JP2002004015A - 鉄系アモルファス球状粒子 - Google Patents

鉄系アモルファス球状粒子

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JP2002004015A
JP2002004015A JP2000185742A JP2000185742A JP2002004015A JP 2002004015 A JP2002004015 A JP 2002004015A JP 2000185742 A JP2000185742 A JP 2000185742A JP 2000185742 A JP2000185742 A JP 2000185742A JP 2002004015 A JP2002004015 A JP 2002004015A
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Akihisa Inoue
明久 井上
Nobukatsu Kurosaki
順功 黒崎
Kiyoshi Okumura
潔 奥村
Koji Kajita
浩二 梶田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汎用材である安価なFeに、比較的安価な従
来材料(Ni、Mo等)を添加したより価値のあるアモ
ルファス球状粒子を提供すること。 【解決手段】 アトマイズ法で形成されてなる鉄系アモ
ルファス球状粒子。該鉄系アモルファス球状粒子の組成
が、Ni:15〜45at%、Si:5〜15at%、B:
10〜25at%、Mo:0〜5at%、Fe:残部であ
る。また、該鉄系アモルファスの粒径が0.02〜1.
5mmである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブラスト加工等におけ
る投射材(ショット)や、ボールミル、アトライター等
における粉砕用ボール(粉砕媒体)として利用可能な鉄
系アモルファス球状粒子及びその製造方法、さらにはそ
の使用方法に関する。より詳しくは、球状粒子径が0.
02〜1.5mmの鉄系アモルファス球状粒子及びその製
造方法に関する。
【0002】ここで「鉄系」とは、Feが半分以上含ま
れているものばかりでなく、Feと合わせてNi等の鉄
族元素が主体成分であるものも含む。
【0003】また、本明細書中で「球状粒子」とは真球
状のみではなく、外観上ほぼ球状である粒子のことをい
い、扁平、楕円球形、等の粒子を除く概念である。
【0004】
【従来の技術】上記投射材や粉砕用ボールとしては、従
来より各種粒径のものが使用されている。そのうち、直
径0.01〜2mm程度の、汎用の鉄系合金球状粒子とし
ては、鉄鋼、鋳鉄、ステンレス鋼等を略球形に造粒(製
造)したものが使用されていた。
【0005】上記合金球状粒子はその使用特性により、
耐衝撃性等が要求される。そのため、機械的性質(強
度、硬度、弾性率等)、磁気的性質、耐食性等に優れた
材料であるアモルファス球状粒子を使用することが種々
提案されてきた。
【0006】アモルファス化させるためには金属結晶が
生じないよう、105 K/秒以上の冷却速度で急冷する
ことが必要であり、液体急冷法に代表される様々の方法
で作製可能である。具体的には、ローラアトマイズ法、
水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、RSR法、回転水
噴霧法、ガス−水アトマイズ法、超音波アトマイズ法等
により急冷凝固する方法が提案されている。(特表平6
−505533・7−500875号、特開昭60−2
4335・61−41733号公報等参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アモルファス
を製造するには上記のごとく急冷が必要である。冷却が
十分でないと、結晶が混在したり、完全に結晶化した合
金となるため、アモルファス(無定形、非晶質)状態を
得難い。
【0008】例えば、ガスアトマイズ法は、真球粒子が
得られる特徴があるが、ガスによる冷却能力に限界があ
り、概略0.1mm以下のアモルファス粒子の製作に用い
られている。
【0009】また、水アトマイズ法の場合も、同様に概
略0.1mm以下のアモルファス粒子しか得ることができ
なかった。水そのものの冷却能力は高いものの、水が溶
湯に触れて急激に発生する水蒸気(エアーギャップ)の
影響により冷却能力が低下するためである。
【0010】このように、従来の方法では、アモルファ
