JP2002003519A - 有機開始剤及び該有機開始剤の不飽和モノマーの重合における使用 - Google Patents

有機開始剤及び該有機開始剤の不飽和モノマーの重合における使用

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JP2002003519A JP2001149398A JP2001149398A JP2002003519A JP 2002003519 A JP2002003519 A JP 2002003519A JP 2001149398 A JP2001149398 A JP 2001149398A JP 2001149398 A JP2001149398 A JP 2001149398A JP 2002003519 A JP2002003519 A JP 2002003519A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不飽和ビニルモノマー及び/又はビニリデン
モノマーのラジカル重合にリビング重合の特性を付与
し、したがって、ブロックコポリマーの製造を可能とす
るとともに、ニトロキシルラジカル及びペルオキシドラ
ジカルに基づく従来系と比較して、はるかに低い温度で
重合を活性化する開始剤、及びそれを用いた不飽和モノ
マーの重合方法の提供。 【解決手段】 不飽和ビニルモノマー及び/又はビニリ
デンモノマーの重合方法であって、一種以上のモノマー
を、窒素原子を酸素原子に結合して有する複素環式開始
剤の存在下で、100〜130℃の温度範囲で反応させ
ることを含む、重合方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、不飽和ビニルモノマー及び/又
はビニリデンモノマーのラジカル重合用の一連の新規な
開始剤群に関するものである。
【0002】より詳細には、本発明は、ビニル芳香族モ
ノマー用の新規な開始剤群、及び該開始剤のビニル芳香
族モノマーのラジカル重合における使用に関するもので
ある。
【0003】本発明の対象とする開始剤は、上記重合
に、「リビング」重合の特性を付与し、したがって、ブ
ロックコポリマーの製造を可能とする。ニトロキシルラ
ジカル及びペルオキシドラジカルに基づく従来系と比較
して、本発明の開始剤は、はるかに低い温度(約100
℃)でスチレンの重合を活性化する。
【0004】不飽和モノマーの重合は、好適な開始剤、
通常典型的には過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル、
過酸化ジクミル等)又はアゾビス(イソブチロニトリ
ル)等のアゾ化合物の存在下でラジカル的に進行する。
場合によっては、例えば、スチレンの場合のように、重
合は、モノマーを一定温度以上(100〜110℃)に
加熱して、それによって重合を開始する不対電子含有の
特定の付加物を生成させることにより、自発的に行うこ
とができる。これらの全ての場合において、重合は、
「非リビング」である。すなわち、高分子マクロラジカ
ルが、極めて短時間にその分子量を増加し、末端反応又
は連鎖移動反応を生じて、鎖が中断する。また、自体の
半減期によって特徴付けられ、したがって一定時間にわ
たって重合を生じさせるラジカル種を連続的に発生する
開始剤との反応により他の鎖が同時に形成し始める。
【0005】従って、このプロセスでは、分子量を制御
することが不可能であるどころか、末端反応及び連鎖移
動反応の結果、アニオン重合の場合のようなブロックポ
リマーを製造できない。「リビング」と称されるこの後
者の種類の重合では、連鎖移動反応や末端反応が実質的
になく、したがって、高分子上に第二モノマーのブロッ
クを成長させることができる。さらに、ポリマー鎖は、
全て同時に発生し且つ同じ速度で成長するので、末端ポ
リマーは極めて狭い分子量分布を有し、分子量は予め所
望のように定めることのできるモノマー/開始剤比のみ
によって決まる。
【0006】一連の開始剤系が最近見いだされた。これ
らの開始剤系は、「リビング」プロセスに特徴的なラジ
カル重合を生じさせることもできる。イニファターを使
用することが、「Macromolecular Ch
emistry、RapidCommunicatio
n」3、127、1982に記載されている。これらの
物質は、熱及び/又は光化学開始剤並びに連鎖移動剤及
び可逆連鎖停止剤として作用する。これらが可逆的でな
い場合には、従来のラジカル重合の範疇に分類される。
イニファターとして、ジアルキルチオウラムジスルフィ
ド、ジアリールジスルフィド等が明記されている。メチ
ルメタクリレート、スチレン、メチルアクリレート及び
ビニルアセテートから選択されるモノマーを、重合す
る。
【0007】この方法の欠点は、開始剤の分解により生
成されるラジカルの両方はモノマーを付加することがで
きること、及びこのプロセスを開始するのにほとんどの
場合紫外線を使用するので、工業的利用可能性が限定さ
れていることにある。これに加えて、「Polymer
Bulletin」(Berlin)、7、197、
1982に記載されているように、顕著な連鎖停止反応
が生じ、その結果重合寿命が失われる。
【0008】開始剤の他の例として、熱分解してジフェ
ニルアルキルラジカルを生じるテトラアリールエタン類
(Macromolecular Chemistr
y、184、745、1983)及びシリル化ピナコー
ル類(Journal ofPolymer Scie
