JP2002015942A - 積層型電子部品 - Google Patents
積層型電子部品Info
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- JP2002015942A JP2002015942A JP2000197388A JP2000197388A JP2002015942A JP 2002015942 A JP2002015942 A JP 2002015942A JP 2000197388 A JP2000197388 A JP 2000197388A JP 2000197388 A JP2000197388 A JP 2000197388A JP 2002015942 A JP2002015942 A JP 2002015942A
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Abstract
生を抑制できる積層型電子部品を提供する。 【解決手段】複数のセラミック層31と複数の内部電極
33とを交互に積層してなり、容量を発生させる容量発
生部40とその両側に形成された容量非発生部41とを
有する電子部品本体38と、該電子部品本体38の両端
面にそれぞれ形成され、内部電極33が容量非発生部4
1を介して交互に接続された外部電極39とを具備した
積層型電子部品において、容量非発生部41に空隙Bが
形成されている
Description
関するもので、特に、複数のセラミックグリーンシート
を積み重ねて形成された積層セラミックコンデンサに好
適に用いられる積層型電子部品に関する。
乃至図11に示すように、複数のセラミック層1と、長
辺3aと短辺3bを有する複数の長方形状の内部電極3
を交互に積層してなる積層体5の上下面に、上側端面セ
ラミック層6および下側端面セラミック層7が形成され
て、電子部品本体8が形成されており、この電子部品本
体8の両端部に外部電極9を設けて構成されていた。
3が交互に重畳し、実質的に容量を発生させる容量発生
部10と、その両側に形成された実質的に容量を発生さ
せない容量非発生部11とから構成され、電子部品本体
8の両端部にそれぞれ形成された外部電極9には、内部
電極3が一層毎に容量非発生部11を介して接続されて
いる。
例えば、先ず、PETフィルム上に、セラミック粉末、
有機バインダーおよび溶剤を含むセラミックスラリーを
塗布し、40〜80℃で10〜20秒間乾燥後、これを
PETフィルムから剥離して複数のセラミックグリーン
シートを形成し、これらを複数積層して下側と上側の端
面セラミックグリーンシートを形成する。この下側端面
セラミックグリーンシートを台板上に配置し、プレス機
により圧着して貼り付ける。
セラミックスラリーを塗布し、40〜80℃で10〜2
0秒間乾燥後、このセラミックグリーンシート上に、例
えば、Ni、Cu、Ag−Pdのうち一種を含む内部電
極ペーストを塗布して、セラミックグリーンシート上に
長辺と短辺を有する長方形状の内部電極パターンを複数
形成した後、この内部電極パターンが形成されたグリー
ンシートをPETフィルムから剥離する。
トの上に、内部電極パターンが形成されたグリーンシー
トを積層し、プレス機により加圧して仮固定する工程を
繰り返して内部電極パターンが形成されたグリーンシー
トを所定枚数積層し、次に、上側端面セラミックグリー
ンシートを積層し、複数のセラミックグリーンシート
と、長辺と短辺を有する複数の長方形状の内部電極パタ
ーンを交互に積層してなる積層成形体の上下面に、端面
セラミックグリーンシート層が積層された電子部品成形
体を作製する。
リーンシート12と内部電極パターン13が交互に積層
された電子部品成形体15を、セラミックグリーンシー
ト12および内部電極パターン13が軟化する温度に一
挙に加熱した状態で積層方向からプレス機により加圧し
て圧着し、さらに、この後、電子部品成形体15の上部
にゴム型を配置し、上記と同様の温度に加熱した状態で
静水圧成形する。この後、所定のチップ形状にカット
