JP4354180B2 - 軽度認知障害治療剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽度認知障害治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)は、軽症記憶障害ともいわれる。MCIをもつ患者は、正常でもなく、痴呆でもないと認識され、これらの患者の認知状態はその中間である。一般に、当該患者は、軽度の記憶障害、軽度の認識障害、および日常生活機能におけるごく小さな機能不全を有する。最近の報告によればMCIをもつ患者は着実に痴呆状態が悪化していき、神経の病理状態もほとんどの場合がアルツハイマー病(AD)と類似しているので、軽度認知障害はアルツハイマー病の初期段階ないしはアルツハイマー病への過渡的状態とみなせるとされている(非特許文献1参照)。
アルツハイマー病は、神経細胞変性・脱落と共に、老人斑の形成および神経原線維変化を特徴とする神経変性疾患である。アルツハイマー病に最も特徴的な老人斑は、βアミロイド蛋白(以下、Aβと略記することもある)を主成分として(非特許文献2参照)、生体成分が脳内に沈着したものである。アミノ酸40または42個からなるAβ(以下、それぞれAβ40およびAβ42と略記する。)は、神経細胞に対して毒性を示すことが知られている(例、非特許文献3〜6等参照)。
したがって、Aβの産生・分泌を阻害する薬剤は、アルツハイマー病の予防・治療に有効である。近年、Aβの酵素免疫測定法(EIA)の開発により、培養神経細胞からのAβ分泌を抑制する化合物のスクリーニングのみならず、種々の生体組織、血液、脳脊髄液中のAβ量の定量も可能となった(例、特許文献4、7、8等参照)。
このAβの産生は、その前駆体蛋白であるAPP(Amyloid Precursor Protein)より、βセクレターゼとγセクレターゼにより切り出される。最近、いくつかの研究所より、βセクレターゼのcDNAの単離が報告され、実体が明らかとなった(例、特許文献9〜11等参照)。家族性アルツハイマー病患者の中にはAPP遺伝子に変異が認められる場合もあり、この変異遺伝子を導入した細胞では、Aβの産生・分泌量の増加が指摘されている(例、非特許文献7、12、13等参照)。したがって、特に家族性アルツハイマー病などの遺伝的にAβに起因する疾患(例、アルツハイマー病、ダウン症など)に罹患する可能性が高い患者、外傷などにより脳内でAβ蛋白の増加を起こす患者等、脳内でAβ蛋白の増加している患者に対して、βセクレターゼを阻害する薬剤はAβの産生・分泌を阻害し、該疾患の予防・治療薬として有用であると考えられる。
また、βセクレターゼが阻害されると、APPよりAβができる代謝経路が阻害・抑制される一方、αセクレターゼにより産生される分泌型APP(sAPPαと略記する)の分泌が促進される。sAPPαは、神経栄養因子様作用を有することが報告されている(例、非特許文献3、14等参照)。かかる神経栄養因子様作用としては、(1)神経細胞の生存・維持作用、(2)シナプスの形成促進作用、(3)神経細胞死保護作用、(4)海馬での長期増強作用などが認められている。このため、βセクレターゼを阻害する薬剤は、sAPPαの分泌を促進することにより、(1)神経変性疾患、(2)脳血管障害時、頭部外傷・脊髄損傷時、脳炎後遺症時または脳性麻痺時の神経障害、(3)記憶障害または(4)精神疾患などの予防・治療にも有用であると考えられる。
しかしながら、これまで軽度認知障害を疾患と認めて積極的に治療し、アルツハイマー病への進展を抑制することは実証されていない。
一方、特許文献1には、式
【化2】
Figure 0004354180
〔式中、Arは置換基を有していてもよい芳香族基を示し、Xは(i)結合手、(ii)−S−、−SO−または−SO−、(iii)オキソおよびC1−6アルキルから選ばれる置換基を1ないし3個をそれぞれ有していてもよいC1−6アルキレン、C2−6アルケニレンまたはC2−6アルキニレン、(iv)−CO−O−または(v)式−(CH)p−X−、−(CH)p−X−(CH)q−、−(CH)r−CO−X−、−SO−NR−または−(CH)r−SO−NR−(式中、Xは酸素原子またはNR、Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基またはアシル、pは0ないし5の整数、qは1ないし5の整数、p+qは1ないし5の整数、およびrは1ないし4の整数を示す)で表される基を示し、Yは酸素原子または硫黄原子を介していてもよく、かつ置換基を有していてもよい2価のC1−6脂肪族炭化水素基を示し、RおよびRはそれぞれ水素原子または置換基を有していてもよい低級アルキルを示し、あるいはRとRは隣接する窒素原子と共に置換基を有していてもよい含窒素複素環を形成し、A環は式−X−Ar(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基の外に置換基をさらに有していてもよいベンゼン環を示し、B環は式−Y−NR(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基の外に置換基をさらに有していてもよい4ないし8員環を示す。〕で表される化合物またはその塩を含有してなるアミロイドβ蛋白産生・分泌阻害剤が記載されている。
特許文献2には、β−アミロイド・ペプチド(βAP)生産阻害剤の同定方法が記載されている。
特許文献3には、βAP産生インヒビターの同定法が記載されている。
特許文献4には、液性サンプル中の可溶性アミロイドβペプチドを検出する方法が記載されている。
特許文献5には、β−アミロイドペプチド開裂位置においてβ−アミロイド前駆タンパク質を特異的に開裂する、単離・精製された酵素を含む組成物が記載されている。
特許文献6には、アミロイドβプロテインまたは可溶性アミロイド前駆体タンパク質(APP)に対する抗体を使用することを特徴とする可溶性APPの定量法が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−80098号公報
【特許文献2】
特表平8−502587号公報(国際公開第94/10569号パンフレット
【特許文献3】
特開平7−165606号公報
【特許文献4】
特表平10−509797号公報(国際公開第96/15452号パンフレット
【特許文献5】
特表平11−507538号公報(国際公開第96/40885号パンフレット
【特許文献6】
特開平9−178743号公報
【非特許文献1】
アーカイブス オブ ニューロロジー(Arch Neurol.)、58巻、397−405頁(2001))
【非特許文献2】
バイオケミカル バイオフィジカル リサーチ コミュニケーション(Biochem. Biophys. Res. Commun.)、122巻、1131頁(1984))
【非特許文献3】
トレンド イン ニューロサイエンス(TINS)、16巻、409頁、(1993)
【非特許文献4】
サイエンス(Science)、274巻、99頁(1996)
【非特許文献5】
ネイチャー(Nature)、395巻、755頁(1998)
【非特許文献6】
ニューロバイオロジー オブ エイジング(Neurobiol Aging)、20巻、201頁(1999)
【非特許文献7】
サイエンス(Science)、264巻、1336頁(1994)
【非特許文献8】
バイオケミストリー(Biochemistry)、34巻、10272頁(1995)
【非特許文献9】
サイエンス(Science)、286巻、735ページ(1999)
【非特許文献10】
ネイチャー(Nature)、402巻、533頁(1999)
【非特許文献11】
ネイチャー(Nature)、402巻、537頁(1999)等)
【非特許文献12】
ネイチャー(Nature)、360巻、672頁(1992)
【非特許文献13】
サイエンス(Science)、259巻、514頁(1993)
【非特許文献14】
ニューロン(Neuron)、 10巻、243−254頁、(1993)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、軽度認知障害治療剤を提供し、アルツハイマー病への進展を抑制することを目的とする。
【0005】
【課題を解決する手段】
本発明者らは、軽度認知障害の治療について鋭意研究を重ねる間に、βアミロイド蛋白産生、分泌、凝集および/または蓄積阻害作用を有する化合物が軽度認知障害の治療、アルツハイマー病への進展抑制に有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、
(1)βアミロイド蛋白産生、分泌、凝集および/または蓄積阻害作用を有する化合物またはそのプロドラッグを含有してなる軽度認知障害予防治療剤、
(2)化合物がβセクレターゼ阻害作用を有する化合物である上記(1)記載の剤、
(3)化合物が式
【化3】
Figure 0004354180
〔式中、Arは置換基を有していてもよい芳香族基を示し、Xは−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−および−COO−から選ばれる2価の基を1または2個含んでいてもよい2価のC1−6脂肪族炭化水素基を示し、Yは2価のC1−6脂肪族炭化水素基を示し、RおよびRは、各々、同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよいC1−6アルキルを示し、A環はさらに置換基を有していてもよいベンゼン環を、B環はさらに置換基を有していてもよい4ないし8員環を示す。〕で表される化合物またはその塩あるいはその水和物である上記(1)記載の剤、
(4)化合物が、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(N,N−ジメチルアミノ)メチルテトラリン、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(N,N−ジプロピルアミノ)メチルテトラリン、2−(N,N−ジメチルアミノ)メチル−6−(4’−メトキシビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]テトラリン、2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(4’−メチルビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(4’−メトキシビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、6−(2’,4’−ジメトキシビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6−[4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)フェニル]メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6−(3’,4’−ジメトキシビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、その光学活性体、その塩およびその水和物から選ばれる上記(3)記載の剤、
(5)βセクレターゼ阻害活性を有する化合物がOM99−2である上記(2)記載の剤、
(6)化合物がγセクレターゼ阻害作用を有する化合物である上記(1)記載の剤、
