JP2004197094A - モノエチレン性不飽和モノマーとオリゴマーまたはポリマー第二級アミンとのインシトゥ重合 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、重合、特に(コ)ポリマーの製造に関する。
現在、特定の分子量、狭い分子量分布および/または充分に限定された末端基を有するホモポリマー、ランダムコポリマーおよびブロックコポリマーが、多くの産業において、ますます必要とされている。これらの高分子の制御構造は、それらに新規特性を与え、注文通りの特性側面を得ることを可能にする。多くの新規技術は、例えば、エレクトロニクス、コンピュータ・サイエンス、通信、遺伝子工学、バイオテクノロジーおよび材料科学の分野において、制御されたポリマー構造を必要とする。
かなり少ない要求条件、即ち、溶媒として水を使用しうること、使用しうる温度範囲がかなり広いこと、ならびに重合に使用しうるモノマーの範囲がかなり広いことにより、ラジカル重合によって、多くのポリマーが商業上製造されている。さらに、ラジカル共重合は、ポリマー特性を改質する多くの機会を与える。しかし、ラジカル種の中性は、不可逆移動および停止反応の原因であり、これらは、重合度、多分子性、末端官能性および鎖構造を包含する高分子構造の不充分な制御の原因である。
一方、制御ラジカル重合(CRP)は、鎖の分子特性(Mn、Mw/Mn)およびそれらの高分子構造を精巧に制御する有効な手段である。例えば、詳細に定義したブロックコポリマーは、コモノマーの逐次付加によって合成することができ、末端官能基を有するポリマーは、開始剤(α鎖末端)または不活性化剤(ω鎖末端)の適切な選択によって得られる。
現在研究中の全てのCRP系のうち、ニトロキシル媒介重合(NMP)は最も有効な方法の1つである。この方法は、ニトロキシルラジカルによって生長ラジカルを可逆的に捕捉して、休止鎖を形成することに基づく。この方法は、例えばUS-A 4581429に開示されている。それにもかかわらず、このNMP法は、遅い重合反応速度、限られた範囲の好適ポリマー、および必要とされるニトロキシルラジカルの高コストという短所を有する。
極最近、これらのNMPの課題のいくつかが解決された。重合速度の加速、および重合されるモノマーの範囲の拡大の両方が、Hawkerらによって(J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 3904)、および例えばWO-A 96/24620において報告されている。スピロ構造を有するニトロキシルラジカルを使用することによって低下した重合温度は、Miuraら(Macromolecules 2001, 34, 447)によって報告されている。
これらの改良NMP法は、新しいポリマー構造を得る魅力的な方法であるが、それらは、容易に入手できない複雑なニトロキシルラジカルおよび/またはアルコキシアミンの使用を必要とし、工業工程の全コストをかなり増加させる。従って、広範囲のモノマーを重合させる、より簡単なNMP法が現在も必要とされている。
WO-A 99/03894およびUS-A 6262206は、ビニルモノマーのラジカル重合を制御するニトロンおよびニトロソ化合物の使用を開示している。これらの化合物をビニルモノマーのラジカル重合に添加した場合、開始ラジカルまたは生長鎖と、ニトロンまたはニトロソ化合物との反応によって、ニトロキシルラジカルがインシトゥで形成された。このようにして、NMPメカニズムによって重合が制御された。
インシトゥNMP法によって制御されるビニルモノマーのラジカル重合を促進するニトロンおよびニトロソ化合物の使用は、例えば、D.F. Grishinら、Polymer Science, Ser. A, 1999, 41(4), 401;D.F. Grishinら、Polymer Science, Ser. B. 2000 42(7-8), 189;D.F. Grishinら、Russian Journal of Applied Chemistry 2001, 74(3), 494;D.F. Grishinら、Mendeleev Commun. 1999, 250;D.F. Grishinら、Russian Journal of Applied Chemistry 2001, 74(9), 1594にも記載されている。
最近、ニトロソ−tert−オクタンによって媒介されるスチレンの制御ラジカル重合が、J.M. Catalaらによって、Macromolecules 2001, 34, 8654に報告された。
ニトロソ化合物またはニトロンを使用するこれらのインシトゥ法は、面倒なニトロキシルラジカル合成の回避を可能にした。それにもかかわらず、これらの方法は、毒性である場合がある(特にニトロソ化合物の場合)予備形成試薬の使用を必要とし、それらの大部分は容易に入手できず、特定の方法によって合成しなければならない。
US-A 6320007およびJP-A 08208714は、インシトゥNMP法を使用する、狭い分子量分布を有する熱可塑性ポリマーの製造を開示し、それによれば、安定なニトロキシルラジカルが反応器中で前駆物質から形成される。重合工程は、2段階で行われる:第一段階において、ニトロキシルラジカルを前駆物質(第二級アミン)から形成し、第二段階において、ニトロキシルラジカルをビニルモノマーの重合に添加して、狭い分子量分布を特徴とする熱可塑性ポリマーを形成する。2つの例において、酸化剤としてのm−クロロ過安息香酸または過酸化水素とタングステン酸ナトリウムとの混合物と化合させる場合、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TMP)をニトロキシルラジカルの前駆物質として使用する。これらの方法の短所は、重合の前にニトロキシルラジカルを形成する長い反応時間、および重合を開始させるラジカル開始剤(例えば、過酸化ベンゾイル)の使用であり、これは、重合の前に、モノマー、開始剤およびニトロキシルラジカルの予備反応を必要とする。これは製造コストの増加を伴う。さらに、重合は極めて遅く、終了するのに数日を要する。
本発明の目的は、制御された分子量および制御された分子構造を有するホモ−およびコポリマーの新規合成経路を提供することである。そのような方法は、先行技術が有する欠点を克服する簡単かつ低コストの、ビニルモノマーのラジカル重合の制御法であるべきである。