し、そのチップ状成形体の両端面に外部電極ペーストを
塗布して、焼成することにより、積層セラミックコンデ
ンサが形成されていた。尚、外部電極については、焼成
されたチップ状成形体の両端面に外部電極ペーストを塗
布して焼き付けることによっても形成されていた。
電子部品の作製工程においては、焼成時あるいは外部電
極を焼き付ける際に誘電体層と、内部電極および外部電
極との収縮率、及び熱膨張係数の違いによりストレスが
生じる。これにより表面実装時の熱衝撃や配線基板への
実装後に発生する曲げ応力により積層型電子部品にクラ
ックを生じることがあった。そしてクラックが容量発生
部の内部電極まで達すると信頼性の低下を引き起こすと
いう問題があった。
び内部電極パターン13が軟化する温度に一挙に加熱し
た状態で積層方向からプレス機により加圧して圧着して
いたため、図12に矢印で示したように、異なる極性の
内部電極パターン13が重畳する部分(容量発生部)か
ら、異なる極性の内部電極パターン13が重畳しない部
分(容量非発生部)へ、セラミックグリーンシート12
が押し出され、セラミックグリーンシート12が湾曲す
るとともに内部電極パターン13が湾曲し、また、セラ
ミックグリーンシート12がプレス機の加圧力に応じて
伸び、層厚が薄くなり、ショートの発生率が増加すると
いう問題があった。特に、セラミックグリーンシート1
2を薄くすればする程、ショート発生率が増加するとい
う問題があった。
性の内部電極パターン13の湾曲部分が近づき、特に誘
電体層が薄くなればなるほど、ショート不良が発生する
という問題があった。また、ショートまで至らない製品
であっても、信頼性評価にて著しく寿命が低下するとい
う問題があった。
ーンシートを積層し、プレス機により加圧して仮固定す
る工程を繰り返して電子部品成形体15を形成していた
ため、下層のセラミックグリーンシート同士は加圧工程
を受ける回数が多いため密着力は高いが、上層にいくほ
ど加圧工程を受ける回数が少なくなり、セラミックグリ
ーンシート同士の密着性が低下する。
よび内部電極パターン13が軟化する温度に一挙に加熱
した状態で積層方向からプレス機により加圧して圧着す
ると、上層のセラミックグリーンシート12は接着強度
が弱いため、容易に伸び、薄くなって、上記と同様、電
子部品本体8の上層部においてショート不良が集中する
という問題があった。この場合においても、小型薄型化
のためにセラミック層の厚みを薄くすればする程、その
傾向が大きくなるという問題があった。
るクラックの発生を抑制できる積層型電子部品を提供す
ることを目的とし、さらには、セラミック層を薄くして
も異なる極性の内部電極間のショートを抑制できる積層
型電子部品を提供することを目的とする。
は、複数のセラミック層と複数の内部電極とを交互に積
層してなり、容量を発生させる容量発生部とその両側に
形成された容量非発生部を有する電子部品本体と、該電
子部品本体の容量非発生部にそれぞれ形成され、前記内
部電極が前記容量非発生部を介して交互に接続された外
部電極とを具備する積層型電子部品において、前記容量
非発生部に空隙が形成されているものである。
クと金属の収縮差及び熱膨張係数の差により、焼成時や
外部電極焼き付け時に発生する内部応力を空隙により緩
和でき、これにより表面実装時の熱衝撃や配線基板への
実装後における曲げ応力によるクラックが生じにくく、
磁器強度以上の外部応力が加えられても、空隙に応力が
集中し、少なくとも容量発生部の内部電極まで達するク
ラックは生じないため、高信頼性を確保できる。
部の内部電極に屈曲部が形成されていることが望まし
い。
シートに複数の内部電極パターンを形成する工程と、該
セラミックグリーンシートを複数積層し、これを所定温
度で加圧して電子部品成形体を作製する工程と、該電子
部品成形体を、所定位置で切断してチップ状成形体を作
製する工程とを具備する積層型電子部品の製法であっ
て、前記電子部品成形体を作製する工程が、前記内部電
極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを複
