JP2002012807A - ボールペン用水性インキ - Google Patents
ボールペン用水性インキInfo
- Publication number
- JP2002012807A JP2002012807A JP2000194506A JP2000194506A JP2002012807A JP 2002012807 A JP2002012807 A JP 2002012807A JP 2000194506 A JP2000194506 A JP 2000194506A JP 2000194506 A JP2000194506 A JP 2000194506A JP 2002012807 A JP2002012807 A JP 2002012807A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- weight
- ball
- water
- parts
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Abstract
性に優れたボールペン用水性インキの提供。 【解決手段】 水性インキ全量に対して、水等の溶媒5
〜40重量%、染料等の着色剤0.1〜40重量%、粒
径0.1〜20μmの樹脂粒子1〜30重量%、最低造
膜温度40〜80℃の樹脂エマルジョン0.1〜5重量
%を含有するボールペン用水性インキ。
Description
キであって、とくに、ペン先出没型ボールペンのよう
な、ボールペンペン先に対する気密性の少ないボールペ
ンに好適に用いられる、経時的に増粘、析出などの変質
のない安定なボールペン用水性インキに関する。
跡が得られると共に、繊維性ペン先や樹脂製ペン先を有
する筆記具に比べて、長期間使用してもペン先の摩耗や
つぶれなどによる筆跡巾の変化が少ないことから、広く
使用されている。このようなボールペンに使用される水
性インキ組成物の粘度は1〜数mPa・s(25℃)の
ものと、50〜2,000mPa・s(25℃)のもの
とが知られている。1〜数mPa・s(25℃)のもの
は主にインキ吸蔵体として中綿を用いた構造のボールペ
ンに使用され、50〜2,000mPa・s(25℃)
のものは主にインキ貯蔵体として中空の筒体を用いた構
造のものに使用されている。
付着したインキがボールの回転に伴って、紙などの被筆
記面に転写されるものである。ボールペンは基本的に、
被筆記面に適正な量のインキが転写され、更に、筆跡に
おけるかすれ、ボールペン先端のボールペンチップから
のインキ洩れ等の各種不具合が発生しないという、ボー
ルペンに対する一般的な要求を満足する必要があり、こ
のため、適宜、添加剤を選択したり、物性を調整するこ
とが要求される。
性ボールペンにおいては、インキの減量を抑える為に高
沸点有機溶剤の添加や保湿剤の添加が試みられてきた
が、長期間保管した時、ボールとボールペンチップ小口
とのわずかな隙間からのインキ減量が多くなり、インキ
の粘度が上昇し、筆記に際してのインキの追従性が悪く
なってカスレてしまったり、ペン先内部の一部分でイン
キが乾燥し、その固化物がインキの吐出を妨げ、カスレ
てしまうなどの不具合が発生しやすいものであった。そ
こで、ペン先の構造において、ボール部をボール部後端
からバネ等で押すことによって、ボールとボールが取れ
ないようにカシメているボールペンチップ小口部との隙
間を無くし減量を抑えようという構造のものが発売され
てきているが、どうしてもわずかな隙間が生じてしま
い、インキの減量を抑えきれていないために、経時的に
増粘、析出などのインキの変質が発生し、カスレなどの
筆記異常が発生してしまう。
と、樹脂粒子と、最低造膜温度が40℃〜80℃である
樹脂エマルジョンとを少なくとも含有することを特徴と
するボールペン用水性インキを要旨とするものである。
0℃〜80℃である樹脂エマルジョンは、インキ全体の
粘度を上昇させて、顔料を保持することによる分散安定
