JP2003073605A - ボールペン用水性顔料インキ - Google Patents

ボールペン用水性顔料インキ

Info

Publication number
JP2003073605A
JP2003073605A JP2001264807A JP2001264807A JP2003073605A JP 2003073605 A JP2003073605 A JP 2003073605A JP 2001264807 A JP2001264807 A JP 2001264807A JP 2001264807 A JP2001264807 A JP 2001264807A JP 2003073605 A JP2003073605 A JP 2003073605A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ball
same
water
ink
pigment ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001264807A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Nasukawa
良 名須川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentel Co Ltd
Original Assignee
Pentel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pentel Co Ltd filed Critical Pentel Co Ltd
Priority to JP2001264807A priority Critical patent/JP2003073605A/ja
Publication of JP2003073605A publication Critical patent/JP2003073605A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボールペンチップのボールとボール受け座の
摩擦抵抗を極力少なくすることによって、ボールの回転
を円滑にし、手油筆記面においても十分な筆記性能を有
した水性顔料インキ。 【解決手段】 ボールペン用水性顔料インキにおいて、
架橋型ポリN−ビニルカルボン酸アミドまたは架橋型ポ
リアクリル酸及びその塩と、アルキルベンゼンスルホン
酸塩とを併用しているもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筆記部材として超
硬合金やセラミック製のボールを収容保持するボールペ
ンチップを備え、ボールの回転によりインキを吐出する
ボールペンに使用する水性インキに関する。さらに詳し
くは、ボールが回転しながらボールペンチップのボール
受け座に接触することによるボール受け座の摩耗を極力
抑制し、ボールの回転が円滑に行われるように潤滑効果
を有し、手油など滑りやすい筆記面に筆記した時でもボ
ールがスムーズに回転し、ボールと筆記面が滑って回転
が止まりその部分だけインキ吐出がなくなる現象、いわ
ゆる線飛び現象の発生がなく、且つ、ボールペンに対す
る一般的な要求を満足するボールペン用水性顔料インキ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ボールペンは、繊維性ペン先や樹
脂製ペン先を有する筆記具に比べて、比較的細い筆跡が
得られると共に、長期間使用してもペン先の摩耗やつぶ
れなどによる筆跡巾の変化が少ないことから広く使用さ
れている。
【0003】ボールペンの筆記の機構は、ボール表面に
付着したインキがボールの回転に伴って、紙などの被筆
記面に転写されるものである。ボールペンは基本的に、
被筆記面に適正な量のインキが転写され、更に、筆跡に
おけるかすれ、ボールペン先端のボールペンチップから
のインキ洩れ等の各種不具合が発生しないという、ボー
ルペンに対する一般的な要求を満足する必要があり、こ
のため、ボールペン用インキは、適宜、添加剤を選択し
たり、物性を調整することが要求される。
【0004】特に、水性インキを用いたボールペンは、
油性インキを用いたボールペンに比べ、筆記時、筆記線
が飛んでかすれてしまう現象が起こり易い。これは、水
性インキの主溶剤である水を介した場合のボールとボー
ル受け座との摩擦抵抗は、油性インキの主溶剤である有
機溶剤を介した場合の摩擦抵抗より大きいため、比較的
滑りやすい筆記面においては紙面とボールとの摩擦抵抗
よりもボールとボール受け座との摩擦抵抗が大きくな
り、ボールの回転が止まってしまう結果、インキの供給
が瞬間的あるいは断続的に止まってしまうためである。
また、長距離筆記するとボール受け座が摩耗し、ボール
沈みが発生してボールペンチップより突出するボールの
出長さが低くなることがあった。ボール出長さの低くな
ったものでは、ボールペンチップの先端(ボール以外)
が被筆記面に引っかかり滑らかな筆記感を阻害すること
になったり、ボール受け座に形成されているインキ流通
孔をボールが閉塞しインキ吐出が不十分となることがあ
