JP2002249663A - 芳香族ポリサルホン樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

芳香族ポリサルホン樹脂組成物およびその成形品

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JP2002249663A
JP2002249663A JP2001048116A JP2001048116A JP2002249663A JP 2002249663 A JP2002249663 A JP 2002249663A JP 2001048116 A JP2001048116 A JP 2001048116A JP 2001048116 A JP2001048116 A JP 2001048116A JP 2002249663 A JP2002249663 A JP 2002249663A
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polysulfone resin
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JP2001048116A
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Noriyuki Arai
規之 新井
Manabu Hirakawa
学 平川
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形品の薄肉部分、特に射出成形にて成形品を
製造する際、樹脂の流動方向に対して直角方向に位置す
る薄肉部分が優れた剛性を有する成形品を製造し得る、
芳香族ポリサルホン樹脂組成物を提供する。 【解決手段】芳香族ポリサルホン樹脂100重量部に対
して、ポリフェニレン樹脂5〜50重量部と、平均繊維
径が2〜8μmであるガラス繊維5〜100重量部とを
含有してなる芳香族ポリサルホン樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族ポリサルホ
ン樹脂組成物およびその成形品に関する。さらに詳しく
は、液晶ポリエステル樹脂を含有する芳香族ポリサルホ
ン樹脂組成物およびその成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリサルホン樹脂は、その優れた
耐熱性、機械物性から電気・電子部品材料用途をはじめ
幅広い分野に使用されているが、近年、製品の小型・軽
量化に伴う薄肉化により、流動性の向上が求められてい
る。そこで、優れた性能を有する、ピングリッドアレイ
(PGA)、ボールグリッドアレイ(BGA)に代表さ
れるより多ピン化の進んだIC用のソケット、特にバー
ンインソケットを製造するために、流動性に優れた芳香
族ポリサルホン樹脂組成物について検討がなされてい
る。例えば、特公平3−72669号公報には、芳香族
ポリサルホン樹脂とポリフェニレン樹脂を配合したもの
に、ガラス繊維を配合してなる組成物が開示されてい
る。しかしながら、コンタクトピン間距離が狭いIC用
のソケット、特にバーンインソケットにおいては、薄肉
部分の最小肉厚が、例えば、0.8mm以下と薄いた
め、剛性が十分ではなく、ICをソケットに搭載すると
きにコンタンクトピンに発生する力に耐え切れず該薄肉
部分が破損したり、大きく撓んでコンタクトピンの位置
がずれ、ソケットの信頼性を損なうという問題があり、
特に、射出成形法で成形品を製造する際、樹脂の流動方
向に対して直角の方向に位置する薄肉部分においてこの
問題が顕著であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、芳香
族ポリサルホン樹脂が有する優れた機械物性、耐熱性を
損なうことなく、成形時の流動性に優れた芳香族ポリサ
ルホン樹脂組成物を提供することにあり、成形品の薄肉
部分、特に射出成形にて成形品を製造する際、樹脂の流
動方向に対して直角方向に位置する薄肉部分が優れた剛
性を有する成形品を製造し得る、芳香族ポリサルホン樹
脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
ような問題がない芳香族ポリサルホン樹脂組成物を見出
すべくガラス繊維ついて鋭意検討した結果、芳香族ポリ
サルホン樹脂にポリフェニレン樹脂と、特定の平均繊維
径を有するガラス繊維を特定量含有してなる芳香族ポリ
サルホン樹脂組成物が、成形時の流動性、および成形品
