JP2001048784A - ミトコンドリア機能賦活剤 - Google Patents

ミトコンドリア機能賦活剤

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JP2001048784A
JP2001048784A JP11227936A JP22793699A JP2001048784A JP 2001048784 A JP2001048784 A JP 2001048784A JP 11227936 A JP11227936 A JP 11227936A JP 22793699 A JP22793699 A JP 22793699A JP 2001048784 A JP2001048784 A JP 2001048784A
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Kaneyoshi Katou
金芳 加藤
Taiichi Oura
泰一 邑楽
Masaomi Miyamoto
政臣 宮本
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】パーキンソン病、アルツハイマー病等の神経変
性疾患の予防・治療剤等として有用なミトコンドリア機
能賦活剤を提供する。 【解決手段】式 【化1】 〔式中、R1およびR2はそれぞれC1-6アルキル、また
はR1とR2は互いに結合して環を形成してもよく、Xは
主鎖の原子数1ないし15のスペーサー、Yはアシル、
置換基を有していてもよいヒドロキシ、置換基を有して
いてもよいアミノまたは置換基を有していてもよい芳香
族基、A環は式−X−Y(式中、各記号は前記と同意義
を示す)で表される基の他に置換基をさらに有していて
もよい5ないし8員環、G1およびG2はそれぞれ、水素
原子または生体内で切断可能なフェノール性水酸基の保
護基を示す〕で表される化合物またはその塩を含有して
なるミトコンドリア機能賦活剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パーキンソン病、
アルツハイマー病等の神経変性疾患の予防・治療剤等と
して有用なミトコンドリア機能賦活剤に関する。
【0002】
【従来の技術】アルツハイマー病、パーキンソン病など
の神経変性疾患は近年の老齢化社会の到来とともに急激
に増加しており、これらの神経変性疾患の予防・治療薬
に対する需要が高まってきている。最近、上記疾患の発
症要因の一つとして、ミトコンドリア複合体の機能低下
が挙げられるようになった。ミトコンドリアは全ての動
物細胞内に存在し、電子伝達システムを介して細胞の活
動に必要なエネルギー生産を担っている。しかしなが
ら、ミトコンドリアおよびミトコンドリア遺伝子は、電
子伝達異常による酸化的ストレス(例えば、活性酸素種
によるラジカル的攻撃等)に対して脆弱なため、その結
果、エネルギー代謝の低下、細胞の変性に至る。特に脳
細胞においては、エネルギー要求量が高いため、ミトコ
ンドリアはより変性を受けやすく、老化に伴うミトコン
ドリア電子伝達異常による、いわゆる脳ミトコンドリア
障害が惹起される〔プロシーディング・オブ・ナショナ
ル・アカデミー・オブ・サイエンシス(Proceeding of
National Academy of Sciences)USA;91巻、8731−
8738頁(1994)等〕。
【0003】ヒドロキノン化合物としては、以下の化合
物が知られている。 1)WO98/33758には、式
【化4】 〔式中、R1およびR2はそれぞれ低級アルキル、または
1とR2は互いに結合して環を形成してもよく、Xは主
鎖の原子数1ないし15のスペーサー、Yはアシル、置
換基を有していてもよいヒドロキシ、置換基を有してい
てもよいアミノまたは置換基を有していてもよい芳香族
基、A環は式−X−Y(式中、各記号は前記と同意義を
示す)で表される基の外に置換基をさらに有していても
よい5ないし8員環を示す〕で表される化合物またはそ
の塩が、ミトコンドリア機能賦活作用を有すと記載さ
れ、該化合物を製造する際の原料化合物として、式
【化5】 〔式中、PおよびP'はそれぞれ保護基、その他の各記
号は前記と同意義を示す〕が記載されている。 2)ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイティー・
パーキン・トランザクションズ(Journal of the Chemi
cal Society Perkin Transactions),1,2979-2988頁
(1990)には、式
【化6】 で表される化合物が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】優れたミトコンドリア
機能賦活作用を有し、かつ、優れた体内動態(体内吸収
性、脳内移行性等)を示す等の点において医薬品として
十分満足できる化合物の開発が切望されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ミトコン
ドリア機能賦活作用を有する化合物につき、種々検討し
た結果、式
【化7】 〔式中、R1およびR2はそれぞれC1-6アルキル、また
はR1とR2は互いに結合して環を形成してもよく、Xは
主鎖の原子数1ないし15のスペーサー、Yはアシル、
置換基を有していてもよいヒドロキシ、置換基を有して
いてもよいアミノまたは置換基を有していてもよい芳香
族基、A環は式−X−Y(式中、各記号は前記と同意義
を示す)で表される基の他に置換基をさらに有していて
もよい5ないし8員環、G1およびG2はそれぞれ、水素
原子または生体内で切断可能なフェノール性水酸基の保
護基を示す〕で表される化合物またはその塩〔以下、化
合物(I)と略記する〕,および式
【化8】 〔式中、R1およびR2はそれぞれC1-6アルキル、また
はR1とR2は互いに結合して環を形成してもよく、X'
は主鎖の原子数1ないし6のスペーサー、Y'は置換基
を有していてもよい芳香族基または置換基を有していて
もよい単環式もしくは縮合5ないし7員飽和環状アミ
ノ、A'環は式−X'−Y'(式中、各記号は前記と同意
義を示す)で表される基の他に置換基をさらに有してい
てもよい5ないし8員非芳香環、G1aおよびG2aはそれ
ぞれアシル基を示す〕で表される化合物またはその塩
〔以下、化合物(I')と略記する〕が予想外にも優れ
たミトコンドリア機能賦活作用を有すること、また、化
合物(I)および化合物(I')が優れた体内動態(体
内吸収性、脳内移行性等)を示す等の点において医薬と
して十分満足できるものであることを初めて見出し、こ
れらの知見に基づいて、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、 (1)化合物(I)を含有してなるミトコンドリア機能
賦活剤; (2)パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側
索硬化症またはハンチントン病予防・治療剤である前記
(1)記載の剤; (3)化合物(I'); (4)R1およびR2がそれぞれC1-6アルキルである前
記(3)記載の剤; (5)X'が−O−、−S−、−CO−、−SO−、−
SO2−、−NR8−、−CONR8−、−SO2NR8
および−COO−から選ばれる2価の基(R8は水素原
子、 ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルまたは
ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル-カルボニル
を示す)、またはこれらの2価の基を1または2個含ん
でいてもよい2価のC1-6非環式炭化水素基である前記
(3)記載の剤; (6)Y'が置換基を有していてもよい芳香族基である
前記(3)記載の剤; (7)G1aおよびG2aで示されるアシル基が式
【化9】 [式中、Qは−CO−、−SO−、−SO2−、−CO
NR9−、−SO2NR9−、−PO2O−、−PO2−お
よび−COO−から選ばれる2価の基(R9は水素原子、
ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルまたはハロ
ゲン化されていてもよいC1-6アルキル-カルボニルを示
す)、Zは置換基を有していてもよい主鎖の原子数1な
いし6のスペーサー、R10およびR11はそれぞれ、水素
原子、置換基を1ないし2個有していてもよいC1-6
ルキルまたはR10とR11は隣接する窒素原子とともに置
換基を有していてもよい含窒素複素環を示す]で表され
る基である前記(3)記載の剤;および (8)化合物(I')を含有してなる医薬等に関する。
【0007】化合物(I)および化合物(I')におい
て、R1およびR2で示される「C1-6アルキル」として
は、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペン
チル、ヘキシルなどが挙げられる。なかでもメチルが好
ましい。R1とR2が互いに結合して形成する「環」とし
ては、例えばC1-3アルキレン、C2-3アルケニレン等か
らなる5ないし7員環などが挙げられる。好ましくはメ
チレン鎖による5ないし7員環、さらに好ましくはメチ
レン鎖による5ないし6員環である。R1またはR2は、
好ましくはC1-3アルキルであり、特に好ましくはメチ
ルである。
【0008】化合物(I)において、Xで示される「主
鎖の原子数1ないし15のスペーサー」とは、A環とY
との間に、主鎖の原子が1ないし15個連なっている間
隔を意味する。上記「主鎖の原子数」は、ヘテロ原子の
有無にかかわらず、A環とYとの間に存在する原子の数
が最小となるように数えるものとする。例えば、1,2
−シクロペンチレンの原子数を2個、1,3−シクロペ
ンチレンの原子数を3個、1,4−フェニレンの原子数
を4個、2,5−ナフチレンの原子数を5個、2,6−
ナフチレンの原子数を6個、2,6−ピリジンジイルの
原子数を3個として数える。該「主鎖の原子数1ないし
15のスペーサー」は、−O−、−S−、−CO−、−
SO−、−SO2−、−NR8−、−CONR8−、−S
2NR8−および−COO−から選ばれる2価の基(R8
は水素原子、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキ
ルまたはハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル-カ
ルボニルを示す);置換基を有していてもよい2価の非
環式炭化水素基;置換基を有していてもよい2価の環式
炭化水素基;および置換基を有していてもよい2価の複
素環基から選ばれる、主鎖の原子数が1ないし15であ
る2価基などが挙げられる。該2価基は、1ないし4
種、1ないし4個結合してXを形成してもよく、該2価
基が2個以上結合する場合、各基は同一であっても異っ
ていてもよい。
【0009】R8で示される「ハロゲン化されていても
よいC1-6アルキル」としては、例えば1ないし5個、
好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC1-6
ルキルなどが挙げられる。ここで、「C1-6アルキル」
としては、前記R1およびR2で示される「C1-6アルキ
ル」と同様のものが挙げられる。「ハロゲン化されてい
てもよいC1-6アルキル」の具体例としては、メチル、
クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、
トリフルオロメチル、エチル、2−ブロモエチル、2,
2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、
プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、イソプロ
ピル、ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、イソブ
チル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペン
チル、ネオペンチル、5,5,5−トリフルオロペンチ
ル、ヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシルなどが
挙げられる。R8で示される「ハロゲン化されていても
よいC1-6アルキル-カルボニル」としては、例えば1な
いし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していて
もよいC1-6アルキル-カルボニル(例、アセチル、プロ
パノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイルな
ど)などが挙げられる。具体例としては、アセチル、モ
ノクロロアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロ
アセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、
ヘキサノイルなどが挙げられる。
【0010】「置換基を有していてもよい2価の非環式
炭化水素基」における「2価の非環式炭化水素基」とし
ては、例えばアルキレン、アルケニレン、アルキニレン
等が挙げられる。なかでも、炭素数1ないし15の直鎖
状のものが好ましい。「置換基を有していてもよい2価
の非環式炭化水素基」における「置換基」としては、例
えば、オキソ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アル
キルなどが挙げられる。ここで、「ハロゲン化されてい
てもよいC1-6アルキル」としては、前記R8として例示
したものが挙げられる。これらの置換基は、置換可能な
位置に1ないし5個置換されていてもよく、置換基数が
2個以上の場合は各置換基は同一であっても異なってい
てもよい。「置換基を有していてもよい2価の非環式炭
化水素基」の好ましい例としては、オキソおよびハロゲ
ン化されていてもよいC1-6アルキルから選ばれる置換
基をそれぞれ1ないし3個有していてもよい(1)C
1-15アルキレン、(2)C2-15アルケニレンまたは(3)
2-15アルキニレンなどが挙げられる。例えば、「オキ
ソおよびハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルか
ら選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC
1-15アルキレン」としては、例えば、−CH2−,−(CH2)
2−,−CH2−CO−,−CH2−CH(CH3)−,−CH2−C(CH3)2
−,−(CH2)3−,−CH2−CO−CH2−,−(CH2)4−,−(C
H2)5−,−(CH2)6−,−(CH2)7−,−(CH2)8−,−(C
H2)9−,−(CH2)10−,−(CH2)11−,−(CH2)12−,−
(CH2)13−,−(CH2)14−,−(CH2)15−等が挙げられ
る。
【0011】「オキソおよびハロゲン化されていてもよ
いC1-6アルキルから選ばれる置換基を1ないし3個有
していてもよいC2-15アルケニレン」としては、例えば
−CH=CH−,−CH2−CH=CH−,−CH=CH−CH(CH3)−,
−CH2−CH=CH−CH2−,−CH2−CH2−CH=CH−,−CH=
CH−CH=CH−,−CH=CH−CH2−CH2−CH2−,−CH2−CH
2−CH2−CH2−CH=CH−等が挙げられる。「オキソおよ
びハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルから選ば
れる置換基を1ないし3個有していてもよいC2-15アル
キニレン」としては、例えば
【化10】 等が挙げられる。「置換基を有していてもよい2価の非
環式炭化水素基」は、好ましくはC1-15アルキレン等で
ある。
【0012】「置換基を有していてもよい2価の環式炭
化水素基」における「2価の環式炭化水素基」として
は、例えば、2価の単環式非芳香族炭化水素基および2
価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。該「2価の単環
式非芳香族炭化水素基」としては、例えば炭素数5ない
し8個の2価の単環式非芳香族炭化水素基などが挙げら
れる。このような基としては、例えばC5-8シクロアル
カン、C5-8シクロアルケンから任意の2個の水素原子
を除いてできる2価基が挙げられる。具体例としては、
1,2−シクロペンチレン、1,3−シクロペンチレ
ン、1,2−シクロヘキシレン、1,3−シクロヘキシ
レン、1,4−シクロヘキシレン、1,2−シクロヘプ
チレン、1,3−シクロヘプチレン、1,4−シクロヘ
プチレン、3−シクロヘキセン−1,4−イレン、3−
シクロヘキセン−1,2−イレン、2,5−シクロヘキ
サジエン−1,4−イレン等が挙げられる。なかでもC
5-8シクロアルキレンが好ましい。
【0013】「2価の芳香族炭化水素基」としては、例
えば炭素数6ないし14個の2価の芳香族炭化水素基が
挙げられる。このような基としては、例えば、ベンゼ
ン、ナフタレン、インデン、アントラセンなどの6ない
し14員(好ましくは6ないし10員)の環式(単環
式、2環式または3環式)芳香族炭化水素から任意の2
個の水素原子を除いてできる2価基が挙げられる。具体
例としては、1,2−フェニレン、1,3−フェニレ
ン、1,4−フェニレン、1,4−ナフチレン、1,6
−ナフチレン、2,6−ナフチレン、2,7−ナフチレ
ン、1,5−インデニレン、2,5−インデニレン等が
挙げられる。前記「2価の環式炭化水素基」は、好まし
くは2価のC6-10芳香族炭化水素基であり、さらに好ま
しくは1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,
4−フェニレン等であり、特に好ましくは1,4−フェ
ニレンである。「置換基を有していてもよい2価の環式
炭化水素基」における「置換基」としては、オキソ、ハ
ロゲン化されていてもよいC1-6アルキルなどが1ない
し3個挙げられる。ここで、「ハロゲン化されていても
よいC1-6アルキル」としては、前記R8として例示した
ものが挙げられる。
【0014】「置換基を有していてもよい2価の複素環
基」における「2価の複素環基」としては、例えば炭素
原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ば
れる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む
(i)5ないし14員(好ましくは5ないし10員)芳
香族複素環、(ii)5ないし10員非芳香族複素環また
は(iii)7ないし10員複素架橋環から任意の2個の
水素原子を除いてできる2価基などが挙げられる。上記
「5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香
族複素環」としては、例えば、チオフェン、ベンゾ
[b]チオフェン、ベンゾ[b]フラン、ベンズイミダゾ
ール、ベンゾトリアゾール、ベンズオキサゾール、ベン
ゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3−
b]チオフェン、フラン、フェノキサチイン、ピロー
ル、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、
ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドー
ル、1H−インダゾール、プリン、4H−キノリジン、
イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、
キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾー
ル、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、
フェナジン、チアゾール、イソチアゾール、フェノチア
ジン、イソオキサゾール、フラザン、フェノキサジン、
フタルイミドなどの芳香族複素環、またはこれらの環
(好ましくは単環)が1ないし複数個(好ましくは1ま
たは2個)の芳香環(例、ベンゼン環等)と縮合して形
成された環などが挙げられる。上記「5ないし10員非
芳香族複素環」としては、例えば、2-または3-ピロリ
ン、ピロリジン、2-または3-イミダゾリン、2-オキサゾ
リン、オキサゾリジン、2-または3-ピラゾリン、ピラゾ
リジン、2-チアゾリン、ピペリジン、ピペラジン、ヘキ
サメチレンイミン、モルホリン、チオモルホリンなどが
挙げられる。上記「7ないし10員複素架橋環」として
は、例えば、キヌクリジン、7−アザビシクロ[2,2,
1]ヘプタンなどが挙げられる。
【0015】「2価の複素環基」は、好ましくは、5な
いし10員芳香族複素環(例、チオフェン、ピリジン、
インドール、キノリン、イソキノリン、フタラジンな
ど)または6ないし10員非芳香族複素環(例、ピロリ
ジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモル
ホリンなど)から任意の2個の水素原子を除いてできる
2価基などである。具体例としては、2,5−チオフェ
ンジイル、2,6−ピリジンジイル、1,2−インドー
ルジイル、1,3−インドールジイル、2,4−キノリ
ンジイル、1,4−イソキノリンジイル、1,4−フタ
ラジンジイル、1,3−ピロリジンジイル、1,4−ピ
ペリジンジイル、1,4−ピペラジンジイル等が挙げら
れる。「置換基を有していてもよい2価の複素環基」に
おける「置換基」としては、オキソ、ハロゲン化されて
いてもよいC1-6アルキルなどが1ないし5個、好まし
くは1ないし3個挙げられる。ここで、「ハロゲン化さ
れていてもよいC1-6アルキル」としては、前記R8とし
て例示したものが挙げられる。
【0016】該「主鎖の原子数1ないし15のスペーサ
ー」の具体例としては、オキソおよびハロゲン化されて
いてもよいC1-6アルキルから選ばれる置換基をそれぞ
れ1ないし3個有していてもよい(1)C1-15アルキレ
ン、(2)C2-15アルケニレンまたは(3)C2-15アルキ
ニレン;および 式:−(CH2)m−X1−,−(CH2)m−X2−X1−、−X1−X2
(CH2)n−、−X2−X1−(CH2)n−、−(CH2)m−X1−(CH2)n
−、−(CH2)m−X2−(CH2)n−、−(CH2)m−X1−X2−(C
H2)n−、−(CH2)m−X2−X1−(CH2)n−または−X2−X1
X2−(CH2)n− 〔式中、X1は置換基を有していてもよい2価の環式炭
化水素基または置換基を有していてもよい2価の複素環
基;X2は−O−、−S−、−CO−、−SO−、−S
2−、−NR8−、−CONR8−、−SO2NR8−お
よび−COO−から選ばれる2価の基(R8は前記と同意
義を示す);mおよびnは0ないし10の整数、および
m+nは1ないし13の整数を示す〕で表される基等が
挙げられる。
【0017】X1で示される「置換基を有していてもよ
い2価の環式炭化水素基」および「置換基を有していて
もよい2価の複素環基」としては、前記Xとして例示し
たものが挙げられる。X1は、好ましくはオキソおよび
ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルから選ばれ
る置換基をそれぞれ1ないし3個有していてもよい、
(1)2価のC5-8単環式非芳香族炭化水素基、(2)2
価のC6-14芳香族炭化水素基または(3)炭素原子以外
に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1な
いし4個のヘテロ原子を含む2価の5ないし14員複素
環基である。 X1は、さらに好ましくは2価のC6-14
香族炭化水素基、特に好ましくはフェニレンである。X
2は、好ましくはOである。mは、好ましくは0ないし
10の整数であり、nは、好ましくは1ないし5の整数
である。また、m+nは、好ましくは2ないし10の整
数である。
【0018】Xは、好ましくはX'、すなわち「主鎖の
原子数が1ないし6のスペーサー」である。X'で示さ
れる「主鎖の原子数が1ないし6のスペーサー」は、前
記した「主鎖の原子数が1ないし15のスペーサー」の
うち、主鎖の原子数が1ないし6のものであればよく、
例えば 1)−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO
2−、−NR8−、−CONR8−、−SO2NR8−およ
び−COO−から選ばれる2価の基(R8は前記と同意義
を示す);および 2)−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO
2−、−NR8−、−CONR8−、−SO2NR8−およ
び−COO−から選ばれる2価の基(R8は前記と同意義
を示す)を1または2個を含んでいてもよい2価のC1-6
非環式炭化水素基(例、C1-6アルキレン、C2-6アルケニ
レン、C2-6アルキニレンなど)などが挙げられる。
【0019】「主鎖の原子数が1ないし6のスペーサ
ー」の具体例としては、式 -O-、-S-、-CO-、-SO-、-SO2-、-NR8-、-CONR8-、-SO2R
8- 、-COO-、-CH2-、-(CH2)2-、-(CH2)3-、-(CH2)4-、-
(CH2)5-、-(CH2)5-、-CH=CH-、-CH2-CH=CH-、-CH2-CH
=CH-CH2-、-CH2-CH2-CH=CH-、-CH=CH-CH=CH-、-CH
=CH-CH2-CH2-CH2-、
【化11】 -CH2-X2-、-(CH2)2-X2-、-(CH2)3-X2-、-(CH2)4-X2-、-
(CH2)5-X2-、-X2-CH2-、-X2-(CH2)2-、-X2-(CH2)3-、-X
2-(CH2)4-、-X2-(CH2)5-、-X2-CH2-X2-、-X2-(CH2)2-X2
-、-X2-(CH2)3-X2-、-X2-(CH2)3-X2-、-CH2-X2-CH2-、-
(CH2)2-X2-CH2-、-(CH2)3-X2-CH2-、-CH2-X2-(CH2)2-ま
たは-CH2-X2-(CH2)3- 〔式中、R8およびX2は前記と同意義を示す〕で表され
る2価基などが挙げられる。なお、X2が、同一式中に
2個ある場合、これらは同一であっても異なっていても
よい。
【0020】X'は、好ましくは−O−、−S−、−C
O−、−SO−、−SO2−、−NR8−、−CONR8
−、−SO2NR8−および−COO−から選ばれる2価
の基(R8は前記と同意義を示す)、またはこれらの2価
の基を1または2個含んでいてもよい2価のC1-6非環
式炭化水素基であり、さらに好ましくは式−(CH2)pO−
(式中、pは1ないし5の整数を示す)で表される基であ
る。
【0021】化合物(I)において、Yで示される「置
換基を有していてもよいヒドロキシ」における「置換
基」としては、例えば「置換基を有していてもよい炭化
水素基」、「アシル」、「芳香族複素環基」などが挙げ
られる。ここで、「置換基を有していてもよい炭化水素
基」における「炭化水素基」は、炭化水素化合物から水
素原子を1個取り除いた基を示し、例えば、鎖状または
環状炭化水素基(例、アルキル、アルケニル、アルキニ
ル、シクロアルキル、アリール、アラルキルなど)など
が挙げられる。このうち、以下のような炭素数1ないし
19個の鎖状または環状炭化水素基などが好ましい。 a)C1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、 sec-ブチ
ル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなど); b)C2-6アルケニル(例えば、ビニル、アリル、イソプ
ロペニル、ブテニル、イソブテニル、sec-ブテニルな
ど); c)C2-6アルキニル(例えば、エチニル、プロパルギ
ル、2−ブチニル、1−ヘキシニルなど); d)C3-6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、
該C3-6シクロアルキルは1個のベンゼン環と縮合して
いてもよい; e)C6-14アリール(例えば、フェニル、1−ナフチ
ル、2−ナフチル、ビフェニリル、2−インデニル、2
−アンスリルなど)、好ましくはフェニル; f)C7-19アラルキル(例えば、ベンジル、フェネチ
ル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1−ナフ
チルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニル
エチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、
5−フェニルペンチルなど)、好ましくはベンジル。
「炭化水素基」は、好ましくはC1-6アルキル、C6-14
アリール、C7-19アラルキルなどである。
【0022】「置換基を有していてもよい炭化水素基」
における「置換基」としては、例えばハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1-3アル
キレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオ
キシなど)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていても
よいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC
1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6
ルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロ
ピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノな
ど)、ジ−C1-6アルキルアミノ(例、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミ
ノ、エチルメチルアミノなど)、ホルミル、カルボキ
シ、カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC1-6
アルキル-カルボニル、C1-6アルコキシ-カルボニル
(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロ
ポキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニルなど)、置
換基を有していてもよい5ないし10員芳香族複素環
基、置換基を有していてもよいC6-14アリール-カルボ
ニル、置換基を有していてもよいC6-14アリールオキシ
-カルボニル、置換基を有していてもよいC7-19アラル
キルオキシ-カルボニル、置換基を有していてもよい5
ないし6員複素環カルボニル、モノ-C1-6アルキル-カ
ルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモ
イルなど)、ジ- C1-6アルキル-カルバモイル(例、ジメ
チルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチ
ルカルバモイルなど)、置換基を有していてもよいC
6-14アリール-カルバモイル、置換基を有していてもよ
い5ないし6員複素環カルバモイル、ハロゲン化されて
いてもよいC1-6アルキルスルホニル、置換基を有して
いてもよいC6-14アリールスルホニル、ホルミルアミ
ノ、C1-6アルキル-カルボニルオキシ(例、アセトキ
シ、プロパノイルオキシなど)、置換基を有していても
よいC6-14アリール-カルボニルオキシ、C1-6アルコキ
シ-カルボニルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ、
エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキ
シ、ブトキシカルボニルオキシなど)、モノ-C1-6アル
キル-カルバモイルオキシ(例、メチルカルバモイルオキ
シ、エチルカルバモイルオキシなど)、ジ-C1-6アルキ
ル-カルバモイルオキシ(例、ジメチルカルバモイルオキ
シ、ジエチルカルバモイルオキシなど)、置換基を有し
ていてもよいC6-14アリール-カルバモイルオキシ、ニ
コチノイルオキシなどが挙げられる。置換基の数は、例
えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個である。置
換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異
なっていてもよい。
【0023】ここで、「ハロゲン化されていてもよいC
1-6アルコキシ」としては、例えば1ないし5個、好ま
しくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC1-6アル
コキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプ
ロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペ
ンチルオキシ、ヘキシルオキシなど)などが挙げられ
る。具体例としては、メトキシ、ジフルオロメトキシ、
トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2−トリフル
オロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、4,4,4−トリフルオロブトキシ、イソブトキシ、
sec-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどが
挙げられる。
【0024】「ハロゲン化されていてもよいC1-6アル
キルチオ」としては、例えば1ないし5個、好ましくは
1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素など)を有していてもよいC1-6アルキルチ
オ(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソ
プロピルチオ、n-ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-
ブチルチオなど)などが挙げられる。具体例としては、
メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチ
ルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチ
オ、ブチルチオ、4,4,4−トリフルオロブチルチオ、
ペンチルチオ、ヘキシルチオなどが挙げられる。「ハロ
ゲン化されていてもよいC1-6アルキル-カルボニル」と
しては、前記R8として例示したものが挙げられる。
【0025】「置換基を有していてもよい5ないし10
員芳香族複素環基」における「5ないし10員芳香族複
素環基」としては、例えば、炭素原子以外に窒素原子、
硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、好
ましくは、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし1
0員の(単環式または2環式)芳香族複素環基が挙げら
れる。具体的には、例えば2−または3−チエニル;2
−,3−または4−ピリジル;2−または3−フリル;
2−,4−または5−チアゾリル;2−,4−または5
−オキサゾリル;1−,3−または4−ピラゾリル;2
−ピラジニル;2−,4−または5−ピリミジニル;1
−,2−または3−ピロリル;1−,2−または4−イ
ミダゾリル;3−または4−ピリダジニル;3−イソチ
アゾリル;3−イソオキサゾリル;1,2,4−オキサ
ジアゾール−5−イル;1,2,4−オキサジアゾール
−3−イル;2−,3−,4−,5−または8−キノリ
ル;1−,3−,4−,5−,6−,7−または8−イ
ソキノリル;1−,2−,3−,4−,5−,6−また
は7−インドリル;1−,2−,4−または5−イソイ
ンドリル;1−,5−または6−フタラジニル;2−,
3−または5−キノキサリニル;2−,3−,4−,5
−または6−ベンゾフラニル;2−,4−,5−または
6−ベンゾチアゾリル;1−,2−,4−,5−または
6−ベンズイミダゾリルなどが挙げられる。
【0026】「置換基を有していてもよい5ないし10
員芳香族複素環基」における「置換基」としては、例え
ば、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素な
ど)、C1-3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキ
シ、エチレンジオキシなど)、ニトロ、シアノ、ハロゲ
ン化されていてもよいC1-6アルキル、C6-14アリール
オキシ-C1-6アルキル(例、フェノキシメチルなど)、
1-6アルキル−C6-14アリールオキシ-C2-6アルケニ
ル(例、メチルフェニルエテニルなど)、ハロゲン化さ
れていてもよいC3-6シクロアルキル、置換基を有して
いてもよいC7-19アラルキル、置換基を有していてもよ
いC6-14アリール、ハロゲン化されていてもよいC1-6
アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキ
ルチオ、ヒドロキシ、置換基を有していてもよいC6-14
アリールオキシ、C6-14アリール−C7-19アラルキルオ
キシ(例、フェニルベンジルオキシ)、アミノ、アミノ
−C1-6アルキル(例、アミノメチル、アミノエチル、
アミノプロピル、アミノブチルなど)、モノ−C1-6
ルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロ
ピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノな
ど)、ジ−C1-6アルキルアミノ(例、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミ
ノ、エチルメチルアミノなど)、モノ−C1-6アルキル
アミノ−C1-6アルキル(例、メチルアミノメチル、エ
チルアミノメチル、プロピルアミノメチル、イソプロピ
ルアミノエチル、ブチルアミノエチルなど)、ジ−C
1-6アルキルアミノ−C1-6アルキル(例、ジメチルアミ
ノメチル、ジエチルアミノメチル、ジプロピルアミノメ
チル、ジイソプロピルアミノエチル、ジブチルアミノエ
チルなど)、置換基を有していてもよい5ないし7員飽
和環状アミノ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、
スルホ、オキソなどが挙げられる。置換基の数は、例え
ば1ないし5個、好ましくは1ないし3個である。ま
た、置換基の数が2個以上の場合、各置換基は同一であ
っても異なっていてもよい。
【0027】ここで、「ハロゲン化されていてもよいC
1-6アルキル」としては、前記R8として例示したものが
挙げられる。「ハロゲン化されていてもよいC3-6シク
ロアルキル」としては、例えば1ないし5個、好ましく
は1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素など)を有していてもよいC3-6シクロアル
キル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペン
チル、シクロヘキシルなど)などが挙げられる。具体例
としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペン
チル、シクロヘキシル、4,4−ジクロロシクロヘキシ
ル、2,2,3,3−テトラフルオロシクロペンチル、4
−クロロシクロヘキシルなどが挙げられる。「置換基を
有していてもよいC7-19アラルキル」における「C7-19
アラルキル」としては、例えば、ベンジル、フェネチ
ル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1-ナフチ
ルメチル、2-ナフチルメチル、2,2-ジフェニルエチル、
3-フェニルプロピル、4-フェニルブチル、5-フェニルペ
ンチルなどが挙げられる。なかでもベンジルなどが好ま
しい。
【0028】「置換基を有していてもよいC6-14アリー
ル」における「C6-14アリール」としては、例えば、フ
ェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、2-インデニル、2-ア
ンスリルなどが挙げられる。なかでもフェニルなどが好
ましい。「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキ
シ」、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチ
オ」としては、前記「置換基を有していてもよい炭化水
素基」における「置換基」として例示したものが挙げら
れる。「置換基を有していてもよいC6-14アリールオキ
シ」における「C6-14アリールオキシ」としては、例え
ば、フェニルオキシ、1-ナフチルオキシ、2-ナフチルオ
キシなどが挙げられる。
【0029】「置換基を有していてもよい5ないし7員
飽和環状アミノ」における「5ないし7員飽和環状アミ
ノ」としては、例えば、モルホリノ、チオモルホリノ、
ピペラジン-1-イル、ピペリジノ、ピロリジン-1-イル、
ヘキサメチレンイミン-1-イルなどが挙げられる。「置
換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ」
における「置換基」としては、例えば、C1-6アルキ
ル、置換基を有していてもよいC6-14アリール、置換基
を有していてもよいC7-19アラルキル、置換基を有して
いてもよい5ないし10員芳香族複素環基、置換基を有
していてもよいC6-14アリール-カルボニル、ハロゲン
化されていてもよいC1-6アルキル-カルボニル、ハロゲ
ン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニルなどが
挙げられる。置換基の数は、好ましくは1ないし3個で
ある。
【0030】上記「C1-6アルキル」としては、前記R1
およびR2として例示したものが挙げられる。「置換基
を有していてもよいC6-14アリール」および「置換基を
有していてもよいC7-19アラルキル」としては、前記
「置換基を有していてもよい5ないし10員芳香族複素
環基」における「置換基」として例示したものが挙げら
れる。「置換基を有していてもよい5ないし10員芳香
族複素環基」、「置換基を有していてもよいC6-14アリ
ール-カルボニル」および「ハロゲン化されていてもよ
いC1-6アルキルスルホニル」としては、それぞれ前記
「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「置
換基」として例示したものが挙げられる。「ハロゲン化
されていてもよいC1-6アルキル-カルボニル」として
は、前記R8として例示したものが挙げられる。
【0031】「アシル」としては、例えば、式:−CO
3、−CO−OR3、−CO−NR34、−CS−NR
34、−SO2−R3a、−SO−R3a、−PO(−OR3)
−OR4、−PO2−R3a 〔式中、R3は(i)水素原
子、(ii)置換基を有していてもよい炭化水素基、または
(iii)置換基を有していてもよい複素環基;R3aは(i)
置換基を有していてもよい炭化水素基、または(ii)置換
基を有していてもよい複素環基;R4は水素原子または
1-6アルキルを示し;R3とR4とは隣接する窒素原子
と共に置換基を有していてもよい含窒素複素環を形成し
ていてもよい〕で表されるアシルなどが挙げられる。R
3またはR3aで示される「置換基を有していてもよい炭
化水素基」としては、前記「置換基を有していてもよい
ヒドロキシ」における「置換基」として例示したものが
挙げられる。
【0032】R3またはR3aで示される「置換基を有し
ていてもよい複素環基」における「複素環基」として
は、例えば炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸
素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテ
ロ原子を含む5ないし14員(単環、2環または3環
式)複素環、好ましくは(i)芳香族複素環、(ii)5
ないし10員非芳香族複素環または(iii)7ないし1
0員複素架橋環から任意の1個の水素原子を除いてでき
る1価基などが挙げられる。上記「5ないし10員非芳
香族複素環」および「7ないし10員複素架橋環」とし
ては、Xで示される「主鎖の原子数1ないし15のスペ
ーサー」について「2価の複素環」として詳述したもの
と同様のものが挙げられる。
【0033】「複素環基」は、好ましくは、炭素原子以
外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1
または2種、好ましくは、1ないし4個のヘテロ原子を
含む5ないし10員の(単環式または2環式)複素環基
である。具体的には、例えば2−または3−チエニル;
2−,3−または4−ピリジル;2−または3−フリ
ル;2−,4−または5−チアゾリル;2−,4−また
は5−オキサゾリル;1−,3−または4−ピラゾリ
ル;2−ピラジニル;2−,4−または5−ピリミジニ
ル;1−,2−または3−ピロリル;1−,2−または
4−イミダゾリル;3−または4−ピリダジニル;3−
イソチアゾリル;3−イソオキサゾリル;1,2,4−
オキサジアゾール−5−イル;1,2,4−オキサジア
ゾール−5−イル;2−,3−,4−,5−または8−
キノリル;1−,3−,4−,5−,6−,7−または
8−イソキノリル;1−,2−,3−,4−,5−,6
−または7−インドリル;1−,2−,4−または5−
イソインドリル;1−,5−または6−フタラジニル;
2−,3−または5−キノキサリニル;2−,3−,4
−,5−または6−ベンゾフラニル;2−,4−,5−
または6−ベンゾチアゾリル;1−,2−,4−,5−
または6−ベンズイミダゾリルなどの芳香族複素環基;
例えば1−,2−または3−ピロリジニル;1−,2