った。いずれにしても、筆跡がかすれたり、筆記感が重
たくなるといった不具合の発生し易いものであった。ま
た、従来、水性インキに、良好な印字品位や経時におけ
る顔料凝集を防止し長期的な安定性を得る目的で架橋型
ポリN−ビニルカルボン酸アミドを添加したものが、特
開平7−62287号公報や特開平9−194785号
公報に開示されている。また、これら公報に記載された
インキには、架橋型ポリN−カルボン酸アミドの他に、
活性剤、高分子系顔料分散剤、水溶性樹脂なども併用さ
れている。また、同様に架橋型ポリアクリル酸またはそ
の塩を添加したものとして、アクリル酸−メタクリル酸
アルキルエステル共重合体またはアクリル酸塩−メタク
リル酸アルキルエステル共重合体を添加したものが特開
平6−93224号公報などに開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た架橋型ポリN−ビニルカルボン酸アミドや架橋型ポリ
アクリル酸またはその塩を用いた水性インキは、筆記感
は良好で、長期経時後も比較的安定で通常使用には問題
ないが、手油などの付着した滑りやすい筆記面において
はボールの回転が瞬間的あるいは断続的に止まるいわゆ
る線飛び現象が生じてしまう。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、水と、顔料
と、架橋型ポリN−ビニルカルボン酸アミドまたは架橋
型ポリアクリル酸またはその塩とを少なくとも含む水性
インキにおいて、アルキルベンゼンスルホン酸塩を含有
することを特徴とするボールペン用水性顔料インキを要
旨とするものである。
【0007】以下、詳細に説明する。架橋型ポリN−ビ
ニルカルボン酸アミドと架橋型ポリアクリル酸またはそ
の塩は、水溶性増粘剤としてインキ全体の粘度を上昇さ
せて、着色剤を保持することによる分散安定化、もしく
はインキの流動性を低くすることによるインキ洩れの防
止、ボールの回転を円滑にし筆記感を向上させるなど、
各種不具合を発生しにくくするものである。架橋型ポリ
N−ビニルカルボン酸アミドの一例として、カルボン酸
アミド部分の種類がアセトアミド、ホルムアミドのも
の、及び製造時のN−ビニルカルボン酸アミドモノマー
に対する架橋剤の添加量が1.50%、0.45%のも
の等が挙げられ、製品としてはGX−205、NA−0
10(以上、カルボン酸アミド部分がアセトアミド、架
橋剤の添加量が1.50%、昭和電工(株)製)が挙げ
られる。架橋型ポリアクリル酸またはその塩の一例とし
ては架橋型ポリアクリル酸、架橋型ポリアクリル酸ナト
リウム、架橋型ポリアクリル酸アンモニウム等が挙げら
れ、製品としてはレオジック250H、同252L、同
835H、同830L、同305H、同306L、ジュ
ンロンPW−110、同PW−111(以上、日本純薬
(株)製)、CARBOPOL 1342、PEMUL
EN TR−1、同TR−2(アクリル酸−メタクリル
酸共重合体、BF−goodrich社製、米国)など
が挙げられる。更に、溶媒又は分散媒中で膨潤すること
により保持する弾力性が大きくなり各効果が高くなるた
め、架橋型ポリN−ビニルカルボン酸アミド及び架橋型
ポリアクリル酸またはその塩が微粒子状であることが好
ましい。この増粘剤の使用量は、他のインキとの相互作
用を考慮すると一概には決定できないが、少なすぎる場
合はボール受け座の摩耗や変形を抑制する効果が少なく
なり、多い場合にはインキが増粘し過ぎてボールの回転
によってインキが吐出されにくくなるため、ボールペン
用水性顔料インキ全量に対して0.1〜15.0重量%
が好ましい。
【0008】アルキルベンゼンスルホン酸塩は、ボール
とボール受け座の摩擦抵抗を低減するために使用するも
のである。例としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、アルキルベンゼンスルホン酸トリエタノール
アミンが挙げられ、アルキル基は直鎖状のもので、純粋
な単一成分のものは少なく、主成分はドデシル基である
ものが一般的に使用されている。製品の例としては、ネ
オペレックスF−25、同F−65、同No.6、同N
o.25(以上、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、花王(株)製)、ルノックス S−40TD(ドデ
シルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、東邦化
学工業(株)製)、ライポン LS−250、同LS−
625、同PS−230、同PS−260、同PS−8
60(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ライオ
ン(株)製)、ライポン LT−240、同LT−27
0(アルキルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミ
ン、ライオン(株)製)等が挙げられる。アルキルベン
ゼンスルホン酸塩の使用量は、ボールペン用水性顔料イ
ンキ全量に対して0.1〜5.0重量%が好ましく、少
ない場合は効果が得られず、多い場合はそれ以上の効果
