JP2002003519A - 有機開始剤及び該有機開始剤の不飽和モノマーの重合における使用 - Google Patents
有機開始剤及び該有機開始剤の不飽和モノマーの重合における使用Info
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Abstract
モノマーのラジカル重合にリビング重合の特性を付与
し、したがって、ブロックコポリマーの製造を可能とす
るとともに、ニトロキシルラジカル及びペルオキシドラ
ジカルに基づく従来系と比較して、はるかに低い温度で
重合を活性化する開始剤、及びそれを用いた不飽和モノ
マーの重合方法の提供。 【解決手段】 不飽和ビニルモノマー及び/又はビニリ
デンモノマーの重合方法であって、一種以上のモノマー
を、窒素原子を酸素原子に結合して有する複素環式開始
剤の存在下で、100〜130℃の温度範囲で反応させ
ることを含む、重合方法。
Description
はビニリデンモノマーのラジカル重合用の一連の新規な
開始剤群に関するものである。
ノマー用の新規な開始剤群、及び該開始剤のビニル芳香
族モノマーのラジカル重合における使用に関するもので
ある。
に、「リビング」重合の特性を付与し、したがって、ブ
ロックコポリマーの製造を可能とする。ニトロキシルラ
ジカル及びペルオキシドラジカルに基づく従来系と比較
して、本発明の開始剤は、はるかに低い温度(約100
℃)でスチレンの重合を活性化する。
通常典型的には過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル、
過酸化ジクミル等)又はアゾビス(イソブチロニトリ
ル)等のアゾ化合物の存在下でラジカル的に進行する。
場合によっては、例えば、スチレンの場合のように、重
合は、モノマーを一定温度以上(100〜110℃)に
加熱して、それによって重合を開始する不対電子含有の
特定の付加物を生成させることにより、自発的に行うこ
とができる。これらの全ての場合において、重合は、
「非リビング」である。すなわち、高分子マクロラジカ
ルが、極めて短時間にその分子量を増加し、末端反応又
は連鎖移動反応を生じて、鎖が中断する。また、自体の
半減期によって特徴付けられ、したがって一定時間にわ
たって重合を生じさせるラジカル種を連続的に発生する
開始剤との反応により他の鎖が同時に形成し始める。
することが不可能であるどころか、末端反応及び連鎖移
動反応の結果、アニオン重合の場合のようなブロックポ
リマーを製造できない。「リビング」と称されるこの後
者の種類の重合では、連鎖移動反応や末端反応が実質的
になく、したがって、高分子上に第二モノマーのブロッ
クを成長させることができる。さらに、ポリマー鎖は、
全て同時に発生し且つ同じ速度で成長するので、末端ポ
リマーは極めて狭い分子量分布を有し、分子量は予め所
望のように定めることのできるモノマー/開始剤比のみ
によって決まる。
らの開始剤系は、「リビング」プロセスに特徴的なラジ
カル重合を生じさせることもできる。イニファターを使
用することが、「Macromolecular Ch
emistry、RapidCommunicatio
n」3、127、1982に記載されている。これらの
物質は、熱及び/又は光化学開始剤並びに連鎖移動剤及
び可逆連鎖停止剤として作用する。これらが可逆的でな
い場合には、従来のラジカル重合の範疇に分類される。
イニファターとして、ジアルキルチオウラムジスルフィ
ド、ジアリールジスルフィド等が明記されている。メチ
ルメタクリレート、スチレン、メチルアクリレート及び
ビニルアセテートから選択されるモノマーを、重合す
る。
成されるラジカルの両方はモノマーを付加することがで
きること、及びこのプロセスを開始するのにほとんどの
場合紫外線を使用するので、工業的利用可能性が限定さ
れていることにある。これに加えて、「Polymer
Bulletin」(Berlin)、7、197、
1982に記載されているように、顕著な連鎖停止反応
が生じ、その結果重合寿命が失われる。
ニルアルキルラジカルを生じるテトラアリールエタン類
(Macromolecular Chemistr
y、184、745、1983)及びシリル化ピナコー
ル類(Journal ofPolymer Scie
nce、Polymer Chemistry Ed、