驚くことに、ポリマーまたはオリゴマーに化学的に結合した少なくとも1つのヒンダード第二級アミンおよび酸化剤の存在下に、ビニルモノマーの重合を行った場合、比較的低い温度および短い反応時間において、制御された分子量、狭い多分散性、高いモノマー転化率および制御された構造を有する(コ)ポリマーを製造する方法を提供しうることが見出された。重合前のラジカル開始剤の添加は、任意にすぎない。さらに、モノマーの添加の前に第二級アミンと酸化剤との予備反応を必要とせず、生成物のどのような予備反応も行わずに重合温度で重合媒体を極めて速く加熱することができる。
本発明の目的は、オリゴマー、コオリゴマー、ポリマー、またはブロック或いはランダムコポリマーの製造法であって、下記の工程:
(I) 下記のものを含有する混合物を製造する工程:
・ 少なくとも1つの、一般式(M)のモノエチレン性不飽和モノマー:
HR1C=CR2R3 (M)
[式中、R1、R2、R3は、独立に、水素、C1〜C20アルキル、C1〜C20シクロアルキル、C6〜C24アリール、ハロゲン、シアノ、C1〜C20アルキルエステル、C1〜C20シクロアルキルエステル、C1〜C20アルキルアミド、C1〜C20シクロアルキルアミド、C6〜C24アリールエステルおよびC6〜C24アリールアミドから成る群から選択される];
・ 少なくとも1つの酸化剤(A);
・ 少なくとも1つのヒンダード第二級アミンを含有する、少なくとも1つの、一般式(I)のポリマーまたはオリゴマー:
[式中、
Yは、一般式HR1C=CR2R3のエチレン性不飽和モノマー(M)に基づく有機残基であり;
R1、R2、R3は、前記に定義した通りであり;
mは、1〜50、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10の整数であり;
nは、1〜300、好ましくは1〜50、より好ましくは1〜20の整数であり;
I1は、開始剤を表し;
R4は、第二級または第三級炭素原子を表し、独立に、C1〜C18アルキル、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C3〜C12シクロアルキルまたはC3〜C12ヘテロシクロアルキル、C6〜C24アリールから成る群から選択され、それらは非置換であるかまたはNO2、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ケトン、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキルチオまたはC1〜C4アルキルアミノによって置換されていてもよく;
Xは、第二級または第三級炭素原子を表し、独立に、C1〜C18アルキル、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C3〜C12シクロアルキルまたはC3〜C12ヘテロシクロアルキル、C6〜C24アリールから成る群から選択され、それらは非置換であるかまたはNO2、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ケトン、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキルチオまたはC1〜C4アルキルアミノによって置換されていてもよい];
・ 任意のラジカル開始剤(B);および
(II) 約0℃〜220℃の範囲の温度で該混合物を加熱する工程
を含んで成る方法である。
(I) 下記のものを含有する混合物を製造する工程:
・ 少なくとも1つの、一般式(M)のモノエチレン性不飽和モノマー:
HR1C=CR2R3 (M)
[式中、R1、R2、R3は、独立に、水素、C1〜C20アルキル、C1〜C20シクロアルキル、C6〜C24アリール、ハロゲン、シアノ、C1〜C20アルキルエステル、C1〜C20シクロアルキルエステル、C1〜C20アルキルアミド、C1〜C20シクロアルキルアミド、C6〜C24アリールエステルおよびC6〜C24アリールアミドから成る群から選択される];
・ 少なくとも1つの酸化剤(A);
・ 少なくとも1つのヒンダード第二級アミンを含有する、少なくとも1つの、一般式(I)のポリマーまたはオリゴマー:
Yは、一般式HR1C=CR2R3のエチレン性不飽和モノマー(M)に基づく有機残基であり;
R1、R2、R3は、前記に定義した通りであり;
mは、1〜50、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10の整数であり;
nは、1〜300、好ましくは1〜50、より好ましくは1〜20の整数であり;
I1は、開始剤を表し;
R4は、第二級または第三級炭素原子を表し、独立に、C1〜C18アルキル、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C3〜C12シクロアルキルまたはC3〜C12ヘテロシクロアルキル、C6〜C24アリールから成る群から選択され、それらは非置換であるかまたはNO2、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ケトン、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキルチオまたはC1〜C4アルキルアミノによって置換されていてもよく;
Xは、第二級または第三級炭素原子を表し、独立に、C1〜C18アルキル、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C3〜C12シクロアルキルまたはC3〜C12ヘテロシクロアルキル、C6〜C24アリールから成る群から選択され、それらは非置換であるかまたはNO2、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ケトン、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキルチオまたはC1〜C4アルキルアミノによって置換されていてもよい];
・ 任意のラジカル開始剤(B);および
