JP2002026332A - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents
薄膜トランジスタの製造方法Info
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Abstract
領域の抵抗を許容レベルにまで下げるとともにTFTし
きい値電圧のシフトを防ぐことを目的とする。 【解決手段】 絶縁性基板上に多結晶Siを形成する工
程と、該多結晶Si上にゲート絶縁膜を形成する工程
と、該ゲート絶縁膜上に下層ゲート電極と該下層ゲート
電極より幅の狭い上層ゲート電極から成る2層ゲート電
極を形成する工程と、該2層ゲート電極をマスクにして
3属あるいは5属元素から成る不純物をイオン注入する
工程と、熱処理する工程と、該2層ゲート電極をマスク
にして水素をイオン注入する工程を含むように構成す
る。
Description
造方法に関し、特に、アクティブマトリクス型液晶表示
装置の画素スイッチング用素子や周辺駆動回路に用いら
れる薄膜トランジスタの製造方法に関する。
画素スイッチング用素子として、アモルファスSi(a
−Si)をチャネル領域とする薄膜トランジスタ(TF
T)が一般に用いられているが、近年における液晶表示
装置の高精細化、高品質化の要求に応えるべく、a−S
iに代えて多結晶Siをチャネル領域とするTFTの開
発が進んでいる。多結晶Siはa−Siに比べて動作速
度や駆動能力の点で優れているため、画素スイッチング
用素子としてのみならず周辺駆動回路にも用いることが
可能であり、これによって液晶表示装置の小型化・低コ
スト化をも達成することができる。
た熱CVD法により堆積されるが、600℃以上の熱処
理温度を必要とするため軟化点の低い安価なガラス基板
が用いられる液晶表示装置には適用することができな
い。そのため、ガラス基板上にa−Siを低温で堆積し
レーザアニールによって結晶化する方法が用いられる
が、熱CVD法によって形成される多結晶Siに比べて
耐圧が低く、また、リーク電流が大きくなり易い。
(SD)領域との間に低濃度のLDD領域を設けたTF
T構造が用いられる。LDD領域はチャネル領域端部に
おける電界強度を緩和して耐圧を高めるとともにリーク
電流を低減する上でも有効であることが知られている。
て、いわゆるGOLD(Gate Over-Lapped Drain)構造
のTFTが知られている(特開平7−202210号公
報)。GOLD−TFTでは、以下に述べるように、L
DD領域がゲート電極直下に形成されているため、TF
Tがオン状態のときLDD領域もチャネル領域の一部と
して機能しオン電流の低下を防ぐことができる。また、
TFTがオフ状態のときには、LDD領域が単なる抵抗
として働きオフ電流を低いレベルに保つことが可能とな
る。
断面図である。同図に見られるように、ガラス基板11上
に多結晶Si膜12、ゲート絶縁膜13、2層ゲート電極14
が形成されている。2層ゲート電極14は下層ゲート電極
15とそれより幅の狭い上層ゲート電極16から成ってい
る。下層ゲート電極15及び上層ゲート電極16の材料とし
て、通常、モリブデン(Mo)やアルミニウム(Al)
等の金属膜が用いられるが、下層ゲート電極材として微
結晶Siを用いる方法も提案されている(特開平11-307
777 号公報)。この方法は金属膜を用いる方法に比べて
ゲート電極の信頼性を向上させる上で効果があるが、作
成法が難しく且つ金属膜に比べて高抵抗になるという問
題がある。GOLD−TFTでは、LDD領域がチャネ
ル領域の一部として動作するため、その上に形成される
下層ゲート電極の低抵抗化が要求される。
膜12に対し2層ゲート電極14をマスクにして不純物のイ
オン注入を行うことにより形成される。通常、nチャネ
ルTFTを作成する場合にはPH3 ガスを用いたイオン
注入によりリン(P)をドープし、pチャネルTFTを
作成する場合にはB2 H6 ガスを用いたイオン注入によ
りボロン(B)をドープする。
ート電極の膜厚が場所により異なることを利用すれば加
速電圧やイオン注入量を適宜選択することにより一回の
イオン注入工程で不純物濃度の高いSD領域と不純物濃
度の低いLDD領域を同時に形成することができる。即
ち、図4に見られるように、2層ゲート電極14をマスク