数積層し、これを前記セラミックグリーンシートが軟化
する温度で、かつ前記内部電極パターンが軟化しない温
度に加熱して加圧板により加圧した後、前記内部電極パ
ターンが軟化する温度まで加熱して前記加圧板により加
圧し、前記電子部品成形体を作製することにより得られ
る。
複数積層した後、プレス設定温度をセラミックグリーン
シート軟化温度であって、内部電極パターンが軟化しな
い温度に加熱して加圧板により加圧することにより、異
なる極性の内部電極パターンが重畳する部分(容量発生
部)から、異なる極性の内部電極パターンが重畳しない
部分(容量非発生部)へ、セラミックグリーンシートが
押し出されるが、内部電極パターンは軟化していないた
め、ある一定量グリーンシートが押し出されると、容量
非発生部の内部電極パターンが屈曲し、この内部電極パ
ターンの屈曲部が防壁の役目をして、セラミックグリー
ンシートの押し出しが阻止される。
一部に、焼成工程において消失する材料でパターンを形
成することにより、焼成後に空隙が形成されるが、上記
した屈曲部は、焼成工程において消失する材料で形成さ
れたパターンの部分が頂点となる屈曲部を形成できる。
また、屈曲部は、焼成工程において消失する材料で形成
されたパターンにより形成される段差に発生しやすくな
るため、屈曲部の形成位置を制御できる。
度をなす直線上に屈曲部が形成されやすい。屈曲部を形
成する消失材料によるパターンは内部電極全層に形成す
る必要はなく、また、屈曲部を容量発生部から離れた位
置に形成することにより異なる極性の内部電極の湾曲に
よるショートを防止することができる。
度よりも高く、かつ内部電極パターンが軟化する温度に
まで加熱して加圧板により加圧することにより、セラミ
ックグリーンシートと内部電極パターンとの密着性、セ
ラミックグリーンシート相互間の密着性を向上でき、ク
ラックやデラミネーションの発生を防止できる。
でき、異なる極性の内部電極間の近接を抑制でき、ショ
ートの発生を抑制できる。
シート同士の密着性が低下したとしても、セラミックグ
リーンシートおよび内部電極パターンが軟化する温度に
一挙に加熱することなく、先ず、セラミックグリーンシ
ート軟化温度に加熱して加圧板により加圧することによ
り、内部電極パターンに屈曲部が形成され、それ以降の
セラミックグリーンシートの押し出しが阻止されるた
め、上層のセラミックグリーンシートが異常に薄くなる
ことがなく、下層部から上層部にいたるまで均一な厚み
になり、上層部に集中していたショート不良の発生を抑
制できる。
度から、内部電極パターンの軟化温度までに、段階的に
加圧力を大きくして加圧することが望ましい。このよう
に段階的に加圧力を大きくすることにより、各セラミッ
クグリーンシートをより均一厚みとすることができる。
成されていることが望ましい。これにより、内部電極の
屈曲による応力を緩和できるとともに、外部応力が印可
された際に応力を容量非発生部に集中させ、少なくとも
容量発生部まで達するクラックは生じないため、高信頼
性を確保することができる。
形成されており、その長さは、容量非発生部の内部電極
の幅以下とすることが望ましい。これにより、チップ外
部に応力集中の起点を形成することなく、内部応力を緩
和することができる。
とが望ましい。これにより、実装時および実装後の応力
を緩和することができる。
ック層が形成されており、容量非発生部の最も外側に形
成された内部電極よりも前記端面セラミック層側に空隙
が形成されていることが望ましい。これにより、端子電
極焼き付け時の応力を緩和することができる。
ば、積層セラミックコンデンサを例にして説明する。本
発明の積層セラミックコンデンサは、図1乃至図3に示
すように、複数のセラミック層31と、長辺33aと短
辺33bを有する複数の長方形状の内部電極33を交互
に積層してなる積層体35の上下面に、上側端面セラミ
ック層36および下側端面セラミック層37が形成され
て、電子部品本体38が形成されており、この電子部品
本体38の両端部に外部電極39を設けて構成されてい
る。