(II) 約0℃〜220℃の範囲の温度で該混合物を加熱する工程
を含んで成る方法である。
一般式(I)のポリマーまたはオリゴマーは、そのような機能性ポリマーまたはオリゴマーの合成について先行技術において既知のいずれかの方法によって合成しうる。
(I)の合成は、例えばUS-A 3178398(第5欄、第27〜51行)およびUS-A 4816520(第2欄、第65行〜第3欄、第7行)に開示されているように、1つまたはいくつかのビニルモノマーのリビングアニオン重合、次に、反応性アニオン鎖と一般構造式(II)のイミンとのキャッピング反応によって行うのが好ましい。
一般式(I)のポリマーまたはオリゴマーの製造に好適な窒素化合物は、一般式(II):
[式中、
R5、R6およびR7は、それぞれ独立に、水素、C1〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキルまたはC3〜C12ヘテロシクロアルキル、およびC6〜C24アリールから成る群から選択され、該アリールは非置換であるかまたはC1〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキルまたはC3〜C12ヘテロシクロアルキルによって置換され;または
R5、R6およびR7は、第二級または第三級炭素原子に結合し、同じかまたは異なっていてもよく;または
R5、R6およびR7は、任意に、それらに結合している炭素原子と一緒になって、C3〜C12シクロアルキル基または酸素、硫黄または窒素原子を含有するC2〜C13ヘテロシクロアルキル基を形成し;または
R5、R6およびR7は、任意に、それらに結合している炭素原子と一緒になって、C6〜C24アリールまたは酸素、硫黄または窒素原子を含有するC6〜C24ヘテロアリール残基を形成し;または
R5、R6およびR7は、任意に、それらに結合している炭素原子と一緒になって、多環式環系、または酸素、硫黄または窒素原子を含有する多環式複素脂環式環系を形成し;
R8およびR9は、それぞれ独立に、水素、C1〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキルまたはC3〜C12ヘテロシクロアルキル、およびC6〜C24アリールから成る群から選択され、該アリールは非置換であるかまたはC1〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキルまたはC3〜C12ヘテロシクロアルキルによって置換されている]
の化合物である。
R5、R6およびR7は、それぞれ独立に、水素、C1〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキルまたはC3〜C12ヘテロシクロアルキル、およびC6〜C24アリールから成る群から選択され、該アリールは非置換であるかまたはC1〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキルまたはC3〜C12ヘテロシクロアルキルによって置換され;または
R5、R6およびR7は、第二級または第三級炭素原子に結合し、同じかまたは異なっていてもよく;または
R5、R6およびR7は、任意に、それらに結合している炭素原子と一緒になって、C3〜C12シクロアルキル基または酸素、硫黄または窒素原子を含有するC2〜C13ヘテロシクロアルキル基を形成し;または
R5、R6およびR7は、任意に、それらに結合している炭素原子と一緒になって、C6〜C24アリールまたは酸素、硫黄または窒素原子を含有するC6〜C24ヘテロアリール残基を形成し;または
R5、R6およびR7は、任意に、それらに結合している炭素原子と一緒になって、多環式環系、または酸素、硫黄または窒素原子を含有する多環式複素脂環式環系を形成し;
R8およびR9は、それぞれ独立に、水素、C1〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキルまたはC3〜C12ヘテロシクロアルキル、およびC6〜C24アリールから成る群から選択され、該アリールは非置換であるかまたはC1〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキルまたはC3〜C12ヘテロシクロアルキルによって置換されている]
の化合物である。
好ましい窒素化合物は、N−ベンジリデン−N−(tert−ブチル)アミン、N−(tert−ブチル)−N−(2,2−ジメチルプロピリデン)アミン、N−(tert−ブチル)−N−(2−メチルプロピリデン)アミン、N−(tert−ブチル)−N−エチリデンアミン、N−(tert−ブチル)−N−(1−メチルエチリデン)アミン、N−(2,2−ジメチルプロピリデン)−N−イソプロピルアミン、N−イソプロピル−N−(2−メチルプロピリデン)アミン、N−ベンジリデン−N−イソプロピルアミン、N−イソプロピル−N−(1−フェニルエチリデン)アミン、N−(tert−ブチル)−N−(1−フェニルエチリデン)アミンおよびN−ベンジリデン−N−(フェニル)アミンである。
特に好ましいのは、N−ベンジリデン−N−(tert−ブチル)アミン、N−ベンジリデン−N−(フェニル)アミン、N−ベンジリデン−N−イソプロピルアミン、およびN−(tert−ブチル)−N−(1−メチルエチリデン)アミンである。
リビングアニオン重合を使用して、一般式(I)のポリマーまたはオリゴマーの残基Yを製造するのに使用しうるモノマーは、US-A 3178398(第2欄、第30行〜第3欄、第54行)およびUS-A 4816520(第1欄、第56行〜第2欄、第2行)に開示されている共役ジエンおよびビニル置換芳香族化合物(両方ともここに参照して本明細書に組み入れられる)を包含する。共役ジエンは、単独かまたは互いに混合して重合させて、コポリマーまたはブロックコポリマーを形成しうる。ビニル置換化合物は、単独かまたは互いに混合して重合させて、コポリマーまたはブロックコポリマーを形成しうる。ビニル置換化合物および共役ジエンは、単独かまたは互いに混合して、コポリマーまたはブロックコポリマーを形成しうる。
スチレンおよびスチレン誘導体、例えばα−メチルスチレンは、一般式(I)のポリマーまたはオリゴマーの残基Yの合成に好ましいモノマーである。
