JP2002013331A - 引戸用鎌錠 - Google Patents

引戸用鎌錠

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JP2002013331A
JP2002013331A JP2000193929A JP2000193929A JP2002013331A JP 2002013331 A JP2002013331 A JP 2002013331A JP 2000193929 A JP2000193929 A JP 2000193929A JP 2000193929 A JP2000193929 A JP 2000193929A JP 2002013331 A JP2002013331 A JP 2002013331A
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sliding door
trigger
sickle
displacement
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Kunihiko Sakamoto
邦彦 坂本
Juo Horiuchi
寿翁 堀内
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Toyo Seat Co Ltd
Original Assignee
Toyo Seat Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引戸用鎌錠において、そのコンパクト化と低
コスト化を実現する。 【解決手段】 引戸Yの閉戸時に後退変位するトリガー
6と、トリガー6と一体的に後退変位するカム7と、ト
リガー6の後退変位を受けて揺動変位するリンクレバー
8と、カム7の後退変位を受けて回転されるセクター9
と、フック部10bを備えセクター9の回転に伴って回
転される鎌体10と、引戸Yの閉戸時の慣性力を受けて
傾動するストッパー11とを備えている。従って、引戸
Yの閉戸時のトリガー6の後退変位が、リンクレバー8
を介する鎌体10の公転と、セクター9を介する鎌体1
0の自転とに変換され鎌体10が掛止部13bに掛止さ
れ、例えばトリガーの後退変位をリンクレバーの揺動変
位を介して鎌体の回転変位に変換する構成に比して、ト
リガー6の後退変位量及びリンクレバー8のレバー比が
共に小さくなり、引戸用鎌錠Zのコンパクト化及び低コ
スト化が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、閉戸時のバウン
ド防止機能を備えた引戸用鎌錠に関するものである。
【0002】
【従来の技術】引戸は、その閉戸時にはこれを戸枠体側
に移動させて該戸枠体に当接させるように操作される
が、その場合、この引戸の移動速度が過大であると、該
引戸の前端が戸枠体に当接したとき、該戸枠体への当接
状態のまま止まらずに、当接時の反力を受けて該戸枠体
から離間する方向に移動する所謂「バウンド状態」が発
生し、引戸を確実に閉戸状態(即ち、引戸の前端が戸枠
体に当接又は近接した位置で停止した状態)とし且つこ
の状態を保持することが困難であった。
【0003】このような問題に対処する一つの手段とし
て、たとえば特開平10−280769号公報に開示さ
れる如き引戸用の鎌錠が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この従来の
引戸用の鎌錠は、引戸側に鎌体を設け、該鎌体を、上記
引戸が戸枠体に当接したときに後退移動するトリガーの
変位を利用して戸枠体側の掛止部材に掛止させるととも
に、閉戸操作時の慣性力によって揺動変位する揺動部材
によって一瞬だけ上記鎌体の掛止状態を保持させること
で、閉戸操作時における引戸のバウンド状態を防止する
ようになっている。
【0005】ところが、この従来構造のものにおいて
は、引戸の閉戸時における上記トリガーの後退変位を上
記鎌体の回動変位に変換して該鎌体を戸枠体側の掛止部
材に掛止させるに際し、上記鎌体を支軸により回動自在
に支持するとともに、該鎌体を、上記トリガーの変位を
受けて揺動するリンクレバーの揺動変位を利用して回転
させることで実現するようにしていたので、該鎌体の必
