JP2002020163A - ガラスセラミック焼結体及びそれを用いた多層配線基板 - Google Patents

ガラスセラミック焼結体及びそれを用いた多層配線基板

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JP2002020163A
JP2002020163A JP2000197267A JP2000197267A JP2002020163A JP 2002020163 A JP2002020163 A JP 2002020163A JP 2000197267 A JP2000197267 A JP 2000197267A JP 2000197267 A JP2000197267 A JP 2000197267A JP 2002020163 A JP2002020163 A JP 2002020163A
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ceramic sintered
sintered body
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glass ceramic
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Yoshihiro Nakao
吉宏 中尾
Shinichi Suzuki
晋一 鈴木
Kenichi Nagae
謙一 永江
Masahiko Azuma
昌彦 東
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
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    • H01L2924/095Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00 with a principal constituent of the material being a combination of two or more materials provided in the groups H01L2924/013 - H01L2924/0715
    • H01L2924/097Glass-ceramics, e.g. devitrified glass
    • H01L2924/09701Low temperature co-fired ceramic [LTCC]

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  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高熱膨張ガラスセラミック焼結体と同時焼成が
可能であり、かつ高熱膨張係数及び高誘電率、低損失の
ガラスセラミック焼結体と、有機樹脂を絶縁材料とする
プリント基板への実装信頼性に優れ、かつコンデンサを
内蔵した多層配線基板を得る。 【解決手段】ガラス相がアルカリ土類金属酸化物を15
〜40重量%と、SiO 2を30〜60重量%と、Zr
2を1〜20重量%含有し、結晶相が少なくともTi
含有酸化物を含む、40〜400℃における熱膨張係数
が8×10-6/℃以上、1MHz〜3GHzにおける比
誘電率が14以上、かつ1MHz〜3GHzにおけるt
anδが30×10-4以下のガラスセラミック焼結体を
多層配線基板の内層として少なくとも1層使用し、該層
の上下面に電極3を形成することにより多層配線基板に
コンデンサを内蔵させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高熱膨張係数を有
するガラスセラミック焼結体と同時焼成可能な、高誘電
率のガラスセラミック焼結体と、かかる高誘電率のセラ
ミック焼結体を具備した多層配線基板に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】従来、多層配線基板は、絶縁層が多層に積
層された絶縁基板の表面または内部にメタライズ配線層
が配設された構造からなり、代表的な例として、LSI
等の半導体素子収納用パッケージが挙げられる。このよ
うなパッケージとしては、絶縁層がアルミナ等のセラミ
ック焼結体からなるものが多用され、さらに最近では、
銅メタライズと同時焼成を可能にした低温焼成のガラス
セラミック焼結体を絶縁基板とするものも実用化されて
いる。
【0003】このようなセラミック多層配線基板におい
ては、半導体素子の集積度が高まるに従い、プリント基
板等の外部回路基板と接続するための接続端子数も増大
する傾向にあり、より小型化を図る方法として、セラミ
ック多層配線基板の下面に半田からなる球状の接続端子
を取り付けた、ボールグリッドアレイ(BGA)が接続
