本発明は、場所打ち杭の築造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、杭の外層を形成する杭外層と杭の内層を形成する杭内層とを有する場所打ち杭の築造方法に関する。
通常、ビルなどの建物を建築する場合、建物の基礎を強固に支持して建物の沈下を防止するために、地盤改良を施すと共に杭を築造する。ここで、杭の種類としては、一般に、既製杭と場所打ち杭とがある。この既製杭に関する技術として、高い鉛直支持力を得るために布製袋体が先端部に装着された既製杭に関する技術がある。例えば、以下のような特許文献1、2である。
従来、杭先端部に布製筒体が装着された既製杭にフリクションカッターが設けられた中掘工法用杭が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の中掘工法用杭は、布製筒体がその上下部でバンドによって既製杭の外周に装着された杭であって、杭の先端部には、装着された布製筒体の厚さよりも大きな厚さを持ち、且つ布製筒体が膨張して生じる球根部の厚さよりも小さな厚さを持ったフリクションカッターが設けられている。そして、この布製筒体の中にセメントミルク、モルタル、又はコンクリートなどの自硬性流体を注入することにより布製筒体を膨張させ、球根部(拡大部)を造成することによって高い鉛直支持力を得ようとするものである。
また、筒状袋体の上下が取付け金物によって既製杭に取り付けられた筒状袋体付既製杭も知られている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に記載の筒状袋体付既製杭は、筒状袋体の上下が取付け金物によって既製杭に取り付けられ、一方の取付け金物は、筒状袋体を折り返すことによりこの筒状袋体で覆われ、他方の取付け金物は、筒状袋体の外部に露出されている筒状袋体付既製杭である。この筒状袋体付既製杭も、上記の中掘工法用杭と同様、この筒状袋体の中にセメントミルク、モルタル、又はコンクリートなどの自硬性流体を注入することにより筒状袋体を膨張させ、球根部(拡大部)を造成することによって高い鉛直支持力を得ようとするものである。
特開平05−51922号公報
特開平05−17939号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載された布製袋体が先端部に装着された既製杭では、布製袋体の中に自硬性流体を注入することにより布製袋体を膨張(拡張)させるため、布製袋体が十分拡張したかどうかを視認することはできず、布製袋体が十分拡張したかどうかを確認するためには、自硬性流体の注入量や注入圧を管理することが必要であり手間がかかっていた。また仮に、布製袋体が十分、膨張(拡張)していない場合、この布製袋体が先端部に装着された既製杭では、布製袋体の膨張(拡張)により高い鉛直支持力を得ることは難しい。また、孔と既製杭との間に隙間が生じるので、この隙間部分にモルタルなどを充填することも必要であり手間がかかる。
一方、掘削した孔にセメントミルク、モルタル、又はコンクリートなどの自硬性流体を流し込んで築造する場所打ち杭では、上記のような布製袋体を杭に装着するような手段を適用することが難しく、つまり、上記のような布製袋体で杭外径を拡張することは困難である。よって、上記のような場所打ち杭では、通常、硬化したセメントミルク、モルタル、又はコンクリートなどと孔内面との間の摩擦力で鉛直支持力を得ようとする。この場合、自硬性流体を流し込むときに、孔壁がくずれることがあり、その場合には所定の支持力を得ることができないことがあった。また、崩れた土砂とコンクリートとが混ざり合い品質の安定した杭が得られないこともあった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、掘削された孔内面との摩擦力をより向上させることができ、且つ、その手段の施工状態を確認し易い場所打ち杭の築造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明に係る場所打ち杭の築造方法は、杭の外層を形成する杭外層と杭の内層を形成する杭内層とを有する場所打ち杭の築造方法に関する。そして、本発明に係る場所打ち杭の築造方法は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。すなわち、本発明の場所打ち杭の築造方法は、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