極33が重畳し、実質的に容量を発生させる容量発生部
40と、その両側に形成された実質的に容量を発生させ
ない容量非発生部41とから構成され、電子部品本体3
8の両端面にそれぞれ形成された外部電極39には、内
部電極33が一層毎に容量非発生部41を介して接続さ
れている。
33aと短辺33bを有しており、その短辺33bは、
図1(a)に示したように、容量非発生部41を介して
電子部品本体38の両端面に交互に露出しており、これ
らの短辺33bが外部電極39に接続されている。
には、それぞれ屈曲部Aが形成されており、容量非発生
部41における内部電極33の屈曲部Aは、図3に示す
ように、積層方向xに対して(セラミック層31の厚み
方向に対して)所定角度θを有する直線状に形成されて
いる。尚、図1(a)では、便宜上、屈曲部を同じ位置
に記載した。
されており、これらの空隙Bは、内部電極33の屈曲部
A近傍に形成されている。空隙Bは、図1(b)に拡大
して示すように、内部電極33の屈曲部Aに沿って形成
されており、その長さLは、容量非発生部41の内部電
極33の幅以下とされ、内部電極33の幅中央部では拡
幅している。
この範囲内の場合には、応力緩和効果が大きいからであ
る。一方、空隙Bの大きさが2μm未満であると、配線
基板実装時及び実装後のストレスの緩和効果をあまり期
待できず、40μmよりも大きいとストレス発生時に破
壊源となる場合があるからである。空隙Bの幅Hは、応
力緩和効果が大きくするという点から、4〜30μmで
あることが望ましい。
された内部電極33よりも端面セラミック層36側に空
隙Bが形成されている。この部分に空隙Bを形成するこ
とにより、外部電極焼き付け時の電子部品本体への引っ
張り応力を緩和することができる。
電極33の長辺33aは、図1(c)に示したように、
上下端の内部電極33の長辺33aよりも距離xだけ、
即ち20〜70μm外方に突出している。また、上下端
の内部電極33の長辺33a近傍が積層方向中央部に向
けて湾曲しており、その曲率半径R2は50μm以上と
されている。
以下、特には2.5μm以下とされており、その厚み差
は0.2μm以内であることが望ましい。このように、
セラミック層31の厚みが薄くなればなるほど、異なる
極性の内部電極が近づき、ショートや絶縁抵抗の低下が
発生し易くなる。また、厚み差を0.2μm以内とする
ことにより、ショート不良および絶縁不良を抑制するこ
とができる。
えば、先ず、PETフィルム上に、セラミック粉末、有
機バインダーおよび溶剤を含むセラミックスラリーを塗
布し、乾燥器内で乾燥後、これを剥離して複数のセラミ
ックグリーンシートを形成し、これらを複数積層して端
面セラミックグリーンシートを形成する。
面セラミックグリーンシート42の最上層に相当するシ
ートには、焼成工程において空隙を形成するための有機
可塑剤ペースト61が、積層後に容量非発生部となる位
置(屈曲部が形成される位置)に塗布されている。尚、
符号62は切断面である。
ーストの塗布順を変えることにより、内部電極の上下い
ずれにも形成することが可能である。上述の有機可塑剤
としてはポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ジブ
チルフタレート、ジオクチルフタレート等を用いる。
を、セラミック層31を形成する上記グリーンシートの
乾燥温度よりも高く、かつ長時間乾燥させ、例えば、6
0〜120℃で10〜60分間乾燥することにより、十
分に乾燥させて収縮させ、硬化させる。この端面セラミ
ックグリーンシートの厚みは、50〜150μmとされ
ており、図5に示すように、このような端面セラミック
グリーンシート42を、台板43上に配置し、プレス機
により圧着して台板43上に貼り付ける。
iO3粉末にMgCO3、MnCO3、Y2O3粉末を混合
したものが用いられ、所望により焼結助剤が用いられ、
有機バインダーとしては、例えば、ブチラール樹脂が用
いられ、溶剤としてはトルエンが用いられる。
セラミックスラリーを塗布し、乾燥器内で乾燥後、この
