JP2002020621A - 芳香族ポリサルホン樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents
芳香族ポリサルホン樹脂組成物およびその成形品Info
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Abstract
熱性に問題を与えることなく、成形時の流動性に優れ、
成形品の薄肉部分において優れた剛性を有する芳香族ポ
リサルホン樹脂組成物およびその成形品を提供する。 【解決手段】340℃、せん断速度1000s-1で測定
した溶融粘度が200〜1000Pa・s以下である芳
香族ポリサルホン樹脂100重量部に対して、下記に定
義される流動温度が250〜400℃である液晶ポリエ
ステル樹脂5〜50重量部と、平均繊維径2〜8μmの
ガラス繊維5〜100重量部とを含有する芳香族ポリサ
ルホン樹脂組成物。流動温度:内径1mm、長さ10m
mのノズルを持つ毛細管レオメーターを用い、100k
g/cm2の荷重下において4℃/分の昇温速度で加熱
溶融体を押し出すときに溶融粘度が4800Pa・sを
示す温度。この組成物を用いたIC用バーンインソケッ
ト。
Description
ン樹脂組成物およびその成形品に関するものである。詳
しくは、液晶ポリエステル樹脂を含有する芳香族ポリサ
ルホン樹脂組成物およびその成形品に関するものであ
る。
耐熱性、機械物性から電気・電子部品材料用途をはじめ
幅広い分野に使用されているが、近年、製品の小型・軽
量化に伴う薄肉化により、流動性の向上が求められてい
る。芳香族ポリサルホン樹脂の流動性を向上し、ピング
リッドアレイ(PGA)、ボールグリッドアレイ(BG
A)に代表されるより多ピン化の進んだIC用のソケッ
ト、特にバーンインソケットにおいて良好な性能を発現
せしめる方法としては、例えば、特定の芳香族ポリサル
ホンと特定の液晶ポリエステルを特定量配合する組成物
を用いる方法が特開平11−181284号公報に開示
されている。しかしながら、コンタクトピン間距離が狭
いIC用のソケット、特にバーンインソケットにおいて
は、薄肉部分の最小肉厚が、例えば0.8mm以下と薄
いため、該薄肉部分の剛性が十分でないと、ICをソケ
ットに搭載するときにコンタンクトピンに発生する力に
耐え切れず該薄肉部分が破損したり、大きく撓んでコン
タクトピンの位置がずれ、ソケットの信頼性を損なうと
いう問題があった。更にこの現象は、射出成形にて成形
品を作成する際、樹脂の流動方向に対し直角の方向に位
置する薄肉部分において顕著であった。
解決して芳香族ポリサルホン樹脂が有する優れた機械物
性、耐熱性に問題を与えることなく、芳香族ポリサルホ
ン樹脂より成形時の流動性に優れる芳香族ポリサルホン
樹脂組成物であって、成形品の薄肉部分、特に射出成形
にて成形品を作成する際、樹脂の流動方向に対して直角
方向に位置する薄肉部分において優れた剛性を有する芳
香族ポリサルホン樹脂組成物およびその成形品を提供す
ることを目的とするものである。
を解決するために鋭意検討した結果、特定の溶融粘度の
芳香族ポリサルホン樹脂に特定の流動温度の液晶ポリエ
ステル樹脂と、特定の平均繊維径を有するガラス繊維を
特定量含有する樹脂組成物を用いることにより上記目的
を達成できることを見いだし、本発明に到達した。すな
わち本発明は、下記〔1〕〜〔4〕に係るものである。 〔1〕340℃、せん断速度1000s-1で測定した溶
融粘度が200〜1000Pa・s以下である芳香族ポ
リサルホン樹脂100重量部に対して、下記に定義され
る流動温度が250〜400℃である液晶ポリエステル
樹脂5〜50重量部と、平均繊維径が2〜8μmである
ガラス繊維5〜100重量部とを含有する芳香族ポリサ
ルホン樹脂組成物。流動温度:内径1mm、長さ10m
mのノズルを持つ毛細管レオメーターを用い、100k
g/cm2の荷重下において4℃/分の昇温速度で加熱
溶融体を押し出すときに溶融粘度が4800Pa・sを
示す温度。 〔2〕上記〔1〕の芳香族ポリサルホン樹脂組成物を用
いてなる成形品。 〔3〕上記〔1〕の芳香族ポリサルホン樹脂組成物を成
形してなるIC用ソケット。 〔4〕上記〔1〕の芳香族ポリサルホン樹脂組成物を成
形してなるIC用バーンインソケット。
本発明において、芳香族ポリサルホン樹脂とは、アリー
レン単位、エーテル結合およびサルホン結合の三者が必
