JP2002020487A - アルキルフルオレンジアミン、ポリアミック酸、イミド化重合体、液晶配向剤、液晶配向膜の形成方法および液晶表示素子 - Google Patents

アルキルフルオレンジアミン、ポリアミック酸、イミド化重合体、液晶配向剤、液晶配向膜の形成方法および液晶表示素子

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JP2002020487A
JP2002020487A JP2000212835A JP2000212835A JP2002020487A JP 2002020487 A JP2002020487 A JP 2002020487A JP 2000212835 A JP2000212835 A JP 2000212835A JP 2000212835 A JP2000212835 A JP 2000212835A JP 2002020487 A JP2002020487 A JP 2002020487A
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polyamic acid
dianhydride
oriented film
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JP2000212835A
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Toru Natsui
亨 夏井
Yasuo Matsuki
安生 松木
Satoshi Ehata
敏 江幡
Minoru Makita
穣 槙田
Eikan O
映寒 汪
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JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長鎖アルキル基を有する新規化合物であるア
ルキルフルオレンジアミン、それを用いて得られるポリ
アミック酸およびイミド化重合体を提供すること。加え
て、液晶の配向方向がラビング方向に対して直交方向に
なり、プレチルト角0度であり、焼き付きの良好な、し
かも電圧保持率が高い液晶配向膜およびその製造方法並
びにそれを具備して成る液晶表示素子を提供する。 【解決手段】 下記式(A) 【化1】 (式中、nは6〜20の整数を示す。)で表されるアル
キルフルオレンジアミン。これをジアミン成分として得
られたポリアミック酸およびそのイミド化重合体。これ
らのポリマーからなる液晶配向剤、液晶配向膜およびそ
の製造法。この液晶配向膜を備えた液晶表示素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規化合物であるア
ルキルフルオレンジアミン、それから得られるポリアミ
ック酸、イミド化重合体およびこれらのポリマーの液晶
配向膜への用途に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示素子としては、透明電極
が設けられている基板の当該表面に液晶配向膜を形成し
て液晶表示素子用基板とし、その2枚を対向配置してそ
の間隙内に、例えば正の誘電異方性を有するネマチック
型液晶の層を形成してサンドイッチ構造のセルとし、当
該液晶分子の長軸が一方の基板から他方の基板に向かっ
て連続的に90度捩れるようにした、いわゆるTN(T
wisted Nematic)型液晶セルを有するT
N型液晶表示素子が知られている。このTN型液晶表示
素子などの液晶表示素子における液晶分子の配向は、通
常、ラビング処理により液晶分子に対する配向能が付与
された液晶配向膜により実現される。
【0003】このような液晶表示素子を一定のフレーム
周期で駆動させる場合において、焼き付きの良好な表示
を得るためには、その液晶配向方向をラビングの方向に
対して直交方向にし、プレチルト角を0度にすることが
望ましい。しかしながら、従来の液晶配向膜はその液晶
表示素子においては、その液晶配向方向がラビングの方
向に対して平行方向になってしまい、また液晶のプレチ
ルト角が1度〜10度と高く、焼きつきに悪影響を及ぼ
しているのが現状である。
【0004】また一方、ラビング処理には、次のような
問題点が指摘されている:TFT素子の破壊につなが
るので、その製造装置には静電対策がさなれているが、
ラビング処理により発生する静電気に対しては完全では
ない、ラビング処理は塵を発生するため、引き続いて
洗浄を必要とし工程数が増加する、段差部を有する配
向膜では、段差部と平坦部のラビング条件が異なる場合
があり、配向規制力およびチルト角の不均一を生じやす
い、ラビング方向が単一であるため、分割配向画素か
らなる配向膜の製造には工程が煩雑になる、大型基
板、例えば550×650mm以上の大型基板の配向膜
を均一にラビングするためには特別の装置を必要とす
る、フィルム等の比較的柔らかい部材を基板として用
いた場合、基板の配向膜を均等にラビングすることは実
際上難しいか、あるいは工程が煩雑になる。
【0005】上記のごとき問題を避けるために、ラビン
グ処理を行わずに(以下、ノンラビング処理という)液
晶配向膜に液晶分子に対する配向能を付与する方法も開
発されている。そのような方法の1つとして、液晶配向
膜にレーザを照射する方法がある。特開平2−1962
19号公報には、液晶表示装置における電極基板上の高
分子フィルム表面に高強度の紫外線レーザ、例えばXe
F、XeCl、KrF、ArFあるいはF2エキシマレ
ーザを照射して周期的な模様を形成し、液晶配向膜を製
造する方法が開示されている。
【0006】特開平6−130390号公報には、真空
容器内において、その内部を真空排気しながら、基板上
に形成されている液晶分子を一定方向に配向させるため
の配向膜に対して、多数の互いに平行なスリット穴を有
するマスクを通してエキシマレーザ光を照射する方法が
開示されている。また、特開平5−232473号公報
には、一対の透明基板の相互に対向する表面に配向膜を
形成し、その間に液晶を封入してなる電気光学装置を製
造する方法であって、前記透明基板の相互に対向する表
面に、液晶層を支持するためのスペーサーを混入させた
配向膜を形成した後に、前記配向膜にレーザ光を照射し
て配向処理していく方法が開示されている。
【0007】上記方法では、いずれの方法でも液晶配向
膜にレーザ光を照射した際に、配向膜表面の高分子があ
る周期をもって切断され、切断された原子もしくは分子
が酸化されて気化するため、配向膜の表面に周期的な凹
凸が生じる。そのため、この方法では、気化された分解
物によってクリーンルームの環境が悪化し、また表面の
周期的な凹凸が高分子の分解に起因しているため、表面
の電気特性が十分でないという欠点があった。
【0008】さらにまた、平岡らは、塵や分解物を生じ
ることなく、配向膜の表面の分子を配向させる偏光パル
スレーザ照射による配向処理方法を提案している(特開
平11−14995号公報)。平岡らの方法によれば、
偏光されたパルスレーザの照射により、配向膜表面の分
子を分解することなく、非分解的に配向膜の表面に、液
晶分子に対する配向能を付与することができる。このと
き、液晶分子の配向方向は、照射する偏光パルスレーザ
の照射エネルギーを適切に設定することにより、照射し
たパルスレーザの偏光方向に平行な方向、あるいは直交
する方向に、任意に制御することができる(以下、それ
ぞれ「平行配向」および「直交配向」という)。
【0009】しかしながら、上記方法で液晶分子を配向
させた場合、良好な視覚特性を維持しながらプレチルト
角を得るのが困難であるという問題があった。すなわ
ち、直交配向が得られる偏光パルスレーザ照射条件でプ
レチルト角を得るためには、偏光パルスレーザ照射を照
射方向を変えて2段階で行う必要があり、この方法によ
った場合、工程数の増加のみならず、液晶配向の安定性
が低下しドメインが発生しやすくなるという問題があっ
た。また、平行配向が得られる偏光パルスレーザ照射条
件では、照射条件を適切に選択することにより、一段階
の偏光パルスレーザ照射でプレチルト角を有する液晶配
向を実現できるが、その場合には、配向膜表面に、照射
した偏光パルスレーザの偏光方向に平行した周期的な凹
凸形状を伴うことになる。配向膜表面に形成された周期
的な凹凸を持つ液晶配向膜を液晶表示素子に用いた場
合、光の干渉、あるいは対向配置した基板間の間隙が不
均一になることでドメインが生じ、十分な視覚特性を維
持できないという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、長鎖
アルキル基を有する新規化合物であるアルキルフルオレ
ンジアミン並びにそれを用いて得られるポリアミック酸
およびイミド化重合体を提供することにある。本発明の
他の目的は、液晶の配向方向がラビング方向に対して直
交方向になり、プレチルト角0度であり、焼き付きの良
好な、しかも電圧保持率が高い液晶配向膜を与えること
ができる液晶配向剤およびそれを具備して成る液晶表示
素子を提供することにある。また本発明のさらに他の目
的は、表面に実質的な形状変化を伴わずに液晶分子に対
する平行配向能が付与されそして適切な偏光パルスレー
ザ照射条件によっては有意なプレチルト角を付与するこ
とが可能な液晶配向膜の形成方法を提供することにあ
る。本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明か
ら明らかになろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、第1に、下記式(A)
【0012】
【化4】 (式中、nは6〜20の整数を示す。)で表されるアル
キルフルオレンジアミンにより達成される。本発明の上
記目的および利点は、第2に、下記式(B)
【0013】
【化5】 (式中、Rは4価の有機基を示しそしてnは6〜20の
整数を示す。)で表される構造を有することを特徴とす
る、ポリアミック酸により達成される。本発明の上記目
的および利点は、第3に、下記式(C)
【0014】
【化6】 (式中、Rは4価の有機基を示しそしてnは6〜20の
整数を示す。)で表される構造を有することを特徴とす
る、イミド化重合体により達成される。
【0015】本発明の上記目的および利点は、第4に、
本発明の上記ポリアミック酸および/またはイミド化重