が得られない。
【0009】顔料としては、従来公知の顔料が使用で
き、具体例としては、SpecialBlack 6、
同S170、同S610、同5、同4、同4A、同55
0、同35、同250、同100、Printex 1
50T、同U、同V、同140U、同140V、同9
5、同90、同85、同80、同75、同55、同4
5、同P、同XE2、同L6、同L、同300、同3
0、同3、同35、同25、同200、同A、同G(以
上、デグサ・ジャパン(株)製)、#2400B、#2
350、#2300、#2200B、#1000、#9
50、#900、#850、#MCF88、MA60
0、MA100、MA7、MA11、#50、#52、
#45、#44、#40、#33、#32、#30、C
F9、#20B、#4000B、(以上、三菱化成工業
(株)製)、MONARCH 1300、同100、同
1000、同900、同880、同800、同700、
MOGULL、REGAL 400R、同660R、同
500R、同330R、同300R、同99R、ELF
TEX 8、同12、BLACK PEARLS 20
00(以上、米国、キャボットCo.LTD製)、Ra
ven7000、同5750、同5250、同500
0、同3500、同2000、同1500、同125
5、同1250、同1200、同1170、同106
0、同1040、同1035、同1020、同100
0、同890H、同890、同850、同790、同7
80、同760、同500、同450、同430、同4
20、同410、同22、同16、同14、同825o
il Beads、同H20、同C、Conducte
x 975、同900、同SC(以上、コロンビヤン・
カーボン日本(株)製)などのカーボンブラック、KA
−10、同10P、同15、同20、同30、同35、
同60、同80、同90、KR−310、同380、同
460、同480(以上、チタン工業(株)製)、P2
5(日本アエロジル(株)製)などの酸化チタン、BS
−605、同607(以上、東洋アルミ(株)製)、ブ
ロンズパウダーP−555、同P−777(以上、中島
金属箔工業(株)製)、ブロンズパウダー3L5、同3
L7(以上、福田金属箔工業(株)製)などの金属粉顔
料、また、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群
青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロ
ムなどの無機顔料、ハンザエー−10G、同5G、同3
G、同4、同GR、同A、ベンジジンエロー、パーマネ
ントエローNCG、タートラジンレーキ、キノリンエロ
ー、スダーン1、パーマネントオレンジ、インダスレン
ブリリアントオレンジGN、パーマネントブラウンF
G、パラブラウン、パーマネントレッド4R、ファイヤ
ーレッド、ブリリアントカーミンBS、ピラゾロンレッ
ド、レーキレッドC、キナクリドンレッド、ブリリアン
トカーミン6B、ボルドー5B、チオインジゴレッド、
ファストバイオレットB、ジオキサンバイオレット、ア
ルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、インジ
ゴ、アシッドグリーンレーキ、フタロシアニングリーン
などの有機顔料などが挙げられる。また、この他に硫化
亜鉛、珪酸亜鉛、硫酸亜鉛カドミウム、硫化カルシウ
ム、硫化ストロンチウム、タングステン酸カルシウムな
どの無機蛍光顔料が挙げられる。前記した顔料は、単独
或いは、他との組み合わせにより使用でき、その使用量
は色調などによっても異なるが、少ない場合はインキの
発色が悪くなり、多い場合は着色剤が分散不足となり各
種不具合が発生するため、ボールペン用水性顔料インキ
全量に対して0.1〜40重量%が好ましい。
【0010】本発明に係るボールペン用水性顔料インキ
は、顔料を用いているので、分散剤を併用することが好
ましい。分散剤としては、従来一般に用いられている水
溶性樹脂もしくは水可溶性樹脂や、アニオン系もしくは
ノニオン系の界面活性剤などの顔料の分散剤として用い
られるものが使用できる。高分子分散剤の一例として、
アラビアゴム、トラガントガムなどの天然ゴム類、サポ
ニンなどのグルコシド類、メチルセルロース、カルボキ
シセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのセル
ロース誘導体、リグニンスルホン酸塩、セラックなどの
天然高分子、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸
共重合物の塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物
の塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナ
トリウム塩、リン酸塩、などの陰イオン性高分子やポリ
ビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどの非イ
オン性高分子などが挙げられる。また、界面活性剤の一