上記目的を達成するための本発明に係る場所打ち杭の築造方法における第1の特徴は、鉛直方向に形成される杭を築造するための孔を掘削する掘削工程と、前記杭の外層をなすものであって、内面及び外面のうちの少なくともいずれかに硬質熱可塑性樹脂層が形成されると共に径方向に拡張可能な筒状織布からなり長手方向を有する杭外層を前記孔に挿入する杭外層挿入工程と、前記孔に挿入された前記杭外層の内側から前記杭外層を加熱すると共に、前記孔の内周面に向かって前記杭外層を拡張させる拡張工程と、拡張した前記杭外層の中に、硬化後前記杭の内層を形成する自硬性流体を注入する注入工程と、を備えていることである。
この構成によると、加熱によって軟化した杭外層を掘削された孔の内周面に向かって拡張させることにより杭外層の確実な拡張を期待でき、且つその拡張量を把握すること(施工状態の確認)も容易である。さらに、加熱されて柔軟性のある硬質熱可塑性樹脂層を有する杭外層が、掘削された孔の内周面に向かって拡張されるため、杭外層は凹凸のある孔内面の凹部に食い込みやすく、つまり、掘削された孔内面への杭外層の密着力が大きくなる。よって、掘削された孔内面と杭外層との間の摩擦力を向上させることができる。また、硬質熱可塑性樹脂層が形成された筒状織布からなる杭外層は軽量なため、大きな土工機械を必要とせずに杭を築造できる。
また、本発明に係る場所打ち杭の築造方法における第2の特徴は、前記拡張工程において、前記長手方向に複数の大径部及び小径部を連続して形成することである。
この構成によると、地盤中の鉛直方向に大径部及び小径部を連続して有する場所打ち杭を築造することができる。よって、地盤と杭との間の摩擦力をさらに向上させることができる。
また、本発明に係る場所打ち杭の築造方法における第3の特徴は、前記杭外層挿入工程において、前記孔の外部で、前記杭外層を加熱し、その後、内側から加熱及び加圧して当該杭外層を成型時の筒状になる程度に形成した後、前記杭外層を前記孔に挿入することである。
この構成によると、掘削された孔の外部で杭外層を筒状に形成することにより、筒状に形成された杭外層の形状を確認し易い。また、孔の内部での杭外層の再加熱時間を短くすることができる。
また、本発明に係る場所打ち杭の築造方法における第4の特徴は、前記杭外層挿入工程において、水蒸気により前記杭外層を加熱し、その後、前記杭外層の一端から加圧水蒸気を供給することにより前記杭外層を内側から加熱及び加圧して当該杭外層を成型時の筒状になる程度に形成した後、圧縮空気又は水で加圧状態を保ったまま前記杭外層を冷却することにより、前記孔の外部で前記杭外層を円筒状に形成し、前記杭外層を前記孔に挿入することである。
この構成によると、杭外層を孔に挿入するときに、杭外層の外面が傷付くことを防止することができる。
また、本発明に係る場所打ち杭の築造方法における第5の特徴は、前記杭外層挿入工程において、前記長手方向に直交する断面形状が扁平の前記杭外層を、前記孔の外部で加熱することにより柔軟性を持たせて前記断面形状をV字状、又はU字状にして前記孔に挿入することである。
この構成によると、巻かれた杭外層を引き伸ばしながら掘削された孔に挿入することができる。よって、空頭制限のような施工上の制約条件がある場所においても柔軟に対応することができる。
また、本発明に係る場所打ち杭の築造方法における第6の特徴は、前記杭外層挿入工程において、前記杭外層の先端を密封した状態で前記孔に挿入し、前記拡張工程において、前記杭外層の上端を封じると共に蒸気注入用ホースを接続し、前記杭外層の内部へ前記蒸気注入用ホースから加圧水蒸気を供給することにより前記杭外層を内側から加熱及び加圧して、前記杭外層を円筒状に形成することである。
この構成によると、空気圧縮機、ボイラなどの準備しやすい汎用機械を用いて、容易に杭外層を円筒状に形成することができる。
また、本発明に係る場所打ち杭の築造方法における第7の特徴は、前記杭外層を、掘削された孔が崩れないようにするためのケーシングとしても使用し、前記掘削工程と、前記杭外層挿入工程とを同時進行で行うことである。
この構成によると、従来、掘削された孔を保護するために使用されている、例えば、鋼製のケーシングを使用する必要がなくなり、軽量な硬質熱可塑性樹脂層が形成された筒状織布からなる杭外層をケーシングとしても使用することにより、自硬性流体注入の際に、ケーシングを抜き出す必要がなく工程を短縮できる。
また、本発明に係る場所打ち杭の築造方法における第8の特徴は、前記硬質熱可塑性樹脂は、硬質塩化ビニル樹脂であることである。
この構成によると、常温で曲げ弾性率が大きく(変形しにくい)、一方、例えば80℃前後の加熱し易い温度で曲げ弾性率が低くなる(柔軟性がでる)硬質塩化ビニル樹脂を杭外層の材料として用いることで、杭外層を筒状に形成したり、その径を拡張したりすることが容易となる。