合体を含有することを特徴とする液晶配向剤により達成
される。本発明の上記目的および利点は、第5に、本発
明の上記液晶配向剤から得られる塗膜に、偏光パルスレ
ーザを照射する工程を含むことを特徴とする液晶配向膜
の形成方法により達成される。なお、本発明において液
晶配向膜の形成方法とは、薄膜を形成し、当該薄膜に液
晶配向能を付与して、液晶を配向させる膜を形成する方
法を示す。本発明の上記目的および利点は、最後に、本
発明の上記液晶配向剤から得られる液晶配向膜を具備し
てなる液晶表示素子により達成される。以下、本発明に
ついて詳述する。
【0016】先ず、本発明のアルキルフルオレンジアミ
ンおよびその合成法について述べる。本発明者らは、フ
ルオレンに長鎖アルキル基を導入する際に、フルオレン
と炭素数6〜20の塩化アルカノイルを無水塩化アルミ
ニウム触媒で処理し、アルカノイルフルオレンを得た
後、ヒドラジンによる還元を行ない、引き続いてこれを
過マンガン酸カリウムで酸化を行い、その後、塩酸存在
下でアニリンを導入してビスアミノフェニル化すること
によって本発明の式(A)で表わされるアルキルフルオ
レンジアミンの製造に成功した。
【0017】本発明の長鎖アルキル基を有するアルキル
フルオレンジアミンの特性として、それをポリマーの構
成単位として含むポリマーを配向剤として用いた場合、
ラビング処理により液晶分子を直交配向させる性能を発
揮し、また偏光パルスレーザによる配向処理を行った場
合には液晶分子を平行配向させる性能を発揮する。上記
式(A)において、フルオレン骨格に結合している長鎖
アルキル基は炭素数6〜20を有し、直鎖状であっても
分岐鎖状であってもよい。中でも直鎖状が好ましく、例
えばn−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル
基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、
n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘプタデシ
ル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−
オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基
などが挙げられる。本発明のアルキルフルオレンジアミ
ンは室温下では白色の固体で、大気中においても非常に
安定である。本発明のアルキルフルオレンジアミンの一
例として、下記式(A1)
【0018】
【化7】
【0019】で表される化合物を挙げることができる。
その赤外線吸収スペクトルを図1に示す。1600cm
-1と1500cm-1にはパラ置換ベンゼン由来のC−C
振動に帰属されるピークが観察され、また、3300c
-1にはN−H振動のピーク、さらにまた2700cm
-1にはアルキル基のC−H振動に帰属されるピークが見
られる。また、同化合物のTOF−MSスペクトルを図
2に示す。m/z=573に分子イオンピークが観察さ
れ、分子量が572であることが分る。また、図3には
同化合物の1H−NMRスペクトルを示す。6ppm〜
8ppm付近に芳香環由来のピーク、3.5ppmにア
ミノ基由来のピークが観察される。また、0.8ppm
〜2.8ppmにはアルキル基由来のピークが観察さ
れ、2.5mmpのピークは芳香環に直接結合したCH2
由来、0.9ppm付近のピークはアルキル基末端のC
3由来のピークである。さらに図4には同化合物の13
C−NMRスペクトルを示す。120ppm〜150p
pmには芳香環由来のピークが見られ、115ppmに
はC−N由来のピークが観察される。75ppm付近に
はCH2由来のピークが、また、30ppmにはCH3
来のピークが観察される。
【0020】本発明のアルキルフルオレンジアミンは、
ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキ
サン、インダン、デカヒドロナフタレンなどの炭化水素
溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、モノグ
ライム、ジグライムなどのエーテル系溶媒;およびアセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
メチルアミルケトンなどのケトン系溶媒などの通常の有
機溶媒に易溶で任意の割合で溶解することができる。
【0021】ポリアミック酸 本発明のポリアミック酸は、上記式(B)の構造を有
し、テトラカルボン酸二無水物と、本発明のアルキルフ
ルオレンジアミンとを反応させることにより得られる。
【0022】[テトラカルボン酸二無水物]上記ポリア
ミック酸の合成に用いられるテトラカルボン酸二無水物
としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水
物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテト
ラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4
−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジ
クロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−
シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4
−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,
4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無
水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二
無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−
酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテト
ラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキ
サヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−
フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジ
オン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メ
チル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラ
ニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオ
ン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチ
ル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニ
ル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−
5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)
−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,
3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5
(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−
ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,
3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テ
トラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフ
ト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3
a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5(テト
ラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト
[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,
4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5(テ
トラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフ
ト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,
5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−
シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシ
クロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−
テトラカルボン酸二無水物、下記式(I)および(I
I)で表される化合物などの脂肪族および脂環式テトラ
カルボン酸二無水物;
【0023】
【化8】 (式中、R1およびR3は、芳香環を有する2価の有機基
を示し、R2およびR4は、水素原子またはアルキル基を
示し、複数存在するR2およびR4は、それぞれ同一でも
異なっていてもよい。)
【0024】ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二
無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラ
カルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフ
ェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,
