JPH0711657Y2 - メモリー装置付きアームレスト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はアームレストのセット位置を自由に可変できる
メモリー機構を備えた自動車座席のメモリー装置付きア
ームレストに関する。

［従来の技術］ 従来回転ヒンジ形式のアームレストは、ロック機構によ
りロックを解除した後アームレストを前倒して回動させ
るときには、その都度レバーを調節しアームレストを好
みの位置にセットするものが存在していた。

［考案が解決しようとする問題点］ 従来知られた前記アームレストは、アームレストを起立
させた後再び前倒させると、アームレストは同じ状態に
セットできない。従って好みの状態にするには、前記し
たレバーを調節しなければならない。そのため非常に面
倒で煩わしい欠点があった。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は斯様な実情に鑑み、この問題に対処するために
創案したもので、即ちロック機構とメモリー機構を備
え、このメモリー機構によって常に一定の好みの位置に
セットでき、しかも従来の面倒を省くことを目的に提供
するものである。

［作用］ セクターギヤ４の歯部4aと噛み合うロックギヤ９のロッ
ク機構をノブ16の操作で解除すると、スプリング６を付
勢させたブラケット１が軸３を中心に回転し、ブラケッ
ト１からなるアームレストが起立する。このアームレス
トの起立でアームメモリー５は軸３を支点にスプリング
７により回転し、アームメモリー５のスライド部5aがロ
ックプレート10のスライド部10aと対向する位置に移動
する。この状態でノブ16を操作するとロックプレート10
のスライド部10aがアームメモリー５のスライド部5aに
バネ12の作用で圧接する。この状態ではロックギヤ９の
係合歯9aはセクターギヤ４の歯部4aと接触しないように
スライド部10aにより構成されていて、係合歯9aがセク
ターギヤ４の歯部4aへの係合、即ち、ロック作動を阻止
している。

次にブラケット１は前方に軸３を支点に回転するが、ア
ームメモリー５はそのスライド部5aとロックプレート10
のスライド部10の間に作用する圧接する摩擦力でアーム
メモリー５はロックプレート10と共にそのまま移動す
る。その時ロックギヤ９の係合歯9aはセクターギヤ４の
歯部4aへの噛合を依然として阻止している。

更に回転するとメモリー板17の係合片17bにアームメモ
リー５からの係合片5bが当った時（メモリー位置）から
アームメモリー５はメモリー板17からの係合片17bで阻
止されロックプレート10のスライド部10aをすべり、そ
してアームメモリー５のスライド部5aがロックプレート
10のスライド部10aから外れると、ロックギヤ９の係合
歯9aはセクターギヤ４の歯部4aに噛合し、ブラケット１
はメモリー位置にセットされる。またブラケット（アー
ムレスト）をセット位置にセットした後にノブ16を操作
し、ブラケット１を調整してもスプリング７によってア
ームメモリー５は初期のの位置に戻ってロックギヤ９は
自由にセクターギヤ４に噛合し任意に傾斜角度を調整で
きる。

またメモリー位置を変更する場合においては、ノブ16を
作用してロック機構を解除し、ブラケット１をセットし
たい位置まで前倒し、このブラケット１の前倒に伴いブ
ラケット側のプレート27はストッパー27aで固定板26aを
押し、メモリー板17の爪17cで係止された固定板26との
間にズレが生じる。この時固定状態にあるメモリー板17
を作動杆24の動作でメモリー板17の歯部17aと噛合うロ
ックメモリー19の係合を解除すると、固定板26に作用し
たコイルスプリング25の作用で固定板26はストッパー27
aにより押上げられた固定板26aの位置まで爪17cを伴っ
て移動し、爪17cを固定する。この爪17cの固定位置で作
動杆24を解放するとロックメモリー19に作用したスプリ
ング20でロックメモリー19の歯部19aは固定位置にある
メモリー板17の歯部17aと噛合いメモリー板17のメモリ
ー位置を変更することができる。

［実施例］ 次に本考案に係るメモリー装置付きアームレストの実施
例を図面に基いて説明する。

第１図乃至第 図において、１はブラケットで、このブ
ラケット１は、一端をシートバックフレーム２側に取付
けた軸３によって回転可能に軸支され、更に、ブラケッ
ト１と後記セクターギヤ４との間にアームメモリー５と
スプリング６を介装配設させ、一方のスプリング６によ
って軸３を中心にしてブラケット１を時計方向に付勢し
ている。

アームメモリー５はスライド部5aとセクターギヤ４側に
係合片5bを設ける。またブラケット１との間にスプリン
グ７を設けてブラケット１と回転を共にするようにして
ある。前記セクターギヤ４は外周に係合する歯部4aと滑
面部4bを備えて前記軸３に適宜手段で固定してある。セ
クターギヤ４には、ブラケット１に固定された軸８に回
転可能に配設したロックギヤ９を対応させ、このロック
ギヤ９は、前記セクターギヤ４に設けた歯部4aと噛合す
る係合歯9aを有し、しかもロックギヤ９は、前記アーム
メモリー５のスライド部5aと当接するスライド部10aを
設けたロックプレート10を一体的に設けてある。

更にロックギヤ９は、先端側に、ブラケット１からのピ
ン11を嵌めてロックギヤ９の揺動範囲を規制する長孔9b
を設けると共に、係合歯9aを噛合せ方向に付勢させたバ
ネ12を設けてある。

ロックギヤ９の係合歯9aの反対端部には、中間部を軸13
によって軸支された揺動片14の一端と連結杆15により連
結し、揺動片14の軸13を中心とした揺動で係合歯9aの噛
合の解除を行なうようになっている。

