JP3553442B2 - ベンゾフラン誘導体、その製造法および用途 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規ベンゾフラン誘導体、その製造法及びそれを含有する医薬組成物に関する。更に詳しくは、神経栄養因子様作用、神経栄養因子活性増強作用、神経変性抑制作用、βアミロイド毒性抑制作用等の優れた医薬作用を有し、神経変性疾患等の予防・治療用の医薬として有効な化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
神経変性疾患は、神経細胞死という破壊的な損傷をもたらす進行性の疾患である。主な神経変性疾患としては、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病等の中枢神経疾患や糖尿病性神経障害に代表される末梢神経障害等が知られている。その多くは老化と関係しており、実際加齢と共に発症が増加するが、時に中年から更に若い年齢においても発病することがある。
脳の構造や機能に関する研究の結果、神経伝達物質や神経栄養因子の役割等が徐々に解明されつつあるが、神経変性疾患の原因についてはまだ未知の部分が多い。唯一パーキンソン病のみは、特定の神経伝達物質、即ちドーパミンとの関連が明らかにされ、ドーパミンの前駆物質であるL−ドーパが神経症状を軽減し、機能を回復させる薬として使われている。しかしながら、L−ドーパが神経変性の進行を抑制するわけではなく、病状の進行即ちドーパミン神経の変性・脱落と共にL−ドーパの効果は徐々に失われていく。また、アルツハイマー病はアセチルコリン神経細胞やモノアミン系神経細胞等多種の神経細胞が変性・脱落する疾患であるが、これに対する薬として、コリンエステラーゼの阻害薬が上市あるいは開発中である。しかしながら、これにおいてもパーキンソン病におけるL−ドーパ同様、神経症状を一時的に改善する対症療法の域をでない。
このようにアルツハイマー病やパーキンソン病を含め、細胞死を引き起こす因子の毒性から神経細胞を保護し、神経変性疾患の進行を抑制する薬物は現在報告されていない。
また、神経変性疾患における細胞死は、それぞれの疾患に特有の因子の毒性により引き起こされるとされ、例えばアルツハイマー病では内因性のβアミロイドが細胞死を引き起こす因子として考えられている。βアミロイドはアルツハイマー病患者の脳内にみられる神経病理学的特徴である老人斑を構成する蛋白質で、40から43個のアミノ酸からなる。このβアミロイドを海馬神経細胞の初代培養系に加えると神経細胞死が起こることが明らかにされており[サイエンス(science)、245巻、417−420頁、1989年]、またβアミロイドの凝集が、その毒性発現に必須であること等が示されている[ニューロバイオロジー オブ エイジング(Neurobiology of Aging)、13巻、587−590頁、1992年及びジャーナル オブ モレキュラー バイオロジー(Journal of Molecular Biology)、218巻、149−163頁、1991年]。βアミロイドの毒性発現メカニズムについては、1)βアミロイドがイオンチャンネルを形成し、カルシウムイオンを流入させる、2)βアミロイドがフリーラジカルの発生を促進する、3)βアミロイドがタウ蛋白キナーゼI(TPK−I)を活性化し、タウのリン酸化が亢進される、4)βアミロイドがミクログリアを活性化し、ミクログリアから神経毒が分泌される等が考えられている。
最近になって、IGF−1(インスリン様成長因子)、NGF(神経成長因子)等の神経栄養因子が、βアミロイド等による神経細胞のアポトーシスを抑制し、そのメカニズムとしてPI−3キナーゼの活性化によるTPK−I/GSK−3β(グリコーゲン シンターゼ キナーゼ3)の阻害が関与することが明らかとなった[ジャーナル オブ ニューロサイエンス (J. Neurosci.)、11巻、2552−2563頁、1991年、サイエンス (Science)、267巻、2003−2006頁、1995年及びザ ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(J. Biol. Chem.)、272巻、154−161頁、1997年]。βアミロイドによってPI−3キナーゼが阻害され、TPK−I/GSK−3βが活性化されると、ピルビン酸脱水素酵素(PDH)の阻害によりアセチルコリンの合成反応系に影響し、アセチルコリンの含量も低下する。このことはアルツハイマー病患者の脳でアセチルコリンの含量が低下していることとも一致し、逆にPI−3キナーゼを活性化することにより、神経細胞死を防止するのみならず、脳内のアセチルコリン含量の増加をもたらし神経症状を改善することが期待される。更にTPK−I/GSK−3βの阻害により、アルツハイマー病で低下している脳内グルコース利用率の増加も期待することができる[ザ ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(J. Biol. Chem.)、269巻、3568−3573頁、1994年及びエンドクリノロジー(Endocrinology)、125巻、314−320頁、1989年]。
また、フラン環又はジヒドロフラン環と縮合したベンゼン環に、縮合含窒素複素環基を有する化合物としては以下の化合物が報告されている。
1)骨吸収及び骨代謝の抑制作用を有するとして式
【化24】
〔式中、R1は水素、低級アルキル、アシル基、アミノ、アシルアミノ、ニトロ、ハロゲン又は1個以上の適当な置換基を有していてもよいヒドロキシ低級アルキルであり、
R2は水素、低級アルキル、アシル基、低級アルコキシ、アシル低級アルキル、アリール、シアノ、モノ(又はジ又はトリ)ハロ低級アルキル、低級アルキルチオ又は1個以上の適当な置換基を有していてもよいヒドロキシ低級アルキルであり、R3は水素、低級アルキル、低級アルケニル、シクロ低級アルキル低級アルキル、ハロゲン、アシル基、アシル低級アルキル、アシルアミノ、アシルアミノ低級アルキル、アシル低級アルケニル、アシルオキシ低級アルキル、アシル低級アルキルチオ低級アルキル、アミノ低級アルキル、モノ(又はジ)低級アルキルアミノ、低級アルキルチオ低級アルキル、1個以上の適当な置換基を有していてもよいヒドロキシイミノ低級アルキル、1個以上の適当な置換基を有していてもよいヒドロキシ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキルチオ低級アルキル、シアノ低級アルキル、1個以上の適当な置換基を有していてもよいモノ(又はジ)低級アルコキシ低級アルキル、1個以上の適当な置換基を有していてもよいアリールで置換された低級アルキル、モノ(又はジ)低級アルキルアミノ低級アルキル、1個以上の適当な置換基を有していてもよい複素環基で置換された低級アルキル、1個以上の適当な置換基を有していてもよい複素環基、複素環チオ、複素環チオ低級アルキル、複素環オキシ、複素環オキシ低級アルキル、複素環アミノイミノ低級アルキル、アリール、アミノ又はニトロであり、
R2とR3とは互いに連結して、
(1)1個以上の適当な置換基を有していてもよい低級アルキレン、
(2)1個以上の適当な置換基を有していてもよい低級アルケニレン又は
(3)式−(A1)m−W−(A2)n− [ここに、A1及びA2は各々、1個以上の適当な置換基を有していてもよい低級アルキレン又は1個以上の適当な置換基を有していてもよい低級アルケニレンであり、Wは−S−、−S(O)−又は−N(R5)−(ここに、R5は水素、低級アルキル又はアシル基である)であり、m及びnは各々整数0又は1である]の基を形成していてもよく、
XはO又はSであり、Yはビニレン又は式−NHCO−、−NHSO2−、−OCO−、−OCH2−、−NHCOCO−、−NHCOCH=CH−、−NHCOCH2−、−NHCONH−又は−N(R6)CO−(ここに、R6は低級アルキルである)の基であり、Zは1個以上の適当な置換基を有していてもよい複素環基又は1個以上の適当な置換基を有していてもよいアリールであり、lは整数0又は1であり、− − − は単結合又は二重結合を表わす。〕で表される化合物及びその医薬として許容しうる塩、及び具体的に
【化25】
(WO 95/29907及び特表平9−512795号公報)。
2)過酸化脂質生成抑制作用を有するとして式
【化26】
〔式中、R1は、水素原子、ニトロ基、−N(R4)R5で表される基であり、ここでR4及びR5は、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、アロイル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基又は置換もしくは無置換のチオカルバモイル基であり、更にR4及びR5は一体となり環状のアミノ基を形成してもよい。R2及びR3は水素原子又は低級アルキルである。〕で表される3,5−ジヒドロキシヘプタン酸誘導体、及び式
【化27】
〔式中、R1は、水素原子、ニトロ基、−N(R4)R5で表される基であり、ここでR4及びR5は、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、アロイル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基又は置換もしくは無置換のチオカルバモイル基であり、更にR4及びR5は一体となり環状のアミノ基を形成してもよい。R2及びR3は水素原子又は低級アルキルである。R6は、水素原子、低級アルキル基、アルカリ金属又はアルカリ土類金属である。〕で表される3,5−ジヒドロキシヘプタン酸誘導体(特開平5−194466号公報)。
3)除草剤であるとして式
【化28】
〔式中、RはH,Cl,F,C1−C2アルキル又はC1−C2アルコキシ;R1はH,F,Cl,Br,CH3,OCH3,CN,CF3,OCF3又はOCF2H;X1はO;R2はH,CH3又はCH2CH3;R3はH,C1−C4ハロアルキル,CR2R7CN,CN,CR2R4R7,COCl,COR4,C(NOR6)R2,CO2R4,CONR4R2,CHR2OH,CO2(CH2)2Si(CH3)3,CONR2SO2CH3,CHR2CO2R4,CONHCH(CH3)CONHCH(CH3)CO2CH3,CHR2COR4,CHR2OSO2(C1−C4アルキル),CHR2OC(O)R4,CHR2OC(O)N(R2)2,CHR2OC(O)N(R2)OCH3,CHR2OC(O)N(R2)Ph,HC=CH2又はC≡CH;R4はH,C1−C4アルキル,C1−C4ハロアルキル,C2−C6アルケニル,C3−C6アルキニル,C2−C4ハロアルケニル,フェニル,C1−C4アルキルフェニル,C3−C6アルコキシカルボニルアルキル又は(CH2CH2O)bR2;
bは1ないし6;mは1;nは1又は2;Jは
【化29】
(式中、X及びYはそれぞれO又はSを示す)等を示す。〕で表される化合物(USP 4,881,967)。
4)抗菌作用を有するとして式
【化30】
〔式中、m及びnは0又は1で、m及びnの合計が1、Rが水素又は低級アルキル、R’はR,
【化31】
RとR’が共に(CH3)2N−N=,
【化32】
を形成するか、あるいはピロール又はピロリジンを形成、R’’はR、低級アルキル、CF3−又はClCH2−、R’’’は低級アルキル又はCF3−を示す。〕で表される化合物又はその薬理学的に許容されうる塩(USP 4,212,865)。
5)合成中間体である式
【化33】
で表される化合物[テトラヘドロン レターズ(Tetrahedron Letters)、37巻、51号、9183−9186頁、1996年]。
6)過酸化脂質生成抑制作用を有する式
【化34】
〔式中、R1及びR2は同一又は異なって、水素原子、アシル基、アルコキシカルボニル基、それぞれ置換基を有していてもよい脂肪族基又は芳香環基、R3、R4及びR5は、同一又は異なって、アシル化されていてもよい水酸基、それぞれ置換基を有していてもよいアミノ基、アルコキシ基又は脂肪族基であるか、又はR3、R4及びR5のうち二つが置換基を有していてもよい炭素同素環を形成していてもよく、R6及びR7は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい脂肪族基、しかも、R6及びR7のうち少なくとも一つはα位がメチレン、R8及びR9は、同一又は異なって、水素原子又はそれぞれ置換基を有していてもよい脂肪族基又は芳香環基を示す。〕で表される化合物又はその塩(EP−A−483772及び特開平5−140142号公報)。
7)骨吸収抑制作用を有するとして式
【化35】
〔式中、R1はホルミル、カルバモイル低級アルキル、チオモルホリノカルボニル低級アルキル、チオモルホリノカルボニル低級アルキルS−オキシド、ピリジルアミノカルボニル低級アルキル、ピラゾリルアミノカルボニル低級アルキル、トリアゾリルアミノカルボニル低級アルキル、1個以上の適当な置換基を有していてもよいキノリルアミノカルボニル低級アルキル、3−ピリジル低級アルキルアミノカルボニル低級アルキル、4−ピリジル低級アルキルアミノカルボニル低級アルキル、ピリジルエチルアミノカルボニル低級アルキル、ピリジル低級アルキルアミノカルボニル低級アルキルN−オキシド、ベンズイミダゾリル低級アルキルアミノカルボニル低級アルキル、N−ピリジル低級アルキル−N−アシル低級アルキルアミノカルボニル低級アルキル、N−ピリジル−N−低級アルキルアミノカルボニル低級アルキル、低級アルキルアミノカルボニル低級アルキル、ジ低級アルキルアミノカルボニルメチル、キノリル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、シアノ低級アルキル、ジ低級アルキルアミノ低級アルキル、ピリジル低級アルキル、トリアゾリル低級アルキル、1個以上の適当な置換基を有していてもよいピラゾリル低級アルキル、1個以上の適当な置換基を有していてもよいピリミジニル低級アルキル、1個以上の適当な置換基を有していてもよいジヒドロフタラジニル低級アルキル、1個以上の適当な置換基を有していてもよいオキサジアゾリル低級アルキル、1個以上の適当な置換基を有していてもよい複素環低級アルケニル、1個以上の適当な置換基を有していてもよい低級アルコキシ低級アルキルアミノ低級アルキル、1個以上の適当な置換基を有していてもよいアリール低級アルキルアミノカルボニル低級アルキル、1個以上の適当な置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル低級アルキル、1個以上の適当な置換基を有していてもよいアリールチオ低級アルキル、低級アルキル又はイミダゾリル低級アルキルであり、
R2は低級アルキル、保護されたカルボキシ又はシアノであり、R3はハロゲン又は低級アルキルであり、R4は水素、ニトロ又はアミノであり、R5はハロゲン、低級アルキル又はニトロである。但し、1)R1がメチルであるときには、R2は保護されたカルボキシ又はシアノであり、2)R1がイミダゾリルメチルであるときには、R2は保護されたカルボキシ又はシアノであるものとする。〕で表される化合物又はその塩(特開平9−124633号公報)。
8)ナトリウムチャンネル調節作用を有する式
【化36】
〔式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル又はアシル、
R3、R4及びR5はそれぞれ置換基を有していてもよい低級アルキル又は置換基を有していてもよい低級アルコキシ、あるいはR4及びR5は一緒になって5又は6員同素環を形成していてもよく、
R6は低級アルキル、
Arは置換基を有していてもよい芳香族基、
A環は置換基を有していてもよい5ないし8員含窒素複素環、
Xは置換基を有していてもよい低級アルキレン、
Yは炭素原子又は窒素原子、
ZaはCH2、COCH(R7)、OCH(R7)、SCH(R7)又はN(R10)CH(R7)(式中、R7は水素原子又は置換基を有していてもよい芳香族基、R10は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又はアシルを示す)で表される基、
Zbは結合手又は置換基を有していてもよく、かつ、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を介していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、及びmは1ないし3の整数を示す〕で表される化合物又はその塩(WO 98/08842)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
低分子で脳内移行性に優れ、神経栄養因子様作用や神経栄養因子活性増強作用を有する化合物はアルツハイマー病等の神経変性疾患における神経細胞死を抑制し、かつ症状を改善することが可能と考えられる。そこで、神経栄養因子様作用や神経栄養因子活性増強作用を有し、更にβアミロイドの細胞毒性を抑制して神経細胞を保護、又は細胞死を引き起こす因子の毒性から神経細胞を保護する作用等の優れた医薬作用を有する、神経変性疾患の予防・治療剤等の医薬として有用な化合物の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意探索した結果、フラン環あるいはジヒドロフラン環と縮合したベンゼン環が式
【化37】
(式中の記号は下記と同意義を示す)で表される基で置換されていることに化学構造上の特徴を有する式
【化38】
〔式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示すか、あるいはR1とR2が、隣接する炭素原子と共に置換基を有していてもよい3ないし8員同素又は複素環を形成していてもよく、
R3aは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、
− − − は単結合又は二重結合を示し、
A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、
B環はハロゲン又は置換基を有していてもよい炭化水素基で置換されていてもよい5ないし7員含窒素複素環を示し、
C1環は式
【化39】
(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基の他に更にハロゲン、ハロゲン化されていてもよい低級アルキル、ハロゲン化されていてもよい低級アルコキシ及びハロゲン化されていてもよい低級アルキルチオから選ばれる置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。〕で表される新規化合物又はその塩〔以下、化合物(Ia)と略記することもある〕を初めて合成し、この化合物(Ia)がその特異な化学構造に基づいて予想外にも優れた神経栄養因子様作用、神経栄養因子活性増強作用、βアミロイドの細胞毒性抑制作用等の医薬作用を有すること、また、化合物(Ia)を含む式
【化40】
〔式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示すか、あるいはR1とR2が、隣接する炭素原子と共に置換基を有していてもよい3ないし8員同素又は複素環を形成していてもよく、
R3aは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、
− − − は単結合又は二重結合を示し、
A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、
Ba環は置換基を有していてもよい5ないし7員含窒素複素環を示し、
Ca環は式
【化41】
(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基の他に更に置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。〕で表される化合物又はその塩〔以下、化合物(Ia’)と略記することもある〕がCa環上の置換基
【化42】
の特異な化学構造に基づいて神経栄養因子様作用、神経栄養因子活性増強作用、βアミロイドの細胞毒性抑制作用等を有すること、更にこれらの化合物(Ia)及び化合物(Ia’)が毒性も極めて低く、脳内移行性にも優れ、神経変性抑制作用等を有し、医薬として十分満足できるものであることを見出した。
さらに、本発明者らは、フラン環あるいはジヒドロフラン環と縮合したベンゼン環が式 −NR4(R5)(R4は芳香族基を含有する基)で表される基で置換され、かつベンゾフラン環又はジヒドロフラン環の3位がアリール基で置換基されていることに化学構造上の特徴を有する式
【化43】
〔式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示すか、あるいはR1とR2が隣接する炭素原子と共に置換基を有していてもよい3ないし8員同素又は複素環を形成していてもよく、
R3bは置換基を有していてもよいC6−14アリール基を示し、
R4は(1)置換基を有していてもよい芳香族基で置換され、かつ更に置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基又は(2)置換基を有していてもよい芳香族基を含有するアシル基を示し、
R5は水素原子、C1−6アルキル基又はアシル基を示し、
− − − は単結合又は二重結合を示し、
C2環は式−NR4(R5)(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基の他に更に置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。〕で表される新規化合物又はその塩〔以下、化合物(Ib)と略記することもある〕を初めて合成し、得られた化合物(Ib)がその特異な化学構造に基づいて予想外にも優れた神経栄養因子様作用、神経栄養因子活性増強作用、βアミロイドの細胞毒性抑制作用等の医薬作用を有すること、更にこれらの化合物が毒性も極めて低く、脳内移行性にも優れ、神経変性抑制作用等を有する医薬として十分満足できるものであることを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、
1.式
【化44】
〔式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示すか、あるいはR1とR2が、隣接する炭素原子と共に置換基を有していてもよい3ないし8員同素又は複素環を形成していてもよく、− − − は単結合又は二重結合を示し、
Wは
(i)式
【化45】
〔式中、A環は置換を有していてもよいベンゼン環を示し、B環はハロゲン又は置換基を有していてもよい炭化水素基で置換されていてもよい5ないし7員含窒素複素環を示す〕で表わされる基又は
(ii)式
【化46】
〔式中、R4は(1)置換基を有していてもよい芳香族基で置換され、かつ更に置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基又は(2)置換基を有していてもよい芳香族基を含有するアシル基を示し、R5は水素原子、C1−6アルキル又はアシル基を示す〕で表される基を示し、
WがWaのとき、R3は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、C環はWaで表される基の他に更にハロゲン、ハロゲン化されていてもよい低級アルキル、ハロゲン化されていてもよい低級アルコキシ及びハロゲン化されていてもよい低級アルキルチオから選ばれる置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、
WがWbのとき、R3は置換基を有していてもよいC6−14アリール基を示し、C環はWbで表される基の他に更に置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。ただし、− − − が二重結合を示す時、部分構造
【化47】
は、
【化48】
を示す。〕で表わされる化合物又はその塩、
2.式
【化49】
〔式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示すか、あるいはR1とR2が、隣接する炭素原子と共に置換基を有していてもよい3ないし8員同素又は複素環を形成していてもよく、
R3aは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、
− − − は単結合又は二重結合を示し、
A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、
B環はハロゲン又は置換基を有していてもよい炭化水素基で置換されていてもよい5ないし7員含窒素複素環を示し、
C1環は式
【化50】
(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基の他に更にハロゲン、ハロゲン化されていてもよい低級アルキル、ハロゲン化されていてもよい低級アルコキシ及びハロゲン化されていてもよい低級アルキルチオから選ばれる置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。ただし、− − − が二重結合を示す時、部分構造
【化51】
は、
【化52】
を示す。〕で表される化合物又はその塩、
3.式
【化53】
〔式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示すか、あるいはR1とR2が隣接する炭素原子と共に置換基を有していてもよい3ないし8員同素又は複素環を形成していてもよく、
R3bは置換基を有していてもよいC6−14アリール基を示し、
R4は(1)置換基を有していてもよい芳香族基で置換され、かつ更に置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基又は(2)置換基を有していてもよい芳香族基を含有するアシル基を示し、
R5は水素原子、C1−6アルキル基又はアシル基を示し、
− − − は単結合又は二重結合を示し、
C2環は式−NR4(R5)(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基の他に更に置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。ただし、− − − が二重結合を示す時、部分構造
【化54】
は、
【化55】
を示す。〕で表される化合物又はその塩、
4.R1及びR2が、同一又は異なって、(i)水素原子、(ii)(1)ハロゲン、(2)C1−3アルキレンジオキシ、(3)ニトロ、(4)シアノ、(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(6)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、(7)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、(8)ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、(9)C6−14アリール、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、(11)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ又はメルカプト、(12)ヒドロキシ、(13)アミノ、(14)モノ−C1−6アルキルアミノ、(15)モノ−C6−14アリールアミノ、(16)ジ−C1−6アルキルアミノ、(17)ジ−C6−14アリールアミノ、(18)ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−16アラルキル−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−14アリール−カルバモイル、チオカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルバモイル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル及びC6−14アリールスルフィニルから選ばれるアシル、(19)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボキサミド、C6−14アリール−カルボキサミド、C1−6アルコキシ−カルボキサミド、C1−6アルキルスルホニルアミノ及びC6−14アリールスルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、(20)C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−14アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−14アリール−カルバモイルオキシ及びニコチノイルオキシから選ばれるアシルオキシ、(21)C1−6アルキル、C6−14アリール及び炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、(22)炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基、(23)スルホ及び(24)C6−14アリールオキシ、から選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよいC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−6シクロアルキル基又はC6−14アリール基;又は
(iii)(1)ハロゲン、(2)C1−3アルキレンジオキシ、(3)ニトロ、(4)シアノ、(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(6)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、(7)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、(8)ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、(9)C6−14アリール、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、(11)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ又はメルカプト、(12)ヒドロキシ、(13)アミノ、(14)モノ−C1−6アルキルアミノ、(15)モノ−C6−14アリールアミノ、(16)ジ−C1−6アルキルアミノ、(17)ジ−C6−14アリールアミノ、(18)ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−16アラルキル−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−14アリール−カルバモイル、チオカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルバモイル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル及びC6−14アリールスルフィニルから選ばれるアシル、(19)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボニルアミノ、C6−14アリール−カルボニルアミノ、C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ及びC6−14アリールスルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、(20)C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−14アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−14アリール−カルバモイルオキシ及びニコチノイルオキシから選ばれるアシルオキシ、(21)C1−6アルキル、C6−14アリール及び炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、(22)炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基、(23)スルホ及び(24)C6−14アリールオキシ、から選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよい炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし14員複素環基を示すか、あるいは
(iv)R1とR2が隣接する炭素原子と共に、(1)ハロゲン、(2)C1−3アルキレンジオキシ、(3)ニトロ、(4)シアノ、(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(6)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、(7)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、(8)ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、(9)C6−14アリール、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、(11)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ又はメルカプト、(12)ヒドロキシ、(13)アミノ、(14)モノ−C1−6アルキルアミノ、(15)モノ−C6−14アリールアミノ、(16)ジ−C1−6アルキルアミノ、(17)ジ−C6−14アリールアミノ、(18)ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−16アラルキル−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、チオカルバモイル、C6−14アリール−カルバモイル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルバモイル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル及びC6−14アリールスルフィニルから選ばれるアシル、(19)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボニルアミノ、C6−14アリール−カルボニルアミノ、C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ及びC6−14アリールスルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、(20)C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−14アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−14アリール−カルバモイルオキシ及びニコチノイルオキシから選ばれるアシルオキシ、(21)C1−6アルキル、C6−14アリール及び炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、(22)炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基、(23)スルホ及び(24)C6−14アリールオキシ、から選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよいC3−8シクロアルカン又は炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む3ないし8員複素環を形成し;
(i)WがWaのとき、
R3が(i)水素原子、(ii)(1)ハロゲン、(2)C1−3アルキレンジオキシ、(3)ニトロ、(4)シアノ、(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(6)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、(7)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、(8)ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、(9)C6−14アリール、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、(11)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ又はメルカプト、(12)ヒドロキシ、(13)アミノ、(14)モノ−C1−6アルキルアミノ、(15)モノ−C6−14アリールアミノ、(16)ジ−C1−6アルキルアミノ、(17)ジ−C6−14アリールアミノ、(18)ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−16アラルキル−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−14アリール−カルバモイル、チオカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルバモイル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル及びC6−14アリールスルフィニルから選ばれるアシル、(19)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボキサミド、C6−14アリール−カルボキサミド、C1−6アルコキシ−カルボキサミド、C1−6アルキルスルホニルアミノ及びC6−14アリールスルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、(20)C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−14アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−14アリール−カルバモイルオキシ及びニコチノイルオキシから選ばれるアシルオキシ、(21)C1−6アルキル、C6−14アリール及び炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、(22)炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基、(23)スルホ及び(24)C6−14アリールオキシから選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよいC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−6シクロアルキル基又はC6−14アリール基;又は
(iii)(1)ハロゲン、(2)C1−3アルキレンジオキシ、(3)ニトロ、(4)シアノ、(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(6)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、(7)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、(8)ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、(9)C6−14アリール、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、(11)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ又はメルカプト、(12)ヒドロキシ、(13)アミノ、(14)モノ−C1−6アルキルアミノ、(15)モノ−C6−14アリールアミノ、(16)ジ−C1−6アルキルアミノ、(17)ジ−C6−14アリールアミノ、(18)ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−16アラルキル−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−14アリール−カルバモイル、チオカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルバモイル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル及びC6−14アリールスルフィニルから選ばれるアシル、(19)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボニルアミノ、C6−14アリール−カルボニルアミノ、C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ及びC6−14アリールスルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、(20)C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−14アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−14アリール−カルバモイルオキシ及びニコチノイルオキシから選ばれるアシルオキシ、(21)C1−6アルキル、C6−14アリール及び炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、(22)炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基、(23)スルホ及び(24)C6−14アリールオキシ、から選ばれる置換基を1ないし5個有していてもよい炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし14員複素環基を;
A環が(1)ハロゲン、(2)C1−3アルキレンジオキシ、(3)ニトロ、(4)シアノ、(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(6)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、(7)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、(8)ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、(9)C6−14アリール、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、(11)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ又はメルカプト、(12)ヒドロキシ、(13)アミノ、(14)モノ−C1−6アルキルアミノ、(15)モノ−C6−14アリールアミノ、(16)ジ−C1−6アルキルアミノ、(17)ジ−C6−14アリールアミノ、(18)ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−16アラルキル−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−14アリール−カルバモイル、チオカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルバモイル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル及びC6−14アリールスルフィニルから選ばれるアシル、(19)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボキサミド、C6−14アリール−カルボキサミド、C1−6アルコキシ−カルボキサミド、C1−6アルキルスルホニルアミノ及びC6−14アリールスルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、(20)C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−14アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−14アリール−カルバモイルオキシ及びニコチノイルオキシから選ばれるアシルオキシ、(21)C1−6アルキル、C6−14アリール及び炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、(22)炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基、(23)スルホ及び(24)C6−14アリールオキシから選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよいベンゼン環を;
B環が(i)ハロゲン又は(ii)(1)ハロゲン、(2)C1−3アルキレンジオキシ、(3)ニトロ、(4)シアノ、(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(6)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、(7)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、(8)ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、(9)C6−14アリール、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、(11)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ又はメルカプト、(12)ヒドロキシ、(13)アミノ、(14)モノ−C1−6アルキルアミノ、(15)モノ−C6−14アリールアミノ、(16)ジ−C1−6アルキルアミノ、(17)ジ−C6−14アリールアミノ、(18)ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−16アラルキル−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−14アリール−カルバモイル、チオカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルバモイル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル及びC6−14アリールスルフィニルから選ばれるアシル、(19)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボキサミド、C6−14アリール−カルボキサミド、C1−6アルコキシ−カルボキサミド、C1−6アルキルスルホニルアミノ及びC6−14アリールスルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、(20)C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−14アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−14アリール−カルバモイルオキシ及びニコチノイルオキシから選ばれるアシルオキシ、(21)C1−6アルキル、C6−14アリール及び炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、(22)炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基、(23)スルホ及び(24)C6−14アリールオキシから選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよいC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−6シクロアルキル基若しくはC6−14アリール基で、置換されていてもよい5ないし7員含窒素複素環を;
C環が式
【化56】
で表わされる基の他に更にハロゲン、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ及びハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオから選ばれる置換基を有していてもよいベンゼン環を示し;
(ii)WがWbのとき、
R3が(1)ハロゲン、(2)C1−3アルキレンジオキシ、(3)ニトロ、(4)シアノ、(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(6)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、(7)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、(8)ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、(9)C6−14アリール、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、(11)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ又はメルカプト、(12)ヒドロキシ、(13)アミノ、(14)モノ−C1−6アルキルアミノ、(15)モノ−C6−14アリールアミノ、(16)ジ−C1−6アルキルアミノ、(17)ジ−C6−14アリールアミノ、(18)ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−16アラルキル−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−14アリール−カルバモイル、チオカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルバモイル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル及びC6−14アリールスルフィニルから選ばれるアシル、(19)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボニルアミノ、C6−14アリール−カルボニルアミノ、C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ及びC6−14アリールスルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、(20)C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−14アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−14アリール−カルバモイルオキシ及びニコチノイルオキシから選ばれるアシルオキシ、(21)C1−6アルキル、C6−14アリール及び炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、(22)炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基、(23)スルホ及び(24)C6−14アリールオキシ、から選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよいC6−14アリールを;
R4が(1)ハロゲン、(2)C1−3アルキレンジオキシ、(3)ニトロ、(4)シアノ、(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(6)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、(7)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、(8)ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、(9)C6−14アリール、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、(11)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ又はメルカプト、(12)ヒドロキシ、(13)アミノ、(14)モノ−C1−6アルキルアミノ、(15)モノ−C6−14アリールアミノ、(16)ジ−C1−6アルキルアミノ、(17)ジ−C6−14アリールアミノ、(18)ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−16アラルキル−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−14アリール−カルバモイル、チオカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルバモイル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル及びC6−14アリールスルフィニルから選ばれるアシル、(19)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボニルアミノ、C6−14アリール−カルボニルアミノ、C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ及びC6−14アリールスルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、(20)C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−14アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−14アリール−カルバモイルオキシ及びニコチノイルオキシから選ばれるアシルオキシ、(21)C1−6アルキル、C6−14アリール及び炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、(22)炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基、(23)スルホ及び(24)C6−14アリールオキシ、から選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよいC6−14アリール基又は炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし14員芳香族複素環基を1ないし3個有し、
かつ更に置換基として、(1)ハロゲン、(2)C1−3アルキレンジオキシ、(3)ニトロ、(4)シアノ、(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(6)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、(7)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、(8)ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、(9)C6−14アリール、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、(11)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ又はメルカプト、(12)ヒドロキシ、(13)アミノ、(14)モノ−C1−6アルキルアミノ、(15)モノ−C6−14アリールアミノ、(16)ジ−C1−6アルキルアミノ、(17)ジ−C6−14アリールアミノ、(18)ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−16アラルキル−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−14アリール−カルバモイル、チオカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルバモイル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル及びC6−14アリールスルフィニルから選ばれるアシル、(19)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボニルアミノ、C6−14アリール−カルボニルアミノ、C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ及びC6−14アリールスルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、(20)C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−14アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−14アリール−カルバモイルオキシ及びニコチノイルオキシから選ばれるアシルオキシ、(21)C1−6アルキル、C6−14アリール及び炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、(22)炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基、(23)スルホ及び(24)C6−14アリールオキシ、から選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよいC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基又はC3−6シクロアルキル基、又は