4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、
4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフ
ェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジ
カルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、
4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフ
ェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフル
オロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス
(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、
p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水
物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二
無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジ
フェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル
酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレン
グリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロ
ピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテー
ト)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリ
メリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アン
ヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−
ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロト
リメリテート)、下記式(1)〜(4)で表される化合
物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げること
ができる。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わ
せて用いられる。
【0025】
【化9】
【0026】これらのうち、ブタンテトラカルボン酸二
無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸
二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタ
ンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペ
ンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカル
ボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジ
オキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロ
ヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、1,3,3a,
4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,
5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]
フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキ
サヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−
ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラ
ン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒ
ドロ−5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,5−
ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラ
ン−1,3−ジオン、ビシクロ[2,2,2]−オクト−
7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−
ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,
5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、上記式
(I)で表される化合物のうち下記式(5)〜(7)で
表される化合物および上記式(II)で表される化合物
のうち下記式(8)で表される化合物が、良好な液晶配
向性を発現させることができる観点から好ましく、特に
好ましいものとして、1,2,3,4−シクロブタンテト
ラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4
−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−
トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3
a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−
2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−
c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−
ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,
5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]
フラン−1,3−ジオン、ピロメリット酸二無水物およ
び下記式(5)で表される化合物を挙げることができ
る。
【0027】
【化10】
【0028】[ジアミン化合物]上記ポリアミック酸の
合成においては、本発明の効果を損なわない程度に、本
発明のアルキルフルオレンジアミン以外のジアミン(以
下、「その他のジアミン」ともいう)を併用してもよ
い。その他のジアミンとしては、例えば、p−フェニレ
ンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジア
ミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニル
エタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,
4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチ
ル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ
ベンズアニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−
4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−
(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルイン
ダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−
1,3,3−トリメチルインダン、3,4’−ジアミノジ
フェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノ
ン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジア
ミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプ
ロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミ
ノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフ
ェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)
−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオ
レン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレ
ン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリ
ン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジア
ミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミ
ノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメト
キシ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4,4’−
(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、
4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスア
ニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリ
フルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロ
プロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフ
ルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−ア
ミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタ
フルオロビフェニルなどの芳香族ジアミン; 1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジア
ミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミ
ン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、
4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジア
ミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒド
ロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−
4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリ
シクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジア
ミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミ
ン)などの脂肪族および脂環式ジアミン; 2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、
3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジ
ン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,
6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4
−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジ
ン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、
2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−ト
リアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5
−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,
3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−s
−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジ
ン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリアジン、
2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジ
アミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラ
シル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,
9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、
3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,
4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジ
ン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミンおよび
下記式(III)〜(IV)で表される化合物などの、
分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外
の窒素原子を有するジアミン;
【0029】
【化11】 (式中、R5は、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、
ピペリジンおよびピペラジンから選ばれる窒素原子を含
む環構造を有する1価の有機基を示し、Xは2価の有機
基を示す。)
【0030】
【化12】 (式中、R6は、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、
ピペリジンおよびピペラジンから選ばれる窒素原子を含
む環構造を有する2価の有機基を示し、Xは2価の有機
基を示し、複数存在するXは、同一でも異なっていても
よい。) 下記式(V)で表されるモノ置換フェニレンジアミン
類;下記式(VI)で表されるジアミノオルガノシロキ
サン;
【0031】
【化13】 (式中、R7は、−O−、−COO−、−OCO−、−
NHCO−、−CONH−および−CO−から選ばれる
2価の有機基を示し、R8は、ステロイド骨格、トリフ
ルオロメチル基およびフルオロ基から選ばれる基を有す
る1価の有機基または炭素数6〜30のアルキル基を示
す。)
【0032】
【化14】 (式中、R9は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、複
数存在するR9は、それぞれ同一でも異なっていてもよ
く、pは1〜3の整数であり、qは1〜20の整数であ
る。) 下記式(9)〜(13)で表される化合物などを挙げる
ことができる。これらのジアミン化合物は、単独でまた
は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0033】
【化15】 (式中、yは2〜12の整数であり、zは1〜5の整数
である。)
【0034】これらのうち、p−フェニレンジアミン、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミ
ノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレ
ン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジ
フェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−ア
ミノフェニル)フルオレン 、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピ
リデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジ
イソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−シクロヘキ
サンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシ
ルアミン)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベ
ンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフ
ェニル、上記式(9)〜(13)で表される化合物、
2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、
2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジ
ン、上記式(III)で表される化合物のうち下記式
(14)で表される化合物、上記式(IV)で表される
化合物のうち下記式(15)で表される化合物および上
記式(V)で表される化合物のうち下記式(16)〜
(21)で表される化合物が好ましい。
【0035】
【化16】
【0036】本発明のポリアミック酸における本発明の
アルキルフルオレンジアミンの使用割合は、好ましく
は、全ジアミン中50モル%以上である。ポリアミック
酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジ
アミン化合物の使用割合は、ジアミン化合物に含まれる
アミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の
酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さ
らに好ましくは0.3〜1.2当量となる割合である。
【0037】ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中
において、好ましくは−20〜150℃、より好ましく
は0〜100℃の温度条件下で行われる。ここで、有機
溶媒としては、合成されるポリアミック酸を溶解できる
ものであれば特に制限はなく、例えばN−メチル−2−
ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチ
ロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホル
トリアミドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾー
ル、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノール
などのフェノール系溶媒を挙げることができる。また、
有機溶媒の使用量(a)は、通常、テトラカルボン酸二
無水物およびジアミン化合物の総量(b)が、反応溶液
の全量(a+b)に対して0.1〜30重量%になるよ
うな量であることが好ましい。
【0038】なお、前記有機溶媒には、ポリアミック酸
の貧溶媒であるアルコール類、ケトン類、エステル類、
エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類など
を、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用す
ることができる。斯かる貧溶媒の具体例としては、例え
ばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピル
アルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、乳酸エチル、乳酸ブチル、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチル
メトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−
ト、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエ
ーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレン
グリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−
プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピル
エーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコ
ールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフ
ラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4
−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼ
ン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを挙げること
ができる。
【0039】以上のようにして、ポリアミック酸を溶解
してなる反応溶液が得られる。そして、この反応溶液を
大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出物を減圧
下乾燥することによりポリアミック酸を得ることができ
る。また、このポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解さ
せ、次いで貧溶媒で析出させる工程を1回または数回行
うことにより、ポリアミック酸を精製することができ
る。
【0040】イミド化重合体 本発明のイミド化重合体は、上記式(C)で表される構
造を有し、通常、本発明の上記ポリアミック酸を脱水閉
環することにより調製することができる。また、脱水閉
環の反応条件を調整すること等により、イミド化率の低
いイミド化重合体を得ることもできる。ここで言うイミ
ド化率とは、重合体における全繰返し単位に対するイミ
ド基を有する繰返し単位の割合を表す。
【0041】ポリアミック酸の脱水閉環は、(i)ポリ
アミック酸を加熱する方法により、または(ii)ポリ
アミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤お
よび脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法に
より行われる。上記(i)のポリアミック酸を加熱する
方法における反応温度は、好ましくは50〜250℃で
あり、より好ましくは60〜170℃である。反応温度
が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行し難く、反
応温度が250℃を超えると得られるイミド化重合体の
分子量が低下することがある。
【0042】一方、上記(ii)のポリアミック酸の溶
液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加する方法におい
て、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン
酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いること
ができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸の繰り返
し単位1モルに対して0.01〜20モルとするのが好
ましい。また、脱水閉環触媒としては、例えばピリジ
ン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級
アミンを用いることができる。しかし、これらに限定さ
れるものではない。脱水閉環触媒の使用量は、使用する
脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとするのが好
ましい。なお、脱水閉環反応に用いられる有機溶媒とし
ては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例
示した前記有機溶媒と同じ溶媒を挙げることができる。
そして、脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜1
80℃、より好ましくは10〜150℃である。また、
このようにして得られる反応溶液に対し、ポリアミック
酸の精製方法と同様の操作を行うことにより、イミド化
重合体を精製することができる。
【0043】<末端修飾型の重合体>上記ポリアミック
酸およびイミド化重合体は、分子量が調節された末端修
飾型のものであってもよい。この末端修飾型の重合体を
用いることにより、本発明の効果が損われることなく液
晶配向剤の塗布特性などを改善することができる。この
ような末端修飾型のものは、ポリアミック酸を合成する
際に、酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネ
ート化合物などを反応系に添加することにより合成する
ことができる。ここで、酸一無水物としては、例えば無
水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デ
シルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック
酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n
−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを挙げること
ができる。また、モノアミン化合物としては、例えばア
ニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n
−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチル
アミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−
デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルア
ミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミ
ン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミ
ン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミ
ン、n−エイコシルアミンなどを挙げることができる。
また、モノイソシアネート化合物としては、例えばフェ
ニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを挙
げることができる。
【0044】<重合体の対数粘度>以上のようにして得
られるポリアミック酸およびイミド化重合体は、その対
数粘度(ηln)の値が、好ましくは0.05〜10dl
/g、より好ましくは0.05〜5dl/gである。本
発明における対数粘度(ηln)の値は、N−メチル−2
−ピロリドンを溶媒として用い、濃度が0.5g/10
0ミリリットルである溶液について30℃で粘度の測定
を行い、下記式(i)によって求められるものである。
【0045】
【数1】
【0046】液晶配向剤 本発明の液晶配向剤は、上記ポリアミック酸および/ま
たはイミド化重合体が、通常、有機溶媒中に溶解含有さ
れて構成される。本発明の液晶配向剤を調製する際の温
度は、好ましくは0℃〜200℃、より好ましくは20
℃〜60℃である。本発明の液晶配向剤を構成する有機
溶媒としては、ポリアミック酸の合成反応に用いられる
ものとして例示した溶媒と同じ溶媒を挙げることができ
る。また、ポリアミック酸の合成反応の際に併用するこ
とができるものとして例示した貧溶媒と同じ貧溶媒も適
宜選択して併用することができる。
【0047】本発明の液晶配向剤における固形分濃度
は、粘性、揮発性などを考慮して選択されるが、好まし
くは1〜10重量%の範囲である。すなわち、本発明の
液晶配向剤は、基板表面に塗布され、液晶配向膜となる
塗膜が形成されるが、固形分濃度が1重量%未満である
場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配
向膜を得ることが困難となり、固形分濃度が10重量%
を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液
晶配向膜を得ることが困難となり、また、液晶配向剤の
粘性が増大して塗布特性が劣るものとなる。
【0048】本発明の液晶配向剤には、基板表面に対す
る接着性を向上させる観点から、官能性シラン含有化合
物またはエポキシ基含有化合物が含有されていてもよ
い。斯かる官能性シラン含有化合物としては、例えば3
−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメト
キシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピ
ルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエト
キシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3
−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキ
シシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメ
トキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−
トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10
−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9
−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテー
ト、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルア
セテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシ
エチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランな
どを挙げることができる。また、エポキシ基含有化合物
としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエー
テル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロ
ピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリ
コールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオー
ルジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエー
テル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリ
シジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,
4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’,−テトラグリ
シジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−
ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,
N’,N’,−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジ
フェニルメタンなどを好ましいものとして挙げることが
できる。これら官能性シラン含有化合物やエポキシ基含
有化合物の配合割合は、重合体100重量部に対して、
好ましくは40重量部以下、より好ましくは0.1〜3
0重量部である。
【0049】液晶配向膜 本発明の液晶配向剤を用いて液晶配向膜を形成する方法
としては、例えば次の方法が挙げられる。まず、透明導
電膜が設けられた基板の透明導電膜側に、本発明の液晶
配向剤をロールコーター法、スピンナー法、印刷法等に
より塗布し、40〜250℃の温度で加熱して塗膜を形
成させる。塗膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μ
m、より好ましくは0.005〜0.5μmである。前記
基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラス等
のガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネ
ート等のプラスチックフィルム等からなる透明基板を用
いることができる。
【0050】前記透明導電膜としては、SnO2からな
るNESA膜、In23−SnO2からなるITO膜等
を用いることがでる。これらの透明導電膜のパターニン
グには、フォト・エッチング法、予めマスクを用いる方
法等が用いられる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板
および透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にする
ために、基板および透明導電膜上に、予め官能性シラン
含有化合物、チタネート等を塗布することもできる。
【0051】次いで、本発明の液晶配向膜の形成方法
(膜に液晶配向能を付与する方法)としては、前記塗膜
に偏光されたパルスレーザを、通常、光照射による有機
膜の分解が起こる最低限界パルスエネルギーよりもはる
かに低いパルスエネルギーで照射する。この配向処理に
より、有機膜の表面の分子が配向せしめられて液晶配向
膜を生成する。レーザとしては、例えばArF、Kr
F、XeCl、XeF等のエキシマレーザ:半導体(ダ
イオード)やフラッシュランプなどで励起された、例え
ばNd:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:Y
NO4レーザ、Ti−サファイアレーザ、OPO(オプ
ト−パラメトリックオッシレータ)の如き固体レーザ:
あるいは色素レーザを挙げることができる。これらのう
ち、エキシマレーザは、ブラスター角にある水晶フィル
ターの如き偏光板と一緒に用いられる。なお、本発明の
液晶配向剤は、塗膜を形成した後、通常のラビング処理
を行うことによっても、液晶配向膜として用いることが
できる。
【0052】液晶表示素子 本発明の液晶表示素子は、前記液晶配向膜が形成された
2枚の基板を、それぞれの液晶配向膜におけるラビング
処理においてはラビング方向、あるいは偏光パルスレー
ザ処理においてはレーザの偏光方向が所定の角度となる
ように、間隙(セルギャップ)を介して対向させ、基板
の間の周辺部をシール剤でシールし、液晶を充填し、充
填孔を封止して液晶セルを構成する。そして、その両面
に偏光板の偏光方向が配向処理により付与された液晶配
向の方位角方向と所定の角度を成すように偏光板を張り
合わせることにより、液晶表示素子とする。液晶配向膜
が形成された2枚の基板における、配向処理により付与
された配向方向の方位角方向およびそれぞれの基板と偏
光板との角度を調整することにより、TN型またはST
N型液晶セルを有する液晶表示素子を任意に得ることが
できる。前記シール剤としては、例えば硬化剤およびス
ペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有したエポキ
シ樹脂等を用いることができる。
【0053】前記液晶としては、例えばネマティック型
液晶、スメクティック型液晶などを用いることができ
る。TN型液晶セルの場合、ネマティック型液晶を形成
させるものが好ましく、例えばシッフベース系液晶、ア
ゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキ
サン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビ
フェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジ
オキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系
液晶等が用いられる。またSTN型液晶セルの場合、前
記液晶に、例えばコレステリルクロライド、コレステリ
ルノナエート、コレステリルカーボネート等のコレステ
リック液晶や商品名C−15,CB−15(メルク社
製)として販売されているようなカイラル剤等をさらに
添加して使用することもできる。さらに、p−デシロキ
シベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナ
メート等の強誘電性液晶も使用することができる。
【0054】液晶セルの外側に使用される偏光板として
は、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ
素を吸収させたH膜と呼ばれる偏光膜を酢酸セルロース
保護膜で挟んだ偏光板、またはH膜そのものからなる偏
光板等を挙げることができる。
【0055】プレチルト角 [Y.J.Schffer,et al.,J.Appl.P
hys.,19,2013(1980)]に記載の方法に
準拠し、He−Neレーザ光を用いる結晶回転法により
行った。
【0056】液晶分子の配向方向 [Y.Makita,et al.,J.Photopol
ymer,Sci.Tech,11,187(1998)]
に記載の方法に準拠し、液晶に混入した二色性色素の5
35nm光に対する吸収の二色比測定から行った。
【0057】
【実施例】以下に、本発明を下記実施例により詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0058】実施例1 フルオレン15.1gをクロロベンゼン50mlに溶解
し、塩化パルミトイル25gを加え、室温下で攪拌しな
がら、無水塩化アルミニウム12.1gを固形のまま加
えた。フルオレンが消失するまで反応を続けた後、反応
混合物を1Lの水に注ぎ、さらに窒素バブリングしなが
ら沸騰させ黄色の反応生成物を沈殿させた。この沈殿物
を濾別し、蒸留水で良く洗浄した後、エタノールで再結
晶することによりパルミトイルフルオレン33gを得
た。このものの構造はTOF−MS、NMR、IRで確
認した。次にコンデンサーを取り付けた500mlのフ
ラスコにジエチレングリコール250ml、パルミトイ
ルフルオレン33g、ヒドラジン1水和物12g、15
mlの水に溶解した水酸化カリウム14gを仕込み、5
時間加熱還流させた。その後、生成した水および未反応
のヒドラジンを留去した後、さらに3時間加熱還流し
た。反応混合物を1Lの水に注ぎ、生成物を沈殿させ
た。沈殿物を濾別し、蒸留水で良く洗浄後、エタノール
より再結晶させることによりアルキルフルオレン30g
を得た。このものの構造はTOF−MS、NMR、IR
で確認した。次に得られたアルキルフルオレン3.9g
を40mlのクロロホルムに溶解し、攪拌しながら過マ
ンガン酸カリウム2.4gと水酸化カリウム0.3gおよ
びテトラブチルアンモニウムブロミド0.3gを40m
lの水に溶解した混合物を加えた。反応混合物を6時間
攪拌し、原料の消失を確認した後、この反応混合物に酢
酸5mlを加え、さらにマンガンの黒色が消えるまでチ
オ硫酸ナトリウムを加えた。この混合物を1Lの水に注
ぎ、窒素バブリングしながら生成物を沈殿させた。さら
にこの沈殿物をエタノールから再結晶して、生成物3.