にした場合、樹脂の流動方向に対して直角方向に位置す
る薄肉部分の剛性が優れていることを見いだし、本発明
を完成させるに至った。すなわち本発明は、芳香族ポリ
サルホン樹脂100重量部に対して、ポリフェニレン樹
脂5〜50重量部と、平均繊維径が2〜8μmであるガ
ラス繊維5〜100重量部とを含有してなる芳香族ポリ
サルホン樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の芳香族ポリサルホン樹脂は、アリーレン単位、
エーテル結合およびサルホン結合の三者を必須の繰り返
し構造単位とするものであり、アリーレン単位がエーテ
ル結合およびサルホン結合とともに無秩序または秩序正
しく配置されたポリアリーレン化合物からなる。
【0006】本発明で用いる芳香族ポリサルホン樹脂の
溶融粘度については、特に限定されないが、340℃、
せん断速度1000s-1で測定した溶融粘度が200〜
1000Pa・sであることが好ましく、より好ましく
は200〜700Pa・sであり、さらに好ましくは3
00〜500Pa・sである。芳香族ポリサルホン樹脂
の溶融粘度が1000Pa・sを超えると樹脂組成物の
成形時の流動性が低下することがある。 また、溶融粘
度が200Pa・s未満では、成形品の強度が低下する
ことがある。
【0007】本発明で用いる芳香族ポリサルホン樹脂
は、下記一般式(I)で示される繰り返し構造単位を含
有する樹脂である。また、該芳香族ポリサルホン樹脂
は、下記一般式(II)で示される構造または下記一般式
(III)で示される構造のうち少なくとも1種を含むも
のであってもよく、上記式(II)および式(III)で示
される繰返し構造単位を含むランダム共重合体や交互共
重合体であってもよい。
【0008】 ……(I) [式(I)中、R1は炭素数1〜6のアルキル基、炭素
数2〜10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン
原子を表し、pは0〜4の整数である。同一または異な
る核上の各R1は互いに異なっていてもよい。各pは互
いに異なっていてもよい。]
【0009】 ……(II) [式中、R1は前記と同じものを表し、pは0〜4の整
数である。 m、nは平均繰り返し構造単位数を示し、
m、nは0.1から100までの正数である。同一また
は異なる核上の各R1は互いに異なっていてもよい。各
pは互いに異なっていてもよい。Xは炭素数1〜20の
有機基、カルボニル基、2価の硫黄原子または2価の酸
素原子を表す。]
【0010】 ……(III) [式中、R1は前記と同じものを表し、pは0〜4の整
数である。 qは1〜5の整数である。m、nは平均繰り
返し構造単位数を示し、m、nは0.1から100まで
の正数である。同一または異なる核上の各R1は互いに
異なっていてもよい。各pは互いに異なっていてもよ
い。各qは相互に異なっていてよい。]
【0011】ここで、炭素数1〜6のアルキル基として
は、例えば、メチル基、エチル基、t−ブチル基、シク
ロヘキシル基などがあげられる。また、炭素数2〜10
のアルケニル基としては、例えば、エチニル基、iso
−プロペニル基などが例示できる。ハロゲン原子として
は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素
原子があげられる。炭素数1〜20の有機基としては、
例えば、イソプロピリデン基、エチリデン基、メチレン
基などの飽和脂肪族アルキレン基、エチニレン基などの
不飽和脂肪族アルキレン基、キシリレン基、フェニルメ
チレン基などの芳香族アルキレン基などがあげられる。
【0012】上記構造単位(I)からなる場合、(I)
中のpは0であることが好ましい。また、芳香族ポリサ
ルホン樹脂が、上記構造単位(II)からなる場合、
m,nのモル比率m/nは、通常0.5〜50である
が、1以上となることが好ましく、4以上となることが
より好ましい。また、芳香族ポリサルホン樹脂が、上記
構造単位(III)からなる場合、qは1あるいは2で
あることが好ましい。さらにm,nのモル比率m/n
は、通常、0.5〜50であるが、1以上となることが
好ましく、4以上となることがより好ましい。
【0013】芳香族ポリサルホン樹脂としては、上記構
造単位(I)からなるもの、および上記構造単位(I
I)からなるものが好ましく、上記構造単位(I)から
なるものがさらに好ましい。
【0014】本発明で用いる芳香族ポリサルホン樹脂の
製造方法としては、公知の方法を採用することができ
