剤を添加することができる。
【0070】これら添加剤としては、例えば、ポリスチ
レン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エ
ステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ま
たはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂
等の有機ラテックス微粒子;カチオンまたはノニオンの
各種界面活性剤;特開昭57−74193号公報、同5
7−87988号公報及び同62−261476号公報
に記載の紫外線吸収剤;特開昭57−74192号公
報、同57−87989号公報、同60−72785号
公報、同61−146591号公報、特開平1−950
91号公報及び同3−13376号公報等に記載されて
いる褪色防止剤;特開昭59−42993号公報、同5
9−52689号公報、同62−280069号公報、
同61−242871号公報及び特開平4−21926
6号公報等に記載されている蛍光増白剤;硫酸、燐酸、
枸櫞酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリ
ウム等のpH調整剤;消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防
止剤、マット剤等の公知の各種添加剤が挙げられる。多
孔質の色材受容層は2層以上から構成されてもよく、こ
の場合、これら2層以上の層の構成はお互いに同じであ
っても異なっていてもよい。
【0071】本発明のインクジェット記録材料の色材受
容層及び下引層、その他、必要に応じて適宜設けられる
各種の親水性層の支持体上への塗布には、公知の塗布方
法を適宜選択して用いることができる。好ましい方法
は、各層を構成する塗布液を支持体上に塗設・乾燥する
方法である。この場合、2層以上を同時に塗布すること
もでき、特に、全ての親水性バインダー層を1回の塗布
で済ます同時塗布が好ましい。
【0072】塗布方式としては、例えば、ロールコーテ
ィング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコー
ティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方
法または米国特許2,681,294号明細書に記載の
ホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ま
しく用いられる。
【0073】本発明のインクジェット記録材料を用いて
画像記録する際には、水性インクを用いた記録方法が好
ましく用いられる。
【0074】本発明でいう水性インクとは、着色剤及び
液媒体、その他の添加剤から成る記録液体である。着色
剤としては、インクジェットで公知の直接染料、酸性染
料、塩基性染料、反応性染料または食品用色素等の水溶
性染料または水分散性顔料が使用できる。中でも、特に
効果が大きいのは、フタロシアニン系の染料をシアン染
料として含有するものである。フタロシアニン系染料
は、シアン系染料の中でも特に広く知られ、かつ用いら
れているものである。
【0075】水性インクの溶媒としては、水及び水溶性
の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、i−プロ
ピルアルコール、ブチルアルコール、t−ブチルアルコ
ール、i−ブチルアルコール等のアルコール類;ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;
アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケト
ンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサント
リオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、
ジエチレングリコール、グリセリン、トリエタノールア
ミン等の多価アルコール類;エチレングリコールメチル
エーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエチ
ル)エーテル、トリエチレングリコールモノブチルエー
テル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が
挙げられる。
【0076】これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、
ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセ
リン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモ
ノブチルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエー
テル類は好ましいものである。
【0077】その他、水性インクの添加剤としては、例
えば、pH調節剤、金属封鎖剤、防黴剤、粘度調整剤、
表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤及び防錆剤などが
挙げられる。水性インク液は、記録材料に対する濡れ性
を良好にするため、20℃において2.5〜6.0MN
/cm、好ましくは3.0〜5.0MN/cmの範囲内
の表面張力を有することが好ましい。
【0078】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの例に限定されるものではな
い。
【0079】《各混合シリカ分散液(A)の調製》 比較例1 スノーテックス−O(1次粒子径10〜20nm、20
%水分散液、日産化学工業製、コロイダルシリカ)62
5g中に、AEROSIL300(1次粒子径7nm、
日本アエロジル社製、気相法シリカ)125gをカチオ
ンポリマーP−1 25%水溶液100gを純水400
gに溶解した水溶液に懸濁させた液をディゾルバーで少
しづつ添加して混合シリカ分散液(A)を調製した。
【0080】シリカ固形分20質量%で気相法シリカ:
コロイダルシリカ=1:1の分散液となった。
【0081】比較例2 上記混合シリカ分散液(A)においてスノーテックス−
Oを使用せずに純水625gとカチオンポリマーP−1
25%水溶液100gを純水400gに溶解した水溶
液にAEROSIL300 250gをディゾルバーで
少しづつ添加して混合シリカ分散液(A)を調製した。
【0082】シリカ固形分20質量%で気相法シリカ:
コロイダルシリカ=1:0の分散液とした。
【0083】実施例1〜4 更に、気相法シリカ及びコロイダルシリカを、表1に示
す量及び種類となるように変化させ実施例1〜4の各混
合シリカ分散液(A)を得た。
【0084】
【表1】
【0085】《各混合シリカ分散液(B)の調製》上記