−,4−または5−イミダゾリジニル;2−または4−
イミダゾリニル;2−,3−または4−ピラゾリジニ
ル;ピペリジノ;2−,3−または4−ピペリジル;1
−または2−ピペラジニル;モルホリノ;チオモルホリ
ノなどの非芳香族複素環基などが挙げられる。
【0034】「置換基を有していてもよい複素環基」に
おける「置換基」としては、前記「置換基を有していて
もよい5ないし10員芳香族複素環基」における「置換
基」として例示したものが挙げられる。置換基の数は、
例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個である。
また、置換基の数が2個以上の場合、各置換基は同一で
あっても異なっていてもよい。
【0035】R3とR4とが隣接する窒素原子と共に形成
する「置換基を有していてもよい含窒素複素環」におけ
る「含窒素複素環」としては、例えば炭素原子以外に少
なくとも1個の窒素原子を含み、窒素原子、硫黄原子お
よび酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個含
んでいてもよい5ないし7員含窒素複素環などが挙げら
れる。該「含窒素複素環」として、好ましくは、ピペリ
ジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、ピロ
リジン、ヘキサメチレンイミンなどが挙げられる。「置
換基を有していてもよい含窒素複素環」における「置換
基」としては、前記「置換基を有していてもよい5ない
し10員芳香族複素環基」における「置換基」として例
示したものが挙げられる。置換基の数は、例えば1ない
し3個である。また、置換基の数が2個以上の場合、各
置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0036】前記「アシル」は、好ましくは、ホルミ
ル、カルボキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6
ルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル
(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロ
ポキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニルなど)、
置換基を有していてもよいC6-14アリール−カルボニ
ル、置換基を有していてもよいC6-14アリールオキシ−
カルボニル、置換基を有していてもよいC7-19アラルキ
ルオキシ−カルボニル、置換基を有していてもよい5な
いし6員複素環カルボニル、カルバモイル、モノ−C
1-6アルキル−カルバモイル(例、メチルカルバモイ
ル、エチルカルバモイルなど)、ジ−C1-6アルキル−
カルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカ
ルバモイル、エチルメチルカルバモイルなど)、置換基
を有していてもよいC6-14アリール−カルバモイル、置
換基を有していてもよい5ないし6員複素環カルバモイ
ル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルホ
ニル、置換基を有していてもよいC6-14アリールスルホ
ニルなどである。
【0037】「アシルアミノ」としては、例えば、前記
「アシル」で1ないし2個置換されたアミノが挙げら
れ、好ましくは、式:−NR5COR6、−NR5COO
6a、−NR5SO26a、−NR5−CONR6a6b
または−NR5PO2−R6a 〔式中、R5は水素原子ま
たはC1-6アルキル;R6は前記R3と同意義;R6aは前
記R3aと同意義;R6bは前記R4と同意義を示す〕で表
されるアシルアミノなどが挙げられる。
【0038】該「アシルアミノ」は、好ましくは、ホル
ミルアミノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキ
ル−カルボキサミド(例、アセトアミドなど)、置換基
を有していてもよいC6-10アリール−カルボキサミド
(例、フェニルカルボキサミド、ナフチルカルボキサミ
ドなど)、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキ
シ−カルボキサミド(例、メトキシカルボキサミド、エ
トキシカルボキサミド、プロポキシカルボキサミド、ブ
トキシカルボキサミドなど)、ハロゲン化されていても
よいC1-6アルキルスルホニルアミノ(例、メチルスル
ホニルアミノ、エチルスルホニルアミノなど)などであ
る。
【0039】「アシルオキシ」としては、例えば、前記
「アシル」1個で置換されたオキシが挙げられ、好まし
くは、式:−O−COR7、−O−COOR7、−O−C
ONHR7、−O−PO(OH)−OR7、−OPO2−R7
〔式中、R7は前記R3と同意義を示す〕で表されるア
シルオキシなどが挙げられる。
【0040】該「アシルオキシ」は、好ましくは、ハロ
ゲン化されていてもよいC1-6アルキル−カルボニルオ
キシ(例、アセトキシ、プロピオニルオキシなど)、置
換基を有していてもよいC6-10アリール−カルボニルオ
キシ(例、ベンゾイルオキシ、1−ナフトイルオキシ、
2−ナフトイルオキシなど)、ハロゲン化されていても
よいC1-6アルコキシ−カルボニルオキシ(例、メトキ
シカルボニルオキシ、トリフルオロメトキシカルボニル
オキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボ
ニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシなど)、モノ−
1-6アルキル−カルバモイルオキシ(例、メチルカル
バモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシなど)、ジ
−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ(例、ジメチル
カルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシな
ど)、置換基を有していてもよいC6-14アリール−カル
バモイルオキシ(例、フェニルカルバモイルオキシ、ナ
フチルルカルバモイルオキシなど)、ニコチノイルオキ
シなどである。
【0041】「置換基を有していてもよいC6-14アリー
ル-カルボニル」における「C6-14アリール-カルボニ
ル」としては、例えば、ベンゾイル、1-ナフトイル、2-
ナフトイルなどが挙げられる。「置換基を有していても
よいC6-14アリールオキシ−カルボニル」における「C
6-14アリールオキシ−カルボニル」としては、例えば、
フェニルオキシカルボニル、1-ナフチルオキシカルボニ
ル、2-ナフチルオキシカルボニルなどが挙げられる。
「置換基を有していてもよいC7-19アラルキルオキシ-
カルボニル」における「C7-19アラルキルオキシ-カル
ボニル」としては、例えば、ベンジルオキシカルボニ
ル、フェネチルオキシカルボニル、ジフェニルメチルオ
キシカルボニル、トリフェニルメチルオキシカルボニ
ル、1-ナフチルメチルオキシカルボニル、2-ナフチルメ
チルオキシカルボニル、2,2-ジフェニルエチルオキシカ
ルボニル、3-フェニルプロピルオキシカルボニル、4-フ
ェニルブチルオキシカルボニル、5-フェニルペンチルオ
キシカルボニルなどが挙げられる。
【0042】「置換基を有していてもよい5ないし6員
複素環カルボニル」における「5ないし6員複素環カル
ボニル」としては、例えば、ニコチノイル、イソニコチ
ノイル、2-テノイル、3-テノイル、2-フロイル、3-フロ
イル、モルホリノカルボニル、ピペリジノカルボニル、
ピロリジン-1-イルカルボニルなどが挙げられる。「置
換基を有していてもよいC6-14アリール-カルバモイ
ル」における「C6-14アリール-カルバモイル」として
は、例えば、フェニルカルバモイル、1-ナフチルカルバ
モイル、2-ナフチルカルバモイルなどが挙げられる。
「置換基を有していてもよい5ないし6員複素環カルバ
モイル」における「5ないし6員複素環カルバモイル」
としては、例えば、モルホリノカルバモイル、ピペリジ
ノカルバモイル、2-ピリジルカルバモイル、3-ピリジル
カルバモイル、4-ピリジルカルバモイル、2-チエニルカ
ルバモイル、3-チエニルカルバモイルなどが挙げられ
る。
【0043】「ハロゲン化されていてもよいC1-6アル
キルスルホニル」としては、例えば、1ないし5個、好
ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC1-6アル
キルスルホニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホ
ニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、
ブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル、tert-ブチ
ルスルホニルなど)などが挙げられる。具体例として
は、メチルスルホニル、ジフルオロメチルスルホニル、
トリフルオロメチルスルホニル、エチルスルホニル、プ
ロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルス
ルホニル、4,4,4-トリフルオロブチルスルホニル、ペン
チルスルホニル、ヘキシルスルホニルなどが挙げられ
る。「置換基を有していてもよいC6-14アリールスルホ
ニル」における「C6-14アリールスルホニル」として
は、例えば、フェニルスルホニル、1-ナフチルスルホニ
ル、2-ナフチルスルホニルなどが挙げられる。「置換基
を有していてもよいC6-14アリール-カルボニルオキ
シ」における「C6-14アリール-カルボニルオキシ」と
しては、例えば、ベンゾイルオキシ、1-ナフトイルオキ
シ、2-ナフトイルオキシなどが挙げられる。「置換基を
有していてもよいC6-14アリール-カルバモイルオキ
シ」における「C6-14アリール-カルバモイルオキシ」
としては、例えば、フェニルカルバモイルオキシ、ナフ
チルカルバモイルオキシなどが挙げられる。
【0044】前記した「置換基を有していてもよいC
6-14アリール-カルボニル」、「置換基を有していても
よいC6-14アリールオキシ−カルボニル」、「置換基を
有していてもよいC7-19アラルキルオキシ-カルボニ
ル」、「置換基を有していてもよい5ないし6員複素環
カルボニル」、「置換基を有していてもよいC6-14アリ
ール-カルバモイル」、「置換基を有していてもよい5
ないし6員複素環カルバモイル」、「置換基を有してい
てもよいC6-14アリールスルホニル」、「置換基を有し
ていてもよいC6-14アリール-カルボニルオキシ」、
「置換基を有していてもよいC6-14アリール-カルバモ
イルオキシ」、「置換基を有していてもよいC7-19アラ
ルキル」、「置換基を有していてもよいC6-14アリー
ル」および「置換基を有していてもよいC6-14アリール
オキシ」における「置換基」としては、例えば、ハロゲ
ン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C
1-3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチ
レンジオキシなど)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化され
ていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていても
よいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよ
いC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6
アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ-C1-6アルキ
ルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピル
アミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノなど)、ジ-
1-6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルア
ミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、エチルメチ
ルアミノなど)、アミノ-C1-6アルキル(例、アミノメチ
ル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチルな
ど)、モノ-C1-6アルキルアミノ-C1-6アルキル(例、メ
チルアミノメチル、エチルアミノメチル、プロピルアミ
ノメチル、イソプロピルアミノエチル、ブチルアミノエ
チルなど)、ジ-C1-6アルキルアミノ-C1-6アルキル
(例、ジメチルアミノメチル、ジエチルアミノメチル、
ジプロピルアミノメチル、ジイソプロピルアミノエチ
ル、ジブチルアミノエチルなど)、ホルミル、カルボキ
シ、カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC1-6
アルキル-カルボニル、C1-6アルコキシ-カルボニル(例、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカ
ルボニル、tert-ブトキシカルボニルなど)、モノ-C1-6
アルキル-カルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチ
ルカルバモイルなど)、ジ-C1-6アルキル-カルバモイル
(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、
エチルメチルカルバモイルなど)、ハロゲン化されてい
てもよいC1-6アルキルスルホニル、ホルミルアミノ、
ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル-カルボキサ
ミド、C1-6アルコキシ-カルボキサミド(例、メトキシ
カルボキサミド、エトキシカルボキサミド、プロポキシ
カルボキサミド、ブトキシカルボキサミドなど)、C1-6
アルキルスルホニルアミノ(例、メチルスルホニルアミ
ノ、エチルスルホニルアミノなど)、C1-6アルキル-カ
ルボニルオキシ(例、アセトキシ、プロパノイルオキシ
など)、C1-6アルコキシ-カルボニルオキシ(例、メトキ
シカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロ
ポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシな
ど)、モノ-C1-6アルキル-カルバモイルオキシ(例、メ
チルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシな
ど)、ジ-C1-6アルキル-カルバモイルオキシ(例、ジメ
チルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ
など)などが挙げられる。置換基の数は、好ましくは1
ないし5個である。
【0045】ここで、「ハロゲン化されていてもよいC
1-6アルキル」および「ハロゲン化されていてもよいC
1-6アルキル-カルボニル」としては、それぞれ前記R8
として例示したものが挙げられる。「ハロゲン化されて
いてもよいC3-6シクロアルキル」としては、前記「置
換基を有していてもよい5ないし10員芳香族複素環
基」における「置換基」として例示したものが挙げられ
る。「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキ
シ」、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチ
オ」、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルス
ルホニル」としては、それぞれ前記「置換基を有してい
てもよい炭化水素基」における「置換基」として例示し
たものが挙げられる。
【0046】「ハロゲン化されていてもよいC1-6アル
キル-カルボキサミド」としては、例えば、1ないし5
個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC
1-6アルキル-カルボキサミド(例、アセトアミドなど)な
どが挙げられる。具体例としては、アセトアミド、トリ
フルオロアセトアミド、プロパンアミド、ブタンアミド
などが挙げられる。
【0047】Yで示される「芳香族複素環基」として
は、前記「置換基を有していてもよい炭化水素基」にお
ける「置換基」として例示した「置換基を有していても
よい5ないし10員芳香族複素環基」における「5ない
し10員芳香族複素環基」が挙げられる。
【0048】Yで示される「置換基を有していてもよい
ヒドロキシ」における「置換基」は、好ましくは「置換
基を有していてもよい炭化水素基」、さらに好ましく
は、(i)ハロゲン原子、(ii)C1-3アルキレンジオキ
シ、(iii)ニトロ、(iv)シアノ、(v)ハロゲン化さ
れていてもよいC1-6アルキル、(vi)ハロゲン化され
ていてもよいC3-6シクロアルキル、(vii)ハロゲン化
されていてもよいC1-6アルコキシ、(viii)ハロゲン
化されていてもよいC1-6アルキルチオ、(ix)ヒドロ
キシ、(x)アミノ、(xi)モノ−C1-6アルキルアミ
ノ、(xii)ジ−C1-6アルキルアミノ、(xiii)ホルミ
ル、カルボキシ、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6
ルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、
6-10アリールオキシ−カルボニル、C7-16アラルキル
オキシ−カルボニル、5ないし6員複素環カルボニル、
カルバモイル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、
ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−
カルバモイル、5ないし6員複素環カルバモイル、C
1-6アルキルスルホニルおよびC6-10アリールスルホニ
ルから選ばれるアシル、(xiv)ホルミルアミノ、C1-6
アルキル−カルボキサミド、C6-10アリール−カルボキ
サミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミドおよびC1-6
アルキルスルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、
(xv)C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリ
ール−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニ
ルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキ
シ、ジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10
アリール−カルバモイルオキシおよびニコチノイルオキ
シから選ばれるアシルオキシ、(xvi)(xvi-1)C1-6
アルキル、(xvi-2)ハロゲン原子、C1-3アルキレンジ
オキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよい
1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シク
ロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコ
キシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチ
オ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミ
ノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、C6-10アリール、カル
ボキシ、ホルミル、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6
アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−カルボニ
ル、カルバモイル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイ
ル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C1-6アルキル
スルホニル、ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カルボ
キサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミド、C1-6
ルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキル−カルボニル
オキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキシ、モノ−
1-6アルキル−カルバモイルオキシおよびジ−C1-6
ルキル−カルバモイルオキシから選ばれる置換基を1な
いし5個それぞれ有していてもよいC6-14アリール、C
7-16アラルキル、5ないし7員飽和環状アミノまたは5
ないし6員芳香族複素環基および(xvi-3)C6-10アリ
ール−カルボニルから選ばれる置換基を1または2個有
していてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、(xvii)
スルホおよび(xviii)(1')ハロゲン、(2')C1-3
ルキレンジオキシ、(3')ニトロ、(4')シアノ、
(5')ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、
(6')ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキ
ル、(7')ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキ
シ、(8')ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル
チオ、(9')ヒドロキシ、(10')アミノ、(11')モノ
−C1-6アルキルアミノ、(12')ジ−C1-6アルキルア
ミノ、(13')(13'-1)C1-6アルキル、(13'-2)ハロ
ゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シア
ノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロ
ゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲ
ン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化さ
れていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミ
ノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルア
ミノ、C6-10アリール、カルボキシ、ホルミル、C1-6
アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニ
ル、C6-10アリール−カルボニル、カルバモイル、モノ
−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−
カルバモイル、C1-6アルキルスルホニル、ホルミルア
ミノ、C1-6アルキル−カルボキサミド、C1-6アルコキ
シ−カルボキサミド、C1-6アルキルスルホニルアミ
ノ、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C1-6アルコキ
シ−カルボニルオキシ、モノ−C1-6アルキル−カルバ
モイルオキシおよびジ−C1-6アルキル−カルバモイル
オキシから選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有し
ていてもよいC6-14アリール、C7-16アラルキル、5な
いし7員飽和環状アミノまたは5ないし6員芳香族複素
環基および(13'-3)C6-10アリール−カルボニルから
選ばれる置換基を1または2個有していてもよい5ない
し7員飽和環状アミノ、(14')ホルミル、カルボキ
シ、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カ
ルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリー
ルオキシ−カルボニル、C7-16アラルキルオキシ−カル
ボニル、5ないし6員複素環カルボニル、カルバモイ
ル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6
ルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイ
ル、5ないし6員複素環カルバモイル、C1-6アルキル
スルホニルおよびC6-10アリールスルホニルから選ばれ
るアシル、(15')ホルミルアミノ、C1-6アルキル−カ
ルボキサミド、C6-10アリール−カルボキサミド、C
1-6アルコキシ−カルボキサミドおよびC1-6アルキルス
ルホニルアミノから選ばれるアシルアミノ、(16')C
1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カ
ルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオキ
シ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシ、ジ−
1-6アルキル−カルバモイルオキシ、C6-10アリール
−カルバモイルオキシおよびニコチノイルオキシから選
ばれるアシルオキシ、(17')スルホ、(18')C6-10
リール、(19')C6-10アリールオキシおよび(20')オ
キソから選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有して
いてもよいC6-14アリール、C6-10キノニルまたは炭素
原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ば
れる1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員芳
香族複素環基から選ばれる置換基を1ないし3個有して
いてもよいC6-14アリール(好ましくはフェニル)であ
る。
【0049】Yで示される「置換基を有していてもよい
アミノ」としては、(i)置換基として、例えば「置換
基を有していてもよい炭化水素基」、「置換基を有して
いてもよい5ないし10員芳香族複素環基」および「ア
シル」から選ばれる1または2種、1または2個を有し
ていてもよいアミノ、または(ii)置換基を有していて
もよい単環式あるいは縮合5ないし7員飽和環状アミノ
などが挙げられる。ここで、「置換基を有していてもよ
い炭化水素基」としては、前記「置換基を有していても
よいヒドロキシ」における「置換基」として例示したも
のが挙げられる。「置換基を有していてもよい5ないし
10員芳香族複素環基」としては、前記「置換基を有し
ていてもよい炭化水素基」における「置換基」として例
示したものが挙げられる。「アシル」としては、前記
「置換基を有していてもよい5ないし10員芳香族複素
環基」における「置換基」として例示したものが挙げら
れる。
【0050】「置換基を有していてもよい単環式あるい
は縮合5ないし7員飽和環状アミノ」における「単環式
5ないし7員飽和環状アミノ」としては、前記「置換基
を有していてもよい5ないし10員芳香族複素環基」に
おける「置換基」として例示した「置換基を有していて
もよい5ないし7員飽和環状アミノ」における「5ない
し7員飽和環状アミノ」が挙げられる。なかでも、ピペ
リジノ、ピペラジン−1−イルなどが好ましい。該「単
環式5ないし7員飽和環状アミノ」が有していてもよい
置換基としては、「置換基を有していてもよいC6-14
リール」、「置換基を有していてもよいC7-19アラルキ
ル」、「置換基を有していてもよい5ないし10員芳香
族複素環基」、「置換基を有していてもよいC6-14アリ
ール-カルボニル」などから選ばれる1ないし3個が挙
げられる。ここで、「置換基を有していてもよいC6-14
アリール」および「置換基を有していてもよいC7-19
ラルキル」としては、ぞれぞれ前記「置換基を有してい
てもよい5ないし10員芳香族複素環基」における「置
換基」として例示したものが挙げられる。「置換基を有
していてもよい5ないし10員芳香族複素環基」および
「置換基を有していてもよいC6-14アリール-カルボニ
ル」としては、それぞれ前記「置換基を有していてもよ
い炭化水素基」における「置換基」として例示したもの
が挙げられる。
【0051】「単環式5ないし7員飽和環状アミノ」が
有していてもよい置換基は、好ましくは「置換基を有し
ていてもよいC6-14アリール」である。該「置換基を有
していてもよいC6-14アリール」の置換基は、好ましく
はハロゲン原子、 C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、
シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、
ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハ
ロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシなどから選
ばれる1ないし3個である。
【0052】「置換基を有していてもよい単環式あるい
は縮合5ないし7員飽和環状アミノ」における「縮合5
ないし7員飽和環状アミノ」としては、例えば上記「単
環式5ないし7員飽和環状アミノ」にベンゼン環が縮合
した基が挙げられる。その具体例としては、1,2,3,4-テ
トラヒドロキノリン-1-イル;1,2,3,4-テトラヒドロイ
ソキノリン-2-イルあるいは1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3
-ベンズアゼピン-3-イルなどが挙げられる。該「縮合5
ないし7員飽和環状アミノ」が有していてもよい「置換
基」としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素など)、C1-3アルキレンジオキシ
(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシなど)、ニ
トロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アル
キル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキ
ル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシなど
の1ないし3個が挙げられる。ここで、「ハロゲン化さ
れていてもよいC1-6アルキル」としては、前記R8とし
て例示したものが挙げられる。「ハロゲン化されていて
もよいC3-6シクロアルキル」としては、前記「置換基
を有していてもよい5ないし10員芳香族複素環基」に
おける「置換基」として例示したものが挙げられる。
「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ」とし
ては、前記「置換基を有していてもよい炭化水素基」に
おける「置換基」として例示したものが挙げられる。
【0053】Yで示される「置換基を有していてもよい
アミノ」は、特に好ましくは、アミノ、モノ−C1-6
ルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノな
ど)、ジ−C1-6アルキルアミノ(例、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノなど)、5な
いし7員環状アミノ(例、モルホリノ、チオモルホリ
ノ、ピペラジン−1−イル、ピペリジノ、ピロリジン−
1−イル、ヘキサメチレンイミン−1−イルなど)、C
1-6アルキル−カルボキサミド(例、アセタミドな
ど)、C6-10アリール−カルボキサミド(例、フェニル
カルボキサミド、ナフチルカルボキサミドなど)、C
1-6アルコキシ−カルボキサミド(例、メトキシカルボ
キサミド、エトキシカルボキサミド、プロポキシカルボ
キサミド、ブトキシカルボキサミドなど)、N'−モノ
−C1-6アルキル−ウレイド(例、N'−メチルウレイ
ド、N'−エチルウレイドなど)、N',N'−ジ−C1-6
アルキル−ウレイド(例、N',N'−ジメチルウレイ
ド、N',N'−ジエチルウレイドなど)、N'−モノ−C
6-10アリール−ウレイド(例、N'−フェニルウレイ
ド、N'−ナフチルウレイドなど)などである。
【0054】Yで示される「置換基を有していてもよい
芳香族基」における「芳香族基」としては、例えば芳香
族炭化水素基、芳香族複素環基などが挙げられる。該
「芳香族炭化水素基」としては、例えば炭素数6ないし
14個の単環式または縮合多環式(2または3環式)芳
香族炭化水素(例、ベンゼン、ナフタレン、インデン、
アントラセンなど)、または炭素数6ないし14個のキ
ノン(例、p−ベンゾキノン、1,4−ナフトキノン、
インダン−4,7−ジオンなど)から任意の水素原子を
除いてできる1価基などが挙げられる。その具体例とし
て、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1
−インデニル、アンスリルなどのC6-14アリ−ル;例え
ばインダン−4,7−ジオン−1−イル、インダン−
4,7−ジオン−2−イル、p−ベンゾキノン−2−イ
ル、1,4−ナフトキノン−2−イルなどのC6-10キノ
ニルなどが挙げられる。このうちフェニル、1−ナフチ
ル、2−ナフチルなどのC6-10アリ−ル;インダン−
4,7−ジオン−2−イル、p−ベンゾキノン−2−イ
ルなどのC6-10キノニルが好ましい。
【0055】該「芳香族複素環基」としては、例えば炭
素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選
ばれるヘテロ原子を1個以上(例えば1〜4個)を含む
5ないし14員、好ましくは5ないし10員、さらに好
ましくは5または6員の芳香族複素環基などが挙げられ
る。具体的には、チオフェン、フラン、ピロール、イミ
ダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、
オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジ
ン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4-オキサジアゾー
ル、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、
1,3,4-チアジアゾール、フラザン、ベンゾチオフェン、
ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾー
ル、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト
[2,3-b]チオフェン、フェノキサチイン、インドール、
イソインドール、1H-インダゾール、プリン、4H-キノリ
ジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリ
ジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバ
ゾール、β-カルボリン、フェナントリジン、アクリジ
ン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、フ
タルイミド、ベンゾ[b]チオフェン、ベンゾ[b]フラ
ン、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンズ
オキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾー
ルなどの芳香族複素環、またはこれらの環(好ましくは
単環)が1ないし複数個(好ましくは1または2個)の芳
香環(例、ベンゼン環等)と縮合して形成された環から任
意の水素原子を除いてできる1価基などが挙げられる。
【0056】上記した芳香族炭化水素および芳香族複素
環などの芳香環は、2個以上が単結合で直結することに
より、芳香環集合体を形成していてもよい。該芳香環集
合体としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環およ
び5ないし10員(好ましくは5または6員)芳香族複素
環から選ばれる2または3個(好ましくは2個)が単結合
で直結した芳香環集合体などが挙げられる。該芳香環集
合体の好ましい例としては、ベンゼン、ナフタレン、ピ
リジン、ピリミジン、チオフェン、フラン、チアゾー
ル、イソチアゾール、オキサゾール、1,2,4-オキサジア
ゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,4-チアジアゾー
ル、1,3,4-チアジアゾール、キノリン、イソキノリン、
インドール、ベンゾチオフェン、ベンズオキサゾール、
ベンゾチアゾールおよびベンゾフランから選ばれる2ま
たは3個の芳香環からなる芳香環集合体などが挙げられ
る。該芳香環集合体から任意の水素原子1個を除いた基
である、「環集合芳香族基」としては、例えば、2-,3-
または4-ビフェニリル、3-(1-ナフチル)-1,2,4-オキサ
ジアゾール-5-イル、3-(2-ナフチル)-1,2,4-オキサジア
ゾール-5-イル、3-(2-ベンゾフラニル)-1,2,4-オキサジ
アゾール-5-イル、3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール
-5-イル、3-(2-ベンズオキサゾリル)-1,2,4-オキサジア
ゾール-5-イル、3-(3-インドリル)-1,2,4-オキサジアゾ
ール-5-イル、3-(2-インドリル)-1,2,4-オキサジアゾー
ル-5-イル、4-フェニルチアゾール-2-イル、4-(2-ベン
ゾフラニル)チアゾール-2-イル、4-フェニル-1,3-オキ
サゾール-5-イル、5-フェニル-イソチアゾール-4-イ
ル、5-フェニルオキサゾール-2-イル、4-(2-チエニル)
フェニル、4-(3-チエニル)フェニル、3-(3-ピリジル)フ
ェニル、4-(3-ピリジル)フェニル、6-フェニル-3-ピリ
ジル、5-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、4-
(2-ナフチル)フェニル、4-(2-ベンゾフラニル)フェニ
ル、4,4'-テルフェニルなどが挙げられる。
【0057】「芳香族複素環基」の好ましい例として
は、1個のベンゼン環と縮合していてもよい5または6
員芳香族複素環基などが挙げられる。具体例としては、
2−,3−または4−ピリジル、2−,3−,4−,5
−または8−キノリル、1−,3−,4−または5−イ
ソキノリル、1−,2−または3−インドリル、2−ベ
ンゾチアゾリル、2−ベンゾチエニル、ベンゾフラニ
ル、2−または3−チエニル、フタルイミドなどが挙げ
られる。
【0058】Yで示される「置換基を有していてもよい
芳香族基」における「芳香族基」は、好ましくは、フェ
ニルなどの単環式芳香族炭化水素基;2-または3-チエニ
ル、2-,3-または4-ピリジル、2-または3-フリル、2-,4-
または5-チアゾリル、2-,4-または5-オキサゾリル、1-3
-または4-ピラゾリル、2-ピラジニル、2-、4-または5-
ピリミジニル、1-,2-または3-ピロリル、1-,2-または4-
イミダゾリル、3-または4-ピリダジニル、3-イソチアゾ
リル、3-イソオキサゾリル、1,2,4-オキサジアゾール-5
-イル、1,2,4-オキサジアゾール-5-イルなどの単環式芳
香族複素環基;1-ナフチル、2-ナフチルなどの縮合多環
式芳香族炭化水素基;2-,3-,4-,5-または8-キノリル、1
-,3-,4-,5-,6-,7-または8-イソキノリル、1-,2-,3-,4-,
5-,6-または7-インドリル、1-,2-,4-または5-イソイン
ドリル、1-,5-まは6-フタラジニル、2-,3-または5-キノ
キサリニル、2-,3-,4-,5-または6-ベンゾフラニル、2-,
4-,5-または6-ベンゾチアゾリル、1-,2-,4-,5-または6-
ベンズイミダゾリルなどの縮合多環式芳香族複素環基;
2-,3-または4-ビフェニリル、3-(1-ナフチル)-1,2,4-オ
キサジアゾール-5-イル、3-(2-ナフチル)-1,2,4-オキサ
ジアゾール-5-イル、3-(2-ベンゾフラニル)-1,2,4-オキ
サジアゾール-5-イル、3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾ
ール-5-イル、3-(2-ベンズオキサゾリル)-1,2,4-オキサ
ジアゾール-5-イル、3-(3-インドリル)-1,2,4-オキサジ
アゾール-5-イル、3-(2-インドリル)-1,2,4-オキサジア
ゾール-5-イル、4-フェニルチアゾール-2-イル、4-(2-
ベンゾフラニル)チアゾール-2-イル、4-フェニル-1,3-
オキサゾール-5-イル、5-フェニル-イソチアゾール-4-
イル、5-フェニルオキサゾール-2-イル、4-(2-チエニ
ル)フェニル、4-(3-チエニル)フェニル、3-(3-ピリジ
ル)フェニル、4-(3-ピリジル)フェニル、6-フェニル-3-
ピリジル、5-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イ
ル、4-(2-ナフチル)フェニル、4-(2-ベンゾフラニル)フ
ェニル、4,4'-テルフェニルなどの環集合芳香族基など
である。
【0059】「置換基を有していてもよい芳香族基」に
おける「置換基」としては、前記「置換基を有していて
もよい5ないし10員芳香族複素環基」における「置換
基」として例示したものが挙げられる。該「芳香族基」
は、上記「置換基」を、置換可能な位置に1ないし5
個、好ましくは1ないし3個有していてもよく、置換基
数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっ
ていてもよい。
【0060】Yは、好ましくはY'、すなわち、「置換
基を有していてもよい芳香族基」または「置換基を有し
ていてもよい単環式もしくは縮合5ないし7員飽和環状
アミノ」である。また、Y'は、好ましくは「置換基を
有していてもよい芳香族基」である。
【0061】化合物(I)において、「式−X−Y(式
中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基」は、
A環の置換可能な位置に置換される。A環で示される
「式−X−Y(式中、各記号は前記と同意義を示す)で
表される基の他に置換基を有していてもよい5ないし8
員環」における「5ないし8員環」としては、隣接する
環と縮合している部分以外に二重結合を1個含んでいて
もよく、炭素原子以外に酸素原子、窒素原子および硫黄
原子から選ばれる1ないし3個のヘテロ原子を含んでい
てもよい5ないし8員同素または複素環が挙げられる。
具体例としては、式
【化12】 で表される環が挙げられる。
【0062】このうち好ましくは、炭素原子以外に、1
個の窒素原子を含んでいてもよい5ないし7員同素また
は複素環である。さらに好ましくは、式
【化13】 で表される環である。特に好ましくは、式
【化14】 で表される環である。
【0063】A環で示される「式−X−Y(式中、各記
号は前記と同意義を示す)で表される基の他に置換基を
有していてもよい5ないし8員環」における「置換基」
としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素など)、アシル、置換基を有していてもよい
ヒドロキシ、置換基を有していてもよいアミノ、置換基
を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していても
よい複素環基、オキソ等が挙げられる。ここで、「アシ
ル」としては、前記Yに関し、「置換基を有していても
よい5ないし10員芳香族複素環基」における「置換
基」として例示したものが挙げられる。「置換基を有し
ていてもよいヒドロキシ」および「置換基を有していて
もよいアミノ」としては、それぞれ前記Yとして例示し
たものが挙げられる。また、「置換基を有していてもよ
い炭化水素基」としては、前記Yで示される「置換基を
有していてもよいヒドロキシ」の「置換基」として例示
したものが挙げられる。「置換基を有していてもよい複
素環基」としては、前記R3またはR3aとして例示した
ものが挙げられる。
【0064】A環で示される「式−X−Y(式中、各記
号は前記と同意義を示す)で表される基の他に置換基を
有していてもよい5ないし8員環」における置換基は、
好ましくは、ハロゲン原子、カルボキシ、C1-6アルコ
キシ−カルボニル、カルバモイル、モノ−C1-6アルキ
ルアミノ−カルボニル、ジ−C1-6アルキルアミノ−カ
ルボニル、オキソ、置換基を有していてもよい炭化水素
基(例、ヒドロキシを有していてもよいC1-6アルキル
など)などである。該置換基は、A環の置換可能な位置
に1ないし3個置換されていてもよく、置換基数が2個
以上の場合、各置換基およびその置換位置は同一であっ
ても異なっていてもよい。また、該置換基は、式−X−
Y(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基