端子を最も高密度化できる構造として知られている。こ
のボールグリッドアレイ(BGA)は、外部回路上の配
線導体上に前記接続端子を載置当設させ、250〜40
0℃の温度で加熱処理することにより、前記接続端子を
溶融させて接続する。
【0004】この実装構造では、従来のアルミナ、ムラ
イト等のセラミック焼結体を用いたセラミック回路基板
の熱膨張係数が約4〜7×10-6/℃であるのに対し、
該基板を半田実装するガラス−エポキシ絶縁層を用いた
プリント基板の熱膨張係数は、約11〜18×10-6
℃であったため、半導体素子の作動時に発する熱によ
り、セラミック多層配線基板と外部回路基板の熱膨張差
に起因する大きな熱応力が発生するという問題があっ
た。そして、この熱応力は接続端子数が増加するほど影
響が大きくなり、半導体素子の作動と停止の繰り返しに
よりこの熱応力が接続端子に印加され、接続端子が配線
導体より剥離するという問題があった。
【0005】このような問題に対して、本出願人は、高
熱膨張のガラスと高熱膨張のフィラーを用いた高熱膨張
ガラスセラミック焼結体によって絶縁基板を形成した配
線基板を提案した。
【0006】一方、携帯電話、ノートパソコン等の携帯
用情報端末の急激な普及に伴い、搭載される電子部品の
小型化が強く望まれている。その一例として、携帯電話
のスイッチング回路及びパワーアンプ回路は、複数の抵
抗体及びコンデンサにより構成され、従来、これらの素
子は個々に電気回路基板上に設置されており、小型化及
び製造コスト削減の妨げとなっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】携帯用電子機器等に搭
載される電子部品を小型化するためには、半導体素子を
収納するセラミック配線基板のみならず、該配線基板を
実装するプリント基板等の外部回路基板を小型化する必
要がある。しかし、従来はセラミック配線基板、コンデ
ンサ、及び抵抗を個々に外部回路基板上に実装していた
ため、小型化が困難という問題、及び実装のための製造
コストが高くなるという問題があった。
【0008】そこで、多層セラミック配線基板の内部
に、高誘電率のセラミック層を介装させたコンデンサ内
蔵多層配線基板が提案されている。高誘電率の誘電体材
料としては、従来からBaO−TiO2系、PbO−T
iO2系等を主とする複合ペロブスカイト系誘電体材料
が知られているが、かかる誘電体材料はガラスセラミッ
ク焼結体と同時焼成することができない。
【0009】そこで、本出願人は、先に高熱膨張のガラ
スとフィラー成分としてBaTiO 3、CaTiO3等の
高誘電率セラミック材料を添加した高熱膨張、高誘電率
系のガラスセラミック焼結体を提案した。
【0010】しかしながら、かかるガラスセラミック焼
結体では、アルカリ土類金属酸化物とSiO2を主成分
とするガラスにおいて1MHz〜3GHzにおけるta
nδが高く、導体線路の伝送損失が大きくなるという問
題があった。
【0011】従って、本発明は、高熱膨張ガラスセラミ
ック焼結体と同時焼成が可能であり、かつ高熱膨張係
数、高誘電率を有するとともに、低誘電損失のガラスセ
ラミック焼結体と、有機樹脂を絶縁材料とするプリント
基板への実装信頼性に優れ、かつコンデンサを内蔵した
多層配線基板を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に対して種々検討を重ねた結果、結晶相とガラス相とか
らなるガラスセラミック焼結体において、ガラス相が特
定の組成から構成され、結晶相として、高誘電率系の酸
化物を含有することによって、高熱膨張及び高誘電率と
共に、低損失を同時に達成され、従来の高熱膨張ガラス
セラミック焼結体と同時焼成可能なガラスセラミック焼
結体が得られることを見出し、本発明に至った。
【0013】即ち、本発明のガラスセラミック焼結体
は、結晶相と、該結晶相の粒界にガラス相とを有するも
のであって、前記結晶相として少なくともTi含有酸化
物を含み、前記ガラス相がアルカリ土類金属酸化物を1
5〜40重量%、SiO2を30〜60重量%、ZrO2
を1〜20重量%の割合で含むとともに、40〜400
℃における熱膨張係数が8×10-6/℃以上、1MHz
〜3GHzにおける比誘電率が14以上であり、かつ1
MHz〜3GHzにおけるtanδが30×10-4以下
であることを特徴とするものである。
【0014】なお、上記のガラスセラミック焼結体は、
X線回折におけるアルカリ土類金属元素とSiを含有す
る複合酸化物の最大ピーク強度IとTi含有酸化物の最
大ピーク強度I0との比I/I0が1未満であることが低
誘電損失化を図る上で望ましい。
【0015】さらに、本発明によれば、上記のガラスセ
ラミック焼結体をセラミック絶縁層が多層に積層された
絶縁基板の表面及び/または内部にメタライズ配線層が