(ii)(1)ハロゲン、(2)C1−3アルキレンジオキシ、(3)ニトロ、(4)シアノ、(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(6)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、(7)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、(8)ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、(9)C6−14アリール、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、(11)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ又はメルカプト、(12)ヒドロキシ、(13)アミノ、(14)モノ−C1−6アルキルアミノ、(15)モノ−C6−14アリールアミノ、(16)ジ−C1−6アルキルアミノ、(17)ジ−C6−14アリールアミノ、(18)ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−16アラルキル−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−14アリール−カルバモイル、チオカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルバモイル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル及びC6−14アリールスルフィニルから選ばれるアシル、(19)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボニルアミノ、C6−14アリール−カルボニルアミノ、C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ及びC6−14アリールスルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、(20)C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−14アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−14アリール−カルバモイルオキシ及びニコチノイルオキシから選ばれるアシルオキシ、(21)C1−6アルキル、C6−14アリール及び炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、(22)炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基、(23)スルホ及び(24)C6−14アリールオキシ、から選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよいC6−14アリール又は炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし14員芳香族複素環基を1ないし3個有する、
ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−16アラルキル−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−14アリール−カルバモイル、チオカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルバモイル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル及びC6−14アリールスルフィニルから選ばれるアシル基を;
R5が(i)水素原子、(ii)C1−6アルキル基又は(iii)ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−16アラルキル−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−14アリール−カルバモイル、チオカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルバモイル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル及びC6−14アリールスルフィニルから選ばれるアシル基を;
C環は式−NR4(R5)で表わされる基の他に更に、(1)ハロゲン、(2)C1−3アルキレンジオキシ、(3)ニトロ、(4)シアノ、(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(6)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、(7)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、(8)ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、(9)C6−14アリール、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、(11)ヒドロキシ、(12)アミノ、(13)モノ−C1−6アルキルアミノ、(14)モノ−C6−14アリールアミノ、(15)ジ−C1−6アルキルアミノ、(16)ジ−C6−14アリールアミノ、(17)ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−16アラルキル−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−14アリール−カルバモイル、チオカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルバモイル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル及びC6−14アリールスルフィニルから選ばれるアシル、(18)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボキサミド、C6−14アリール−カルボキサミド、C1−6アルコキシ−カルボキサミド、C1−6アルキルスルホニルアミノ及びC6−14アリールスルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、(19)C1−6アルキル、C6−14アリール及び炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、(20)炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基及び(21)スルホから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいベンゼン環である第1項記載の化合物、
5.R1及びR2が、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、あるいはR1とR2が隣接する炭素原子と共に置換基を有していてもよい3ないし8員複素環を形成する第2項記載の化合物、
6.R1及びR2がそれぞれC1−6アルキル基である第2項記載の化合物、
7.R3aが置換基を有していてもよいC6−14アリール基である第2項記載の化合物、
8.R3aがC1−6アルキル又はハロゲン原子を有していてもよいフェニル基である第2項記載の化合物、
9.A環がハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキレンジオキシから選ばれる置換基を有していてもよいベンゼン環である第2項記載の化合物、
10.B環がC1−6アルキルで置換されていてもよい5ないし7員含窒素複素環である第2項記載の化合物、
11.C1環が更にC1−6アルキル又はC1−6アルコキシで置換されていてもよいベンゼン環である第2項記載の化合物、
12.式
【化57】
〔式中、各記号は第2項記載と同意義を示す。〕で表される基が式
【化58】
〔式中、R6及びR7は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン又は置換基を有していてもよい炭化水素基を、A環は第2項記載と同意義を示す。〕で表される基である第2項記載の化合物、
13.式
【化59】
〔式中、各記号は第2項記載と同意義を示す。〕で表される基が式
【化60】
〔式中、R6及びR7は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン又は置換基を有していてもよい炭化水素基を、A環は第2項記載と同意義を示す。〕で表される基である第2項記載の化合物、
14.R6及びR7が水素原子、A環がハロゲン、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキレンジオキシから選ばれる1ないし2個の置換基を有していてもよいベンゼン環である第12項又は第13項記載の化合物、
15.式
【化61】
〔式中、各記号は第2項記載と同意義を示す。〕で表される基のC1環上の置換位置がベンゾフラン環又はジヒドロベンゾフラン環の5位である第2項記載の化合物、
16.R1及びR2がそれぞれC1−6アルキル基で、R3aがC1−6アルキル又はハロゲン原子を有していてもよいフェニル基で、A環がハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキレンジオキシから選ばれる置換基を有していてもよいベンゼン環で、B環がC1−6アルキルで置換されていてもよい5ないし7員含窒素複素環で、C1環が更にC1−6アルキル又はC1−6アルコキシで置換されていてもよいベンゼン環で、式
【化62】
〔式中、各記号は第2項記載と同意義を示す。〕で表される基が式
【化63】
〔式中、A1環がハロゲン、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキレンジオキシから選ばれる1ないし2個の置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。〕で表される基である第2項記載の化合物、
17.(i)2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン、(ii)5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン、(iii)5,6−ジメトキシ−2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン、(iv)6−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−6,7−ジヒドロ−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール、(v)6−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−6H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール、(vi)6−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)−6、7−ジヒドロ−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール、(vii)(+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリンまたは(viii)(+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン塩酸塩、
18.A環がハロゲン、C1−3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、C6−14アリール、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1−6アルキルアミノ、モノ−C6−14アリールアミノ、ジ−C1−6アルキルアミノ、ジ−C6−14アリールアミノ、アシル、アシルアミノ、置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、5ないし10員芳香族複素環基及びスルホから選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよいベンゼン環である第3項記載の化合物、
19.R1及びR2が、同一又は異なって、(i)水素原子、(ii)(1)ハロゲン、(2)C1−3アルキレンジオキシ、(3)ニトロ、(4)シアノ、(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(6)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、(7)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、(8)ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、(9)C6−14アリール、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、(11)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ又はメルカプト、(12)ヒドロキシ、(13)アミノ、(14)モノ−C1−6アルキルアミノ、(15)モノ−C6−14アリールアミノ、(16)ジ−C1−6アルキルアミノ、(17)ジ−C6−14アリールアミノ、(18)ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−16アラルキル−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−14アリール−カルバモイル、チオカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルバモイル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル及びC6−14アリールスルフィニルから選ばれるアシル、(19)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボキサミド、C6−14アリール−カルボキサミド、C1−6アルコキシ−カルボキサミド、C1−6アルキルスルホニルアミノ及びC6−14アリールスルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、(20)C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−14アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−14アリール−カルバモイルオキシ及びニコチノイルオキシから選ばれるアシルオキシ、(21)C1−6アルキル、C6−14アリール及び炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、(22)炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基、(23)スルホ及び(24)C6−14アリールオキシ、から選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよいC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−6シクロアルキル基又はC6−14アリール基;又は
(iii)(1)ハロゲン、(2)C1−3アルキレンジオキシ、(3)ニトロ、(4)シアノ、(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(6)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、(7)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、(8)ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、(9)C6−14アリール、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、(11)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ又はメルカプト、(12)ヒドロキシ、(13)アミノ、(14)モノ−C1−6アルキルアミノ、(15)モノ−C6−14アリールアミノ、(16)ジ−C1−6アルキルアミノ、(17)ジ−C6−14アリールアミノ、(18)ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−16アラルキル−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−14アリール−カルバモイル、チオカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルバモイル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル及びC6−14アリールスルフィニルから選ばれるアシル、(19)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボニルアミノ、C6−14アリール−カルボニルアミノ、C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ及びC6−14アリールスルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、(20)C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−14アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−14アリール−カルバモイルオキシ及びニコチノイルオキシから選ばれるアシルオキシ、(21)C1−6アルキル、C6−14アリール及び炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、(22)炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基、(23)スルホ及び(24)C6−14アリールオキシ、から選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよい炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし14員複素環基を示すか、あるいは
(iv)R1とR2が隣接する炭素原子と共に、(1)ハロゲン、(2)C1−3アルキレンジオキシ、(3)ニトロ、(4)シアノ、(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(6)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、(7)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、(8)ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、(9)C6−14アリール、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、(11)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ又はメルカプト、(12)ヒドロキシ、(13)アミノ、(14)モノ−C1−6アルキルアミノ、(15)モノ−C6−14アリールアミノ、(16)ジ−C1−6アルキルアミノ、(17)ジ−C6−14アリールアミノ、(18)ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−16アラルキル−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、チオカルバモイル、C6−14アリール−カルバモイル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルバモイル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル及びC6−14アリールスルフィニルから選ばれるアシル、(19)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボニルアミノ、C6−14アリール−カルボニルアミノ、C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ及びC6−14アリールスルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、(20)C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−14アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−14アリール−カルバモイルオキシ及びニコチノイルオキシから選ばれるアシルオキシ、(21)C1−6アルキル、C6−14アリール及び炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、(22)炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基、(23)スルホ及び(24)C6−14アリールオキシ、から選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよいC3−8シクロアルカン又は炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む3ないし8員複素環を形成し;
R3が(1)ハロゲン、(2)C1−3アルキレンジオキシ、(3)ニトロ、(4)シアノ、(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(6)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、(7)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、(8)ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、(9)C6−14アリール、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、(11)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ又はメルカプト、(12)ヒドロキシ、(13)アミノ、(14)モノ−C1−6アルキルアミノ、(15)モノ−C6−14アリールアミノ、(16)ジ−C1−6アルキルアミノ、(17)ジ−C6−14アリールアミノ、(18)ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−16アラルキル−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−14アリール−カルバモイル、チオカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルバモイル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル及びC6−14アリールスルフィニルから選ばれるアシル、(19)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボニルアミノ、C6−14アリール−カルボニルアミノ、C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ及びC6−14アリールスルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、(20)C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−14アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−14アリール−カルバモイルオキシ及びニコチノイルオキシから選ばれるアシルオキシ、(21)C1−6アルキル、C6−14アリール及び炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、(22)炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基、(23)スルホ及び(24)C6−14アリールオキシ、から選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよいC6−14アリール;
R4が、(1)ハロゲン、(2)C1−3アルキレンジオキシ、(3)ニトロ、(4)シアノ、(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(6)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、(7)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、(8)ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、(9)C6−14アリール、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、(11)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ又はメルカプト、(12)ヒドロキシ、(13)アミノ、(14)モノ−C1−6アルキルアミノ、(15)モノ−C6−14アリールアミノ、(16)ジ−C1−6アルキルアミノ、(17)ジ−C6−14アリールアミノ、(18)ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−16アラルキル−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−14アリール−カルバモイル、チオカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルバモイル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル及びC6−14アリールスルフィニルから選ばれるアシル、(19)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボニルアミノ、C6−14アリール−カルボニルアミノ、C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ及びC6−14アリールスルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、(20)C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−14アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−14アリール−カルバモイルオキシ及びニコチノイルオキシから選ばれるアシルオキシ、(21)C1−6アルキル、C6−14アリール及び炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、(22)炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基、(23)スルホ及び(24)C6−14アリールオキシ、から選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよいC6−14アリール基又は炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし14員芳香族複素環基を1ないし3個有し、
かつ更に置換基として、(1)ハロゲン、(2)C1−3アルキレンジオキシ、(3)ニトロ、(4)シアノ、(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(6)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、(7)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、(8)ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、(9)C6−14アリール、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、(11)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ又はメルカプト、(12)ヒドロキシ、(13)アミノ、(14)モノ−C1−6アルキルアミノ、(15)モノ−C6−14アリールアミノ、(16)ジ−C1−6アルキルアミノ、(17)ジ−C6−14アリールアミノ、(18)ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−16アラルキル−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−14アリール−カルバモイル、チオカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルバモイル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル及びC6−14アリールスルフィニルから選ばれるアシル、(19)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボニルアミノ、C6−14アリール−カルボニルアミノ、C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ及びC6−14アリールスルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、(20)C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−14アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−14アリール−カルバモイルオキシ及びニコチノイルオキシから選ばれるアシルオキシ、(21)C1−6アルキル、C6−14アリール及び炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、(22)炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基、(23)スルホ及び(24)C6−14アリールオキシ、から選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよいC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基又はC3−6シクロアルキル基、又は
(ii)(1)ハロゲン、(2)C1−3アルキレンジオキシ、(3)ニトロ、(4)シアノ、(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(6)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、(7)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、(8)ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、(9)C6−14アリール、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、(11)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ又はメルカプト、(12)ヒドロキシ、(13)アミノ、(14)モノ−C1−6アルキルアミノ、(15)モノ−C6−14アリールアミノ、(16)ジ−C1−6アルキルアミノ、(17)ジ−C6−14アリールアミノ、(18)ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−16アラルキル−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−14アリール−カルバモイル、チオカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルバモイル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル及びC6−14アリールスルフィニルから選ばれるアシル、(19)ホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボニルアミノ、C6−14アリール−カルボニルアミノ、C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ及びC6−14アリールスルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、(20)C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−14アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−14アリール−カルバモイルオキシ及びニコチノイルオキシから選ばれるアシルオキシ、(21)C1−6アルキル、C6−14アリール及び炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、(22)炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基、(23)スルホ及び(24)C6−14アリールオキシ、から選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよいC6−14アリール又は炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし14員芳香族複素環基を1ないし3個有する、
ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル、C3−6シクロアルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリール−カルボニル、C7−16アラルキル−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−14アリール−カルバモイル、チオカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5又は6員複素環カルバモイル、C1−6アルキルスルホニル、C6−14アリールスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル及びC6−14アリールスルフィニルから選ばれるアシル基である第3項記載の化合物、
20.R1及びR2が、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、あるいはR1とR2が隣接する炭素原子と共に置換基を有していてもよい3ないし8員複素環を形成する第1項記載の化合物、
21.R1及びR2がそれぞれ水素原子又はC1−6アルキル基である第1項記載の化合物、
22.R1及びR2がそれぞれ水素原子又はメチル基である第1項記載の化合物、23.R1及びR2が隣接する炭素原子と共に
【化64】
(式中、Zは水素原子又はC1−6アルキル基を示す)で表わされる環を形成する第1項記載の化合物、
24.R3がハロゲン又はC1−6アルキルで置換されていてもよいフェニル基である第1項記載の化合物、
25.R3がフッ素、メチル又はイソプロピルで置換されていてもよいフェニル基である第1項記載の化合物、
26.式−NR4(R5)で表される基のA環上の置換位置がベンゾフラン環又はジヒドロベンゾフラン環の5位である第1項記載の化合物、
27.R4が(1)ハロゲン、C1−6アルコキシ又はC1−3アルキレンジオキシで置換されていてもよい芳香族基で置換されたC1−6アルキル基又は(2)ハロゲン、C1−6アルコキシ又はC1−3アルキレンジオキシで置換されていてもよい芳香族基を含有するアシル基である第1項記載の化合物、
28.R4がフッ素、メトキシ又はメチレンジオキシで置換されていてもよいベンジル基又はフェネチル基である第1項記載の化合物、
29.R5が水素原子、C1−6アルキル基又はC1−6アルキル−カルボニル基である第1項記載の化合物、
30.R5が水素原子又はメチル基である第1項記載の化合物、
31.A環が更に1ないし3個のC1−6アルキルで置換されていてもよいベンゼン環である第1項記載の化合物、
32.A環が更に3個のメチルで置換されたベンゼン環である第1項記載の化合物、
33.R1及びR2が、同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキル基、あるいはR1とR2が隣接する炭素原子と共にC1−6アルキルで置換されたピペリジン環を形成し;
R3がハロゲン又はC1−6アルキルで置換されていもよいフェニル基;
R4が(1)ハロゲン、C1−6アルコキシ又はC1−3アルキレンジオキシで置換されていてもよいC6−14アリール、チエニル又はピリジルで置換されたC1−6アルキル基又は(2)ハロゲン、C1−6アルコキシ又はC1−3アルキレンジオキシで置換されていてもよいC6−14アリール−カルボニル基、C7−16アラルキル−カルボニル基、C6−14アリール−スルホニル基、ニコチノイル基又はテノイル基;
R5が水素原子、C1−6アルキル基又はC1−6アルキル−カルボニル基;及び
A環が更に1ないし3個のC1−6アルキルで置換されたベンゼン環である第1項記載の化合物、
34.R1及びR2がそれぞれ水素原子又はC1−3アルキル基;
R3がハロゲン原子又はC1−6アルキルで置換されていもよいC6−14アリール基;
R4がハロゲン原子、C1−6アルコキシ又はC1−3アルキレンジオキシで置換されていてもよいC7−15アラルキル基;
R5が水素原子又はC1−6アルキル基;
− − − が単結合;及び
A環が更に3個のC1−6アルキルで置換されたベンゼン環である第1項記載の化合物、
35.R1及びR2がそれぞれメチル基;
R3がフッ素、メチル又はイソプロピルで置換されていもよいフェニル基;
R4がフッ素、メトキシ又はメチレンジオキシで置換されていてもよいベンジル又はフェネチル基;
R5が水素原子又はメチル基;
− − − は単結合;及び
A環が更に3個のメチルで置換されたベンゼン環である第1項記載の化合物、
36.(i)N−(4−フルオロベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(ii)N−ベンジル−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(iii)3−(4−イソプロピルフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)−N,2,2,4,6,7−ヘキサメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(iv)3−(4−イソプロピルフェニル)−N−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(v)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(vi)N−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(vii)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(viii)N−(4−メトキシベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(ix)N−(4−フルオロベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、(x)3−(4−イソプロピルフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン、(xi)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン、(xii)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−フルオロフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン、(xiii)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−アミンまたは(xiv)(+)−N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩、
37.第1項記載の化合物のプロドラッグ、
38.式
【化65】
〔式中、各記号は第2項記載と同意義を示す。〕で表される化合物又はその塩と式
【化66】
〔式中、L1及びL2は脱離基を、A環は第2項記載と同意義を示す。〕で表される化合物又はその塩とを反応させるか、又は式
【化67】
〔式中、各記号は第3項記載と同意義を示す。〕で表される化合物又はその塩と式R4−L〔式中、Lは脱離基を、R4は第3項記載と同意義を示す。〕で表される化合物又はその塩とを反応させることを特徴とする第1項記載の化合物の製造法、
39.式
【化68】
〔式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示すか、あるいはR1とR2が、隣接する炭素原子と共に置換基を有していてもよい3ないし8員同素又は複素環を形成していてもよく、− − − は単結合又は二重結合を示し、
Wは
(i)式
【化69】
〔式中、A環は置換を有していてもよいベンゼン環を示し、B環はハロゲン又は置換基を有していてもよい炭化水素基で置換されていてもよい5ないし7員含窒素複素環を示す〕で表わされる基又は
(ii)式
【化70】
〔式中、R4は(1)置換基を有していてもよい芳香族基で置換され、かつ更に置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基又は(2)置換基を有していてもよい芳香族基を含有するアシル基を示し、R5は水素原子、C1−6アルキル又はアシル基を示す〕で表される基を示し、
WがWaのとき、R3は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、C環はWaで表される基の他に更にハロゲン、ハロゲン化されていてもよい低級アルキル、ハロゲン化されていてもよい低級アルコキシ及びハロゲン化されていてもよい低級アルキルチオから選ばれる置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、
WがWbのとき、R3は置換基を有していてもよいC6−14アリール基を示し、C環はWbで表される基の他に更に置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。ただし、− − − が二重結合を示す時、部分構造
【化71】
は、
【化72】
を示す。〕で表わされる化合物若しくはその塩またはそのプロドラッグを含有してなる医薬組成物、
40.神経変性抑制剤である第39項記載の組成物、
41.βアミロイド毒性抑制剤である第39載の組成物、
42.神経栄養因子様作用剤である第39項記載の組成物、
43.神経変性疾患予防・治療剤である第39項記載の組成物、
44.アルツハイマー病またはパーキンソン病の予防・治療剤である第39項記載の組成物、
45.式
【化73】
〔式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示すか、あるいはR1とR2が、隣接する炭素原子と共に置換基を有していてもよい3ないし8員同素又は複素環を形成していてもよく、
R3aは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、
− − − は単結合又は二重結合を示し、
A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、
Ba環は置換基を有していてもよい5ないし7員含窒素複素環を示し、
Ca環は式
【化74】
(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基の他に更に置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。ただし、− − − が二重結合を示す時、部分構造
【化75】
は、
【化76】
を示す。〕で表される化合物若しくはその塩又はそのプロドラッグを含有してなる神経変性抑制剤、
46.βアミロイド毒性抑制剤である第45項記載の抑制剤、
47.神経栄養因子様作用剤である第45項記載の抑制剤、
48.神経変性疾患予防・治療剤である第45項記載の抑制剤、および
49.アルツハイマー病またはパーキンソン病の予防・治療剤である第45項記載の抑制剤を提供する。
【0006】
さらに、本発明は、
50.哺乳動物に対して第1項記載の化合物またはそのプロドラッグを有効量投与することを特徴とするアルツハイマー病またはパーキンソン病の治療方法、
51.アルツハイマー病またはパーキンソン病の治療剤を製造するための第1項記載の化合物またはそのプロドラッグの使用、
52.哺乳動物に対して第47項記載の化合物またはそのプロドラッグを有効量投与することを特徴とするアルツハイマー病またはパーキンソン病の治療方法、および
53.アルツハイマー病またはパーキンソン病の治療剤を製造するための第47項記載の化合物またはそのプロドラッグの使用を提供する。
【0007】
前記式中、− − − は単結合又は二重結合を示す。
前記式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示すか、あるいはR1とR2が隣接する炭素原子と共に置換基を有していてもよい3ないし8員同素又は複素環を形成していてもよい。
なお、前記式において、− − − が二重結合を示す時、R2は存在しない。すなわち、前記式において、
(i)− − − が単結合を示す時、部分構造
【化77】
は、
【化78】
を示し、
(ii)− − − が二重結合を示す時、部分構造
【化79】
は、
【化80】
を示すが、本願明細書では、便宜上、(i)および(ii)をまとめて、式
【化81】
で表わす場合がある。
【0008】
R1又はR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、例えば、鎖状又は環状炭化水素基(例、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール等)等が挙げられる。このうち、炭素数1ないし16個の鎖状又は環状炭化水素基等が好ましい。
「アルキル」としては、例えばC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)等が好ましい。
「アルケニル」としては、例えばC2−6アルケニル(例、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、sec−ブテニル等)等が好ましい。
「アルキニル」としては、例えばC2−6アルキニル(例、エチニル、プロパルギル、ブチニル、1−ヘキシニル等)等が好ましい。
「シクロアルキル」としては、例えばC3−6シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)等が好ましい。
「アリール」としては、例えばC6−14アリール(例、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル、2−アンスリル等)等が好ましい。
【0009】
R1又はR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」としては、例えば(1)ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、(2)C1−3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等)、(3)ニトロ、(4)シアノ、(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、(6)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、(7)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、(8)ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、(9)C6−14アリール(例、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル、2−アンスリル等)、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、(11)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ又はメルカプト、(12)ヒドロキシ、(13)アミノ、(14)モノ−C1−6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ等)、(15)モノ−C6−14アリールアミノ(例、フェニルアミノ、1−ナフチルアミノ、2−ナフチルアミノ等)、(16)ジ−C1−6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、(17)ジ−C6−14アリールアミノ(例、ジフェニルアミノ等)、(18)アシル、(19)アシルアミノ、(20)アシルオキシ、(21)置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、(22)5ないし10員芳香族複素環基(例、2−又は3−チエニル、2−,3−又は4−ピリジル、2−,3−,4−,5−又は8−キノリル、1−,3−,4−又は5−イソキノリル、1−,2−又は3−インドリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾ[b]チエニル、ベンゾ[b]フラニル等)、(23)スルホ、(24)C6−14アリールオキシ(例、フェニルオキシ、ナフチルオキシ等)等が挙げられる。
該「炭化水素基」は、例えば上記置換基を、置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一又は異なっていてもよい。
【0010】
前記「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)等が挙げられる。具体例としては、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2−ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、ヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシル等が挙げられる。
前記「ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC2−6アルケニル(例、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、sec−ブテニル等)等が挙げられる。具体例としては、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、sec−ブテニル、3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル、4,4,4−トリフルオロ−1−ブテニル等が挙げられる。
前記「ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC2−6アルキニル(例、エチニル、プロパルギル、ブチニル、1−ヘキシニル等)等が挙げられる。具体例としては、エチニル、プロパルギル、ブチニル、1−ヘキシニル、3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル、4,4,4−トリフルオロ−1−ブチニル等が挙げられる。
前記「ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC3−6シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)等が挙げられる。具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4,4−ジクロロシクロヘキシル、2,2,3,3−テトラフルオロシクロペンチル、4−クロロシクロヘキシル等が挙げられる。
前記「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)等が挙げられる。具体例としては、例えばメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、4,4,4−トリフルオロブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。
前記「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC1−6アルキルチオ(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ等)等が挙げられる。具体例としては、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4−トリフルオロブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等が挙げられる。
【0011】
前記「アシル」としては、例えばホルミル、カルボキシ、カルバモイル、C1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル、プロピオニル等)、C3−6シクロアルキル−カルボニル(例、シクロプロピルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル等)、C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等)、C6−14アリール−カルボニル(例、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル等)、C7−16アラルキル−カルボニル(例、フェニルアセチル、フェニルプロピオニル等)、C6−14アリールオキシ−カルボニル(例、フェノキシカルボニル等)、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル等)、5又は6員複素環カルボニル(例、ニコチノイル、イソニコチノイル、2−テノイル、3−テノイル、2−フロイル、3−フロイル、モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニル、ピペリジノカルボニル、1−ピロリジニルカルボニル等)、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル等)、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイル等)、C6−14アリール−カルバモイル(例、フェニルカルバモイル、1−ナフチルカルバモイル、2−ナフチルカルバモイル等)、チオカルバモイル、5又は6員複素環カルバモイル(例、2−ピリジルカルバモイル、3−ピリジルカルバモイル、4−ピリジルカルバモイル、2−チエニルカルバモイル、3−チエニルカルバモイル等)、C1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル等)、C6−14アリールスルホニル(例、フェニルスルホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニル等)、C1−6アルキルスルフィニル(例、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル等)、C6−14アリールスルフィニル(例、フェニルスルフィニル、1−ナフチルスルフィニル、2−ナフチルスルフィニル等)等が挙げられる。
前記「アシルアミノ」としては、例えばホルミルアミノ、C1−6アルキル−カルボニルアミノ(例、アセチルアミノ等)、C6−14アリール−カルボニルアミノ(例、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ等)、C1−6アルコキシ−カルボキニルアミノ(例、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルニルアミノ、ブトキシカルボニルアミノ等)、C1−6アルキルスルホニルアミノ(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ等)、C6−14アリールスルホニルアミノ(例、フェニルスルホニルアミノ、2−ナフチルスルホニルアミノ、1−ナフチルスルホニルアミノ等)等が挙げられる。
前記「アシルオキシ」としては、例えばC1−6アルキル−カルボニルオキシ(例、アセトキシ、プロピオニルオキシ等)、C6−14アリール−カルボニルオキシ(例、ベンゾイルオキシ、ナフチルカルボニルオキシ等)、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ等)、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ(例、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシ等)、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ(例、ジメチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ等)、C6−14アリール−カルバモイルオキシ(例、フェニルカルバモイルオキシ、ナフチルカルバモイルオキシ等)、ニコチノイルオキシ等が挙げられる。