好適な開始剤(I1)は、US-A 3178398(第4欄、第29行〜第5欄、第26行)に記載されているあらゆるアニオン性開始剤、およびビニルモノマーおよびジエンのアニオン重合について先行技術において既知のあらゆる開始剤である。
先行技術においてよく知られている多官能性開始剤も使用しうる。二官能性開始剤の例は、SzwarcらによってJ.Am. Chem. Soc.(1956, 78, 2656)に記載されているようなナフタレンラジカルアニオン、およびn−ブチルリチウム(BuLi)およびジビニルベンゼン(DVB)(Beinertら、Makromol. Chem. 1978, 179, 551;Lutzら、Polymer 1982, 23, 1953)の組み合わせである。BuLi/DVBの比率を変化させることによって、多官能性開始剤を形成することもできる。
本発明の方法に好適な一般的なモノエチレン性不飽和モノマー(M)は、アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレートおよびイソブチルメタクリレート;アクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートおよびヒドロキシプロピルメタクリレート;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アリルアルコール、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ホスホエチルメタクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルアセテート、共役ジエン、例えばブタジエンまたはイソプレン、スチレン、スチレンスルホン酸塩、ビニルスルホン酸塩および2−アクリルアミド−2−メチルプロパン−スルホン酸塩およびアクリロイルである。好適なモノマー(M)は、水溶性または非水溶性であってよい。
前記のモノエチレン性不飽和モノマーに加えて、他のエチレン性不飽和モノマーを付加的に使用することができる。
そのような付加的に使用される(コ)モノマーの例は、C3〜C6エチレン性不飽和モノカルボン酸ならびにそれらのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩である。C3〜C6エチレン性不飽和モノカルボン酸は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸およびアクリルオキシプロピオン酸を包含する。アクリル酸およびメタクリル酸は、好ましいモノエチレン性不飽和モノカルボン酸モノマーである。
そのような(コ)モノマーと同様に使用しうるC8〜C16エチレン性不飽和フェノール化合物の例は、4−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシ、α−メチルスチレン、2,6−ジtert−ブチルおよび4−ビニルフェノールである。
本発明における(コ)モノマーとして使用するのに好適なカルボン酸モノマーの他の種類は、C4〜C6エチレン性不飽和ジカルボン酸およびそれらのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩、ならびにシス−ジカルボン酸の無水物である。好適な例は、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸およびシトラコン酸である。無水マレイン酸(およびイタコン酸)は、好ましいモノエチレン性不飽和ジカルボン酸モノマーである。
本発明に使用するのに好適な酸モノマーは、それらの酸の形態、または酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の形態であってよい。
好ましいモノマー(M)は、C1〜C20アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、C1〜C20アルコールのシアノアクリル酸エステル、C1〜C6アルコールのマレイン酸ジエステル、無水マレイン酸、ビニルピリジン、ビニル(アルキルピロール)、ビニルオキサゾール、ビニルオキサゾリン、ビニルチアゾール、ビニルイミダゾール、ビニルピリミジン、ビニルケトン、スチレン、またはα位にC1〜C6アルキル基またはハロゲンを有し、芳香環に3個までの置換基をさらに有するスチレン誘導体から成る群から選択される。
特に好ましいモノマー(M)は、スチレン、置換スチレン、共役ジエン、アクロレイン、ビニルアセテート、アクリロニトリル、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレートおよび無水マレイン酸である。
本発明の方法に好適な酸化剤(A)は、先行技術から既知の、第二級アミンをニトロキシルラジカルに酸化する全ての酸化剤を包含する。好ましい酸化剤は、過酸、例えば、過酢酸、過プロピオン酸、m−クロロ過安息香酸、ジメチルジオキシラン、過安息香酸、または過酸化物、例えば、ジベンゾイルペルオキシド、ペルオキシ一硫酸カリウム(2KHSO5・KHSO4・K2SO4、Oxone(登録商標)、DuPont Specialty Chemistry, USA)、過酸化水素、過酸化水素/タングステン酸ナトリウム、過酸化水素/チタン含有触媒、例えば二酸化チタンおよびチタニウムシリカライト(EP-A 0488403、p.5)、ホスホタングステン酸、および酸化ガス、例えば分子酸素またはオゾンである。
金属酸化物、例えば、酸化銀、酸化鉛(IV)およびタングステン酸ナトリウムを、他の酸化剤と任意に組み合わせて使用してもよい。種々の酸化剤の混合物を使用してもよい。
特に好ましいのは、過酢酸、過プロピオン酸、過酸化水素、過酸化水素/チタン含有触媒、ペルオキシ一硫酸カリウム(2KHSO5・KHSO4・K2SO4)、酸化銀および酸化鉛(IV)である。
本発明に好適なラジカル開始剤(B)は、遊離基を生じるあらゆる好適な物質、例えば、加熱分解によってラジカルを生じるアゾ化合物、過酸化物またはペルオキシエステルのような前駆物質、または自家重合によってラジカルを生じるスチレンのような前駆物質である。レドックス系、光化学系、または光エネルギー放射線、例えばビームまたはX−または−γ線によってラジカルを生じることもできる。
