JP2002043429A - シミュレーション方法およびシミュレーション装置 - Google Patents

シミュレーション方法およびシミュレーション装置

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JP2002043429A
JP2002043429A JP2000222025A JP2000222025A JP2002043429A JP 2002043429 A JP2002043429 A JP 2002043429A JP 2000222025 A JP2000222025 A JP 2000222025A JP 2000222025 A JP2000222025 A JP 2000222025A JP 2002043429 A JP2002043429 A JP 2002043429A
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simulation method
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Makoto Kidera
真琴 木寺
Motoaki Tanizawa
元昭 谷沢
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Mitsubishi Electric Corp
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    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F11/00Error detection; Error correction; Monitoring
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    • G06F11/26Functional testing
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
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    • G06F30/00Computer-aided design [CAD]
    • G06F30/30Circuit design
    • G06F30/36Circuit design at the analogue level
    • G06F30/367Design verification, e.g. using simulation, simulation program with integrated circuit emphasis [SPICE], direct methods or relaxation methods

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体集積回路を構成する素子の電気特性
(Idsat,Vth等)のバラツキを、バラツキの限界を規
定するコーナーを含むコーナーモデルで表現するシミュ
レーション方法またはシミュレーション装置であって、
回路シミュレーションを繰り返すことなく各コーナーに
おける素子パラメータセットの値を求めることが可能、
かつ、一意に素子パラメータセットの値を求めることが
可能なものを提供する。 【解決手段】 ΔL,ΔW,Tox,Vth0等の素子パラ
メータに対する電気特性の微分量である素子パラメータ
感度を回路シミュレーションを行って求め、線形最小自
乗法の正規方程式に素子パラメータ感度とコーナーに要
求される電気特性の値とを適用してコーナーにおける素
子パラメータのバラツキを求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回路設計におけ
るマージンを決定するために、素子の電気特性の統計的
なバラツキ(変動量)を反映したモデルを生成するシミ
ュレーション方法およびシミュレーション装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、素子の微細化が急速に進展し、半
導体集積回路の集積度は飛躍的に高まっている。現在で
は、このように集積度の増した半導体集積回路の設計を
行うにあたって、SPICE(Simulation Program wit
h Integrated Circuit Emphasis)等のシミュレーショ
ン装置が援用されている。
【0003】さて、製造後の半導体集積回路中の各素子
の形状に関する値(以下、モデルパラメータと称す
る)、および、半導体基板に注入される不純物濃度など
製造工程時の条件に関するパラメータ(以下、プロセス
パラメータと称する、また、モデルパラメータとプロセ
スパラメータとを合わせて素子パラメータと称する)に
ついて統計をとると、通常、これらの値にはバラツキが
伴っている。そして、このようなモデルパラメータおよ
びプロセスパラメータのバラツキは、各素子の動作時の
電気特性のバラツキを発生させる。例えばMISFET
(Metal InsulatorSemiconductor Field Effect Transi
stor)の場合、ゲート長やゲート絶縁膜厚といったモデ
ルパラメータのバラツキが、閾値電圧値や定電流領域で
の飽和電流値にバラツキを発生させる。
【0004】さて、モデルパラメータおよびプロセスパ
ラメータのバラツキの量は、素子の微細化が進んでも同
じようにスケーリングされる(微細化される)わけでは
ない。そのため、これらのパラメータのバラツキが素子
の電気特性のバラツキに及ぼす影響を無視することはで
きなくなりつつある。
【0005】そこで、モデルパラメータおよびプロセス
パラメータのバラツキと、それらが及ぼす素子の電気特
性のバラツキへの影響とをシミュレーション装置に反映
させることが、適切なマージンで回路設計を行う上で重
要となっている。その反映の方法はこれまでに種々試み
られているが、ここでは「コーナーモデル」と一般に呼
ばれるモデルを用いる方法に着目する。
【0006】コーナーモデルとは、素子の電気特性のバ
ラツキのうち統計上の代表値(平均値や中央値等)に比
べて発生頻度の少ない場合を、バラツキ限界を規定する
コーナーとして表現するモデルのことである。そして、
各コーナーにおいて、モデルパラメータおよびプロセス