と同じ位置に置換されていてもよい。A環は好ましく
は、式
【化15】 (式中、各記号は前記と同意義を示す)で表わされる環
である。
【0065】化合物(I')において、「式−X'−Y'
(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基」
は、A'環の置換可能な位置に置換される。A'環で示さ
れる「式−X'−Y'(式中、各記号は前記と同意義を示
す)で表される基の他に置換基を有していてもよい5な
いし8員非芳香環」における「5ないし8員非芳香環」
としては、例えば前記A環で述べた「5ないし8員環」
のうち、非芳香環であるものが挙げられる。A'環は、
好ましくは、式
【化16】 で表される環である。さらに好ましくは、式
【化17】 で表される環である。
【0066】A'環で示される「式−X'−Y'(式中、
各記号は前記と同意義を示す)で表される基の他に置換
基を有していてもよい5ないし8員非芳香環」における
「置換基」としては、例えば前記A環で述べた「置換
基」と同様のものが挙げられる。該置換基として、好ま
しくは、オキソ、ハロゲン原子、ハロゲン化されていて
もよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC
1-6アルコキシ、置換基を有していてもよいC6-14アリ
ールなどが挙げられる。該置換基は、A'環の置換可能
な位置に1ないし3個置換されていてもよく、置換基数
が2個以上の場合、各置換基およびその置換位置は同一
であっても異なっていてもよい。また、該置換基は、式
−X'−Y'(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表
される基と同じ位置に置換されていてもよい。A'環は
好ましくは、式
【化18】 (式中、各記号は前記と同意義を示す)で表わされる環
である。
【0067】G1およびG2で示される「生体内で切断可
能な水酸基の保護基」としては、水酸基の保護基のう
ち、生体内で切断可能なものであればよく、例えば「ア
シル基」、「置換基を有するC1-6アルキル」などが挙
げられる。「生体内で切断可能な水酸基の保護基」とし
ての「アシル基」としては、例えばホルミル、カルバモ
イル、カルボキシ-C1-5アルキル-カルボニル(例、5-カ
ルボキシペンタノイル、4-カルボキシブタノイル、3-カ
ルボキシプロパノイル、2-カルボキシアセチルなど)、
置換基を有していてもよいC6-14アリール-カルボニル
(例、ベンゾイル、2-,3-または4-カルボキシベンゾイ
ル、2-,3-または4-アミノベンゾイル、2-,3-または4-N,
N-ジメチルアミノベンゾイルなど)、置換基を有してい
てもよいC6-14アリールオキシ-カルボニル、置換基を
有していてもよいC7-19アラルキルオキシ-カルボニ
ル、置換基を有していてもよい5または6員複素環カル
ボニル、あるいは式
【化19】 [式中の各記号は前記と同意義を示す]で表されるアシ
ル基などが挙げられる。ここで、「置換基を有していて
もよいC6-14アリール-カルボニル」、「置換基を有し
ていてもよいC6-14アリールオキシ-カルボニル」、
「置換基を有していてもよいC7-19アラルキルオキシ-
カルボニル」および「置換基を有していてもよい5また
は6員複素環カルボニル」としては、前記Yに関し、
「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「置
換基」として例示したものが挙げられる。
【0068】Qは、特に好ましくは−CO−である。Z
で示される「置換基を有していてもよい主鎖の原子数が
1ないし6のスペーサー」における「主鎖の原子数が1
ないし6のスペーサー」としては、例えばC1-6アルキ
レン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン、-CH2-Z
1-CH2-、-(CH2)2-Z1-CH2-、-(CH2)3-Z1-CH2-、-CH2-Z1-
(CH2)2-または-CH2-Z1-(CH2)3-〔式中、Z1は、−O
−、−S−、−CO−、−SO−または−SO2−を示
す〕で表される2価基などが挙げられる。Zは、好まし
くはC1-6アルキレン、さらに好ましくはメチレンであ
る。Zで示される「置換基を有していてもよい主鎖の原
子数が1ないし6のスペーサー」における「置換基」と
しては、前記Yに関し、「置換基を有していてもよい炭
化水素基」における「置換基」として例示したものなど
が挙げられる。該置換基としては、天然型アミノ酸側鎖
などが挙げられる。具体的には、C1-6アルキル、カル
ボキシ、カルボキシメチル、ヒドロキシ-C1-6-アルキ
ル(例、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル)、アミノ
-C1-6-アルキル(例、アミノブチル)、置換基を有して
いてもよいC6-14アリールなどが挙げられる。
【0069】R10とR11が隣接する窒素原子とともに形
成する「置換基を有していてもよい含窒素複素環」とし
ては、例えば「置換基を有していてもよい5ないし7員
飽和環状アミノ」が挙げられる。該「置換基を有してい
てもよい5ないし7員飽和環状アミノ」としては、前記
Yに関し、「置換基を有していてもよい5ないし10員
芳香族複素環基」における「置換基」として例示したも
のが挙げられる。R10およびR11は、好ましくはC1-6
アルキル、さらに好ましくはC1-3アルキルである。
【0070】「生体内で切断可能な水酸基の保護基」と
しての「置換基を有するC1-6アルキル」としては、フ
ェノール性水酸基が結合する炭素原子にさらに酸素原子
あるいは窒素原子が結合したC1-6アルキル(好ましく
はメチル)が挙げられる。具体例としては、C1-6アル
コキシメチル、C1-6アルキルカルボニルオキシメチ
ル、モルホリノメチル、ピペリジノメチル、ピロリジン
-1-イルメチルなどが挙げられる。G1およびG2は、特
に好ましくは、N,N-ジメチルグリシン、ザルコシン、グ
リシン、アラニン、N,N-ジメチルアラニン、N,N-ジメチ
ル-β-アラニンなどのアミノ酸由来のアシル;ニコチン
酸、安息香酸、酢酸などのカルボン酸由来のアシル;カ
ルボキシ-C1-5アルキル−カルボニルなどである。
【0071】G1およびG2で示される「生体内で切断可
能な水酸基の保護基」は、好ましくは「アシル基」であ
る。化合物(I')において、G1aおよびG2aで示され
る「アシル基」としては、G1およびG2で示される「生
体内で切断可能な水酸基の保護基」として例示した「ア
シル基」と同様のものが挙げられる。
【0072】化合物(I)は、さらに好ましくは、化合
物(I')である。化合物(I)または化合物(I')の
塩としては、例えば金属塩、アンモニウム塩、有機塩基
との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸
性アミノ酸との塩などが挙げられる。金属塩の好適な例
としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアル
カリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム
塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩などが挙
げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えば
トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコ
リン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'−ジ
ベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。無
機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素
酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機
酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、トリ
フルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイ
ン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸など
との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例
としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチンなど
との塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例とし
ては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩
が挙げられる。
【0073】このうち、薬学的に許容し得る塩が好まし
い。例えば、化合物(I)または化合物(I')は、酸
性官能基を有する場合、アルカリ金属塩(例、ナトリウ
ム塩,カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(例、カ
ルシウム塩,マグネシウム塩,バリウム塩など)、アン
モニウム塩などを形成していてもよい。また、化合物
(I)または化合物(I')は、塩基性官能基を有する
場合、(例、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩
など)、有機塩(例、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸
塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンス
ルホン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩など)を形成してい
てもよい。
【0074】以下に、化合物(I)および(I')の製
造法について以下に述べる。なお、化合物(I)および
(I')は、自体公知の手段、例えばWO98/337
58に記載の方法あるいはこれに準ずる方法によって製
造することができる。具体的には、化合物(I)および
(I')は、例えば以下のスキームに示される方法など
によって製造できる。以下のスキーム中に示す化合物は
塩を形成している場合も含み、該塩としては、例えば化
合物(I)および(I')の塩と同様のものなどが挙げ
られる。
【0075】スキーム1
【化20】 1)化合物(II)を還元反応に付すことにより、G1
よびG2が水素である化合物(I)を製造することがで
きる。なお、化合物(II)は、例えばWO98/337
58などに記載された公知化合物であり、WO98/3
3758などに記載の方法あるいはそれに準ずる方法に
したがって製造することができる。
【0076】還元反応としては、例えば接触還元法、金
属水素化物による還元法、亜硫酸あるいは亜二チオン酸
のアルカリ金属塩(例、ナトリウム塩、カリウム塩)によ
る還元法などが挙げられる。接触還元法は、触媒量のラ
ネーニッケル、酸化白金、金属パラジウム、パラジウム
ー炭素などの金属触媒の存在下、不活性溶媒中(例、ア
ルコール系溶媒)、室温ないし100℃で、水素圧が1気圧
から100気圧で、1ないし48時間反応させることによって
行われる。
【0077】金属水素化物による還元法は、原料化合物
を金属水素化物(例、水素化アルミニウムリチウム、水
素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、シアノ
水素化ホウ素ナトリウム、ジボラン、ジブチルアルミニ
ウムヒドリドなど)、金属(例、亜鉛、鉄、ナトリウム、
カリウムなど)などの還元剤と、不活性溶媒中で反応さ
せることによって行われる。還元剤は、好ましくは金属
水素化物であり、さらに好ましくは、水素化アルミニウ
ムリチウムなどである。該還元剤の使用量は、例えば1
ないし20当量、好ましくは2ないし6当量である。不活性
溶媒としては、エーテル系溶媒(好ましくは、エチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)やアル
コール系溶媒(好ましくは、メタノール、エタノール、t
ert-ブタノールなど)、芳香族系溶媒(好ましくは、ト
ルエンなど)、炭化水素系溶媒(好ましくは、ヘキサン
など)などが挙げられる。反応温度は、例えば-70℃か
ら100℃である。反応温度は、用いる還元剤によって異
なるが、例えば還元剤として水素化アルミニウムリチウ
ムを用いる場合、0℃から50℃が好ましい。
【0078】亜硫酸あるいは亜二チオン酸のアルカリ金
属塩(例、ナトリウム塩、カリウム塩)による還元法は、
例えば不活性溶媒中(例、エーテル系溶媒、エステル系
溶媒など)、原料化合物と当量ないし過剰量(20当量)の
亜二チオン酸ナトリウム水溶液とを、室温で、キノン特
有の色(例えば、黄色)が消えるまで撹拌あるいは振とう
することによって行われる。
【0079】2)上記1)で得られた、「G1およびG2
が水素である化合物(I)」に、フェノール性水酸基の
保護基を導入することにより、「G1およびG2がフェノ
ール性水酸基の保護基である化合物(I)」を製造する
ことができる。ここで、「フェノール性水酸基の保護
基」は、例えばアシル化反応によって導入される。該ア
シル化反応は、公知の方法あるいはそれに準ずる方法に
より行えばよく、通常はアシル化反応によって、原料化
合物であるヒドロキノン1分子に2当量の有機酸由来の
アシルが導入される。アシル化反応は、例えば、フェノ
ール性水酸基の保護基に対応する有機酸の反応性誘導体
と、「G1およびG2が水素である化合物(I)」とを、
不活性溶媒中で反応させることによって行われる。ここ
で、反応性誘導体としては、例えば酸無水物、酸ハライ
ド(例、酸クロリド、酸ブロミド)、活性エステルなどが
挙げられ、なかでも酸ハライドが好ましい。有機酸の反
応性誘導体の使用量は、例えば2ないし5当量、好ましく
は1ないし3当量である。不活性溶媒としては、例えばエ
ーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、芳香族系溶
媒、ニトリル系溶媒(好ましくはアセトニトリル)、ア
ミド系溶媒(好ましくはジメチルホルムアミド)、ケト
ン系溶媒(好ましくはアセトン、メチルエチルケト
ン)、スルホキシド系溶媒(好ましくはジメチルスルホ
キシド)、水などが挙げられる。これらの溶媒は、二種
以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。不活性溶媒
は、好ましくは、アセトニトリル、ジクロロメタン、ク
ロロホルムなどである。反応温度は、例えば-20℃ない
し50℃、好ましくは0℃ないし室温である。反応時間
は、例えば5分間ないし100時間である。
【0080】上記アシル化反応において、塩基を添加す
ることにより、反応がより円滑に進行する場合もある。
塩基の使用量は、通常は1ないし10当量、好ましくは1な
いし3当量である。また、塩基としては、例えば a)例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水
素化物(例、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素
化カリウム、水素化カルシウムなど)、アルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属のアミド類(例、リチウムアミ
ド、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミ
ド、リチウムジシクロヘキシルアミド、リチウムヘキサ
メチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジ
ド、カリウムヘキサメチルジシラジドなど)、アルカリ
金属またはアルカリ土類金属の低級アルコキシド(例、
ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウ
ム tert-ブトキシドなど)などの強塩基; b)例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水
酸化物(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化リチウム、水酸化バリウムなど)、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属の炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸セシウムなど)、アルカリ金属または
アルカリ土類金属の炭酸水素塩(例、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウムなど)などの無機塩基;および c)例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミン、N-メチルモルホリン、ジメチルアミノピリジ
ン、DBU(1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデス-7-エ
ン)、DBN(1,5-ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノン-5-エン)な
どのアミン類;例えば、ピリジン、イミダゾール、2,6-
ルチジンなどの塩基性複素環化合物などの有機塩基など
が挙げられる。なかでも、塩基としては、炭酸カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、N-メチル
モルホリン、ピリジンなどが好ましい。
【0081】また、カルボン酸と、「G1およびG2が水
素である化合物(I)」とを、脱水縮合剤の存在下に、
不活性溶媒中で反応させることによっても、「G1およ
びG2がフェノール性水酸基の保護基である化合物
(I)」を製造することができる。カルボン酸の使用量
は、例えば2ないし5当量である。本反応は、通常室温下
に行われ、反応時間は、例えば10時間〜24時間である。
「脱水縮合剤」としては、例えば、ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド(DCC)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプ
ロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC)などが挙げられる。
なかでも、WSCが好ましい。脱水縮合剤の使用量は、例
えばカルボン酸に対し、1当量〜2当量である。不活性溶
媒としては、例えば、ニトリル系溶媒(好ましくはアセ
トニトリル)、アミド系溶媒(好ましくはDMF)、ハロゲン
化炭化水素系溶媒(好ましくはジクロロメタン)、エーテ
ル系溶媒(好ましくはTHF)などが挙げられる。これらの
溶媒は、二種以上を適宜の割合で混合して用いてもよ
い。本反応において、必要に応じ、「脱水縮合剤」に対
して1当量〜1.5当量の1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
(HOBt)および(または)1当量〜5当量の塩基(例、トリエ
チルアミンなど)を添加してもよい。前記アシル化反応
において、触媒量ないし1当量の還元剤(例、亜硫酸ある
いは亜二チオン酸のアルカリ金属塩(例、ナトリウム
塩、カリウム塩))を添加することにより、反応が円滑に
進行し、収率の向上が見られる場合もある。
【0082】前記「アルコール系溶媒」としては、例え
ば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert
-ブタノールなどが挙げられる。前記「エーテル系溶
媒」としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン(THF)、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタ
ンなどが挙げられる。前記「ハロゲン化炭化水素系溶
媒」としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホル
ム、1,2-ジクロロエタン、四塩化炭素などが挙げられ
る。前記「芳香族系溶媒」としては、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ピリジンなどが挙げられる。
前記「炭化水素系溶媒」としては、例えば、ヘキサン、
ペンタン、シクロヘキサンなどが挙げられる。前記「ア
ミド系溶媒」としては、例えば、N,N-ジメチルホルムア
ミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロ
リドンなどが挙げられる。前記「ケトン系溶媒」として
は、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げ
られる。前記「スルホキシド系溶媒」としては、例え
ば、ジメチルスルホキシド(DMSO)などが挙げられる。前
記「ニトリル系溶媒」としては、例えば、アセトニトリ
ル、プロピオニトリルなどが挙げられる。前記「エステ
ル系溶媒」としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル
などが挙げられる。
【0083】前記の各反応において、原料化合物が置換
基としてアミノ、カルボキシ、ヒドロキシ、カルボニル
を有する場合、これらの基にペプチド化学などで一般的
に用いられるような保護基が導入されていてもよい。ま
た、反応後に必要に応じて保護基を除去することにより
目的化合物を得ることができる。アミノの保護基として
は、例えば、ホルミル、C1-6アルキル-カルボニル
(例、アセチル、プロピオニルなど)、C1-6アルコキシ-
カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボ
ニル、tert-ブトキシカルボニルなど)、ベンゾイル、C
7-19アラルキル-カルボニル(例、ベンジルカルボニルな
ど)、C7-19アラルキルオキシ-カルボニル(例、ベンジ
ルオキシカルボニル、9-フルオレニルメトキシカルボニ
ルなど)、トリチル、フタロイル、N,N-ジメチルアミノ
メチレン、シリル(例、トリメチルシリル、トリエチル
シリル、ジメチルフェニルシリル、tert-ブチルジメチ
ルシリル、tert-ブチルジエチルシリルなど)、C2-6
ルケニル(例、1-アリルなど)などが挙げられる。これら
の基は、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素など)、C1-6アルコキシ(例、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシなど)またはニトロなどで置
換されていてもよい。カルボキシの保護基としては、例