化、もしくはインキの流動性を低くすることによるイン
キ洩れの防止のために添加する水溶性増粘剤の経時安定
化、ボールの回転を円滑にし筆記感を向上させるなど、
各種不具合を発生しにくくするものである。最低造膜温
度が40℃未満のものは、常温で早く膜を形成するた
め、長期経時で比較的ペン先内部の方まで造膜が進み、
必要以上の粘度上昇が発生しカスレを引き起こしてしま
う。最低造膜温度が80℃より高いと固くもろい膜がで
きてしまい、筆記時にボール内部まで壊れた膜を巻き込
んでしまい、詰まりが発生し,カスレてしまうものであ
る。最低造膜温度が40℃〜80℃である樹脂エマルジ
ョンの一例として、プライマルB−74(最低造膜温
度:41℃)、同WL−51(同:52℃)、同WL−
71(同:52℃)、同WL−81(同:57℃)、同
WL−91(同:52℃)、同WL−93(同:77
℃)、メインコートTL−5(同:52℃)、エクスペ
リメンタルエマルジョンE−1630(同:53℃)、
同E−357(同:52℃)(以上、ローム・アンド・
ハース・ジャパン(株)製)、アクロナールYJ−11
00D(同:58℃)(以上、BASFディスパージョ
ン(株)製)などのアクリル系エマルジョンが挙げられ
る。最低造膜温度が40℃〜80℃である樹脂エマルジ
ョンの使用量は、ボールペン用水性インキ全量に対して
0.1〜5.0重量%が好ましく、少ない場合は効果が
得られず、多い場合はそれ以上の効果が得られない。
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリア
クリロニトリル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ
アセタール、ポリエチレンテレフタレートなどの単独重
合体や、スチレン−アクリルニトリル共重合体、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などの2種
以上のモノマーが共在している共重合体などの固体の高
分子微粒子の粉末もしくは固体の高分子微粒子を水性媒
体に分散した分散体であり、ボールの回転を円滑にし筆
記感を向上させたり、インキの色度を調整するために使
用するものである。樹脂粒子は、球状、もしくは異形の
形状のものなどが使用でき、更に、表面から中心まで均
一な固体樹脂粒子、もしくは外殻のみ固体樹脂製で中心
部が気体または液体で満たされている中空樹脂粒子など
が使用できる。また、樹脂粒子は染料や顔料などで着色
したものも使用できる。樹脂粒子は、粒子経が、0.1
〜20μmである比較的粒子経の揃った樹脂粒子である
ことが好ましく、粒子径が小さい場合は効果が得られ
ず、大きい場合はペン先での目詰まりや樹脂粒子の沈降
による分離が発生しやすくなる。また、樹脂粒子の添加
量は、樹脂粒子が粉末の場合ボールペン用水性インキ全
量に対して1〜30重量%が好ましい。また、樹脂粒子
が分散体の場合は樹脂粒子の含有率である固形分により
変わるが、樹脂粒子分散体の固形分がインキ全量に対し
1〜20重量%の範囲であることが好ましい。樹脂粒子
の添加量は、少ない場合は十分な効果が得られず、多い
場合はそれ以上の効果が得られず、ペン先での目詰まり
などが発生しやすくなる。樹脂粒子の一例としては、フ
ァインパール3000SP(架橋ポリスチレン樹脂粒
子、平均粒子径6μm)ファインパール3000F(架
橋ポリスチレン樹脂粒子、平均粒子径6μm)、ファイ
ンパールPB−3000(架橋ポリスチレン樹脂粒子、
平均粒子径15μm)ファインパールPB−3003
(架橋ポリスチレン樹脂粒子、平均粒子径15μm)
(以上、住友化学工業(株)製)、SX863(A)
(架橋スチレン−アクリル共重合体の中空樹脂粒子分散
体、固形分21重量%、平均粒子経0.35μm)、S
X864(B)(架橋スチレン−アクリル共重合体の中
空樹脂粒子分散体、固形分40重量%、平均粒子経0.