例として、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N
−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル酢酸塩、アルキルスルホカルボン酸塩、α−
オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテルリン酸塩などの陰イオン界
面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソ
ルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソル
ビタンアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤
が挙げられる。これら水可溶性樹脂及び界面活性剤は、
その1種または2種以上を選択し、併用しても使用でき
る。その使用量は、少ない場合は添加する目的である分
散効果が弱く、多い場合はインキ中の各組成物の溶解バ
ランスを崩してしまい各種不具合が発生する懸念がある
ため、ボールペン用水性顔料インキ全量に対して1〜2
0重量%が好ましい。
【0011】更に、顔料を水性媒体に分散した水性イン
キベースを用いることは、顔料インキ製造上有利なこと
である。具体的には、Fuji SP Black 8
031、同8119、同8167、同8276、同83
81、同8406、FujiSP RED 5096、
同5111、同5193、同5220、同5543、同
5544、Fuji SP Bordeaux 550
0、Fuji SPBlue 6062、同6133、
同6134、同6401、Fuji SPGreen
7051、Fuji SP Yellow 4060、
同4178、Fuji SP Violet 901
1、Fuji SP Pink 9524、同952
7、Fuji SP Orange 534、Fuji
SPBrown 3074(以上、冨士色素(株)
製)、Emacol Black CN、Emacol
Blue FBB、同FB、同KR、EmacolG
reen LXB、Emacol Violet B
L、Emacol Brown 3101、Emaco
l Carmmine FB、Emacol RED
BS、Emacol Orange R、Emacol
YellowFD、同IRN、同3601、同FG
N、同GN、同GG、同F5G、同F7G、同10G
N、同10GN、Sandye Super Blac
k K、同C、Sandye Super Grey
B、Sandye Super Brown SB、同
FRL、同RR、Sandye Super Navy
Blue HRL、同GLL、同HB、同FBL−
H、同FBL−160、同FBB、Sandye Su
per Violet BL H/C、同BL、同BL
N、Sandye Super Bordeaux F
R、Sandye Super Pink FBL、同
F5B、Sandye Super RubineF
R、Sandye Super Carmine F
B、Sandye Super Red FFG、同R
R、同BS、Sandye Super Orange
FL、同R、同BO、Sandye Gold Ye
llow 5GR、同R、同3R、Sandye Ye
llow GG、同F3R、同IRC、同FGN、同G
N、同GRS、同GSR−130、同GSN−130、
同GSN、同10GN(以上、山陽色素(株)製)、R
io Fast Black Fx 8012、同83
13、同8169、Rio Fast Red Fx
8209、同8172、Rio Fast Red S
Fx 8315、同8316、Rio Fast B
lue Fx 8170、Rio Fast Blue
Fx 8170、Rio Fast Blue S
Fx 8312、Rio Fast Green S
Fx 8314(以上、東洋インキ(株)製)、NKW
−2101、同2102、同2103、同2104、同
2105、同2106、同2107、同2108、同2
117、同2127、同2137、同2167、同21
01P、同2102P、同2103P、同2104P、
同2105P、同2106P、同2107P、同210
8P、同2117P、同2127P、同2137P、同
2167P、NKW−3002、同3003、同300
4、同3005、同3007、同3077、同300
8、同3402、同3404、同3405、同340
7、同3408、同3477、同3602、同360
3、同3604、同3605、同3607、同367
7、同3608、同3702、同3703、同370
4、同3705、同3777、同3708、同601
3、同6038、同6559(以上、日本蛍光(株)
製)、コスモカラーS 1000Fシリーズ(東洋ソー
ダ(株)製)、ビクトリアエロー G−11、同G−2
0、ビクトリアオレンジ G−16、同G−21、ビク
トリアレッド G−19、同G−22、ビクトリアピン
ク G−17、同G−23、ビクトリアグリーン G−
18、同G−24、ビクトリアブルー G−15、同G