ラジカルを生じる他の好適な系は、有機金属化合物、例えばグリニャール試薬(例えば、Hawkerら、Macromolecules 1996, 29, 5245)、またはAtom Transfer Radical Addition Process(ATRA)(例えば、WO-A 00/61544)によって金属錯体の存在下にラジカルを生じるハロゲン化化合物である。
加熱分解によって遊離基を生じるラジカル開始剤(B)の例は、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2'−アゾビス(イソバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(メチルイソブチレート)、4,4'−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、1,1'−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−tert−ブチルアゾ−2−シアノプロパン、2,2'−アゾビス[2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチルプロピオンアミド]、2,2'−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2'−アゾビス(イソブチルアミジンヒドロクロリド)、2,2'−アゾビス(N,N'−ジメチレンイソブチルアミン)、2,2'−アゾビス[2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−エチル)プロピオンアミド]、2,2'−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチルプロピオンアミド]、2,2'−アゾビス(イソブチルアミド)ジハイドレート、2,2'−アゾビス(2,2,4−トリメチルペンタン)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロパン)、tert−ブチルペルオキシアセテート、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチルペルオキシオクトエート、tert−ブチルペルオキシネオデカノエート、tert−ブチルペルオキシイソブチレート、tert−アミルペルオキシピバレート、tert−ブチルペルオキシピバレート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、ジクミルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ペルオキシ二硫酸カリウム、ペルオキシ二硫酸アンモニウム、次亜硝酸ジ−tert−ブチルおよび次亜硝酸ジクミルである。
光分解によってラジカルを生じる開始剤は、例えば、ベンゾイン誘導体、ベンゾフェノン、アシルホスフィンオキシドおよび光レドックス系である。
レドックス反応の結果としてラジカルを生じる開始剤は、一般に、酸化剤と還元剤の組み合わせである。好適な酸化剤は、例えば、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クミルヒドロペルオキシド、ベンゾイルペルオキシドおよびp−メタンヒドロペルオキシドである。好適な還元剤は、例えば、Fe(II)塩、Ti(III)塩、チオ硫酸カリウム、亜硫酸水素カリウム、アスコルビン酸およびその塩、蓚酸およびその塩、デキストロースおよびRongalite(登録商標)(ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、BASF AG, Ludwigshafen, Germany)である。
好ましいラジカル開始剤(B)は、加熱分解によって遊離基を生じる化合物である。AIBNおよびベンゾイルペルオキシドが特に好ましい。
本発明の方法を実施する1つの方法は、第一段階において、少なくとも1つの一般式(I)のポリマーまたはオリゴマー、少なくとも1つの酸化剤(A)および少なくとも1つのビニルモノマー(M)を混合する方法である。反応温度は、約−20℃〜約150℃、好ましくは約0℃〜約80℃、より好ましくは約0℃〜約50℃である。反応時間は、約1分〜約72時間、好ましくは約5分〜約24時間、より好ましくは約15分〜約12時間である。本発明の方法の第一段階は、空気中、または窒素またはアルゴンのような不活性ガス雰囲気中で行ってよい。
一般式(I)のポリマーまたはオリゴマーおよび酸化剤(A)は、モノマーの重量に基づいて、約40wt%〜約0.01wt%、好ましくは約20wt%〜約0.05wt%、より好ましくは約10wt%〜約0.1wt%の量で導入される。酸化剤(A)は、(I)に含有されている第二級アミン基に対して約0.01〜約10当量、好ましくは約0.1〜約2.5当量、より好ましくは約0.2〜約1.5当量の量で導入される。
本発明の方法の第二段階において、第一段階の混合物を、約0℃〜約220℃、好ましくは約50℃〜約180℃、最も好ましくは約70℃〜約150℃の温度で加熱することによって、重合を行う。本発明の方法の第二段階は一般に、窒素またはアルゴンのような不活性ガス雰囲気中で行われる。反応時間は、約10分〜約72時間、好ましくは約30分〜約32時間、より好ましくは約1時間〜約24時間であってよい。
場合により、該方法の第一段階および/または第二段階の間に、ある量のラジカル開始剤(B)を重合媒体に任意に添加してよい。ラジカル開始剤は、一般式(I)のポリマーまたはオリゴマーに対して、約0.01〜約10当量、好ましくは約0.1〜約5当量、より好ましくは約0.2〜約2当量の量で導入される。
本発明の方法を実施する他の方法は、少なくとも1つの一般式(I)のポリマーまたはオリゴマー、少なくとも1つの酸化剤(A)および少なくとも1つのビニルモノマー(M)の混合物を加熱する方法である。温度は、約0℃〜約220℃、好ましくは約50℃〜約180℃、最も好ましくは約70℃〜約150℃である。重合は一般に、窒素またはアルゴンのような不活性ガス雰囲気中で行われる。反応時間は、約10分〜約72時間、好ましくは約30分〜約32時間、より好ましくは約1時間〜約24時間である。
本発明の方法を実施する他の方法は、一般構造式(I)のポリマーまたはオリゴマーと酸化剤(A)とを混合し、次に、一般式(III)の化合物を単離することによって、一般式(III):
[式中、
Yは、一般式HR1C=CR2R3のエチレン性不飽和モノマー(M)に基づく有機残基であり;
R1、R2、R3は、独立に、水素、C1〜C20アルキル、C1〜C20シクロアルキル、C6〜C24アリール、ハロゲン、シアノ、C1〜C20アルキルエステル、C1〜C20シクロアルキルエステル、C1〜C20アルキルアミド、C1〜C20シクロアルキルアミド、C6〜C24アリールエステルおよびC6〜C24アリールアミドから成る群から選択され;
mは、1〜50、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10の整数であり;
nは、1〜300、好ましくは1〜50、より好ましくは1〜20の整数であり;
I1は、開始剤を表し;
R4は、第二級または第三級炭素原子を表し、独立に、C1〜C18アルキル、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C3〜C12シクロアルキルまたはC3〜C12ヘテロシクロアルキル、C6〜C24アリールから成る群から選択され、それらは非置換であるかまたはNO2、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ケトン、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキルチオまたはC1〜C4アルキルアミノによって置換されていてもよく;
Xは、第二級または第三級炭素原子を表し、独立に、C1〜C18アルキル、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C3〜C12シクロアルキルまたはC3〜C12ヘテロシクロアルキル、C6〜C24アリールから成る群から選択され、それらは非置換であるかまたはNO2、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ケトン、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキルチオまたはC1〜C4アルキルアミノによって置換されていてもよい]
のニトロキシルラジカルを製造する方法である。
Yは、一般式HR1C=CR2R3のエチレン性不飽和モノマー(M)に基づく有機残基であり;
R1、R2、R3は、独立に、水素、C1〜C20アルキル、C1〜C20シクロアルキル、C6〜C24アリール、ハロゲン、シアノ、C1〜C20アルキルエステル、C1〜C20シクロアルキルエステル、C1〜C20アルキルアミド、C1〜C20シクロアルキルアミド、C6〜C24アリールエステルおよびC6〜C24アリールアミドから成る群から選択され;
mは、1〜50、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10の整数であり;
nは、1〜300、好ましくは1〜50、より好ましくは1〜20の整数であり;
I1は、開始剤を表し;
R4は、第二級または第三級炭素原子を表し、独立に、C1〜C18アルキル、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C3〜C12シクロアルキルまたはC3〜C12ヘテロシクロアルキル、C6〜C24アリールから成る群から選択され、それらは非置換であるかまたはNO2、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ケトン、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキルチオまたはC1〜C4アルキルアミノによって置換されていてもよく;
Xは、第二級または第三級炭素原子を表し、独立に、C1〜C18アルキル、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C3〜C12シクロアルキルまたはC3〜C12ヘテロシクロアルキル、C6〜C24アリールから成る群から選択され、それらは非置換であるかまたはNO2、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ケトン、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキルチオまたはC1〜C4アルキルアミノによって置換されていてもよい]
のニトロキシルラジカルを製造する方法である。
第一反応段階の温度は、約−20℃〜約150℃、好ましくは約0℃〜約80℃、より好ましくは約0℃〜約50℃であってよい。反応時間は、約1分〜約72時間、好ましくは約5分〜約24時間、より好ましくは約15分〜約12時間であってよい。この方法の第一段階は、空気中、または窒素またはアルゴンのような不活性ガス雰囲気中で行われてよい。この反応は、ジクロロメタン、トルエンまたはキシレンのような溶媒の存在下に行うのが好ましい。水を補助溶媒として使用してもよい。水を補助溶媒として使用する場合、塩基性有機または無機緩衝剤、または有機または無機塩基、例えば、Na2CO3、NaHCO3、K2CO3、KHCO3、Na3PO4、Na2HPO4、NaH2PO4、K3PO4、K2HPO4またはKH2PO4、フタル酸水素ナトリウムまたはカリウム、酢酸、プロピオン酸、蓚酸、フタル酸のようなカルボン酸の金属塩またはそれらの混合物を添加してよい。好ましい塩基は、Na2CO3、NaHCO3、K2CO3、KHCO3、または酢酸のナトリウム、カルシウムまたはカリウム塩である。
酸化剤(A)と一般式(I)の化合物とのモル比は、0.01:50、好ましくは0.1:20、より好ましくは0.25:10である。一般構造式(I)のポリマーまたはオリゴマーおよび酸化剤(A)は、溶媒の重量に基づいて、約80wt%〜約0.01wt%、好ましくは約20wt%〜約0.1wt%、より好ましくは約10wt%〜約0.5wt%の量で導入される。一般式(III)のポリマーまたはオリゴマーは、合成後に最後に回収され、任意に精製される。
この方法の第二段階において、第一段階で製造した一般式(III)のポリマーまたはオリゴマーを、ビニルモノマー(M)に溶解し、この混合物を約0℃〜約220℃、好ましくは約50℃〜約180℃、最も好ましくは約70℃〜約150℃の温度で反応させることによって重合させる。この方法の第二段階は一般に、窒素またはアルゴンのような不活性ガス雰囲気中で行われる。反応時間は、約10分〜約72時間、好ましくは約30分〜約32時間、より好ましくは約1時間〜約24時間である。
場合により、該方法の第二段階の間に、ある量のラジカル開始剤(B)を、重合媒体に添加してよい。ラジカル開始剤は、(I)に対して、約0.01〜約10当量、好ましくは約0.1〜約5当量、より好ましくは約0.2〜約2当量の量で導入される。
本発明は、
a) 少なくとも1つのモノマーまたはエチレン性不飽和オリゴマー;
b) 少なくとも1つの、一般式(III)のポリマーまたはオリゴマー;および
c) 任意に、ラジカル開始剤(B)
を含有する重合性混合物にも関する。
a) 少なくとも1つのモノマーまたはエチレン性不飽和オリゴマー;
b) 少なくとも1つの、一般式(III)のポリマーまたはオリゴマー;および
c) 任意に、ラジカル開始剤(B)
を含有する重合性混合物にも関する。
本発明の方法において、できるだけ少ない数の溶媒を使用するのが好ましい。有機溶媒が必要とされる場合、好適な溶媒または溶媒混合物は一般に、純粋アルカン、例えば、ヘキサン、ヘプタンまたはシクロアルカン、炭化水素、例えば、トルエン、エチルベンゼンまたはキシレン、ハロゲン化炭化水素、例えばクロロベンゼン、エステル、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、ブチルまたはヘキシル、エーテル、例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテルまたはエチレングリコールジメチルエーテル、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール、モノメチルエーテル、ケトン、アミド、スルホキシドまたはそれらの混合物である。本発明の方法において、水を使用してもよい。
本発明の方法において、水溶性モノマーを使用する場合、水を使用してよい。水不溶性モノマーの重合に水を使用して、乳化重合、ミニエマルジョン重合、懸濁重合または分散重合を行ってもよい。
使用される重合の種類は、塊状、溶液、ミニエマルジョン、乳化、分散または懸濁重合であってよく、回分的、半回分的または連続的に行ってよい。
場合により、重合を促進するために、重合前または重合工程の間に、いくつかの添加剤を重合媒体に添加してよい。そのような添加剤は、当分野においてよく知られており、例えば、樟脳スルホン酸、2−フルオロ−1−メチルピリジニウムp−トルエンスルホネート、アシル化化合物、例えば、無水酢酸(Tetrahedron 1997, 53(45), 15225)、グルコース、デキストロ−ス(Macromolecules 1998, 31, 7559)、アスコルビン酸(Macromolecules 2001, 34, 6531)、またはUS-A 6288186(第4欄、第8〜24行)に記載されているロングライフラジカル開始剤である。
本発明によって製造されるポリマーは、一般に2より低い、好ましくは1.5より低い、低多分散性(Mw/Mn)を示す。
ポリマー鎖の数平均分子量はモノマー転化と共に直線的に増加し、これは、注文通りのポリマー分子量を得ることを可能にする。さらに、ポリマーの分子量は、モノマーの量に対して、第二級アミン(化合物(I))および/または酸化剤の量を変化させることによって調節しうる。高分子量ポリマーを形成しうる。
本発明の他の利点は、非重合モノマーを(コ)ポリマーから除去した後かまたは100%の転化率に達した後に、第一重合段階で使用したビニルモノマーまたはモノマー混合物と異なっていてもよい新しいビニルモノマーまたはモノマー混合物を、第一段階で合成したポリマーにさらに添加するだけで、第二重合段階を開始しうることである。次に、第二段階で添加したビニルモノマーまたはモノマー混合物の重合を、第一重合段階で合成したポリマー鎖によって開始し、第一重合段階で合成したポリマー鎖が1つの生長鎖末端を有する直鎖から成る場合、ニブロックコポリマーを生成しうる。各ブロックの分子量および多分散性は、各重合段階の間に、独立して調節しうる。この方法を数回繰り返して、各ブロックについて調節された分子量および分子量分布を有する多ブロックコポリマーを得ることができる。
下記の実施例は、本発明をさらに詳しく例示するものである。
Shodex RI 74示差屈折計を使用して、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって、分子量を測定した。1mL/分の流量を使用し、試料をTHF中に調製した。ポリスチレン標準を校正に使用した。
容器の乾燥
機械攪拌機、還流冷却器および温度計を取り付けた300mLの4口平底フラスコに、蒸留シクロヘキサン(100mL)およびスチレン(1g)をアルゴン雰囲気下に添加する。次に、混合物を60℃で加熱し、2mLのsec−ブチルリチウム(Aldrich;1.3M)を添加する。重合媒体がオレンジ色になり、30分後に重合媒体を除去する。次に、反応器をアルゴンで満たし、蒸留シクロヘキサン50mLで洗浄する。
機械攪拌機、還流冷却器および温度計を取り付けた300mLの4口平底フラスコに、蒸留シクロヘキサン(100mL)およびスチレン(1g)をアルゴン雰囲気下に添加する。次に、混合物を60℃で加熱し、2mLのsec−ブチルリチウム(Aldrich;1.3M)を添加する。重合媒体がオレンジ色になり、30分後に重合媒体を除去する。次に、反応器をアルゴンで満たし、蒸留シクロヘキサン50mLで洗浄する。
重合