る。また、市販されている芳香族ポリサルホン樹脂の例
としては、上記構造単位(I)からなるものとしては、
住友化学工業株式会社の商品名スミカエクセルPES3
600P、スミカエクセルPES4100Pなどが挙げ
られる。また、上記構造単位(II)からなるものとし
ては、AMOCO社の商品名 UDEL P−1700
が挙げられる。また、その末端構造は、各々の樹脂の製
法に従って決まるものであり、例えば、−Cl、−O
H、−OR(Rはアルキル基)などが挙げられる。
【0015】本発明において用いられるポリフェニレン
スルフィド樹脂は下記一般式で表されるものである。中
でも物性面から(IV)で表される構造単位を70モル
%以上含むものが好ましい。 ここで、式(VI)中のQは、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子またはメチル基を表し、mは1〜4の整数を表
す。
【0016】かかるポリフェニレンスルフィド樹脂の製
法は特に限定されないが、具体的な製造方法としては、
例えば、米国特許第2513188号、特公昭44-27671に開示
されているハロゲン置換芳香族化合物と硫化アルカリと
の反応によるもの、米国特許第3274165号などに開示さ
れているチオフェノール類のアルカリ触媒又は銅塩等の
共存下での縮合反応、あるいは特公昭46-27255に開示さ
れている芳香族化合物と塩化硫黄とのルイス酸触媒下で
の縮合反応などが挙げられる。ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂は、加熱処理によって酸素架橋する工程の有無に
より、架橋構造を持たないものから部分的に架橋構造を
有するものまで調製が可能であるが、本発明においては
流動性の観点から架橋構造を持たないものが好ましい。
【0017】本発明の芳香族ポリサルホン樹脂組成物に
おける、ポリフェニレンスルフィド樹脂の含有量は、芳
香族ポリサルホン樹脂100重量部に対して、5〜50
重量部であり、好ましくは10〜25重量部である。5
重量部未満では流動性の改善効果が乏しく、また、50
重量部を越える場合は成形収縮率の異方性やウェルド強
度が低下する。
【0018】本発明に使用されるガラス繊維は、珪酸塩
を主成分とするガラスを繊維状に加工処理したものであ
る。ガラスの種類としては、一般用アルカリガラス(A
ガラス)、化学用耐酸ガラス(Cガラス)、低密度ガラ
ス(Dガラス)、ホウケイ酸ガラス(Eガラス)等が挙
げられるが、本発明ではEガラスが好適に使用される。
ガラス繊維は、一般的には、溶融状態(1300℃以
上)のガラスを紡糸する方法により製造される。
【0019】本発明に使用されるガラス繊維の平均繊維
径は、2〜8μmであることが必要であり、好ましくは
5〜7μmである。平均繊維径が8μmを超えると、微
細部分まで充分ガラス繊維が充填出来ず、また、平均繊
維径が2μm未満では紡糸時の集束効果が不十分とな
り、その結果芳香族ポリサルホン樹脂との配合が困難と
なる。ガラス繊維の平均繊維径は、顕微鏡による観察に
より測定することができる。
【0020】ガラス繊維の数平均繊維長は、25〜60
00μmであることが好ましく、30〜3000μmで
あることがより好ましい。数平均繊維長が25μmより
短いとガラス繊維による補強効果が低下する場合があ
る。また、繊維長が6000μmより長いと組成物の溶
融造粒時にストランドの引き取り性が不安定となり、更
に得られた組成物から成形された製品の表面状態が悪化
する場合がある。
【0021】ガラス繊維の充填量は、芳香族ポリサルホ
ン樹脂100重量部に対して5〜100重量部であり、
好ましくは10〜90重量部、より好ましくは30〜8
0重量部である。5重量部未満であると、補強効果が十
分でなく、100重量部を超えると成形性が悪化する。
【0022】本発明の芳香族ポリサルホン樹脂組成物に
は、フッ素樹脂を含有させてもよい。フッ素樹脂を含有
させることにより離型性をさらに向上させることができ
る。よって精密成形においては、微細構造を有する成形
品の破損、変形をまねくことなく、金型からの取り出し
が容易になる。また、成形品とコンタクトピンとの摺動
性もより向上する。
【0023】本発明で用いるフッ素樹脂としては、例え
ば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリトリク
ロロフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パー