また、本発明に係る場所打ち杭の築造方法における第9の特徴は、前記硬質塩化ビニル樹脂は、20℃での曲げ弾性率が2000〜3500MPaで、80℃での曲げ弾性率が300〜800MPaであり、前記杭外層の外径は、加熱及び加圧される前の外径が前記孔の内径よりも5%以上小さく、0.05〜0.1MPaの加圧水蒸気により加熱及び加圧することで加熱及び加圧される前の外径から10〜20%拡張することである。
この構成によると、杭外層の外径を孔の内径よりも5%以上小さくすることで、孔の外部で筒状に形成された杭外層を孔に挿入し易い。また、杭外層は、加熱することにより柔軟性を持たせて孔に挿入する場合、硬質塩化ビニル樹脂の80℃での曲げ弾性率が300MPa未満であると、外傷を受け易く、硬質塩化ビニル樹脂の曲げ弾性率が800MPaより大きいと孔へ引き込みにくい。
さらに、杭外層の外径を、掘削された孔の径よりも、約5〜15%、大きくできるので、確実に杭外層を孔に密着させながら孔を含めて杭外層を拡張させることができる。また、杭外層は、硬質塩化ビニル樹脂の20℃での曲げ弾性率が2000MPa未満であると、鉛直方向の形状を保ちにくく、硬質塩化ビニル樹脂層の厚みを増す必要が生じる。また、硬質塩化ビニル樹脂の曲げ弾性率が3500MPaより大きいと、衝撃に対して割れ易い。
また、本発明は、その第2の態様によれば、杭を築造するための杭外層であって、径方向に拡張可能な筒状織布と、前記筒状織布の内面に形成された内面樹脂層と、前記筒状織布の外面に形成された外面樹脂層とを有し、前記内面樹脂層および前記外面樹脂層のうち少なくともいずれかが硬質熱可塑性樹脂層であり、前記外面樹脂層には前記筒状織布に達する複数のピンホールが形成されている杭外層である。
例えば、鉄筋籠を杭外層の中に挿入するとき、鉄筋の先杭が内面樹脂層に当たり、内面樹脂層に傷が生じる場合がある。また、例えば、コンクリートを杭外層の中に注入するとき、コンクリート中の骨材により内面樹脂層に傷が生じる場合がある。このように、内面樹脂層に傷が生じると、この傷から水が漏れ風船のように外面樹脂層が膨らみ剥がれてしまい、地盤と杭との間の摩擦力が低下する。しかしながら、この構成によると、外面樹脂層に複数のピンホールが形成されているので、これらのピンホールから水が抜け外面樹脂層が剥がれないので、地盤と杭との間の摩擦力が向上する(地盤と杭との間の摩擦力を維持することができる)。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、以下の説明では、場所打ち杭用の杭外層の実施形態について最初に説明し、そのあとで、本発明に係る場所打ち杭の築造方法の実施形態について説明する。
図1は、場所打ち杭用の杭外層の一実施形態を示す概略の斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る場所打ち杭用の杭外層1は、筒状織布11の内面に内面硬質熱可塑性樹脂層14、外面に外面硬質熱可塑性樹脂層15が形成されたものである。ここで、筒状織布11は、経糸12に対してスパイラル状に連続して織り込まれた緯糸13とからなる周方向に継ぎ目のない筒状の織布である。このため、筒状織布11は高い破断応力を有しており、杭外層1の内側から加圧或いは押圧して拡張させても容易に破断しない。また、筒状織布11の織製は、経糸12に張力を加えた状態で、より具体的には、経糸12を直線状に延びた状態にし、かつ緯糸13を屈曲した状態にして行われる。これにより、この筒状織布11は、内側から加圧或いは押圧されたときに、緯糸13が屈曲した状態から直線状に延びるため、筒状織布11は径方向に拡張する。
また、内面硬質熱可塑性樹脂層14及び外面硬質熱可塑性樹脂層15を形成する硬質熱可塑性樹脂は、硬質塩化ビニル樹脂であることが好ましく、さらには、20℃での曲げ弾性率が2000〜3500MPaで、80℃での曲げ弾性率が300〜800MPaであることが好ましい。硬質塩化ビニル樹脂の20℃での曲げ弾性率が2000MPa未満であると、常温時、鉛直方向の形状を保ちにくく、硬質塩化ビニル樹脂層の厚みを増す必要が生じる。また、曲げ弾性率が3500MPaより大きいと、衝撃に対して割れ易い。また、硬質塩化ビニル樹脂の80℃での曲げ弾性率が300MPa未満であると、硬質熱可塑性樹脂層は外傷を受け易く、曲げ弾性率が800MPaより大きいと、加熱して柔軟性を持たせたとしても掘削された孔へ杭外層1を引き込みにくくなる。よって、上記のように、硬質塩化ビニル樹脂は、20℃での曲げ弾性率を2000〜3500MPaとし、80℃での曲げ弾性率を300〜800MPaとすることが好ましい。
