JPS6124105Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輌等のリクライニング式座席、に於
けるリクライニングデバイスの改良に関するもの
である。

従来自動車等に塔載するリクライニング式座席
に設けられるリクライニングデバイスは車輌の走
行に際して充分な安全が得られる如く構成されな
ければならないため、複雑な機構を有し重く成る
ものが多いが、それでもなおヒンジ部のガタつき
が完全に解消されない等の問題を有していた。

本考案は上記問題に鑑み、機構が簡単であり緊
牢且つ軽量に成るリクライニングデバイスを提供
することを目的とするもので、確実に位置決め固
定し、ガタつきの無い構造に成るリクライニング
デバイスを提供せんとするものである。

以下、本考案リクライニングデバイスの一実施
例を図面に従つて説明する。本考案のリクライニ
ングデバイスは基板１に対してヒンジピン２を介
し、傾倒自在に枢着して成るアーム３によつて該
リクライニングデバイスが取付けられる車輌等の
座席のヒンジ部を構成するもので、基板１及びア
ーム３に穿設された例えば取付孔１ａ，３ａを利
用して座席の座部フレーム及び背部フレームに固
着するように成るものでヒンジピン２はアーム３
に対し固着立設せしめられる。該アーム３の内端
作用部３ｂは基板１と該基板１に対して内側に並
設固着される押え板４の間に延びると共に、ヒン
ジピン２を中心とし、後述する係止部材６の一端
に構成した係止歯車７と噛合する扇状歯車５を形
成して成る。上記係止部材６は基板１に固設した
２個のガイドプレート８，８に依つて挾持される
と共に、ヒンジピン２方向に摺動自在に成り、係
止歯車７が扇状歯車５に対して係合又は釈放す
る。当該係止部材６はピン９に依つて基板１に対
し傾倒自在に成るレバー１０の作用部１０ａに立
設したレリーズピン１１を解除孔１２に挿通し、
該レリーズピン１１の押圧によつて釈放する方向
に摺動すると共に、下端部に構成したロツク縁１
３に対して転動歯車１４と一体に成るカム１５が
離接し、その接合に依つて係合する方向に摺動し
て成る。該転動歯車１４はレバー１０の作用端１
０ａに軸設した転動軸１８の内端に固設して成
り、該転動軸１８は、基板１と押え板４に穿設し
たピン９を中心とする円孤状の長孔１６，１７か
ら摺動回動自在に突出して枢支せしめられるもの
で、転動歯車１４は該押え板４に固設し、且つ上
記ピン９を中心とする円孤状の扇歯車１９と噛合
して成り、該転動軸１８に対し偏心したカム１５
と一体に回動する。また２０は上記レバー１０の
作用部１０ａ内端に突設した戻り止め端であり、
アーム３が前倒状態（矢印Ｃ）に位置する時該作
用部３ｂの一側に突出形成した押え突起２１がレ
バー１０を作動状態位置（矢印Ａ）に保持するよ
うになるもので該レバー１０はリターンバネ２２
に依つて常時戻り方向Ｂへ弾性付勢せしめられ
る。

尚２３は押え板４とヒンジピン２間に介挿した
渦巻バネであり、該ヒンジピン２と一体になるア
ーム３を前倒方向（矢印Ｃ）に弾性付勢して成
る。

上記構成に成る本考案リクライニングデバイス
は係止歯１に対し、アーム３が調整された角度位
置に於いて、リターンスプリング２２の弾性に依
りピン９を介して回動せしめられ、矢印Ｂの位置
に戻るからアーム３の作用部３ｂに軸設された転
動歯車１４は扇歯車１９との噛合により、回転す
る。したがつて該転動歯車１４と一体的に成るカ
ム１５は係止部材６のロツク縁１３に転入し、ガ
イドプレート８，８に沿つて該、係止部材６が係
合方向（矢印Ｆ）に摺動せしめられ、係止歯車７
が扇状歯車５の一部に噛合して成るものである。
このとき、カム１５の作用により、係止歯車７と
扇状歯車５は噛合方向に圧接され、両部材間に隙
間が生ずることがなく、また係止部材６はガイド
プレート８，８により確実に支承されているか
ら、アーム３は傾倒方向にガタつくことがなく、
係止歯１に対して調整した角度を保つものであ
る。