えば、C1-6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、tert-ブチルなど)、C7-19アラ
ルキル(例、ベンジルなど)、フェニル、トリチル、シリ
ル(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチ
ルフェニルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-
ブチルジエチルシリルなど)、C2-6アルケニル(例、1-
アリルなど)などが挙げられる。これらの基は、1ないし
3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素な
ど)、C1-6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロ
ポキシなど)またはニトロなどで置換されていてもよい。
【0084】ヒドロキシの保護基としては、例えば、C
1-6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、tert-ブチルなど)、フェニル、トリチ
ル、C7-19アラルキル(例、ベンジルなど)、ホルミル、
1-6アルキル-カルボニル(例、アセチル、プロピオニ
ルなど)、ベンゾイル、C7-19アラルキル-カルボニル
(例、ベンジルカルボニルなど)、2-テトラヒドロピラニ
ル、2-テトラヒドロフラニル、シリル(例、トリメチル
シリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、
tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジエチルシリ
ルなど)、C2-6アルケニル(例、1-アリルなど)などが挙
げられる。これらの基は、1ないし3個のハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1-6アルキ
ル(例、メチル、エチル、n-プロピルなど)、C1-6アル
コキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシなど)また
はニトロなどで置換されていてもよい。カルボニルの保
護基としては、例えば、環状アセタール(例、1,3-ジオ
キサンなど)、非環状アセタール(例、ジ-C1-6アルキル
アセタールなど)などが挙げられる。
【0085】前記した保護基の除去方法は、自体公知の
方法、例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オ
ーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organi
c Synthesis), John Wiley and Sons 刊(1980)に記載の
方法などに準じて行えばよい。具体的には、例えば、
酸、塩基、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、
N-メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチル
アンモニウムフルオリド、酢酸パラジウム、トリアルキ
ルシリルハライド(例、トリメチルシリルヨージド、ト
リメチルシリルブロミドなど)などを使用する方法、還
元法などが用いられる。
【0086】化合物(I)および(I')は、公知の手
段、例えば、溶媒抽出、液性変換、転溶、晶出、再結
晶、クロマトグラフィーなどによって単離精製すること
ができる。また、化合物(I)および(I')の原料化合
物またはその塩は、前記と同様の公知の手段などによっ
て単離精製することができるが、単離することなくその
まま反応混合物として次の工程の原料として供されても
よい。また、化合物(I)および(I')は、水和物ま
たは非水和物のいずれであってもよい。さらに、化合物
(I)および(I')は、同位元素(例、3H、14C、35
S等)で標識されていてもよい。
【0087】化合物(I)および(I')が、光学異性
体、立体異性体、位置異性体、回転異性体を含有する場
合には、これらも化合物(I)および(I')として含
有されるとともに、自体公知の合成手法、分離手法によ
りそれぞれを単品として得ることができる。例えば、化
合物(I)および(I')に光学異性体が存在する場合
には、該化合物から分割された光学異性体も化合物
(I)および(I')に包含される。 光学異性体は自体公知の方法により製造することができ
る。具体的には、光学活性な合成中間体を用いる、また
は、最終物のラセミ体の混合物を常法に従って光学分割
することにより光学異性体を得る。光学分割法として
は、自体公知の方法、例えば、分別再結晶法、キラルカ
ラム法、ジアステレオマー法等が用いられる。 1)分別再結晶法 ラセミ体と光学活性な化合物(例えば、(+)-マンデル
酸、(-)-マンデル酸、(+)-酒石酸、(-)-酒石酸、(+)-1-
フェネチルアミン、(-)-1-フェネチルアミン、シンコニ
ン、(-)-シンコニジン、ブルシンなど)と塩を形成さ
せ、これを分別再結晶法によって分離し、所望により、
中和工程を経てフリーの光学異性体を得る方法。 2)キラルカラム法 ラセミ体またはその塩を光学異性体分離用カラム(キラ
ルカラム)にかけて分離する方法。例えば、液体クロマト
グラフィの場合、ENANTIO-OVM(トーソー社製)あるい
は、ダイセル社製 CHIRALシリーズなどのキラルカラム
に光学異性体の混合物を添加し、水、種々の緩衝液
(例、リン酸緩衝液)、有機溶媒(例、エタノール、メタ
ノール、イソプロパノール、アセトニトリル、トリフル
オロ酢酸、ジエチルアミンなど)を単独あるいは混合し
た溶液として展開させることにより、光学異性体を分離
する。また、例えば、ガスクロマトグラフィーの場合、
CP-Chirasil-DeX CB(ジーエルサイエンス社製)などのキ
ラルカラムを使用して分離する。
【0088】3)ジアステレオマー法 ラセミ体の混合物を光学活性な試薬と化学反応によって
ジアステレオマーの混合物とし、これを通常の分離手段
(例えば、分別再結晶、クロマトグラフィー法等)などを
経て単一物質とした後、加水分解反応などの化学的な処
理により光学活性な試薬部位を切り離すことにより光学
異性体を得る方法。例えば、化合物(I)および(I')
が分子内にヒドロキシまたは1,2級アミノを有する場
合、該化合物と光学活性な有機酸(例えば、MPTA〔α-メ
トキシ-α-(トリフルオロメチル)フェニル酢酸〕、(-)-
メントキシ酢酸等)などとを縮合反応に付すことによ
り、それぞれエステル体またはアミド体のジアステレオ
マーが得られる。一方、化合物(I)および(I')が
カルボン酸基を有する場合、該化合物と光学活性アミン
またはアルコール試薬とを縮合反応に付すことにより、
それぞれアミド体またはエステル体のジアステレオマー
が得られる。分離されたジアステレオマーは、酸加水分
解あるいは塩基性加水分解反応に付すことにより、元の
化合物の光学異性体に変換される。
【0089】化合物(I)および(I')は、優れたミ
トコンドリア機能賦活作用、抗酸化作用等を有するた
め、ミトコンドリアの機能低下またはミトコンドリア電
子伝達異常により起こる症状、例えば、筋力低下、網膜
色素変性、視力障害、失調、痙攣、運動障害、脳梗塞様
エピソード、難聴、末梢神経障害などを抑制することが
できる。また、化合物(I)および(I')の毒性は低
く、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イ
ヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サルなど)に対し、経口
的または非経口的に安全に用いられる。したがって、化
合物(I)および(I')は、低用量でも有効な、ヒト
などの哺乳動物のミトコンドリアの機能低下および(ま
たは)ミトコンドリア電子伝達異常に起因する疾患の予
防・治療薬として有用である。
【0090】該疾患としては、例えば、神経変性疾患
(例、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側
索硬化症、ハンチントン病など)、その他の中枢神経系
疾患(例、脳血管性痴呆、精神分裂病、うつ病など)、ミ
トコンドリア病(例、慢性進行性外眼筋麻痺症候群、ケ
アンズ-セイヤー(Kearns-Sayre)症候群、MERRF(myoclon
usepilepsy with ragged-red fibers)、MELAS(mitochon
drial myopathy, encephalopathy lactic acidosis and
stroke-like episodes)、レイ(Leigh)脳症、アルパー
ズ(Alpers)病、レーバー(Leber)病、ペアソン(Pearson)
病など)、循環器系疾患(例、拡張型心筋症等の心筋症、
動脈硬化症、心筋梗塞、末梢動脈閉塞症、狭心症、うつ
血性心不全、高血圧、心源性ショック、急性・慢性腎不
全など)、インシュリン非依存型糖尿病等、視力障害、
老人性難聴、肝障害、癌などが挙げられる。〔参考文
献:プロシーディング オブ ナショナル アカデミー オ
ブ サイエンシス(Proceeding of National Academy of
Sciences)USA,91巻,8731-8738頁(1994)など〕
【0091】化合物(I)および(I')は、優れた神
経成長因子分泌促進作用、βアミロイド起因神経細胞死
抑制作用等も有しているため、ヒトなどの哺乳動物の中
枢神経疾患(例、パーキンソン病、アルツハイマー病、
脳血管性痴呆など)の予防・治療剤としても有用であ
る。化合物(I)および(I')は、好ましくは、パー
キンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、
ハンチントン病などの神経変性疾患の予防・治療剤、さ
らに好ましくはアルツハイマー病予防・治療剤として用
いられる。また、化合物(I)および(I')は抗痴呆
薬と併用してもよい。
【0092】本発明のミトコンドリア機能賦活剤および
医薬組成物の投与量は、投与対象、投与ルート、疾患な
どにより異なるが、例えば、ミトコンドリア機能賦活剤
および医薬組成物を、アルツハイマー病の成人患者(体
重約60kg)に対し、経口投与する場合の1日あたりの投
与量は、有効成分(化合物(I)または(I'))とし
て、約0.1〜2000mg、好ましくは約15〜300mgであり、こ
の量を1日1〜数回に分けて投与することができる。
【0093】化合物(I)および(I')は、そのまま
あるいは薬理学的に許容される担体と自体公知の手段
[製剤技術分野において慣用の手段、例えば日本薬局方
(例えば第13改正)に記載の手段など]に従って製剤
化することにより、それぞれミトコンドリア機能賦活剤
および医薬組成物とすることができる。本発明のミトコ
ンドリア機能賦活剤および医薬組成物の剤形としては、
例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含
む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤、(ソフトカプセル、マ
イクロカプセルを含む)、液剤などの経口剤;注射剤
(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔
内注射剤など)、外用剤(例、経鼻投与製剤、経皮製
剤、軟膏剤など)、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤な
ど)、ペレット、点滴剤などの非経口剤などが挙げられ
る。本発明のミトコンドリア機能賦活剤中の化合物
(I)の含有量、および本発明の医薬組成物中の化合物
(I')の含有量は、それぞれミトコンドリア機能賦活
剤または医薬組成物全体の0.1〜100重量%である。
【0094】本発明のミトコンドリア機能賦活剤および
医薬組成物の製造の際に用いられる薬理学的に許容され
る担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるい
は無機担体物質が挙げられ、例えば、固形製剤における
賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶
剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化
剤などが挙げられる。また、必要に応じて、防腐剤、抗
酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤などの添加物
を用いることもできる。賦形剤としては、例えば、乳
糖、白糖、D-マンニトール、デンプン、コーンスター
チ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが挙げられ
る。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ
などが挙げられる。結合剤としては、例えば、結晶セル
ロース、白糖、D-マンニトール、デキストリン、ヒドロ
キシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、
ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤としては、例
えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロース
ナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、L-
ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
【0095】溶剤としては、例えば、注射用水、アルコ
ール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、
トウモロコシ油などが挙げられる。溶解補助剤として
は、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリ
コール、D-マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノー
ル、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノ
ールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなど
が挙げられる。
【0096】懸濁化剤としては、例えば、ステアリルト
リエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリ
ルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウ
ム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリ
ン、などの界面活性剤;例えば、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロー
スナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられ
る。等張化剤としては、例えば、ブドウ糖、D-ソルビト
ール、塩化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトールな
どが挙げられる。緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、
酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げら
れる。無痛化剤としては、例えば、ベンジルアルコール
などが挙げられる。防腐剤としては、例えば、パラオキ
シ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルア
ルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソル
ビン酸などが挙げられる。抗酸化剤としては、例えば、
亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げられる。
【0097】本発明の化合物(I')は、安定性、結晶
性などの物性においても優れる。また、化合物(I')
は、優れた体内動態(体内吸収性、脳内移行性など)を
示す。
【0098】
【発明の実施の形態】本発明は、さらに以下の参考例、
実施例、製剤例、実験例によって詳しく説明されるが、
これらの例は単なる実例であって、本発明を限定するも
のではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化
させてもよい。以下の参考例、実施例中の「室温」は、
0ないし30℃を示し、有機溶媒の乾燥には無水硫酸マグ
ネシウムまたは無水硫酸ナトリウムを用いた。「%」は
特記しない限り重量パーセントを意味する。その他の本
文中で用いられている略号は下記の意味を示す。 s : シングレット(singlet) d : ダブレット(doublet) dd :ダブルダブレット(double doublet) t : トリプレット(triplet) q : クァルテット(quartet) m : マルチプレット(multiplet) br : ブロード(broad) J : カップリング定数(coupling constant) Hz : ヘルツ(Hertz) CDCl3 : 重クロロホルム THF : テトラヒドロフラン DMF : N,N-ジメチルホルムアミド DMSO : ジメチルスルホキシド CAN : 硝酸セリウム(IV)アンモニウム NBS : N-ブロモこはく酸イミド AIBN : 2,2'-アゾビス(イソブチロニトリル) LDA : リチウムジイソプロピルアミド1 H-NMR: プロトン核磁気共鳴(通常フリー体でCDCl3
で測定した。)
【0099】
【実施例】参考例1 1-(4-メトキシフェニル)-4-メチルピペラジン 二塩酸塩
【化21】 1-(4-メトキシフェニル)ピペラジン(3.63 g)、37%ホル
ムアルデヒド液(15.3g)およびアセトニトリル(50 ml)の
混合物に、室温下95%シアノ水素化ほう素ナトリウム(6.
3 g)を加えた。反応液を30分間撹拌後、濃縮した。残さ
に、水を加え、食塩を飽和させた後、酢酸エチルで抽出
した。有機層を乾燥後濃縮した。残さをアルミナカラム
クロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン〜ヘキサン:
酢酸エチル=4:1(v/v))で精製後、塩酸塩とし、メ
タノール-ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標題
化合物(4.8 g)を得た。 融点:194-198 ℃.
【0100】参考例2 1-(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルピペラジン
【化22】 1-(4-メトキシフェニル)-4-メチルピペラジン 二塩酸塩
(4 g)を48%臭化水素酸(20 ml)に溶解し、6時間加熱還流
した。反応液に飽和重曹水を加え、液性をアルカリ性と
し、THFで抽出した。有機層を乾燥後、濃縮した。残さ
をエタノール-ジイソプロピルエーテルから再結晶し、
標題化合物(2.1 g)を得た。融点:185-190 ℃.
【0101】参考例3 4-(4-メトキシフェニル)-1-メチルピペリジン 塩酸塩
【化23】 4-(4-メトキシフェニル)ピペリジン(6.50 g)のアセトニ
トリル溶液(65 ml)に37%ホルムアルデヒド液(27.6 g)
を加えた後、氷冷下シアノ水素化ほう素ナトリウム(95
%、11.2 g)を加えた。反応液を室温まで昇温し、一時間
撹拌後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有
機層を水、飽和食塩水で洗浄し乾燥後、濃縮した。残さ
をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸
エチル)で精製後、塩酸塩とし、再結晶(エタノール-酢
酸エチル)を経て、標題化合物(3.60g)を得た。 融点:185-190℃.
【0102】参考例4 4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェノール
【化24】 48%臭化水素酸(20 ml)に4-(4-メトキシフェニル)-1-メ
チルピペリジン 塩酸塩(4.0 g)を加え、4時間加熱還流
した。反応液に、飽和重曹水を加え、アルカリ性とし、
THFで抽出した。有機層を乾燥後、濃縮した。残さをア
ルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;メタノー
ル)で精製し、標題化合物(1.75 g)を得た。 融点:170-173℃.
【0103】参考例5 4-(1-ベンジル-4-ピペリジル)フェノール
【化25】 48%臭化水素酸(30 ml)に4-(4-メトキシフェニル)-1-ベ
ンジルピペリジン 塩酸塩(5.0 g)を加え4時間加熱還流
した。反応液に、20%炭酸カリウム水溶液を加え、アル
カリ性とし、THFと酢酸エチルの混合液で抽出した。有
機層を飽和食塩水で洗浄し乾燥後、濃縮し、標題化合物
(4.00 g)を得た。 融点:139-145℃.
【0104】参考例6 2,3-ジメトキシ-7-[2-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)
フェノキシ]エチル]-4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1H-ベ
ンゾシクロヘプテン-1,4-ジオン
【化26】 7-(2-ヒドロキシエチル)-2,3-ジメトキシ-4,5,6,7,8,9-
ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ シクロヘプテン-1,4-ジオン
(2.0 g)、4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェノ-ル(1.
65 g)、トリフェニルホスフィン(2.24 g)およびTHF(60
ml)の混合物に、氷冷下、アゾジカルボン酸ジエチル(1.
61 g)のTHF溶液(5 ml)を滴下後、室温まで昇温し、30分
間撹拌した。反応液に、さらにトリフェニルホスフィン
(2.24 g)を加えた後、アゾジカルボン酸ジエチル(1.61
g)のTHF溶液(5 ml)を室温で滴下し、15分間撹拌後、反
応液を濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフ
ィー(展開溶媒;ヘキサン〜ヘキサン:酢酸エチル=2:
1)およびシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶
媒;酢酸エチル〜メタノール)で精製後、ヘキサン-酢酸
エチルから再結晶し、標題化合物(1.20 g)を得た。 融点: 80-86 ℃.