24、1251、1986)が挙げられるが、これらの
系は、あまり効率的でなく、したがって、開発されるこ
とはなかった。
は、まず、R1R2N−O−X(式中、R1及びR
2は、窒素原子に隣接する炭素に水素を有しない置換基
であり、一方、Xは、NO−X結合の熱切断の結果形成
される対応のXラジカルがラジカル機構により不飽和モ
ノマーを重合できる性質を有する置換基である)型開始
剤(アルコキシアミン類)を使用することによるホモポ
リマー及びコポリマーの合成に言及している。連鎖成長
反応の抑制は、結合の切断反応が平衡反応であり、形成
したニトロキシラジカルはモノマーのラジカル重合を開
始することができないことによるものである。また、種
々に置換されたアルコキシアミン類の使用及びそれらの
合成については、Macromolecules、2
8、2993(1995)及びPolymer Pre
prints、40、2、315(1999)に記載さ
れている。
は、アルコキシアミンは、安定なニトロキシラジカル、
ペルオキシド及びモノマーを混合し、好適な温度に加熱
することにより、反応環境において直接発生される。
5,677,388号各明細書には、ラジカル重合プロ
セスにおいて、一般式R4R5N−O−C(R2R3)
−R1−C(R2R3)−O−NR4R5で表される二
官能アルコキシアミン類を使用することが記載されてい
る。
は、ニトロキシラジカルを出発点としてアルコキシアミ
ン類を製造する方法が記載されているが、全ての従来例
と同様に、可能なニトロキシラジカルや可能なアルコキ
シアミン類に関する請求項において、窒素及び酸素は、
環の一部分を構成していない。
において、Cu(I)/2ビピリジル等の遷移金属によ
り触媒される可逆的レドックス反応によりハロゲン化ア
ルキルが発生する成長しているラジカルにモノマーを添
加することからなる新規なプロセスが提案されている。
極性モノマーをこのようにして重合でき、この場合、ブ
ロックコポリマー及びグラフトコポリマーも得られる可
能性がある。この技術の欠点の一つは、合成物質中の金
属性残留物に関連するものであり、連鎖の崩壊を生じて
転位を受け、また、低分子量物が生成することがある。
704(1994)は、メタクリレートの重合における
制御剤としてコバルトポルフィリンを使用することを記
載している。これらの系は高分子量及び低多分散度を有
するポリマーを生成するが、コストが高く、担持されて
いない、したがって濾過しない場合には、ポリマーが望
ましくない着色を生じた状態となる。
には、RAFT(Reversible Additi
on−Fragmentation Transfe
r)と称される新規なリビングラジカル重合方法が記載
されている。この方法では、一般式S=C(Z)SRで
表されるチオエステルを連鎖移動剤として使用してい
る。アクリルモノマーもこの方法で重合されるが、これ
らが放出されると、悪臭や、硫化された化合物が低分子
量であるために望ましくないポリマーの着色の問題が生
じることがある。
にビニル芳香族モノマーの重合において活性である新規
な種類の開始剤を見いだした。これらの開始剤は、ブロ
ック構造を形成できるというさらなる利点を有してい
る。これらの開始剤は、100℃ですでに活性であり、
特定の放射線源を使用しなくても熱的に活性化され、従
来公知の系とは異なるものである。さらに、ペルオキシ
ド又はアゾ化合物とニトロキシルラジカルとの組み合わ
せに基づく系とは異なり、”一成分”であるので、反応
相での投入が非常に容易である。
ル及び/又はビニリデンモノマーの重合用有機開始剤で
あって、同一環において酸素原子に結合した窒素原子を
有する複素環構造を有するとともに、以下に示す構造
(I)〜(X)から選択される一般式を有することを特徴
とする、有機開始剤が提供される。
けが水素であり、残りが直鎖または分岐鎖のC1〜C6
アルキルラジカル又はC6〜C12アリールラジカルで
あり、R4とR5のうちの一つが水素である場合には残
りのR4又はR5がアリールラジカルであり、R1とR
2とR3のうちの一つが水素である場合には残りのR1
とR2とR3のうちの一つだけがアリールラジカルであ
り、R6は、水素原子又は直鎖または分岐鎖のC1〜C
6アルキルラジカル又は−CH2−R14基(式中、R
14は、C1〜C6アルキルラジカル、C6〜C1 2ア
