JP3284387B2 - 地中立型水槽およびその施工方法 - Google Patents

地中立型水槽およびその施工方法

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JP3284387B2 JP01559894A JP1559894A JP3284387B2 JP 3284387 B2 JP3284387 B2 JP 3284387B2 JP 01559894 A JP01559894 A JP 01559894A JP 1559894 A JP1559894 A JP 1559894A JP 3284387 B2 JP3284387 B2 JP 3284387B2
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A20/00Water conservation; Efficient water supply; Efficient water use

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物の冷房や暖房等
に利用するための冷水,温水などを貯留するのに好適な
地中立型水槽およびその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、建築設備の効率化や省エネルギー
化がめざましく進展しており、特に、その一事例とし
て、地下蓄熱水槽(以下、「蓄熱水槽」と略称する)の
普及の著しい増加傾向が挙げられる。一般に、蓄熱水槽
は、建築物の地下ピット内に設置した槽内に水を貯めて
おき、この水で蓄熱した熱によって、建築物内の冷房あ
るいは暖房等を行うものである。しかしながら、蓄熱水
槽を建築物の地下ピット内に設置する構造とすると、建
築物の基礎部の根切深さを深くする必要があり、建築物
自体の工事が大掛かりなものとなって施工コストの上
昇,工期の長期化を招くという問題がある。また、当
然、このような構造の蓄熱水槽は建築物の新設時に構築
しなければならないため、例えば構築後に、熱源能力増
強のため蓄熱水槽を増設しようとしてもこれを実現する
のが非常に困難となっている。
【0003】このような問題に対する有効な手段とし
て、分散型蓄熱水槽がある。この分散型蓄熱水槽は、建
築物の地下ビット以外の他の場所の地盤中に、上下方向
に延在する孔を削孔して、この孔内に地中立型水槽を形
成し、これを蓄熱水槽とするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の地中立型蓄熱水槽においても、以下のよ
うな問題が存在する。まず、地盤に孔を掘削するために
は、これを掘削するための装置が大掛かりなものとな
り、施工コストが高くなってしまう。また、掘削した土
砂等の処分にも手間・コストがかかるという問題があ
る。さらには、掘削工事時に騒音・振動が発生し、特に
近隣に既存の建築物がある場合には、そこでの業務等に
支障を及ぼす可能性があり、結果的に工事の長期化を招
く原因となる。また、熱源容量を確保するためには地盤
に掘削する孔が深いものとなることがある。すると、周
囲地盤から孔の壁面にかかる側圧が大きくなるため、こ
れに対応するために蓄熱水槽の槽壁の強度を高める必要
があり、これによってもコストが大幅に上昇してしまう
という問題がある。さらには、蓄熱水槽のメンテナンス
時に槽内を清掃しようとすると、地下での作業となるた
め、多大な費用と期間が必要とされるという問題もあ
る。本発明は、以上のような点を考慮してなされたもの
で、低コストで地中立型水槽を施工することができると
ともに、その地中立型水槽のメンテナンスを容易に行う
ことのできる地中立型水槽およびその施工方法を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
地盤中の一定の深さまで掘削形成された孔内に、一以上
の筒状の槽壁材からなる槽壁が形成され、該槽壁の内方
には可撓性を有するとともに該槽壁に着脱自在な貯水用
袋体が配設されて、該袋体内には流体が充填された構成
とされるとともに、前記袋体にはその内外に連通する注
入・排出口が備えられて、前記流体が該袋体の内外に注