配設されている多層配線基板における絶縁基板として用
いる。
【0016】なお、かかる多層配線基板においては、前
記高誘電率のガラスセラミック焼結体からなる絶縁層
が、40〜400℃における熱膨張係数が6〜18×1
-6/℃、比誘電率が10未満の低誘電率ガラスセラミ
ック焼結体からなる絶縁層と積層されてなること、ある
いは前記高誘電率のガラスセラミック焼結体からなる絶
縁層が、一対の電極間に配設されており、該一対の電極
によって所定の静電容量が引き出されることが望まし
い。
【0017】かかる発明によれば、絶縁基板として用い
るガラスセラミック焼結体が、いずれも高熱膨張特性を
具備することから、プリント基板等の有機樹脂を含む絶
縁基体からなる外部回路基板に実装した状態で、熱サイ
クルが印加されても、熱膨張差に起因する熱応力の発生
を抑制することができる結果、長期にわたり安定した実
装が可能となる。しかも、このガラスセラミック焼結体
は、高熱膨張特性に加え、高誘電率および低誘電損失を
有することから、コンデンサとして高い静電容量を引き
出すことできるためにコンデンサ素子等の部品を基板に
実装する必要がなく、配線基板を含めた電子機器の小型
化に寄与することができ、しかも信号の伝送損失を低減
することができる。しかも、このガラスセラミック焼結
体は、低誘電率の高熱膨張ガラスセラミック焼結体との
積層化が可能であるために、配線基板内に高誘電率ガラ
スセラミック焼結体を内蔵させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のガラスセラミック焼結体
は、基本的に、ガラス相と結晶相とから構成されてい
る。そして、かかる焼結体におけるガラス相中に、アル
カリ土類金属酸化物を15〜40重量%と、SiO2
30〜60重量%含有する。これは、ガラス成分中のア
ルカリ土類金属酸化物が15重量%より少ないか、ある
いはSiO2が60重量%より多いと熱膨張係数及び比
誘電率が低くなり、高熱膨張かつ高誘電率のガラスセラ
ミック焼結体が得られにくくなり、一方、アルカリ土類
金属酸化物が40重量%より多いか、SiO2が30重
量%より少ないと低損失のガラスセラミック焼結体が得
られにくくなるためである。
【0019】また、本発明によれば、ガラス相中に上記
金属酸化物以外にZrO2を1〜20重量%含有するこ
とが重要である。これは、ガラス成分中のZrO2が2
0重量%より多いと高熱膨張のガラスセラミック焼結体
が得られにくくなり、一方、ZrO2が1重量%より少
ないと、アルカリ土類金属元素とSiを含有する複合酸
化物がガラス相から析出しやすく、ガラス成分中のSi
2量が著しく減少することによって低損失のガラスセ
ラミック焼結体が得られにくくなるためである。
【0020】また、本発明のガラスセラミック焼結体
は、結晶成分としてTi含有酸化物から選ばれる少なく
とも1種を含むものである。これは、結晶成分として上
記Ti含有酸化物を全く含まない場合、高誘電率のガラ
スセラミック焼結体が得られにくくなるためである。
【0021】また、結晶相としては、少なくともTi含
有酸化物を含有することが重要であって、かかるTi含
有酸化物の析出によって誘電率を高めることができる。
【0022】このようなTi含有酸化物としては、例え
ば、 チタニア(α=9ppm/℃、ε=80) チタン酸カルシウム(α=13ppm/℃、ε=18
0) チタン酸ストロンチウム(α= 9ppm/℃、ε=3
00) チタン酸バリウム(α=14ppm/℃、ε=1300
0) チタン酸ランタン(α=15ppm/℃、ε=45) の群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。なお、
チタン酸ランタンは、一般式La23・nTiO2(n
=2〜5の整数)で表され、具体的には、 La23・2TiO2(α=15×10-6)/℃、ε=
45) La23・3TiO2(α=14×10-6)/℃、ε=
47) La23・4TiO2(α=14×10-6)/℃、ε=
51) La23・5TiO2(α=13×10-6)/℃、ε=
55) が挙げられる。
【0023】さらに、結晶成分としては、上記Ti含有
酸化物以外に、熱膨張係数を高めるために他の成分を含
有せしめることができる。例えば、クリストバライト、
クォーツ(石英)、トリジマイト、MgO、スピネル
(MgO・Al23)、ネフェリン(Na2O・Al2
3、SiO2)、リチウムシリケート(Li2O・Si
2)、カーネギアイト(Na2O・Al23・2SiO
2)、ホウ酸マグネシウム(2MgO・B23)、ガー
ナイト(ZnO・Al23)、ペタライト(LiAlS
410)、Al23等が挙げられる。
【0024】なお、本発明のガラスセラミック焼結体に
おいては、結晶相として、アルカリ土類金属元素とSi
を含有する複合酸化物、具体的には、セルシアン(Ba