リール又はC7〜C15アルキルアリールラジカルを表
す)を表し、Arは、芳香族環上に、置換基、典型的に
はハロゲン、直鎖または分岐鎖のC 1〜C6アルキル基
又はカルボキシル基、を有することができるフェニルで
あり、R7〜R13は、各々独立的に塩素等のハロゲン
若しくは水素原子を表すか、C1〜C6アルキル基、任
意にハロゲン化されたC6〜C12アリール基、炭素数
1〜15のカルボキシル基、アルコキシル基若しくはア
シル基、炭素数15以下のスルホン酸基、ホスホン酸
基、ホスフィン酸基、アミン基、アミド基若しくは硝酸
基から選択されたものである)。
えば、下記のものがある。2−(1,1−ジメチルエチ
ル)−3−エチル−4−フェニル−1,2−オキサゼチ
ジン、2−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチル−
4−フェニル−1,2−オキサゼチジン、2−(1,1
−ジメチルエチル)−3,3−ジメチル−4−フェニル
−1,2−オキサゼチジン、2−(1,1−ジメチルエ
チル)−3,4−ジフェニル−1,2−オキサゼチジ
ン。
例えば、下記のものがある。2−(1,1−ジメチルエ
チル)−3,3−ジメチル−5−フェニル−イソオキサ
ゾリジン、2−(1,1−ジメチルエチル)−3,5−
ジフェニル−イソオキサゾリジン、2−(1−メチルエ
チル)−3,3−ジメチル−5−フェニル−イソオキサ
ゾリジン、2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3−
ジメチル−5−(4−メトキシフェニル)−イソオキサ
ゾリジン、2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3−
ジメチル−5−(4−クロロフェニル)−イソオキサゾ
リジン、2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3−ジ
メチル−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−イソオ
キサゾリジン。
は、例えば、下記のものがある。2−(1,1−ジメチ
ルエチル)−3,3−ジメチル−6−フェニル−2H−
3,4−ジヒドロ−5,6−ジヒドロ−1,2−オキサ
ジン、2−(1,1−ジメチルエチル)−3,6−ジフ
ェニル−2H−3,4−ジヒドロ−5,6−ジヒドロ−
1,2−オキサジン、2−(1−メチルエチル)−3,
3−ジメチル−6−フェニル−2H−3,4−ジヒドロ
−5,6−ジヒドロ−1,2−オキサジン、2−(1,
1−ジメチルエチル)−3,3−ジメチル−6−(4−
メトキシフェニル)−2H−3,4−ジヒドロ−5,6
−ジヒドロ−1,2−オキサジン、2−(1,1−ジメ
チルエチル)−3,3−ジメチル−6−(2,4−ジメ
トキシフェニル)−2H−3,4−ジヒドロ−5,6−
ジヒドロ−1,2−オキサジン、2−(1,1−ジメチ
ルエチル)−3,3−ジメチル−6−(4−クロロフェ
ニル)−2H−3,4−ジヒドロ−5,6−ジヒドロ−
1,2−オキサジン。
例えば、下記のものがある。1−(1,1−ジメチルエ
チル)−3−フェニル−1H−3,4−ジヒドロ−2,
1−ベンゾオキサジン、1−(1,1−ジメチルエチ
ル)−3−フェニル−5−メチル−1H−3,4−ジヒ
ドロ−2,1−ベンゾオキサジン、1−(1,1−ジメ
チルエチル)−3−フェニル−5,8−ジメトキシ−1
H−3,4−ジヒドロ−2,1−ベンゾオキサジン、1
−(1,1−ジメチルエチル)−3−フェニル−6,7
−ジメトキシ−1H−3,4−ジヒドロ−2,1−ベン
ゾオキサジン、1−(1,1−ジメチルエチル)−3−
フェニル−5,8−ジクロロ−1H−3,4−ジヒドロ
−2,1−ベンゾオキサジン。
えば、下記のものがある。1,2,3,4−テトラヒド
ロ−7H−11bH−ピリド[2,1−d][2,3]
ベンゾオキサジン。
例えば、下記のものがある。1−(1,1−ジメチルエ
チル)−3−エチル−1H−3H−2,1−ベンゾオキ
サゾール、1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチ
ル−5−メトキシ−1H−3H−2,1−ベンゾオキサ
ゾール、1−(1,1−ジメチルエチル)−3−プロピ