にして不純物のイオン注入を行うと、下層ゲート電極15
より外側にはみ出した多結晶Si12には不純物が直接イ
オン注入されるため高濃度のSD領域17が形成され、上
層ゲート電極16の外側且つ下層ゲート電極15の内側には
不純物が下層ゲート電極15によってマスクされるためS
D領域17より低濃度のLDD領域18が形成される。ま
た、上層ゲート電極16の内側には不純物が下層ゲート電
極15と上層ゲート電極16の双方によってマスクされ実質
的に不純物の注入されないチャネル領域19が形成される
ことになる。
物をイオン注入した後、不純物を活性化して抵抗を下げ
るため熱処理が行われる。不純物の充分な活性化を行う
ためには、通常、600℃程度の熱処理温度を必要とす
るが、ガラス基板の変形等の問題を生じさせないように
するためにはより低い温度に設定しなければならない。
この場合、不純物の充分な活性化を行うことはできない
ものの、SD領域に対しては、あらかじめ多量の不純物
をイオン注入しておくことにより熱処理温度を450℃
に設定した場合においても実用上許容されるレベルにま
で抵抗を下げることができる。しかしながら、LDD領
域はSD領域に比べて不純物の注入量が少ないため抵抗
を許容レベルにまで下げることが難しい。
った場合におけるLDD領域のシート抵抗の熱処理温度
依存性を示したものである。同図に見られるように、熱
処理温度が高くなるとともにシート抵抗は増加し、45
0℃で最大となった後は熱処理温度とともに減少する。
行った場合、Pと同時に水素も注入される。水素は多結
晶Si中でSi原子のダングリングボンドを終端し抵抗
を下げる効果のあることが知られている。従って、Pと
水素のドープされた多結晶Siの熱処理に際して熱処理
温度を高くしていくとPの活性化が進行し、これはシー
ト抵抗を減少させるが、一方、Pと同時に注入された水
素が多結晶Siから離脱し、これはシート抵抗を増大さ
せる効果をもたらすことになる。図5に示した結果は、
450℃以下の熱処理温度ではPの活性化によるシート
抵抗の減少割合に比べて水素離脱によるシート抵抗の増
加割合が大きく、450℃でLDD領域からほぼ水素が
離脱し、その後Pの活性化による抵抗の減少が進行する
ことを示している。
ためには、LDD領域のシート抵抗を105 〜106 Ω
/□程度にする必要があり、そのためには図5から明ら
かなように熱処理温度を550℃程度に設定しなければ
ならない。
活性化を行うことができるが、ゲート電極材料として用
いる金属膜の剥離や溶融が生じる恐れがあり、また、L
DD領域は下層ゲート電極で覆われているためレーザパ
ワーが反射されてしまい活性化することができない。
クにしてイオン注入を行った場合、SD領域にもPと水
素が注入されることになる。しかし、SD領域のシート
抵抗の熱処理温度依存性を図5と同様な方法で測定する
と、シート抵抗は熱処理温度の増加とともに単調に減少
する。これは、LDD領域に比べてSD領域へのPの注
入量が多いため、水素の離脱による抵抗の増加がPの活
性化による抵抗の減少に隠されてしまうことによると考
えられる。
注入後の熱処理に際してガラス基板に影響を与えないよ
うにするためには熱処理温度を600℃以下に設定する
必要があり、SD領域に対しては熱処理温度を450℃
に設定した場合にも抵抗を許容レベルにまで下げること
ができることがわかった。しかし、この熱処理温度では
LDD領域の抵抗を許容レベルにまで下げることはでき
ない。そこで、前述した水素による抵抗低減効果を利用
して多結晶Si中にPと同時に多量の水素を注入する方
法が用いられる。特開平6-104280号公報には、低い熱処
理温度でSD領域の抵抗を下げることを目的として、水
素濃度80% 以上のPH3 ガスを用いることによりPイ
オン注入時に充分な量の水素イオンを注入する方法、P
H3 ガスを用いたイオン注入に続いて水素イオンを2×
1015〜2×1016/cm2 の範囲で注入する方法が開示
されている。
る上でも有効であり、これによって450℃程度の熱処
理温度でLDD領域の抵抗を許容レベルにまで下げるこ
とが可能となる。しかし、多量の水素イオン注入はTF
T特性に悪影響を及ぼし、たとえば、nチャネルTFT
のしきい値電圧を負方向へシフトさせてしまう。しきい
値電圧のシフトはTFTのオン/オフ電圧の設定に影響
を与える他、周辺駆動回路においてTFTをCMOS構