パラメータのバラツキがどの程度許容されるのかが計算
される。このコーナーモデルについて、CMOS(Comp
lementary Metal Oxide Semiconductor)インバータを
例にとって以下に説明する。
【0007】ここでは、モデルパラメータの例として、
CMOSインバータを構成するNMOS,PMOSの、
幾何学的ゲート長と実効チャネル長とのチャネル長差Δ
L、トランジスタの幾何学的ゲート幅と実効チャネル幅
とのチャネル幅差ΔW、およびゲート絶縁膜厚Toxを採
用する。なおここで、幾何学的ゲート長、幾何学的ゲー
ト幅とは、図7の断面図および図8の上面図に示すMI
SFETの構造のうち、ゲート電極5の外形上のゲート
長LMおよびゲート幅WMのことであり、実効チャネル
長、実効チャネル幅とは、ソース/ドレイン構造2,3
間のチャネル領域11に形成される実効的なチャネルの
長さおよび幅のことである。
【0008】またさらに、プロセスパラメータの例とし
て、不純物濃度などにより規定される、ボディ電圧0V
時の閾値電圧Vth0を採用する。そして、素子の電気特
性の例として、定電流領域における飽和電流値Idsatお
よび閾値電圧値Vthを採用する。
【0009】例えば、CMOSインバータにおいて応答
速度が最速となる状態をA、逆に応答速度が最も遅くな
る状態をBとする。このとき、NMOS,PMOSを対
として考えて、NMOS,PMOSともに状態Aとなる
ときをAAと、NMOS,PMOSともに状態Bとなる
ときをBBと、NMOSが状態AでPMOSが状態Bで
あるときをABと、NMOSが状態BでPMOSが状態
AであるときをBAと、それぞれ表すこととする。
【0010】図9に示すように、NMOSの飽和電流値
IdsatnおよびPMOSの飽和電流値Idsatpをグラフ
の横軸および縦軸にとり、NMOSの飽和電流値の代表
値ItypnとPMOSの飽和電流値の代表値Ityppとの
交点を点P0aとする。すると、定電流域の飽和電流値
のバラツキを、例えば、点P0aの周囲に張られた、4
つのコーナーP1a〜P4aを有する四角形SQaとし
て表現できる。この四角形SQaの面積や点P0aに対
する位置等を所望の範囲内に収めることができれば、所
望の電気特性を有する半導体集積回路を得ることがで
き、半導体集積回路の歩留まりを上げることができる。
【0011】四角形SQaの4つのコーナーのうち点P
1aは、NMOSの飽和電流値の代表値Itypnよりも
δIdsatnaだけ大きく、PMOSの飽和電流値の代表
値ItyppよりもδIdsatpaだけ大きい。また、点P
3aは、NMOSの飽和電流値の代表値Itypnよりも
δIdsatnbだけ小さく、PMOSの飽和電流値の代表
値ItyppよりもδIdsatpbだけ小さい。飽和電流値
が大きいほど、NMOS,PMOSの応答速度は速くな
るので、飽和電流値IdsatnおよびIdsatpがともに最
大となる点P1aが状態AAに、ともに最小となる点P
3aが状態BBに対応する。
【0012】また、CMOSインバータの形成工程を考
えると、NMOSが代表値ItypnよりもδIdsatna
だけ大きく、PMOSが代表値ItyppよりもδIdsat
pbだけ小さいという組み合わせをとることは考えにく
い。よって、その組み合わせを表した点P5aよりはN
MOS,PMOS間での特性値の差が少ない点P4aが
状態ABに対応するコーナーとなる。同様に、点P6a
よりはNMOS,PMOS間での特性値の差が少ない点
P2aが状態BAに対応するコーナーとなる。
【0013】この各コーナーにおいて、点P0aに対応
する素子における素子パラメータの各値からのバラツキ
の一組(すなわち、点P0aでの各素子パラメータ値と
コーナーにおける各素子パラメータ値との差である、δ
(ΔL)、δ(ΔW)、δToxおよびδVth0のセッ
ト、以下、素子パラメータセットと称する)を求めれ
ば、飽和電流値IdsatnおよびIdsatpのバラツキの全
域である四角形SQaに対応した素子パラメータのバラ
ツキの範囲が求められる。
【0014】また、図10は、NMOSの閾値電圧Vth
nおよびPMOSの閾値電圧Vthpを横軸および縦軸に
とり、NMOSの閾値電圧の代表値VtypnとPMOS
の閾値電圧の代表値Vtyppとの交点を点P0bとした
グラフである。この場合も、閾値電圧のバラツキを、四
角形SQaと同様の、点P0bの周囲に張られた、4つ
のコーナーの点P1b〜P4bを有する四角形SQbと
して表現できる。
【0015】四角形SQbの4つのコーナーのうち点P
1bは、NMOSの閾値電圧の代表値Vtypnよりもδ
Vthnaだけ大きく、PMOSの閾値電圧の代表値Vty
ppよりもδVthpaだけ大きい。また、点P3bは、
NMOSの閾値電圧の代表値VtypnよりもδVthnb
だけ小さく、PMOSの閾値電圧の代表値Vtyppより
もδVthpbだけ小さい。
【0016】ただし、閾値電圧が大きいほど、NMO
S,PMOSの応答速度は遅くなるので、四角形SQa
の場合とは逆に、閾値電圧VthnおよびVthpがともに
最大となる点P1bが状態BBに、ともに最小となる点
P3bが状態AAに対応する。そして、点P2bが状態
ABに、点P4bが状態BAに、それぞれ対応する。
【0017】そして、この各コーナーにおいて素子パラ
メータセットを求めれば、閾値電圧VthnおよびVthp
のバラツキの全域である四角形SQbに対応した素子パ
ラメータのバラツキの範囲が求められる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】さて、各コーナーにお
ける素子パラメータセットは、従来、図11に示すよう
な方法で求められていた。まず、ステップS102のよ
うに、バラツキにより変動する各コーナーの素子パラメ
ータセットの初期値をシミュレータに与える。この初期
値には、製造ラインにおける過去のデータに基づいて規
定されたバラツキ量の管理値や、新たにサンプリングを
行って得た測定値等を採用すればよい。
【0019】そして、ステップS103のように、各コ
ーナーとして許容可能な電気特性の所望の値(上記の例
では例えばIdsatn+δIdsatnaやVthn+δVthn
a)と、対象となる素子に関する情報(ゲート長やゲー
ト幅、ボディ電位やゲートバイアス値など)をシミュレ
ータに与える。
【0020】次に、与えられた素子パラメータセットの