前記「置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ」の「5ないし7員飽和環状アミノ」としては、例えばモルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジン−1−イル、ピペリジノ、ピロリジン−1−イル等が挙げられる。該「置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ」の「置換基」としては、例えばC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)、C6−14アリール(例、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル、2−アンスリル等)、5ないし10員芳香族複素環基(例、2−又は3−チエニル、2−,3−又は4−ピリジル、2−,3−,4−,5−又は8−キノリル、1−,3−,4−又は5−イソキノリル、1−,2−又は3−インドリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾ[b]チエニル、ベンゾ[b]フラニル等)等が1ないし3個挙げられる。
【0012】
R1又はR2で示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」としては、炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし14員複素環基(芳香族複素環基、飽和又は不飽和の非芳香族複素環基)等が挙げられる。
該「芳香族複素環基」としては、例えば炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1個以上(例えば1ないし4個)を含む5ないし14員、好ましくは5ないし10員の芳香族複素環基等が挙げられる。具体的には、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3−b]チオフェン、フラン、イソインドリジン、キサントレン、フェノキサチイン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、プリン、4H−キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、チアゾール、イソチアゾール、フェノチアジン、オキサゾール、イソオキサゾール、フラザン、フェノキサジン等の芳香族複素環、又はこれらの環(好ましくは単環)が1ないし複数個(好ましくは1又は2個)の芳香環(例、ベンゼン環等)と縮合して形成された環から任意の水素原子を除いてできる1価基等が挙げられる。
「芳香族複素環基」の好ましい例としては、1個のベンゼン環と縮合していてもよい5又は6員芳香族複素環基等が挙げられる。具体例としては、2−,3−又は4−ピリジル、2−,3−,4−,5−又は8−キノリル、1−,3−,4−又は5−イソキノリル、1−,2−又は3−インドリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾ[b]チエニル、ベンゾ[b]フラニル、2−又は3−チエニル等が挙げられる。更に好ましくは、2−又は3−チエニル、2−,3−又は4−ピリジル、2−又は3−キノリル、1−イソキノリル、1−又は2−インドリル、2−ベンゾチアゾリル等である。
「非芳香族複素環基」としては、例えばオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル等の3ないし8員(好ましくは5又は6員)の飽和あるいは不飽和(好ましくは飽和)の非芳香族複素環基(脂肪族複素環基)等が挙げられる。
R1又はR2で示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「置換基」としては、前記R1又はR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のものが同個数用いられる。
【0013】
R1とR2とで形成される「置換基を有していてもよい3ないし8員同素環」の「3ないし8員同素環」としては、例えばシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等のC3−8シクロアルカン等が挙げられる。
R1とR2とで形成される「置換基を有していてもよい3ないし8員複素環」の「3ないし8員複素環」としては、例えばアジリジン、アゼチジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、ヘキサヒドロピリミジン等の炭素原子以外に窒素原子,硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む3ないし8員複素環が挙げられる。
R1とR2とで形成される「置換基を有していてもよい3ないし8員同素又は複素環」の「置換基」としては、前記R1又はR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のものが同個数用いられる。
【0014】
前記式中、Wは
(i)式
【化82】
〔式中、A環は置換を有していてもよいベンゼン環を示し、B環はハロゲン又は置換基を有していてもよい炭化水素基で置換されていてもよい5ないし7員含窒素複素環を示す〕で表わされる基又は
(ii)式
【化83】
〔式中、R4は(1)置換基を有していてもよい芳香族基で置換され、かつ更に置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基又は(2)置換基を有していてもよい芳香族基を含有するアシル基を示し、R5は水素原子、C1−6アルキル又はアシル基を示す〕で表される基を示す。
WがWaのとき、前記式中、R3は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示す(以下、R3aと表記する場合がある)。
R3aで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」及び「置換基を有していてもよい複素環基」としては、前記R1又はR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」及び「置換基を有していてもよい複素環基」と同様のものが用いられる。
【0015】
前記式中、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。
A環で示される「置換基を有していてもよいベンゼン環」の「置換基」としては、前記R1又はR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のものを、置換可能な位置に1ないし4個(好ましくは1又は2個)有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一又は異なっていてもよい。
【0016】
前記式中、B環はハロゲン又は置換基を有していてもよい炭化水素基で置換されていてもよい5ないし7員含窒素複素環を示す。
B環で示される「5ないし7員含窒素複素環」としては、例えばピロール(例、1H−ピロール等)、ジヒドロピロール(例、2,5−ジヒドロ−1H−ピロール等)、ジヒドロピリジン(例、1,2−ジヒドロピリジン等)、テトラヒドロピリジン(例、1,2,3,4−テトラヒドロピリジン等)、アゼピン(例、1H−アゼピン等)、ジヒドロアゼピン(例、2,3−ジヒドロ−1H−アゼピン、2,5−ジヒドロ−1H−アゼピン、2,7−ジヒドロ−1H−アゼピン等)、テトラヒドロアゼピン(例、2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−アゼピン、2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−アゼピン等)等の5ないし7員含窒素複素環等が挙げられる。
B環が有していてもよい「置換基」としての「ハロゲン」としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
B環が有していてもよい「置換基」としての「置換基を有していてもよい炭化水素基」としては、前記R1又はR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同様のものが用いられる。
B環はこれらの置換基を置換可能な位置に1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一又は異なっていてもよい。
【0017】
式
【化84】
〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基としては、より具体的には式
【化85】
〔式中、R6及びR7は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン又は置換基を有していてもよい炭化水素基を、A環は前記と同意義を示す。〕で表される基等が挙げられ、好ましくは
【化86】
〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基等、更に好ましくは
【化87】
〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基等であり、中でも式
【化88】
〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基等が特に好ましい。
R6及びR7で示される「ハロゲン」又は「置換基を有していてもよい炭化水素基」としては、前記B環の「置換基」としての「ハロゲン」又は「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同様のものが用いられる。
【0018】
前記式中、Ba環は置換基を有していてもよい5ないし7員含窒素複素環を示す。
Ba環で示される「5ないし7員含窒素複素環」としては、前記B環で示される「5ないし7員含窒素複素環」と同様のものが用いられる。
Ba環で示される「置換基を有していてもよい5ないし7員含窒素複素環」の「置換基」としては、B環が有していてもよい「ハロゲン」及び「置換基を有していてもよい炭化水素基」の他、前記R1又はR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のものを同個数用いることもできる。また、Ba環の置換基としては、オキソ基等も用いられる。
【0019】
WがWaのとき、前記式中、C環は式
【化89】
〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基の他に更にハロゲン、ハロゲン化されていてもよい低級アルキル、ハロゲン化されていてもよい低級アルコキシ及びハロゲン化されていてもよい低級アルキルチオから選ばれる置換基を有していてもよいベンゼン環(以下、C1環と表記する場合がある)を示す。
C1環は式
【化90】
で表される基を置換可能な位置に1ないし3個(好ましくは1個)有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一又は異なっていてもよい。
【0020】
C1環が更に有していてもよい「置換基」としての「ハロゲン」としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。「ハロゲン化されていてもよい低級アルキル」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)等が挙げられ、具体例としては、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2−ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、ヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシル等が挙げられる。「ハロゲン化されていてもよい低級アルコキシ」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)等が挙げられる。具体例としては、例えばメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、4,4,4−トリフルオロブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。「ハロゲン化されていてもよい低級アルキルチオ」としては、例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC1−6アルキルチオ(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ等)等が挙げられる。具体例としては、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4−トリフルオロブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等が挙げられる。
C1環はこれらの置換基を置換可能な位置に1ないし3個(好ましくは3個)有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一又は異なっていてもよい。
【0021】
前記式中、Ca環は式
【化91】
(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基の他に更に置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。
Ca環は式
【化92】
で表される基を置換可能な位置に1ないし3個(好ましくは1個)有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一又は異なっていてもよい。
Ca環が更に有していてもよい「置換基」としては、前記R1又はR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のものが挙げられる。また、Ca環の「置換基」としての「C1−6アルキル」は、「ヒドロキシ等で置換されていてもよい4ないし8員ラクトン(例えば3−ヒドロキシ−δ−バレロラクトン等)」等で置換されていてもよい。Ca環はこれらの置換基を置換可能な位置に1ないし3個(好ましくは3個)有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一又は異なっていてもよい。
【0022】
WがWbを示すとき、前記式中、R3は置換基を有していてもよいC6−14アリール基を示す(以下、R3bと表記する場合がある)。
R3bで示される「置換基を有していてもよいC6−14アリール」の「C6−14アリール」としては、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル、アンスリル等のC6−14アリール基等が挙げられる。
該「置換基を有していてもよいC6−14アリール」の「置換基」としては、前記R1又はR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のものが同個数用いられる。
【0023】
前記式中、R4は(1)置換基を有していてもよい芳香族基で置換され、かつ更に置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基又は(2)置換基を有していてもよい芳香族基を含有するアシル基を示す。
R4で示される「置換基を有していてもよい芳香族基を有し、かつ更に置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」の置換基としての「置換基を有していてもよい芳香族基」の「芳香族基」としては、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基等が挙げられる。
該「芳香族炭化水素基」としては、例えば炭素数6ないし14個の単環式又は縮合多環式(2又は3環式)芳香族炭化水素基等が挙げられる。その具体例として、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル、アンスリル等のC6−14アリール等、好ましくは例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等のC6−10アリール等が挙げられる。
該「芳香族複素環基」としては、例えば炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1個以上(例えば1ないし4個)を含む5ないし14員、好ましくは5ないし10員の芳香族複素環基等が挙げられる。具体的には、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3−b]チオフェン、フラン、イソインドリジン、キサントレン、フェノキサチイン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、プリン、4H−キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、チアゾール、イソチアゾール、フェノチアジン、オキサゾール、イソオキサゾール、フラザン、フェノキサジン等の芳香族複素環、又はこれらの環(好ましくは単環)が1ないし複数個(好ましくは1又は2個)の芳香環(例、ベンゼン環等)と縮合して形成された環から任意の水素原子を除いてできる1価基等が挙げられる。
「芳香族複素環基」の好ましい例としては、1個のベンゼン環と縮合していてもよい5又は6員芳香族複素環基等が挙げられる。具体例としては、2−,3−又は4−ピリジル、2−,3−,4−,5−又は8−キノリル、1−,3−,4−又は5−イソキノリル、1−,2−又は3−インドリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾ[b]チエニル、ベンゾ[b]フラニル、2−又は3−チエニル等が挙げられる。更に好ましくは、2−又は3−チエニル、2−,3−又は4−ピリジル、2−又は3−キノリル、1−イソキノリル、1−又は2−インドリル、2−ベンゾチアゾリル等である。
該「置換基を有していてもよい芳香族基」の「置換基」としては、前記R1又はR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のものが同個数用いられる。
【0024】
R4で示される「置換基を有していてもよい芳香族基を有し、かつ更に置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」の「脂肪族炭化水素基」としては、例えばアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル等が挙げられる。中でも、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−10シクロアルキル等が好ましい。
「アルキル」としては、例えばC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)等が好ましい。
「アルケニル」としては、例えばC2−6アルケニル(例、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、sec−ブテニル等)等が好ましい。
「アルキニル」としては、例えばC2−6アルキニル(例、エチニル、プロパルギル、ブチニル、1−ヘキシニル等)等が好ましい。
「シクロアルキル」としては、例えばC3−6シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)等が好ましい。
中でも、C1−6アルキルが好ましい。
該「脂肪族炭化水素基」は、「置換基を有していてもよい芳香族基」を、置換可能な位置に1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一又は異なっていてもよい。
該「脂肪族炭化水素基」が更に有していていてもよい「置換基」としては、前記R1又はR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」と同様のものが同個数用いられる。
【0025】
R4で示される「置換基を有していてもよい芳香族基を含有するアシル基」の「アシル基」としては、前記R1又はR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」としての「アシル基」と同様のものが用いられる。
R4で示される「置換基を有していてもよい芳香族基を含有するアシル基」の「置換基を有していてもよい芳香族基」としては、前記R4で示される「置換基を有していてもよい芳香族基を有し、かつ更に置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」の「置換基を有していてもよい芳香族基」と同様のものが用いられる。
R4で示される「置換基を有していてもよい芳香族基を含有するアシル基」の具体例としては、C6−14アリール−カルボニル(例、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル等)、C7−16アラルキル−カルボニル(例、フェニルアセチル、フェニルプロピオニル等)、C6−14アリールオキシ−カルボニル(例、フェノキシカルボニル等)、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル等)、5又は6員複素環カルボニル(例、ニコチノイル、イソニコチノイル、2−テノイル、3−テノイル、2−フロイル、3−フロイル、モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニル、ピペリジノカルボニル、1−ピロリジニルカルボニル等)、C6−14アリール−カルバモイル(例、フェニルカルバモイル、1−ナフチルカルバモイル、2−ナフチルカルバモイル等)、5又は6員複素環カルバモイル(例、2−ピリジルカルバモイル、3−ピリジルカルバモイル、4−ピリジルカルバモイル、2−チエニルカルバモイル、3−チエニルカルバモイル等)、C6−14アリールスルホニル(例、フェニルスルホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニル等)、C6−14アリールスルフィニル(例、フェニルスルフィニル、1−ナフチルスルフィニル、2−ナフチルスルフィニル等)等が好ましい。
【0026】
前記式中、R5は水素原子、C1−6アルキル基又はアシル基を示す。
R5で示されるC1−6アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。
R5で示される「アシル基」としては、前記R1又はR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」としての「アシル基」と同様のものが用いられる。
【0027】
WがWbのとき、前記式中、C環は式−NR4(R5)で表される基の他に更に置換基を有していてもよいベンゼン環を示す(以下、C2環と表記する場合がある)。
C2環は式−NR4(R5)で表される基を置換可能な位置に1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一又は異なっていてもよい。
C2環が式−NR4(R5)で表される基の他に更に有していてもよい「置換基」としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、C1−3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル、ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル、ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、C6−14アリール(例、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル、2−アンスリル等)、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1−6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ等)、モノ−C6−14アリールアミノ(例、フェニルアミノ、1−ナフチルアミノ、2−ナフチルアミノ等)、ジ−C1−6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、ジ−C6−14アリールアミノ(例、ジフェニルアミノ等)、アシル、アシルアミノ、置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、5ないし10員芳香族複素環基(例、2−又は3−チエニル、2−,3−又は4−ピリジル、2−,3−,4−,5−又は8−キノリル、1−,3−,4−又は5−イソキノリル、1−,2−又は3−インドリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾ[b]チエニル、ベンゾ[b]フラニル等)、スルホ等が挙げられる。
該「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル」、「ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル」、「ハロゲン化されていてもよいC2−6アルキニル」、「ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル」、「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ」、「アシル」、「アシルアミノ」及び「置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ」は、前記R1又はR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」として詳述したものと同様のものが挙げられる。
C2環はこれら該置換基を置換可能な位置に1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一又は異なっていてもよい。
【0028】
このように、本発明の化合物(I)には、式
【化93】
〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表わされる化合物(Ia)及び式
【化94】
〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表わされる化合物(Ib)が含まれる。
【0029】
前記の化合物(Ia)中、R1及びR2としては、例えば、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよいC1−6アルキル基(特に、メチルなどのC1−3アルキル基など)、あるいはR1とR2が隣接する炭素原子と共に置換基を有していてもよい3ないし8員複素環を形成する場合等が好ましく、中でもR1及びR2がそれぞれC1−6アルキル基である場合等が更に好ましい。また、− − − が二重結合を示す場合、R2は存在せず、R1としては、置換基を有していてもよいC1−6アルキル基などが好ましく、特にメチルなどのC1−3アルキル基が好ましい。
R3aとしては、例えば、置換基を有していてもよいC6−14アリール基等が好ましい。
A環としては、例えば、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキレンジオキシから選ばれる置換基を有していてもよいベンゼン環等が好ましい。
B環としては、例えば、C1−6アルキルで置換されていてもよい5ないし7員含窒素複素環等が好ましい。
C1環としては、更に1ないし3個のC1−6アルキル又はC1−6アルコキシで置換されていてもよいベンゼン環等が好ましい。
式
【化95】
(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基としては、式
【化96】
(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基等が好ましい。特に、R6及びR7としては水素原子が好ましく、A環としては、ハロゲン、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキレンジオキシから選ばれる1ないし2個の置換基を有していてもよいベンゼン環が好ましい。
式
【化97】
(式中、各記号は請求項1記載と同意義を示す)で表される基のC1環上の置換位置はベンゾフラン環又はジヒドロベンゾフラン環の5位である場合等が好ましい。
【0030】
また、化合物(Ia’)としては、化合物(Ia)等が好ましい。Ba環としては、例えば、C1−6アルキルで置換されていてもよい5ないし7員含窒素複素環等が好ましく、Ca環は更に1ないし3個のC1−6アルキル又はC1−6アルコキシで置換されていてもよいベンゼン環等が好ましい。
特に、化合物(Ia)としては、R1及びR2がそれぞれC1−6アルキル基(特に、メチルなどのC1−3アルキル基)で、R3aがC1−6アルキル(特に、メチル、エチル、プロピイル、イソプロピルなどのC1−3アルキル)又はハロゲン原子(特に、フッ素)を有していてもよいフェニル基で、A環がハロゲン、C1−6アルキル(特に、メチルなどのC1−3アルキル)、C1−6アルコキシ(特に、メトキシなどのC1−3アルコキシ)及びC1−6アルキレンジオキシ(特に、メチレンジオキシなどのC1−3アルキレンジオキシ)から選ばれる置換基を有していてもよいベンゼン環で、B環がC1−6アルキルで置換されていてもよい5ないし7員含窒素複素環で、C1環が更に1ないし3個のC1−6アルキル(特に、メチルなどのC1−3アルキル)又はC1−6アルコキシ(特に、メトキシなどのC1−3アルコキシ)で置換されていてもよいベンゼン環である化合物が好ましく、特に、式
【化98】
〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表される基が式
【化99】
〔式中、A1環はハロゲン、C1−6アルコキシ及びC1−6アルキレンジオキシから成る群から選ばれる1ないし2個の置換基を有していてもよいベンゼン環を示す〕で表される基である化合物が好ましい。
【0031】
また、− − − が二重結合を示す場合、R2は存在せず、R1としては、C1−6アルキル基などが好ましく、特にメチルなどのC1−3アルキル基が好ましい。他の記号としては、前記と同様のものが好ましいが、なかでも、R3aがC1−6アルキル(特に、メチル、エチル、プロピイル、イソプロピルなどのC1−3アルキル)を有していてもよいフェニル基で、A環がベンゼン環で、B環が5ないし7員含窒素複素環で、C1環が更に1ないし3個のC1−6アルキル(特に、メチルなどのC1−3アルキル)で置換されていてもよいベンゼン環である化合物が好ましく、特に、式
【化100】
〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表される基が式
【化101】
で表される基である化合物が好ましい。
【0032】
化合物(Ia)の具体例としては、後述する実施例1a〜実施例22aで製造された化合物またはその塩などが好ましく、なかでも、
(i)2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン(実施例4a)またはその塩、
(ii)5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン(実施例6a)またはその塩、
(iii)5,6−ジメトキシ−2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン(実施例11a)またはその塩、
(iv)6−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−6,7−ジヒドロ−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール(実施例12a)またはその塩、
(v)6−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−6H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール(実施例14a)またはその塩、
(vi)6−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)−6、7−ジヒドロ−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール(実施例16a)またはその塩、
(vii)(+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン(実施例17a)、
(viii)(+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン塩酸塩(実施例19a)またはその他の塩等が好ましく、特に、
(i)5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン(実施例6a)、
(ii)6−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−6,7−ジヒドロ−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール(実施例12a)、(iii)(+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン(実施例17a)、
(iv)(+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン塩酸塩(実施例19a)等が好ましい。
【0033】
前記の化合物(Ib)中、R1及びR2としては、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよいC1−6アルキル基(特に、メチルなどのC1−3アルキル基)、あるいはR1とR2が隣接する炭素原子と共に置換基を有していてもよい3ないし8員複素環(特に、ピペリジンなどの5または6員の含窒素複素環)を形成する場合等が好ましく、同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキル基(特に、メチルなどのC1−3アルキル基)、あるいはR1とR2が隣接する炭素原子と共にC1−6アルキルで置換されたピペリジン環を形成する場合等が更に好ましい。中でもR1及びR2がそれぞれC1−6アルキル基である場合等が更に好ましく、それぞれメチル基である場合等が特に好ましい。
R3bとしては、例えば、ハロゲン(特に、フッ素)又はC1−6アルキル(特に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルなどのC1−3アルキル)で置換されていてもよいフェニル基等が好ましく、フッ素、メチル又はイソプロピルで置換されていてもよいフェニル基等が更に好ましい。
R4としては、例えば、(1)ハロゲン、C1−6アルコキシ又はC1−3アルキレンジオキシで置換されていてもよい芳香族基(特に、フェニルなどのC6−14アリール基やチエニル、ピリジルなどの炭素原子以外に窒素原子、酸素原子、硫黄原子などから選ばれる1ないし3個のヘテロ原子を含有する5または6員の芳香族複素環)で置換されたC1−6アルキル基又は(2)ハロゲン、C1−6アルコキシ又はC1−3アルキレンジオキシで置換されていてもよい芳香族基(特に、フェニルなどのC6−14アリール基)を含有するアシル基等が好ましく、(1)ハロゲン(特に、フッ素、塩素)、C1−6アルコキシ(特に、メトキシなどのC1−3アルコキシ)又はC1−3アルキレンジオキシ(特に、メチレンジオキシ)で置換されていてもよいC6−14アリール(特に、フェニル)、チエニル又はピリジルで置換されたC1−6アルキル基(特に、メチルなどのC1−3アルキル基)又は(2)ハロゲン(特に、フッ素、塩素)、C1−6アルコキシ(特に、メトキシなどのC1−3アルコキシ)又はC1−3アルキレンジオキシ(特に、メチレンジオキシ)で置換されていてもよいC6−14アリール−カルボニル基(特に、フェニルカルボニル基)、C7−16アラルキル−カルボニル基(特に、ベンジルカルボニル基)、C6−14アリール−スルホニル基(特に、フェニルスルホニル基)、ニコチノイル基又はテノイル基等が更に好ましい。中でもフッ素、メトキシ又はメチレンジオキシで置換されていてもよいベンジル基又はフェネチル基等が特に好ましい。
R5としては、例えば、水素原子、C1−6アルキル基(特に、メチルなどのC1−3アルキル基)又はC1−6アルキル−カルボニル基(特に、アセチルなどのC1−3アルキル−カルボニル基)等が好ましく、水素原子又はメチル基等が更に好ましい。
C2環としては、更に1ないし3個のC1−6アルキル(特に、メチルなどのC1−3アルキル)で置換されていてもよいベンゼン環等が好ましく、更に3個のメチルで置換されたベンゼン環等が特に好ましい。
【0034】
特に、化合物(Ib)としては、R1及びR2が、同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキル基(特に、メチルなどのC1−3アルキル基)、あるいはR1とR2が隣接する炭素原子と共にC1−6アルキル(特に、メチルなどのC1−3アルキル)で置換されたピペリジン環を形成し;
R3bがハロゲン(特に、フッ素)又はC1−6アルキル(特に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルなどのC1−3アルキル)で置換されていもよいフェニル基;
R4が(1)ハロゲン(特に、フッ素、塩素)、C1−6アルコキシ(特に、メトキシなどのC1−3アルコキシ基)又はC1−3アルキレンジオキシ(特に、メチレンジオキシ)で置換されていてもよいC6−14アリール(特に、フェニル)、チエニル又はピリジルで置換されたC1−6アルキル基(特に、メチルなどのC1−3アルキル基)又は(2)ハロゲン(特に、フッ素、塩素)、C1−6アルコキシ(特に、メトキシなどのC1−3アルコキシ基)又はC1−3アルキレンジオキシ(特に、メチレンジオキシ)で置換されていてもよいC6−14アリール−カルボニル基(特に、フェニルカルボニル基)、C7−16アラルキル−カルボニル基(特に、ベンジルカルボニル基)、C6−14アリール−スルホニル基(特に、フェニルスルホニル基)、ニコチノイル基又はテノイル基;
R5が水素原子、C1−6アルキル基(特に、メチルなどのC1−3アルキル基)又はC1−6アルキル−カルボニル基(特に、アセチルなどのC1−3アルキル−カルボニル基);及び
C2環が更に1ないし3個のC1−6アルキル(特に、メチルなどC1−3アルキル)で置換されたベンゼン環である化合物等が好ましく、
R1及びR2がそれぞれメチル基;
R3bがフッ素、メチル又はイソプロピルで置換されていもよいフェニル基;
R4がフッ素、メトキシ又はメチレンジオキシで置換されていてもよいベンジル基又はフェネチル基;
R5が水素原子又はメチル基;
− − − が単結合;及び
C2環が更に3個のメチルで置換されたベンゼン環である化合物等が特に好ましい。
【0035】
また、− − − が二重結合を示す場合、R2は存在せず、R1としては、C1−6アルキル基などが好ましく、特にメチルなどのC1−3アルキル基が好ましい。他の記号としては、前記と同様のものが好ましいが、なかでも、R3bがハロゲン(特に、フッ素)又はC1−6アルキル(特に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルなどのC1−3アルキル)で置換されていもよいフェニル基;R4が(1)ハロゲン(特に、フッ素)又はC1−6アルコキシ(特に、メトキシなどのC1−3アルコキシ基)で置換されていてもよいC6−14アリール(特に、フェニル)で置換されたC1−6アルキル基(特に、メチルなどのC1−3アルキル基)又は(2)ハロゲン(特に、フッ素)又はC1−6アルコキシ(特に、メトキシなどのC1−3アルコキシ基)で置換されていてもよいC6−14アリール−カルボニル基(特に、フェニルカルボニル基)又はC7−16アラルキル−カルボニル基(特に、ベンジルカルボニル基);R5が水素原子;及びC2環が更に1ないし3個のC1−6アルキル(特に、メチルなどC1−3アルキル)で置換されたベンゼン環である化合物が好ましい。
【0036】
化合物(Ib)の具体例としては、後述する実施例1b〜実施例67bで製造された化合物などが好ましく、なかでも、
(i)N−(4−フルオロベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(実施例4b)又はその塩、
(ii)N−ベンジル−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(実施例6b)又はその塩、
(iii)3−(4−イソプロピルフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)−N,2,2,4,6,7−ヘキサメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(実施例9b)又はその塩、
(iv)3−(4−イソプロピルフェニル)−N−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(実施例11b)又はその塩、
(v)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(実施例19b)又はその塩、
(vi)N−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(実施例23b)又はその塩、
(vii)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(実施例31b)又はその塩、
(viii)N−(4−メトキシベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(実施例33b)又はその塩、
(ix)N−(4−フルオロベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(実施例35b)又はその塩、
(x)3−(4−イソプロピルフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン(実施例45b)又はその塩、
(xi)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン(実施例47b)又はその塩、
(xii)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−フルオロフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン(実施例51b)またはその塩、
(xiii)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−アミン(実施例55b)またはその塩、
(xiv)(+)−N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン、その塩酸塩(実施例61b)またはその他の塩等が好ましく、特に
(i)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(実施例19b)、
(ii)N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−アミン(実施例55b)、
(iii)(+)−N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩(実施例61b)等が好ましい。
【0037】
前記化合物の塩としては、−COOH等の酸性基を有する場合には例えば金属塩、アンモニウム塩、有機塩基等との塩、−NH2等の塩基性基を有する場合には例えば無機酸、有機酸、塩基性又は酸性アミノ酸等との塩等の他分子内塩であってもよい。金属塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩等が挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン等との塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素酸酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
このうち、薬学的に許容し得る塩が好ましい。例えば、化合物内に酸性官能基を有する場合には、アルカリ金属塩(例、ナトリウム塩,カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例、カルシウム塩,マグネシウム塩,バリウム塩等)との塩等の無機塩、アンモニウム塩等、また、化合物内に塩基性官能基を有する場合には塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸酸塩等の無機塩又は、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩等の有機塩が挙げられる。
【0038】
次に、本発明の化合物(Ia)及び化合物(Ia’)の製造法について述べる。
ここで、化合物(Ia’)は化合物(Ia)を得る方法の他、自体公知の方法、例えば、WO 95/29907、特開平5−194466号公報、USP 4,881,967、USP 4,212,865及びテトラヘドロン レターズ(Tetrahedron Letters)、37巻、51号、9183−9186頁、1996年等に記載の方法、又はこれらに準じた方法により製造することができる。
本発明の化合物(Ia)は以下に示す方法又はそれらに準じた方法により製造することができる。
以下の反応式の略図中の化合物の各記号は前記と同意義を示す。反応式中の化合物は塩を形成している場合も含み、該塩としては、例えば、化合物(Ia)の塩と同様のもの等が挙げられる。
【0039】
反応式1
【化102】
【0040】
化合物(Ia)は、化合物(IIa)と式
【化103】
(式中、L1及びL2は脱離基を、A環は前記と同意義を示す)で表される化合物(IIIa)との反応とを、所望により塩基の存在下反応させることにより製造される。
【0041】
化合物(IIa)におけるC1環が「−NH2の他に更に有していてもよい置換基」としては、化合物(Ia)におけるC1環が「更に有していてもよい置換基」と同様のものが同個数用いられる。
L1及びL2で示される「脱離基」としては、例えば、ヒドロキシ、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、ハロゲン化されていてもよいC1−5アルキルスルホニルオキシ(例、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、トリクロロメタンスルホニルオキシ等)、置換基を有していてもよいC6−10アリールスルホニルオキシ等が挙げられる。「置換基を有していてもよいC6−10アリールスルホニルオキシ」としては、例えばC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)、C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)及びニトロから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC6−10アリールスルホニルオキシ(例、フェニルスルホニルオキシ、ナフチルスルホニルオキシ等)等が挙げられ、具体例としては、ベンゼンスルホニルオキシ、m−ニトロベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ等が挙げられる。
【0042】
化合物(IIIa)は、化合物(IIa)のC1環に置換するアミノ基と共に、式
【化104】
〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される基を形成し得る化合物であり、例えば、式
【化105】
(式中、D1はハロゲン又は置換基を有していてもよい炭化水素基で置換されていてもよい式−(CH2)d1−(d1は0ないし3の整数を示す)で表される基を、E1はハロゲン又は置換基を有していてもよい炭化水素基で置換されていてもよい式−(CH2)e1−(e1は0ないし3の整数を示す)で表される基を、d1と
e1の和は2ないし4の整数を、L1およびL2は前記と同意義を示す。)で表される化合物などが用いられる。
該ハロゲンおよび置換基を有していてもよい炭化水素基としては、B環で示される5ないし7員含窒素複素環の置換基として前述したハロゲンおよび置換基を有していてもよい炭化水素基と同様のものが用いられる。
【0043】
化合物(IIIa)の使用量は、化合物(IIa)1モルに対し約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約2.0モルである。
該「塩基」としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム等の塩基性塩類、ピリジン、ルチジン等の芳香族アミン類、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン等の第3級アミン類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物類、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第三ブトキシド等の金属アルコキシド類等が挙げられる。
塩基の使用量は、化合物(IIa)1モルに対し約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約3.0モルである。また、所望により、塩基とともに第4級アンモニウム塩を共存させて反応させることによっても製造されうる。
該「第4級アンモニウム塩」としては、例えば、テトラブチルアンモニウムヨージド等が挙げられる。
第4級アンモニウム塩の使用量は、化合物(IIa)1モルに対し約0.1ないし約2.0モル、好ましくは約0.5ないし約1.0モルである。
本反応は反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサン等の炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等の溶媒又はこれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は通常約30分ないし約48時間、好ましくは約1時間ないし約24時間である。反応温度は通常約−20ないし約200℃、好ましくは約0ないし約150℃である。
【0044】
前記反応に代え、光延反応(シンセシス(Synthesis)、1981年、第1ないし27頁)を用いることもできる。
該反応は、化合物(IIa)とL1及びL2がOHである化合物(IIIa)とを、アゾジカルボキシレート類(例、ジエチルアゾジカルボキシレート等)及びホスフィン類(例、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等)の存在下反応させる。
L1及びL2がOHである化合物(IIIa)の使用量は、化合物(IIa)1モルに対し、約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約2.0モルである。
該「アゾジカルボキシレート類」及び「ホスフィン類」の使用量は、それぞれ化合物(IIa)1モルに対し、約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約2.0モルである。
本反応は反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサン等の炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等の溶媒もしくはそれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は通常約5分ないし約48時間、好ましくは約30分ないし約24時間である。反応温度は通常約−20ないし約200℃、好ましくは約0ないし約100℃である。
化合物(IIa)は、自体公知の方法、例えば特開平5−140142号公報等に記載の方法又はそれらに準じた方法等により製造される。
【0045】
化合物(IIa)がジヒドロベンゾフランの場合は、以下の反応式に記載の方法によっても製造される。
反応式2
【化106】
【0046】
上記式中、L’は脱離基、R8は水素原子又はR1からメチレンを1つ除いた基を示す。
L’で示される「脱離基」としては、例えば、ヒドロキシ、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、C1−6アルキルスルホニルオキシ(例、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ等)、置換基を有していてもよいC6−10アリールスルホニルオキシ等が挙げられる。
「置換基を有していてもよいC6−10アリールスルホニルオキシ」としては、例えば、C1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)、C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)及びニトロから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC6−10アリールスルホニルオキシ(例、フェニルスルホニルオキシ、ナフチルスルホニルオキシ等)等が挙げられ、具体例としては、ベンゼンスルホニルオキシ、m−ニトロベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ等が挙げられる。
【0047】
化合物(IVa)及び化合物(Va)は容易に市販品が入手でき、また、自体公知の方法によっても製造される。
化合物(VIa)は、化合物(IVa)を塩基処理して生成するフェノラートアニオンと式 R8−CHL’−CR2=CHR3aで表される化合物(Va)とを反応させることにより製造される。
化合物(Va)の使用量は、化合物(IVa)1モルに対し約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約2.0モルである。
該「塩基」としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物等の無機塩基類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第三ブトキシド等のアルカリ金属アルコラート類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属の水素化物類、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド類、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム等の塩基性塩類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(IVa)1モルに対し約0.5ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約3.0モルである。
本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、水又はこれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は通常約10分ないし約8時間、好ましくは約30分ないし約3時間である。反応温度は通常約0ないし約120℃、好ましくは約25ないし約100℃である。
生成物は公知の単離手段を用いて反応混合物から単離することもでき、通常の分離手段(例、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等)により容易に精製することもできる。
化合物(VIIa)は、化合物(VIa)をクライゼン転位することにより製造される。
本反応は、無溶媒で行うか、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素類、ギ酸、酢酸等の有機酸類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等のアニリン類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類又はこれらの混合溶媒等が用いられる。
【0048】
また、所望により酸触媒を用いて本反応を行ってもよい。酸触媒としては、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素等のルイス酸類等が用いられる。
酸触媒の使用量は、例えばルイス酸の場合、通常化合物(VIa)1モルに対し約0.1ないし約20モル、好ましくは約0.1ないし約5.0モルである。反応時間は通常約30分ないし約24時間、好ましくは約1ないし約6時間である。反応温度は通常約−70ないし約300℃、好ましくは約150ないし約250℃である。
生成物は反応液のまま、あるいは粗製物として次反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、通常の分離手段(例、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等)により容易に精製することもできる。
化合物(IIa)は化合物(VIIa)を酸触媒で閉環させることによって製造される。
酸触媒としては、例えば、塩酸、 臭化水素酸、硫酸等の鉱酸類、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸等のスルホン酸類、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素等のルイス酸類等が用いられる。