入・排出可能な地中立型水槽において、該地中立型水槽
が互いに離間した位置に複数設置されているとともに、
これら複数の地中立型水槽が互いに連結されていること
を特徴としている。
【0006】
【0007】請求項2に係る発明は、地盤中に地中立型
水槽を構築するための施工方法であって、周壁にその内
外に連通する連通孔が形成されるとともに前記周壁の外
周に可撓性を有する袋体が固定されてなる圧入管を、地
盤中に挿入する第一の工程と、該圧入管内に流体を圧入
して前記連通孔から前記袋体内に流体を圧入させて、該
袋体をその軸線方向と直交する方向に膨張させることに
より該袋体の周囲地盤を拡径して前記地中立型水槽を構
築すべき孔を形成する第二の工程と、該袋体内の流体を
前記圧入管から排出することによって該袋体を収縮させ
つつ、排出した前記流体を該袋体と前記孔との間に流入
させた後、前記圧入管を前記孔内から引き出す第三の工
程と、構築すべき前記地中立型水槽の槽壁を形成する筒
状の槽壁材を、前記孔内に挿入して設置・固定する第四
の工程と、前記槽壁の内方に、可撓性を有するとともに
該槽壁に着脱自在な貯水用袋体を挿入し、前記槽壁内の
流体を排出しつつ、該貯水用袋体内に流体を充填する第
五の工程と、からなることを特徴としている。
【0008】
【作用】請求項1記載の発明では、槽壁の内方に貯水用
袋体を配設して、該袋体内には流体を充填する構成とし
たので、これにより地中立型水槽が形成される。しか
も、貯水用袋体を、可撓性を有するとともに槽壁に着脱
自在とし、さらに注入・排出口を備える構成とした。こ
れにより、袋体内の流体を排出すると袋体が窄まり、こ
れを槽壁から取り外すことによってこの袋体を槽壁の内
方から外部に引き出すことが可能となる。さらに、この
ような地中立型水槽を互いに離間した位置に複数設置
し、これら複数の地中立型水槽を互いに目的に合わせて
連結する構成とした。これにより、地中立型水槽の配置
の自由度が高められ、例えば別々の敷地に複数の地中立
型水槽を分散させて配置することが可能となり、狭い敷
地であっても地中立型水槽を設けることが可能となる。
【0009】
【0010】請求項2記載の発明では、地盤中に圧入管
を挿入し、その外周に固定した袋体を拡径方向に膨張さ
せることによって、周囲の地盤が押圧されて地中立型水
槽を構築すべき孔が形成される。そして、袋体内の流体
を圧入管から排出して袋体を縮径させつつ、排出した流
体を袋体と前記孔との間に流入させることによって、周
囲地盤からの側圧をこの流体で支持することができる。
その後、孔内に槽壁材を設置・固定し、その内方に貯水
用袋体を挿入してこれに流体を充填することによって、
地中立型水槽が構築されるようになっている。
【0011】
【実施例】以下、本発明を図面に示す一実施例を参照し
て説明する。図1は、本発明に係る地中立型水槽を冷暖
房用の蓄熱水槽として利用した一例を示すものである。
ここでは、例えば、直径3m程度、深さ30m程度の蓄
熱水槽を構築する場合の実施例を用いて説明する。図1
に示すように、蓄熱水槽(地中立型水槽)1は、地盤G
中に掘削された断面視円形の孔H内に形成された槽壁2
と、この槽壁2と孔Hとの間隙に充填されたグラウト材
3と、槽壁2の内方に配設された貯水用袋体4と、貯水
用袋体4内に充填された水(流体)5とから概略構成さ
れている。
【0012】槽壁2は、例えば5〜10mの長さを有し
た円筒状の槽壁材6が上下方向に複数連結された構成か
らなっている。なお、これらのうち、最下部に位置する
槽壁材6aは有底状とされている。各槽壁材6は、例え
ば樹脂,プレキャストコンクリート,あるいは金属等か
らなる複数枚の主材間に、断熱材を挟み込んで密封した
積層構造とされ、遮水性と断熱性とを有したものとなっ
ている。貯水用袋体4は、ビニール,ゴム等を主材と
し、必要に応じてこれに補強用の補強布等を複合させた
構成とされ、可撓性および水密性を有した軽量なものと
なっている。この貯水用袋体4の上部には、その内外に
連通する注入・排出口4aが形成されており、図示しな
いポンプ等で貯水用袋体4内に水5を注入したり、逆に
ここから流体を排出することができるようになってい
る。