nce、Polymer Chemistry Ed、
24、1251、1986)が挙げられるが、これらの
系は、あまり効率的でなく、したがって、開発されるこ
とはなかった。
【0009】米国特許第4,581,429号明細書で
は、まず、RN−O−X(式中、R及びR
は、窒素原子に隣接する炭素に水素を有しない置換基
であり、一方、Xは、NO−X結合の熱切断の結果形成
される対応のXラジカルがラジカル機構により不飽和モ
ノマーを重合できる性質を有する置換基である)型開始
剤(アルコキシアミン類)を使用することによるホモポ
リマー及びコポリマーの合成に言及している。連鎖成長
反応の抑制は、結合の切断反応が平衡反応であり、形成
したニトロキシラジカルはモノマーのラジカル重合を開
始することができないことによるものである。また、種
々に置換されたアルコキシアミン類の使用及びそれらの
合成については、Macromolecules、2
8、2993(1995)及びPolymer Pre
prints、40、2、315(1999)に記載さ
れている。
【0010】米国特許第5,322,912号明細書で
は、アルコキシアミンは、安定なニトロキシラジカル、
ペルオキシド及びモノマーを混合し、好適な温度に加熱
することにより、反応環境において直接発生される。
【0011】米国特許第5,627,248号及び第
5,677,388号各明細書には、ラジカル重合プロ
セスにおいて、一般式RN−O−C(R
−R−C(R)−O−NRで表される二
官能アルコキシアミン類を使用することが記載されてい
る。
【0012】米国特許第5,910,549号明細書に
は、ニトロキシラジカルを出発点としてアルコキシアミ
ン類を製造する方法が記載されているが、全ての従来例
と同様に、可能なニトロキシラジカルや可能なアルコキ
シアミン類に関する請求項において、窒素及び酸素は、
環の一部分を構成していない。
【0013】国際特許出願WO96/30421明細書
において、Cu(I)/2ビピリジル等の遷移金属によ
り触媒される可逆的レドックス反応によりハロゲン化ア
ルキルが発生する成長しているラジカルにモノマーを添
加することからなる新規なプロセスが提案されている。
極性モノマーをこのようにして重合でき、この場合、ブ
ロックコポリマー及びグラフトコポリマーも得られる可
能性がある。この技術の欠点の一つは、合成物質中の金
属性残留物に関連するものであり、連鎖の崩壊を生じて
転位を受け、また、低分子量物が生成することがある。
【0014】Polym. Prep.、35(1)、
704(1994)は、メタクリレートの重合における
制御剤としてコバルトポルフィリンを使用することを記
載している。これらの系は高分子量及び低多分散度を有
するポリマーを生成するが、コストが高く、担持されて
いない、したがって濾過しない場合には、ポリマーが望
ましくない着色を生じた状態となる。
【0015】国際特許出願WO98/01478明細書
には、RAFT(Reversible Additi
on−Fragmentation Transfe
r)と称される新規なリビングラジカル重合方法が記載
されている。この方法では、一般式S=C(Z)SRで
表されるチオエステルを連鎖移動剤として使用してい
る。アクリルモノマーもこの方法で重合されるが、これ
らが放出されると、悪臭や、硫化された化合物が低分子
量であるために望ましくないポリマーの着色の問題が生
じることがある。
【0016】本発明者らは、今般、不飽和モノマー、特
にビニル芳香族モノマーの重合において活性である新規
な種類の開始剤を見いだした。これらの開始剤は、ブロ
ック構造を形成できるというさらなる利点を有してい
る。これらの開始剤は、100℃ですでに活性であり、
特定の放射線源を使用しなくても熱的に活性化され、従
来公知の系とは異なるものである。さらに、ペルオキシ
ド又はアゾ化合物とニトロキシルラジカルとの組み合わ
せに基づく系とは異なり、”一成分”であるので、反応
相での投入が非常に容易である。
【0017】したがって、本発明によれば、不飽和ビニ
ル及び/又はビニリデンモノマーの重合用有機開始剤で
あって、同一環において酸素原子に結合した窒素原子を
有する複素環構造を有するとともに、以下に示す構造
(I)〜(X)から選択される一般式を有することを特徴
とする、有機開始剤が提供される。
【化2】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5のうちの一つだ
けが水素であり、残りが直鎖または分岐鎖のC〜C
アルキルラジカル又はC〜C12アリールラジカルで
あり、R4とR5のうちの一つが水素である場合には残
りのR4又はR5がアリールラジカルであり、R1とR
2とR3のうちの一つが水素である場合には残りのR1
とR2とR3のうちの一つだけがアリールラジカルであ
り、R6は、水素原子又は直鎖または分岐鎖のC〜C
アルキルラジカル又は−CH−R14基(式中、R
14は、C〜Cアルキルラジカル、C〜C
リール又はC〜C15アルキルアリールラジカルを表
す)を表し、Arは、芳香族環上に、置換基、典型的に
はハロゲン、直鎖または分岐鎖のC 〜Cアルキル基
又はカルボキシル基、を有することができるフェニルで
あり、R7〜R13は、各々独立的に塩素等のハロゲン
若しくは水素原子を表すか、C〜Cアルキル基、任
意にハロゲン化されたC〜C12アリール基、炭素数
1〜15のカルボキシル基、アルコキシル基若しくはア
シル基、炭素数15以下のスルホン酸基、ホスホン酸
基、ホスフィン酸基、アミン基、アミド基若しくは硝酸
