JP2000313165A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JP2000313165A JP2000124045A JP2000124045A JP2000313165A JP 2000313165 A JP2000313165 A JP 2000313165A JP 2000124045 A JP2000124045 A JP 2000124045A JP 2000124045 A JP2000124045 A JP 2000124045A JP 2000313165 A JP2000313165 A JP 2000313165A
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勝 土屋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 必要最小限度の固体微粒子と親水性バインダ
ーの使用により、高いインク吸収性の空隙構造を有する
インクジェット記録用紙の提供。 【解決手段】 支持体上に空隙層を有するインクジェッ
ト記録用紙において、該支持体が疎水性支持体であり、
かつ該空隙層の少なくとも1層が親水性バインダーと無
機微粒子を含有し、該親水性バインダーが硬膜されてい
ることを特徴とするインクジェット用記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インクを用い
て記録を行うインクジェット記録用紙に関し、特にイン
ク吸収層が高いインク吸収性を有する空隙層からなるイ
ンクジェット記録用紙において、皮膜の脆弱性を改善し
て高空隙容量を達成したインクジェット記録用紙に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、インクの微小液
滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シー
トに付着させ、画像・文字などの記録を行うものである
が、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点
を有している。この方式で従来から問題となっていたノ
ズルの目詰まりとメンテナンスについては、インクおよ
び装置の両面から改良が進み、現在では各種プリンタ
ー、ファクシミリ、コンピューター端末等、さまざまな
分野に急速に普及している。
【0003】このインクジェット記録方式で使用される
インクジェット記録用紙(以下、単に記録用紙ともい
う)としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく
鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドットが重
なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだりし
ないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大
きくなく、かつ周辺が滑らかでぼやけないこと等が要求
される。
【0004】特にインク吸収速度が遅い場合には、2色
以上のインク液滴が重なって記録される際に、インクジ
ェット記録用紙上で液滴がハジキ現象を起こしてムラに
なったり、また、異なる色の境界領域でお互いの色が滲
んだりして画質を大きく低下させやすいために、インク
ジェット記録用紙としては高いインク吸収性を持たせる
ようにすることが必要である。
【0005】これらの問題を解決するために、従来から
非常に多くの技術が提案されている。
【0006】例えば、特開昭52−53012号に記載
されている低サイズ原紙に表面加工用の塗料を湿潤させ
たインクジェット記録用紙、特開昭55−5830号に
記載されている支持体表面にインク吸収性の塗層を設け
たインクジェット記録用紙、特開昭56−157号に記
載されている被履層中の顔料として非膠質シリカ粉末を
含有するインクジェット記録用紙、特開昭57−107
878号に記載されている無機顔料と有機顔料を併用し
たインクジェット記録用紙、特開昭58−110287
号に記載されている2つの空孔分布ピークを有するイン
クジェット記録用紙、特開昭62−111782号に記
載されている上下2層の多孔質層からなるインクジェッ
ト記録用紙、特開昭59−68292号、同59−12
3696号および同60−18383号などに記載され
ている不定形亀裂を有するインクジェット記録用紙、特
開昭61−135786号、同61−148092号お
よび同62−149475号等に記載されている微粉末
層を有するインクジェット記録用紙、特開昭63−25
2779号、特開平1−108083号、同2−136
279号、同3−65376号および同3−27976
号等に記載されている特定の物性値を有する顔料や微粒
子シリカを含有するインクジェット記録用紙、特開昭5
7−14091号、同60−219083号、同60−
210984号、同61−20797号、同61−18
8183号、特開平5−278324号、同6−920
11号、同6−183134号、同7−137431
号、同7−276789号等に記載されているコロイド
状シリカ等の微粒子シリカを含有するインクジェット記
録用紙、および特開平2−276671号、同3−67
684号、同3−215082号、同3−251488
号、同4−67986号、同4−263983号および
同5−16517号などに記載されているアルミナ水和
物微粒子を含有するインクジェット記録用紙等が多数知
られている。
【0007】上記した各種の方法は、一般に皮膜中に空
隙を形成してそこにインクを吸収させるものであり、皮
膜はインク吸収時には殆ど膨潤しない。このため、空隙
形成による皮膜がインクを受容する際には、空隙量は皮
膜の膜厚以下に原理的に制限されてしまう。
【0008】例えば、乾燥膜厚が40μmである皮膜に
おいて、固形分が均一な容積として仮に22μmである
