JP2002339545A - 軽量気泡コンクリートパネルのタイル張付構造 - Google Patents

軽量気泡コンクリートパネルのタイル張付構造

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JP2002339545A
JP2002339545A JP2001144651A JP2001144651A JP2002339545A JP 2002339545 A JP2002339545 A JP 2002339545A JP 2001144651 A JP2001144651 A JP 2001144651A JP 2001144651 A JP2001144651 A JP 2001144651A JP 2002339545 A JP2002339545 A JP 2002339545A
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tile
reinforcing agent
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Takahisa Hattori
貴久 服部
Kazuhiro Ogasawara
和博 小笠原
Takashi Ueda
崇 上田
Masashi Nagai
昌志 永井
Norihisa Sugaya
典央 菅谷
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Inax Corp
Clion Co Ltd
Kenzai Gijutsu Kenkyusho KK
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Inax Corp
Clion Co Ltd
Kenzai Gijutsu Kenkyusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現場でのタイル張り工法にも適応でき、しか
もパネル側に対する接着剤の付着強度を十分に高める。 【解決手段】 ALCパネル1の表面に、成分が酢酸ビ
ニル、エチレン酢酸ビニル、アクリル、スチレンアクリ
ル、ウレタン、エポキシのうち1種以上の樹脂からなる
水系の強化剤の層2を設け、その強化剤層2の上に、高
粘度の弾性有機系接着剤の層3を介してタイル4を張付
ける。強化剤がALCパネル1の表面の凸部を覆って強
化し、凸部を欠けにくくすると共に、凹部内に侵入して
凹凸を小さくし、これに加えて、表面や凹部内のALC
の粉体5を固めて固着させる作用を呈する。これによ
り、ALCパネル1の表面が強化されるようになって、
接着剤層3の付着強度を高めることができ、ひいてはタ
イル4の接着強度を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量気泡コンクリ
ートパネル(以下「ALCパネル」という)の表面に、
タイルを張付けるための構造を改良した軽量気泡コンク
リートパネルのタイル張付構造に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】ALCパネルは、一般
のコンクリートに比べて軽量であり、また、断熱性や加
工性に優れる等の特長を有し、建築材料例えば外壁材等
として広く使用されている。そして、このようなALC
パネルを外壁材として使用する場合には、建物の耐久性
や防水性、更には意匠性を高めるため、ALCパネルの
表面に外装タイルを張付けることが行われている。
【0003】例えば特開2000−328711公報に
は、ALCパネルの表面に外装タイルを張付けるにあた
り、従来のモルタル接着剤を使用することに代えて、弾
性有機系接着剤を使用することが示されている。この弾
性有機系接着剤は固化しても弾性を保持し、パネルの挙
動に対する追従性が高いので、タイルの剥落の防止に有
効なものとなる。
【0004】ところで、上記特開2000−32871
1公報で知られている弾性有機系接着剤は、レベリング
性に優れた100dPa.s未満の低粘度のものであ
り、このような低粘度の弾性有機系接着剤は、凹凸の激
しいALCパネルの表面の凹部内にまで浸透するので、
ALCパネルに対する接着剤の良好な付着強度を得るこ
とができる。ところが、このような低粘度の接着剤を用
いる方法は、工場での生産には適するものの、現場での
タイル張り、つまりALCパネルを垂直状態に建て込ん
でおいてタイル張りする工法においては、張付け直後の
タイルとの接着性が弱いため、タイルがずり落ちてしま
うといった欠点があった。
【0005】これに対し、100dPa.s以上の高粘
度の弾性有機系接着剤を用いるようにすれば、現場での
タイル張り工法においても、タイルがずり落ちてしまう
といったことを防止することができる。しかしながら、
ALCパネルの表面は、平滑でなく凹凸が大きいため、
そのような高粘度の接着剤を凹部内まで浸透させること
は困難であり、接着剤の付着面積の減少により付着強度
が低くなる不具合が生ずる。