基から選択されたものである)。
【0018】一般式(I)で表される構造としては、例
えば、下記のものがある。2−(1,1−ジメチルエチ
ル)−3−エチル−4−フェニル−1,2−オキサゼチ
ジン、2−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチル−
4−フェニル−1,2−オキサゼチジン、2−(1,1
−ジメチルエチル)−3,3−ジメチル−4−フェニル
−1,2−オキサゼチジン、2−(1,1−ジメチルエ
チル)−3,4−ジフェニル−1,2−オキサゼチジ
ン。
【0019】一般式(II)で表される構造としては、
例えば、下記のものがある。2−(1,1−ジメチルエ
チル)−3,3−ジメチル−5−フェニル−イソオキサ
ゾリジン、2−(1,1−ジメチルエチル)−3,5−
ジフェニル−イソオキサゾリジン、2−(1−メチルエ
チル)−3,3−ジメチル−5−フェニル−イソオキサ
ゾリジン、2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3−
ジメチル−5−(4−メトキシフェニル)−イソオキサ
ゾリジン、2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3−
ジメチル−5−(4−クロロフェニル)−イソオキサゾ
リジン、2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3−ジ
メチル−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−イソオ
キサゾリジン。
【0020】一般式(III)で表される構造として
は、例えば、下記のものがある。2−(1,1−ジメチ
ルエチル)−3,3−ジメチル−6−フェニル−2H−
3,4−ジヒドロ−5,6−ジヒドロ−1,2−オキサ
ジン、2−(1,1−ジメチルエチル)−3,6−ジフ
ェニル−2H−3,4−ジヒドロ−5,6−ジヒドロ−
1,2−オキサジン、2−(1−メチルエチル)−3,
3−ジメチル−6−フェニル−2H−3,4−ジヒドロ
−5,6−ジヒドロ−1,2−オキサジン、2−(1,
1−ジメチルエチル)−3,3−ジメチル−6−(4−
メトキシフェニル)−2H−3,4−ジヒドロ−5,6
−ジヒドロ−1,2−オキサジン、2−(1,1−ジメ
チルエチル)−3,3−ジメチル−6−(2,4−ジメ
トキシフェニル)−2H−3,4−ジヒドロ−5,6−
ジヒドロ−1,2−オキサジン、2−(1,1−ジメチ
ルエチル)−3,3−ジメチル−6−(4−クロロフェ
ニル)−2H−3,4−ジヒドロ−5,6−ジヒドロ−
1,2−オキサジン。
【0021】一般式(IV)で表される構造としては、
例えば、下記のものがある。1−(1,1−ジメチルエ
チル)−3−フェニル−1H−3,4−ジヒドロ−2,
1−ベンゾオキサジン、1−(1,1−ジメチルエチ
ル)−3−フェニル−5−メチル−1H−3,4−ジヒ
ドロ−2,1−ベンゾオキサジン、1−(1,1−ジメ
チルエチル)−3−フェニル−5,8−ジメトキシ−1
H−3,4−ジヒドロ−2,1−ベンゾオキサジン、1
−(1,1−ジメチルエチル)−3−フェニル−6,7
−ジメトキシ−1H−3,4−ジヒドロ−2,1−ベン
ゾオキサジン、1−(1,1−ジメチルエチル)−3−
フェニル−5,8−ジクロロ−1H−3,4−ジヒドロ
−2,1−ベンゾオキサジン。
【0022】一般式(V)で表される構造としては、例
えば、下記のものがある。1,2,3,4−テトラヒド
ロ−7H−11bH−ピリド[2,1−d][2,3]
ベンゾオキサジン。
【0023】一般式(VI)で表される構造としては、
例えば、下記のものがある。1−(1,1−ジメチルエ
チル)−3−エチル−1H−3H−2,1−ベンゾオキ
サゾール、1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチ
ル−5−メトキシ−1H−3H−2,1−ベンゾオキサ
ゾール、1−(1,1−ジメチルエチル)−3−プロピ
ル−4,7−ジメチル−1H−3H−2,1−ベンゾオ
キサゾール、1−(1−メチルエチル)−3−エチル−
1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾール。
【0024】一般式(VII)で表される構造として
は、例えば、下記のものがある。1,4,4−トリメチ
ル−3−(1,1−ジメチルエチル)−1H−3,4−
ジヒドロ−2,3−ベンゾオキサジン、1,4,4−ト
リメチル−3−(1−メチルエチル)−1H−3,4−
ジヒドロ−2,3−ベンゾオキサジン、1,4,4−ト
リメチル−3−(1,1−ジメチルエチル)−5−メト
キシ−1H−3,4−ジヒドロ−2,3−ベンゾオキサ
ジン、1,4,4−トリメチル−3−(1,1−ジメチ
ルエチル)−5,8−ジクロロ−1H−3,4−ジヒド
ロ−2,3−ベンゾオキサジン。
【0025】一般式(VIII)で表される構造として
は、例えば、下記のものがある。1−(1,1−ジメチ
ルエチル)−1−アザ−2−オキサ−3H−フェンタレ
ン。
【0026】一般式(IX)で表される構造としては、
例えば、下記のものがある。3−フェニル−2−オキサ
−6,6−ジメチル−1−アザビシクロ[2.2.1]
ヘプタン、3−(4−メトキシフェニル)−2−オキサ
−6,6−ジメチル−1−アザビシクロ[2.2.1]
ヘプタン、3,6−ジフェニル−2−オキサ−6,6−