ル−4,7−ジメチル−1H−3H−2,1−ベンゾオ
キサゾール、1−(1−メチルエチル)−3−エチル−
1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾール。
は、例えば、下記のものがある。1,4,4−トリメチ
ル−3−(1,1−ジメチルエチル)−1H−3,4−
ジヒドロ−2,3−ベンゾオキサジン、1,4,4−ト
リメチル−3−(1−メチルエチル)−1H−3,4−
ジヒドロ−2,3−ベンゾオキサジン、1,4,4−ト
リメチル−3−(1,1−ジメチルエチル)−5−メト
キシ−1H−3,4−ジヒドロ−2,3−ベンゾオキサ
ジン、1,4,4−トリメチル−3−(1,1−ジメチ
ルエチル)−5,8−ジクロロ−1H−3,4−ジヒド
ロ−2,3−ベンゾオキサジン。
は、例えば、下記のものがある。1−(1,1−ジメチ
ルエチル)−1−アザ−2−オキサ−3H−フェンタレ
ン。
例えば、下記のものがある。3−フェニル−2−オキサ
−6,6−ジメチル−1−アザビシクロ[2.2.1]
ヘプタン、3−(4−メトキシフェニル)−2−オキサ
−6,6−ジメチル−1−アザビシクロ[2.2.1]
ヘプタン、3,6−ジフェニル−2−オキサ−6,6−
ジメチル−1−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
3−フェニル−2−オキサ−6,6−ジエチル−1−ア
ザビシクロ[2.2.1]ヘプタン。
えば、下記のものがある。3−フェニル−2−オキサ−
6,6−ジメチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オ
クタン、3−(4−メトキシフェニル)−2−オキサ−
6,6−ジメチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オ
クタン、3,6−ジフェニル−2−オキサ−6,6−ジ
メチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、3
−フェニル−2−オキサ−6,6−ジエチル−1−アザ
ビシクロ[2.2.2]オクタン。
のビニル芳香族モノマーを、一般式(I)〜(X)で表
される一種以上の開始剤の存在下で反応させることを含
む、ビニル芳香族モノマーの重合方法が提供される。
いる用語「ビニル芳香族モノマー」とは、主にスチレン
を意味するが、また、C1〜C4アルキルラジカル、C
1〜C4アリールラジカル、ハロゲンラジカル又はニト
ロラジカルで置換された一つ以上の水素原子を有する他
のスチレン系モノマー、例えば、メチルスチレン、ビニ
ルナフタレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレ
ン、トリクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ペン
タクロロスチレン、核アルキル化スチレン、例えば、o
−メチルスチレン、m−メチルスチレン及びp−メチル
スチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン及
びp−エチルスチレン等をも意味する。これらのスチレ
ン系モノマーは、単独又は互いに混合したもの及び/又
はスチレンとの混合物であってもよい。
モノマーに対して0.1〜50重量%の量のエチレン性
不飽和ニトリル(例えば、アクリロニトリル又はメタク
リロニトリル)との混合物として使用するか、あるい
は、前記エチレン性不飽和ニトリルの代わりか、前記エ
チレン性不飽和ニトリルに加えて、前記ビニル芳香族モ
ノマーが40重量%を超える濃度で存在するような量の
他のエチレン性不飽和モノマーとの混合物として使用す
ることができる。
リル酸又はメタクリル酸のアルキル又はシクロアルキル
エステル(アルキル基は炭素数1〜4であり、シクロア
ルキル基は炭素数4〜10である)、例えば、メチルア
クリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレー
ト、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、シ
クロへキシルメタクリレート等がある。別のエチレン性
不飽和モノマーは、無水マレイン酸であることができ
る。
ー又はモノマー混合物を転化率が5〜99%の範囲とな