要回転量及び必要回転操作力を確保するには、上記トリ
ガーの進退変位量を大きくとるとともに、上記リンクレ
バーのレバー比も大きく採る必要がある。
【0006】この結果、上記トリガー側においては、該
トリガーの上記引戸の端面からの突出量を大きくとる必
要があることから、該トリガーが大型化し、また、上記
リンクレバー側においてはその支軸から上記鎌体に対す
る作用点までの距離を長くする必要があることから、該
リンクレバーが大型化し、これらの相乗作用として、引
戸用鎌錠そのものが大型化し、引戸あるいは戸枠体側へ
の設置自由度が阻害されるとか、コストアップになる等
の問題があった。
【0007】そこで本願発明では、引戸用鎌錠におい
て、鎌体の操作力伝達系に工夫をすることで、該引戸用
鎌錠のコンパクト化と低コスト化を実現することを目的
としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0009】即ち、戸枠体Xに押引操作可能に支持され
た引戸Yの閉戸時に該引戸Yと戸枠体Xの相対位置の変
化に対応して後退変位するトリガー6と、上記トリガー
6と一体的に後退変位するカム7と、支点ピン18に揺
動自在に支持されるとともにその係合端8bが上記トリ
ガー6に係合され該トリガー6の後退変位を受けて上記
支点ピン18回りにおいて「第1の揺動位置」から「第
2の揺動位置」まで揺動変位されるリンクレバー8と、
上記支点ピン18に回転自在に支持され且つ上記カム7
の後退変位を受けて「第1のセクター位置」から「第2
のセクター位置」まで回転されるとともに、上記支点ピ
ン18回りにギヤ部9aを備えたセクター9と、戸枠体
X側の係止部13bに掛止可能なフック部10bと上記
セクター9のギヤ部9aに噛合するギヤ部10aとを備
え且つ上記リンクレバー8の揺動端8cに支点ピン19
によって回転自在に支持され、上記セクター9の「第1
のセクター位置」から「第2のセクター位置」への回転
に伴って該セクター9のギヤ部9aと上記ギヤ部10a
の噛合回転により上記支点ピン19回りに「第1の回転
位置」から「第2の回転位置」に回転される鎌体10
と、引戸Yの閉戸時の慣性力を受けて「第1の傾動位
置」から「第2の傾動位置」側へ傾動し且つ「第2の傾
動位置」においては上記セクター9と係合して該セクタ
ー9の「第2のセクター位置」から「第1のセクター位
置」側への復帰回動を規制する一方、上記慣性力の減衰
時には「第2の傾動位置」側から「第1の傾動位置」へ
傾動し上記セクター9との係合が離脱されるストッパー
11とを備え、上記リンクレバー8が「第2の揺動位
置」に設定され且つ上記鎌体10が「第2の回転位置」
に設定された状態において該鎌体10の上記フック部1
0bが上記掛止部13bに掛止されるように構成したこ
とを特徴としている。
【0010】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることによ
り次のような作用並びに効果が得られる。
【0011】即ち、引戸Yが閉戸操作されると、その閉
戸操作に伴う該引戸Yと戸枠体Xとの相対位置の変化に
対応してトリガー6が後退変位する。このトリガー6の
後退変位は、一方では、上記リンクレバー8にその揺動
変位力として伝達され、該リンクレバー8が「第1の揺
動位置」から「第2の揺動位置」に揺動される。また、
他方では、上記カム7にその後退変位力として伝達さ
れ、該カム7の後退変位を受けて上記セクター9が「第
1のセクター位置」から「第2のセクター位置」に回転
される。
【0012】そして、先ず、上記リンクレバー8の「第
1の揺動位置」から「第2の揺動位置」への揺動変位に
伴って、該リンクレバー8の揺動端8cに取り付けられ
た上記鎌体10が該リンクレバー8を支持する支点ピン
18回りに公転する。さらに、上記カム7の後退変位に
基づく上記セクター9の「第1のセクター位置」から
「第2のセクター位置」への回転に伴い、該セクター9
のギヤ部9aと上記鎌体10のギヤ部10aとが噛合し
ていることから、該鎌体10はこれを支持する支点ピン
19回りにその「第1の回転位置」から「第2の回転位
置」に回転(自転)する。そして、上記鎌体10は、上
記支点ピン18回りの公転と上記支点ピン19回りの自