フルオロアルキルビニルエーテル共重合体などが挙げら
れ、これらは単独で用いても二種以上組み合わせて用い
てもよい。中でも耐熱性の観点からポリテトラフルオロ
エチレンが好ましく使用される。
【0024】フッ素樹脂の使用量は、芳香族ポリスルホ
ン樹脂100重量部に対して、0.5〜30重量部が好
ましく、より好ましくは0.8〜30重量部、さらに好
ましくは1.0〜10重量部である。0.5重量部未満
の場合、成形時の離型性の改善効果が乏しいことがあ
り、また、30重量部を越える場合、成形品の強度が低
下することがある。
【0025】また、本発明の芳香族ポリサルホン樹脂組
成物には、必要に応じて、熱可塑性樹脂および/または
熱硬化性樹脂を配合してもよい。熱可塑性樹脂として
は、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル
ケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルお
よびその変性物、ポリエーテルイミド、液晶ポリマーな
どが挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例え
ば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂な
どが挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いても二種
以上混合して用いてもよい。
【0026】さらに、本発明の芳香族ポリサルホン樹脂
組成物は、必要に応じて、染料、顔料などの着色剤、酸
化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、界面
活性剤などの通常の添加剤を少なくとも一種含有してい
ても良い。
【0027】本発明の芳香族ポリサルホン樹脂組成物
は、芳香族ポリサルホン樹脂、液晶ポリエステル樹脂、
ガラス繊維等を、ヘンシェルミキサー、タンブラー等を
用いて混合した後、押出機を用いて溶融混練することに
より得ることができる。
【0028】本発明の芳香族ポリサルホン樹脂組成物
は、通常の方法により、様々な部品、部材に成形するこ
とができる。成形方法としては、射出成形法、圧縮成形
法、押出し成形法、中空成形法などが挙げられるが、射
出成形法が好ましい。
【0029】成形品としては、例えば、コネクター、ソ
ケット、リレー部品、コイルボビン、光ピックアップ、
発振子、プリント配線板、コンピュータ関連部品などの
電気・電子部品;ICトレー、ウエハーキャリヤーなど
の半導体製造プロセス関連部品;VTR、テレビ、アイ
ロン、エアコン、ステレオ、掃除機、冷蔵庫、炊飯器、
照明器具などの家庭電気製品部品;ランプリフレクタ
ー、ランプホルダーなどの照明器具部品;コンパクトデ
ィスク、レーザーディスク(登録商標)、スピーカーな
どの音響製品部品;光ケーブル用フェルール、電話機部
品、ファクシミリ部品、モデムなどの通信機器部品;分
離爪、ヒータホルダーなどの複写機関連部品;インペラ
ー、ファン、歯車、ギヤ、軸受け、モーター部品及びケ
ースなどの機械部品;自動車用機構部品、エンジン部
品、エンジンルーム内部品、電装部品、内装部品などの
自動車部品;マイクロ波調理用鍋、耐熱食器、等の調理
用器具;床材、壁材などの断熱、防音用材料、梁、柱な
どの支持材料、屋根材などの建築資材または土木建築用
材料;航空機部品、宇宙機部品、原子炉などの放射線施
設部材、海洋施設部材、洗浄用治具、光学機器部品、バ
ルブ類、パイプ類、ノズル類、フィルター類、膜、医療
用機器部品及び医療用材料、センサー類部品、サニタリ
ー備品、スポーツ用品、レジャー用品などが挙げられ
る。
【0030】中でも、コネクターの一種であるボールグ
リッドアレイ(BGA)、ピングリッドアレイ(PG
A)に代表されるようなICの多ピン化に伴う形状の薄
肉化が進んでいる、IC用ソケット、特にバーンインソ
ケットに使用する場合には、成形時の流動性に加え、I
C搭載時の負荷に耐え得る機械物性や、耐熱性等が要求
される。従って、成形時の流動性に優れ、機械物性、耐
熱性を備えた本発明の芳香族ポリサルホン樹脂組成物
は、IC用ソケット、特にIC用バーンインソケットに
好適に用いられる。
【0031】本発明の芳香族ポリサルホン樹脂組成物
は、最小肉厚が0.8mm以下、特に0.5mm以下で
あるような更なるファインピッチに対応した、IC用ソ
ケット、特にIC用バーンインソケットなどの成形品に
好適に用いられる。本発明の組成物を用いることによ