るまで重合させた後、第二モノマー又はモノマー混合物
を供給することにより製造することもできる。第一コポ
リマーブロックを非溶媒で沈殿させて分離後、前記モノ
マー又はモノマー混合物中に溶解することにより再共重
合して第二コポリマーブロックを形成できる。
すべき混合物に、前記混合物自体に対して20重量%以
下(好ましくは、1〜15重量%)の量を添加する。好
適な不活性溶媒として、例えば、重合温度で液状の、芳
香族炭化水素類、例えば、エチルベンゼン、ケトン類、
エステル類及びニトリル類が挙げられる。上記したエチ
ルベンゼンに加えて、トルエン、キシレン類又はそれら
の混合物を、芳香族炭化水素類として使用できる。ケト
ン類としては、例えば、2−ブタノン、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン等がある。本方法に特に好適な
溶媒の他の例として、酢酸エチル及びアセトニトリルが
挙げられる。
℃、好ましくは120℃未満の範囲である以外は従来の
ペルオキシド重合と同様な条件下で実質的に実施する。
この重合は、水の存在下で実施することができる。
るために、説明に役立ついくつかの非限定的実施例を記
載する。
3−メチル−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾール
の合成
ル) 塩化錫=41g(216.9ミリモル) 濃塩酸=105cc 塩化錫と濃塩酸とを仕込んだ。塊状物を10℃に冷却
し、ニトロアセトフェノンをゆっくりと滴下した。
拌した。この撹拌時間後、反応が完了したことを、TL
Cで確認した。
機相を、エチルエーテルで抽出した。エーテル抽出物を
合わせて、重炭酸ナトリウムの希薄水溶液で洗浄後水で
洗浄して中性とし、硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を減
圧下で留去して、中間体A7.4g(TLCにて単一物
であることを確認、収率82%)を得た。
撹拌した。TLCにより、出発物質が消失したことを確
認した。
ところ、所望の過塩素酸塩が沈殿した。この沈殿を濾取
後、アセトンに溶解し、エチルエーテルで再沈した。中
間体B(白色固体)14g(収率92%)が得られた。
ジメチルエチル)−3−メチル−1H−3H−2,1−
ベンゾオキサゾールの合成
化ナトリウムを少しずつ添加した。添加終了後、混合物
を、室温で30分間撹拌した。
ろ、油状物が分離した。
テルで抽出して、生成物7.4gを得た。生成物を、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィ(溶離剤:ヘキサン/
酢酸エチル=99:1)により精製した。得られた精製
物を、1H−NMRで特性付けした。 (200MHz、CDCl3)δ(ppm):1.3
(9H,s)、1.5(3H,d)、5.58(1H,
q)、6.9−7.2(4H)。
ml(175ミリモル)と、エチルベンゼン1.5ml
に溶解した1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチ
ル−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾール(11.
5mg、0.0603ミリモル)とを、50ml試験管
に仕込んだ。
た。反応混合物の試料を、一時間間隔で採取して転化率
と分子量とを測定した。
0℃での乾燥により、ポリマーを単離した。以下の表1
に、転化率の測定値とMn値とを示す。
3H−2,1−ベンゾオキサゾールの代わりに2,2,
6,6−テトラメチルピペリジニルオキシル(9.4m
g、0.0603ミリモル)及び75%過酸化ベンゾイ
ル(15mg、0.046ミリモル)を用いた以外は、
例2の操作を反復した。反応混合物の試料を、1.5時
間間隔で採取して転化率と分子量とを測定した。
0℃での乾燥により、ポリマーを単離した。表2に、得
られた転化率とMnのデータを示す。
ml(262ミリモル)と、エチルベンゼン2.25m
lに溶解した1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メ
チル−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾール17.