(7)化合物がβアミロイド蛋白凝集阻害作用を有する化合物である上記(1)記載の剤、
(8)βアミロイド蛋白凝集阻害作用を有する化合物がPTI−00703、ALZHEMED(NC−531)、PPI−368、PPI−558またはSKF−74652である上記(7)記載の剤、
(9)βアミロイド蛋白産生、分泌、凝集および/または蓄積阻害作用を有する化合物またはそのプロドラッグを含有してなる、軽度認知障害のアルツハイマー病への進展抑制剤、
(10)哺乳動物に有効量のβアミロイド蛋白産生、分泌、凝集および/または蓄積阻害作用を有する化合物またはそのプロドラッグを投与することを含む軽度認知障害の予防治療方法、
(11)哺乳動物に有効量のβアミロイド蛋白産生、分泌、凝集および/または蓄積阻害作用を有する化合物またはそのプロドラッグを投与することを含む、軽度認知障害のアルツハイマー病への進展抑制方法、
(12)軽度認知障害予防治療剤の製造のための、βアミロイド蛋白産生、分泌、凝集および/または蓄積阻害作用を有する化合物またはそのプロドラッグの使用、
(13)軽度認知障害のアルツハイマー病への進展抑制剤の製造のための、βアミロイド蛋白産生、分泌、凝集および/または蓄積阻害作用を有する化合物またはそのプロドラッグの使用などを提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本明細書における「軽度認知障害」とは、ニューロロジー(Neurology)、43巻、2412−2414(1993)に記載のクリニカル ジメンシャ レイティング(clinical dementia rating (CDR):記憶力、見当識、判断力などの6カテゴリーについて0(正常)〜3(重症)まで5段階評価し、それらに基づき一定のアルゴリズムに従い最終的スコアーを出す)での臨床状態が0.5レベルの障害を意味する(上記Arch Neurol.、58巻、397−405頁(2001))。
用いるβアミロイド蛋白産生、分泌、凝集および/または蓄積阻害作用を有する化合物としては、例えば、βセクレターゼ阻害作用を有する化合物、γセクレターゼ阻害作用を有する化合物、β蛋白凝集阻害作用を有する化合物等が挙げられる。
βセクレターゼ阻害作用を有する化合物としては、例えば、上記式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)と称する)、その塩またはプロドラッグが挙げられる。
【0008】
化合物(I)において、Arは置換基を有していてもよい芳香族基を示す。
Arで示される「置換基を有していてもよい芳香族基」の「芳香族基」としては、例えば、単環式芳香族基、環集合芳香族基、縮合芳香族基などが用いられる。
該「単環式芳香族基」としては、例えば、ベンゼン環または5または6員芳香族複素環から任意の1個の水素原子を除いてできる1価基が用いられる。
該「5または6員芳香族複素環」としては、例えば、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1個以上(例えば1〜3個、好ましくは1〜2個)を含む5または6員芳香族複素環などが用いられる。具体的には、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、オキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン環などが用いられる。
上記の単環式芳香族基の具体例としては、フェニル、2−または3−チエニル、2−または3−フリル、1−,2−または3−ピロリル、2−または4−イミダゾリル、3−または4−ピラゾリル、2−,4−または5−チアゾリル、2−,4−または5−オキサゾリル、2−,3−または4−ピリジル、2−ピラジニル、2−,4−または5−ピリミジニル、3−または4−ピリダジニルなどが用いられ、なかでもフェニルなどが好ましい。
該「環集合芳香族基」としては、例えば、2個以上(好ましくは2または3個)の芳香環が単結合で直結していて、環を直結している結合の数が環系の数より1個少ない芳香環集合体から任意の水素原子1個を除いた基などが用いられる。該「芳香環」としては、芳香族炭化水素、芳香族複素環などが用いられる。
該「芳香族炭化水素」としては、例えば、炭素数6ないし14個の単環式または縮合多環式(例えば、2または3環式)芳香族炭化水素(例、ベンゼン、ナフタレン、インデン、アントラセンなど)などが用いられる。
該「芳香族複素環」としては、例えば、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1個以上(例えば1〜4個、好ましくは1〜2個)を含む5ないし14員、好ましくは5ないし10員の芳香族複素環などが用いられる。具体的には、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3−b]チオフェン、フラン、フェノキサチイン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、プリン、4H−キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、チアゾール、イソチアゾール、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジン、フタルイミド、2−,3−または4−ピリドン、2−,3または4−キノロンなどの芳香族複素環、またはこれらの環(好ましくは単環)が1ないし複数個(好ましくは1または2個)の芳香環(例、ベンゼン環等)と縮合して形成された環などが用いられる。
これらの芳香環が単結合で直結した芳香環集合体としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環および5ないし10員(好ましくは5または6員)芳香族複素環から選ばれる2または3個(好ましくは2個)で形成される芳香環集合体などが用いられる。この芳香環集合体の好ましい例としては、ベンゼン、ナフタレン、ピリジン、ピリミジン、チオフェン、フラン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、キノリン、イソキノリン、インドール、ベンゾチオフェン、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾフランから選ばれる2または3個の芳香環からなる芳香環集合体などが挙げられる。より具体例には、例えば、2−,3−または4−ビフェニリル、3−(1−ナフチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、3−(2−ナフチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、3−(2−ベンゾフラニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、3−(2−ベンズオキサゾリル)−1,2,4−オキサジアゾール−2−イル、3−(3−インドリル)−1,2,4−オキサジアゾール−2−イル、3−(2−インドリル)−1,2,4−オキサジアゾール−2−イル、4−フェニルチアゾール−2−イル、4−(2−ベンゾフラニル)チアゾール−2−イル、4−フェニル−1,3−オキサゾール−5−イル、5−フェニルイソチアゾール−4−イル、5−フェニルオキサゾール−2−イル、4−(2−チエニル)フェニル、4−(3−チエニル)フェニル、3−(3−ピリジル)フェニル、4−(3−ピリジル)フェニル、6−フェニル−3−ピリジル、5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、4−(2−ナフチル)フェニル、4−(2−ベンゾフラニル)フェニル、4,4’−テルフェニルなどが用いられ、特にビフェニリル(2−,3−または4−ビフェニリル)が好ましい。
【0009】
該「縮合芳香族基」としては、縮合多環式(好ましくは2ないし4環式、好ましくは2または3環式)芳香環から任意の1個の水素原子を除いてできる1価基などが用いられる。該「縮合多環式芳香環」としては、縮合多環式芳香族炭化水素、縮合多環式芳香族複素環などが用いられる。
該「縮合多環式芳香族炭化水素」としては、例えば、炭素数9ないし14個の縮合多環式(2または3環式)芳香族炭化水素(例、ナフタレン、インデン、アントラセンなど)などが用いられる。
該「縮合多環式芳香族複素環」としては、例えば、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1個以上(例えば1〜4個)を含む9ないし14員、好ましくは9または10員の縮合多環式芳香族複素環などが用いられる。具体的には、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3−b]チオフェン、イソキノリン、キノリン、インドール、キノキサリン、フェナントリジン、フェノチアジン、フェノキサジン、フタルイミドなどの芳香族複素環などが用いられる。
上記した縮合芳香族基の具体例としては、例えば、1−ナフチル、2−ナフチル、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、2−ベンゾフラニル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンズイミダゾリル、1−インドリル、2−インドリル、3−インドリルなどが挙げられ、なかでも1−ナフチル、2−ナフチルなどが好ましい。
【0010】
Arで示される芳香族基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシなど)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、C6−10アリールオキシ−C1−6アルキル(例、フェノキシメチルなど)、C1−6アルキル−C6−10アリール−C2−6アルケニル(例、メチルフェニルエテニルなど)、ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、置換基を有していてもよいC7−16アラルキル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ、ヒドロキシ、置換基を有していてもよいC6−10アリールオキシ、C6−10アリール−C7−16アラルキルオキシ(例、フェニルベンジルオキシなど)、アミノ、モノ−C1−6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノなど)、ジ−C1−6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、エチルメチルアミノなど)、置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシなどが用いられる。該「芳香族基」は、例えば上記置換基を、芳香族基の置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
これらArで示される芳香族基の置換基のうち、「置換基を有していてもよいC7−16アラルキル」の「C7−16アラルキル」としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチルなどが用いられる。
【0011】