ジメチル−1−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
3−フェニル−2−オキサ−6,6−ジエチル−1−ア
ザビシクロ[2.2.1]ヘプタン。
【0027】一般式(X)で表される構造としては、例
えば、下記のものがある。3−フェニル−2−オキサ−
6,6−ジメチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オ
クタン、3−(4−メトキシフェニル)−2−オキサ−
6,6−ジメチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オ
クタン、3,6−ジフェニル−2−オキサ−6,6−ジ
メチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、3
−フェニル−2−オキサ−6,6−ジエチル−1−アザ
ビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0028】さらに、本発明によれば、少なくとも一種
のビニル芳香族モノマーを、一般式(I)〜(X)で表
される一種以上の開始剤の存在下で反応させることを含
む、ビニル芳香族モノマーの重合方法が提供される。
【0029】本明細書及び特許請求の範囲で使用されて
いる用語「ビニル芳香族モノマー」とは、主にスチレン
を意味するが、また、C〜Cアルキルラジカル、C
〜Cアリールラジカル、ハロゲンラジカル又はニト
ロラジカルで置換された一つ以上の水素原子を有する他
のスチレン系モノマー、例えば、メチルスチレン、ビニ
ルナフタレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレ
ン、トリクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ペン
タクロロスチレン、核アルキル化スチレン、例えば、o
−メチルスチレン、m−メチルスチレン及びp−メチル
スチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン及
びp−エチルスチレン等をも意味する。これらのスチレ
ン系モノマーは、単独又は互いに混合したもの及び/又
はスチレンとの混合物であってもよい。
【0030】前記ビニル芳香族モノマーは、例えば、全
モノマーに対して0.1〜50重量%の量のエチレン性
不飽和ニトリル(例えば、アクリロニトリル又はメタク
リロニトリル)との混合物として使用するか、あるい
は、前記エチレン性不飽和ニトリルの代わりか、前記エ
チレン性不飽和ニトリルに加えて、前記ビニル芳香族モ
ノマーが40重量%を超える濃度で存在するような量の
他のエチレン性不飽和モノマーとの混合物として使用す
ることができる。
【0031】エチレン性不飽和モノマーの例には、アク
リル酸又はメタクリル酸のアルキル又はシクロアルキル
エステル(アルキル基は炭素数1〜4であり、シクロア
ルキル基は炭素数4〜10である)、例えば、メチルア
クリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレー
ト、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、シ
クロへキシルメタクリレート等がある。別のエチレン性
不飽和モノマーは、無水マレイン酸であることができ
る。
【0032】また、ブロックコポリマーを、第一モノマ
ー又はモノマー混合物を転化率が5〜99%の範囲とな
るまで重合させた後、第二モノマー又はモノマー混合物
を供給することにより製造することもできる。第一コポ
リマーブロックを非溶媒で沈殿させて分離後、前記モノ
マー又はモノマー混合物中に溶解することにより再共重
合して第二コポリマーブロックを形成できる。
【0033】希釈剤として作用する不活性溶媒を、重合
すべき混合物に、前記混合物自体に対して20重量%以
下(好ましくは、1〜15重量%)の量を添加する。好
適な不活性溶媒として、例えば、重合温度で液状の、芳
香族炭化水素類、例えば、エチルベンゼン、ケトン類、
エステル類及びニトリル類が挙げられる。上記したエチ
ルベンゼンに加えて、トルエン、キシレン類又はそれら
の混合物を、芳香族炭化水素類として使用できる。ケト
ン類としては、例えば、2−ブタノン、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン等がある。本方法に特に好適な
溶媒の他の例として、酢酸エチル及びアセトニトリルが
挙げられる。
【0034】重合反応は、反応温度が100〜130
℃、好ましくは120℃未満の範囲である以外は従来の
ペルオキシド重合と同様な条件下で実質的に実施する。
この重合は、水の存在下で実施することができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明及びその実施態様の理解を深め
るために、説明に役立ついくつかの非限定的実施例を記
載する。
【0036】例1:1−(1,1−ジメチルエチル)−
3−メチル−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾール
の合成
【化3】
【0037】a)中間体Aの合成
【化4】 o−ニトロアセトフェノン=10g(60.6ミリモ
ル) 塩化錫=41g(216.9ミリモル) 濃塩酸=105cc 塩化錫と濃塩酸とを仕込んだ。塊状物を10℃に冷却
し、ニトロアセトフェノンをゆっくりと滴下した。