また、内面硬質熱可塑性樹脂層14と外面硬質熱可塑性樹脂層15との厚さの比を、3:1程度とすることが好ましい。内面硬質熱可塑性樹脂層14は、杭外層1の内面を形成する層であり、直接、加熱及び加圧されるからである。つまり、加熱により強力が低下するため、薄いと蒸気が内層(内面硬質熱可塑性樹脂層14)を突き破りピンホールとなったり、繊維層に水道が形成されて外層が大きく剥がれたりするためである。また、外層(外面硬質熱可塑性樹脂層15)がないと、杭外層1を孔に入れるときに筒状織布11が傷付く。
なお、外面硬質熱可塑性樹脂層15には、筒状織布11に達する複数のピンホールが形成されていることが好ましい。換言すれば、外面硬質熱可塑性樹脂層15には、この外面硬質熱可塑性樹脂層15を貫通する複数のピンホールが形成されていることが好ましい。これによると、たとえ、内面硬質熱可塑性樹脂層14に傷がついたとしても、上記複数のピンホールから水が抜け外面硬質熱可塑性樹脂層15が剥がれないので、地盤と杭との間の摩擦力を維持することができる。なお、内面硬質熱可塑性樹脂層14および外面硬質熱可塑性樹脂層15は、必ずしも硬質熱可塑性樹脂からなる層である必要はなく樹脂からなる層でもよい。
外面硬質熱可塑性樹脂層15を貫通する(筒状織布11に達する)上記複数のピンホールの形成方法例について説明する。生花に使用する剣山のように針を立てたローラー間を、押出成形直後に通過させることで外面硬質熱可塑性樹脂層15だけにピンホールを形成する。さらに具体的には、押出成形直後で筒状形状のときに、針を立てた上記ローラー8個をそれぞれの方向から押し付けることでピンホールを形成する。ピンホールは、長さ方向(または長手方向)および幅方向に例えば約2cm間隔で形成する。
また、内面硬質熱可塑性樹脂層14、筒状織布11、及び外面硬質熱可塑性樹脂層15からなる杭外層1の外径は、加熱及び加圧される前の外径が杭を築造するための孔の内径よりも5%以上小さく、0.05〜0.1MPaの加圧水蒸気により加熱及び加圧することで加熱及び加圧される前の外径から10〜20%拡張することが好ましい。杭外層1の外径を孔の内径よりも5%以上小さくすることで、孔の外部で筒状に形成された杭外層1を孔に挿入し易い。また、杭外層1の外径を、掘削された孔の径よりも、約5〜15%、大きくできるので、確実に杭外層1を孔に密着させながら孔を含めて杭外層1を拡張させることができる。また、筒状織布11の拡張が少ないと(10%未満の拡張であると)、孔に凹部がある場合、凹部での密着が悪くなる。また、織物として経糸と緯糸とのバランスを考えると、筒状織布11の拡張が大きすぎると(20%よりも大きく拡張すると)、経糸に余分な負荷がかかり全体として弱くなる。
この杭外層1は径方向に拡張しやすいので、場所打ち杭の外層に使用することで、杭外層1は凹凸のある掘削された孔内面の凹部に食い込みやすく、孔内面への杭外層1の密着力が大きくなる。よって、孔内面と杭外層1との間の摩擦力を向上させることができる。また、掘削された孔の内周面に向かって杭外層1を押圧することにより杭外層1の確実な拡張を期待でき、且つその拡張量を定量的に把握すること(施工状態の確認)も容易である。さらに、硬質熱可塑性樹脂層(14、15)が形成された筒状織布11からなる杭外層1は軽量なため、大きな土工機械を必要とせずに杭を築造できる。
ここで、本実施形態においては、筒状織布11の経糸12として、ポリエステル製の1100dtex/4×604本の糸を用い、緯糸13として、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の1100dtex/3×45本/10cmの嵩だか加工糸を用いた。このポリエステル繊維は、約80℃に加熱しても、常温時の強度に対して80%程度の強度を有す。そして、筒状織布11の厚みは、硬質熱可塑性樹脂層に埋入された状態で約0.3mmとした。なお、緯糸13の素材として、ポリウレタン繊維やポリブチル繊維を用いてもよい。これらの繊維は、繊維自体が延びる性質を有するため、緯糸13を特に屈曲した状態にして筒状織布11を織製しなくても筒状織布11はその径方向に拡張する。なお、緯糸13の素材としてポリウレタン繊維やポリブチル繊維を用い、かつこの緯糸13を屈曲させた状態で筒状織布11を織製してもよい。
また、内面硬質熱可塑性樹脂層14及び外面硬質熱可塑性樹脂層15を形成する本実施形態の硬質熱可塑性樹脂は、重量比率で、硬質塩化ビニル樹脂100部、MBS3.5部、安定剤3部、可塑剤5部の硬質塩化ビニル樹脂を用いた。この硬質塩化ビニル樹脂の特性を(表1)に示す。(表1)は、本実施形態で用いた硬質塩化ビニル樹脂の特性を示す表である。