「置換基を有していてもよいC6−10アリールオキシ」の「C6−10アリールオキシ」としては、例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシなどが用いられる。これら「置換基を有していてもよいC7−16アラルキル」および「置換基を有していてもよいC6−10アリールオキシ」の「置換基」としては、それぞれ、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシなど)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1−6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノなど)、ジ−C1−6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、エチルメチルアミノなど)、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルなど)、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイルなど)、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイルなど)、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニル、ホルミルアミノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボキサミド、C1−6アルコキシ−カルボキサミド(例、メトキシカルボキサミド、エトキシカルボキサミド、プロポキシカルボキサミド、ブトキシカルボキサミドなど)、C1−6アルキルスルホニルアミノ(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノなど)、C1−6アルキル−カルボニルオキシ(例、アセトキシ、プロパノイルオキシなど)、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシなど)、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ(例、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシなど)、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ(例、ジメチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシなど)などが1ないし5個用いられる。
【0012】
Arで示される芳香族基の置換基のうち、「置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ」の「5ないし7員飽和環状アミノ」としては、例えば、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジン−1−イル、ピペリジノ、ピロリジン−1−イル、ヘキサメチレン−1−イルなどが用いられる。これら「置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ」の「置換基」としては、例えば、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、置換基を有していてもよいC6−14アリール、置換基を有していてもよいC7−19アラルキル、置換基を有していてもよい5ないし10員芳香族複素環基、置換基を有していてもよいC6−10アリール−カルボニル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニルなどが1ないし3個用いられる。
ここで、「置換基を有していてもよいC6−14アリール」の「C6−14アリール」としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−インデニル、2−アンスリルなどが用いられる。好ましくはフェニルなどである。「置換基を有していてもよいC7−19アラルキル」の「C7−19アラルキル」としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチルなどが用いられ、好ましくはベンジルなどである。「置換基を有していてもよい5ないし10員芳香族複素環基」の「5ないし10員芳香族複素環基」としては、例えば、2−,3−または4−ピリジル、1−,2−または3−インドリル、2−または3−チエニルなどが用いられ、好ましくは、2−,3−または4−ピリジルなどである。「置換基を有していてもよいC6−10アリール−カルボニル」の「C6−10アリール−カルボニル」としては、例えば、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイルなどである。これら「置換基を有していてもよいC6−14アリール」、「置換基を有していてもよいC7−19アラルキル」、「置換基を有していてもよい5ないし10員芳香族複素環基」および「置換基を有していてもよいC6−10アリール−カルボニル」がそれぞれ有していてもよい「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシなど)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1−6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノなど)、ジ−C1−6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、エチルメチルアミノなど)、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルなど)、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイルなど)、ジ−C1− アルキル−カルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイルなど)、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニル、ホルミルアミノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボキサミド、C1−6アルコキシ−カルボキサミド(例、メトキシカルボキサミド、エトキシカルボキサミド、プロポキシカルボキサミド、ブトキシカルボキサミドなど)、C1−6アルキルスルホニルアミノ(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノなど)、C1−6アルキル−カルボニルオキシ(例、アセトキシ、プロパノイルオキシなど)、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシなど)、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ(例、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシなど)、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ(例、ジメチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシなど)などが1ないし5個用いられる。
【0013】
Arで示される「置換基を有していてもよい芳香族基」の「置換基」としての「アシル」、「アシルアミノ」および「アシルオキシ」における「アシル」としては、例えば、式:−CO−R,−CO−OR、−CO−NR、−CS−NHR、−SO−Raaまたは−SO−Raa
〔式中、Rは(i)水素原子、
(ii)置換基を有していてもよい炭化水素基、具体的には、置換基として、ハロゲン原子、C1−3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1−6アルキルアミノ、ジ−C1−6アルキルアミノ、置換基を有していてもよい5ないし7員環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−10アリール−カルボニル、C6−10アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−10アリール−カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニル、C6−10アリールスルホニル、ホルミルアミノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボキサミド、C6−10アリール−カルボキサミド、C1−6アルコキシ−カルボキサミド、C1−6アルキルスルホニルアミノ、C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−10アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6−10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし5個を有していてもよい炭化水素基、または
(iii)置換基を有していてもよい複素環基、具体的には、置換基として、ハロゲン原子、C1−3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1−6アルキルアミノ、ジ−C1−6アルキルアミノ、置換基を有していてもよい5ないし7員環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−10アリール−カルボニル、C6−10アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−10アリール−カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニル、C6−10アリールスルホニル、ホルミルアミノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボキサミド、C6−10アリール−カルボキサミド、C1−6アルコキシ−カルボキサミド、C1−6アルキルスルホニルアミノ、C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−10アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6−10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし5個を有していてもよい複素環基を示し、
