JPS6322913Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、リクライニング装置の改良に関する
もので、特にリクライニング装置のロツクプレー
トを作動する操作レバーを２つに分け、そのリン
クの連結部に遊びをもたせ、この遊びを利用して
ロツク時一方の操作レバーに設けたノブの位置を
一定になるよう操作機構を改良したリクライニン
グ装置である。

最近の自動車シートでは、リクライニング装置
とシートクツシヨンをカバーを用いて覆うように
なり、これがため、リクライニング装置の製作上
の誤作によつて操作レバーに設けたノブとカバー
との相対位置のずれが目立つようになつた。

しかしながら、従来のリクライニング装置にお
いては、操作レバーのノブの位置を一定にするこ
とは困難なため、カバーのねじによる取付け位置
を調整できるようにして座席の組立て時にカバー
位置を調整して取付けているが作業性が極めて悪
い欠点があつた。

本考案は上記の欠点を解消するため、即ち前記
した操作レバーを２つのリンクに分け、その連結
部分に遊びをもつようにして、ノブとカバーとの
相対位置のくるいを解消し、また作業性を促進す
ることを目的としたものである。

以下本考案に係るリクライニング装置の一実施
例を添付図面に基いて具体的に説明する。

１はシートクツシヨンに固定した固定ブラケツ
トで、該固定ブラケツト１は背部の立上り部に軸
２の一端を固定し、この軸２にシートバツクに固
定される可動ブラケツト３の端部を軸支し、可動
ブラケツト３を軸２を中心に回動できるように連
結してある。

前記可動ブラケツト３には、外側に係止歯４を
設けたセクター５をピシカシメ等で取付け、また
固定ブラケツト１には、前記係止歯４と係離する
係合歯６を設けたロツクプレート７の一端を軸支
８して、この軸８を中心に揺動して係離がなされ
る。ロツクプレート７には先端側に突子９を設
け、この突子９を、一端をカム片１０と共に固定
ブラケツト１と補強ブラケツト１１にわたす軸１
２に軸支した作動板１３の略三角形のカム孔１４
に嵌め、作動板１３の揺動でカム孔１４に嵌まる
突子９を、カム孔１４のカム作用で移動させ、突
子９を介してロツクプレート７に揺動運動をあた
えている。作動板１３はカム片１０と一体になつ
ており、しかも作動板１３には、基端側に張出片
１３′と、先端に連結ピン１５を設け、この連結
ピン１５は補強ブラケツト１１に穿つた軸１２を
中心とした半径上の長孔１１″に挿通され、また
張出片１３′は、ロツクプレート７が係止時に前
記カム片１０がロツクプレート７を押す方向に付
勢する引張りスプリング１６を固定ブラケツト１
との間に設けてある。

補強ブラケツト１１に穿つた長孔１１″に挿通
された前記連結ピン１５の先端は、前記軸２に一
端を軸支された操作レバー１７に穿つた透孔１８
内に遊嵌してある。

操作レバー１７には立上り片１７′を設け、こ
の立上り片１７′には、補強ブラケツト１１に設
けた立上り片１１′に一端を係止した引張スプリ
ング１９の他端を係止し、操作レバー１７を補強
ブラケツト１１に設けた受片となる前記立上り片
１１′で受けるように引張つている。操作レバー
１７の先端にはノブ２０が取付けられている。こ
のノブ２０は固定ブラケツト１を覆うカバー２１
に設けた凹部２２内に位置している。

固定ブラケツト１と可動ブラケツト３を連結す
る軸２には、一端を可動ブラケツト３に取付けた
係止片２３に係止した渦巻バネ２４の他端を係止
して、可動ブラケツト３を前倒方向に付勢してい
る。