【0105】参考例7 1-メチル-4-[4-[2-(1,2,3,4-テトラメトキシ-6,7,8,9-
テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-7-イル)エトキ
シ]フェニル]ピペリジン 塩酸塩
【化27】 7-(2-ヨードエチル)-1,2,3,4-テトラメトキシ-6,7,8,9-
テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン(1.00 g)、4-(1
-メチル-4-ピペリジニル)フェノール(1.09 g)、炭酸カ
リウム(2.00 g)およびDMF(10 ml)の混合物を室温下、12
時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後乾燥し、濃縮し
た。粗生成物を塩酸塩とし、再結晶(エタノール-ジイソ
プロピルエーテル)により精製し、標題化合物(1.00 g)
を得た。 融点:176-184℃.1 H-NMR(CDCl3) δ:0.94-1.22(2H,m), 1.58-2.54(14H,
m), 2.32(3H,s), 2.98(2H,d), 3.14-3.36(2H,m), 3.76
(6H,s), 3.91(6H,s), 3.99(2H,t), 6.84(2H,d),7.14(2
H,d).
【0106】参考例8 1-ベンジル-4-[4-[2-(1,2,3,4-テトラメトキシ-6,7,8,9
-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-7-イル)エト
キシ]フェニル]ピペリジン
【化28】 7-(2-ヨードエチル)-1,2,3,4-テトラメトキシ-6,7,8,9-
テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン(1.00 g)、4-(1
-ベンジル-4-ピペリジル)フェノール(830 mg)、炭酸カ
リウム(660 mg)およびDMF(10 ml)の混合物を室温下、12
時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後乾燥し、濃縮し
た。残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶
媒;ヘキサン〜ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製
後、再結晶(ヘキサン-酢酸エチル)を経て、標題化合物
(1.04 g)を得た。 融点:99-101℃.
【0107】参考例9 7-[2-(3-イソキノリニルオキシ)エチル]-2,3-ジメトキ
シ-4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾシクロヘプテ
ン-1,4-ジオン
【化29】 3-[2-(1,2,3,4-テトラメトキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-
5H-ベンゾシクロヘプテン-7-イル)エトキシ]イソキノリ
ン(500 mg)、ピリジン-2,6-ジカルボン酸(572mg)、THF
(10 ml)および水(5 ml)の混合物に、CAN(2.50 g)の水溶
液(5 ml)を氷冷下滴下し、15分間撹拌した。反応液に水
を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食
塩水で洗浄後乾燥後、濃縮した。残さを、再結晶(ヘキ
サン-酢酸エチル)により精製し、標題化合物(300 mg)を
得た。 融点:124-127℃.
【0108】参考例10 7-[2-[[(6R)-6-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-5,6,7,8-
テトラヒドロ-2-ナフタレニル]オキシ]エチル]-2,3-ジ
メトキシ-4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾシクロ
ヘプテン-1,4-ジオン 塩酸塩
【化30】 7-(2-ヒドロキシエチル)-2,3-ジメトキシ-4,5,6,7,8,9-
ヘキサヒドロ-1H-ベンゾシクロヘプテン-1,4-ジオン(1.
11 g)、(6R)-6-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-5,6,7,8-
テトラヒドロ-2-ナフタレノール(1.30 g)、トリフェニ
ルホスフィン(1.35 g)のTHF溶液(10 ml)に、アゾジカル
ボン酸ジエチル(0.9 g)のTHF溶液(5 ml)を室温下、滴下
し、30分間撹拌した。反応液を濃縮し、残さにトルエン
を加え、晶出した結晶をろ去し、ろ液を濃縮した。残さ
をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキ
サン〜ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製後、塩酸塩
とし、再結晶(エタノール-ジイソプロピルエーテル)を
経て、標題化合物(0.9 g)を得た。 融点:155-159℃.
【0109】参考例11 2,3-ジメトキシ-7-[2-[4-(1-メチル-4-ピペリジニル)フ
ェノキシ]エチル]-4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1H-ベン
ゾシクロヘプテン-1,4-ジオン 塩酸塩
【化31】 1-メチル-4-[4-[2-(1,2,3,4-テトラメトキシ-6,7,8,9-
テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-7-イル)エトキ
シ]フェニル]ピペリジン 塩酸塩のフリー体(732 mg)、
ピリジン-2,6-ジカルボン酸(750 mg)、THF(14 ml)およ
び水(7 ml)の混合物に、CAN(3.3 g)の水溶液(7 ml)を氷
冷下滴下し、15分間撹拌した。反応液に10%炭酸カリウ
ム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、
水、飽和食塩水で洗浄後乾燥し、濃縮した。残さをアル
ミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル)
で精製後、塩酸塩とし、再結晶(エタノール-ジイソプロ
ピルエーテル)を経て、標題化合物(390 mg)を得た。 融点:181-183℃(分解).
【0110】参考例12 7-[2-[4-(1-ベンジル-4-ピペリジニル)フェノキシ]エチ
ル]-2,3-ジメトキシ-4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1H-ベ
ンゾシクロヘプテン-1,4-ジオン 塩酸塩
【化32】 1-ベンジル-4-[4-[2-(1,2,3,4-テトラメトキシ-6,7,8,9
-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-7-イル)エト
キシ]フェニル]ピペリジン(1.07 g)、ピリジン-2,6-ジ
カルボン酸(960 mg)、THF(20 ml)および水(10 ml)の混
合物に、CAN(4.2g)の水溶液(7 ml)を氷冷下滴下し、30
分間撹拌した。反応液に10%炭酸カリウム水溶液を加
え、セライトろ過により、析出物をろ去し、ろ液を酢酸
エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で洗浄後
乾燥後、濃縮した。残さを塩酸塩とし、再結晶(メタノ
ール-酢酸エチル-ジイソプロピルエーテル)により精製
し、標題化合物(0.75 g)を得た。 融点:154-157℃
【0111】参考例13 7-[2-[4-(4-ベンジル-1-ピペラジニル)フェノキシ]エチ
ル]-2,3-ジメトキシ-4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1H-ベ
ンゾシクロヘプテン-1,4-ジオン 二塩酸塩
【化33】 7-(2-ヒドロキシエチル)-2,3-ジメトキシ-4,5,6,7,8,9-
ヘキサヒドロ-1H-ベンゾシクロヘプテン-1,4-ジオン(1.
50 g)、4-(4-ベンジル-1-ピペラジニル)フェノール(1.7
2 g)、トリフェニルホスフィン(2.10 g)のTHF溶液(30 m
l)に、氷冷下、アゾジカルボン酸ジエチルのトルエン溶
液(40%、3.72 g)を滴下後、室温まで昇温し、1時間撹拌
した。反応液を濃縮し、残さにトルエンを加え、晶出し
た結晶をろ去し、ろ液を濃縮した。残さをアルミナカラ
ムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン〜ヘキサ
ン:酢酸エチル=5:1)で精製後、塩酸塩とし、再結晶
(エタノール-ジイソプロピルエーテル)を経て、標題化
合物(1.09 g)を得た。 融点:150-160℃(分解).1 H-NMR(CDCl3) δ:0.90-1.18(2H,m), 1.56-2.34(7H,
m), 2.52-2.72(4H,m),3.00-3.28(6H,m), 3.57(2H,s),
3.88-4.03(2H,m), 3.99(6H,s), 6.76-6.95(4H,m), 7.21
-7.40(5H,m).
【0112】参考例14 2,3-ジメトキシ-7-[2-オキソ-2-(4-フェニル-1-ピペラ
ジニル)エチル]-4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ
シクロヘプテン-1,4-ジオン
【化34】 1-フェニルピペラジン(720 mg)をTHF(10 ml)とアセトニ
トリル(10 ml)の混合液に溶かし、2-(2,3-ジメトキシ-
1,4-ジオキソ-4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾシ
クロヘプテン-7-イル)酢酸(1.0 g)、WSC(850 mg)、HOBt
(520 mg)およびトリエチルアミン(1.5 ml)を室温下加え
12時間撹拌した。反応液に飽和重曹水を加え、酢酸エチ
ルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後乾燥
し、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィ
ー(展開溶媒;酢酸エチル)により精製し、再結晶(酢酸
エチル)を経て、標題化合物(1.17 g)を得た。 融点:126-131℃.
【0113】参考例15 2,3-ジメトキシ-7-[2-オキソ-2-(4-フェニル-1-ピペリ
ジニル)エチル]-4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ
シクロヘプテン-1,4-ジオン
【化35】 4-フェニルピペリジン(720 mg)をTHF(10 ml)とアセトニ
トリル(10 ml)の混合液に溶かし、2-(2,3-ジメトキシ-
1,4-ジオキソ-4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾシ
クロヘプテン-7-イル)酢酸(1.0 g)、WSC(850 mg)、HOBt
(520 mg)およびトリエチルアミン(1.5 ml)を室温下加え
12時間撹拌した。反応液に飽和重曹水を加え、酢酸エチ
ルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後乾燥
し、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィ
ー(展開溶媒;酢酸エチル)により精製し、再結晶(酢酸
エチル-ヘキサン)を経て、標題化合物(1.15 g)を得た。 融点:120-122℃.
【0114】参考例16 N-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)-2-(2,3-ジ
メトキシ-1,4-ジオキソ-4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1H-
ベンゾシクロヘプテン-7-イル)アセトアミド
【化36】 1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチルアミン(770 mg)
をTHF(10 ml)とアセトニトリル(10 ml)の混合液に溶か
し、2-(2,3-ジメトキシ-1,4-ジオキソ-4,5,6,7,8,9-ヘ
キサヒドロ-1H-ベンゾシクロヘプテン-7-イル)酢酸(1.0
g)、WSC(980 mg)、HOBt(520 mg)およびトリエチルアミ
ン(1.5 ml)を室温下加え12時間撹拌した。反応液に水を
加え、THFと酢酸エチルの混合液で抽出した。有機層を1
N塩酸、水、飽和重曹水、水、飽和食塩水で洗浄後乾燥
し、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマトグラフィ
ー(展開溶媒;THF)により精製し、再結晶(THF-ジイソプ
ロピルエーテル)を経て、標題化合物(1.13 g)を得た。 融点:163-166℃.
【0115】参考例17 2,3-ジメトキシ-7-[2-オキソ-2-(1,2,4,5-テトラヒドロ
-3H-3-ベンズアゼピン-3-イル)エチル]-4,5,6,7,8,9-ヘ
キサヒドロ-1H-ベンゾシクロヘプテン-1,4-ジオン
【化37】 2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-3-ベンズアゼピン(750 mg)を
THF(10 ml)とアセトニトリル(10 ml)の混合液に溶か
し、2-(2,3-ジメトキシ-1,4-ジオキソ-4,5,6,7,8,9-ヘ
キサヒドロ-1H-ベンゾシクロヘプテン-7-イル)酢酸(1.0
g)、WSC(980 mg)、HOBt(520 mg)およびトリエチルアミ
ン(1.5 ml)を室温下加え12時間撹拌した。反応液に水を
加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を1N塩酸、水、飽
和重曹水、水、飽和食塩水で洗浄後乾燥し、濃縮した。
残さをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;
酢酸エチル)により精製し、再結晶(酢酸エチル-ヘキサ
ン)を経て、標題化合物(860 mg)を得た。 融点:133-138℃.
【0116】参考例18 7-[2-(4-クロロフェノキシ)エチル]-1,4-ジヒドロキシ-
2,3-ジメトキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシク
ロヘプテン
【化38】 7-[2-(4-クロロフェノキシ)エチル]-2,3-ジメトキシ-4,
5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾシクロヘプテン-1,4
-ジオン(60 mg)の酢酸エチル溶液(15 ml)に亜二チオン
酸ナトリウム(100 mg)の水溶液(15 ml)を室温で加え15
分間振とうした。有機層を、水、飽和食塩水で洗浄後乾
燥し、濃縮した。残さをヘキサン-酢酸エチルから再結
晶し、標題化合物(35 mg)を得た。 融点:121-124 ℃.
【0117】参考例19 1,4-ジヒドロキシ-2,3-ジメトキシ-7-[2-(2-キノリルオ
キシ)エチル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロ
ヘプテン
【化39】 2,3-ジメトキシ-7-[2-(2-キノリルオキシ)エチル]-4,5,
6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾシクロヘプテン-1,4-
ジオン(215 mg)、亜二チオン酸ナトリウム(370mg)、酢
酸エチル(10 ml)および水(10 ml)の混合物を15分間振と
うした。有機層を、水、飽和食塩水で洗浄後乾燥し、濃
縮した。残さをヘキサン-酢酸エチルから再結晶し、標
題化合物(190 mg)を得た。 融点:108-111 ーC.
【0118】参考例20 1,4-ジヒドロキシ-2,3-ジメトキシ-7-[2-[4-(4-メチル
ピペラジン-1-イル)フェノキシ]エチル]-6,7,8,9-テト
ラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン 二塩酸塩
【化40】 2,3-ジメトキシ-7-[2-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)
フェノキシ]エチル]-4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1H-ベ
ンゾシクロヘプテン-1,4-ジオン(150 mg)、亜二チオン
酸ナトリウム(230 mg)、酢酸エチル(10 ml)および水(10
ml)の混合物を15分間振とうした。反応液に、飽和重曹
水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和食塩
水で洗浄後乾燥し、濃縮した。残さを塩酸塩とし、エタ
ノールから再結晶し、標題化合物(120 mg)を得た。 融点:205 ℃(分解).
【0119】参考例21 3−[2−(1,2,3,4−テトラメトキシ-6,7,8,9
-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-7-イル)エト
キシ]イソキノリン
【化41】 7-(2-ヨードエチル)-1,2,3,4-テトラメトキシ-6,7,8,9-
テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン(1.50 g)、3-ヒ
ドロキシイソキノリン(621 mg)、炭酸カリウム(0.987
g)およびDMF(15 ml)の混合物を室温下、12時間撹拌し
た。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層
を水、飽和食塩水で洗浄後乾燥し、溶媒を減圧留去し
た。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開
溶媒; ヘキサン : 酢酸エチル=4:1〜酢酸エチル:
メタノール=10:1)で精製後、再結晶(ヘキサン-酢
酸エチル)を経て、標題化合物(0.76 g)を得た。 融点:103-105℃
【0120】実施例1 7-[2-(4-クロロフェノキシ)エチル]-2,3-ジメトキシ-1,
4-ビス-[(3-ピリジルカルボニル)オキシ]-6,7,8,9-テト
ラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン
【化42】 7-[2-(4-クロロフェノキシ)エチル]-1,4-ジヒドロキシ-
2,3-ジメトキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシク
ロヘプテン(200 mg)、ニコチン酸(190 mg)、塩酸1-エチ
ル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(293
mg)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(234 m
g)、亜二チオン酸ナトリウム(90 mg)、トリエチルアミ
ン(0.5 ml)およびTHF(8 ml)の混合物をアルゴン気流
下、室温で12時間撹拌後、反応液に、ニコチン酸(130 m
g)、塩酸1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド(200 mg)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾ-ル
一水和物(160 mg)、亜二チオン酸ナトリウム(90 mg)お
よびトリエチルアミン(0.5 ml)を加え、さらに12時間撹
拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有
機層を水、飽和食塩水で洗浄後乾燥し、濃縮した。残さ
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘ
キサン〜ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製後、ヘキ
サン-酢酸エチルから再結晶し、標題化合物(120 mg)を
得た。 融点:132-134 ℃.
【0121】実施例2 7-[2-(4-クロロフェノキシ)エチル]-2,3-ジメトキシ-1,
4-ビス-[[2-(ジメチルアミノ)アセチル]オキシ]-6,7,8,
9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン 二塩酸塩
【化43】 7-[2-(4-クロロフェノキシ)エチル]-1,4-ジヒドロキシ-
2,3-ジメトキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシク
ロヘプテン(460 mg)、N,N-ジメチルグリシン 塩酸塩(65
0 mg)、塩酸1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミド(900 mg)およびピリジン(6 ml)の混合物を
アルゴン気流下、室温で6時間撹拌した。反応液を濃縮
後、飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層
を、水、飽和食塩水で洗浄後乾燥し、濃縮した。残さを
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸
エチル:メタノール=10:1)で精製後、塩酸塩とした。
エタノール-ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標
題化合物(630 mg)を得た。 融点:204-208 ℃.
【0122】実施例3 2,3-ジメトキシ-7-[2-(3,5-ジメトキシフェノキシ)エチ
ル]-1,4-ビス-[(3-ピリジルカルボニル)オキシ]-6,7,8,
9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン
【化44】 2,3-ジメトキシ-7-[2-(3,5-ジメトキシフェノキシ)エチ
ル]-4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾシクロヘプテ
ン-1,4-ジオン(200 mg)、亜二チオン酸ナトリウム(250
mg)、酢酸エチル(20 ml)および水(20 ml)の混合物を15
分間振とうした。有機層を、飽和食塩水で洗浄後乾燥
し、濃縮した。残さ、ニコチン酸(240 mg)、塩酸1-エチ
ル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(370
mg)およびピリジン(2 ml)の混合物をアルゴン気流下、
室温で4時間撹拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチルで
希釈した。有機層を5%炭酸カリウム水溶液、飽和食塩
水で洗浄後乾燥し、濃縮した。残さをアルミナカラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン〜ヘキサン:酢
酸エチル=1:1)で精製後、ヘキサン-酢酸エチルから再
結晶し、標題化合物(160 mg)を得た。 融点:139-141 ℃.