スの大径粒子(約1mm以上)を製作することは到底困難
であった。
【0011】なお、本願出願人と同一人は、先に非晶質
成分金属をベースとした耐衝撃性鉄系合金球状粒子を提
案している(特許第2926397号公報参照)。しか
しながら、完全なアモルファス粒子は得られておらず、
十分にその特性を発揮できなかった。
【0012】そのため、高い冷却能力が得られやすい比
較的小径の粒子、箔材、線材等の生産に限られていた。
【0013】近年、低い冷却能力でアモルファス化する
材料が発見され、より大きな形状(大径)のアモルファ
ス材が生産可能となった。しかし、一般には非常に高価
な材料(Pd、Zr等)を主成分とするため、実用的で
はない。
【0014】本発明は、上記にかんがみて、汎用材であ
る安価なFeに、比較的安価な従来材料(Ni、Mo
等)を添加したより実用価値の高いアモルファス球状粒
子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記各構成に
より上記課題を解決するものである。
【0016】(1) 本発明の鉄系アモルファス球状粒子
は、アトマイズ法で形成されてなるものにおいて、該鉄
系アモルファス粒子の組成が、Ni:15〜45at%、
Si:5〜15at%、B:10〜25at%、Mo:0〜
5at%、Fe:残部であって、鉄系アモルファス粒子径
が0.02〜1.5mm、望ましくは0.1〜1.5m
mであることを特徴とする。
【0017】(2) 上記本発明の鉄系アモルファス球状粒
子は、溶湯を、アトマイズ圧1000kPa以下で粉砕
化すると同時に、流速:5〜50m/sの回転冷却液中
に突入させるアトマイズ法を利用して製造することがで
きる。
【0018】(3) 上記本発明の又は本発明の方法で製造
した鉄系アモルファス球状粒子は、ブラスト加工のショ
ット材として好適である。例えばピーニング処理におい
て、後述の如くHV 硬さ1000相当(900〜110
0)において従来にない高寿命を達成できる(表6参
照)。
【0019】
【手段の詳細な説明】上記各手段について、詳細に説明
をする。
【0020】本発明において、球状粒子を製造する理由
は、本球状粒子をブラスト加工等の表面処理に使用した
場合、より安定した表面処理を可能とするためである。
粒子形状が球形でないと、均一な加工ができず表面粗さ
が目立ち、より良質の製品を製造するのが困難となる。
【0021】(1) 本発明の鉄系アモルファス球状粒子の
Fe以外の添加金属・半金属の添加理由及び上記組成と
する理由は、下記のとおりである。
【0022】Niの含有量は、15〜45at%、望ま
しくは25〜35at%とする。Niは、耐衝撃性等の機
械的特性の改善(耐酸化性の向上に基づくと推定され
る。)とともに、アモルファス形成能の向上及び球状性
改善のために添加する。
【0023】Niの含有量が過少では、機械的特性の向
上効果が得難いとともに、合金溶湯に球状化可能なレベ
ルの表面張力を得難くアモルファス形成能が低下する。
一方、過多でも、やはり、機械的特性が低下し、アモル
ファス形成能が低下する。その理由は、球状粒子にガス
欠陥ができ易い(本発明者らが確認している。)ためと
推定される。
【0024】半金属元素であるSi、Bの含有量はそ
れぞれ、Si:5〜15at%、B:10〜25at%とす
る。当該半金属元素は、高硬度化と組織の微細化のため
に添加し、アモルファス形成能を向上させる。当該半金
属元素の含有量が過少では、組織の微細化及び高硬度化
の効果(いずれも耐衝撃性の向上に寄与する。)を得難
い。逆に過多では、酸化膜が形成され易く、脆くなって
耐衝撃性が低下するおそれがある。
【0025】Moの含有量の範囲は、0〜5at%、望
ましくは1〜3at%とする。当該耐食性付与元素は、ア
モルファス形成能のさらなる向上(耐酸化性の向上及び
組織の微細化に基づくと推定される。)と耐食性向上の
ために添加する。少量添加することで、アモルファス形
成能が格段に向上し、1.5mmまでの粒子がアモルフ
ァス化する。当該耐食性付与元素の含有量が過少である
と、合金粒子に耐食性を付与し難く、更なる耐食性の改
善が望めず、耐食性付与元素の含有量が過多であると、
球状化性を阻害するおそれがあるとともに、不定形とな
り耐衝撃性にも悪影響を与えるおそれがある。
【0026】なお、残部を実質的に構成するFeは、
通常、Al、Mn、V、W、Co、Cu、Sn、Ti、
Zr、Ta、C、P、Ge、Cr、Nb等の不純物を含
む。しかし、それらの含有量の合計が3at%以下であれ