aaは(i)置換基を有していてもよい炭化水素基、具体的には、置換基として、ハロゲン原子、C1−3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1−6アルキルアミノ、ジ−C1−6アルキルアミノ、置換基を有していてもよい5ないし7員環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−10アリール−カルボニル、C6−10アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−10アリール−カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニル、C6−10アリールスルホニル、ホルミルアミノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボキサミド、C6−10アリール−カルボキサミド、C1−6アルコキシ−カルボキサミド、C1−6アルキルスルホニルアミノ、C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−10アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6−10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし5個を有していてもよいから選ばれる置換基1ないし5個を有していてもよい炭化水素基、または
(ii)置換基を有していてもよい複素環基、具体的には、置換基として、ハロゲン原子、C1−3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1−6アルキルアミノ、ジ−C1−6アルキルアミノ、置換基を有していてもよい5ないし7員環状アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−10アリール−カルボニル、C6−10アリールオキシ−カルボニル、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、C6−10アリール−カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニル、C6−10アリールスルホニル、ホルミルアミノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボキサミド、C6−10アリール−カルボキサミド、C1−6アルコキシ−カルボキサミド、C1−6アルキルスルホニルアミノ、C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C6−10アリール−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ、C6−10アリール−カルバモイルオキシ、ニコチノイルオキシおよびC6−10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし5個を有していてもよいから選ばれる置換基1ないし5個を有していてもよい複素環基を示し、
は水素原子またはC1−6アルキルを示すか、あるいはRとRは隣接する窒素原子と共に含窒素複素環を形成していてもよい。〕で表されるアシルなどが用いられる。
【0014】
およびRaaの置換基としての「置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ」としては、上記と同様のものが用いられる。
およびRaaで示される炭化水素基としては、炭化水素化合物から水素原子を1個取り除いた基が用いられ、例えば、鎖状または環状炭化水素基(例、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキルなど)などが用いられる。このうち、以下のような炭素数1ないし19個の鎖状または環状炭化水素基などが好ましい。
a)C1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)、
b)C2−6アルケニル(例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、2−ブテニルなど)、
c)C2−6アルキニル(例えば、エチニル、プロパルギル、2−ブチニルなど)、
d)C3−6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、該C3−6シクロアルキルは、1個のベンゼン環と縮合していてもよい、
e)C6−14アリール(例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−インデニル、2−アンスリルなど)、好ましくはフェニル、
f)C7−19アラルキル(例えば、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチルなど)、好ましくはベンジル。
【0015】
およびRaaで示される複素環基としては、例えば、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個(好ましくは1ないし3個)のヘテロ原子を含む5ないし14員(単環、2環または3環式)複素環、好ましくは(i)5ないし14員(好ましくは5ないし10員)芳香族複素環、(ii)5ないし10員非芳香族複素環または(iii)7ないし10員複素架橋環から任意の1個の水素原子を除いてできる1価基などが用いられる。
上記「5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環」としては、例えば、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3−b]チオフェン、フラン、フェノキサチイン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、プリン、4H−キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、チアゾール、イソチアゾール、フェノチアジン、イソオキサゾール、フラザン、フェノキサジン、フタルイミドなどの芳香族複素環、またはこれらの環(好ましくは単環)が1ないし複数個(好ましくは1または2個)の芳香環(例、ベンゼン環等)と縮合して形成された環などが用いられる。
上記「5ないし10員非芳香族複素環」としては、例えば、ピロリジン、イミダゾリン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリンなどが用いられる。
上記「7ないし10員複素架橋環」としては、例えば、キヌクリジン、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンなどが用いられる。
【0016】
該「複素環基」として好ましくは、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、好ましくは、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の(単環式または2環式)複素環基である。具体的には、例えば、2−または3−チエニル、2−,3−または4−ピリジル、2−または3−フリル、2−,3−,4−,5−または8−キノリル、4−イソキノリル、ピラジニル、2−または4−ピリミジニル、3−ピロリル、2−イミダゾリル、3−ピリダジニル、3−イソチアゾリル、3−イソオキサゾリル、1−インドリル、2−インドリル、2−イソインドリニルなどの芳香族複素環基、例えば1−,2−または3−ピロリジニル、2−または4−イミダゾリニル、2−,3−または4−ピラゾリジニル、ピペリジノ、2−,3−または4−ピペリジル、1−または2−ピペラジニル、モルホリノなどの非芳香族複素環基などである。なかでも、例えば、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし3個のヘテロ原子を含む5ないし6員の複素環基等が好ましく、具体的には、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−フリル、3−フリル、ピラジニル、2−ピリミジニル、3−ピロリル、3−ピリダジニル、3−イソチアゾリル、3−イソオキサゾリル、1−,2−または3−ピロリジニル、2−または4−イミダゾリニル、2−,3−または4−ピラゾリジニル、ピペリジノ、2−,3−または4−ピペリジル、1−または2−ピペラジニル、モルホリノなどが用いられる。
【0017】
で示される「C1−6アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが用いられる。
とRが隣接する窒素原子と共に形成する「含窒素複素環」としては、例えば、炭素原子以外に少なくとも1個の窒素原子を含み窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし3個のヘテロ原子を含んでいてもよい5ないし7員含窒素複素環などが用いられ、例えば、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、ピロリジンなどが挙げられる。
【0018】
Arで示される「芳香族基」の「置換基」としての「アシル」の好ましい例としては、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルなど)、置換基を有していてもよいC6−10アリール−カルボニル、置換基を有していてもよいC6−10アリールオキシ−カルボニル、置換基を有していてもよいC7−16アラルキルオキシ−カルボニル、置換基を有していてもよい5〜6員複素環カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイルなど)、置換基を有していてもよいC6−10アリール−カルバモイル、置換基を有していてもよい5〜6員複素環カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニル、置換基を有していてもよいC6−10アリールスルホニルなどである。
これらのうち、「置換基を有していてもよいC6−10アリール−カルボニル」の「C6−10アリール−カルボニル」としては、例えば、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイルなどが用いられる。「置換基を有していてもよいC6−10アリールオキシ−カルボニル」の「C6−10アリールオキシ−カルボニル」としては、例えば、フェノキシカルボニルなどが用いられる。「置換基を有していてもよいC7−16アラルキルオキシ−カルボニル」の「C7−16アラルキルオキシ−カルボニル」としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニルなどが用いられる。「置換基を有していてもよい5〜6員複素環カルボニル」の「5〜6員複素環カルボニル」としては、例えば、ニコチノイル、イソニコチノイル、2−テノイル、3−テノイル、2−フロイル、3−フロイル、モルホリノカルボニル、ピペリジノカルボニル、1−ピロリジニルカルボニルなどが用いられる。「置換基を有していてもよいC6−10アリール−カルバモイル」の「C6−10アリール−カルバモイル」としては、例えば、フェニルカルバモイル、1−ナフチルカルバモイル、2−ナフチルカルバモイルなどが用いられる。「置換基を有していてもよい5〜6員複素環カルバモイル」の「5〜6員複素環カルバモイル」としては、例えば、2−ピリジルカルバモイル、3−ピリジルカルバモイル、4−ピリジルカルバモイル、2−チエニルカルバモイル、3−チエニルカルバモイルなどが用いられる。「置換基を有していてもよいC6−10アリールスルホニル」の「C6−10アリールスルホニル」としては、例えば、ベンゼンスルホニル、1−ナフタレンスルホニル、2−ナフタレンスルホニルなどが用いられる。