【0006】しかも、ALCパネルは、基材が脆弱であ
るため、表面の凸部特に鋭角となっている部分が欠けや
すく、例えば接着剤をしごき塗りする際にALCパネル
の表面がぼろぼろと削れ、粉体となって表面に付着した
り凹部内に詰まる事情があり、このALCの粉体によっ
ても接着剤の付着強度の低下を招いていた。そうかとい
って、ALCパネルの表面や凹部内の粉体をエアブロー
や吸引、ブラシ等で予め除去しておくことは多大な労力
を要するため、実際には粉体の十分な除去は難しく、特
に表面が湿っている場合には粉体の除去が困難なものと
なる。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、現場でのタイル張り工法にも適し、し
かもパネル側に対する接着剤の付着強度を十分に高める
ことができる軽量気泡コンクリートパネルのタイル張付
構造を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは、ALCパネルにタイルを張付けるに
あたり、凹凸が大きく脆弱なALCパネルの表面に強化
剤を塗布して強化した上で、高粘度の弾性有機系接着剤
を用いることにより、接着剤の良好な付着強度を得るこ
とができることを確認し、本発明を成し遂げたのであ
る。併せて、上記強化剤として、成分が酢酸ビニル、エ
チレン酢酸ビニル、アクリル、スチレンアクリル、ウレ
タン、エポキシのうち1種以上からなる水系樹脂(エマ
ルション)が適することを確認したのである。
【0009】即ち、本発明の軽量気泡コンクリートパネ
ルのタイル張付構造は、軽量気泡コンクリートパネルの
表面に、成分が酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル、アク
リル、スチレンアクリル、ウレタン、エポキシのうち1
種以上の樹脂からなる水系の強化剤が塗布され、その強
化剤層の上に、粘度が100dPa.s以上の弾性有機
系接着剤が塗布されてタイルが張付けられているところ
に特徴を有する(請求項1の発明)。
【0010】これによれば、強化剤がALCパネルの表
面の凸部を覆って強化し、凸部を欠けにくくすると共
に、強化剤が凹部内に侵入して凹凸を小さくし、これに
加えて、強化剤が表面や凹部内のALCの粉体を固めて
固着させる作用を呈するようになり、もってALCパネ
ルの表面が強化されるようになる。これにより、ALC
パネルの表面の欠けによる粉体の発生自体を防止すると
共に、表面に付着していた粉体が固められ、しかも表面
の凹凸も小さくなるので、その強化剤層の上に接着剤を
塗布することにより、接着剤の付着強度を十分に高める
ことができる。ALCパネルの表面に付着しているAL
Cの粉体の除去作業が不要となることは勿論である。
【0011】そして、高粘度の弾性有機系接着剤を採用
したことにより、現場でのタイル張り工法においても、
張付け直後のタイルとの接着性が高く、タイルがずり落
ちてしまうことを防止することができる。弾性有機系接
着剤は固化しても弾性を保持し、ALCパネルの挙動に
対する追従性が高いので、張付後のタイルの剥落の防止
に有効である。尚、この高粘度の弾性有機系接着剤とし
ては、ウレタン、シリコーン、変成シリコーン、エポキ
シ樹脂のなかから少なくとも1つを含む接着剤を採用す
ることができる。
【0012】この場合、前記強化剤を、樹脂の平均粒径
が100nm以下であり、且つ、ガラス転移温度(T
g)が0〜60℃のものとすることが望ましい(請求項
2の発明)。樹脂の平均粒径を100nm以下とするこ
とにより、強化剤の樹脂成分がALCの粉体と粉体との
間や、ALCパネル表面と粉体との間に浸透しやすくな
り、粉体を固めて固着させる効果をより高めることがで
きる。
【0013】また、ガラス転移温度が0〜60℃の樹脂
を採用したことにより、硬化後の強化剤層(樹脂膜)の
強度を高くすることができ、遊離していたALCの粉体
をALCパネル表面に固着し、ALCパネルの基材と同
等の強度を確保することができる。ガラス転移温度が0
℃より低い場合には、硬化後の樹脂の強度が不足するこ
とが多くなり、ガラス転移温度が60℃を越えるもので
は、硬化させるために加熱が必要となって実用性が低下
してしまうことになる。
【0014】前記強化剤を、塗布時において、樹脂の有
効成分が2〜10%で、且つ、粘度を0.01〜3dP
a.sに調整し、その塗布量を、樹脂の有効成分で5〜
40g/mとすることも有効である(請求項3の発
明)。これにより、硬化後の樹脂膜の強度を確保するこ
とができると共に、樹脂成分の粉体同士間や、ALCパ
ネル表面と粉体との間への浸透性を良好とすることがで
き、さらに、適切な塗布量とすることができる。
【0015】樹脂の有効成分が2%未満では、硬化後の
樹脂膜の強度が不足して塗布量を過剰にする必要が生
じ、10%を越えると、エマルション粒子が多くなって
浸透性の悪化を招いてしまう。粘度が水の粘度である
0.01dPa.sよりも低くなることはなく、また粘
度を3dPa.sよりも高くすると、浸透性の悪化を招
いてしまう。塗布量が樹脂の有効成分で5g/mより
少ないと、樹脂膜が不足して強度向上が図られなくな
り、40g/mを越えると過剰に塗布されることにな
って、コスト高などの無駄を招くことになる。
【0016】さらには、前記弾性有機系接着剤の塗布量
は、1.2〜3.0kg/mが適量である(請求項4
の発明)。塗布量が1.2kg/m未満であると、接
着剤の量が不足して、タイルを張付ける際に、タイルの
裏面のあり足と称される凹凸面において接着剤が付着し
ない部分が生じ、タイルの接着強度が低下することにな
り、また、タイル間の目地部分の防水性の低下も招く虞
がある。一方、塗布量が3.0kg/mを越えると、
接着剤が過剰となって、タイルを張付ける際に、多くの
接着剤が目地部分から表面側にはみ出すようになり、意
匠性の低下やコスト高などの無駄を招いてしまうことに
なる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態
に係るALCパネルのタイル張付構造を概略的に示して
おり、また、図2は、図1の一部を拡大した様子を示し
ている。ここで、図1に示すように、ALCパネル1の
表面には、強化剤の層2が設けられ、その強化剤層2の
上に、弾性有機系接着剤の層3を介してタイル4が張付
けられている。尚、タイル4の裏面には、あり足と称さ
れる凹凸が形成されている。
【0018】前記強化剤は、有効成分が酢酸ビニル、エ
チレン酢酸ビニル、アクリル、スチレンアクリル、ウレ
タン、エポキシ樹脂のなかから少なくとも1種を含む水
系樹脂(エマルション)からなる。またこの場合、その
樹脂の平均粒径が100nm以下であり、且つ、ガラス
転移温度(Tg)が0〜60℃である。この水系の強化
剤が、ALCパネル1の表面に塗布され、乾燥されるこ
とにより強化剤層2が形成されるのであるが、その塗布
時においては、樹脂の有効成分が2〜10%で、且つ、
粘度が0.01〜3dPa.sに調整され、塗布量は、
樹脂の有効成分で5〜40g/mとされるようになっ
ている。
【0019】前記弾性有機系接着剤は、ウレタン、シリ
コーン、変成シリコーン、エポキシ樹脂のなかから少な
くとも1種を含む接着剤であり、100dPa.s以上
の高粘度のものとされている。この弾性有機系接着剤
が、前記強化剤層2上に塗布されて接着剤層3が形成さ
れるのであるが、この場合、その際の塗布量が1.2〜
3.0kg/mとされている。
【0020】しかして、ALCパネル1の表面は、平滑
でなく凹凸が大きく、また、基材が脆弱であるため、表
面の凸部特に鋭角となっている部分が欠けやすく、例え
ば接着剤をしごき塗りする際にALCパネル1の表面が
ぼろぼろと削れ、粉体5となって表面に付着したり凹部
内に詰まる事情がある。このため、接着剤の付着面積が
少なくなって付着強度が低くなったり、ALCの粉体5
による接着剤の付着強度の低下を招く虞があった。
【0021】ところが、上記構成においては、ALCパ
ネル1の表面に強化剤が塗布されることにより、図2に
示すように、強化剤がALCパネル1の表面の凸部を覆
って強化し、凸部を欠けにくくすると共に、強化剤が凹
部内に侵入して凹凸を小さくし、これに加えて、強化剤
が表面や凹部内のALCの粉体5を固めて固着させる作
用を呈するようになり、もってALCパネル1の表面が
強化されるようになる。これにより、ALCパネル1の
表面の欠けによる粉体5の発生自体を防止すると共に、
表面や凹部内の粉体5が固められ、しかもALCパネル
1の表面の凹凸も小さくなるので、強化剤層2の上に接
着剤を塗布することにより、接着剤の付着強度を十分に
高めることができる。この際、ALCパネル1の表面に
付着しているALCの粉体5の除去作業が不要となるこ
とは勿論である。
【0022】そして、接着剤層3に、高粘度の弾性有機
系接着剤を採用したことにより、現場でのタイル張り工
法においても、張付け直後のタイル4との接着性が高
く、タイル4がずり落ちてしまうことを防止することが
できる。弾性有機系接着剤は固化しても弾性を保持し、
ALCパネル1の挙動に対する追従性が高いので、張付
後のタイル4の剥落の防止にも有効である。
【0023】このとき、前記強化剤を、樹脂の平均粒径
が100nm以下としたことにより、強化剤の樹脂成分
が、ALCの粉体5同士間や、ALCパネル1表面と粉
体5との間に浸透しやすくなり、粉体5を固めて固着さ
せる効果をより高めることができ、これと共に、ガラス
転移温度(Tg)が0〜60℃のものとしたことによ
り、硬化後の強化剤層2(樹脂膜)の強度を高くするこ
とができ、遊離していたALCの粉体5をALCパネル
1表面に固着し、ALCパネル1の基材と同等の強度を
確保することができる。
【0024】また、前記強化剤を、塗布時において、樹
脂の有効成分が2〜10%で、且つ、粘度を0.01〜
3dPa.sに調整し、その塗布量を、樹脂の有効成分
で5〜40g/mとしたので、硬化後の強化剤層2
(樹脂膜)の強度を確保することができると共に、樹脂
成分の粉体5同士間や、ALCパネル1表面と粉体5と
の間への浸透性を良好とすることができ、しかも、適切
