JP2002037731A - βセクレターゼ阻害剤 - Google Patents

βセクレターゼ阻害剤

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JP2002037731A JP2001148811A JP2001148811A JP2002037731A JP 2002037731 A JP2002037731 A JP 2002037731A JP 2001148811 A JP2001148811 A JP 2001148811A JP 2001148811 A JP2001148811 A JP 2001148811A JP 2002037731 A JP2002037731 A JP 2002037731A
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政臣 宮本
Junji Matsui
純二 松井
Hiroaki Fukumoto
宏明 福元
Naoki Tarui
直樹 樽井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたβセクレターゼ阻害剤の提供。 【解決手段】 式 【化1】 〔式中、Arは芳香族基を、Xは−O−、−S−、−C
O−、−SO−、−SO −、−NR−、−CONR
−、−SONR−および−COO−から選ばれる
2価の基(Rは水素原子等)、これらの2価の基を1
または2個含んでいてもよい2価のC1−6脂肪族炭化
水素基または結合手を、Yは−O−、−S−、−CO
−、−SO−、−SO−、−NR−、−CONR
−、−SONR−および−COO−から選ばれる2
価の基またはこれらの2価の基を1または2個含んでい
てもよい2価のC1−6脂肪族炭化水素基を、Rおよ
びRは水素原子または炭化水素基等を、A環はさらに
置換基を有していてもよい環を示す。〕で表される化合
物またはその塩を含有してなるβセクレターゼ阻害剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた性質を有す
るβセクレターゼ阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】アルツハイマー病は、神経細胞変性・脱
落と共に、老人斑の形成および神経原線維変化を特徴と
する神経変性疾患である。アルツハイマー病に最も特徴
的な老人斑は、βアミロイド蛋白(以下、Aβと略記す
ることもある)を主成分として(バイオケミカル バイ
オフィジカル リサーチ コミュニケーション(Biochem.
Biophys. Res. Commun.)、122巻、1131頁(1
984))、生体成分が脳内に沈着したものである。ア
ミノ酸40または42個からなるAβ(以下、それぞれ
Aβ1−40およびAβ1−42と略記する。)は、神
経細胞に対して毒性を示すことが知られている(トレン
ドインニューロサイエンス(TINS)、16巻、409
頁、(1993)、サイエンス(Science)、274
巻、99頁(1996)ネイチャー(Nature)、395
巻、755頁(1998)、ニューロバイオロジーオブ
エイジング(Neurobiol Aging)、20巻、201頁
(1999)等)。したがって、Aβの産生・分泌を阻
害する薬剤は、Aβに起因する疾患(例、アルツハイマ
ー病、ダウン症など)の予防・治療に有効である。近
年、Aβの酵素免疫測定法(EIA)の開発により、培
養神経細胞からのAβ分泌を抑制する化合物のスクリー
ニングのみならず、種々の生体組織、血液、脳脊髄液中
のAβ量の定量も可能となった(例、サイエンス(Scie
nce)、264巻、1336頁(1994)、バイオケ
ミストリー(Biochemistry)、34巻、10272頁
(1995)、サイエンス(Science)、274巻、9
9頁(1996)等)。このAβの産生は、その前駆体
蛋白であるAPP(Amyloid Precursor Protein)よ
り、βセクレターゼとγセクレターゼにより切り出され
る。最近、いくつかの研究所より、βセクレターゼのc
DNAの単離が報告され、実体が明らかとなった(例、
サイエンス(Science)、286巻、735ページ(1
999)、ネイチャー(Nature)、402巻、533頁
(1999)、ネイチャー(Nature)、402巻、53
7頁(1999)等)。家族性アルツハイマー病患者の
中にはAPP遺伝子に変異が認められる場合もあり、こ
の変異遺伝子を導入した細胞では、Aβの産生・分泌量
の増加が指摘されている(例、ネイチャー(Nature)、
360巻、672頁(1992)、サイエンス(Scienc
e)、259巻、514頁(1993)、サイエンス(S
cience)、264巻、1336頁(1994)等)。し
たがって、特に家族性アルツハイマー病などの遺伝的に
Aβに起因する疾患(例、アルツハイマー病、ダウン症
など)に罹患する可能性が高い患者、外傷などにより脳
内でAβ蛋白の増加を起こす患者等、脳内でAβ蛋白の
増加している患者に対して、βセクレターゼを阻害する
薬剤はAβの産生・分泌を阻害し、該疾患の予防・治療
薬として有用であると考えられる。また、βセクレター
ゼが阻害されると、APPよりAβができる代謝経路が
阻害・抑制される一方、αセクレターゼにより産生され
る分泌型APP(sAPPαと略記する)の分泌が促進
される。sAPPαは、神経栄養因子様作用を有するこ
とが報告されている(ニューロン(Neuron)、 10
巻、243−254頁、(1993)、トレンドインニ
ューロサイエンス(TINS)、16巻、409頁、(19
93)等)。かかる神経栄養因子様作用としては、
(1)神経細胞の生存・維持作用、(2)シナプスの形
成促進作用、(3)神経細胞死保護作用、(4)海馬で
の長期増強作用などが認められている。このため、βセ
クレターゼを阻害する薬剤は、sAPPαの分泌を促進
することにより、(1)神経変性疾患、(2)脳血管障
害時、頭部外傷・脊髄損傷時、脳炎後遺症時または脳性
麻痺時の神経障害、(3)記憶障害または(4)精神疾
患などの予防・治療にも有用であると考えられる。
【0003】一方、特開平11−80098号公報に
は、式
【化7】 〔式中、Ar'は置換基を有していてもよい芳香族基を
示し、Xは(i)結合手、(ii)−S−、−SO−また
は−SO−、(iii)オキソおよびC1−6アルキル
から選ばれる置換基を1ないし3個をそれぞれ有してい
てもよいC1−6アルキレン、C2−6アルケニレンま
たはC2−6アルキニレン、(iv)−CO−O−または
(v)式−(CH)p−X−、−(CH)p−X
−(CH )q−、−(CH)r−CO−X−、
−SO−NR−または−(CH )r−SO−N
−(式中、Xは酸素原子またはNR、Rは水
素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基またはア
シル、pは0ないし5の整数、qは1ないし5の整数、
p+qは1ないし5の整数、およびrは1ないし4の整
数を示す)で表される基を示し、Yは酸素原子または硫
黄原子を介していてもよく、かつ置換基を有していても
よい2価のC1−6脂肪族炭化水素基を示し、Rおよ
びRはそれぞれ水素原子または置換基を有していても
よい低級アルキルを示し、あるいはRとRは隣接す
る窒素原子と共に置換基を有していてもよい含窒素複素
環を形成し、A環は式−X−Ar(式中、各記号は前記
と同意義を示す)で表される基の外に置換基をさらに有
していてもよいベンゼン環を示し、B環は式−Y−NR
(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表され
る基の外に置換基をさらに有していてもよい4ないし8
員環を示す。〕で表される化合物またはその塩を含有し
てなるアミロイドβ蛋白産生・分泌阻害剤が記載されて
いる。EP−A−754455には、下式
【化8】 〔式中、Xは水素原子、ハロゲン、アルコキシ、アルキ
ル、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、Rは水
素原子、CH又はその他の脂肪族、非環式もしくはア
リールラジカル、R’は水素原子など、R’’は水素原
子などを示す〕で表される化合物またはその塩がモノア
ミンオキシダーゼ(MAO)阻害作用を有し、中枢神経
変性疾患(パーキンソン病、アルツハイマー病等)にお
ける神経保護剤として有用であると記載されている。特
開平2−96552号公報(USP 5,137,90
1)には、下式
【化9】 〔式中、Yは6個までの炭素原子を有する直鎖状もしく
は分枝鎖状の、置換もしくは非置換のアルキレン鎖、Z
は式−NR、−OR等の基、RおよびR
同一もしくは異なり水素、アルキル、アルケニルまたは
シクロアルキル、あるいはハロゲン等で置換されていて
もよいアリール等、Rは水素、アルキルまたはアルケ
ニル等、Rは水素、アルキル、アラルキル、ヘテロア
リールアルキルまたは基−(Y−Z)(Yおよび
は、同一もしくは異なって前記YおよびZと同意
義)、AおよびDは式−CH、O、S、NR13であ
るか、あるいはC=CまたはC=NH二重結合の−CH
またはNの部分、ただしAのみまたはDのみは酸素、イ
オウまたはN−R13、R13は水素、アルキル、アル
コキシ、アシル、アルコキシカルボニルまたはアルキル
スルホニル、Bは式−CH
【化10】 EおよびFは同一もしくは異なって、水素、アルキル、
アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、トリフルオロ
メチル、トリフルオロメトキシまたは式−CONR
の基、RおよびRは前述と同意義、EおよびFは
一緒になって6個の炭素原子を有する置換もしくは非置
換の炭素環を形成する〕で表される化合物が、セロトニ
ン受容体に対する作用薬、部分的作用薬および拮抗剤の
作用を有し、中枢神経の疾患等の処置に適すると記載さ
れている。特開昭63−77842号公報には、下式
【化11】 〔式中、nは1または2、Aはカルボニル、かつR
水素原子、またはAは式:−CHR−(Rは水素原
子、アルカノイルオキシまたはアルコキシカルボニルを
表す)、かつR7は水素原子またはRとRが一緒に
もう一つの結合を形成、Eはアルキルで置換されていて
もよい炭素原子数3または4の直鎖状アルキレン、Gは
アルキルで置換されていてもよい炭素原子数2〜5の直
鎖状アルキレン、Rは水素原子、トリフルオロメチ
ル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミ
ノ、アルキル基、ヒドロキシ、アルコキシまたはフェニ
ルアルコキシ、Rは水素、ハロゲン原子、ヒドロキ
シ、アルコキシ、フェニルアルコキシまたはアルキル、
またはRとRが一緒に炭素原子数1または2のアル
キレンジオキシ、Rは水素原子、炭素原子数3〜5の
アルケニルまたはアルキル、Rは水素原子、ハロゲン
原子、アルキル等、Rは水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル等、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル等
を表す〕で表される化合物が、心拍数低下作用および心
臓のO−要求量の減少作用を有し、洞性頻拍の治療お
よび虚血性心臓疾患の予防ならびに治療に適していると
記載されている。WO 92/15558には、下式
【化12】 〔式中、nは1〜4の整数を示す〕で表される化合物
が、トロンボキサンA2拮抗作用を有する化合物の中間
体として記載されている。WO 95/32967に
は、下式
【化13】 〔式中、AはCONR、Rは水素原子又はC1−6アル
キル、Qは置換基を有していてもよい、酸素原子、窒素
原子又は硫黄原子から選ばれるヘテロ原子1〜3個を含
む5〜7員環、Rは水素原子、ハロゲン等、Rおよ
びRは各々水素原子、ハロゲン等、RおよびR
各々水素原子又はC1−6アルキル、Rはハロゲン
等、RおよびRは各々水素原子、C1−6アルキ
ル、アラルキル又は隣接する窒素原子と共に置換基を有
していてもよい、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子から
選ばれるヘテロ原子を1〜2個含む5〜7員複素環、m
は0〜4、およびnは0、1又は2を示す〕で表わされ
るアミド誘導体が5HT1Dアンタゴニスト作用を有
し、中枢神経系疾患の治療に有用であると記載されてい
る。特開平2−91052号公報には、下式 〔式中、RとRは、それぞれ独立して、水素原子又
は、置換基を有していてもよい炭化水素残基を示すか、
あるいは、隣接する窒素原子とともに縮合複素環基を形
成し、RとRは、Rが水素原子又は、それぞれ置
換基を有していてもよい炭化水素残基若しくはアシル基
を示し、Rが水素原子を示すか、あるいはRとR
が結合して−(CH)m−CO−,−CO−(C
)m−または−(CH)m+1−(式中、mは
0,1,又は2を示す)を形成し、Aは−(CH)l
−(式中、lは0,1,又は2を示す)又は、−CH=
CH−を示し、Xは1以上の置換基を示し、nは4乃至
7の整数を示す。〕で表わされる置換アミン類又は、そ
の塩を含有するコリンエステラーゼ阻害剤が記載されて
いる。特開平2−73069号公報には、モノアミンオ
キシダーゼ禁止活性を有するチアゾール誘導体が開示さ
れている。特開平5−239005号公報には、老人性
痴呆の治療に有用なN−(2−アミノエチル)ベンズア
ミド類が開示されている。特表平9−507069号公
報には、ホスホリパーゼA阻害作用を有し、老人性痴
呆などの治療に有用な化合物が開示されている。WO9
1/19697には、アンギオテンシンII拮抗作用を有
するピリジン誘導体が開示されている。特表平7−50
8038号公報(WO93/23040)には、5α−
レダクターゼ阻害作用を有する4−アザステロイドの1
7−エーテルおよびチオエーテルが開示されている。米
国特許第6048877号公報には、テトラロン誘導体
を投与する心不整脈の治療方法が記載されている。WO
98/06691には、ナフタレン環を有するアミン
化合物等を包含する樹状化合物が、癌、アルツハイマー
病、血栓症、炎症性疾患、細菌抵抗性を包含する広範な
疾患の治療に有用であると記載されている。特表平6−
503948号公報(WO92/03542)には、β
−蛋白質ドメインの外側かつβ−タンパク質のN−末端
に近い部位でβ−蛋白質プレカーサーを切断する能力を
有する蛋白分解因子が記載されている。特表平8−50
2587号公報(WO94/10569)には、β−ア
ミロイド・ペプチド(βAP)生産阻害剤の同定方法が
記載されている。特開平7−165606号公報には、
βAP産生インヒビターの同定法が記載されている。特
表平10−509797号公報(WO96/1545
2)には、液性サンプル中の可溶性アミロイドβペプチ
ドを検出する方法が記載されている。特表平11−50
7538号公報(WO96/40885)には、β−ア
ミロイドペプチド開裂位置においてβ−アミロイド前駆
タンパク質を特異的に開裂する単離され、精製された酵
素を含む組成物が記載されている。特開平9−1787
43号公報には、アミロイドβプロテインまたは可溶性
アミロイド前駆体タンパク質(APP)に対する抗体を
使用することを特徴とする可溶性APPの定量法が記載
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】優れたβセクレターゼ
阻害作用を有し、かつ医薬品として十分満足できる化合
物の開発が切望されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、βセクレ
ターゼ阻害作用を有する化合物につき、鋭意検討を重ね
た結果、式
【化14】 〔式中、Arは置換基を有していてもよい芳香族基を示
し、Xは−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO
−、−NR−、−CONR−、−SONR
および−COO−から選ばれる2価の基(Rは水素原
子、置換基を有していてもよい炭化水素基またはアシル
を示す)、これらの2価の基を1または2個含んでいて
もよい2価のC1−6脂肪族炭化水素基または結合手を
示し、Yは−O−、−S−、−CO−、−SO−、−S
−、−NR−、−CONR−、−SONR
−および−COO−から選ばれる2価の基(Rは水素
原子、置換基を有していてもよい炭化水素基またはアシ
ルを示す)またはこれらの2価の基を1または2個含ん
でいてもよい2価のC1−6脂肪族炭化水素基を示し、
およびRは水素原子または置換基を有していても
よい炭化水素基を示し、RとRは隣接する窒素原子
と共に置換基を有していてもよい含窒素複素環を形成し
てもよく、A環はさらに置換基を有していてもよい環を
示す。〕で表される化合物(以下、本明細書中、化合物
(I)と称する。)またはその塩が、予想外にも優れた
βセクレターゼ阻害作用を有することを見出した。さら
に、本発明者らは、これらの知見に基づいて検討を重ね
た結果、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、(1) 上記化合物
(I)またはその塩を含有してなるβセクレターゼ阻害
剤、(2)式
【化15】 〔式中、Arは置換基を有していてもよい芳香族基を示
し、Xは−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO
−、−NR−、−CONR−、−SONR
および−COO−から選ばれる2価の基(Rは水素原
子、置換基を有していてもよい炭化水素基またはアシル
を示す)、これらの2価の基を1または2個含んでいて
もよい2価のC1−6脂肪族炭化水素基または結合手を
示し、Yは−O−、−S−、−CO−、−SO−、−S
−、−NR−、−CONR−、−SONR
−および−COO−から選ばれる2価の基(Rは水素
原子、置換基を有していてもよい炭化水素基またはアシ
ルを示す)またはこれらの2価の基を1または2個含ん
でいてもよい2価のC1−6脂肪族炭化水素基を示し、
およびRは水素原子または置換基を有していても
よい炭化水素基を示し、RとRは隣接する窒素原子
と共に置換基を有していてもよい含窒素複素環を形成し
てもよく、A環はさらに置換基を有していてもよい環を
示す。〕で表される化合物(以下、本明細書中、化合物
(I’)と称する場合がある)またはその塩を含有して
なる上記(1)記載のβセクレターゼ阻害剤、(3)
【化16】 〔式中、Arは置換基を有していてもよい芳香族基を示
し、Xは−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO
−、−NR−、−CONR−、−SONR
および−COO−から選ばれる2価の基(Rは水素原
子、置換基を有していてもよい炭化水素基またはアシル
を示す)、これらの2価の基を1または2個含んでいて
もよい2価のC1−6脂肪族炭化水素基または結合手を
示し、Yは−O−、−S−、−CO−、−SO−、−S
−、−NR−、−CONR−、−SONR
−および−COO−から選ばれる2価の基(Rは水素
原子、置換基を有していてもよい炭化水素基またはアシ
ルを示す)またはこれらの2価の基を1または2個含ん
でいてもよい2価のC1−6脂肪族炭化水素基を示し、
およびRは水素原子または置換基を有していても
よいC1−6アルキルを示し、RとRは隣接する窒
素原子と共に置換基を有していてもよい含窒素複素環を
形成してもよく、A環はさらに置換基を有していても
よいベンゼン環を、B環はさらに置換基を有していても
よい4ないし8員環を示す。〕で表される化合物(以
下、本明細書中、化合物(Ia)と称する場合がある)
またはその塩を含有してなる上記(1)記載の阻害剤、
(4) 式
【化17】 〔式中、Arは置換基を有していてもよい芳香族基を示
し、Xは−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO
−、−NR−、−CONR−、−SONR
および−COO−から選ばれる2価の基(Rは水素原
子、置換基を有していてもよい炭化水素基またはアシル
を示す)、これらの2価の基を1または2個含んでいて
もよい2価のC1−6脂肪族炭化水素基または結合手を
示し、Yは−O−、−S−、−CO−、−SO−、−S
−、−NR−、−CONR−、−SONR
−および−COO−から選ばれる2価の基(Rは水素
原子、置換基を有していてもよい炭化水素基またはアシ
ルを示す)またはこれらの2価の基を1または2個含ん
でいてもよい2価のC1−6脂肪族炭化水素基を示し、
およびRは水素原子または置換基を有していても
よいC1−6アルキルを示し、RとRは隣接する窒
素原子と共に置換基を有していてもよい含窒素複素環を
形成してもよく、A環はさらに置換基を有していても
よい単環式芳香環を示す。〕で表される化合物(以下、
本明細書中、化合物(Ib)と称する場合がある)また
はその塩を含有してなる上記(1)記載の阻害剤、
(5) Arで示される芳香族基が単環式芳香族基、環
集合芳香族基または縮合芳香族基である上記(1)記載
の阻害剤、(6) Arが置換基を有していてもよい環
集合芳香族基である上記(1)記載の阻害剤、(7)
環集合芳香族基がビフェニリルである上記(6)記載の
阻害剤、(8) Xが−(CH)pO−(pは1ない
し3の整数を示す)、−CONH−、−SONH−ま
たはC1−3アルキレンである上記(1)記載の阻害
剤、(9) YがC1−3アルキレン、−(CH)q
CONR(CH)r−(式中、qおよびrはそれぞ
れ0ないし3でありかつ、その合計が3以下の整数を、
は水素原子またはハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキルまたはハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキル−カルボニルを示す)または−(C
)qCOO(CH)r−(式中の記号は前記と同
意義を示す)である上記(1)記載の阻害剤、(10)
A環で示される環が単環式芳香環または縮合芳香環で
ある上記(1)記載の阻害剤、(11) A環が各々ハ
ロゲン原子または/およびC1−6アルコキシで置換さ
れていてもよいベンゼン環、6員含窒素芳香族複素環ま
たはテトラリン環である上記(1)記載の阻害剤、(1
2) A環がAr−X−で表わされる基および
【化18】 で表わされる基の二置換ベンゼン環またはテトラリン環
である上記(1)記載の阻害剤、(13) Arがビフ
ェニリルで、Xが−(CH)pO−(pは1ないし3
の整数を示す)、−CONH−、−SONH−または
1−3アルキレンで、YがC1−3アルキレンまたは
−(CH)qCONH(CH)r−(式中、qおよ
びrはそれぞれ0ないし3でありかつ、その合計が3以
下の整数を示す)で、RおよびRがそれぞれ水素原
子またはC1−6アルキルを示すか、あるいはRとR
とが隣接する窒素原子と共に5または6員の含窒素複
素環を形成し、A環が各々ハロゲン原子または/および
1−6アルコキシで置換されていてもよいベンゼン
環、6員含窒素芳香族複素環またはテトラリン環である
上記(1)記載の阻害剤、(14) A環がAr−X−
で表わされる基および
【化19】 で表わされる基の二置換ベンゼン環またはテトラリン環
である上記(13)記載の阻害剤、(15) βセクレ
ターゼに関与する(i)神経変性疾患、(ii)脳血管
障害時、頭部外傷・脊髄損傷時、脳炎後遺症時または脳
性麻痺時の神経障害、(iii)記憶障害または(i
v)精神疾患の予防・治療剤である上記(1)記載の阻
害剤、(16) sAPPαの分泌を促進すること、ま
たはsAPPαの分泌を促進し、かつβアミロイド蛋白
の産生・分泌を阻害することによる(i)神経変性疾
患、(ii)脳血管障害時、頭部外傷・脊髄損傷時、脳
炎後遺症時または脳性麻痺時の神経障害、(iii)記
憶障害または(iv)精神疾患の予防・治療剤である上
記(1)記載の阻害剤、(17) 神経変性疾患がアル
ツハイマー病またはパーキンソン病である上記(15)
または(16)記載の阻害剤、(18) sAPPα分
泌促進剤である上記(1)記載の阻害剤、(19) 神
経栄養因子様作用剤である請求項1記載の阻害剤、(2
0) 頭部外傷・脊髄損傷時、脳炎後遺症時若しくは脳