−25(以上、御国色素(株)製)、ポルックスブルー
PC5T−1020、ポルックスブラック PC8T
−135、ポルックスレッド IT−1030等のポル
ックスシリーズ(以上、住化カラー(株)製)などが挙
げられるものであり、これらは1種または2種以上選択
して併用できるものである。
【0012】溶剤又は分散媒として必須の水の他に各種
の水溶性有機溶剤が使用可能であり、これらは水性イン
キとしての種々の品質、例えば、ペン先でのインキ乾燥
防止、低温時でのインキ凍結防止、顔料の分散媒などの
目的で使用するものである。具体的には、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、チオジエチレングリコー
ル、ヘキシレングリコール、テトラリン、グリセリンな
どのグリコール類や、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレング
リコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、
トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレング
リコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコー
ルモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブ
チルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエ
ーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プ
ロピレングリコールモノフェニルエーテル等のエーテル
類、ベンジルアルコール、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコ
ール類、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン
などが使用でき、またこれらは1種又は2種以上選択し
て併用できるものである。そして、その使用量は、少な
い場合はインキ中の各組成物の溶解不足や分散不足によ
り不溶・凝集物が発生し、多い場合はインキ中の各組成
物の濃度が小さくなってその効果が小さくなり、各種不
具合が発生するため、ボールペン用水性顔料インキ全量
に対して5〜40重量%が好ましい。
【0013】必須成分である架橋型N−ビニルカルボン
酸アミドや架橋型ポリアクリル酸またはその塩の他に、
インキの粘度調整のため、又は顔料などの分散安定化の
ために、水溶性高分子を併用することもできる。具体的
には、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテ
ル、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルモノ
マー、ポリエチレンオキサイド、酢酸ビニルとポリビニ
ルピロリドンの共重合体、天然系のアラビアガム、トラ
ガカントガム、キサンタンガム、グァーガム、ローカス
トビーンガム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、
カゼイン、デキストラン、半合成系のメチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、デンプングリコール酸ナ
トリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレ
ングリコールエステル、及びこれらの誘導体などが挙げ
られる。
【0014】また、黴の発生によるインキ通路における
インキの流出阻害を抑制するためにデヒドロ酢酸ナトリ
ウム、1,2−ベンゾチアザリン−3−オン、メチル−
2−ベンズイミダゾールカルバミン酸エステル、安息香
酸ナトリウムなどの防腐防黴剤を適量加えることもでき
る。
【0015】更に、金属の腐食防止のためにベンゾトリ
アゾール、エチレンジアミン四酢酸などの防蝕剤や、可
溶化剤としてオレイン酸のような脂肪酸も添加すること
ができる。
【0016】本発明に係るボールペン用水性顔料インキ
を製造するに際しては、従来知られている種々の方法が
採用できる。例えば、ターボミキサーなどの攪拌機やボ
ールミル、サイドグラインダー、スピードラインミル、
三本ロールミル等の分散機により混合分散することによ
って容易に得られる。
【0017】
【作用】架橋型ポリN−ビニルカルボン酸アミドや架橋
型ポリアクリル酸またはその塩と、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩を併用してインキに使用することが何故ボー
ルとボール受け座の摩擦抵抗を現象させる効果があるか
については以下のように推察される。架橋型ポリN−ビ
ニルカルボン酸アミドや架橋型ポリアクリル酸塩は水溶
液中ではミクロゲル構造を形成する。このミクロゲルは
1〜20μmと大きく、柔軟性には富んでいるものの表
面の潤滑性はあまりなく、簡単にちぎれてしまう。アル