5gを得た。この反応で得られた生成物は、NMR、T
OF−MSおよびIRの各スペクトルによりアルキルフ
ルオレノンであることが判った。次に、得られたアルキ
ルフルオレノン1.87g、アニリン4.36g、アニリ
ン塩酸塩2.78gおよびトルエン10gを混合し、窒
素バブリングしながら3時間還流させた。原料の消失を
確認した後、反応混合物を70度まで冷却し10%の水
酸化ナトリウム水溶液7.6gを加え、さらに50度で
30分間攪拌した。さらに反応混合物を1Lの水に注
ぎ、窒素バブリングし沈殿物を得た。さらに沈殿物をエ
タノールから再結晶することで上記式(A1)で表され
るアルキルフルオレンジアミンが得られた。このものは
TOF−MS、NMRおよびIRの各スペクトルにより
上記式(A1)で表されるアルキルフルオレンジアミン
であることが判明した。図1にIRスペクトルを、図2
にTOF−MSスペクトルを、図3に1H−NMRスペ
クトルを、さらに図4に13C−NMRスペクトルを示
す。
【0059】実施例2 フルオレン18.1gをクロロベンゼン60mlに溶解
し、塩化オクタノイル18gを加え、室温下で攪拌しな
がら、無水塩化アルミニウム14.5gを固形のまま加
えた。フルオレンが消失するまで反応を続けた後、反応
混合物を1Lの水に注ぎ、さらに窒素バブリングしなが
ら沸騰させ黄色の反応生成物を沈殿させた。この沈殿物
を濾別し、蒸留水で良く洗浄した後、エタノールで再結
晶することによりオクタイルフルオレン24gを得た。
このものの構造はTOF−MS、NMR、IRで確認し
た。次にコンデンサーを取り付けた500mlのフラス
コにジエチレングリコール250ml、オクタイルフル
オレン24g、ヒドラジン1水和物12g、15mlの
水に溶解した水酸化カリウム14gを仕込み、5時間過
熱還流させた。その後、生成した水および未反応のヒド
ラジンを留去した後、さらに3時間過熱還流した。反応
混合物を1Lの水に注ぎ、生成物を沈殿させた。沈殿物
を濾別し、蒸留水で良く洗浄後、エタノールより再結晶
させることによりアルキルフルオレン21gを得た。こ
のものの構造はTOF−MS、NMR、IRで確認し
た。次に得られたアルキルフルオレン2.8gを40m
lのクロロホルムに溶解し、攪拌しながら過マンガン酸
カリウム2.4gと水酸化カリウム0.3gおよびテトラ
ブチルアンモニウムブロミド0.3gを40mlの水に
溶解した混合物を加えた。反応混合物を6時間攪拌し、
原料の消失を確認した後、この反応混合物に酢酸5ml
を加え、さらにマンガンの黒色が消えるまでチオ硫酸ナ
トリウムを加えた。この混合物を1Lの水に注ぎ、窒素
バブリングしながら生成物を沈殿させた。さらにこの沈
殿物をエタノールから再結晶して、生成物2.5gを得
た。この反応で得られた生成物は、NMR、TOF−M
SおよびIRの各スペクトルによりアルキルフルオレノ
ンであることが判った。次に、得られたアルキルフルオ
レノン1.35g、アニリン4.36g、アニリン塩酸塩
2.78gおよびトルエン10gを混合し、窒素バブリ
ングしながら3時間還流させた。原料の消失を確認した
後、反応混合物を70度まで冷却し10%の水酸化ナト
リウム水溶液7.6gを加え、さらに50度で30分間
攪拌した。さらに反応混合物を1Lの水に注ぎ、窒素バ
ブリングし沈殿物を得た。さらに沈殿物をエタノールか
ら再結晶することで下記式(A2)で表されるアルキル
フルオレンジアミンが得られた。このものは、TOF−
MS、NMRおよびIRの各スペクトルにより下記式
(A2)で表されるアルキルフルオレンジアミンである
ことが判明した。図5にIRスペクトルを、図6にTO
F−MSスペクトルを、図7に1 H−NMRスペクトル
を、さらに図8に13C−NMRスペクトルを示す。
【0060】
【化17】
【0061】実施例3ポリアミック酸の重合 2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
0.1モル(22.4g)と実施例1で得られたアルキル
フルオレンジアミン0.1モル(57.2g)をN−メチ
ル−2−ピロリドン515gに溶解させ、60℃で6時
間反応させた。次いで、反応混合物を大量のメタノ−ル
に注ぎ、反応生成物を沈殿させた。その後、メタノール
で洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させて。ポリア
ミック酸(以下、「重合体1a」という)61.5gを
得た。
【0062】イミド化反応 得られた重合体1a15.0gにN−メチル−2−ピロ
リドン285g、ピリジン11.7gおよび無水酢酸9.
