JP2002029950A - 亜鉛化合物含有口腔用組成物 - Google Patents

亜鉛化合物含有口腔用組成物

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幹雄 三宅
Masatatsu Maruyama
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 抗う蝕、歯石予防、口臭予防、抗炎症効果の
高い口腔用組成物の提供。 【解決手段】 亜鉛化合物を含有する口腔用組成物に、
渋味改善剤としてヒアルロン酸又はその非毒性塩を配合
した亜鉛化合物含有口腔用組成物。更に、本口腔用組成
物にはシキリトール、マルチトール、パラチノースより
なる群から選ばれた1種又は2種以上の多価アルコール
を配合し、フッ化物をフッ素として10〜5,000p
pm配合される。 【効果】 本発明の口腔用組成物は、亜鉛化合物の渋
み、金属味を抑制する効果が高いものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗う蝕、歯石予
防、口臭予防、抗炎症効果の高い口腔用組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
亜鉛化合物を口臭予防や歯石予防の目的で口腔用組成物
に配合することが知られており、更に亜鉛化合物は味覚
減退症に有効であることも知られている。一方で、亜鉛
化合物は、配合により組成物に渋みを与えることが知ら
れている。この場合、特開昭63−8324号公報に
は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とl−メントール
を併用することにより、渋みが改善されることが示され
ている。また、特開平11−246376号公報には、
アネトールと多価アルコールを併用することにより、渋
み、苦み、金属味が改良されることが開示されている。
しかし、亜鉛化合物の渋みの改善についてはなお検討の
余地があり、更に使用感の良好な口腔用組成物の開発が
望まれている。
【0003】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は上記要望に応えるため鋭意検討を重ねた結果、
亜鉛化合物とヒアルロン酸又はその非毒性塩を組み合わ
せることにより、渋みが改良されること、更にキシリト
ール等の多価アルコールを配合することにより、金属味
が改良されることを知見し、本発明をなすに至ったもの
である。
【0004】従って、本発明は、亜鉛化合物を含有する
口腔用組成物に、渋味改善剤としてヒアルロン酸又はそ
の非毒性塩を配合したことを特徴とする亜鉛化合物含有
口腔用組成物を提供する。
【0005】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明で使用される亜鉛化合物は、特に限定されない
が、例えば、塩化亜鉛、乳酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜
鉛、サリチル酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酸化亜鉛、ク
エン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛、
水酸化亜鉛、リン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛等を用いること
ができる。これらは、単独でも、2種以上併用してもよ
い。亜鉛化合物の配合量は、組成物全体の0.001〜
1%(質量百分率、以下同じ)であることが好ましく、
より好ましくは0.01〜1%である。配合量が0.0
01%より少ないと、殺菌効果が十分発揮されない場合
があり、1%より多いと、使用感を著しく損なう場合が
ある。
【0006】ヒアルロン酸は、一般的には、鶏冠から抽
出する方法と微生物による発酵法の2種類の製法があ
り、ナトリウム塩、カリウム塩として分子量が数千〜数
百万のものがある。本発明に使用するヒアルロン酸の分
子量は、通常の50万〜400万の範囲であってもよい
し、50万以下の低分子量のものも使用できる。特に1
0万以下のものは良好な渋み・金属味改良効果を示す。
ヒアルロン酸の配合量は組成物全体の0.001〜5%
が好ましく、より好ましくは0.01〜3%である。配
合量が0.001%より少ないと、渋味、金属味の改善
効果が十分発揮されない場合があり、5%より多いと、
使用感を著しく損なう場合がある。
【0007】本発明の口腔用組成物には、キシリトー
ル、マルチトール、パラチノースから選ばれる多価アル
コールを配合することが好ましく、これにより金属味の
改良をはかることができる。その配合量は、組成物全体
の1〜50%、特に1〜30%とすることが好ましい。
【0008】更に、本発明の口腔用組成物には、う蝕予
防のためにフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化
アンモニウム、フッ化第1スズ、モノフルオロリン酸ナ
トリウム、モノフルオロリン酸カリウム等のフッ化物を
配合することが好ましい。その配合量は、フッ素として
10〜5,000ppmとすることがよい。
【0009】本発明の口腔用組成物は、その用途に応じ
て、適宜処方され、常法に従って、練歯磨、粉歯磨、液
状歯磨、液体歯磨、潤製歯磨、ゲル類、クリーム類、口
腔パスタ類、洗口剤、人工唾液、スプレー、フォーム等
の剤型とすることができる。
【0010】他の配合成分は特に限定されず、公知の有
効成分、研磨剤、粘稠剤、界面活性剤、甘味料、香料、
保存剤、着色剤、pH調整剤などを本発明の効果を損な
わない範囲内で配合できる。これらは、いずれの場合も
従来使用されている成分を常量で用いることができる。
【0011】例えば、歯磨類の場合、研磨剤としては、
沈降性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート、ジル
コノシリケート等のシリカ系研磨剤、第2リン酸カルシ
ウム2水和物及び無水和物、ピロリン酸カルシウム、炭
酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マ
グネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、ケ
イ酸ジルコニウム、合成樹脂系研磨剤等が好適に用いら
れる。
【0012】粘稠剤としては、グリセリン、ソルビッ
ト、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
ラクチット等、粘結剤としては、カルボキシメチルセル
ロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、カラ
ギーナン、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、カ