厚み2〜10μmのセラミックグリーンシート31に、
図4(b)に示すように、例えば、Ni粒子、BaTi
O3粉末、有機バインダーとして、例えば、エチルセル
ロースを、溶剤として炭化水素系溶剤を含む内部電極ペ
ーストを塗布して乾燥し、グリーンシート上に長辺と短
辺を有する長方形状の内部電極パターン63を形成し、
さらに容量非発生部に該当する内部電極パターンの部分
に、焼成工程において空隙を形成するための有機可塑剤
ペースト61を塗布し、グリーンシート乾燥後、PET
フィルムから剥離する。尚、セラミックスラリーは、端
面セラミックグリーンシートと同一である必要はなく、
異なる組成であっても良い。
クグリーンシート42の上に、内部電極パターンが形成
されたグリーンシートを積層し、プレス機の加圧板によ
り仮固定し、この工程を複数回繰り返し、この後、端面
セラミックグリーンシート44を積層し、複数のセラミ
ックグリーンシートと、長辺と短辺を有する複数の長方
形状の内部電極パターンを交互に積層してなる積層成形
体45の上下面に、端面セラミックグリーンシート層4
2、44が積層された電子部品成形体47を作製する。
成する部分のグリーンシートに形成された内部電極パタ
ーンに塗布することにより、所望の位置に、所望の数の
空隙を形成できる。
に示すように、電子部品成形体47が形成された台板4
3を金型51に載置し、所定温度に加熱した状態で、積
層方向からプレス機の加圧板53により加圧して圧着す
る。
を、図7に示すように、セラミックグリーンシートが軟
化する温度に加熱して加圧板により加圧した後、このセ
ラミックグリーンシート軟化温度よりも高く、かつ内部
電極パターンが軟化する温度まで加熱して加圧板により
加圧することが重要である。このセラミックグリーンシ
ートや内部電極パターンの軟化温度は、一般に有機バイ
ンダーの種類、量によって決定されるため、内部電極パ
ターンの軟化温度がセラミックグリーンシートの軟化温
度よりも高くなるように設定する必要がある。
7に均等に温度が行き渡ってから昇圧するように一定時
間をおき、また各昇圧スピードは、緩やかにすることが
望ましい。
電子部品成形体47の上部にゴム型57を配置し、所定
温度に加熱した状態で、静水圧成形し、この後、台板4
3から電子部品成形体47を剥離する。尚、電子部品成
形体47を上下からゴム型により静水圧成形しても良
い。静水圧成形時の加熱温度は、内部電極の軟化温度よ
りも高くなるように設定する。
すような電子部品成形体47が得られる。
チップ形状に符号62の位置でカットし、そのチップ状
成形体の両端面に、例えばNiを含有する外部電極ペー
ストを塗布して、焼成することにより、積層セラミック
コンデンサが形成される。尚、外部電極については、焼
成されたチップ状成形体の両端面に外部電極ペーストを
塗布して焼き付けることによっても形成できる。
ンデンサでは、図7に示すように、プレス設定温度をセ
ラミックグリーンシート軟化温度に加熱して加圧板53
により加圧することにより、図8(a)に示すように、
異なる極性の内部電極パターンが重畳する部分(容量発
生部)から、異なる極性の内部電極パターンが重畳しな
い部分(容量非発生部)へ、セラミックグリーンシート
が押し出されるが、内部電極パターンは軟化していない
ため、ある一定量グリーンシートが押し出されると、そ
の部分で内部電極パターンが屈曲し、この内部電極パタ
ーンの屈曲部が防壁の役目をして、セラミックグリーン
シートの押し出しが阻止される。
グリーンシート軟化温度よりも高く、かつ内部電極パタ
ーンが軟化する温度にまで加熱して加圧板により加圧す
ることにより、セラミックグリーンシートと内部電極パ
ターンとの密着性を向上でき、デラミネーションやクラ
ックの発生を防止できる。従って、一部分においてセラ
ミック層の層厚が異常に薄くなることを抑制できる。
に有機可塑剤を塗布することにより、厚みの段差によっ
て、有機可塑剤を塗布した位置に屈曲部が形成される。
有機可塑剤の塗布位置を容量発生部から離すことによ
り、異なる極性の内部電極間の近接を抑制でき、ショー
トの発生を抑制できる。