【0038】滴下の最後に、混合物を、室温で2時間撹
拌した。この撹拌時間後、反応が完了したことを、TL
Cで確認した。
【0039】水と氷とを反応粗生成物に添加した後、有
機相を、エチルエーテルで抽出した。エーテル抽出物を
合わせて、重炭酸ナトリウムの希薄水溶液で洗浄後水で
洗浄して中性とし、硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を減
圧下で留去して、中間体A7.4g(TLCにて単一物
であることを確認、収率82%)を得た。
【0040】b)中間体Bの合成
【化5】 中間体A=7.4g(50ミリモル) ニトロメタン=150cc t−ブタノール=5.8cc(55ミリモル) 過塩素酸(70%)=4.9cc(78.4ミリモル) 試薬を記載の順番で仕込み、混合物を20℃で24時間
撹拌した。TLCにより、出発物質が消失したことを確
認した。
【0041】エチルエーテルを反応粗生成物に添加した
ところ、所望の過塩素酸塩が沈殿した。この沈殿を濾取
後、アセトンに溶解し、エチルエーテルで再沈した。中
間体B(白色固体)14g(収率92%)が得られた。
【0042】c)以下のスキームによる1−(1,1−
ジメチルエチル)−3−メチル−1H−3H−2,1−
ベンゾオキサゾールの合成
【化6】 中間体B=14g(46ミリモル) ホウ水素化ナトリウム=2g(52.6ミリモル) エタノール=100cc 上記過塩素酸塩とエタノールとを仕込んだ後、ホウ水素
化ナトリウムを少しずつ添加した。添加終了後、混合物
を、室温で30分間撹拌した。
【0043】水を反応粗生成物に慎重に添加したとこ
ろ、油状物が分離した。
【0044】エタノールを蒸発させ、残査をエチルエー
テルで抽出して、生成物7.4gを得た。生成物を、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィ(溶離剤:ヘキサン/
酢酸エチル=99:1)により精製した。得られた精製
物を、H−NMRで特性付けした。 (200MHz、CDCl)δ(ppm):1.3
(9H,s)、1.5(3H,d)、5.58(1H,
q)、6.9−7.2(4H)。
【0045】例2 窒素をバブリングすることにより脱気したスチレン20
ml(175ミリモル)と、エチルベンゼン1.5ml
に溶解した1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチ
ル−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾール(11.
5mg、0.0603ミリモル)とを、50ml試験管
に仕込んだ。
【0046】反応混合物を、125℃で5時間加熱し
た。反応混合物の試料を、一時間間隔で採取して転化率
と分子量とを測定した。
【0047】過剰のエタノールによる沈殿、濾過及び6
0℃での乾燥により、ポリマーを単離した。以下の表1
に、転化率の測定値とMn値とを示す。
【0048】 表1時間(h) 転化率(重量%) Mn 1 15 138,000 2 28 155,000 3 39 143,000 4 57 159,000 5 65 153,000
【0049】例2(比較例) 1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチル−1H−
3H−2,1−ベンゾオキサゾールの代わりに2,2,
6,6−テトラメチルピペリジニルオキシル(9.4m
g、0.0603ミリモル)及び75%過酸化ベンゾイ
ル(15mg、0.046ミリモル)を用いた以外は、
例2の操作を反復した。反応混合物の試料を、1.5時
間間隔で採取して転化率と分子量とを測定した。
【0050】過剰のエタノールによる沈殿、濾過及び6
0℃での乾燥により、ポリマーを単離した。表2に、得
られた転化率とMnのデータを示す。
【0051】
【0052】例3 窒素をバブリングすることにより脱気したスチレン30
ml(262ミリモル)と、エチルベンゼン2.25m
lに溶解した1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メ
チル−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾール17.
3mgとを、100ml試験管に仕込んだ。
【0053】反応混合物を、110℃で6時間加熱し
た。
【0054】過剰のエタノールによる沈殿、濾過及び6
0℃での乾燥により、ポリマーを単離した。その結果、
ポリスチレン7.75g(転化率28%相当)が得られ
た。
【0055】例3(比較例) 1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチル−1H−
3H−2,1−ベンゾオキサゾールの代わりに2,2,
6,6−テトラメチルピペリジニルオキシル(14.1
mg、0.0945ミリモル)及び75%過酸化ベンゾ
イル(22.5mg、0.069ミリモル)を用いた以
外は、例3の操作を反復した。6時間加熱しても、ポリ
マー生成物が得られなかった。
【0056】例4 窒素をバブリングすることにより脱気したスチレン20
ml(175ミリモル)と、エチルベンゼン1.5ml
に溶解した1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチ
ル−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾール(11.