ばアモルファス形成能の低下がほとんど観測されないこ
とを、本発明者らは実験的に確かめている。したがっ
て、それらの不可避不純物を3at%以下で含んでいて
も、本発明の範囲内である。
【0027】(2) 上記化学組成の鉄系アモルファス球状
粒子は、構造をアモルファス化させるために、下記のよ
うな方法で製造することが望ましい。
【0028】溶湯を、アトマイズ圧1000kPa以下
(望ましくは400〜700kPa)で粗分散化(粗粉
砕化)すると同時に、流速:5〜50m/s(望ましく
は10〜30m/s)の回転冷却液中に突入させてアト
マイズ法により製造する。
【0029】第一に溶融させて相溶した液体単相の溶湯
を得ることが必要であって、このような状態を経ること
で均一(均質)な合金を得ることが可能となる。次いで
合金を上記手順で粒子化するとともにアモルファス構造
を有した鉄系アモルファス球状粒子を得る。
【0030】従来の球状粒子製造に使用されている各種
アトマイズ方式と、現在知られている鉄系合金組成の組
み合わせでは、大径(特に1.5mm前後)の鉄系アモ
ルファス球状粒子を得ることはできなかった。
【0031】本発明では、アモルファス形成能の優れた
合金組成を見出すとともに、十分な冷却効果を得るため
に、アトマイズ圧を低圧(1000kPa以下)で、溶
湯流を未凝固のままで粗分散化(粗粉砕化)させた後、
冷却媒体である冷却液(通常、冷却水)と効率的に接触
させることによって本組成範囲で大径の球状粒子をアモ
ルファス化させることに成功した。
【0032】アトマイズ圧が高すぎると、微分散(微粒
化)されて、大径の球状粒子を得難くなる。アトマイズ
圧が低過ぎると、分散状態が粗過ぎて、球状化に必要な
(表面張力(凝集力)が確保できず、球状化が困難とな
るとともに、アモルファス化に必要な冷却速度が中心部
側で得難くなる。
【0033】冷却液の流速が低過ぎると、アモルファス
化に必要な冷却速度が得難くなる。流速が高すぎると、
粒子の球状化が阻害され、球状化が困難となり、扁平状
となり易くなる。
【0034】具体的には、図1に示すような回転冷却槽
を有したアトマイズ装置を使用することができる。
【0035】該アトマイズ装置12は、上部に溶解るつ
ぼ14を備えた溶解チャンバー16を、中間部に噴射ガ
スノズル18を備えた噴霧チャンバー20を、下部に回
転液槽22が配された構成である。回転液槽22へは、
ポンプ24を介して冷却液槽26から常に冷却液が流入
される構造とされている。なお、冷却液は通常2〜5℃
に保たれている。
【0036】冷却液としては、アモルファス形成に必要
な冷却能力をもつ液体であればよいが、通常、生産性の
見地から水を使用する。
【0037】本発明における組成を有する合金の溶湯
を、上記装置の溶解るつぼ14の底部のノズル14aか
ら流出させながら、アトマイズガス(圧縮ガス)を低圧
噴射して分散(粗砕)しながら、回転水槽中の水流に溶
湯を突入させ急速冷却する。冷却の際に発生する水蒸気
膜は、冷却液の高速回転による遠心力で粒子から離れ、
常に一定の冷却能力を保持したまま球状アモルファス粒
子を得ることができる。得られた球状アモルファス粒子
は、冷却水とともに排水口28を介して系外に排出され
る。
【0038】ノズル径は、所要粒子径に応じて異なり、
例えば、1.5mmφの球状粒子を得たい場合、2〜5mm
とする。
【0039】なお、本発明に使用するアトマイズ装置は
図例のものに限定されるわけではなく、本発明の製造方
法の技術的範囲を逸脱しない限り種々の設計変更が可能
である。
【0040】アモルファス材料は基本的には不活性雰囲
気内で製作されるが、本合金に関しては耐酸化性が良い
ため大気雰囲気でも十分に粒子がアモルファス化するこ
とを本発明者らは確認している。
【0041】また、このようにして得た鉄系アモルファ
ス粒子の用途は、前記粉砕媒体としても使用可能である
が、ブラスト加工のショット材として好適であり、例え
ば、ショットピーニング加工をある一定条件で行なった
場合、後述の試験例で示す如く、ショット材として、高
硬度であっても高寿命を達成できる(表6参照)。
【0042】
【発明の効果】本発明は、上記金属組成とすることによ
り、さらには、該金属組成に特定(条件を含む。)のア
トマイジング法で造粒することにより、汎用金属である
Feをべースとし、相対的に安価な汎用金属材料(N
i、Mo等)を添加した組成の鉄系アモルファス球状粒
子であって、従来は製造不可能であった、より大径の球
状粒子を製造することが可能となった。