3mgとを、100ml試験管に仕込んだ。
た。
0℃での乾燥により、ポリマーを単離した。その結果、
ポリスチレン7.75g(転化率28%相当)が得られ
た。
3H−2,1−ベンゾオキサゾールの代わりに2,2,
6,6−テトラメチルピペリジニルオキシル(14.1
mg、0.0945ミリモル)及び75%過酸化ベンゾ
イル(22.5mg、0.069ミリモル)を用いた以
外は、例3の操作を反復した。6時間加熱しても、ポリ
マー生成物が得られなかった。
ml(175ミリモル)と、エチルベンゼン1.5ml
に溶解した1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチ
ル−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾール(11.
5mg、0.0603ミリモル)とを、50ml試験管
に仕込んだ。
た。反応混合物の試料を、一時間間隔で採取して転化率
と分子量とを測定した。
0℃での乾燥により、ポリマーを単離した。転化率のデ
ータを、表3に示す。
3H−2,1−ベンゾオキサゾールの代わりに2,2,
6,6−テトラメチルピペリジニルオキシル(9.4m
g、0.0603ミリモル)及び75%過酸化ベンゾイ
ル(15mg、0.046ミリモル)を用いた以外は、
例4の操作を反復した。4時間加熱しても、ポリマー生
成物が得られなかった。反応をさらに2時間継続した
が、何ら生成物が得られなかった。
製したポリスチレン1.505gと、スチレン13.4
ml(117ミリモル)及びアクリロニトリル4.7m
l(71ミリモル)(両方とも長時間窒素バブリングす
ることにより脱気)とを、50mlガラス反応器に仕込
んだ。混合物を、125℃で1時間反応させた。
ーブン中60℃での乾燥により、最終生成物を回収し
た。このようにして、ポリマー生成物5.52gが得ら
れた。このポリマー生成物をクロマトグラフィーにより
分析したところ、ポリスチレンブロックコポリマー/ス
チレン−アクリロニトリルコポリマーの存在に起因する
ピークを有することが分かった。
13.4ml(117ミリモル)及びアクリロニトリル
4.7ml(71ミリモル)(両方とも長時間窒素バブ
リングすることにより脱気)とを、50mlガラス反応
器に仕込んだ。混合物を、110℃で1時間反応させ
た。大過剰のエタノールでの沈殿、濾過及びオーブン中
60℃での乾燥により、最終生成物を回収した。
gが得られた。このポリマー生成物をクロマトグラフィ
ーにより分析したところ、ポリスチレンブロックコポリ
マー/スチレン−アクリロニトリルコポリマーの存在に
起因するピークを有することが分かった。
3,3−ジメチル−5−フェニル−イソキサゾリジンの
合成
1.1g(19.98ミリモル) タングステン酸ナトリウム二水和物=264mg(0.
