JP2002038108A - 金属部材の加熱方法及び金属部材と被接合部材の接合方法 - Google Patents

金属部材の加熱方法及び金属部材と被接合部材の接合方法

Info

Publication number
JP2002038108A
JP2002038108A JP2000218864A JP2000218864A JP2002038108A JP 2002038108 A JP2002038108 A JP 2002038108A JP 2000218864 A JP2000218864 A JP 2000218864A JP 2000218864 A JP2000218864 A JP 2000218864A JP 2002038108 A JP2002038108 A JP 2002038108A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
heating
induction heating
metal
metal member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000218864A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyoshi Iwane
和良 岩根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2000218864A priority Critical patent/JP2002038108A/ja
Publication of JP2002038108A publication Critical patent/JP2002038108A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Automatic Assembly (AREA)
  • General Induction Heating (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属部材の誘導加熱を効率に行い、以て被接
合部材と金属部材の接合作業の生産性が向上した被接合
部材と金属部材の接合方法を提供すること。 【解決手段】 並設された金属部材1の少なくとも二以
上の金属部材1の加熱面に対し、誘導加熱用コイル41
を金属部材と直交して平行的に配置し、通電して加熱
し、接着剤3を介して金属部材1と被接合部材2とを接
合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、石膏ボードなど
の被接合部材を接着剤を介して金属部材に接合するよう
な場合などにおいて、誘導加熱により金属部材を加熱す
る方法、及び、そのような方法によって被接合部材を金
属部材に接合する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石膏ボードなどの建築用部材を内装材と
して建物の下地材に取付ける場合、従来は、釘やビスな
どが用いられている。或いは、接着剤で取付けることな
ども行われている。
【0003】しかしながら、釘やビスなどを用いた従来
の建築用部材の取付構造では、釘やビスやそれらの凹凸
が目立つので、壁紙などによる内装や装飾の仕上げをす
る際に、釘打ち部やビス止め部をパテで埋める作業が必
要となり、多大な労力を要していた。
【0004】また、接着剤を用いる場合、接着剤の固化
による固定に時間が長くかかるため接着剤単独で用いら
れることはなく、釘やビスを併用するのが通常であっ
た。しかも、この場合の釘やビスの打点数は、釘やビス
を単独で使用した場合に比べて若干少なくなる程度であ
るため、上述のパテ埋め作業に多大な労力を要すること
に変わりがなかった。
【0005】そこで、特開平8−73818号公報に
は、熱可塑性樹脂からなるホットメルト型の接着剤を用
い、誘導加熱により、接着作業を迅速に行なう技術が提
案されている。これは酢酸ビニル樹脂などを主成分とす
るホットメルト型接着剤を用いて、この接着剤を加熱溶
融して内装用の建築部材などを接着している。
【0006】また、特開昭63−273682号公報に
も、誘導加熱装置を多軸方向に移動可能として、加熱接
着性樹脂を誘導加熱により加熱してタイル等の貼付けを
行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記特開平8
−73818号公報に記載のホットメルト型接着剤を用
いて誘導加熱により接着する技術は、接着面の全ての接
着剤を溶融しなければならず、しかも、その接着剤の熱
可塑性樹脂の特性として、いったん溶融すると周りの温
度が低くなるまでは固まらず、接着固定ができない問題