O・Al23・2SiO2)、フォルステライト(2M
gO・SiO2)、エンスタタイト(MgO・Si
2)、ジオプサイト(CaO・MgO・2SiO2)、
メルビナイト(2CaO・MgO・2SiO2)、アケ
ルマイト(2CaO・MgO・2SiO2)、CaTi
SiO5、Ba2TiSi28等が挙げられるが、かかる
複合酸化物は、析出しないことが望ましく、特に、前記
アルカリ土類金属元素とSiを含有する複合酸化物の析
出量は、X線回折におけるその最大ピーク強度Iと、前
記Ti含有酸化物の最大ピーク強度I0との比I/I0
1未満で表されることが望ましい。
【0025】本発明のガラスセラミック焼結体を作製す
るには、ガラス粉末及びフィラー粉末を所定の割合で混
合し、これに適当な有機樹脂バインダーを添加した後、
所望の成形手段、例えば、金型プレス、冷間静水圧プレ
ス、射出成形、押し出し成形、ドクターブレード法、カ
レンダーロール法、圧延法等により任意の形状に成形
し、これを焼成する。
【0026】上記ガラス粉末及びフィラー粉末として
は、焼成後、ガラス成分としてアルカリ土類金属酸化物
を15〜40重量%と、SiO2を30〜60重量%
と、ZrO2を1〜20重量%含有し、結晶成分として
Ti含有酸化物から選ばれる少なくとも1種を含むガラ
スセラミック焼結体が得られることが重要である。
【0027】このようなガラス粉末としてはBaO−S
iO2系ガラス、CaO−SiO2系ガラス、とりわけB
aO−SiO2系ガラスが最も好適に使用される。特
に、ガラス粉末としては、SiO2を25〜50重量
%、BaOあるいはCaOを30〜60重量%、B23
を5〜15重量%、Al231〜10重量%の割合でそ
れぞれ含有し、さらには、ZnO、ZrO2、MgO、
SrO、TiO2、P25の群から選ばれる少なくとも
1種を10重量%以下の割合で含有してもよい。
【0028】また、フィラー粉末としては、前述したよ
うなTi含有酸化物からなる高誘電率系フィラーおよび
ZrO2を添加するとともに、必要に応じて前述した高
熱膨張性を有する種々の酸化物をフィラーとして混合す
ることができる。
【0029】また、成形体の焼成にあたっては、まず、
成形のために配合したバインダー成分を除去する。バイ
ンダーの除去は700℃前後の大気雰囲気中で行われる
が、配線導体として、例えばCuを用いる場合には、1
00〜750℃の水蒸気を含有する窒素雰囲気中で行わ
れる。この時、成形体の収縮開始温度は700〜850
℃程度であることが望ましく、かかる収縮開始温度がこ
れより低いとバインダーの除去が困難となるため、成形
体中の結晶化ガラスの特性、特に屈伏点を前述したよう
に制御することが必要となる。
【0030】焼成は、850〜1050℃の酸性雰囲気
または非酸化性雰囲気中で行われ、これにより相対密度
90%以上まで緻密化される。この時の焼成温度が85
0℃より低いと緻密化することができず、1050℃を
超えるとメタライズ配線層との同時焼成でメタライズ配
線層が溶融してしまう。但し、Cu等の配線導体と同時
焼成する場合には、非酸化性雰囲気中で焼成される。
【0031】こうして作製された本発明のガラスセラミ
ック焼結体中には、ガラスから生成した結晶相、ガラス
とフィラーとの反応により生成した結晶相、あるいはフ
ィラー成分、あるいはフィラー成分が分解して生成した
結晶相等が存在し、これらの結晶相の粒界にはガラス相
が存在する。
【0032】このようにして作製された本発明のガラス
セラミック焼結体は、40〜400℃における熱膨張係
数が8×10-6/℃以上、1MHz〜3GHzにおける
比誘電率が14以上、かつ1MHz〜3GHzにおける
tanδが30×10-4以下の高熱膨張、高誘電率、低
誘電損失のガラスセラミック焼結体である。しかも、8
50〜1050℃の焼成温度で焼成可能であるため、C
u等の低抵抗金属との同時焼成が可能である。
【0033】また、本発明によれば、上記高誘電率のガ
ラスセラミック焼結体を配線基板の絶縁基板材料として
用いることで配線基板の小型化を図ることができる。
【0034】また、図1に示すように、セラミック絶縁
層1a、1b、1cが多層に積層された絶縁基板1の表
面及び/また内部にメタライズ配線層2が配設されてい
る多層配線基板において、セラミック絶縁層のうち少な
くとも1層1bを上記高熱膨張、高誘電率かつ低損失の
ガラスセラミック焼結体によって形成し、その上下にC
u等の導体から成る電極3−3を形成し、スルーホール
導体4−4等を経由して基板表面のメタライズ配線層2
と接続することにより、配線層2−2間で所定の静電容
量を取り出すことができる。
【0035】この時、前記高誘電率ガラスセラミック焼
結体からなる絶縁層は、40〜400℃における熱膨張
係数が6〜18×10-6/℃、比誘電率が10未満の低
誘電率ガラスセラミック焼結体から成る絶縁層間に積層