49μm)、HCP8742(架橋ポリスチレン樹脂粒
子分散体、固形分15重量%、平均粒子経0.5μm)
(以上、JSR(株)製)、ローペイクOP−84J
(アクリル−スチレン共重合体の中空樹脂粒子分散体、
固形分42.5重量%、平均粒子経0.55μm)、ロ
ーペイクHP−91(アクリル−スチレン共重合体の中
空樹脂粒子分散体、固形分27.5重量%、平均粒子経
1μm)(以上、ローム・アンド・ハース・ジャパン
(株)製)などがあげられ、これらは1種または2種以
上を混合して使用できる。
用できる。染料としては、直接染料、酸性染料、塩基性
染料などのいずれも用いることができるが、ボールやチ
ップ材は、その種類によっては、pHが低いと腐食する
ことがある為、pHが中性からアルカリ性で安定に溶解
する直接染料、酸性染料を用いることが好ましい。その
一例を挙げる。
ラック17、同19、同22、同32、同38、同5
1、同71、C.I.ダイレクトエロー4、同26、同
44、同50、C.I.ダイレクトレッド1、同4、同
23、同31、同37、同39、同75、同80、同8
1、同83、同225、同226、同227、C.I.
ダイレクトブルー1、同15、同71、同86、同10
6、同199等が挙げられる。
ック1、同2、同24、同26、同31、同52、同1
07、同109、同110、同119、同154、C.
I.アシッドエロー7:1、同17、同19、同23、
同25、同29、同38、同42、同49、同72、同
61、同78、同110、同141、同135、同12
7、同142、C.I.アシッドレッド8、同9、同1
4、同18、同26、同27、同35、同37、同5
1、同52、同57、同82、同87、同92、同9
4、同111、同129、同131、同138、同18
6、同249、同254、同265、同276、C.
I.アシッドバイオレット15、同17、C.I.アシ
ッドブルー1、同7、同9、同15、同22、同23、
同25、同40、同41、同43、同62、同78、同
83、同90、同93、同103、同112、同11
3、同158、C.I.アシッドグリーン3、同9、同
16、同25、同27等が挙げられる。
ブルー7、C.I.ベーシックレッド1などが挙げられ
る。
き、具体例としては、SpecialBlack 6、
同S170、同S610、同5、同4、同4A、同55
0、同35、同250、同100、Printex 1
50T、同U、同V、同140U、同140V、同9
5、同90、同85、同80、同75、同55、同4
5、同P、同XE2、同L6、同L、同300、同3
0、同3、同35、同25、同200、同A、同G(以
上、デグサ・ジャパン(株)製)、#2400B、#2
350、#2300、#2200B、#1000、#9
50、#900、#850、#MCF88、MA60
0、MA100、MA7、MA11、#50、#52、
#45、#44、#40、#33、#32、#30、C
F9、#20B、#4000B、(以上、三菱化成工業
(株)製)、MONARCH 1300、同100、同
1000、同900、同880、同800、同700、
MOGULL、REGAL 400R、同660R、同
500R、同330R、同300R、同99R、ELF
TEX 8、同12、BLACK PEARLS 20
00(以上、米国、キャボットCo.LTD製)、Ra
ven7000、同5750、同5250、同500
0、同3500、同2000、同1500、同125
5、同1250、同1200、同1170、同106
0、同1040、同1035、同1020、同100
0、同890H、同890、同850、同790、同7
80、同760、同500、同450、同430、同4
20、同410、同22、同16、同14、同825o
il Beads、同H20、同C、Conducte
x 975、同900、同SC(以上、コロンビヤン・
カーボン日本(株)製)などのカーボンブラック、KA
−10、同10P、同15、同20、同30、同35、
同60、同80、同90、KR−310、同380、同
460、同480(以上、チタン工業(株)製)、P2
5(日本アエロジル(株)製)などの酸化チタン、BS
−605、同607(以上、東洋アルミ(株)製)、ブ
ロンズパウダーP−555、同P−777(以上、中島
金属箔工業(株)製)、ブロンズパウダー3L5、同3
L7(以上、福田金属箔工業(株)製)などの金属粉顔
料、また、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群
青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロ
ムなどの無機顔料、ハンザエロー−10G、同5G、同
3G、同4、同GR、同A、ベンジジンエロー、パーマ
ネントエローNCG、タートラジンレーキ、キノリンエ
ロー、スダーン1、パーマネントオレンジ、インダスレ
ンブリリアントオレンジGN、パーマネントブラウンF
G、パラブラウン、パーマネントレッド4R、ファイヤ
ーレッド、ブリリアントカーミンBS、ピラゾロンレッ
ド、レーキレッドC、キナクリドンレッド、ブリリアン
トカーミン6B、ボルドー5B、チオインジゴレッド、
ファストバイオレットB、ジオキサジンバイオレット、
アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、インジ
ゴ、アシッドグリーンレーキ、フタロシアニングリーン
などの有機顔料などが挙げられる。また、この他に硫化
亜鉛、珪酸亜鉛、硫酸亜鉛カドミウム、硫化カルシウ
ム、硫化ストロンチウム、タングステン酸カルシウムな
どの無機蛍光顔料が挙げられる。上記の染料及び顔料と
いった着色剤は、単独或いは、他との組み合わせにより
使用でき、その使用量は色調などによっても異なるが、
少ない場合はインキの発色が悪くなり、多い場合は着色
剤が分散不足となり各種不具合が発生するため、ボール
ペン用水性インキ全量に対して0.1〜40重量%が好
ましい。
いる場合、分散剤を併用することが好ましい。分散剤と
しては、従来一般に用いられている高分子分散剤や、ア
ニオン系もしくはノニオン系の界面活性剤などで顔料の
分散剤として用いられるものが使用できる。一例とし
て、高分子分散剤として、スチレン−アクリル酸共重合
体の塩、スチレン−アクリル酸アルキルエステルを主成
分とした共重合体の塩スチレン−マレイン酸共重合体の
塩、スチレン−マレイン酸アルキルエステルを主成分と
した共重合体の塩などの水溶性高分子などが挙げられ
る。また、界面活性剤として、アルキル硫酸塩、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミ
ノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホ
カルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル
リン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸
塩などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリ
オキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非
イオン性界面活性剤が挙げられる。これら水溶性高分子
及び界面活性剤は、その1種または2種以上を選択し、
併用しても使用できる。その使用量は、少ない場合は添
加する目的である分散効果が弱く、多い場合はインキ中
の各組成物の溶解バランスを崩してしまい各種不具合が
発生する懸念があるため、ボールペン用水性インキ全量
に対して0.1〜10重量%が好ましい。
キベースを用いることは、顔料インキ製造上有利なこと
である。具体的には、Fuji SP Black 8
031、同8119、同8167、同8276、同83
81、同8406、同8556、同8922、Fuji
SP RED 5096、同5111、同5193、
同5220、同5543、同5544、Fuji SP
Bordeaux5500、Fuji SP Blu
e 6062、同6133、同6134、同6401、
Fuji SP Green 7051、Fuji S
P Yellow 4060、同4178、Fuji
SP Violet 9011、Fuji SP Pi
nk 9524、同9527、Fuji SP Ora
nge534、Fuji SP Brown 3074
(以上、冨士色素(株)製)、Emacol Blac
k CN、Emacol Blue FBB、同FB、
同KR、Emacol Green LXB、Emac
ol VioletBL、Emacol Brown
3101、Emacol CarmmineFB、Em
acol RED BS、Emacol Orange
R、Emacol Yellow FD、同IRN、
同3601、同FGN、同GN、同GG、同F5G、同
F7G、同10GN、Sandye Super Bl
ack K、同C、Sandye Super Gre
y B、Sandye Super Brown S
B、同FRL、同RR、Sandye Super N
avy Blue HRL、同GLL、同HB、同FB
L−H、同FBL−160、同FBB、Sandye
Super Violet BL H/C、同BL、同
BLN、Sandye Super Bordeaux
FR、Sandye Super Pink FB
L、同F5B、Sandye SuperRubine
FR、Sandye Super Carmine
FB、Sandye Super Red FFG、同
RR、同BS、Sandye Super Orang
e FL、同R、同BO、Sandye Gold Y
ellow 5GR、同R、同3R、Sandye Y
ellow GG、同F3R、同IRC、同FGN、同
GN、同GRS、同GSR−130、同GSN−13
0、同GSN、同10GN(以上、山陽色素(株)
製)、Rio Fast Black Fx 801
2、同8313、同8169、Rio Fast Re
d Fx 8209、同8172、Rio Fast
Red S Fx 8315、同8316、Rio F
ast Blue Fx 8170、Rio Fast
Blue Fx 8170、Rio Fast Bl
ue S Fx8312、Rio Fast Gree
n S Fx 8314(以上、東洋インキ(株)
製)、NKW−2101、同2102、同2103、同
2104、同2105、同2106、同2107、同2