ーボポール、グアガム、モンモリロナイト、ゼラチン
等、界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオ
ン界面活性剤、非イオン性界面活性剤等を配合し得、具
体的には、ラウリル硫酸ナトリウム、α−オレフィンス
ルホン酸ナトリウム、N−アシルザルコシネート、N−
アシルグルタメート、2−アルキル−N−カルボキシメ
チル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイ
ン、N−アシルタウレート、ショ糖脂肪酸エステル、ア
ルキロールアマイド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プルロニック、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノステアレート等、甘味
剤としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、
ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒ
ド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン
等、防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、安
息香酸ナトリウム等、各種有効成分としては、正リン酸
のカリウム塩、ナトリウム塩等の水溶性リン酸化合物、
アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、ヒノキチ
オール、塩化リゾチーム、グリチルリチン酸及びその塩
類、塩化ナトリウム、イプシロンアミノカプロン酸、α
−ビサボロール、イソプロピルメチルフェノール、クロ
ルヘキシジン塩類、塩化セチルピリジニウム、アズレ
ン、グリチルレチン酸、銅クロロフィンナトリウム、グ
ルコン酸銅等の銅化合物、乳酸アルミニウム、塩化スト
ロンチウム、硝酸カリウム、ベルベリン、ヒドロキサム
酸及びその誘導体、トリポリリン酸ナトリウム、ゼオラ
イト、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、アミラーゼ、メ
トキシエチレン無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピ
ロリドン、エピジヒドロコレステリン、塩化ベンゼトニ
ウム、ジヒドロコレステロール、トリクロロカルバニリ
ド、トウキ軟エキス、オウバクエキス、チョウジ、ロー
ズマリー、オウゴン、ベニバナなどの抽出物等、着色剤
としては、青色1号、黄色4号、二酸化チタン、酸化ア
ルミナ等が例示される。その他、香料等を配合し得る。
【0013】
【発明の効果】本発明の口腔用組成物は、亜鉛化合物の
渋み、金属味を抑制する効果が高いものである。
【0014】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。なお、下記の例において%は質量百分率
を示す。
【0015】[実施例1〜5、比較例1,2]表1に示
した配合量に従い、亜鉛化合物、ヒアルロン酸ナトリウ
ム、キシリトールを配合した歯磨を調製し、官能評価に
より香味を評価した。結果を表2に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】 評価基準 ◎:極めて良好 ○:良好 △:ふつう
×:悪い
【0018】表2の結果から、亜鉛化合物とヒアルロン
酸ナトリウムの組み合わせにより、亜鉛化合物の渋み、
金属味が改良されること、これにキシリトールを配合す
ることにより、更に金属味が改良されることがわかっ
た。
【0019】[実施例6〜11]
【表3】
【0020】 [実施例12]洗口剤 エタノール 10.0% グリセリン 20.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.05 香料 0.8 クエン酸亜鉛 0.03 ヒアルロン酸カリウム(MW.20,000) 0.05 フッ化ナトリウム 0.23水 残 計 100.0%
【0021】 [実施例13]人工唾液 塩化リゾチーム 0.2% 塩化カリウム 0.15 塩化ナトリウム 0.09 塩化マグネシウム 0.005 塩化カルシウム 0.001 カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1 クエン酸亜鉛 0.03 ヒアルロン酸ナトリウム(MW.20,000) 0.05 ソルビトール 4.5 香料 0.5水 残 計 100.0%
【0022】 [実施例14]人工唾液 フッ化ナトリウム 0.2% 塩化カリウム 0.15 塩化ナトリウム 0.09 塩化マグネシウム 0.005 塩化カルシウム 0.01 カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1 塩化亜鉛 0.2 ヒアルロン酸ナトリウム(MW.20,000) 0.02 ソルビトール 3.0 香料 0.8水 残 計 100.0%
【0023】 [実施例15]人工唾液 フッ化ナトリウム 0.2% 塩化カリウム 0.15 塩化ナトリウム 0.09 塩化マグネシウム 0.005 塩化カルシウム 0.01 カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.05 キシリトール 5.0 塩化亜鉛 0.5 ヒアルロン酸ナトリウム(MW.20,000) 0.02 香料 0.8水 残 計 100.0%
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AB102 AB211 AB212 AB292 AB432 AB471 AB472 AC102 AC122 AC131 AC132 AC302 AC432 AC642 AC782 AC862 AD042 AD272 AD302 AD331 AD332 AD352 AD472 CC41 DD22 DD23 EE06 EE32 EE33 EE34 EE37

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛化合物を含有する口腔用組成物に、
    渋味改善剤としてヒアルロン酸又はその非毒性塩を配合
    したことを特徴とする亜鉛化合物含有口腔用組成物。
  2. 【請求項2】 キシリトール、マルチトール、パラチノ
    ースよりなる群から選ばれた1種又は2種以上の多価ア
    ルコールを配合したことを特徴とする請求項1記載の亜
    鉛化合物含有口腔用組成物。
  3. 【請求項3】 フッ化物をフッ素として10〜5,00
    0ppm配合したことを特徴とする請求項1又は2記載
    の亜鉛化合物含有口腔用組成物。
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