【0123】実施例4 2,3-ジメトキシ-7-[2-(3,5-ジメトキシフェノキシ)エチ
ル]-1,4-ビス-[[2-(ジメチルアミノ)アセチル]オキシ]-
6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン 二塩
酸塩
【化45】 2,3-ジメトキシ-7-[2-(3,5-ジメトキシフェノキシ)エチ
ル]-4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾシクロヘプテ
ン-1,4-ジオン(340 mg)、亜二チオン酸ナトリウム(570
mg)、酢酸エチル(10 ml)および水(10 ml)の混合物を15
分間振とうした。有機層を、飽和食塩水で洗浄後乾燥
し、濃縮した。残さ、N,N-ジメチルグリシン 塩酸塩(46
0 mg)、塩酸1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミド(630 mg)およびピリジン(6 ml)の混合物を
アルゴン気流下、室温で4時間撹拌した。反応液を濃縮
後、飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層
を水、飽和食塩水で洗浄後乾燥し、濃縮した。残さをシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エ
チル:メタノール=40:1)で精製後、塩酸塩とし、エタ
ノール-ジイソプロピルエーテルから再結晶し、標題化
合物(400 mg)を得た。 融点:212-214 ℃.
【0124】実施例5 7-[2-(2-キノリルオキシ)エチル]-2,3-ジメトキシ-1,4-
ビス-[[2-(ジメチルアミノ)アセチル]オキシ]-6,7,8,9-
テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン 三塩酸塩
【化46】 1,4-ジヒドロキシ-2,3-ジメトキシ-7-[2-(2-キノリルオ
キシ)エチル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロ
ヘプテン(352 mg)、N,N-ジメチルグリシン 塩酸塩(480
mg)、塩酸1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド(660mg)およびピリジン(6 ml)の混合物をア
ルゴン気流下、室温で12時間撹拌した。反応液を濃縮
後、飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層
を、水、飽和食塩水で洗浄後乾燥し、濃縮した。残さを
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸
エチル:メタノール=20:1)で精製後、塩酸塩とし、エ
タノール-酢酸エチルから再結晶し、標題化合物(420 m
g)を得た。 融点:>180 ーC1 H-NMR(CDCl3) δ:1.00-1.36(2H, m), 1.6-2.6(7H, m),
2.47(12H, m), 2.76-2.98(2H, m), 3.51(4H, s), 3.82
(6H, s), 4.50(2H, t), 6.89(1H, d), 7.30-7.42(1H,
m), 7.55-7.66(1H, m), 7.66-7.76(1H, m), 7.76-7.87
(1H, m), 7.97(1H, d).
【0125】実施例6 2,3-ジメトキシ-7-[2-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)
フェノキシ]エチル]-1,4-ビス-[(3-ピリジルカルボニ
ル)オキシ]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘ
プテン
【化47】 2,3-ジメトキシ-7-[2-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)
フェノキシ]エチル]-4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1H-ベ
ンゾシクロヘプテン-1,4-ジオン(200 mg)、亜二チオン
酸ナトリウム(230 mg)、酢酸エチル(20 ml)および水(20
ml)の混合物を15分間振とうした。反応液に、飽和重曹
水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和食塩
水で洗浄後乾燥し、濃縮した。残さ、ニコチン酸(220 m
g)、塩酸1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド(340 mg)およびピリジン(2 ml)の混合物をア
ルゴン気流下、室温で12時間撹拌した。反応液を濃縮
後、5%炭酸カリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出
した。有機層を5%炭酸カリウム水溶液、飽和食塩水で
洗浄後乾燥し、濃縮した。残さをアルミナカラムクロマ
トグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル)で精製後、ヘキサ
ン-酢酸エチルから再結晶し、標題化合物(200 mg)を得
た。 融点:153-154 ℃.
【0126】実施例7 1,4-ビス-[[2-(ジメチルアミノ)アセチル]オキシ]-2,3-
ジメトキシ-7-[2-オキソ-2-(4-フェニル-1-ピペラジニ
ル)エチル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘ
プテン 三塩酸塩
【化48】 2,3-ジメトキシ-7-[2-オキソ-2-(4-フェニル-1-ピペラ
ジニル)エチル]-4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ
シクロヘプテン-1,4-ジオン(500 mg)、亜二チオン酸ナ
トリウム(800 mg)、酢酸エチル(20 ml)および水(20 ml)
の混合物を、室温で30分間振とうした。反応液に炭酸カ
リウム(630 mg)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層
を飽和食塩水で洗浄後乾燥後、濃縮した。残さ、N,N-ジ
メチルグリシン 塩酸塩(640 mg)、WSC(880 mg)およびピ
リジン(5 ml)の混合物をアルゴン雰囲気下、室温で12時
間撹拌した。反応液を濃縮後、飽和重曹水を加え、酢酸
エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し乾
燥後濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(展開溶媒;酢酸エチル〜酢酸エチル:メタノール
=10:1)で精製後、塩酸塩とし、標題化合物(730 mg)を
得た。 非晶状粉末:1H-NMR(CDCl3) δ:0.96-1.24(2H,m), 1.
84-2.64(7H,m), 2.45(12H,s), 2.76-2.94(2H,m), 3.08-
3.22(4H,m), 3.50(4H,s), 3.3-3.7(2H,m), 3.72-3.88(2
H,m), 3.81(6H,s), 6.84-7.00(3H,m), 7.20-7.36(2H,
m).
【0127】実施例8 1,4-ビス-[[2-(ジメチルアミノ)アセチル]オキシ]-2,3-
ジメトキシ-7-[2-オキソ-2-(4-フェニル-1-ピペリジニ
ル)エチル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘ
プテン 二塩酸塩
【化49】 2,3-ジメトキシ-7-[2-オキソ-2-(4-フェニル-1-ピペリ
ジニル)エチル]-4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ
シクロヘプテン-1,4-ジオン(500 mg)、亜二チオン酸ナ
トリウム(800 mg)、酢酸エチル(20 ml)および水(20 ml)
の混合物を、室温で30分間振とうした。酢酸エチル層を
飽和食塩水で洗浄し乾燥後、濃縮した。残さをN,N-ジメ
チルグリシン 塩酸塩(640 mg)、WSC(880 mg)およびピリ
ジン(5 ml)とともにアルゴン雰囲気下、室温で12時間撹
拌した。反応液を濃縮後、飽和重曹水を加え、酢酸エチ
ルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し乾燥後
濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒;酢酸エチル〜酢酸エチル:メタノール=1
0:1)で精製後、塩酸塩とし、標題化合物(710 mg)を得
た。 非晶状粉末:1H-NMR(CDCl3) δ: 0.96-1.23(2H,m), 1.
6-3.2(16H,m), 2.45(6H,s), 2.46(6H,s), 3.50(4H,s),
3.82(6H,s), 3.85-4.03(1H,m), 4.81(1H,d), 7.13-7.40
(5H,m).
【0128】実施例9 7-[2-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)アミノ]
-2-オキソエチル]-1,4-ビス-[[2-(ジメチルアミノ)アセ
チル]オキシ]-2,3-ジメトキシ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5
H-ベンゾシクロヘプテン 二塩酸塩
【化50】 N-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)-2-(2,3-ジ
メトキシ-1,4-ジオキソ-4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロ-1H-
ベンゾシクロヘプテン-7-イル)アセトアミド(500 mg)、
亜二チオン酸ナトリウム(800 mg)、酢酸エチル(20 ml)
および水(20 ml)の混合物を、室温で30分間振とうし
た。反応液をTHFと酢酸エチルの混合液で抽出した。有
機層を飽和食塩水で洗浄後乾燥し、濃縮した。残さをN,
N-ジメチルグリシン 塩酸塩(660 mg)、WSC(900 mg)およ
びピリジン(5 ml)とともにアルゴン雰囲気下、室温で12
時間撹拌した。反応液に飽和重曹水を加え、THFと酢酸
エチルの混合液で抽出した。有機層を水、飽和食塩水で
洗浄し乾燥後、濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル〜酢酸エチル:
メタノール=10:1)で精製後、塩酸塩とし、標題化合物
(640 mg)を得た。 非晶状粉末:1H-NMR(CDCl3) δ: 0.92-1.18 (2H,m),
1.74-2.60(7H,m), 2.45(12H,s), 2.74-3.94(2H,m), 3.5
0(4H,s), 3.81(6H,s), 4.33(2H,d), 5.72-5.84(1H,m),
5.94(2H,s), 6.66-6.80(3H,m).
【0129】実施例10 1,4-ビス-[[2-(ジメチルアミノ)アセチル]オキシ]-2,3-
ジメトキシ-7-[2-オキソ-2-(1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-
3-ベンズアゼピン-3-イル)エチル]-6,7,8,9-テトラヒド
ロ-5H-ベンゾシクロヘプテン
【化51】 2,3-ジメトキシ-7-[2-オキソ-2-(1,2,4,5-テトラヒドロ
-3H-3-ベンズアゼピン-3-イル)エチル]-4,5,6,7,8,9-ヘ
キサヒドロ-1H-ベンゾシクロヘプテン-1,4-ジオン(500
mg)、亜二チオン酸ナトリウム(830 mg)、酢酸エチル(20
ml)および水(20 ml)の混合物を、室温で30分間振とう
した。反応液をTHFと酢酸エチルの混合液で抽出した。
有機層を飽和食塩水で洗浄後乾燥し、濃縮した。残さを
N,N-ジメチルグリシン 塩酸塩(640 mg)、WSC(900 mg)
およびピリジン(5 ml)とともにアルゴン雰囲気下、室温
で12時間撹拌した。反応液に飽和重曹水を加え、THFと
酢酸エチルの混合液で抽出した。有機層を水、飽和食塩
水で洗浄し乾燥後、濃縮した。残さをシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル〜酢酸エチ
ル:メタノール=10:1)で精製後、エタノール-ジイソ
プロピルエーテルより再結晶して標題化合物(370 mg)を
得た。 融点:128-131℃.
【0130】 製剤例1 (1)参考例18で得られた化合物 50mg (2)ラクトース 34mg (3)トウモロコシ澱粉 10.6mg (4)トウモロコシ澱粉(のり状) 5mg (5)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg(6)カルボキシメチルセルロースカルシウム 20mg 計 120mg 常法に従い上記(1)〜(6)を混合し、錠剤機により打
錠し、錠剤を得た。
【0131】 製剤例2 (1)実施例7で得られた化合物 50mg (2)ラクトース 34mg (3)トウモロコシ澱粉 10.6mg (4)トウモロコシ澱粉(のり状) 5mg (5)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg(6)カルボキシメチルセルロースカルシウム 20mg 計 120mg 常法に従い上記(1)〜(6)を混合し、錠剤機により打
錠し、錠剤を得た。
【0132】実験例1 マウスにおけるアノキシア(低酸素)誘発致死に対する
本発明化合物の影響を検討した。実施例5の化合物を
0.5%メチルセルロース水溶液に懸濁し、得られる懸
濁液を、Jcl:ICR系マウス(雄性5〜6週齢)
に、マウス10g体重あたり0.1mlの用量で経口投
与した。投与1時間後に、常に一定の流速で二酸化炭素
が補充されるデシケーターにマウスを入れることによっ
て、100%二酸化炭素負荷によるアノキシアを誘発
し、マウスの生存時間(呼吸停止までの時間)を測定し
た。また、化合物を含まない0.5%メチルセルロース
水溶液を用いて、上記と同様の実験を行い、これを対照
群とした。結果を[表1]に示す。なお、表中の生存時
間は、マウス10匹の平均値±標準偏差を示す。また、
対象群の平均値と化合物投与群の平均値とをDunnett's
testにより検定した。 [表1] マウス群 投与量(mg/kg体重) 生存時間(秒) 対 象 群 0 29.7±0.6 化合物投与群 10 32.5±1.0* 30 34.0±0.8** 100 34.9±0.8** (*:P<0.05、**:P<0.01) [表1]から明らかなように、本発明化合物は、用量依
存的に、マウスにおけるアノキシア誘発致死に対し、生
存時間延長作用を示した。アノキシアに対して最も脆弱
な臓器は脳であり、アノキシア誘発致死は、脳における
エネルギー代謝と相関しているため、アノキシア誘発致
死に対して生存時間延長作用を有する本発明化合物は、
ミトコンドリア機能賦活作用を有すると言える。
【0133】
【発明の効果】本発明のミトコンドリア機能賦活剤は、
優れたミトコンドリア機能賦活作用を有し、パーキンソ
ン病、アルツハイマー病などの神経変性疾患の予防・治
療剤などとして有用である。化合物(I')は、優れた
ミトコンドリア機能賦活作用などを有するため、医薬と
して有用である。また、化合物(I')は、安定性、結
晶性などの物性においても優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/472 A61K 31/472 4C086 31/495 31/495 4C206 31/496 31/496 4H006 31/55 31/55 A61P 21/04 A61P 21/04 25/00 101 25/00 101 25/16 25/16 25/28 25/28 C07C 229/12 C07C 229/12 C07D 211/16 C07D 211/16 211/22 211/22 213/80 213/80 215/22 215/22 217/24 217/24 223/16 223/16 Z 295/08 295/08 A 295/18 295/18 A 317/58 317/58 Fターム(参考) 4C022 DA01 4C031 EA02 4C034 AM01 DQ03 4C054 AA02 CC02 DD01 EE01 FF05 4C055 AA01 BA01 CA02 CA16 CA18 CB04 CB08 DA01 4C086 AA01 AA02 AA03 BA13 BC21 BC28 BC30 BC32 BC50 GA08 MA01 NA14 ZA02 ZA16 ZA31 4C206 AA01 AA02 AA03 FA51 MA01 NA14 ZA16 ZA31 4H006 AA03 AB20 BJ50 BM30 BM72 BP30 BT16 BU32 NB16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 〔式中、R1およびR2はそれぞれC1-6アルキル、また
    はR1とR2は互いに結合して環を形成してもよく、Xは
    主鎖の原子数1ないし15のスペーサー、Yはアシル、
    置換基を有していてもよいヒドロキシ、置換基を有して
    いてもよいアミノまたは置換基を有していてもよい芳香
    族基、A環は式−X−Y(式中、各記号は前記と同意義
    を示す)で表される基の他に置換基をさらに有していて
    もよい5ないし8員環、G1およびG2はそれぞれ、水素
    原子または生体内で切断可能なフェノール性水酸基の保
    護基を示す〕で表される化合物またはその塩を含有して
    なるミトコンドリア機能賦活剤。
  2. 【請求項2】パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎
    縮性側索硬化症またはハンチントン病予防・治療剤であ
    る請求項1記載の剤。
  3. 【請求項3】式 【化2】 〔式中、R1およびR2はそれぞれC1-6アルキル、また
    はR1とR2は互いに結合して環を形成してもよく、X'
    は主鎖の原子数1ないし6のスペーサー、Y'は置換基
    を有していてもよい芳香族基または置換基を有していて
    もよい単環式もしくは縮合5ないし7員飽和環状アミ
    ノ、A'環は式−X'−Y'(式中、各記号は前記と同意
    義を示す)で表される基の他に置換基をさらに有してい
    てもよい5ないし8員非芳香環、G1aおよびG2aはそれ
    ぞれアシル基を示す〕で表される化合物またはその塩。
  4. 【請求項4】R1およびR2がそれぞれC1-6アルキルで
    ある請求項3記載の化合物。
  5. 【請求項5】X'が−O−、−S−、−CO−、−SO
    −、−SO2−、−NR8−、−CONR8−、−SO2
    8−および−COO−から選ばれる2価の基(R8は水
    素原子、 ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルま
    たはハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル-カルボ
    ニルを示す)、またはこれらの2価の基を1または2個
    含んでいてもよい2価のC1-6非環式炭化水素基である
    請求項3記載の化合物。
  6. 【請求項6】Y'が置換基を有していてもよい芳香族基
    である請求項3記載の化合物。
  7. 【請求項7】G1aおよびG2aで示されるアシル基が式 【化3】 [式中、Qは−CO−、−SO−、−SO2−、−CO
    NR9−、−SO2NR9−、−PO2O−、−PO2−お
    よび−COO−から選ばれる2価の基(R9は水素原子、
    ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルまたはハロ
    ゲン化されていてもよいC1-6アルキル-カルボニルを示
    す)、Zは置換基を有していてもよい主鎖の原子数1な
    いし6のスペーサー、R10およびR11はそれぞれ、水素
    原子、置換基を1ないし2個有していてもよいC1-6
    ルキルまたはR10とR11は隣接する窒素原子とともに置
    換基を有していてもよい含窒素複素環を示す]で表され
    る基である請求項3記載の化合物。
  8. 【請求項8】請求項3記載の化合物またはその塩を含有
    してなる医薬。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019151516A1 (ja) 2018-02-05 2019-08-08 テラ・ストーン株式会社 細胞内でのatp産生を賦活するための補酵素因子の使用
CN114890978A (zh) * 2022-04-19 2022-08-12 宿迁医美科技有限公司 酚类化合物及其制备方法和应用
US11439644B2 (en) 2018-02-05 2022-09-13 Tera Stone Co., Ltd Use of coenzyme factor for activation of ATP production in cell
JP7405484B2 (ja) 2017-11-22 2023-12-26 コンドリオン アイピー ビー.ブイ. うつ病及び片頭痛の治療に使用される新規化合物

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