キルベンゼンスルホン酸塩は、架橋型ポリN−ビニルカ
ルボン酸アミドや架橋型ポリアクリル酸またはその塩の
ゲル構造の中に浸透する際、他の活性剤と異なり分子構
造中にベンゼン環を含む為、ゲルの中においてはゲルを
膨潤させる働きがある。膨潤したゲルはアルキルベンゼ
ンスルホン酸塩がもつ潤滑作用により、ゲルの中及びゲ
ル表面の両方において滑らかに移動、変形できる様にな
り、、結果的にボールとボール受け座間の摩擦抵抗を減
少させ、手油が付着した面への筆記においてもボールが
スムーズに回転し、インキ吐出が妨げられたことによる
線飛び、線切れ現象が起こらない。
【0018】
【実施例】以下、実施例により更に詳細に説明する。
【0019】 上記成分中、GX−205、エチレングリコール、グリ
セリン、水を攪拌機にて2時間混合攪拌を行い、その
後、50℃下に20時間放置した後、GX−205、エ
チレングリコール、グリセリン、水以外を添加して2時
間混合攪拌し、青色ボールペン用水性顔料インキを得
た。
【0020】 上記成分中、GX−205、プロピレングリコール、グ
リセリン、水を攪拌機にて2時間混合攪拌を行い、その
後、50℃下に20時間放置した後、GX−205、プ
ロピレングリコール、グリセリン、水以外を添加して2
時間混合攪拌し、ピンク色ボールペン用水性顔料インキ
を得た。
【0021】 上記成分中、GX−205、エチレングリコール、チオ
ジエチレングリコール、水を攪拌機にて2時間混合攪拌
を行い、その後、50℃下に20時間放置した後、GX
−205、エチレングリコール、チオジエチレングリコ
ール、水以外を添加して2時間混合攪拌し、赤色ボール
ペン用水性顔料インキを得た。
【0022】 上記成分中、PEMULEN TR−1、エチレングリ
コール、グリセリン、水を攪拌機にて2時間混合攪拌を
行い、その後、50℃下に20時間放置した後、PEM
ULEN TR−1、エチレングリコール、グリセリ
ン、水以外を添加して2時間混合攪拌し、マゼンタ色ボ
ールペン用水性顔料インキを得た。
【0023】 上記成分中、レオジック835H、エチレングリコー
ル、グリセリン、水を攪拌機にて2時間混合攪拌を行
い、その後、50℃下に20時間放置した後、レオジッ
ク835H、エチレングリコール、グリセリン、水以外
を添加して2時間混合攪拌し、黒色ボールペン用水性顔
料インキを得た。
【0024】比較例1 実施例1においてネオペレックスNo.25を除き、そ
の量だけイオン交換水を加えた他は、実施例1と同様に
なして青色ボールペン用水性顔料インキを得た。
【0025】比較例2 実施例2においてライポンLS−250を除き、その量
だけイオン交換水を加えた他は、実施例2と同様になし
て黄色ボールペン用水性顔料インキを得た。
【0026】比較例3 実施例3においてライポンLS−250を除き、その量
だけイオン交換水を加えた他は、実施例3と同様になし
て赤色ボールペン用水性顔料インキを得た。
【0027】上記、実施例1〜5、比較例1〜3で得た
ボールペン用水性顔料インキを、ボール径がφ0.4m
mのステンレスボールペンチップ(ボール素材:超硬合
金)を一端に連接したポリプロピレン製の中空軸筒より
なる透明なインキ収容官に0.8g充填し試験用サンプ
ルとし、手油を付着させた面(以下、手油面という)に
対する筆記性について試験した。
【0028】手脂筆記試験:手油配合例1で調整した手
脂をアセトンで30%に希釈した溶液(以下、手油希釈
溶液という)を作成する。前記手油希釈溶液を上質紙
(JIP P 3201で規定される筆記用紙)に筆で
縦に1回塗布し幅約2cmの手油面を作成した後、室温
で2時間乾燥させアセトンを除去する。試験用サンプル
を用いて手油面を通過するように直線筆記、直径約2c
mの螺旋状の丸書き筆記、1文字5mm程度の大きさの
日本文字「国会の年日」の文字書き筆記をそれぞれ行っ
た。手油面においても筆跡にかすれ、線飛びが発生しな
ければ○、手油面において途中かすれや線飛びが発生し
たものは△、手油面において全く筆記できないものを×
とした。
【0029】手油配合例1 スクワラン 10重量部 イソプロピルミリステート 20重量部 オリーブ油 40重量部 コレステロール 2重量部 パルミチン酸 2重量部 オレイン酸 13重量部 イソステアリン酸 13重量部 上記成分を攪拌混合して手油を得た。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係る水性顔料インキは、ボールとボール受け座の摩擦抵
抗を少なくでき、手油面などの滑りやすい筆記面に対し
てもボールがスムーズに回転し、線飛びやかすれを生じ
させないものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水と、顔料と、架橋型ポリN−ビニルカ
    ルボン酸アミドまたは架橋型ポリアクリル酸またはその
    塩とを少なくとも含む水性インキにおいて、アルキルベ
    ンゼンスルホン酸塩を含有することを特徴とするボール
    ペン用水性顔料インキ。
  2. 【請求項2】 アルキルベンゼンスルホン酸塩の使用量
    がボールペン用水性顔料インキ全量に対して0.1〜