初期値を用いて、対象となる素子に関する情報に基づい
てステップS104のように回路シミュレーションを実
行し、その素子パラメータセットに対応した電気特性の
値を計算する。
【0021】続いてステップS105に示すように、こ
の電気特性の値が、ステップS103で与えられた電気
特性の所望の値を満足しているかどうかを検証する。そ
して、満足している場合には、ステップS107に示す
ように、その素子パラメータセットをそのコーナーにお
ける素子パラメータセットとして採用する。
【0022】一方、満足しなかった場合には、ステップ
S106に示すように素子のサイズに合わせて感度の強
い素子パラメータの値を再調節し、あらためて回路シミ
ュレーションを行う。そして、計算された電気特性の値
が、ステップS103で与えられた許容可能な電気特性
を満足するまで、シミュレーション、検証、素子パラメ
ータセットの再調節、の動作を繰り返す。
【0023】なお、ここで「素子のサイズに合わせた感
度の強い素子パラメータ」とは、例えばMISFETの
場合、以下の表1に示す素子パラメータのことを指す。
なお、表1において、トランジスタのゲートサイズのL
ONG/SHORTは、チャネル長の微小変動に対して
電気特性が感度を有するか否かを区分の基準としてい
る。また、同様にWIDE/NARROWも、チャネル
幅の微小変動に対して電気特性が感度を有するか否かを
区分の基準としている。
【0024】
【表1】
【0025】例えば図9において、コーナーの点P2a
における素子パラメータセットを求める場合を例にとり
説明すると、まず、素子パラメータセットの初期値をシ
ミュレーション装置に与える(ステップS102)。ま
た、点P2aにおける許容可能な電気特性の所望の値を
もシミュレーション装置に与える(ステップS10
3)。
【0026】そして、回路シミュレーションが行われ
(ステップS104)、図9中の点P7aでの電気特性
が求まったとする。続いて、この点P7aでの電気特性
の値が、点P2aにおける電気特性の値とほぼ同一であ
るとみなせる範囲内にあるかどうかを判断する(ステッ
プS105)。もし、その範囲内にあると判断されれ
ば、点P7aでの電気特性の値が点P2aにおける電気
特性の値として採用される(ステップS107)。
【0027】一方、同一であるとみなせる範囲内にない
と判断された場合には、点P2aにおける電気特性の値
とほぼ同一であるとみなせる範囲内に電気特性の値が収
まるまで、感度の強いパラメータの値を再調節し、回路
シミュレーションを繰り返す(ステップS106)。
【0028】他のコーナーの点P1a,P3a,P4a
における素子パラメータセットについても、同様の方法
により順次求める。
【0029】ところが、上記のようなシミュレーション
方法によれば、所望の電気特性の値を満足するまで、回
路シミュレーションによる計算、検証、および素子パラ
メータセットの再調節、を繰り返していたので、各コー
ナーにおける素子パラメータセットの値を求めるのに時
間と手間がかかっていた。
【0030】また、素子パラメータセットのうちどの素
子パラメータの値を調節すればよいか、そして、その調
節量をどの程度にすればよいか、が不明であるので、試
行錯誤的に素子パラメータセットの再調節を少しずつ行
わねばならず、各素子パラメータの調節値を一挙にまと
めて(=一意に)求めることは困難であった。
【0031】そこで、この発明の課題は、回路シミュレ
ーションを繰り返すことなく各コーナーにおける素子パ
ラメータセットの値を求めることが可能で、しかも一意
に素子パラメータセットの値を求めることが可能なシミ
ュレーション方法およびシミュレーション装置を提供す
ることにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、半導体集積回路を構成する素子の電気特性のバラツ
キを、バラツキの限界を規定するコーナーを含むコーナ
ーモデルで表現するシミュレーション方法であって、前
記コーナーにおける前記電気特性のバラツキとして許容
可能な所定の値を準備する工程(a)と、前記素子に関
する情報を示す素子パラメータに対する前記電気特性の
微分量である素子パラメータ感度を回路シミュレーショ
ンを行って求める工程(b)と、最小自乗法の正規方程
式に前記素子パラメータ感度と前記電気特性の前記所定
の値とを適用して前記コーナーにおける前記素子パラメ
ータのバラツキを求める工程(c)とを備えるシミュレ
ーション方法である。
【0033】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のシミュレーション方法であって、前記工程(b)で得
られた前記素子パラメータ感度と前記工程(c)で得ら
れた前記コーナーでの前記素子パラメータのバラツキと
の乗算に基づいて前記コーナーでの前記電気特性のバラ
ツキを計算する工程(d)をさらに備えるシミュレーシ
ョン方法である。
【0034】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
のシミュレーション方法であって、前記工程(d)で計
算した前記コーナーでの前記電気特性のバラツキと、前
記工程(a)で準備した前記所定の値とを比較し、その
誤差が所定の値よりも大きければ、前記工程(b)ない
し工程(d)を再度行うシミュレーション方法である。
【0035】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
のシミュレーション方法であって、前記工程(d)で計
算した前記コーナーでの前記電気特性のバラツキと、前
記工程(a)で準備した前記所定の値とを比較し、その
誤差が所定の値よりも大きければ、新たな素子パラメー
タを導入し、前記新たな素子パラメータと前記素子パラ
メータとを合わせ用いつつ前記工程(b)ないし工程
(d)を行うシミュレーション方法である。
【0036】請求項5に記載の発明は、請求項1に記載
のシミュレーション方法であって、前記素子パラメータ
は複数であり、一部の前記素子パラメータについては前
記工程(c)を行わずに、それ以外の前記素子パラメー
タについてのみ前記工程(c)を行うシミュレーション
方法である。
【0037】請求項6に記載の発明は、請求項1に記載
のシミュレーション方法であって、前記工程(c)にお
いて重み付き最小自乗法を用いて前記素子パラメータの