5mg、0.0603ミリモル)とを、50ml試験管
に仕込んだ。
【0057】反応混合物を、100℃で4時間加熱し
た。反応混合物の試料を、一時間間隔で採取して転化率
と分子量とを測定した。
【0058】過剰のエタノールによる沈殿、濾過及び6
0℃での乾燥により、ポリマーを単離した。転化率のデ
ータを、表3に示す。
【0059】
【0060】例4(比較例) 1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチル−1H−
3H−2,1−ベンゾオキサゾールの代わりに2,2,
6,6−テトラメチルピペリジニルオキシル(9.4m
g、0.0603ミリモル)及び75%過酸化ベンゾイ
ル(15mg、0.046ミリモル)を用いた以外は、
例4の操作を反復した。4時間加熱しても、ポリマー生
成物が得られなかった。反応をさらに2時間継続した
が、何ら生成物が得られなかった。
【0061】例5 反応時間を4.5時間とした以外は例2と同様にして調
製したポリスチレン1.505gと、スチレン13.4
ml(117ミリモル)及びアクリロニトリル4.7m
l(71ミリモル)(両方とも長時間窒素バブリングす
ることにより脱気)とを、50mlガラス反応器に仕込
んだ。混合物を、125℃で1時間反応させた。
【0062】大過剰のエタノールでの沈殿、濾過及びオ
ーブン中60℃での乾燥により、最終生成物を回収し
た。このようにして、ポリマー生成物5.52gが得ら
れた。このポリマー生成物をクロマトグラフィーにより
分析したところ、ポリスチレンブロックコポリマー/ス
チレン−アクリロニトリルコポリマーの存在に起因する
ピークを有することが分かった。
【0063】例6 例3で調製したポリスチレン1.502gと、スチレン
13.4ml(117ミリモル)及びアクリロニトリル
4.7ml(71ミリモル)(両方とも長時間窒素バブ
リングすることにより脱気)とを、50mlガラス反応
器に仕込んだ。混合物を、110℃で1時間反応させ
た。大過剰のエタノールでの沈殿、濾過及びオーブン中
60℃での乾燥により、最終生成物を回収した。
【0064】このようにして、ポリマー生成物2.74
gが得られた。このポリマー生成物をクロマトグラフィ
ーにより分析したところ、ポリスチレンブロックコポリ
マー/スチレン−アクリロニトリルコポリマーの存在に
起因するピークを有することが分かった。
【0065】例7:2−(1,1−ジメチルエチル)−
3,3−ジメチル−5−フェニル−イソキサゾリジンの
合成
【化7】
【0066】a)中間体Cの合成
【化8】 N−(1,1−ジメチルエチル)イソプロピルアミン=
1.1g(19.98ミリモル) タングステン酸ナトリウム二水和物=264mg(0.
8ミリモル) 過酸化水素(35%)=5cc(60ミリモル) メタノール=20cc 過酸化水素を除く全ての試薬を仕込み、反応物を0℃に
冷却後過酸化水素をゆっくりと滴下した。滴下が終了し
たら、混合物を放置して室温まで温度を自然上昇させ
た。3時間後、反応が完了した。TLCにより、所望の
単一生成物が得られたことが確認された。
【0067】エチルエーテルを、反応粗生成物に添加
し、反応器を0℃に冷却し、亜硫酸ナトリウムの飽和溶
液をゆっくりと滴下した。
【0068】相分離し、有機相を、NaClの飽和溶液
で中性となるまで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、溶
媒を減圧下で留去した。その結果、所望の中間体Cが、
定量的収量で得られた(1.2g)。
【0069】b)2−(1,1−ジメチルエチル)−
3,3−ジメチル−5−フェニル−イソオキサゾリジン
の合成
【化9】 中間体C=1g(7.75ミリモル) スチレン=3.3cc 試薬をオートクレーブに仕込み、温度を125℃とし
た。混合物を、8時間撹拌した。
【0070】ガスクロマトグラフィー(GC)及びTL
Cにより、出発物質が消失し、所望物質が生成したこと
が確認された。残留スチレンを、完全に減圧留去した。
得られた粗生成物を、シリカゲルカラム(溶離剤はヘキ
サン/酢酸エチル=9:1)にて精製した。
【0071】この生成物を、H−NMRにて特性付け
した。 (200MHz、CDCl)δ(ppm):7.3
(5H,m)、4.9(1H,t)、2.45(1H,
dd)、2.1(1H,dd)、1.39(3H,
s)、1.35(3H,s)、1.3(9H,s)。
【0072】例8 窒素をバブリングすることにより脱気したスチレン1
2.8ml(112ミリモル)と、エチルベンゼン1m
lに溶解した2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3
−ジメチル−5−フェニル−オキサゾリジン(9mg、
0.0386ミリモル)とを、50ml試験管に仕込ん
だ。反応混合物を、125℃で6時間加熱した。
【0073】反応混合物の試料を、1.5時間間隔で採
取して転化率と分子量とを測定した。過剰のエタノール
による沈殿、濾過及び60℃での乾燥により、ポリマー
を単離した。
【0074】表4に、転化率とMnのデータを示す。
【0075】
【0076】例9 窒素をバブリングすることにより脱気したスチレン1
2.8ml(112ミリモル)と、エチルベンゼン1m