須の繰り返し構造単位であって、アリーレン単位がエー
テルおよびサルホン結合とともに無秩序にまたは秩序正
しく位置するポリアリーレン化合物である。
40℃、せん断速度1000s-1で測定した溶融粘度が
200〜1000Pa・sの芳香族ポリサルホン樹脂で
あり、好ましくは200〜700Pa・sであり、より
好ましくは300〜500Pa・sである。芳香族ポリ
サルホン樹脂の溶融粘度が1000Pa・sを超えると
樹脂組成物の成形時の流動性が良くないことがある。
また、溶融粘度が200Pa・s未満では、成形品の強
度が低下することがある。
単位としては、下記一般式(I)、(II)、(II
I)のものを例示することができる。
数3〜10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン
原子を表し、pは0〜4の整数である。同一または異な
る核上の各R1は相互に異なっていても良い。各pは相
互に異なっていても良い。]
定義と同じである。]
る定義と同じである。qは1〜3の整数である。]
(I)からなる場合、(I)中のpは0であることがよ
り好ましく、中でも該構造単位を80モル%以上含むも
のであることがさらに好ましい。また、上記構造単位
(I)および(II)からなる場合、(I)/(II)
のモル比率は、通常0.5〜50、好ましくは0.5〜
9.0、さらに好ましくは0.5〜4.0である。ま
た、上記構造単位(I)および(III)からなる場
合、(III)中のqは1または2であることが好まし
く、(I)/(III)のモル比率は通常0.1〜2
0、好ましくは0.1〜9.0、さらに好ましくは0.
5〜4.0である。
び上記構造単位(I)および(II)からなるものが好
ましく、上記構造単位(I)からなるものがさらに好ま
しい。
方法としては、公知の方法を採用することができる。ま
た、市販されている芳香族ポリサルホン樹脂の例として
は、上記構造単位(I)からなるものとしては、住友化
学工業株式会社の商品名スミカエクセルPES3600
P、スミカエクセルPES4100Pなどが挙げられ
る。また、上記構造単位(I)および(II)からなる
ものとしては、AMOCO社の商品名 UDEL P−
1700が挙げられる。また、その末端構造は、各々の
樹脂の製法に従って決まるものであり、例えば、−C
l、−OH、−OR(Rはアルキル基)などが挙げられ
る。
一般にサーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエ
ステルであり、400℃以下の温度で異方性溶融体を形
成するものが好ましい。具体的には、例えば、 ・芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒドロ
キシカルボン酸との組み合わせからなるもの、 ・異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸からなるもの、 ・芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールとの組み合わせ
からなるもの、 ・ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルに芳
香族ヒドロキシカルボン酸を反応させたもの、 などが挙げられる。なお、これらの芳香族ジカルボン
酸、芳香族ジオールおよび芳香族ヒドロキシカルボン酸
の代わりに、それらのエステル形成性誘導体が使用され
ることもある。
に定義される流動温度が250℃〜400℃、好ましく
は250℃〜320℃のものである。流動温度:内径1
mm、長さ10mmのノズルを持つ毛細管レオメーター
を用い、100kg/cm2の荷重下において4℃/分
の昇温速度で加熱溶融体を押し出すときに溶融粘度が4
800Pa・sを示す温度。該流動温度が400℃を越
える液晶ポリエステル樹脂を用いると、樹脂組成物の成
形時の流動性が不足する場合があり、該流動温度が25
0℃未満の液晶ポリエステル樹脂を用いると、樹脂組成
物のペレットのブロッキングを誘発したり、成形品の耐
熱性が低下する場合がある。
位としては、下記のものを例示することができる。
位:
0のアルキル基を意味し、アリールは炭素数6〜20の
アリール基を意味する。