転との共働作用の結果として、上記引戸Yの端面から前
方へ延出し上記戸枠体X側の掛止部13bに掛止され
る。
【0013】また、この場合、上記引戸Yがその閉戸方
向において上記戸枠体Xに当接しそれ以上の移動が規制
されると、該引戸Yの閉戸方向の慣性力が上記ストッパ
ー11に作用し、該ストッパー11はこの慣性力を受け
て「第1の傾動位置」から「第2の傾動位置」に傾動
し、該「第2の傾動位置」に設定されることで上記セク
ター9と係合して該セクター9の「第2のセクター位
置」から「第1のセクター位置」側への復帰回動を規制
する。即ち、上記鎌体10のフック部10bの上記掛止
部13bへの掛止状態が維持され、上記引戸Yの閉戸後
のバウンドの発生が未然に防止される。
【0014】また、このような上記ストッパー11によ
る上記引戸Yのバウンドの防止状態は、該引戸Yが閉戸
され上記慣性力が減衰し上記ストッパー11が「第2の
傾動位置」から「第1の傾動位置」に復帰傾動すること
で解除され、その後における上記引戸Yの開戸が可能な
らしめられる。
【0015】このように、本願発明の引戸用鎌錠Zにお
いては、引戸Yの閉戸時における上記トリガー6の後退
変位を、上記リンクレバー8の揺動変位を介する上記鎌
体10の公転と、上記セクター9の回転変位を介する上
記鎌体10の自転とに変換し、該鎌体10の上記引戸Y
側の掛止部13bへの掛止を可能とするもの、換言すれ
ば、上記鎌体10の公転と自転との共働によって該鎌体
10の所要の回転量を確保するものであることから、例
えば従来のように、トリガーの後退変位をリンクレバー
の揺動変位を介して鎌体の回転変位に変換する構成の場
合に比して、上記トリガー6の後退変位量を小さくしで
きるとともに上記リンクレバー8のレバー比も小さくで
き、これらの相乗的効果として、引戸用鎌錠Zそのもの
のコンパクト化及び低コスト化が促進されるものであ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本願発明を好適な実施形態
に基づいて具体的に説明する。
【0017】図4には、矩形枠体で構成される戸枠体X
の下辺に位置する敷居Xa上に引戸Yを支持させた状態
を示している。この引戸Yは、矢印F方向への操作によ
り閉戸され、矢印R方向への操作により開戸されるもの
であり、該引戸Y側には後述する鎌体10等を備えた鎌
錠ケース1が、また戸枠体X側には後述する掛止金具1
3が、それぞれ配置され、これら各部材によって本願発
明にかかる引戸用鎌錠Zが構成されている。以下、この
引戸用鎌錠Zの具体的構成と作動状態をそれぞれ説明す
る。
【0018】A:引戸用鎌錠Zの具体的構成 図1には、上記引戸用鎌錠Zを構成する各部材の分解斜
視図を示しており、また図2及び図3には上記引戸用鎌
錠Zの作動状態を説明するための断面図をそれぞれ示し
ている。
【0019】先ず、上記引戸用鎌錠Zの構造を、図1〜
図3を併用して説明する。
【0020】鎌錠ケース1 上記鎌錠ケース1は、図2及び図3に示すように、上記
引戸Yの端面Yaに凹設した凹部Ybに嵌装固定される
ものであって、図1に示すように、略矩形平板状の基板
部2aの三辺にそれぞれ周壁2bを設けた第1ケース体
2と、略矩形平板状に形成され且つ上記第1ケース体2
に対してその基板2aに対向するようにして取り付けら
れる第2ケース体3と、これら第1ケース体2と第2ケ
ース体3との組付状態においてその開口部分にこれを覆
うように取り付けられるフロント板4とを備えて構成さ
れる。そして、この鎌錠ケース1のケース内室5には、
後述のトリガー6とカム7とリンクレバー8とセクター
9と鎌体10とストッパー11及びスプリング12がそ
れぞれ配置されている。
【0021】尚、上記第1ケース2の基板部2aには、
上記鎌錠ケース1の開口面に略直交する方向に延びる直
状のガイド溝16と、弧状のガイド溝21と二個のピン
孔26,28とが設けられている。また、上記第2ケー
ス3には、上記第1ケース2側の上記ガイド溝16等に
対応するようにして、直状のガイド溝17と、弧状のガ
イド溝22及び二個のピン孔27,29とが設けられて
いる。さらに、上記フロント板4には、長溝状の開口4
aと挿通穴4bとが設けられている。