性麻痺時の神経障害または精神疾患の予防・治療剤であ
る上記(1)記載の阻害剤、(21) sAPPα分泌
促進剤、神経栄養因子様作用剤あるいは頭部外傷・脊髄
損傷時、脳炎後遺症時もしくは脳性麻痺時の神経障害、
記憶障害または精神疾患の予防・治療剤の製造における
上記(1)記載のβセクレターゼ阻害剤の使用、およ
び、(22) 上記(1)記載のβセクレターゼ阻害剤
の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする、βセ
クレターゼに関与する(i)神経変性疾患、(ii)脳
血管障害時、頭部外傷・脊髄損傷時、脳炎後遺症時また
は脳性麻痺時の神経障害、(iii)記憶障害または
(iv)精神疾患の治療方法など、に関する。
【0007】本明細書中、「ハロゲン化されていてもよ
いC1−6アルキル」としては、例えば,1ないし5
個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC
1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、te
rt−ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)が用いられ
る。具体例としては、例えば、メチル、クロロメチル、
ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメ
チル、エチル、2−ブロモエチル、2,2,2−トリフ
ルオロエチル、ペンタフルオロエチル、プロピル、3,
3,3−トリフルオロプロピル、イソプロピル、ブチ
ル、4,4,4−トリフルオロブチル、イソブチル、s
ec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペン
チル、ネオペンチル、5,5,5−トリフルオロペンチ
ル、ヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシルなど
が用いられる。本明細書中、「ハロゲン化されていても
よいC3−6シクロアルキル」としては、例えば、1な
いし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していて
もよいC3−6シクロアルキル(例、シクロプロピル、
シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)
などが用いられる。具体例としては、例えば、シクロプ
ロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、4,4−ジクロロシクロヘキシル、2,2,3,3
−テトラフルオロシクロペンチル、4−クロロシクロヘ
キシルなどが用いられる。本明細書中、「ハロゲン化さ
れていてもよいC1−6アルコキシ」としては、例え
ば、1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン
原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有して
いてもよいC1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシなど)など
が用いられる。具体例としては、例えば、メトキシ、ジ
フルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、
2,2,2−トリフルオロエトキシ、プロポキシ、イソ
プロポキシ、ブトキシ、4,4,4−トリフルオロブト
キシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ペンチルオキ
シ、ヘキシルオキシなどが用いられる。
【0008】本明細書中、「ハロゲン化されていてもよ
いC1−6アルキルチオ」としては、例えば、1ないし
5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC
1−6アルキルチオ(例、メチルチオ、エチルチオ、プ
ロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec−
ブチルチオ、tert−ブチルチオなど)などが用いら
れる。具体例としては、例えば、メチルチオ、ジフルオ
ロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、
プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,
4,4−トリフルオロブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキ
シルチオなどが用いられる。本明細書中、「ハロゲン化
されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル」とし
ては、例えば、1ないし5個、好ましくは1ないし3個
のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素な
ど)を有していてもよいC1−6アルキル−カルボニル
(例、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノ
イル、ヘキサノイルなど)などが用いられる。具体例と
しては、例えば、アセチル、モノクロロアセチル、トリ
フルオロアセチル、トリクロロアセチル、プロパノイ
ル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイルなどが用
いられる。本明細書中、「ハロゲン化されていてもよい
1−6アルキルスルホニル」としては、例えば、1な
いし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していて
もよいC1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホ
ニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプ
ロピルスルホニル、ブチルスルホニル、sec−ブチル
スルホニル、tert−ブチルスルホニルなど)などが
用いられる。具体例としては、例えば、メチルスルホニ
ル、ジフルオロメチルスルホニル、トリフルオロメチル
スルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、
イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、4,4,
4−トリフルオロブチルスルホニル、ペンチルスルホニ
ル、ヘキシルスルホニルなどが用いられる。本明細書
中、「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−
カルボキサミド」としては、例えば、1ないし5個、好
ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC1−6
ルキル−カルボキサミド(例、アセトアミドなど)など
が用いられる。具体例としては、例えば、アセトアミ
ド、トリフルオロアセトアミド、プロパンアミド、ブタ
ンアミドなどが用いられる。
【0009】前記式中、Arで示される芳香族基として
は、例えば、単環式芳香族基、環集合芳香族基、縮合芳
香族基などが用いられる。該「単環式芳香族基」として
は、例えば、ベンゼン環または5または6員芳香族複素
環から任意の1個の水素原子を除いてできる1価基が用
いられる。該「5または6員芳香族複素環」としては、
例えば、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素
原子から選ばれるヘテロ原子1個以上(例えば1〜3
個、好ましくは1〜2個)を含む5または6員芳香族複
素環などが用いられる。具体的には、チオフェン、フラ
ン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾー
ル、オキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、
ピリダジン環などが用いられる。上記の単環式芳香族基
の具体例としては、フェニル、2−または3−チエニ
ル、2−または3−フリル、1−,2−または3−ピロ
リル、2−または4−イミダゾリル、3−または4−ピ
ラゾリル、2−,4−または5−チアゾリル、2−,4
−または5−オキサゾリル、2−,3−または4−ピリ
ジル、2−ピラジニル、2−,4−または5−ピリミジ
ニル、3−または4−ピリダジニルなどが用いられ、な
かでもフェニルなどが好ましい。
【0010】該「環集合芳香族基」としては、例えば、
2個以上(好ましくは2または3個)の芳香環が単結合
で直結していて、環を直結している結合の数が環系の数
より1個少ない芳香環集合体から任意の水素原子1個を
除いた基などが用いられる。該「芳香環」としては、芳
香族炭化水素、芳香族複素環などが用いられる。該「芳
香族炭化水素」としては、例えば、炭素数6ないし14
個の単環式または縮合多環式(例えば、2または3環
式)芳香族炭化水素(例、ベンゼン、ナフタレン、イン
デン、アントラセンなど)などが用いられる。該「芳香
族複素環」としては、例えば、炭素原子以外に窒素原
子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1
個以上(例えば1〜4個、好ましくは1〜2個)を含む
5ないし14員、好ましくは5ないし10員の芳香族複
素環などが用いられる。具体的には、チオフェン、ベン
ゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベ
ンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチア
ゾール、ナフト[2,3−b]チオフェン、フラン、フ
ェノキサチイン、ピロール、イミダゾール、ピラゾー
ル、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2,4−オ
キサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,
2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾー
ル、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、イ
ンドール、イソインドール、1H−インダゾール、プリ
ン、4H−キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタ
ラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シ
ンノリン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナント
リジン、アクリジン、フェナジン、チアゾール、イソチ
アゾール、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジ
ン、フタルイミド、2−,3−または4−ピリドン、2
−,3または4−キノロンなどの芳香族複素環、または
これらの環(好ましくは単環)が1ないし複数個(好ま
しくは1または2個)の芳香環(例、ベンゼン環等)と
縮合して形成された環などが用いられる。これらの芳香
環が単結合で直結した芳香環集合体としては、例えば、
ベンゼン環、ナフタレン環および5ないし10員(好ま
しくは5または6員)芳香族複素環から選ばれる2また
は3個(好ましくは2個)で形成される芳香環集合体な
どが用いられる。この芳香環集合体の好ましい例として
は、ベンゼン、ナフタレン、ピリジン、ピリミジン、チ
オフェン、フラン、チアゾール、イソチアゾール、オキ
サゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4
−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、
1,3,4−チアジアゾール、キノリン、イソキノリ
ン、インドール、ベンゾチオフェン、ベンズオキサゾー
ル、ベンゾチアゾールおよびベンゾフランから選ばれる
2または3個の芳香環からなる芳香環集合体などが挙げ
られる。より具体例には、例えば、2−,3−または4
−ビフェニリル、3−(1−ナフチル)−1,2,4−
オキサジアゾール−5−イル、3−(2−ナフチル)−
1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、3−(2−
ベンゾフラニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5
−イル、3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール
−5−イル、3−(2−ベンズオキサゾリル)−1,
2,4−オキサジアゾール−2−イル、3−(3−イン
ドリル)−1,2,4−オキサジアゾール−2−イル、
3−(2−インドリル)−1,2,4−オキサジアゾー
ル−2−イル、4−フェニルチアゾール−2−イル、4
−(2−ベンゾフラニル)チアゾール−2−イル、4−
フェニル−1,3−オキサゾール−5−イル、5−フェ
ニルイソチアゾール−4−イル、5−フェニルオキサゾ
ール−2−イル、4−(2−チエニル)フェニル、4−
(3−チエニル)フェニル、3−(3−ピリジル)フェ
ニル、4−(3−ピリジル)フェニル、6−フェニル−
3−ピリジル、5−フェニル−1,3,4−オキサジア
ゾール−2−イル、4−(2−ナフチル)フェニル、4
−(2−ベンゾフラニル)フェニル、4,4’−テルフ
ェニルなどが用いられ、特にビフェニリル(2−,3−
または4−ビフェニリル)が好ましい。
【0011】該「縮合芳香族基」としては、縮合多環式
(好ましくは2ないし4環式、好ましくは2または3環
式)芳香環から任意の1個の水素原子を除いてできる1
価基などが用いられる。該「縮合多環式芳香環」として
は、縮合多環式芳香族炭化水素、縮合多環式芳香族複素
環などが用いられる。該「縮合多環式芳香族炭化水素」
としては、例えば、炭素数9ないし14個の縮合多環式
(2または3環式)芳香族炭化水素(例、ナフタレン、
インデン、アントラセンなど)などが用いられる。該
「縮合多環式芳香族複素環」としては、例えば、炭素原
子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれ
るヘテロ原子を1個以上(例えば1〜4個)を含む9な
いし14員、好ましくは9または10員の縮合多環式芳
香族複素環などが用いられる。具体的には、ベンゾフラ
ン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾ
チアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3−
b]チオフェン、イソキノリン、キノリン、インドー
ル、キノキサリン、フェナントリジン、フェノチアジ
ン、フェノキサジン、フタルイミドなどの芳香族複素環
などが用いられる。上記した縮合芳香族基の具体例とし
ては、例えば、1−ナフチル、2−ナフチル、2−キノ
リル、3−キノリル、4−キノリル、2−ベンゾフラニ
ル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンズイミダゾリル、
1−インドリル、2−インドリル、3−インドリルなど
が挙げられ、なかでも1−ナフチル、2−ナフチルなど
が好ましい。
【0012】Arで示される芳香族基の置換基として
は、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素など)、C1−3アルキレンジオキシ(例、メチ
レンジオキシ、エチレンジオキシなど)、ニトロ、シア
ノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、C
6−10アリールオキシ−C1−6アルキル(例、フェ
ノキシメチルなど)、C1−6アルキル−C6−10
リール−C2−6アルケニル(例、メチルフェニルエテ
ニルなど)、ハロゲン化されていてもよいC3− シク
ロアルキル、置換基を有していてもよいC7−16アラ
ルキル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキ
シ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチ
オ、ヒドロキシ、置換基を有していてもよいC6−10
アリールオキシ、C6−10アリール−C7−16アラ
ルキルオキシ(例、フェニルベンジルオキシなど)、ア
ミノ、モノ−C1−6アルキルアミノ(例、メチルアミ
ノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミ
ノ、ブチルアミノなど)、ジ−C1−6アルキルアミノ
(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルア
ミノ、ジブチルアミノ、エチルメチルアミノなど)、置
換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、
アシル、アシルアミノ、アシルオキシなどが用いられ
る。該「芳香族基」は、例えば上記置換基を、芳香族基
の置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし
3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各
置換基は同一または異なっていてもよい。
【0013】これらArで示される芳香族基の置換基の
うち、「置換基を有していてもよいC7−16アラルキ
ル」の「C7−16アラルキル」としては、例えば、ベ
ンジル、フェネチル、ナフチルメチルなどが用いられ
る。「置換基を有していてもよいC6−10アリールオ
キシ」の「C6−10アリールオキシ」としては、例え
ば、フェニルオキシ、ナフチルオキシなどが用いられ
る。これら「置換基を有していてもよいC7−16アラ
ルキル」および「置換基を有していてもよいC6−10
アリールオキシ」の「置換基」としては、それぞれ、例
えば、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素
など)、C1− アルキレンジオキシ(例、メチレンジ
オキシ、エチレンジオキシなど)、ニトロ、シアノ、ハ
ロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン
化されていてもよいC3−6シクロアルキル、ハロゲン
化されていてもよいC1−6アルコキシ、ハロゲン化さ
れていてもよいC1−6アルキルチオ、ヒドロキシ、ア
ミノ、モノ−C1−6アルキルアミノ(例、メチルアミ
ノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミ
ノ、ブチルアミノなど)、ジ−C1−6アルキルアミノ
(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルア
ミノ、ジブチルアミノ、エチルメチルアミノなど)、ホ
ルミル、カルボキシ、カルバモイル、ハロゲン化されて
いてもよいC1−6アルキル−カルボニル、C1−6
ルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エト
キシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert−ブ
トキシカルボニルなど)、モノ−C1−6アルキル−カ
ルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモ
イルなど)、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル
(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、
エチルメチルカルバモイルなど)、ハロゲン化されてい
てもよいC1−6アルキルスルホニル、ホルミルアミ
ノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カ
ルボキサミド、C1−6アルコキシ−カルボキサミド
(例、メトキシカルボキサミド、エトキシカルボキサミ
ド、プロポキシカルボキサミド、ブトキシカルボキサミ
ドなど)、C1−6アルキルスルホニルアミノ(例、メ
チルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノな
ど)、C1−6アルキル−カルボニルオキシ(例、アセ
トキシ、プロパノイルオキシなど)、C1−6アルコキ
シ−カルボニルオキシ(例、メトキシカルボニルオキ
シ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニル
オキシ、ブトキシカルボニルオキシなど)、モノ−C
1−6アルキル−カルバモイルオキシ(例、メチルカル
バモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシなど)、ジ
−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ(例、ジメチ
ルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシな
ど)などが1ないし5個用いられる。
【0014】Arで示される芳香族基の置換基のうち、
「置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミ
ノ」の「5ないし7員飽和環状アミノ」としては、例え
ば、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジン−1−イ
ル、ピペリジノ、ピロリジン−1−イル、ヘキサメチレ
ン−1−イルなどが用いられる。これら「置換基を有し
ていてもよい5ないし7員飽和環状アミノ」の「置換
基」としては、例えば、ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキル、置換基を有していてもよいC −14
アリール、置換基を有していてもよいC7−19アラル
キル、置換基を有していてもよい5ないし10員芳香族
複素環基、置換基を有していてもよいC −10アリー
ル−カルボニル、ハロゲン化されていてもよいC1−6
アルキル−カルボニル、ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキルスルホニルなどが1ないし3個用いられ
る。ここで、「置換基を有していてもよいC6−14
リール」の「C6−14アリール」としては、例えば、
フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−インデニ
ル、2−アンスリルなどが用いられる。好ましくはフェ
ニルなどである。「置換基を有していてもよいC
7−19アラルキル」の「C7−19アラルキル」とし
ては、例えば、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチ
ル、トリフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナ
フチルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニ
ルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチ
ルなどが用いられ、好ましくはベンジルなどである。
「置換基を有していてもよい5ないし10員芳香族複素
環基」の「5ないし10員芳香族複素環基」としては、
例えば、2−,3−または4−ピリジル、1−,2−ま
たは3−インドリル、2−または3−チエニルなどが用
いられ、好ましくは、2−,3−または4−ピリジルな
どである。「置換基を有していてもよいC6−10アリ
ール−カルボニル」の「C 6−10アリール−カルボニ