108、同2117、同2127、同2137、同21
67、同2101P、同2102P、同2103P、同
2104P、同2105P、同2106P、同2107
P、同2108P、同2117P、同2127P、同2
137P、同2167P、NKW−3002、同300
3、同3004、同3005、同3007、同307
7、同3008、同3402、同3404、同340
5、同3407、同3408、同3477、同360
2、同3603、同3604、同3605、同360
7、同3677、同3608、同3702、同370
3、同3704、同3705、同3777、同370
8、同6013、同6038、同6559(以上、日本
蛍光(株)製)、コスモカラーS 1000Fシリーズ
(東洋ソーダ(株)製)、ビクトリアエロー G−1
1、同G−20、ビクトリアオレンジ G−16、同G
−21、ビクトリアレッド G−19、同G−22、ビ
クトリアピンク G−17、同G−23、ビクトリアグ
リーン G−18、同G−24、ビクトリアブルー G
−15、同G−25(以上、御国色素(株)製)、ポル
ックスブルー PC5T−1020、ポルックスブラッ
ク PC8T−135、ポルックスレッド IT−10
30、ポルックスグリーンPC−4T1021等のポル
ックスシリーズ(以上、住化カラー(株)製)などが挙
げられるものであり、これらは1種または2種以上選択
して併用できるものである。
の水溶性有機溶剤が使用可能であり、これらは水性イン
キとしての種々の品質、例えば、ペン先でのインキ乾燥
防止、低温時でのインキ凍結防止、顔料の分散媒などの
目的で使用するものである。具体的には、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、チオジエチレングリコー
ル、ヘキシレングリコール、テトラリン、グリセリンな
どのグリコール類や、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレング
リコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、
トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレング
リコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコー
ルモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブ
チルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエ
ーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プ
ロピレングリコールモノフェニルエーテル等のエーテル
類、ベンジルアルコール、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコ
ール類、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン
などが使用でき、またこれらは1種又は2種以上選択し
て併用できるものである。そして、その使用量は、少な
い場合はインキ中の各組成物の溶解不足や分散不足によ
り不溶・凝集物が発生し、多い場合はインキ中の各組成
物の濃度が小さくなってその効果が小さくなり、各種不
具合が発生するため、ボールペン用水性インキ全量に対
して5〜40重量%が好ましい。
0℃である樹脂エマルジョンの他に、インキの粘度調整
のため、又は着色剤などの分散安定化のために、増粘性
の水溶性高分子を併用することもできる。具体的には、
ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポ
リアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルモノマー、
ポリエチレンオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロ
リドンの共重合体、アクリル樹脂のアルカリ金属塩、ア
クリル酸とアルキルメタクリレートの共重合体、天然系
のアラビアガム、トラガカントガム、キサンタンガム、
グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、カラ
ギーナン、ゼラチン、カゼイン、デキストラン、半合成
系のメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デン
プングリコール酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、
アルギン酸プロピレングリコールエステル、及びこれら
の誘導体などが挙げられる。
インキの流出阻害を抑制するためにデヒドロ酢酸ナトリ
ウム、1,2−ベンゾチアザリン−3−オン、メチル−
2−ベンズイミダゾールカルバミン酸エステル、安息香
酸ナトリウムなどの防腐防黴剤を適量加えることもでき
る。
アゾール、エチレンジアミン四酢酸などの防蝕剤や、ボ
ール受け座摩耗によるボール沈み防止のために、パルミ
チン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの脂肪酸の塩も