における加工性、流動性、耐熱性の面から ・(A1)、(B1)、(B2)、(C1) ・(A1)、(B1)、(B2)、(C2) ・(A1)、(B1)、(B2)、(C1)、(C2) が好ましく、構造単位のモル比率としては、[(C1)
+(C2)]/(A1)は0.2〜1.0、[(B1)+
(B2)]/[(C1)+(C2)]は0.9〜1.1、
(B1)/(B2)は1〜30であるのが好ましい。
法は、公知の方法を採用することができ、例えば、特公
昭47−47870号公報、特公昭63−3888号公
報等に記載されている。
て、液晶ポリエステル樹脂の含有量は、芳香族ポリサル
ホン樹脂100重量部に対して、液晶ポリエステル樹脂
5〜50重量部であり、好ましくは芳香族ポリサルホン
樹脂100重量部に対して、液晶ポリエステル樹脂10
〜25重量部である。5重量部未満では流動性の改善効
果が乏しいことがあり、また、50重量部を越える場合
は成形収縮率の異方性やウェルド強度が低下することが
ある。
分とするガラスを繊維状に加工処理されたものを示す。
ガラスの種類としては、一般用アルカリガラス(Aガラ
ス)、化学用耐酸ガラス(Cガラス)、低密度ガラス
(Dガラス)、ホウケイ酸ガラス(Eガラス)等がある
が、本発明で用いられるものとしてはEガラスが好適で
ある。ガラス繊維の製造は溶融状態(1300℃以上)
のガラスを紡糸する方法が一般的である。本発明に使用
されるガラス繊維の平均繊維径は2〜8μmであり好ま
しくは5〜7μmである。平均繊維径が8μmを超える
と微細部分まで充分ガラス繊維が充填出来ないことがあ
り、また、平均繊維径が2μm未満であるものは紡糸時
の集束効果が不十分となり、その結果芳香族ポリサルホ
ン樹脂との配合が困難となることがある。ガラス繊維の
平均繊維径は、顕微鏡により観察して測定することがで
きる。ガラス繊維の数平均繊維長は25〜6000μm
であることが好ましく、30〜3000μmであること
がより好ましい。数平均繊維長が25μmより短いとガ
ラス繊維による補強効果が低下する場合がある。また、
繊維長が6000μmより長いと組成物の溶融造粒時に
ストランドの引き取り性が不安定となり、更に得られた
組成物から成形された製品の表面状態が悪化する場合が
ある。ガラス繊維の充填量は芳香族ポリサルホン樹脂1
00重量部に対して5〜100重量部であり、好ましく
は10〜90重量部、より好ましくは30〜80重量部
である。5重量部未満であると、補強効果が十分でない
ことがあり、100重量部を超えると成形性が悪くなる
ことがある。
ては、フッ素樹脂を含有させることもできる。これによ
り離型性も向上させることになり、さらなる精密成形に
おいては、微細構造を有する成形品を破損、変形をまね
くことなく、金型からの取り出しが容易になる。また、
成形品とコンタクトピンとの摺動性も向上する。
ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン
−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリトリクロロ
フルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体、等が挙げられ、
その一種以上を用いることができる。中でも耐熱性の観
点からポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
脂100重量部に対して、0.5〜30重量部が好まし
く、より好ましくは0.8〜30重量部、さらに好まし
くは1.0〜10重量部である。0.5重量部未満の場
合、成形時の離型性の改善効果が乏しいことがあり、ま
た、30重量部を越える場合、成形品の強度が低下する
ことがあり、また経済性も低下する。
は、必要に応じて、本発明の目的を損じない範囲で、熱
可塑性樹脂、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリ
フェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカー
ボネート、ポリフェニレンエーテルおよびその変性物、
ポリエーテルイミド、等の一種以上を配合することがで
きる。また、熱硬化性樹脂、例えば、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などの一種以上を含有し
ても良い。
物は、必要に応じて、本発明の目的を損じない範囲で、
