JP2002038890A - トンネルの覆工工法およびトンネルの補修方法 - Google Patents
トンネルの覆工工法およびトンネルの補修方法Info
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Abstract
がりや、リバウンドによる材料ロスを生じることなく、
従来のNATMによる工法と同等もしくはそれ以上の強
度のもとにトンネルを覆工することのできる覆工工法
と、同様な手順を用いたトンネルの補修方法を提供す
る。 【解決手段】 トンネルを所定距離だけ掘削した後、そ
の坑Hの周長と略等しい周長にスパイラル状に巻回した
ホース2a,2b,2c,2dを含む補強部材1を坑H
内に引き込み、各ホース2a,2b,2c,2d内にモ
ルタル等の液状固化材Mを注入して坑H内面の地山Gに
沿わせることで、ホース2a,2b,2c,2d内の液
状固化材Mが硬化した状態においては、実質的に坑H内
にアーチ状の自立型枠を施工した状態となり、地山Gが
緩んで内側に締まろうとする際に、各ホースとその内部
の硬化状態の液状固化材Mが支持リングとして機能し、
地山Gの変形や崩れを有効に防止する。
Description
路用、水路用等をはじめとする各種用途のトンネルの覆
工工法並びに補修方法に関する。
来、NATMによる工法が知られている。このNATM
による工法は、基本的にトンネルをその周囲の地山によ
って支えるものであり、トンネルを所定距離だけ掘削し
た後、その掘削された地山の表面に対してコンクリート
吹き付け機等によって急結性のコンクリートを吹き付け
て一次覆工し、その覆工体であるコンクリートと地盤と
を一体化し、その一体化構造体によってトンネルを支え
るものである。
トの吹き付けにより覆工する従来のNATMによる工法
によれば、コンクリートを吹き付ける際に多大の粉塵が
舞い上がって作業環境が劣悪となるばかりでなく、吹き
付けられたコンクリートが地山で跳ね返るリバウンドに
よって材料ロスが発生するという問題がある。
もので、粉塵の舞い上がりがなくクリーンな工法で、し
かも材料ロスを殆ど生じることなく、従来のNATMに
基づく覆工工法と同等もしくはそれ以上の強度を発揮す
ることのできるトンネルの覆工工法と、その覆工工法と
同等の手順により、老朽化等に起因する表面の剥落等を
防止することのできるトンネルの補修方法の提供を目的
としている。
め、請求項1に係る発明のトンネルの覆工工法は、トン
ネルを所定距離だけ掘削した後、その坑内に、坑周長と
略等しい周長にスパイラル状に巻回したホースを含む補
強部材を引き込み、その補強部材のホース内に液状固化
材を注入して坑内面の地山に沿わせることによって特徴
づけられる。ここで、請求項1に係る発明においては、
補強部材として、複数条のスパイラル状ホースを含んだ
ものとし、その各条のホース内に圧力流体を送入して補
強部材を坑内面の地山に密着させつつ、1条ずつホース
内に液状固化材を注入していく方法(請求項2)を好適
に採用することができる。
工工法は、トンネルを所定距離だけ掘削した後、その坑
内に、坑の横断方向への坑壁長に略等しい長さのホース
を互いに平行に複数列有する補強部材を引き込み、その
各ホース内に液状固化材を注入して当該ホースを坑内面
の地山に沿わせることによって特徴づけられる。ここ
で、以上の各請求項に係る発明においては、上記補強部
材として、上記ホースの外側もしくは内側に配置された
第1の布帛と、上記ホースの最外側に配置された第2の
布帛とを含んだものとし、当該補強部材のホース内に液
状固化材を注入した後、上記第1および第2の布帛の間
に液状固化材を注入する方法(請求項4)を採用するこ
とができる。
補強部材を用いる場合、そのうちの少なくともいずれか
一方が水密性を有したものとすること(請求項5)が好
ましい。
用いる補強部材のホースを、断面略円形の保形ホースと
すること(請求項6)が好ましく、この保形ホースの具
体的構成としては、合成繊維糸のたて糸と、金属線もし
くは合成樹脂モノフィラメント糸のよこ糸とを筒状に織
成した筒状織物の内面に、ライニング層を形成した構造
のもの(請求項7)を好適に採用することができる。
て、補強部材内のホース内に液状固化材を注入した後、
ホースの表面にコンクリート等の表面被覆材を吹き付け
る方法(請求項8)を採用することもできる。
ホースには、空気抜き用の孔を形成しておくこと(請求
項9)が望ましい。
補修方法は、既設トンネルの内面を補修する方法であっ
て、既設トンネル内に、トンネル周長と略等しい周長に
スパイラル状に巻回したホースを含む補強部材を引き込
み、その補強部材のホース内に液状固化材を注入して補
修すべきトンネル内面に沿わせることによって特徴づけ
られる(請求項10)。
求項2に係る発明の覆工工法における手順と同様に、補
強部材として、複数条のスパイラル状ホースを含んだも
のとし、その各条のホース内に圧力流体を送入して補強
部材を補修すべきトンネル周壁に密着させつつ、1条ず
つホース内に液状固化材を注入していく方法(請求項1
1)を好適に採用することができる。
補修方法は、既設トンネルの内面を補修する方法であっ
て、既設トンネル内に、トンネルの横断方向へのトンネ
ル周壁長に略等しい長さのホースを互いに平行に複数列
有する補強部材を引き込み、その各ホース内に液状固化
材を注入して当該ホースを補修すべきトンネル周壁に沿
わせることによって特徴づけられる。
NATMと同様にトンネルを周囲の地山により支えるの
であるが、従来のNATMのように掘削後の坑内面の地
山表面にコンクリートを吹き付けるのではなく、これに
代えて、坑内に引き込んだホース内にモルタル等の液状
固化材を注入してそのホースを地山に対して密着させる
ことにより、高強度の一次覆工を施すものである。
に、その坑の内面に、スパイラル状に巻回したホースを
含む補強部材(請求項1)、もしくは、トンネル横断方
向に配列された複数列のホースを含む補強部材(請求項
3)を引き込み、そのホース内にモルタル等の液状固化
材を注入して坑内面の地山に密着させると、モルタル等
の液状固化材の硬化後には、坑内面の地山はスパイラル
状ないしは複数のアーチ状の自立型枠と同等の部材によ
り覆われた状態となり、地山の崩れを防ぐことができ
る。ホース内に液状固化材を注入して硬化した覆工体
は、特に、地山が緩んで内側に締まろうとするとき、支
持リングとして働き、地山の変形を有効に阻止すること
ができる。
含む補強部材を用いる場合、請求項2に係る発明のよう
に、複数条のホースをスパイラル状に巻回し、その各条
のホース内に圧力流体を送入して坑内面の地山に密着さ
せつつ、1条ずつホース内に液状固化材を注入すること
により、地山は各条のホース内のモルタル等の液状固化
材が硬化するまでの間においても、圧力流体により加圧
されたホースによって押さえられ、掘削後速やかに仮の
覆工がなされた状態となって地山の崩れを防ぐことがで
きるとともに、ホース内への液状固化材の注入もスムー
ズに行うことができる。
ホース、もしくは、トンネル横断方向に配列された複数
列のホースと、そのホースの外側もしくは内側に第1の
布帛を、最外側に第2の布帛を配置した補強部材を用
い、ホース内に液状固化材を注入した後に、第1と第2
の布帛の間にも液状固化材を注入する請求項4に係る発
明を採用すると、液状固化材が注入されたホースからな
る実質的な支持リングないしは自立型枠に対して裏込め
材を注入した構造となり、掘削後のトンネルの地山に凹
凸等が存在しても、覆工体と地山との密着性を上げるこ
とができるとともに、覆工体の強度を向上させることが
できる。
くともいずれか一方に水密性を持たせる請求項5に係る
発明の採用により、坑内への湧き水を下部に逃がすこと
ができ、第1と第2の布帛の間に液状固化材を注入して
裏込めを行う請求項4に係る発明との併用により、止水
機能はより向上する。
に係る発明のように、例えば、サクションホースのよう
な断面略円形の保形ホースを用いると、キンクせずその
取扱性が良好で作業性が向上する。また、ホースはキン
クせず地山に沿って密着するため、荷重を均一に受け持
つ。更に、モルタル等の液状固化材がホース内で割れて
も、保形ホースの自身が破壊されない限り変形に追随
し、全体として高い強度を示す。そして、この保形ホー
スの構造として、請求項7に係る発明のように、合成繊
維糸のたて糸と、金属線もしくは合成樹脂モノフィラメ
ント糸のよこ糸とを筒状に織成した筒状織物の内面に、
ライニング層を形成した構造を採用することにより、破
断圧力を極めて高くすることができ、数十kgf/cm
2 の圧力下で釘等で孔を開けても破断することがない。
は、請求項8に係る発明のように、ホース内に液状固化
材を注入して地山に密着させたホース覆工体に対して、
コンクリート等の表面被覆材を更に吹き付けることによ
り、表面の平滑化と覆工体の地山に対する密着性をより
向上させることができる。
て、請求項9に係る発明のように、ホースに空気抜き用
の孔を形成しておくことにより、液状固化材の注入作業
を容易化することができる。
本発明のトンネルの覆工工法における主たる手順を応用
したトンネルの補修方法であって、既設トンネル内に、
スパイラル状に巻回したホースを含む補強部材(請求項
10)、もしくはトンネル横断方向に配列された複数列
のホースを含む補強部材(請求項12)を引き込み、そ
のホース内にモルタル等の液状固化材を注入して補修す
べきトンネル内面に密着させると、モルタル等の液状固
化材の硬化後には、既設トンネルの内面はスパイラル状
ないしは複数のアーチ状の自立型枠と同等の部材により
覆われた状態となり、劣化等によりトンネル内壁面の剥
落等を有効に防止することができる。
も、スパイラル状に巻回したホースを含む補強部材を用
いる場合には、ホースを複数条として、圧力流体により
各条のホースを既設トンネルの内面に密着させた状態
で、1条ずつホース内にモルタル等の液状固化材を注入
していく請求項11に係る発明を採用することにより、
補強部材の取扱性や液状固化材の注入の作業性等を向上
させることができる。
実施の形態について述べる。図1〜図6は本発明のトン
ネルの覆工工法の実施の形態の手順説明図で、トンネル
の軸方向に沿った模式的断面図を用いて示す図である。
なお、図1〜図5において、Fは切羽で、1′は既に覆
工を完了した補強部材を示し、これらの図においては、
ホース2a〜2dの巻回状態を示すために、ホース2a
〜2dの内側に配置される第1の布帛3は透視した状態
で示している。また、図6においては、模式的な要部拡
大断面図を示している。
の距離だけ掘削するごとに、その坑H内に補強部材1を
引き込む。補強部材1は、図7に展張状態の要部断面図
を模式的に示すように、スパイラル状に巻回した複数
条、例えば4条のホース2a,2b,2cおよび2d
と、そのホース2a,2b,2cおよび2dの内側に第
1の布帛3を、外側には第2の布帛4を配した構造をし
ており、第1と第2の布帛3と4とは軸方向の両端部に
おいて相互に縫製等によって接合されている。また、第
1と第2の布帛3と4の間の各ホース2a,2b,2c
および2dの間には、それぞれ布帛3および4に縫製さ
れた仕切り布5が介在しており、この仕切り布5によっ
て各ホース2a,2b,2cおよび2dの1巻ずつの位
置が規制されるようになっている。
図8にその要部軸平行断面図を模式的に示すように、金
属ワイヤもしくは合成樹脂モノフィラメントからなるよ
こ糸21と、合成繊維糸からなるたて糸22を筒状に織
成するとともに、その内面にウレタン等のライニング層
23を積層してなる断面略円形の保形性を持つ構造を有
している。そして、スパイラル状に巻回されたホース2
a,2b,2cおよび2dの展張状態における周長は、
坑Hの周長と略等しく設定されている。また、第1と第
2の布帛3と4の少なくともいずれか一方は水密性を有
したものとされている。
次に各ホース2a,2b,2cおよび2d内に圧力流
体、例えばエアAを送入して加圧した状態を維持する。
これにより、各ホース2a,2b,2cおよび2dは展
張状態となり、図2に示すように、スパイラル状の各ホ
ース2a,2b,2cおよび2dは第2の布帛4を介し
て坑Hの内面の地山Gに密着した状態となる。
2a,2b,2cおよび2dのうちの1本のホース、例
えばホース2a内のエアAを、液状固化材、例えばモル