本考案は前記の構成で、通常の状態では、可動
ブラケツト３の係止歯４にはロツクプレート７に
設けた係合歯６が噛合つて、更にロツクプレート
７の背部をカム片１０で押して噛合状態を維持さ
せる。（第１図参照） この状態で、シートバツク側の可動ブラケツト
３を前倒又は位置を調整するには、カバー２１の
凹部２２内に位置するノブ２０をもつて操作レバ
ー１７を軸２を中心にスプリング１９に抗して引
上げると操作レバー１７の透孔１８内に遊嵌され
た連結ピン１５は、操作レバー１７の擺動で、連
結ピン１５を長孔１１″に沿つて移動する。この
移動で作動板１３とカム片１０は軸１２を中心に
揺動する。この揺動でロツクプレート７を押圧し
たカム片１０は押圧を解除する一方、作動板１３
のカム孔１４に嵌まるロツクプレート７の突子９
は、カム孔１４によりロツクプレート７を揺動
し、係止歯４と係合歯６の噛合を解除し、可動ブ
ラケツト３を自由な状態として適宜角度に調整す
る。この調整位置が決まると、操作レバー１７を
離すことにより引張りスプリング１６，１９の作
用で操作レバー１７及び作動板１３は引張られ、
更にロツクプレート７はカム孔１４で揺動して係
合し、更にカム片でロツクプレート７を押圧して
始めの状態で係合状態を維持するのである。

上記のように本考案は、固定ブラケツトと可動
ブラケツトの端部を軸支し、一方の可動ブラケツ
トは、外側に係止歯を設けたセクターを取付け、
他方の固定ブラケツトには、前記係止歯と係合す
る係合歯と、先端側に突子を設けて一端を揺動可
能に軸支したロツクプレートと、前記突子を嵌め
るカム孔と、先端に補強ブラケツトに穿つた長孔
に挿通した連結ピンを設けて、基端側に前記ロツ
クプレートに対応させ、しかもロツクプレートを
押圧、解除させるカム片を一体に設けてカム片と
共に軸支した作動板とを有し、また作動板には、
前記カム片をロツクプレート押圧方向に付勢する
引張スプリングを設け、更に作動板の前記連結ピ
ンは、両ブラケツトを軸支する軸に一端を軸支
し、しかも、前記補強ブラケツトの立上り片に向
けて付勢させた操作レバーに設けた透孔内に遊嵌
させたことを特徴としたリクライニング装置でロ
ツクプレート７を操作する操作機構は、二つのリ
ング、即ち操作板１３と、操作レバー１７に分け
て、更に作動板１３と操作レバー１７の連続部は
遊びをもつて連結してあるので操作は軽く円滑
で、また操作レバー１７の端部に設けたノブ２０
は、製作上僅かな誤作でもカバー２１の凹部に嵌
まる位置が連結部に遊びをもつて連結するので一
定にできる。従つて、従来のように組立時にカバ
ーを調整しながら取付ける煩さがなく、作業を向
上できる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はリクライニング装置の一実施例を示した
もので、第１図は正面図、第２図は第１図Ｘ−Ｘ
線横断平面図である。 １〜固定ブラケツト、２〜軸、３〜可動ブラケ
ツト、４〜係止歯、５〜セクター、６〜係合歯、
７〜ロツクプレート、８〜軸支部、９〜突子、１
０〜カム片、１１〜補強ブラケツト、１１′〜立
上り片、１１″〜長孔、１２〜軸、１３〜作動板、
１３′〜張出片、１４〜カム孔、１５〜連結ピン、
１６〜引張スプリング、１７〜操作レバー、１
７′〜立上り片、１８〜透孔、１９〜引張スプリ
ング、２０〜ノブ、２１〜カバー、２２〜凹部、
２４〜渦巻バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定ブラケツトと可動ブラケツトの端部を軸支
   し、一方の可動ブラケツトは、外側に係止歯を設
   けたセクターを取付け、他方の固定ブラケツトに
   は、前記係止歯と係合する係合歯と、先端側に突
   子を設けて一端を揺動可能に軸支したロツクプレ
   ートと、前記突子を嵌めるカム孔と、先端に補強
   ブラケツトに穿つた長孔に挿通した連結ピンを設
   けて、基端側に前記ロツクプレートに対応させ、
   しかもロツクプレートを押圧、解除させるカム片
   を一体に設けてカム片と共に軸支した作動板とを
   有し、また作動板には、前記カム片をロツクプレ
   ート押圧方向に付勢する引張スプリングを設け、
   更に作動板の前記連結ピンは、両ブラケツトを軸
   支する軸に一端を軸支し、しかも、前記補強ブラ
   ケツトの立上り片に向けて付勢させた操作レバー
   に設けた透孔内に遊嵌させたことを特徴としたリ
   クライニング装置。