バラツキを求めるシミュレーション方法である。
【0038】請求項7に記載の発明は、請求項1ないし
請求項6のいずれかに記載のシミュレーション方法を用
いて、前記素子の前記電気特性のバラツキをコーナーモ
デルで表現するシミュレーション装置であって、前記電
気特性のバラツキとして許容可能な前記所定の値を入力
するためのデータ入力手段と、データ出力手段と、前記
素子パラメータを変動させたときの前記電気特性の変動
量をシミュレートすることで前記素子パラメータ感度を
求めるシミュレータと、前記シミュレータで求められた
前記素子パラメータ感度と前記データ入力手段に入力さ
れた前記電気特性の前記所定の値とを最小自乗法の正規
方程式に適用して、前記コーナーにおける前記素子パラ
メータのバラツキを求め、前記データ出力手段に出力す
るデータ処理手段とを備えるシミュレーション装置であ
る。
【0039】
【発明の実施の形態】<実施の形態1>本実施の形態
は、回路シミュレーションを繰り返すことなく各コーナ
ーにおける素子パラメータセットの値を求めることが可
能で、しかも一意に素子パラメータセットの値を求める
ことが可能なシミュレーション方法を実現するものであ
る。その実現のために、本発明では線形最小自乗法を用
いる。
【0040】まず、本実施の形態においても従来の技術
の説明と同様、例として図9,図10に示したCMOS
インバータのコーナーモデルに基づいて説明を行う。た
だし、ここではCMOSインバータがm個存在する場合
について述べる。また、同様に、モデルパラメータの例
として、CMOSインバータを構成するNMOS,PM
OSの、幾何学的ゲート長と実効チャネル長とのチャネ
ル長差ΔL、トランジスタの幾何学的ゲート幅と実効チ
ャネル幅とのチャネル幅差ΔW、およびゲート絶縁膜厚
Toxを採用する。さらに、プロセスパラメータの例とし
てボディ電圧0V時の閾値電圧Vth0を採用する。な
お、0V時の閾値電圧Vth0には、例えばゲートサイズ
がLONG/WIDEのトランジスタのものを採用すれ
ばよい。そして、素子の電気特性の例として、定電流領
域における飽和電流値Idsatおよび閾値電圧値Vthを採
用する。
【0041】さて、コーナーモデルが生成される領域
(図9における四角形SQaの領域および図10におけ
る四角形SQbの領域)では、電気特性の変動量は、素
子パラメータセットの各変動量に対して線形であるとみ
なすことができる。これは、点P0aおよび点P0bの
近傍での電気特性の変動量、およびそれに対応する素子
パラメータセットの変動量はいずれも微小な量であり、
ほぼ線形に変化すると考えて差し支えないからである。
【0042】よって、NMOS,PMOSのそれぞれに
ついて電気特性の変動量と素子パラメータセットの各変
動量との関係式を立てると、以下のように表せる。な
お、数1〜数4内の左辺はシミュレーションにより観測
される電気特性のデータを、右辺は電気特性を変化させ
る要因となる素子パラメータの項を示している。
【0043】
【数1】
【0044】
【数2】
【0045】
【数3】
【0046】
【数4】
【0047】ここで、Itypnは点P0aにおけるNM
OSの飽和電流値の代表値を、Ityppは点P0aにお
けるPMOSの飽和電流値を、それぞれ表している。ま
た、Vtypnは点P0bにおけるNMOSの閾値電圧
を、Vtyppは点P0bにおけるPMOSの閾値電圧
を、それぞれ表している。
【0048】また、数1において、δIdsatnは、図9
におけるδIdsatnaやδIdsatnbのように代表値I
typnからの変動量を表している。またδ(ΔLn)
は、点P0aにおけるNMOSの電気特性に対応する素
子パラメータセット内のチャネル長差ΔLnからの変動
量を表しており、δ(ΔWn)、δToxn、δVth0n
についても同様である。また、各素子パラメータに対す
る電気特性の微分量である、 Idsatn/ ΔLn、
Idsatn/ ΔWn、 Idsatn/ ΔToxn、Idsat
n/ ΔVth0nは、各素子パラメータに対するNMO
Sの飽和電流値の素子パラメータ感度である。
【0049】同様に数2〜数4内の各項も、NMOSま
たはPMOSの、そして飽和電流値または閾値電圧の、
代表値からの変動量、代表値に対応する素子パラメータ
の変動量、各素子パラメータに対する素子パラメータ感
度、をそれぞれ表している。また、数1〜数4内の右辺
のf1n,f2n,f1p,f2pは、素子パラメータ
に関する項以外の、シミュレーション時の計算誤差等の
誤差を示す項である。
【0050】ここで、ベクトルx、ベクトルθ、行列
A、ベクトルfを、
【0051】
【数5】
【0052】
【数6】
【0053】
【数7】
【0054】
【数8】
【0055】のように定義すれば、数1〜数4をまとめ
て、
【0056】
【数9】
【0057】と表せる。なお、数1〜数4中のItyp
n、Vtypn、Itypp、Vtyppはいずれも両辺に存在
するために消去した。また、ここではm個のCMOSイ
ンバータが存在するので、数1〜数4のそれぞれについ
てm個の式が立てられることになる。ベクトルx、行列
A、ベクトルf中のIdsatn,Vthn,f1n,f2n
等の後ろの添え字1〜mは、このことを示している。
【0058】線形最小自乗法によれば、誤差のベクトル
fのノルムの自乗の値が最小となるときに、最も観測値
の誤差が少なくなるとされる。よって、
【0059】
【数10】
【0060】のノルムの自乗の値の変曲点を求めればよ
い。なお、数10において、右辺第1式中のyspeciは
バラツキとして許容可能なコーナーでの電気特性の値で
あり、ysimiはシミュレーションにより観測されるコ
ーナーでの電気特性の値である。なお、i=1〜N(こ
こではN=4)であり、例えば、yspec1は数1の右辺
からf1nとItypnとを引いたもの、yspec2は数2
の右辺からf2nとVtypnとを引いたもの、yspec3
は数3の右辺からf1pとItyppとを引いたもの、ys
pec4は数4の右辺からf2pとVtyppとを引いたも
の、である。また、例えば、ysim1は数1の左辺から
Itypnを引いたもの、ysim2は数2の左辺からVtyp
nを引いたもの、ysim3は数3の左辺からItyppを引
いたもの、ysim4は数4の左辺からVtyppを引いたも
の、である。
【0061】また、数10において、右辺第2式中のδ
yspeciは、数9の右辺第1項の行列Aとベクトルθと
の積の各成分にあたり、δysimiは数9の左辺のベク
トルxの各成分にあたる。また、右辺第3式中のt(x
−Aθ)はベクトル(x−Aθ)の転置を表す。
【0062】さて、数10のノルムの自乗の値の変曲点
を求めるには、
【0063】
【数11】
【0064】を解けばよい。なお、数11におけるベク
トルθによる偏微分は、ベクトルθの各成分ごとに微分
を行うことを意味し、ここではベクトルθの成分が8つ
あることから、数11は実質的には8個の連立方程式と
なっている。
【0065】ここで、数10の右辺第3式を用いて数1
1を行列表現のまま解くと、
【0066】
【数12】
【0067】となる。この数12は最小自乗法の正規方
程式と呼ばれる式である。なお、tAは行列Aの転置を
表す。
【0068】数12において、左辺のtAAが正則であ
れば、最小自乗推定値は、
【0069】
【数13】
【0070】で与えられる。ここで、ベクトルθeは、
ベクトルθの各成分の推定値を各成分とするベクトルで
ある。
【0071】よって、行列Aの成分である素子パラメー
タ感度を求め、各コーナーごとに数13を用いてベクト
ルθeを計算すれば、コーナーとして要求される電気特
性に対応する素子パラメータセットを求めることができ
る。
【0072】なお、素子パラメータ感度は、回路シミュ
レーションを行うことにより求められる。すなわち、素
子パラメータセット中の各成分を一つずつ微小変化させ
たときの点P0a,P0bにおける電気特性からの電気
特性の微小変化量をそれぞれ観測することで、各素子パ
ラメータ感度を求めることができる。
【0073】以上の流れをまとめて図1を用いて説明す
る。図1は、本実施の形態にかかるシミュレーション方
法を示すフローチャートである。
【0074】まず、各コーナーにおける電気特性のバラ
ツキとして許容可能な値(Itypn+δIdsatna、It
ypn−δIdsatnb等)と、対象となる素子に関する情
報(点P0a,P0bに対応するモデルパラメータおよ
びプロセスパラメータの代表値)を準備する(ステップ
S02)。続いて、回路シミュレーションを実行して、
電気特性の素子パラメータに対する電気特性の素子パラ
メータ感度を求める(ステップS03)。
【0075】そして、最小自乗法の正規方程式から導か
れた数13を用いて、ステップS03で得られた素子パ
ラメータ感度と、ステップS02で与えられた電気特性
の値とから、各コーナーごとに、素子パラメータセット
のバラツキ(変動量δ(ΔL),δ(ΔW),δTox,
δVth0)を計算する(ステップS03)。
【0076】本実施の形態にかかるシミュレーション方
法を用いれば、最小自乗法の正規方程式に素子パラメー
タ感度と電気特性の値とを適用して各コーナーにおける
素子パラメータセットのバラツキを求めるので、回路シ
ミュレーションを行うのは素子パラメータ感度を求める
ときだけで済む。よって、回路シミュレーションを繰り
返すことなくコーナーにおいて許容される素子パラメー
タのバラツキを求めることが可能である。また、数11
が素子パラメータの数だけ存在する連立方程式となって
おり、代数学の基本定理に基づいて一意に解けるので、
一意に素子パラメータのバラツキを求めることが可能で
ある。
【0077】<実施の形態2>本実施の形態にかかるシ
ミュレーション方法は、実施の形態1にかかるシミュレ
ーション方法の変形例である。本実施の形態において
は、実施の形態1において求められた各コーナーでの素
子パラメータセットのバラツキの値を用いて、実際に各
コーナーでの電気特性を計算し、設定した電気特性のバ
ラツキの許容可能な値と略等しいとみなせるかどうか検
証する。
【0078】図2は、本実施の形態にかかるシミュレー
ション方法のフローチャートを示す図である。まず、実
施の形態1と同様、各コーナーにおける電気特性のバラ
ツキとして許容可能な値と、対象となる素子に関する情
報を準備する(ステップS12)。
【0079】続いて、回路シミュレーションを実行し
て、電気特性の素子パラメータに対する電気特性の素子
パラメータ感度を求める(ステップS13)。そして、
最小自乗法の正規方程式から導かれた数13を用いて、
ステップS13で得られた素子パラメータ感度と、ステ
ップS12で与えられた電気特性の値とから、各コーナ
ーごとに、素子パラメータセットのバラツキを計算する
(ステップS14)。
【0080】その後、ステップS14で得られた素子パ
ラメータセットのバラツキに基づいてコーナーにおける
電気特性の値を計算する(ステップS15)。この電気
特性の計算においては、数9のうちベクトルfを削除し
た式を用いればよい。すなわち、素子パラメータ感度と
素子パラメータセットとの乗算に基づいて電気特性のバ
ラツキを計算すればよい。
【0081】そして、ステップS15で得られた電気特
性の値が、設定した電気特性のバラツキの許容可能な値
を満足しているか検証を行う(ステップS16)。この
検証は、例えば以下の式により求められる誤差ERRの
値を用いて行えばよい。
【0082】
【数14】
【0083】
【数15】
【0084】ここで、ERRXX 2は各コーナーでの電気
特性の自乗誤差(XXはNMOS,PMOSの応答速度
を表す添字であり、Fが最速、Sが最遅)を表し、ysi
min,ysimip,yspecin,yspecipは数10の
右辺第1式で示したysimi,yspeciのNMOS、P
MOSごとの値を表している。
【0085】そして、この誤差ERRの値が所定の値よ
りも大きければ、例えば素子パラメータ感度の計算に誤
差が含まれている可能性があるので、ステップS13に
戻って素子パラメータ感度を計算しなおすようにすれば
よい。そうすれば、素子パラメータ感度の誤差が小さく
なり、誤差ERRの値が所定の値よりも小さく収まる場
合がある。その場合は、精度の高い素子パラメータセッ
トおよび電気特性が得られる。
【0086】本実施の形態にかかるシミュレーション方
法を用いれば、素子パラメータ感度とコーナーでの素子
パラメータのバラツキとの乗算に基づいてコーナーでの
電気特性のバラツキを計算するので、設定した電気特性
のバラツキの許容可能な値と略等しいとみなせるかどう
か検証することができる。
【0087】また、誤差ERRの値が所定の値よりも大
きければ、ステップS13に戻って素子パラメータ感度
を計算しなおすので、誤差ERRの値が所定の値よりも