染料、顔料などの着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外
線吸収剤、帯電防止剤、界面活性剤などの通常の添加剤
を一種以上含有しても良い。
ための原料成分の配合手段としては、芳香族ポリサルホ
ン樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ガラス繊維等を、ヘン
シェルミキサー、タンブラー等を用いて混合した後、押
出機を用いて溶融混練することが一般的である。
常の方法により、様々な部品、部材に成形することがで
きる。成形方法としては、射出成形法、圧縮成形法、押
出し成形法、中空成形法、等が挙げられるが、射出成形
法が好ましい。成形品としては、例えば、コネクター、
ソケット、リレー部品、コイルボビン、光ピックアッ
プ、発振子、プリント配線板、コンピュータ関連部品、
等の電気・電子部品;ICトレー、ウエハーキャリヤ
ー、等の半導体製造プロセス関連部品;VTR、テレ
ビ、アイロン、エアコン、ステレオ、掃除機、冷蔵庫、
炊飯器、照明器具、等の家庭電気製品部品;ランプリフ
レクター、ランプホルダー、等の照明器具部品;コンパ
クトディスク、レーザーディスク(登録商標)、スピー
カー、等の音響製品部品;光ケーブル用フェルール、電
話機部品、ファクシミリ部品、モデム、等の通信機器部
品;分離爪、ヒータホルダー、等の複写機関連部品;イ
ンペラー、ファン、歯車、ギヤ、軸受け、モーター部品
及びケース、等の機械部品;自動車用機構部品、エンジ
ン部品、エンジンルーム内部品、電装部品、内装部品、
等の自動車部品;マイクロ波調理用鍋、耐熱食器、等の
調理用器具;床材、壁材などの断熱、防音用材料、梁、
柱などの支持材料、屋根材、等の建築資材または土木建
築用材料;航空機部品、宇宙機部品、原子炉などの放射
線施設部材、海洋施設部材、洗浄用治具、光学機器部
品、バルブ類、パイプ類、ノズル類、フィルター類、
膜、医療用機器部品及び医療用材料、センサー類部品、
サニタリー備品、スポーツ用品、レジャー用品、が挙げ
られる。中でも、コネクターの一種であるIC用ソケッ
ト、特にバーンインソケットにおいては、ボールグリッ
ドアレイ(BGA)、ピングリッドアレイ(PGA)に
代表されるようなICの多ピン化に伴う形状の薄肉化が
進んでおり、流動性に加え、IC搭載時の負荷に耐え得
る機械物性や、テスト条件下での耐熱性等が要求され
る。従って、成形時の流動性に優れ、成形品が必要な機
械物性、耐熱性を備える本発明の芳香族ポリサルホン樹
脂組成物は、IC用ソケット、特にIC用バーンインソ
ケットに好適に用いられる。中でも、本発明の芳香族ポ
リサルホン樹脂組成物は最小肉厚が0.8mm以下、特
に0.5mm以下であるような更なるファインピッチに
対応した成形品、IC用ソケット、特にIC用バーンイ
ンソケットに好適に用いられる。本発明の組成物を用い
ることにより、薄肉部分、特に流動方向に対して直角方
向に位置する薄肉部分にもガラス繊維を完全に充填せし
め、補強することができ、IC搭載時のコンタクトピン
の位置ずれを防止し、信頼性の高い製品を提供できる。
れらに限定されるものではない。なお、実施例中の物性
測定は次の方法で行った。・スパイラルフロー:射出成
形機(住友重機工業(株)製、ネオマットN110/4
5)、ダイレクトゲート式の8mm幅、1mm厚のスパ
イラルフロー測定金型を用い、射出速度45mm/s、
射出圧力1400kg/cm2、加熱筒温度360℃、
金型温度150℃の条件で流動長を測定した。 ・曲げ強度、曲げ弾性率:長さ127mm、幅12.7
mm、厚さ6.4mmの試験片を用い、ASTM D7
90に準拠して測定した。 ・引張り強度:ASTM4号ダンベルを用い、ASTM
D638に準拠して測定した。 ・荷重たわみ温度:長さ127mm、幅12.7mm、
厚さ6.4mmの試験片を用い、ASTM D648に
準拠し18.6kg/cm2の荷重で測定した。
精樹脂工業(株)製)を用いて成形し、図1に示すIC
ソケット模型を得た。図1(a)はソケットの上面図
を、図1(b)は側面図を示す。図1(a)の中央の四
角形の内側は空洞であり、その他の小さい四角形の部分
は網目構造を表す。この網目構造の部分の拡大を図2
(a)に示す。図2(a)の大きな方の長方形の内側は
段差付きの空洞であり、小さな方の長方形は、深さ2.