皮膜を想定すると空隙量はインクジェット記録用紙1m
2当たり(40−22)=18ml/m2しか有さないこ
とになり、記録方式にもよるが最大インク量付近でイン
ク吸収容量が不足し兼ねない場合が生じる。
【0009】インク吸収容量が不足するとインク液は記
録紙表面に溢れて鮮明な画像を得ることができなくな
る。
【0010】空隙構造を有する皮膜において、高い空隙
容量を達成するためには塗布膜厚を増大させるのが最も
効果的ではあるが、この場合には製造上コストが増大し
たりする不利があるだけでなく、固形分も一緒に増加す
るために皮膜のカールや脆弱性(特に低湿下のヒビワレ
や支持体に対する膜接着性)が大きく低下しやすい。
【0011】このために、最小量のバインダー等の固形
分を使用して出来るだけ多くの空隙を形成して全体の乾
燥膜厚は極力低減することが好ましい。
【0012】バインダー等の固形分に対する空隙容量を
高める端的な方法は、親水性バインダーに対する無機微
粒子の割合を増加させることであり、他に不要な固形分
を可能な限り使用しないことであるが、この場合には皮
膜の脆弱性が極端に劣化してしまう問題点がある。
【0013】皮膜の脆弱性が劣化すると、インクジェッ
ト記録用紙の取り扱い時やインクジェットプリンターで
の給紙や搬送時に皮膜剥がれが生じたり、あるいはヒビ
ワレが生じて、このヒビワレに沿って画像が滲むという
重大な欠点を生じる。
【0014】一方、皮膜中に空隙を設けることなくイン
ク吸収層のバインダーの膨潤作用でインクを吸収、保持
するタイプのインクジェット記録用紙も数多く知られて
いる。
【0015】例えば、バインダーとしてゼラチン、カゼ
イン、澱粉、アルギン酸、ポリビニルアルコール、各種
の変成ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、
ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキエチルセルロー
ス、デキストラン、プルラン等の親水性バインダーを支
持体上に塗布した記録紙やフィルム等も従来から数多く
知られている。
【0016】これらのインクジェット記録用紙は高い光
沢性や光学濃度を持った鮮明な画像が得られ、また、皮
膜のバインダーのインク液に対する膨潤作用でインク液
を受容するために高いインク吸収容量を本質的に保有す
ることが出来る利点があるものの、インク吸収速度は空
隙構造を有するインクジェット記録用紙に比べて劣り、
特に高インク量の印字がされた部分でインク液滴同士の
はじきによるざらつきが起こりやすい欠点がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の実態に
鑑みてなされたものであって、本発明が解決しようとす
る課題は、必要最小限度の固体微粒子と親水性バインダ
ーの使用により、高いインク吸収性の空隙構造を有する
インクジェット記録用紙を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下
の構成により達成される。
【0019】1.支持体上に空隙層を有するインクジェ
ット記録用紙において、該支持体が疎水性支持体であ
り、かつ該空隙層の少なくとも1層が親水性バインダー
と無機微粒子を含有し、該親水性バインダーが硬膜され
ていることを特徴とするインクジェット記録用紙。
【0020】2.前記支持体が原紙の両面をポリエチレ
ンでラミネートした支持体であることを特徴とする前記
1に記載のインクジェット記録用紙。
【0021】3.前記原紙の坪量が30〜250g/m
2であることを特徴とする前記2に記載のインクジェッ
ト記録用紙。
【0022】4.前記ポリエチレンがルチル又はアナタ
ーゼ型の酸化チタンを含有することを特徴とする前記2
又は3に記載のインクジェット記録用紙。
【0023】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明のインクジェット記録用紙が有する空隙層は親水性の
バインダーと無機微粒子を含有するものである。
【0024】従来、皮膜中に空隙を形成する方法は種々
知られており、例えば、 2種以上のポリマーを含有する均一な塗布液を支持体
上に塗布し、乾燥過程でこれらのポリマーを互いに相分
離させて空隙を形成する方法、 固体微粒子および親水性または疎水性バインダを含有
する塗布液を支持体上に塗布し、乾燥後に、インクジェ
ット記録用紙を水或いは適当な有機溶媒を含有する液に
浸漬して固体微粒子を溶解させて空隙を形成する方法、 皮膜形成時に発泡する性質を有する化合物を含有する
塗布液を塗布後、乾燥過程でこの化合物を発泡させて皮
膜中に空隙を形成する方法、 多孔質固体微粒子と親水性バインダーを含有する塗布
液を支持体上に塗布し、多孔質微粒子中や微粒子間に空
隙を形成する方法、 親水性バインダーに対して概ね等量以上(好ましくは
1.0倍以上)の容積を有する固体微粒子及びまたは微
粒子油滴と親水性バインダーを含有する塗布液を支持体
上に塗布して固体微粒子の間に空隙を形成する方法 及び本発明に用いられる平均粒径が約0.1μm程度
以下の無機固体微粒子を塗布液調製時または皮膜形成時
に軟凝集させて2次粒子または3次元構造を形成して空
隙を形成する方法等が知られている。
【0025】本発明のインクジェット記録用紙において
は、高い光沢性、乾燥膜厚に対する高い空隙率および、
空隙構造の保存中の安定性等の観点から、上記した中で
も、の軟凝集を形成する方法による空隙形成方法が好
ましい。
【0026】軟凝集を形成して空隙構造を皮膜中に形成
する方法は、好ましくは親水性バインダーを含有する水
溶液中に分散状態にある1次超微粒子が、接触点が比較
的制限された状態でお互いに凝集し合う状態を経由して
形成される。
【0027】このような軟凝集構造は直線的もしくは分
岐状に凝集体を形成したものが水溶液中に分散された状
態や、あるいはこれらの凝集体が更に凝集し合って水溶
液中で3次元網目構造をとる状態が含まれる。
【0028】いずれの場合であっても、この水溶液を支