タルMに置換する。この間、他の3本のホース2b,2
cおよび2d内はエアAによって加圧した状態を保つ。
の1本のホース、例えばホース2c内のエアAをモルタ
ルMに置換する。このように各条のホース1本ずつの内
部にモルタルMを注入していくことにより、図5に示す
ように全てのホース2a,2b,2cおよび2d内にモ
ルタルMを注入する。
帛3と4との間にモルタルMを注入し、硬化させること
によって、掘削された分の地山Gの覆工を終了する。こ
の状態では、図9にトンネルの横断方向に沿って切断し
た模式的断面図を示すように、地山表面に凹凸が存在し
ていても、第1と第2の布帛3と4との間に注入される
モルタルMの圧力によって第2の布帛4が地山Gの表面
に倣い、補強部材1の地山との密着性が向上する。
目すべき点は、トンネル掘削後の一次覆工に際して、補
強部材1を引き込んだ後にホース2a,2b,2cおよ
び2dと、第1と第2の布帛3と4との間にモルタルM
を注入するだけであり、従来のNATMによる工法のよ
うにコンクリートの吹き付け工程を必要としない点であ
る。これにより、粉塵の舞い上がりによる作業環境の悪
化や、リバウンドによる材料ロスといった不具合が生じ
ることがなく、掘削後速やかに一次覆工することができ
る。
2a,2b,2cおよび2d内に注入されたモルタルM
が硬化した状態では、坑Hの内面は実質的にアーチ状の
自立型枠が施された状態となり、地山Gの崩れを有効に
防止することができ、地山Gが緩んで内側に締まろうと
するときには、支持リングとして機能する。また、ホー
ス2a,2b,2cおよび2d内でモルタルMが割れて
も、ホースを構成する織物が切断されない限り地山Gの
変形に追随し、全体としての覆工体は補強体としての機
能を維持することができる。
2dは図8に示す構造を持つ保形性を有する、いわゆる
保形ホースであるため、その取扱性が良好であるばかり
でなく、高圧下で釘等で孔を開けても破断することがな
く、覆工体としての強度を確実に発揮することができ
る。
もいずれか一方に水密性を持たせることにより、坑H内
への湧き水がその水密性を有する布帛を介して坑Hの下
部に逃がすことができ、これらの布帛3,4の間に注入
されたモルタルMと相まって、覆工後のトンネル内部の
止水性を良好なものとすることができる。
材1においては、第1と第2の布帛3と4とをスパイラ
ル状に巻回したホース2a,2b,2cおよび2dの内
側と外側に配した例を示したが、図10要部断面図を模
式的に示すように、第1の布帛3をスパイラル状に巻回
したホース2a,2b,2cおよび2dの外側に配し、
第2の布帛4を更にその外側に配した構造としても、上
記の実施の形態と同等の作用効果を奏することができ
る。
のホース2a,2b,2cおよび2dをスパイラル状に
巻回したが、その条数は任意であり、1条としてもよ
い。そして、坑H内におけるホースの配置の形態として
は、スパイラル状に巻回するほか、坑Hの横断方向に沿
って互いに平行に複数列配置した形態としてもよく、図
11にその例を展張状態での概念的な斜視図で示す。
掘削された坑の両端部に長手方向(掘進方向)に沿った
パイプ11a,11bを設けるとともに、そのパイプ1
1a,11bに複数のホース20・・・・の両端部を接続し
て連通させて、各ホース20・・・・を坑Hの横断方向に沿
ったアーチ状に互いに平行に配置している。
の長さと略等しく、その内部にモルタルM等の液状固化
材を注入することによって、各ホース20・・・・が坑内面
の地山に密着するようになっている。この構造において
は、各ホース20・・・・内へのモルタルM等の液状固化材
の注入は、パイプ11a,11bを通じて行うことがで
きる。
20・・・・内に注入されたモルタルMが硬化した状態で
は、坑Hの内面に実質的にアーチ状の自立型枠が施され
た状態となり、先の実施の形態と同等の作用効果を奏す
ることができる。
も、ホース20・・・・の内側と外側、あるいは外側と最外
側に先の実施の形態と同等の第1と第2の布帛3と4と
を配置して、ホース20・・・・内への液状固化材の注入後
にこれの布帛3,4の間にも液状固化材を注入すること
