JP2002249662A - 芳香族ポリサルホン樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

芳香族ポリサルホン樹脂組成物およびその成形品

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JP2002249662A
JP2002249662A JP2001048115A JP2001048115A JP2002249662A JP 2002249662 A JP2002249662 A JP 2002249662A JP 2001048115 A JP2001048115 A JP 2001048115A JP 2001048115 A JP2001048115 A JP 2001048115A JP 2002249662 A JP2002249662 A JP 2002249662A
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polysulfone resin
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Noriyuki Arai
規之 新井
Manabu Hirakawa
学 平川
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形時の流動性に優れ、成形体にした場合の曲
げ強度、引張強度、剛性などの優れた機械的特性を維持
しながら、優れた耐衝撃性を示す、芳香族ポリサルホン
樹脂組成物およびその成形体を提供する。 【解決手段】芳香族ポリサルホン樹脂100重量部に対
して、ポリフェニレンスルフィド樹脂5〜50重量部、
ガラス繊維を5〜100重量部、板状の無機充填材を5
〜100重量部を含有してなり、板状の無機充填材のガ
ラス繊維に対する重量比が1以下であることを特徴とす
る芳香族ポリサルホン樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族ポリサルホ
ン樹脂組成物およびその成形品に関する。さらに詳しく
は、ポリフェニレンスルフィド樹脂を含有する芳香族ポ
リサルホン樹脂組成物およびその成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリサルホン樹脂は、その優れた
耐熱性、機械物性から電気・電子部品材料用途をはじめ
幅広い分野に使用されているが、近年、製品の小型・軽
量化に伴う薄肉化により、流動性の向上が求められてい
る。そこで、優れた性能を有する、ピングリッドアレイ
(PGA)、ボールグリッドアレイ(BGA)に代表さ
れるより多ピン化の進んだIC用のソケット、特にバー
ンインソケットを製造するために、流動性に優れた芳香
族ポリサルホン樹脂組成物について検討がなされてい
る。例えば、特公平3−72669号公報には、芳香族
ポリサルホン樹脂とポリフェニレンスルフィド樹脂を配
合したものに、ガラス繊維または炭素繊維を配合してな
る組成物が開示されている。上記の組成物では、成形体
とした場合、曲げ強度、引張強度、剛性などの機械的特
性を維持しながら、成形時の流動性を向上させている
が、充填材として、ガラス繊維または炭素繊維を添加し
ているので、該組成物を成形体にした場合、耐衝撃強度
が劣るという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、成形
時の流動性に優れ、成形体にした場合の曲げ強度、引張
強度、剛性などの優れた機械的特性を維持しながら、優
れた耐衝撃性を示す、芳香族ポリサルホン樹脂組成物お
よびその成形体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
ような問題がない芳香族ポリサルホン樹脂組成物を見出
すべく充填材について鋭意検討した結果、板状の無機充
填材とガラス繊維とを特定の重量比で含有してなる芳香
族ポリサルホン樹脂組成物が、成形時の流動性に優れ、
成形体にした場合の曲げ強度、引張強度、剛性などの優
れた機械的特性を維持しながら、優れた耐衝撃性を示す
ことを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち
本発明は、芳香族ポリサルホン樹脂100重量部に対し
て、ポリフェニレンスルフィド樹脂5〜50重量部、ガ
ラス繊維を5〜100重量部、板状の無機充填材を5〜
100重量部を含有してなり、板状の無機充填材のガラ
ス繊維に対する重量比が1以下であることを特徴とする
芳香族ポリサルホン樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の芳香族ポリサルホン樹脂は、アリーレン単位、
エーテル結合およびサルホン結合の三者を必須の繰り返
し構造単位とするものであって、アリーレン基がエーテ
ル結合およびサルホン結合とともに無秩序にまたは秩序
正しく配置されたポリアリーレン化合物からなる。
【0006】芳香族ポリサルホン樹脂の溶融粘度につい
ては、特に限定されないが、340℃、せん断速度10