されていることが望ましい。
【0036】この低誘電率のガラスセラミック焼結体は
前記のガラスセラミック焼結体から高誘電率のTi含有
酸化物結晶成分を除く以外はまったく同様にして容易に
形成できる。
【0037】このような高誘電体層を具備する多層配線
基板は、前述したガラス粉末、及びフィラー粉末からな
る低誘電率のガラスセラミック組成物に、適当な有機バ
インダー、溶剤、可塑剤を添加混合することによりスラ
リーを作製し、かかるスラリーを周知のドクターブレー
ド等の塗工方式によるグリーンシート成形法により、グ
リーンシート状に成形する。そして、メタライズ配線層
として、適当な金属粉末に有機バインダー、溶剤、可塑
剤を添加混合して得た金属ペーストを前記グリーンシー
トに周知のスクリーン印刷法により、所定のパターンに
印刷塗布する。また、場合によっては、前記グリーンシ
ートに適当な打ち抜き加工を行いスルーホールを形成
し、このホール内にもメタライズペーストを充填する。
【0038】一方、上記と同様の方法により成形、打ち
抜き、電極の印刷を行った高熱膨張、高誘電率、低損失
のガラスセラミックグリーンシートを作製する。
【0039】そして、上記の低誘電率ガラスセラミック
グリーンシートと高誘電率ガラスセラミックグリーンシ
ートとを積層し、グリーンシート積層体とメタライズを
同時焼成することにより、コンデンサを内蔵する多層配
線基板を得ることができる。
【0040】本発明によって、高熱膨張、高誘電率ガラ
スセラミック層により構成されるコンデンサを内蔵した
高熱膨張多層配線基板は、有機樹脂を含有するプリント
基板等にボール状半田端子や半田を介して実装した場合
においても温度サイクルに対する長期信頼性の実装が可
能である。しかも、コンデンサを内蔵することにより、
該基板を実装するプリント基板等の外部回路基板の小型
化を図ることができる。
【0041】
【実施例】アルカリ土類金属酸化物、SiO2を含有す
るガラス粉末として表1に示すガラスを準備した。な
お、表中の熱膨張係数は、40〜400℃における線熱
膨張係数を示す。
【0042】
【表1】
【0043】このガラスに対して表2に示すようにフィ
ラー粉末としてクオーツ(QTZ)、CaTiO3(C
T)、BaTiO3(BT)、La2Ti27(TL
T)、ZrO2(ZR)を準備した。
【0044】上記ガラス粉末とフィラー粉末とを表2に
示す比率で秤量調合し、溶剤を加えてボールミルを用い
て粉砕混合した後、有機バインダー、可塑剤を加えて十
分混合させてスラリーを作製し、ドクターブレード法に
より厚み500μmのグリーンシートを作製した。得ら
れたグリーンシートより、50mm×50mmのサンプ
ルを作製し、水蒸気を含有する窒素雰囲気中750℃に
て脱バインダー後、表2に示す焼成温度にて窒素雰囲気
中で焼成を行った。
【0045】上記のようにして得られた焼結体に対し
て、40〜400℃における熱膨張係数、3GHzにお
ける比誘電率及びtanδをそれぞれ測定した。
【0046】次に、上記のようにして得られた焼結体に
対して、炭酸ナトリウムにてアルカリ融解し、塩酸溶液
にて溶解した溶液中のCa、Ba、Si、ZrをICP
発光分光分析装置にて分析し、得られたデータからガラ
ス成分のアルカリ土類酸化物、SiO2、ZrO2を定量
評価した。
【0047】さらに、上記のようにして得られた焼結体
に対して、Cuターゲットを用いてX線回折を行った
後、結晶相の同定を行い、そのそれぞれの結晶相の最大
ピーク強度を比較し、アルカリ土類金属元素とSiを含
有する複合酸化物(CaTiSiO5、Ba2TiSi2
8、BaAl2Si28)の最大ピーク強度Iと、Ti
含有酸化物の最大ピーク強度I0との比I/I0を求め
た。各評価結果は表3に示した。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】試料No.1〜5、16〜19はガラス相
のアルカリ土類金属酸化物、SiO 2、ZrO2のいずれ
かが本請求の範囲外であるため、熱膨張係数が低いか、
比誘電率が低いか、あるいはtanδが高いことがわか
る。
【0051】また、本発明の範囲外の試料No.1〜
5、16〜19はアルカリ土類金属元素とSiを含有す
る複合酸化物(CaTiSiO5、Ba2TiSi28
BaAl2Si28)の最大ピーク強度Iと、Ti含有
酸化物(CaTiO3、CaTiSiO5、Ba4Ti13
30、Ba2TiSi28、La2Ti27)の最大ピー
ク強度I0との比I/I0が1以上であり、ガラス成分の
SiO2の比が低く、いずれの試料においてもtanδ
が高くなっている。
【0052】これに対して、本発明品は、いずれも8×
10-6/℃以上の高熱膨張特性とともに、比誘電率を1
4以上に高めることができるとともに、tanδを30