ができ、更には各ホース20・・・・の構造も先の実施の形
態と同等のものを好適に採用することができる。
ホース2a,2b,2cおよび2dと、ホース20・・・・
に、例えばその天端部の位置等に空気抜き用の孔を形成
しておくと、ホース内のエアをモルタルM等の液状固化
材に置換する際に、ホース内のエアがその空気抜き用の
孔から外部に放出されるため、注入作業が容易化される
と同時に、ホース内にエアが残存する可能性を少なくす
ることができる。また、以上の各実施の形態において、
覆工作業を終了した後、トンネルの内面からコンクリー
ト等を吹き付ける二次覆工を行うことによって、トンネ
ル表面の平滑化、ホース等からなる一次覆工体の保護お
よび地山に対する保持性を向上させることができる。
て説明する。上記したトンネルの覆工方向に係る発明の
実施の形態において用いたスパイラル状に巻回したホー
ス2a,2b,2cおよび2dを用いた補強部材1、あ
るいは互いに平行に配列した複数のホース20・・・・を用
いた補強部材10の構造は、既設トンネルの補修にもそ
のまま適用することができる。すなわち、以上説明した
補強部材1もしくは10を、老朽化等に起因して表面覆
工体の剥落等の危険性のある既設トンネル内に引き込
み、ホース2a,2b,2cおよび2d内、あるいはホ
ース20・・・・内にモルタルM等の液状固化材を注入し
て、補強部材1もしくは10を補修すべきトンネル内面
に沿わせ、モルタルMを硬化させる。これにより、既設
トンネルはその内部にアーチ状の自立型枠が形成された
状態となり、既設トンネルの表面覆工体の変形等を有効
に防止することができ、また、ホースの内側と外側、も
しくは外側と最外側に第1と第2の布帛3,4を備えた
補強部材を用いることにより、表面覆工体の剥落等をも
確実に防止することができる。
る補強部材1または10のトンネルの軸方向長さ(トン
ネルの長手方向への長さ)が、トンネルの掘削距離と同
等とされるのに対し、本発明のトンネルの補修方法にお
いて用いる補強部材1または10については、その軸方
向長さに特に制限はなく、取扱性並びに施工性等に応じ
て適宜の長さとすることができる。
工法によれば、トンネルを所定距離だけ掘削した後、そ
の坑内に、スパイラル状に巻回した1条もしくは複数条
のホース、あるいは坑の横断方向に沿うように互いに平
行に配列した複数のホースを含む補強部材を引き込み、
ホース内にモルタル等の液状固化材を注入してホースを
坑内面の地山に密着させるので、一次覆工に際して従来
のNATMによる工法のようにコンクリートを吹き付け
る必要がないので、粉塵の舞い上がりによる作業環境の
悪化や、リバウンドによる材料ロスも生じることがな
く、しかも、ホース内のモルタル等の液状固化材が硬化
した後には、トンネル内部に実質的に自立型枠が施工さ
れた状態となり、地山の崩れを防ぎ、特に地山が緩んで
内側に締まろうとする際には支持リングとして機能し、
高い強度のもとにその変形を阻止することができる。
化させた状態においては、内部のモルタル等が割れても
ホース自身が破壊されない限り変形に追随し、特に、金
属線もしくは合成繊維モノフィラメントをよこ糸に、合
成繊維糸をたて糸に用いた断面略円形の保形ホースを用
いることにより、キンクせず取扱性、作業性が向上する
ととも、高圧下で釘等による孔が開いても破断せず、コ
ンクリートのみによる覆工に比して、実質的な強度は大
幅に増大する。
ば、上記した本発明に係るトンネルの覆工工法と同等の
補強部材を用いた同等の手順により、老朽化等により表
面の剥落等の危険性のある既設トンネルの内面を、良好
な作業環境のもとに、高い強度で確実に補修することが
できる。
順説明図で、補強部材1を坑H内に引き込んだ状態を示
す模式的断面図である。
態の手順説明図で、補強部材1のホース2a,2b,2
c,2d内に高圧エアを供給して加圧した状態を示す模
式的断面図である。
態の手順説明図で、各ホースのうちの1条のホース2a
内にモルタルMを注入した状態を示す模式的断面図であ
る。
態の手順説明図で、次の1条のホース2c内にモルタル
Mを注入した状態を示す模式的断面図である。