lに溶解した2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3
−ジメチル−5−フェニル−オキサゾリジン(9mg、
0.0386ミリモル)とを、50ml試験管に仕込ん
だ。反応混合物を、110℃で4.5時間加熱した。
【0077】反応混合物の試料を、1.5時間間隔で採
取して転化率と分子量とを測定した。過剰のエタノール
による沈殿、濾過及び60℃での乾燥により、ポリマー
を単離した。
【0078】表5に、転化率とMnのデータを示す。
【0079】
【0080】例10 例9と同様にして調製したポリスチレン1.002g
を、スチレン8.9ml(78ミリモル)及びアクリロ
ニトリル3.1ml(47ミリモル)(両方とも長時間
窒素バブリングすることにより脱気)といっしょに、5
0mlガラス反応器に仕込んだ。混合物を、110℃で
1時間反応させた。
【0081】大過剰のエタノールでの沈殿、濾過及びオ
ーブン中60℃での乾燥により、最終生成物を回収し
た。
【0082】このようにして、ポリマー生成物1.51
3gが得られた。このポリマー生成物をクロマトグラフ
ィーにより分析したところ、ポリスチレンブロックコポ
リマー/スチレン−アクリロニトリルコポリマーの存在
に起因するピークを有することが分かった。
【0083】例11:1−(1,1−ジメチルエチル)
−3−メチル−4,7−ジメトキシ−1H−3H−2,
1−ベンゾオキサゾールの合成
【化10】
【0084】中間体Dの合成
【化11】 2,5−ジメトキシアセトフェノン:8.0g(44.
4ミリモル) 硝酸(65%):40ml 2,5−ジメトキシアセトフェノンを、硝酸に−20℃
でゆっくりと滴下した。滴下終了5分後、反応物を氷に
注いだ。生じた沈殿物を、濾取し、水洗した。この沈殿
物を、エチルエーテルに溶解し、中性となるまで水洗し
た。有機相を硫酸ナトリウムで脱水した後、溶媒を、真
空下留去した。
【0085】カラムクロマトグラフィ(SiO、溶離
剤はヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精製したと
ころ、中間体D6.0g(収率=60%)が得られた。
【0086】中間体Eの合成
【化12】 中間体D:1.0g(4.44ミリモル) 塩化錫(II):3.0g(15.8ミリモル) 塩酸(37%):10ml 中間体Dを、10℃で少しづつ、濃塩酸に塩化錫(I
I)を添加した混合物に添加した。温度を、20℃とし
た。3時間後、反応混合物に氷を添加し、生成物をエチ
ルエーテルで抽出した。有機抽出物を、まず重炭酸ナト
リウムの飽和水溶液で中性となるまで洗浄し、最後に水
洗した。有機抽出物を脱水後、溶媒を減圧下で留去し
た。このようにして、生成物0.7gが得られた(収率
=75%)。
【0087】中間体Fの合成
【化13】 中間体E:0.7g(3.34ミリモル) t−ブタノール:0.389ml(3.67ミリモル) 過塩素酸:0.329ml(3.67ミリモル) ニトロメタン:14ml t−ブタノールと過塩素酸とを、順に、ニトロメタンに
中間体Eを添加して調製した溶液に添加した。20時間
後、エチルエーテルを添加することにより生成物が沈殿
した。沈殿物を、濾過により分離した。この生成物を、
アセトンに溶解し、エチルエーテルで沈殿させることに
より精製した。これを、濾取し、エチルエーテルで数回
洗浄した。このようにして、生成物600mgが得られ
た(収率=49%)。
【0088】1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メ
チル−4,7−ジメトキシ−1H−3H−2,1−ベン
ゾオキサゾールの合成
【化14】 中間体F:600mg(1.6ミリモル) ホウ水素化ナトリウム:75mg(1.9ミリモル) エタノール:10ml ホウ水素化ナトリウムを、エチルアルコールに中間体F
を添加して調製した懸濁液に少しづつ添加した。2時間
後、水を添加し、エタノールを真空下留去したところ所
望の生成物が沈殿した。これを、濾過により分離した。
沈殿物を、中性となるまで数回水洗した。このようにし
て、生成物328mg(収率=82%)が得られた。
【0089】例12 窒素をバブリングすることにより脱気したスチレン20
ml(175ミリモル)と、エチルベンゼン1.5ml
に溶解した1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチ
ル−4,7−ジメトキシ−1H−3H−2,1−ベンゾ
オキサゾール(15.0mg)とを、50ml試験管に
仕込んだ。反応混合物を、110℃で6時間加熱した。
過剰のエタノールによる沈殿、濾過及び60℃での乾燥
により、ポリマーを単離した。
【0090】表6に、転化率とMnのデータを示す。
【0091】
【0092】例13 窒素をバブリングすることにより脱気したスチレン20
ml(175ミリモル)と、エチルベンゼン1.5ml
に溶解した1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチ
ル−4,7−ジメトキシ−1H−3H−2,1−ベンゾ
オキサゾール(15.0mg)とを、50ml試験管に
仕込んだ。