り、薄肉部分、特に流動方向に対して直角方向に位置す
る薄肉部分にもガラス繊維を完全に充填せしめ、補強す
ることができ、IC搭載時のコンタクトピンの位置ずれ
が防止され、信頼性の高い製品を提供することができ
る。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明が実施例により限定されるものでないことは言うま
でもない。なお、実施例中の各種物性は次の方法により
測定した。
【0033】(1)スパイラルフロー:射出成形機(住
友重機工業(株)製、ネオマットN110/45)、ダ
イレクトゲート式の8mm幅、1mm厚のスパイラルフ
ロー測定金型を用い、射出速度45mm/s、射出圧力
1400kg/cm2、加熱筒温度360℃、金型温度
150℃の条件で流動長を測定した。 (2)曲げ強度、曲げ弾性率:長さ127mm、幅1
2.7mm、厚さ6.4mmの試験片を用い、ASTM
D790に準拠して測定した。 (3)引張り強度:ASTM4号ダンベルを用い、AS
TM D638に準拠して測定した。 (4)荷重たわみ温度:長さ127mm、幅12.7m
m、厚さ6.4mmの試験片を用い、ASTM D64
8に準拠し18.6kg/cm2の荷重で測定した。
【0034】(5)薄肉部分曲げ試験:試験片の作成:
射出成形機(商品名:UH−1000日精樹脂工業
(株)製)を用いて成形し、図1に示すICソケット模
型を得た。図1(a)はソケットの上面図を、図1
(b)は側面図を示す。図1(a)の中央の四角形の内
側は空洞であり、その他の小さい四角形の部分は網目構
造を表す。この網目構造の部分の拡大を図2(a)に示
す。図2(a)の大きな方の長方形の内側は段差付きの
空洞であり、小さな方の長方形は、深さ2.5mmの窪
みとなっている。図2(b)、(c)はこの切断面を表
している。該ICソケットを精密切断機(商品名:IS
OMET、ビューラー社製)を用いて図2(a)中の斜
線部分を切り出した。切出片の詳細を図3に示す。図3
(a)は切出片の上面図を、図3(b)は紙面下方向から
見た図を示す。該切出片の図3(b)に示すところのt-u
部分(底面より1mm)をさらに切断し、試験片とした
(図3(c)(d))。なお、図1、図2および図3中
の数字は長さをあらわす(単位:mm)
【0035】(6)機械的強度の測定:該試験片を万能
試験機(商品名:オートグラフ、島津製作所製)を用
い、スパン間8mm、試験速度0.5mm/minによ
り曲げ試験を行い、該試験片の厚みを0.5mmとみな
して計算し、成形品における薄肉部分の見かけ曲げ強
度、見かけ曲げ弾性率を求めた。
【0036】実施例1、2、比較例1 以下の各成分を表1に示す組成でヘンシェルミキサーを
用いて混合後、二軸押出機(池貝鉄工(株)製PCM−
30型)を用いて、シリンダー温度360℃で造粒し、
樹脂組成物ペレットを得た。得られたペレットは上記の
方法により物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0037】芳香族ポリサルホン樹脂:住友化学工業
(株)製、商品名:スミカエクセルPES3600P
(340℃、せん断速度1000s-1における溶融粘
度:366Pa・s) ポリフェニレンスルフィド樹脂:米国特許第3354129号
に開示されている方法に従い、N-メチルピロリドン中、
160℃、加圧条件下にてp-ジクロロベンゼンと硫化ナト
リウムを反応させることによりポリフェニレンスルフィ
ド樹脂を得た。 ガラス繊維: 平均繊維径 6μm: 旭ファイバーガラス(株)製、商品名:CS03DE4
04 平均繊維径 10μm: 旭ファイバーガラス(株)製、商品名:CS03JAP
X−1
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明の芳香族ポリサルホン樹脂組成物
は、芳香族ポリサルホン樹脂が有する優れた機械物性、
耐熱性が維持されており、その上、成形時の流動性に優
れているので、該組成物を用いることにより薄肉部分、
特に射出成形にて成形品を製造する際、樹脂の流動方向
に対して直角方向に位置する薄肉部分において優れた剛
性を有する成形品を提供することができる。従って、本
発明の芳香族ポリサルホン樹脂組成物は、電子、電気部
品等の成形品、中でもIC用ソケット、特にIC用バー
ンインソケットに好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】薄肉部分の強度の測定に用いる試験片を作成す