シート同士の密着性が低下したとしても、セラミックグ
リーンシートおよび内部電極パターンが軟化する温度に
一挙に加熱することなく、先ず、セラミックグリーンシ
ート軟化温度に加熱して加圧板により加圧することによ
り、内部電極パターンに屈曲部が形成され、それ以降の
セラミックグリーンシートの押し出しが阻止されるた
め、上層のセラミックグリーンシートが異常に薄くなる
ことがなく、下層部から上層部にいたるまで均一な厚み
になり、上層部に集中していたショート不良の発生を抑
制できる。
により加圧すると、図8(b)に示すように、積層方向
中央部では内部電極パターンの長辺近傍が横方向に延び
るものの、端面セラミックグリーンシート層42、44
が乾燥され硬化されているため延びにくく、これらの端
面セラミックグリーンシート層42、44に引きずられ
て上下端部の内部電極パターンの長辺の延びが抑制さ
れ、積層方向中央部では内部電極パターンの長辺が、上
下端の内部電極パターンの長辺よりも突出した状態とな
る。
圧成形すると、図8(b)に示すように、内部電極パタ
ーンの長辺近傍は、従来よりも曲率半径が大きい湾曲状
態となり、その下方にある極性の異なる内部電極パター
ンとの距離も従来よりも大きくすることができ、ショー
ト不良や絶縁抵抗低下を抑制することができる。
ンの長辺近傍が横方向に延びるものの、端面セラミック
グリーンシート層42、44が延びにくいため、この端
面セラミックグリーンシート層42、44に引きずられ
て電子部品成形体47の横方向への延びが抑制され、セ
ラミックグリーンシート間の剥離やクラックを防止で
き、これにより、積層型電子部品のデラミネーションお
よびクラックの発生を抑制することができる。
切断し、グリーンチップを得る。得られた生チップを、
例えば、酸素分圧3×10-8〜3×10-3Pa、温度1
150〜1300℃で0.5〜3時間焼成し、この後、
酸素分圧1×10-2〜2×104Pa、温度800〜1
150℃で30分〜5時間熱処理を行い、コンデンサ本
体を作製する。
た部分において、その厚みの段差により、有機可塑剤塗
布部分を頂点に屈曲しているが、有機可塑剤が、焼成工
程において消失することにより、空隙が形成される。こ
の空隙によりセラミックと金属の収縮差及び熱膨張係数
の差により焼成、外部電極焼き付けにより発生する内部
応力を緩和でき、これにより表面実装時の熱衝撃や配線
基板に実装後の曲げ応力によるクラックが生じにくく、
磁器強度以上の外部応力が加えられても、空隙部に応力
が集中し、少なくとも容量発生部の内部電極まで達する
クラックは生じないため、高信頼性を確保できる。
部の複数の内部電極にそれぞれ複数の屈曲部が形成され
ており、屈曲部の少なくとも1つに空隙が形成されてい
ることが望ましい。このように屈曲部を容量非発生部に
形成することにより、異なる極性の内部電極の近接を防
止し、屈曲部に空隙を設けることにより内部応力の集中
を抑制でき、高信頼性を確保できる。
数の内部電極にそれぞれ複数の屈曲部が形成されてお
り、該複数の屈曲部が、積層方向に対して所定角度を有
する直線状に形成されており、前記屈曲部の少なくとも
1つに空隙を有することが望ましい。このように屈曲部
の形成位置が積層方向に対してずれていることにより、
容量発生部、容量非発生部に該当する電子部品本体の表
面を平坦とすることができるとともに、容量非発生部に
おける応力集中が抑制され、屈曲部に空隙を設けること
により、焼成時におけるクラックやデラミネーションの
発生を抑制できる。
を積層セラミックコンデンサに適用した例について説明
したが、本発明では上記例に限定されるものではなく、
例えば、積層型インダクタ、圧電トランス、圧電アクチ
ュエータ等に用いても良いことは勿論である。
MgCO3、MnCO3およびY2O 3粉末、ブチラール樹
脂、およびトルエンからなるセラミックスラリーを作製
し、これをドクターブレード法により塗布し、乾燥器内
で60℃で15秒間乾燥後、これを剥離して厚み9μm
のセラミックグリーンシートを10枚形成し、これらを