【0019】
これら「置換基を有していてもよいC6−10アリール−カルボニル」、「置換基を有していてもよいC6−10アリールオキシ−カルボニル」、「置換基を有していてもよいC7−16アラルキルオキシ−カルボニル」、「置換基を有していてもよい5〜6員複素環カルボニル」、「置換基を有していてもよいC6−10アリール−カルバモイル」、「置換基を有していてもよい5〜6員複素環カルバモイル」および「置換基を有していてもよいC6−10アリールスルホニル」の「置換基」としては、ハロゲン原子、C1−3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1−6アルキルアミノ、ジ−C1−6アルキルアミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニル、ホルミルアミノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボキサミド、C1−6アルコキシ−カルボキサミド、C1−6アルキルスルホニルアミノ、C1−6アルキル−カルボニルオキシ、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシおよびジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシから選ばれる置換基1ないし5個、好ましくは1ないし3個が用いられる。
【0020】
上記のArで示される「置換基を有していてもよい芳香族基」の「置換基」としての「アシルアミノ」としては、例えば、Arで示される「置換基を有していてもよい芳香族基」の「置換基」において詳述した「アシル」で1ないし2個置換されたアミノなどが用いられ、好ましくは、
式:−NR−COR、−NR−COORda、−NR−SORRdaまたは−NR−CONRdadb
〔式中、Rは水素原子またはC1−6アルキル、Rは上記Rと同意義、Rdaは上記Raaと同意義、RdbはRと同意義を示す〕で表されるアシルアミノなどが用いられる。
およびRdbで示される「C1−6アルキル」は、Rで示される「C1−6アルキル」と同様のものが用いられる。
Arで示される「置換基を有していてもよい芳香族基」の「置換基」としての「アシルアミノ」として、好ましくは、ホルミルアミノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボキサミド、置換基を有していてもよいC6−10アリール−カルボキサミド(例、フェニルカルボキサミド、ナフチルカルボキサミドなど)、C1−6アルコキシ−カルボキサミド(例、メトキシカルボキサミド、エトキシカルボキサミド、プロポキシカルボキサミド、ブトキシカルボキサミドなど)、C1−6アルキルスルホニルアミノ(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノなど)などが用いられる。
上記のArで示される「置換基を有していてもよい芳香族基」の「置換基」としての「アシルオキシ」としては、例えば、上記した「置換基を有していてもよい芳香族基」の「置換基」において詳述した「アシル」1個で置換されたオキシなどが用いられ、好ましくは、式:−O−COR、−O−COORまたは−O−CONHR
〔式中、Rは上記Rと同意義を示す〕で表されるアシルオキシなどが用いられる。
Arで示される「置換基を有していてもよい芳香族基」の「置換基」としての「アシルオキシ」として、好ましくは、C1−6アルキル−カルボニルオキシ(例、アセトキシ、プロパノイルオキシなど)、置換基を有していてもよいC6−10アリール−カルボニルオキシ(例、ベンゾイルオキシ、1−ナフトイルオキシ、2−ナフトイルオキシなど)、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシなど)、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ(例、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシなど)、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ(例、ジメチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシなど)、置換基を有していてもよいC6−10アリール−カルバモイルオキシ(例、フェニルカルバモイルオキシ、ナフチルカルバモイルオキシなど)、ニコチノイルオキシなどが用いられる。これら「置換基を有していてもよいC6−10アリール−カルボキサミド」、「置換基を有していてもよいC6−10アリール−カルボニルオキシ」、および「置換基を有していてもよいC6−10アリール−カルバモイルオキシ」の「置換基」およびその「好ましい例」としては、上記した「置換基を有していてもよいC6−10アリール−カルボニル」の「置換基」と同様のものが用いられる。
上記した中でも、Arとしては、置換基を有していてもよい環集合芳香族基(特に、2−,3−または4−ビフェニリルなどのビフェニリルなど)が好ましい。
【0021】
化合物(I)において、Xは−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−および−COO−から選ばれる2価の基を1または2個含んでいてもよい2価のC1−6脂肪族炭化水素基を、Yは2価のC1−6脂肪族炭化水素基を示す。
該C1−6脂肪族炭化水素基としては、C1−6アルキレン、C2−6アルケニレン、C2−6アルキニレンなどが用いられる。
該C1−6アルキレンとしては、例えば、−CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−などの直鎖状C1−6アルキレンのほか、1ないし3個のC1−3アルキルを有していてもよいC1−3アルキレン(例えば、−CH−、−(CH−、−(CH−など)などが用いられる。
該C2−6アルケニレンとしては、例えば、−CH=CH−、−CH−CH=CH−などの直鎖状C2−6アルケニレンのほか、1ないし3個のC1−3アルキルを有していてもよいC2−3アルケニレン(例えば、−CH=CH−、−CH−CH=CH−など)などが用いられる。
該C2−6アルキニレンとしては、例えば、−C≡C−、−CH−C≡C−、−C≡C−CH−、−C≡C−CHCH−、−CHCH−C≡C−、−CH−C≡C−CH−、−(CH−C≡C−CH−、−(CH−C≡C−(CH−、−(CH−C≡C−CH−などの直鎖状C2−6アルキニレンのほか、1ないし3個のC1−3アルキルを有していてもよいC2−3アルキニレン(例えば、−C≡C−、−CH−C≡C−、−C≡C−CH−、−C≡C−CHCH−、−CHCH−C≡C−など)が用いられる。
該C1−6脂肪族炭化水素基としては、特に、C1−3アルキレン、C2−3アルケニレン、C2−6アルキニレンなどのC1−3脂肪族炭化水素基などが好ましい。
特に、Xが−O−を1個含むC1−3アルキレン、YがC1−3のアルキレンが好ましい。
【0022】
化合物(I)におけるRおよびRは、各々、同一または異なって、置換基を置換基を有していてもよいC1−6アルキルを示す。
およびRおける「置換基を有していてもよいC1−6アルキル」の「C1−6アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが用いられ、なかでもメチル、エチル、プロピルなどが好ましい。
R’またはR”で示される「置換基を有していてもよいC1−6アルキル」の「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシなど)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3−6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1−6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノなど)、ジ−C1−6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、エチルメチルアミノなど)、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルなど)、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイルなど)、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイルなど)、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニル、ホルミルアミノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボキサミド、C1−6アルコキシ−カルボキサミド(例、メトキシカルボキサミド、エトキシカルボキサミド、プロポキシカルボキサミド、ブトキシカルボキサミドなど)、C1−6アルキルスルホニルアミノ(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノなど)、C1−6アルキル−カルボニルオキシ(例、アセトキシ、プロパノイルオキシなど)、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシなど)、モノ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ(例、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシなど)、ジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ(例、ジメチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシなど)、置換基を有していてもよい芳香族基などが1ないし5個、好ましくは1ないし3個用いられる。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
【0023】
化合物(I)におけるA環は、さらに置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。すなわち、A環は置換可能な位置で、式 Ar−X− で表される基の他に置換基をさらに有していてもよい。このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ、ヒドロキシ、アミノなどが用いられる。該「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル」および「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ」は、上記Arにおいて詳述した「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル」および「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ」と同様のものがそれぞれ用いられる。 A環の置換基としては、特に、ハロゲン原子(例、塩素など)、C1−6アルコキシ(例、メトキシなど)などが好ましい。これらの置換基は、A環の置換可能な位置に1ないし3個置換されていてもよく、置換基数が2個以上の場合は各置換基は同一または異なっていてもよい。A環は、式Ar−X−で表わされる基で表わされる基のみで置換されている場合が特に好ましい。