るためのICソケット模型を示す図である。図中の数字
は長さを表わす(単位:mm)。
【図2】薄肉部分の強度の測定に用いる試験片を作成す
るためのICソケット模型の詳細および断面を示す図で
ある。図中の数字は長さを表わす(単位:mm)。
【図3】薄肉部分の強度の測定に用いる試験片を示す図
である。図中の数字は長さを表わす(単位:mm)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 81/06 (C08L 81/06 81:02) 81:02) Fターム(参考) 4F072 AA01 AA08 AB09 AD46 AG05 AK14 AK15 AK16 AL11 4J002 CN012 CN031 DL006 FA046 FD016 GJ00 GQ05 5E087 KK04 KK07 PP09 QQ06 RR06 RR07 RR25 RR47

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ポリサルホン樹脂100重量部に対
    して、ポリフェニレンスルフィド樹脂5〜50重量部
    と、平均繊維径が2〜8μであるガラス繊維を5〜10
    0重量部含有してなる芳香族ポリサルホン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】芳香族ポリサルホン樹脂の340℃、せん
    断速度1000s-1で測定した溶融粘度が200〜10
    00Pa・sであることを特徴とする請求項1記載の芳
    香族ポリサルホン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】芳香族ポリサルホン樹脂の340℃、せん
    断速度1000s-1で測定した溶融粘度が300〜50
    0Pa・sであることを特徴とする請求項1または2記
    載の芳香族ポリサルホン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】芳香族ポリサルホン樹脂が下記の構造単位 を含むことを特徴とする請求項1〜3にいずれかに記載
    の芳香族ポリサルホン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】芳香族ポリサルホン樹脂が請求項4記載の
    構造単位を80モル%以上含むものであることを特徴と
    する請求項1〜4記載の芳香族ポリサルホン樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の芳香族ポ
    リサルホン樹脂組成物を用いて得られることを特徴とす
    る成形品。
  7. 【請求項7】最小肉厚が0.8mm以下であることを特
    徴とする請求項6記載の成形品。
  8. 【請求項8】請求項1〜5のいずれかに記載の芳香族ポ
    リサルホン樹脂組成物を成形して得られることを特徴と
    するIC用ソケット。
  9. 【請求項9】最小肉厚が0.8mm以下であることを特
    徴とする請求項8記載のIC用ソケット。
  10. 【請求項10】請求項1〜5のいずれかに記載の芳香族
    ポリサルホン樹脂組成物を成形して得られることを特徴
    とするIC用バーンインソケット。
  11. 【請求項11】最小肉厚が0.8mm以下であることを
    特徴とする請求項10記載のIC用バーンインソケッ
    ト。
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JP2009242760A (ja) * 2008-04-01 2009-10-22 Toray Ind Inc ポリエーテルスルホン樹脂組成物、その製造方法および成形品
JP2011208017A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Sumitomo Chemical Co Ltd レーザー溶着用樹脂組成物、レーザー溶着用成形体および複合成形体
US10954382B2 (en) 2016-06-29 2021-03-23 Solvay Specialty Polymers Usa, Llc Polymer compositions including polysulfones and articles made therefrom

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