8ミリモル) 過酸化水素(35%)=5cc(60ミリモル) メタノール=20cc 過酸化水素を除く全ての試薬を仕込み、反応物を0℃に
冷却後過酸化水素をゆっくりと滴下した。滴下が終了し
たら、混合物を放置して室温まで温度を自然上昇させ
た。3時間後、反応が完了した。TLCにより、所望の
単一生成物が得られたことが確認された。
し、反応器を0℃に冷却し、亜硫酸ナトリウムの飽和溶
液をゆっくりと滴下した。
で中性となるまで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、溶
媒を減圧下で留去した。その結果、所望の中間体Cが、
定量的収量で得られた(1.2g)。
3,3−ジメチル−5−フェニル−イソオキサゾリジン
の合成
た。混合物を、8時間撹拌した。
Cにより、出発物質が消失し、所望物質が生成したこと
が確認された。残留スチレンを、完全に減圧留去した。
得られた粗生成物を、シリカゲルカラム(溶離剤はヘキ
サン/酢酸エチル=9:1)にて精製した。
した。 (200MHz、CDCl3)δ(ppm):7.3
(5H,m)、4.9(1H,t)、2.45(1H,
dd)、2.1(1H,dd)、1.39(3H,
s)、1.35(3H,s)、1.3(9H,s)。
2.8ml(112ミリモル)と、エチルベンゼン1m
lに溶解した2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3
−ジメチル−5−フェニル−オキサゾリジン(9mg、
0.0386ミリモル)とを、50ml試験管に仕込ん
だ。反応混合物を、125℃で6時間加熱した。
取して転化率と分子量とを測定した。過剰のエタノール
による沈殿、濾過及び60℃での乾燥により、ポリマー
を単離した。
2.8ml(112ミリモル)と、エチルベンゼン1m
lに溶解した2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3
−ジメチル−5−フェニル−オキサゾリジン(9mg、
0.0386ミリモル)とを、50ml試験管に仕込ん
だ。反応混合物を、110℃で4.5時間加熱した。
取して転化率と分子量とを測定した。過剰のエタノール
による沈殿、濾過及び60℃での乾燥により、ポリマー
を単離した。
を、スチレン8.9ml(78ミリモル)及びアクリロ
ニトリル3.1ml(47ミリモル)(両方とも長時間
窒素バブリングすることにより脱気)といっしょに、5
0mlガラス反応器に仕込んだ。混合物を、110℃で
1時間反応させた。
ーブン中60℃での乾燥により、最終生成物を回収し
た。
3gが得られた。このポリマー生成物をクロマトグラフ
ィーにより分析したところ、ポリスチレンブロックコポ
リマー/スチレン−アクリロニトリルコポリマーの存在
に起因するピークを有することが分かった。
−3−メチル−4,7−ジメトキシ−1H−3H−2,
1−ベンゾオキサゾールの合成
4ミリモル) 硝酸(65%):40ml 2,5−ジメトキシアセトフェノンを、硝酸に−20℃
でゆっくりと滴下した。滴下終了5分後、反応物を氷に
注いだ。生じた沈殿物を、濾取し、水洗した。この沈殿
物を、エチルエーテルに溶解し、中性となるまで水洗し
た。有機相を硫酸ナトリウムで脱水した後、溶媒を、真
空下留去した。
剤はヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精製したと
ころ、中間体D6.0g(収率=60%)が得られた。
I)を添加した混合物に添加した。温度を、20℃とし
た。3時間後、反応混合物に氷を添加し、生成物をエチ
ルエーテルで抽出した。有機抽出物を、まず重炭酸ナト
リウムの飽和水溶液で中性となるまで洗浄し、最後に水
洗した。有機抽出物を脱水後、溶媒を減圧下で留去し
た。このようにして、生成物0.7gが得られた(収率
=75%)。
中間体Eを添加して調製した溶液に添加した。20時間
後、エチルエーテルを添加することにより生成物が沈殿
した。沈殿物を、濾過により分離した。この生成物を、
アセトンに溶解し、エチルエーテルで沈殿させることに
より精製した。これを、濾取し、エチルエーテルで数回
洗浄した。このようにして、生成物600mgが得られ
た(収率=49%)。
チル−4,7−ジメトキシ−1H−3H−2,1−ベン
ゾオキサゾールの合成
を添加して調製した懸濁液に少しづつ添加した。2時間
後、水を添加し、エタノールを真空下留去したところ所