【0013】このような構成からなる蓄熱水槽1は、こ
れを備える建築物(図示なし)に必要とされる熱量を供
給するため、所定数設けられている。複数基の蓄熱水槽
1どうしは図示しない連通管で連結されている。この場
合、全ての蓄熱水槽1を同一敷地内に設置する必要はな
く、離間した敷地に分散させてこれらを設置してもよ
い。このような蓄熱水槽1では、貯水用袋体4内に充填
された水5で熱を蓄熱をし、この熱により建築物内の冷
房あるいは暖房等を行うようになっている。
【0014】次に、このような蓄熱水槽1を施工する方
法について説明するに先立って、蓄熱水槽1の施工時に
用いるストロングバック10について、図2ないし図4
を参照して説明する。図2および図3に示すように、ス
トロングバック10は、樹脂製あるいは鋼製の圧入管1
1と、その外周に設けられた袋体12とから概略構成さ
れている。
【0015】圧入管11の外周面には、周壁11aの内
外を連通する図示しない連通孔が複数形成されている。
図2に示したように、袋体12は、筒状で、その圧入管
11の軸線方向に沿った両端部(一方のみを図示)が金
属バンド13によって圧入管11に固定されており、こ
れによって袋体12が金属バンド13,13間で袋状を
なすとともに、その水密性を保つようになっている。
【0016】図2および図3に示したように、この袋体
12は、同心円状に配された複数層のゴム層14と、こ
れらゴム層14の内部に埋設状態で一体化されているテ
ープ15および帯布16とから構成されている。ゴム層
14は、例えば、(1)500〜600%の伸び率、
(2)繰り返し伸縮に対して、残留歪が殆ど生じない復
元性、(3)高圧流体を漏らさない水密性または気密
性、(4)補強布との接着性等の性能を有しており、こ
れにより袋体12が可撓性および伸縮性を有したものと
なっている。図3に示したように、テープ15は、例え
ばアラミド繊維やカーボン繊維,ガラス繊維,ビニロン
繊維等からなる高張力糸15aが、周方向に連続する波
形を形成するよう、ゴム層14と同心円状に形成された
地たて(図示なし)の外周側に織り込まれた構成となっ
ている。この地たては、例えば木綿等、高張力糸15a
よりも低強度の糸によって織成された繊維からなるもの
である。このテープ15は、袋体12の周方向の引張応
力に抗するようになっており、袋体12が膨張したとき
には、地たて(図示なし)が破断し、主材である高張力
糸15aがゴム層14と一体になって伸びるようになっ
ており、袋体12の膨張限界時にはこれが緊張状態とな
ってその膨張を規制するようになっている。また、帯布
16は、例えばナイロンなどの高い伸び率を有した主材
が、圧入管11の長さ方向に延在するよう、周方向に複
数並設された繊維からなり、主に袋体12の長さ方向の
伸張力を支持するようになっている。
【0017】このような構成からなるストロングバック
10は、圧入管11内に水等の流体を高圧で注入する
と、この流体が圧入管11の周壁11aの連通孔(図示
なし)から袋体12内に流入し、この圧力によって袋体
12が膨張するようになっている。このとき、袋体12
の両端部が金属バンド13で固定されているため、その
膨張方向はストロングバック10の軸線方向と直交する
方向、すなわち拡径する方向となる。また、圧入管11
から前記圧入した流体を抜けば、ゴム層14の伸縮性に
よって袋体12が縮径するようになっている。図4に示
すように、一般に、地盤中に形成した孔に、これを拡径
する方向の圧力Pを加えるとき、この圧力Pがある一定
の圧力Pyよりも大きくなると、孔径Dが急激に増大す
る性質がある。図2および図3に示したストロングバッ
ク10は、上記の性質を利用し、袋体12を前述したよ
うにして拡径方向に膨張させることにより、袋体12か
ら周囲の地盤に圧力を加え、この圧力によって地盤中に
形成した孔を効率良く拡径するものである。
【0018】次に、このストロングバック10を用いて
前記蓄熱水槽1を施工する方法について、図1ないし図
13を参照して説明する。
【0019】(第一の工程)まず、図5に示すように、
例えば直径0.2m程度のパイロット孔(孔)20を、
地盤Gの所定の位置に所定の深さ(例えば30m)ま