用いる酸触媒の量は、例えば鉱酸類の場合、通常化合物(VIIa)1モルに対し約1ないし約100モル、好ましくは約10ないし約50モルであり、例えばスルホン酸類の場合、通常化合物(VIIa)1モルに対し約0.1ないし約20モル、好ましくは約0.1ないし約5モルである。
本反応は、無溶媒で行うか、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されない。例えば鉱酸類を用いる場合、溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、シクロヘキサン、ヘキサン等の飽和炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等の有機溶媒と水との混合溶媒又は水が好ましい。
反応時間は通常約30分ないし約24時間、好ましくは約30分ないし約6時間である。反応温度は通常約−78ないし約200℃、好ましくは約−20ないし約150℃である。
生成物は反応液のまま、あるいは粗製物として次反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、通常の分離手段(例、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等)により容易に精製することもできる。
【0049】
また、化合物(IIa)がベンゾフランの場合は、以下の反応式に記載の方法によっても製造される。
反応式3
【化107】
【0050】
上記式中、halはハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を示す。
化合物(IXa)は、化合物(VIIa)と同様にして合成される化合物(VIIIa)とハロゲン化試薬とを反応させることにより製造される。
「ハロゲン化試薬」としては、例えば、臭素、塩素、ヨウ素等のハロゲン類、N−ブロモこはく酸イミド等のイミド類、ベンジルトリメチルアンモニウムヨードジクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド等のハロゲン付加物類等が用いられる。
ハロゲン化試薬の使用量は、化合物(VIIIa)1モルに対し約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約2.0モルである。
本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサン等の炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸、プロピオン酸等の有機酸類、ニトロメタン等のニトロアルカン類、ピリジン、ルチジン、キノリン等の芳香族アミン類、又はこれらの混合溶媒等が用いられる。
本反応は、所望により、塩基もしくはラジカル開始剤の存在下、又は光照射下で行われる。
該「塩基」としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の塩基性塩類、ピリジン、ルチジン等の芳香族アミン類、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン等の三級アミン類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(VIIIa)1モルに対し約0.8ないし約10モルである。
「ラジカル開始剤」としては、例えば、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
ラジカル開始剤の使用量は、化合物(VIIIa)1モルに対し約0.01ないし約1モルである。
光照射の場合、ハロゲンランプ等を用いることができる。
反応温度は通常約−50ないし約150℃、好ましくは約0ないし約100℃である。反応時間は通常約5分ないし約24時間、好ましくは約10分ないし約12時間である。
【0051】
生成物は反応液のまま、あるいは粗製物として次反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、通常の分離手段(例、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等)により容易に精製することもできる。
化合物(IIa)は、化合物(IXa)を塩基処理することにより製造される。
該「塩基」としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物等の無機塩基類、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、ピリジン等の有機塩基類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第三ブトキシド等のアルカリ金属アルコラート類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物類、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド類、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム等の塩基性塩類等が挙げられる。
塩基の使用量は、化合物(IXa)1モルに対し約0.5ないし約10モル、好ましくは約1.0ないし約5.0モルである。
本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、水又はこれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は通常約10分ないし約24時間、好ましくは約30分ないし約12時間である。反応温度は通常約0ないし約120℃、好ましくは約25ないし約100℃である。
生成物は反応液のまま、あるいは粗製物として次反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、通常の分離手段(例、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等)により容易に精製することもできる。
化合物(IIIa)は容易に市販品が入手でき、また、自体公知の方法によっても製造される。
【0052】
また、化合物(Ia)は、以下の反応式4に記載の方法によっても製造される。
反応式4
【化108】
【0053】
上記式中、L3及びL4は脱離基を示す。
L3及びL4で示される「脱離基」としては、例えば、ヒドロキシ、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、C1−6アルキルスルホニルオキシ(例、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ等)、置換基を有していてもよいC6−10アリールスルホニルオキシ等が挙げられる。
「置換基を有していてもよいC6−10アリールスルホニルオキシ」としては、例えば、C1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)、C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)及びニトロから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC6−10アリールスルホニルオキシ(例、フェニルスルホニルオキシ、ナフチルスルホニルオキシ等)等が挙げられ、具体例としては、ベンゼンスルホニルオキシ、m−ニトロベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ等が挙げられる。
【0054】
化合物(Xa)は、化合物(IIa)のC1環に置換するアミノ基と共に、式
【化109】
〔式中、各記号は前記と同意義を示す、〕で表される基を形成し得る化合物であり、例えば、式
【化110】
(式中、D2はハロゲン又は置換基を有していてもよい炭化水素基で置換されていてもよい式−(CH2)d2−(d2は0ないし2の整数を示す)で表される基を、E2はハロゲン又は置換基を有していてもよい炭化水素基で置換されていてもよい式−(CH2)e2−(e2は0ないし2の整数を示す)で表される基を、d2とe2の和は0ないし2の整数を、L3およびL4は前記と同意義を示す。)で表される化合物などが用いられる。
該ハロゲンおよび置換基を有していてもよい炭化水素基としては、B環で示される5ないし7員含窒素複素環の置換基として前述したハロゲンおよび置換基を有していてもよい炭化水素基と同様のものが用いられる。
【0055】
化合物(Xa)および化合物(XIa)は容易に市販品が入手でき、また、自体公知の方法によっても製造される。
化合物(XIIa)は、化合物(Xa)と化合物(IIa)を所望により塩基存在下反応させることにより得られる。
化合物(Xa)の使用量は、化合物(IIa)1モルに対し、約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約2.0モルである。
該「塩基」としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム等の塩基性塩類、ピリジン、ルチジン等の芳香族アミン類、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン等の第3級アミン類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物類、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第三ブトキシド等の金属アルコキシド類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(IIa)1モルに対し約2.0ないし約5.0モル、好ましくは約2.0ないし約3.0モルである。
本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類又はこれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は通常約10分ないし約8時間、好ましくは約30分ないし約3時間である。反応温度は通常約0ないし約120℃、好ましくは約25ないし約100℃である。
生成物は反応液のまま、あるいは粗製物として次反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、通常の分離手段(例、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等)により容易に精製することもできる。
【0056】
前記反応に代え、化合物(IIa)と化合物(Xa)とを、適当な縮合剤の存在下反応させても良い。
化合物(Xa)の使用量は、化合物(IIa)1モルに対し、約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約2.0モルである。
該「縮合剤」としては、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSC)塩酸塩等のN,N’−ジカルボイミド類、N,N’−カルボニルジイミダゾール等のアゾライト類、N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン、オキシ塩化リン、無水酢酸等の脱水剤、2−クロロメチルピリジニウムヨージド、2−フルオロ−1−クロロメチルピリジニウムヨージド等の2−ハロゲノピリジニウム塩等が用いられる。
縮合剤の使用量はそれぞれ化合物(IIa)1モルに対し、約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約2.0ないし約3.0モルである。
また、所望により、縮合剤ともに、塩基を共存させて反応させてもよい。該「塩基」としては、例えば、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等の塩基性塩類、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(HOBt)一水和物等が挙げられる。塩基の使用量は化合物(IIa)に対し、約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約2.0ないし約3.0モルである。
本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、無水酢酸等の酸無水物類又はこれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は通常約30分ないし約48時間、好ましくは約30分ないし約24時間である。反応温度は通常約0ないし約120℃、好ましくは約25ないし約100℃である。
生成物は反応液のまま、あるいは粗製物として次反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、通常の分離手段(例、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等)により容易に精製することもできる。
【0057】
化合物(XIIa)は、化合物(XIa)と化合物(IIa)を反応させた後、所望により塩基の存在下において閉環する方法によっても合成される。
化合物(XIa)の使用量は、化合物(IIa)1モルに対し、約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約2.0モルである。
該「縮合剤」としては、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSC)塩酸塩等のN,N’−ジカルボイミド類、N,N’−カルボニルジイミダゾール等のアゾライト類、N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン、オキシ塩化リン、無水酢酸等の脱水剤、2−クロロメチルピリジニウムヨージド、2−フルオロ−1−クロロメチルピリジニウムヨージド等の2−ハロゲノピリジニウム塩等が用いられる。
縮合剤の使用量はそれぞれ化合物(IIa)1モルに対し、約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約3.0モルである。
また、所望により、縮合剤ともに、塩基を共存させて反応させてもよい。該「塩基」としては、例えば、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等の塩基性塩類、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(HOBt)一水和物等が挙げられる。塩基の使用量は化合物(IIa)に対し、約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約3.0モルである。
本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、無水酢酸等の酸無水物類又はこれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は通常約30分ないし約48時間、好ましくは約30分ないし約24時間である。反応温度は通常約0ないし約120℃、好ましくは約25ないし約100℃である。
生成物は反応液のまま、あるいは粗製物として次反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、通常の分離手段(例、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等)により容易に精製することもできる。
【0058】
化合物(Ia)は、化合物(XIIa)を還元剤で還元することにより製造される。
該「還元剤」としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム等の金属水素化物類、ボランテトラヒドロフラン錯体等のボラン類等が用いられる。
還元剤の使用量は、それぞれ化合物(XIIa)1モルに対し、約0.5ないし約10モル、好ましくは約1.0ないし約5.0モルである。
また、所望により還元剤とともに酸触媒を加えても良い。該「酸触媒」としては、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム等のルイス酸類等が用いられる。該「酸触媒」の使用量は、それぞれ化合物(XIIa)1モルに対し、約0.5ないし約10モル、好ましくは約1.0ないし約5.0モルである。
本反応は、無溶媒で行うか、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素類、ギ酸、酢酸等の有機酸類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等のアニリン類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類又はこれらの混合溶媒等が用いられる。
反応時間は通常約10分ないし約24時間、好ましくは約30分ないし約12時間である。反応温度は通常約0ないし約120℃、好ましくは約25ないし約100℃である。
生成物は反応液のまま、あるいは粗製物として次反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、通常の分離手段(例、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等)により容易に精製することもできる。
【0059】
また、化合物(IIa)がジヒドロベンゾフランの場合は、以下の反応式5に記載の方法によっても製造される。
反応式5
【化111】
【0060】
化合物(XIIIa)は、化合物(IVa)にペプチド化学などで一般的に用いられるような保護基付加反応を行うことによって製造される。
アミノ基の保護基(P)としては、例えばホルミルまたはそれぞれ置換基を有していてもよいC1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニルなど)、フェニルカルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルなど)、フェニルオキシカルボニル、C7−10アラルキル−オキシカルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニルなど)、トリチル、フタロイルなどが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニル、バレリルなど)、ニトロなどが用いられ、置換基の数は1ないし3個である。
ヒドロキシル基の保護基(P’)としては、例えばそれぞれ置換基を有していてもよいC1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチルなど)、フェニル、C7−11アラルキル(例えば、ベンジルなど)、ホルミル、C1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニルなど)、フェニルオキシカルボニル、C7−11アラルキル−オキシカルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニルなど)、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、シリルなどが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、tert−ブチルなど)、C7−11アラルキル(例えば、ベンジルなど)、C6−10アリール(例えば、フェニル、ナフチルなど)、ニトロなどが用いられ、置換基の数は1ないし4個である。
化合物(XIVa)は、化合物(XIIIa)と臭素化試薬とを反応させることにより製造される。
「臭素化試薬」としては、臭素、N−ブロモこはく酸イミド等のイミド類、ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド等のハロゲン付加物類等が用いられる。ハロゲン化試薬の使用量は、化合物(XIIIa)1モルに対し約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約2.0モルである。
本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサン等の炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸、プロピオン酸等の有機酸類、ニトロメタン等のニトロアルカン類、ピリジン、ルチジン、キノリン等の芳香族アミン類、又はこれらの混合溶媒等が用いられる。
本反応は、所望により、塩基もしくはルイス酸もしくは鉄の存在下で行われる。
「塩基」としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の塩基性塩類、ピリジン、ルチジン等の芳香族アミン類、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン等の三級アミン類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(XIIIa)1モルに対し約0.8ないし約10モルである。
「ルイス酸」としては、例えば塩化鉄、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素等が挙げられる。ルイス酸の使用量は、化合物(XIIIa)1モルに対し約0.01ないし約1モルである。
「鉄」としては、鉄の使用量は、化合物(XIIIa)1モルに対し約0.01ないし約1モルである。
反応温度は通常約−50ないし約150℃、好ましくは約0ないし約100℃である。反応時間は通常約5分ないし約24時間、好ましくは約10分ないし約12時間である。
生成物は反応液のまま、あるいは粗製物として次反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、通常の分離手段(例、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等)により容易に精製することもできる。
【0061】
化合物(XVIa)は、化合物(XIVa)をリチオ化した後、ケトン(XVa)と反応させることにより製造される。
「リチオ化試薬」としては、n−ブチルリチウム等のアルキルリチウム類等が用いられる。リチオ化試薬の使用量は、化合物(XIVa)1モルに対し約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約3.0モルである。
本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサン等の炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、又はこれらの混合溶媒等が用いられる。
反応温度は通常約−78ないし約100℃、好ましくは約−78ないし約50℃である。反応時間は通常約5分ないし約24時間、好ましくは約10分ないし約3時間である。
生成物は反応液のまま、あるいは粗製物として次反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、通常の分離手段(例、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等)により容易に精製することもできる。
【0062】
化合物(IIa)は化合物(XVIa)を酸触媒で脱保護と閉環を行うことによって製造される。酸触媒としては、例えば塩酸、 臭化水素酸、硫酸等の鉱酸類、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸等のスルホン酸類、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素等のルイス酸類等が用いられる。用いる酸触媒の量は、例えば鉱酸類の場合、通常化合物(XVIa)1モルに対し約1ないし約100モル、好ましくは約10ないし約50モルであり、例えばスルホン酸類の場合、通常化合物(XVIa)1モルに対し約0.1ないし約20モル、好ましくは約0.1ないし約5モルである。
本反応は、無溶媒で行うか、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されない。例えば鉱酸類を用いる場合、溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、シクロヘキサン、ヘキサン等の飽和炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等の有機溶媒と水との混合溶媒又は水が好ましい。
反応時間は通常約30分ないし約24時間、好ましくは約30分ないし約6時間である。反応温度は通常約−78ないし約200℃、好ましくは約−20ないし約150℃である。
生成物は反応液のまま、あるいは粗製物として次反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、通常の分離手段(例、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等)により容易に精製することもできる。
【0063】
前記化合物(Ia)の原料化合物は、塩を形成していてもよく、反応が達成される限り特に限定されないが、例えば、前記化合物(Ia)が形成していてもよい塩と同様の塩等が用いられる。
化合物(Ia)の配置異性体(E,Z体)については異性化が生じた時点で、例えば、抽出、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等の通常の分離手段により単離、精製することができ、純粋な化合物を製造することができる。また、新実験化学講座14(日本化学会編)、第251ないし253頁、第4版実験化学講座19(日本化学会編)、第273ないし274頁記載の方法及びそれに準じる方法に従って、加熱、酸触媒、遷移金属錯体、金属触媒、ラジカル種触媒、光照射あるいは強塩基触媒等により二重結合の異性化を進行させ、対応する純粋な異性体を得ることもできる。
なお、化合物(Ia)は置換基の種類如何によっては立体異性体が生ずるが、この異性体が単独の場合も、それらの混合物の場合も本発明に含まれる。
化合物(Ia)及び化合物(Ia’)は水和物であっても非水和物であってもよい。
いずれの場合にも、さらに所望により、脱保護反応、アシル化反応、アルキル化反応、水素添加反応、酸化反応、還元反応、炭素鎖延長反応、置換基交換反応を各々、単独あるいはその二つ以上を組み合わせて行うことにより化合物(Ia)を合成することができる。
上記反応によって、目的物が遊離の状態で得られる場合には、常法に従って塩に変換してもよく、また塩として得られる場合には、常法に従って遊離体又は他の塩に変換することもできる。かくして得られる化合物(Ia)は、公知の手段例えば、転溶、濃縮、溶媒抽出、分溜、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等により反応溶液から単離、精製することができる。
なお、化合物(Ia)が、コンフィギュレーショナル アイソマー(配置異性体)、ジアステレオマー、コンフォーマー等として存在する場合には、所望により、前記分離、精製手段によりそれぞれを単離することができる。また、化合物(Ia)がラセミ体である場合には、通常の光学分割手段によりd体、l体に分離することができる。
【0064】
また、前記各反応において、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の官能基が存在している場合にはペプチド化学等で一般的に用いられるような保護基が導入した後に反応に供してもよく、反応後に必要に応じて保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
保護基としては、例えば、ホルミル又はそれぞれ置換基を有していてもよいC1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル、プロピオニル等)、フェニルカルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、フェニルオキシカルボニル、C7−10アラルキルオキシ−カルボニル(例、ベンジルオキシカルボニル等)、トリチル、フタロイル等が用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、C1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル、プロピオニル、バレリル等)、ニトロ等が用いられ、置換基の数は1ないし3個程度である。
また、保護基の除去方法としては、自体公知又はそれに準じる方法が用いられるが、例えば、酸、塩基、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウム等で処理する方法又は還元反応が用いられる。
【0065】
次に、本発明の化合物(Ib)の製造法について以下に述べる。
本発明の化合物(Ib)は、以下に示す方法又はそれらに準じた方法により製造することができる。
反応式6
【化112】
【0066】
化合物(Ib)は、化合物(IIb)と式 R4−L(式中、Lは脱離基及びR4は前記と同意義を示す)で表される化合物(IIIb)とを反応させることにより製造される。
Lで示される「脱離基」としては、例えば、ヒドロキシ、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、ハロゲン化されていてもよいC1−5アルキルスルホニルオキシ(例、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、トリクロロメタンスルホニルオキシ等)、置換基を有していてもよいC6−10アリールスルホニルオキシ等が挙げられる。
「置換基を有していてもよいC6−10アリールスルホニルオキシ」としては、例えば、C1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)、C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)及びニトロから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC6−10アリールスルホニルオキシ(例、フェニルスルホニルオキシ、ナフチルスルホニルオキシ等)等が挙げられ、具体例としては、ベンゼンスルホニルオキシ、m−ニトロベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ等が挙げられる。
【0067】
(1)R4が「置換基を有していてもよい芳香族基を含有するアシル基」の場合の反応条件を以下に述べる。
化合物(IIb)と化合物(IIIb)の反応は、所望により塩基又は酸の存在下で行われる。
化合物(IIIb)の使用量は、化合物(IIb)1モルに対し、約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約2.0モルである。
該「塩基」としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム等の塩基性塩類、ピリジン、ルチジン等の芳香族アミン類、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン等の第3級アミン類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物類、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第三ブトキシド等の金属アルコキシド類等が挙げられる。
該「酸」としては、例えば、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸類、塩化亜鉛、塩化アルミニウム等のルイス酸類等が挙げられる。
該「塩基」の使用量は、化合物(IIb)1モルに対し、約0.1ないし約10モル、好ましくは約0.8ないし約2モルである。
該「酸」の使用量は、化合物(IIb)1モルに対し、約0.1ないし約10モル、好ましくは約0.8ないし約3モルである。
本反応は無溶媒又は反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサン等の炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ピリジン、ルチジン、キノリン等の含窒素芳香族炭化水素類等の溶媒又はこれらの混合溶媒等が好ましい。反応温度は約−20ないし約150℃、好ましくは約0ないし約100℃である。反応時間は通常約5分ないし約24時間、好ましくは約10分ないし約5時間である。
【0068】
前記反応に代え、化合物(IIb)と化合物(IIIb)とを、適当な縮合剤の存在下反応させてもよい。
化合物(IIIb)の使用量は、化合物(IIb)1モルに対し、約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約2.0モルである。
縮合剤としては、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSC)塩酸塩等のN,N’−ジカルボジイミド類、N,N’−カルボニルジイミダゾール等のアゾライド類、N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン、オキシ塩化リン等の脱水剤、2−クロロメチルピリジニウムヨージド、2−フルオロ−1−クロロメチルピリジニウムヨージド等の2−ハロゲノピリジニウム塩等が用いられる。
縮合剤の使用量は、それぞれ化合物(IIb)1モルに対し、約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約2.0モルである。
本反応は反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサン等の炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等の溶媒もしくはそれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は通常約5分ないし約48時間、好ましくは約30分ないし約24時間である。反応温度は通常約−20ないし約200℃、好ましくは約0ないし約100℃である。
【0069】
(2)R4が「置換基を有していてもよい芳香族基を有し、かつ更に置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基」の場合の反応条件を以下に述べる。
化合物(IIb)と式 R4−Lで表される化合物(IIIb)とを、所望により塩基の存在下で反応させる。
化合物(IIIb)の使用量は、化合物(IIb)1モルに対し約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約2.0モルである。
該「塩基」としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム等の塩基性塩類、ピリジン、ルチジン等の芳香族アミン類、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン等の第3級アミン類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物類、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第三ブトキシド等の金属アルコキシド類等が挙げられる。
塩基の使用量は、化合物(IIb)1モルに対し約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約2.0モルである。
本反応は反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサン等の炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等の溶媒又はこれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は通常約30分ないし約48時間、好ましくは約1時間ないし約24時間である。反応温度は通常約−20ないし約200℃、好ましくは約0ないし約150℃である。
【0070】
前記反応に代え、還元的アミノ化反応により化合物(Ib)を合成することもできる。
反応式7
【化113】
【0071】
化合物(Ib)は化合物(IIb)と式 R9−CHO(R9はR4からメチレンを1つ除いた基を示す。)で表される化合物(IVb)とを縮合させ、還元剤で還元することにより製造される。
化合物(IVb)の使用量は、化合物(IIb)1モルに対し、約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約2.0モルである。
該「還元剤」としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム等の金属水素化物類、ボランテトラヒドロフラン錯体等のボラン類、トリエチルシラン等のヒドロシラン類、あるいはギ酸等が用いられる。また所望により還元剤とともに酸触媒を加えても良い。酸触媒としては、例えば塩酸、 臭化水素酸、硫酸等の鉱酸類、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類、酢酸、プロピオン酸、トリフロオロ酢酸等の有機酸類、塩化亜鉛、塩化アルミニウム等のルイス酸類等が用いられる。
該「還元剤」の使用量は、それぞれ化合物(IIb)1モルに対し、約0.25ないし約5.0モル、好ましくは約0.5ないし約2.0モルである。
用いる酸触媒の量は、例えば鉱酸類の場合、通常化合物(IIb)1モルに対し約1ないし約100モル、好ましくは約1ないし約20モルである。
本反応は反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサン等の炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類等の溶媒もしくはそれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は通常約5分ないし約48時間、好ましくは約30分ないし約24時間である。反応温度は通常約−20ないし約200℃、好ましくは約0ないし約100℃である。
該反応は、化合物(IIIb)と化合物(IVb)とを縮合後、還元剤で還元するかわりに、水素雰囲気下種々の触媒を共存させた接触水素化反応によっても製造される。使用される触媒としては、酸化白金、白金付活性炭、パラジウム付活性炭、ニッケル、銅−クロム酸化物、ロジウム、コバルト、ルテニウム等が用いられる。触媒の使用量は、化合物(IIb)に対して約5ないし約1000重量%、好ましくは約5ないし約1000重量%である。
本反応は反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサン等の炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、水等の溶媒もしくはそれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は通常約30分ないし約48時間、好ましくは約30分ないし約24時間である。反応温度は通常約0ないし約120℃、好ましくは約20ないし約80℃である。
【0072】
前記反応に代え、前記(1)で合成したアシルアミド体を還元剤で還元する方法を用いることもできる。
還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム等の金属水素化物類、ボランテトラヒドロフラン錯体等のボラン類等が用いられる。
また、所望により還元剤とともに酸触媒を加えても良い。酸触媒としては、例えば、トリフルオロボランジエチルエーテル錯体、塩化アルミニウム等のルイス酸類等が用いられる。
該還元剤の使用量は、それぞれアシルアミド体1モルに対し、約0.25ないし約10モル、好ましくは約0.5ないし約5モルである。
該ルイス酸類の使用量は、それぞれアシルアミド体1モルに対し、約0.25ないし約10モル、好ましくは約0.5ないし約5モルである。
本反応は反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサン等の炭化水素類、水等の溶媒もしくはそれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は通常約30分ないし約24時間、好ましくは約1時間ないし約16時間である。反応温度は通常約0ないし約150℃、好ましくは約20ないし約100℃である。
以上のようにして得られた生成物(Ib)は公知の単離手段を用いて反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等の分離手段により容易に精製することができる。
【0073】
化合物(IIb)は、例えば、特開平5−140142号公報に記載の方法、又はこれらに準じた方法に従って製造することができる。
また、化合物(IIb)がジヒドロベンゾフランの場合(化合物(IIb’))は、以下の反応式に記載の方法によっても製造される。
反応式8
【化114】
【0074】
上記式中、L’は脱離基、R9は水素原子又はR1からメチレンを1つ除いた基を示す。
L’で示される「脱離基」としては、例えば、ヒドロキシ、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、C1−6アルキルスルホニルオキシ(例、メチルスルホニルオキシ、エチルホニルオキシ等)、置換基を有していてもよいC6−10アリールスルホニルオキシ等が挙げられる。
「置換基を有していてもよいC6−10アリールスルホニルオキシ」としては、例えば、C1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)、C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)及びニトロから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC6−10アリールスルホニルオキシ(例、フェニルスルホニルオキシ、ナフチルスルホニルオキシ等)等が挙げられ、具体例としては、ベンゼンスルホニルオキシ、m−ニトロベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ等が挙げられる。
化合物(Vb)及び化合物(VIb)は容易に市販品が入手でき、また、自体公知の方法によっても製造される。
化合物(VIIb)は、化合物(Vb)を塩基処理して生成するフェノラートアニオンと式 R9−CHL’−CR2=CHR3bで表される化合物(VIb)とを反応させることにより製造される。
化合物(VIb)の使用量は、化合物(Vb)1モルに対し約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約2.0モルである。
「塩基」としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物等の無機塩基類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第三ブトキシド等のアルカリ金属アルコラート類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属の水素化物類、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド類、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム等の塩基性塩類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(Vb)1モルに対し約0.5ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約3.0モルである。
本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、水又はこれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は通常約10分ないし約8時間、好ましくは約30分ないし約3時間である。反応温度は通常約0ないし約120℃、好ましくは約25ないし約100℃である。
生成物は反応液のまま、あるいは粗製物として次反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、通常の分離手段(例、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等)により容易に精製することもできる。
【0075】
化合物(VIIIb)は、化合物(VIIb)をクライゼン転位することにより製造される。
本反応は、無溶媒で行うか、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素類、ギ酸、酢酸等の有機酸類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等のアニリン類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類又はこれらの混合溶媒等が用いられる。
また、所望により酸触媒を用いて本反応を行ってもよい。酸触媒としては、例えば、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素等のルイス酸類等が用いられる。酸触媒の使用量は、例えばルイス酸の場合、通常化合物(VIIb)1モルに対し約0.1ないし約20モル、好ましくは約0.1ないし約5.0モルである。反応時間は通常約30分ないし約24時間、好ましくは約1ないし約6時間である。反応温度は通常約−70ないし約300℃、好ましくは約150ないし約250℃である。
生成物は反応液のまま、あるいは粗製物として次反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、通常の分離手段(例、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等)により容易に精製することもできる。
【0076】
化合物(IIb’)は化合物(VIIIb)を酸触媒で閉環させることによって製造される。酸触媒としては、例えば、塩酸、 臭化水素酸、硫酸等の鉱酸類、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸等のスルホン酸類、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素等のルイス酸類等が用いられる。用いる酸触媒の量は、例えば鉱酸類の場合、通常化合物(VIIIb)1モルに対し約1ないし約100モル、好ましくは約10ないし約50モルであり、例えばスルホン酸類の場合、通常化合物(VIIIb)1モルに対し約0.1ないし約20モル、好ましくは約0.1ないし約5モルである。
本反応は、無溶媒で行うか、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されない。例えば鉱酸類を用いる場合、溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、シクロヘキサン、ヘキサン等の飽和炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等の有機溶媒と水との混合溶媒又は水が好ましい。
反応時間は通常約30分ないし約24時間、好ましくは約30分ないし約6時間である。反応温度は通常約−78ないし約200℃、好ましくは約−20ないし約150℃である。
生成物は反応液のまま、あるいは粗製物として次反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、通常の分離手段(例、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等)により容易に精製することもできる。
【0077】
また、化合物(IIb)がベンゾフランの場合(化合物(IIb’’))は、以下の反応式に記載の方法によっても製造される。
反応式9
【化115】
【0078】
上記式中、halはハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を示す。
化合物(Xb)は、化合物(VIIIb)と同様にして合成される化合物(IXb)とハロゲン化試薬とを反応させることにより製造される。
「ハロゲン化試薬」としては、例えば、臭素、塩素、ヨウ素等のハロゲン類、N−ブロモこはく酸イミド等のイミド類、ベンジルトリメチルアンモニウムヨードジクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド等のハロゲン付加物類等が用いられる。ハロゲン化試薬の使用量は、化合物(IXb)1モルに対し約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約2.0モルである。
本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサン等の炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸、プロピオン酸等の有機酸類、ニトロメタン等のニトロアルカン類、ピリジン、ルチジン、キノリン等の芳香族アミン類、又はこれらの混合溶媒等が用いられる。
本反応は、所望により、塩基もしくはラジカル開始剤の存在下、又は光照射下で行われる。
「塩基」としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の塩基性塩類、ピリジン、ルチジン等の芳香族アミン類、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン等の三級アミン類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(IXb)1モルに対し約0.8ないし約10モルである。
「ラジカル開始剤」としては、例えば、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。ラジカル開始剤の使用量は、化合物(IXb)1モルに対し約0.01ないし約1モルである。
光照射の場合、ハロゲンランプ等を用いることができる。
反応温度は通常約−50ないし約150℃、好ましくは約0ないし約100℃である。反応時間は通常約5分ないし約24時間、好ましくは約10分ないし約12時間である。
生成物は反応液のまま、あるいは粗製物として次反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、通常の分離手段(例、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等)により容易に精製することもできる。
【0079】
化合物(IIb’’)は、化合物(Xb)を塩基処理することにより製造される。
「塩基」としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物等の無機塩基類、例えばトリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、ピリジン等の有機塩基類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第三ブトキシド等のアルカリ金属アルコラート類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物類、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド類、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム等の塩基性塩類等が挙げられる。
塩基の使用量は、化合物(Xb)1モルに対し約0.5ないし約10モル、好ましくは約1.0ないし約5.0モルである。
本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、水又はこれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は通常約10分ないし約24時間、好ましくは約30分ないし約12時間である。反応温度は通常約0ないし約120℃、好ましくは約25ないし約100℃である。
生成物は反応液のまま、あるいは粗製物として次反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、通常の分離手段(例、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等)により容易に精製することもできる。
【0080】
また、化合物(IIb)がジヒドロベンゾフランの場合(化合物(IIb’))は、以下の反応式に記載の方法によっても製造される。
反応式10
【化116】
【0081】
化合物(XIb)は、化合物(Vb)にペプチド化学などで一般的に用いられるような保護基付加反応を行うことによって製造される。
アミノ基の保護基(P)としては、例えばホルミルまたはそれぞれ置換基を有していてもよいC1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニルなど)、フェニルカルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルなど)、フェニルオキシカルボニル、C7−10アラルキル−オキシカルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニルなど)、トリチル、フタロイルなどが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニル、バレリルなど)、ニトロなどが用いられ、置換基の数は1ないし3個である。
ヒドロキシル基の保護基(P’)としては、例えばそれぞれ置換基を有していてもよいC1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチルなど)、フェニル、C7−11アラルキル(例えば、ベンジルなど)、ホルミル、C1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニルなど)、フェニルオキシカルボニル、C7−11アラルキル−オキシカルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニルなど)、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、シリルなどが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、tert−ブチルなど)、C7−11アラルキル(例えば、ベンジルなど)、C6−10アリール(例えば、フェニル、ナフチルなど)、ニトロなどが用いられ、置換基の数は1ないし4個である。
【0082】
化合物(XIIb)は、化合物(XIb)と臭素化試薬とを反応させることにより製造される。
「臭素化試薬」としては、臭素、N−ブロモこはく酸イミド等のイミド類、ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド等のハロゲン付加物類等が用いられる。ハロゲン化試薬の使用量は、化合物(XIb)1モルに対し約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約2.0モルである。
本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサン等の炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸、プロピオン酸等の有機酸類、ニトロメタン等のニトロアルカン類、ピリジン、ルチジン、キノリン等の芳香族アミン類、又はこれらの混合溶媒等が用いられる。
本反応は、所望により、塩基もしくはルイス酸もしくは鉄の存在下で行われる。
「塩基」としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の塩基性塩類、ピリジン、ルチジン等の芳香族アミン類、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン等の三級アミン類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(XIb)1モルに対し約0.8ないし約10モルである。
「ルイス酸」としては、例えば塩化鉄、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素等が挙げられる。ルイス酸の使用量は、化合物(XIb)1モルに対し約0.01ないし約1モルである。
「鉄」としては、鉄の使用量は、化合物(XIb)1モルに対し約0.01ないし約1モルである。
反応温度は通常約−50ないし約150℃、好ましくは約0ないし約100℃である。反応時間は通常約5分ないし約24時間、好ましくは約10分ないし約12時間である。
生成物は反応液のまま、あるいは粗製物として次反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、通常の分離手段(例、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等)により容易に精製することもできる。
【0083】
化合物(XIVb)は、化合物(XIIb)をリチオ化した後、ケトン(XIIIb)と反応させることにより製造される。
「リチオ化試薬」としては、n−ブチルリチウム等のアルキルリチウム類等が用いられる。リチオ化試薬の使用量は、化合物(XIIb)1モルに対し約1.0ないし約5.0モル、好ましくは約1.0ないし約3.0モルである。
本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサン等の炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、又はこれらの混合溶媒等が用いられる。