成にして用いることを難しくする等の問題を生じさせ
る。
容レベルにまで下げるとともにTFTしきい値電圧のシ
フトを防ぐことを目的とする。
性基板上に多結晶Siを形成する工程と、該多結晶Si
上にゲート絶縁膜を形成する工程と、該ゲート絶縁膜上
に下層ゲート電極と該下層ゲート電極より幅の狭い上層
ゲート電極から成る2層ゲート電極を形成する工程と、
該2層ゲート電極をマスクにして3属あるいは5属元素
から成る不純物をイオン注入する工程と、熱処理する工
程と、該2層ゲート電極をマスクにして水素をイオン注
入する工程を含むことを特徴とする薄膜トランジスタの
製造方法、あるいは、熱処理温度を450℃以下とする
ことを特徴とする上記薄膜トランジスタの製造方法、あ
るいは、水素イオン注入量を2×1011/cm2 〜2×1
012/cm2 とすることを特徴とする上記薄膜トランジス
タの製造方法、あるいは、水素のイオン注入に代えて水
素プラズマ処理を行うことを特徴とする上記薄膜トラン
ジスタの製造方法によって達成される。
後、これをマスクにしてSD領域とLDD領域に不純物
のイオン注入を行い、次に、不純物の活性化のための熱
処理を行う。熱処理温度をガラス基板の変形やゲート電
極に用いられる金属膜の溶融等を引き起こさない程度の
低い温度、たとえば450℃に設定すると、不純物の活
性化は充分ではないものの、あらかじめSD領域に多量
の不純物を注入しておくことによりSD領域の抵抗を許
容レベルにまで下げることができる。そして、次の水素
イオン注入工程において、LDD領域の抵抗を許容レベ
ルにまで下げ且つTFTのしきい値電圧のシフトが生じ
ないように水素のイオン注入量を制御する。
11/cm2 以下にしたときLDD領域のシート抵抗が許容
レベルを超えて急激に増加し、2×1012/cm2 以上に
するとnチャネルTFTのしきい値電圧が負方向にシフ
トすることを実験により確かめた。このことから、水素
のイオン注入量を2×1011/cm2 〜2×1012/cm 2
の範囲に設定することによりLDD領域の抵抗を許容レ
ベル以下に抑え且つTFTのしきい値電圧のシフトを防
ぐことが可能となる。
気中でのプラズマ処理を行うことにより多結晶Si中に
水素を注入することもできる。LDD領域への水素の注
入量をプラズマ処理条件で制御することによって前述し
た水素のイオン注入と同じ効果を得ることができる。
工程を説明する断面図である。まず、図1(a)に示し
たように、ガラス基板1上にSiH4 を用いたプラズマ
CVD法により膜厚50nmのa−Si膜を堆積する。ガ
ラス基板1上に下地絶縁膜を形成し、この上にa−Si
を形成するようにしてもよい。下地絶縁膜は、例えば、
膜厚200nmのSiO2 と膜厚100nmのSiNから成
り、SiO2 の堆積にはSiH 4 ガスとN2 Oガスを用
いたプラズマCVD法を用い、SiN膜の堆積にはSi
H4 とNH3 を用いたプラズマCVD法を用いる。
℃、2時間の熱処理を行った後、400mJ/cm2 のパワ
ーでレーザアニールを行い、これによりa−Siを結晶
化させ多結晶Si膜2を形成する。多結晶Si膜2はフ
ォトレジスト法により島状にパターニングする。
ら成るゲート絶縁膜3をプラズマCVD法により堆積
し、続けて、膜厚50nmのMo膜4、膜厚250nmのA
l膜5をスパッタ法により堆積する。さらに、Al膜5
の上に5μm幅のレジストパターン6を形成する。
ストパターン6をマスクにしてAl膜5をウェットエッ
チングする。H3 PO4 とCH3 COOHから成るエッ
チング液を用い、オーバーエッチングによりAl膜5の
幅をレジストパターン6の幅より0.6μm だけ狭くす
る。その後、レジストパターン6をマスクにしてCF 4
ガスとO2 ガスを用いた異方性ドライエッチングにより
Mo膜4をレジストパターン6と同じ幅にパターニング
し、続けて、レジストパターン6をマスクにしてCHF
3 ガスを用いた異方性ドライエッチングによりゲート絶
縁膜3をパターニングする。以上の工程によりMo膜4
とこれより幅の狭いAl膜5からなる2層ゲート電極7
及びMo膜4と同じ幅のゲート絶縁膜3が形成される。
その後レジストパターン6を剥離する。
3 ガスを用い加速電圧70keV 、注入量1014/cm2 の
条件で1回目のイオン注入を行う。このイオン注入条件