で、図示しない削孔機を用いて削孔する。
【0020】(第二の工程)次いで、パイロット孔20
を拡径する。このとき、直径0.2mのパイロット孔2
0を、図1に示した孔Hの直径3mまで拡径するには、
その拡径工程を以下のように複数回に分割する。まず、
図6に示すように、例えば直径0.6mまでの拡径能力
を有するストロングバック10を複数連結し、パイロッ
ト孔20内に挿入する。このとき、上下に連結されたス
トロングバック10,10,…は、上下方向に延在する
一本の圧入管11に取り付けられた構成となっており、
圧入管11に水を圧入すると全てのストロングバック1
0が膨張するようになっている。そして、図7に示すよ
うに、ストロングバック10の圧入管11内に水5を圧
入して袋体12を拡径方向に膨張させて、パイロット孔
20を拡径させる。このとき、圧入する水5には、例え
ば周囲地盤GのN値が30〜40であれば、20kg/
cm2程度の圧力をかけるのが望ましい。このように、
ストロングバック10によってパイロット孔20を例え
ば直径0.6mの孔Hにまで拡径したら、その状態を例
えば一昼夜程度維持して孔Hの周囲地盤Gを安定させ、
拡径したことによる戻り変形,水圧変動に伴う孔径収
縮,孔壁の崩落等を防止する。この後においては、孔H
の孔壁は、拡径により圧縮されているので、安定状態と
なる。
【0021】(第三の工程)次いで、図8に示すよう
に、圧入管11から袋体12内の水5を排出して袋体1
2を収縮させる。これと並行して、圧入管11から排出
する水5を、袋体12と外側と孔Hとの間にできる空隙
部に流し込む。このようにして、孔H内に常に水5を充
填しておくことにより、孔Hの孔壁にかかる圧力に抗す
るようになっている。そして、袋体12内の水5を排出
し終えた時点で、これらのストロングバック10を孔H
内から引き出す。
【0022】なお、上記第二の工程,第三の工程におい
て、図7(a)に示したように、ストロングバック1
0,10,…の接続部には凹部10aがあるので、孔H
の孔壁を滑らかなものとするためには、図7(b)に示
したようにストロングバック10,10,…を上にずら
し、上記工程を繰り返して拡径する必要がある。また、
ストロングバック10,10,…の長さが、形成すべき
孔Hの深さと必ずしも一致するとは限らず、このような
場合にも同様にして拡径するようにする。
【0023】次いで、例えば直径1.5mまでの拡径能
力を有するストロングバック10,10,…を連結し
て、これを孔H内に挿入し、上記と同様にして第二の工
程,第三の工程を繰り返し、この孔Hを直径1.5mに
まで拡径する。これと同様にして、直径3mまでの拡径
能力を有するストロングバック10,10,…を用い、
最終的に孔Hを直径3mにまで拡径する。
【0024】(第四の工程)次いで、図9に示すよう
に、拡径した孔H内に、槽壁材6,6,…を順次接続し
ながら挿入していく。このとき、最下部の槽壁材6aは
有底状とされているので、これを挿入するときには、こ
の中に水5を注水して槽壁材6aに働く浮力を減少させ
るようにする。そして、図10に示すように、挿入した
槽壁材6,6,…内に、ストロングバック10,10,
…を挿入し、槽壁材6,6,…内の水5をストロングバ
ック10,10,…内に注入して各袋体12を膨張させ
ることにより、これを各槽壁材6の外周面にかかる圧力
に抗するための支保工とする。次いで、図11に示すよ
うに、挿入した槽壁材6,6,…と孔Hとの間隙に、モ
ルタル,セメントペースト等のグラウト材3を充填す
る。このとき、各槽壁材6内にはストロングバック10
が設置されているので、グラウト材3の圧力による槽壁
材6の損傷が防止される。そして、充填したグラウト材
3によって、槽壁材6,6,…が地盤Gに固定されると
ともに、槽壁材6,6,…により形成される槽壁2と地
盤Gとの間で力の伝達が確実に行われるようになる。ま
た、孔H周辺の地表部にもコンクリート22を打設し
て、舗装を行う。そして、図12に示すように、グラウ
ト材3が硬化した後に、ストロングバック10内の水5
を槽壁2内に流し込んで、ストロングバック10を収縮
させ、ストロングバック10を引き上げる。