ル」としては、例えば、ベンゾイル、1−ナフトイル、
2−ナフトイルなどである。これら「置換基を有してい
てもよいC6−14アリール」、「置換基を有していて
もよいC7−19アラルキル」、「置換基を有していて
もよい5ないし10員芳香族複素環基」および「置換基
を有していてもよいC6−10アリール−カルボニル」
がそれぞれ有していてもよい「置換基」としては、例え
ば、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素な
ど)、C1−3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオ
キシ、エチレンジオキシなど)、ニトロ、シアノ、ハロ
ゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン化
されていてもよいC3−6シクロアルキル、ハロゲン化
されていてもよいC1− アルコキシ、ハロゲン化され
ていてもよいC1−6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミ
ノ、モノ−C1−6アルキルアミノ(例、メチルアミ
ノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミ
ノ、ブチルアミノなど)、ジ−C1−6アルキルアミノ
(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルア
ミノ、ジブチルアミノ、エチルメチルアミノなど)、ホ
ルミル、カルボキシ、カルバモイル、ハロゲン化されて
いてもよいC1−6アルキル−カルボニル、C1−6
ルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エト
キシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert−ブ
トキシカルボニルなど)、モノ−C1−6アルキル−カ
ルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモ
イルなど)、ジ−C1− アルキル−カルバモイル
(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、
エチルメチルカルバモイルなど)、ハロゲン化されてい
てもよいC1−6アルキルスルホニル、ホルミルアミ
ノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カ
ルボキサミド、C1−6アルコキシ−カルボキサミド
(例、メトキシカルボキサミド、エトキシカルボキサミ
ド、プロポキシカルボキサミド、ブトキシカルボキサミ
ドなど)、C1−6アルキルスルホニルアミノ(例、メ
チルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノな
ど)、C1−6アルキル−カルボニルオキシ(例、アセ
トキシ、プロパノイルオキシなど)、C1−6アルコキ
シ−カルボニルオキシ(例、メトキシカルボニルオキ
シ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニル
オキシ、ブトキシカルボニルオキシなど)、モノ−C
1−6アルキル−カルバモイルオキシ(例、メチルカル
バモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシなど)、ジ
−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ(例、ジメチ
ルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシな
ど)などが1ないし5個用いられる。
【0015】Arで示される「置換基を有していてもよ
い芳香族基」の「置換基」としての「アシル」、「アシ
ルアミノ」および「アシルオキシ」における「アシル」
としては、例えば、 式:−CO−R、−CO−OR、−CO−NR
、−CS−NHR、−SO−R3aまたは−SO
−R3a 〔式中、Rは(i)水素原子、(ii)置換基を有して
いてもよい炭化水素基、具体的には、置換基として、ハ
ロゲン原子、C1−3アルキレンジオキシ、ニトロ、シ
アノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、
ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、
ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、ハロ
ゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ、ヒドロ
キシ、アミノ、モノ−C1−6アルキルアミノ、ジ−C
1−6アルキルアミノ、置換基を有していてもよい5な
いし7員環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモ
イル、ハロゲン化されていてもよいC 1−6アルキル−
カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C
6−10アリール−カルボニル、C6−10アリールオ
キシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カル
ボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−
−6アルキル−カルバモイル、C6−10アリール
−カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC1−6
アルキルスルホニル、C6−10アリールスルホニル、
ホルミルアミノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6
アルキル−カルボキサミド、C6−10アリール−カル
ボキサミド、C1−6アルコキシ−カルボキサミド、C
1−6アルキルスルホニルアミノ、C1−6アルキル−
カルボニルオキシ、C6−10アリール−カルボニルオ
キシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−
1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6
アルキル−カルバモイルオキシ、C6−10アリール−
カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC
6−10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし5
個を有していてもよい炭化水素基、または(iii)置換
基を有していてもよい複素環基、具体的には、置換基と
して、ハロゲン原子、C1−3アルキレンジオキシ、ニ
トロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6
ルキル、ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロア
ルキル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキ
シ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチ
オ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1−6アルキルアミ
ノ、ジ−C1−6アルキルアミノ、置換基を有していて
もよい5ないし7員環状アミノ、ホルミル、カルボキ
シ、カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カ
ルボニル、C6−10アリール−カルボニル、C
6−10アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラ
ルキルオキシ−カルボニル、モノ−C1−6アルキル−
カルバモイル、ジ−C −6アルキル−カルバモイル、
6−10アリール−カルバモイル、ハロゲン化されて
いてもよいC1−6アルキルスルホニル、C6−10
リールスルホニル、ホルミルアミノ、ハロゲン化されて
いてもよいC1−6アルキル−カルボキサミド、C
6−10アリール−カルボキサミド、C1−6アルコキ
シ−カルボキサミド、C1−6アルキルスルホニルアミ
ノ、C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−10
アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カ
ルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイ
ルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキ
シ、C6−10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチ
ノイルオキシおよびC6−10アリールオキシから選ば
れる置換基1ないし5個を有していてもよい複素環基を
示し、
【0016】R3aは(i)置換基を有していてもよい
炭化水素基、具体的には、置換基として、ハロゲン原
子、C1−3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハ
ロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン
化されていてもよいC3−6シクロアルキル、ハロゲン
化されていてもよいC1−6アルコキシ、ハロゲン化さ
れていてもよいC1−6アルキルチオ、ヒドロキシ、ア
ミノ、モノ−C1−6アルキルアミノ、ジ−C1−6
ルキルアミノ、置換基を有していてもよい5ないし7員
環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、ハ
ロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニ
ル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C 6−10アリ
ール−カルボニル、C6−10アリールオキシ−カルボ
ニル、C −16アラルキルオキシ−カルボニル、モノ
−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アル
キル−カルバモイル、C6−10アリール−カルバモイ
ル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスル
ホニル、C6−10アリールスルホニル、ホルミルアミ
ノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カ
ルボキサミド、C6−10アリール−カルボキサミド、
1−6アルコキシ−カルボキサミド、C1−6アルキ
ルスルホニルアミノ、C1−6アルキル−カルボニルオ
キシ、C6−10アリール−カルボニルオキシ、C
1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6
アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1− アルキル
−カルバモイルオキシ、C6−10アリール−カルバモ
イルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6−10アリ
ールオキシから選ばれる置換基1ないし5個を有してい
てもよいから選ばれる置換基1ないし5個を有していて
もよい炭化水素基、または(ii)置換基を有していても
よい複素環基、具体的には、置換基として、ハロゲン原
子、C1−3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハ
ロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン
化されていてもよいC3−6シクロアルキル、ハロゲン
化されていてもよいC1−6アルコキシ、ハロゲン化さ
れていてもよいC1−6アルキルチオ、ヒドロキシ、ア
ミノ、モノ−C1−6アルキルアミノ、ジ−C1−6
ルキルアミノ、置換基を有していてもよい5ないし7員
環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、ハ
ロゲン化されていてもよいC −6アルキル−カルボニ
ル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−10アリ
ール−カルボニル、C6−10アリールオキシ−カルボ
ニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、モノ
−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1− アル
キル−カルバモイル、C6−10アリール−カルバモイ
ル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスル
ホニル、C6−10アリールスルホニル、ホルミルアミ
ノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カ
ルボキサミド、C6−10アリール−カルボキサミド、
1−6アルコキシ−カルボキサミド、C1−6アルキ
ルスルホニルアミノ、C1−6アルキル−カルボニルオ
キシ、C6−10アリール−カルボニルオキシ、C
1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6
アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル
−カルバモイルオキシ、C6−10アリール−カルバモ
イルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6−10アリ
ールオキシから選ばれる置換基1ないし5個を有してい
てもよいから選ばれる置換基1ないし5個を有していて
もよい複素環基を示し、Rは水素原子またはC1−6
アルキルを示すか、あるいはRとRは隣接する窒素
原子と共に含窒素複素環を形成していてもよい。〕で表
されるアシルなどが用いられる。RおよびR3aの置
換基としての「置換基を有していてもよい5ないし7員
飽和環状アミノ」としては、前記と同様のものが用いら
れる。
【0017】RおよびR3aで示される炭化水素基と
しては、炭化水素化合物から水素原子を1個取り除いた
基が用いられ、例えば、鎖状または環状炭化水素基
(例、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアル
キル、アリール、アラルキルなど)などが用いられる。
このうち、以下のような炭素数1ないし19個の鎖状ま
たは環状炭化水素基などが好ましい。 a)C1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブ
チル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)、
b)C2−6アルケニル(例えば、ビニル、アリル、イ
ソプロペニル、2−ブテニルなど)、c)C2−6アル
キニル(例えば、エチニル、プロパルギル、2−ブチニ
ルなど)、d)C3−6シクロアルキル(例えば、シク
ロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘ
キシルなど)、該C3−6シクロアルキルは、1個のベ
ンゼン環と縮合していてもよい、e)C6−14アリー
ル(例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、
2−インデニル、2−アンスリルなど)、好ましくはフ
ェニル、f)C7−19アラルキル(例えば、ベンジ
ル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチ
ル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2
−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェ
ニルブチル、5−フェニルペンチルなど)、好ましくは
ベンジル。
【0018】RおよびR3aで示される複素環基とし
ては、例えば、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子およ
び酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個
(好ましくは1ないし3個)のヘテロ原子を含む5ない
し14員(単環、2環または3環式)複素環、好ましく
は(i)5ないし14員(好ましくは5ないし10員)
芳香族複素環、(ii)5ないし10員非芳香族複素環ま
たは(iii)7ないし10員複素架橋環から任意の1個
の水素原子を除いてできる1価基などが用いられる。上
記「5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳
香族複素環」としては、例えば、チオフェン、ベンゾチ
オフェン、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンズ
オキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾー
ル、ナフト[2,3−b]チオフェン、フラン、フェノ
キサチイン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オ
キサゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,
4−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、
1,3,4−チアジアゾール、ピリジン、ピラジン、ピ
リミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、
1H−インダゾール、プリン、4H−キノリジン、イソ
キノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノ
キサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、β
−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナ
ジン、チアゾール、イソチアゾール、フェノチアジン、
イソオキサゾール、フラザン、フェノキサジン、フタル
イミドなどの芳香族複素環、またはこれらの環(好まし
くは単環)が1ないし複数個(好ましくは1または2
個)の芳香環(例、ベンゼン環等)と縮合して形成され
た環などが用いられる。上記「5ないし10員非芳香族
複素環」としては、例えば、ピロリジン、イミダゾリ
ン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジ
ン、モルホリン、チオモルホリンなどが用いられる。上
記「7ないし10員複素架橋環」としては、例えば、キ
ヌクリジン、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン
などが用いられる。
【0019】該「複素環基」として好ましくは、炭素原
子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれ
る1または2種、好ましくは、1ないし4個のヘテロ原
子を含む5ないし10員の(単環式または2環式)複素
環基である。具体的には、例えば、2−または3−チエ
ニル、2−,3−または4−ピリジル、2−または3−
フリル、2−,3−,4−,5−または8−キノリル、
4−イソキノリル、ピラジニル、2−または4−ピリミ
ジニル、3−ピロリル、2−イミダゾリル、3−ピリダ
ジニル、3−イソチアゾリル、3−イソオキサゾリル、
1−インドリル、2−インドリル、2−イソインドリニ
ルなどの芳香族複素環基、例えば1−,2−または3−
ピロリジニル、2−または4−イミダゾリニル、2−,
3−または4−ピラゾリジニル、ピペリジノ、2−,3
−または4−ピペリジル、1−または2−ピペラジニ
ル、モルホリノなどの非芳香族複素環基などである。な
かでも、例えば、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子お
よび酸素原子から選ばれる1ないし3個のヘテロ原子を
含む5ないし6員の複素環基等が好ましく、具体的に
は、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−
ピリジル、4−ピリジル、2−フリル、3−フリル、ピ
ラジニル、2−ピリミジニル、3−ピロリル、3−ピリ
ダジニル、3−イソチアゾリル、3−イソオキサゾリ
ル、1−,2−または3−ピロリジニル、2−または4
−イミダゾリニル、2−,3−または4−ピラゾリジニ
ル、ピペリジノ、2−,3−または4−ピペリジル、1
−または2−ピペラジニル、モルホリノなどが用いられ
る。
【0020】Rで示される「C1−6アルキル」とし
ては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−
ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが用いられる。R
が隣接する窒素原子と共に形成する「含窒素複素
環」としては、例えば、炭素原子以外に少なくとも1個
の窒素原子を含み窒素原子、硫黄原子および酸素原子か
ら選ばれる1ないし3個のヘテロ原子を含んでいてもよ
い5ないし7員含窒素複素環などが用いられ、例えば、
ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジ
ン、ピロリジンなどが挙げられる。
【0021】Arで示される「芳香族基」の「置換基」
としての「アシル」の好ましい例としては、ホルミル、
カルボキシ、カルバモイル、ハロゲン化されていてもよ
いC 1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ
−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカル
ボニル、プロポキシカルボニル、tert−ブトキシカ
ルボニルなど)、置換基を有していてもよいC6−10
アリール−カルボニル、置換基を有していてもよいC
6−10アリールオキシ−カルボニル、置換基を有して
いてもよいC7−16アラルキルオキシ−カルボニル、
置換基を有していてもよい5〜6員複素環カルボニル、
モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6
アルキル−カルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、
ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイルな
ど)、置換基を有していてもよいC −10アリール−
カルバモイル、置換基を有していてもよい5〜6員複素
環カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC1−6
アルキルスルホニル、置換基を有していてもよいC
6−10アリールスルホニルなどである。これらのう
ち、「置換基を有していてもよいC6−10アリール−
カルボニル」の「C6−10アリール−カルボニル」と
しては、例えば、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナ
フトイルなどが用いられる。「置換基を有していてもよ
いC 6−10アリールオキシ−カルボニル」の「C
6−10アリールオキシ−カルボニル」としては、例え
ば、フェノキシカルボニルなどが用いられる。「置換基
を有していてもよいC7−16アラルキルオキシ−カル
ボニル」の「C7−16アラルキルオキシ−カルボニ