次にレバー１０を引き上げ（矢印Ａ）ると、作
用部１０ａはピン９を中心に回動し、レリーズピ
ン１１が解除孔１２を下り始め（第５図参照）、
これと同時にカム１５はロツク縁１３に沿つて転
動後退する。次にレリーズピン１１が解除孔１２
の作用縁１２ａに当接すると同時にカム１５はロ
ツク縁１３から外れ、係止部材６は摺動自在に成
り、更にレバー１０が引き上げられると、レリー
ズピン１１が上記作用縁１２ａを押し下げ（第６
図参照）、係止部材６が後退（矢印Ｅ）し、これ
によつて扇状歯車５から係止歯車７が外れてアー
ム３は自在傾倒状態に成る。このとき該アーム３
は渦巻バネ２３に依り前倒方向（矢印Ｃ）に弾性
付勢されている為、後方（矢印Ｄ）に支承する力
が加えられない場合は前倒するもので、背部シー
ト（図示せず）を所望角度に保持したまゝ、レバ
ー１０を離すと、前述したようにリターンバネ２
２によつて押戻され（矢印Ｂ）、カム１５の作用
に依つて係止部材６の係止歯車７は再び扇状歯車
５の一部に噛合せしめられる。

更に、レバー１０を引上げたまゝ（矢印Ａ）ア
ーム３を完全に前倒（矢印Ｃ）すると、アーム３
の作用部３ｂに設けた押え突起２１が戻り止め端
２０に位置するように成り、押え突起２１に戻り
を阻止せしめられるため、レバー１０から手を放
しても係止歯車７と扇状歯車は釈放したまゝであ
る。この状態は使用時の背部シートの最前倒角度
より前倒した時生ずる様に構成され、例えば２ド
ア型自動車後部座者の乗降に際する、前部座席の
前倒に使われる機能であり、この状態から背部シ
ートを引き起し、アーム３を後倒（矢印Ｄ）する
と戻り止め端２０は押え突起２１を滑り、外れた
位置（背部シート使用最前倒角度）で元位置（矢
印Ｂ）に戻るため、アーム３はその角度位置で係
止せしめられる。

以上説明したように本考案のリクライニングデ
バイスはアーム３の作用部端に構成した扇状歯車
５に噛合する係止歯車７が、カム１５の作用によ
り係止時に両者の噛合に隙間が生じないように成
ると共に該係止歯車７がガイドプレート８，８に
より確実に支承されている為、係止時に於いてガ
タつくことがなく確実に固定せしめられるもので
ある。また本考案リクライニングデバイスは構造
が簡単であるため、緊牢かつ軽量に構成すること
ができるものであり、車輌用座席の外各種座席用
としても利用できる等、本考案実施後の実用的効
果は極めて大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案リクライニングデバイスの一実施
例を示すもので、第１図は一部切欠した背面図、
第２図は第１図における−線断面図、第３図
は分解斜視図、第４図ないし第６図はそれぞれ作
動状態を説明する背面略図、第７図は係止部材の
作動説明図である。 １……基板、２……ヒンジピン、３……アー
ム、４……押え板、５……扇状歯車、６……係止
部材、７……係止歯車、８……ガイドプレート、
９……ピン、１０……レバー、１１……レリーズ
ピン、１２……解除孔、１３……ロツク縁、１４
……転動歯車、１５……カム、１６，１７……長
孔、１８……転動軸、１９……扇歯車、２０……
戻り止め端、２１……押え突起、２２……リター
ンバネ、２３……渦巻バネ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 基板に対し傾倒自在に枢設し、作用部内端に扇
   状歯車を形成したアームと、 上記基板に対し扇状歯車に向つて進退自在に支
   承せしめられ、上記扇状歯車と対向する端部に該
   扇状歯車と噛合する係止歯を構成し、且つ他端に
   ロツク縁を形成するとともに中間部に解除孔を穿
   設してなる係止部材と、 上記解除孔と係止部材の進退方向に僅かに遊び
   を持つて係合するレリーズピンを作用部に立設
   し、上記基板に対して揺動自在に枢着するととも
   に、該作用部に対して基板に固設した扇歯車と噛
   合してなる転動歯車を軸着した転動軸を回動自在
   に枢設してなるレバーと、 上記転動軸に形成され、上記レバーの揺動に依
   り前記係止部材のロツク縁と離接するカムと、 前記レバーを、レリーズピン及びカムが上記係
   止部材を扇状歯車方向に進出するように一揺動方
   向に弾性付勢して成る弾性部材とから構成され、 通常時には弾性部材に依るレバーの一方向揺動
   に伴ない転動軸のカムがロツク縁を押圧し、且つ
   レリーズピンが解除孔を押圧して係止部材の係止
   歯をアームの扇状歯車と噛合せしめてロツク状態
   を維持し、またアームを揺動することに依り扇歯
   車との相対移動に伴ない上記転動歯車を回動して
   カムをロツク縁から後退せしめると同時にレリー
   ズピンを解除孔の後退側端部に当接し、前記係止
   部材の係止歯とアームの扇状歯車の歯合を解除し
   て成ることを特徴とするリクライニング式座席に
   使用するリクライニングデバイス。