態の手順説明図で、全てのホース2a,2b,2c,2
d内にモルタルMを注入した状態を示す模式的断面図で
ある。
態の手順説明図で、第1と第2の布帛3と4との間にモ
ルタルMを注入した状態を示す模式的要部拡大断面図で
ある。
いて用いる補強部材1の展張状態で示す模式的要部断面
図である。
b,2c,2dの構造を示す模式的な要部軸平行断面図
である。
た模式的断面図である。
1の布帛3をホース2a,2b,2c,2dの外側に配
置した補強部材1の展張状態での模式的要部断面図であ
る。
態において用いる補強部材10の展張状態での概念的な
斜視図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 トンネルを所定距離だけ掘削した後、そ
の坑内に、坑周長と略等しい周長にスパイラル状に巻回
したホースを含む補強部材を引き込み、その補強部材の
ホース内に液状固化材を注入して坑内面の地山に沿わせ
ることを特徴とするトンネルの覆工工法。 - 【請求項2】 上記補強部材は、複数条のスパイラル状
ホースを含み、その各条のホース内に圧力流体を送入し
て補強部材を坑内面の地山に密着させつつ、1条ずつホ
ース内に液状固化材を注入していくことを特徴とする請
求項1に記載のトンネルの覆工工法。 - 【請求項3】 トンネルを所定距離だけ掘削した後、そ
の坑内に、坑の横断方向への坑壁長に略等しい長さのホ
ースを互いに平行に複数列有する補強部材を引き込み、
その各ホース内に液状固化材を注入して当該ホースを坑
内面の地山に沿わせることを特徴とするトンネルの覆工
工法。 - 【請求項4】 上記補強部材が、上記ホースの外側もし
くは内側に配置された第1の布帛と、上記ホースの最外
側に配置された第2の布帛とを含み、当該補強部材のホ
ース内に液状固化材を注入した後、上記第1および第2
の布帛の間に液状固化材を注入することを特徴とする請
求項1、2または3に記載のトンネルの覆工工法。 - 【請求項5】 上記第1および第2の布帛のうちの少な
くともいずれか一方が水密性を有していることを特徴と
する請求項4に記載のトンネルの覆工工法。 - 【請求項6】 上記補強部材のホースが、断面略円形の
保形ホースであることを特徴とする請求項1、2、3、
4または5に記載のトンネルの覆工工法。 - 【請求項7】 上記保形ホースが、合成繊維糸のたて糸
と、金属線もしくは合成樹脂モノフィラメント糸のよこ
糸とを筒状に織成した筒状織物の内面に、ライニング層
を形成したものであることを特徴とする請求項6に記載
のトンネルの覆工工法。 - 【請求項8】 上記補強部材内のホース内に液状固化材
を注入した後、ホースの表面にコンクリート等の表面被
覆材を吹き付けることを特徴とする請求項1、2、3、
4、5、6または7に記載のトンネルの覆工工法。 - 【請求項9】 上記補強部材のホースに空気抜き用の孔
を形成しておくことを特徴とする請求項1、2、3、
4、5、6、7または8に記載のトンネルの覆工工法。 - 【請求項10】 既設トンネルの内面を補修する方法で
あって、既設トンネル内に、トンネル周長と略等しい周
長にスパイラル状に巻回したホースを含む補強部材を引
き込み、その補強部材のホース内に液状固化材を注入し
て補修すべきトンネル内面に沿わせることを特徴とする
トンネルの補修方法。 - 【請求項11】 上記補強部材は、複数条のスパイラル
状ホースを含み、その各条のホース内に圧力流体を送入
して補強部材を補修すべきトンネル周壁に密着させつ
つ、1条ずつホース内に液状固化材を注入していくこと
を特徴とする請求項10に記載のトンネルの補修方法。 - 【請求項12】 既設トンネルの内面を補修する方法で
あって、既設トンネル内に、トンネルの横断方向へのト
ンネル周壁長に略等しい長さのホースを互いに平行に複
数列有する補強部材を引き込み、その各ホース内に液状
固化材を注入して当該ホースを補修すべきトンネル周壁
に沿わせることを特徴とするトンネルの補修方法。
Priority Applications (1)
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