00s-1で測定した溶融粘度が200〜1000Pa・
sであることが好ましく、より好ましくは200〜70
0Pa・sであり、さらに好ましくは300〜500P
a・sである。芳香族ポリサルホン樹脂の溶融粘度が1
000Pa・sを超えると樹脂組成物の成形時の流動性
が低下することがある。 また、溶融粘度が200Pa
・s未満では、成形品の強度が低下することがある。
【0007】本発明で用いる芳香族ポリサルホン樹脂
は、下記一般式(I)で示される繰り返し構造単位を含
有する樹脂である。また、該芳香族ポリサルホン樹脂
は、下記一般式(II)で示される構造または下記一般式
(III)で示される構造のうち少なくとも1種を含むも
のであってもよく、上記式(II)および式(III)で示
される繰返し構造単位を含むランダム共重合体や交互共
重合体であってもよい。
【0008】 ……(I) [式(I)中、R1は炭素数1〜6のアルキル基、炭素
数2〜10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン
原子を表し、pは0〜4の整数である。同一または異な
る核上の各R1は互いに異なっていてもよい。各pは互
いに異なっていてもよい。]
【0009】 ……(II) [式中、R1は前記と同じものを表し、pは0〜4の整
数である。 m、nは平均繰り返し構造単位数を示し、
m、nは0.1から100までの正数である。同一また
は異なる核上の各R1は互いに異なっていてもよい。各
pは互いに異なっていてもよい。Xは炭素数1〜20の
有機基、カルボニル基、2価の硫黄原子または2価の酸
素原子を表す。]
【0010】 ……(III) [式中、R1は前記と同じものを表し、pは0〜4の整
数である。 qは1〜5の整数である。m、nは平均繰り
返し構造単位数を示し、m、nは0.1から100まで
の正数である。同一または異なる核上の各R1は互いに
異なっていてもよい。各pは互いに異なっていてもよ
い。各qは相互に異なっていてよい。]
【0011】ここで、炭素数1〜6のアルキル基として
は、例えば、メチル基、エチル基、t−ブチル基、シク
ロヘキシル基などがあげられる。また、炭素数2〜10
のアルケニル基としては、例えば、エチニル基、iso
−プロペニル基などが例示できる。ハロゲン原子として
は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素
原子があげられる。炭素数1〜20の有機基としては、
例えば、イソプロピリデン基、エチリデン基、メチレン
基などの飽和脂肪族アルキレン基、エチニレン基などの
不飽和脂肪族アルキレン基、キシリレン基、フェニルメ
チレン基などの芳香族アルキレン基などがあげられる。
【0012】上記構造単位(I)からなる場合、(I)
中のpは0であることが好ましい。また、芳香族ポリサ
ルホン樹脂が、上記構造単位(II)からなる場合、
m,nのモル比率m/nは、通常0.5〜50である
が、1以上となることが好ましく、4以上となることが
より好ましい。また、芳香族ポリサルホン樹脂が、上記
構造単位(III)からなる場合、qは1あるいは2で
あることが好ましい。さらにm,nのモル比率m/n
は、通常、0.5〜50であるが、1以上となることが
好ましく、4以上となることがより好ましい。
【0013】本発明で用いる芳香族ポリサルホン樹脂の
製造する方法としては、公知の方法を採用することがで
きる。また、市販の芳香族ポリサルホン樹脂をそのまま
使用してもよい。市販の芳香族ポリサルホン樹脂として
は、例えば、住友化学工業株式会社の商品名スミカエク
セルPES3600P、スミカエクセルPES4100
Pなどの上記構造単位(I)からなるもの、AMOCO
社の商品名UDELP−1700などの上記構造単位
(I)および(II)からなるものが挙げられる。ま
た、その末端構造は、各々の樹脂の製法に従って決まる
ものであり、特に限定されないが、例えば、−Cl、−
OH、−OR(Rはアルキル基)などが挙げられる。
【0014】本発明において用いられるポリフェニレン
スルフィド樹脂としては、下記一般式で表されるものが
挙げられる。中でも物性面から(IV)で表される構造単位
を70モル%以上含むものが好ましい。 ここで、式(VI)中のQは、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子またはメチル基を表し、mは1〜4の整数を表
す。
【0015】かかるポリフェニレンスルフィド樹脂の製
法は特に限定されないが、具体的な製造方法としては、
例えば、米国特許第2513188号、特公昭44-27671に開示
されているハロゲン置換芳香族化合物と硫化アルカリと
の反応によるもの、米国特許第3274165号などに開示さ
れているチオフェノール類のアルカリ触媒又は銅塩等の
共存下での縮合反応、あるいは特公昭46-27255に開示さ
れている、芳香族化合物と塩化硫黄とのルイス酸触媒下
での縮合反応などが挙げられる。ポリフェニレンスルフ
ィド樹脂は、加熱処理によって酸素架橋する工程の有無
により、架橋構造を有しないものから部分的に架橋構造