持体上に塗布乾燥することによって、形成された皮膜中
に微細な空隙構造を形成することが出来る。
【0029】この様にして得られた皮膜中の微細な空隙
の大きさは、概ね1次粒子の大きさからそれらの数倍程
度の大きさであり、微細な大きさの空隙である特徴があ
る。
【0030】この様な軟凝集構造を形成する方法として
は、例えば1次粒子がお互いに凝集しにくく、安定に存
在できるような親水性バインダーを含有する水溶液中
に、粒子の凝集を加速するような親水性ポリマーを極微
量添加して僅かに凝集を形成する方法、あるいは1次粒
子表面と弱い結合が出来るような水溶性バインダーを有
する水溶液中で形成される。
【0031】本発明では、特に、後者の方法が空隙の量
を比較的コントロールしやすく安定に形成しやすいこ
と、使用する微粒子の量に比較してより多い空隙量が得
られること、さらには皮膜の光沢性がより高い皮膜が得
られることから好ましい。
【0032】後者の方法により空隙を形成する場合、1
次粒子の粒径としては概ね0.003〜0.05μmの
1次粒子を用いることがより高い光沢性が得られること
から好ましい。特に好ましい1次粒子は0.004μm
〜0.02μmのものである。
【0033】本発明の無機微粒子としては、例えば、シ
リカ、珪酸マグネシウムや珪酸カルシウム等の珪酸塩、
水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、合成ヘクトライト等
各種スメクタイト粘土(例えば特開平7−81210号
および同6−184998号などに記載された粘土)等
が挙げられる。
【0034】また、本発明の親水性バインダーとして
は、従来公知の各種親水性バインダーが用いられ、例え
ばゼラチンまたはゼラチン誘導体、ポリビニルピロリド
ン(平均分子量が約20万以上が好ましい)、プルラ
ン、ポリビニルアルコールまたはその誘導体(平均分子
量が約2万以上が好ましい)、ポリエチレングリコール
(平均分子量が10万以上が好ましい)、カルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキス
トラン、デキストリン、ポリアクリル酸およびその塩、
寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラ
ギーナン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、ア
ルギン酸、アラビアゴム、プルラン、特開平7−195
826号および同7−9757号に記載のポリアルキレ
ンオキサイド系共重合性ポリマー、水溶性ポリビニルブ
チラール、あるいは、特開昭62−245260号に記
載のカルボキシル基やスルホン酸基を有するビニルモノ
マーの単独またはこれらのビニルモノマーを繰り返して
有する共重合体等のポリマーを挙げることができる。こ
れらの親水性バインダーは単独で使用しても良く、2種
以上を併用しても良い。
【0035】特に好ましい親水性バインダーは、ポリビ
ニルアルコールまたはカチオン変成ポリビニルアルコー
ルである。
【0036】本発明で好ましく用いられるポリビニルア
ルコールは平均重合度が300〜4000のものが好ま
しく用いられ、特に平均分子量が1000以上のものが
得られる皮膜の脆弱性が良好であることから好ましい。
また、ポリビニルアルコールのケン化度は70〜100
%のものが好ましく、80〜100%のものが特に好ま
しい。また、カチオン変性ポリビニルアルコールは、カ
チオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニ
ルとの共重合体をケン化することにより得られる。
【0037】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミ
ド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(−メタクリルアミドプロピル)アン
モニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジ
メチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられ
る。
【0038】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%であ
る。
【0039】カチオン変性ポリビニルアルコールの重合
度は通常500〜4000、好ましくは1000〜40
00が好ましい。
【0040】また、カチオン変成ポリビニルアルコール
のケン化度は通常60〜100モル%、好ましくは70
〜99モル%である。
【0041】本発明で特に好ましいのは微粒子シリカを
1次粒子として使用し、親水性バインダーとしてポリビ
ニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールを用い
る場合である。この場合、微粒子シリカ表面のシラノー
ル基とビニルアルコールの水酸基が弱い水素結合を行
い、軟凝集体が形成される。
【0042】1次粒子シリカとしては平均粒径が特に
0.02μm以下のものが好ましく、特に0.015〜
0.006μmのものが最も好ましい。また、これらが
連結した2次粒子としては0.02〜0.2μm、好ま
しくは0.03〜0.1μm程度になるようにするのが
好ましい。
【0043】この様な微粒子シリカは通常、気相法と呼
ばれる合成方法で合成された微粒子シリカが好ましく用
いられる。
【0044】本発明において、軟凝集構造を形成するの
に特に好ましい親水性バインダーはポリビニルアルコー
ルである。
【0045】前記親水性バインダーと前記無機固体微粒
子の比率は、質量比で概ね1:15〜1:1であり、好
ましくは1:10〜1:2の範囲である。
【0046】ポリビニルアルコールと微粒子シリカを用
いて軟凝集体を含有する皮膜を形成する場合についてそ
の方法の例について以下に説明する。
【0047】pHを6〜8、温度約40℃に保ったポリ
ビニルアルコール水溶液(概ね3〜15%)中に、シリ
カ微粒子分散液(概ね5〜15%)を強撹拌しながら徐
々に添加し、添加終了後に超音波分散機や高速ホモジナ
イザーなどにより分散する。この場合必要に応じて各種
の界面活性剤やメタノール、アセトン、酢酸エチルなど
の水混和性の有機溶媒を使用するのは均一な塗布液を調
製する上で好都合である。
【0048】ついで、各種の添加剤を添加後、塗布に必
要な粘度に調整して支持体上に公知の方法で塗布し乾燥
することで上記空隙を有する皮膜が得られる。
【0049】本発明のインクジェット記録用紙は、高い
空隙率を皮膜の脆弱性を劣化させずに得るために、前記
親水性バインダーが硬膜されていることが必要である。
【0050】硬膜剤は、一般的には前記親水性バインダ
ーと反応し得る基を有する化合物あるいは親水性バイン
ダーが有する異なる基同士の反応を促進するような化合
物であり、親水性バインダーの種類に応じて適宜選択し
て用いられる。
【0051】硬膜剤の具体例としては、例えば、エポキ
シ系硬膜剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレング
リコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオー
ルジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロ
ヘキサン、N,N−ジグリシジルー4−グリシジルオキ
シアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グ
リセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系
硬膜剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性
ハロゲン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ
−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合
物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−
s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル
等)、ほう酸およびその塩、ほう砂、アルミ明礬等が挙
げられる。
【0052】特に好ましい親水性バインダーとしてポリ
ビニルアルコールおよび/またはカチオン変成ポリビニ
ルアルコールから選ばれる少なくとも1種の化合物を使
用する場合には、ほう酸およびその塩および/またはエ
ポキシ系硬膜剤から選ばれる少なくとも1種の硬膜剤を
使用するのが好ましい。
【0053】最も好ましいのはほう酸およびその塩から
選ばれる硬膜剤である。本発明で、ほう酸またはその塩
としては、硼素原子を中心原子とする酸素酸およびその
塩のことを示し、具体的にはオルトほう酸、二ほう酸、
メタほう酸、四ほう酸、五ほう酸、および八ほう酸およ
びそれらの塩が含まれる。
【0054】上記硬膜剤の使用量は親水性バインダーの
種類、硬膜剤の種類、無機微粒子の種類や親水性バイン
ダーに対する比率等により変化するが、概ね親水性バイ
ンダー1g当たり1〜200mg,好ましくは5〜10
0mgである。
【0055】上記硬膜剤は、空隙層を構成する塗布液を
塗布する際に空隙層形成の塗布液中及びまたは空隙層に
隣接するその他の層を形成する塗布液中に添加してもよ
く、あるいは予め硬膜剤を含有する塗布液を塗布してあ
る支持体上に、前記空隙層を形成する塗布液を塗布した
り、さらには空隙層を形成する硬膜剤非含有の塗布液を
塗布乾燥後に硬膜剤溶液をオーバーコートするなどして
空隙層に硬膜剤を供給することができるが、好ましくは
製造上の効率及び空隙層の形成時のヒビわれ防止の観点
から、空隙層を形成する塗布液またはこれに隣接する層
の塗布液中に硬膜剤を添加して、空隙層を形成するのと
同時に硬膜剤を供給するのが好ましい。
【0056】空隙層を形成するのが超微粒子シリカおよ
びポリビニルアルコールである特に好ましい態様におい
ては、空隙層を形成する塗布液中に予め硬膜剤を添加し
ておき、一定時間(好ましくは10分以上、特に好まし
くは30分以上)経過してから支持体上に塗布・乾燥す
るとより高い空隙率を皮膜の脆弱性を悪化させることな
く達成することが出来る。
【0057】本発明のインクジェット記録用紙は空隙層
が更に分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、かつ分
子量が300以下のポリオール類を含有する場合、皮膜
の脆弱性がさらに改善された空隙層を得ることが出来
る。
【0058】その様なポリオール類としては例えば、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、平均分子量
が300以下のポリエチレングリコール、グリセリン、
ブタンジオール、ブタントリオール、およびトリエタノ
ールアミン等を挙げることが出来る。
【0059】上記ポリオール類の使用量は親水性バイン
ダー1g当たり0.01〜2gが好ましく、より好まし
くは0.05〜1gの範囲である。
【0060】本発明のインクジェット記録用紙は最大イ
ンク量がインクジェット記録用紙1m2当たり20ml
/m2以上であるようなインクジェット記録方法におい
て特に本発明の効果が著しい。
【0061】本発明のインクジェット記録用紙の空隙容
量は印字される最大インク容量の90%以上、特に95
%以上有することが好ましい。また、空隙層を構成する
インク受容層の乾燥膜厚は概ね50μm以下にすること
がひび割れ等の皮膜の物理的特性を悪化させないために
好ましい。
【0062】一方、空隙容量の空隙層全体の容量に対す
る比率は概ね70容量%以下にするのが皮膜の物理的強
度や脆弱性の観点から好ましい。
【0063】本発明のインクジェット記録用紙は上記条