添加することができる。
来知られている種々の方法が採用できる。例えば、ター
ボミキサーなどの攪拌機やボールミル、サンドグライン
ダー、スピードラインミル、ロールミル等の分散機によ
り混合分散することによって容易に得られる。
る樹脂エマルジョンを併用したインキが何故長期間保管
後のボールペンインキの安定性に優れるのかは以下のよ
うに推察される。最低造膜温度が40℃〜80℃である
樹脂エマルジョンは水性インキ中ではマイクロエマルジ
ョン構造を形成する。このマイクロエマルジョンは、長
期間保管後のボールペンペン先部のインキ中で水分が減
少した場合に互いに接触しあい、さらに乾燥が進むと、
互いにとけあって融着し、固い連続膜を形成しようとす
るため、ペン先部のインキだけが増粘、もしくは固化し
てしまってボールの回転が阻害され、カスレが発生して
しまう。樹脂粒子は水性インキ中ではほぼ均一に分散さ
れた状態にある。この樹脂粒子は硬い外殻を有してお
り、長期間保管後のボールペンペン先内部のインキ中で
水分が減少して乾燥が進んでも、互いに独立した状態を
保っており、連続膜を形成することがないため樹脂粒子
の隙間から水分の蒸発が進み、さらにはペン先内深部ま
で乾燥が進んでしまい、インキが増粘、もしくは固化し
てインキ通路のインキ流通を阻害するためインキ吐出が
困難となり、カスレが発生してしまう。しかしながら、
樹脂粒子と最低造膜温度が40℃〜80℃である樹脂エ
マルジョンとを併用した場合には、マイクロエマルジョ
ン中に樹脂粒子が入り込み、水分が蒸発したときに硬い
連続膜を作ろうとする効果を和らげる働きがあり、ボー
ルと小口部のわずかな隙間を埋めると同時に、長期経時
後のペン先内部の水分蒸発を防ぐため、インキの増粘や
固化を抑制でき、カスレを発生させないものと推察す
る。
し,ボールミルにて24時間分散処理を行なった後、S
X863(A)を添加して攪拌機で3時間撹拌後、遠心
分離機にて粗大粒子を除去して黒色水性顔料インキを得
た。
を行なった後、遠心分離機にて粗大粒子を除去して青色
水性顔料インキを得た。
って黒色水性染料インキを得た。
を行なった後、遠心分離機にて粗大粒子を除去して赤色
水性顔料インキを得た。
を行なった後、遠心分離機にて粗大粒子を除去して緑色
水性顔料インキを得た。
プロピレングリコールを加えた他は、実施例1と同様に
なして黒色水性顔料インキを得た。
だけイオン交換水を加えた他は、実施例2と同様になし
て青色水性顔料インキを得た。
その量だけイオン交換水を加えた他は、実施例3と同様
になして水性黒色染料インキを得た。
その量だけプライマルB−90(最低造膜温度:90
℃、アクリル系エマルジョン、ロームアンドハースジャ
パン(株)製)を加えた他は、実施例4と同様になして
赤色水性顔料インキを得た。
水性顔料又は染料インキをボール径がφ0.7mmのス
テンレスボールペンチップ(ボール素材:超硬合金、バ
ネにてボールを押し上げているもの)をポリプロピレン
製の中空軸筒の透明なインキ収容官の一端に連接したリ
フィールに充填し、図1に示すペン先出没型ボールペン
に組み込み、ペン先を露出して、試験用サンプルとし、
50℃の恒温室内で2ヶ月放置した後、筆記機能の確認
を行った。図1のペン先出没型ボールペンは、ノック式
ボールペンと言われるもので、外装体1と、この外装体
1の前方(図中下方)に螺着などにより着脱自在に取り
付けられた前軸2との内側に、リフィール5を前後動自
在に挿入したものである。前記リフィール5は、前記前
軸2の内側に取り付けられたコイルスプリングなどの弾
撥部材4により前記外装体1の後方に付勢され且つ後方
からの押圧に応じて前後動自在になるよう配置される。
本ペン先出没型ボールペンは、前記外装体1の後部に前
後摺動可能に取り付けられた操作部材6を繰り返し押圧
することで従来より公知であるペン先出没機構、たとえ
ば突起を係止孔などに係止する出没機構や、回転カムを
用いた出没機構、ハートカムを用いた出没機構などの出
没機構により前記リフィール5のペン先の出没を繰り返
し行うものである。
0℃恒温室内から取り出し、室温で2時間放置した後、
直径1.5cmの円を螺旋状に20丸連続筆記する丸書
き筆記を手書きで行い、カスレ度合いを目視評価した。
その結果を表1に示す。
係る水性インキは、長期間経時した後でも、インキの増
粘や固化などによるインキの劣化を起こすことがなく、
筆記した際のカスレが発生しない優れた効果を有してい
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 水と、着色材と、樹脂粒子と、最低造膜
温度が40℃〜80℃である樹脂エマルジョンとを少な
くとも含有することを特徴とするボールペン用水性イン
キ。 - 【請求項2】 上記樹脂粒子の粒子経が0.1〜20μ
mである請求項1記載のボールペン用水性インキ。 - 【請求項3】 上記ボールペンは、ペン先が常に開放さ
れている型のボールペンである請求項1又2記載のボー
ルペン用水性インキ。 - 【請求項4】 上記ボールペンは、ペン先が筆記具先端
から出没する型のボールペンである請求項1又2記載の