揺動片14の他端は、ブラケット１の下面側に設け案内プ
レート16aに沿って昇降動作するノブ16に連繋させてあ
る。

軸３には歯部17aと、前記アームメモリー５に設けた係
合片5bに係合する係合片17b及び詰め17cを設けたメモリ
ー板17を回転可能に配設し、このメモリー板17の歯部17
aは、前記セクターギヤ４に固定した軸18に枢支して配
設したロックメモリー19の歯部19aを対設し、ロックメ
モリー19とセクターギヤ４の間に張設したスプリング20
により噛合せるようにしてある。

ロックメモリー19の他端側にはピン19bを設け、このピ
ン19bは、ブラケット１からの軸21により軸支されたベ
ルクランク22の一端に連結した連結片23の他端側に設け
た折曲部23aを掛止し、またベルクランク22の他端に
は、ブラケット１の下面から突出させた作動杆24を連結
してある。従って作動杆24を押上げることで連結片23の
折曲23aはロックメモリー19のピン19bを介してロックメ
モリー19の歯部19aとメモリー板17の歯部17aの噛合せを
解除する。

軸３には、更にコイルスプリング25を間にして一対の固
定板26,26aを嵌め、この固定板26,26aは時計方向と反時
計方向に前記コイルスプリング25を付勢する。更にこの
固定板26,26aから突出させた突出部の間に前記メモリー
板17からの爪17cを臨ませ、しかも一方の固定板26aはブ
ラケット側に設けたプレート27のストッパー27aによっ
て作用されるようになっている。

次に第５図はセット位置メモリーアームレストを示す他
の実施例で、第１実施例とロック機構及びアームメモリ
ーを配設した事は同じであり、異る点は位置可変のメモ
リー板及びメモリー板を設置位置で固定するロックメモ
リーを省き、セット位置を決めるためにセクターギヤ４
にピン28を設けたものでセット位置は変更できないもの
である。

［効果］ 本考案は上述のようにシートバックフレーム側に軸によ
って回動可能に軸支されたブラケットと、軸に固定して
配設したセクターギヤとセクターギヤに軸支し、かつ軸
に配設して位置変更可能なメモリー板の歯部と噛合うロ
ックメモリーを有し、更に前記メモリー板に設けた係合
片に当るまで回動するスライド部を備えたアームメモリ
ーを設け、またセクターギヤには、ブラケットからの軸
に軸支されたロックギヤを対向位置させ、このロックギ
ヤの側部にはロックギヤの歯部よりも突出させた前記ア
ームメモリーに当接するスライド部を設けたロックプレ
ートを一体的に設け、前記アームメモリーとの接合時に
はセクターギヤの歯部とロックギヤの歯部は噛合わない
ようにした事を特徴としたメモリー装置付きアームレス
トであって、アームレストはメモリー機構を設けること
で、起立させた後再び前倒すると、アームメモリーのス
ライド部と、ロックプレートのスライド部が圧接され、
この状態ではロックギヤの係合歯はセクターギヤから離
れて移動し、アームメモリーがロックプレートから外れ
るとロックギヤの係合歯がセクターギヤの歯部と噛合い
ロックされる。従ってメモリー機構により設定された位
置にセットされるのでアームレストは常に好みの状態に
セットできる。即ちメモリー構造により、前倒するだけ
で正確な設定位置にセットでき煩さがない。またメモリ
位置への確実な復帰と、復帰後、任意の位置に再調整可
能で、更にメモリ位置のセットが容易である等の効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るメモリー装置付きアームレストの実
施例を図面に基いて説明する。 第１図は縦断側面図、第２図は一部の拡大横断平面図、
第３図は作動説明図、第４図は部品分解斜視図、第５図
は別の実施例の一部を拡大した縦断側面図、第６図はア
ームレストを用いた自動車座席の斜視図である。 １……ブラケット、２……シートバックフレーム、3,8
……軸、４……セクターギヤ、4a……歯部、4b……滑綿
部、５……アームメモリー、5a……スライド部、5b……
係合片、6,7……スプリング、９……ロックギヤ、9a…
…係合歯、9b……長孔、10a……スライド部、10……ロ
ックプレート、11……ピン、12……バネ、13……軸、14
……揺動片、15……連結杆、16……ノブ、16a……案内
プレート、17……メモリー板、17a……歯部、17b……係
合片、17c……爪、18……軸、19……ロックメモリー、1
9a……歯部、19b……ピン、20……スプリング、21……
軸、22……ベルクランク、23……連結片、23a……折曲
部、24……作動杆、25……コイルスプリング、26,26a…
…固定板、27……プレート、27a……ストッパー、28…
…ピン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シートバックフレーム側に軸によって回動
   可能に軸支されたブラケットと、軸に固定して配設した
   セクターギヤとセクターギヤに軸支し、かつ軸に配設し
   て位置変更可能なメモリー板の歯部と噛合うロックメモ
   リーを有し、更に前記メモリー板に設けた係合片に当る
   まで回動するスライド部を備えたアームメモリーを設
   け、またセクターギヤには、ブラケットからの軸に軸支
   されたロックギヤを対向位置させ、このロックギヤの側
   部にはロックギヤの歯部よりも突出させ、前記アームメ
   モリーに当接するスライド部を設けたロックプレートを
   一体的に設け、前記アームメモリーとの当接時にはセク
   ターギヤの歯部とロックギヤの歯部は噛合わないように
   した事を特徴とし、リクライニングに伴ないアームレス
   ト位置が変化する自動車座席に好適なメモリー装置付き
   アームレスト。