【0022】トリガー6 上記トリガー6は、後述するように上記引戸Yの閉戸操
作時に上記戸枠体Xに当接することで後退変位されるも
のであって、丸棒状の作動部6aと板状の支持部6bと
を備えて構成される。そして、このトリガー6は、図2
に示すように、上記ケース内室5側からその作動部6a
を上記フロント板4の挿通穴4bに挿通させた状態で配
置されるとともに、上記支持部6bに取り付けられる前
後一対のガイドピン15,15の両端をそれぞれ上記第
1ケース2側のガイド溝16と上記第2ケース3側のガ
イド溝17に係入させることで、該各ガイド溝16,1
7の溝方向、即ち、上記フロント板4の平面方向に略直
交する方向(図2の矢印a−b方向)に進退自在とされ
ている。
【0023】尚、以下における説明の便宜上、上記トリ
ガー6の位置を、図2に示すように該トリガー6の作動
部6aが上記フロント板4の挿通穴4bから前方へ突出
しているときの位置を「前進位置」といい、図3に示す
ように上記トリガー6の作動部6aの先端が上記フロン
ト板4の挿通穴4bの近傍まで没入しているときの位置
を「後退位置」という。
【0024】カム7 上記カム7は、図1及び図2に示すように、円弧溝で構
成されるカム溝7aを備えた平板体で構成され、上記一
対のガイドピン15,15によって上記トリガー6側に
連結され、該トリガー6に対する相対姿勢を維持したま
ま該トリガー6と一体的に進退する。尚、このカム7の
カム溝7aには、後述のセクター9に設けられるガイド
ピン23が係入される。
【0025】リンクレバー8 リンクレバー8は、図1及び図2に示すように、屈曲し
た平面形態をもつ平板体で構成され、その中央部8aが
支点ピン18により支承されることで該支点ピン18回
りに揺動自在とされている。このリンクレバー8は、そ
の係合端8bを上記ガイドピン15を介して上記トリガ
ー6に係合させており、該トリガー6の進退変位を受け
て揺動される。また、このリンクレバー8の作用端8c
には、後述の鎌体10が支点ピン19により相対回動自
在に取り付けられている。上記支点ピン18は、その両
端が上記第1ケース2側のピン孔26と上記第2ケース
3側のピン孔27とによって支持されている。また、上
記支点ピン19は、その両端が上記第1ケース2側のガ
イド溝21と上記第2ケース3側のガイド溝22にそれ
ぞれ係入していることで上記リンクレバー8の揺動を許
容している。
【0026】尚、上記リンクレバー8は、図2に示すよ
うにその係合端8bが「後退位置」にある上記トリガー
6に係合している状態における揺動位置(以下、この時
の揺動位置を「第1の揺動位置」という)と、図3に示
すようにその係合端8bが「前進位置」にある上記トリ
ガー6に係合している状態における揺動位置(以下、こ
の時の揺動位置を「第2の揺動位置」という)との間で
択一的に位置設定される。
【0027】セクター9 上記セクター9は、図1及び図2に示すように、厚板で
構成され、その略中央部分を上記リンクレバー8ととも
に上記支点ピン18によって回動自在に支承されてい
る。このセクター9の一側には、上記支点ピン18を中
心とする円弧状のギヤ部9aと、上記第1ケース2側の
ピン孔28を中心とする弧状面を構成するように凹状に
延出する円弧面でなるストッパー受部9bとが設けられ
ている。さらに、このセクター9の一端側には上記カム
プレート7のカム溝7aに係入するガイドピン23が突
設される一方、他端側には後述するスプリング12の一
端12aが支持される支持ピン24が突設されている。
【0028】尚、このセクター9は、図2に示すように
上記ガイドピン23が上記カム7のカム面7aの後端部
7a1に対応した回転位置(以下、このときのセクター
9の位置を「第1のセクター位置」という)と、図3に
示すように上記ガイドピン23が上記カム7のカム面7
aの前端部7a2に対応した回転位置(以下、このとき
のセクター9の位置を「第2のセクター位置」という)
とに択一的に位置設定される。
【0029】鎌体10 上記鎌体10は、図1及び図2に示すように、フック状
の平面形態をもつ厚板で構成されるものであって、その
一端側が上記リンクレバー8とともに上記支点ピン19
により支承されることで、該支点ピン19を中心として
回動自在とされる。この鎌体10の一端側には、上記支