(表1)に示すように、硬質塩化ビニル樹脂の80℃での曲げ弾性率が800MPaであるため、この硬質塩化ビニル樹脂の樹脂層を備えた杭外層1は約80℃に加熱されることにより柔軟となり、掘削された孔への引き込み作業が容易に行える。尚、一般に、塩化ビニル(硬質塩化ビニル)のガラス転移点は、80℃前後であり、杭外層1を、例えば水蒸気により約80℃〜約100℃に加熱することにより、後述する拡張工程において、収縮しようとする杭外層1の塩化ビニルの内部応力を最小限に抑えることができる。また、V字又はU字に折り挿入したときの折り曲げ部分の歪みも解消することができる。
そして、内面硬質熱可塑性樹脂層14の厚みを約6.7mmとし、外面硬質熱可塑性樹脂層15の厚みを約2mmとした。この硬質熱可塑性樹脂層(14、15)が形成された筒状織布11からなる杭外層1の破断強度は、20℃で約1MPa、80℃で約0.5MPaであった。本実施形態の杭外層1の拡張に関する特性を(表2)に示す。(表2)は、杭外層1の拡張(径膨張)に関する特性を示す表である。
尚、(表2)の各数値は、80℃の加圧水蒸気を用いた試験により得られた結果である。(表2)に示すように、杭外層1は、0.04MPaの圧力で約11%、0.06MPaの圧力で約13%、0.08MPaの圧力で約15%、拡張している。これにより、杭外層1の孔凹部への十分な食い込みが確保される。
次に、本発明に係る場所打ち杭の築造方法の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図2は、本発明に係る場所打ち杭の築造方法における掘削工程の一実施形態を示す概略図である。図2に示すように、まず、鉛直方向に形成される杭を築造するための孔25を掘削する掘削工程が行われる。本実施形態では、孔25の掘削に、掘削機22とバックホウ21(土工機械)とが使用されている。バックホウ21に支持された掘削機22の先端には、ロッド24を介してビッド26が取り付けられている。掘削機22のビッド26を揺動させながら鉛直方向に地盤を掘削していくと共に、掘削部が崩れてくることを防止するためのベンドナイト液23を掘削部に注入していき、所定の深さまで地盤を掘削する。
図3は、本発明に係る場所打ち杭の築造方法における杭外層挿入工程の一実施形態を示す概略図である。また、図4(a)は、杭外層1を巻き付けて収納したリール32をボックスに入れた状態を示す概略図である。
本実施形態の杭外層挿入工程では、まず、孔25の外部で、現場に搬入された杭外層1をリール32ごとボックス39内に入れ水蒸気により加熱する。図4(a)に示すように、杭外層1は、リール32に巻き付けられた状態で現場に搬入される。尚、必ずしもリール32を用いる必要はなく、杭外層1をそのままコンパクトに丸めた状態などで輸送、搬入してもよい。図4(b)は、杭外層1の内部に加圧水蒸気を供給するための方法を示す概略図である。そして、ボックス39の開口40から、図4(b)に示すように、水蒸気により加熱されて(不図示)柔軟性を持ち引き伸ばされた杭外層1の一端を取り出し、金具41(円形の鉄板)をバンドで取り付けた後、必要長さ分を取り出す。そして他端に金具41を取り付ける。このとき、杭外層1の一端には蒸気注入用ホース44が取り付けられ、当該ホース44の先端には空気及び蒸気の混合装置35が取り付けられ、混合装置35に空気圧縮機33とボイラ34とが取り付けられる。なお、金具41には、ドレン排出管43や蒸気注入用ホース44取り付けのための孔が形成されている。
そして、杭外層1の一端から水蒸気を供給することにより杭外層1を内側から加熱及び加圧する。杭外層1が加熱及び加圧されることで成型時の筒状になる程度の円筒状(換言すれば、径方向への拡張はしていない筒状態)になると、水蒸気の供給を停止し(ボイラ34の運転を停止し)、水蒸気を排出する。
次に、図3に示すように、バックホウ21で杭外層1を吊り下げ支持し、ゆっくりと孔25に挿入する。ここで、杭外層1を孔25に挿入し易くするため、杭外層1の外径は、孔25の内径よりも5%以上小さいことが好ましい。このようにして、孔25に挿入された杭外層1は、場所打ち杭の外層を形成することになる。尚、硬質熱可塑性樹脂層(14、15)が形成された筒状織布11からなる杭外層1(図1参照)は軽量なため、大きな土工機械を必要としない。なお、杭外層1が完全に冷却していない状態で、杭外層1を孔25に挿入する。