    5.0重量%であることを特徴とする請求項1記載のボ
    ールペン用水性顔料インキ。
  3. 【請求項3】 アルキルベンゼンスルホン酸塩がアルキ
    ルベンゼンスルホン酸ナトリウムであることを特徴とす
    る請求項1又は2記載のボールペン用水性顔料インキ。
JP2001264807A 2001-08-31 2001-08-31 ボールペン用水性顔料インキ Pending JP2003073605A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001264807A JP2003073605A (ja) 2001-08-31 2001-08-31 ボールペン用水性顔料インキ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001264807A JP2003073605A (ja) 2001-08-31 2001-08-31 ボールペン用水性顔料インキ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003073605A true JP2003073605A (ja) 2003-03-12

Family

ID=19091350

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001264807A Pending JP2003073605A (ja) 2001-08-31 2001-08-31 ボールペン用水性顔料インキ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003073605A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011174071A (ja) * 2011-03-15 2011-09-08 Kao Corp 水分散体の製造法
JP2012086374A (ja) * 2010-10-15 2012-05-10 Pilot Corporation ボールペンレフィル
JP7382225B2 (ja) 2019-12-24 2023-11-16 三菱鉛筆株式会社 水性ボールペン用インク組成物

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012086374A (ja) * 2010-10-15 2012-05-10 Pilot Corporation ボールペンレフィル
JP2011174071A (ja) * 2011-03-15 2011-09-08 Kao Corp 水分散体の製造法
JP7382225B2 (ja) 2019-12-24 2023-11-16 三菱鉛筆株式会社 水性ボールペン用インク組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000136339A (ja) 消しゴム消去性ボールペン用水性インキ組成物
JP2003105246A (ja) ボールペン用水性インキ
JP4397484B2 (ja) ボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2003073605A (ja) ボールペン用水性顔料インキ
JP2002206066A (ja) ボールペン用インキ及びこれを使用したボールペン
JP3743110B2 (ja) ボールペン用水性インキ
JP4403637B2 (ja) ボールペン用水性インキ
JP3716545B2 (ja) 高隠蔽性金属光沢色水性インキ
JP2004149681A (ja) 消しゴム消去性筆記具用水性インキ組成物
JP2000256604A (ja) 消去性インキ組成物
JP2004143381A (ja) 筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物及びその製造方法
JPH10195363A (ja) ボ−ルペン用水性インキ
JP4972303B2 (ja) 色材組成物
JP3775054B2 (ja) ボールペン用水性インキ
JPH1067961A (ja) 水性インキ組成物
JP2008115206A (ja) ボールペン用水性インキ組成物
JP3348183B2 (ja) ボールペン用水性顔料インキ
JPH05311105A (ja) 水性顔料組成物
JPH10330676A (ja) ボ−ルペン用水性インキ
WO1999061536A1 (fr) Additif destine a une encre a base d'huile et stylo a bille a base d'huile contenant cet additif
JP3486688B2 (ja) ボールペン用水性金属光沢色インキ
JP2001011358A (ja) ボールペン用水性顔料インキ
JP3899714B2 (ja) ボールペン用水性インキ
JP4860846B2 (ja) 水性ボールペン用インキ組成物及び当該組成物を用いた水性ボールペン
JP2001131457A (ja) ボールペン用水性顔料インキ