【0024】
化合物(I)におけるB環はさらに置換基を有していてもよい4ないし8員環を示す。
B環で示される4ないし8員環としては、A環と縮合している部分以外に二重結合を1個含んでいてもよく、炭素原子以外に酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる1ないし3個のヘテロ原子を含んでいてもよい4ないし8員同素または複素環が挙げられる。具体例としては、式
【化4】
Figure 0004354180
〔式中、- - -は単結合または二重結合、
Zは(i)結合手、(ii)C1−4アルキレンまたは(iii)C2−4アルケニレンを示す〕で表される環が挙げられる。Zは、好ましくは、C1−3アルキレン、さらに好ましくは、エチレンである。
該「4ないし8員環」として好ましくは、式
【化5】
Figure 0004354180
〔式中、Zは上記と同意義を示す〕で表される環である。好ましくは、A環と縮合している部分以外には二重結合を含まず、炭素原子以外に、1個の酸素原子またはイミノを含んでいてもよい6員同素または複素環である。
B環で示される「置換基を有していてもよい4ないし8員環」の「置換基」としては、例えば、オキソ、C1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルなど)、ヒドロキシなどが挙げられる。該置換基は置換可能な位置に1ないし3個置換されていてもよく、置換基数が2個以上の場合は各置換基は同一または異なっていてもよい。
B環は、好ましくは、式
【化6】
Figure 0004354180
で表わされる基以外に置換基を有しない6員同素または複素環である。
【0025】
A環とB環とで形成される縮合環としては、好ましくは、式
【化7】
Figure 0004354180
で表される環である。特にテトラリンが好ましい。
化合物(I)としては特に、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン(6−[(1,1’−ビフェニル)−4−イルメトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロ−N,N’−ジメチル−2−ナフタレンエタンアミンとも称する)、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(N,N−ジメチルアミノ)メチルテトラリン、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(N,N−ジプロピルアミノ)メチルテトラリン、2−(N,N−ジメチルアミノ)メチル−6−(4’−メトキシビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]テトラリン、2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(4’−メチルビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(4’−メトキシビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、6−(2’,4’−ジメトキシビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6−[4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)フェニル]メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6−(3’,4’−ジメトキシビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、それらの光学活性体、それらの水和物などが挙げられる。とりわけ、(R)−(+)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン((R)−6−[(1,1’−ビフェニル)−4−イルメトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロ−N,N−ジメチル−2−ナフタレンエタナミンとも称する)塩酸塩1水和物(化合物A)、(+)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]テトラリン、(+)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(4’−メチルビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、(+)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(4’−メトキシビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、(+)−6−(2’,4’−ジメトキシビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、(+)−6−[4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)フェニル]メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、(+)−6−(3’,4’−ジメトキシビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリンが好適である。
【0026】
化合物(I)は、特開平11−80098号公報(WO98/38156)あるいはWO01/74756公報に記載の製造法に従って製造できる。あるいはその改良法として、アミド結合とエーテル結合が同一分子内に存在する場合には、メタンスルホン酸とメチオニンの存在下でエーテル結合のみを選択的に切断し、次いで、アルキル化反応に付し、そしてアミド部分を還元することによって製造することもできる。
【0027】
用いることのできる他のβセクレターゼ阻害活性を有する化合物としては、例えば、式
【化8】
Figure 0004354180
で表されるOM99−2(Science, 290, 150-153; J. Am. Chem. Soc., 2000, 122, 3522-3523)等が挙げられる。
用いることのできるγセクレターゼ阻害活性を有する化合物としては、例えば、式
【化9】
Figure 0004354180
で表されるL−685458、式
【化10】
Figure 0004354180
で表されるLY−374973(Investigation Drugs, db, 2001.1)、式
【化11】
Figure 0004354180
で表されるRF−978等が挙げられる。
用いることのできるβ蛋白凝集阻害作用を有する化合物としては、PTI−00703、ALZHEMED(NC−531)、式
【化12】
Figure 0004354180
で表されるPPI−368、式
【化13】
Figure 0004354180
で表されるPPI−558(WO98/08868)、SKF−74652等が挙げられる。
【0028】
βアミロイド蛋白産生、分泌、凝集および/または蓄積阻害作用を有する化合物の塩としては、例えば、無機塩基との塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが用いられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩などが用いられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N-ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が用いられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が用いられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などとの塩が用いられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が用いられる。
これらの塩のなかでも、薬学的に許容し得る塩が好ましい。例えば、βアミロイド蛋白産生、分泌、凝集および/または蓄積阻害作用を有する化合物内に酸性官能基を有する場合には、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩など)などの無機塩、アンモニウム塩などが用いられ、また、これらの化合物内に塩基性官能基を有する場合には,塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩などの無機塩または、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩などの有機塩が用いられる。化合物(I)の場合、とりわけ塩酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩等の塩が好ましい。
さらに、βアミロイド蛋白産生、分泌、凝集および/または蓄積阻害作用を有する化合物は、無水物、水和物のいずれであってもよい。水和物の場合、1ないし3個のHO分子を有していてもよい。
なお、本発明で用いるβアミロイド蛋白産生、分泌、凝集および/または蓄積阻害作用を有する化合物、例えば、化合物(I)は置換基の種類如何によっては立体異性体を生ずるが、本発明はこの異性体を単独またはそれらの混合物で用いてもよい。
また、化合物(I)が、コンフィギュレーショナル アイソマー(配置異性体)、ジアステレオマー、コンフォマー等として存在する場合には、所望により、公知の分離、精製手段によりそれぞれを単離することができる。さらに、化合物(I)がラセミ体である場合には、通常の光学分割手段によりd体、l体に分離することができる。本発明では、これらの分離された各異性体を用いても、また混合物で用いてもよいが、とりわけ光学活性体を用いる方が好適な場合が多い。
βアミロイド蛋白産生、分泌、凝集および/または蓄積阻害作用を有する化合物は、そのプロドラッグであってもよい。該プロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応によりβアミロイド蛋白産生、分泌、凝集および/または蓄積阻害作用を有する化合物に変換する化合物、すなわち、▲1▼酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こしてこれらの化合物に変化する化合物、▲2▼胃酸等により加水分解などを起こしてこれらの化合物に変化する化合物をいう。βアミロイド蛋白産生、分泌、凝集および/または蓄積阻害作用を有する化合物のプロドラッグとしては、これらの化合物の水酸基が、アシル化、アルキル化、リン酸化、ほう酸化された化合物またはその塩(例えば、これらの化合物の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物またはその塩など)、これらの化合物のカルボキシル基が、エステル化、アミド化された化合物(例えば、これらの化合物のカルボキシル基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシオキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物またはその塩など)などが用いられる。これらのプロドラッグは自体公知の方法あるいはそれに準じる方法に従って製造することができる。