件を満足する空隙容量として20〜30ml/m2の範
囲の量が適当である。
【0064】本発明の空隙層および必要に応じて設けら
れるその他の層には、前記した以外に各種の添加剤を添
加することが出来る。
【0065】例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エ
ステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル
アミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、
尿素樹脂、またはメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒
子、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレ
ジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、ア
ニオン、カチオン、ノニオン等の各種界面活性剤、特開
昭57−74193号、同57−87988号及び同6
2−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57
−74192号、同57−87989号、同60−72
785号、同61−146591号、特開平1−950
91号及び同3−13376号等に記載されている退色
防止剤、特開昭59−42993号、同59−5268
9号、同62−280069号、同61−242871
号および特開平4−219266号等に記載されている
蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消
泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知
の各種添加剤を含有させることもできる。
【0066】本発明のインク記録面側の任意の構成層中
には、画像の耐水化剤として特開昭56−84992号
のポリカチオン高分子電解質、特開昭57−36692
号の塩基性ラテックスポリマー、特公平4−15744
号、特開昭61−58788号、同62−174184
号等記載のポリアリルアミン、特開昭61−47290
号記載のアルカリ金属弱酸塩等を一種以上用いることが
できる。
【0067】上記、空隙層は2層以上から構成されてい
てもよく、この場合、それらの空隙層の構成は前述した
範囲内で有れば異なっていても良い。
【0068】本発明でインクジェット記録用紙の支持体
としては、従来インクジェット用記録用紙として公知の
ものを適宜使用できるが、より高い濃度で鮮明な画像を
得るためには支持体中にインク液が浸透しない疎水性支
持体を用いる。
【0069】透明支持体としては、例えば、ポリエステ
ル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩
化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロ
イド等の材料からなるフィルム等が挙げられ、中でもO
HPとして使用されたときの輻射熱に耐える性質のもの
が好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好まし
い。このような透明な支持体の厚さとしては、約10〜
200μmが好ましい。透明支持体のインク受容層側お
よびバック層側には公知の下引き層を設けることが、イ
ンク受容層やバック層と支持体の接着性の観点から好ま
しい。
【0070】また、透明である必要のない場合に用いる
支持体としては、例えば、基紙の少なくとも一方に白色
顔料等を添加したポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹
脂被覆紙(いわゆるRCペーパー)、ポリエチレンテレ
フタレートに白色顔料を添加してなるいわゆるホワイト
ペットが好ましい。
【0071】上記支持体とインク受像層の接着強度を大
きくする等の目的で、インク受容層の塗布に先立って、
支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが好ま
しい。さらに、本発明の記録用紙は必ずしも無色である
必要はなく、着色された記録シートであってもよい。
【0072】本発明のインクジェット記録用紙では原紙
支持体の両面をポリエチレンでラミネートした紙支持体
を用いることが、記録画像が写真画質に近く、しかも低
コストで高品質の画像が得られるために特に好ましい。
そのようなポリエチレンでラミネートした紙支持体につ
いて以下に説明する。
【0073】紙支持体に用いられる原紙は木材パルプを
主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロ
ピレンなどの合成パルプあるいはナイロンやポリエステ
ルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとし
てはLBKP,LBSP,NBKP,NBSP,LD
P,NDP,LUKP,NUKPのいずれも用いること
が出来るが短繊維分の多いLBKP,NBSP,LBS
P,NDP,LDPをより多く用いることが好ましい。
但し、LBSPおよびまたはLDPの比率は10質量%
以上、70質量%以下が好ましい。
【0074】上記パルプは不純物の少ない化学パルプ
(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いら
れ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも
有用である。
【0075】原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテン
ダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化
チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白
剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散
剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加する
ことが出来る。
【0076】抄紙に使用するパルプの濾水度はCSFの
規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の
繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッシ
ュ残分の質量%と42メッシュ残分の質量%との和が3
0乃至70%が好ましい。なお、4メッシュ残分の質量
%は20質量%以下であることが好ましい。
【0077】原紙の坪量は30乃至250gが好まし
く、特に50乃至200gが好ましい。原紙の厚さは4
0乃至250μmが好ましい。
【0078】原紙は抄紙段階または抄紙後にカレンダー
処理して高平滑性を与えることも出来る。原紙密度は
0.7乃至1.2g/m2(JIS−P−8118)が
一般的である。更に原紙剛度はJIS−P−8143に
規定される条件で20乃至200gが好ましい。
【0079】原紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良
く、表面サイズ剤としては前記原紙中添加できるサイズ
と同様のサイズ剤を使用できる。
【0080】原紙のpHはJIS−P−8113で規定
された熱水抽出法により測定された場合、5〜9である
ことが好ましい。
【0081】原紙表面および裏面を被覆するポリエチレ
ンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)およ
び/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが
他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用すること
が出来る。
【0082】特にインク受容層側のポリエチレン層は写
真用印画紙で広く行われているようにルチルまたはアナ
ターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透
明度および白色度を改良したものが好ましい。酸化チタ
ン含有量はポリエチレンに対して概ね3〜20質量%、
好ましくは4〜13質量%である。
【0083】ポリエチレン被覆紙は光沢紙として用いる
ことも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出
してコーティングする際にいわゆる型付け処理を行って
通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を
形成した物も本発明で使用できる。
【0084】原紙の表裏のポリエチレンの使用量はイン
ク受容層やバック層を設けた後で低湿および高湿化での
カールを最適化するように選択されるが、概ねインク受
容層側のポリエチレン層が20〜40μm、バック層側
が10〜30μmの範囲である。
【0085】更に上記ポリエチレン被覆紙支持体は以下
の特性を有していることが好ましい。
【0086】引っ張り強さ:JIS−P−8113で
規定される強度で縦方向が2乃至30kg、横方向が1
乃至20kgであることが好ましい 引き裂き強度:JIS−P−8116による規定方法
で縦方向が10乃至200g、横方向が20乃至200
gが好ましい 圧縮弾性率≧103kgf/cm2 表面ベック平滑度:JIS−P−8119に規定され
る条件で20秒以上、特に好ましくは500秒以上が光
沢面としては好ましいが、いわゆる型付け品ではこれ以
下であっても良い 不透明度:JIS−P−8138による方法で85%
以上、特に90%以上が好ましい 本発明のインクジェット記録用紙の空隙層および下引き
層など必要に応じて適宜設けられる各種の親水性層を支
持体上に塗布する方法は公知の方法から適宜選択して行
うことが出来る。好ましい方法は、各層を構成する塗布
液を支持体上に塗設して乾燥して得られる。この場合、
2層以上を同時に塗布することもでき、特に全ての親水
性バインダー層を1回の塗布で済ます同時塗布が好まし
い。
【0087】塗布方式としては、ロールコーティング
法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティン
グ法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法ある
いは米国特許第2,681,294号記載のホッパーを
使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いら
れる。
【0088】本発明のインクジェット記録用紙を用いて
画像記録する際には、水性インクを用いた記録方法が用
いられる。
【0089】本発明で言う水性インクとは、下記着色剤
及び液媒体、その他の添加剤から成る記録液体である。
着色剤としてはインクジェットで公知の直接染料、酸性
染料、塩基性染料、反応性染料あるいは食品用色素等の
水溶性染料が使用できる。
【0090】水性インクの溶媒としては、水及び水溶性
の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、n−ブチルアルコール、tert−ブ
チルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール
類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の
アミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン
またはケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール
類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6
−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレン
グリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリ
エタノールアミン等の多価アルコール類;エチレングリ
コールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル
(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノ
ブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエー
テル類等が挙げられる。
【0091】これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、
ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセ
リン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモ
ノブチルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエー
テル等は好ましいものである。
【0092】その他の水性インクの添加剤としては、例
えばpH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、
表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、及び防錆剤等が
挙げられる。
【0093】水性インク液はインクジェット記録用紙に
対する濡れ性を良好にするために、20℃において、通
常25〜50dyn/cm、好ましくは30〜40dy
n/cmの範囲内の表面張力を有するのが好ましい。
【0094】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、
本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、
実施例中で「%」は特に断りのない限り絶乾質量%を示
し、添加量は各々インクジェット記録用紙1m2当たり
の量を示す。
【0095】実施例1 平均粒径が約0.07μmの表面がアニオン性の超微粒
子シリカ粉末160gを純水1000ml中に添加し、
高速ホモジナイザーで分散した。次にこのシリカ水分散
液(I)中に、平均重合度が1700でケン化度が90
%の5%ポリビニルアルコール水溶液(II)(界面活性
剤−1を0.3質量%含有)1600mlを徐々に添加
した。得られた液を高速ホモジナイザーにて分散して半
透明状の塗布液を得た。
【0096】次に、上記のようにして得られた塗布液
を、170g/m2の原紙両面をポリエチレンで被覆し
た紙支持体(厚さ240μm、記録面側のポリエチレン
層中に9質量%のアナターゼ型二酸化チタン含有。)上
の記録面側に、湿潤膜厚が150μmになるように塗布
し、20〜40℃の風で乾燥してインクジェット記録用
紙−1(比較例)を得た。
【0097】
【化1】
【0098】次に、インクジェット記録用紙−1におい
て、以下のように変更した以外はインクジェット記録用
紙−1と同様にしてインクジェット記録用紙−2〜9を
作製した。
【0099】〔インクジェット記録用紙−2〕ポリビニ
ルアルコール水溶液(II)1600mlをポリビニルア
ルコール水溶液(II)800mlと界面活性剤−1の
0.3質量%水溶液800mlの混合液に変更した以外
はインクジェット記録用紙−1と同じ。
【0100】〔インクジェット記録用紙−3〕ポリビニ
ルアルコール水溶液(II)1600mlをポリビニルア
ルコール水溶液(II)530mlと界面活性剤−1の
0.3質量%水溶液1070mlの混合液に変更した以
外はインクジェット記録用紙−1と同じ。
【0101】〔インクジェット記録用紙−4〕ポリビニ
ルアルコール水溶液(II)1600mlをポリビニルア
ルコール水溶液(II)400mlと界面活性剤−1の
0.3質量%水溶液1200mlの混合液に変更した以
外はインクジェット記録用紙−1と同じ。
【0102】〔インクジェット記録用紙−5〕ポリビニ
ルアルコール水溶液(II)1600mlをポリビニルア
ルコール水溶液(II)320mlと界面活性剤−1の
0.3質量%水溶液1280mlの混合液に変更した以
外はインクジェット記録用紙−1と同じ。
【0103】〔インクジェット記録用紙−6〕インクジ
ェット記録用紙−2を作製するのに使用した塗布液に、
硬膜剤として四ほう酸ナトリムの2質量%水溶液60m
lを添加し、高速ホモジナイザーで30分間分散した
後、インクジェット記録用紙−2と同様にして塗布して
得られたインクジェット記録用紙。
【0104】〔インクジェット記録用紙−7〕インクジ
ェット記録用紙−3を作製するのに使用した塗布液に、
硬膜剤として四ほう酸ナトリムの2質量%水溶液を50
ml添加し、高速ホモジナイザーで再度30分間分散し
た後、インクジェット記録用紙−3と同様にして塗布し
て得られたインクジェット記録用紙。
【0105】〔インクジェット記録用紙−8〕インクジ
ェット記録用紙−4を作製するのに使用した塗布液に、
硬膜剤として四ほう酸ナトリムの2質量%水溶液を60
ml添加し、高速ホモジナイザーで再度30分間分散し
た後、インクジェット記録用紙−4と同様にして塗布し
て得られたインクジェット記録用紙。
【0106】〔インクジェット記録用紙−9〕インクジ
ェット記録用紙−5を作製するのに使用した塗布液に、
硬膜剤として四ほう酸ナトリムの2質量%水溶液を70
ml添加し、高速ホモジナイザーで再度30分間分散し
た後、インクジェット記録用紙−5と同様にして塗布し
て得られたインクジェット記録用紙。
【0107】得られた各々のインクジェット記録用紙に
ついて、以下の項目について評価した。