ボールペン用水性インキ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000194506A JP4403637B2 (ja) | 2000-06-28 | 2000-06-28 | ボールペン用水性インキ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000194506A JP4403637B2 (ja) | 2000-06-28 | 2000-06-28 | ボールペン用水性インキ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002012807A true JP2002012807A (ja) | 2002-01-15 |
JP4403637B2 JP4403637B2 (ja) | 2010-01-27 |
Family
ID=18693324
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000194506A Expired - Lifetime JP4403637B2 (ja) | 2000-06-28 | 2000-06-28 | ボールペン用水性インキ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4403637B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005307106A (ja) * | 2004-04-26 | 2005-11-04 | Pilot Corporation | 水中油滴型樹脂エマルジョンを用いた水性ボールペン用インキとそのインキを用いた水性ボールペン |
JP2008115226A (ja) * | 2006-11-01 | 2008-05-22 | Pilot Corporation | 水性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペン |
JP2010106112A (ja) * | 2008-10-29 | 2010-05-13 | Pilot Ink Co Ltd | 出没式ボールペン用水性インキ組成物及びそれを収容した出没式ボールペン用レフィル、出没式ボールペン |
JP2011118311A (ja) * | 2009-12-07 | 2011-06-16 | Canon Inc | 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 |
WO2019082888A1 (ja) * | 2017-10-25 | 2019-05-02 | 株式会社パイロットコーポレーション | 水性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた水性ボールペン |
JP2019183042A (ja) * | 2018-04-13 | 2019-10-24 | 株式会社サクラクレパス | 水性インク組成物 |
-
2000
- 2000-06-28 JP JP2000194506A patent/JP4403637B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005307106A (ja) * | 2004-04-26 | 2005-11-04 | Pilot Corporation | 水中油滴型樹脂エマルジョンを用いた水性ボールペン用インキとそのインキを用いた水性ボールペン |
JP4690662B2 (ja) * | 2004-04-26 | 2011-06-01 | 株式会社パイロットコーポレーション | 水性ボールペン |
JP2008115226A (ja) * | 2006-11-01 | 2008-05-22 | Pilot Corporation | 水性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペン |
JP2010106112A (ja) * | 2008-10-29 | 2010-05-13 | Pilot Ink Co Ltd | 出没式ボールペン用水性インキ組成物及びそれを収容した出没式ボールペン用レフィル、出没式ボールペン |
JP2011118311A (ja) * | 2009-12-07 | 2011-06-16 | Canon Inc | 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 |
WO2019082888A1 (ja) * | 2017-10-25 | 2019-05-02 | 株式会社パイロットコーポレーション | 水性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた水性ボールペン |
CN111263796A (zh) * | 2017-10-25 | 2020-06-09 | 株式会社百乐 | 水性圆珠笔用墨液组合物及使用了该墨液组合物的水性圆珠笔 |
JPWO2019082888A1 (ja) * | 2017-10-25 | 2020-11-19 | 株式会社パイロットコーポレーション | 水性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた水性ボールペン |