×10-4以下に抑えることができた。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のガラスセ
ラミック焼結体は、40〜400℃における熱膨張係数
が8×10-6/℃以上であり、1MHz〜3GHzにお
ける比誘電率が14以上であり、かつ1MHz〜3GH
zにおけるtanδが30×10-4以下の高熱膨張、高
誘電率、低損失の優れた特性を示し、高熱膨張ガラスセ
ラミック絶縁層よりなる多層配線基板の内部に配設して
用いることにより、信号線路の伝送損失が小さくコンデ
ンサを内蔵した高熱膨張性の配線基板を提供できるよう
になる。このコンデンサ内蔵の高熱膨張セラミック多層
配線基板は、小型化に有効なボールグリッドアレイ実装
方法の長期信頼性が高く、従来、外部回路基板に実装さ
れていたコンデンサが不要となるため、外部回路基板の
小型化、及び実装コストの削減に有効であり、急速に普
及しつつある携帯用電子機器の小型化に大いに貢献でき
るものと期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板における一実施例を説明する
ための概略断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板 1a、1b、1c 絶縁層 2 メタライズ配線層 3 電極 4 スルーホール導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/46 H01L 23/12 C 23/14 C (72)発明者 東 昌彦 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4G030 AA05 AA08 AA10 AA17 AA32 AA35 AA36 AA37 BA09 CA01 CA05 CA08 GA09 5E346 AA12 CC18 CC32 FF45 GG09 HH22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶相と、該結晶相の粒界にガラス相とを
    有するガラスセラミック焼結体であって、前記結晶相と
    して少なくともTi含有酸化物を含み、前記ガラス相が
    アルカリ土類金属酸化物を15〜40重量%、SiO2
    を30〜60重量%、ZrO2を1〜20重量%の割合
    で含むとともに、40〜400℃における熱膨張係数が
    8×10-6/℃以上、1MHz〜3GHzにおける比誘
    電率が14以上であり、かつ1MHz〜3GHzにおけ
    るtanδが30×10-4以下であることを特徴とする
    ガラスセラミック焼結体。
  2. 【請求項2】X線回折測定において、アルカリ土類金属
    元素とSiを含有する複合酸化物の最大ピーク強度I
    と、前記Ti含有酸化物の最大ピーク強度I0との比I
    /I0が1未満であることを特徴とする請求項1記載の
    ガラスセラミック焼結体。
  3. 【請求項3】セラミック絶縁層が多層に積層された絶縁
    基板の表面及び/または内部にメタライズ配線層が配設
    されている多層配線基板において、前記セラミック絶縁
    層のうち少なくとも1層が請求項1乃至請求項2のいず
    れか記載のガラスセラミック焼結体からなることを特徴
    とする多層配線基板。
  4. 【請求項4】前記高誘電率のガラスセラミック焼結体か
    らなる絶縁層が、40〜400℃における熱膨張係数が
    6〜18×10-6/℃、比誘電率が10未満の低誘電率
    ガラスセラミック焼結体からなる絶縁層と積層されてな
    ることを特徴とする請求項3記載の多層配線基板。
  5. 【請求項5】前記高誘電率のガラスセラミック焼結体か
    らなる絶縁層が、一対の電極間に配設されており、該一
    対の電極によって所定の静電容量が引き出されることを
    特徴とする請求項3または請求項4記載の多層配線基
    板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100485736B1 (ko) * 2002-05-23 2005-04-28 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 유리 세라믹 조성물, 유리 세라믹 소결체 및 세라믹 다층기판
US8173565B2 (en) 2009-02-16 2012-05-08 Murata Manufacturing Co., Ltd. Sintered body of low temperature cofired ceramic and multilayer ceramic substrate

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