反応温度は通常約−78ないし約100℃、好ましくは約−78ないし約50℃である。反応時間は通常約5分ないし約24時間、好ましくは約10分ないし約3時間である。
生成物は反応液のまま、あるいは粗製物として次反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、通常の分離手段(例、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等)により容易に精製することもできる。
【0084】
化合物(IIb’)は化合物(XIVb)を酸触媒で脱保護と閉環を行うことによって製造される。酸触媒としては、例えば塩酸、 臭化水素酸、硫酸等の鉱酸類、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸等のスルホン酸類、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素等のルイス酸類等が用いられる。用いる酸触媒の量は、例えば鉱酸類の場合、通常化合物(XIVb)1モルに対し約1ないし約100モル、好ましくは約10ないし約50モルであり、例えばスルホン酸類の場合、通常化合物(XIVb)1モルに対し約0.1ないし約20モル、好ましくは約0.1ないし約5モルである。
本反応は、無溶媒で行うか、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されない。例えば鉱酸類を用いる場合、溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、シクロヘキサン、ヘキサン等の飽和炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等の有機溶媒と水との混合溶媒又は水が好ましい。
反応時間は通常約30分ないし約24時間、好ましくは約30分ないし約6時間である。反応温度は通常約−78ないし約200℃、好ましくは約−20ないし約150℃である。
生成物は反応液のまま、あるいは粗製物として次反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、通常の分離手段(例、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等)により容易に精製することもできる。
【0085】
また、前記各反応において、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の官能基が存在している場合にはペプチド化学等で一般的に用いられるような保護基を導入した後に反応に供してもよく、反応後に必要に応じて保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
保護基としては、例えば、ホルミル又はそれぞれ置換基を有していてもよいC1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル、プロピオニル等)、フェニルカルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、フェニルオキシカルボニル、C7−10アラルキルオキシ−カルボニル(例、ベンジルオキシカルボニル等)、トリチル、フタロイル等が用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、C1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル、プロピオニル、バレリル等)、ニトロ等が用いられ、置換基の数は1ないし3個程度である。
また、保護基の除去方法としては、自体公知又はそれに準じる方法が用いられるが、例えば酸、塩基、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウム等で処理する方法又は還元反応が用いられる。
前記化合物(Ib)の原料化合物は、塩を形成していてもよく、反応が達成される限り特に限定されないが、例えば前記化合物(Ib)が形成していてもよい塩と同様の塩等が用いられる。
【0086】
化合物(Ib)の配置異性体(E,Z体)については異性化が生じた時点で、例えば、抽出、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等の通常の分離手段により単離、精製することができ、純粋な化合物を製造することができる。また、新実験化学講座14(日本化学会編)、第251ないし253頁、第4版実験化学講座19(日本化学会編)、第273ないし274頁記載の方法及びそれに準じる方法に従って、加熱、酸触媒、遷移金属錯体、金属触媒、ラジカル種触媒、光照射あるいは強塩基触媒等により二重結合の異性化を進行させ、対応する純粋な異性体を得ることもできる。
なお、化合物(Ib)は置換基の種類如何によっては立体異性体が生ずるが、この異性体が単独の場合も、それらの混合物の場合も本発明に含まれる。
化合物(Ib)は水和物であっても非水和物であってもよい。
いずれの場合にも、更に所望により、脱保護反応、アシル化反応、アルキル化反応、水素添加反応、酸化反応、還元反応、炭素鎖延長反応、置換基交換反応を各々、単独あるいはその二つ以上を組み合わせて行うことにより化合物(Ib)を合成することができる。
上記反応によって、目的物が遊離の状態で得られる場合には、常法に従って塩に変換してもよく、また塩として得られる場合には、常法に従って遊離体又は他の塩に変換することもできる。かくして得られる化合物(Ib)は、公知の手段例えば転溶、濃縮、溶媒抽出、分溜、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等により反応溶液から単離、精製することができる。
なお、化合物(Ib)が、コンフィギュレーショナル アイソマー(配置異性体)、ジアステレオマー、コンフォーマー等として存在する場合には、所望により、前記分離、精製手段によりそれぞれを単離することができる。また、化合物(Ib)がラセミ体である場合には、通常の光学分割手段によりd体、l体に分離することができる。
【0087】
本発明の化合物(Ia)、(Ia’)又は(Ib)のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物(Ia)等に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(Ia)等に変化する化合物、胃酸等により加水分解などを起こして化合物(Ia)等に変化する化合物であってよい。
化合物(Ia)等のプロドラッグとしては、化合物(I)等のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん酸化された化合物(例、化合物(I)等のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化された化合物など);化合物(Ia)等の水酸基がアシル化、アルキル化、りん酸化、ほう酸化された化合物(例、化合物(Ia)等の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など);化合物(Ia)等のカルボキシル基がエステル化、アミド化された化合物のカルボキシル基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物など)等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって化合物(Ia)等から製造することができる。
また、本発明の化合物(Ia)等のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような、生理的条件で化合物(Ia)等に変化するものであってもよい。
【0088】
化合物(Ia)、(Ia’)、化合物(Ib)もしくはその塩又はそのプロドラッグ(以下、本発明の化合物と略記する)は、例えば、神経栄養因子様作用、神経栄養因子活性増強作用、神経変成抑制作用、神経再生促進作用、抗酸化作用またはβアミロイドによる神経細胞死抑制作用等の優れた医薬作用を有し、また毒性が低く、かつ副作用も少ない等の優れた性質も有し、医薬品として有用である。
本発明の化合物は、哺乳動物(例、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト等)に対して、神経栄養因子様物質、神経栄養因子活性増強物質、神経変性抑制物質として、又はβアミロイド毒性抑制物質等として作用し、神経細胞死を抑制し、神経再生を促進する。また、本発明の化合物は、コリン系の賦活作用(例、コリンアセチルトランスフェラーゼの活性増強作用等)を有しており、アセチルコリンの含量を上げ、神経機能を賦活等する。
したがって、本発明の化合物は、例えば、神経変性疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、脊髄小脳変性症等)、精神神経疾患(例、精神分裂症等)、頭部外傷、脊髄損傷、脳血管障害、脳血管性痴呆、末梢神経障害(例、糖尿病性神経障害等)等に対して有効であり、これらの疾患の予防・治療剤として用いられる。
本発明の化合物は、毒性が低く、そのままあるいは自体公知の手段に従って、薬理学的に許容される担体を混合した医薬組成物、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、口腔内崩壊錠等を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤、貼布剤等を製造して、経口的又は非経口的(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。
本発明の化合物の本発明製剤中の含有量は、製剤全体の約0.01ないし約100重量%である。
該投与量は、投与対象、投与ルート、疾患等によっても異なるが、例えばアルツハイマー病治療剤として、成人に対し、経口剤として投与する場合、本発明の化合物を有効成分として約0.1ないし約20mg/kg体重、好ましくは約0.2ないし約10mg/kg体重、更に好ましくは約0.5ないし約10mg/kg体重であって、1日1ないし数回に分けて投与することができる。
更に、他の活性成分〔例、コリンエステラーゼ阻害剤(例、アリセプト(ドネペジル)等)、脳機能賦活薬(例、イデベノン、ビンポセチン等)、パーキンソン病治療薬(例、L−ドーパ、デプレニル等)、筋萎縮性側索硬化症治療薬(リルゾール等)、神経栄養因子等〕と併用してもよい。該その他の活性成分と本発明の化合物又はその塩とを自体公知の方法に従って混合し、ひとつの医薬組成物(例、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤等)中に製剤化して併用してもよく、それぞれを別々に製剤化し、同一対象に対して同時に又は時間差を置いて投与してもよい。
【0089】
本発明製剤の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が挙げられ、例えば、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等が挙げられる。また、必要に応じて、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加物を用いることもできる。
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、L−ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。溶剤としては、例えば、注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油等が挙げられる。
溶解補助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
懸濁化剤としては、例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子等が挙げられる。
等張化剤としては、例えば、ブドウ糖、 D−ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール等が挙げられる。
緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。
無痛化剤としては、例えば、ベンジルアルコール等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸、α−トコフェロール等が挙げられる。
【0090】
【発明の実施の形態】
本発明は、更に以下の参考例、実施例、製剤例及び実験例によって詳しく説明されるが、これらの例は単なる実施例であって、本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
以下の参考例、実施例中の「室温」は通常約10ないし約35℃を示す。%は特記しない限り重量パーセントを示す。
その他の本文中で用いられている略号は下記の意味を示す。
s :シングレット(singlet)
d :ダブレット(doublet)
dd:ダブレット オブ ダブレッツ(doublet of doublets)
dt:ダブレット オブ トリプレッツ(doublet of triplets)
t :トリプレット(triplet)
q :カルテット(quartet)
septet :セプテット
m :マルチプレット(multiplet)
br:ブロード(broad)
J :カップリング定数(coupling constant)
Hz:ヘルツ(Hertz)
CDCl3 :重クロロホルム
DMSO−d6:重ジメチルスルホキシド
1H−NMR :プロトン核磁気共鳴
【0091】
【実施例】
〔化合物(Ia)〕
参考例1a
3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチル−2−プロペン酸エチル
水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散物,5.92g,148mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(150mL)懸濁液に0℃で2−ホスホノプロピオン酸トリエチル(35.0g,148mmol)を加え、同温で10分間撹拌した。反応液に4−イソプロピルベンズアルデヒド(20.0g,135mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。反応液に水を加え、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出液を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮し、油状の目的物 30.1g(収率 96%)を得た。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.26 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.35 (3H, t, J = 7.0 Hz), 2.13 (3H, s), 2.92 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.27 (2H, q, J = 7.0 Hz), 7.21−7.38 (4H, m), 7.67 (1H, s)。
参考例2a
2−メチル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン酸エチル
水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散物,15.0g,375mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(160mL)懸濁液に0℃で2−ホスホノプロピオン酸トリエチル(87.7g,368mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)溶液を加え、同温で1時間撹拌した。反応液に4−メチルベンズアルデヒド(43.3g,361mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)溶液を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に水を加え、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出液を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮し、油状の目的物 66.7g(収率 91%)を得た。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.34 (3H, t, J = 7.0 Hz), 2.12 (3H, d, J = 1.4 Hz), 2.37 (3H, s), 4.26 (2H, q, J = 7.0 Hz), 7.19 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.31 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.66 (1H, s)。
【0092】
参考例3a
3−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−2−プロペン酸エチル
4−フルオロベンズアルデヒドを用いて、参考例1aに従って目的物を合成した。収率 97%。油状物。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.35 (3H, t, J = 7.0 Hz), 2.10 (3H, d, J = 1.2 Hz), 4.28 (2H, q, J = 7.0 Hz), 7.08 (2H, t, J = 8.8 Hz), 7.32−7.43 (2H, m), 7.65 (1H, s)。
参考例4a
(E)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2−プロペン酸エチル
水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散物,10.4g,260mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(200mL)懸濁液に0℃でホスホノ酢酸トリエチル(58.2g,236mmol)を加え、同温で10分間撹拌した。反応液に4−イソプロピルベンズアルデヒド(35.0g,260mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。反応液に水を加え、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出液を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮し、油状の目的物 47.5g(収率 92%)を得た。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.25 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.33 (3H, t, J = 7.0 Hz), 2.92 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.26 (2H, q, J = 7.0 Hz), 6.40 (1H, d, J =15.8 Hz), 7.24 (2H, d, J = 8.2 Hz), 7.46 (2H, d, J = 8.2 Hz), 7.67 (1H,d, J = 15.8 Hz)。
【0093】
参考例5a
(E)−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペン酸エチル
4−フルオロベンズアルデヒドを用いて、参考例4aに従って目的物を合成した。収率 88%。油状物。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.34 (3H, t, J = 7.0 Hz), 4.26 (2H, q, J = 7.0 Hz), 6.31 (1H, d, J = 15.8 Hz), 7.00−7.11 (2H, m), 7.43−7.58 (2H, m), 7.67 (1H, d, J = 15.8 Hz)。
参考例6a
3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチル−2−プロペン−1−オール3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチル−2−プロペン酸エチル(9.00g,38.7mmol)と塩化セリウム(1.00g,4.06mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)懸濁液に−40℃で水素化アルミニウムリチウム(1.47g,38.7mmol)を4回にわけて30分で加え、同温で30分間撹拌した。反応液に水を加え、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出液を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル 8:1)に供し油状の目的物 6.30g(収率 86%)を得た。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.25 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.91 (3H, d, J = 1.4 Hz), 2.90 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.17 (2H, d, J = 0.8 Hz), 6.49 (1H, dd, J = 2.6, 1.4 Hz), 7.15−7.25 (4H, m), 1H 未確認。
【0094】
参考例7a
2−メチル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オール
2−メチル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン酸エチル(26.31g,128.8mmol)と塩化セリウム(10.32g,41.89mmol)のテトラヒドロフラン(120mL)懸濁液に−40℃で水素化アルミニウムリチウム(4.89g,129mmol)を4回にわけて30分で加え、同温で30分間撹拌した。反応液に水を加え、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出液を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮して、油状の目的物8.87g(収率 42%)を得た。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.87 (3H, s), 2.32 (3H, s), 4.13 (2H, s), 6.46 (1H, s), 7.08−7.22 (4H, m), 1H 未確認。
参考例8a
3−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−2−プロペン−1−オール
3−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−2−プロペン酸エチルを用いて、参考例6aに従って目的物を合成した。収率 95%。油状物。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.98 (3H, d, J = 1.6 Hz), 4.11 (2H, s), 6.58 (1H, s),7.01 (2H, t, J = 8.8 Hz), 7.18−7.28 (2H, m), 1H 未確認。
【0095】
参考例9a
(E)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2−プロペン−1−オール
(E)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2−プロペン酸エチルを用いて、参考例6aに従って目的物を合成した。収率 65%。油状物。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.24 (6H, d, J = 7.0 Hz), 2.79−3.00 (2H, m), 4.30 (2H, d, J = 5.6 Hz), 6.35 (1H, dt, J = 15.8, 5.6 Hz), 6.59 (1H, d, J = 15.8Hz), 7.10−7.39 (4H, m)。
参考例10a
(E)−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペン−1−オール
(E)−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペン酸エチルを用いて、参考例6aに従って目的物を合成した。収率 84%。油状物。
1H−NMR (CDCl3) δ: 4.31 (2H, d, J = 5.6 Hz), 6.28 (1H, dt, J = 15.8, 5.6Hz), 6.59 (1H, d, J = 15.8 Hz), 6.90−7.40 (4H, m), 1H 未確認。
参考例11a
1−(3−ブロモ−2−メチル−1−プロペニル)−4−イソプロピルベンゼン
3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチル−2−プロペン−1−オール(6.30g,33.1mmol)のイソプロピルエーテル(50mL)溶液中に、三臭化リン(5.98g,22.1mmol)を氷冷下で加え、室温で30分間撹拌した。反応液に水を加え、イソプロピルエーテルで抽出した。有機層を水及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮し、油状の目的物 7.63g(収率 91%)を得た。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.25 (6H, d, J = 7.0 Hz), 2.03 (3H, d, J = 1.4 Hz), 2.90 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.15 (2H, d, J = 0.8 Hz), 6.62 (1H, s), 7.14−7.26 (4H, m)。
【0096】
参考例12a
1−(3−ブロモ−2−メチル−1−プロペニル)ベンゼン
2−メチル−3−フェニル−2−プロペン−1−オールを用いて、参考例11aに従って目的物を合成した。収率 89%。油状物。
1H−NMR (CDCl3) δ: 2.01 (3H, d, J = 1.4 Hz), 4.13 (2H, d, J = 0.8 Hz), 6.64 (1H, s), 7.19−7.44 (5H, m)。
参考例13a
1−(3−ブロモ−2−メチル−1−プロペニル)−4−メチルベンゼン
2−メチル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オール(11.40g,70.27mmol)のイソプロピルエーテル(100mL)溶液中に、三臭化リン(12.83g,47.38mmol)を氷冷下で加え、室温で30分間撹拌した。反応液に水を加え、イソプロピルエーテルで抽出した。有機層を水及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮し、油状の目的物 12.71g(収率 80%)を得た。
1H−NMR (CDCl3) δ: 2.01 (3H, s), 2.34 (3H, s), 4.13 (2H, s), 6.60 (1H, s), 7.09−7.22 (4H, m)。
参考例14a
1−(3−ブロモ−2−メチル−1−プロペニル)−4−フルオロベンゼン
3−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−2−プロペン−1−オールを用いて、参考例11aに従って目的物を合成した。収率 79%。油状物。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.87 (3H, s), 4.17 (2H, s), 6.48 (1H, s), 7.01 (2H, t, J = 8.8 Hz), 7.18−7.27 (2H, m)。
【0097】
参考例15a
1−[(E)−3−ブロモ−1−プロペニル]−4−イソプロピルベンゼン
(E)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2−プロペン−1−オールを用いて、参考例11aに従って目的物を合成した。収率 72%。油状物。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.24 (6H, d, J = 7.0 Hz), 2.89 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.16 (2H, dd, J = 7.8, 0.8 Hz), 6.35 (1H, dt, J = 15.4, 7.8 Hz), 6.63 (1H, d, J = 15.4 Hz), 7.14−7.35 (4H, m)。
参考例16a
1−[(E)−3−ブロモ−1−プロペニル]−4−フルオロベンゼン
(E)−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペン−1−オールを用いて、参考例11aに従って目的物を合成した。収率 61%。油状物。
1H−NMR (CDCl3) δ: 4.15 (2H, d, J = 7.6 Hz), 6.30 (1H, dt, J = 15.4, 7.6Hz), 6.61 (1H, d, J = 15.4 Hz), 6.83−7.08 (2H, m), 7.31−7.45 (2H, m)。
参考例17a
N−[4−[[3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチル−2−プロペニル]オキシ]−2,3,6−トリメチルフェニル]ホルムアミド
N−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)ホルムアミド(3.00g,16.7mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)溶液に窒素雰囲気下0℃で水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散物,0.74g,18.4mmol)を加え、同温で10分間撹拌した。反応液に1−(3−ブロモ−2−メチル−1−プロペニル)−4−イソプロピルベンゼン(4.66g,18.4mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。反応液に水を加え、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出液を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル−ヘキサンから結晶化させ目的物 3.70g(収率 63%)を得た。融点 153−155℃。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.26 (6H, d, J = 7.0 Hz), 2.00 (3H, s), 2.07−2.34 (9H, m), 2.91 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.54 (2H, d, J = 5.4 Hz), 6.59−6.84(3H, m), 7.17−7.36 (4H, m), 7.98 (0.5H, d, J = 12.0 Hz), 8.41 (0.5H, s)。
【0098】
参考例18a
N−[2,3,6−トリメチル−4−[(2−メチル−3−フェニル−2−プロペニル)オキシ]フェニル]ホルムアミド
N−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)ホルムアミドと1−(3−ブロモ−2−メチル−1−プロペニル)ベンゼンを用いて、参考例17aに従って目的物を合成した。収率 41%。融点 152−154℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.98 (3H, d, J = 1.6 Hz), 2.10−2.32 (9H, m), 4.54 (2H, d, J = 5.2 Hz), 6.65 (1H, s), 6.67 (1H, s), 6.69−6.90 (1H, m), 7.11−7.41 (5H, m), 7.98 (0.5H, d, J = 12.0 Hz), 8.41 (0.5H, d, J = 1.4 Hz)。
参考例19a
N−[2,3,6−トリメチル−4−[[2−メチル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペニル]オキシ]フェニル]ホルムアミド
N−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)ホルムアミド(9.31g,52.0mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(120mL)溶液に窒素雰囲気下0℃で水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散物,2.11g,52.8mmol)を加え、同温で10分間撹拌した。反応液に1−(3−ブロモ−2−メチル−1−プロペニル)−4−メチルベンゼン(12.48g,55.44mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)溶液を加え、室温で30分間撹拌した。反応液に水を加え、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出液を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル−イソプロピルエーテルから結晶化させ目的物 7.34g(収率 44%)を得た。融点 167−169℃。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.98 (3H, s), 2.07−2.38 (9H, m), 2.35 (3H, s), 4.53 (2H, d, J = 6.6 Hz), 6.61 (1H, s), 6.66 (1H, d, J = 2.4 Hz), 6.82−7.09 (1H, m), 7.11−7.31 (4H, m), 7.98 (0.5H, d, J = 12.2 Hz), 8.38 (0.5H, s)。
【0099】
参考例20a
N−[4−[[3−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−2−プロペニル]オキシ]−2,3,6−トリメチルフェニル]ホルムアミド
N−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)ホルムアミドと1−(3−ブロモ−2−メチル−1−プロペニル)−4−フルオロベンゼンを用いて、参考例17aに従って目的物を合成した。収率 52%。融点 164−165℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.96 (3H, s), 2.12−2.32 (9H, m), 4.53 (2H, d, J = 5.2Hz), 6.60 (1H, s), 6.66 (1H, s), 6.71−6.95 (1H, m), 7.04 (2H, t, J = 8.8 Hz), 7.22−7.33 (2H, m), 8.04 (0.5H, d, J = 12.0 Hz), 8.40 (0.5H, d, J = 1.4 Hz)。
参考例21a
N−[4−[[(E)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2−プロペニル]オキシ]−2,3,6−トリメチルフェニル]ホルムアミド
N−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)ホルムアミドと1−[(E)−3−ブロモ−1−プロペニル]−4−イソプロピルベンゼンを用いて、参考例17aに従って目的物を合成した。収率 59%。融点 165−167℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.25 (6H, d, J = 6.8 Hz), 2.13−2.27 (9H, m), 2.90 (1H, septet, J = 6.8 Hz), 4.66 (2H, t, J = 5.8 Hz), 6.37 (1H, dt, J = 15.8,5.8 Hz), 6.65−6.88 (3H, m), 7.16−7.26 (2H, m), 7.35 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.98 (0.5H, d, J = 12.0 Hz), 8.40 (0.5H, d, J = 1.4 Hz)。
【0100】
参考例22a
N−[2,3,6−トリメチル−4−[[(E)−3−フェニル−2−プロペニル]オキシ]フェニル]ホルムアミド
N−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)ホルムアミドとシンナミルクロリドを用いて、参考例17aに従って目的物を合成した。収率 44%。融点 197−199℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 2.05−2.18 (9H, m), 4.62−4.72 (2H, m), 6.35−6.50 (1H, m), 6.62−7.00 (3H, m), 7.24−7.52 (5H, m), 8.00 (0.5H, d, J = 12.0 Hz), 8.39 (0.5H, d, J = 1.6 Hz)。
参考例23a
N−[4−[[(E)−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペニル]オキシ]−2,3,6−トリメチルフェニル]ホルムアミド
N−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)ホルムアミドと1−[(E)−3−ブロモ−1−プロペニル]−4−フルオロベンゼンを用いて、参考例17aに従って目的物を合成した。収率 52%。融点 196−198℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 2.10−2.32 (9H, m), 4.67 (2H, t, J = 5.0 Hz), 6.37 (1H, dt, J = 15.6, 5.0 Hz), 6.59−6.89 (3H, m), 6.92−7.09 (2H, m), 7.32−7.43(2H, m), 7.99 (0.5H, d, J = 12.0 Hz), 8.42 (0.5H, d, J = 1.4 Hz)。
【0101】
参考例24a
N−[4−ヒドロキシ−3−[1−(4−イソプロピルフェニル)−2−プロペニル]−2,5,6−トリメチルフェニル]ホルムアミド
N−[4−[[(E)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2−プロペニル]オキシ]−2,3,6−トリメチルフェニル]ホルムアミド(5.80g,17.2mmol)のN,N−ジメチルアニリン(50mL)溶液をアルゴン雰囲気下215℃で6時間撹拌した。反応混合物を冷却後、酢酸エチルで希釈し、2規定塩酸、水で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルで結晶化させ目的物 3.50g(収率 60%)を得た。融点 170−171℃。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.18−1.40 (6H, m), 2.11−2.27 (9H, m), 2.77−3.00 (1H, m), 5.00−5.22 (2H, m), 5.30−5.42 (1H, m), 6.30−6.85 (2H, m), 7.10−7.37 (5H, m), 7.97 (0.5H, d, J = 12.2 Hz), 8.43 (0.5H, d, J = 1.4 Hz)。
参考例25a
N−[4−ヒドロキシ−3−(1−フェニル−2−プロペニル)−2,5,6−トリメチルフェニル]ホルムアミド
N−[2,3,6−トリメチル−4−[[(E)−3−フェニル−2−プロペニル]オキシ]フェニル]ホルムアミドを用いて、参考例24aに従って目的物を合成した。収率 78%。融点 144−145℃。(酢酸エチル)
1H−NMR (CDCl3) δ: 2.08−2.27 (9H, m), 5.02−5.41 (3H, m), 6.32−6.52 (1H, m), 6.61−7.03 (2H, m), 7.18−7.42 (5H, m), 7.95 (0.5H, d, J = 12.0 Hz), 8.42 (0.5H, d, J = 1.8 Hz)。
【0102】
参考例26a
N−[4−ヒドロキシ−3−[1−(4−フルオロフェニル)−2−プロペニル]−2,5,6−トリメチルフェニル]ホルムアミド
N−[4−[[(E)−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペニル]オキシ]−2,3,6−トリメチルフェニル]ホルムアミドを用いて、参考例24aに従って目的物を合成した。収率 66%。融点 168−170℃。(酢酸エチル)
1H−NMR (CDCl3) δ: 2.10−2.29 (9H, m), 5.02−5.22 (1.5H, m), 5.33−5.50 (1.5H, m), 6.35−6.55 (1H, m), 6.72−7.08 (4H, m), 7.18−7.30 (2H, m), 7.96 (0.5H, d, J = 12.2 Hz), 8.42 (0.5H, d, J = 1.4 Hz)。
参考例27a
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
N−[4−[[3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチル−2−プロペニル]オキシ]−2,3,6−トリメチルフェニル]ホルムアミド(3.70g,10.5mmol)のN,N−ジメチルアニリン(20mL)溶液をアルゴン雰囲気下215℃で6時間撹拌した。反応混合物を冷却後、酢酸エチルで希釈し、2規定塩酸、水で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮し、N−[4−ヒドロキシ−3−[1−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチル−2−プロペニル]−2,5,6−トリメチルフェニル]ホルムアミドの粗生成物を得た。この化合物(2.98g,8.47mmol)の濃塩酸(20mL)−メタノール(60mL)混合物を窒素雰囲気下で2時間加熱還流した。溶媒を減圧濃縮し、得られた残渣を8規定水酸化ナトリウム水溶液で中和した。生成物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出液を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をイソプロピルエーテル−ヘキサンから結晶化させ目的物 2.23g(収率 66%)を得た。融点 130−132℃。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.00 (3H, s), 1.21 (6H, d, J = 6.6 Hz), 1.47 (3H, s),1.78 (3H, s), 2.12 (3H, s), 2.19 (3H, s), 2.40−2.60 (3H, m), 4.08 (1H, s), 6.72−7.00 (2H, m), 7.07 (2H, d, J = 8.0 Hz)。
【0103】
参考例28a
2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
N−[2,3,6−トリメチル−4−[(2−メチル−3−フェニル−2−プロペニル)オキシ]フェニル]ホルムアミドを用いて、参考例27aに従って目的物を合成した。収率 67%。融点 129−131℃。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.00 (3H, s), 1.48 (3H, s), 1.77 (3H, s), 2.13 (3H, s), 2.19 (3H, s), 3.20 (2H, br s), 4.12 (1H, s), 6.70−7.30 (5H, m)。
参考例29a
2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
N−[2,3,6−トリメチル−4−[[2−メチル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペニル]オキシ]フェニル]ホルムアミド(5.43g,16.8mmol)のN,N−ジメチルアニリン(60mL)溶液をアルゴン雰囲気下210℃で6時間撹拌した。反応混合物を冷却後、酢酸エチルで希釈し、2規定塩酸、水で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮した。残渣を塩酸−メタノール試薬(40mL)を窒素雰囲気下で2時間加熱還流した。溶媒を減圧濃縮し、得られた残渣を8規定水酸化ナトリウム水溶液で中和した。生成物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出液を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をヘキサンから結晶化させ目的物 2.81g(収率 57%)を得た。融点 114−115℃。(石油エーテル)
1H−NMR (CDCl3) δ: 0.99 (3H, s), 1.47 (3H, s), 1.77 (3H, s), 2.12 (3H, s), 2.19 (3H, s), 2.30 (3H, s), 3.23 (2H, br s), 4.08 (1H, s), 6.60−7.23 (4H, m)。
【0104】
参考例30a
3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
N−[4−[[3−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−2−プロペニル]オキシ]−2,3,6−トリメチルフェニル]ホルムアミドを用いて、参考例27aに従って目的物を合成した。収率 78%。融点 125−127℃。(石油エーテル)
1H−NMR (CDCl3) δ: 0.99 (3H, s), 1.47 (3H, s), 1.77 (3H, s), 2.12 (3H, s), 2.19 (3H, s), 3.10 (2H, br s), 4.09 (1H, s), 6.62−7.20 (4H, m)。
参考例31a
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩
N−[4−ヒドロキシ−3−[1−(4−イソプロピルフェニル)−2−プロペニル]−2,5,6−トリメチルフェニル]ホルムアミド(3.50g,10.4mmol)と炭酸カルシウム(1.35g,13.5mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)−メタノール(15mL)の懸濁液にベンジルトリメチルアンモニウムヨードジクロリド(3.90g,11.4mmol)をゆっくりと加えた。反応液を室温で30分間撹拌した。不溶物をろ別後、溶媒を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルと水を加えた。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を10%ハイドサルファイトナトリウム水溶液、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮し、4.08gのN−[2−ヨードメチル−3−(4−イソプロピルフェニル)−4,6,7−トリメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ホルムアミドを得た。この化合物(4.08g,8.81mmol)と1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(6.58mL,44.0mmol)のトルエン(30mL)溶液をアルゴン雰囲気下で100℃で3時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を2規定塩酸、水で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル 20:1)に供し2.40gのN−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]ホルムアミドを得た。この化合物(2.40g,7.18mmol)の濃塩酸(20mL)−メタノール(60mL)混合物を窒素雰囲気下で2時間加熱還流した。溶媒を減圧濃縮し、得られた残渣を8規定水酸化ナトリウム水溶液で中和した。生成物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出液を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮し、油状の遊離塩基1.80gを得た。この遊離塩基(0.50g,1.63mmol)を塩酸−メタノール溶液に溶かし、溶媒を減圧濃縮し、得られた残渣をメタノールにより結晶化させ目的物 0.41g(収率 41%)を得た。融点 194−197℃。
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.29 (6H, d, J = 7.0 Hz), 2.30 (6H, s), 2.41 (3H, s), 2.60 (3H, s), 2.94 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 7.13−7.26 (4H, m), 10.1 (2H, br s), 1H 未確認。
【0105】
参考例32a
2,4,6,7−テトラメチル−3−フェニル−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩
N−[4−ヒドロキシ−3−(1−フェニル−2−プロペニル)−2,5,6−トリメチルフェニル]ホルムアミドを用いて、参考例31aに従って目的物を合成した。収率 26%。融点 189−192℃。(エタノール−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ : 2.30 (6H, s), 2.42 (3H, s), 2.60 (3H, s), 7.21−7.37 (5H, m), 10.2 (2H, br s), 1H 未確認。
参考例33a
3−(4−フルオロフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩
N−[4−ヒドロキシ−3−[1−(4−フルオロフェニル)−2−プロペニル]−2,5,6−トリメチルフェニル]ホルムアミドを用いて、参考例31aに従って目的物を合成した。収率 87%。融点 208−210℃。(エタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ : 2.29 (6H, s), 2.42 (3H, s), 2.60 (3H, s), 7.03−7.28 (4H, m), 10.2 (2H, br s), 1H 未確認。
参考例34a
5,6−ジクロロ−2−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
アルゴン雰囲気下で、2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(1.00g,3.56mmol)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液に4,5−ジクロロフタル酸無水物(850.6mg,3.92mmol)を加え、13時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSC)塩酸塩(760.0mg,3.96mmol)と1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(HOBt)一水和物(602.6mg,3.93mmol)を加えた。混合物を3時間加熱還流した後、室温まで冷却した。反応混合物に水、8規定水酸化ナトリウム水溶液を加え、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルから結晶化させることにより、目的物 1.16g(収率 68%)を得た。融点 178−181℃。
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.02 (3H, s), 1.56 (3H, s), 1.61 (3H, s), 2.01 (3H, s), 2.20 (3H, s), 4.21 (1H, s), 6.8−7.4 (5H, m), 7.99 (1H, s), 8.03 (1H,s)。
【0106】
参考例35a
2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
無水フタル酸(566.4mg,3.82mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液に、2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(987.3mg,3.38mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を加え、混合物を11時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、減圧濃縮した。残渣に酢酸ナトリウム(314.6mg,3.84mmol)と無水酢酸(20mL)を加え、混合物を90℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、8規定水酸化ナトリウム水溶液を塩基性になるまで加え、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルから結晶化させることにより目的物 1.16g(収率 81%)を得た。融点 222−224℃。
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.03 (3H, s), 1.55 (3H, s), 1.64 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.20 (3H, s), 2.30 (3H, s), 4.19 (1H, s), 6.6−7.1 (4H, m), 7.76−7.82(2H, m), 7.88−7.97 (2H, m)。
参考例36a
5,6−ジクロロ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンを用いて、参考例34aに従って目的物を合成した。収率 62%。融点 157−159℃。(酢酸エチル)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.02 (3H, s), 1.54 (3H, s), 1.61 (3H, s), 2.01 (3H, s), 2.19 (3H, s), 2.30 (3H, s), 4.18 (1H, s), 6.8−7.1 (4H, m), 7.99 (1H,s), 8.03 (1H, s)。
【0107】
参考例37a
2−[3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンを用いて、参考例35aに従って目的物を合成した。収率 72%。融点 209−211℃(酢酸エチル)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.02 (3H, s), 1.55 (3H, s), 1.61 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.20 (3H, s), 4.21 (1H, s), 6.9−7.1 (4H, m), 7.76−7.83 (2H, m), 7.90−7.97 (2H, m)。
参考例38a
5,6−ジクロロ−2−[3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンを用いて、参考例34aに従って目的物を合成した。収率 62%。融点 232−233℃(酢酸エチル)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.02 (3H, s), 1.54 (3H, s), 1.61 (3H, s), 2.01 (3H, s), 2.19 (3H, s), 4.19 (1H, s), 6.8−7.1 (4H, m), 8.00 (1H, s), 8.03 (1H,s)。
参考例39a
2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンを用いて、参考例35aに従って目的物を合成した。収率 97%。融点 180−181℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.02 (3H, s), 1.21 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.55 (3H, s), 1.64 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.20 (3H, s), 2.85 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.20 (1H, s), 6.7−7.2 (4H, m), 7.75−7.82 (2H, m), 7.87−7.97 (2H, m)。