【0025】(第五の工程)次に、図13に示すよう
に、貯水用袋体4を収縮させた状態で槽壁2の内方に挿
入・設置する。このとき、貯水用袋体4の挿入と同時
に、水5の注入を行ってもよく、このようにすれば、浮
力に妨げられることなく容易に挿入作業を行うことがで
きる。そして、図1に示したように、槽壁2内の水5を
排出しつつ、この水5を注入・排出口4aから貯水用袋
体4内に充填することにより、蓄熱水槽1が構築され
る。
【0026】この後、この貯水用袋体4に図示しない配
管を接続し、他の蓄熱水槽(図示なし)あるいは熱交換
器(図示なし)等に接続する。
【0027】この後、蓄熱水槽1のメンテナンス等をす
るときには、貯水用袋体4内の水5を注入・排出口4a
から排出する。すると貯水用袋体4は可撓性を有してい
るので徐々に窄まっていく。このとき、注入・排出口4
aから排出する水5を槽壁2と貯水用袋体4との間に流
し込むようにすれば、貯水用袋体4内の水5を他に放水
する必要がないうえ、これを再利用することができる。
もちろん、貯水用袋体4内の水5を他に放水して、水5
の入れ替えをするようにしてもよいのはもちろんのこと
である。このようにして貯水用袋体4内の水5を排出し
た後、貯水用袋体4を槽壁2の内方から地上に引き上
げ、地上でこれの洗浄,補修等のメンテナンスを行う。
そして、メンテナンスの完了後には、貯水用袋体4を再
び槽壁2の内方に挿入する。そして、槽壁2内の水5を
ポンプ(図示なし)で注入・排出口4aから貯水用袋体
4内に注入することによって、図1に示した元の状態に
戻る。
【0028】上述した蓄熱水槽1では、槽壁2の内方に
可撓性を有した貯水用袋体4が着脱自在に配設され、こ
の貯水用袋体4内には水5が充填され、さらにこの水5
は貯水用袋体4の注入・排出口4aから排出できる構成
とされている。これにより、貯水用袋体4内から水5を
排出してこれを窄ませることにより、貯水用袋体4を槽
壁2の内方から引き出して地上でメンテナンスを行うこ
とが可能となる。したがって、貯水用袋体4のメンテナ
ンスを、容易かつ短期間で行うことが可能となる。ま
た、この蓄熱水槽1では、建築構造物の地下ピットだけ
でなく、例えば周辺の空き地等、他の敷地に設置するこ
とができる。これにより、建築構造物の地下スペースの
有効利用を図ることができるとともに、その根切深さを
浅くすることができ、この結果、工期および施工コスト
の大幅な削減を図ることができる。その上、蓄熱水槽1
の施工を建築構造物本体の施工工事と切り離して行うこ
とが可能となり、これによっても工期の短縮化およびコ
ストの低減化を図ることができる。しかも、建築構造物
の構築完了後であっても蓄熱水槽1を設置することがで
きるので、熱源能力の増強に容易に対応することが可能
となる。また、複数の蓄熱水槽1を互いに離間した位置
に分散させて設置し、これらを互いに連結することによ
り、敷地の有効利用を図ることができるとともに、一つ
一つの敷地が狭くても、十分な蓄熱能力を有する蓄熱設
備を構成することが可能となる。
【0029】上述した蓄熱水槽1の施工方法では、地盤
Gに削孔されたパイロット孔20をストロングバック1
0で拡径して孔Hを形成するようにした。これにより、
発生する残土は、パイロット孔20の削孔時に発生する
ものだけとなり、その処分に要する手間,費用を省くこ
とができる。また、ストロングバック10で拡径作業を
行うため、従来に比較して騒音・振動を大幅に低減する
ことができる。これにより、近隣に既存の建築物等があ
る場合であっても、そこでの業務等を妨げることなく施
工を行うことが可能となり、施工工期の長期化を防ぐこ
とができる。さらに、蓄熱水槽1の施工時には、常に、
水5,ストロングバック10,貯水用袋体4のいずれか
を孔Hあるいは槽壁2内に配しておく構成としたので、
孔Hあるいは槽壁2にかかる側圧を水5で支持すること
ができる。これにより槽壁2を従来よりも低強度とする
ことが可能となり、槽壁2を構築するにあたっての費用
を大幅に低減することが可能となる。以上により、蓄熱
水槽1の施工コストを従来よりも大幅に削減することが
可能となる。
【0030】なお、上記実施例において、まずパイロッ
ト孔20を削孔し、これをストロングバック10で拡径