積層して端面セラミックグリーンシートを形成した。
層に相当するシートには、焼成工程において空隙を形成
するための有機可塑剤ペースト(ポリビニルブチラー
ル)を積層後に容量非発生部となる部分に塗布した。そ
して、端面セラミックグリーンシートを、90℃で30
分間乾燥させた。
43上に配置し、プレス機により圧着して台板43上に
貼り付けた。
セラミックスラリーをドクターブレード法により塗布
し、60℃で15秒間乾燥後、厚み2.5μmのセラミ
ックグリーンシートを多数作製した。このセラミックグ
リーンシートの軟化温度は60℃であった。
ンシートに、Ni粉末、BaTiO 3粉末、エチルセル
ロース、炭化水素系溶剤からなる内部電極ペーストを塗
布し、グリーンシート上に長辺と短辺を有する長方形状
の内部電極パターンを複数形成し、さらに内部電極パタ
ーンの容量非発生部の部分に、焼成工程において空隙を
形成するための有機可塑剤ペースト(ポリビニルブチラ
ール)を塗布し、乾燥後、剥離した。内部電極パターン
の軟化温度は80℃であった。
クグリーンシート42の上に、上記した内部電極パター
ンが形成されたグリーンシートを積層し、プレス機の加
圧板53により仮固定し、この工程を繰り返して内部電
極パターンが形成されたグリーンシートを300枚積層
し、この後、端面セラミックグリーンシート44を積層
し、電子部品成形体47を作製した。尚、有機可塑剤ペ
ーストは、所定位置のグリーンシートのみに塗布した。
に示すように、金型51上に載置し、図7に示すよう
に、セラミックグリーンシートが軟化する温度の65℃
に加熱して、段階的に加圧力で増加させて加圧板53に
より加圧した後、セラミックグリーンシート軟化温度よ
りも高く、かつ内部電極パターンが軟化する温度の90
℃に加熱して、セラミックグリーンシート軟化温度での
加圧力よりも大きい圧力で加圧した。
電子部品成形体47の上部にゴム型57を配置し、静水
圧成形した。
チップ形状にカットし、そのチップ状成形体の両端面
に、Niを含有する外部電極ペーストを塗布して、焼成
し、積層セラミックコンデンサを作製した。
ンサの横断面を光学顕微鏡により観察したところ、図3
に示すように、容量非発生部の内部電極に複数の屈曲部
が積層方向に対して所定角度を有する直線状に形成され
ており、有機可塑剤ペーストが塗布された位置には内部
電極の短辺以下の長さを有し、幅が2〜40μmの空隙
が形成され、電子部品本体の上面は略平坦であった。
ンサについて、LCRメーターにより、1KHz、1V
rmsの条件で測定し、容量およびショート不良の発生
を測定し、また、容量値が得られた製品について絶縁抵
抗を測定し、絶縁抵抗が100KΩ以下である場合に絶
縁不良とした。
ンサの横断面を光学顕微鏡により観察して、デラミネー
ションやクラックの発生を確認した。
サの側面端面を研磨し内部を観察することにより、セラ
ミック層の厚みを測定し、その平均厚みを算出するとと
もに、その厚みバラツキを測定した。
を室温から360℃の半田槽に1秒間浸漬し、熱衝撃に
よるクラックの発生を実体顕微鏡で確認した。
ラスエポキシ基板上に半田付けし、該基板の間隔が90
mmの支持台に載せ、基板の裏面より押してコンデンサ
にクラックが入るまでのたわみ変形量を求めた(日本電
子機械工業会規格RC−3402に準拠)。これらの結
果を表1に記載した。
有機可塑剤ペーストを塗布せず、また、図6(a)に示
すように、金型51上に載置し、一挙にセラミックグリ
ーンシートおよび内部電極パターンが軟化する温度の9
0℃まで加熱して、最終加圧力を上記実施例と同じよう
に段階的に加圧した以外は、上記と同様にして比較例の
積層セラミックコンデンサを作製した。この積層セラミ
ックコンデンサについても、上記と同様の特性を評価
し、表1に記載した。
厚みバラツキが0.10μm以下であり、ショート、絶
縁不良、デラミネーション、クラックの発生がなく、熱
衝撃試験においてもクラックが発生せず、たわみ量も5
mm以上と大きいことが判る。また、一挙に最終加圧状
態まで印加した試料No.5では、厚みバラツキが0.