ル」としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル、フ
ェネチルオキシカルボニルなどが用いられる。「置換基
を有していてもよい5〜6員複素環カルボニル」の「5
〜6員複素環カルボニル」としては、例えば、ニコチノ
イル、イソニコチノイル、2−テノイル、3−テノイ
ル、2−フロイル、3−フロイル、モルホリノカルボニ
ル、ピペリジノカルボニル、1−ピロリジニルカルボニ
ルなどが用いられる。「置換基を有していてもよいC
6−10アリール−カルバモイル」の「C6−10アリ
ール−カルバモイル」としては、例えば、フェニルカル
バモイル、1−ナフチルカルバモイル、2−ナフチルカ
ルバモイルなどが用いられる。「置換基を有していても
よい5〜6員複素環カルバモイル」の「5〜6員複素環
カルバモイル」としては、例えば、2−ピリジルカルバ
モイル、3−ピリジルカルバモイル、4−ピリジルカル
バモイル、2−チエニルカルバモイル、3−チエニルカ
ルバモイルなどが用いられる。「置換基を有していても
よいC6−10アリールスルホニル」の「C6−10
リールスルホニル」としては、例えば、ベンゼンスルホ
ニル、1−ナフタレンスルホニル、2−ナフタレンスル
ホニルなどが用いられる。
【0022】これら「置換基を有していてもよいC
6−10アリール−カルボニル」、「置換基を有してい
てもよいC6−10アリールオキシ−カルボニル」、
「置換基を有していてもよいC7−16アラルキルオキ
シ−カルボニル」、「置換基を有していてもよい5〜6
員複素環カルボニル」、「置換基を有していてもよいC
6− 10アリール−カルバモイル」、「置換基を有して
いてもよい5〜6員複素環カルバモイル」および「置換
基を有していてもよいC6−10アリールスルホニル」
の「置換基」としては、ハロゲン原子、C1−3アルキ
レンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていて
もよいC1−6アルキル、ハロゲン化されていてもよい
1−6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C
1−6アルキルアミノ、ジ−C1−6アルキルアミノ、
ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、ハロゲン化され
ていてもよいC1−6アルキル−カルボニル、C1−6
アルコキシ−カルボニル、モノ−C −6アルキル−カ
ルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、ハ
ロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニ
ル、ホルミルアミノ、ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキル−カルボキサミド、C1−6アルコキシ
−カルボキサミド、C1−6アルキルスルホニルアミ
ノ、C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C1−6
ルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル
−カルバモイルオキシおよびジ−C1−6アルキル−カ
ルバモイルオキシから選ばれる置換基1ないし5個、好
ましくは1ないし3個が用いられる。
【0023】前記のArで示される「置換基を有してい
てもよい芳香族基」の「置換基」としての「アシルアミ
ノ」としては、例えば、Arで示される「置換基を有し
ていてもよい芳香族基」の「置換基」において詳述した
「アシル」で1ないし2個置換されたアミノなどが用い
られ、好ましくは、 式:−NR−COR、−NR−COOR6a、−
NR−SO2RR6aまたは−NR−CONR6a
6b 〔式中、Rは水素原子またはC1−6アルキル、R
は前記Rと同意義、R 6aは前記R3aと同意義、R
6bはRと同意義を示す〕で表されるアシルアミノな
どが用いられる。RおよびR6bで示される「C
1−6アルキル」は、Rで示される「C −6アルキ
ル」と同様のものが用いられる。Arで示される「置換
基を有していてもよい芳香族基」の「置換基」としての
「アシルアミノ」として、好ましくは、ホルミルアミ
ノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カ
ルボキサミド、置換基を有していてもよいC6−1
リール−カルボキサミド(例、フェニルカルボキサミ
ド、ナフチルカルボキサミドなど)、C1−6アルコキ
シ−カルボキサミド(例、メトキシカルボキサミド、エ
トキシカルボキサミド、プロポキシカルボキサミド、ブ
トキシカルボキサミドなど)、C1−6アルキルスルホ
ニルアミノ(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスル
ホニルアミノなど)などが用いられる。
【0024】前記のArで示される「置換基を有してい
てもよい芳香族基」の「置換基」としての「アシルオキ
シ」としては、例えば、前記した「置換基を有していて
もよい芳香族基」の「置換基」において詳述した「アシ
ル」1個で置換されたオキシなどが用いられ、好ましく
は、式:−O−COR、−O−COORまたは−O
−CONHR〔式中、Rは前記Rと同意義を示
す〕で表されるアシルオキシなどが用いられる。Arで
示される「置換基を有していてもよい芳香族基」の「置
換基」としての「アシルオキシ」として、好ましくは、
1−6アルキル−カルボニルオキシ(例、アセトキ
シ、プロパノイルオキシなど)、置換基を有していても
よいC6− 10アリール−カルボニルオキシ(例、ベン
ゾイルオキシ、1−ナフトイルオキシ、2−ナフトイル
オキシなど)、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ
(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニル
オキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボ
ニルオキシなど)、モノ−C1−6アルキル−カルバモ
イルオキシ(例、メチルカルバモイルオキシ、エチルカ
ルバモイルオキシなど)、ジ−C1−6アルキル−カル
バモイルオキシ(例、ジメチルカルバモイルオキシ、ジ
エチルカルバモイルオキシなど)、置換基を有していて
もよいC6−1 アリール−カルバモイルオキシ(例、
フェニルカルバモイルオキシ、ナフチルカルバモイルオ
キシなど)、ニコチノイルオキシなどが用いられる。こ
れら「置換基を有していてもよいC6−10アリール−
カルボキサミド」、「置換基を有していてもよいC
6−10アリール−カルボニルオキシ」、および「置換
基を有していてもよいC6−10アリール−カルバモイ
ルオキシ」の「置換基」およびその「好ましい例」とし
ては、前記した「置換基を有していてもよいC6−10
アリール−カルボニル」の「置換基」と同様のものが用
いられる。上記した中でも、Arとしては、置換基を有
していてもよい環集合芳香族基(特に、2−,3−また
は4−ビフェニリルなどのビフェニリルなど)が好まし
い。
【0025】式中、Xは−O−、−S−、−CO−、−
SO−、−SO−、−NR−、−CONR−(−
CONR−および−NRCO−を含む)、−SO
NR −(−SONR−および−NRSO−を
含む)および−COO−から選ばれる2価の基(R
水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または
置換基を有していてもよいアシルを示す)、これらの2
価の基を1または2個含んでいてもよい2価のC1−6
脂肪族炭化水素基または結合手を、Yは−O−、−S
−、−CO−、−SO−、−SO−、−NR−、−
CONR−(−CONR−および−NRCO−を
含む)、−SONR−(−SONR −および−
NRSO−を含む)および−COO−から選ばれる
2価の基(Rは水素原子、置換基を有していてもよい
炭化水素基または置換基を有していてもよいアシルを示
す)またはこれらの2価の基を1または2個含んでいて
もよい2価のC1−6脂肪族炭化水素基を示す。R
示される置換基を有していてもよい炭化水素基として
は、前記したRで示される「置換基を有していてもよ
い炭化水素基」と同様のものが用いられる。なかでも、
ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルなどが好
ましい。Rで示されるアシルとしては、前記したAr
で示される芳香族基の置換基としての「アシル」と同様
のものが用いられる。なかでも、ホルミル、カルバモイ
ル、ハロゲン化されていてもよい C1−6アルキル−
カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカ
ルボニル、tert-ブトキシカルボニルなど)、前記置換
基を有していてもよいC6−10アリール−カルボニ
ル、前記置換基を有していてもよいC6−1 アリール
オキシ−カルボニル、前記置換基を有していてもよいC
7−16アラルキルオキシ−カルボニル、前記置換基を
有していてもよい5または6員複素環カルボニル、モノ
−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アル
キル−カルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエ
チルカルバモイル、エチルメチルカルバモイルなど)、
前記置換基を有していてもよいC6−10アリール−カ
ルバモイル、前記置換基を有していてもよい5または6
員複素環カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキルスルホニル、前記置換基を有していても
よいC6−10アリールスルホニルなどが好ましく、特
に、ハロゲン化されていてもよい C1−6アルキル−
カルボニルが好適である。該C1−6脂肪族炭化水素基
としては、C1−6アルキレン、C2−6アルケニレ
ン、C2−6アルキニレンなどが用いられる。該C
1−6アルキレンとしては、例えば、−CH−、−
(CH−、−(CH−、−(CH
−、−(CH−、−(CH−などの直鎖
状C1−6アルキレンのほか、1ないし3個のC1−3
アルキルを有していてもよいC1−3アルキレン(例え
ば、−CH−、−(CH−、−(CH
など)などが用いられる。該C2−6アルケニレンとし
ては、例えば、−CH=CH−、−CH−CH=CH
−などの直鎖状C2−6アルケニレンのほか、1ないし
3個のC1−3アルキルを有していてもよいC2−3
ルケニレン(たとえば、−CH=CH−、−CH−C
H=CH−など)などが用いられる。該C2−6アルキ
ニレンとしては、例えば、−C≡C−、−CH−C≡
C−、−C≡C−CH−、−C≡C−CHCH
−、−CHCH−C≡C−、−CH−C≡C−
CH−、−(CH−C≡C−CH−、−(C
−C≡C−(CH−、−(CH
C≡C−CH−などの直鎖状C2−6アルキニレンの
ほか、1ないし3個のC1−3アルキルを有していても
よいC2−3アルキニレン(例えば、−C≡C−、−C
−C≡C−、−C≡C−CH−、−C≡C−CH
CH−、−CHCH−C≡C−など)が用いら
れる。該C1−6脂肪族炭化水素基としては、特に、C
1−3アルキレン、C2−3アルケニレン、C2−6
ルキニレンなどのC1−3脂肪族炭化水素基などが好ま
しい。
【0026】Xで示される−O−、−S−、−CO−、
−SO−、−SO−、−NR−、−CONR−、
−SONR−および−COO−から選ばれる2価の
基を1または2個含む2価のC1−6脂肪族炭化水素基
としては、例えば、(i) −(CHO−、−
(CHS−、−(CHCO−、−(C
SO−、−(CHSO−、−(C
NR −、−(CHCONR−、−
(CHNRCO−、−(CHSONR
−、−(CHNRSO−、−(CH
COO−、(ii) −O(CH−、−S(C
−、−CO(CH−、−SO(CH
−、−SO(CH−、−NR(CH
−、−CONR(CH−、−NRCO(CH
−、−SONR(CH−、−NR
(CH−、−COO(CH−、(ii
i) −(CHw1O(CHw2−、−(C
w1S(CH w2−、−(CHw1CO
(CHw2−、−(CHw1SO(CH
w2−、−(CHw1SO(CHw2−、−
(CHw1NR(CHw2−、−(CH
w1CONR(CHw2−、−(CHw1
CO(CHw2−、−(CHw1SO
(CHw1−,−(CHw1NRSO
(CHw1−、−(CHw1COO(CH
w1−などが用いられる。Yで示される−O−、−S
−、−CO−、−SO−、−SO−、−NR−、−
CONR−、−SONR−および−COO−から
選ばれる2価の基を1または2個含む2価のC1−6
肪族炭化水素基としては、例えば、(i) −O(CH
−、−S(CH−、−CO(CH
−、−SO(CH−、−SO(CH
−、−NR(CH −、−CONR(C
−、−NRCO(CH−、−SO
(CH−,−NRSO(CH−、
−COO(CH−、(ii) −(CHw1
(CHw2−、−(CHw1S(CH w2
−、−(CHw1CO(CHw2−、−(CH
w1SO(CH w2−、−(CHw1SO
(CHw2−、−(CHw1NR(C
w2−、−(CHw1CONR(CH
w2−、−(CHw1NRCO(CH
w2−、−(CHw1SONR(CHw1
−,−(CHw1NRSO(CHw1−、
−(CHw1COO(CHw1−などが用いら
れる。wは1ないし6の整数を示し、なかでも1ないし
4、特に1または2が好ましい。w1およびw2は、それ
ぞれ1ないし3の整数を示し、なかでも1または2が好
ましい。
【0027】また、XおよびYとしては、C1−5アル
キレン、C2−5アルケニレン、C2−5アルキニレ
ン、−CH−Z−、−(CH−Z−、−(CH
−Z−、−(CH−Z−、−Z−CH
−、−Z−(CH−、−Z−(CH−、
−Z−(CH−、−Z−CH−Z−、−Z−
(CH−Z−、−Z−(CH−Z−、−C
−Z−CH−、−(CH−Z−CH−、
−(CH−Z−CH−、−CH−Z−(CH
−または−CH−Z−(CH−〔式中、
Zは−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO
−、−NR−、−CONR−、−SONR
および−COO−を示し、Zは同一式中に2個ある場
合、同一または異なっていてもよい。〕なども好ましく
用いられる。上記した中でも、Xとしては、例えば、−
(CH)pO−(式中、pは1ないし3の整数を示
す)、−CONH−、−SONH−またはC1−3
ルキレンなどが好ましく用いられ、とりわけ−(C
)pO−(式中、pは1ないし3の整数を示す)が
好ましく用いられる。Yとしては、例えば、C1−3
ルキレン、−(CH)qCONR(CH )r−
(式中、qおよびrはそれぞれ0ないし3でありかつ、
その合計が3以下の整数を、Rは水素原子またはハロ
ゲン化されていてもよいC1−6アルキルまたはハロゲ
ン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニルを
示す)または−(CH)qCOO(CH)r−(式
中の記号は前記と同意義を示す)などが好ましく用いら
れ、とりわけC1−3アルキレンまたは−(CH)q
CONR(CH)r−(式中の記号は前記と同意義
を示す)が好ましく用いられる。
【0028】RまたはRで示される置換基を有して
いてもよい炭化水素基としては、前記したRで示され
る「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同様のも
のが用いられる。該「置換基を有していてもよい炭化水
素基」の「炭化水素基」として、なかでも好ましくは、
1−6アルキルなどである。該C1−6アルキルとし
ては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−
ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが用いられ、なかでも
メチル、エチル、プロピルなどが好ましい。Rまたは
で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の
置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素など)、C1− アルキレンジオキ
シ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシなど)、
ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6
アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロ
アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコ
キシ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチ
オ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1−6アルキルアミ
ノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミ
ノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノなど)、ジ−C
1−6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチル
アミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、エチルメ
チルアミノなど)、ホルミル、カルボキシ、カルバモイ
ル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カ
ルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メト
キシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカル
ボニル、tert−ブトキシカルボニルなど)、モノ−
1−6アルキル−カルバモイル(例、メチルカルバモ
イル、エチルカルバモイルなど)、ジ−C1−6アルキ
ル−カルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチ
ルカルバモイル、エチルメチルカルバモイルなど)、ハ
ロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニ
ル、ホルミルアミノ、ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキル−カルボキサミド、C1−6アルコキシ
−カルボキサミド(例、メトキシカルボキサミド、エト
キシカルボキサミド、プロポキシカルボキサミド、ブト
キシカルボキサミドなど)、C1−6アルキルスルホニ
ルアミノ(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホ
ニルアミノなど)、C1−6アルキル−カルボニルオキ
シ(例、アセトキシ、プロパノイルオキシなど)、C
1−6アルコキシ−カルボニルオキシ(例、メトキシカ
ルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキ
シカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシな
ど)、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ
(例、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイル
オキシなど)、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオ
キシ(例、ジメチルカルバモイルオキシ、ジエチルカル
バモイルオキシなど)、置換基を有していてもよい芳香
族基などが1ないし5個、好ましくは1ないし3個用い
られる。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一ま
たは異なっていてもよい。RまたはRで示される置
換基を有していてもよい炭化水素基として特に好ましく
は、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルなど
である。
【0029】RおよびRが隣接する窒素原子と共に
形成する「置換基を有していてもよい含窒素複素環」の
「含窒素複素環」としては、例えば、炭素原子以外に少
なくとも1個の窒素原子を含み窒素原子、硫黄原子およ
び酸素原子から選ばれる1ないし3個のヘテロ原子を含
んでいてもよい3ないし8員含窒素複素環が用いられ
る。例えば、アジリジン、アゼチジン、モルホリン、チ
オモルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、
ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、ヘキサ
ヒドロピリミジン、1,4−ジアゼパン、およびこれら
の不飽和環状アミン(例、1,2,5,6−テトラヒド
ロピリジンなど)などが用いられ、なかでもモルホリ
ン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジンなどが好まし
い。RおよびRが隣接する窒素原子と共に形成する
「置換基を有していてもよい含窒素複素環」の「置換
基」としては、例えば、前記した「置換基を有していて
もよい5ないし7員飽和環状アミノ」が有していてもよ
い置換基と同様のものが1ないし3個用いられる。R
およびRとしては、例えば、C1−6アルキル(例、
メチル、エチル、プロピルなど)が好ましく、また、R
およびRが隣接する窒素原子と共にピペリジノ、ピ
ロリジン−1−イルなどを形成する場合が好ましい。ま
た、RおよびRの少なくとも一方が、置換基を有し
ていてもよいC1− アルキルを示す場合が好ましく、
特に、RおよびRが共に置換基を有していてもよい
1−6アルキルを示す場合が好適である。
【0030】上記式中、A環で示される環としては、例
えば、単環式芳香環または縮合芳香環などの芳香環など
が用いられる。A環は置換可能な位置で、式 Ar−X
− で表される基および式
【化20】 で表わされる基で置換される。A環は、この式Ar−X
− で表される基および式
【化21】 で表わされる基の他に置換基をさらに有していてもよ
い。このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ハロゲン化
されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン化されて
いてもよいC1−6アルコキシ、ヒドロキシ、アミノな
どが用いられる。該「ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキル」および「ハロゲン化されていてもよい
1−6アルコキシ」は、前記Arにおいて詳述した
「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル」およ
び「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ」
と同様のものがそれぞれ用いられる。A環の置換基とし
ては、特に、ハロゲン原子(例、塩素など)、C1−6
アルコキシ(例、メトキシなど)などが好ましい。これ
らの置換基は、A環の置換可能な位置に1ないし3個置
換されていてもよく、置換基数が2個以上の場合は各置
換基は同一または異なっていてもよい。A環は、式Ar
−X−で表わされる基と、式
【化22】 で表わされる基のみで置換されている場合が特に好まし
い。該「単環式芳香環」としては、例えば、ベンゼン
環、または5または6員芳香族複素環などが用いられ
る。該「5または6員芳香族複素環」としては、例え
ば、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子
から選ばれるヘテロ原子1個以上(例えば1〜3個、好
ましくは1〜2個)を含む5または6員芳香族複素環な
どが用いられる。具体的には、チオフェン、フラン、ピ
ロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、オキ
サゾール、ピリジン、2−ピリドン、ピラジン、ピリミ
ジン、ピリダジンなどが用いられる。該「単環式芳香
環」としては、ベンゼン、ピリジンまたは2−ピリドン
が好ましい。該「単環式芳香環」は、上記したA環の置
換基と同様の置換基で置換されていてもよい。
【0031】該「縮合芳香環」としては、例えば、式
【化23】 〔式中、A環はさらに置換基を有していてもよいベン
ゼン環を、B環はさらに置換基を有していてもよい4な
いし8員環を示す。〕で表される環などが用いられる。
環で示されるベンゼン環の置換基としては、上記し
たA環の置換基と同様のものが用いられる。A環は好
ましくは、式 Ar−X−で表される基のみで置換され
たベンゼン環である。B環で示される4ないし8員環と
しては、A環と縮合している部分以外に二重結合を1
個含んでいてもよく、炭素原子以外に酸素原子、窒素原
子および硫黄原子から選ばれる1ないし3個のヘテロ原
子を含んでいてもよい4ないし8員同素または複素環が
挙げられる。具体例としては、式
【化24】 [式中、- - -は単結合または二重結合、Zは(i)結
合手、(ii)C1−4アルキレン、(iii)C2−4
ルケニレン、(iv)−O−CH−、(v)−O−CH
−CH−または(vi)式−NR −CH−または
−NR−CH−CH−〔式中、Rは水素原子、
置換基を有していてもよい炭化水素基またはアシルを示
す〕で表される環が挙げられる。Rは前述した通りで
あるが好ましくは水素原子、ハロゲン化されていてもよ
いC1−6アルキル(例、前記した1ないし5個のハロ
ゲン原子を有していてもよいC1−6アルキルなど)、
1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル、プロピ
オニルなど)、C1−6アルコキシ−カルボニル(例、
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシ
カルボニル、tert-ブトキシカルボニルなど)、C
6−10アリール−カルボニル(例、ベンゾイル、1−
ナフトイル、2−ナフトイルなど)、C6−10アリー
ルオキシ−カルボニル(例、フェノキシカルボニルな
ど)、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル(例、
ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニ
ルなど)、5〜6員複素環カルボニル(例、ニコチノイ
ル、イソニコチノイル、2−テノイル、3−テノイル、
2−フロイル、3−フロイル、モルホリノカルボニル、
ピペリジノカルボニル、1−ピロリジニルカルボニルな
ど)、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル(例、メ
チルカルバモイル、エチルカルバモイルなど)、ジ−C
1−6アルキル−カルバモイル(例、ジメチルカルバモ
イル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイ
ルなど)、C6−10アリール−カルバモイル(例、フ
ェニルカルバモイル、1−ナフチルカルバモイル、2−
ナフチルカルバモイルなど)、5〜6員複素環カルバモ
イル(例、2−ピリジルカルバモイル、3−ピリジルカ
ルバモイル、4−ピリジルカルバモイル、2−チエニル
カルバモイル、3−チエニルカルバモイルなど)、C
1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル、エ
チルスルホニルなど)、C6−10アリールスルホニル
(例、ベンゼンスルホニル、1−ナフタレンスルホニ
ル、2−ナフタレンスルホニルなど)である。さらに好
ましくは、水素原子、ハロゲン化されていてもよいC
1−6アルキル、C1− アルキル−スルホニル、C
1−3アルキルスルホニルである。Zは、好ましくは、
1−3アルキレン、−NR−CH−などである。
さらに好ましくは、エチレンである。
【0032】該「4ないし8員環」として好ましくは、
【化25】 〔式中、Zは前記と同意義を示す〕で表される環であ
る。好ましくは、A環と縮合している部分以外には二
重結合を含まず、炭素原子以外に、1個の酸素原子また
はイミノを含んでいてもよい6員同素または複素環であ
る。B環で示される「置換基を有していてもよい4ない
し8員環」の「置換基」としては、例えば、オキソ、C
1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチルなど)、ヒドロキシなどが挙げられ
る。該置換基は置換可能な位置に1ないし3個置換され
ていてもよく、置換基数が2個以上の場合は各置換基は
同一または異なっていてもよい。B環は、好ましくは
【化26】 で表わされる基以外に置換基を有しない6員同素または
複素環である。
【0033】A環とB環とで形成される縮合環として
好ましくは、式
【化27】 で表される環である。A環は、好ましくは、各々ハロゲ
ン原子(特に、塩素など)または(および)C1−6
ルコキシ(特に、メトキシなど)で置換されていてもよ
いベンゼン環、6員の含窒素芳香族複素環(特に、ピリ
ジン環、2−ピリドン環など)またはテトラリン環であ
る。A環は、より好ましくは、ベンゼン環またはテトラ
リン環である。A環は、さらに好ましくは、式 Ar−
X− で表される基および式
【化28】 で表わされる基以外には置換されていないテトラリン環
である。これらテトラリン環上の1位または4位には置
換基を有さないA環が、最も好ましい。
【0034】化合物(I)としては、上記した各記号の
例を任意に組み合わせたものが好ましく用いられるが、
なかでも、Arがビフェニリルで、Xが−(CH)p
O−(pは1ないし3の整数を示す)、−CONH−、
―SONH―またはC1− アルキレン(特に、−
(CH)pO−)で、YがC1−3アルキレン、−
(CH)qCONH(CH)r−(式中、qおよび
rはそれぞれ0ないし3でありかつ、その合計が3以下
の整数を示す)または−(CH)qCOO(CH
r−(式中の記号は前記と同意義を示す)(特にC
1−3アルキレンまたは−(CH)qCONH(CH
)r−)で、RおよびRがそれぞれ水素原子また
はC1−6アルキル(特に、メチル、エチル、プロピル
などのC1−3アルキルなど)を示すか、あるいはR
とRとが隣接する窒素原子と共に5または6員の含窒
素複素環(特に、ピペリジノ、ピロリジン−1−イルな
ど)を形成し、A環が各々ハロゲン原子(特に、塩素な
ど)または(および)C1−6アルコキシ(特に、メト
キシなど)で置換されていてもよいベンゼン環、6員の
含窒素芳香族複素環(特に、ピリジン環、2−ピリドン
環など)またはテトラリン環(特にベンゼン環またはテ
トラリン環)である化合物が好ましい。化合物(I)と
しては特に、(R)−(+)−6−(4−ビフェニリ
ル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)
エチル]テトラリン塩酸塩1水和物、4−(4−ビフェ
ニリルメトキシ)フェニル−N−[2−(N,N−ジメ
チルアミノ)エチル]アセトアミドなどが好適である。
【0035】上記した化合物(I)の中で、上記した化
合物(I’)が好ましく、特に式(Ia)
【化29】 〔式中、A環はさらに置換基を有していてもよい単環
式芳香環を、その他の記号は前記と同意義を示す。〕で
表される化合物またはその塩、または式(Ib)
【化30】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合
物またはその塩が好ましい。A環で示される「さらに
置換基を有していてもよい単環式芳香環」としては、上
記したA環で例示した単環式芳香環、その置換基と同様
のものが用いられる。化合物(Ia)において、好まし
くは、Arがビフェニリルで、Xが−(CH )pO−
(pは1ないし3の整数を示す)で、YがC1−3アル
キレンで、R およびRがそれぞれ水素原子またはC
1−6アルキル(特に、メチル、エチル、プロピルなど
のC1−3アルキルなど)を示すか、あるいはRとR
とが隣接する窒素原子と共に5または6員の含窒素複
素環(特に、ピペリジノ、ピロリジン−1−イルなど)
を形成し、A環、すなわち、A環とB環からなる縮合
環が各々さらにハロゲン原子(特に、塩素など)または
(および)C1−6アルコキシ(特に、メトキシなど)
で置換されていてもよいテトラリン環である。化合物
(Ib)において、好ましくは、Arがビフェニリル
で、Xが−(CH )pO−(pは1ないし3の整数を
示す)で、Yが−(CH)qCONH(CH)r−
(式中、qおよびrはそれぞれ0ないし3でありかつ、
その合計が3以下の整数を示す)で、RおよびR
それぞれ水素原子またはC1−6アルキル(特に、メチ
ル、エチル、プロピルなどのC1−3アルキルなど)を
示すか、あるいはRとRとが隣接する窒素原子と共
に5または6員の含窒素複素環(特に、ピペリジノ、ピ
ロリジン−1−イルなど)を形成し、A環が各々ハロ
ゲン原子(特に、塩素など)または(および)C1−6
アルコキシ(特に、メトキシなど)で置換されていても
よいベンゼン環または6員の含窒素芳香族複素環(特
に、ピリジン環、2−ピリドン環など)である。
【0036】化合物(I)、化合物(I’)、化合物
(Ia)および化合物(Ib)の塩としては、例えば、
無機塩基との塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無
機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸
との塩などが用いられる。無機塩基との塩の好適な例と
しては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアル
カリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム
塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩などが用
いられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例え
ば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、
ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N-ジ
ベンジルエチレンジアミンなどとの塩が用いられる。無
機酸との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水
素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が用いられる。有
機酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、
トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マ
レイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸な
どとの塩が用いられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な
例としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチン
などとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例
としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸など
との塩が用いられる。これらの塩のなかでも、薬学的に
許容し得る塩が好ましい。例えば、化合物(I)、
(I’)、(Ia)または(Ib)内に酸性官能基を有
する場合には、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム
塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(例えば、
カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩など)など
の無機塩、アンモニウム塩などが用いられ、また、化合
物(I)、(Ia)または(Ib)内に塩基性官能基を
有する場合には,塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素
酸塩などの無機塩または、酢酸塩、マレイン酸塩、フマ
ル酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエン
スルホン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩などの有機塩が用
いられる。さらに、化合物(I)、(I’)、(Ia)
または(Ib)は、無水物、水和物のいずれであっても
よい。水和物の場合、1ないし3個のHO分子を有し
ていてもよい。化合物(I)、(I’)、(Ia)また
は(Ib)は、そのプロドラッグであってもよい。化合
物(I)、(I’)、(Ia)または(Ib)のプロド
ラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等に
よる反応により化合物(I)、(I’)、(Ia)また
は(Ib)に変換する化合物、すなわち、酵素的に酸
化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)、
(I’)、(Ia)または(Ib)に変化する化合物、
胃酸等により加水分解などを起こして化合物(I)、
(I’)、(Ia)または(Ib)に変化する化合物を
いう。化合物(I)、(I’)、(Ia)または(I
b)のプロドラッグとしては、化合物(I)、
(I’)、(Ia)または(Ib)の水酸基が、アシル
化、アルキル化、リン酸化、ほう酸化された化合物また
はその塩(例えば、化合物(I)、(I’)、(Ia)
または(Ib)の水酸基がアセチル化、パルミトイル
化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フ
マリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニ
ル化された化合物またはその塩など)、化合物(I)、
(I’)、(Ia)または(Ib)のカルボキシル基
が、エステル化、アミド化された化合物(例えば、化合
物(I)、(I’)、(Ia)または(Ib)のカルボ
キシル基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カ
ルボキシオキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチ
ルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エ
トキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジル
エステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオ
キソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシ
ルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化
された化合物またはその塩など)などが用いられる。こ
れらのプロドラッグは自体公知の方法あるいはそれに準
じる方法に従って製造することができる。また、化合物
(I)、(I’)、(Ia)または(Ib)のプロドラ
ッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻
分子設計163〜198頁に記載されているような生理
的条件で化合物(I)、(I’)、(Ia)または(I
b)に変化するものであってもよい。化合物(I)、
(I’)、(Ia)または(Ib)は同位元素(例、
H、H、14C、35S、125Iなど)などで標識
されていてもよい。
【0037】化合物(I)および(I’)は、特開平1
1−80098号公報に記載の製造法に準じて、または
下記の化合物(Ib)の製造法に従って製造することが
でき、また、自体公知あるいはそれに準じる製造法を用
いて製造することができる。化合物(Ia)は、特開平
11−80098号公報に記載の製造法に従って製造す
るか、あるいはその改良法として、アミド結合とエーテ
ル結合が同一分子内に存在する場合には、メタンスルホ
ン酸とメチオニンの存在下でエーテル結合のみを選択的
に切断し、次いで、アルキル化反応に付し、そしてアミ
ド部分を還元することによって製造することもできる。
化合物(Ib)の製造法について以下に述べる。化合物
(Ib)は、自体公知の手段を用いて、例えば、化合物
(Ib)中、Xが酸素原子、酸化されていてもよい硫黄
原子または置換基を有していてもよいイミノを含有して
いる場合、以下の製造法に従って化合物(Ib)を製造
する。「室温」は通常0ないし30℃を示す。スキーム
中に記載されている化学構造式中の各記号は、特記しな
い限り前記と同意義を示す。 〔製造法1〕
【化31】 (上記式中、Xaは酸素原子、酸化されていてもよい硫
黄原子または置換基を有していてもよいイミノを示す。
Xaで示される「置換基を有していてもよいイミノ」
は、前記したRで示される「置換基を有していてもよ
いイミノ」と同様のものが用いられる。
【0038】(工程1)化合物(II)をアルキル化反応
またはアシル化反応に付し、化合物(Ib−1)を得る
ことができる。「アルキル化反応」および「アシル化反応」
は、自体公知の方法、例えば、オーガニック ファンク
ショナル グループ プレパレーションズ(ORGANIC FUNCT
IONAL GROUP PREPARATIONS)第2版、アカデミックプレス
社(ACADEMIC PRESS, INC.)、1989年刊等に記載の方
法に準じて行うことができる。具体的には、化合物(I
I)と式 Ar−Xb−L (III)〔式中、XbはXから
Xaを除いた基、Lは脱離基またはヒドロキシを示す〕
で表される化合物とを反応させ、化合物(Ib−1)を
得ることができる。Lで示される脱離基としては、例え
ば、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素、ヨウ素な
ど)、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルス
ルホニルオキシ(例えば、メタンスルホニルオキシ、エ
タンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニル
オキシなど)、置換基を有していてもよいC6−10
リールスルホニルオキシなどが用いられる。該「置換基
を有していてもよいC6−10アリールスルホニルオキ
シ」の「置換基」としては、例えば、1ないし3個のハロ
ゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキ
ルまたはC1−6アルコキシなどが用いられる。「置換
基を有していてもよいC6−10アリールスルホニルオ
キシ」の具体例としては、例えば、ベンゼンスルホニル
オキシ、p-トルエンスルホニルオキシ、1-ナフタレンス
ルホニルオキシ、2-ナフタレンスルホニルオキシなどが
用いられる。例えば、Lが脱離基の場合、化合物(II)
および等量〜過剰量の化合物(III)を不活性溶媒中で
反応させる。必要に応じ、塩基を加えて反応を行うこと
ができる。Xaが置換基を有していてもよいイミノの場
合、塩基は必ずしも必須ではない。反応温度は、通常約
−20℃〜100℃、好ましくは室温〜80℃である。
反応時間は通常0.5時間〜1日である。不活性溶媒と
しては、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、
ハロゲン系溶媒、芳香族系溶媒、ニトリル系溶媒、アミ
ド系溶媒、ケトン系溶媒、スルホキシド系溶媒、水など
を単独あるいはこれらの二種以上を混合して用いること
ができる。中でも、アセトニトリル、 N,N-ジメチルホ
ルムアミド(DMF)、アセトン、エタノール、ピリジ
ンなどが好ましい。
【0039】該「塩基」としては、1)例えば、アルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の水素化物(例えば、水
素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水
素化カルシウムなど)、アルカリ金属またはアルカリ土
類金属のアミド類(例えば、リチウムアミド、ナトリウ
ムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジ
シクロヘキシルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジ
ド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキ
サメチルジシラジドなど)、アルカリ金属またはアルカ
リ土類金属の低級アルコキシド(例えば、ナトリウムメ
トキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム tert-ブト
キシドなど)などの強塩基; 2)例えば、アルカリ金属,アルカリ土類金属または銀
の水酸化物(例えば、水酸化銀、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウムな
ど)、アルカリ金属,アルカリ土類金属または銀の炭酸
塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシ
ウム、炭酸銀など)、アルカリ金属またはアルカリ土類
金属の炭酸水素塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸
水素カリウムなど),酸化銀などの無機塩基;および 3)例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミン、N−メチルモルホリン、ジメチルアミノピリジ
ン、DBU(1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウ
ンデス−7−エン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ
〔4.3.0〕ノン−5−エン)などのアミン類、例え
ばピリジン、イミダゾール、2,6−ルチジンなどの塩
基性複素環化合物などの有機塩基などが用いられる。好
ましい反応条件は、例えば、アルキル化反応の場合、化
合物(II)、1当量〜2当量の化合物(III)および1〜
5当量の塩基(例えば、炭酸カリウム、水素化ナトリウ
ム、水酸化ナトリウム、炭酸銀など)を、アセトニトリ
ルまたはDMF中、約1時間〜2日間撹拌する.好まし
い反応温度は用いる塩基により異なるが、例えば、水素
化ナトリウムを用いる場合は室温、炭酸カリウムを用い
る場合は室温〜80℃が好ましい。
【0040】好ましい反応条件は、例えば、アシル化反
応の場合、化合物(II)、1当量〜1.5当量の化合物
(III)および1当量〜5当量の塩基(例えば、水素化ナ
トリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素
ナトリウム、トリエチルアミンなど)を、不活性溶媒(例
えば、水、酢酸エチル、DMF、アセトニトリル、ピリ
ジンの単独あるいはこれら二種以上の混合溶媒)中、室
温で通常1時間〜6時間撹拌する。Lがヒドロキシの場
合、化合物(II)を光延反応に付す。光延反応は、例え
ば、化合物(II)および1当量〜3当量(好ましくは1.
1当量〜2当量)の化合物(III)を、1当量〜2当量の
トリアリールホスフィン(例えば、トリフェニルホスフ
ィンなど)および1当量〜2当量のDEAD(アゾジカル
ボン酸ジエチル)共存下、不活性溶媒中、通常1〜24
時間撹拌する方法が用いられる。不活性溶媒としては、
例えば、エーテル系溶媒などが用いられ、好ましくはテ
トラヒドロフラン(THF)である。
【0041】Yが−(CH)qCONR(CH
r−である化合物は、例えば、下記製造法2で示される
アミド化反応によりカルボン酸誘導体(IV)をアミン(V)
と反応させることにより得ることができる。 〔製造法2〕
【化32】 (式中、各記号は前記と同意義を示す)
【0042】(工程2)上記「アミド化反応」は、自体
公知の方法に準じて行えばよく、例えば、(1)脱水縮
合剤の存在下、化合物(IV)とアミン(V)を反応させる
方法、または(2)化合物(IV)の反応性誘導体とアミン
(V)を反応させる方法などが用いられる。上記反応
(1)では、化合物(IV)、1当量〜5当量のアミン(V)
および1当量〜2当量の脱水縮合剤を不活性溶媒中、室
温下、通常10時間〜24時間反応させる。必要に応
じ、1当量〜1.5当量の1-ヒドロキシ−1H−ベンゾ
トリアゾール(HOBt)および(または)1当量〜5当量
の塩基(例えば、トリエチルアミンなど)を添加して反応
を行ってもよい。該「脱水縮合剤」としては、例えば、
ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-エチル-3
-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩
(WSC)などが用いられる。中でもWSCが好ましい。
不活性溶媒としては、例えば、ニトリル系溶媒(好まし
くはアセトニトリル)、アミド系溶媒(好ましくはDM
F)、 ハロゲン系溶媒(好ましくはジクロロメタ
ン)、エーテル系溶媒(好ましくはTHF)などの単独
またはこれらの二種以上を混合して用いることがきる。
上記反応(2)では、化合物(IV)の反応性誘導体および
1当量〜5当量(好ましくは1当量〜3当量)のアミン
(V)を不活性溶媒中、通常約−20℃〜50℃(好まし
くは室温)、5分間〜40時間(好ましくは1時間〜18
時間)反応させる。必要に応じ、1当量〜10当量、好
ましくは1当量〜3当量の塩基を共存させて反応を行っ
てもよい。
【0043】化合物(IV)の「反応性誘導体」としては、
例えば、酸ハライド(例えば、酸クロリド、酸ブロミド
など)、混合酸無水物(例えば、C1−6アルキル-カル
ボン酸、C6−10アリール-カルボン酸またはC
1−6アルキル炭酸との酸無水物など)、活性エステル
(例えば、C1−6アルコール(例、メタノール、エタノ
ール、2−プロパノール、1−プロパノール、1-ブタノ
ールなど)、置換基を有していてもよいフェノール、1-
ヒドロキシベンゾトリアゾールまたはN-ヒドロキシスク
シンイミドとのエステルなど)が用いられる。該「置換
基を有していてもよいフェノール」の「置換基」として
は、例えば、ハロゲン原子、ニトロ、ハロゲン化されて
いてもよいC1−6アルキルまたはハロゲン化されてい
てもよいC1−6アルコキシなどが1ないし5個用いられ
る。「置換基を有していてもよいフェノール」としては、
例えば、フェノール、ペンタクロロフェノール、ペンタ
フルオロフェノール、p-ニトロフェノールなどが用いら
れる。反応性誘導体として、好ましくは酸ハライドや活
性エステルである。「塩基」としては、前記工程1で詳述
した塩基と同様のものが用いられ、好ましくは、炭酸カ
リウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ナ
トリウムアルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナ
トリウムエトキシド、ナトリウムブトキシドなど)、有
機アミン(例、トリエチルアミン、ピリジン、トリアゾ
ール、イミダゾール、ヒドロキシピリジンなど)などで
ある。不活性溶媒としては、例えば、アルコール系溶
媒、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒、芳香族系溶媒、
ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、スルホ
キシド系溶媒、水などを単独またはこれらの二種以上を
混合して用いることができる。中でも、メタノール、エ
タノール、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホ
ルムなどが好ましい。例えば、活性エステルの場合に
は、活性エステル(好ましくはメチルエステルやエチル
エステル)と1ないし5当量のアミン(V)を触媒量ないし
2当量の有機アミン(例、トリエチルアミン、ピリジ
ン、トリアゾール、イミダゾール、ヒドロキシピリジン
など)とともに不活性溶媒中で反応させる。反応温度
は、室温ないし環流条件下(好ましくは50ないし12
0℃)、反応時間は1ないし60時間が好ましい。不活性
溶媒としては、アルコール系溶媒(例、メタノール、エ
タノールなど)などが用いられる。反応に用いるカルボ
ン酸(IV)およびアミン(V)は市販あるいは容易に入手可
能である。例えば、安息香酸誘導体はWO93/244
42に記載されている製造法などにより得ることができ
る。
【0044】かくして得られた化合物(Ib')はさら
に、自体公知の反応、例えば加水分解反応、エステル化
反応、アミド化反応、酸化反応、還元反応や下記脱保護
反応を1ないし2個を組み合わせることにより、化合物
(Ib)に導くことが出来る。「アルコール系溶媒」と
しては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、tert-ブタノールなどが用いられる。「エーテ
ル系溶媒」としては、例えば、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン(THF)、1,4-ジオキサン、1,2-ジメ
トキシエタンなどが用いられる。「ハロゲン系溶媒」と
しては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-
ジクロロエタン、四塩化炭素などが用いられる。「芳香
族系溶媒」としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、ピリジンなどが用いられる。「炭化水素系溶
媒」としては、例えば、ヘキサン、ペンタン、シクロヘ
キサンなどが用いられる。「アミド系溶媒」としては、
例えば、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジ
メチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどが用いら
れる。「ケトン系溶媒」としては、例えば、アセトン、
メチルエチルケトンなどが用いられる。「スルホキシド
系溶媒」としては、例えば、ジメチルスルホキシド(D
MSO)などが用いられる。「ニトリル系溶媒」として
は、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリルなどが
用いられる。
【0045】前記の各反応において、原料化合物が置換
基としてアミノ、カルボキシ、ヒドロキシ、カルボニル
を有する場合、これらの基にペプチド化学などで一般的
に用いられるような保護基が導入されていてもよく、反
応後に必要に応じて保護基を除去することにより目的化
合物を得ることができる。アミノの保護基としては、例
えば、ホルミル、C1−6アルキル-カルボニル(例、ア
セチル、プロピオニルなど)、C1−6アルコキシ-カル
ボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、tert-ブトキシカルボニルなど)、ベンゾイル、C
7−10アラルキル-カルボニル(例、ベンジルカルボニ
ルなど)、C −14アラルキルオキシ-カルボニル
(例、ベンジルオキシカルボニル、9-フルオレニルメト
キシカルボニルなど)、トリチル、フタロイル、N,N-ジ
メチルアミノメチレン、シリル(例、トリメチルシリ
ル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert
-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジエチルシリルな
ど)、C 2−6アルケニル(例、1-アリルなど)などが用
いられる。これらの基は、1ないし3個のハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−6アル
コキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシなど)また
はニトロなどで置換されていてもよい。カルボキシの保
護基としては、例えば、C1−6アルキル(例、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert-
ブチルなど)、C7−11アラルキル(例、ベンジルな
ど)、フェニル、トリチル、シリル(例、トリメチルシリ
ル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert
-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジエチルシリルな
ど)、C2−6アルケニル(例、1-アリルなど)などが用
いられる。これらの基は、1ないし3個のハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−6アル
コキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシなど)また
はニトロなどで置換されていてもよい。
【0046】ヒドロキシの保護基としては、例えば、C
1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、tert-ブチルなど)、フェニル、トリ
チル、C7−10アラルキル(例、ベンジルなど)、ホル
ミル、C1−6アルキル-カルボニル(例、アセチル、プ
ロピオニルなど)、ベンゾイル、C7−10アラルキル-
カルボニル(例、ベンジルカルボニルなど)、2-テトラヒ
ドロピラニル、2-テトラヒドロフラニル、シリル(例、
トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニ
ルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジ
エチルシリルなど)、C2−6アルケニル(例、1-アリル
など)などが用いられる。これらの基は、1ないし3個の
ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、
1− アルキル(例、メチル、エチル、n-プロピルな
ど)、C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシなど)またはニトロなどで置換されていてもよ
い。カルボニルの保護基としては、例えば、環状アセタ
ール(例、1,3-ジオキサンなど)、非環状アセタール
(例、ジ-C1−6アルキルアセタールなど)などが用い
られる。また、これらの保護基の除去方法は、自体公知
の方法、例えば、プロテクティブ グループス イン オ
ーガニック シンセシス(Protective Groups in Organi
cSynthesis)、 John Wiley and Sons 刊(1980)
に記載の方法などに準じて行うことができる。例えば、
酸、塩基、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、
N-メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチル
アンモニウムフルオリド、酢酸パラジウム、トリアルキ
ルシリルハライド(例えば、トリメチルシリルヨージ
ド、トリメチルシリルブロミドなど)などを使用する方
法、還元法などが用いられる。
【0047】化合物(Ib)は、公知の手段、例えば、
溶媒抽出、液性変換、転溶、晶出、再結晶、クロマトグ
ラフィーなどによって単離精製することができる。ま
た、化合物(Ib)の原料化合物またはその塩は、前記
と同様の公知の手段などによって単離精製することがで
きるが、単離することなくそのまま反応混合物として次
の工程の原料として供されてもよい。化合物(Ib)
が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体
を含有する場合には、これらも化合物(Ib)として含
有されるとともに、自体公知の合成手法、分離手法によ
りそれぞれを単品として得ることができる。例えば、化
合物(Ib)に光学異性体が存在する場合には、該化合
物から分割された光学異性体も化合物(Ib)に包含さ
れる。光学異性体は自体公知の方法により製造すること
ができる。具体的には、光学活性な合成中間体を用い
る、または、最終物のラセミ体の混合物を常法に従って
光学分割することにより光学異性体を得る。
【0048】光学分割法としては、自体公知の方法、例
えば、分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマ
ー法等が用いられる。 1)分別再結晶法 ラセミ体と光学活性な化合物(例えば、(+)-マンデル
酸、(-)-マンデル酸、(+)-酒石酸、(-)-酒石酸、(+)-1-
フェネチルアミン、(-)-1-フェネチルアミン、シンコニ
ン、(-)-シンコニジン、ブルシンなど)と塩を形成さ
せ、これを分別再結晶法によって分離し、所望により、
中和工程を経てフリーの光学異性体を得る方法。 2)キラルカラム法 ラセミ体またはその塩を光学異性体分離用カラム(キラ
ルカラム)にかけて分離する方法。例えば液体クロマト
グラフィの場合、ENANTIO-OVM(トーソー社製)あるい
は、ダイセル社製 CHIRALシリーズなどのキラルカラム
に光学異性体の混合物を添加し、水、種々の緩衝液(例
えば、リン酸緩衝液)、有機溶媒(例えば、エタノール、
メタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、トリ
フルオロ酢酸、ジエチルアミンなど)を単独あるいは混
合した溶液として展開させることにより、光学異性体を
分離する。また、例えば、ガスクロマトグラフィーの場
合、CP-Chirasil-DeX CB(ジーエルサイエンス社製)な
どのキラルカラムを使用して分離する。 3)ジアステレオマー法 ラセミ体の混合物を光学活性な試薬と化学反応によって
ジアステレオマーの混合物とし、これを通常の分離手段
(例えば、分別再結晶、クロマトグラフィ法等)などを経
て単一物質とした後、加水分解反応などの化学的な処理
により光学活性な試薬部位を切り離すことにより光学異
性体を得る方法。例えば、化合物(I)が分子内にヒド
ロキシまたは1,2級アミノを有する場合、該化合物と光
学活性な有機酸(例えば、MPTA〔α-メトキシ-α-(トリ
フルオロメチル)フェニル酢酸〕、(-)-メントキシ酢酸
等)などとを縮合反応に付すことにより、それぞれエス
テル体またはアミド体のジアステレオマーを得ることが
できる。一方、化合物(I)がカルボン酸基を有する場
合、該化合物と光学活性アミンまたはアルコール試薬と
を縮合反応に付すことにより、それぞれアミド体または
エステル体のジアステレオマーが得られる。分離された
ジアステレオマーは、酸加水分解あるいは塩基性加水分
解反応に付すことにより、元の化合物の光学異性体に変
換される。
【0049】化合物(I)(化合物(I’)、化合物
(Ia)、化合物(Ib)を含めて、以下化合物(I)
と称する)は、優れたβセクレターゼ阻害作用を有する
ため、βセクレターゼに関与する(1)神経変性疾患
(例、老年期痴呆、アルツハイマー病、ダウン症、パー
キンソン病、クロイツフェルト・ヤコブ病、筋萎縮性脊
髄側索硬化症、糖尿病性ニューロパシー等)、(2)脳
血管障害(例、脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化に伴う脳循
環不全等)時、頭部外傷・脊髄損傷時、脳炎後遺症時ま
たは脳性麻痺時の神経障害、(3)記憶障害(例、老年
期痴呆、健忘症等)または(4)精神疾患(例、うつ
病、恐慌性障害、精神分裂症等)等の予防・治療に有用
である。また、化合物(I)は、βセクレターゼを阻害
することにより、βアミロイド蛋白の産生・分泌を阻害
し、および/または、sAPPαの分泌を促進し、上記
した(1)神経変性疾患、(2)脳血管障害時、頭部外
傷・脊髄損傷時、脳炎後遺症時または脳性麻痺時の神経
障害、(3)記憶障害または(4)精神疾患等の予防・
治療にも有用である。さらに、化合物(I)は、神経栄
養因子様作用剤として有用であり、神経栄養因子が関与
する、上記した1)神経変性疾患、(2)脳血管障害
時、頭部外傷・脊髄損傷時、脳炎後遺症時または脳性麻
痺時の神経障害、(3)記憶障害または(4)精神疾患
等の予防・治療にも有用である。また、化合物(I)
は、頭部外傷・脊髄損傷時、脳炎後遺症時若しくは脳性
麻痺時の神経障害または精神疾患(例、うつ病、恐慌性
障害、精神分裂症等)等の予防・治療にも有用である。
化合物(I)は上記の疾患の予防治療において、例えば
アルツハイマー病治療薬(例えばドネペジル、リバスチ
グミン、ガランタミン、TAK−147等のコリンエス
テラーゼ阻害剤やイデベノン、メマンチン、ビンポセチ
ン等の脳機能賦活薬)、抗パーキンソン薬(例えばL−
ドーパ、デプレニル、カルビドパ+レボドパ、ペルゴラ
イド、ロピニロール、カベルゴリン、プラミペキソー
ル、エンタカプロン、ラザベミド等)、筋萎縮性脊髄側
索硬化症治療薬(例えばリルゾール、メカセルミン、ガ
バペンチン等)、神経栄養因子、抗うつ薬(例えばフル
オキセチン、サートラリン、パロキセチン、ベンラファ
キシン、ネファゾドン、レボキセチン、塩酸イミプラミ
ン、デュロキセチン等)、精神分裂病治療薬(例えばオ
ランザピン、リスペリドン、クエチアピン、イロペリド
ン等)等と組合わせて用いることもできる。
【0050】化合物(I)は毒性も低く、脳内移行性が
優れている。従って、化合物(I)は、安全に、哺乳動
物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒ
ツジ、ウマ、ブタ、ウシ、サル、ヒトなど)のβセクレ
ターゼに関与する疾患などの予防・治療剤として有用で
ある。化合物(I)は、自体公知の手段に従って製剤化
することができ、化合物(I)そのまま、あるいは薬理
学的に許容される担体を製剤化工程において適宜、適量
混合することにより医薬組成物、例えば、錠剤(糖衣
錠、フィルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、
カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐
剤、徐放剤などとして、経口的または非経口的(例、局
所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができ
る。本発明の医薬組成物中、化合物(I)の含有量は、
剤全体の通常約0.1〜100重量%である。投与量
は、投与対象、投与ルート、疾患などにより異なるが、
例えば、アルツハイマー病治療薬として、成人(約60k
g)に対し、経口剤として、1回当たり、有効成分(化合
物(I)として約0.01〜500mg、好ましくは約
0.1〜100mg、さらに好ましくは1〜100mgであ
り、1日1〜数回に分けて投与することができる。
【0051】本発明の組成物の製造に用いられる薬理学
的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各
種有機あるいは無機担体物質があげられ、例えば、固形
製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製
剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩
衝剤、無痛化剤などがあげられる。また、必要に応じ
て、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤
剤などの添加物を用いることもできる。賦形剤として
は、例えば、乳糖、白糖、D-マンニトール、デンプン、
コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸など
が用いられる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸
マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロ
イドシリカなどが用いられる。結合剤としては、例え
ば、結晶セルロース、白糖、D-マンニトール、デキスト
リン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプ
ン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロースナトリウムなどが用いられる。崩壊剤
としては、例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロス
カルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナ
トリウム、L-ヒドロキシプロピルセルロースなどが用い
られる。溶剤としては、例えば、注射用水、アルコー
ル、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、ト
ウモロコシ油などが用いられる。溶解補助剤としては、
例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、D-マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、
トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノール
アミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが用
いられる。懸濁化剤としては、例えば、ステアリルトリ
エタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル
アミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウ
ム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン
などの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリ
ウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロースなどの親水性高分子などが用いられる。等張
化剤としては、例えば、ブドウ糖、D-ソルビトール、塩
化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトールなどが用い
られる。緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、
炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが用いられる。無
痛化剤としては、例えば、ベンジルアルコールなどが用
いられる。防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香
酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコー
ル、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸
などが用いられる。抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸
塩、アスコルビン酸などが用いられる。
【0052】
【発明の実施の形態】本発明は、さらに以下の参考例、
実施例、実験例によって詳しく説明されるが、これらの
例は単なる実例であって、本発明を限定するものではな
く、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させても
よい。
【実施例】以下の参考例、実施例中の「室温」は0ないし
30℃を示し、有機溶媒の乾燥には無水硫酸マグネシウ
ムまたは無水硫酸ナトリウムを用いた。「%」は特記し
ない限り重量パーセントを意味する。赤外吸収スペクト
ルは、フーリエ変換形赤外分光光度計を用い、拡散反射
法で測定した。その他の本文中で用いられている略号は
下記の意味を示す。 s : シングレット(singlet) d : ダブレット(doublet) t : トリプレット(triplet) q : クァルテット(quartet) m : マルチプレット(multiplet) br : ブロード(broad) dd : ダブルダブレット(double doublet) J : カップリング定数(coupling constant) Hz : ヘルツ(Hertz) CDCl : 重クロロホルム THF : テトラヒドロフラン DMF : N,N-ジメチルホルムアミド DMSO : ジメチルスルホキシド H-NMR : プロトン核磁気共鳴(通常フリー体でCDCl
中で測定した。) IR : 赤外吸収スペクトル DMSO−d:重ジメチルスルホキシド WSC :1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロ
ピル)カルボジイミド塩酸塩 HOBt:1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール IPE :ジイソプロピルエーテル DMAP:4-ジメチルアミノピリジン WSCD:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロ
ピル)カルボジイミド
【0053】参考例1 (+)-N, N-ジメチル-(6-ヒドロキシ-2-テトラリン)アセ
トアミド
【化33】 メタンスルホン酸1638mLに室温でDL-メチオニン362.8g
と(+)-N, N-ジメチル-(6-メトキシ-2-テトラリン)アセ
トアミド 546.0gを少量ずつ添加して溶解した。窒素気
流下、加熱し内温110℃で8時間反応した。反応液を冷却
して内温10℃とし、メタノール2730mL、冷水1092mL、冷
25%アンモニア水を順に滴下してpH7.0に調整した。30℃
で1時間後、析出結晶をろ取し、メタノール:市水 (1:
2) 1640mLで2回洗浄した。50℃で恒量になるまで減圧乾
燥すると表題化合物が黄色結晶として475.3g(収率87.7
%)得られた。1 H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ : 1.32-1.36(1H, m),
1.82-1.86(1H, m), 2.04-2.08(1H, m), 2.22-2.32(3H,
m), 2.63-2.74(3H, m), 2.83(3H, s), 2.96(3H, s), 6.