点ピン19を中心とする弧状に延び且つ上記セクター9
のギヤ部9aに噛合するギヤ部10aが設けられてい
る。また、鎌体10の他端側は、後述する掛止金具13
の係止部13bに掛止可能なフック部10bとされてい
る。さらに、この鎌体10の上記ギヤ部10a寄り位置
には、後述のスプリング12の他端12bが支持される
支持ピン25が突設されている。
【0030】尚、この鎌体10は、図2に示すように上
記フック部10bを含めた鎌体10の全体が上記フロン
ト板4よりも後方に位置する姿勢(以下、この時の鎌体
10の回転位置を「第1の回転位置」という)と、図3
に示すように上記フック部10bが上記フロント板4の
開口4aから前方へ大きく振り出されて該フック部10
bが上記掛止金具13の掛止部13bに掛止可能な姿勢
(以下、この時の鎌体10の回転位置を「第2の回転位
置」という)とを選択的にとり得るようになっている。
【0031】ストッパー11 上記ストッパー11は、湾曲状のレバー体で構成される
ものであって、上記第1ケース2側のピン孔28と上記
第2ケース3側のピン孔29とに跨がって装着された支
点ピン20によって傾動自在に支承されている。そし
て、このストッパー11の先端は係合部11aとされ、
該ストッパー11の傾動によって上記セクタープレート
9のストッパー受部9bに係脱自在に係合可能とされて
いる。
【0032】尚、上記ストッパー11は、後述のように
上記引戸Yの閉戸時における慣性力を受けて傾動変位す
るものであって、慣性力が作用していない状態では図2
に示すようにその自重によるモーメントを受けて後方へ
傾倒し上記係合部11aが上記鎌錠ケース1に当接した
状態で位置保持される(以下、このときのストッパー1
1の傾動位置を「第1の傾動位置」という)一方、上記
慣性力が作用した時には図3に鎖線図示するように前方
に傾倒されその係合部11aを上記セクター9のストッ
パー受部9bに係入させる(以下、このときのストッパ
ー11の傾動位置を「第2の傾動位置」という)ように
なっている。また、上記ストッパー11は、上記慣性力
が減衰消滅したときには、図3に鎖線図示する「第2の
傾動位置」から実線図示する「第1の傾動位置」へその
自重モーメントによって復帰傾動するものであり、その
ため、該ストッパー11はこれが「第2の傾動位置」に
設定された状態においてても、その自重位置が上記支点
ピン20よりも後方側に位置するようにその取付け姿勢
が設定されている。
【0033】スプリング12 上記スプリング12は、図1及び図2に示すように、弧
状の自由形態をもつ曲がりバネで構成されるものであっ
て、その一端12aは上記セクター9に設けた上記支持
ピン24に掛止され、その他端12bは上記鎌体10に
設けた上記支持ピン25に掛止されている。そして、こ
のスプリング12は、その両端12a,12bを結ぶ直
線を作用線Lとし、この作用線Lに沿って内向き(即
ち、両端12a,12bを接近させる方向)にバネ力が
作用するようになっている。
【0034】尚、後述するように、上記スプリング12
は、図2に示すように、上記作用線Lが上記支点ピン1
8及び支点ピン19よりも引戸後方側に位置している状
態では上記フック部10bを矢印c方向へ、また上記鎌
体10を矢印e方向へそれぞれ回動付勢するように作用
すると共に、上記リンクレバー8を上記支点ピン18を
中心として矢印d方向へ回動付勢するように作用する。
従って、このリンクレバー8を介して上記トリガー6は
上記スプリング12のバネ力によって矢印a方向に押圧
付勢されることになる。
【0035】一方、図3に示すように、上記作用線Lが
上記支点ピン18及び支点ピン19よりも引戸前方側に
位置している状態では、上記フック部10bを矢印d方
向へ、上記鎌体10を矢印f方向へそれぞれ回動付勢す
ると共に、上記リンクレバー8を矢印c方向にへ回動付
勢するように作用する。従って、このリンクレバー8を
介して上記トリガー6は上記スプリング12のバネ力に
よって矢印b方向に押圧付勢されることになる。
【0036】上記各部材の組付状態及び相対関係 ここで、上記各部材の上記鎌錠ケース1内における組付
状態及び相対関係を図2及び図3を参照して説明する。
【0037】上記トリガー6は、上述のように、その先