小さく収まり、精度の高い素子パラメータセットおよび
電気特性を求めることができる場合がある。
【0088】<実施の形態3>本実施の形態にかかるシ
ミュレーション方法は、実施の形態2にかかるシミュレ
ーション方法の変形例である。本実施の形態において
は、各コーナーでの電気特性と設定した電気特性のバラ
ツキの許容可能な値とが略等しいとみなせるかどうかの
検証後のステップが異なる。すなわち、略等しいとみな
せない場合には、数9の行列Aおよびベクトルθの次元
を調整する、または、素子パラメータの重み付けを行
う。
【0089】図3は、本実施の形態にかかるシミュレー
ション方法のフローチャートを示す図である。まず、実
施の形態2と同様、各コーナーにおける電気特性のバラ
ツキとして許容可能な値と、対象となる素子に関する情
報を準備する(ステップS22)。
【0090】続いて、回路シミュレーションを実行し
て、素子パラメータに対する電気特性の素子パラメータ
感度を求める(ステップS23)。そして、最小自乗法
の正規方程式から導かれた数13を用いて、ステップS
23で得られた素子パラメータ感度と、ステップS22
で与えられた電気特性の値とから、各コーナーごとに、
素子パラメータセットのバラツキを計算する(ステップ
S24)。
【0091】その後、ステップS24で得られた素子パ
ラメータセットのバラツキに基づいてコーナーにおける
電気特性の値を計算する(ステップS25)。そして、
ステップS25で得られた電気特性の値が、設定した電
気特性のバラツキの許容可能な値を満足しているか検証
を行う(ステップS26)。この検証は、例えば実施の
形態2と同様、誤差ERRの値を用いて行えばよい。
【0092】そして、誤差ERRの値が所定の値よりも
大きければ、数9の行列Aおよびベクトルθの次元を調
整する、または、素子パラメータの重み付けを行う。
【0093】ここで、「数9の行列Aおよびベクトルθ
の次元を調整する」とは、電気特性の値に影響を及ぼす
素子パラメータを新たに加えて行列Aおよびベクトルθ
の次元を増やすことを指す。この場合、新たな素子パラ
メータが加わったので、ステップS23においてその新
たな素子パラメータに対する電気特性の素子パラメータ
感度を新たに計算する必要がある(図3において、ステ
ップS27からステップS23への矢印はこのことを意
味している)。
【0094】すなわち、素子パラメータとして新たなも
のを導入し、その新たな素子パラメータについても、素
子パラメータ感度の計算と最小自乗法の適用とを行う。
これにより、ステップS25で得られる電気特性の精度
をより高めることができる。
【0095】また、「素子パラメータの重み付けを行
う」とは、数13を、
【0096】
【数16】
【0097】のように修正することを指す。ここで、W
は、
【0098】
【数17】
【0099】で定義される重み付け行列である。重み付
け行列Wは対角行列であり、その対角成分W1〜Wn
は、それぞれベクトルxの成分および行列Aの各行の成
分に重みとして乗じられる。これは、数10の右辺第2
式のδyspeciおよびδysimiのそれぞれに電気特性
ごとに重みを乗じることに相当し、ベクトルfのノルム
に対する電気特性ごとの寄与の度合いを変化させること
を意味する。このような手法は重み付き最小自乗法と呼
ばれ、ベクトルxの成分のうち特に重視したい電気特性
の成分の誤差を強調しつつ、素子パラメータセットをよ
り正確に求めることができる。
【0100】なお、ここでは、ステップS26での検証
後のステップS27で重み付けを行う場合について述べ
たが、最初にステップS24で素子パラメータセットを
計算する段階で重み付けを行うようにしてもよい。ま
た、ステップS26において各コーナーでの電気特性と
設定した電気特性のバラツキの許容可能な値とが略等し
いとみなせた場合であっても、あらためて重み付けを行
った状態でステップS24を行うようにしてもよい(図
3において、ステップS26のYESのフローからステ
ップS27への破線の矢印はこのことを意味してい
る)。
【0101】また、ステップS26において各コーナー
での電気特性と、設定した電気特性のバラツキの許容可
能な値とが略等しいとみなせた場合であっても、例えば
パラメータ感度の低い素子パラメータについては、ステ
ップS27において数9の行列Aおよびベクトルθから
削除してこれらの次元を下げるよう調整し、素子パラメ
ータ感度の高い素子パラメータに絞り込んで素子パラメ
ータセットを計算しなおす(例えば、ベクトルθのうち
δToxnの成分を除去し、行列Aにおいて3列目の各成
分を除去する)ようにしてもよい(なお、ステップS2
6のYESのフローからステップS27への破線の矢印
はこのことをも意味している)。すなわち、一部の素子
パラメータについては最小自乗法への適用を行わずに、
それ以外の素子パラメータについてのみ、再度、ステッ
プS24を行う。その場合、計算量が減るので、素子パ
ラメータ感度の高い素子パラメータに重点をおきつつ、
ステップS24,S25において高速に素子パラメータ
セットおよび電気特性を再度、計算することが可能とな
る。
【0102】本実施の形態にかかるシミュレーション方
法を用いれば、数9の行列Aおよびベクトルθの次元を
調整するので、電気特性の精度をより高めることができ
る。または、計算量を減らして素子パラメータ感度の高
い素子パラメータに重点をおきつつ、ステップS24に
おいて高速に素子パラメータセットを計算することがで
きる。また、重み付き最小自乗法を用いる場合には、特
に重視したい電気特性の誤差を強調しつつ、素子パラメ
ータセットをより正確に求めることができる。
【0103】<実施の形態4>本実施の形態は、例とし
て実施の形態3にかかるシミュレーション方法を実現す
るシミュレーション装置を示すものである。
【0104】図4に、本実施の形態にかかるシミュレー
ション装置の構成を示す。このシミュレーション装置
は、数値データ等を入力するためのデータ入力部100
と、各種データの計算や転送等を行うデータ処理部20
0と、素子パラメータセットおよび電気特性の計算結果
やその他のデータ等を表示するデータ出力部300と、
各種データを記憶するデータ記憶部400と、回路シミ
ュレーションを行うシミュレータ500とを備えてい
る。
【0105】このうちデータ処理部200は、例えばC