また、βアミロイド蛋白産生、分泌、凝集および/または蓄積阻害作用を有する化合物のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163〜198頁に記載されているような生理的条件でこれらの化合物に変化するものであってもよい。
βアミロイド蛋白産生、分泌、凝集および/または蓄積阻害作用を有する化合物は同位元素(例、H、H、14C、35S、125Iなど)などで標識されていてもよい。
【0029】
上記したβアミロイド蛋白産生、分泌、凝集および/または蓄積阻害作用を有する化合物(塩を含む)あるいはプロドラッグ(以下、単にβアミロイド蛋白阻害化合物と称する)は、そのβアミロイド蛋白産生、分泌、凝集および/または蓄積阻害作用により、軽度認知障害の治療に有用である。
βアミロイド蛋白阻害化合物は、軽度認知障害の治療において、例えばアルツハイマー病治療薬(例えばドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、TAK−147等のコリンエステラーゼ阻害剤やイデベノン、メマンチン、ビンポセチン等の脳機能賦活薬)、抗パーキンソン薬(例えばL−ドーパ、デプレニル、カルビドパ+レボドパ、ペルゴライド、ロピニロール、カベルゴリン、プラミペキソール、エンタカプロン、ラザベミド等)、筋萎縮性脊髄側索硬化症治療薬(例えばリルゾール、メカセルミン、ガバペンチン等)、神経栄養因子、抗うつ薬(例えばフルオキセチン、サートラリン、パロキセチン、ベンラファキシン、ネファゾドン、レボキセチン、塩酸イミプラミン、デュロキセチン等)、精神分裂病治療薬(例えばオランザピン、リスペリドン、クエチアピン、イロペリドン等)、抗不安薬(例えばアルプラゾラム、ブロマゼパム、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、エチゾラム、フルトプラゼパム、ロラゼパム等)、睡眠薬(例えばブロチゾラム、エスタゾラム、フルラゼパム、ニトラゼパム、トリアゾラム等)、抗高脂血症薬(例えばシンバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、アトロバスタチン等)、血圧降下薬(例えばカプトプリル、デラプリル、エナラプリル、ニフェジピン、ニカルジピン、アムロジピン、アルプレノロール、プロプラノロール、メトプロロール、ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタン等)、抗血小板薬(例えばチクロピジン、ヘパリン、ウロキナーゼ、アルテプラーゼ、チソキナーゼ、ナサルプラーゼ、シロスタゾール等)、抗酸化薬(例えばリノレン酸、アスコルビン酸、イコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、トコフェロール等)、ビタミン類(例えばトコフェロール、アスコルビン酸等)、性ホルモン(例えばエストロゲン、エストロン、エストラジオール等)、抗炎症薬(例えばプレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン等)、非ステロイド性抗炎症薬(例えばインドメタシン、イブプロフェン、アセチルサリチル酸、ジクロフェナク、ナプロキセン、ピロキシカム等)、COX−2阻害薬(例えばセレコキシブ、ロフェコキシブ等)、脳循環代謝改善薬(例えばニセルゴリン、イブジラスト、イフェンプロジル等)、抗痙攣薬(例えばカルバマゼピン、バルプロ酸、クロナゼパム、ビガバトリン、ラモトリジン、ガバペンチン等)およびこれらの薬理学的に許容される塩等と組合わせて用いることもできる。
なお、本発明で用いるβアミロイド蛋白阻害化合物、とりわけ、化合物(I)は、上記した医薬と併用することにより軽度認知障害のみならず、神経変性疾患(例、老年期痴呆、アルツハイマー病、ダウン症、パーキンソン病、クロイツフェルト・ヤコブ病、筋萎縮性脊髄側索硬化症、糖尿病性ニューロパシー等)、脳血管障害(例、脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化に伴う脳循環不全等)時、頭部外傷・脊髄損傷時、脳炎後遺症時または脳性麻痺時の神経障害、記憶障害(例、老年期痴呆、健忘症等)または精神疾患(例、うつ病、恐慌性障害、精神分裂症等)等の予防・治療にも有効に使用できる。
【0030】
βアミロイド蛋白阻害化合物、特に化合物(I)、その塩またはそのプロドラッグは毒性も低く、脳内移行性が優れている。
従って、これらの化合物は、安全に、哺乳動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ウマ、ブタ、ウシ、サル、ヒトなど)の軽度認知障害の治療剤として有用である。
本発明の軽度認知障害治療剤は、自体公知の手段に従って上記のβアミロイド蛋白阻害化合物を製剤化することにより製造でき、βアミロイド蛋白阻害化合物化合物そのまま、あるいは薬理学的に許容される担体を製剤化工程において適宜、適量混合することにより医薬組成物、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤などとすることができ、経口的または非経口的(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。
本発明の軽度認知障害治療剤中のβアミロイド蛋白阻害化合物の含有量は、各化合物の効能等の応じて適宜選択することができるが、例えば、化合物(I)の含有量は、剤全体の通常約0.1〜100重量%である。投与量は、投与対象、投与ルート、疾患などにより異なるが、例えば、アルツハイマー病治療薬として、成人(約60kg)に対し、経口剤として、1回当たり、有効成分(化合物(I)として約0.01〜500mg、好ましくは約0.1〜100mg、さらに好ましくは1〜100mgであり、1日1〜数回に分けて投与することができる。
【0031】
本発明の軽度認知障害治療剤の製造に用いられる薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質があげられ、例えば、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などがあげられる。また、必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤などの添加物を用いることもできる。
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、D-マンニトール、デンプン、トウモロコシデンプン(コーンスターチ)、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが用いられる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが用いられる。
結合剤としては、例えば、結晶セルロース、白糖、D-マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどが用いられる。
崩壊剤としては、例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、L-ヒドロキシプロピルセルロースなどが用いられる。
溶剤としては、例えば、注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油などが用いられる。
溶解補助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D-マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが用いられる。
懸濁化剤としては、例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子などが用いられる。
等張化剤としては、例えば、ブドウ糖、D-ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトールなどが用いられる。
緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが用いられる。
無痛化剤としては、例えば、ベンジルアルコールなどが用いられる。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが用いられる。
抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウムなどが用いられる。
また、製剤には光等への安定化のため、常法に従い、遮光コーティングを施してもよい。遮光コーティング基剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等を用いることができる。これらの基剤に、酸化チタン、三二酸化鉄等を添加してもよい。さらに、フィルムの可塑剤としてポリエチレングリコール等を加えてもよい。化合物(I)の製剤の場合、可塑剤としてはコポリピドンが好適に使用できる。
【0032】
【実施例】
以下、化合物(I)に関する参考例、実施例および試験例により、本発明をより具体的に説明するが、他の化合物についても同様に実施できる。
参考例1
(R)−(+)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン塩酸塩1水和物(化合物A)の合成
(+)−N,N−ジメチル−(6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−テトラリン)アセトアミド(特開平11−310561号に記載の方法に従って入手)695gをトルエン3475mLに懸濁し、窒素気流下、内温20℃以下でジヒドロ−ビス(2−メトキシエトキシ)アルミン酸ナトリウム(70%トルエン溶液)562gを滴下した。室温で1.5時間攪拌後、20℃以下で4N水酸化ナトリウム水溶液695mLを滴下し室温で30分間攪拌後、分液した。さらに有機層を1N水酸化ナトリウム水溶液695mLで2回、水1390mLで2回で洗浄した。有機層にトルエン348mLを加えて60℃に加熱し、濃塩酸175mL(含量:36%)を滴下した。氷冷下、1時間攪拌後、析出結晶をろ取し、トルエン695mL、50%メタノール水溶液1390mLで洗浄した。40℃で減圧乾燥すると表題化合物が淡黄色結晶として723g(収率:94.4%)得られた。
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ : 1.32-1.40( 1H, m), 1.62-1.74(3H, m), 1.82-1.90(1H, m), 2.28-2.38(1H, m), 2.74(6H, s), 2.76-2.82(3H, br), 3.08-3.16(2H, m), 5.09(2H, s), 6.72-6.80(2H, m), 6.96(1H, d, J=8.0Hz), 7.32-7.38(1H, m), 7.44-7.54(4H, m), 7.64-7.72(4H, m), 10.4(1H, br).