【0043】そして、本発明の球状粒子をピーニング加
工のショット材として使用した場合、従来のピーニング
で所定の残留応力を付与できなかった高硬度材料にも、
高い圧縮応力を付与することが可能となった。
【0044】また、本発明品はアモルファス構造で高硬
度にもかかわらず靱性に富むので、従来の高硬度材料に
比して、長寿命であり、工業的有用性がある。
【0045】すなわち、従来用いられている超硬合金シ
ョット等セラミックス系ショットのような高硬度粒子は
非常に脆く、使用中の消耗が激しいので、実用上不便で
あり、高速度投射には適さなかったが、本発明品は高速
度投射にも適する。
【0046】
【試験例】以下に、本発明の効果を確認するために行な
った、試験例(実施例・比較例)について説明する。
【0047】以下において、アモルファス構造の可否
は、粒子を樹脂埋め、断面研削・研摩後に腐食性溶液に
よるエッチング処理後の組織観察により判断した。
【0048】<試験例1>下記組成となるように調製し
た金属混合体を図1に示すアトマイズ装置を使用して、
下記条件で鉄系粒状物を調製(造粒)した。
【0049】組成…Ni:40at%、Si:8at%、
B:17at%、Mo:2at%、Fe:残部 アトマイジング条件……溶解温度:1350℃、ノズル
径:2mmφ、使用ガス・温度:アルゴン,20℃、アト
マイズ圧:600kPa、冷却水温度・冷却水速度:1
℃・15m/s、雰囲気:大気中 上記で調製した鉄系粒状体を、篩い分級(JIS Z 8801
対応)して、それぞれのサイズについて、X線回折装置
(装置名「ガイガーフレックス CN2013」理学電
機社製)を用いて、アモルファス度を確認した。
【0050】それらの結果を示す図2から、最大径の
(−1.7+1.4mm)においても、結晶構造を示す明
瞭なピークが現れずアモルファスとなっていることが分
かる。
【0051】ただし、1.5mmを越えるものは、形状が
扁平状となり、球状粒子が得られなかった。
【0052】<試験例2>アモルファス粒子中のNi含
有量の効果を調べるために、Niの含有量を本発明の範
囲内(15〜45at%:実施例)及び範囲外(比較例)
でそれぞれ変化させて、前述と同様にして図1に示すア
トマイズ装置を使用して、上記と同様の条件で鉄系粒状
物を調製した。
【0053】各アモルファス粒子の臨界粒径を示す表1
から、下記のことが分かる。
【0054】Niの含有量が本発明の範囲内であると、
最大粒径1.5mmのアモルファスが作製できる。Ni
過少添加では、球状化が低下し芋虫型の粒子となり、結
晶粒子が混在し出す。また、過多添加では、球状化は保
てるが、結晶粒子が混在し出す。
【0055】
【表1】 <試験例3>Si、B含有量の効果を調べるために、そ
れぞれSi、Bの含有量を本発明の範囲内(Si5〜4
5at%、B10〜25at%:実施例)及び範囲外(比較
例)でそれぞれ変えて、試験例1と同様にして鉄系粒状
物を調製した。
【0056】それらのアモルファス粒子の臨界粒径を示
す表2から下記のことが分かる。
【0057】Si、Bの含有量が本発明の範囲内である
とすれば、最大粒径1.5mmのアモルファス粒子が作
できる。Si、B含有量が範囲外であると、粒子アモル
ファス化を阻害し、最大粒径1.5mmのアモルファス粒
子が作できない。
【0058】
【表2】 <試験例4>Mo含有量の効果を調べるために、Moの
含有量を本発明の範囲内(0〜5at%:実施例)、及び
範囲外(比較例)でそれぞれ変えて、試験例1と同様に
して鉄系粒状物を調製した。
【0059】それらのアモルファス粒子の臨界粒径を示
す表3から、下記のことが分かる。
【0060】Mo含有量が本発明の範囲内であるとすれ
ば、最大粒径1.5mmのアモルファス粒子が作できる
ことになる。Mo無添加でも粒径1mm近くのアモルファ
ス粒子が作製できるが、1〜5at%添加でアモルファス
形成能が格段に向上し、粒径1.5mmまでの粒子がアモ
ルファス化する。
【0061】
【表3】 <試験例5>冷却水流速のアモルファス粒子に臨界粒径
に与える影響を調べるために、前述の図1に示す高速回
転水流アトマイズ法を用いて、冷却水水流速度以外は、
試験例1と同様にして鉄系粒状物を調製した。
【0062】試験例5においては最もアモルファス形成
能が高い組成、Ni:30at%,Si:9at%、B:1
8at%、Mo:3at%、Fe:残部、の組成の合金を使
用した。
【0063】それらの結果を示す表4から、下記のこと
が分かる。
【0064】冷却水流速が5m/s以上であれば、粒子