PU(Central Processing Unit)で構成され、キャッ
シュメモリ等の内部記憶部201を備えている。また、
データ記憶部400は、例えばハードディスク等の外部
記憶装置であり、そこには、過去に計算した素子パラメ
ータ感度を記録した感度ファイル401、過去に計算し
た素子パラメータセットを記録した抽出結果ファイル4
02、素子パラメータセットの計算時に用いた抽出条件
(MISFETのゲートバイアス値やボディ電圧値な
ど)を記録した抽出条件ファイル403、点P0a,P
0b等の代表値での素子パラメータの組であるTYPI
CAL値でのパラメータセットを記録したファイル40
4が収められている。
【0106】図5および図6は、図3のフローチャート
を本実施の形態にかかるシミュレーション装置に適用し
た場合の、より詳細なフローチャートである。
【0107】まず、ステップS52に示すように、TY
PICAL値でのパラメータセット、抽出条件、ゲート
長やゲート幅等のトランジスタサイズおよびコーナーに
おける電気特性のバラツキとして許容可能な値を、それ
ぞれデータ入力部100から入力する(ステップS5
2)。このとき入力された各データは、素子パラメータ
セットおよび電気特性の計算に用いられるため、データ
処理部200によって内部記憶部201またはデータ記
憶部400に記録される。
【0108】次に、データ処理部200は、上記の入力
データと同じ条件下で過去に素子パラメータ感度の計算
が行われたかどうかを、データ記憶部400内の各種フ
ァイル401〜404を参照しつつ調査する(ステップ
S53)。もし過去に行われておれば、その記録を感度
ファイル401からロードして表示する(ステップS5
4)。そしてその記録内容を素子パラメータセットおよ
び電気特性の計算に用いる。
【0109】一方、同じ条件下での素子パラメータ感度
の計算が過去に行われていなければ、データ処理部20
0は、入力された各データをシミュレータ500に与え
る。そして、シミュレータ500において回路シミュレ
ーションが行われ、電気特性の素子パラメータ感度が計
算される(ステップS55)。そして、この計算結果が
データ処理部200に渡され、データ処理部200はこ
の計算結果をデータ出力部300に表示しつつ感度ファ
イル401内に新たに保存する。
【0110】次に、データ処理部200は、上記の入力
データと同じ条件下で、かつ、ステップS54またはS
55で得られた素子パラメータ感度を用いて、過去に素
子パラメータセットの計算が行われたかどうかを、デー
タ記憶部400内の各種ファイル401〜404を参照
しつつ調査する(ステップS56)。もし過去に行われ
ておれば、その記録を抽出結果ファイル402からロー
ドして表示する(ステップS57)。そしてその記録内
容を電気特性の計算に用いる。
【0111】一方、同じ条件下での素子パラメータセッ
トの計算が過去に行われていなければ、データ処理部2
00は数13を用いて素子パラメータセットの計算を行
う(ステップS58)。そして、データ処理部200は
この計算結果をデータ出力部300に表示する。
【0112】次に、データ処理部200は、数9のうち
ベクトルfを削除した式に素子パラメータ感度と素子パ
ラメータセットとを適用して、各コーナーでの電気特性
の計算を行う(ステップS59)。そして、データ処理
部200は、この計算結果がステップS52で入力され
た電気特性のバラツキとして許容可能な値を満足するか
検証を行う(ステップS60)。
【0113】検証の結果、満足していない場合には、数
9の行列Aおよびベクトルθの次元を調整する(ステッ
プS63)、または、素子パラメータの重み付けを行う
(ステップS62)。ステップS63で次元の調整を行
った後は、素子パラメータ感度を新たに計算するために
ステップS53に戻る。また、ステップS62で素子パ
ラメータの重み付けを行った後は、素子パラメータセッ
トを新たに計算するためにステップS58に戻る。
【0114】なお、図3中のステップS26からステッ
プS27への破線の矢印の流れは、煩雑になるので図5
および図6には表示していない。しかし、このようなフ
ローを実現してもよいことは言うまでもない。
【0115】そして、検証の結果、満足している場合に
は、計算した素子パラメータセットを抽出結果ファイル
402に新たに保存する(ステップS61)。そしてシ
ミュレーションを終了する(ステップS64)。
【0116】本実施の形態においては、実施の形態3に
かかるシミュレーション方法を実現する場合を例にとっ
て説明を行ったが、実施の形態2にかかるシミュレーシ
ョン方法を実現する場合には、図6中のステップS6
2,S63を省略し、ステップS60のNOのフローを
ステップS53に戻すようにすればよい。また、実施の
形態1にかかるシミュレーション方法を実現する場合に
は、図6中のステップS59,S60,S62,S63
を省略し、ステップS57,S58の後にステップS6
1を行うフローとすればよい。
【0117】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、最小自
乗法の正規方程式に素子パラメータ感度と電気特性の所
定の値とを適用してコーナーにおける素子パラメータの
バラツキを求めるので、回路シミュレーションを繰り返
すことなくコーナーにおいて許容される素子パラメータ
のバラツキを求めることが可能で、しかも一意に素子パ
ラメータのバラツキを求めることが可能である。
【0118】請求項2に記載の発明によれば、素子パラ
メータ感度とコーナーでの素子パラメータのバラツキと
の乗算に基づいてコーナーでの電気特性のバラツキを計
算するので、工程(d)で計算した電気特性のバラツキ
の値が工程(a)で準備した所定の値と略等しいとみな
せるかどうか検証することができる。
【0119】請求項3に記載の発明によれば、工程
(d)で計算したコーナーでの電気特性のバラツキと、
工程(a)で準備した所定の値とを比較し、その誤差が
所定の値よりも大きければ、工程(b)ないし工程
(d)を再度行うので、精度の高いコーナーでの素子パ
ラメータおよび電気特性を求めることができる場合があ
る。
【0120】請求項4に記載の発明によれば、新たな素
子パラメータを導入し、新たな素子パラメータと素子パ
ラメータとを合わせ用いつつ工程(b)ないし工程
(d)を行うので、工程(d)で得られる電気特性の精
度をより高めることができる。