を有するものまで調製が可能であるが、本発明において
は流動性の観点から架橋構造を有しないものが好まし
い。
【0016】本発明の芳香族ポリサルホン樹脂組成物に
おける、ポリフェニレンスルフィド樹脂の含有量は、芳
香族ポリサルホン樹脂100重量部に対して、5〜50
重量部であり、好ましくは10〜25重量部である。5
重量部未満では流動性の改善効果が乏しく、また、50
重量部を越えると成形収縮率の異方性やウェルド強度が
低下する。
【0017】本発明に使用されるガラス繊維は、珪酸塩
を主成分とするガラスを繊維状に加工処理したものを意
味する。ガラスの種類としては、一般用アルカリガラス
(Aガラス)、化学用耐酸ガラス(Cガラス)、低密度
ガラス(Dガラス)、ホウケイ酸ガラス(Eガラス)等
が挙げられるが、本発明ではEガラスが好適に使用され
る。ガラス繊維は、一般的には、溶融状態(1300℃
以上)のガラスを紡糸する方法により製造される。
【0018】ガラス繊維の形状は特に限定されないが、
繊維径が1〜20μmであることが好ましく、8〜12
μmであることが更に好ましい。繊維径が1μmより小
さいものは紡糸時の集束効果が不十分となり、その結果
芳香族ポリサルホン樹脂との配合が困難となる場合があ
る。また繊維径が20μmよりも大きいと組成物の溶融
造粒時にストランドの引き取り性が不安定になる場合が
ある。
【0019】ガラス繊維の数平均繊維長は25〜600
0μmであることが好ましく、30〜3000μmであ
ることが更に好ましい。数平均繊維長が25μmより短
いとガラス繊維による補強効果が低下する場合がある。
また、繊維長が6000μmより長いと組成物の溶融造
粒時にストランドの引き取り性が不安定となり、更に得
られた組成物から成形された製品の表面状態が悪化する
場合がある。
【0020】本発明に使用される板状の無機充填材と
は、化学結合によって平面層状の結晶構造を持ち、各層
間が弱いファンデルワールス力で結合しているため、へ
き開し易く、粉砕あるいは樹脂との混連時に粒子が板状
になる無機物を意味する。ここで、板状とは、長径と厚
みとの比が2以上であることを意味する。板状の無機充
填材としては、例えば、タルク、マイカ、グラファイ
ト、クレーなどが挙げられるが、中でも物性面からタル
クが好ましく使用される。
【0021】これらの板状の無機充填材の平均粒径は、
1〜20μmであることが好ましく、より好ましくは2
〜18μmであり、さらに好ましくは4〜15μmであ
る。ここで、平均粒径とは、粒度分布の粒度が50%にな
るところの粒径を意味する。平均粒径が1μm以下の場
合、流動性が低下したり、機械的強度が低下することが
ある。また、平均粒径が20μmより大きい場合、成形
品の外観、成形品中での均一分散性等に問題が生じる場
合がある。
【0022】ガラス繊維の充填量は、芳香族ポリサルホ
ン樹脂100重量部に対して、5〜100重量部であ
り、好ましくは20〜50重量部、より好ましくは30
〜50重量部である。また、板状の無機充填材の充填量
は、芳香族ポリサルホン樹脂100重量部に対して、5
〜100重量部であり、好ましくは5〜50重量部、よ
り好ましくは10〜30重量部である。
【0023】該無機充填材のガラス繊維に対する重量比
は、1以下であることが必要であり、好ましくは0.0
5〜0.9、より好ましくは0.2〜0.6である。該
無機充填材を添加しないと成形品の耐衝撃性が十分でな
く、該無機充填材のガラス繊維に対する重量比が1を超
えると、成形品全体の強度が低下する。
【0024】本発明の芳香族ポリサルホン樹脂組成物に
は、フッ素樹脂を含有させてもよい。フッ素樹脂を含有
させることにより、離型性をさらに向上させることがで
きる。よって、精密成形においては、微細構造を有する
成形品の破損、変形をまねくことが少なく、金型からの
取り出しがより容易になる。また、成形品とコンタクト
ピンとの摺動性もより向上する。
【0025】本発明で用いるフッ素樹脂としては、例え
ば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリトリク
ロロフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パー
フルオロアルキルビニルエーテル共重合体などが挙げら
れ、これらは単独でも二種以上を組み合わせて用いても
よい。中でも耐熱性の観点からポリテトラフルオロエチ
レンが好ましく使用される。
【0026】フッ素樹脂の使用量は、芳香族ポリスルホ
ン樹脂100重量部に対して、0.5〜30重量部が好
ましく、より好ましくは0.8〜30重量部、さらに好
ましくは1.0〜10重量部である。0.5重量部未満
の場合、成形時の離型性の改善効果が乏しいことがあ
り、また、30重量部を越える場合、成形品の強度が低
下することがある。
【0027】また、本発明の芳香族ポリサルホン樹脂組
成物は、必要に応じて、熱可塑性樹脂および/または熱
硬化性樹脂を配合してもよい。熱可塑性樹脂としては、
例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテルケト
ン、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルおよび
その変性物、ポリエーテルイミドなどが挙げられる。ま
た、熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。これ
らの樹脂は、単独で用いても二種以上混合して用いても
よい。
【0028】さらに、本発明の芳香族ポリサルホン樹脂
組成物は、必要に応じて、染料、顔料などの着色剤、酸
化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、界面
活性剤などの添加剤を単独でまたは二種以上混合して配
合してもよい。
【0029】本発明の芳香族ポリサルホン樹脂組成物を
得るための原料成分の配合手段としては、芳香族ポリサ
ルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ガラス繊
維、板状の無機充填材等を、ヘンシェルミキサー、タン
ブラー等を用いて混合した後、押出機を用いて溶融混練
することが一般的である。
【0030】本発明の芳香族ポリサルホン樹脂組成物
は、通常の方法により、様々な部品、部材に成形するこ
とができる。成形方法としては、射出成形法、圧縮成形
法、押出し成形法、中空成形法などが挙げられるが、射
出成形法が好ましい。
【0031】成形品の用途としては、例えば、コネクタ
ー、ソケット、リレー部品、コイルボビン、光ピックア
ップ、発振子、プリント配線板、コンピュータ関連部品
等の電気・電子部品;ICトレー、ウエハーキャリヤー
等の半導体製造プロセス関連部品;VTR、テレビ、ア
イロン、エアコン、ステレオ、掃除機、冷蔵庫、炊飯
器、照明器具等の家庭電気製品部品;ランプリフレクタ
ー、ランプホルダー等の照明器具部品;コンパクトディ
スク、レーザーディスク(登録商標)、スピーカー等の
音響製品部品;光ケーブル用フェルール、電話機部品、
ファクシミリ部品、モデム等の通信機器部品;分離爪、
ヒータホルダー等の複写機関連部品;インペラー、ファ
ン、歯車、ギヤ、軸受け、モーター部品及びケース等の
機械部品;自動車用機構部品、エンジン部品、エンジン
ルーム内部品、電装部品、内装部品等の自動車部品;マ
イクロ波調理用鍋、耐熱食器等の調理用器具;床材、壁
材などの断熱、防音用材料、梁、柱などの支持材料、屋
根材等の建築資材または土木建築用材料;航空機部品、
宇宙機部品、原子炉などの放射線施設部材、海洋施設部
材、洗浄用治具、光学機器部品、バルブ類、パイプ類、
ノズル類、フィルター類、膜、医療用機器部品及び医療
用材料、センサー類部品、サニタリー備品、スポーツ用
品、レジャー用品などが挙げられる。
【0032】中でも、ボールグリッドアレイ(BG
A)、ピングリッドアレイ(PGA)に代表されるよう
なICの多ピン化に伴う形状の薄肉化が進んでいるIC
用ソケット、特にバーンインソケットに使用する場合に
は、成形時の流動性に加えて、使用に際して衝撃強度な
どの機械物性や、耐熱性等が要求されるので、成形時の
流動性に優れ、機械物性、耐熱性を備えた本発明の芳香
族ポリサルホン樹脂組成物は、IC用ソケット、特にI
C用バーンインソケットに好適に用いられる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明が実施例により限定されるものではないことは言う
までもない。なお、実施例中の各種物性の測定は次の方
法で行った。
【0034】(1)スパイラルフロー:射出成形機(住
友重機工業(株)製、ネオマットN110/45)、ダ
イレクトゲート式の8mm幅、1mm厚のスパイラルフ
ロー測定金型を用い、射出速度45mm/s、射出圧力
1400kg/cm2、加熱筒温度360℃、金型温度
150℃の条件で流動長を測定した。 (2)曲げ強度、曲げ弾性率:長さ127mm、幅1
2.7mm、厚さ6.4mmの試験片を用い、ASTM
D790に準拠して測定した。 (3)引張り強度:ASTM4号ダンベルを用い、AS
TM D638に準拠して測定した。 (4)アイゾット衝撃強度(ノッチ無し):長さ64m
m、幅12.7mm、厚み6.4mmの試験片を成形
し、ASTM D256に準拠して測定した。 (5)荷重たわみ温度:長さ127mm、幅12.7m
m、厚さ6.4mmの試験片を用い、ASTM D64
8に準拠し18.6kg/cm2の荷重で測定した。
【0035】実施例1−2、比較例1 以下に示す各成分を表1に示すように配合し、ヘンシェ
ルミキサーを用いて混合後、二軸押出機(池貝鉄工
(株)製PCM−30型)を用いて、シリンダー温度3
60℃で造粒し、樹脂組成物ペレットを得た。各種物性
の評価は上記の方法により行なった。結果を表1に示
す。
【0036】各成分 芳香族ポリサルホン樹脂:住友化学工業(株)製、商品
名:スミカエクセルPES3600P(340℃、せん
断速度1000s-1における溶融粘度:366Pa・
s) ポリフェニレンスルフィド樹脂:米国特許第3354129号
に開示されている方法に従い、N-メチルピロリドン中、
160℃、加圧条件下にてp-ジクロロベンゼンと硫化ナト