端側の作動部6aを上記フロント板4の挿通穴4bから
外方へ(即ち、上記引戸Yの閉戸方向前方へ)臨ませた
状態で取り付けられ、図2に示す「前進位置」と図3に
示す「後退位置」とに択一的に位置設定されるととも
に、これら「前進位置」と「後退位置」での位置保持は
上記スプリング12のバネ力によって行われている。
【0038】ここで、上記「前進位置」は上記引戸Yが
開戸状態にある時の位置であり、上記「後退位置」は上
記引戸Yが閉戸状態にあるときの位置である。そして、
上記トリガー6の「前進位置」から「後退位置」への後
退変位は、上記引戸Yが閉戸操作され、該引戸Yの端面
Yaが上記戸枠体Xの端面Xbに所定以上(即ち、上記
トリガー6の作動部6aの突出量以上)接近したとき、
該トリガー6の作動部6aの先端が上記戸枠体X側の上
記掛止金具13に当接することで実現される。このトリ
ガー6の後退変位を上記各部材を介して上記鎌体10に
伝達することで該鎌体10が上記掛止金具13の掛止部
13bに掛止されるものである。
【0039】上記トリガー6が、図2に示すように「前
進位置」に設定されている状態では、該トリガー6に取
り付けられた上記カム7のカム面7aの後端部7a1
上記セクター9のガイドピン23が係合し、該セクター
9は「第1のセクター位置」に位置決めされている。一
方、図3に示すように、上記トリガー6が「後退位置」
に設定されているときには、上記カム7のカム面7aの
前端部7a2に上記セクター9のガイドピン23が係合
し、該セクター9は「第2のセクター位置」に位置決め
される。
【0040】また、上記セクター9のギヤ部9aには、
上記鎌体10のギヤ部10aが噛合し、該セクター9の
位置と両ギヤ部9a,10aの相対的な噛合とによって
上記鎌体10の回動位置が設定されるが、この実施形態
のものにおいては、図2に示すように、上記セクター9
が「第1のセクター位置」に設定されているときには上
記鎌体10が「第1の回転位置」に設定され、また図3
に示すように、上記セクター9が「第2のセクター位
置」に設定されているときには上記鎌体10が「第2の
回転位置」に設定されるように、これら両者の相対関係
を設定している。
【0041】B:引戸用鎌錠Zの作動説明 続いて、上述の如く構成された引戸用鎌錠Zの実際の作
動状態を説明する。
【0042】先ず、上記引戸Yが開戸状態にあるときに
は、上記鎌錠ケース1側の各部材は図2に示す状態にあ
る。即ち、上記トリガー6は「前進位置」に、上記リン
クレバー8は「第1の揺動位置」に、上記セクター9は
「第1のセクター位置」に、上記鎌体10は「第1の回
転位置」に、さらに上記ストッパー11は「第1の傾動
位置」に、それぞれ位置設定されている。
【0043】この状態から上記引戸Yが閉戸操作され、
該引戸Yの端面Yaが上記戸枠体Xの端面Xbに所定以
上接近すると、上記トリガー6の作動部6aの先端が該
引戸Y側の掛止金具13に当接し、さらに該引戸Yが前
進することで該トリガー6は上記掛止金具13側からの
反力を受けて矢印b方向に後退変位することになる。
【0044】このトリガー6の後退変位は、一方では、
上記リンクレバー8にその揺動変位力として伝達され、
該リンクレバー8を矢印c方向に揺動させてこれを「第
1の揺動位置」から「第2の揺動位置」に位置決めす
る。また、他方では、上記トリガー6の後退変位は上記
カム7にその後退変位力として伝達され、該カム7がこ
れと一体的に後退変位することで、該カム7と係合する
上記セクター9を矢印d方向に回転させてこれを「第1
のセクター位置」から「第2のセクター位置」に位置決
めする。
【0045】そして、先ず、上記リンクレバー8の「第
1の揺動位置」から「第2の揺動位置」への揺動変位に
伴って、該リンクレバー8の揺動端8cに支点ピン19
により取り付けられた上記鎌体10は、該リンクレバー
8を支持する支点ピン18回りにおいて矢印c方向に公
転する。また一方、上記カム7の後退変位に基づく上記
セクター9の「第1のセクター位置」から「第2のセク
ター位置」への回転に伴い、該セクター9のギヤ部9a
に上記鎌体10のギヤ部10aが噛合していることか
ら、該鎌体10はこれを支持する支点ピン19回りにお
いて矢印f方向に回転し、「第1の回転位置」から「第