のアモルファス化が格段に向上し、粒径1.5mmまでの
粒子がアモルファス化する。また、50m/sを越える
と、目的とする粒子の形状が、扁平状となってしまうこ
とが分かる。
【0065】
【表4】 <試験例6>本実施例において、本発明のアモルファス
粒子をショット材として採用した場合の効果を調べるた
めに、ショットピーニング処理におけるショット材の影
響について、下記条件でショットピーニング加工を行な
った。なお、各ショット材の粒径は、いずれも0.2mm
φのものを使用した。
【0066】ブラスト装置:新東ブレーター社製『マイ
ブラスト装置MY30』 被加工物:金型(材質SKD11 ビッカース硬度HV
770) 加工条件:噴射圧0.4MPa、噴射ノズル口径6mm、
噴射距離150mm、噴射量1.3kg/min アモルファスショットのピーニング効果を示す表5、図
3から、下記のことが分かる。
【0067】アモルファスショットが高硬度であるため
高い残留応力を被処理物に付与することができる。
【0068】
【表5】 <試験例7>ピーニング加工におけるショット材の種類
と投射速度(噴射速度)の影響を調べるために、加圧式
ピーニング装置(装置名「MY−30」新東ブレーター
社製)を用いて、自動車用ギア材SCM420を処理し
た場合について、最大残留圧縮応力を調べた。
【0069】それらの結果を示す表6から、下記のこと
が分かる。
【0070】本発明のアモルファス球状粒子ををショッ
ト材として使用した場合、通常使用されている鋼球のピ
ーニング材を使用した場合と比較して、より低い投射速
度で、鋼球(ショット)を用いた場合には付与すること
のできない1500MPa以上の残留圧縮応力を与える
ことができる。
【0071】また、高残留応力を付与するために使用さ
れる超硬のピーニング材を使用した場合と比較して、寿
命値は数倍から数十倍となり、投射剤の消耗を抑えるこ
とができる。
【0072】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアモルファス球状粒子を製造可能なア
トマイズ装置の一例を示すモデル図
【図2】X線回折を用いて本発明のアモルファス度を測
定したチャート図
【図3】実施例5における残留圧縮応力を示したグラフ
【符号の説明】
12 アトマイズ装置 14 溶解るつぼ 18 噴射ガスノズル 22 回転液槽 26 冷却液槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒崎 順功 愛知県西春日井郡西春町大字宇福寺神明51 番地 新東ブレーター株式会社内 (72)発明者 奥村 潔 愛知県西春日井郡西春町大字宇福寺神明51 番地 新東ブレーター株式会社内 (72)発明者 梶田 浩二 愛知県西春日井郡西春町大字宇福寺神明51 番地 新東ブレーター株式会社内 Fターム(参考) 4K017 AA04 BA06 BB04 BB06 BB13 BB16 CA01 DA05 DA09 EK01 EK02 FA06 FA11 FA24 4K018 AA25 BB03 BB04 BB07 BD06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アトマイズ法で形成されてなる鉄系アモ
    ルファス球状粒子において、 該鉄系アモルファス球状粒子の組成が、Ni:15〜4
    5at%、Si:5〜15at%、B:10〜25at%、M
    o:0〜5at%、Fe:残部であり、 かつ、該鉄系アモルファスの粒径が0.02〜1.5m
    mであることを特徴とする鉄系アモルファス球状粒子。
  2. 【請求項2】 前記鉄系アモルファスの粒径が0.1〜
    1.5mmであることを特徴とする請求項1記載の鉄系
    アモルファス球状粒子。
  3. 【請求項3】 前記鉄系アモルファス球状粒子が、ブラ
    スト加工のショット材であることを特徴とする請求項1
    又は2記載の鉄系アモルファス球状粒子。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の鉄系アモルファス
    球状粒子の製造方法であって、 溶湯を、アトマイズ圧1000kPa以下で粗分散化
    (粗粉砕化)すると同時に、流速:5〜50m/sの回
    転冷却液中に突入させてアトマイズ法により製造するこ
    とを特徴とする鉄系アモルファス球状粒子の製造方法。
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