図5は、本発明に係る場所打ち杭の築造方法における拡張工程の一実施形態を示す概略図である。ここで、図5に示すように、杭外層1を押圧により拡張する場合には、両端の金具41を予め取り外しておく。なお、他端側(孔25底側)の金具41はそのまま取り付けておいてもよいが、金具41の近傍は金具41のため拡張しにくいので、取り外しておくのがよい。図5に示すように、まず、ロッド38を介してバックホウ21に吊り下げ支持された拡張ヘッド27を孔25に挿入する。拡張ヘッド27は、油圧等により径が拡張する装置であり、水蒸気を噴射する構造も備えている。杭外層1は、挿入された拡張ヘッド27により加熱されると共に、孔25の内周面に向かって、長手方向に沿って所定の間隔で押圧される。これにより、拡張ヘッド27により押圧された部位は拡張して大径部36を形成し、押圧されなかった部位は小径部37を形成する。つまり、本実施形態の拡張工程により、杭外層1の長手方向に沿って複数の大径部36及び小径部37が連続して形成される。このとき、拡張は下部から行う。杭外層1が拡張すると緯糸13が延び経糸12が屈曲し、杭外層1の長さが短くなるためである。そのため、予め杭外層1の長さを長くしておく必要がある。
上記のように、大径部36を形成する部位であって、硬質熱可塑性樹脂層(14、15)を有する杭外層1の加熱されて柔軟性のある部位が、掘削された孔25の内周面に向かって押圧されるため、杭外層1の大径部36は凹凸のある孔25内面の凹部に食い込みやすく、つまり、孔25内面への杭外層1の密着力が大きくなる。よって、杭外層1の長手方向(鉛直方向)に複数の大径部36及び小径部37が連続して形成されることと合わせて、掘削された孔25内面と杭外層1との間の摩擦力を向上させることができる。
また、孔25の内周面に向かって杭外層1を拡張ヘッド27により押圧することで杭外層1の確実な拡張を期待でき、且つ拡張ヘッド27の変位量を測定すれば、杭外層1の拡張量を定量的に把握すること(施工状態の確認)も容易である。ここで、杭外層1は、0.05〜0.1MPaの加圧水蒸気により加熱及び加圧することで加熱及び加圧される前の外径から10〜20%拡張する程度のものであることが好ましい。これにより、杭外層1の外径を、孔25の径よりも、約5〜15%、大きくできるので、確実に杭外層1を孔25に密着させながら孔25を含めて杭外層1を拡張させることができる。
尚、本実施形態においては、杭外層1の長手方向に沿って複数の大径部36及び小径部37を形成しているが、このような大径部36及び小径部37を特に形成せずに、杭外層1の下端から上端まで全長にわたってほぼ均一に杭外層1を拡張させてもよい。なお、杭外層1は、孔25の外での加熱時において成型時の筒状になる程度の円筒状にした後(径方向への拡張はしていない)、空気圧縮機33の圧縮空気で加圧状態を保ったまま杭外層1を冷却して強固な円筒状に形成してから孔25内に挿入してもよい。ここで、空気圧縮機33、ボイラ34などの準備しやすい汎用機械を用いて、杭外層1を容易に円筒状に形成することができる。杭外層1の孔25内での再加熱に時間がかかるが、挿入中に外面が傷付きにくいのでよい。
また、拡張ヘッド27を使用せず、加圧水蒸気を使用して拡張させる場合には、金具41を取り付けたまま杭外層1を孔25内に挿入し、加熱加圧する。ここで、ドレン排出管43取付け用の孔は適宜封じておく。杭外層1は凹凸のある孔25内面の凹部に食い込みやすく、孔25内面への杭外層1の密着力は大きくなり、孔25内面と杭外層1との間の摩擦力は向上する。杭外層1の冷却後、孔25の外の一端の金具41を取り外す(杭外層1の上方の部分は、孔25の外に少し出された状態とされ余分な部分は金具41が取り外された後に切断除去される)。なお、他端は金具41でなくてもよく適宜に選択すればよい。
図6は、杭外層1を拡張して設置した孔25に鉄筋籠2を挿入する工程を示す概略図である。図6に示すように、本工程では、バックホウ21に吊り下げ支持された鉄筋籠2を孔25に挿入する。鉄筋籠2を挿入することにより、完成した場所打ち杭の曲げ強度は向上する。尚、地盤条件などにより、鉄筋籠2を挿入するか否かを決定すればよく、必ずしも鉄筋籠2を挿入する必要はない。
図7は、本発明に係る場所打ち杭の築造方法における注入工程の一実施形態のうち、鉄筋籠2が挿入された孔25にトレミー管28を挿入する工程を示す概略図である。図7に示すように、本工程では、バックホウ21などを利用して、セメントミルク、モルタル、又はコンクリートなどの自硬性流体3を注入するためのトレミー管28を孔25に挿入する。
図8は、本発明に係る場所打ち杭の築造方法における注入工程の一実施形態のうち、自硬性流体3を注入する工程を示す概略図である。図8に示すように、現場に搬入したセメントミルク、モルタル、又はコンクリートなどの自硬性流体3をミキサー29から取り出し、ポンプ30によりトレミー管28を介して孔25に注入する。