2の回転位置」に位置決めされる。
【0046】このように、上記鎌体10が、上記支点ピ
ン18回りに公転されると同時に、上記支点ピン19回
りに自転することで、この公転と自転との共働作用の結
果として、図3に示すように、該鎌体10が上記引戸Y
の端面Yaから前方へ延出し、上記引戸Yの端面Yaに
近接あるいは当接している上記戸枠体X側の掛止部13
bに掛止される。尚、この場合、上記鎌体10の移動に
伴って上記スプリング12も移動し、その作用線Lが、
図2に示すように上記支点ピン18及び支点ピン19よ
りも後方側に位置する状態から、図3に示すように上記
支点ピン18及び支点ピン19よりも前方側に位置する
状態に変化することで、上記鎌体10はこのスプリング
12の付勢力を受けて迅速に掛止状態まで回動し、且つ
掛止後もその姿勢が保持される。
【0047】一方、上記鎌体10の掛止作動と同時に上
記ストッパー11が作動し、引戸Yの閉戸後のバウンド
が防止される。即ち、上記引戸Yの端面Yaがその閉戸
方向において上記戸枠体Xの端面Xbに当接しそれ以上
の移動が規制されると、該引戸Yの閉戸方向の慣性力が
上記ストッパー11にその傾動操作力として作用し、該
ストッパー11はこの慣性力を受けて図2に示す「第1
の傾動位置」から図3に示す「第2の傾動位置」に傾動
変位する。そして、このストッパー11が「第2の傾動
位置」に設定されることで、その係合部11aが上記セ
クター9と係合し、該セクター9の「第2のセクター位
置」から「第1のセクター位置」側への復帰回動を規制
する。即ち、上記鎌体10のフック部10bの上記掛止
部13bへの掛止状態が維持され、上記引戸Yの閉戸後
のバウンドの発生が未然に防止されることになる。
【0048】そして、上記ストッパー11による上記引
戸Yのバウンドの防止作用は、該引戸Yの閉戸が完了し
上記慣性力が減衰すると、上記ストッパー11がその自
重によるモーメントで「第2の傾動位置」から「第1の
傾動位置」に復帰傾動することで解除される。即ち、上
記慣性力によって上記ストッパー11が「第2の傾動位
置」側に位置設定されている期間だけ上記引戸Yのバウ
ンド防止作用が継続されるものであり、該期間の経過後
は上記引戸Yの閉戸状態からの開戸操作が可能とされ
る。
【0049】尚、上述のように、上記ストッパー11に
よる上記セクター9の回動規制作用、即ち、引戸Yの閉
戸後のバウンド防止作用は、該ストッパー11の係合部
11aが上記セクター9のストッパー受部9bに係合し
ている期間だけ行われるものであるが、この場合、これ
ら相互が係合する期間は上記ストッパー11の係合部1
1aがセクター9のストッパー受部9bの一端に係合す
る傾動位置から該ストッパー受部9bの他端に係合する
傾動位置との間における該ストッパー11の傾動角度の
大小によって規定されるものであり、従って、このスト
ッパー11の傾動角度を適宜設定することで上記引戸Y
の閉戸後のバウンド防止作用の継続期間を任意に設定可
能である。
【0050】また、上述のように、上記ストッパー11
は上記引戸Yの閉戸時における慣性力を受けて傾動され
るものであり、且つ「第1の傾動位置」からの傾動量は
慣性力の大きさ、即ち、上記引戸Yの閉戸速度によって
変化する。さらに、この慣性力に対抗する上記ストッパ
ー11側の矢印h方向への自重モーメントは、該ストッ
パー11の自重及びその水平方向における重心位置によ
って変化するものである。従って、上記ストッパー11
による上記引戸Yのバウンド防止作用が可能な上記スト
ッパー11の閉戸速度範囲は、上記上記ストッパー11
の係合部11aとセクター9のストッパー受部9bとの
係合範囲(即ち、上記ストッパー11の傾動角度)と
か、上記ストッパー11の自重あるいはその重心位置等
の各要素を適宜選択して組み合わせることで、任意に設
定できるものである。
【0051】このように、本願発明の引戸用鎌錠Zにお
いては、引戸Yの閉戸時における上記トリガー6の後退
変位を、上記リンクレバー8の揺動変位を介する上記鎌
体10の公転と、上記セクター9の回転変位を介する上
記鎌体10の自転とに変換し、該鎌体10の上記引戸Y
側の掛止部13bへの掛止を可能とするもの、換言すれ
ば、上記鎌体10の公転と自転との共働によって該鎌体