EP3702420A4 (en) * | 2017-10-25 | 2021-09-01 | Kabushiki Kaisha Pilot Corporation (also trading as Pilot Corporation) | INK COMPOSITION FOR WATER BASED BALLPOINT PEN AND WATER BASED BALLPOINT PEN WITH IT |
US11560490B2 (en) | 2017-10-25 | 2023-01-24 | Kabushiki Kaisha Pilot Corporation | Water-based ink composition for ballpoint pen and water-based ballpoint pen using the same |
JP7254024B2 (ja) | 2017-10-25 | 2023-04-07 | 株式会社パイロットコーポレーション | 水性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた水性ボールペン |
JP2019183042A (ja) * | 2018-04-13 | 2019-10-24 | 株式会社サクラクレパス | 水性インク組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4403637B2 (ja) | 2010-01-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6881467B2 (ja) | インキ組成物及び筆記具並びにインキ組成物の製造方法 | |
JP4552761B2 (ja) | ボールペン | |
JP2003105246A (ja) | ボールペン用水性インキ | |
JP2002012807A (ja) | ボールペン用水性インキ | |
JP6733150B2 (ja) | ボールペン用水性インキ組成物 | |
WO2019189364A1 (ja) | 塗布具 | |
JP2001342418A (ja) | ボールペン用水性インキ | |
JP2008115206A (ja) | ボールペン用水性インキ組成物 | |
JPH10279875A (ja) | ボールペン用水性インキ | |
JP2008274146A (ja) | ボールペン用水性インキ組成物 | |
JP2004143381A (ja) | 筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物及びその製造方法 | |
JP2004175827A (ja) | 布用水性インキ | |
JP3186354B2 (ja) | 水性インキ組成物 | |
JP2005048029A (ja) | ボールペン用水性インキ組成物 | |
JP2001064559A (ja) | ボールペン用水性インキ | |
JP2003073605A (ja) | ボールペン用水性顔料インキ | |
JP2002256196A (ja) | ボールペン用水性顔料インキ | |
JP3348547B2 (ja) | 水性顔料インキ | |
JP2005290237A (ja) | インキ組成物 | |
JP4346891B2 (ja) | 布書き用ボールペン | |
JP2000281957A (ja) | ボールペン用水性インキ | |
JP2001011358A (ja) | ボールペン用水性顔料インキ | |
JPH05311105A (ja) | 水性顔料組成物 | |
JP3775054B2 (ja) | ボールペン用水性インキ | |
JP3899714B2 (ja) | ボールペン用水性インキ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060628 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081127 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081209 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090209 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20091013 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20091026 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121113 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4403637 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121113 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131113 Year of fee payment: 4 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |