JP2004091483A - 置換アミノ化合物およびその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】 優れたβセクレターゼ阻害作用、Aβ産生・分泌・凝集阻害作用を有し、かつ医薬品として十分満足できる化合物を提供する。
【解決手段】 式(I)
【化1】
〔式中、A環は置換基を有していてもよい芳香環基、R1は、各々、置換基を有していてもよいアリール−C0−6アルキル、ヘテロアリール−C0−6アルキル、C1−6アルキル等、R2は水素、各々、置換基を有していてもよいアリール−C0−6アルキル、ヘテロアリール−C0−6等、R3は、各々、置換基を有していてもよいアリール−C0−6アルキル、ヘテロアリール−C0−6アルキル、C2−10アルキル等、XおよびYは、酸素等、実線と破線で示す結合部位は単結合または二重結合を示す〕で表される化合物、それを含有するβセクレターゼ阻害剤。
【選択図】なし
【解決手段】 式(I)
【化1】
〔式中、A環は置換基を有していてもよい芳香環基、R1は、各々、置換基を有していてもよいアリール−C0−6アルキル、ヘテロアリール−C0−6アルキル、C1−6アルキル等、R2は水素、各々、置換基を有していてもよいアリール−C0−6アルキル、ヘテロアリール−C0−6等、R3は、各々、置換基を有していてもよいアリール−C0−6アルキル、ヘテロアリール−C0−6アルキル、C2−10アルキル等、XおよびYは、酸素等、実線と破線で示す結合部位は単結合または二重結合を示す〕で表される化合物、それを含有するβセクレターゼ阻害剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、優れたアミロイドβ蛋白産生・分泌・凝集阻害作用を有する置換アミノ化合物およびアミロイドβ蛋白に起因する疾患、例えば神経変性疾患(例、アルツハイマー病、老年性痴呆症、ダウン症、パーキンソン病など)、アミロイドアンジオパシー、脳血管障害時の神経細胞障害などの予防・治療に有効な剤等に関する。
アルツハイマー病は、神経細胞変性・脱落と共に、老人斑の形成および神経原線維変化を特徴とする神経変性疾患である。アルツハイマー病に最も特徴的な老人斑は、アミロイドβ蛋白(以下、Aβと略記することもある)を主成分として(Biochem. Biophys. Res. Commun. 122巻, 1131頁(1984))、生体成分が脳内に沈着したものである。アミノ酸40または42個からなるAβ(以下、それぞれAβ1−40およびAβ1−42と略記する。)は、神経細胞に対して毒性を示し、神経原線維変化を惹起することが知られている。
また、家族性アルツハイマー病患者の中にはAPP(Amyloid Precursor Protein)遺伝子に変異が認められる場合もあり、この変異遺伝子を導入した細胞では、Aβの産生・分泌量の増加が指摘されている(例、Nature 360巻, 672頁(1992)、Science 259巻, 514頁(1993)、Science 264巻, 1336頁(1994)等)。
このため、Aβの産生・分泌を阻害する薬剤はAβに起因する疾患(例、アルツハイマー病、ダウン症など)の予防・治療に有効である。
一方、分泌型APPは、神経栄養因子様作用を有することが報告されている(ニューロン(Neuron)、10巻、243-254頁、1993年)。かかる神経栄養因子様作用としては、(1)神経細胞の生存・維持作用、(2)シナプスの形成促進作用、(3)神経細胞死保護作用、(4)海馬での長期増強作用などが挙げられる。このため、分泌型APPの分泌を促進する薬剤には、上記作用を介して、(1)神経変性疾患(例、アルツハイマー病、ダウン症、老年期痴呆、パーキンソン病、クロイツフェルト・ヤコブ病、筋萎縮性脊髄側索硬化症、糖尿病性ニューロパシー、ハンチントン舞踏病、多発性硬化症など)、(2)脳血管障害(例、脳梗塞、脳出血など)、による、頭部外傷による、または脊髄損傷による神経障害の予防・治療に有用である。
また、EP−A−652009には、プロテアーゼ阻害作用を有し、細胞レベルでAβ産生阻害作用を有するペプチド誘導体が開示されている。
このAβの産生は、その前駆体蛋白であるAPP(Amyloid Precursor Protein)より、βセクレターゼとγセクレターゼにより切り出される。最近、いくつかの研究所より、βセクレターゼのcDNAの単離が報告され、実体が明らかとなった(例、サイエンス(Science)、286巻、735ページ(1999)、ネイチャー(Nature)、402巻、533頁(1999)、ネイチャー(Nature)、402巻、537頁(1999)等)。家族性アルツハイマー病患者の中にはAPP遺伝子に変異が認められる場合もあり、この変異遺伝子を導入した細胞では、Aβの産生・分泌量の増加が指摘されている(例、ネイチャー(Nature)、360巻、672頁(1992)、サイエンス(Science)、259巻、514頁(1993)、サイエンス(Science)、264巻、1336頁(1994)等)。したがって、特に家族性アルツハイマー病などの遺伝的にAβに起因する疾患(例、アルツハイマー病、ダウン症など)に罹患する可能性が高い患者、外傷などにより脳内でAβ蛋白の増加を起こす患者等、脳内でAβ蛋白の増加している患者に対して、βセクレターゼを阻害する薬剤はAβの産生・分泌・凝集を阻害し、該疾患の予防・治療薬として有用であると考えられる。
また、家族性アルツハイマー病患者の中にはAPP(Amyloid Precursor Protein)遺伝子に変異が認められる場合もあり、この変異遺伝子を導入した細胞では、Aβの産生・分泌量の増加が指摘されている(例、Nature 360巻, 672頁(1992)、Science 259巻, 514頁(1993)、Science 264巻, 1336頁(1994)等)。
このため、Aβの産生・分泌を阻害する薬剤はAβに起因する疾患(例、アルツハイマー病、ダウン症など)の予防・治療に有効である。
一方、分泌型APPは、神経栄養因子様作用を有することが報告されている(ニューロン(Neuron)、10巻、243-254頁、1993年)。かかる神経栄養因子様作用としては、(1)神経細胞の生存・維持作用、(2)シナプスの形成促進作用、(3)神経細胞死保護作用、(4)海馬での長期増強作用などが挙げられる。このため、分泌型APPの分泌を促進する薬剤には、上記作用を介して、(1)神経変性疾患(例、アルツハイマー病、ダウン症、老年期痴呆、パーキンソン病、クロイツフェルト・ヤコブ病、筋萎縮性脊髄側索硬化症、糖尿病性ニューロパシー、ハンチントン舞踏病、多発性硬化症など)、(2)脳血管障害(例、脳梗塞、脳出血など)、による、頭部外傷による、または脊髄損傷による神経障害の予防・治療に有用である。
また、EP−A−652009には、プロテアーゼ阻害作用を有し、細胞レベルでAβ産生阻害作用を有するペプチド誘導体が開示されている。
このAβの産生は、その前駆体蛋白であるAPP(Amyloid Precursor Protein)より、βセクレターゼとγセクレターゼにより切り出される。最近、いくつかの研究所より、βセクレターゼのcDNAの単離が報告され、実体が明らかとなった(例、サイエンス(Science)、286巻、735ページ(1999)、ネイチャー(Nature)、402巻、533頁(1999)、ネイチャー(Nature)、402巻、537頁(1999)等)。家族性アルツハイマー病患者の中にはAPP遺伝子に変異が認められる場合もあり、この変異遺伝子を導入した細胞では、Aβの産生・分泌量の増加が指摘されている(例、ネイチャー(Nature)、360巻、672頁(1992)、サイエンス(Science)、259巻、514頁(1993)、サイエンス(Science)、264巻、1336頁(1994)等)。したがって、特に家族性アルツハイマー病などの遺伝的にAβに起因する疾患(例、アルツハイマー病、ダウン症など)に罹患する可能性が高い患者、外傷などにより脳内でAβ蛋白の増加を起こす患者等、脳内でAβ蛋白の増加している患者に対して、βセクレターゼを阻害する薬剤はAβの産生・分泌・凝集を阻害し、該疾患の予防・治療薬として有用であると考えられる。
一方、置換アミノ化合物としては、以下の化合物が知られている。
1)WO00/53172には、アレルギー疾患治療薬として、式
で表される化合物が記載されている。
2)WO98/50342には、骨粗鬆症、歯周疾患および関節炎を包含する過剰なシステインおよびセリンプロテアーゼ活性が関与している疾患の治療に有用な式
〔式中、Rはアリール基、アリール−アルキル基、複素環基等を示し、R’はアルキル基、シクロアルキル基、アリール−アルキル基、複素環基等を示す。〕で表される化合物が記載されている。
3)WO02/02512には、βセクレターゼ阻害作用、βアミロイド産生・分泌・凝集阻害作用を有し、アルツハイマー病治療薬として有用な式
RnNH−CH(R1)−CH(OH)−C(R2)(R3)−NHRc
〔式中、Rnは置換基を有していてもよいアリールカルボニル基等、R1はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基等、R2およびR3は水素、アルキル基等、Rcはアルキル基、アルキル−シクロアルキル基、アルキル−アリール基等を示す。〕で表される化合物が記載されている。
欧州特許出願公開第652009号明細書
国際公開第00/53172号パンフレット
国際公開第98/50342号パンフレット
国際公開第02/02512号パンフレット
1)WO00/53172には、アレルギー疾患治療薬として、式
2)WO98/50342には、骨粗鬆症、歯周疾患および関節炎を包含する過剰なシステインおよびセリンプロテアーゼ活性が関与している疾患の治療に有用な式
3)WO02/02512には、βセクレターゼ阻害作用、βアミロイド産生・分泌・凝集阻害作用を有し、アルツハイマー病治療薬として有用な式
RnNH−CH(R1)−CH(OH)−C(R2)(R3)−NHRc
〔式中、Rnは置換基を有していてもよいアリールカルボニル基等、R1はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基等、R2およびR3は水素、アルキル基等、Rcはアルキル基、アルキル−シクロアルキル基、アルキル−アリール基等を示す。〕で表される化合物が記載されている。
従来のアルツハイマー病治療のためのAβ産生阻害剤は、経口吸収性や安定性等に問題があり、医薬として満足すべきものではなく、優れたβセクレターゼ阻害作用やAβ産生・分泌・凝集阻害作用を有し、かつ医薬品として十分満足できる化合物の開発が切望されている。
本発明者らは、βセクレターゼ阻害作用、Aβ産生・分泌・凝集阻害作用を有する化合物につき、種々検討した結果、以下の式(I’)で表される化合物が、予想外にも優れたβセクレターゼ阻害作用、Aβ産生・分泌・凝集阻害作用を有すること、さらに式(I’)に包含される式(I)が文献未記載の新規化合物であることを見出し、これらの知見に基づいて、本発明を完成した。
すなわち、本発明は
(1)式(I)
〔式中、A環は置換基を有していてもよい芳香環を、
R1は置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC3−6シクロアルキル基または置換基を有していてもよいC3−6シクロアルキル−C1−6アルキル基を、
R2は水素原子、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基または置換基を有していてもよいC3−6シクロアルキル基を、
R3は置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基または置換基を有していてもよいC2−10アルキル基(ただし、1位または2位がオキソ基で置換されたC2−10アルキル基は除く)を、
実線と破線で示す結合部位は単結合または二重結合を、Xは酸素原子、硫黄原子または置換基を有していてもよい窒素原子を(ただし実線と破線で示す結合部位がすべて単結合のときXはOHではない)、
Yは酸素原子または硫黄原子を示す。
ただし、A環がピリジン環のとき、R1はカルボキシメチル基でなく、また、N−[1−({[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]アミノ}アセチル)−2−メチルブチル]−2−[(3−メトキシベンゾイル)アミノ]ベンズアミドを除く。〕で表される化合物またはその塩、
(2)R1が置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基である上記(1)記載の化合物、
(3)R1が置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基または置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基である上記(1)記載の化合物、
(4)R3が置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基または置換基を有していてもよいC4−10アルキル基である上記(1)記載の化合物、
(5)R3が置換基を有していてもよいベンジル基である上記(1)記載の化合物、
(6)R2が水素原子である上記(1)記載の化合物、
(7)A環が置換基を有していてもよいベンゼン環である上記(1)記載の化合物、
(8)A環が式
〔式中、R4およびR5は独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を示す。〕で表される基である上記(1)記載の化合物、
(9)XおよびYが、酸素原子である上記(1)記載の化合物、
(10)R1が置換基を有していてもよいベンジル基である上記(1)記載の化合物、
(11)A環が置換基を有していてもよいベンゼン環、R1が置換基を有していてもよいベンジル基、R2が水素原子、R3が置換基を有していてもよいベンジル基、XおよびYが酸素原子である上記(1)記載の化合物、
(12)上記(1)記載の化合物のプロドラッグ、
(13)式(I')
〔式中、R1'、R2'およびR3'は独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を、他の記号は上記(1)と同意義を示す。〕
で表される化合物またはその塩またはそのプロドラッグを含有するアスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤、
(14)式(I')
〔式中、R1'、R2'およびR3'は独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を、他の記号は上記(1)と同意義を示す。〕
で表される化合物またはその塩またはそのプロドラッグを含有するβセクレターゼ阻害剤、
(15)(i)神経変性疾患、(ii)神経障害、(iii)記憶障害、(iv)精神疾患、(v)ミオパシー、(vi)軽度認識障害、または(vii)アンジオパシーの予防・治療剤である上記(14)記載の剤、
(16)アミロイドβ蛋白(1−40)またはアミロイドβ蛋白(1−42)の産生・分泌・凝集の阻害剤である上記(14)記載の剤、
(17)アルツハイマー病またはパーキンソン病の予防・治療剤である上記(16)記載の剤、
(18)上記(14)記載のβセクレターゼ阻害剤の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする(i)神経変性疾患、(ii)神経障害、(iii)記憶障害、(iv)精神疾患、(v)ミオパシー、(vi)軽度認識障害、または(vii)アンジオパシーの治療方法、
(19)βセクレターゼ阻害剤の製造のための式(I')
〔式中、R1'、R2'およびR3'は独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を、他の記号は上記(1)と同意義を示す。〕
で表される化合物またはその塩またはそのプロドラッグの使用等を提供するものである。
(1)式(I)
R1は置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC3−6シクロアルキル基または置換基を有していてもよいC3−6シクロアルキル−C1−6アルキル基を、
R2は水素原子、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基または置換基を有していてもよいC3−6シクロアルキル基を、
R3は置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基または置換基を有していてもよいC2−10アルキル基(ただし、1位または2位がオキソ基で置換されたC2−10アルキル基は除く)を、
実線と破線で示す結合部位は単結合または二重結合を、Xは酸素原子、硫黄原子または置換基を有していてもよい窒素原子を(ただし実線と破線で示す結合部位がすべて単結合のときXはOHではない)、
Yは酸素原子または硫黄原子を示す。
ただし、A環がピリジン環のとき、R1はカルボキシメチル基でなく、また、N−[1−({[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]アミノ}アセチル)−2−メチルブチル]−2−[(3−メトキシベンゾイル)アミノ]ベンズアミドを除く。〕で表される化合物またはその塩、
(2)R1が置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基である上記(1)記載の化合物、
(3)R1が置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基または置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基である上記(1)記載の化合物、
(4)R3が置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基または置換基を有していてもよいC4−10アルキル基である上記(1)記載の化合物、
(5)R3が置換基を有していてもよいベンジル基である上記(1)記載の化合物、
(6)R2が水素原子である上記(1)記載の化合物、
(7)A環が置換基を有していてもよいベンゼン環である上記(1)記載の化合物、
(8)A環が式
(9)XおよびYが、酸素原子である上記(1)記載の化合物、
(10)R1が置換基を有していてもよいベンジル基である上記(1)記載の化合物、
(11)A環が置換基を有していてもよいベンゼン環、R1が置換基を有していてもよいベンジル基、R2が水素原子、R3が置換基を有していてもよいベンジル基、XおよびYが酸素原子である上記(1)記載の化合物、
(12)上記(1)記載の化合物のプロドラッグ、
(13)式(I')
で表される化合物またはその塩またはそのプロドラッグを含有するアスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤、
(14)式(I')
で表される化合物またはその塩またはそのプロドラッグを含有するβセクレターゼ阻害剤、
(15)(i)神経変性疾患、(ii)神経障害、(iii)記憶障害、(iv)精神疾患、(v)ミオパシー、(vi)軽度認識障害、または(vii)アンジオパシーの予防・治療剤である上記(14)記載の剤、
(16)アミロイドβ蛋白(1−40)またはアミロイドβ蛋白(1−42)の産生・分泌・凝集の阻害剤である上記(14)記載の剤、
(17)アルツハイマー病またはパーキンソン病の予防・治療剤である上記(16)記載の剤、
(18)上記(14)記載のβセクレターゼ阻害剤の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする(i)神経変性疾患、(ii)神経障害、(iii)記憶障害、(iv)精神疾患、(v)ミオパシー、(vi)軽度認識障害、または(vii)アンジオパシーの治療方法、
(19)βセクレターゼ阻害剤の製造のための式(I')
で表される化合物またはその塩またはそのプロドラッグの使用等を提供するものである。
化合物(I)及び(I’)は、優れたβセクレターゼ阻害作用を有し、さらにアミロイドβ蛋白(1−40)産生・分泌・凝集抑制作用、アミロイドβ蛋白(1−42)産生・分泌・凝集抑制作用を有するので、(1)神経変性疾患(例、老年期痴呆、アルツハイマー病、ダウン症、パーキンソン病、クロイツフェルト・ヤコブ病、筋萎縮性脊髄側索硬化症、糖尿病性ニューロパシー等)、(2)脳血管障害(例、脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化に伴う脳循環不全等)時、頭部外傷・脊髄損傷時、脳炎後遺症時または脳性麻痺時の神経障害、(3)記憶障害(例、老年期痴呆、健忘症等)、(4)精神疾患(例、うつ病、恐慌性障害、精神分裂症等)および(5)ミオパシー等の予防・治療に有用である。
上記式(I)および(I’)において、A環は「置換基を有していてもよい芳香環」を示し、該「芳香環」の例としては、(a)単環式または縮合2もしくは3環式C6−14アリール(例、ベンゼン、ナフタレン、インデン、アントラセンなど)または(b)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む5ないし14員ヘテロアリール(例、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3−b]チオフェン、フラン、フェノキサチイン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、プリン、4H−キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、チアゾール、イソチアゾール、フェノチアジン、イソオキサゾール、フラザン、フェノキサジン、フタルイミドなど)が挙げられる。
これらの芳香環の置換基としては、(1) ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、 (2) C1−3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシなど)、 (3) ニトロ、 (4) シアノ、 (5) ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、 (6) ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、 (7) ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、 (8) ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ、 (9) ヒドロキシ、 (10) アミノ、 (11) モノ−C1−6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノなど)、 (12) ジ−C1−6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、エチルメチルアミノなど)、 (13) ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル、プロピオニルなど)、C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニルなど)、C6−10アリール−カルボニル(例、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイルなど)、C6−10アリールオキシ−カルボニル(例、フェノキシカルボニルなど)、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニルなど)、5または6員複素環カルボニル(例、ニコチノイル、イソニコチノイル、2−テノイル、3−テノイル、2−フロイル、3−フロイル、モルホリノカルボニル、ピペリジノカルボニル、1−ピロリジニルカルボニルなど)、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイルなど)、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイルなど)、C6−10アリール−カルバモイル(例、フェニルカルバモイル、1−ナフチルカルバモイル、2−ナフチルカルバモイルなど)、5または6員複素環カルバモイル(例、2−ピリジルカルバモイル、3−ピリジルカルバモイル、4−ピリジルカルバモイル、2−チエニルカルバモイル、3−チエニルカルバモイルなど)、C1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホニルなど)およびC6−10アリールスルホニル(例、ベンゼンスルホニル、1−ナフタレンスルホニル、2−ナフタレンスルホニルなど)から選ばれるアシル、(14)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボキサミド(例、アセタミドなど)、C6−10アリール−カルボキサミド(例、フェニルカルボキサミド、ナフチルカルボキサミドなど)、C1−6アルコキシ−カルボキサミド(例、メトキシカルボキサミド、エトキシカルボキサミド、プロポキシカルボキサミド、ブトキシカルボキサミドなど)およびC1−6アルキルスルホニルアミノ(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノなど)から選ばれるアシルアミノ、(15)C1−6アルキル−カルボニルオキシ(例、アセトキシ、プロパノイルオキシなど)、C6−10アリール−カルボニルオキシ(例、ベンゾイルオキシ、1−ナフトイルオキシ、2−ナフトイルオキシなど)、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシなど)、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ(例、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシなど)、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ(例、ジメチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシなど)、C6−10アリール−カルバモイルオキシ(例、フェニルカルバモイルオキシ、ナフチルカルバモイルオキシなど)およびニコチノイルオキシから選ばれるアシルオキシ、 (16) 5ないし7員飽和環状アミノ、 (17) スルホ、 (18) (i)ハロゲン原子、(ii)C1−3アルキレンジオキシ、(iii)ニトロ、(iv)シアノ、(v)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(vi)ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、(vii)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、(viii)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ、(ix)ヒドロキシ、(x)アミノ、(xi)モノ−C1−6アルキルアミノ、(xii)ジ−C1−6アルキルアミノ、(xiii)ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−10アリール−カルボニル、C6−10アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイルおよびC1−6アルキルスルホニル、C6−10アリールスルホニルから選ばれるアシル、(xiv)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボキサミド、C6−10アリール−カルボキサミド、C1−6アルコキシ−カルボキサミドおよびC1−6アルキルスルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、(xv)C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−10アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−10アリール−カルバモイルオキシおよびニコチノイルオキシから選ばれるアシルオキシ、(xvi)5ないし7員飽和環状アミノ、および(xvii)C6−10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし5個をそれぞれ有していてもよい(a)フェニルまたは(b)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む5または6員芳香族複素環基および(19)オキソから選ばれる基が挙げられる。
これらの芳香環の置換基としては、(1) ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、 (2) C1−3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシなど)、 (3) ニトロ、 (4) シアノ、 (5) ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、 (6) ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、 (7) ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、 (8) ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ、 (9) ヒドロキシ、 (10) アミノ、 (11) モノ−C1−6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノなど)、 (12) ジ−C1−6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、エチルメチルアミノなど)、 (13) ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル、プロピオニルなど)、C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニルなど)、C6−10アリール−カルボニル(例、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイルなど)、C6−10アリールオキシ−カルボニル(例、フェノキシカルボニルなど)、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニルなど)、5または6員複素環カルボニル(例、ニコチノイル、イソニコチノイル、2−テノイル、3−テノイル、2−フロイル、3−フロイル、モルホリノカルボニル、ピペリジノカルボニル、1−ピロリジニルカルボニルなど)、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイルなど)、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイルなど)、C6−10アリール−カルバモイル(例、フェニルカルバモイル、1−ナフチルカルバモイル、2−ナフチルカルバモイルなど)、5または6員複素環カルバモイル(例、2−ピリジルカルバモイル、3−ピリジルカルバモイル、4−ピリジルカルバモイル、2−チエニルカルバモイル、3−チエニルカルバモイルなど)、C1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホニルなど)およびC6−10アリールスルホニル(例、ベンゼンスルホニル、1−ナフタレンスルホニル、2−ナフタレンスルホニルなど)から選ばれるアシル、(14)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボキサミド(例、アセタミドなど)、C6−10アリール−カルボキサミド(例、フェニルカルボキサミド、ナフチルカルボキサミドなど)、C1−6アルコキシ−カルボキサミド(例、メトキシカルボキサミド、エトキシカルボキサミド、プロポキシカルボキサミド、ブトキシカルボキサミドなど)およびC1−6アルキルスルホニルアミノ(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノなど)から選ばれるアシルアミノ、(15)C1−6アルキル−カルボニルオキシ(例、アセトキシ、プロパノイルオキシなど)、C6−10アリール−カルボニルオキシ(例、ベンゾイルオキシ、1−ナフトイルオキシ、2−ナフトイルオキシなど)、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシなど)、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ(例、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシなど)、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ(例、ジメチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシなど)、C6−10アリール−カルバモイルオキシ(例、フェニルカルバモイルオキシ、ナフチルカルバモイルオキシなど)およびニコチノイルオキシから選ばれるアシルオキシ、 (16) 5ないし7員飽和環状アミノ、 (17) スルホ、 (18) (i)ハロゲン原子、(ii)C1−3アルキレンジオキシ、(iii)ニトロ、(iv)シアノ、(v)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(vi)ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、(vii)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、(viii)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ、(ix)ヒドロキシ、(x)アミノ、(xi)モノ−C1−6アルキルアミノ、(xii)ジ−C1−6アルキルアミノ、(xiii)ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−10アリール−カルボニル、C6−10アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、5または6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−10アリール−カルバモイル、5または6員複素環カルバモイルおよびC1−6アルキルスルホニル、C6−10アリールスルホニルから選ばれるアシル、(xiv)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボキサミド、C6−10アリール−カルボキサミド、C1−6アルコキシ−カルボキサミドおよびC1−6アルキルスルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、(xv)C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−10アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−10アリール−カルバモイルオキシおよびニコチノイルオキシから選ばれるアシルオキシ、(xvi)5ないし7員飽和環状アミノ、および(xvii)C6−10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし5個をそれぞれ有していてもよい(a)フェニルまたは(b)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む5または6員芳香族複素環基および(19)オキソから選ばれる基が挙げられる。
上記「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)が挙げられる。具体例としては、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2−ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、ヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシルなどが挙げられる。
上記「ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC3−6シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)などが挙げられる。具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4,4−ジクロロシクロヘキシル、2,2,3,3−テトラフルオロシクロペンチル、4−クロロシクロヘキシルなどが挙げられる。
上記「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなど)などが挙げられる。具体例としては、例えばメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、4,4,4−トリフルオロブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどが挙げられる。
上記「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC1−6アルキルチオ(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオなど)などが挙げられる。具体例としては、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4−トリフルオロブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオなどが挙げられる。
上記「5ないし7員飽和環状アミノ」としては、例えば、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジン−1−イル、4−置換ピペラジン−1−イル、ピペリジノ、ピロリジン−1−イルなどが挙げられる。
上記「炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む5または6員芳香族複素環基」としては、、例えば、2−または3−チエニル、2−,3−または4−ピリジル、2−または3−フリル、2−イミダゾリル、3−ピリダジニル、3−イソチアゾリル、3−イソオキサゾリルなどが挙げられる。
該芳香環は、これらの置換基を置換可能な位置に1個以上、好ましくは1〜5個有していてよく、置換基数が2個以上の場合は同一または異なってもよい。
上記「ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC3−6シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)などが挙げられる。具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4,4−ジクロロシクロヘキシル、2,2,3,3−テトラフルオロシクロペンチル、4−クロロシクロヘキシルなどが挙げられる。
上記「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなど)などが挙げられる。具体例としては、例えばメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、4,4,4−トリフルオロブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどが挙げられる。
上記「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC1−6アルキルチオ(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオなど)などが挙げられる。具体例としては、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4−トリフルオロブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオなどが挙げられる。
上記「5ないし7員飽和環状アミノ」としては、例えば、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジン−1−イル、4−置換ピペラジン−1−イル、ピペリジノ、ピロリジン−1−イルなどが挙げられる。
上記「炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1ないし4個を含む5または6員芳香族複素環基」としては、、例えば、2−または3−チエニル、2−,3−または4−ピリジル、2−または3−フリル、2−イミダゾリル、3−ピリダジニル、3−イソチアゾリル、3−イソオキサゾリルなどが挙げられる。
該芳香環は、これらの置換基を置換可能な位置に1個以上、好ましくは1〜5個有していてよく、置換基数が2個以上の場合は同一または異なってもよい。
上記式(I)において、R1は置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC3−6シクロアルキル基または置換基を有していてもよいC3−6シクロアルキル−C1−6アルキル基を示す。
R1で示される「アリール基」としては、C6−14アリール、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−インデニル、2−アンスリルなどが挙げられる。好ましくはフェニルなどである。
R1で示される「アリール−C1−6アルキル基」としては、C7−19アラルキル、例えば、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチルなどが挙げられる。好ましくはベンジルなどである。
R1で示される「ヘテロアリール基」としては、5ないし10員芳香族複素環基、例えば、2−,3−または4−ピリジル、1−,2−または3−インドリル、2−または3−チエニルなどが挙げられる。好ましくは、2−,3−または4−ピリジルなどである。
R1で示される「ヘテロアリール−C1−6アルキル基」における「ヘテロアリール」としては例えば、上記と同様な基が、また、「C1−6アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられ、その具体例としては、ピリジルメチルなどが挙げられる。
R1で示される「C1−6アルキル基」としては、例えば、上記と同様な基が挙げられる。
R1で示される「C3−6シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
R1で示される「C3−6シクロアルキル−C1−6アルキル基」としては、例えば、上記のシクロアルキル基とアルキル基が結合して形成される基、例えば、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルなどが挙げられる。
これらの基の置換基としては、上記のA環で示される「置換基を有していてもよい芳香環」の「置換基」と同様な基が挙げられ、置換可能な位置に1個以上、好ましくは1〜5個有していてよく、置換基が2個以上の場合は、同一でも異なっていてもよい。R1で示される「置換基を有していてもよいC1−6アルキル基」における置換基として好ましくは、A環で示される「置換基を有していてもよい芳香環」の上記した「置換基」のうち、第(18)項の置換基以外の置換基である。
R1としては、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基であるものが好ましい。なかでも、置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基または置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基が、とりわけ置換基を有していてもよいベンジル基が好ましい。
R1で示される「アリール基」としては、C6−14アリール、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−インデニル、2−アンスリルなどが挙げられる。好ましくはフェニルなどである。
R1で示される「アリール−C1−6アルキル基」としては、C7−19アラルキル、例えば、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチルなどが挙げられる。好ましくはベンジルなどである。
R1で示される「ヘテロアリール基」としては、5ないし10員芳香族複素環基、例えば、2−,3−または4−ピリジル、1−,2−または3−インドリル、2−または3−チエニルなどが挙げられる。好ましくは、2−,3−または4−ピリジルなどである。
R1で示される「ヘテロアリール−C1−6アルキル基」における「ヘテロアリール」としては例えば、上記と同様な基が、また、「C1−6アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられ、その具体例としては、ピリジルメチルなどが挙げられる。
R1で示される「C1−6アルキル基」としては、例えば、上記と同様な基が挙げられる。
R1で示される「C3−6シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
R1で示される「C3−6シクロアルキル−C1−6アルキル基」としては、例えば、上記のシクロアルキル基とアルキル基が結合して形成される基、例えば、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルなどが挙げられる。
これらの基の置換基としては、上記のA環で示される「置換基を有していてもよい芳香環」の「置換基」と同様な基が挙げられ、置換可能な位置に1個以上、好ましくは1〜5個有していてよく、置換基が2個以上の場合は、同一でも異なっていてもよい。R1で示される「置換基を有していてもよいC1−6アルキル基」における置換基として好ましくは、A環で示される「置換基を有していてもよい芳香環」の上記した「置換基」のうち、第(18)項の置換基以外の置換基である。
R1としては、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基であるものが好ましい。なかでも、置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基または置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基が、とりわけ置換基を有していてもよいベンジル基が好ましい。
R2は水素原子、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基または置換基を有していてもよいC3−6シクロアルキル基を示す。
R2で示される「置換基を有していてもよいアリール基」、「置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基」、「置換基を有していてもよいヘテロアリール基」、「置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基」、「置換基を有していてもよいC1−6アルキル基」および「置換基を有していてもよいC3−6シクロアルキル基」は、上記のR1で示される「置換基を有していてもよいアリール基」、「置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基」、「置換基を有していてもよいヘテロアリール基」、「置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基」、「置換基を有していてもよいC1−6アルキル基」および「置換基を有していてもよいC3−6シクロアルキル基」と同様な基が挙げられる。
R2としては水素原子が好ましい。
R3は置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基または置換基を有していてもよいC2−10アルキル基を示す。
R3で示される「置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基」および「置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基」としては、上記のR1で示される「置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基」および「置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基」と同様な基が挙げられる。
R3で示される「置換基を有していてもよいC2−10アルキル基」の「C2−10アルキル基」としては、例えば、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどが挙げられ、なかでもC4−10アルキル基が好ましい例として挙げられる。その置換基としては上記のA環で示される「置換基を有していてもよい芳香環」の「置換基」と同様な基が挙げられるが、アミノ基に結合した炭素原子またはその隣の炭素原子すなわちアルキル基の1位または2位がオキソ基で置換されたC2−10アルキル基は除く。
R3としては、置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基または置換基を有していてもよいC4−10アルキル基が好ましく、なかでも置換基を有していてもよいベンジル基が好ましい。
R2で示される「置換基を有していてもよいアリール基」、「置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基」、「置換基を有していてもよいヘテロアリール基」、「置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基」、「置換基を有していてもよいC1−6アルキル基」および「置換基を有していてもよいC3−6シクロアルキル基」は、上記のR1で示される「置換基を有していてもよいアリール基」、「置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基」、「置換基を有していてもよいヘテロアリール基」、「置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基」、「置換基を有していてもよいC1−6アルキル基」および「置換基を有していてもよいC3−6シクロアルキル基」と同様な基が挙げられる。
R2としては水素原子が好ましい。
R3は置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基または置換基を有していてもよいC2−10アルキル基を示す。
R3で示される「置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基」および「置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基」としては、上記のR1で示される「置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基」および「置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基」と同様な基が挙げられる。
R3で示される「置換基を有していてもよいC2−10アルキル基」の「C2−10アルキル基」としては、例えば、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどが挙げられ、なかでもC4−10アルキル基が好ましい例として挙げられる。その置換基としては上記のA環で示される「置換基を有していてもよい芳香環」の「置換基」と同様な基が挙げられるが、アミノ基に結合した炭素原子またはその隣の炭素原子すなわちアルキル基の1位または2位がオキソ基で置換されたC2−10アルキル基は除く。
R3としては、置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基または置換基を有していてもよいC4−10アルキル基が好ましく、なかでも置換基を有していてもよいベンジル基が好ましい。
実線と破線で示す結合部位は単結合または二重結合を示し、Xは酸素原子、硫黄原子または置換基を有していてもよい窒素原子を示す。式(I)で表される化合物としては、XがO、Sの場合、カルボニルまたはチオカルボニルである化合物のみならず、ケト−エノール互変異性によりエノールを形成している化合物も含まれる。但し、実線と破線で示す結合部位がすべて単結合でXがOHの場合を除く。したがって、
で表される部分構造としては、
(式中、R6およびR7は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基)などが含まれる。
R6およびR7で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」としては、例えば、下記するR1'、R2'およびR3'で表される「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同様なものが挙げられる。
Xとしては、とりわけ、酸素原子が好ましい。
Yは、酸素原子または硫黄原子を示し、とりわけ、酸素原子が好ましい。
式(I’)におけるR1'、R2'およびR3'は、独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を示す。
R1'、R2'およびR3'で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、例えば、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ベンゼン環と縮合していてもよいC3−6シクロアルキル、C6−14アリールまたはC7−19アラルキルなどが挙げられる。
該「C1−6アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。
該「C2−6アルケニル」としては、例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、2−ブテニルなどが挙げられる。
該「C2−6アルキニル」としては、例えば、エチニル、プロパルギル、2−ブチニルなどが挙げられる。
該「C3−6シクロアルキル」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどがあげられる。
該「C6−14アリール」としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−インデニル、2−アンスリルなど、好ましくはフェニルが挙げられる。
該「C7−19アラルキル」としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチルなど、好ましくはベンジルが挙げられる。
R1'、R2'およびR3'で示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」としては、例えば、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種のヘテロ原子を、1ないし4個含む5ないし14員(単環、2環または3環式)複素環、すなわち(i)5ないし14員(好ましくは5ないし10員)芳香族複素環、(ii)5ないし10員非芳香族複素環または(iii)7ないし10員複素架橋環から任意の1個の水素原子を除いてできる1価基などが挙げられる。
上記「5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環」としては、例えば、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3−b]チオフェン、フラン、フェノキサチイン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、プリン、4H−キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、チアゾール、イソチアゾール、フェノチアジン、イソオキサゾール、フラザン、フェノキサジン、フタルイミドなどの芳香族複素環、またはこれらの環(好ましくは単環)が1ないし複数個(好ましくは1または2個)の芳香環(例、ベンゼン環等)と縮合して形成された環などが挙げられる。
上記「5ないし10員非芳香族複素環」としては、例えば、ピロリジン、イミダゾリン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリンなどが挙げられる。
上記「7ないし10員複素架橋環」としては、例えば、キヌクリジン、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンなどが挙げられる。
R6およびR7で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」としては、例えば、下記するR1'、R2'およびR3'で表される「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同様なものが挙げられる。
Xとしては、とりわけ、酸素原子が好ましい。
Yは、酸素原子または硫黄原子を示し、とりわけ、酸素原子が好ましい。
式(I’)におけるR1'、R2'およびR3'は、独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を示す。
R1'、R2'およびR3'で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、例えば、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ベンゼン環と縮合していてもよいC3−6シクロアルキル、C6−14アリールまたはC7−19アラルキルなどが挙げられる。
該「C1−6アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。
該「C2−6アルケニル」としては、例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、2−ブテニルなどが挙げられる。
該「C2−6アルキニル」としては、例えば、エチニル、プロパルギル、2−ブチニルなどが挙げられる。
該「C3−6シクロアルキル」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどがあげられる。
該「C6−14アリール」としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−インデニル、2−アンスリルなど、好ましくはフェニルが挙げられる。
該「C7−19アラルキル」としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチルなど、好ましくはベンジルが挙げられる。
R1'、R2'およびR3'で示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」としては、例えば、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種のヘテロ原子を、1ないし4個含む5ないし14員(単環、2環または3環式)複素環、すなわち(i)5ないし14員(好ましくは5ないし10員)芳香族複素環、(ii)5ないし10員非芳香族複素環または(iii)7ないし10員複素架橋環から任意の1個の水素原子を除いてできる1価基などが挙げられる。
上記「5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環」としては、例えば、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3−b]チオフェン、フラン、フェノキサチイン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、プリン、4H−キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、チアゾール、イソチアゾール、フェノチアジン、イソオキサゾール、フラザン、フェノキサジン、フタルイミドなどの芳香族複素環、またはこれらの環(好ましくは単環)が1ないし複数個(好ましくは1または2個)の芳香環(例、ベンゼン環等)と縮合して形成された環などが挙げられる。
上記「5ないし10員非芳香族複素環」としては、例えば、ピロリジン、イミダゾリン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリンなどが挙げられる。
上記「7ないし10員複素架橋環」としては、例えば、キヌクリジン、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンなどが挙げられる。
該「複素環基」として好ましくは、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種のヘテロ原子を、1ないし4個の含む5ないし10員の(単環式または2環式)複素環基である。具体的には、例えば2−または3−チエニル、2−,3−または4−ピリジル、2−または3−フリル、2−,3−,4−,5−または8−キノリル、4−イソキノリル、ピラジニル、2−または4−ピリミジニル、3−ピロリル、2−イミダゾリル、3−ピリダジニル、3−イソチアゾリル、3−イソオキサゾリル、1−インドリル、2−インドリル、2−イソインドリニルなどの芳香族複素環基、例えば1−,2−または3−ピロリジニル、2−または4−イミダゾリニル、2−,3−または4−ピラゾリジニル、ピペリジノ、2−,3−または4−ピペリジル、1−または2−ピペラジニル、モルホリノなどの非芳香族複素環基などである。
このうち、例えば炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし3個のヘテロ原子を含む5ないし6員の複素環基等がさらに好ましい。具体的には、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−フリル、3−フリル、ピラジニル、2−ピリミジニル、3−ピロリル、3−ピリダジニル、3−イソチアゾリル、3−イソオキサゾリル、1−,2−または3−ピロリジニル、2−または4−イミダゾリニル、2−,3−または4−ピラゾリジニル、ピペリジノ、2−,3−または4−ピペリジル、1−または2−ピペラジニル、モルホリノなどが挙げられる。
R1'、R2'およびR3'で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」の「置換基」としては、上記のA環で示される「置換基を有していてもよい芳香環」の「置換基」と同様な基が同数使用できる。
このうち、例えば炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし3個のヘテロ原子を含む5ないし6員の複素環基等がさらに好ましい。具体的には、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−フリル、3−フリル、ピラジニル、2−ピリミジニル、3−ピロリル、3−ピリダジニル、3−イソチアゾリル、3−イソオキサゾリル、1−,2−または3−ピロリジニル、2−または4−イミダゾリニル、2−,3−または4−ピラゾリジニル、ピペリジノ、2−,3−または4−ピペリジル、1−または2−ピペラジニル、モルホリノなどが挙げられる。
R1'、R2'およびR3'で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」の「置換基」としては、上記のA環で示される「置換基を有していてもよい芳香環」の「置換基」と同様な基が同数使用できる。
式(I)で表される化合物としては、A環が置換基を有していてもよいベンゼン環である化合物が好ましい。とりわけA環が式
〔式中、R4およびR5は独立して、各々、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を示す。〕
で表されるベンゼン環である化合物が好ましい。
R4およびR5で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」としては、上記のR1’、R2’およびR3’で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」と同様な基が挙げられる。
で表されるベンゼン環である化合物が好ましい。
R4およびR5で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」としては、上記のR1’、R2’およびR3’で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」と同様な基が挙げられる。
式(I)において、A環がピリジン環のとき、R1はカルボキシメチル基でなく、また、N−[1−({[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]アミノ}アセチル)−2−メチルブチル]−2−[(3−メトキシベンゾイル)アミノ]ベンズアミドは除く。
式(I)で表される化合物としては、A環が置換基を有していてもよいベンゼン環、R1が置換基を有していてもよいベンジル基、R2が水素原子、R3が置換基を有していてもよいベンジル基、XおよびYが酸素原子である化合物が好ましい。
また、R3としては、3−メトキシベンジル、3−クロロベンジル基、3−メトキシカルボニルベンジル基、3−フェニルベンジル基、3−フェノキシベンジル基、3−トリフルオロメチルベンジル基、2−ナフチルメチル基、n−ヘキシル基、2−チエノメチル基またはインドール−3−メチル基である式(I)の化合物も好ましい。
式(I)の化合物の具体例としては、N’−{(1S)−1−ベンジル−3−[(3−メトキシベンジル)アミノ]−2−オキソプロピル}−N,N−ジプロピルイソフタルアミドまたはその塩が挙げられる。
また、R3としては、3−メトキシベンジル、3−クロロベンジル基、3−メトキシカルボニルベンジル基、3−フェニルベンジル基、3−フェノキシベンジル基、3−トリフルオロメチルベンジル基、2−ナフチルメチル基、n−ヘキシル基、2−チエノメチル基またはインドール−3−メチル基である式(I)の化合物も好ましい。
式(I)の化合物の具体例としては、N’−{(1S)−1−ベンジル−3−[(3−メトキシベンジル)アミノ]−2−オキソプロピル}−N,N−ジプロピルイソフタルアミドまたはその塩が挙げられる。
本発明で用いられる式(I)または式(I’)で表される化合物の塩としては、薬理学的に許容される塩が好ましく、例えば無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
本発明で用いられる式(I)または式(I’)で表される化合物は、水和物であってもよく、非水和物であってもよい。また、本発明で用いられる式(I)または式(I’)で表される化合物が、コンフィグレーショナル・アイソマー(配置異性体)、ジアステレオマー、コンフォーマーなどとして存在する場合には、所望により、自体公知の分離・精製手段でそれぞれを単離することができる。また、本発明で用いられる式(I)または式(I’)で表される化合物がラセミ体である場合には、通常の光学分割手段により、(S)体、(R)体に分離することができ、各々の光学活性体ならびにラセミ体のいずれについても、本発明に包含される。
無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
本発明で用いられる式(I)または式(I’)で表される化合物は、水和物であってもよく、非水和物であってもよい。また、本発明で用いられる式(I)または式(I’)で表される化合物が、コンフィグレーショナル・アイソマー(配置異性体)、ジアステレオマー、コンフォーマーなどとして存在する場合には、所望により、自体公知の分離・精製手段でそれぞれを単離することができる。また、本発明で用いられる式(I)または式(I’)で表される化合物がラセミ体である場合には、通常の光学分割手段により、(S)体、(R)体に分離することができ、各々の光学活性体ならびにラセミ体のいずれについても、本発明に包含される。
本発明で用いられる式(I)または式(I’)で表される化合物またはその塩[以下、化合物(I)または(I’)と称することがある。]はプロドラッグとして用いてもよく、かかるプロドラッグとしては、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物(I)または(I’)に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)または(I’)に変化する化合物、胃酸等により加水分解などを起こして化合物(I)または(I’)に変化する化合物をいう。化合物(I)または(I’)のプロドラッグとしては、化合物(I)または(I’)のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん酸化された化合物(例、化合物(I)または(I’)のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化された化合物など);化合物(I)または(I’)の水酸基がアシル化、アルキル化、りん酸化、ほう酸化された化合物(例、化合物(I)または(I’)の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など);化合物(I)または(I’)のカルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物(例、化合物(I)または(I’)のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物など);等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって化合物(I)または(I’)から製造することができる。
また、化合物(I)または(I’)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような、生理的条件で化合物(I)または(I’)に変化するものであってもよい。
また、化合物(I)または(I’)は同位元素(例、3H, 14C, 35S,125Iなど)などで標識されていてもよい。
また、化合物(I)または(I’)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような、生理的条件で化合物(I)または(I’)に変化するものであってもよい。
また、化合物(I)または(I’)は同位元素(例、3H, 14C, 35S,125Iなど)などで標識されていてもよい。
式(I)で表される化合物またはその塩(以下、まとめて単に化合物(I)と称することがある)の製造法を以下に示す。なお、以下の製造法で示す原料物質および中間体は、上述した式(I)で表される化合物の塩と同様な塩を形成していてもよい。また、式(I')で表される化合物またはその塩は下記の化合物(I)の製造法あるいはWO00/53172、WO98/50342、WO02/02512などの公知文献に記載の製法等に準じて製造することができる。
本発明の化合物(I)またはその塩においてXおよびYがそれぞれ酸素原子である化合物(Ia)は、例えば、A法(スキーム1)に示す方法によって製造することができる。
A法
(スキーム1)
[式中、各記号は上記と同意義を示す。]
化合物(Ia)またはその塩は、化合物(II)またはその塩について、アミノ基の保護を行った後、酸化反応、続いて脱保護反応を行うことにより製造できる。
アミノ基の保護基としては、例えば置換基を有していてもよいC1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニルなど)、ホルミル、フェニルカルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルなど)、フェノキシカルボニル(例えば、ベンズオキシカルボニルなど)、C7−10アラルキルオキシ−カルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニルなど)、トリチルなどが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリルなど)、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1ないし3個程度である。また、保護基の導入および除去方法としては、それ自体公知またはそれに準じる方法〔例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・ケミストリー(J.F.W.McOmieら、プレナムプレス社)に記載の方法〕が用いられる。
化合物(II)またはその塩は、例えばWO02/02512などに記載の方法またはそれに準じた方法に従って製造される。酸化反応は、例えば化合物(II)のアミノ基の保護体またはその塩1モルに対して酸化剤を0.5ないし20モル当量、好ましくは1ないし5モル当量使用する。かかる酸化剤としては、活性二酸化マンガン、ピリジニウムクロロクロメート(PCC)、ピリジニウムジクロメート(PDC)、ジメチルスルホキシド−酸無水物(例えば、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸など)、ジメチルスルホキシド−塩化チオニル、ジメチルスルホキシド−塩化スルフリル、ジメチルスルホキシド−塩化オキサリル、ジメチルスルホキシド−塩素、および酸(例えば、リン酸、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸など)存在下のジメチルスルホキシド−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、四酸化ルテニウム、二酸化ルテニウム−過ヨウ素酸ナトリウムなどが挙げられる。本酸化反応は、例えば化合物(II)のアミノ基の保護体またはその塩1モルに対してに対して触媒量(0.1モル%ないし10モル%、好ましくは1モル%ないし5モル%)の遷移金属触媒(例えば、ビスクロロビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、テトラアルキルアンモニウム過ルテニウム酸など)と1ないし10当量、好ましくは1ないし5当量の共酸化剤(例えば、ヨードシルベンゼン、N−メチルモルホリンオキシドなど)の存在下で行うこともできる。この際用いられる溶媒は、酸化剤の種類によって適宜選択することができ、例えばエーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等)、ハロゲン系溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)などが挙げられる。反応時間は0.5ないし48時間、好ましくは0.5ないし24時間である。反応温度は酸化剤の種類によって適宜選択し、−80℃から100℃、好ましくは−70℃から30℃で行うことができる。
本発明の化合物(I)またはその塩においてXおよびYがそれぞれ酸素原子である化合物(Ia)は、例えば、A法(スキーム1)に示す方法によって製造することができる。
A法
(スキーム1)
化合物(Ia)またはその塩は、化合物(II)またはその塩について、アミノ基の保護を行った後、酸化反応、続いて脱保護反応を行うことにより製造できる。
アミノ基の保護基としては、例えば置換基を有していてもよいC1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニルなど)、ホルミル、フェニルカルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルなど)、フェノキシカルボニル(例えば、ベンズオキシカルボニルなど)、C7−10アラルキルオキシ−カルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニルなど)、トリチルなどが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリルなど)、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1ないし3個程度である。また、保護基の導入および除去方法としては、それ自体公知またはそれに準じる方法〔例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・ケミストリー(J.F.W.McOmieら、プレナムプレス社)に記載の方法〕が用いられる。
化合物(II)またはその塩は、例えばWO02/02512などに記載の方法またはそれに準じた方法に従って製造される。酸化反応は、例えば化合物(II)のアミノ基の保護体またはその塩1モルに対して酸化剤を0.5ないし20モル当量、好ましくは1ないし5モル当量使用する。かかる酸化剤としては、活性二酸化マンガン、ピリジニウムクロロクロメート(PCC)、ピリジニウムジクロメート(PDC)、ジメチルスルホキシド−酸無水物(例えば、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸など)、ジメチルスルホキシド−塩化チオニル、ジメチルスルホキシド−塩化スルフリル、ジメチルスルホキシド−塩化オキサリル、ジメチルスルホキシド−塩素、および酸(例えば、リン酸、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸など)存在下のジメチルスルホキシド−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、四酸化ルテニウム、二酸化ルテニウム−過ヨウ素酸ナトリウムなどが挙げられる。本酸化反応は、例えば化合物(II)のアミノ基の保護体またはその塩1モルに対してに対して触媒量(0.1モル%ないし10モル%、好ましくは1モル%ないし5モル%)の遷移金属触媒(例えば、ビスクロロビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、テトラアルキルアンモニウム過ルテニウム酸など)と1ないし10当量、好ましくは1ないし5当量の共酸化剤(例えば、ヨードシルベンゼン、N−メチルモルホリンオキシドなど)の存在下で行うこともできる。この際用いられる溶媒は、酸化剤の種類によって適宜選択することができ、例えばエーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等)、ハロゲン系溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)などが挙げられる。反応時間は0.5ないし48時間、好ましくは0.5ないし24時間である。反応温度は酸化剤の種類によって適宜選択し、−80℃から100℃、好ましくは−70℃から30℃で行うことができる。
また、化合物(II)またはその塩は、以下のB法(スキーム2)またはC法(スキーム3)に示す方法でも製造することができる。
B法
(スキーム2)
[式中、各記号は上記と同意義を示す。]
化合物(V)またはその塩は、例えばテトラヘドロン (Tetrahedron)、55巻、8883〜8904頁 (1999年)、テトラヘドロン(Tetrahedron)、52巻、10987〜10996頁(1996年)などに記載の方法またはそれに準じた方法に従って合成される化合物(III)とカルボン酸である化合物(IV)もしくはその反応性誘導体またはこれらの塩とを溶媒中、必要であれば塩基の存在下、縮合剤を用いることで製造することができる。化合物(IV)は、例えば市販の試薬を用いる他に、市販の試薬を公知の方法により官能基変換を行うことにより、また、WO02/02512などに記載の方法またはそれに準じた方法によっても製造することができる。カルボン酸の反応性誘導体としては、酸無水物、活性エステル(例えば、p−ニトロフェニルエステル、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステルなど)、酸ハライド(例えば、酸クロリド、酸ブロミドなど)、イミダゾリドあるいは混合酸無水物(例えば、メチル炭酸との無水物、エチル炭酸との無水物など)等が挙げられる。その具体例としては、例えば、式 -COOHに換えて式 −COQ1 [式中、Q1は脱離基〔例えば、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシなど〕を示す]で表される基を有する化合物などが挙げられる。用いる溶媒としては、例えばエーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、炭化水素系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン系溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等)が挙げられる。用いる塩基としては、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチレンジアミン、4−メチルモルホリン、ピリジン等の有機塩基あるいはアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)等が挙げられる。用いる縮合剤としては、例えばペプチド合成に用いる縮合剤等が挙げられ、具体的には、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、N-エチル−N'-3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミドおよびその塩酸塩、ベンゾトリアゾール−1−イル−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン化物塩、ベンゾトリアゾール−1−イル−トリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン化物塩、シアノリン酸ジエチル、ジフェニルフォスホリルアジド、N-ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−カルボキシイミド等が挙げられる。これらは単独あるいは、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール等との組み合わせで用いてもよい。この化合物(III)またはその塩1モルに対して、化合物(IV) で表されるカルボン酸もしくはその反応性誘導体またはこれらの塩は約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし5モル当量用いられ、縮合剤は約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし6モル当量用いられる。必要に応じて塩基を約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし6モル当量用いてもよい。このとき反応温度は、約−50ないし200℃、好ましくは約−20ないし100℃であり、反応時間は約0.5ないし96時間、好ましくは約0.5ないし72時間、より好ましくは約1ないし24時間である。
化合物(VI)またはその塩は化合物(V)またはその塩を酸化反応に付すことにより製造することができる。酸化反応に用いる酸化剤としては、例えば、有機過酸(例えば、m-クロロ過安息香酸、過酢酸、3,5-ジニトロ過安息香酸など)、アルキルヒドロペルオキシド(例えば、tert-ブチルヒドロペルオキシドなど)、過酸化水素水などが用いられる。これらは単独あるいは、金属錯体(例えば、アルミニウムトリ-tert-ブトキサイド、酸化バナジウムアセチルアセトナート、カルボニルモリブデンなど)との組み合わせで用いてもよい。また、必要であれば塩基の存在下で反応を行ってもよい。塩基としては、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチレンジアミン、4−メチルモルホリン、ピリジン等の有機塩基あるいはアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)等が挙げられる。用いる溶媒としては、例えば水、プロトン性極性溶媒(例えば、メタノール、エタノールなど)、エーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、炭化水素系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン系溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等)等が挙げられる。このとき化合物(V)またはその塩1モルに対して、酸化剤は約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし5モル当量用いられ、塩基は約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし5モル当量用いられる。反応温度は、約−50ないし200℃、好ましくは約−20ないし100℃であり、反応時間は約0.5ないし96時間、好ましくは約1ないし24時間である。
化合物(II)またはその塩は、化合物(VI)またはその塩と式R3NH2で表されるアミンまたはその塩を反応させることにより製造できる。また、必要であれば塩基の存在下で反応を行ってもよい。塩基としては、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチレンジアミン、4−メチルモルホリン、ピリジン等の有機塩基あるいはアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)等が挙げられる。用いる溶媒としては、例えばエーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、炭化水素系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン系溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等)が挙げられる。このとき化合物(VI)またはその塩1モルに対して、式R3NH2で表されるアミンまたはその塩は約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし5モル当量用いられ、塩基は約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし5モル当量用いられる。反応温度は、約−50ないし200℃、好ましくは約−20ないし100℃であり、反応時間は約0.5ないし96時間、好ましくは約1ないし24時間である。
B法
(スキーム2)
化合物(V)またはその塩は、例えばテトラヘドロン (Tetrahedron)、55巻、8883〜8904頁 (1999年)、テトラヘドロン(Tetrahedron)、52巻、10987〜10996頁(1996年)などに記載の方法またはそれに準じた方法に従って合成される化合物(III)とカルボン酸である化合物(IV)もしくはその反応性誘導体またはこれらの塩とを溶媒中、必要であれば塩基の存在下、縮合剤を用いることで製造することができる。化合物(IV)は、例えば市販の試薬を用いる他に、市販の試薬を公知の方法により官能基変換を行うことにより、また、WO02/02512などに記載の方法またはそれに準じた方法によっても製造することができる。カルボン酸の反応性誘導体としては、酸無水物、活性エステル(例えば、p−ニトロフェニルエステル、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステルなど)、酸ハライド(例えば、酸クロリド、酸ブロミドなど)、イミダゾリドあるいは混合酸無水物(例えば、メチル炭酸との無水物、エチル炭酸との無水物など)等が挙げられる。その具体例としては、例えば、式 -COOHに換えて式 −COQ1 [式中、Q1は脱離基〔例えば、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシなど〕を示す]で表される基を有する化合物などが挙げられる。用いる溶媒としては、例えばエーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、炭化水素系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン系溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等)が挙げられる。用いる塩基としては、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチレンジアミン、4−メチルモルホリン、ピリジン等の有機塩基あるいはアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)等が挙げられる。用いる縮合剤としては、例えばペプチド合成に用いる縮合剤等が挙げられ、具体的には、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、N-エチル−N'-3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミドおよびその塩酸塩、ベンゾトリアゾール−1−イル−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン化物塩、ベンゾトリアゾール−1−イル−トリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン化物塩、シアノリン酸ジエチル、ジフェニルフォスホリルアジド、N-ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−カルボキシイミド等が挙げられる。これらは単独あるいは、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール等との組み合わせで用いてもよい。この化合物(III)またはその塩1モルに対して、化合物(IV) で表されるカルボン酸もしくはその反応性誘導体またはこれらの塩は約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし5モル当量用いられ、縮合剤は約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし6モル当量用いられる。必要に応じて塩基を約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし6モル当量用いてもよい。このとき反応温度は、約−50ないし200℃、好ましくは約−20ないし100℃であり、反応時間は約0.5ないし96時間、好ましくは約0.5ないし72時間、より好ましくは約1ないし24時間である。
化合物(VI)またはその塩は化合物(V)またはその塩を酸化反応に付すことにより製造することができる。酸化反応に用いる酸化剤としては、例えば、有機過酸(例えば、m-クロロ過安息香酸、過酢酸、3,5-ジニトロ過安息香酸など)、アルキルヒドロペルオキシド(例えば、tert-ブチルヒドロペルオキシドなど)、過酸化水素水などが用いられる。これらは単独あるいは、金属錯体(例えば、アルミニウムトリ-tert-ブトキサイド、酸化バナジウムアセチルアセトナート、カルボニルモリブデンなど)との組み合わせで用いてもよい。また、必要であれば塩基の存在下で反応を行ってもよい。塩基としては、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチレンジアミン、4−メチルモルホリン、ピリジン等の有機塩基あるいはアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)等が挙げられる。用いる溶媒としては、例えば水、プロトン性極性溶媒(例えば、メタノール、エタノールなど)、エーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、炭化水素系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン系溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等)等が挙げられる。このとき化合物(V)またはその塩1モルに対して、酸化剤は約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし5モル当量用いられ、塩基は約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし5モル当量用いられる。反応温度は、約−50ないし200℃、好ましくは約−20ないし100℃であり、反応時間は約0.5ないし96時間、好ましくは約1ないし24時間である。
化合物(II)またはその塩は、化合物(VI)またはその塩と式R3NH2で表されるアミンまたはその塩を反応させることにより製造できる。また、必要であれば塩基の存在下で反応を行ってもよい。塩基としては、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチレンジアミン、4−メチルモルホリン、ピリジン等の有機塩基あるいはアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)等が挙げられる。用いる溶媒としては、例えばエーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、炭化水素系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン系溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等)が挙げられる。このとき化合物(VI)またはその塩1モルに対して、式R3NH2で表されるアミンまたはその塩は約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし5モル当量用いられ、塩基は約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし5モル当量用いられる。反応温度は、約−50ないし200℃、好ましくは約−20ないし100℃であり、反応時間は約0.5ないし96時間、好ましくは約1ないし24時間である。
化合物(II)またはその塩は、化合物(VI)またはその塩からC法(スキーム3)に示す方法でも製造することができる。
C法
(スキーム3)
[式中、各記号は上記と同意義を示す。]
化合物(VII)またはその塩は、化合物(VI)またはその塩と金属アジ化物を反応させることにより製造できる。金属アジ化物としては、例えばアジ化ナトリウム、アジ化リチウム、トリメチルシリルアジド等が挙げられる。また、必要であれば塩化アンモニウム、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、チタンテトライソプロポキシド等の存在下で反応を行ってもよい。用いる溶媒としては、例えば水、プロトン性極性溶媒(例えば、メタノール、エタノールなど)、エーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、炭化水素系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン系溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等)等が挙げられる。このとき化合物(VI)またはその塩1モルに対して、金属アジ化物は約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし5モル当量用いられ、反応温度は、約−50ないし200℃、好ましくは約−20ないし100℃であり、反応時間は約0.5ないし96時間、好ましくは約1ないし24時間である。
化合物(VIII)またはその塩は、化合物(VII)またはその塩の還元反応により製造できる。本反応は公知の還元反応、例えば、遷移金属触媒(例えば、パラジウム−炭素、リンドラー触媒、ラネーニッケル等)を用いた接触還元反応、金属水素錯化合物(例えば、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等)による還元反応、ジボラン、トリフェニルホスフィン、チオール、スルフィド等を用いる還元反応等を用いて行うことができる。本反応は例えば、ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(J. Org. Chem.)50巻、3095〜3103頁 (1985年)、シンセシス(Synthesis)590頁(1975年)等に記載あるいはそれに準じた方法で行うことができる。
C法
(スキーム3)
化合物(VII)またはその塩は、化合物(VI)またはその塩と金属アジ化物を反応させることにより製造できる。金属アジ化物としては、例えばアジ化ナトリウム、アジ化リチウム、トリメチルシリルアジド等が挙げられる。また、必要であれば塩化アンモニウム、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、チタンテトライソプロポキシド等の存在下で反応を行ってもよい。用いる溶媒としては、例えば水、プロトン性極性溶媒(例えば、メタノール、エタノールなど)、エーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、炭化水素系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン系溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等)等が挙げられる。このとき化合物(VI)またはその塩1モルに対して、金属アジ化物は約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし5モル当量用いられ、反応温度は、約−50ないし200℃、好ましくは約−20ないし100℃であり、反応時間は約0.5ないし96時間、好ましくは約1ないし24時間である。
化合物(VIII)またはその塩は、化合物(VII)またはその塩の還元反応により製造できる。本反応は公知の還元反応、例えば、遷移金属触媒(例えば、パラジウム−炭素、リンドラー触媒、ラネーニッケル等)を用いた接触還元反応、金属水素錯化合物(例えば、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等)による還元反応、ジボラン、トリフェニルホスフィン、チオール、スルフィド等を用いる還元反応等を用いて行うことができる。本反応は例えば、ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(J. Org. Chem.)50巻、3095〜3103頁 (1985年)、シンセシス(Synthesis)590頁(1975年)等に記載あるいはそれに準じた方法で行うことができる。
化合物(II)またはその塩は、化合物(VIII)またはその塩と、式 R3-CHOで表されるアルデヒド化合物またはその塩とを用いて、還元的アルキル化反応の条件により製造することができる。還元的アルキル化反応は、例えばエーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、炭化水素系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン系溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等)、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等)、酢酸等の溶媒中またはこれらの混合溶媒中、化合物(VIII)またはその塩と、式 R3-CHOで表されるアルデヒド化合物またはその塩とを、金属水素錯化合物(例えば、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム等)の存在下反応することにより製造することができる。このとき化合物(VIII)またはその塩1モルに対して、式R3-CHOで表されるアルデヒド化合物またはその塩を約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし5モル当量用いられ、金属水素錯化合物は約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし5モル当量用いられる。このとき反応温度は、約0ないし200℃、好ましくは約20ないし100℃であり、反応時間は約0.5ないし96時間、好ましくは約1ないし24時間である。
本発明の化合物(I)またはその塩においてXが置換基を有してもよいアミノ基であり、Yが酸素原子であるときの製造法を以下に示す。
化合物(I)またはその塩においてXがNR6(R6は置換基を有してもよい炭化水素基を示す)であり、Yが酸素原子である化合物(Ib)は、例えばD法(スキーム4)に示す方法によって製造することができる。
D法
(スキーム4)
[式中、PGは保護基、R6は置換基を有してもよい炭化水素基、その他の各記号は上記と同意義を示す。]
化合物(II)またはその塩について、スキーム1に示した方法と同様にしてアミノ基の保護、酸化反応を順次の行って得られた化合物(IX)について還元的アミノ化反応をおこなった後、スキーム1に示した方法と同様にして脱保護反応を行うことにより化合物(Ib)を製造できる。還元的アミノ化反応は、例えばエーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、炭化水素系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン系溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等)、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等)、酢酸等の溶媒中またはこれらの混合溶媒中、化合物(IX)またはその塩と、式 R6-NH2で表されるアミンまたはその塩とを、金属水素錯化合物(例えば、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム等)の存在下反応することにより製造することができる。このとき化合物(IX)またはその塩1モルに対して、式R6-NH2で表されるアミン化合物またはその塩を約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし5モル当量用いられ、金属水素錯化合物は約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし5モル当量用いられる。このとき反応温度は、約0ないし200℃、好ましくは約20ないし100℃であり、反応時間は約0.5ないし96時間、好ましくは約1ないし24時間である。また、還元的アミノ化反応は、ジャーナル オブ ケミカル ソサエティー、パーキン トランス1(J. Chem. Soc., Perkin Trans 1)2527−2530頁 (1998年) 等に記載あるいはそれに準じた方法で行うこともできる。
化合物(I)またはその塩においてXがNR6(R6は置換基を有してもよい炭化水素基を示す)であり、Yが酸素原子である化合物(Ib)は、例えばD法(スキーム4)に示す方法によって製造することができる。
D法
(スキーム4)
化合物(II)またはその塩について、スキーム1に示した方法と同様にしてアミノ基の保護、酸化反応を順次の行って得られた化合物(IX)について還元的アミノ化反応をおこなった後、スキーム1に示した方法と同様にして脱保護反応を行うことにより化合物(Ib)を製造できる。還元的アミノ化反応は、例えばエーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、炭化水素系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン系溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等)、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等)、酢酸等の溶媒中またはこれらの混合溶媒中、化合物(IX)またはその塩と、式 R6-NH2で表されるアミンまたはその塩とを、金属水素錯化合物(例えば、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム等)の存在下反応することにより製造することができる。このとき化合物(IX)またはその塩1モルに対して、式R6-NH2で表されるアミン化合物またはその塩を約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし5モル当量用いられ、金属水素錯化合物は約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし5モル当量用いられる。このとき反応温度は、約0ないし200℃、好ましくは約20ないし100℃であり、反応時間は約0.5ないし96時間、好ましくは約1ないし24時間である。また、還元的アミノ化反応は、ジャーナル オブ ケミカル ソサエティー、パーキン トランス1(J. Chem. Soc., Perkin Trans 1)2527−2530頁 (1998年) 等に記載あるいはそれに準じた方法で行うこともできる。
化合物(I)またはその塩においてXがN-OR7(R7は水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基を示す)であり、Yが酸素原子である化合物(Ic)は、例えばE法(スキーム5)に示す方法によって製造することができる。
E法
(スキーム5)
[式中、R7は水素原子または置換基を有してもよい炭化水素基、その他の各記号は上記と同意義を示す。]
スキーム4で示した化合物(IX)についてヒドロキシルアミン誘導体H2N-OR7またはその塩と縮合反応を行い、続いてスキーム1に示した方法と同様にして脱保護反応を行うことにより化合物(Ic)を製造できる。化合物(IX)またはその塩とヒドロキシルアミン誘導体H2N-OR7またはその塩との縮合反応は、必要であれば塩基の存在下で反応を行ってもよい。塩基としては、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチレンジアミン、4−メチルモルホリン、ピリジン等の有機塩基あるいはアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)等が挙げられる。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属酢酸塩(例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等)の存在下で反応を行っても良い。用いる溶媒としては、例えば、水、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール等)、酢酸、ピリジン等が挙げられる。このとき化合物(XI)またはその塩1モルに対して、ヒドロキシルアミンまたはその塩は、約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし5モル当量用いられる。塩基は約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし5モル当量用いられる。反応温度は、約−50ないし200℃、好ましくは約−20ないし100℃であり、反応時間は約0.5ないし96時間、好ましくは約1ないし24時間である。
E法
(スキーム5)
スキーム4で示した化合物(IX)についてヒドロキシルアミン誘導体H2N-OR7またはその塩と縮合反応を行い、続いてスキーム1に示した方法と同様にして脱保護反応を行うことにより化合物(Ic)を製造できる。化合物(IX)またはその塩とヒドロキシルアミン誘導体H2N-OR7またはその塩との縮合反応は、必要であれば塩基の存在下で反応を行ってもよい。塩基としては、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチレンジアミン、4−メチルモルホリン、ピリジン等の有機塩基あるいはアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)等が挙げられる。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属酢酸塩(例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等)の存在下で反応を行っても良い。用いる溶媒としては、例えば、水、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール等)、酢酸、ピリジン等が挙げられる。このとき化合物(XI)またはその塩1モルに対して、ヒドロキシルアミンまたはその塩は、約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし5モル当量用いられる。塩基は約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし5モル当量用いられる。反応温度は、約−50ないし200℃、好ましくは約−20ないし100℃であり、反応時間は約0.5ないし96時間、好ましくは約1ないし24時間である。
化合物(I)またはその塩においてXが置換基を有さないアミノ基、Yが酸素原子である化合物(Id)は、例えばスキーム4に示した方法に準じて製造できる。即ち、スキーム4に示した還元的アミノ化反応の段階においてR6-NH2で表されるアミンまたはその塩の代わりにアンモニアまたはその塩(塩化アンモニウム等)を用いれば良い。また、還元的アミノ化反応は、シンレット(Synlett)1781−1783頁 (1999年)等に記載あるいはそれに準じた方法で行うこともできる。
別法として、化合物(I)またはその塩においてXが置換基を有さないアミノ基、Yが酸素原子である化合物(Id)は、例えばF法(スキーム6)に示す方法のように化合物(XI)またはその塩を還元反応に付し、続いてスキーム1に示した方法と同様にして脱保護反応を行うことによっても製造することができる。また、化合物(Ib)またはその塩においてR7がベンジル基等であれば、同様に還元反応行うことにより製造することもできる。
F法
(スキーム6)
[式中、各記号は上記と同意義を示す。]
本還元反応は公知の還元反応、例えば、遷移金属触媒(例えば、ロジウム、酸化白金、パラジウム炭素、ラネーニッケル等)を用いた接触還元反応、金属水素錯化合物(例えば、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等)による還元反応、ジボラン等を用いる還元反応等を用いて行うことができる。本反応は例えば、ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(J. Org. Chem.)37巻、335頁 (1972年)、シンセシス(Synthesis)995頁(1988年)、ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサエティー(J. Am. Chem. Soc.)72 巻、5414頁 (1972年) 等に記載あるいはそれに準じた方法で行うことができる。
別法として、化合物(I)またはその塩においてXが置換基を有さないアミノ基、Yが酸素原子である化合物(Id)は、例えばF法(スキーム6)に示す方法のように化合物(XI)またはその塩を還元反応に付し、続いてスキーム1に示した方法と同様にして脱保護反応を行うことによっても製造することができる。また、化合物(Ib)またはその塩においてR7がベンジル基等であれば、同様に還元反応行うことにより製造することもできる。
F法
(スキーム6)
本還元反応は公知の還元反応、例えば、遷移金属触媒(例えば、ロジウム、酸化白金、パラジウム炭素、ラネーニッケル等)を用いた接触還元反応、金属水素錯化合物(例えば、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等)による還元反応、ジボラン等を用いる還元反応等を用いて行うことができる。本反応は例えば、ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(J. Org. Chem.)37巻、335頁 (1972年)、シンセシス(Synthesis)995頁(1988年)、ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサエティー(J. Am. Chem. Soc.)72 巻、5414頁 (1972年) 等に記載あるいはそれに準じた方法で行うことができる。
本発明の化合物(I)またはその塩においてXおよびYがそれぞれ硫黄原子である化合物(Ie)は、例えば、G法(スキーム7)によって製造することができる。
G法
(スキーム7)
[式中、各記号は上記と同意義を示す。]
化合物(Ie)またはその塩は、化合物(Ia)またはその塩を硫化剤(例えば、五硫化リン、ローソン試薬、テーヴィ試薬等)存在下で処理して、あるいは化合物(XI)またはその塩を硫化剤で処理後、スキーム1に示した方法と同様にして脱保護反応を行うことにより製造することができる。用いる溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、炭化水素系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン系溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等)、ピリジン等が挙げられる。化合物(Ia)または(XI)またはそれらの塩1モルに対して、硫化剤は約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし3モル当量用いられる。反応温度は、約−50ないし200℃、好ましくは約0ないし100℃であり、反応時間は約0.5ないし96時間、好ましくは約1ないし24時間である。
本発明の化合物(I)またはその塩においてXが置換基を有してもよいアミノ基、Yが硫黄原子である化合物(If)は、例えば,スキーム4,5,6などで得られた化合物(Ib)、(Ic)、(Id)またはこれらの塩などを,スキーム7と同様にして硫化剤で処理することにより製造できる。
G法
(スキーム7)
化合物(Ie)またはその塩は、化合物(Ia)またはその塩を硫化剤(例えば、五硫化リン、ローソン試薬、テーヴィ試薬等)存在下で処理して、あるいは化合物(XI)またはその塩を硫化剤で処理後、スキーム1に示した方法と同様にして脱保護反応を行うことにより製造することができる。用いる溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、炭化水素系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン系溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等)、ピリジン等が挙げられる。化合物(Ia)または(XI)またはそれらの塩1モルに対して、硫化剤は約0.5ないし10モル当量、好ましくは約1ないし3モル当量用いられる。反応温度は、約−50ないし200℃、好ましくは約0ないし100℃であり、反応時間は約0.5ないし96時間、好ましくは約1ないし24時間である。
本発明の化合物(I)またはその塩においてXが置換基を有してもよいアミノ基、Yが硫黄原子である化合物(If)は、例えば,スキーム4,5,6などで得られた化合物(Ib)、(Ic)、(Id)またはこれらの塩などを,スキーム7と同様にして硫化剤で処理することにより製造できる。
本発明の化合物(I)またはその塩においてXが硫黄原子、Yが酸素原子である化合物(Ig)は、例えば、H法(スキーム8)に示す方法により製造できる。
H法
(スキーム8)
[式中、Q2は脱離基、その他各記号は上記と同意義を示す。]
化合物(II)またはその塩について、スキーム1に示した方法と同様にしてアミノ基の保護した後、水酸基を脱離基(例えば、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシなど)に変換することにより化合物(XII)またはその塩が得られる。化合物(XII)をアルカリ金属またはアルカリ土類金属チオ酢酸塩(例えば、チオ酢酸ナトリウム、チオ酢酸カリウム等)で処理すると、化合物(XIII)またはその塩が得られ、続いてアセチル基の加水分解反応、スキーム1に示した方法と同様の脱保護反応を順次行うと化合物(Ig)またはその塩を製造することができる。具体的には、例えば、ヘテロサイクルス(Heterocycles)41巻、147−159頁 (1995年)等に記載あるいはそれに準じた方法で行うことができる。
本発明の化合物(I)またはその塩においてXが酸素原子であり、Yが硫黄原子である化合物(Ih)は、例えば,スキーム1,2,3などで得られた化合物(II)またはこれらの塩をスキーム7と同様にして硫化剤で処理し、さらにスキーム1、4と同様にして酸化反応に付すことにより製造できる。その際必要に応じて前述したようにアミノ基を保護、脱保護することもできる。
H法
(スキーム8)
化合物(II)またはその塩について、スキーム1に示した方法と同様にしてアミノ基の保護した後、水酸基を脱離基(例えば、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシなど)に変換することにより化合物(XII)またはその塩が得られる。化合物(XII)をアルカリ金属またはアルカリ土類金属チオ酢酸塩(例えば、チオ酢酸ナトリウム、チオ酢酸カリウム等)で処理すると、化合物(XIII)またはその塩が得られ、続いてアセチル基の加水分解反応、スキーム1に示した方法と同様の脱保護反応を順次行うと化合物(Ig)またはその塩を製造することができる。具体的には、例えば、ヘテロサイクルス(Heterocycles)41巻、147−159頁 (1995年)等に記載あるいはそれに準じた方法で行うことができる。
本発明の化合物(I)またはその塩においてXが酸素原子であり、Yが硫黄原子である化合物(Ih)は、例えば,スキーム1,2,3などで得られた化合物(II)またはこれらの塩をスキーム7と同様にして硫化剤で処理し、さらにスキーム1、4と同様にして酸化反応に付すことにより製造できる。その際必要に応じて前述したようにアミノ基を保護、脱保護することもできる。
このようにして得られる化合物(I)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。上記の各製造法で用いられる化合物は、反応に支障を来たさない限り、化合物(I)と同様な塩を形成していてもよい。
また、上記各反応において、原料化合物が、置換基としてアミノ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基を有する場合、これらの基にペプチド化学などで一般的に用いられるような保護基が導入されたものであってもよく、反応後に必要に応じて保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
アミノ基の保護基としては、例えば置換基を有していてもよいC1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニルなど)、ホルミル、フェニルカルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルなど)、フェニルオキシカルボニル(例えば、ベンズオキシカルボニルなど)、C7−10アラルキルオキシ−カルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニルなど)、トリチル、フタロイルなどが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリルなど)、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1ないし3個程度である。
カルボキシ基の保護基としては、例えば置換基を有していてもよいC1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチルなど)、フェニル、トリチル、シリルなどが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリルなど)、ホルミル、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1ないし3個程度である。
ヒドロキ基の保護基としては、例えば置換基を有していてもよいC1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチルなど)、フェニル、C7−10アラルキル(例えば、ベンジルなど)、C1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニルなど)、ホルミル、フェニルオキシカルボニル、C7−10アラルキルオキシカルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニルなど)、ピラニル、フラニル、シリルなどが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−6アルキル、フェニル、C7−10アラルキル、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1ないし4個程度である。
また、保護基の導入および除去方法としては、それ自体公知またはそれに準じる方法〔例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・ケミストリー(J.F.W.McOmieら、プレナムプレス社)に記載の方法〕が用いられる。
また、上記各反応において、原料化合物が、置換基としてアミノ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基を有する場合、これらの基にペプチド化学などで一般的に用いられるような保護基が導入されたものであってもよく、反応後に必要に応じて保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
アミノ基の保護基としては、例えば置換基を有していてもよいC1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニルなど)、ホルミル、フェニルカルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルなど)、フェニルオキシカルボニル(例えば、ベンズオキシカルボニルなど)、C7−10アラルキルオキシ−カルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニルなど)、トリチル、フタロイルなどが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリルなど)、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1ないし3個程度である。
カルボキシ基の保護基としては、例えば置換基を有していてもよいC1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチルなど)、フェニル、トリチル、シリルなどが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリルなど)、ホルミル、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1ないし3個程度である。
ヒドロキ基の保護基としては、例えば置換基を有していてもよいC1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチルなど)、フェニル、C7−10アラルキル(例えば、ベンジルなど)、C1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニルなど)、ホルミル、フェニルオキシカルボニル、C7−10アラルキルオキシカルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニルなど)、ピラニル、フラニル、シリルなどが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−6アルキル、フェニル、C7−10アラルキル、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1ないし4個程度である。
また、保護基の導入および除去方法としては、それ自体公知またはそれに準じる方法〔例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・ケミストリー(J.F.W.McOmieら、プレナムプレス社)に記載の方法〕が用いられる。
化合物(I)及び化合物(I')は、アスパラギン酸プロテアーゼ阻害作用、とりわけ優れたβ-セクレターゼ阻害作用を有し、さらにアミロイドβ蛋白産生・分泌・凝集阻害作用を有し、かつ毒性が低いので医薬として有用である。したがって、化合物(I)及び化合物(I')は、(1)神経変性疾患(例、老年期痴呆、アルツハイマー病、ダウン症、パーキンソン病、クロイツフェルト・ヤコブ病、筋萎縮性脊髄側索硬化症、糖尿病性ニューロパシー、ハンチントン舞踏病、多発性硬化症等)、(2)脳血管障害(例、脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化に伴う脳循環不全等)時、頭部外傷・脊髄損傷時、脳炎後遺症時または脳性麻痺時の神経障害、(3)記憶障害(例、老年期痴呆、健忘症等)または(4)精神疾患(例、うつ病、恐慌性障害、精神分裂症等)(5)ミオパシー(筋疾患、筋症)等の予防・治療に有用である。
また、化合物(I)及び化合物(I')は軽度認識障害(軽症記憶障害)やアミロイドアンジオパシーの予防・治療にも有用である。
化合物(I)及び化合物(I')は上記の治療・予防に他の医薬と併用してもよい。このような併用薬としては、例えばアルツハイマー病治療薬(例えばドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、ザナペジル等のコリンエステラーゼ阻害剤やイデベノン、メマンチン、ビンポセチン等の脳機能賦活薬)、抗パーキンソン薬(例えばL−ドーパ、デプレニル、カルビドパ+レボドパ、ペルゴライド、ロピニロール、カベルゴリン、プラミペキソール、エンタカプロン、ラザベミド等)、筋萎縮性脊髄側索硬化症治療薬(例えばリルゾール、メカセルミン、ガバペンチン等)、神経栄養因子、抗うつ薬(例えばフルオキセチン、サートラリン、パロキセチン、ベンラファキシン、ネファゾドン、レボキセチン、塩酸イミプラミン、デュロキセチン等)、精神分裂病治療薬(例えばオランザピン、リスペリドン、クエチアピン、イロペリドン等)、抗不安薬(例えばアルプラゾラム、ブロマゼパム、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、エチゾラム、フルトプラゼパム、ロラゼパム等)、睡眠薬(例えばブロチゾラム、エスタゾラム、フルラゼパム、ニトラゼパム、トリアゾラム等)、抗高脂血症薬(例えばシンバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、アトロバスタチン等)、血圧降下薬(例えばカプトプリル、デラプリル、エナラプリル、ニフェジピン、ニカルジピン、アムロジピン、アルプレノロール、プロプラノロール、メトプロロール、ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタン等)、抗血小板薬(例えばチクロピジン、ヘパリン、ウロキナーゼ、アルテプラーゼ、チソキナーゼ、ナサルプラーゼ、シロスタゾール等)、抗酸化薬(例えばリノレン酸、アスコルビン酸、イコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、トコフェロール等)、ビタミン類(例えばトコフェロール、アスコルビン酸等)、性ホルモン(例えばエストロゲン、エストロン、エストラジオール等)、抗炎症薬(例えばプレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン等)、非ステロイド性抗炎症薬(例えばインドメタシン、イブプロフェン、アセチルサリチル酸、ジクロフェナク、ナプロキセン、ピロキシカム等)、COX−2阻害薬(例えばセレコキシブ、ロフェコキシブ等)、脳循環代謝改善薬(例えばニセルゴリン、イブジラスト、イフェンプロジル等)、抗痙攣薬(例えばカルバマゼピン、バルプロ酸、クロナゼパム、ビガバトリン、ラモトリジン、ガバペンチン等)およびこれらの薬理学的に許容される塩等が挙げられる。
また、化合物(I)及び化合物(I')は軽度認識障害(軽症記憶障害)やアミロイドアンジオパシーの予防・治療にも有用である。
化合物(I)及び化合物(I')は上記の治療・予防に他の医薬と併用してもよい。このような併用薬としては、例えばアルツハイマー病治療薬(例えばドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、ザナペジル等のコリンエステラーゼ阻害剤やイデベノン、メマンチン、ビンポセチン等の脳機能賦活薬)、抗パーキンソン薬(例えばL−ドーパ、デプレニル、カルビドパ+レボドパ、ペルゴライド、ロピニロール、カベルゴリン、プラミペキソール、エンタカプロン、ラザベミド等)、筋萎縮性脊髄側索硬化症治療薬(例えばリルゾール、メカセルミン、ガバペンチン等)、神経栄養因子、抗うつ薬(例えばフルオキセチン、サートラリン、パロキセチン、ベンラファキシン、ネファゾドン、レボキセチン、塩酸イミプラミン、デュロキセチン等)、精神分裂病治療薬(例えばオランザピン、リスペリドン、クエチアピン、イロペリドン等)、抗不安薬(例えばアルプラゾラム、ブロマゼパム、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、エチゾラム、フルトプラゼパム、ロラゼパム等)、睡眠薬(例えばブロチゾラム、エスタゾラム、フルラゼパム、ニトラゼパム、トリアゾラム等)、抗高脂血症薬(例えばシンバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、アトロバスタチン等)、血圧降下薬(例えばカプトプリル、デラプリル、エナラプリル、ニフェジピン、ニカルジピン、アムロジピン、アルプレノロール、プロプラノロール、メトプロロール、ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタン等)、抗血小板薬(例えばチクロピジン、ヘパリン、ウロキナーゼ、アルテプラーゼ、チソキナーゼ、ナサルプラーゼ、シロスタゾール等)、抗酸化薬(例えばリノレン酸、アスコルビン酸、イコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、トコフェロール等)、ビタミン類(例えばトコフェロール、アスコルビン酸等)、性ホルモン(例えばエストロゲン、エストロン、エストラジオール等)、抗炎症薬(例えばプレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン等)、非ステロイド性抗炎症薬(例えばインドメタシン、イブプロフェン、アセチルサリチル酸、ジクロフェナク、ナプロキセン、ピロキシカム等)、COX−2阻害薬(例えばセレコキシブ、ロフェコキシブ等)、脳循環代謝改善薬(例えばニセルゴリン、イブジラスト、イフェンプロジル等)、抗痙攣薬(例えばカルバマゼピン、バルプロ酸、クロナゼパム、ビガバトリン、ラモトリジン、ガバペンチン等)およびこれらの薬理学的に許容される塩等が挙げられる。
化合物(I)および(I')は、自体公知の手段に従って製剤化することができ、化合物(I)または(I')そのままあるいは薬理学的に許容される担体を、製剤化工程において適宜、適量混合することにより医薬組成物、例えば錠剤(舌下錠、口腔内崩壊錠を含む)、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、散剤、顆粒剤、トローチ剤、シロップ剤等の経口剤;および注射剤(例、皮下注射剤,静脈内注射剤,筋肉内注射剤,腹腔内注射剤、点滴剤等)、外用剤(例、経皮製剤,軟膏剤等)、坐剤(例、直腸坐剤,膣坐剤等)、ペレット、経鼻剤、経肺剤(吸入剤)、徐放剤、点眼剤等の非経口剤に製剤することができる。特に、神経変性疾患に罹患した、嚥下に困難を有する患者に投与する場合、舌下錠、口腔内崩壊錠、シロップ剤、外用剤、および経鼻剤等が好ましい。
これらの製剤は、その形態に適した方法で、経口的または非経口的(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。
本発明の医薬組成物中、化合物(I)または(I')の含有量は、剤全体の0.1〜100重量%である。投与量は、投与対象、投与ルート、疾患などにより異なるが、例えばアルツハイマー病治療薬として、成人(約60kg)に対し、経口剤として、1回当たり、有効成分(化合物(I)または(I'))として約0.1〜500mg、好ましくは約1〜100mg、さらに好ましくは5〜100mgであり、1日1〜数回に分けて投与することができる。
上記した「他の医薬」と本発明の化合物(I)または(I')とは、自体公知の方法に従って混合し、一つの医薬組成物中に製剤化して併用してもよく、また、それぞれを別々に製剤化し、同一対象に対して同時にまたは時間差を置いて投与してもよい。
本発明の組成物の製造に用いられる薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質があげられ、例えば固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などがあげられる。また、必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤などの添加物を用いることもできる。
賦形剤としては、例えば乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。
滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。
結合剤としては、例えば結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどが挙げられる。
崩壊剤としては、例えばデンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、L−ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
溶剤としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油などが挙げられる。
溶解補助剤としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。
懸濁化剤としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。
等張化剤としては、例えばブドウ糖、D−ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトールなどが挙げられる。
緩衝剤としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。
無痛化剤としては、例えばベンジルアルコールなどが挙げられる。
防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げられる。
これらの製剤は、その形態に適した方法で、経口的または非経口的(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。
本発明の医薬組成物中、化合物(I)または(I')の含有量は、剤全体の0.1〜100重量%である。投与量は、投与対象、投与ルート、疾患などにより異なるが、例えばアルツハイマー病治療薬として、成人(約60kg)に対し、経口剤として、1回当たり、有効成分(化合物(I)または(I'))として約0.1〜500mg、好ましくは約1〜100mg、さらに好ましくは5〜100mgであり、1日1〜数回に分けて投与することができる。
上記した「他の医薬」と本発明の化合物(I)または(I')とは、自体公知の方法に従って混合し、一つの医薬組成物中に製剤化して併用してもよく、また、それぞれを別々に製剤化し、同一対象に対して同時にまたは時間差を置いて投与してもよい。
本発明の組成物の製造に用いられる薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質があげられ、例えば固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などがあげられる。また、必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤などの添加物を用いることもできる。
賦形剤としては、例えば乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。
滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。
結合剤としては、例えば結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどが挙げられる。
崩壊剤としては、例えばデンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、L−ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
溶剤としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油などが挙げられる。
溶解補助剤としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。
懸濁化剤としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。
等張化剤としては、例えばブドウ糖、D−ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトールなどが挙げられる。
緩衝剤としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。
無痛化剤としては、例えばベンジルアルコールなどが挙げられる。
防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げられる。
以下に、参考例、実施例、製剤例および実験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらは単なる例であって、本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
下記参考例および実施例において、1H−NMRスペクトルは、内部標準としてテトラメチルシランを用いてバリアンジェミニ200(200MHz) 、またはマーキュリー300(300MHz)で測定し、全δ値を parts per million (ppm)で示した。混合溶媒において示した数値は、特に断らない限り各溶媒の容積混合比である。%は特に断らない限り重量パーセントを意味する。また、シリカゲルクロマトグラフィ−における溶出溶媒は、特に断らない限り容量比を示す。シリカゲルは、特に断らない限りシリカゲル60(100−230メッシュ)(メルク社製)を用いた。また、シリカゲルクロマトグラフィー(NH)と記載した場合は、クロマトレックスNH-DM1020 (100−200メッシュ)(富士シリシア社製)を用いた。また、分取HPLCによる精製には、コンビプレップODS−A (YMC製、20 mm i.d. x 50 mm)を用い、0.1%のトリフルオロメタンスルホン酸を含有したアセトニトリル/水混合溶媒(10/90→100/0)により精製した。本明細書中における室温(常温)とは、約10℃から約35℃の温度を表す。
なお、実施例、参考例、合成例中の略号は次の意味を表す。
s:シングレット(singlet)、d:ダブレット(doublet)、t:トリプレット(triplet)、q:クアルテット(quartet)、br:ブロード(broad)、J:カップリング定数(coupling constant)、dd:ダブルダブレット(double doublet)、m:マルチプレット(multiplet)、Hz:ヘルツ(Hertz)、CDCl3:重クロロホルム、DMSO-d6:重ジメチルスルホキシド、NMR:プロトン核磁気共鳴、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、THF:テトラヒドロフラン、%:重量%。
下記実施例においてマススペクトル (MS) は以下の条件により測定した。
測定機器:ウオーターズ社 Micromass ZQ
イオン化法:電子衝撃イオン化法 (Electron Spray Ionization: ESI)
下記参考例および実施例において、1H−NMRスペクトルは、内部標準としてテトラメチルシランを用いてバリアンジェミニ200(200MHz) 、またはマーキュリー300(300MHz)で測定し、全δ値を parts per million (ppm)で示した。混合溶媒において示した数値は、特に断らない限り各溶媒の容積混合比である。%は特に断らない限り重量パーセントを意味する。また、シリカゲルクロマトグラフィ−における溶出溶媒は、特に断らない限り容量比を示す。シリカゲルは、特に断らない限りシリカゲル60(100−230メッシュ)(メルク社製)を用いた。また、シリカゲルクロマトグラフィー(NH)と記載した場合は、クロマトレックスNH-DM1020 (100−200メッシュ)(富士シリシア社製)を用いた。また、分取HPLCによる精製には、コンビプレップODS−A (YMC製、20 mm i.d. x 50 mm)を用い、0.1%のトリフルオロメタンスルホン酸を含有したアセトニトリル/水混合溶媒(10/90→100/0)により精製した。本明細書中における室温(常温)とは、約10℃から約35℃の温度を表す。
なお、実施例、参考例、合成例中の略号は次の意味を表す。
s:シングレット(singlet)、d:ダブレット(doublet)、t:トリプレット(triplet)、q:クアルテット(quartet)、br:ブロード(broad)、J:カップリング定数(coupling constant)、dd:ダブルダブレット(double doublet)、m:マルチプレット(multiplet)、Hz:ヘルツ(Hertz)、CDCl3:重クロロホルム、DMSO-d6:重ジメチルスルホキシド、NMR:プロトン核磁気共鳴、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、THF:テトラヒドロフラン、%:重量%。
下記実施例においてマススペクトル (MS) は以下の条件により測定した。
測定機器:ウオーターズ社 Micromass ZQ
イオン化法:電子衝撃イオン化法 (Electron Spray Ionization: ESI)
参考例1
tert−ブチル−(1S,2R)−3−アジド−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバメート
アルドリッチ社製tert−ブチル−[S−(R*,R*)]−(−)−(1−オキシラニル−2−フェニルエチル)カルバメート(2.00g,7.6mmol)、アジ化ナトリウム(2.47g,38mmol)および塩化アンモニウム(1.02g,19mmol)をメタノール−水(8:1)混合溶媒(90mL)中で1時間30分加熱還流した。室温まで放冷した後、減圧下溶媒を留去し、残渣に水を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して表題化合物(1.97g,85%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.38 (9H, s), 2.90 (2H, d, J = 5.6 Hz), 3.42 (2H, d, J = 6.0 Hz), 3.75-3.91 (2H, m), 4.60 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.18-7.36 (5H, m), hidden (1H).
tert−ブチル−(1S,2R)−3−アジド−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバメート
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.38 (9H, s), 2.90 (2H, d, J = 5.6 Hz), 3.42 (2H, d, J = 6.0 Hz), 3.75-3.91 (2H, m), 4.60 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.18-7.36 (5H, m), hidden (1H).
参考例2
3−[(ジプロピルアミノ)カルボニル]安息香酸
イソフタル酸ジメチル(39.0g,201mmol)のメタノール/水(1:1)混合溶媒(400mL)に水酸化ナトリウム(8.84g,221mmol)を加え、1時間30分加熱還流した。室温まで放冷した後、減圧下溶媒を留去し、残渣に酢酸エチルを加えて水で抽出した。続いて抽出水溶液に濃塩酸を加えて酸性溶液とし、酢酸エチルで抽出した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をDMF(500mL)に溶解させた。ジプロピルアミン(50.9g,503mmol)、シアノリン酸ジエチル(74.9mL,503mmol)を加えて室温で15分間撹拌した後、トリエチルアミン(182mL,1.31mol)を加え、さらに50分間撹拌した。反応混合物を水で希釈後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をTHF(200mL)に溶解させ、1規定水酸化ナトリウム水溶液(400mL)を加え、50℃で50分間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加えて水で抽出した。続いて抽出液に濃塩酸を加えて酸性溶液とし、酢酸エチルで抽出した。減圧下溶媒を留去し、得られた固体をエーテルで洗浄して表題化合物(12.8g、26%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.75 (3H, t, J = 6.8 Hz), 1.00 (3H, t, J = 6.8 Hz), 1.55 (2H, q, J = 4.2 Hz), 1.72 (2H, q, J = 4.2 Hz), 3.16 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.49 (2H, t, J = 7.5 Hz), 7.51 (1H, dt, J = 7.5, 0.6 Hz), 7.62 (1H, dt, J = 7.8, 1.5 Hz), 8.08 (1H, q, J = 0.9 Hz), 8.12 (1H, dt, J = 7.8, 1.5 Hz) , hidden (1H).
3−[(ジプロピルアミノ)カルボニル]安息香酸
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.75 (3H, t, J = 6.8 Hz), 1.00 (3H, t, J = 6.8 Hz), 1.55 (2H, q, J = 4.2 Hz), 1.72 (2H, q, J = 4.2 Hz), 3.16 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.49 (2H, t, J = 7.5 Hz), 7.51 (1H, dt, J = 7.5, 0.6 Hz), 7.62 (1H, dt, J = 7.8, 1.5 Hz), 8.08 (1H, q, J = 0.9 Hz), 8.12 (1H, dt, J = 7.8, 1.5 Hz) , hidden (1H).
参考例3
N'−[(1S,2R)−3−アジド−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピル]−N,N−ジプロピルイソフタルアミド
tert−ブチル−(1S,2R)−3−アジド−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバメート(1.90g,6.20mmol)を4規定塩化水素酢酸エチル溶液(50mL)に溶解させ室温で20分間放置した。溶媒を留去し、残渣にジエチルエーテルを加えて結晶化した。得られた化合物(1.40g)をDMF(50mL)に溶解させ、トリエチルアミン(804μL,5.77mmol)、および、参考例2で製造した3−[(ジプロピルアミノ)カルボニル]安息香酸(1.72g,6.92mmol)を加えた。シアノリン酸ジエチル(1.03mL,6.92mmol)を加え、室温で10分間撹拌した後、トリエチルアミン(2.41mL,17.3mmol)を加え、さらに室温で20分間撹拌した。反応混合物を水で希釈後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=40/60→70/30)で精製して表題化合物(1.95g,72%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.71 (3H, t, J = 7.1 Hz), 0.99 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.42-1.80 (4H, m), 2.96-3.11 (4H, m), 3.35-3.49 (4H, m), 3.87-3.91 (1H, m), 4.27-4.43 (2H, m), 6.90 (1H, br s), 7.22-7.37 (6H, m), 7.51 (1H, s), 7.58-7.63 (1H, m), hidden (1H),
MS (ESI+): 438 (M+H).
N'−[(1S,2R)−3−アジド−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピル]−N,N−ジプロピルイソフタルアミド
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.71 (3H, t, J = 7.1 Hz), 0.99 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.42-1.80 (4H, m), 2.96-3.11 (4H, m), 3.35-3.49 (4H, m), 3.87-3.91 (1H, m), 4.27-4.43 (2H, m), 6.90 (1H, br s), 7.22-7.37 (6H, m), 7.51 (1H, s), 7.58-7.63 (1H, m), hidden (1H),
MS (ESI+): 438 (M+H).
参考例4
N'−[(1S,2R)−3−アミノ−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピル]−N,N−ジプロピルイソフタルアミド
N'−[(1S,2R)−3−アジド−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピル]−N,N−ジプロピルイソフタルアミド(1.11g,2.54mmol)をメタノール(30mL)に溶解させ、10%パラジウム−炭素粉末(30mg)を加えた後、水素雰囲気下室温で1時間30分撹拌した。触媒をセライトによりろ別し、ろ液を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH) (ジクロロメタン/メタノール=95/5)で精製して表題化合物(900mg,86%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.70 (3H, t, J = 6.6 Hz), 0.98 (3H, t, J = 6.9 Hz), 1.46-1.70 (4H, m), 2.76-2.80 (2H, m), 2.89-3.07 (4H, m), 3.44-3.58 (3H, m), 4.35-4.37 (1H, m), 7.16-7.39 (7H, m), 7.57-7.63 (2H, m), hidden (4H),
MS (ESI+): 412 (M+H).
N'−[(1S,2R)−3−アミノ−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピル]−N,N−ジプロピルイソフタルアミド
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.70 (3H, t, J = 6.6 Hz), 0.98 (3H, t, J = 6.9 Hz), 1.46-1.70 (4H, m), 2.76-2.80 (2H, m), 2.89-3.07 (4H, m), 3.44-3.58 (3H, m), 4.35-4.37 (1H, m), 7.16-7.39 (7H, m), 7.57-7.63 (2H, m), hidden (4H),
MS (ESI+): 412 (M+H).
参考例5
N'−{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−[(3−メトキシベンジル)アミノ]プロピル}−N,N−ジプロピルイソフタルアミド
N'−[(1S,2R)−3−アミノ−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピル]−N,N−ジプロピルイソフタルアミド(702mg,1.71mmol)、3−メトキシベンズアルデヒド(208 μL,1.71mmol)をジクロロメタン/DMF(1:1)の混合溶媒 (20mL)に溶解させた。酢酸(1mL)を加え、室温で30分間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.45g,6.84mmol)を加え、さらに室温で1時間30分撹拌した。反応混合物を水で希釈後、ジクロロメタンで抽出し、抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH)(酢酸エチル)で精製して表題化合物(601mg,66%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.72 (3H, t, J = 7.5 Hz), 0.98 (3H, t, J = 7.9 Hz), 1.42-1.71 (4H, m), 2.79 (2H, d, J = 4.8 Hz), 3.01 (2H, d, J = 6.6 Hz), 3.10 (2H, t, J = 6.2 Hz), 3.44-3.50 (2H, m), 3.62-3.71 (1H, m), 3.78 (2H, s), 3.79 (3H, s), 4.36-4.44 (1H, m), 6.79-6.92 (4H, m), 7.25-7.46 (7H, m), 7.59-7.61 (2H, m), hidden (3H),
MS (ESI+): 532 (M+H).
N'−{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−[(3−メトキシベンジル)アミノ]プロピル}−N,N−ジプロピルイソフタルアミド
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.72 (3H, t, J = 7.5 Hz), 0.98 (3H, t, J = 7.9 Hz), 1.42-1.71 (4H, m), 2.79 (2H, d, J = 4.8 Hz), 3.01 (2H, d, J = 6.6 Hz), 3.10 (2H, t, J = 6.2 Hz), 3.44-3.50 (2H, m), 3.62-3.71 (1H, m), 3.78 (2H, s), 3.79 (3H, s), 4.36-4.44 (1H, m), 6.79-6.92 (4H, m), 7.25-7.46 (7H, m), 7.59-7.61 (2H, m), hidden (3H),
MS (ESI+): 532 (M+H).
参考例6
tert−ブチル−(2R,3S)−3−({3−[( ジプロピルアミノ)カルボニル]ベンゾイル}アミノ)−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチル(3−メトキシベンジル)カルバメート
N'−{(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−[(3−メトキシベンジル)アミノ]プロピル}−N,N−ジプロピルイソフタルアミド(414mg,0.779mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、トリエチルアミン(327μL,2.34mmol)、二炭酸ジ−tert−ブチル(255mg,1.17mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン=30/70→70/30)で精製して表題化合物(479mg,97%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.71 (3H, t, J = 7.0 Hz), 0.99 (3H, t, J = 6.8 Hz), 1.49 (9H, s), 1.39-1.71 (4H, m), 2.98-3.09 (4H,m), 3.40-3.45 (4H, m), 3.76 (3H, s), 3.90-3.93 (1H, m), 4.42-4.44 (1H, m), 4.44 (2H, s), 6.55 (1H, br s), 6.74-6.80 (3H, m), 7.15-7.27 (5H, m), 7.39-7.56 (4H, m), hidden (2H),
MS (ESI+): 632 (M+H).
tert−ブチル−(2R,3S)−3−({3−[( ジプロピルアミノ)カルボニル]ベンゾイル}アミノ)−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチル(3−メトキシベンジル)カルバメート
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.71 (3H, t, J = 7.0 Hz), 0.99 (3H, t, J = 6.8 Hz), 1.49 (9H, s), 1.39-1.71 (4H, m), 2.98-3.09 (4H,m), 3.40-3.45 (4H, m), 3.76 (3H, s), 3.90-3.93 (1H, m), 4.42-4.44 (1H, m), 4.44 (2H, s), 6.55 (1H, br s), 6.74-6.80 (3H, m), 7.15-7.27 (5H, m), 7.39-7.56 (4H, m), hidden (2H),
MS (ESI+): 632 (M+H).
参考例7
tert−ブチル−(3S)−3−({3−[( ジプロピルアミノ)カルボニル]ベンゾイル}アミノ)−2−オキソ−4−フェニルブチル(3−メトキシベンジル)カルバメート
tert−ブチル−(2R,3S)−3−({3−[( ジプロピルアミノ)カルボニル]ベンゾイル}アミノ)−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチル(3−メトキシベンジル)カルバメート(241mg,0.382mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解させ、モレキュラーシーブス4A(50mg)、4−メチルモルホリン−N−オキシド(112mg,0.955mmol)、テトラプロピルアンモニウム過ルテニウム酸(7mg,0.019mmol)を加え、室温で40分間撹拌した。反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル)で精製して表題化合物(238mg,99%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.73 (3H, t, J = 7.5 Hz), 0.99 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.42-1.72 (4H, m), 1.45 (9H, d, J = 12.0 Hz), 3.02-3.14 (4H, m), 3.46 (2H, t, J = 6.9 Hz), 3.79 (3H, s), 3.95-4.14 (2H, m), 4.42 (2H, s), 4.96-5.01 (1H, m), 6.74-6.89 (4H, m), 7.10-7.27 (5H, m), 7.39-7.51 (2H, m), 7.67-7.71 (2H, m), hidden (1H),
MS (ESI+): 630 (M+H).
tert−ブチル−(3S)−3−({3−[( ジプロピルアミノ)カルボニル]ベンゾイル}アミノ)−2−オキソ−4−フェニルブチル(3−メトキシベンジル)カルバメート
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.73 (3H, t, J = 7.5 Hz), 0.99 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.42-1.72 (4H, m), 1.45 (9H, d, J = 12.0 Hz), 3.02-3.14 (4H, m), 3.46 (2H, t, J = 6.9 Hz), 3.79 (3H, s), 3.95-4.14 (2H, m), 4.42 (2H, s), 4.96-5.01 (1H, m), 6.74-6.89 (4H, m), 7.10-7.27 (5H, m), 7.39-7.51 (2H, m), 7.67-7.71 (2H, m), hidden (1H),
MS (ESI+): 630 (M+H).
実施例1
N'−{(1S)−1−ベンジル−3−[(3−メトキシベンジル)アミノ]−2−オキソプロピル}−N,N−ジプロピルイソフタルアミド 塩酸塩
tert−ブチル−(3S)−3−({3−[( ジプロピルアミノ)カルボニル]ベンゾイル}アミノ)−2−オキソ−4−フェニルブチル(3−メトキシベンジル)カルバメート(71.6mg,0.114mmol)を4規定塩化水素酢酸エチル溶液(10mL)に溶解させ室温で15分間放置した。溶媒を留去し、残渣にジエチルエーテルを加えて結晶化させ表題化合物(25.4mg,38%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.67 (3H, t, J = 7.4 Hz), 0.91 (3H, t, J = 7.4 Hz), 1.44 (2H, m), 1.58 (2H, m), 3.00 (2H, t, J = 7.4 Hz), 3.12 (2H, m), 3.15 (1H, br d), 3.28 (2H, t, J = 7.4 Hz), 3.82 (3H, s), 3.99 (1H, br d), 4.10 (1H, br d), 4.83 (1H, m), 4.86 (1H, m), 6.91 (1H, dd, J = 8.1, 2.1 Hz), 7.11 (1H, t, J = 7.6 Hz), 7.12 (1H, d, J = 7.4 Hz), 7.18 (2H, t, J = 7.6 Hz), 7.24 (1H, br s), 7.28 (1H, m), 7.29 (2H, m), 7.31 (1H, d, J = 7.4 Hz), 7.44 (1H, t, J = 7.4 Hz), 7.89 (1H, d, J = 7.4 Hz), 7.94 (1H, br s), 9.11 (1H, d, J = 5.0 Hz), 9.44 (1H, br s), 10.18 (1H, br s),
13C-NMR (CDCl3) δ: 11.13, 11.45, 20.59, 21.73, 36.17, 46.71, 50.88, 51.13, 51.73, 55.42, 59.37, 115.19, 115.84, 122.55, 124.39, 126.64, 128.33, 129.30, 129.41, 129.41, 129.75, 130.02, 131.73, 132.22, 136.66, 136.68, 159.88, 166.25, 171.25, 202.57,
MS (ESI+): 530 (M+H).
N'−{(1S)−1−ベンジル−3−[(3−メトキシベンジル)アミノ]−2−オキソプロピル}−N,N−ジプロピルイソフタルアミド 塩酸塩
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.67 (3H, t, J = 7.4 Hz), 0.91 (3H, t, J = 7.4 Hz), 1.44 (2H, m), 1.58 (2H, m), 3.00 (2H, t, J = 7.4 Hz), 3.12 (2H, m), 3.15 (1H, br d), 3.28 (2H, t, J = 7.4 Hz), 3.82 (3H, s), 3.99 (1H, br d), 4.10 (1H, br d), 4.83 (1H, m), 4.86 (1H, m), 6.91 (1H, dd, J = 8.1, 2.1 Hz), 7.11 (1H, t, J = 7.6 Hz), 7.12 (1H, d, J = 7.4 Hz), 7.18 (2H, t, J = 7.6 Hz), 7.24 (1H, br s), 7.28 (1H, m), 7.29 (2H, m), 7.31 (1H, d, J = 7.4 Hz), 7.44 (1H, t, J = 7.4 Hz), 7.89 (1H, d, J = 7.4 Hz), 7.94 (1H, br s), 9.11 (1H, d, J = 5.0 Hz), 9.44 (1H, br s), 10.18 (1H, br s),
13C-NMR (CDCl3) δ: 11.13, 11.45, 20.59, 21.73, 36.17, 46.71, 50.88, 51.13, 51.73, 55.42, 59.37, 115.19, 115.84, 122.55, 124.39, 126.64, 128.33, 129.30, 129.41, 129.41, 129.75, 130.02, 131.73, 132.22, 136.66, 136.68, 159.88, 166.25, 171.25, 202.57,
MS (ESI+): 530 (M+H).
実施例2
N'−{(1S)−1−ベンジル−2−(ヒドロキシイミノ)−3−[(3−メトキシベンジル)アミノ]プロピル}−N,N−ジプロピルイソフタルアミド 塩酸塩
tert−ブチル−(3S)−3−({3−[( ジプロピルアミノ)カルボニル]ベンゾイル}アミノ)−2−オキソ−4−フェニルブチル(3−メトキシベンジル)カルバメート(129mg,0.205mmol)をエタノール(5mL)に溶解させ、塩化ヒドロキシアンモニウム(17.1mg,0.246mmol)、ピリジン(84μL,1.03mmol)を加え、60℃で1時間撹拌した。室温まで放冷した後、減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン=40/60→50/50)で精製して白色粉末(122mg,92%)を得た。この粉末(101mg,0.157mmol)を4規定塩化水素酢酸エチル溶液(5mL)に溶解させ室温で15分間放置した。溶媒を留去し、残渣にジエチルエーテルを加えて結晶化させ表題化合物(31mg,36%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.69 (3H, m), 0.96 (3H, m), 1.43-1.66 (4H, m), 3.09-3.22 (4H, m), 3.38-3.50 (3H, m), 3.73-3.88 (1H, m), 3.73 (3H, s), 4.15 (2H, m), 5.05 (0.5H, br s), 5.26 (0.5H, br s), 6.81 (1H, m), 6.96-7.29 (10H, m), 7.70-7.92 (2H, m), 8.31 (0.5H, br s), 8.64 (0.5H, br s), 9.31-9.66 (1.5H, m), 11.26 (0.5H, br s),
MS (ESI+): 545 (M+H).
N'−{(1S)−1−ベンジル−2−(ヒドロキシイミノ)−3−[(3−メトキシベンジル)アミノ]プロピル}−N,N−ジプロピルイソフタルアミド 塩酸塩
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.69 (3H, m), 0.96 (3H, m), 1.43-1.66 (4H, m), 3.09-3.22 (4H, m), 3.38-3.50 (3H, m), 3.73-3.88 (1H, m), 3.73 (3H, s), 4.15 (2H, m), 5.05 (0.5H, br s), 5.26 (0.5H, br s), 6.81 (1H, m), 6.96-7.29 (10H, m), 7.70-7.92 (2H, m), 8.31 (0.5H, br s), 8.64 (0.5H, br s), 9.31-9.66 (1.5H, m), 11.26 (0.5H, br s),
MS (ESI+): 545 (M+H).
実施例3
N'−{(1S)−2−アミノ−1−ベンジル−3−[(3−メトキシベンジル)アミノ]プロピル}−N,N−ジプロピルイソフタルアミド 二塩酸塩
tert−ブチル−(3S)−3−({3−[( ジプロピルアミノ)カルボニル]ベンゾイル}アミノ)−2−オキソ−4−フェニルブチル(3−メトキシベンジル)カルバメート(138mg,0.219mmol)をエタノール(10mL)に溶解させ、塩化アンモニウム(118mg,2.19mmol)、チタンテトライソプロポキシド(647 μL,2.19mmol)、トリエチルアミン(306 μL,2.19mmol)を加え、窒素雰囲気下室温で16時間撹拌した。続いてテトラヒドロホウ素ナトリウム(42mg,1.10mmol)を加え、さらに室温で1時間撹拌した。アンモニア水溶液を加え、生じた不溶物をろ過により除去した後、酢酸エチルで抽出した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン=80/20→酢酸エチル→酢酸エチル/メタノール95/5)で精製して、二つのジアステレオマーのうち、低極性化合物および高極性化合物をそれぞれ単品として得た。上記低極性化合物及び高極性化合物をそれぞれ4規定塩化水素酢酸エチル溶液(10mL)に溶解させ室温で15分間放置した。溶媒を留去し、残渣にジエチルエーテルを加えて結晶化させ、表題化合物をそれぞれジアステレオマーA(7.50mg,6%)、およびジアステレオマーB(10.2mg,8%)として得た。
ジアステレオマーA:1H-NMR (CDCl3) δ: 0.69 (3H, br s), 0.92 (3H, br s), 1.43 (2H, br s), 1.64 (2H, br s), 2.43 (4H, m), 3.06 (2H, br s), 3.41 (2H, br s), 3.71 (3H, s), 4.05-4.47 (3H, m), 4.69 (1H, br s), 6.84 (1H, br s), 7.10-7.32 (10H, m), 7.95 (2H, br s), 8.95 (2H, br s), 9.69 (1H, br s), 9.99 (1H, br s),
MS (ESI+): 531 (M+H).
ジアステレオマーB:1H-NMR (CDCl3) δ: 0.66 (3H, br s), 0.93 (3H, br s), 1.43 (2H, br s), 1.64 (2H, br s), 2.65 (4H, m), 3.03 (2H, br s), 3.37 (2H, br s), 3.66 (4H, m), 4.17 (2H, br s), 4.81 (1H, br s), 6.78 (1H, br s), 7.10-7.26 (10H, m), 7.79 (2H, br s), 8.87 (2H, br s), 9.83 (1H, br s), hidden (1H),
MS (ESI+): 531 (M+H).
N'−{(1S)−2−アミノ−1−ベンジル−3−[(3−メトキシベンジル)アミノ]プロピル}−N,N−ジプロピルイソフタルアミド 二塩酸塩
ジアステレオマーA:1H-NMR (CDCl3) δ: 0.69 (3H, br s), 0.92 (3H, br s), 1.43 (2H, br s), 1.64 (2H, br s), 2.43 (4H, m), 3.06 (2H, br s), 3.41 (2H, br s), 3.71 (3H, s), 4.05-4.47 (3H, m), 4.69 (1H, br s), 6.84 (1H, br s), 7.10-7.32 (10H, m), 7.95 (2H, br s), 8.95 (2H, br s), 9.69 (1H, br s), 9.99 (1H, br s),
MS (ESI+): 531 (M+H).
ジアステレオマーB:1H-NMR (CDCl3) δ: 0.66 (3H, br s), 0.93 (3H, br s), 1.43 (2H, br s), 1.64 (2H, br s), 2.65 (4H, m), 3.03 (2H, br s), 3.37 (2H, br s), 3.66 (4H, m), 4.17 (2H, br s), 4.81 (1H, br s), 6.78 (1H, br s), 7.10-7.26 (10H, m), 7.79 (2H, br s), 8.87 (2H, br s), 9.83 (1H, br s), hidden (1H),
MS (ESI+): 531 (M+H).
実施例4
N'−[(1S)−1−ベンジル−3−[(3−メトキシベンジル)アミノ]−2−(メチルアミノ)プロピル]−N,N−ジプロピルイソフタルアミド 二塩酸塩
tert−ブチル−(3S)−3−({3−[( ジプロピルアミノ)カルボニル]ベンゾイル}アミノ)−2−オキソ−4−フェニルブチル(3−メトキシベンジル)カルバメート(127mg,0.202mmol)をエタノール(10mL)に溶解させ、塩化メチルアンモニウム(137mg,2.02mmol)、チタンテトライソプロポキシド(597 μL,2.02mmol)、トリエチルアミン(282 μL,2.02mmol)を加え、窒素雰囲気下室温で15時間撹拌した。続いてテトラヒドロホウ素ナトリウム(39mg,1.01mmol)を加え、さらに室温で1時間撹拌した。アンモニア水溶液を加え、生じた不溶物をろ過により除去した後、酢酸エチルで抽出した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン=50/50→100/0)で精製して、二つのジアステレオマーのうち、低極性化合物および高極性化合物をそれぞれ単品として得た。上記低極性化合物及び高極性化合物をそれぞれ4規定塩化水素酢酸エチル溶液(10mL)に溶解させ室温で1時間放置した。溶媒を留去し、残渣にジエチルエーテルを加えて結晶化させ、表題化合物をそれぞれジアステレオマーA(20.0mg,16%)、およびジアステレオマーB(51.2mg,41%)として得た。
ジアステレオマーA:1H-NMR (CDCl3) δ: 0.72-0.84 (6H, m), 1.52-1.69 (4H, m), 1.95-2.04 (5H, m), 3.03-3.66 (7H, m), 3.85 (3H, s), 4.03 (2H, br s), 4.59 (1H, br s), 6.92 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.15-7.57 (11H, m), 8.00 (1H, d, J = 6.6 Hz), 9.02-9.56 (2H, m), hidden (1H),
MS (ESI+): 545 (M+H).
ジアステレオマーB:1H-NMR (CDCl3) δ: 0.70 (3H, br s), 0.95 (3H, br s), 1.48 (2H, br s), 1.64 (2H, br s), 2.20-2.51 (5H, m), 3.08 (2H, br s), 3.25-3.50 (4H, m), 3.77 (3H, s), 3.80 (1H, br s), 4.15 (2H, br s), 4.75 (1H, br s), 6.88 (1H, m), 7.20-7.39 (10H, m), 7.99 (2H, m), 9.18 (2H, m), hidden (1H),
MS (ESI+): 545 (M+H).
N'−[(1S)−1−ベンジル−3−[(3−メトキシベンジル)アミノ]−2−(メチルアミノ)プロピル]−N,N−ジプロピルイソフタルアミド 二塩酸塩
ジアステレオマーA:1H-NMR (CDCl3) δ: 0.72-0.84 (6H, m), 1.52-1.69 (4H, m), 1.95-2.04 (5H, m), 3.03-3.66 (7H, m), 3.85 (3H, s), 4.03 (2H, br s), 4.59 (1H, br s), 6.92 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.15-7.57 (11H, m), 8.00 (1H, d, J = 6.6 Hz), 9.02-9.56 (2H, m), hidden (1H),
MS (ESI+): 545 (M+H).
ジアステレオマーB:1H-NMR (CDCl3) δ: 0.70 (3H, br s), 0.95 (3H, br s), 1.48 (2H, br s), 1.64 (2H, br s), 2.20-2.51 (5H, m), 3.08 (2H, br s), 3.25-3.50 (4H, m), 3.77 (3H, s), 3.80 (1H, br s), 4.15 (2H, br s), 4.75 (1H, br s), 6.88 (1H, m), 7.20-7.39 (10H, m), 7.99 (2H, m), 9.18 (2H, m), hidden (1H),
MS (ESI+): 545 (M+H).
実施例5
N'−{(1S)−1−ベンジル−3−[(2−ナフチルメチル)アミノ]−2−オキソプロピル}−N,N−ジプロピルイソフタルアミド トリフルオロ酢酸塩
参考例5、6および7と同様の操作により、N'−[(1S,2R)−3−アミノ−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピル]−N,N−ジプロピルイソフタルアミドおよび2−ナフトアルデヒドから合成した tert−ブチル−(3S)−3−({3−[(ジプロピルアミノ)カルボニル]ベンゾイル}アミノ)−2−オキソ−4−フェニルブチル(2−ナフチルメチル)カルバメート(43.0mg,0.066mmol)を4規定塩化水素酢酸エチル溶液(3mL)に溶解させ室温で1時間放置した。減圧下溶媒を留去し、残渣を分取HPLCにより精製して表題化合物(26.3mg,60%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.68 (3H, t, J = 6.8 Hz), 0.93 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.44-1.66 (4H, m), 2.84-3.09 (4H, m), 3.39 (2H, t, J = 6.6 Hz), 3.75 (1H, d, J = 18 Hz), 4.11-4.29 (3H, m), 4.68 (1H, dd, J = 13.6, 6.6 Hz), 7.04-7.80 (15H, m), 8.16 (1H, d, J = 7.0 Hz), hidden (2H),
MS (ESI+): 550 (M+H).
N'−{(1S)−1−ベンジル−3−[(2−ナフチルメチル)アミノ]−2−オキソプロピル}−N,N−ジプロピルイソフタルアミド トリフルオロ酢酸塩
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.68 (3H, t, J = 6.8 Hz), 0.93 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.44-1.66 (4H, m), 2.84-3.09 (4H, m), 3.39 (2H, t, J = 6.6 Hz), 3.75 (1H, d, J = 18 Hz), 4.11-4.29 (3H, m), 4.68 (1H, dd, J = 13.6, 6.6 Hz), 7.04-7.80 (15H, m), 8.16 (1H, d, J = 7.0 Hz), hidden (2H),
MS (ESI+): 550 (M+H).
実施例66
N'−{(1S)−1−ベンジル−2−(ヒドロキシイミノ)−3−[(3−(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ]プロピル}−N,N−ジプロピルイソフタルアミド 塩酸塩
参考例5、6および7と同様の操作により、N'−[(1S,2R)−3−アミノ−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピル]−N,N−ジプロピルイソフタルアミドおよび3−トリフルオロメチルベンズアルデヒドから合成したtert−ブチル−(3S)−3−({3−[( ジプロピルアミノ)カルボニル]ベンゾイル}アミノ)−2−オキソ−4−フェニルブチル(3−(トリフルオロメチル)ベンジル)カルバメート(550mg,0.825mmol)をエタノール(10mL)に溶解させ、塩化ヒドロキシアンモニウム(69mg,0.99mmol)、ピリジン(334μL,4.13mmol)を加え、60℃で3時間撹拌した。室温まで放冷した後、減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン=30/70→70/30)で精製して、二つのジアステレオマーのうち、低極性化合物および高極性化合物をそれぞれ単品として得た。上記低極性化合物及び高極性化合物をそれぞれ4規定塩化水素酢酸エチル溶液(10mL)に溶解させ室温で50分間放置した。溶媒を留去し、残渣にジエチルエーテルを加えて結晶化させ、表題化合物をそれぞれジアステレオマーA(94mg,18%)、およびジアステレオマーB(170mg,33%)として得た。
ジアステレオマーA: 1H-NMR (CDCl3) δ: 0.68 (3H, m), 0.91 (3H, m), 1.47-1.65 (4H, m), 3.08-3.17 (4H, m), 3.30-3.45 (3H, m), 3.86 (1H, m), 4.20 (2H, m), 5.07-5.20 (1H, m), 7.17-7.60 (10H, m), 7.73-7.82 (3H, m), 8.31 (1H, m), 8.69 (1H, m), 9.66 (1H, m), hidden (1H),
MS (ESI+): 583 (M+H).
ジアステレオマーB: 1H-NMR (CDCl3) δ: 0.68 (3H, m), 0.92 (3H, m), 1.43-1.66 (4H, m), 3.07-3.17 (4H, m), 3.38-3.46 (3H, m), 3.85 (1H, m), 4.17 (2H, m), 5.03-5.20 (1H, m), 7.11-7.59 (10H, m), 7.74-7.87 (3H, m), 8.34 (1H, m), 8.70 (1H, m), 9.60 (1H, m), hidden (1H),
MS (ESI+): 583 (M+H).
N'−{(1S)−1−ベンジル−2−(ヒドロキシイミノ)−3−[(3−(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ]プロピル}−N,N−ジプロピルイソフタルアミド 塩酸塩
ジアステレオマーA: 1H-NMR (CDCl3) δ: 0.68 (3H, m), 0.91 (3H, m), 1.47-1.65 (4H, m), 3.08-3.17 (4H, m), 3.30-3.45 (3H, m), 3.86 (1H, m), 4.20 (2H, m), 5.07-5.20 (1H, m), 7.17-7.60 (10H, m), 7.73-7.82 (3H, m), 8.31 (1H, m), 8.69 (1H, m), 9.66 (1H, m), hidden (1H),
MS (ESI+): 583 (M+H).
ジアステレオマーB: 1H-NMR (CDCl3) δ: 0.68 (3H, m), 0.92 (3H, m), 1.43-1.66 (4H, m), 3.07-3.17 (4H, m), 3.38-3.46 (3H, m), 3.85 (1H, m), 4.17 (2H, m), 5.03-5.20 (1H, m), 7.11-7.59 (10H, m), 7.74-7.87 (3H, m), 8.34 (1H, m), 8.70 (1H, m), 9.60 (1H, m), hidden (1H),
MS (ESI+): 583 (M+H).
製剤例1
(1)実施例1で得られた化合物 50mg
(2)ラクトース 34mg
(3)トウモロコシ澱粉 10.6mg
(4)トウモロコシ澱粉(のり状) 5mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
(6)カルボキシメチルセルロースカルシウム 20mg
計 120mg
常法に従い上記(1)〜(6)を混合し、錠剤機により打錠し、錠剤を得た。
(1)実施例1で得られた化合物 50mg
(2)ラクトース 34mg
(3)トウモロコシ澱粉 10.6mg
(4)トウモロコシ澱粉(のり状) 5mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
(6)カルボキシメチルセルロースカルシウム 20mg
計 120mg
常法に従い上記(1)〜(6)を混合し、錠剤機により打錠し、錠剤を得た。
製剤例2
実施例1で得られた化合物含有フィルム錠
処方:
流動層造粒乾燥機(FD−5S,(株)パウレック)中で、実施例1で得られた化合物(440g)、D−マンニトール(4070g)およびトウモロコシデンプン(605g)を均一に混合後、機内で、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)(165g)を溶解した水溶液を噴霧して造粒し、ついで流動層造粒乾燥機中で乾燥した。得られた造粒物を、パワーミルを用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して整粒末とした。得られた整粒末(4704g)に、トウモロコシデンプン(161.7g)およびステアリン酸マグネシウム(34.3g)を加え、タンブラー混合機で混合し打錠用顆粒とし、この顆粒を打錠機で6.5mmφの杵を用いて重量100mgで打錠し、裸錠とした。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5(商品名)信越化学工業製)を溶解し、酸化チタンおよび黄色三二酸化鉄を水に分散した液と混合した。コーティング機中(DRC-500)で得られた裸錠に噴霧し、1錠当り実施例1で得られた化合物を8mg含有するフィルム錠約42000錠を得た。
実施例1で得られた化合物含有フィルム錠
処方:
流動層造粒乾燥機(FD−5S,(株)パウレック)中で、実施例1で得られた化合物(440g)、D−マンニトール(4070g)およびトウモロコシデンプン(605g)を均一に混合後、機内で、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)(165g)を溶解した水溶液を噴霧して造粒し、ついで流動層造粒乾燥機中で乾燥した。得られた造粒物を、パワーミルを用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して整粒末とした。得られた整粒末(4704g)に、トウモロコシデンプン(161.7g)およびステアリン酸マグネシウム(34.3g)を加え、タンブラー混合機で混合し打錠用顆粒とし、この顆粒を打錠機で6.5mmφの杵を用いて重量100mgで打錠し、裸錠とした。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5(商品名)信越化学工業製)を溶解し、酸化チタンおよび黄色三二酸化鉄を水に分散した液と混合した。コーティング機中(DRC-500)で得られた裸錠に噴霧し、1錠当り実施例1で得られた化合物を8mg含有するフィルム錠約42000錠を得た。
実験例1
βセクレターゼ阻害作用の測定大腸菌を用いての遺伝子操作法は、モレキュラー・クローニング(Molecularcloning)に記載されている方法に従った。
(1)ヒトβセクレターゼ発現用プラスミドの構築βセクレターゼをコードする遺伝子の塩基配列において、Bennettらの報告(Science 286,735-741(1999))している塩基配列と比較して、クローン番号FG04087(GenBank Accession No.AB032975、かずさDNA研究所)の塩基配列に1塩基の挿入(第102番目)があったため変換を行い、さらに精製が容易なようにC末端側にFlagペプチド(Asp-Tyr-Lys-Asp-Asp-Asp-Asp-Lys(配列番号:8))をコードする塩基配列(5'−gattacaaggatgacgacgataag−3'(配列番号:1))を付加した。まず、クローン番号FG04087の遺伝子を鋳型に、Bennettらが報告しているβ−セクレターゼ遺伝子塩基配列を参考に作製したプライマーセット:5'−ggcaccaccaaccttcgt−3'(配列番号:2)とFlagペプチドをコードする塩基配列を含む5'−ggtacctacttatcgtcgtcatccttgtaatccttcagcagggagatgtcatcag−3'(配列番号:3)とを各20pmol ずつ添加し、KOD(東洋紡)を使用してPCR反応をMiniCyclerTM(MJ RESERCH社)にて行った(反応条件:94℃で2分間を1サイクル、98℃で15秒間、72℃で2秒間、74℃で10秒間を3サイクル、98℃で15秒間、68℃で2秒間、74℃で10秒間を3サイクル、98℃で15秒間、64℃で2秒間、74℃で10秒間を3サイクル、98℃で15秒間、60℃で2秒間、74℃で10秒間を28サイクル)。そのPCR産物をアガロースゲル電気泳動し、約700b のDNA断片を回収した。その断片をZero Blunt TOPO PCR Cloning Kit(Invitrogen社)を用いてクローニングした。得られたプラスミドを制限酵素ApaI(宝酒造)とKpnI(宝酒造)で消化した後、アガロースゲル電気泳動し、約250bのDNA断片を回収した。クローン番号FG04087を含むプラスミドをApaIで消化した後、アガロースゲル電気泳動し、約1.2kb のDNA断片を回収した。これらDNA断片とApaIとKpnI で消化した動物細胞用発現プラスミド pcDNA3.1(−)(フナコシ)を混合し、 Ligation High(東洋紡)を用いて連結し、大腸菌JM109のコンピテントセル(宝酒造)を形質転換することでプラスミド pBACE1を得た。次に1塩基挿入の変換を行うために、クローン番号FG04087の遺伝子を鋳型に、Bennettらが報告しているβ−セクレターゼ遺伝子塩基配列を参考に作製したプライマーセット:5'−taatacgactcactataggg−3'(配列番号:4)と5'−ggcgccccccagaccacttctcag−3'(配列番号:5)を各20pmol ずつ添加し、KOD(東洋紡)を使用して、PCR反応をMiniCyclerTM(MJ RESERCH社)にて行った(反応条件:94℃で2分間を1サイクル、98℃で15秒間、72℃で2秒間、74℃で10秒間を3サイクル、98℃で15秒間、68℃で2秒間、74℃で5秒間を3サイクル、98℃で15秒間、64℃で2秒間、74℃で5秒間を3サイクル、98℃で15秒間、60℃で2秒間、74℃で5秒間を28サイクル)。そのPCR産物をアガロースゲル電気泳動し、約170b のDNA断片を回収した。その断片をZero Blunt TOPOPCR Cloning Kit(Invitrogen社)を用いてクローニングした。得られたプラスミドを制限酵素ApaI(宝酒造)とBbeI(宝酒造)で消化した後、アガロースゲル電気泳動し、約120b のDNA断片を回収した。pBACE1を同様の制限酵素で消化した後、アガロースゲル電気泳動し、約1.1kb のDNA断片を回収した。さらにpBACE1をApaIで消化した後、アガロースゲル電気泳動し、約5.7kbのDNA断片を回収した。これらの3つの断片をLigation High(東洋紡)を用いて連結し、大腸菌JM109のコンピテントセル(宝酒造)を形質転換することでプラスミド pBACE2を得た。得られたcDNA断片は、配列番号:6で表わされる塩基配列を有しており、その塩基配列の第1番目〜第1527番目に配列番号:7で表わされるアミノ酸配列がコードされていた。
βセクレターゼ阻害作用の測定大腸菌を用いての遺伝子操作法は、モレキュラー・クローニング(Molecularcloning)に記載されている方法に従った。
(1)ヒトβセクレターゼ発現用プラスミドの構築βセクレターゼをコードする遺伝子の塩基配列において、Bennettらの報告(Science 286,735-741(1999))している塩基配列と比較して、クローン番号FG04087(GenBank Accession No.AB032975、かずさDNA研究所)の塩基配列に1塩基の挿入(第102番目)があったため変換を行い、さらに精製が容易なようにC末端側にFlagペプチド(Asp-Tyr-Lys-Asp-Asp-Asp-Asp-Lys(配列番号:8))をコードする塩基配列(5'−gattacaaggatgacgacgataag−3'(配列番号:1))を付加した。まず、クローン番号FG04087の遺伝子を鋳型に、Bennettらが報告しているβ−セクレターゼ遺伝子塩基配列を参考に作製したプライマーセット:5'−ggcaccaccaaccttcgt−3'(配列番号:2)とFlagペプチドをコードする塩基配列を含む5'−ggtacctacttatcgtcgtcatccttgtaatccttcagcagggagatgtcatcag−3'(配列番号:3)とを各20pmol ずつ添加し、KOD(東洋紡)を使用してPCR反応をMiniCyclerTM(MJ RESERCH社)にて行った(反応条件:94℃で2分間を1サイクル、98℃で15秒間、72℃で2秒間、74℃で10秒間を3サイクル、98℃で15秒間、68℃で2秒間、74℃で10秒間を3サイクル、98℃で15秒間、64℃で2秒間、74℃で10秒間を3サイクル、98℃で15秒間、60℃で2秒間、74℃で10秒間を28サイクル)。そのPCR産物をアガロースゲル電気泳動し、約700b のDNA断片を回収した。その断片をZero Blunt TOPO PCR Cloning Kit(Invitrogen社)を用いてクローニングした。得られたプラスミドを制限酵素ApaI(宝酒造)とKpnI(宝酒造)で消化した後、アガロースゲル電気泳動し、約250bのDNA断片を回収した。クローン番号FG04087を含むプラスミドをApaIで消化した後、アガロースゲル電気泳動し、約1.2kb のDNA断片を回収した。これらDNA断片とApaIとKpnI で消化した動物細胞用発現プラスミド pcDNA3.1(−)(フナコシ)を混合し、 Ligation High(東洋紡)を用いて連結し、大腸菌JM109のコンピテントセル(宝酒造)を形質転換することでプラスミド pBACE1を得た。次に1塩基挿入の変換を行うために、クローン番号FG04087の遺伝子を鋳型に、Bennettらが報告しているβ−セクレターゼ遺伝子塩基配列を参考に作製したプライマーセット:5'−taatacgactcactataggg−3'(配列番号:4)と5'−ggcgccccccagaccacttctcag−3'(配列番号:5)を各20pmol ずつ添加し、KOD(東洋紡)を使用して、PCR反応をMiniCyclerTM(MJ RESERCH社)にて行った(反応条件:94℃で2分間を1サイクル、98℃で15秒間、72℃で2秒間、74℃で10秒間を3サイクル、98℃で15秒間、68℃で2秒間、74℃で5秒間を3サイクル、98℃で15秒間、64℃で2秒間、74℃で5秒間を3サイクル、98℃で15秒間、60℃で2秒間、74℃で5秒間を28サイクル)。そのPCR産物をアガロースゲル電気泳動し、約170b のDNA断片を回収した。その断片をZero Blunt TOPOPCR Cloning Kit(Invitrogen社)を用いてクローニングした。得られたプラスミドを制限酵素ApaI(宝酒造)とBbeI(宝酒造)で消化した後、アガロースゲル電気泳動し、約120b のDNA断片を回収した。pBACE1を同様の制限酵素で消化した後、アガロースゲル電気泳動し、約1.1kb のDNA断片を回収した。さらにpBACE1をApaIで消化した後、アガロースゲル電気泳動し、約5.7kbのDNA断片を回収した。これらの3つの断片をLigation High(東洋紡)を用いて連結し、大腸菌JM109のコンピテントセル(宝酒造)を形質転換することでプラスミド pBACE2を得た。得られたcDNA断片は、配列番号:6で表わされる塩基配列を有しており、その塩基配列の第1番目〜第1527番目に配列番号:7で表わされるアミノ酸配列がコードされていた。
(2)組換え型ヒトβセクレターゼのCOS7細胞での発現と精製10%ウシ胎児血清(ライフテックオリエンタル)を含むD−MEM培地(日研生物医学研究所)を用いてテイッシュカルチャーフラスコ150mL(ベクトンディキンソン)で生育させたCOS7細胞に15μgのヒトβ−セクレターゼ発現用プラスミドpBACE2と45μLのFugene6(ロッシュ・ダイアグノスティックス)、1.5mLのD−MEM培地を15分間、室温で放置したものを添加した。2日間培養後、細胞を回収し、5mLの縣濁用緩衝液(0.01M Tris−HCl(pH8)、0.15M NaCl、1mM EDTA、0.5mM PMSF)を添加後、超音波破砕機(トミー精工UR−200P)(破砕条件:アウトプット5、5秒間)を用いて破砕した。その破砕液を遠心分離(500g、10分間)し、その上清をさらに超遠心分離(100,000g、45分間)し、その沈殿物を0.5mLの可溶化用緩衝液(0.01M Tris−HCl(pH8)、0.05M オクチル−β−グルコシド1mM EDTA、0.5mM PMSF)で可溶化(4℃、2.5時間)した後、超遠心分離(100,000g、45分間)した。その上清を100μLの抗Flag抗体(シグマ)を用いて精製した。その結果、目的の約70kDaの組換え型ヒトβセクレターゼを4μg取得できた。
(3)βセクレターゼ阻害作用の測定96穴プレート(黒色プレート、コーニング社)に25μLの0.05M 酢酸緩衝液(pH5.5)、10μLの250μM Nma-Ser-Glu-Val-Asn-Leu-Asp-Ala-Glu-Lys(Dnp)-Arg-Arg-NH2(配列番号:9)、上記(2)で得られた10μLの組換え型βセクレターゼ(0.005mg/mL)、5μLの被験化合物 (実施例1で得られた化合物)5%DMF溶液を添加し、対照には5μLの5%DMFをそれぞれ添加し、37℃にて20時間反応した。反応終了後、蛍光強度(励起波長325nM、測定波長460nM)をフルオロスキャンアセント(ラボシステムズ社)を用いて測定した。測定結果(IC50)を表4に示す。
実験例3
ヒト・ニューロブラストーマIMR−32細胞におけるAβ(1−40)産生・分泌抑制作用、Aβ(1−42)産生・分泌抑制作用を調べた。参考文献:サイエンス(Science)264巻,1336頁(1994)、バイオケミストリー(Biochemistry)34巻,10272頁(1995)等)。
(方法)
a)実験材料
ヒト・ニューロブラストーマIMR−32細胞:(アメリカン・タイプ・カルチャー・センター(American Type Culture Center)社製)
ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco's modified Eagle's medium, DMEMと略記):日水製薬社製
牛胎児血清(Fetal calf serum, FCSと略記)およびペニシリン(5000 U/mL)/ストレプトマイシン(5mg/mL)混液:バイオホワイタッカー社製
リン酸/生理食塩水緩衝液(phosphate buffered saline, PBSと略記):フローラボラトリーズ社製
ブロックエース(Block Ace)(商品名):大日本製薬社製
牛血清アルブミン(bovine serum albumin;BSAと略記):シグマ社製
培養用フラスコ:ファルコン社製
48ウェルプレート:住友ベークライト社製
96ウェルプレート:グライナー社製
Aβ(1−40)標準品およびAβ(1−42)標準品:バッケム社製
他の試薬:市販の特級品を使用。
ヒト・ニューロブラストーマIMR−32細胞におけるAβ(1−40)産生・分泌抑制作用、Aβ(1−42)産生・分泌抑制作用を調べた。参考文献:サイエンス(Science)264巻,1336頁(1994)、バイオケミストリー(Biochemistry)34巻,10272頁(1995)等)。
(方法)
a)実験材料
ヒト・ニューロブラストーマIMR−32細胞:(アメリカン・タイプ・カルチャー・センター(American Type Culture Center)社製)
ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco's modified Eagle's medium, DMEMと略記):日水製薬社製
牛胎児血清(Fetal calf serum, FCSと略記)およびペニシリン(5000 U/mL)/ストレプトマイシン(5mg/mL)混液:バイオホワイタッカー社製
リン酸/生理食塩水緩衝液(phosphate buffered saline, PBSと略記):フローラボラトリーズ社製
ブロックエース(Block Ace)(商品名):大日本製薬社製
牛血清アルブミン(bovine serum albumin;BSAと略記):シグマ社製
培養用フラスコ:ファルコン社製
48ウェルプレート:住友ベークライト社製
96ウェルプレート:グライナー社製
Aβ(1−40)標準品およびAβ(1−42)標準品:バッケム社製
他の試薬:市販の特級品を使用。
b)実験方法
(1)IMR−32細胞の培養
IMR−32細胞を、10% FCS/DMEM培養液含有フラスコ(Falcon,750mL)中、10% 二酸化炭素/90% 空気中、37℃でコンフルエント状態(満杯状態)になるまで培養した。培養後、IMR−32細胞を、1.2×105細胞/ウェルとなるように、48ウェルプレートに播種し、さらに3日間、同条件で培養後、培養液を吸引除去した。
被験物含有DMF溶液を0.2% BSA/DMEM 0.75 mLに溶解し、上記プレートに添加し、さらに24時間培養した。コントロールとしては、被験物を含まないDMF溶液を0.2% BSA/DMEM 0.75 mLに溶解したものを用いた。上清を採取し、Aβ(1−40)、Aβ(1−42)の測定サンプルとした。
(2)Aβの酵素免疫測定(EIA)
一次抗体として、BNT−77抗体を用いた。Aβ(1−40)を測定する場合、二次抗体としてBA−27抗体を用いた。Aβ(1−42)を測定する場合、二次抗体としてBC−05抗体を用いた。
0.1M炭酸緩衝液(pH 9.6)に5μg/mLの濃度で溶解したBNT−77抗体を、96ウェルプレートに、75μLずつそれぞれ添加し、4℃で一晩放置した。PBSでプレート表面を3回洗浄後、ブロック液(25% ブロックエース/0.25% スラオフCA/PBS)125μLを添加した。この状態で上記(1)の上清添加時まで、4℃で保存した。
上清添加直前に、プレート表面をPBSで3回洗浄後、一次反応用緩衝液(20 mMリン酸緩衝液,pH 7.0;400 mM NaCl;2 mM EDTA;10% ブロックエース;0.2% BSA;0.25% スラオフCA)25μLを添加した。さらに、100μLの上清および一次反応用緩衝液に希釈したAβ(1−40)またはAβ(1−42)標準品(濃度が、それぞれ1000, 200, 40, 8および1.6 pg/mLとなるよう希釈)100μLを添加し、4℃で一晩放置した。
プレートをPBSにて3回洗浄し、二次反応用緩衝液(20 mM リン酸緩衝液,pH 7.0;400 mM NaCl:2 mM EDTA;1% BSA)に溶解したHRP標識二次抗体(BA−27抗体またはBC−05抗体,HRP:西洋ワサビペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase))100μLを添加した。Aβ(1−40)は6時間室温にて放置した後、PBSで6回洗浄し、着色反応液(TMB Peroxidase Substrate(商品名),Kirkegaard & Perry Lab.製)75μLを加えた。室温で、5〜10分放置し、1M リン酸溶液75μLをプレートに添加し反応を止め、プレートリーダー([Wallac 1420 multilabel counter (Amershambiotech社)]にて比色定量(測定波長:450nm)した。Aβ(1−42)は6時間室温にて放置した後、PBSで6回洗浄し、蛍光基質液(QuantaBle Fluorogenic Peroxidase Substrate,Pierce社)75μLを添加し室温にて15〜20時間放置後、キット停止液75μLをプレートに添加し反応を止め、同機器を用いて励起波長320nm、蛍光波長460nmで定量した。
(1)IMR−32細胞の培養
IMR−32細胞を、10% FCS/DMEM培養液含有フラスコ(Falcon,750mL)中、10% 二酸化炭素/90% 空気中、37℃でコンフルエント状態(満杯状態)になるまで培養した。培養後、IMR−32細胞を、1.2×105細胞/ウェルとなるように、48ウェルプレートに播種し、さらに3日間、同条件で培養後、培養液を吸引除去した。
被験物含有DMF溶液を0.2% BSA/DMEM 0.75 mLに溶解し、上記プレートに添加し、さらに24時間培養した。コントロールとしては、被験物を含まないDMF溶液を0.2% BSA/DMEM 0.75 mLに溶解したものを用いた。上清を採取し、Aβ(1−40)、Aβ(1−42)の測定サンプルとした。
(2)Aβの酵素免疫測定(EIA)
一次抗体として、BNT−77抗体を用いた。Aβ(1−40)を測定する場合、二次抗体としてBA−27抗体を用いた。Aβ(1−42)を測定する場合、二次抗体としてBC−05抗体を用いた。
0.1M炭酸緩衝液(pH 9.6)に5μg/mLの濃度で溶解したBNT−77抗体を、96ウェルプレートに、75μLずつそれぞれ添加し、4℃で一晩放置した。PBSでプレート表面を3回洗浄後、ブロック液(25% ブロックエース/0.25% スラオフCA/PBS)125μLを添加した。この状態で上記(1)の上清添加時まで、4℃で保存した。
上清添加直前に、プレート表面をPBSで3回洗浄後、一次反応用緩衝液(20 mMリン酸緩衝液,pH 7.0;400 mM NaCl;2 mM EDTA;10% ブロックエース;0.2% BSA;0.25% スラオフCA)25μLを添加した。さらに、100μLの上清および一次反応用緩衝液に希釈したAβ(1−40)またはAβ(1−42)標準品(濃度が、それぞれ1000, 200, 40, 8および1.6 pg/mLとなるよう希釈)100μLを添加し、4℃で一晩放置した。
プレートをPBSにて3回洗浄し、二次反応用緩衝液(20 mM リン酸緩衝液,pH 7.0;400 mM NaCl:2 mM EDTA;1% BSA)に溶解したHRP標識二次抗体(BA−27抗体またはBC−05抗体,HRP:西洋ワサビペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase))100μLを添加した。Aβ(1−40)は6時間室温にて放置した後、PBSで6回洗浄し、着色反応液(TMB Peroxidase Substrate(商品名),Kirkegaard & Perry Lab.製)75μLを加えた。室温で、5〜10分放置し、1M リン酸溶液75μLをプレートに添加し反応を止め、プレートリーダー([Wallac 1420 multilabel counter (Amershambiotech社)]にて比色定量(測定波長:450nm)した。Aβ(1−42)は6時間室温にて放置した後、PBSで6回洗浄し、蛍光基質液(QuantaBle Fluorogenic Peroxidase Substrate,Pierce社)75μLを添加し室温にて15〜20時間放置後、キット停止液75μLをプレートに添加し反応を止め、同機器を用いて励起波長320nm、蛍光波長460nmで定量した。
(3)結果
薬物1濃度につき、4 wellを用いた。実施例1で得られた化合物(1μM)のAβ(1−40)、Aβ(1−42)産生・分泌に対する阻害作用を対照群に対する割合(%)で表した。結果を表6に示す。
薬物1濃度につき、4 wellを用いた。実施例1で得られた化合物(1μM)のAβ(1−40)、Aβ(1−42)産生・分泌に対する阻害作用を対照群に対する割合(%)で表した。結果を表6に示す。
実験例4
実験例3と同様に、表7中の実施例の化合物のAβ(1−40)産生・分泌抑制作用、Aβ(1−42)産生・分泌抑制作用を調べた(表7)。表7中、+は対照の70%以下を示し、++は50%以下を示す。
実験例3と同様に、表7中の実施例の化合物のAβ(1−40)産生・分泌抑制作用、Aβ(1−42)産生・分泌抑制作用を調べた(表7)。表7中、+は対照の70%以下を示し、++は50%以下を示す。
これらの結果より、本発明化合物(I)および(I')は、優れたβセクレターゼ阻害作用及びアミロイドβ蛋白(1−40)産生・分泌・凝集抑制作用、アミロイドβ蛋白(1−42)産生・分泌・凝集抑制作用を有することが確認された。
配列番号:1 Designed oligonucleotide encoding FLAG peptide
配列番号:2 Primer
配列番号:3 Primer comprising DNA sequence encoding Flag peptide
配列番号:4 Primer
配列番号:5 Primer
配列番号:8 FLAG peptide
配列番号:9 Designed substrate forβsecretase
配列番号:2 Primer
配列番号:3 Primer comprising DNA sequence encoding Flag peptide
配列番号:4 Primer
配列番号:5 Primer
配列番号:8 FLAG peptide
配列番号:9 Designed substrate forβsecretase
Claims (19)
- 式(I)
R1は置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC3−6シクロアルキル基または置換基を有していてもよいC3−6シクロアルキル−C1−6アルキル基を、
R2は水素原子、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基または置換基を有していてもよいC3−6シクロアルキル基を、
R3は置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基または置換基を有していてもよいC2−10アルキル基(ただし、1位または2位がオキソ基で置換されたC2−10アルキル基は除く)を、
実線と破線で示す結合部位は単結合または二重結合を、Xは酸素原子、硫黄原子または置換基を有していてもよい窒素原子を(ただし実線と破線で示す結合部位がすべて単結合のときXはOHではない)、
Yは酸素原子または硫黄原子を示す。
ただし、A環がピリジン環のとき、R1はカルボキシメチル基でなく、また、N−[1−({[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]アミノ}アセチル)−2−メチルブチル]−2−[(3−メトキシベンゾイル)アミノ]ベンズアミドを除く。〕で表される化合物またはその塩。 - R1が置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基である請求項1記載の化合物。
- R1が置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基または置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基である請求項1記載の化合物。
- R3が置換基を有していてもよいアリール−C1−6アルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール−C1−6アルキル基または置換基を有していてもよいC4−10アルキル基である請求項1記載の化合物。
- R3が置換基を有していてもよいベンジル基である請求項1記載の化合物。
- R2が水素原子である請求項1記載の化合物。
- A環が置換基を有していてもよいベンゼン環である請求項1記載の化合物。
- XおよびYが、酸素原子である請求項1記載の化合物。
- R1が置換基を有していてもよいベンジル基である請求項1記載の化合物。
- A環が置換基を有していてもよいベンゼン環、R1が置換基を有していてもよいベンジル基、R2が水素原子、R3が置換基を有していてもよいベンジル基、XおよびYが酸素原子である請求項1記載の化合物。
- 請求項1記載の化合物のプロドラッグ。
- (i)神経変性疾患、(ii)神経障害、(iii)記憶障害、(iv)精神疾患、(v)ミオパシー、(vi)軽度認識障害、または(vii)アンジオパシーの予防・治療剤である請求項14記載の剤。
- アミロイドβ蛋白(1−40)またはアミロイドβ蛋白(1−42)の産生・分泌・凝集の阻害剤である請求項14記載の剤。
- アルツハイマー病またはパーキンソン病の予防・治療剤である請求項16記載の剤。
- 請求項14記載のβセクレターゼ阻害剤の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする(i)神経変性疾患、(ii)神経障害、(iii)記憶障害、(iv)精神疾患、(v)ミオパシー、(vi)軽度認識障害、または(vii)アンジオパシーの予防・治療方法。
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---|---|---|---|---|
JP2007533743A (ja) * | 2004-04-20 | 2007-11-22 | メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド | アルツハイマー病治療のためのβ−セクレターゼ阻害薬として有用な1,3,5−置換フェニル誘導体化合物 |
JP2021501794A (ja) * | 2017-11-06 | 2021-01-21 | エースロット, インコーポレイテッドAcelot, Inc. | Aβ42オリゴマー形成に関連する疾患の治療のための小分子薬剤、及び関連する方法 |
-
2003
- 2003-08-07 JP JP2003288504A patent/JP2004091483A/ja not_active Withdrawn
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