の各混合シリカ分散液(A)1000gを攪拌しなが
ら、ホウ酸3.9gとホウ砂3.3gを純水240gに
溶解した溶液を添加し、更に消泡剤(SN381:サン
ノプコ社製)を1g添加した。この混合液を三和工業株
式会社製高圧ホモジナイザーで24.5MPaの圧力で
2回分散し、ほぼ澄明な各混合シリカ分散液(B)を調
製した。
【0086】《塗布液の調製》各混合シリカ分散液
(B)530gを40℃で攪拌しながら、以下の添加剤
を順次混合し、塗布液(1)を調製した。 (1)ポリビニルアルコール(クラレ工業社製:クラレポバールPVA203) の10%水溶液 20g (2)ポリビニルアルコール(クラレ工業社製:クラレポバールPVA235) の5%水溶液 4360g (3)純水で所定濃度となるように調整する。
【0087】得られた各塗布液の光散乱法による粒径、
固形分濃度及び塗布液の粘度を表2に示す。尚、比較例
2は同様にして塗布液を調製したが、固形分濃度を10
%に低下させないと流動しないため純水を加えて濃度を
10%に調整した。尚、光散乱法による粒子径の測定方
法としては、堀場製作所製動的光散乱方式の粒度分布計
LB−500で測定した。
【0088】
【表2】
【0089】《塗布、乾燥》両面をポリエチレンで被覆
した紙支持体(厚み220μm:受像層面側のポリエチ
レン中にはポリエチレンに対して13質量%のアナター
ゼ型酸化チタンを含有)上に、上記塗布液を、40℃に
加温し、スライドホッパーで湿潤膜厚で180μmにな
るように塗布し、塗布直後に0℃に保たれた冷却ゾーン
で20秒間冷却した後、20〜30℃の風で60秒間、
45℃の風で60秒間、50℃の風で60秒間順次乾燥
してインクジェット記録材料を得た。
【0090】尚、比較例2は同じ塗布条件では水分量が
多いため十分に乾燥せず、最後に60℃に温度を上げて
乾燥した。
【0091】得られた各試料について、下記の評価方法
により、ひび割れ、塗布性、表面光沢性の評価を行っ
た。評価結果を表3に示す。
【0092】〈ひび割れの評価〉各記録材料1m2当た
りのひび割れ発生個数を計測し、その数値から3段階評
価した。
【0093】 ○:10個未満 △:10〜100個未満 ×:100個以上 〈塗布性(膜面ムラ)の評価〉セイコーエプソン社製の
インクジェットプリンターPM770Cを用い、反射濃
度が約1.0のニュートラルグレー色を全面ベタ印字し
て、下記に示す基準に則り、ムラの有無を目視で5段階
評価した。
【0094】 ◎:ムラが全くなし ○:ムラが僅かに認められるがベタ印字しても実技上は
問題ないレベル △:ムラがベタ印字ではっきりわかる程度であるが、実
際のプリントでは殆ど問題ないレベル ×:グレーの色ムラが認められ、実技上許容され得ない
レベル ××:全く許容され得ないレベル 上記の評価ランクにおいて、実用上、×及び××は、商
品価値が無い。
【0095】〈光沢性の評価〉評価サンプルの黒ベタチ
ャート部の画像を写像性測定器ICM−1DP(スガ試
験機械社製)で反射60度、光学くし2mmでの写像性
(光沢値C値%)を測定した。評価は、以下の基準によ
って行った。
【0096】 ◎:C値%が61以上 ○:C値%が60〜51 △:C値%が50〜41 ×:C値%が40以下 上記評価ランクにおいて、◎、○が実用上好ましいラン
クと判断した。
【0097】
【表3】
【0098】本発明の試料は、ひび割れが少なく、塗布
性も良好で、光沢性も高く、優れたインクジェット記録
材料が得られることが分かる。
【0099】
【発明の効果】本発明の方法により、短時間に調製した
塗布液を用いて形成されたインクジェット受像層であっ
ても、ひび割れは少なく、塗布性は良好であり、光沢性
も高く、優れたインクジェット記録材料を得ることがで
きた。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気相法シリカからなる粒子とコロイダル
    シリカからなる粒子を含有し、光散乱法により測定され
    た粒子径が50〜500nmである粒子を含有する塗布
    液を用いて形成されたことを特徴とする空隙型インクジ
    ェット受像層。
  2. 【請求項2】 気相法シリカの一次粒子径が5〜20n
    mであることを特徴とする請求項1記載の空隙型インク
    ジェット受像層。
  3. 【請求項3】 コロイダルシリカの一次粒子径が9〜5
    0nmであることを特徴とする請求項1又は2記載の空
    隙型インクジェット受像層。
  4. 【請求項4】 表面を電子顕微鏡で観察したときの粒径
    が20〜100nmであることを特徴とする請求項1〜
    3の何れか1項記載の空隙型インクジェット受像層。
  5. 【請求項5】 気相法シリカ質量/コロイダルシリカ質
    量の比が0.1〜1.0の範囲であることを特徴とする
    請求項1〜4の何れか1項記載の空隙型インクジェット
    受像層。
  6. 【請求項6】 気相法シリカがDSC(示差熱分析)測
    定において、200〜400℃にピークを有することを
    特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の空隙型イン
    クジェット受像層。
  7. 【請求項7】 気相法シリカの赤外分光吸収スペクトル
    における、3200cm-1と1600cm-1との吸収比
    率(A3200/A1600)が2.0〜6.0であることを特
    徴とする請求項1〜6の何れか1項記載の空隙型インク
    ジェット受像層。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れか1項記載の空隙型
    インクジェット受像層を支持体上に有することを特徴と
    するインクジェット記録材料。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のインクジェット記録材料
    を製造する方法において、気相法シリカ及びコロイダル
    シリカを含有し、固形分濃度が12〜40質量%の塗布
    液を塗布乾燥することを特徴とするインクジェット記録
    材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 塗布液の粘度が30〜300mPa・
    s(5000〜10000/sの剪断速度において)で
    あることを特徴とする請求項9記載のインクジェット記
    録材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005126466A (ja) * 2003-10-21 2005-05-19 Konica Minolta Holdings Inc インクジェット用水性染料インクおよびインクジェット記録方法

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