があった。特に、隠蔽された場所や、接着対象の鋼材が
厚い場合は、なかなか接着剤の加熱や冷却ができず、接
着固定が不十分であったり、接着固定に時間がかかる問
題が発生する。接着固定を完全にしようとすれば、誘導
加熱時間は長くならざるをえず、接着固定に時間がかか
る。接着固定を速くしようとして、誘導加熱時間を短く
すると、接着剤の溶融が完全に行われず、接着強度の発
現が十分ではなくなる。また、全ての接着剤の加熱溶融
のためには、接着剤の熱可塑性樹脂の分解温度に近い1
50〜200℃での厳密な温度管理を必要とし、エネル
ギーコストが大きくなるとともに、建築現場においては
温度管理が十分にできず、接着不良を招く恐れがあっ
た。加えて、耐久性や長期信頼性、耐熱性についても十
分なものではなかった。
【0008】また、前記特開昭63−273682号公
報に記載の加熱接着性樹脂を誘導加熱により接着する技
術は、誘導加熱装置を移動可能としているので、加熱作
業が向上するものの、装置が高価となってコストがかか
り過ぎ、そして、加熱接着性樹脂はホットメルト型接着
剤であるので、前記特開平8−73818号公報に記載
の方法と同様の問題がある。
【0009】これらの問題を解決するために、熱硬化性
樹脂や反応性ホットメルト型の接着剤を用いる場合もあ
るが、これらの接着剤は高価になる問題があった。
【0010】更に近年、建物の内部における空気中の化
学物質による居住者の健康への影響が大きな問題となっ
ている。これは、内装材や家具などから発生するホルム
アルデヒドやトルエン、キシレンなどの揮発物質や防腐
剤、防虫剤を居住者が呼吸により体内に吸い込むことが
原因と言われている。このような物質は、特に新築ある
いは改築や改装直後の住宅、マンション、アパートにお
いて発生量が多く、非常に長い時間をかけて徐々に減っ
ていくと言われている。このため、人体に有害な溶剤を
用いた溶剤型の接着剤の使用も問題がある。更に、溶剤
型の接着剤は、接着構造物からその溶剤を乾燥除去する
ために、大掛かりな加熱乾燥炉を必要とする問題があ
る。
【0011】この発明は、上記従来技術の問題を解消
し、金属部材の誘導加熱を効率に行い、以て被接合部材
と金属部材の接合作業の生産性を向上し、人体の健康に
対して安全な建築部材等の取付構造及び取付方法を提供
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の金属部材
の加熱方法は、並設された複数の金属部材を誘導加熱に
より加熱するにあたり、前記並設された金属部材の少な
くとも二以上の金属部材の加熱面に対し、誘導加熱用コ
イルを金属部材と略直交して配置し、通電して加熱する
ことを特徴としている。
【0013】請求項2記載の金属部材の加熱方法、並設
された複数の金属部材を誘導加熱により加熱するにあた
り、前記並設された金属部材の少なくとも二以上の金属
部材の加熱面に対し、略四角状に屈曲させた誘導加熱用
コイルを配置し、通電して加熱することを特徴としてい
る。
【0014】請求項3記載の金属部材の加熱方法は、並
設された複数の金属部材を誘導加熱により加熱するにあ
たり、前記並設された金属部材の少なくとも二以上の金
属部材の加熱面に対し、並設した複数本の誘導加熱用コ
イルを配置し、通電して加熱することを特徴としてい
る。
【0015】請求項4記載の金属部材と被接合部材の接
合方法は、並設された複数の金属部材と被接合部材との
間に接着剤を介し、この金属部材を誘導加熱して金属部
材と被接合部材とを接合する方法であって、金属部材の
加熱方法が、請求項1、2又は3記載の金属部材の加熱
方法であることを特徴としている。
【0016】請求項5記載の金属部材と被接合部材の接
合方法は、請求項4記載の金属部材と被接合部材の接合
方法において、被接合部材が建築用部材であることを特
徴としている。
【0017】この発明において金属部材とは、一般に建
築用の部材として用いられるものであり、鉄、炭素鋼の
他、鉄とマンガン、ニッケル、クロム、珪素、燐、硫
黄、アルミニウムなどとの合金鋼、ステンレス鋼などの
鋼板類、亜鉛めっき鋼板などのめっき鋼板類、アルミニ
ウム板、アルミニウムサッシュ、などからなる。金属部
材の形状は、板材、形材、管材、桟材、枠材、梁材、柱
材などその用途により種々の形状になされてよい。金属
部材は、建築用部材を実質的に接着できる平坦な面があ
るものが好ましい。
【0018】例えば、枠材などとして用いる場合は、溝
形、リップ溝形、Z形、角形、ハット形、山形などの形
状になされる。誘導加熱のための誘導発熱体としては、
鋼板、めっき鋼板など鋼板類や形鋼類が発熱効率がよく
好ましい。金属部材の厚みとしては、0.1〜10mm
の範囲が好ましい。特に好ましくは0.5〜9mmの範
囲である。薄すぎると金属部材の製造が難しく、強度も
低くなり。厚すぎると誘導加熱による加熱温度制御が難
しくなるからである。なお、接着剤を特別な仕様(接着
剤中に金属を含有したもの)などを用いる場合は木質系
部材にも対応できる。
【0019】この発明において被接合部材とは、一般に
建築用として用いられる面材、部材などであり、例え
ば、石膏ボード、合板、珪酸カルシウム板、木片セメン
ト板、ロックウール板、フローリング材、ALC、ガラ
ス、プラスチック、金属及びそれらの加工部材、煉瓦、
タイル、石材などの建築用部材があげられるが、建築用
部材に限られるものではない。
【0020】この発明において誘導加熱とは、電磁誘導
により上記金属部材に渦電流を発生させこれを誘導発熱
体として加熱するものであり、高周波のものが加熱効率
がよく好ましい。誘導加熱装置としては特に限定されな
いが、誘導コイルを有する誘導加熱発生部と電源の制御
部とを分けたものが、小型になり、軽量なため好まし
い。
【0021】この発明において用いる接着剤としては、
金属部材と建築用部材等の被接合部材とを誘導加熱によ
り接着固定するものであり、このとき誘導加熱する前に
ある程度両者を粘着保持できるものであることが好まし
い。
【0022】この発明における接着剤として、水系接着
剤を用いれば、接着固定性発現のための温度制御が非常
に容易となる。即ち、水系接着剤では、水分がある間は
温度上昇が100℃に抑えられるので、誘導加熱の温度
制御が例えば80〜120℃の範囲のラフなものでも可
能となる。また、この発明における接着剤として、エマ
ルジョン系接着剤を用いれば、その分散媒の除去を容易
にすることができ、耐久性、耐熱性、長期信頼性に優
れ、低コストとなり、環境問題なども生じないものにで
きる。除去が困難で長期にわたり逸散する溶媒などを用
いないので、有利な接着剤となる。
【0023】更に、この発明における接着剤として、ア
クリル系接着剤を用いれば、その接着性及び柔軟性によ
り、接着の作業性、接着強度の優れたものにできる。
【0024】アクリル系接着剤としては、主成分として
アクリル系重合体又は共重合体などを用いる。このアク
リル系重合体又は共重合体とは、アルキル(メタ)アク
リレート又はこのアルキル(メタ)アクリレートと共重
合可能なモノマーを重合して得られる樹脂である。上記
アルキル(メタ)アクリレートとしては、アルキル基の
炭素数が1〜12のものが好ましく。例えば、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどがあげら
れ好適に用いられる。アルキル基の炭素数が小さすぎる
と、密着性や初期粘着力が不十分となることがあり、ア
ルキル基の炭素数が大きすぎると、接着強度や耐熱性が
不十分となることがある。上記アルキル(メタ)アクリ
レートと共重合可能なモノマーとしては、(メタ)アク
リル酸、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレートの反応性モノマーや他の非反応性
モノマー等があげられ、好適に用いられる。上記の反応
性モノマーを共重合すると、自己架橋型(自己硬化型)
樹脂となり、接着成分自身が自己架橋して硬化し強固な
ものになるので、耐熱性、耐溶剤性、耐クリープ性など
が向上し好ましい。
【0025】上記アクリル系接着剤をエマルジョン系接
着剤にするには、上記重合を乳化重合とすればよい。
【0026】この発明に用いる接着剤の粘度としては、
500〜100000mPa・sの範囲にするのが好ま
しい。更に好ましくは、3000〜40000mPa・
sの範囲である。粘度が小さすぎると、接着剤の塗工時
に粘性が低く、たれなどの現象が起こり、また、初期粘
着力も小さくなり、接着の作業性に支障がでる。粘度が
大きすぎると、塗工が難しくなるなど取り扱いが困難に
なる。粘度の測定法は、JIS K 6833 に準拠し、接着剤
温度が23℃時、BH型粘度計(株式会社トキメック
製)を用い、回転数10rpmで測定した値とした。
【0027】この発明に用いる接着剤の構造粘性として
は、2.5以上が好ましく、更に好ましくは3.0〜
5.0の範囲である。構造粘性が小さいとレベリング性
が悪くなる。構造粘性は、上記粘度の測定法により、回
転数2rpmで測定した値と回転数20rpmで測定し
た値の比で表した。
【0028】この発明に用いる接着剤には、無機充填剤
を添加したり、粘度調整や接着力調整のために他の化合
物を添加してよい。無機充填剤は、接着成分に対し5〜
50重量%の範囲で加えるのが好ましい。接着剤中に無
機充填剤が存在すると粘度の調整ができるだけでなく、
耐熱性を高めることができる。無機充填剤が多すぎる
と、接着強度が低下する。無機充填剤としては、クレ
ー、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、カオリン、
タルク、金属粉末などが好適に用いられる。無機充填剤
に鉄やステンレスなどの金属粉末を用いると、接着剤の
誘導加熱発熱体としての作用を発揮し、誘導加熱が促進
され好ましい。
【0029】この発明において、接着剤の塗布は、必要
とする接着面に必要量の接着剤を塗布するものであり、
例えば斑点状、縞状、点線状などに接着剤を塗布するも
のも含むものである。
【0030】(作用)請求項1記載の金属部材の加熱方
法は、並設された金属部材の少なくとも二以上の金属部
材の加熱面に対し、誘導加熱用コイルを金属部材と略直
交して配置し、通電して加熱するものであるから、並設
された金属部材の少なくとも二以上の金属部材が誘導加
熱用コイルにより一度に加熱されることになり、金属部
材の誘導加熱が高効率に行え、生産性が向上する。さら
に、並設により、すき間なく全体を均一に加熱でき、品
質の良いものにできる。
【0031】請求項2記載の金属部材の加熱方法、並設
された金属部材の少なくとも二以上の金属部材の加熱面
に対し、略四角状に屈曲させた誘導加熱用コイルを配置
し、通電して加熱するものであるから、並設された金属
部材の少なくとも二以上の金属部材が一度に加熱される
ことになり、金属部材の誘導加熱が効率的に行え、生産
性が向上する。
【0032】請求項3記載の金属部材の加熱方法は、並
設された金属部材の少なくとも二以上の金属部材の加熱
面に対し、並設した複数本の誘導加熱用コイルを配置
し、通電して加熱するものであるから、並設された金属
部材の少なくとも二以上の金属部材が一度に加熱される
ことになり、金属部材の誘導加熱が効率的に行え、生産
性が向上する。
【0033】請求項4記載の金属部材と被接合部材の接
合方法は、並設された複数の金属部材と被接合部材との
間に接着剤を介し、この金属部材を誘導加熱して金属部
材と被接合部材とを接合する場合に、金属部材の加熱方
法を、前記請求項1、2又は3記載の金属部材の加熱方
法を採用するものであるから、全体の金属部材が迅速に
加熱されて接着剤の乾燥や溶融固化が早まり、被接合部
材と金属部材との接合が確実かつ効率的になされる。
【0034】請求項5記載の金属部材と被接合部材の接
合方法においては、建築用部材が金属部材に確実かつ効
率的に接合される。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、この
発明の実施例の建築用部材と金属部材の接合方法によっ
て生産された建築用部材の取付構造を示す側面図、図2
はこの発明の実施例の建築用部材と金属部材の接合方法
を示す斜視図である。
【0036】図1の建築用部材の取付構造は間仕切パネ
ルMでの実施例を示すものである。枠材である金属部材
1、1…とその両側の内装面材である建築用部材2、2
との間に初期粘着力を有する接着剤3、3…が介され、
誘導加熱により接着固定され、間仕切パネルMが形成さ
れている。
【0037】金属部材1は、厚み0.5mmの亜鉛めっ
き鋼板からなる45×65mm角の長さが270cmの
角形鋼管である。
【0038】被接合部材である建築用部材2は、厚み1
2.5mmの石膏ボードであり、幅が90cm、長さが
270cmのもの2枚である。
【0039】接着剤3は、粘度が12000mPa・s
の水系アクリルエマルジョン系接着剤を、金属部材1の
接着面に200g/m2 の割合で塗布し、誘導加熱して
乾燥固化させたものである。
【0040】この間仕切パネルMの製造方法(建築用部
材の取付方法)を説明する。7本が等間隔に間をおいて
配置された金属部材1の上面の全面に上記水系アクリル
エマルジョン系接着剤からなる接着剤3を200g/m
2 の割合で塗布した。接着剤3は、エチルアクリレート
と少量のメチルメタクリレートとメタクリル酸と2−ヒ
ドロキシエチルアクリレートを乳化重合したものに無機
充填剤としてクレーを25重量%と粘度調整剤としてポ
リビニルアルコール等を添加し、粘度が12000mP
a・sでPHが7.0に調整したものを用いた。PHを
7.0に調整したのは、接着剤3が金属部材1の発錆に
影響しないように配慮したのである。
【0041】この金属部材1の接着剤3の上から、石膏
ボードからなる建築用部材2を被せる。そうすると、金
属部材1と建築用部材2とが接着剤3の初期粘着力によ
り所定の位置に仮保持される。
【0042】次いで、誘導加熱装置4を用いて誘導加熱
を行なった。誘導加熱装置4は、4本の誘導加熱用コイ
ル41を有する誘導加熱発生部と高周波電源の制御部4
2とに分かた型のものを使用した。誘導加熱発生部のU
字状に屈曲した4本の誘導加熱用コイル41は、略等間
隔に横並びにとされ、それぞれの誘導加熱用コイル41
を、図2に示すように、建築用部材2の上から、等間隔
に間をおいて配置された7本のうちの約半分の4本の金
属部材1に略直交して金属部材1との距離が略同じにな
るようにして配置し、建築用部材2の側から金属部材1
及び接着剤3を誘導加熱して接着剤3を固化させ、金属
部材1と建築部材2とを接着固定させた。
【0043】この誘導加熱発生部の誘導加熱用コイル4
1による誘導加熱は、制御部42の設定温度が約110
℃で、1回の加熱時間が約10秒とし、6本のうち約半
分の4本の金属部材1上の接着剤3を加熱し固化し、続
いて誘導加熱発生部の4本の誘導加熱用コイル41を残
りの3本の金属部材1の方(図2で上方)に移動させ、
同様にして建築用部材2の側から金属部材1及び接着剤
3を誘導加熱して接着剤3を固化させ、金属部材1と建
築部材2とを接着固定させた。
【0044】次いで、この金属部材1と建築用部材2と
が接着固定されたものを裏返し、金属部材1の反対側に
同様に接着剤3を塗布し、新たな建築用部材2を被せて
接着し、上記と同様にして、誘導加熱装置4により2回
誘導加熱して接着固定した。こうして、図1に示す間仕
切パネルMを製造した。
【0045】この間仕切パネルMは、金属部材1と建築
用部材2とは、誘導加熱用コイル41が交差する箇所及
びその周辺が接着剤3により完全に接着固定されたもの
であるが、この段階で十分に運搬などに耐えられるもの
になった。残りの接着剤3は常温(約20℃)で約20
時間後に完全固化し、完全な強度の間仕切パネルMとな
った。
【0046】この建築用部材の取付構造は、金属部材1
と建築用部材2との間に初期粘着力を有する接着剤3が
介され、この金属板部材1と建築用部材2とが誘導加熱
により接着固定されてなるから、接着剤3の初期粘着力
により金属部材1と建築用部材2とが仮保持され、2回
の誘導加熱によりこれらが接着固定され、取付が容易で
迅速にできるものとなる。したがって、接着固定のため
に大掛かりな加熱乾燥炉を必要とすることもなく、一度
に沢山の箇所を加熱できるため、生産性が向上する。
【0047】しかも、上記の接着剤3が水系接着剤であ
るから、誘導加熱の温度制御が容易で、人体の健康や環
境に対して安全である。そして、接着剤3がエマルジョ
ン系接着剤であるから、その分散媒としての水の除去が
容易で確実となり、耐久性、耐熱性、長期信頼性に優
れ、低コストとなっている。更に、上記の接着剤3がア
クリル系接着剤であるから、接着性と柔軟性に優れ、地
震などによる振動や変位に対して追随性が増す。
【0048】この建築用部材の取付構造は、上記の接着
剤の粘度が500〜100000mPa・sの範囲内の
12000mPa・sであるから、取り扱いが容易で初
期粘着力に優れ、接着取付の作業性がよいものとなって
いる。
【0049】この建築用部材の取付方法は、金属部材1
と建築用部材2との接着面の前面に接着剤3を塗布し、
この金属部材1と建築用部材2とを誘導加熱により部分
的に接着固定させ、両者の仮固定を行ない、その後に残
りの部分の接着剤3を固化するようにしたから、金属部
材1と建築用部材2との固定を約20秒という極めて迅
速に行なえるとともに、建築用部材2を釘やビスで仮止
めして傷つけることがない。したがって、パテ埋め作業
を必要としない。
【0050】この実施例においては、接着剤3として水
系接着剤を用いたが、ホットメルト型の接着剤(例え
ば、EVA系ホットメルトであるエスダイン8512
JS−1(積水化学工業(株)製)など。なお、ホット
メルト型の接着剤3には反応性ホットメルトも含まれ
る。)を用いることも可能である。この実施例では、U
字状に屈曲した4本の誘導加熱用コイル41を横並びに
して配置しているので、誘導加熱用コイル41は4本の
金属部材1と16箇所と多数の箇所で交差することにな
り、その交差箇所及びその周辺は、すなわち金属部材1
上のホットメルト型接着剤の全体が加熱されて接着固定
されることになるためには、誘導加熱コイル41を数十
本横並びに配置して全体を加熱する必要がある。
【0051】次に、この発明の他の実施例について図3
を参照して説明する。図3は、建物の外壁下地材に外壁
表面材である金属部材を接合する方法を示す斜視図であ
る。
【0052】金属部材1aは、厚み1.0mm、幅10
0cm、長さ250cmのアルミ化粧板からなる外壁表
面材であり、建物の外壁下地材である建築用部材2a
は、厚み12.5mmの石膏ボード板2aからなり、並
設した金属部材1aの各上に当該建築部材2aを接着剤
3aを介して置いている。なお、接着剤3aは、前記の
実施例において用いられたものと同様であるので、説明
を省略する。
【0053】次いで、誘導加熱装置4aを用いて誘導加
熱を行なった。誘導加熱装置4aは、2個の略四角状に
屈曲させた誘導加熱用コイル41を有する誘導加熱発生
部と高周波電源の制御部42aとが一体となり、固定台
上に設置した型ものを使用した。金属部材1a等は2個
ずつベルトコンベア上に載せられて送られてくる。誘導
加熱発生部の略四角状に屈曲した2個の誘導加熱用コイ
ル41aを、図3に示すように、金属部材1aの上か
ら、等間隔に間をおいて配置された2体の金属部材1a
上に配置し、誘導加熱して接着剤3を固化させ、金属部
材1aと建築部材2aとを接着固定させた。
【0054】この誘導加熱発生部の誘導加熱用コイル4
1aによる誘導加熱は、制御部42aの設定温度が約1
10℃で、1回の加熱時間が約10秒とし、順次金属部
材1aの2体宛ずつ、誘導加熱によって、接着剤3aを
加熱し固化し、金属部材1aと建築部材2aとを接着固
定させた。
【0055】この金属部材1aと建築用部材2aの接合
方法によれば、2体の金属部材1aの誘導加熱を一度の
操作により極めて迅速に行なえるとともに、加熱炉等の
大型の設備を必要とせず、経済的である。
【0056】更に、この発明の他の実施例について図4
を参照して説明する。図4は、金属部材の加熱方法を示
す斜視図である。
【0057】この金属部材の加熱方法は、鉄線の焼きな
ましのための加熱方法である。金属部材1bは、鉄線を
複数本並設したものからなる。誘導加熱装置4bは、U
字状に屈曲した複数本の誘導加熱用コイル41bと高周
波電源の制御部42bとが分かれた型のものを使用し
た。この金属部材1b上にU字状に屈曲した誘導加熱用
コイル41bの複数本を、金属部材1bの長手方向に対
し略45度に交差するように平面的に配置し、順次誘導
加熱用コイル41bを移動しつつ、誘導加熱を行ったと
ころ、焼きなましに必要な温度に迅速に加熱された。
【0058】以上、この発明の実施例を説明したが、こ
の発明は上記実施例に限定されるものではなく、この発
明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があってもこの
発明に含まれる。例えば、間仕切パネルMを製造する場
合は、金属部材1の両面の建築用部材2、2を同時に誘
導加熱により接着固定してもよい。また、接着剤3は建
築用部材2側に塗布してもよいし、建築用部材2と金属
部材1の両方に塗布してもよい。接着剤3に自己架橋型
水系アクリルエマルジョン系接着剤を用いた場合でも、
接着剤3の全面を誘導加熱により固化させてもよい。
【0059】
【発明の効果】請求項1記載の金属部材の加熱方法は、
並設された金属部材の少なくとも二以上の金属部材の加
熱面に対し、誘導加熱用コイルを金属部材と略直交して
配置し、通電して加熱するものであるから、並設された
金属部材の少なくとも二以上の金属部材が一度に加熱さ
れることになり、金属部材の誘導加熱が効率的に行え、
生産性が向上する。
【0060】請求項2記載の金属部材の加熱方法、並設
された金属部材の少なくとも二以上の金属部材の加熱面
に対し、略四角状に屈曲させた誘導加熱用コイルを配置
し、通電して加熱するものであるから、並設された金属
部材の少なくとも二以上の金属部材が一度に加熱される
ことになり、金属部材の誘導加熱が効率的に行え、生産
性が向上する。
【0061】請求項3記載の金属部材の加熱方法は、並
設された金属部材の少なくとも二以上の金属部材の加熱
面に対し、並設した複数本の誘導加熱用コイルを配置
し、通電して加熱するものであるから、並設された金属
部材の少なくとも二以上の金属部材が一度に加熱される
ことになり、金属部材の誘導加熱が効率的に行え、生産
性が向上する。
【0062】請求項4記載の金属部材と被接合部材の接
合方法は、並設された複数の金属部材と被接合部材との
間に接着剤を介し、この金属部材を誘導加熱して金属部
材と被接合部材とを接合する場合に、金属部材の加熱方
法を、前記請求項1、2又は3記載の金属部材の加熱方
法を採用するものであるから、全体の金属部材が迅速に
加熱されて接着剤の溶融固化が早まり、被接合部材と金
属部材との接合が確実かつ効率的になされる。
【0063】請求項5記載の金属部材と被接合部材の接
合方法においては、建築用部材が金属部材に確実かつ効
率的に接合される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の建築用部材と金属部材の接
合方法によって生産された建築用部材の取付構造を示す
側面図である。
【図2】この発明の実施例の建築用部材と金属部材の接
合方法を示す斜視図である。
【図3】この発明の他の実施例の建築用部材と金属部材
の接合方法を示す斜視図である。
【図4】この発明の他の実施例の金属部材の加熱方法を
示す斜視図である。
【符号の説明】
M 間仕切パネル 1、1a、1b 金属部材 2、2a 建築用部材 3、3a 接着剤 4、4a、4b 誘導加熱装置 41、41a、41b 誘導加熱用コイル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 並設された複数の金属部材を誘導加熱に
    より加熱するにあたり、前記並設された金属部材の少な
    くとも二以上の金属部材の加熱面に対し、誘導加熱用コ
    イルを金属部材と略直交して配置し、通電して加熱する
    ことを特徴とする金属部材の加熱方法。
  2. 【請求項2】 並設された複数の金属部材を誘導加熱に
    より加熱するにあたり、前記並設された金属部材の少な
    くとも二以上の金属部材の加熱面に対し、略四角状に屈
    曲させた誘導加熱用コイルを配置し、通電して加熱する
    ことを特徴とする金属部材の加熱方法。
  3. 【請求項3】 並設された複数の金属部材を誘導加熱に
    より加熱するにあたり、前記並設された金属部材の少な
    くとも二以上の金属部材の加熱面に対し、並設した複数
    本の誘導加熱用コイルを配置し、通電して加熱すること
    を特徴とする金属部材の加熱方法。
  4. 【請求項4】 並設された複数の金属部材と被接合部材
    との間に接着剤を介し、この金属部材を誘導加熱して金
    属部材と被接合部材とを接合する方法であって、金属部
    材の加熱方法が、請求項1、2又は3記載の金属部材の
    加熱方法であることを特徴とする金属部材と被接合部材
    の接合方法。
  5. 【請求項5】 被接合部材が建築用部材であることを特
    徴とする請求項4記載の金属部材と被接合部材の接合方
    法。
JP2000218864A 2000-07-19 2000-07-19 金属部材の加熱方法及び金属部材と被接合部材の接合方法 Pending JP2002038108A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000218864A JP2002038108A (ja) 2000-07-19 2000-07-19 金属部材の加熱方法及び金属部材と被接合部材の接合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000218864A JP2002038108A (ja) 2000-07-19 2000-07-19 金属部材の加熱方法及び金属部材と被接合部材の接合方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002038108A true JP2002038108A (ja) 2002-02-06

Family

ID=18713746

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000218864A Pending JP2002038108A (ja) 2000-07-19 2000-07-19 金属部材の加熱方法及び金属部材と被接合部材の接合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002038108A (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6060171A (ja) * 1983-09-13 1985-04-06 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 高周波誘電加熱接着用組成物
JPS6086185A (ja) * 1983-10-19 1985-05-15 Aica Kogyo Co Ltd 吹付施工用接着剤
JPH06234962A (ja) * 1992-11-16 1994-08-23 Borden Inc チキソトロピックな木材接着ゲル
JPH08143824A (ja) * 1994-11-22 1996-06-04 Haitatsuchi Futaba:Kk 接着方法および接着構造物
JPH08143825A (ja) * 1994-11-22 1996-06-04 Haitatsuchi Futaba:Kk ポータブル式接着装置
JPH10330709A (ja) * 1997-04-01 1998-12-15 Sekisui Chem Co Ltd 接着剤組成物及び表面化粧材
JPH1142755A (ja) * 1997-07-25 1999-02-16 Yamamoto Vinita Co Ltd 高周波誘電加熱による芯材と表面材の接着方法及び装置
JPH11166167A (ja) * 1997-09-30 1999-06-22 Sekisui Chem Co Ltd 接着剤組成物の製造方法
JPH11279507A (ja) * 1998-03-31 1999-10-12 Konishi Co Ltd 高周波接着用接着剤組成物
JP2000160126A (ja) * 1998-11-26 2000-06-13 Shoei Kagaku Kogyo Kk 接着剤組成物およびその製造方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6060171A (ja) * 1983-09-13 1985-04-06 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 高周波誘電加熱接着用組成物
JPS6086185A (ja) * 1983-10-19 1985-05-15 Aica Kogyo Co Ltd 吹付施工用接着剤
JPH06234962A (ja) * 1992-11-16 1994-08-23 Borden Inc チキソトロピックな木材接着ゲル
JPH08143824A (ja) * 1994-11-22 1996-06-04 Haitatsuchi Futaba:Kk 接着方法および接着構造物
JPH08143825A (ja) * 1994-11-22 1996-06-04 Haitatsuchi Futaba:Kk ポータブル式接着装置
JPH10330709A (ja) * 1997-04-01 1998-12-15 Sekisui Chem Co Ltd 接着剤組成物及び表面化粧材
JPH1142755A (ja) * 1997-07-25 1999-02-16 Yamamoto Vinita Co Ltd 高周波誘電加熱による芯材と表面材の接着方法及び装置
JPH11166167A (ja) * 1997-09-30 1999-06-22 Sekisui Chem Co Ltd 接着剤組成物の製造方法
JPH11279507A (ja) * 1998-03-31 1999-10-12 Konishi Co Ltd 高周波接着用接着剤組成物
JP2000160126A (ja) * 1998-11-26 2000-06-13 Shoei Kagaku Kogyo Kk 接着剤組成物およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2022166146A1 (zh) 一种安装方便的复合板
JP2002038108A (ja) 金属部材の加熱方法及び金属部材と被接合部材の接合方法
JP3730816B2 (ja) 建築用部材の取付構造及び取付方法
JP7077529B2 (ja) 接着シートセットおよび物品の製造方法
CN107327106B (zh) 建筑物外墙的装饰保温结构及其施工方法
JP2001062809A (ja) 建築用パネルの製造方法及び装置
JPH05340058A (ja) 建築部材の接着方法及びそれに用いる接着シ−ト
CN108060793A (zh) 保温降噪的墙面改装方法
WO2015146696A1 (ja) 断熱パネル及び断熱パネルの取り付け方法
JP3859471B2 (ja) 長尺要素の軽量気泡コンクリート部材への取り付け方法及びその取り付け方法を用いて長尺要素が取り付けられた軽量気泡コンクリート部材
JP2003097020A (ja) 既存外壁の改修方法
JP2007070877A (ja) 建造物の隅角部における防水シートの施工方法
JPH028452A (ja) 粉塵発生壁の隠蔽方法
JP7077528B2 (ja) 接着シートセットおよび物品の製造方法
CN207553503U (zh) 一种建筑石材胶贴结构
JPH0372131A (ja) 合成樹脂系防水シートの下地への取付方法
CN213174232U (zh) 一种隔热防火金属材料
CN217580924U (zh) 一种基于碳纤维结构加工装饰层抹面结构
JPH0671700U (ja) 接合型建築材料
JP2002339545A (ja) 軽量気泡コンクリートパネルのタイル張付構造
JP2007046245A (ja) 改修構造
JP2000320064A (ja) 固定構造及び固定用補強材
JPH10235804A (ja) 防水シート積層体およびそれを用いた施工方法
JP2001081417A (ja) 部材の接着方法
JP3610836B2 (ja) 手摺りの取り付け方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070417

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100825

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101001

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111026