望の生成物が沈殿した。これを、濾過により分離した。
沈殿物を、中性となるまで数回水洗した。このようにし
て、生成物328mg(収率=82%)が得られた。
ml(175ミリモル)と、エチルベンゼン1.5ml
に溶解した1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチ
ル−4,7−ジメトキシ−1H−3H−2,1−ベンゾ
オキサゾール(15.0mg)とを、50ml試験管に
仕込んだ。反応混合物を、110℃で6時間加熱した。
過剰のエタノールによる沈殿、濾過及び60℃での乾燥
により、ポリマーを単離した。
ml(175ミリモル)と、エチルベンゼン1.5ml
に溶解した1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチ
ル−4,7−ジメトキシ−1H−3H−2,1−ベンゾ
オキサゾール(15.0mg)とを、50ml試験管に
仕込んだ。
た。
0℃での乾燥により、ポリマーを単離した。
スチレン4ml(34ミリモル)及びアクリロニトリル
1.5ml(22.6ミリモル)(両方とも長時間窒素
バブリングすることにより脱気)といっしょに、50m
lガラス反応器に仕込んだ。混合物を、125℃で1時
間反応させた。
ーブン中60℃での乾燥により、最終生成物を回収し
た。
gが得られた。このポリマー生成物をクロマトグラフィ
ーにより分析したところ、ポリスチレンブロックコポリ
マー/スチレン−アクリロニトリルコポリマーの存在に
起因するピークを有することが分かった。
Claims (6)
- 【請求項1】有機開始剤であって、同一環において酸素
原子に結合した窒素原子を有する複素環構造を有すると
ともに、以下に示す構造(I)〜(X)から選択される一
般式を有することを特徴とする、有機開始剤。 【化1】 (式中、 R1、R2、R3、R4、R5のうちの一つだけが水素
であり、残りが直鎖または分岐鎖のC1〜C6アルキル
ラジカル又はC6〜C12アリールラジカルであり、R
4とR5のうちの一つが水素である場合には残りのR4
又はR5がアリールラジカルであり、R1とR2とR3
のうちの一つが水素である場合には残りのR1とR2と
R3のうちの一つだけがアリールラジカルでありR6
は、水素原子又は直鎖または分岐鎖のC1〜C6アルキ
ルラジカル又は−CH2−R14基(式中、R14は、
C1〜C6アルキルラジカル、C6〜C1 2アリール又
はC7〜C15アルキルアリールラジカルを表す)を表
し、 Arは、芳香族環上に、置換基、典型的にはハロゲン、
直鎖または分岐鎖のC 1〜C6アルキル基又はカルボキ
シル基、を有することができるフェニルであり、 R7〜R13は、各々独立的に塩素等のハロゲン若しく
は水素原子を表すか、C1〜C6アルキル基、任意にハ
ロゲン化されたC6〜C12アリール基、炭素数1〜1
5のカルボキシル基、アルコキシル基若しくはアシル
基、炭素数15以下のスルホン酸基、ホスホン酸基、ホ
スフィン酸基、アミン基、アミド基若しくは硝酸基から
選択されたものである)。 - 【請求項2】少なくとも一種のビニル芳香族モノマー
を、一般式(I)〜(X)で表される一種以上の開始剤
の存在下で反応させることを含む、ビニル芳香族モノマ
ーの重合方法。 - 【請求項3】前記ビニル芳香族モノマーを、全モノマー
に対して0.1〜50重量%の量のエチレン性不飽和ニ
トリルとの混合物として使用するか、あるいは、前記エ
チレン性不飽和ニトリルの代わりか、前記エチレン性不
飽和ニトリルに加えて、前記ビニル芳香族モノマーが4
0重量%を超える濃度で存在するような量の他のエチレ
ン性不飽和モノマーとの混合物として使用する、請求項
2に記載の方法。 - 【請求項4】第一モノマー又はモノマー混合物を転化率
が5〜99%の範囲となるまで重合させた後、第二モノ
マー又はモノマー混合物を供給することによりブロック
コポリマーを調製する、前記請求項のいずれか一項に記
載の方法。 - 【請求項5】重合すべき混合物に、前記混合物自体に対
して20重量%以下の量の不活性溶媒を添加する、前記
請求項のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項6】前記重合を、100〜130℃の温度範囲
で実質的に実施する、前記請求項のいずれか一項に記載
の方法。
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