はゲート絶縁膜3とLDD領域9の界面にP濃度のピー
クがくるように設定したものであり、PイオンはSD領
域8を突き抜けてガラス基板1に到達するためSD領域
8には注入されることがない。また、チャネル層10に対
しては、Al膜5、Mo膜4及びゲート絶縁膜3によっ
てPイオンはマスクされ、その結果、LDD領域9にの
みPイオンが注入されることになる。
keV 、注入量1015/cm2 の条件で2回目のイオン注入
を行う。この2回目のイオン注入ではSD領域8にのみ
Pイオンが注入され、LDD領域9に対してはMo膜4
とゲート絶縁膜3がマスクとなってPイオンは注入され
ず、また、チャネル領域10に対してもMo膜4、Al膜
5及びゲート絶縁膜3がマスクとなってPイオンは注入
されない。
ン注入でLDD領域9にPイオンを注入し、次の2回目
のイオン注入でSD領域8へPイオンを注入するように
しているが、イオン注入の順序を逆にして最初にSD領
域8へPイオンを注入し、次にLDD領域9へPイオン
を注入することもできる。
の熱処理を行い、これによりSD領域8とLDD領域9
に注入されたPイオンの活性化を行う。2回目のイオン
注入によりSD領域8には充分な量のPが注入されてお
り、そのため上記熱処理によりSD領域の抵抗を許容レ
ベルにまで下げることができる。一方、LDD領域9に
対するPのイオン注入量はSD領域8に比べて少なく抵
抗は許容レベルを超えて高くなっている。そこで、上記
熱処理に続いて水素のイオン注入を行い、これによりL
DD領域9の抵抗を低減する。
オン注入量依存性を示したものであり、LDD領域9の
シート抵抗は水素イオン注入量が2×1011/cm2 以下
になると急激に増加することがわかる。同図から、水素
イオン注入量を2×1011/cm2 以上に設定すればLD
D領域9のシート抵抗を105 〜106 Ω/□の許容レ
ベルにまで下げることができる。
水素イオン注入量依存性を示したものであり、水素イオ
ン注入量の増加とともにしきい値電圧が負方向へシフト
し、2×1012/cm2 以上になるとしきい値電圧が負に
なることがわかる。このことから水素イオン注入量を2
×1012/cm2 以下に設定することによりTFTのしき
い値電圧のシフトを防ぐことができる。
(図示せず)を行ってTFTを完成させる。即ち、図1
(c)に示した工程に続いて層間膜を堆積し、SD領域
8と2層ゲート電極7上にコンタクトホールを形成す
る。さらに、この上にTi/Al/Tiをスパッタ法に
より堆積しパターニングして配線を形成する。
いるが、これに代えて水素雰囲気中でプラズマ処理する
ことによりLDD領域に水素をドープすることもでき
る。水素のドープ量は水素ガスの分圧やプラズマパワー
等によって制御する。
OLD−TFTの製造に際して、ガラス基板に影響を与
えない程度の低い熱処理温度でLDD領域の抵抗を許容
レベルにまで下げることが可能となり、さらにTFTの
しきい値電圧のシフトをも防ぐことができるのでアクテ
ィブマトリクス型液晶表示装置の高性能化を達成する上
で有益である。
依存性を示す図
存性を示す図
を示す図
Claims (4)
- 【請求項1】 絶縁性基板上に多結晶Siを形成する工
程と、 該多結晶Si上にゲート絶縁膜を形成する工程と、 該ゲート絶縁膜上に下層ゲート電極と該下層ゲート電極
より幅の狭い上層ゲート電極から成る2層ゲート電極を
形成する工程と、 該2層ゲート電極をマスクにして3属あるいは5属元素
から成る不純物をイオン注入する工程と、 熱処理する工程と、 該2層ゲート電極をマスクにして水素をイオン注入する
工程を含むことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方
法。 - 【請求項2】 熱処理温度を450℃以下とすることを
特徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタの製造方
法。 - 【請求項3】 水素イオン注入量を2×1011/cm2 〜
2×1012/cm2 とすることを特徴とする請求項1記載
の薄膜トランジスタの製造方法。 - 【請求項4】 水素のイオン注入に代えて水素プラズマ
処理を行うことを特徴とする請求項1記載の薄膜トラン
ジスタの製造方法。
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