【0108】
参考例40a
5,6−ジクロロ−2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンを用いて、参考例34aに従って目的物を合成した。収率 31%。融点 237−239℃。(酢酸エチル)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.01 (3H, s), 1.21 (6H, d, J = 6.6 Hz), 1.54 (3H, s), 1.62 (3H, s), 2.01 (3H, s), 2.19 (3H, s), 2.85 (1H, septet, J = 6.6 Hz), 4.18 (1H, s), 6.8−7.2 (4H, m), 7.99 (1H, s), 8.03 (1H, s)。
参考例41a
2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミンを用いて、参考例35aに従って目的物を合成した。収率 71%。融点 232−234℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.27 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.85 (3H, s), 2.14 (3H, s),2.33 (3H, s), 2.48 (3H, s), 2.94 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 7.24 (4H, s), 7.72−7.83 (2H, m), 7.90−8.03 (2H, m)。
参考例42a
2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンを用いて、参考例34aに従って目的物を合成した。収率 77%。
融点 166−168℃。(メタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.49 (6H, s), 1.95 (3H, s), 1.99 (3H, s), 2.12 (3H, s), 2.97 (2H, s), 7.66−7.83 (2H, m), 7.91−8.01 (2H, m)。
【0109】
参考例43a
4−メトキシ−2,3,6−トリメチルアニリン
N−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)ホルムアミド(30.0g,167mmol)を4規定水酸化カリウム水溶液(100mL)とメタノール(300mL)の混合溶媒中に溶かし、その溶液に室温で硫酸ジメチル(42.0g,334mmol)を加え、14時間加熱還流した。冷却後析出した結晶をろ取することによりN−(4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)ホルムアミドの粗生成物を得た。この化合物のメタノール(200mL)懸濁液に濃塩酸(50mL)を加え、3時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、8規定水酸化ナトリウム水溶液で中和した。生成物を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた抽出液を10%ハイドロサルファイトナトリウム水溶液、水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、減圧濃縮した。残渣をイソプロピルエーテルから結晶化させて目的物 21.0g(収率 76%)を得た。融点 70−72℃。
1H−NMR (CDCl3) δ: 2.11 (3H, s), 2.16 (3H, s), 2.18 (3H, s), 3.16 (1H, br s), 3.74 (3H, s), 6.54 (1H, s)。
参考例44a
tert−ブチル 4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェニルカルバメート4−メトキシ−2,3,6−トリメチルアニリン(21.0g,127mmol)とトリエチルアミン(21.0mL,152mmol)のテトラヒドロフラン(150mL)溶液に室温で二炭酸ジtert−ブチル(32mL,140mmol)を加え、14時間加熱還流した。溶媒を減圧濃縮し、残渣に水を注ぎ、酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を1規定塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル−ヘキサンから結晶化させて目的物 25.2g(収率 75%)を得た。融点 104−106℃。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.50 (9H, s), 2.12 (3H, s), 2.17 (3H, s), 2.24 (3H, s), 3.78 (3H, s), 5.81 (1H, br s), 6.58 (1H, s)。
【0110】
参考例45a
tert−ブチル 3−ブロモ−4−メトキシ−2,5,6−トリメチルフェニルカルバメート
tert−ブチル 4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェニルカルバメート(12.7g,47.9mmol)、酢酸ナトリウム(4.72g,57.5mmol)の酢酸(50mL)溶液に、室温で臭素(8.42g,52.7mmol)を加え、同温で1時間撹拌した。反応混合物に水(80mL)を注ぎ、析出した結晶をろ取し酢酸エチルに溶解させた。この溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をメタノールから結晶化させて目的物 15.0g(収率 91%)を得た。融点 159−161℃。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.50 (9H, s), 2.15 (3H, s), 2.24 (3H, s), 2.35 (3H, s), 3.74 (3H, s), 5.92 (1H, br s)。
参考例46a
2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
tert−ブチル 3−ブロモ−4−メトキシ−2,5,6−トリメチルフェニルカルバメート(27.8g,80.8mmol)のテトラヒドロフラン(150mL)溶液に、−78℃ でn−ブチルリチウム(1.6M,110mL,176mmol)を加え、同温で20分間撹拌した。反応液に2−メチル−1−(4−メチルフェニル)プロパン−1−オン(13.1g,80.7mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水(150mL)を注ぎ、酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機層を水で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥後、ろ過、減圧濃縮し、tert−ブチル 3−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−メチルフェニル)プロピル]−4−メトキシ−2,5,6−トリメチルフェニルカルバメートの粗生成物 26.0gを得た。この化合物と47%臭化水素酸(100mL)の混合物をアルゴン雰囲気下において、4時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、8規定水酸化ナトリウム水溶液で中和した。生成物を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、減圧濃縮した。残渣をイソプロピルエーテル−ヘキサンから結晶化させて目的物 14.8g(収率 62%)を得た。融点 114−115℃。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.99 (3H, s), 1.47 (3H, s), 1.78 (3H, s), 2.12 (3H, s), 2.17 (3H, s), 2.30 (3H, s), 2.80 (2H, br s), 4.08 (1H, s), 6.60−7.10 (4H, m)。
【0111】
参考例47a
(+)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンを高速液体クロマトグラフィー(機器:Watersセミ分取システム、カラム:CHIRALCEL OD(20(i,d)x 250mm)ダイセル化学工業株式会社製)、移動層:ヘキサン:イソプロピルアルコール=95:5,流速:5mL/min、カラム温度:30℃、注入量:40mg)を用いて保持時間の小さい方を分取した。融点 87−89℃。[α]D=+4.7°(c=0.495,メタノール)
参考例48a
(−)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンを高速液体クロマトグラフィー(機器:Watersセミ分取システム、カラム:CHIRALCEL OD(20(i,d)x 250mm)ダイセル化学工業株式会社製)、移動層:ヘキサン:イソプロピルアルコール=95:5,流速:5mL/min、カラム温度:30℃、注入量:40mg)を用いて保持時間の大きい方を分取した。融点 88−90℃。[α]D=−4.3°(c=0.499,メタノール)
【0112】
実施例1a
2−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)イソインドリン
2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(1.00g,3.55mmol)と1,2−ビス(ブロモメチル)ベンゼン(1.03g,3.91mmol)と炭酸カリウム(540mg,3.91mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)混合物を室温で1時間撹拌した。反応液に水(30mL)を注ぎ、生成物を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル 10:1)に供し、目的物 208mg(収率 15%)を得た。融点 164−166℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.02 (3H, s), 1.52 (3H, s), 1.76 (3H, s), 2.18 (6H, s), 4.13 (1H, s), 4.52 (4H, s), 6.70−7.41 (9H, m)。
【0113】
実施例2a
5,6−ジクロロ−2−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)イソインドリン
塩化アルミニウム(1.01g,7.59mmol)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液に水素化アルミニウムリチウム(276.5mg,7.29mmol)を加え、10分間撹拌した。5,6−ジクロロ−2−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(907.4mg,1.89mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を加え、混合物を2時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、水を加え、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル−ヘキサンから結晶化させることにより目的物 153mg(収率 18%)を得た。融点 194−196℃。
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.02 (3H, s), 1.52 (3H, s), 1.74 (3H, s), 2.16 (6H, s), 4.12 (1H, s), 4.45 (4H, s), 6.8−7.4 (7H, m)。
【0114】
実施例3a
5,6−ジメトキシ−2−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)イソインドリン
2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(1.00g,3.56mmol)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液に、1,2−ビス(クロロメチル)−4,5−ジメトキシベンゼン(889.1mg,3.78mmol)、炭酸ナトリウム(1.15g,10.85mmol)及びテトラブチルアンモニウムヨージド(701.4mg,1.90mmol)を加え、混合物を21時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、氷水中にあけ、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル10:1)に供し目的物 403.0mg(収率 26%)を得た。融点 154−157℃。(酢酸エチル)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.02 (3H, s), 1.53 (3H, s), 1.76 (3H, s), 2.18 (6H, s), 3.87 (6H, s), 4.13 (1H, s), 4.46 (4H, s), 6.7−7.4 (7H, m)。
【0115】
実施例4a
2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンを用いて、実施例2aに従って目的物を合成した。収率 46%。融点 141−143℃。(ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.02 (3H, s), 1.51 (3H, s), 1.77 (3H, s), 2.17−2.18 (6H, m), 2.31 (3H, s), 4.10 (1H, s), 4.52 (4H, s), 6.8−7.1 (4H, m), 7.24
(4H, s)。
【0116】
実施例5a
5,6−ジクロロ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
5,6−ジクロロ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンを用いて、実施例2aに従って目的物を合成した。収率 25%。融点 201−203℃。
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.01 (3H, s), 1.50 (3H, s), 1.74 (3H, s), 2.16 (6H, s), 2.31 (3H, s), 4.08 (1H, s), 4.45 (4H, s), 6.6−7.1 (4H, m), 7.31 (2H,
s)。
【0117】
実施例6a
5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(806.1mg,2.76mmol)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液に、1,2−ビス(クロロメチル)−4,5−ジメトキシベンゼン(686.6mg,2.92mmol)、炭酸ナトリウム(878.5mg,8.29mmol)及びテトラブチルアンモニウムヨージド(543.6mg,1.47mmol)を加え、混合物を11時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、氷水中にあけ、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル−ヘキサンから結晶化させることにより目的物 199.6mg(収率 16%)を得た。融点 156−159℃。
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.02 (3H, s), 1.51 (3H, s), 1.76 (3H, s), 2.17 (6H, s), 2.31 (3H, s), 3.88 (6H, s), 4.10 (1H, s), 4.45 (4H, s), 6.7−7.2 (6H,m)。
【0118】
実施例7a
2−[3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
2−[3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンを用いて、実施例2aに従って目的物を合成した。収率 55%。融点 204−205℃。(酢酸エチル)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.02 (3H, s), 1.51 (3H, s), 1.76 (3H, s), 2.17 (3H, s), 2.18 (3H, s), 4.11 (1H, s), 4.52 (4H, s), 6.7−7.1 (4H, m), 7.25 (4H,s)。
【0119】
実施例8a
5,6−ジクロロ−2−[3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
5,6−ジクロロ−2−[3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンを用いて、実施例2aに従って目的物を合成した。収率 25%。融点 233−238℃。(酢酸エチル)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.01 (3H, s), 1.50 (3H, s), 1.60 (3H, s), 1.74 (3H, s), 2.15 (3H, s), 4.09 (1H, s), 4.45 (4H, s), 6.8−7.1 (4H, m), 7.32 (2H,s)。
【0120】
実施例9a
2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンを用いて、実施例2aに従って目的物を合成した。収率 57%。融点 113−114℃。(ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.00 (3H, s), 1.22 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.51 (3H, s), 1.77 (3H, s), 2.17 (3H, s), 2.18 (3H ,s), 2.86 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.11 (1H, s), 4.53 (4H, s), 6.7−7.2 (4H, m), 7.24 (4H, s)。
【0121】
実施例10a
5,6−ジクロロ−2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
5,6−ジクロロ−2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンを用いて、実施例2aに従って目的物を合成した。収率 16%。融点 148−150℃。(ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.01−1.06 (3H, m), 1.22 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.50−1.54 (3H, m), 1.74−1.78 (3H, m), 2.16−2.20 (6H, m), 2.86 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.09−4.13 (1H, m), 4.46 (4H, s), 6.7−8.0 (6H, m)。
【0122】
実施例11a
5,6−ジメトキシ−2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンを用いて、実施例3aに従って目的物を合成した。収率 68%。融点 153−155℃。(イソプロピルエーテル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.01−1.05 (3H, m), 1.22 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.48−1.55 (3H, m), 1.77−1.83 (3H, m), 2.17−2.19 (6H, m), 2.86 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 3.87−3.91 (7H, m), 4.10−4.14 (1H, m), 4.48 (3H, s), 6.77 (2H, s), 6.8−7.0 (2H, m), 7.07−7.11 (2H, m)。
【0123】
実施例12a
6−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−6,7−ジヒドロ−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(835.5mg,2.58mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に、5,6−ビス(クロロメチル)−1,3−ベンゾジオキサゾール(574.5mg,2.62mmol)、炭酸ナトリウム(832.8mg,7.88mmol)及びテトラブチルアンモニウムヨージド(481.6mg,1.30mmol)を加え、混合物を23時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、氷水中にあけ、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をイソプロピルエーテルから結晶化させることにより目的物 395.0mg(収率 33%)を得た。融点175−177℃。
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.00 (3H, s), 1.22 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.50 (3H, s), 1.76 (3H, s), 2.17 (6H, s), 2.86 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.10 (1H, s), 4.42 (4H, s), 5.94 (2H, s), 6.89 (2H, s), 6.80−7.11 (4H, m)。
【0124】
実施例13a
2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
2−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンを用いて、実施例2aに従って目的物を合成した。収率 70%。融点 126−129℃。(エタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.28 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.97 (3H, s), 2.27 (3H, s),2.31 (3H, s), 2.44 (3H, s), 2.95 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.57 (4H, s), 7.25 (8H, s)。
【0125】
実施例14a
6−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−6H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール
2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(799.8mg,2.73mmol)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液に、5,6−ビス(クロロメチル)−1,3−ベンゾジオキサゾール(603.8mg,2.76mmol)、炭酸ナトリウム(877.8mg,8.28mmol)及びテトラブチルアンモニウムヨージド(506.8mg,1.37mmol)を加え、混合物を23時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、氷水中にあけ、生成物をイソプロピルエーテルで2回抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル 10:1)に供し、目的物 136.8mg(収率 11%)を得た。融点 236−242℃。(酢酸エチル)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.06 (3H, s), 1.47 (3H, s), 1.54 (3H, s), 1.82 (3H, s), 2.19 (3H, s), 2.31 (3H, s), 4.12 (1H, s), 5.85 (2H, s), 6.7−7.1 (8H, m)。
【0126】
実施例15a
2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンを用いて、実施例2aに従って目的物を合成した。収率 84%。融点 161−163℃。(エタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.48 (6H, s), 2.08 (3H, s), 2.11 (3H, s), 2.14 (3H, s), 2.93 (2H, s), 4.56 (4H, s), 7.27 (4H, s)。
【0127】
実施例16a
6−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール
2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(1.00g, 3.56mmol)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液に、5,6−ビス(クロロメチル)−1,3−ベンゾジオキサゾール(604mg, 2.76mmol)、炭酸ナトリウム(1.17g, 11.0mmol)およびテトラブチルアンモニウムヨージド(700mg, 1.90mmol)を加え、混合物を15時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後氷水中に注ぎ、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル 8:1)に供し、目的物853mg(収率 56%)を得た。融点 245−248℃。(酢酸エチル)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.01 (3H, s), 1.52 (3H, s), 1.76 (3H, s), 2.17 (6H, s), 4.12 (1H, s), 4.43 (4H, s), 5.94 (2H, s), 6.68 (2H, s), 6.8−7.3 (5H, m)。
【0128】
実施例17a
(+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
アルゴン雰囲気下で、(+)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(6.00g,20.3mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に4,5−ジメトキシフタル酸無水物(4.43g,21.3mmol)を加え、3時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSC)塩酸塩(4.67g,24.4mmol)と1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(HOBt)一水和物(3.74g,24.4mmol)を加えた。混合物を14時間加熱還流した後、室温まで冷却した。反応混合物に水、8規定水酸化ナトリウム水溶液を加え、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮して、(+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンの粗生成物8.40gを得た。塩化アルミニウム(13.6g,102mmol)のテトラヒドロフラン(60mL)溶液に水素化アルミニウムリチウム(3.87g,102mmol)を加え、10分間撹拌した。これに前述の粗生成物のテトラヒドロフラン(30mL)溶液を加え、混合物を3時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、水を加え、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を1規定水酸化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル 8:1)に供し目的物 6.23g(収率 68%)を得た。融点 157−159℃。(エタノール)[α]D=+62.3°(c=0.488,メタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.02 (3H, s), 1.51 (3H, s), 1.76 (3H, s), 2.17 (3H, s), 2.18 (3H, s), 2.31 (3H, s), 3.87 (6H, s), 4.10 (1H, s), 4.45 (4H, s), 6.70−7.15 (6H, m)。
【0129】
実施例18a
(−)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン
(−)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンを用いて、実施例17aに従って目的物を合成した。収率 34%。融点 157−159℃。(エタノール)[α]D=−61.5°(c=0.501,メタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.02 (3H, s), 1.51 (3H, s), 1.76 (3H, s), 2.17 (6H, s), 2.31 (3H, s), 3.88 (6H, s), 4.10 (1H, s), 4.45 (4H, s), 6.74−7.10 (6H, m)。
【0130】
実施例19a
(+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン塩酸塩
(+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン(296mg,0.65mmol)を酢酸エチル(5.0mL)に溶解し、4規定塩化水素−酢酸エチル溶液(0.38mL)を加えた。溶媒を減圧下留去後、酢酸エチル−ジエチルエーテル(1:5)にて希釈し結晶化した。結晶をろ取し、冷酢酸エチル−ジエチルエーテル(1:5)溶液にて洗浄し、標題化合物を結晶として291mg(収率 87%)得た。融点 170−171℃。[α]D=+44.9°(c=0.495,クロロホルム)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.05 (3H, s), 1.49 (3H, s), 2.03 (3H, br), 2.18 (3H,s), 2.32 (3H, s), 2.45(3H, br), 3.86 (6H, s), 4.06 (1H, s), 4.60 (2H, br), 5.70 (2H, br), 6.71 (2H, s), 6.80 (2H, br), 7.07 (2H, brd, J = 6.0 Hz)。
【0131】
実施例20a
(−)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン塩酸塩
(−)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリンを用いて、実施例19aに従って目的物を得た。収率 61%。
融点 173−175 ℃。[α]D=−44.4°(c=0.501,クロロホルム)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.05 (3H, s), 1.49 (3H, s), 2.05 (3H, br), 2.18 (3H,s), 2.31 (3H, s), 2.48(3H, br), 3.86 (6H, s), 4.06 (1H, s), 4.55 (2H, br), 5.75 (2H, br), 6.71 (2H, s), 6.85 (2H, br), 7.07 (2H, brd, J = 7.0 Hz)。
【0132】
実施例21a
(+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン臭化水素酸塩
(+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン(150mg,0.327mmol)を25%臭化水素酢酸溶液(10mL)に溶解させ、減圧濃縮した。残渣をメタノールから結晶化させることにより目的物 92mg(収率 52%)を得た。融点 174−177℃。[α]D=+40.2°(c=0.495,メタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.02 (3H, s), 1.51 (3H, s), 1.76 (3H, s), 2.17 (3H, s), 2.18 (3H, s), 2.31 (3H, s), 3.87 (6H, s), 4.10 (1H, s), 4.45 (4H, s), 6.70−7.15 (6H, m)。
【0133】
実施例22a
(−)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン臭化水素酸塩
(−)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリンを用いて、実施例21aに従って目的物を合成した。収率 46%。融点 171−174℃。[α]D=−40.1°(c=0.498,メタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.02 (3H, s), 1.51 (3H, s), 1.76 (3H, s), 2.17 (6H, s), 2.31 (3H, s), 3.88 (6H, s), 4.10 (1H, s), 4.45 (4H, s), 6.74−7.10 (6H, m)。
上記実施例で得られた化合物の化学構造式を以下に示す。
【0134】
【表1】
【0135】
【表2】
【0136】
製剤例1a
常法に従い上記(1)ないし(6)を混合し、打錠機により打錠し、錠剤を製造する。
【0137】
実験例1a
ヒト・ニューロブラストーマSK−N−SH細胞におけるPI−3キナーゼ阻害剤LY−294002に対する細胞保護作用
(実験材料及び実験方法)
a)実験材料
ヒト・ニューロブラストーマSK−N−SH細胞はアメリカン・タイプ・セルカルチャー(ATCC)より購入した。DMEM/F−12培地及びカルウム・マグネシュウム不含リン酸生理食塩水(PBS(−))は日研生物医学研究所(株)より、N2添加物及びEDTA溶液はギブコBRL社より、牛胎児血清(FCS)及びペニシリン(5000U/mL)ストレプトマイシン(5mg/mL)混液はバイオホワイタッカー社より、アラマーブルーTM試薬は和光純薬工業(株)より、培養フラスコはファルコン社より、96穴コラーゲンコート・マルチプレートはイワキガラス社より、LY−294002はアレキシス社よりそれぞれ購入した。他の試薬は市販の特級品を用いた。
b)実験方法
(1)SK−N−SH細胞の培養
SK−N−SH細胞は5%FCS、0.5%N2、10mM HEPES及び1%ペニシリン(5000U/mL)ストレプトマイシン(5mg/mL)混液を含むDMEM/F−12培地を用い、10%二酸化炭素/90%空気混合ガス下にて炭酸ガス恒温器で継代培養を行った。サブコンフルエント状態まで培養したのち、2.5mM EDTAを含むPBS(−)溶液で剥離した細胞を1.0×104個/100μL/ウエルの割合で96穴コラーゲンコート・マルチプレートに播種、その後24時間培養したものを細胞毒性試験に使用した。
(2)LY−294002誘発神経細胞毒性に対する保護作用
上述のようにして96穴コラーゲンコート・マルチプレートで培養したSK−N−SH細胞の培養液80μLを除去し、終濃度30μMのLY−294002と終濃度1.0μMになるように調製した化合物を40μLづつ同時添加し細胞毒性試験を開始した。なお化合物はジメチルスルホキシドで10mMの濃度に調製したものを使用し、LY−294002はジメチルスルホキシドで100mMの濃度に調製したものを希釈して使用した。
(3)細胞生存活性の評価
細胞毒性試験を開始した1日後に生存している神経細胞の生存活性はアラマーブルーTM試薬の細胞による還元活性を指標に測定した。細胞培養液の20μLを除去し20μLのアラマーブルーTM試薬を添加し、4時間に還元されるアラマーブルーTM試薬をプレートリーダー(WAKO SPECTRAMAX 250マイクロプレートリーダー)にて比色定量(測定波長 570nm、参照波長 600nm)した。細胞保護作用は下記の式により算出した。
化合物の細胞保護活性=(A−B)/(C−B)×100 (%)
A:化合物+LY−294002添加群の生存活性
B:LY−294002添加群の生存活性
C:コントロールの生存活性
(結果)
化合物1用量につき最低4ウエルを用い、化合物の細胞保護活性を求めた。結果を下表に示す。
〔表3〕
以上の結果より、化合物(Ia)及び化合物(Ia’)は、神経栄養因子と同様にPI−3キナーゼの阻害剤で神経変性を惹起するLY−294002による細胞毒性に対して保護作用を有し、神経変性を抑制することがわかる。
【0138】
〔化合物(Ib)〕
参考例1b
3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチル−2−プロペン酸エチル
水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散物,5.92g,148mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(150mL)懸濁液に0℃で2−ホスホノプロピオン酸トリエチル(35.0g,148mmol)を加え、同温で10分間撹拌した。反応液に4−イソプロピルベンズアルデヒド(20.0g,135mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。反応液に水を加え、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出液を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮し、油状の目的物 30.1g(収率 96%)を得た。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.26 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.35 (3H, t, J = 7.0 Hz), 2.13 (3H, s), 2.92 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.27 (2H, q, J = 7.0 Hz), 7.21−7.38 (4H, m), 7.67 (1H, s)。
参考例2b
2−メチル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン酸エチル
4−メチルベンズアルデヒドを用いて、参考例1bに従って目的物を合成した。収率 94%。油状物。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.34 (3H, t, J = 7.0 Hz), 2.12 (3H, d, J = 1.4 Hz), 2.37 (3H, s), 4.26 (2H, q, J = 7.0 Hz), 7.19 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.31 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.66 (1H, s)。
参考例3b
3−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−2−プロペン酸エチル
4−フルオロベンズアルデヒドを用いて、参考例1bに従って目的物を合成した。収率 97%。油状物。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.35 (3H, t, J = 7.0 Hz), 2.10 (3H, d, J = 1.2 Hz), 4.28 (2H, q, J = 7.0 Hz), 7.08 (2H, t, J = 8.8 Hz), 7.32−7.43 (2H, m), 7.65 (1H, s)。
【0139】
参考例4b
(E)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2−プロペン酸エチル
水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散物,10.4g,260mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(200mL)懸濁液に0℃でホスホノ酢酸トリエチル(58.2g,236mmol)を加え、同温で10分間撹拌した。反応液に4−イソプロピルベンズアルデヒド(35.0g,260mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。反応液に水を加え、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出液を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮し、油状の目的物 47.5g(収率 92%)を得た。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.25 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.33 (3H, t, J = 7.0 Hz), 2.92 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.26 (2H, q, J = 7.0 Hz), 6.40 (1H, d, J = 15.8 Hz), 7.24 (2H, d, J = 8.2 Hz), 7.46 (2H, d, J = 8.2 Hz), 7.67 (1H, d, J = 15.8 Hz)。
参考例5b
(E)−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペン酸エチル
4−フルオロベンズアルデヒドを用いて、参考例4bに従って目的物を合成した。収率 88%。油状物。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.34 (3H, t, J = 7.0 Hz), 4.26 (2H, q, J = 7.0 Hz), 6.31 (1H, d, J = 15.8 Hz), 7.00−7.11 (2H, m), 7.43−7.58 (2H, m), 7.67 (1H, d, J = 15.8 Hz)。
【0140】
参考例6b
3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチル−2−プロペン−1−オール3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチル−2−プロペン酸エチル(9.00g,38.7mmol)と塩化セリウム(1.00g,4.06mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)懸濁液に−40℃で水素化アルミニウムリチウム(1.47g,38.7mmol)を4回にわけて30分で加え、同温で30分間撹拌した。反応液に水を加え、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出液を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル8:1)に供し油状の目的物 6.30g(収率 86%)を得た。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.25 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.91 (3H, d, J = 1.4 Hz), 2.90 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.17 (2H, d, J = 0.8 Hz), 6.49 (1H, dd, J= 2.6, 1.4 Hz), 7.15−7.25 (4H, m), 1H 未確認。
参考例7b
2−メチル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オール
2−メチル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン酸エチルを用いて、参考例6bに従って目的物を合成した。収率 98%。油状物。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.87 (3H, s), 2.32 (3H, s), 4.13 (2H, s), 6.46 (1H, s), 7.08−7.22 (4H, m), 1H 未確認。
参考例8b
3−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−2−プロペン−1−オール
3−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−2−プロペン酸エチルを用いて、参考例6bに従って目的物を合成した。収率 95%。油状物。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.98 (3H, d, J = 1.6 Hz), 4.11 (2H, s), 6.58 (1H, s), 7.01 (2H, t, J = 8.8 Hz), 7.18−7.28 (2H, m), 1H 未確認。
【0141】
参考例9b
(E)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2−プロペン−1−オール
(E)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2−プロペン酸エチル(20.0g,91.6mmol)のテトラヒドロフラン(200mL)懸濁液に−40℃で水素化アルミニウムリチウム(2.61g,68.7mmol)を4回にわけて30分で加え、同温で30分間撹拌した。反応液に水を加え、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出液を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル8:1)に供し油状の目的物 10.5g(収率 65%)を得た。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.24 (6H, d, J = 7.0 Hz), 2.79−3.00 (2H, m), 4.30 (2H, d, J = 5.6 Hz), 6.35 (1H, dt, J = 15.8, 5.6 Hz), 6.59 (1H, d, J = 15.8
Hz), 7.10−7.39 (4H, m)。
参考例10b
(E)−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペン−1−オール
(E)−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペン酸エチルを用いて、参考例6bに従って目的物を合成した。収率 84%。油状物。
1H−NMR (CDCl3) δ: 4.31 (2H, d, J = 5.6 Hz), 6.28 (1H, dt, J = 15.8, 5.6 Hz), 6.59 (1H, d, J = 15.8 Hz), 6.90−7.40 (4H, m), 1H 未確認。
【0142】
参考例11b
1−(3−ブロモ−2−メチル−1−プロペニル)−4−イソプロピルベンゼン
3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチル−2−プロペン−1−オール(6.30g,33.1mmol)のイソプロピルエーテル(50mL)溶液中に、三臭化リン(5.98g,22.1mmol)を氷冷下で加え、室温で30分間撹拌した。反応液に水を加え、イソプロピルエーテルで抽出した。有機層を水及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮し、油状の目的物 7.63g(収率 91%)を得た。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.25 (6H, d, J = 7.0 Hz), 2.03 (3H, d, J = 1.4 Hz), 2.90 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.15 (2H, d, J = 0.8 Hz), 6.62 (1H, s), 7.14−7.26 (4H, m)。
参考例12b
1−(3−ブロモ−2−メチル−1−プロペニル)ベンゼン
2−メチル−3−フェニル−2−プロペン−1−オールを用いて、参考例11bに従って目的物を合成した。収率 89%。油状物。
1H−NMR (CDCl3) δ: 2.01 (3H, d, J = 1.4 Hz), 4.13 (2H, d, J = 0.8 Hz), 6.64 (1H, s), 7.19−7.44 (5H, m)。
参考例13b
1−(3−ブロモ−2−メチル−1−プロペニル)−4−メチルベンゼン
2−メチル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オールを用いて、参考例11bに従って目的物を合成した。収率 77%。油状物。
1H−NMR (CDCl3) δ: 2.01 (3H, s), 2.34 (3H, s), 4.13 (2H, s), 6.60 (1H, s), 7.09−7.22 (4H, m)。
参考例14b
1−(3−ブロモ−2−メチル−1−プロペニル)−4−フルオロベンゼン
3−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−2−プロペン−1−オールを用いて、参考例11bに従って目的物を合成した。収率 79%。油状物。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.87 (3H, s), 4.17 (2H, s), 6.48 (1H, s), 7.01 (2H, t, J = 8.8 Hz), 7.18−7.27 (2H, m)。
【0143】
参考例15b
1−[(E)−3−ブロモ−1−プロペニル]−4−イソプロピルベンゼン
(E)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2−プロペン−1−オール(10.5g,59.6mmol)のイソプロピルエーテル(100mL)溶液中に、三臭化リン(10.7g,39.7mmol)を氷冷下で加え、室温で30分間撹拌した。反応液に水を加え、イソプロピルエーテルで抽出した。有機層を水及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮し、油状の目的物 10.2g(収率 72%)を得た。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.24 (6H, d, J = 7.0 Hz), 2.89 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.16 (2H, dd, J = 7.8, 0.8 Hz), 6.35 (1H, dt, J = 15.4, 7.8 Hz), 6.63 (1H, d, J = 15.4 Hz), 7.14−7.35 (4H, m)。
参考例16b
1−[(E)−3−ブロモ−1−プロペニル]−4−フルオロベンゼン
(E)−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペン−1−オールを用いて、参考例11bに従って目的物を合成した。収率 61%。油状物。
1H−NMR (CDCl3) δ: 4.15 (2H, d, J = 7.6 Hz), 6.30 (1H, dt, J = 15.4, 7.6 Hz), 6.61 (1H, d, J = 15.4 Hz), 6.83−7.08 (2H, m), 7.31−7.45 (2H, m)。
参考例17b
N−[4−[[3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチル−2−プロペニル]オキシ]−2,3,6−トリメチルフェニル]ホルムアミド
N−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)ホルムアミド(3.00g,16.7mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)溶液に窒素雰囲気下0℃で水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散物,0.74g,18.4mmol)を加え、同温で10分間撹拌した。反応液に1−(3−ブロモ−2−メチル−1−プロペニル)−4−イソプロピルベンゼン(4.66g,18.4mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。反応液に水を加え、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出液を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル−ヘキサンから結晶化させ目的物 3.70g(収率 63%)を得た。融点 153−155℃。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.26 (6H, d, J = 7.0 Hz), 2.00 (3H, s), 2.07−2.34 (9H, m), 2.91 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.54 (2H, d, J = 5.4 Hz), 6.59−6.84 (3H, m), 7.17−7.36 (4H, m), 7.98 (0.5H, d, J = 12.0 Hz), 8.41 (0.5H, s)。
【0144】
参考例18b
N−[2,3,6−トリメチル−4−[(2−メチル−3−フェニル−2−プロペニル)オキシ]フェニル]ホルムアミド
N−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)ホルムアミドと1−(3−ブロモ−2−メチル−1−プロペニル)ベンゼンを用いて、参考例17bに従って目的物を合成した。収率 41%。融点 152−154℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.98 (3H, d, J = 1.6 Hz), 2.10−2.32 (9H, m), 4.54 (2H, d, J = 5.2 Hz), 6.65 (1H, s), 6.67 (1H, s), 6.69−6.90 (1H, m), 7.11−7.41 (5H, m), 7.98 (0.5H, d, J = 12.0 Hz), 8.41 (0.5H, d, J = 1.4 Hz)。
参考例19b
N−[2,3,6−トリメチル−4−[[2−メチル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペニル]オキシ]フェニル]ホルムアミド
N−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)ホルムアミドと1−(3−ブロモ−2−メチル−1−プロペニル)−4−メチルベンゼンを用いて、参考例17bに従って目的物を合成した。収率 57%。融点 167−169℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.98 (3H, s), 2.07−2.38 (9H, m), 2.35 (3H, s), 4.53 (2H, d, J = 6.6 Hz), 6.61 (1H, s), 6.66 (1H, d, J = 2.4 Hz), 6.82−7.09 (1H, m), 7.11−7.31 (4H, m), 7.98 (0.5H, d, J = 12.2 Hz), 8.38 (0.5H, s)。
参考例20b