【0108】(1)光沢度:日本電色工業株式会社製変
角光沢度計(VGS−1001DP)を用いて60度光
沢を測定した。
【0109】(2)空隙量:インク吐出量を制御できる
オンデマンド型インクジェットプリンターを用い、Yと
Mのベタ領域に、白抜き(未印字)の細線パターンを印
字し、インクが溢れることなく細線が明瞭に識別し得る
最大インク量を空隙量として求めた。
【0110】(3)インク吸収性:セイコーエプソン
(株)製インクジェットプリンター(MJ−5100
C)でカラー画像の印字を行い、高インク領域における
画質を評価した。
【0111】 ◎:インク溢れによるシャドー部の画像のつぶれが無
く、また、ヒビワレに伴う滲みもない ○:インク溢れによるシャドー部の画像のつぶれがある
がヒビワレに伴う滲みはない △:シャドー部のつぶれがあり、またヒビワレに伴う滲
みがあるが画像としては概ね識別できる ×:画像のつぶれ、インクの溢れ、ヒビワレに伴う滲
み、印字部の膜剥がれが甚大で画像としてほとんど識別
不能 (4)造膜性:印字前に膜面の造膜性を以下の基準で判
断した。
【0112】 ◎:ヒビワレはなく、23℃、相対湿度80%で表面を
指で強く擦っても膜が剥がれない ○:ヒビワレはなく、また指で強く擦れば僅かに膜が剥
がれることがあるが、通常の扱いでは膜が剥がれること
はない △:全面に微小なひび割れ状態になっているが、インク
ジェットプリンターで搬送時に膜が剥がれることはない ×:インクジェットプリンターで搬送時に容易に巻くが
剥がれ落ちたり、塗布乾燥後に自然に巻くが剥がれ落ち
る 得られた結果を表1に示す。
【0113】
【表1】
【0114】表1に示す結果から、硬膜剤を使用しない
インクジェット記録用紙(1〜5)においては、シリカ
微粒子に対するポリビニルアルコールの量を減量した場
合、皮膜としての造膜性が低下し、ポリビニルアルコー
ルに対するシリカの比率が2〜4(インクジェット記録
用紙−1、2)においては比較的良好な造膜性が得られ
るものの空隙量が不十分でこの範囲ではインク吸収性が
不足して良好な画像が得られない。
【0115】これに対して、本発明のインクジェット記
録用紙−6〜9は、優れた造膜性を有しており、シリカ
に対してポリビニルアルコールの量を減少させても良好
な造膜性を維持しつつ高い光沢性と良好なインク吸収性
を有する事がわかる。
【0116】実施例2 実施例1で作製したインクジェット記録用紙−1〜9に
おいて、ポリビニルアルコールを平均重合度700、ケ
ン化度89%のものに変更した以外は実施例1と同様に
してインクジェット記録用紙−11〜19を作製した。
【0117】実施例1と同様にしてインクジェット記録
用紙を評価し、表2に示す結果を得た。
【0118】
【表2】
【0119】表2に示す結果から、ポリビニルアルコー
ルの平均重合度の低いものを使用した場合、硬膜剤を使
用しない場合には、ポリビニルアルコールの量が比較的
高いインクジェット記録用紙(−1、2)においても造
膜性が劣化しインクジェット記録用紙としての評価が殆
ど不可能であるが、硬膜剤の使用で造膜性が改善され実
施例1と同様の効果が得られることがわかる。
【0120】実施例3 実施例1において、ポリビニルアルコールを平均重合度
3500、ケン化度88%のものに変更した以外は実施
例1と同様にしてインクジェット記録用紙−21〜29
を作製した。実施例1と同様にして評価した所、実施例
1で得られたのと同様の効果を確認した。
【0121】実施例4 実施例1において、インクジェット記録用紙−6〜9に
おいて、硬膜剤を、エチレングリコールジグリシジルエ
ーテルに変更(添加量は実施例1と同一)した以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録用紙−36〜3
9を作製し実施例1と同様にして評価した。結果を表3
に示す。
【0122】
【表3】
【0123】表3の結果から、硬膜剤をエポキシ系化合
物に変更したところ、造膜性がほう酸に比べてやや低い
ものの硬膜剤未添加に比べて高い造膜性とインク吸収性
を有していることがわかる。
【0124】実施例5 実施例1で作製したインクジェット記録用紙−1〜9に
おいて、空隙層中にグリセリンを0.5g/m2に成る
ように添加したインクジェット記録用紙−41〜49を
作製し実施例1と同様にして評価した。得られた結果を
表4に示す。
【0125】
【表4】
【0126】表4に示す結果から、本発明のインクジェ
ット記録用紙−46〜49は、グリセリンの添加により
造膜性と光沢性がいっそう改善されることがわかる。
【0127】
【発明の効果】以上、本発明のインクジェット記録用紙
の構成を用いれば、必要最小限度の固体微粒子と親水性
バインダーの使用により、高いインク吸収性の空隙構造
を有し、しかも高い光沢性を有するインクジェット記録
用紙を得る事ができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に空隙層を有するインクジェッ
    ト記録用紙において、該支持体が疎水性支持体であり、
    かつ該空隙層の少なくとも1層が親水性バインダーと無
    機微粒子を含有し、該親水性バインダーが硬膜されてい
    ることを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】 前記支持体が原紙の両面をポリエチレン
    でラミネートした支持体であることを特徴とする請求項
    1に記載のインクジェット記録用紙。
  3. 【請求項3】 前記原紙の坪量が30〜250g/m2
    であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェッ
    ト記録用紙。
  4. 【請求項4】 前記ポリエチレンがルチル又はアナター
    ゼ型の酸化チタンを含有することを特徴とする請求項2
    又は3に記載のインクジェット記録用紙。
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