図9は、本発明に係る場所打ち杭の築造方法における一実施形態を実施することにより完成した場所打ち杭42を示す概略図である。図9に示すように、完成した場所打ち杭42は、杭外層1と、鉄筋籠2を内部に有し杭の内層を形成する硬化した自硬性流体3と、から形成される。
(第2実施形態)
図10は、本発明に係る場所打ち杭の築造方法における掘削工程の一実施形態を示す概略図である。図10に示すように、前記第1実施形態と同様、まず、鉛直方向に形成される杭を築造するための孔25を掘削する掘削工程が行われる。本実施形態では、孔25の掘削に、掘削機22と、バックホウ21と、鋼製ケーシング31とが使用されている。バックホウ21に支持された掘削機22の先端には、ロッド24を介してビッド26が取り付けられている。掘削機22のビッド26を揺動させながら鉛直方向に地盤を掘削していくと共に、掘削部が崩れてくることを防止するための鋼製ケーシング31に適宜、衝撃を加えながら鋼製ケーシング31を掘削部に打ち込んでいき、所定の深さまで地盤を掘削する。
図11は、本発明に係る場所打ち杭の築造方法における杭外層挿入工程の一実施形態を示す概略図である。本実施形態における杭外層挿入工程においても第1実施形態の杭外層挿入工程と同様、孔25の外部で水蒸気により杭外層1を加熱して柔軟性を持たせる。その後、杭外層1の一端から水蒸気を供給することにより杭外層1を内側から加熱及び加圧して、成型時の筒状になる程度の円筒状にする(径方向への拡張まではさせない)。尚、詳細な説明は、第1実施形態の杭外層挿入工程についての記載を参照することとし、ここではその説明を省略する。その後、図11に示すように、両端の金具41は取り外した状態で、円筒状に形成された杭外層1をバックホウ21で吊り下げ支持し、ゆっくりと孔25に挿入する。
図12は、図10に示す掘削工程により挿入された鋼製ケーシング31を引き抜く工程を示す概略図である。図11に示す杭外層挿入工程で挿入された杭外層1により、孔25が崩れてくることは防止されるため、図12に示すように、バックホウ21などを使用して孔25から鋼製ケーシング31は引き抜かれる。なお、杭外層1が冷却していない状態(柔軟性を持った状態)で孔25に挿入される場合には、杭外層1が十分冷却して強固な状態となってから鋼製ケーシング31を引き抜く。
その後、前記の第1実施形態における拡張工程(図5)、孔25に鉄筋籠2を挿入する工程(図6)、自硬性流体3の注入工程(図7、8)が実施され、場所打ち杭が完成する(図9)。尚、詳細な説明は、第1実施形態の各工程についての記載を参照することとし、ここではその説明を省略する。なお、孔25に挿入した杭外層1を水蒸気で加熱・加圧する場合は、金具41を付けたまま孔25に入れ、水蒸気で加熱・加圧し、杭外層1を拡張させる。その後、孔25の外の金具41を取り外し、鉄筋籠2を挿入する。
(第3実施形態)
図13は、杭外層1をケーシングとしても使用し、掘削工程と杭外層挿入工程とを同時に行う工程を示す概略図である。本実施形態は、上記のように、杭外層1を掘削された孔25が崩れないようにするためのケーシングとしても使用し、掘削工程と、孔25の外部で円筒状に形成した杭外層1を孔25に挿入する工程とを同時進行で行うことを特徴とする。なお、杭外層1は孔25の外で、予め強固な円筒状に形成しておく。
図13に示すように、本実施形態では、掘削機22と、バックホウ21と、杭外層1とを使用する。バックホウ21に支持された掘削機22の先端には、ロッド24を介してビッド26が取り付けられ、このビッド26を揺動させながら鉛直方向に地盤を掘削していくと共に、掘削部が崩れてくることを防止する用途でも使用される杭外層1に適宜、衝撃を加えながら杭外層1を掘削部に打ち込んでいき、所定の深さまで地盤を掘削する。
これにより、図10に示す第2実施形態の掘削工程で使用される鋼製ケーシング31を使用する必要がなくなり、軽量な硬質熱可塑性樹脂層(14、15)が形成された筒状織布11からなる杭外層1をケーシングとしても使用することで、自硬性流体3注入の際にケーシングを抜き出す必要がなく場所打ち杭の築造工程を短縮できる。
尚、硬質熱可塑性樹脂層(14、15)を形成する硬質熱可塑性樹脂は、硬質塩化ビニル樹脂であることが好ましく、さらに、硬質塩化ビニル樹脂は、20℃での曲げ弾性率が2000〜3500MPaであることが好ましい。硬質塩化ビニル樹脂の20℃での曲げ弾性率が2000MPa未満であると、杭外層1は、鉛直方向の形状を保ちにくく、硬質塩化ビニル樹脂層の厚みを増す必要が生じる。また、硬質塩化ビニル樹脂の曲げ弾性率が3500MPaより大きいと、衝撃に対して割れ易いからである。