0gを添加し、110℃で4時間イミド化反応をさせ
た。次いで、反応混合物を大量のメタノ−ルに注ぎ、反
応生成物を沈殿させた。その後メタノールで洗浄し減圧
下15時間乾燥させて、ポリイミド(以下、「重合体
A」という)10.5gを得た。
【0063】液晶配向膜 合成例1で得られた重合体Aを有機ポリマーとして使用
した。この重合体Aをγ−ブチロラクトンに溶解させ
て、固形分濃度4重量%の溶液とし、この溶液を孔径1
μmのフィルターで濾過し、本発明の液晶配向剤を調製
した。この液晶配向剤を、ITO膜からなる透明電極付
きガラス基板の上に透明電極面に、膜厚が0.1μmに
なるようにスピンナーを用いて塗布し、180℃で1時
間乾燥し薄膜を形成した。上記薄膜表面に、Quant
a−Ray Pro−210(SpectraPhys
ics社製)により、266nmの波長を主とする、偏
光されたNd:YAGレーザを、N2雰囲気下で強度2
mJ/cm2、パルス頻度10Hz、入射角20度で照
射し、液晶配向膜を形成した。
【0064】次に、上記液晶配向膜が形成された一対の
基盤の、液晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径1
7μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を
スクリーン印刷塗付した後、一対の基板を液晶配向膜面
が相対するように、しかもパルスレーザの偏光方向が直
交するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させ
た。次いで、液晶注入口より一対の基板間に、ネマティ
ック型液晶(メルク社製、ZLI−1565)を充填し
た後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止し、基板の
外側の両面に偏光板を、偏光板の偏光方向がそれぞれの
基板の液晶配向膜へ照射したパルスレーザ偏光方向と一
致するように張り合わせ、液晶表示素子を作製したとこ
ろ、液晶の配向性は良好であった。電圧5Vを印加した
ところ、印加した電圧のON−OFFに応答して、液晶
表示素子の明暗の変化が観察された。液晶分子の配向方
向は、照射した偏光パルスレーザ光の偏光方向に対して
平行であった。プレチルト角を測定したところ1.0度
であった。
【0065】実施例4 実施例3において用いた配向処理方法を偏光パルスレー
ザ照射に代え、ラビング処理を行い、また偏光パルスレ
ーザの偏光方向の変わりにラビング方向を用いた以外
は、実施例3と全く同様にして、実施例3と同様の観察
ができた。液晶分子の配向方向は、ラビング方向に対し
て直交であった。プレチルト角を測定したところ0度で
あった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得たアルキルフルオレンジアミンの
赤外線吸収スペクトル図である。
【図2】実施例1で得たアルキルフルオレンジアミンの
TOF−MSスペクトル図である。
【図3】実施例1で得たアルキルフルオレンジアミンの
1H−NMRスペクトル図である。
【図4】実施例1で得たアルキルフルオレンジアミンの
13C−NMRスペクトル図である。
【図5】実施例2で得たアルキルフルオレンジアミンの
赤外線吸収スペクトル図である。
【図6】実施例2で得たアルキルフルオレンジアミンの
TOF−MSスペクトル図である。
【図7】実施例2で得たアルキルフルオレンジアミンの
1H−NMRスペクトル図である。
【図8】実施例2で得たアルキルフルオレンジアミンの
13C−NMRスペクトル図である。
フロントページの続き (72)発明者 江幡 敏 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 槙田 穣 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 汪 映寒 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2H090 HB08Y HB09Y HB12X HC05 HC15 LA01 LA09 MA06 MA10 MB01 MB08 MB12 4H006 AA01 AB84 4J043 PA02 PA19 PB03 PB21 PB22 PB23 PC015 PC016 PC075 PC076 PC115 PC116 PC165 PC166 QB15 QB26 QB31 RA35 RA39 SA02 SA06 SA31 SA42 SA43 SA44 SA45 SA46 SA47 SA49 SA52 SA55 SA63 SA71 SA72 SB01 SB02 TA22 TA43 TA67 TA68 TA69 TA70 TA71 TA72 TB01 TB02 UA011 UA022 UA032 UA041 UA042 UA052 UA082 UA121 UA122 UA131 UA132 UA141 UA142 UA151 UA152 UA221 UA231 UA241 UA251 UA261 UA262 UA361 UA381 UA391 UA421 UA591 UA622 UA632 UA652 UA662 UA672 UA761 UA762 UA771 UB011 UB012 UB021 UB022 UB061 UB062 UB121 UB122 UB131 UB132 UB151 UB152 UB172 UB211 UB221 UB281 UB282 UB301 UB302 UB312 UB351 UB382 UB401 UB402 VA011 VA021 VA022 VA031 VA032 VA041 VA051 VA061 VA062 VA071 VA072 VA081 XA16 XA17 XA19 YA06 YA08 ZB23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(A) 【化1】 (式中、nは6〜20の整数を示す。)で表されるアル
    キルフルオレンジアミン。
  2. 【請求項2】 下記式(B) 【化2】 (式中、Rは4価の有機基を示しそしてnは6〜20の
    整数を示す。)で表される構造を有することを特徴とす
    る、ポリアミック酸。
  3. 【請求項3】 下記式(C) 【化3】 (式中、Rは4価の有機基を示しそしてnは6〜20の
    整数を示す。)で表される構造を有することを特徴とす
    る、イミド化重合体。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のポリアミック酸および/
    または請求項3記載のイミド化重合体を含有することを
    特徴とする液晶配向剤。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の液晶配向剤から得られる
    塗膜に、偏光パルスレーザを照射する工程を含むことを
    特徴とする液晶配向膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の液晶配向剤から得られる
    液晶配向膜を具備することを特徴とする液晶表示素子。
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