N−[4−[[3−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−2−プロペニル]オキシ]−2,3,6−トリメチルフェニル]ホルムアミド
N−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)ホルムアミドと1−(3−ブロモ−2−メチル−1−プロペニル)−4−フルオロベンゼンを用いて、参考例17bに従って目的物を合成した。収率 52%。融点 164−165℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.96 (3H, s), 2.12−2.32 (9H, m), 4.53 (2H, d, J = 5.2 Hz), 6.60 (1H, s), 6.66 (1H, s), 6.71−6.95 (1H, m), 7.04 (2H, t, J = 8.8 Hz), 7.22−7.33 (2H, m), 8.04 (0.5H, d, J = 12.0 Hz), 8.40 (0.5H, d, J
= 1.4 Hz)。
【0145】
参考例21b
N−[4−[[(E)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2−プロペニル]オキシ]−2,3,6−トリメチルフェニル]ホルムアミド
N−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)ホルムアミド(5.20g,29.0mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)溶液に窒素雰囲気下0℃で水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散物,1.39g,34.8mmol)を加え、同温で10分間撹拌した。反応液に1−[(E)−3−ブロモ−1−プロペニル]−4−イソプロピルベンゼン(9.00g,37.7mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。反応液に水を加え、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出液を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル−ヘキサンから結晶化させ目的物 5.80g(収率 59%)を得た。融点 165−167℃。1H−NMR (CDCl3) δ: 1.25 (6H, d, J = 6.8 Hz), 2.13−2.27 (9H, m), 2.90 (1H, septet, J = 6.8 Hz), 4.66 (2H, t, J = 5.8 Hz), 6.37 (1H, dt, J = 15.8,5.8 Hz), 6.65−6.88 (3H, m), 7.16−7.26 (2H, m), 7.35 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.98 (0.5H, d, J = 12.0 Hz), 8.40 (0.5H, d, J = 1.4 Hz)。
参考例22b
N−[2,3,6−トリメチル−4−[[(E)−3−フェニル−2−プロペニル]オキシ]フェニル]ホルムアミド
N−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)ホルムアミドとシンナミルクロリドを用いて、参考例17bに従って目的物を合成した。収率 44%。融点 197−199℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 2.05−2.18 (9H, m), 4.62−4.72 (2H, m), 6.35−6.50 (1H,m), 6.62−7.00 (3H, m), 7.24−7.52 (5H, m), 8.00 (0.5H, d, J = 12.0 Hz), 8.39 (0.5H, d, J = 1.6 Hz)。
【0146】
参考例23b
N−[4−[[(E)−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペニル]オキシ]−2,3,6−トリメチルフェニル]ホルムアミド
N−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)ホルムアミドと1−[(E)−3−ブロモ−1−プロペニル]−4−フルオロベンゼンを用いて、参考例17bに従って目的物を合成した。収率 52%。融点 196−198℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 2.10−2.32 (9H, m), 4.67 (2H, t, J = 5.0 Hz), 6.37 (1H, dt, J = 15.6, 5.0 Hz), 6.59−6.89 (3H, m), 6.92−7.09 (2H, m), 7.32−7.43 (2H, m), 7.99 (0.5H, d, J = 12.0 Hz), 8.42 (0.5H, d, J = 1.4 Hz)。
参考例24b
N−[4−ヒドロキシ−3−[1−(4−イソプロピルフェニル)−2−プロペニル]−2,5,6−トリメチルフェニル]ホルムアミド
N−[4−[[(E)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2−プロペニル]オキシ]−2,3,6−トリメチルフェニル]ホルムアミド(5.80g,17.2mmol)のN,N−ジメチルアニリン(50mL)溶液をアルゴン雰囲気下215℃で6時間撹拌した。反応混合物を冷却後、酢酸エチルで希釈し、2規定塩酸、水で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルで結晶化させ目的物 3.50g(収率 60%)を得た。融点 170−171℃。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.18−1.40 (6H, m), 2.11−2.27 (9H, m), 2.77−3.00 (1H,m), 5.00−5.22 (2H, m), 5.30−5.42 (1H, m), 6.30−6.85 (2H, m), 7.10−7.37 (5H, m), 7.97 (0.5H, d, J = 12.2 Hz), 8.43 (0.5H, d, J = 1.4 Hz)。
【0147】
参考例25b
N−[4−ヒドロキシ−(1−フェニル−2−プロペニル)−2,5,6−トリメチルフェニル]ホルムアミド
N−[2,3,6−トリメチル−4−[[(E)−3−フェニル−2−プロペニル]オキシ]フェニル]ホルムアミドを用いて、参考例24bに従って目的物を合成した。収率 78%。融点 144−145℃。(酢酸エチル)
1H−NMR (CDCl3) δ: 2.08−2.27 (9H, m), 5.02−5.41 (3H, m), 6.32−6.52 (1H,m), 6.61−7.03 (2H, m), 7.18−7.42 (5H, m), 7.95 (0.5H, d, J = 12.0 Hz), 8.42 (0.5H, d, J = 1.8 Hz)。
参考例26b
N−[4−ヒドロキシ−3−[1−(4−フルオロフェニル)−2−プロペニル]−2,5,6−トリメチルフェニル]ホルムアミド
N−[4−[[(E)−3−(4−フルオロフェニル)−2−プロペニル]オキシ]−2,3,6−トリメチルフェニル]ホルムアミドを用いて、参考例24bに従って目的物を合成した。収率 66%。融点 168−170℃。(酢酸エチル)
1H−NMR (CDCl3) δ: 2.10−2.29 (9H, m), 5.02−5.22 (1.5H, m), 5.33−5.50 (1.5H, m), 6.35−6.55 (1H, m), 6.72−7.08 (4H, m), 7.18−7.30 (2H, m), 7.96 (0.5H, d, J = 12.2 Hz), 8.42 (0.5H, d, J = 1.4 Hz)。
参考例27b
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
N−[4−[[3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチル−2−プロペニル]オキシ]−2,3,6−トリメチルフェニル]ホルムアミド(3.70g,10.5mmol)のN,N−ジメチルアニリン(20mL)溶液をアルゴン雰囲気下215℃で6時間撹拌した。反応混合物を冷却後、酢酸エチルで希釈し、2規定塩酸、水で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮し、N−[4−ヒドロキシ−3−[1−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチル−2−プロペニル]−2,5,6−トリメチルフェニル]ホルムアミドの粗生成物を得た。この化合物(2.98g,8.47mmol)の濃塩酸(20mL)−メタノール(60mL)混合物を窒素雰囲気下で2時間加熱還流した。溶媒を減圧濃縮し、得られた残渣を8規定水酸化ナトリウム水溶液で中和した。生成物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出液を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をイソプロピルエーテル−ヘキサンから再結晶させ目的物 2.23g(収率 66%)を得た。融点 130−132℃。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.00 (3H, s), 1.21 (6H, d, J = 6.6 Hz), 1.47 (3H, s),1.78 (3H, s), 2.12 (3H, s), 2.19 (3H, s), 2.40−2.60 (3H, m), 4.08 (1H, s), 6.72−7.00 (2H, m), 7.07 (2H, d, J = 8.0 Hz)。
【0148】
参考例28b
2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
N−[2,3,6−トリメチル−4−[(2−メチル−3−フェニル−2−プロペニル)オキシ]フェニル]ホルムアミドを用いて、参考例27bに従って目的物を合成した。収率 67%。融点 129−131℃。(石油エーテル)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.00 (3H, s), 1.48 (3H, s), 1.77 (3H, s), 2.13 (3H, s), 2.19 (3H, s), 3.20 (2H, br s), 4.12 (1H, s), 6.70−7.30 (5H, m)。
参考例29b
2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
N−[2,3,6−トリメチル−4−[[2−メチル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペニル]オキシ]フェニル]ホルムアミドを用いて、参考例27bに従って目的物を合成した。収率 62%。融点 114−115℃。(石油エーテル)
1H−NMR (CDCl3) δ: 0.99 (3H, s), 1.47 (3H, s), 1.77 (3H, s), 2.12 (3H, s), 2.19 (3H, s), 2.30 (3H, s), 3.23 (2H, br s), 4.08 (1H, s), 6.60−7.23 (4H, m)。
参考例30b
3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
N−[4−[[3−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−2−プロペニル]オキシ]−2,3,6−トリメチルフェニル]ホルムアミドを用いて、参考例27bに従って目的物を合成した。収率 78%。融点 125−127℃。(石油エーテル)
1H−NMR (CDCl3) δ: 0.99 (3H, s), 1.47 (3H, s), 1.77 (3H, s), 2.12 (3H, s), 2.19 (3H, s), 3.10 (2H, br s), 4.09 (1H, s), 6.62−7.20 (4H, m)。
【0149】
参考例31b
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩
N−[4−ヒドロキシ−3−[1−(4−イソプロピルフェニル)−2−プロペニル]−2,5,6−トリメチルフェニル]ホルムアミド(3.50g,10.4mmol)と炭酸カルシウム(1.35g,13.5mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)−メタノール(15mL)の懸濁液にベンジルトリメチルアンモニウムヨードジクロリド(3.90g,11.4mmol)をゆっくりと加えた。反応液を室温で30分間撹拌した。不溶物をろ別後、溶媒を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルと水を加えた。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を10%ハイドサルファイトナトリウム水溶液、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮し、4.08gのN−[2−(ヨードメチル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−4,6,7−トリメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ホルムアミドを得た。この化合物(4.08g,8.81mmol)と1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(6.58mL,44.0mmol)のトルエン(30mL)溶液をアルゴン雰囲気下で100℃で3時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を2規定塩酸、水で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル20:1)に供し2.40gのN−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]ホルムアミドを得た。この化合物(2.40g,7.18mmol)の濃塩酸(20mL)−メタノール(60mL)混合物を窒素雰囲気下で2時間加熱還流した。溶媒を減圧濃縮し、得られた残渣を8規定水酸化ナトリウム水溶液で中和した。生成物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出液を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧濃縮し、油状の遊離塩基1.80gを得た。この遊離塩基(0.50g,1.63mmol)を塩酸−メタノール溶液に溶かし、溶媒を減圧濃縮し、得られた残渣をメタノールにより結晶化させ目的物 0.41g(収率 41%)を得た。
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.29 (6H, d, J = 7.0 Hz), 2.30 (6H, s), 2.41 (3H, s), 2.60 (3H, s), 2.94 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 7.13−7.26 (4H, m), 10.1 (2H, br s), 1H 未確認。
【0150】
参考例32b
2,4,6,7−テトラメチル−3−フェニル−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩
N−[4−ヒドロキシ−(1−フェニル−2−プロペニル)−2,5,6−トリメチルフェニル]ホルムアミドを用いて、参考例31bに従って目的物を合成した。収率 26%。融点 189−192℃。(エタノール−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ : 2.30 (6H, s), 2.42 (3H, s), 2.60 (3H, s), 7.21−7.37 (5H, m), 10.2 (2H, br s), 1H 未確認。
参考例33b
3−(4−フルオロフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩
N−[4−ヒドロキシ−3−[1−(4−フルオロフェニル)−2−プロペニル]−2,5,6−トリメチルフェニル]ホルムアミドを用いて、参考例31bに従って目的物を合成した。収率 87%。融点 208−210℃。(エタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ : 2.29 (6H, s), 2.42 (3H, s), 2.60 (3H, s), 7.03−7.28 (4H, m), 10.2 (2H, br s), 1H 未確認。
参考例34b
(1−ベンジル−4−ピペリジル)(4−イソプロピルフェニル)(3,4,6−トリメチル−2−メトキシフェニル)メタノール
アルゴン雰囲気下において、2−メトキシ−3,4,6−トリメチルブロモベンゼン(15.48g,67.56mmol)のテトラヒドロフラン(200mL)溶液を−78℃に冷却し、その溶液にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.59mol/L,42mL,66.78mmol)を滴下し、30分撹拌した。1−ベンジル−4−(4−イソプロピルベンゾイル)ピペリジン(19.81g,61.63mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液を滴下した後、室温で30分撹拌した。混合物に水を加え、生成物を酢酸エチルを用いて抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル−ヘキサンから結晶化することにより目的物 23.01g(収率 79%)を得た。融点 154−156℃。
1H−NMR (CDCl3) δ:1.18 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.40−1.47 (2H, m), 1.85−1.96 (4H, m), 2.07 (3H, s), 2.17 (3H, s), 2.26 (1H, m), 2.39 (3H, s), 2.57−2.94 (6H, m), 3.48 (2H, s), 6.18 (1H, br), 6.72 (1H, s), 7.08−7.12 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.12−7.34 (7H, m)。
【0151】
参考例35b
1’−ベンジル−3−(4−イソプロピルフェニル)−4,6,7−トリメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]
アルゴン雰囲気下において、(1−ベンジル−4−ピペリジル)(4−イソプロピルフェニル)(3,4,6−トリメチル−2−メトキシフェニル)メタノール(5.61g,11.89mmol)の酢酸(40mL)溶液に47%臭化水素酸(50mL)を加え、得られた混合物を13時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、混合物に8規定水酸化ナトリウム水溶液を溶液が塩基性になるまで加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をヘキサンから結晶化することにより目的物 4.44g(収率 76%)を得た。融点 125−128℃。
1H−NMR (CDCl3) δ:1.20 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.36−1.40 (2H, m), 1.72−1.95 (5H, m), 2.17 (3H, s), 2.23 (3H, s), 2.29−2.91 (5H, m), 3.52 (2H, s), 4.04 (1H, s), 6.48 (1H, s), 6.6−7.2 (4H, m), 7.22−7.32 (5H, m)。
参考例36b
3−(4−イソプロピルフェニル)−4,6,7−トリメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]塩酸塩
1’−ベンジル−3−(4−イソプロピルフェニル)−4,6,7−トリメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン](10.26g,23.34mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液に塩化ぎ酸α−クロロエチル(3.76g,26.60mmol)を加え、混合物を1時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、減圧濃縮した。得られた残渣にメタノール(80mL)を加え、混合物を1時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、減圧濃縮した。残渣をエタノールから結晶化させることにより目的物 7.32g(収率 81%)を得た。融点 >260℃(分解)。
1H−NMR (DMSO−d6) δ:1.17 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.29−1.67 (2H, m), 1.77 (3H, s), 1.95−2.05 (2H, m), 2.11 (3H, s), 2.18 (3H, s), 2.78−3.28 (5H, m), 4.31 (1H, s), 6.50 (1H, s), 6.6−7.2 (4H, m), 2H 未確認。
【0152】
参考例37b
3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]
3−(4−イソプロピルフェニル)−4,6,7−トリメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]塩酸塩(389.6mg,1.01mmol)のアセトニトリル(5mL)懸濁液に、37%ホルマリン(2.0mL)を加え、0℃に冷却した。混合物にシアノ水素化ホウ素ナトリウム(101.8mg,1.62mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮した後、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。生成物を酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Chromatorex NHDM1020(商品名、富士シリシア化学製);ヘキサン−酢酸エチル10:1)に供し、目的物 145.0mg(収率 40%)を得た。融点 63−64℃。(石油エーテル)
1H−NMR (CDCl3) δ:1.21 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.34−1.41 (2H, m), 1.84 (3H, s), 1.87−1.97 (2H, m), 2.04 (3H, s), 2.17 (3H, s), 2.30 (3H, s), 2.32−2.69 (4H, m), 2.85 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.05 (1H, s), 6.48 (1H, s),
6.6−7.2 (4H, m)。
参考例38b
3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−アミン
アルゴン雰囲気下において、四フッ化ホウ酸ニトロシル(470.7mg,4.03mmol)のアセトニトリル(40mL)溶液を0℃に冷却した。3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン](479.1mg,1.32mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液を加え、混合物を20分間撹拌した。反応混合物を氷水中にあけ、8規定水酸化ナトリウム水溶液を用いて塩基性とした後、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をエタノール(20mL)に溶解し、パラジウム−炭素(59.9mg)を加え、混合物を水素雰囲気下において60℃で18時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、不溶物を濾過して取り除き、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Chromatorex NHDM1020(商品名、富士シリシア化学製);ヘキサン−酢酸エチル3:1)に供し、目的物 402.0mg(収率 83%)を得た。融点 123−124℃。(ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ:1.10−1.38 (8H, m), 1.69−2.04 (5H, m), 2.12 (3H, s), 2.22 (3H, s), 2.25−2.51 (7H, m), 2.84 (1H, septet, J = 6.6 Hz), 3.23 (2H,br), 4.05 (1H, s), 6.6−7.1 (4H, m)。
【0153】
参考例39b
4−メトキシ−2,3,6−トリメチルアニリン
N−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)ホルムアミド(30.0g,167mmol)を4規定水酸化カリウム水溶液(100mL)とメタノール(300mL)の混合溶媒中に溶かし、その溶液に室温で硫酸ジメチル(42.0g,334mmol)を加え、14時間加熱還流した。冷却後析出した結晶をろ取することによりN−(4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)ホルムアミドの粗生成物を得た。この化合物のメタノール(200mL)懸濁液に濃塩酸(50mL)を加え、3時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、8規定水酸化ナトリウム水溶液で中和した。生成物を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた抽出液を10%ハイドロサルファイトナトリウム水溶液、水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、減圧濃縮した。残渣をイソプロピルエーテルから結晶化させて目的物 21.0g(収率 76%)を得た。融点 70−72℃。
1H−NMR (CDCl3) δ: 2.11 (3H, s), 2.16 (3H, s), 2.18 (3H, s), 3.16 (1H, br s), 3.74 (3H, s), 6.54 (1H, s)。
参考例40b
tert−ブチル 4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェニルカルバメート4−メトキシ−2,3,6−トリメチルアニリン(21.0g,127mmol)とトリエチルアミン(21.0mL,152mmol)のテトラヒドロフラン(150mL)溶液に室温で二炭酸ジtert−ブチル(32mL,140mmol)を加え、14時間加熱還流した。溶媒を減圧濃縮し、残渣に水を注ぎ、酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を1規定塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル−ヘキサンから結晶化させて目的物 25.2g(収率 75%)を得た。融点 104−106℃。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.50 (9H, s), 2.12 (3H, s), 2.17 (3H, s), 2.24 (3H, s), 3.78 (3H, s), 5.81 (1H, br s), 6.58 (1H, s)。
【0154】
参考例41b
tert−ブチル 3−ブロモ−4−メトキシ−2,5,6−トリメチルフェニルカルバメート
tert−ブチル 4−メトキシ−2,3,6−トリメチルフェニルカルバメート(12.7g,47.9mmol)、酢酸ナトリウム(4.72g,57.5mmol)の酢酸(50mL)溶液に、室温で臭素(8.42g,52.7mmol)を加え、同温で1時間撹拌した。反応混合物に水(80mL)を注ぎ、析出した結晶をろ取し酢酸エチルに溶解させた。この溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をメタノールから結晶化させて目的物 15.0g(収率 91%)を得た。融点 159−161℃。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.50 (9H, s), 2.15 (3H, s), 2.24 (3H, s), 2.35 (3H, s), 3.74 (3H, s), 5.92 (1H, br s)。
参考例42b
2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
tert−ブチル 3−ブロモ−4−メトキシ−2,5,6−トリメチルフェニルカルバメート(27.8g,80.8mmol)のテトラヒドロフラン(150mL)溶液に、−78℃ でn−ブチルリチウム(1.6M,110mL,176mmol)を加え、同温で20分間撹拌した。反応液に2−メチル−1−(4−メチルフェニル)プロパン−1−オン(13.1g,80.7mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水(150mL)を注ぎ、酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機層を水で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥後、ろ過、減圧濃縮し、tert−ブチル 3−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−メチルフェニル)プロピル]−4−メトキシ−2,5,6−トリメチルフェニルカルバメートの粗生成物 26.0gを得た。この化合物と47%臭化水素酸(100mL)の混合物をアルゴン雰囲気下において、4時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、8規定水酸化ナトリウム水溶液で中和した。生成物を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、減圧濃縮した。残渣をイソプロピルエーテル−ヘキサンから結晶化させて目的物 14.8g(収率 62%)を得た。融点 114−115℃。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.99 (3H, s), 1.47 (3H, s), 1.78 (3H, s), 2.12 (3H, s), 2.17 (3H, s), 2.30 (3H, s), 2.80 (2H, br s), 4.08 (1H, s), 6.60−7.10 (4H, m)。
【0155】
参考例43b
(+)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンを高速液体クロマトグラフィー(機器:Watersセミ分取システム、カラム:CHIRALCEL OD(20(i,d)x 250mm)ダイセル化学工業株式会社製)、移動層:ヘキサン:イソプロピルアルコール=98:2,流速:6mL/min、カラム温度:30℃、注入量:40mg)を用いて保持時間の小さい方を分取した。
融点 72−75℃。[α]D=+2.8°(c=0.500,メタノール)
参考例44b
(−)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンを高速液体クロマトグラフィー(機器:Watersセミ分取システム、カラム:CHIRALCEL OD(20(i,d)x 250mm)ダイセル化学工業株式会社製)、移動層:ヘキサン:イソプロピルアルコール=98:2,流速:6mL/min、カラム温度:30℃、注入量:40mg)を用いて保持時間の大きい方を分取した。融点 74−76℃。[α]D=−3.3°(c=0.506,メタノール)
【0156】
実施例1b
4−メトキシ−N−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)ベンズアミド
2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(1.60g,5.69mmol)と4−メトキシベンゾイルクロリド(1.16g,6.82mmol)のクロロホルム(20mL)溶液に室温でトリエチルアミン(0.87mL,6.26mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧濃縮し、残渣に水(30mL)を注ぎ、酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を1規定塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をメタノールから結晶化させて目的物 1.70g(収率 72%)を得た。融点 190−192℃。
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.03 (3H, s), 1.53 (3H, s), 1.80 (3H, s), 2.19 (6H, s), 3.86 (3H, s), 4.16 (1H, s), 6.80−7.36 (8H, m), 7.86 (2H, d, J = 8.8 Hz)。
【0157】
実施例2b
N−(4−メトキシベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
塩化アルミニウム(2.25g,16.9mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液(20mL)に、氷冷下で水素化リチウムアルミニウム(640mg,16.9mmol)を少しずつ加え同温下で10分間撹拌した。この混合物に4−メトキシ−N−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)ベンズアミド(1.40g,3.37mmol)を加え3時間加熱還流した。反応混合物を氷水中に加え、8規定水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、生成物を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をメタノールから結晶化させて目的物 0.80g(収率 59%)を得た。融点 113−115℃。
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.01 (3H, s), 1.50 (3H, s), 1.78 (3H, s), 1.98 (1H, br s), 2.18 (3H, s), 2.27 (3H, s), 3.79 (3H, s), 3.85 (2H, s), 4.11 (1H,
s), 6.80−7.31 (9H, m)。
【0158】
実施例3b
4−フルオロ−N−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)ベンズアミド
2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンと4−フルオロベンゾイルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 92%。融点 156−158℃。(酢酸エチル)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.03 (3H, s), 1.53 (3H, s), 1.80 (3H, s), 2.19 (3H, s), 2.20 (3H, s), 4.17 (1H, s), 6.62−7.35 (8H, m), 7.85−7.94 (2H, m)。
【0159】
実施例4b
N−(4−フルオロベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
4−フルオロ−N−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)ベンズアミドを用いて、実施例2bに従って目的物を合成した。収率 60%。融点 93−95℃。(メタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.01 (3H, s), 1.52 (3H, s), 1.76 (3H, s), 2.18 (3H, s), 2.26 (3H, s), 2.61 (1H, br s), 3.88 (2H, s), 4.11 (1H, s), 6.62−7.40 (9H, m)。
【0160】
実施例5b
N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンとベンゾイルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 90%。融点 218−220℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.03 (3H, s), 1.21 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.52 (3H, s),1.82 (3H, s), 2.19 (6H, s), 2.85 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.14 (1H, s), 6.70−7.13 (4H, m), 7.30 (1H, br s), 7.42−7.61 (3H, m), 7.85−7.92 (2H, m)。
【0161】
実施例6b
N−ベンジル−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩
塩化アルミニウム(1.18g,8.89mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液(20mL)に、氷冷下で水素化リチウムアルミニウム(337mg,8.89mmol)を少しずつ加え同温下で10分間撹拌した。この混合物にN−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド(0.76g,1.78mmol)を加え3時間加熱還流した。反応混合物を氷水中に加え、8規定水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、生成物を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮し、油状の遊離塩基0.52gを得た。この遊離塩基(0.52g,1.26mmol)を塩酸−メタノール溶液に溶かし、溶媒を減圧濃縮し、得られた残渣をメタノールにより結晶化させ目的物 0.47g(収率 59%)を得た。融点 186−188℃。
1H−NMR (DMSO−d6) δ: 0.94 (3H, s), 1.20 (6H, d, J = 6.6 Hz), 1.41 (3H, s), 1.62 (3H, s), 2.10 (3H, s), 2.26 (3H, s), 2.86 (1H, septet, J = 6.6 Hz), 4.14 (1H, s), 4.23−4.58 (2H, m), 6.40−7.42 (9H, m), 10.4 (2H, br s)。
【0162】
実施例7b
N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−4−メトキシベンズアミド
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンと4−メトキシベンゾイルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 42%。融点 202−205℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.02 (3H, s), 1.21 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.49 (3H, s), 1.80 (3H, s), 2.18 (6H, s), 2.85 (1H, septet, J = 6.8 Hz), 3.86 (3H, s), 4.13 (1H, s), 6.62−7.19 (6H, m), 7.23 (1H, s), 7.85 (2H, d, J = 9.2 Hz)。
【0163】
実施例8b
3−(4−イソプロピルフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−4−メトキシベンズアミドを用いて、実施例2bに従って目的物を合成した。収率 80%。融点 95−96℃。(ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ:1.00 (3H, s), 1.22 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.49 (3H, s),1.6−1.7 (1H, br), 1.79 (3H, s), 2.81 (3H, s), 2.27 (3H, s), 2.86 (1H, septet, J = 6.8 Hz), 3.80 (3H, s), 3.86 (2H, s), 4.09 (1H, s), 6.81−6.88 (4H, m), 7.06−7.11 (2H, m), 7.24−7.28 (2H, m)。
【0164】
実施例9b
3−(4−イソプロピルフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)−N,2,2,4,6,7−ヘキサメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
水素化ナトリウム(60%流動パラフィン分散物,598.8mg,14.97mmol)をヘキサンで2回洗浄した後、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)に懸濁させた。この懸濁液に、3−(4−イソプロピルフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(998.9mg,2.25mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)溶液をゆっくり滴下した後、反応混合物を60℃で30分撹拌した。よう化メチル(2.19g,15.45mmol)を加え更に同温度で30分撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、水を加え生成物を酢酸エチルを用いて抽出した。抽出液を硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル 10:1)に供し、目的物(収率 69%)を油状の回転異性体の混合物として得た。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.97−1.00 (3H, m), 1.20−1.25 (6H, m), 1.50 (3H, m), 1.83−1.88 (3H, m), 2.14−2.16 (3H, m), 2.27−2.28 (3H, m), 2.59−2.67 (3H, m), 2.80−2.94 (1H, m), 3.79−3.80 (3H, m), 4.03−4.06 (2H, m), 4.08−4.10 (1H, m), 6.78−6.87 (4H, m), 7.06−7.30 (4H, m)。
【0165】
実施例10b
N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−4−メトキシフェニルアセトアミド
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンと4−メトキシフェニルアセチルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 74%。融点 171−173℃。(メタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ:0.98 (3H, s), 1.20 (6H, d, J = 6.6 Hz), 1.46 (3H, s),1.64 (3H, s), 2.03 (3H, s), 2.12 (3H, s), 2.84 (1H, septet, J = 6.6 Hz), 3.68 (2H, s), 3.80 (3H, s), 4.06 (1H, s), 6.45 (1H, br), 6.6−6.9 (2H, m), 6.89 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.05 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.26 (d, 2H, J =
8.6 Hz)。
【0166】
実施例11b
3−(4−イソプロピルフェニル)−N−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−4−メトキシフェニルアセトアミドを用いて、実施例2bに従って目的物を合成した。収率 66%。融点 63−65℃。(ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ:0.98 (3H, s), 1.21 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.46 (3H, s),1.68 (3H, s), 1.8−1.9 (1H, br), 2.12 (3H, s), 2.14 (3H, s), 2.76−3.04 (5H, m), 3.78 (3H, s), 4.05 (1H, s), 6.6−7.0 (4H, m), 7.04−7.08 (2H, m), 7.12−7.19 (2H, m)。
【0167】
実施例12b
3−(4−イソプロピルフェニル)−N−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−N,2,2,4,6,7−ヘキサメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
3−(4−イソプロピルフェニル)−N−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンを用いて、実施例9bに従って目的物を合成した。収率 85%。油状物。
1H−NMR (CDCl3) δ:0.99 (3H, s), 1.20−1.24 (6H, m), 1.48−1.50 (3H, m), 1.77 (3H, s), 2.14−2.17 (6H, m), 2.58−2.89 (6H, m), 3.1−3.2 (2H, m), 3.76−3.77 (3H, m), 4.06−4.09 (1H, m), 6.74−6.90 (4H, m), 7.00−7.04 (4H, m)。
【0168】
実施例13b
N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−N−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]アセトアミド
水素化ナトリウム(60%パラフィン分散物,232.1mg,5.80mmol)をヘキサンで2回洗浄した後、N,N−ジメチルホルムアミド(25mL)に懸濁させた。アルゴン雰囲気下においてこの懸濁液に、3−(4−イソプロピルフェニル)−N−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(537.9mg,1.18mmol)を加え60℃で20分間撹拌した。塩化アセチル(0.5mL,7.03mmol)を加え、1時間同温度で撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル 3:1)に供し、目的物の回転異性体1(Rf=0.38;ヘキサン−酢酸エチル 3:1)(収率 46%)を得た。融点 134−136℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ:1.03 (3H, s), 1.22 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.54 (3H, s),1.66 (3H, s), 1.72 (3H, s), 2.12 (3H, s), 2.18 (3H, s), 2.77−2.89 (3H, m), 3.59−3.70 (2H, m), 3.77 (3H, s), 4.11 (1H, s), 6.77−7.13 (8H, m)。
【0169】
実施例14b
N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−N−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]アセトアミド
実施例13bと同様に操作した残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル 3:1)に供し、目的物の回転異性体2(Rf=0.25;ヘキサン−酢酸エチル 3:1)(収率 36%)を得た。非晶質。
1H−NMR (CDCl3) δ:1.03 (3H, s), 1.23 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.53 (3H, s),1.73 (3H, s), 1.75 (3H, s), 2.12 (3H, s), 2.18 (3H, s), 2.67−2.75 (2H, m), 2.80−2.94 (1H, septet, J = 6.8 Hz), 3.57−3.74 (2H, m), 3.77 (3H, s),
4.14 (1H, s), 6.77−7.13 (8H, m)。
【0170】
実施例15b
N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−3−(4−メトキシフェニル)プロピオンアミド
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンと3−(4−メトキシフェニル)プロピオニルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率72%。融点 188−191℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ:0.99−1.01 (3H, m), 1.19−1.26 (6H, m), 1.48 (3H, s), 1.64−1.68 (3H, m), 1.99 (3H, s), 2.05−2.13 (5H, m), 2.65−3.04 (3H, m), 3.72−3.77 (3H, m), 4.08 (1H, s), 6.47−7.19 (9H, m)。
【0171】
実施例16b
3−(4−イソプロピルフェニル)−N−[3−(4−メトキシフェニル)プロピル]−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−3−(4−メトキシフェニル)プロピオンアミドを用いて、実施例2bに従って目的物を合成した。収率 99%。融点 62−65℃。(ペンタン)
1H−NMR (CDCl3) δ:0.99 (3H, s), 1.21 (6H, d, J = 6.6 Hz), 1.48 (3H, s),1.78−1.88 (6H, m), 2.15 (3H, s), 2.20 (3H, s), 2.65 (2H, t, J = 7.6 Hz), 2.76 (3H, m), 3.78 (3H, s), 4.08 (1H, s), 6.6−6.8 (4H, m), 7.05−7.12 (4H, m)。
【0172】
実施例17b
N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−4−メトキシベンゼンスルホンアミド
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(0.35g,1.08mmol)と4−メトキシベンゼンスルホニルクロリド(0.25g,1.19mmol)のクロロホルム(5mL)溶液に室温でトリエチルアミン(0.16mL,1.19mmol)を加え、室温で14時間撹拌した。溶媒を減圧濃縮し、残渣に水(20mL)を注ぎ、酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を1規定塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル−ヘキサンから結晶化させて目的物 0.18g(収率 34%)を得た。融点 206−208℃。
1H−NMR (CDCl3) δ : 0.99 (3H, s), 1.23 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.40 (3H, s), 1.47 (3H, s), 2.10 (3H, s), 2.13 (3H, s), 2.87 (1H, septet, J = 6.8 Hz), 3.80 (3H, s), 3.90 (1H, s), 5.79 (1H, s), 6.70−7.15 (4H, m), 7.09 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.57 (2H, d, J = 8.8 Hz)。
【0173】
実施例18b
4−フルオロ−N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンと4−フルオロベンゾイルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 65%。非晶質。
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.02 (3H, s), 1.21 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.41 (3H, s), 1.80 (3H, s), 2.17 (3H, s), 2.19 (3H, s), 2.85 (1H, septet, J = 6.8 Hz), 4.13 (1H, s), 6.60−7.31 (7H, m), 7.89 (2H, dd, J = 8.8, 5.2 Hz)。
【0174】
実施例19b
N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩
塩化アルミニウム(1.20g,9.00mmol)のテトラヒドロフラン(25mL)懸濁液に、氷冷下で水素化リチウムアルミニウム(340mg,9.00mmol)を少しずつ加え同温下で10分間撹拌した。この混合物に4−フルオロ−N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド(0.83g,1.86mmol)を加え3時間加熱還流した。反応混合物を氷水中に加え、8規定水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、生成物を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮し、油状の遊離塩基0.51gを得た。この遊離塩基(0.51g,1.18mmol)を塩酸−メタノール溶液に溶かし、溶媒を減圧濃縮し、得られた残渣をメタノールにより結晶化させ目的物 0.49g(収率 56%)を得た。
融点 201−204℃。
1H−NMR (DMSO−d6) δ: 0.92 (3H, s), 1.19 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.40 (3H, s), 1.54 (3H, s), 2.10 (3H, s), 2.31 (3H, s), 2.85 (1H, septet, J = 6.8 Hz), 4.13 (1H, s), 4.29 (1H, d, J = 12.8 Hz), 4.43 (1H, d, J = 12.8 Hz), 6.20−7.40 (8H, m), 10.4 (2H, br s)。
【0175】
実施例20b
4−クロロ−N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンと4−クロロベンゾイルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 71%。融点 201−203℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.02 (3H, s), 1.21 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.51 (3H, s), 1.80 (3H, s), 2.17 (3H, s), 2.19 (3H, s), 2.85 (1H, septet, J = 6.8 Hz), 4.13 (1H, s), 6.62−7.13 (4H, m), 7.24 (1H, br s), 7.44 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.82 (2H, d, J = 8.8 Hz)。
【0176】
実施例21b