【0121】請求項5に記載の発明によれば、一部の素
子パラメータについては工程(c)を行わずに、それ以
外の素子パラメータについてのみ工程(c)を行うの
で、計算量を減らしつつ、コーナーにおいて許容される
素子パラメータのバラツキを求めることができる。
【0122】請求項6に記載の発明によれば、工程
(c)において重み付き最小自乗法を用いて素子パラメ
ータのバラツキを求めるので、特に重視したい電気特性
の誤差を強調しつつ、素子パラメータのバラツキをより
正確に求めることができる。
【0123】請求項7に記載の発明によれば、請求項1
ないし請求項6のいずれかに記載のシミュレーション方
法を実現したシミュレーション装置を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係るシミュレーション方法を
示すフローチャートである。
【図2】 実施の形態2に係るシミュレーション方法を
示すフローチャートである。
【図3】 実施の形態3に係るシミュレーション方法を
示すフローチャートである。
【図4】 実施の形態4に係るシミュレーション装置を
示す図である。
【図5】 実施の形態4に係るシミュレーション方法を
示すフローチャートである。
【図6】 実施の形態4に係るシミュレーション方法を
示すフローチャートである。
【図7】 MISFETの構造を示す断面図である。
【図8】 MISFETの構造を示す上面図である。
【図9】 コーナーモデルを説明する図である。
【図10】 コーナーモデルを説明する図である。
【図11】 従来のシミュレーション方法を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
100 データ入力部、200 データ処理部、300
データ出力部、400 データ記憶部、500 シミ
ュレータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 27/04 H01L 27/04 T 21/822 Fターム(参考) 2G032 AA01 AB20 AC08 AE08 AE09 AE10 AL00 5B046 AA08 JA04 5F038 DT12 EZ09 EZ10 EZ20 5F064 BB07 CC12 HH06 HH09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体集積回路を構成する素子の電気特
    性のバラツキを、バラツキの限界を規定するコーナーを
    含むコーナーモデルで表現するシミュレーション方法で
    あって、 前記コーナーにおける前記電気特性のバラツキとして許
    容可能な所定の値を準備する工程(a)と、 前記素子に関する情報を示す素子パラメータに対する前
    記電気特性の微分量である素子パラメータ感度を回路シ
    ミュレーションを行って求める工程(b)と、 最小自乗法の正規方程式に前記素子パラメータ感度と前
    記電気特性の前記所定の値とを適用して前記コーナーに
    おける前記素子パラメータのバラツキを求める工程
    (c)とを備えるシミュレーション方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のシミュレーション方法
    であって、 前記工程(b)で得られた前記素子パラメータ感度と前
    記工程(c)で得られた前記コーナーでの前記素子パラ
    メータのバラツキとの乗算に基づいて前記コーナーでの
    前記電気特性のバラツキを計算する工程(d)をさらに
    備えるシミュレーション方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のシミュレーション方法
    であって、 前記工程(d)で計算した前記コーナーでの前記電気特
    性のバラツキと、前記工程(a)で準備した前記所定の
    値とを比較し、その誤差が所定の値よりも大きければ、
    前記工程(b)ないし工程(d)を再度行うシミュレー
    ション方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のシミュレーション方法
    であって、 前記工程(d)で計算した前記コーナーでの前記電気特
    性のバラツキと、前記工程(a)で準備した前記所定の
    値とを比較し、その誤差が所定の値よりも大きければ、
    新たな素子パラメータを導入し、前記新たな素子パラメ
    ータと前記素子パラメータとを合わせ用いつつ前記工程
    (b)ないし工程(d)を行うシミュレーション方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のシミュレーション方法
    であって、 前記素子パラメータは複数であり、 一部の前記素子パラメータについては前記工程(c)を
    行わずに、それ以外の前記素子パラメータについてのみ
    前記工程(c)を行うシミュレーション方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のシミュレーション方法
    であって、 前記工程(c)において重み付き最小自乗法を用いて前
    記素子パラメータのバラツキを求めるシミュレーション
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれかに記
    載のシミュレーション方法を用いて、前記素子の前記電
    気特性のバラツキをコーナーモデルで表現するシミュレ
    ーション装置であって、 前記電気特性のバラツキとして許容可能な前記所定の値
    を入力するためのデータ入力手段と、 データ出力手段と、 前記素子パラメータを変動させたときの前記電気特性の
    変動量をシミュレートすることで前記素子パラメータ感
    度を求めるシミュレータと、 前記シミュレータで求められた前記素子パラメータ感度
    と前記データ入力手段に入力された前記電気特性の前記
    所定の値とを最小自乗法の正規方程式に適用して、前記
    コーナーにおける前記素子パラメータのバラツキを求
    め、前記データ出力手段に出力するデータ処理手段とを
    備えるシミュレーション装置。
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