5mmの窪みとなっている。図2(b)、(c)はこの
切断面を表している。該ICソケットを精密切断機(商
品名:ISOMET、ビューラー社製)を用いて図2
(a)中の斜線部分を切り出した。切出片の詳細を図3
に示す。図3(a)は切出片の上面図を、図3(b)は紙
面下方向から見た図を示す。該切出片の図3(b)に示
すところのt-u部分(底面より1mm)をさらに切断
し、試験片とした(図2(c)(d))。なお、図1、
図2および図3中の数字は長さをあらわす(単位:m
m)
品名:オートグラフ、島津製作所製)を用い、スパン間
8mm、試験速度0.5mm/minにより曲げ試験を
行い、該試験片の厚みを0.5mmとみなして計算し、
成形品における薄肉部分の見かけ曲げ強度、見かけ曲げ
弾性率を求めた。
用いて混合後、二軸押出機(池貝鉄工(株)製PCM−
30型)を用いて、シリンダー温度360℃で造粒し、
樹脂組成物を得た。 ・芳香族ポリサルホン樹脂:住友化学工業(株)製、商
品名:スミカエクセルPES3600P(340℃、せ
ん断速度1000s-1における溶融粘度:366Pa・
s) ・液晶ポリエステル樹脂:前記構造単位(A1)、
(B1)、(B2)、(C1)からなり、(A1):
(B1):(B2):(C1)のモル比が60:12:
8:20で、流動温度(前記定義)が287℃の液晶ポ
リエステル樹脂 ・フッ素樹脂:三井フルオロカーボン(株)製、商品
名:フルオンL169J。 ガラス繊維: 平均繊維径 6μm 旭ファイバーガラス(株)製、商品名:CS03DE4
04 平均繊維径 10μm 旭ファイバーガラス(株)製、商品名:CS03JAP
X−1 得られたペレットは上記の方法により物性評価を行っ
た。結果を表1に示す。
は、芳香族ポリサルホン樹脂が有する優れた機械物性、
耐熱性に問題を与えることなく、芳香族ポリサルホン樹
脂より成形時の流動性に優れ、該組成物を用いることに
より薄肉部分、特に射出成形にて成形品を作成する際、
樹脂の流動方向に対して直角方向に位置する薄肉部分に
おいて優れた剛性を有する成形品を提供することができ
る。従って、本発明の芳香族ポリサルホン樹脂組成物は
電子、電気部品等の成形品、中でもIC用ソケット、特
にIC用バーンインソケットに好適に用いられる。
るためのICソケット模型を示す図である。図中の数字
は長さを表わす(単位:mm)。
るためのICソケット模型の詳細および断面を示す図で
ある。図中の数字は長さを表わす(単位:mm)。
である。図中の数字は長さを表わす(単位:mm)。
Claims (11)
- 【請求項1】340℃、せん断速度1000s-1で測定
した溶融粘度が200〜1000Pa・sである芳香族
ポリサルホン樹脂100重量部に対して、下記に定義さ
れる流動温度が250〜400℃である液晶ポリエステ
ル樹脂5〜50重量部と、平均繊維径が2〜8μmであ
るガラス繊維5〜100重量部とを含有することを特徴
とする芳香族ポリサルホン樹脂組成物。流動温度:内径
1mm、長さ10mmのノズルを持つ毛細管レオメータ
ーを用い、100kg/cm2の荷重下において4℃/
分の昇温速度で加熱溶融体を押し出すときに溶融粘度が
4800Pa・sを示す温度。 - 【請求項2】芳香族ポリサルホン樹脂の溶融粘度が30
0〜500Pa・sであり、液晶ポリエステル樹脂の流
動温度が250〜320℃であることを特徴とする請求
項1記載の芳香族ポリサルホン樹脂組成物。 - 【請求項3】芳香族ポリサルホン樹脂が下記の構造単位 【化1】 を含むことを特徴とする請求項1または2記載の芳香族
ポリサルホン樹脂組成物。 - 【請求項4】芳香族ポリサルホン樹脂が請求項3記載の
構造単位を80モル%以上含むものであることを特徴と
する請求項3記載の芳香族ポリサルホン樹脂組成物。 - 【請求項5】液晶ポリエステル樹脂が、下記の構造単位
(A1)、(B1)、(B2)および(C1)からなるも
の、(A1)、(B1)、(B2)および(C2)からなる
もの、ならびに(A1)、(B1)、(B2)、(C1)お
よび(C2)からなるものから選ばれた一種以上であ
り、[(C1)+(C2)]/(A1)のモル比率が0.
2〜1.0、[(B1)+(B2)]/[(C1)+
(C2)]のモル比率が0.9〜1.1、(B1)/(B
2)のモル比率が1〜30であることを特徴とする請求
項1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリサルホン樹脂組
成物。 【化2】 - 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の芳香族ポ
リサルホン樹脂組成物を用いてなることを特徴とする成
形品。 - 【請求項7】最小肉厚が0.8mm以下であることを特
徴とする請求項6記載の成形品。 - 【請求項8】請求項1〜5のいずれかに記載の芳香族ポ
リサルホン樹脂組成物を成形してなることを特徴とする
IC用ソケット。 - 【請求項9】最小肉厚が0.8mm以下であることを特
徴とする請求項8記載のIC用ソケット。 - 【請求項10】請求項1〜5のいずれかに記載の芳香族ポ
リサルホン樹脂組成物を成形してなることを特徴とする
IC用バーンインソケット。 - 【請求項11】最小肉厚が0.8mm以下であることを特
徴とする請求項10記載のIC用バーンインソケット。
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