リウムを反応させることにより得た。 ガラス繊維:旭ファイバーガラス(株)製、商品名:CS
03JAPX-1(直径10μm) タルク:日本タルク(株)製、商品名:X-50(平均粒径
13μm) 日本タルク(株)製、商品名:SG1000(平均粒径2μm) フッ素樹脂:三井フルオロカーボン(株)製、商品名:
フルオンL169J。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の芳香族ポリサルホン樹脂組成物
を使用することにより、成形時の流動性、成形体とした
場合に、強度、剛性などの優れた機械的特性を維持しな
がら、耐衝撃強度にも優れた成形品を提供することが可
能となる。よって、本発明の芳香族ポリサルホン樹脂組
成物は、電子、電気部品等の成形品、中でもIC用ソケ
ット、特にIC用バーンインソケットに好適に用いられ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01R 13/46 301 H01R 13/46 301B //(C08L 81/06 (C08L 81/06 81:02) 81:02) Fターム(参考) 4F072 AA01 AA05 AA08 AB09 AD46 AE06 AF01 AF06 AK14 AK15 AK16 AL11 4J002 CN012 CN031 DA027 DJ037 DJ047 DJ057 DL006 FA017 FA046 FD016 FD017 GJ00 GQ05 5E087 KK04 KK07 PP09 QQ06 RR06 RR07 RR25 RR47

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ポリサルホン樹脂100重量部に対
    して、ポリフェニレンスルフィド樹脂5〜50重量部、
    ガラス繊維を5〜100重量部、板状の無機充填材を5
    〜100重量部を含有してなり、板状の無機充填材のガ
    ラス繊維に対する重量比が1以下であることを特徴とす
    る芳香族ポリサルホン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】芳香族ポリサルホン樹脂の340℃、せん
    断速度1000s-1で測定した溶融粘度が200〜10
    00Pa・sであることを特徴とする請求項1記載の芳
    香族ポリサルホン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】芳香族ポリサルホン樹脂の340℃、せん
    断速度1000s-1で測定した溶融粘度が300〜50
    0Pa・sであることを特徴とする請求項1または2記
    載の芳香族ポリサルホン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】芳香族ポリサルホン樹脂が下記の構造単位 を含むことを特徴とする請求項1〜3にいずれかに記載
    の芳香族ポリサルホン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】芳香族ポリサルホン樹脂が請求項4記載の
    構造単位を80モル%以上含むことを特徴とする請求項
    1〜4記載の芳香族ポリサルホン樹脂組成物。
  6. 【請求項6】板状の無機充填材のガラス繊維に対する重
    量比が0.05〜0.9であることを特徴とする請求項
    1記載の芳香族ポリサルホン樹脂組成物。
  7. 【請求項7】板状の無機充填材のガラス繊維に対する重
    量比が0.2〜0.6であることを特徴とする請求項1
    記載の芳香族ポリサルホン樹脂組成物。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の芳香族ポ
    リサルホン樹脂組成物を用いて得られることを特徴とす
    る成形品。
  9. 【請求項9】最小肉厚が0.8mm以下であることを特
    徴とする請求項8記載の成形品。
  10. 【請求項10】請求項1〜7のいずれかに記載の芳香族
    ポリサルホン樹脂組成物を成形して得られることを特徴
    とするIC用ソケット。
  11. 【請求項11】最小肉厚が0.8mm以下であることを
    特徴とする請求項10記載のIC用ソケット。
  12. 【請求項12】請求項1〜7のいずれかに記載の芳香族
    ポリサルホン樹脂組成物を成形して得られることを特徴
    とするIC用バーンインソケット。
  13. 【請求項13】最小肉厚が0.8mm以下であることを
    特徴とする請求項12記載のIC用バーンインソケッ
    ト。
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WO2023157769A1 (ja) * 2022-02-18 2023-08-24 住友化学株式会社 芳香族ポリスルホン組成物、成形体、及び成形体の製造方法

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