45-6.50(2H, s), 6.79(1H, d, J=8.1Hz), 8.96(1H, s).
【0054】参考例2 (+)-N, N-ジメチル-(6-(4-ビフェニリル)メトキシ-2-テ
トラリン)アセトアミド
【化34】 DMF 1133mLに4-ヒドロキシメチルビフェニル 378.6gを
溶解し、内温20℃以下で塩化チオニル177.6mLを滴加す
る。室温で1.5時間反応した。反応液に酢酸エチル 2267
mLを添加し10℃に冷却後、市水 1133mLを20℃以下で滴
下した。有機層を分取し10%炭酸ナトリウム水溶液 1133
mL、5%炭酸水素ナトリウム水溶液 1133mL、水 1133mLの
順に洗浄した。有機層を分取し減圧下に濃縮し残留液量
が763gになるように調整し、DMF 872mLを加え再び減圧
濃縮して残存酢酸エチルを留去すると4-クロロメチルビ
フェニルのDMF溶液が1286g(含量:32.1%,収率99.1%)
得られた。このDMF溶液に(+)-N, N-ジメチル-(6-ヒドロ
キシ-2-テトラリン)アセトアミド435.9g, 炭酸カリウム
516.4gとDMF436mLを添加し、窒素気流下、内温80℃で3
時間攪拌した。反応液にメタノール1308mLを添加し、内
温60℃付近を保ちながら水1744mLを滴加し、60℃で30分
攪拌した。さらに、40℃で1時間攪拌後、析出結晶をろ
取し、メタノール1744mL次いで40℃に加温した水2180mL
で2回洗浄した。50℃で減圧乾燥すると表題化合物が淡
黄色結晶として726.8g(収率96.7%)得られた。1 H-NMR (300MHz, CDCl3)δ : 1.42-1.48(1H, m), 1.9
7-2.04(1H, m), 2.30-2.47(4H, m), 2.79-2.91(3H, m),
2.97(3H, s) , 3.01(3H, s) , 5.06(2H, s), 6.73-6.7
8(2H, m), 6.97 (1H, d, J=8.3Hz), 7.34-7.62(9H, m).
【0055】参考例3 (R)-(+)-6-(4-ビフェニリル)メトキシ-2-[2-(N, N-ジメ
チルアミノ)エチル]テトラリン 塩酸塩 1水和物(化
合物A)
【化35】 (+)-N, N-ジメチル-(6-(4-ビフェニリル)メトキシ-2-テ
トラリン)アセトアミド 695gをトルエン 3475mLに懸濁
し、窒素気流下、内温20℃以下でジヒドロ−ビス(2-
メトキシエトキシ)アルミン酸ナトリウム(70%トルエ
ン溶液) 562gを滴下した。室温で1.5時間攪拌後、20℃
以下で4N水酸化ナトリウム水溶液695mLを滴下し室温で3
0分間攪拌後、分液した。さらに有機層を1N水酸化ナト
リウム水溶液695mLで2回、水1390mLで2回で洗浄した。
有機層にトルエン348mLを加えて60℃に加熱し、濃塩酸1
75mL(含量:36%)を滴下した。 氷冷下、1時間攪拌
後、析出結晶をろ取し、トルエン695mL、50%メタノール
水溶液1390mLで洗浄した。40℃で減圧乾燥すると表題化
合物が淡黄色結晶として723g(収率:94.4%)得られ
た。1 H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ : 1.32-1.40( 1H, m),
1.62-1.74(3H, m), 1.82-1.90(1H, m), 2.28-2.38(1H,
m), 2.74(6H, s), 2.76-2.82(3H, br), 3.08-3.16(2H,
m), 5.09(2H, s), 6.72-6.80(2H, m), 6.96(1H, d, J=
8.0Hz), 7.32-7.38(1H, m), 7.44-7.54(4H, m), 7.64-
7.72(4H, m), 10.4(1H, br).
【0056】参考例4 4-(4-ビフェニリルメトキシ)フ
ェニル酢酸
【化36】 エチル 4-ヒドロキシフェニル酢酸(3.6 g)のDMF(50 ml)
溶液に炭酸カリウム(2.5 g)と4-フェニルベンジルクロ
リド(4 g)を加えた。反応液を60℃で6時間撹拌後水にあ
けた。得られた結晶を酢酸エチルに懸濁し、水洗後濃縮
した。得られた粗結晶をTHF(100 ml)とエタノール(50 m
l)に溶かし、2N水酸化ナトリウム(20 ml)を加えた。反
応液を18時間60℃で加熱撹拌後濃縮した。残さに2N塩酸
を加え、酸性とし、得られた結晶をろ取し、エチルエー
テルで洗浄し、標題化合物(5.3 g)を得た。 融点:170-171℃
【0057】参考例5 4-(4-ビフェニリルメトキシ)フ
ェニル-N-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル]アセトアミ
ド(化合物B)
【化37】 4-(4-ビフェニリルメトキシ)フェニル酢酸(0.6 g)のTHF
(30 ml)溶液にWSC(0.4g)とHOBt(0.3 g)を加えた。反応
液にN,N-ジメチルエチレンジアミン(0.2 g)を加えた。
室温で18時間撹拌後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで
抽出した。有機層を水洗、乾燥後濃縮した。残さを酢酸
エチル/エタノールから再結晶して標題化合物(0.3 g)を
得た。 融点:160-161℃
【0058】 常法に従い上記(1)〜(6)を混合し、錠剤機により打
錠し、錠剤を得た。
【0059】製剤例2 化合物A含有フィルム錠 処方:
【表1】 流動層造粒乾燥機(FD−5S,(株)パウレック)中
で、化合物A(440g)、D−マンニトール(407
0g)及びトウモロコシデンプン(605g)を均一に
混合後、機内で、ヒドロキシプロピルセルロース(HP
C−L)(165g)を溶解した水溶液を噴霧して造粒
し、ついで流動層造粒乾燥機中で乾燥した。得られた造
粒物を、パワーミルを用い、1.5mmφパンチングス
クリーンで解砕して整粒末とした。得られた整粒末(4
704g)に、トウモロコシデンプン(161.7g)
及びステアリン酸マグネシウム(34.3g)を加え、
タンブラー混合機で混合し打錠用顆粒とし、この顆粒を
打錠機で6.5mmφの杵を用いて重量100mgで打
錠し、裸錠とした。ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス2910(TC−5(商品名)信越化学工業製)を溶
解し、酸化チタン及び黄色三二酸化鉄を水に分散した液
と混合した。コーティング機中(DRC-500)で得られた裸
錠に噴霧し、1錠当り化合物Aを8mg含有するフィル
ム錠約42000錠を得た。
【0060】試験例1 βセクレターゼ阻害作用の測定 大腸菌を用いての遺伝子操作法は、モレキュラー・クロ
ーニング(Molecularcloning)に記載されている方法に
従った。 (1)ヒトβセクレターゼ発現用プラスミドの構築 βセクレターゼをコードする遺伝子の塩基配列におい
て、Bennettらの報告(Science 286,735-741(199
9))している塩基配列と比較して、クローン番号FG040
87(GenBank Accession No.AB032975、かずさDNA
研究所)の塩基配列に1塩基の挿入(第102番目)が
あったため、変換を行い、さらに精製が容易なようにC
末端側にFlagペプチド(Asp-Tyr-Lys-Asp-Asp-Asp-
Asp-Lys(配列番号:8))をコードする塩基配列(5'
−GATTACAAGGATGACGACGATAAG−3'(配列番号:1))を
付加した。まず、クローン番号FG04087の遺伝子を鋳型
に、Bennettらが報告しているβ−セクレターゼ遺伝子
塩基配列を参考に作製したプライマーセット:5'−GGC
ACCACCAACCTTCGT−3'(配列番号:2)とFlagペプ
チドをコードする塩基配列を含む5'−GGTACCTACTTATCG
TCGTCATCCTTGTAATCCTTCAGCAGGGAGATGTCATCAG−3'(配
列番号:3)とを各20pmol ずつ添加し、KOD(東
洋紡)を使用してPCR反応をMiniCyclerTM(MJ RES
ERCH社)にて行った(反応条件:94℃で2分間を1サ
イクル、98℃で15秒間、72℃で2秒間、74℃で
10秒間を3サイクル、98℃で15秒間、68℃で2
秒間、74℃で10秒間を3サイクル、98℃で15秒
間、64℃で2秒間、74℃で10秒間を3サイクル、
98℃で15秒間、60℃で2秒間、74℃で10秒間
を28サイクル)。そのPCR産物をアガロースゲル電
気泳動し、約700b のDNA断片を回収した。その断
片をZero Blunt TOPO PCR Cloning Kit(Invitrogen
社)を用いて、クローニングした。得られたプラスミド
を制限酵素ApaI(宝酒造)とKpnI(宝酒造)で
消化した後、アガロースゲル電気泳動し、約250bの
DNA断片を回収した。クローン番号FG04087を含むプ
ラスミドをApaIで消化した後、アガロースゲル電気
泳動し、約1.2kb のDNA断片を回収した。これら
DNA断片とApaIとKpnI で消化した動物細胞
用発現プラスミド pcDNA3.1(−)(フナコシ)を
混合し、 Ligation High(東洋紡)を用いて連結し、大
腸菌JM109のコンピテントセル(宝酒造)を形質転
換することでプラスミド pBACE1を得た。次に1塩
基挿入の変換を行うために、クローン番号FG04087の遺
伝子を鋳型に、Bennettらが報告しているβ−セクレタ
ーゼ遺伝子塩基配列を参考に作製したプライマーセッ
ト:5'−TAATACGACTCACTATAGGG−3'(配列番号:4)
と5'−GGCGCCCCCCAGACCACTTCTCAG−3'(配列番号:
5)を各20pmol ずつ添加し、KOD(東洋紡)を使
用して、PCR反応をMiniCyclerTM(MJ RESERCH社)
にて行った(反応条件:94℃で2分間を1サイクル、
98℃で15秒間、72℃で2秒間、74℃で10秒間
を3サイクル、98℃で15秒間、68℃で2秒間、7
4℃で5秒間を3サイクル、98℃で15秒間、64℃
で2秒間、74℃で5秒間を3サイクル、98℃で15
秒間、60℃で2秒間、74℃で5秒間を28サイク
ル)。そのPCR産物をアガロースゲル電気泳動し、約
170b のDNA断片を回収した。その断片をZero Blu
nt TOPOPCR Cloning Kit(Invitrogen社)を用いて、ク
ローニングした。得られたプラスミドを制限酵素Apa
I(宝酒造)とBbeI(宝酒造)で消化した後、アガ
ロースゲル電気泳動し、約120b のDNA断片を回収
した。pBACE1を同様の制限酵素で消化した後、ア
ガロースゲル電気泳動し、約1.1kb のDNA断片を
回収した。さらにpBACE1をApaIで消化した
後、アガロースゲル電気泳動し、約5.7kbのDNA
断片を回収した。これらの3つの断片をLigation Hig
h(東洋紡)を用いて連結し、大腸菌JM109のコン
ピテントセル(宝酒造)を形質転換することでプラスミ
ド pBACE2を得た。得られたcDNA断片は、配列
番号:6で表わされる塩基配列を有しており、その塩基
配列の第1番目〜第1527番目に配列番号:7で表わ
されるアミノ酸配列がコードされていた。
【0061】(2)組換え型ヒトβセクレターゼのCO
S7細胞での発現と精製 10%ウシ胎児血清(ライフテックオリエンタル)を含
むD−MEM培地(日研生物医学研究所)を用いてテイ
ッシュカルチャーフラスコ150ml(ベクトンディキン
ソン)で生育させたCOS7細胞に15μgのヒトβ−
セクレターゼ発現用プラスミドpBACE2と45μl
のFugene6(ロッシュ・ダイアグノスティック
ス)、1.5mlのD−MEM培地を15分間、室温で
放置したものを添加した。2日間培養後、細胞を回収
し、5mlの縣濁用緩衝液(0.01M Tris−H
Cl(pH8)、0.15M NaCl、1mM ED
TA、0.5mM PMSF)を添加後、超音波破砕機
(トミー精工UR−200P)(破砕条件:アウトプッ
ト5、5秒間)を用いて破砕した。その破砕液を遠心分
離(500g、10分間)し、その上清をさらに超遠心
分離(100,000g、45分間)し、その沈殿物を
0.5mlの可溶化用緩衝液(0.01M Tris−
HCl(pH8)、0.05M オクチル−β−グルコ
シド1mM EDTA、0.5mM PMSF)で可溶
化(4℃、2.5時間)した後、超遠心分離(100,
000g、45分間)した。その上清を100μlの抗
Flag抗体(シグマ)を用いて精製した。その結果、
目的の約70kDaの組換え型ヒトβセクレターゼを4
μg取得できた。
【0062】(3)βセクレターゼ阻害作用の測定 96穴プレート(黒色プレート、コーニング社)に25
μの0.05M 酢酸緩衝液(pH4.5)、10μl
の250μM Nma-Ser-Glu-Val-Asn-Leu-Asp-Ala-Glu-L
ys(Dnp)-Arg-Arg-NH2(配列番号:9)、上記(2)で
得られた10μlの組換え型βセクレターゼ(0.00
5mg/ml)、5μlの12.3μM化合物A 10
%DMF溶液を添加し、対照には5μlの10%DMF
をそれぞれ添加し、37℃にて22時間反応した。反応
終了後、蛍光強度(励起波長325nM、測定波長46
0nM)をフルオロスキャンアセント(ラボシステムズ
社)を用いて測定した。同様に特開平11−80098
号記載の製造法及び参考例3の化合物Aの製造法に準じ
て得られる化合物C〜Jについても阻害活性を調べた。
結果(IC50)を表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】化合物(I)は、優れたβセクレターゼ
阻害作用を有するため、βセクレターゼに関与する
(1)神経変性疾患(例、老年期痴呆、アルツハイマー
病、ダウン症、パーキンソン病、クロイツフェルト・ヤ
コブ病、筋萎縮性脊髄側索硬化症、糖尿病性ニューロパ
シー等)、(2)脳血管障害(例、脳梗塞、脳出血、脳
動脈硬化に伴う脳循環不全等)時、頭部外傷・脊髄損傷
時、脳炎後遺症時または脳性麻痺時の神経障害、(3)
記憶障害(例、老年期痴呆、健忘症等)または(4)精
神疾患(例、うつ病、恐慌性障害、精神分裂症等)等の
予防・治療に有用である。
【0065】
【配列表フリーテキスト】配列番号:1 Designed oligonucleotide encoding FLAG peptide 配列番号:2 Primer 配列番号:3 Primer comprising DNA sequence encoding Flag pepti
de 配列番号:4 Primer 配列番号:5 Primer 配列番号:8 FLAG peptide 配列番号:9 Designed substrate for β secretase
【0066】
【配列表】 Sequence Listing <110> Takeda Chemical Industries,Ltd. <120> β secretase inhibitor <130> 177421 <150> JP 2000-152758 <151> 2000-05-19 <210> 1 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide encoding FLAG peptide <400> 1 GATTACAAGG ATGACGACGA TAAG 24 <210> 2 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 2 GGCACCACCA ACCTTCGT 18 <210> 3 <211> 55 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer comprising DNA sequence encoding Flag peptide <400> 3 GGTACCTACT TATCGTCGTC ATCCTTGTAA TCCTTCAGCA GGGAGATGTC ATCAG 55 <210> 4 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 4 TAATACGACT CACTATAGGG 20 <210> 5 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 5 GGCGCCCCCC AGACCACTTC TCAG 24 <210> 6 <211> 1527 <212> DNA <213> Human <400> 6 ATGGCCCAAG CCCTGCCCTG GCTCCTGCTG TGGATGGGCG CGGGAGTGCT GCCTGCCCAC 60 GGCACCCAGC ACGGCATCCG GCTGCCCCTG CGCAGCGGCC TGGGGGGCGC CCCCCTGGGG 120 CTGCGGCTGC CCCGGGAGAC CGACGAAGAG CCCGAGGAGC CCGGCCGGAG GGGCAGCTTT 180 GTGGAGATGG TGGACAACCT GAGGGGCAAG TCGGGGCAGG GCTACTACGT GGAGATGACC 240 GTGGGCAGCC CCCCGCAGAC GCTCAACATC CTGGTGGATA CAGGCAGCAG TAACTTTGCA 300 GTGGGTGCTG CCCCCCACCC CTTCCTGCAT CGCTACTACC AGAGGCAGCT GTCCAGCACA 360 TACCGGGACC TCCGGAAGGG TGTGTATGTG CCCTACACCC AGGGCAAGTG GGAAGGGGAG 420 CTGGGCACCG ACCTGGTAAG CATCCCCCAT GGCCCCAACG TCACTGTGCG TGCCAACATT 480 GCTGCCATCA CTGAATCAGA CAAGTTCTTC ATCAACGGCT CCAACTGGGA AGGCATCCTG 540 GGGCTGGCCT ATGCTGAGAT TGCCAGGCCT GACGACTCCC TGGAGCCTTT CTTTGACTCT 600 CTGGTAAAGC AGACCCACGT TCCCAACCTC TTCTCCCTGC AGCTTTGTGG TGCTGGCTTC 660 CCCCTCAACC AGTCTGAAGT GCTGGCCTCT GTCGGAGGGA GCATGATCAT TGGAGGTATC 720 GACCACTCGC TGTACACAGG CAGTCTCTGG TATACACCCA TCCGGCGGGA GTGGTATTAT 780 GAGGTGATCA TTGTGCGGGT GGAGATCAAT GGACAGGATC TGAAAATGGA CTGCAAGGAG 840 TACAACTATG ACAAGAGCAT TGTGGACAGT GGCACCACCA ACCTTCGTTT GCCCAAGAAA 900 GTGTTTGAAG