な塗布量とすることができる。
【0025】さらには、前記弾性有機系接着剤の塗布量
を、1.2〜3.0kg/mとしたことにより、適切
な塗布量とすることができ、タイル4の高い接着強度を
確保することができると共に、タイル4間の目地部分の
防水性を確保することができ、しかも、多くの接着剤が
タイル4間の目地部分から表面側にはみ出すこともな
く、意匠性を確保することができる。
【0026】
【実施例】以下に、実施例及び比較例をあげて、本発明
を更に詳述する。尚、次に述べる実施例1は、本発明を
具体化したタイル張付けALCパネルであり、これに対
し、比較例1は、実施例1の強化剤に代えて、従来より
用いられている吸水調整用シーラーを採用したものであ
り、また、比較例2は、強化剤の塗布時における樹脂の
有効成分を過大としたものであり、比較例3は、強化剤
の塗布時における粘度を過大としたものである。
【0027】<実施例1>強化剤として、樹脂の平均粒
径が90nmであり、Tgが0℃であるスチレン−アク
リル共重合体を用い、これを水希釈により、有効成分が
6%、粘度0.5dPa.sに調整し、これをALCパ
ネルの表面に刷毛ローラを用いて、0.3kg/m
(有効成分で18g/m)塗布した。強化剤の乾燥
後、その表面に、弾性有機系接着剤としてワンパックボ
ーイR−V2(イナックス社製)を金コテでしごき塗り
した後に、平滑となるようにならし、全体で1.8kg
/mとなるように均一に塗布した。接着剤を塗布した
後、直ちに45mm角タイルを、押え板で挟み込むよう
にして押え付け、叩き押え付けて張付け、更に、タイル
の位置を揃える目地直しを行って仕上げた。
【0028】尚、上記強化剤の塗布については、刷毛ロ
ーラを用いるものに限らず、均一に塗布できるものであ
れば、スプレーや単なる刷毛など、様々なものを用いる
ことができる。また、強化剤を塗布した後のALCパネ
ルの表面においても、多少の凹凸は残るため、高粘度の
弾性有機系接着剤の塗布を金コテでのしごき塗りにより
行っても、接着剤を完全に凹部の中まで充填することが
できないケースが生ずるが、この場合でも、接着剤を塗
付けた面における十分な接着強度を確保することがで
き、これと共に、接着剤を均一に塗布することにより、
タイル間の目地部の防水性を確保することができる。
【0029】<比較例1>吸水調整用シーラーとして、
樹脂の粒径が2000nm,Tgが−5℃のシーラー
を、実施例1と同様に、有効成分が6%、粘度0.5d
Pa.sに調整し、これをALCパネルの表面に刷毛ロ
ーラを用いて、0.3kg/m塗布した。その上に、
ワンパックボーイR−V2を金コテでしごき塗りした後
に平滑となるようにならし、全体で1.8kg/m
なるように均一に塗布した。接着剤の塗布後、45mm
角タイルを張付けて仕上げた。
【0030】<比較例2>強化剤として、実施例1と同
様に、樹脂の平均粒径が90nmであり、Tgが0℃で
あるスチレン−アクリル共重合体を用い、これを有効成
分が15%、粘度0.5dPa.sに調整し、この強化
剤をALCパネルの表面に刷毛ローラを用いて、0.3
kg/m塗布した。その上に、ワンパックボーイR−
V2を金コテでしごき塗りした後に平滑となるようにな
らし、全体で1.8kg/mとなるように均一に塗布
した。接着剤の塗布後、45mm角タイルを張付けて仕
上げた。
【0031】<比較例3>強化剤として、実施例1と同
様に、樹脂の平均粒径が90nmであり、Tgが0℃で
あるスチレン−アクリル共重合体を用い、これを有効成
分が6%に調整した。さらに粘度が5dPa.sとなる
ように調整し、これをALCパネルの表面に刷毛ローラ
を用いて、0.3kg/m塗布した。その上に、ワン
パックボーイR−V2を金コテでしごき塗りした後に平
滑となるようにならし、全体で1.8kg/mとなる
ように均一に塗布した。接着剤の塗布後、45mm角タ
イルを張付けて仕上げた。
【0032】以上のようにして製造された実施例1及び
比較例1〜3のタイル張付けALCパネルに関し、性能
を比較するため、タイルの剥落の危険性を評価するタイ
ルの引張強度試験を実施した。この試験は、ALCパネ
ルにタイルを張付けた後、常温(20℃)で14日間養
生し、タイルに沿ってALC基材まで切込みを入れ、建
研式接着力試験機により引張強度を測定した。各3個の
試料についての試験結果を次の表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】この試験結果から明らかなように、実施例
1のタイル張付けALCパネルについては、4.0kg
f/cm以上の高い引張強度を得ることができた。ま
た、破断状況についても、ALC基材から破壊してい
た。従って、弾性有機系接着剤を使用しても、ALCパ
ネルの挙動に追従しタイルが剥がれることのない、安全
性の高いタイル張付けALCパネルを得ることができ
た。
【0035】これに対し、吸水調整用シーラーを塗布し
た比較例1、強化剤の塗布時における樹脂の有効成分を
過大とした比較例2、強化剤の塗布時における粘度を過
大とした比較例3のいずれについても、実施例1に比べ
て引張強度が低いものとなっていた。これは、樹脂のA
LCパネル表面に対する浸透性が悪い、あるいは、浸透
しても強化剤による樹脂膜の強度が低いため、引張強度
に劣るものとなったと考えられる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明にて明らかなように、本発明
の軽量気泡コンクリートパネルのタイル張付構造によれ
ば、現場でのタイル張り工法にも適し、しかもパネル側
に対する接着剤の付着強度を十分に高めることができ、
ひいてはタイルの接着強度が高く信頼性を高めることが
できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すもので、ALCパネル
に対するタイルの張付構造を概略的に示す断面図
【図2】図1の部分的拡大図
【符号の説明】
図面中、1はALCパネル(軽量気泡コンクリートパネ
ル)、2は強化剤層、3は弾性有機接着剤層、4はタイ
ル、5はALCの粉体を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 201/00 C09J 201/00 (72)発明者 服部 貴久 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 株式 会社建材技術研究所内 (72)発明者 小笠原 和博 愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式 会社イナックス内 (72)発明者 上田 崇 愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式 会社イナックス内 (72)発明者 永井 昌志 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 クリ オン株式会社内 (72)発明者 菅谷 典央 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 クリ オン株式会社内 Fターム(参考) 2E110 AA41 AB04 AB22 BA13 CA04 CA21 DC21 4J040 EC001 EF001 EK031 LA01 MA04 MA06 NA12 NA14 PA10 PA12 PA13

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軽量気泡コンクリートパネルの表面に、
    成分が酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル、アクリル、ス
    チレンアクリル、ウレタン、エポキシのうち1種以上の
    樹脂からなる水系の強化剤が塗布され、その強化剤層の
    上に、粘度が100dPa.s以上の弾性有機系接着剤
    が塗布されてタイルが張付けられていることを特徴とす
    る軽量気泡コンクリートパネルのタイル張付構造。
  2. 【請求項2】 前記強化剤は、樹脂の平均粒径が100
    nm以下であり、且つ、ガラス転移温度が0〜60℃で
    あることを特徴とする請求項1記載の軽量気泡コンクリ
    ートパネルのタイル張付構造。
  3. 【請求項3】 前記強化剤は、塗布時において、樹脂の
    有効成分が2〜10%で、且つ、粘度が0.01〜3d
    Pa.sに調整され、塗布量が、樹脂の有効成分で5〜
    40g/mとされることを特徴とする請求項1又は2
    記載の軽量気泡コンクリートパネルのタイル張付構造。
  4. 【請求項4】 前記弾性有機系接着剤は、塗布量が1.
    2〜3.0kg/m とされることを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれかに記載の軽量気泡コンクリートパ
    ネルのタイル張付構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016098487A (ja) * 2014-11-18 2016-05-30 セメダイン株式会社 コーティング層付alcパネル
CN106437074A (zh) * 2016-10-14 2017-02-22 荆门创佳机械科技有限公司 一种不会脱落的墙面瓷砖
WO2022060960A1 (en) * 2020-09-18 2022-03-24 Old Mill Brick Llc Panel for stones and related methods of use

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WO2022060960A1 (en) * 2020-09-18 2022-03-24 Old Mill Brick Llc Panel for stones and related methods of use

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