本実施形態における、拡張工程、注入工程などは、前記の第1実施形態と同様であり、よって、これら工程については、第1実施形態の各工程についての記載を参照することとし、ここではその説明を省略する。
(第4実施形態)
図14は、本発明に係る場所打ち杭の築造方法における杭外層挿入工程の一実施形態を示す概略図である。本実施形態は、場所打ち杭の築造される場所の上方に、架空線などの障害物がある場合(例えば、高さHの空頭制限がある場合)に有効な方法である。なお、図14(b)は、図14(a)の杭外層1部分のA−A断面図である。
図14に示すように、本実施形態の杭外層挿入工程では、リール32に巻き付けられ扁平の状態で現場に搬入された杭外層1を水蒸気などで孔25の外部で加熱して柔軟性を持たせ、杭外層1をV字またはU字に変形させながら孔25に挿入していく。ここで、孔25に挿入していく杭外層1の長手方向に直交する断面形状は、V字、及びU字状のうちのいずれかの形状となっており、言い換えれば、コンパクトにつぶされたような断面形状となっているので孔壁に接触することなくスムーズに挿入できる。そして、杭外層1の先端に金具41を取り付けるなどして封じていた場合には、孔25の内部で、杭外層1を内側から加熱及び加圧して筒状に形成する。これにより、空頭制限のような施工上の制約条件がある場所においても柔軟に対応することができる。
また、孔25の外の杭外層1の一端にリング状の金具を取り付け、拡張ヘッド27を挿入することでも杭外層1を拡張できる。この場合、杭外層1が孔25内に落下してしまわないように、杭外層1上端部に取り付けたリング状金具を孔25の外で固定しておく必要がある。
尚、硬質熱可塑性樹脂層(14、15)を形成する硬質熱可塑性樹脂は、硬質塩化ビニル樹脂であることが好ましく、さらに、硬質塩化ビニル樹脂は、80℃での曲げ弾性率が300〜800MPaであることが好ましい。硬質塩化ビニル樹脂の80℃での曲げ弾性率が300MPa未満であると、杭外層1は、外傷を受け易く、硬質塩化ビニル樹脂の曲げ弾性率が800MPaより大きいと孔25へ引き込みにくいからである。
また、本実施形態における、掘削工程、拡張工程、注入工程などは、前記の第1実施形態と同様であり、よって、これら工程については、第1実施形態の各工程についての記載を参照することとし、ここではその説明を省略する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することが可能なものである。
例えば、本発明に係る杭外層は、内面及び外面のうちの少なくともいずれかに硬質熱可塑性樹脂層が形成されていればよく、つまり、上記実施形態のように、内面及び外面のいずれにも硬質熱可塑性樹脂層(14、15)が形成される実施形態だけでなく、筒状織布11の内面及び外面のうちのいずれかのみに硬質熱可塑性樹脂層が形成された杭外層であってもよい。しかしながら、孔25に杭外層を入れるとき、及び杭外層内に鉄筋籠を入れるとき、筒状織布が傷付かないようにするためには、筒状織布の両面に硬質熱可塑性樹脂層を形成しておくのがよい。
場所打ち杭用の杭外層の一実施形態を示す概略の斜視図である。
本発明に係る場所打ち杭の築造方法における掘削工程の一実施形態を示す概略図である。
本発明に係る場所打ち杭の築造方法における杭外層挿入工程の一実施形態を示す概略図である。
現場に搬入された杭外層を加熱及び加圧する方法を示す概略図である。
本発明に係る場所打ち杭の築造方法における拡張工程の一実施形態を示す概略図である。
杭外層を拡張して設置した孔に鉄筋籠を挿入する工程を示す概略図である。
本発明に係る場所打ち杭の築造方法における注入工程の一実施形態のうち、鉄筋籠が挿入された孔にトレミー管を挿入する工程を示す概略図である。
本発明に係る場所打ち杭の築造方法における注入工程の一実施形態のうち、自硬性流体を注入する工程を示す概略図である。
本発明に係る場所打ち杭の築造方法における一実施形態を実施することにより完成した場所打ち杭を示す概略図である。
本発明に係る場所打ち杭の築造方法における掘削工程の一実施形態を示す概略図である。
本発明に係る場所打ち杭の築造方法における杭外層挿入工程の一実施形態を示す概略図である。
図10に示す掘削工程により挿入された鋼製ケーシングを引き抜く工程を示す概略図である。
杭外層をケーシングとしても使用し、掘削工程と杭外層挿入工程とを同時に行う工程を示す概略図である。
本発明に係る場所打ち杭の築造方法における杭外層挿入工程の一実施形態を示す概略図である。
1 杭の外層(杭外層)
2 鉄筋籠
3 自硬性流体
11 筒状織布
12 経糸
13 緯糸
14 内面硬質熱可塑性樹脂層
15 外面硬質熱可塑性樹脂層
25 孔(掘削孔)
36 大径部
37 小径部