【0093】反応混合物を、125℃で4時間加熱し
た。
【0094】過剰のエタノールによる沈殿、濾過及び6
0℃での乾燥により、ポリマーを単離した。
【0095】表7に、転化率とMnのデータを示す。
【0096】
【0097】例14 例12と同様にして調製したポリスチレン0.5gを、
スチレン4ml(34ミリモル)及びアクリロニトリル
1.5ml(22.6ミリモル)(両方とも長時間窒素
バブリングすることにより脱気)といっしょに、50m
lガラス反応器に仕込んだ。混合物を、125℃で1時
間反応させた。
【0098】大過剰のエタノールでの沈殿、濾過及びオ
ーブン中60℃での乾燥により、最終生成物を回収し
た。
【0099】このようにして、ポリマー生成物2.12
gが得られた。このポリマー生成物をクロマトグラフィ
ーにより分析したところ、ポリスチレンブロックコポリ
マー/スチレン−アクリロニトリルコポリマーの存在に
起因するピークを有することが分かった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジュリアナ、スキムペルナ イタリー国ノバーラ、ピアッツァーレ、ロ ンバルディア、11 (72)発明者 マリア、カルダラーロ イタリー国ノバーラ、トレカテ、ビア、ベ ラ、21 (72)発明者 マリア、アンナ、カルダチ イタリー国パビア、マルツァーノ、ビア、 ラルガ、33 (72)発明者 ファビオ、ガルバッシ イタリー国ノバーラ、ビア、チ.ポルタ、 6 Fターム(参考) 4J015 EA03 EA04 4J026 HA02 HA05 HA06 HA08 HA11 HA29 HA32 HA38 HA43 HB02 HB05 HB06 HB08 HB11 HB29 HB32 HB38 HB45 HB47 HE01 4J100 AB00P AB02P AB03P AB04P AB08P AL03Q AL04Q DA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機開始剤であって、同一環において酸素
    原子に結合した窒素原子を有する複素環構造を有すると
    ともに、以下に示す構造(I)〜(X)から選択される一
    般式を有することを特徴とする、有機開始剤。 【化1】 (式中、 R1、R2、R3、R4、R5のうちの一つだけが水素
    であり、残りが直鎖または分岐鎖のC〜Cアルキル
    ラジカル又はC〜C12アリールラジカルであり、R
    4とR5のうちの一つが水素である場合には残りのR4
    又はR5がアリールラジカルであり、R1とR2とR3
    のうちの一つが水素である場合には残りのR1とR2と
    R3のうちの一つだけがアリールラジカルでありR6
    は、水素原子又は直鎖または分岐鎖のC〜Cアルキ
    ルラジカル又は−CH−R14基(式中、R14は、
    〜Cアルキルラジカル、C〜C アリール又
    はC〜C15アルキルアリールラジカルを表す)を表
    し、 Arは、芳香族環上に、置換基、典型的にはハロゲン、
    直鎖または分岐鎖のC 〜Cアルキル基又はカルボキ
    シル基、を有することができるフェニルであり、 R7〜R13は、各々独立的に塩素等のハロゲン若しく
    は水素原子を表すか、C〜Cアルキル基、任意にハ
    ロゲン化されたC〜C12アリール基、炭素数1〜1
    5のカルボキシル基、アルコキシル基若しくはアシル
    基、炭素数15以下のスルホン酸基、ホスホン酸基、ホ
    スフィン酸基、アミン基、アミド基若しくは硝酸基から
    選択されたものである)。
  2. 【請求項2】少なくとも一種のビニル芳香族モノマー
    を、一般式(I)〜(X)で表される一種以上の開始剤
    の存在下で反応させることを含む、ビニル芳香族モノマ
    ーの重合方法。
  3. 【請求項3】前記ビニル芳香族モノマーを、全モノマー
    に対して0.1〜50重量%の量のエチレン性不飽和ニ
    トリルとの混合物として使用するか、あるいは、前記エ
    チレン性不飽和ニトリルの代わりか、前記エチレン性不
    飽和ニトリルに加えて、前記ビニル芳香族モノマーが4
    0重量%を超える濃度で存在するような量の他のエチレ
    ン性不飽和モノマーとの混合物として使用する、請求項
    2に記載の方法。
  4. 【請求項4】第一モノマー又はモノマー混合物を転化率
    が5〜99%の範囲となるまで重合させた後、第二モノ
    マー又はモノマー混合物を供給することによりブロック
    コポリマーを調製する、前記請求項のいずれか一項に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】重合すべき混合物に、前記混合物自体に対
    して20重量%以下の量の不活性溶媒を添加する、前記
    請求項のいずれか一項に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記重合を、100〜130℃の温度範囲
    で実質的に実施する、前記請求項のいずれか一項に記載
    の方法。
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