【0033】
参考例2
(R)−(+)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン塩酸塩1水和物の精製
参考例1で得られた(R)−(+)−6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン塩酸塩1水和物479.8gをテトラヒドロフラン3186mL、水864mLの混合物に、60℃で溶解した。活性炭24gを加え60℃で30分間攪拌した。活性炭をろ去し、テトラヒドロフラン336mL、水216mLの混合物で洗浄した。ろ液を60℃に加熱し、攪拌しながらテトラヒドロフラン2688mLを滴下した。室温まで戻し、さらに5〜10℃で2時間攪拌後、析出した結晶を遠心ろ取した。テトラヒドロフラン216mL、水744mLの混合物で洗浄して、純粋な標題化合物を得た(390.5g、85%)。
【0034】
実施例1
表1に示す処方に従って本発明の軽度認知障害治療剤を製造した。
流動層造粒乾燥機中で化合物A2.3g、乳糖222.2g、およびトウモロコシデンプン50gを均一に混合後、機内でヒドロキシプロピルセルロース9gを溶解した水溶液を噴霧して造粒し、ついで同機で乾燥した。得られた造粒物をパワーミルを用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して整粒末とした。この整粒末を226.8gとり、これにクロスカルメロースナトリウム12gとステアリン酸マグネシウム1.2gを加え、混合して打錠用顆粒とする。この顆粒を打錠機で7.5mmφの杵を用いて重量150mgに打錠し素錠とした。得られた素錠はフィルムコーティング機中で酸化チタン、三二酸化鉄を分散したヒドロキシプロピルメチルセルロース2910、コポリビドン溶液を噴霧し、表1に示す1錠当たり化合物Aを1.15mg含有するフィルム錠、約1500錠を得た。同様にして、5mg錠および50mg錠を製造した。
【表1】
Figure 0004354180
【0035】
試験例1
老齢ラットの学習障害に対する改善作用
1)方法
Fisher344ラット(27ヶ月齢、雄)に予め、プラットフォームを水上においた水迷路課題(直径90cmプール)を4試行行い、著しい遊泳能力の障害を示すラットを除外した後、群分けした。その後、化合物A(0.3または1.0mg/kg、経口)を1日1回、14日間投与した。10日目にプラットフォームを水上においた水迷路課題を4試行行い、遊泳能力に問題ないことを再度確認した。翌日から1日4試行の水迷路試験を3日間行った。この試験では120cm直径のプールを用いて水面下に沈めたプラットフォームに辿り着くまでの時間を計測した。2試行を1ブロックとして表した。行動薬理試験期間中は、試験終了後、薬物を投与した。
2)成績
結果を図1に示す。小プールを用いて試験では、視力や運動能力には問題がないことが確認された。大プールを用いた水迷路学習試験において、若齢ラットと老齢(対照群)ラット間に顕著な差が認められた(##P<0.01)。老齢ラットが水面下のプラットフォームに辿り着く時間は常に若齢ラットより劣っていた。化合物A投与群ではプラットフォーム到達までの時間において有意な改善が認められた。訓練最終ブロックで、群間を比較すると、有意な逃避潜時の短縮が認められ、化合物Aは老齢ラットの学習障害を改善することが明らかとなった。
【0036】
試験例2
スウェーデン型APP変異トランスジェニック下ニックマウスの脳内不溶性Aβ40/42の増加およびアミロイド斑形成に及ぼす作用
1)方法
スウェーデン型アミロイド前駆蛋白(APP)変異トランスジェニックマウス(7〜8ヶ月齢)に化合物A(約7mg/kg/日投与に匹敵)含有固型飼料(56ppm)または対照飼料を6ヶ月間与えた。投与6ヵ月後、大脳半球を脳組織学的検討に残る半球をAβ40/42量の測定に使用した。Aβ測定には大脳皮質を用いた。蓄積型の不溶性Aβ40/42蛋白抽出は、はじめに25倍量のトリスバッファー(プロテアーゼ阻害剤含有)でホモゲナイズし、遠心上清を取り除いた。その後、不溶沈殿物に70%ギ酸を19倍量添加し、ホモゲナイズし可溶化した。この遠心上清中に含まれるAβ40/42量を1Mトリス溶液で20倍希釈し、中和後、定量に供した。酵素免疫測定法により蓄積型Aβ40/42を定量した。
病理組織学的検索には、各マウスについて背側海馬を含む2枚の切片を作成し、Aβ40/42をBAN50により免疫染色し、アミロイド斑の数およびアミロイド斑の面積を測定した。Vehicle(対照)群は13例、化合物A投薬群は16例を使用した。また、投薬開始齢の8ヶ月齢マウスは9例使用した。
2)成績
Vehicleまたは化合物を6ヵ月間投与したときの不溶性Aβ40および42量を図2に示す。対照群では、スウェーデン型APP変異トランスジェニックマウスの13−14ヵ月齢でのAβ40量は8ヵ月齢に比較し約35倍増加した。Aβ42量は約25倍増加した。これら対照群に対し、化合物A投薬群ではAβ40およびAβ42量を有意に約30%低下させた。投薬期間中、マウスの体重の低下などは見られず動物の一般症状には影響がなかった。
一方、アミロイド斑の数および面積を図3に示す。化合物Aの投与はアミロイド斑の数および面積を著明に低下させ、それぞれ対照群の40および35%まで減少させた。軽度記憶障害ではすでにアミロイド斑の形成が進んでおり、ある閾値を越えるとアルツハイマー病へ移行すると推定されているが、化合物Aはβセクレターゼを阻害しアミロイドの産生、分泌、凝集および/または蓄積を阻害することが明らかとなった。これらのことから、化合物Aは軽度記憶障害からアルツハイマー病への移行を抑制することが示唆された。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、有効な軽度記憶障害治療剤が提供でき、アルツハイマー病への移行が抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 試験例1における老齢ラットの学習障害に対する改善作用を示すグラフである。
【図2】 試験例2におけるスウェーデン型APP変異トランスジェニックマウスの不溶性Aβ40(図2A)および42(図2B)蓄積に及ぼす化合物Aの抑制作用を示すグラフである。##P<0.01(8ヶ月齢と比較、Student's t-test)、*P<0.05 (13−14カ月齢の対照群と比較、Student's t-test)
【図3】 試験例2における スウェーデン型APP変異トランスジェニックマウスのアミロイド斑の面積(図3A)およびアミロイド斑の数(図3B)に及ぼす化合物Aの抑制作用を示すグラフである。*P<0.01 (対照群と比較、Student's t-test)

Claims (4)

  1. 6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(N,N−ジメチルアミノ)メチルテトラリン、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(N,N−ジプロピルアミノ)メチルテトラリン、2−(N,N−ジメチルアミノ)メチル−6−(4’−メトキシビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]テトラリン、2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(4’−メチルビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(4’−メトキシビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、6−(2’,4’−ジメトキシビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6−[4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)フェニル]メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6−(3’,4’−ジメトキシビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、若しくはその光学活性体、その塩およびその水和物から選ばれる化合物を含有してなる、軽度認知障害予防治療剤。
  2. 6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(N,N−ジメチルアミノ)メチルテトラリン、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(N,N−ジプロピルアミノ)メチルテトラリン、2−(N,N−ジメチルアミノ)メチル−6−(4’−メトキシビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]テトラリン、2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(4’−メチルビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(4’−メトキシビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、6−(2’,4’−ジメトキシビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6−[4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)フェニル]メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6−(3’,4’−ジメトキシビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、その光学活性体、若しくはその塩およびその水和物から選ばれる化合物を含有してなる、軽度認知障害のアルツハイマー病への進展抑制剤。
  3. 軽度認知障害予防治療剤の製造のための、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(N,N−ジメチルアミノ)メチルテトラリン、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(N,N−ジプロピルアミノ)メチルテトラリン、2−(N,N−ジメチルアミノ)メチル−6−(4’−メトキシビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]テトラリン、2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(4’−メチルビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(4’−メトキシビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、6−(2’,4’−ジメトキシビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6−[4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)フェニル]メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6−(3’,4’−ジメトキシビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、若しくはその光学活性体、その塩およびその水和物の使用。
  4. 軽度認知障害のアルツハイマー病への進展抑制剤の製造のための、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(N,N−ジメチルアミノ)メチルテトラリン、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−(N,N−ジプロピルアミノ)メチルテトラリン、2−(N,N−ジメチルアミノ)メチル−6−(4’−メトキシビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、6−(4−ビフェニリル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]テトラリン、2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(4’−メチルビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]−6−(4’−メトキシビフェニル−4−イル)メトキシテトラリン、6−(2’,4’−ジメトキシビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6−[4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)フェニル]メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6−(3’,4’−ジメトキシビフェニル−4−イル)メトキシ−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、若しくはその光学活性体、その塩およびその水和物の使用。
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