13μmとやや大きいがショートやクラックの発生はな
く、耐熱衝撃性及びたわみに対しても強いことが判る。
温度まで上げて加圧した、空隙を形成していない比較例
の試料No.6では、屈曲部は形成されず、しかも、厚
みバラツキが0.25μmと大きく、また、ショートや
絶縁不良が発生することが判る。また、熱衝撃試験にお
いて、15/100のクラックが発生し、たわみ量も
2.0mmと本発明に対し劣ることが判る。
非発生部に空隙が形成されているため、セラミックと金
属の収縮差及び熱膨張係数の差により焼成、外部電極焼
き付けにより発生する内部応力を緩和でき、これにより
表面実装時の熱衝撃や配線基板に実装後の曲げ応力によ
るクラックが生じにくく、磁器強度以上の外部応力が加
えられても、空隙部に応力が集中し、少なくとも容量発
生部の内部電極まで達するクラックは生じないため、高
信頼性を確保できる。
(a)は縦断面図、(b)は内部電極の屈曲部およびそ
の近傍を示す斜視図、(c)は(a)のa−a線に沿っ
た横断面図である。
視図である。
す断面図である。
り、(a)は下側端面セラミックグリーンシートの上面
に、(b)は内部電極パターンの容量非発生部となる位
置に有機可塑剤ペーストを塗布した平面図である。
側面図である。
の説明図であり、(a)は加圧成形する状態を示す断面
図、(b)はゴム型により静水圧成形する状態を示す断
面図である。
グラフである。
面図、(b)は(a)のc−c線に沿った横断面図であ
る。
ための斜視図である。
Claims (5)
- 【請求項1】複数のセラミック層と複数の内部電極とを
交互に積層してなり、容量を発生させる容量発生部とそ
の両側に形成された容量非発生部を有する電子部品本体
と、該電子部品本体の容量非発生部にそれぞれ形成さ
れ、前記内部電極が前記容量非発生部を介して交互に接
続された外部電極とを具備する積層型電子部品におい
て、前記容量非発生部に空隙が形成されていることを特
徴とする積層型電子部品。 - 【請求項2】容量非発生部の内部電極に屈曲部が形成さ
れていることを特徴とする請求項1記載の積層型電子部
品。 - 【請求項3】空隙は、内部電極の屈曲部近傍に形成され
ていることを特徴とする請求項2記載の積層型電子部
品。 - 【請求項4】空隙は、内部電極の屈曲部に沿って形成さ
れており、その長さは、容量非発生部の内部電極の幅以
下とされていることを特徴とする請求項2または3記載
の積層型電子部品。 - 【請求項5】電子部品本体の上下には端面セラミック層
が形成されており、容量非発生部の最も外側に形成され
た内部電極の前記端面セラミック層側に空隙が形成され
ていることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか
に記載の積層型電子部品。
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