10の所要の回転量を確保するものであることから、例
えば従来のように、トリガーの後退変位をリンクレバー
の揺動変位を介して鎌体の回転変位に変換する構成の場
合に比して、上記トリガー6の後退変位量を小さくしで
きるとともに上記リンクレバー8のレバー比も小さくで
き、これらの相乗的効果として、引戸用鎌錠Zそのもの
のコンパクト化及び低コスト化が促進されるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかる引戸用鎌錠の分解斜視図であ
る。
【図2】本願発明にかかる引戸用鎌錠の開戸状態におけ
る作動説明図である。
【図3】本願発明にかかる引戸用鎌錠の閉戸状態におけ
る作動説明図である。
【図4】本願発明に開引戸用鎌錠を備えた引戸の斜視図
である。
【符号の説明】
1は鎌錠ケース、2は第1ケース、3は第2ケース、4
はフロント板、5はケース内室、6はトリガー、7はカ
ム、8はリンクレバー、9はセクター、10は鎌体、1
1はストッパー、12はスプリング、13は掛止金具、
15はガイドピン、16及び17はガイド溝、18〜2
0は支点ピン、21及び22はガイド溝、23はガイド
ピン、24及び25は支持ピン、26〜29はピン孔、
Lは作用線、Xは戸枠体、Yは引戸、Zは引戸用鎌錠で
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 戸枠体(X)に押引操作可能に支持され
    た引戸(Y)の閉戸時に該引戸(Y)と戸枠体(X)の
    相対位置の変化に対応して後退変位するトリガー(6)
    と、 上記トリガー(6)と一体的に後退変位するカム(7)
    と、 支点ピン(18)に揺動自在に支持されるとともにその
    係合端(8b)が上記トリガー(6)に係合され該トリ
    ガー(6)の後退変位を受けて上記支点ピン(18)回
    りにおいて「第1の揺動位置」から「第2の揺動位置」
    まで揺動変位されるリンクレバー(8)と、 上記支点ピン(18)に回転自在に支持され且つ上記カ
    ム(7)の後退変位を受けて「第1のセクター位置」か
    ら「第2のセクター位置」まで回転されるとともに、上
    記支点ピン(18)回りにギヤ部(9a)を備えたセク
    ター(9)と、戸枠体(X)側の係止部(13b)に掛
    止可能なフック部(10b)と上記セクター(9)のギ
    ヤ部(9a)に噛合するギヤ部(10a)とを備え且つ
    上記リンクレバー(8)の揺動端(8c)に支点ピン
    (19)によって回転自在に支持され、上記セクター
    (9)の「第1のセクター位置」から「第2のセクター
    位置」への回転に伴って該セクター(9)のギヤ部(9
    a)と上記ギヤ部(10a)の噛合回転により上記支点
    ピン(19)回りに「第1の回転位置」から「第2の回
    転位置」に回転される鎌体(10)と、 引戸(Y)の閉戸時の慣性力を受けて「第1の傾動位
    置」から「第2の傾動位置」側へ傾動し且つ「第2の傾
    動位置」においては上記セクター(9)と係合して該セ
    クター(9)の「第2のセクター位置」から「第1のセ
    クター位置」側への復帰回動を規制する一方、上記慣性
    力の減衰時には「第2の傾動位置」側から「第1の傾動
    位置」へ傾動し上記セクター(9)との係合が離脱され
    るストッパー(11)とを備え、 上記リンクレバー(8)が「第2の揺動位置」に設定さ
    れ且つ上記鎌体(10)が「第2の回転位置」に設定さ
    れた状態において該鎌体(10)の上記フック部(10
    b)が上記掛止部(13b)に掛止されるように構成さ
    れたことを特徴とする引戸用鎌錠。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013256808A (ja) * 2012-06-13 2013-12-26 Kei Products Co Ltd 引き戸用手摺、引き戸装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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