CTGCAGTCAA ATCCATCAAG GCAGCCTCCT CCACGGAGAA GTTCCCTGAT 960 GGTTTCTGGC TAGGAGAGCA GCTGGTGTGC TGGCAAGCAG GCACCACCCC TTGGAACATT 1020 TTCCCAGTCA TCTCACTCTA CCTAATGGGT GAGGTTACCA ACCAGTCCTT CCGCATCACC 1080 ATCCTTCCGC AGCAATACCT GCGGCCAGTG GAAGATGTGG CCACGTCCCA AGACGACTGT 1140 TACAAGTTTG CCATCTCACA GTCATCCACG GGCACTGTTA TGGGAGCTGT TATCATGGAG 1200 GGCTTCTACG TTGTCTTTGA TCGGGCCCGA AAACGAATTG GCTTTGCTGT CAGCGCTTGC 1260 CATGTGCACG ATGAGTTCAG GACGGCAGCG GTGGAAGGCC CTTTTGTCAC CTTGGACATG 1320 GAAGACTGTG GCTACAACAT TCCACAGACA GATGAGTCAA CCCTCATGAC CATAGCCTAT 1380 GTCATGGCTG CCATCTGCGC CCTCTTCATG CTGCCACTCT GCCTCATGGT GTGTCAGTGG 1440 CGCTGCCTCC GCTGCCTGCG CCAGCAGCAT GATGACTTTG CTGATGACAT CTCCCTGCTG 1500 AAGGATTACA AGGATGACGA CGATAAG 1527 <210> 7 <211> 509 <212> PRT <213> Human <400> 7 Met Ala Gln Ala Leu Pro Trp Leu Leu Leu Trp Met Gly Ala Gly Val 5 10 15 Leu Pro Ala His Gly Thr Gln His Gly Ile Arg Leu Pro Leu Arg Ser 20 25 30 Gly Leu Gly Gly Ala Pro Leu Gly Leu Arg Leu Pro Arg Glu Thr Asp 35 40 45 Glu Glu Pro Glu Glu Pro Gly Arg Arg Gly Ser Phe Val Glu Met Val 50 55 60 Asp Asn Leu Arg Gly Lys Ser Gly Gln Gly Tyr Tyr Val Glu Met Thr 65 70 75 80 Val Gly Ser Pro Pro Gln Thr Leu Asn Ile Leu Val Asp Thr Gly Ser 85 90 95 Ser Asn Phe Ala Val Gly Ala Ala Pro His Pro Phe Leu His Arg Tyr 100 105 110 Tyr Gln Arg Gln Leu Ser Ser Thr Tyr Arg Asp Leu Arg Lys Gly Val 115 120 125 Tyr Val Pro Tyr Thr Gln Gly Lys Trp Glu Gly Glu Leu Gly Thr Asp 130 135 140 Leu Val Ser Ile Pro His Gly Pro Asn Val Thr Val Arg Ala Asn Ile 145 150 155 160 Ala Ala Ile Thr Glu Ser Asp Lys Phe Phe Ile Asn Gly Ser Asn Trp 165 170 175 Glu Gly Ile Leu Gly Leu Ala Tyr Ala Glu Ile Ala Arg Pro Asp Asp 180 185 190 Ser Leu Glu Pro Phe Phe Asp Ser Leu Val Lys Gln Thr His Val Pro 195 200 205 Asn Leu Phe Ser Leu Gln Leu Cys Gly Ala Gly Phe Pro Leu Asn Gln 210 215 220 Ser Glu Val Leu Ala Ser Val Gly Gly Ser Met Ile Ile Gly Gly Ile 225 230 235 240 Asp His Ser Leu Tyr Thr Gly Ser Leu Trp Tyr Thr Pro Ile Arg Arg 245 250 255 Glu Trp Tyr Tyr Glu Val Ile Ile Val Arg Val Glu Ile Asn Gly Gln 260 265 270 Asp Leu Lys Met Asp Cys Lys Glu Tyr Asn Tyr Asp Lys Ser Ile Val 275 280 285 Asp Ser Gly Thr Thr Asn Leu Arg Leu Pro Lys Lys Val Phe Glu Ala 290 295 300 Ala Val Lys Ser Ile Lys Ala Ala Ser Ser Thr Glu Lys Phe Pro Asp 305 310 315 320 Gly Phe Trp Leu Gly Glu Gln Leu Val Cys Trp Gln Ala Gly Thr Thr 325 330 335 Pro Trp Asn Ile Phe Pro Val Ile Ser Leu Tyr Leu Met Gly Glu Val 340 345 350 Thr Asn Gln Ser Phe Arg Ile Thr Ile Leu Pro Gln Gln Tyr Leu Arg 355 360 365 Pro Val Glu Asp Val Ala Thr Ser Gln Asp Asp Cys Tyr Lys Phe Ala 370 375 380 Ile Ser Gln Ser Ser Thr Gly Thr Val Met Gly Ala Val Ile Met Glu 385 390 395 400 Gly Phe Tyr Val Val Phe Asp Arg Ala Arg Lys Arg Ile Gly Phe Ala 405 410 415 Val Ser Ala Cys His Val His Asp Glu Phe Arg Thr Ala Ala Val Glu 420 425 430 Gly Pro Phe Val Thr Leu Asp Met Glu Asp Cys Gly Tyr Asn Ile Pro 435 440 445 Gln Thr Asp Glu Ser Thr Leu Met Thr Ile Ala Tyr Val Met Ala Ala 450 455 460 Ile Cys Ala Leu Phe Met Leu Pro Leu Cys Leu Met Val Cys Gln Trp 465 470 475 480 Arg Cys Leu Arg Cys Leu Arg Gln Gln His Asp Asp Phe Ala Asp Asp 485 490 495 Ile Ser Leu Leu Lys Asp Tyr Lys Asp Asp Asp Asp Lys 500 505 <210> 8 <211> 8 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> FLAG peptide <400> 8 Asp Tyr Lys Asp Asp Asp Asp Lys 8 <210> 9 <211> 11 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed substrate for β secretase <400> 9 Ser Glu Val Asn Leu Asp Ala Glu Lys Arg Arg 11
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 25/18 A61P 25/18 25/28 25/28 43/00 105 43/00 105 111 111 // C07D 233/60 C07D 233/60 295/08 295/08 Z (72)発明者 樽井 直樹 奈良県奈良市三碓1丁目6番1号 Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 BC07 BC21 BC38 MA01 MA04 NA14 ZA02 ZA15 ZA16 ZB21 ZC20 4C206 AA01 AA02 FA11 MA01 MA04 NA14 ZA02 ZA15 ZA16 ZB21 ZC20

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 〔式中、Arは置換基を有していてもよい芳香族基を示
    し、Xは−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO
    −、−NR−、−CONR−、−SONR
    および−COO−から選ばれる2価の基(Rは水素原
    子、置換基を有していてもよい炭化水素基またはアシル
    を示す)、これらの2価の基を1または2個含んでいて
    もよい2価のC1−6脂肪族炭化水素基または結合手を
    示し、Yは−O−、−S−、−CO−、−SO−、−S
    −、−NR−、−CONR−、−SONR
    −および−COO−から選ばれる2価の基(Rは水素
    原子、置換基を有していてもよい炭化水素基またはアシ
    ルを示す)またはこれらの2価の基を1または2個含ん
    でいてもよい2価のC1−6脂肪族炭化水素基を示し、
    およびRは水素原子または置換基を有していても
    よい炭化水素基を示し、RとRは隣接する窒素原子
    と共に置換基を有していてもよい含窒素複素環を形成し
    てもよく、A環はさらに置換基を有していてもよい環を
    示す。〕で表される化合物またはその塩を含有してなる
    βセクレターゼ阻害剤。
  2. 【請求項2】 式 【化2】 〔式中、Arは置換基を有していてもよい芳香族基を示
    し、Xは−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO
    −、−NR−、−CONR−、−SONR
    および−COO−から選ばれる2価の基(Rは水素原
    子、置換基を有していてもよい炭化水素基またはアシル
    を示す)、これらの2価の基を1または2個含んでいて
    もよい2価のC1−6脂肪族炭化水素基または結合手を
    示し、Yは−O−、−S−、−CO−、−SO−、−S
    −、−NR−、−CONR−、−SONR
    −および−COO−から選ばれる2価の基(Rは水素
    原子、置換基を有していてもよい炭化水素基またはアシ
    ルを示す)またはこれらの2価の基を1または2個含ん
    でいてもよい2価のC1−6脂肪族炭化水素基を示し、
    およびRは水素原子または置換基を有していても
    よいC1−6アルキルを示し、RとRは隣接する窒
    素原子と共に置換基を有していてもよい含窒素複素環を
    形成してもよく、A環はさらに置換基を有していてもよ
    い芳香環を示す。〕で表される化合物またはその塩を含
    有してなる請求項1記載の阻害剤。
  3. 【請求項3】 式 【化3】 〔式中、Arは置換基を有していてもよい芳香族基を示
    し、Xは−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO
    −、−NR−、−CONR−、−SONR
    および−COO−から選ばれる2価の基(Rは水素原
    子、置換基を有していてもよい炭化水素基またはアシル
    を示す)、これらの2価の基を1または2個含んでいて
    もよい2価のC1−6脂肪族炭化水素基または結合手を
    示し、Yは−O−、−S−、−CO−、−SO−、−S
    −、−NR−、−CONR−、−SONR
    −および−COO−から選ばれる2価の基(Rは水素
    原子、置換基を有していてもよい炭化水素基またはアシ
    ルを示す)またはこれらの2価の基を1または2個含ん
    でいてもよい2価のC1−6脂肪族炭化水素基を示し、
    およびRは水素原子または置換基を有していても
    よいC1−6アルキルを示し、RとRは隣接する窒
    素原子と共に置換基を有していてもよい含窒素複素環を
    形成してもよく、A環はさらに置換基を有していても
    よいベンゼン環を、B環はさらに置換基を有していても
    よい4ないし8員環を示す。〕で表される化合物または
    その塩を含有してなる請求項1記載の阻害剤。
  4. 【請求項4】 式 【化4】 〔式中、Arは置換基を有していてもよい芳香族基を示
    し、Xは−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO
    −、−NR−、−CONR−、−SONR
    および−COO−から選ばれる2価の基(Rは水素原
    子、置換基を有していてもよい炭化水素基またはアシル
    を示す)、これらの2価の基を1または2個含んでいて
    もよい2価のC1−6脂肪族炭化水素基または結合手を
    示し、Yは−O−、−S−、−CO−、−SO−、−S
    −、−NR−、−CONR−、−SONR
    −および−COO−から選ばれる2価の基(Rは水素
    原子、置換基を有していてもよい炭化水素基またはアシ
    ルを示す)またはこれらの2価の基を1または2個含ん
    でいてもよい2価のC1−6脂肪族炭化水素基を示し、
    およびRは水素原子または置換基を有していても
    よいC1−6アルキルを示し、RとRは隣接する窒
    素原子と共に置換基を有していてもよい含窒素複素環を
    形成してもよく、A環はさらに置換基を有していても
    よい単環式芳香環を示す。〕で表される化合物またはそ
    の塩を含有してなる請求項1記載の阻害剤。
  5. 【請求項5】 Arで示される芳香族基が単環式芳香族
    基、環集合芳香族基または縮合芳香族基である請求項1
    記載の阻害剤。
  6. 【請求項6】 Arが置換基を有していてもよい環集合
    芳香族基である請求項1記載の阻害剤。
  7. 【請求項7】 環集合芳香族基がビフェニリルである請
    求項6記載の阻害剤。
  8. 【請求項8】 Xが−(CH)pO−(pは1ないし
    3の整数を示す)、−CONH−、−SONH−また
    はC1−3アルキレンである請求項1記載の阻害剤。
  9. 【請求項9】 YがC1−3アルキレン、−(CH
    qCONR(CH )r−(式中、qおよびrはそれ
    ぞれ0ないし3でありかつ、その合計が3以下の整数
    を、Rは水素原子またはハロゲン化されていてもよい
    1−6アルキルまたはハロゲン化されていてもよいC
    1−6アルキル−カルボニルを示す)または−(C
    )qCOO(CH)r−(式中の記号は前記と同
    意義を示す)である請求項1記載の阻害剤。
  10. 【請求項10】 A環で示される環が単環式芳香環また
    は縮合芳香環である請求項1記載の阻害剤。
  11. 【請求項11】 A環が各々ハロゲン原子または/およ
    びC1−6アルコキシで置換されていてもよいベンゼン
    環、6員含窒素芳香族複素環またはテトラリン環である
    請求項1記載の阻害剤。
  12. 【請求項12】 A環がAr−X−で表わされる基およ
    び 【化5】 で表わされる基の二置換ベンゼン環またはテトラリン環
    である請求項1記載の阻害剤。
  13. 【請求項13】 Arがビフェニリルで、Xが−(CH
    )pO−(pは1ないし3の整数を示す)、−CON
    H−、−SONH−またはC1−3アルキレンで、Y
    がC1−3アルキレンまたは−(CH)qCONH
    (CH)r−(式中、qおよびrはそれぞれ0ないし
    3でありかつ、その合計が3以下の整数を示す)で、R
    およびRがそれぞれ水素原子またはC1−6アルキ
    ルを示すか、あるいはRとRとが隣接する窒素原子
    と共に5または6員の含窒素複素環を形成し、A環が各
    々ハロゲン原子または/およびC1−6アルコキシで置
    換されていてもよいベンゼン環、6員含窒素芳香族複素
    環またはテトラリン環である請求項1記載の阻害剤。
  14. 【請求項14】 A環がAr−X−で表わされる基およ
    び 【化6】 で表わされる基の二置換ベンゼン環またはテトラリン環
    である請求項13記載の阻害剤。
  15. 【請求項15】 βセクレターゼに関与する(i)神経
    変性疾患、(ii)脳血管障害時、頭部外傷・脊髄損傷
    時、脳炎後遺症時または脳性麻痺時の神経障害、(ii
    i)記憶障害または(iv)精神疾患の予防・治療剤で
    ある請求項1記載の阻害剤。
  16. 【請求項16】 sAPPαの分泌を促進すること、ま
    たはsAPPαの分泌を促進し、かつβアミロイド蛋白
    の産生・分泌を阻害することによる(i)神経変性疾
    患、(ii)脳血管障害時、頭部外傷・脊髄損傷時、脳
    炎後遺症時または脳性麻痺時の神経障害、(iii)記
    憶障害または(iv)精神疾患の予防・治療剤である請
    求項1記載の阻害剤。
  17. 【請求項17】 神経変性疾患がアルツハイマー病また
    はパーキンソン病である請求項15または16記載の阻
    害剤。
  18. 【請求項18】 sAPPα分泌促進剤である請求項1
    記載の阻害剤。
  19. 【請求項19】 神経栄養因子様作用剤である請求項1
    記載の阻害剤。
  20. 【請求項20】 頭部外傷・脊髄損傷時、脳炎後遺症時
    若しくは脳性麻痺時の神経障害または精神疾患の予防・
    治療剤である請求項1記載の阻害剤。
  21. 【請求項21】 sAPPα分泌促進剤、神経栄養因子
    様作用剤あるいは頭部外傷・脊髄損傷時、脳炎後遺症時
    もしくは脳性麻痺時の神経障害、記憶障害または精神疾
    患の予防・治療剤の製造における請求項1記載のβセク
    レターゼ阻害剤の使用。
  22. 【請求項22】 請求項1記載のβセクレターゼ阻害剤
    の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする、βセ
    クレターゼに関与する(i)神経変性疾患、(ii)脳
    血管障害時、頭部外傷・脊髄損傷時、脳炎後遺症時また
    は脳性麻痺時の神経障害、(iii)記憶障害または
    (iv)精神疾患の治療方法。
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