する構成としたが、これに限るものではなく、例えばス
トロングバック10の先端部に削孔装置を一体に取り付
けるなどして、これでパイロット孔20を削孔しつつ、
ストロングバック10を挿入するようにしてもよい。ま
た、例えば地盤が軟弱な場合や既設の孔がある場合等、
ストロングバック10を挿入することができるのであれ
ば、パイロット孔20を削孔する必要はなく、ストロン
グバック10を地盤中に挿入し、そのまま周囲地盤を拡
径することにより孔Hを形成するようにしてもよい。ま
た、槽壁材6と孔Hとの間にグラウト材3を充填すると
きに、槽壁材6内にストロングバック10を設置してこ
れを支保工とする構成としたが、これ以外にも、槽壁材
6自体の強度を向上させる構成としたり、槽壁材6,
6,…を密封し、内部を加圧することにより、外圧に抗
する構成としたりすることにより、支保工を用いないよ
うにしてもよい。さらに、上記実施例においてパイロッ
ト孔20を拡径して孔Hを形成するに際し、その拡径工
程を3段階に分けるようにしたが、もちろん形成すべき
孔Hの径やストロングバック10の拡径能力に応じて、
1段階のみあるいはそれ以上の複数段階に分けるように
してもよい。もちろん、この場合においても、上記の各
効果を得ることができるのは言うまでもない。さらに
は、上記実施例中において用いた各数値は、本発明に係
る地中立型水槽およびその施工方法を何ら限定するもの
ではなく、諸条件により適宜決定するようにすればよ
い。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る地
中立型水槽によれば、槽壁の内方に可撓性を有する貯水
用袋体を配設して、該袋体内には流体を充填する構成と
したので、これにより地中立型水槽を構成することがで
きる。しかも、貯水用袋体を槽壁に着脱自在とするとと
もに、注入・排出口を備える構成とした。これにより、
貯水用袋体から流体を排出し、これを窄ませることによ
り、貯水用袋体を槽壁内から引き出して地上でメンテナ
ンスを行うことができる。したがって、地中立型水槽の
メンテナンスを容易かつ短期間で行うことが可能とな
る。また、地中立型水槽を建築構造物の地下ピット以外
にも、例えば周辺の空き地等、他の敷地に設置すること
ができる。これにより、建築構造物の地下スペースの有
効利用を図ることができるとともに、その根切深さを浅
くして、工期を短縮するとともに施工コストを大幅に削
減することができる。その上、地中立型水槽の施工工事
を建築構造物本体の施工工事と切り離して行うことが可
能となり、これによっても工期の短縮化、コストの低減
化を図ることができる。しかも、建築構造物の構築後で
あっても地中立型水槽を設置することができるので、熱
源能力の増強に容易に対応することが可能となる。
【0032】さらに、複数の地中立型水槽を互いに離間
した位置に設置し、これら複数の地中立型水槽を互いに
連結する構成とした。これにより、地中立型水槽の配置
の自由度が高められ、例えば別々の敷地に複数の地中立
型水槽を配置すること可能となり、狭い敷地であって
も、十分な蓄熱能力を有する地中立型水槽を設けること
が可能となる。
【0033】請求項2に係る地中立型水槽の施工方法に
よれば、地中立型水槽を構築すべき孔を地盤を拡径して
形成するようにした。これにより、発生する残土を大幅
に削減することができ、その処分に要する手間,費用を
省くことができる。これに加えて、従来に比較して騒音
・振動を大幅に低減することができるので、近隣に既存
の建築物がある場合であっても、そこでの業務等を妨げ
ることなく施工を行うことが可能となり、施工工期の長
期化を防ぐことができる。さらに、施工時には、常に、
流体を孔あるいは槽壁内に配しておく構成としたので、
ここにかかる側圧を流体で支持することができる。これ
により槽壁を従来よりも低強度とすることが可能とな
り、槽壁を構築するにあたっての費用を大幅に低減する
ことが可能となる。以上により、地中立型水槽の施工コ
ストを従来よりも大幅に削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地中立型水槽の一例を示す正断面
図である。
【図2】前記地中立型水槽を施工するときに用いる袋体
を備えた圧入管の構成を示す正面図である。
【図3】同圧入管の一部を示す平断面図である。
【図4】地盤を拡径するときの圧力と孔径の増加量との
関係を示す図である。
【図5】前記地中立型水槽の施工方法を示す図であっ
て、地盤に削孔した状態を示す正断面図である。
【図6】同、孔内に圧入管を挿入した状態を示す正断面
図である。
【図7】同、袋体を拡径させた状態を示す正断面図であ
る。
【図8】同、圧入管を引き出す状態を示す正断面図であ
る。
【図9】同、槽壁材を孔内に挿入する状態を示す正断面
図である。
【図10】同、槽壁材内に圧入管を挿入する状態を示す
正断面図である。
【図11】同、槽壁材を地盤に固定した状態を示す正断
面図である。
【図12】同、圧入管を引き出す状態を示す正断面図で
ある。
【図13】同、槽壁内に貯水用袋体を挿入する状態を示
す正断面図である。
【符号の説明】
1 蓄熱水槽(地中立型水槽) 2 槽壁 4 貯水用袋体 4a 注入・排出口 5 水(流体) 6 槽壁材 11 圧入管 12 袋体 20 パイロット孔(孔) G 地盤 H 孔
フロントページの続き (72)発明者 玉置 克之 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−81340(JP,A) 特開 昭61−122337(JP,A) 特開 平6−185051(JP,A) 特開 昭62−68919(JP,A) 特公 昭51−364(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 29/00 B65D 88/76

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤中の一定の深さまで掘削形成された
    孔内に、一以上の筒状の槽壁材からなる槽壁が形成さ
    れ、該槽壁の内方には可撓性を有するとともに該槽壁に
    着脱自在な貯水用袋体が配設されて、該袋体内には流体
    が充填された構成とされるとともに、前記袋体にはその
    内外に連通する注入・排出口が備えられて、前記流体が
    該袋体の内外に注入・排出可能な地中立型水槽におい
    て、 該地中立型水槽が互いに離間した位置に複数設置されて
    いるとともに、これら複数の地中立型水槽が互いに連結
    されていることを特徴とする地中立型水槽。
  2. 【請求項2】 地盤中に地中立型水槽を構築するための
    施工方法であって、周壁にその内外に連通する連通孔が
    形成されるとともに前記周壁の外周に可撓性を有する袋
    体が固定されてなる圧入管を、地盤中に挿入する第一の
    工程と、該圧入管内に流体を圧入して前記連通孔から前
    記袋体内に流体を圧入させて、該袋体をその軸線方向と
    直交する方向に膨張させることにより該袋体の周囲地盤
    を拡径して前記地中立型水槽を構築すべき孔を形成する
    第二の工程と、該袋体内の流体を前記圧入管から排出す
    ることによって該袋体を収縮させつつ、排出した前記流
    体を該袋体と前記孔との間に流入させた後、前記圧入管
    を前記孔内から引き出す第三の工程と、構築すべき前記
    地中立型水槽の槽壁を形成する筒状の槽壁材を、前記孔
    内に挿入して設置・固定する第四の工程と、前記槽壁の
    内方に、可撓性を有するとともに該槽壁に着脱自在な貯
    水用袋体を挿入し、前記槽壁内の流体を排出しつつ、該
    貯水用袋体内に流体を充填する第五の工程と、からなる
    ことを特徴とする地中立型水槽の施工方法。
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JP2019210595A (ja) * 2018-05-31 2019-12-12 ジャパンパイル株式会社 地下貯蔵庫、それを備える圧縮気体発電システム、ヒートポンプシステム、蓄電システム、燃料発電システム及び地下貯蔵システム。

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