N−(4−クロロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン4−クロロ−N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミドを用いて、実施例2bに従って目的物を合成した。収率 37%。融点 93−94℃。(メタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.00 (3H, s), 1.22 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.49 (3H, s), 1.58 (1H, br s), 1.74 (3H, s), 2.18 (3H, s), 2.25 (3H, s), 2.86 (1H, septet, J = 6.8 Hz), 3.89 (2H, s), 4.07 (1H, s), 6.63−7.12 (4H, m), 7.25 (4H, s)。
【0177】
実施例22b
N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキシアミド
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンと1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボニルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 67%。融点 165−167℃。(エチルエーテル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.02 (3H, s), 1.21 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.51 (3H, s),1.80 (3H, s), 2.17 (3H, s), 2.18 (3H, s), 2.85 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.13 (1H, s), 6.03 (2H, s), 6.63−7.13 (5H, m), 7.17 (1H, br s), 7.35−7.45 (2H, m)。
【0178】
実施例23b
N−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
塩化アルミニウム(847mg,6.35mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)懸濁液に、氷冷下で水素化リチウムアルミニウム(240mg,6.35mmol)を少しずつ加え同温下で10分間撹拌した。この混合物にN−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキシアミド(0.60g,1.27mmol)を加え3時間加熱還流した。反応混合物を氷水中に加え、8規定水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、生成物を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をメタノールから結晶化させて目的物 0.23g(収率 40%)を得た。融点 100−102℃。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.00 (3H, s), 1.22 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.49 (3H, s),1.80 (3H, s), 1.86 (1H, br s), 2.17 (3H, s), 2.26 (3H, s), 2.86 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 3.82 (2H, s), 4.08 (1H, s), 5.93 (2H, s), 6.62−7.00 (5H, m), 7.08 (2H, d, J = 8.0 Hz)。
【0179】
実施例24b
N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−2−チオフェンカルボキシアミド
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンと2−チオフェンカルボニルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 66%。融点 222−224℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.02 (3H, s), 1.21 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.51 (3H, s),1.82 (3H, s), 2.19 (6H, s), 2.85 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.13 (1H, s), 6.70−7.20 (6H, m), 7.50 (1H, dd, J = 4.8, 1.2 Hz), 7.63 (1H, dd, J = 3.6, 1.2 Hz)。
【0180】
実施例25b
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−N−(2−チエニルメチル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンN−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−2−チオフェンカルボキシアミドを用いて、実施例2bに従って目的物を合成した。収率 61%。融点 101−103℃。(メタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.00 (3H, s), 1.22 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.49 (3H, s),1.80 (3H, s), 3.00−2.40 (7H, m), 2.86 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.08 (1H, s), 4.11 (2H, s), 6.71−7.30 (7H, m)。
【0181】
実施例26b
N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ニコチンアミド
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(0.85g,2.63mmol)とニコチノイルクロリド塩酸塩(516mg,2.90mmol)のクロロホルム(15mL)溶液に室温でトリエチルアミン(0.80mL,5.80mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧濃縮し、残渣に水(30mL)を注ぎ、酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル 5:1)に供し目的物 0.72g(収率 61%)を得た。融点 214−216℃。(エチルエーテル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.03 (3H, s), 1.21 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.52 (3H, s),1.82 (3H, s), 2.19 (6H, s), 2.86 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.14 (1H, s), 6.70−7.13 (4H, m), 7.31 (1H, br s), 7.44 (1H, dd, J = 7.8, 4.8 Hz), 8.23 (1H, dt, J = 8.0, 2.2 Hz), 8.74−8.79 (1H, m), 9.12 (1H, br s)。
【0182】
実施例27b
N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソニコチンアミド塩酸塩
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン(0.85g,2.63mmol)とイソニコチノイルクロリド塩酸塩(516mg,2.90mmol)のクロロホルム(15mL)溶液に室温でトリエチルアミン(0.80mL,5.80mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧濃縮し、残渣に水(30mL)を注ぎ、酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル 5:1)に供し、油状の遊離塩基0.90gを得た。この遊離塩基(0.90g,2.10mmol)を塩酸−メタノール溶液に溶かし、溶媒を減圧濃縮し、非晶質の目的物 0.47g(収率 64%)を得た。
1H−NMR (CDCl3) δ: 0.99 (3H, s), 1.19 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.49 (3H, s),1.80 (3H, s), 2.14 (6H, s), 2.83 (1H, septet, J = 6.8 Hz), 4.13 (1H, s), 6.70−7.19 (5H, m), 8.20−9.20 (4H, m), 9.79 (1H, br s)。
【0183】
実施例28b
N−[3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−4−メトキシベンズアミド3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンと4−メトキシベンゾイルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 79%。融点 191−194℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.02 (3H, s), 1.51 (3H, s), 1.79 (3H, s), 2.17 (3H, s), 2.20 (3H, s), 3.86 (3H, s), 4.14 (1H, s), 6.60−7.21 (7H, m), 7.85 (2H, d, J = 8.8 Hz)。
【0184】
実施例29b
3−(4−フルオロフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
N−[3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−4−メトキシベンズアミドを用いて、実施例2bに従って目的物を合成した。収率 52%。融点 114−115℃。(メタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.00 (3H, s), 1.49 (3H, s), 1.76 (3H, s), 2.18 (3H, s), 2.27 (3H, s), 2.80 (1H, br s), 3.79 (3H, s), 3.85 (2H, s), 4.08 (1H, s), 6.71−7.03 (6H, m), 7.20−7.27 (2H, m)。
【0185】
実施例30b
4−フルオロ−N−[3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンと4−フルオロベンゾイルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 75%。融点 140−142℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.02 (3H, s), 1.52 (3H, s), 1.80 (3H, s), 2.19 (6H, s), 4.14 (1H, s), 6.75−7.25 (7H, m), 7.85−7.94 (2H, m)。
【0186】
実施例31b
N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
4−フルオロ−N−[3−(4−フルオロフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミドを用いて、実施例2bに従って目的物を合成した。収率 66%。融点 118−120℃。(エタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.00 (3H, s), 1.49 (3H, s), 1.77 (3H, s), 2.18 (3H, s), 2.26 (3H, s), 2.92 (1H, br s), 3.88 (2H, s), 4.08 (1H, s), 6.50−7.21 (6H, m), 7.24−7.41 (2H, m)。
【0187】
実施例32b
4−メトキシ−N−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド
2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンと4−メトキシベンゾイルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 86%。融点 161−163℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.03 (3H, s), 1.51 (3H, s), 1.79 (3H, s), 2.18 (6H, s), 2.30 (3H, s), 3.86 (3H, s), 4.12 (1H, s), 6.58−7.11 (6H, m), 7.20 (1H, br s), 7.85 (2H, d, J = 8.8 Hz)。
【0188】
実施例33b
N−(4−メトキシベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
4−メトキシ−N−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミドを用いて、実施例2bに従って目的物を合成した。収率 58%。融点 97−98℃。(エタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.00 (3H, s), 1.49 (3H, s), 1.78 (3H, s), 2.18 (3H, s), 2.26 (3H, s), 2.31 (3H, s), 2.60 (1H, br s), 3.79 (3H, s), 3.85 (2H, s), 4.08 (1H, s), 6.58−7.38 (8H, m)。
【0189】
実施例34b
4−フルオロ−N−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド
2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンと4−フルオロベンゾイルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 43%。融点 148−120℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.03 (3H, s), 1.52 (3H, s), 1.80 (3H, s), 2.19 (6H, s), 2.30 (3H, s), 4.13 (1H, s), 6.60−7.20 (7H, m), 7.85−7.94 (2H, m)。
【0190】
実施例35b
N−(4−フルオロベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン
4−フルオロ−N−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミドを用いて、実施例2bに従って目的物を合成した。収率 39%。融点 92−94℃。(メタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.01 (3H, s), 1.49 (3H, s), 1.77 (3H, s), 2.18 (3H, s), 2.25 (3H, s), 2.31 (3H, s), 2.82 (1H, br s), 3.87 (2H, s), 4.07 (1H, s), 6.60−7.32 (8H, m)。
【0191】
実施例36b
4−[[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イルアミノ]カルボニル]安息香酸メチル
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンと4−メトキシカルボニルベンゾイルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 92%。融点 220−223℃。(メタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ:1.03 (3H, s), 1.21 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.52 (3H, s),1.82 (3H, s), 2.19 (6H, s), 2.85 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 3.95 (3H, s), 4.14 (1H, s), 6.88 (2H, br s), 7.07−7.11 (2H, m), 7.30 (1H, s), 7.92−7.96 (2H, m), 8.11−8.16 (2H, m)。
【0192】
実施例37b
4−[[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イルアミノ]カルボニル]安息香酸
4−[[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イルアミノ]カルボニル]安息香酸メチル(341.7mg,0.70mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)及びメタノール(2.5mL)溶液に、1規定水酸化ナトリウム水溶液(0.75mL,0.75mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮した後、残渣に1規定塩酸を加え、生成物を酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル−ヘキサンから結晶化することにより、目的物(収率 60%)を得た。融点 258−261℃。
1H−NMR (DMSO−d6) δ:0.97 (3H, s), 1.17 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.47 (3H, s), 1.71 (3H, s), 2.07 (3H, s), 2.13 (3H, s), 2.84 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.24 (1H, s), 6.90 (2H, br), 7.15 (2H, d, J = 7.6 Hz), 8.04 (4H, s),
9.47 (1H, s), 1H 未確認。
【0193】
実施例38b
5−(4−メトキシベンジルアミノ)−2,4,6,7−テトラメチル−3−フェニル−1−ベンゾフラン塩酸塩
2,4,6,7−テトラメチル−3−フェニル−1−ベンゾフラン−5−アミン(0.50g,1.88mmol)と4−メトキシベンズアルデヒド(282mg,2.07mmol)のメタノール(15mL)溶液に室温でシアノ水素化ホウ素ナトリウム(130mg,2.07mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧濃縮し、残渣を1規定水酸化ナトリウム水溶液で中和後、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を、水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮し、油状の遊離塩基0.37gを得た。この遊離塩基(0.37g,0.96mmol)を塩酸−メタノール溶液に溶かし、溶媒を減圧濃縮し、得られた残渣をメタノールから結晶化させて目的物 0.21g(収率 27%)を得た。融点 200−203℃。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.97 (3H, s), 2.30 (3H, s), 2.34 (3H, s), 2.37 (3H, s), 3.73 (3H, s), 4.53 (3H, s), 6.69 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.11−7.25 (4H, m), 7.32−7.37 (3H, m), 1H 未確認。
【0194】
実施例39b
4−フルオロ−N−(2,4,6,7−テトラメチル−3−フェニル−1−ベンゾフラン−5−イル)ベンズアミド
2,4,6,7−テトラメチル−3−フェニル−1−ベンゾフラン−5−アミンと4−フルオロベンゾイルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 80%。融点 242−245℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.96 (3H, s), 2.25 (3H, s), 2.32 (3H, s), 2.45 (3H, s), 7.04−7.14 (2H, m), 7.24−7.50 (6H, m), 7.84−7.93 (2H, m)。
【0195】
実施例40b
N−(4−フルオロベンジル)−2,4,6,7−テトラメチル−3−フェニル−1−ベンゾフラン−5−アミン
4−フルオロ−N−(2,4,6,7−テトラメチル−3−フェニル−1−ベンゾフラン−5−イル)ベンズアミドを用いて、実施例2bに従って目的物を合成した。収率 56%。融点 135−136℃。(メタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ: 2.00 (3H, s), 2.30 (3H, s), 2.35 (3H, s), 2.45 (3H, s), 3.08 (1H, br s), 3.92 (2H, s), 6.95−7.06 (2H, m), 7.28−7.47 (7H, m)。
【0196】
実施例41b
N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]−ベンズアミド
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミンとベンゾイルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 91%。融点 225−227℃。(酢酸エチル)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.29 (6H, d, J = 7.0 Hz), 2.01 (3H, s), 2.30 (3H, s),2.33 (3H, s), 2.47 (3H, s), 2.95 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 7.25 (4H, s), 7.39 (1H, br s), 7.41−7.62 (3H, m), 7.88−7.97 (2H, m)。
【0197】
実施例42b
N−ベンジル−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン
N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]−ベンズアミドを用いて、実施例2bに従って目的物を合成した。収率 55%。融点 94−95℃。(エタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.31 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.95 (1H, br s), 2.04 (3H, s), 2.31 (3H, s), 2.37 (3H, s), 2.45 (3H, s), 2.97 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 3.96 (2H, s), 7.23−7.44 (9H, m)。
【0198】
実施例43b
[N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]]−4−メトキシベンズアミド
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミンと4−メトキシベンゾイルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 49%。非晶質。
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.29 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.99 (3H, s), 2.28 (3H, s), 2.32 (3H, s), 2.46 (3H, s), 2.95 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 3.86 (3H, s), 6.95 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.24 (4H, s), 7.33 (1H, br s), 7.88 (2H, d,
J = 8.8 Hz)。
【0199】
実施例44b
[N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]]−4−メトキシフェニルアセトアミド
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミンと4−メトキシフェニルアセチルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 42%。融点 202−204℃。(メタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.30 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.84 (3H, s), 2.13 (3H, s), 2.28 (3H, s), 2.40 (3H, s), 2.95 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 3.72 (2H, s), 3.81 (3H, s), 6.58 (1H, br s), 6.92 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.20−7.33 (6H, m)。
【0200】
実施例45b
3−(4−イソプロピルフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩
[N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]]−4−メトキシフェニルアセトアミドを用いて、実施例6bに従って目的物を合成した。収率 87%。非晶質。
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.28 (6H, d, J = 7.0 Hz), 2.00 (3H, s), 2.30 (3H, s), 2.32 (3H, s), 2.35 (3H, s), 2.94 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 3.72 (3H, s), 4.53 (2H, s), 6.68−6.72 (4H, m), 7.07−7.25 (4H, m), 10.9 (1H, br s), 1H 未確認。
【0201】
実施例46b
4−フルオロ−N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミンと4−フルオロベンゾイルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 72%。融点 242−245℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.28 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.98 (3H, s), 2.26 (3H, s),2.33 (3H, s), 2.45 (3H, s), 2.95 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 7.06−7.17 (2H, m), 7.24 (4H, s), 7.39 (1H, br s), 7.86−7.95 (2H, m)。
【0202】
実施例47b
N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン
塩化アルミニウム(807mg,6.05mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)懸濁液に、氷冷下で水素化リチウムアルミニウム(230mg,6.05mmol)を少しずつ加え同温下で10分間撹拌した。この混合物に4−フルオロ−N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド(0.52g,1.21mmol)を加え3時間加熱還流した。反応混合物を氷水中に加え、8規定水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、生成物を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をエタノールから結晶化させて目的物 0.27g(収率 54%)を得た。融点 95−97℃。
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.30 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.98 (1H, br s), 2.02 (3H, s), 2.31 (3H, s), 2.34 (3H, s), 2.45 (3H, s), 2.96 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 3.92 (2H, s), 6.95−7.06 (2H, m), 7.24−7.40 (6H, m)。
【0203】
実施例48b
N−[3−(4−フルオロフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]−4−メトキシベンズアミド
3−(4−フルオロフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミンと4−メトキシベンゾイルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 75%。融点 225−227℃。(酢酸エチル)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.96 (3H, s), 2.27 (3H, s), 2.30 (3H, s), 2.45 (3H, s), 3.86 (3H, s), 6.95 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.03−7.13 (2H, m), 7.24−7.36 (3H, m), 7.88 (2H, d, J = 8.8 Hz)。
【0204】
実施例49b
N−(4−メトキシベンジル)−3−(4−フルオロフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン
N−[3−(4−フルオロフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]−4−メトキシベンズアミドを用いて、実施例2bに従って目的物を合成した。収率 75%。融点 100−102℃。(エタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ: 2.01 (3H, s), 2.20−2.60 (10H, m), 3.81 (3H, s), 3.89 (2H, s), 6.87 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.05−7.16 (2H, m), 7.23−7.34 (4H, m)。
【0205】
実施例50b
4−フルオロ−N−[3−(4−フルオロフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド
3−(4−フルオロフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミンと4−フルオロベンゾイルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 75%。融点 232−234℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.97 (3H, s), 2.28 (3H, s), 2.31 (3H, s), 2.46 (3H, s), 7.03−7.37 (7H, m), 7.86−7.98 (2H, m)。
【0206】
実施例51b
N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−フルオロフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−アミン
4−フルオロ−N−[3−(4−フルオロフェニル)−2,4,6,7−テトラメチル−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミドを用いて、実施例2bに従って目的物を合成した。収率 66%。融点 107−109℃。(エタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.87 (1H, br s), 1.99 (3H, s), 2.28 (3H, s), 2.34 (3H, s), 2.45 (3H, s), 3.92 (2H, s), 6.94−7.13 (4H, m), 7.20−7.43 (4H, m)。
【0207】
実施例52b
N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−イル]−4−メトキシベンズアミド
3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−アミンを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 40%。融点 277−278℃。(エタノール−イソプロピルエーテル)
1H−NMR (CDCl3) δ:1.20 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.35−1.45 (2H, m), 1.81 (3H, s), 2.18−2.91 (16H, m), 3.86 (3H, s), 4.09 (1H, s), 6.6−7.1 (6H, m), 7.19 (1H, br), 7.83−7.88 (2H, m)。
【0208】
実施例53b
3−(4−イソプロピルフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−アミン
N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−イル]−4−メトキシベンズアミドを用いて、実施例2bに従って目的物を合成した。収率 59%。非晶質。
1H−NMR (CDCl3) δ:1.21 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.3−1.4 (2H, m), 1.79 (3H, s), 1.8−2.0 (3H, m), 2.21 (3H, s), 2.27 (3H, s), 2.31 (3H, s), 2.4−2.7 (4H, m), 2.85 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 3.79 (3H, s), 3.85 (2H, s), 4.05 (1H, s), 6.6−7.1 (6H, m), 7.23−7.27 (2H, m)。
【0209】
実施例54b
4−フルオロ−N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−イル]ベンズアミド
3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−アミンと4−フルオロベンゾイルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 38%。融点 271−272℃。(メタノール−イソプロピルエーテル)
1H−NMR (CDCl3) δ:1.20 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.30−1.40 (2H, m), 1.81 (3H, s), 2.02−2.12 (2H, m), 2.18 (3H, s), 2.22 (3H, s), 2.30 (3H, s), 2.37−2.71 (4H, m), 2.85 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.10 (1H, s), 6.6−7.2 (6H, m), 7.24 (1H, br), 7.86−7.93 (2H, m)。
【0210】
実施例55b
N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−アミン
4−フルオロ−N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−イル]ベンズアミドを用いて、実施例2bに従って目的物を合成した。収率 83%。非晶質。
1H−NMR (CDCl3) δ:1.21 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.34−1.42 (2H, m), 1.75 (3H, s), 1.80−2.05 (3H, m), 2.21 (3H, s), 2.26 (3H, s), 2.31 (3H, s), 2.35−2.72 (4H, m), 2.85 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 3.87 (2H, s), 4.04 (1H, s),6.5−7.1 (6H, m), 7.23−7.30 (2H, m)。
【0211】
実施例56b
4−クロロ−N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−イル]ベンズアミド
3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−アミンと4−クロロベンゾイルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 58%。融点 293−295℃。(メタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ:1.09 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.3−1.4 (2H, m), 1.7−2.7 (18H, m), 2.84 (1H, septet, d = 7.0 Hz), 4.09 (1H, s), 6.6−7.1 (4H, m), 7.33 (1H, br), 7.40−7.44 (2H, m), 7.79−7.83 (2H, m)。
【0212】
実施例57b
N−(4−クロロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−アミン
4−クロロ−N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−1’,4,6,7−テトラメチルスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−5−イル]ベンズアミドを用いて、実施例2bに従って目的物を合成した。収率 96%。非晶質。
1H−NMR (CDCl3) δ:1.22 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.3−1.4 (2H, m), 1.74 (3H, s), 1.8−2.1 (3H, m), 2.21 (3H, s), 2.25 (3H, s), 2.30 (3H, s), 2.34−2.69(4H, m), 2.86 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 3.83 (2H, s), 4.04 (1H, s), 6.6−7.1 (4H, m), 7.24 (4H, s)。
【0213】
実施例58b
N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−3,4−ジメトキシベンズアミド
3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンと3,4−ジメトキシベンゾイルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 71%。融点 171−173℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.03 (3H, s), 1.21 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.52 (3H, s),1.82 (3H, s), 2.19 (6H, s), 2.85 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 3.938 (3H, s), 3.943 (3H, s), 4.13 (1H, s), 6.80−7.00 (3H, m), 7.09 (2H, d, J = 7.6 Hz), 7.22 (1H, br s), 7.42 (1H, dd, J = 8.4, 2.2 Hz), 7.52 (1H, d, J = 2.2 Hz)。
【0214】
実施例59b
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩
N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−3,4−ジメトキシベンズアミドを用いて、実施例6bに従って目的物を合成した。収率 76%。融点 181−184℃。(エタノール−ヘキサン)
1H−NMR (DMSO−d6) δ: 0.92 (3H, s), 1.19 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.42 (3H, s), 1.69 (3H, s), 2.10 (3H, s), 2.22 (3H, s), 2.85 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 3.66 (3H, s), 3.75 (3H, s), 4.17 (1H, s), 4.20−4.42 (2H, m), 6.40−6.90 (5H, m), 7.13 (2H, d, J = 7.4 Hz), 10.0 (1H, br s), 1H 未確認。
【0215】
実施例60b
(+)−4−フルオロ−N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド
(+)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンと4−フルオロベンゾイルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 91%。
融点 251−253℃。(酢酸エチル−ヘキサン)[α]D=+74.4°(c=0.501,メタノール)
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.01 (3H, s), 1.19 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.50 (3H, s), 1.78 (3H, s), 2.15 (3H, s), 2.17 (3H, s), 2.83 (1H, septet, J = 6.8 Hz), 4.12 (1H, s), 6.60−7.40 (7H, m), 7.80−7.91 (2H, m)。
【0216】
実施例61b
(+)−N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩
塩化アルミニウム(0.67g,5.05mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)懸濁液に、氷冷下で水素化リチウムアルミニウム(190mg,5.05mmol)を少しずつ加え同温下で10分間撹拌した。この混合物に(+)−4−フルオロ−N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド(0.45g,1.01mmol)を加え3時間加熱還流した。反応混合物を氷水中に加え、8規定水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、生成物を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮し、油状の遊離塩基0.29gを得た。この遊離塩基(0.29g,0.67mmol)を塩酸−メタノール溶液に溶かし、溶媒を減圧濃縮し、得られた残渣をメタノールにより結晶化させ目的物 0.27g(収率 56%)を得た。融点 158−160℃。[α]D=+70.7°(c=0.461,メタノール)
1H−NMR (DMSO−d6) δ: 0.93 (3H, s), 1.20 (6H, d, J = 6.6 Hz), 1.41 (3H, s), 1.55 (3H, s), 2.11 (3H, s), 2.31 (3H, s), 2.85 (1H, septet, J = 6.6 Hz), 4.13 (1H, s), 4.31 (1H, d, J = 12.8 Hz), 4.45 (1H, d, J = 12.8 Hz), 7.02−7.29 (8H, m), 10.3 (1H, br s), 10.8 (1H, br s)。
【0217】
実施例62b
(−)−4−フルオロ−N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド
(−)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンと4−フルオロベンゾイルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 91%。
融点 253−254℃。〔α〕D = −77.4°(c=0.500,メタノール)。
1H−NMR (CDCl3) δ : 1.03 (3H, s), 1.21 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.51 (3H, s), 1.81 (3H, s), 2.18 (6H, s), 2.85 (1H, septet, J = 7.0 Hz), 4.13 (1H, s), 6.8−7.4 (7H, m), 7.86−7.93 (2H, m)。
【0218】
実施例63b
(−)−N−(4−フルオロベンジル)−3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩
塩化アルミニウム(351mg、2.63mmol)のテトラヒドロフラン(35mL)懸濁液に、氷冷下で水素化リチウムアルミニウム(101mg、2.67mmol)を少しずつ加え同温下で10分間撹拌した。この混合物に(−)−4−フルオロ−N−[3−(4−イソプロピルフェニル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド(528mg、1.19mmol)を加え2時間加熱還流した。反応混合物を氷水中に加え、8規定水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、生成物を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮し、油状の遊離塩基 502mgを得た。この遊離塩基(502mg,1.17mmol)を塩酸−メタノール溶液に溶かし、溶媒を減圧濃縮し、得られた残渣をメタノールにより結晶化させ目的物 115mg(収率 21%)を得た。融点 148−151℃。〔α〕D =−70.5°(c=0.503,メタノール)。
1H−NMR (DMSO−d6) δ : 0.92 (3H, s), 1.19 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.41 (3H, s), 1.54 (3H, s), 2.11 (3H, s), 2.32 (3H, s), 2.85 (1H, septet, J = 6.8 Hz), 4.16 (1H, s), 4.29−4.45 (2H, m), 6.6−7.4 (8H, m), 10.2−10.6 (2H, m)。
【0219】
実施例64b
3,4−ジメトキシ−N−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミド
2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンと3,4−ジメトキシベンゾイルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 90%。融点 169−171℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.03 (3H, s), 1.51 (3H, s), 1.80 (3H, s), 2.19 (6H, s), 2.29 (3H, s), 3.92 (6H, s), 4.13 (1H, s), 6.60−7.20 (5H, m), 7.29 (1H, br s), 7.42 (1H, dd, J = 8.2, 2.0 Hz), 7.51 (1H, d, J = 2.0 Hz)。
【0220】
実施例65b
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩
3,4−ジメトキシ−N−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]ベンズアミドを用いて、実施例6bに従って目的物を合成した。収率 68%。融点 195−198℃。(エタノール−ヘキサン)
1H−NMR (DMSO−d6) δ: 0.93 (3H, s), 1.41 (3H, s), 1.65 (3H, s), 2.10 (3H,s), 2.23 (3H, s), 2.27 (3H, s), 3.66 (3H, s), 3.73 (3H, s), 4.16 (1H, s), 4.23 (1H, d, J = 12.4 Hz), 4.35 (1H, d, J = 12.4 Hz), 6.40−6.82 (5H, m), 7.08 (2H, d, J = 7.0 Hz), 10.2 (1H, br s), 1H 未確認。
【0221】
実施例66b
N−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキシアミド
2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンと1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボニルクロリドを用いて、実施例1bに従って目的物を合成した。収率 65%。融点 164−165℃。(酢酸エチル−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 1.03 (3H, s), 1.51 (3H, s), 1.79 (3H, s), 2.17 (3H, s), 2.18 (3H, s), 2.30 (3H, s), 4.12 (1H, s), 6.03 (2H, s), 6.62−7.12 (5H, m), 7.16 (1H, br s), 7.34−7.45 (2H, m)。
【0222】
実施例67b
N−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミン塩酸塩
N−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキシアミドを用いて、実施例6bに従って目的物を合成した。収率62%。融点 147−149℃。(エタノール−ヘキサン)
1H−NMR (CDCl3) δ: 0.95 (3H, s), 1.42 (3H, s), 1.72 (3H, s), 2.10 (3H, s), 2.25 (3H, s), 2.27 (3H, s), 4.17 (1H, s), 4.28 (2H, s), 5.97 (1H, s),6.01 (1H, s), 6.40−7.18 (8H, m), 10.2 (1H, br s)。
上記実施例で得られた化合物の化学構造式を以下に示す。
【0223】
【表4】
【0224】
【表5】
【0225】
【表6】
【0226】
【表7】
【0227】
【表8】
【0228】
製剤例1b
常法に従い上記(1)ないし(6)を混合し、打錠機により打錠し、錠剤を製造する。
【0229】
実験例1b
ヒト・ニューロブラストーマSK−N−SH細胞におけるPI−3キナーゼ阻害剤LY−294002に対する細胞保護作用
(実験材料及び実験方法)
a)実験材料
ヒト・ニューロブラストーマSK−N−SH細胞はアメリカン・タイプ・セルカルチャー(ATCC)より購入した。DMEM/F−12培地及びカルウム・マグネシウム不含リン酸生理食塩水(PBS(−))は日研生物医学研究所(株)より、N2添加物及びEDTA溶液はギブコBRL社より、牛胎児血清(FCS)及びペニシリン(5000U/mL)ストレプトマイシン(5mg/mL)混液はバイオホワイタッカー社より、アラマーブルーTM試薬は和光純薬工業(株)より、培養フラスコはファルコン社より、96穴コラーゲンコート・マルチプレートはイワキガラス社より、LY−294002はアレキシス社よりそれぞれ購入した。他の試薬は市販の特級品を用いた。
b)実験方法
(1)SK−N−SH細胞の培養
SK−N−SH細胞は5%FCS、0.5%N2、10mM HEPES及び1%ペニシリン(5000U/mL)ストレプトマイシン(5mg/mL)混液を含むDMEM/F−12培地を用い、10%二酸化炭素/90%空気混合ガス下にて炭酸ガス恒温器で継代培養を行った。サブコンフルエント状態まで培養したのち、2.5mM EDTAを含むPBS(−)溶液で剥離した細胞を1.0×104個/100μL/ウエルの割合で96穴コラーゲンコート・マルチプレートに播種、その後24時間培養したものを細胞毒性試験に使用した。
(2)LY−294002誘発神経細胞毒性に対する保護作用
上述のようにして96穴コラーゲンコート・マルチプレートで培養したSK−N−SH細胞の培養液80μLを除去し、終濃度30μMのLY−294002と終濃度1.0μMになるように調製した化合物を40μLづつ同時添加し細胞毒性試験を開始した。なお化合物はジメチルスルホキシドで10mMの濃度に調製したものを使用し、LY−294002はジメチルスルホキシドで100mMの濃度に調製したものを希釈して使用した。
(3)細胞生存活性の評価
細胞毒性試験を開始した1日後に生存している神経細胞の生存活性はアラマーブルーTM試薬の細胞による還元活性を指標に測定した。細胞培養液の20μLを除去し20μLのアラマーブルーTM試薬を添加し、4時間に還元されるアラマーブルーTM試薬をプレートリーダー(WAKO SPECTRAMAX 250マイクロプレートリーダー)にて比色定量(測定波長 570nm、参照波長 600nm)した。細胞保護作用は下記の式により算出した。
化合物の細胞保護活性=(A−B)/(C−B)×100(%)
A:化合物+LY−294002添加群の生存活性
B:LY−294002添加群の生存活性
C:コントロールの生存活性
(結果)
化合物1用量につき最低4ウエルを用い、化合物の細胞保護活性を求めた。結果を下表に示す。
〔表9〕
実施例化合物 細胞保護活性(%)
20b 12.6
22b 12.8
24b 16.4
45b 20.6
52b 16.4
以上の結果より、化合物(Ib)は、神経栄養因子と同様にPI−3キナーゼの阻害剤で神経変性を惹起するLY−294002による細胞毒性に対して保護作用を有し、神経変性を抑制することがわかる。
【0230】
【発明の効果】
本発明の化合物(Ia)、(Ia’)、(Ib)もしくはその塩又はそのプロドラッグは、優れた神経変性抑制作用等及び脳内移行性を有し、低毒性であり、神経変性疾患予防・治療剤等として有用である。
Claims (2)
- (+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン又はその塩。
- (+)−5,6−ジメトキシ−2−[2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−(4−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル]イソインドリン又はその塩を含有してなる医薬組成物。
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