乾燥した反応器に、シクロヘキサン200mLおよびスチレン10g(0.096mol)を添加し、アルゴン雰囲気下に温度を50℃に上げる。sec−ブチルリチウム7.69mL(Aldrich;1.3M;0.01mol)を添加して、スチレンの重合を開始する。重合媒体がオレンジ色になり、温度が60.4℃に上昇する(少しの発熱を伴う反応)。1時間の反応後、温度は50.5℃であり、N−ベンジリデン−tert−ブチルアミン1.61g(0.01mol)を添加する。重合媒体が急速に無色になる。50.5℃で30分後、イソプロパノール0.77mL(0.01mol)を添加する。次に、有機溶液を水100mLで3回洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、最後に、溶媒および残留モノマーを70℃で真空除去する。ポリマーをシクロヘキサン100mLに溶解し、150mLの1N HClで2回および水で1回洗浄する。最後に、シクロヘキサンを70℃で真空除去し、化合物1(9.36g)を白色固形物として採収する。
乾燥した反応器に、シクロヘキサン200mLおよびスチレン10g(0.096mol)を添加し、アルゴン雰囲気下に温度を50℃に上げる。sec−ブチルリチウム7.69mL(Aldrich;1.3M;0.01mol)を添加して、スチレンの重合を開始する。重合媒体がオレンジ色になり、温度が60.4℃に上昇する(少しの発熱を伴う反応)。1時間の反応後、温度は50.5℃であり、N−ベンジリデン−tert−ブチルアミン1.61g(0.01mol)を添加する。重合媒体が急速に無色になる。50.5℃で30分後、イソプロパノール0.77mL(0.01mol)を添加する。次に、有機溶液を水100mLで3回洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、最後に、溶媒および残留モノマーを70℃で真空除去する。ポリマーをシクロヘキサン100mLに溶解し、150mLの1N HClで2回および水で1回洗浄する。最後に、シクロヘキサンを70℃で真空除去し、化合物1(9.36g)を白色固形物として採収する。
GPCによって測定した化合物1の分子特性:
Mn=1136g/mol
Mw=1236g/mol
Mw/Mn=1.09
Mn=1136g/mol
Mw=1236g/mol
Mw/Mn=1.09
実施例2
本発明による、実施例1で合成した化合物1および過酢酸の存在下でのスチレンとアクリロニトリルの共重合
機械攪拌機、還流冷却器、温度計および漏斗を取り付けた100mLの4口丸底フラスコに、過酢酸0.192g(Aldrich、35wt%;8.83 10-4mol)を添加する。次に、化合物1を1g(8.83 10-4mol、GPCによって測定される化合物1の数平均分子量Mnから算出)、スチレン14.67g(0.141mol)およびアクリロニトリル4.89g(0.092mol)の混合物を、漏斗によって素早く添加する。混合物を撹拌し、10分間にわたってアルゴンで泡立たせて脱気する。室温で30分後、混合物を2.33時間にわたって加熱還流する。2時間および2.33時間後に、反応フラスコから試料を抜き取り、70℃で24時間にわたって真空乾燥する。モノマー転化を重量分析によって測定し、ポリマーの分子量をGPCによって測定する。表1は、GPCによって得た結果を示す。
本発明による、実施例1で合成した化合物1および過酢酸の存在下でのスチレンとアクリロニトリルの共重合
機械攪拌機、還流冷却器、温度計および漏斗を取り付けた100mLの4口丸底フラスコに、過酢酸0.192g(Aldrich、35wt%;8.83 10-4mol)を添加する。次に、化合物1を1g(8.83 10-4mol、GPCによって測定される化合物1の数平均分子量Mnから算出)、スチレン14.67g(0.141mol)およびアクリロニトリル4.89g(0.092mol)の混合物を、漏斗によって素早く添加する。混合物を撹拌し、10分間にわたってアルゴンで泡立たせて脱気する。室温で30分後、混合物を2.33時間にわたって加熱還流する。2時間および2.33時間後に、反応フラスコから試料を抜き取り、70℃で24時間にわたって真空乾燥する。モノマー転化を重量分析によって測定し、ポリマーの分子量をGPCによって測定する。表1は、GPCによって得た結果を示す。
モノマー転化率に伴うポリマーの分子量増加、および狭い多分散性は、制御法と一致している。
さらに、化合物1および過酢酸の存在、付加的開始剤の不存在におけるSANの重合は、極めて速く起こり、2.5時間後にほぼ終了する。
比較例A
過酢酸の存在および化合物1の不存在における、スチレン/アクリロニトリルの重合
機械攪拌機、還流冷却器、温度計および漏斗を取り付けた100mLの4口丸底フラスコに、過酢酸0.192g(Aldrich、35wt%;8.83 10-4mol)を添加する。次に、スチレン14.67g(0.141mol)およびアクリロニトリル4.89g(0.092mol)の混合物を、漏斗によって素早く添加する。混合物を撹拌し、10分間にわたってアルゴンで泡立たせて脱気する。室温で30分後、混合物を45分間にわたって加熱還流する。ポリマーをクロロホルムに溶解し、メタノール中で沈殿させ、次に、50℃で真空乾燥する。モノマー転化を重量分析によって測定し、ポリマーの分子量をGPCによって測定する。表2は、GPCによって得た結果を示す。
過酢酸の存在および化合物1の不存在における、スチレン/アクリロニトリルの重合
機械攪拌機、還流冷却器、温度計および漏斗を取り付けた100mLの4口丸底フラスコに、過酢酸0.192g(Aldrich、35wt%;8.83 10-4mol)を添加する。次に、スチレン14.67g(0.141mol)およびアクリロニトリル4.89g(0.092mol)の混合物を、漏斗によって素早く添加する。混合物を撹拌し、10分間にわたってアルゴンで泡立たせて脱気する。室温で30分後、混合物を45分間にわたって加熱還流する。ポリマーをクロロホルムに溶解し、メタノール中で沈殿させ、次に、50℃で真空乾燥する。モノマー転化を重量分析によって測定し、ポリマーの分子量をGPCによって測定する。表2は、GPCによって得た結果を示す。
化合物1の不存在における重合は、極めて速く、非制御的に起こる。高分子量ポリマーおよび極めて広い多分散性を生じる。
比較例B
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)の存在下でのスチレン/アクリロニトリルの重合
機械攪拌機、還流冷却器、温度計および漏斗を取り付けた100mLの4口丸底フラスコに、スチレン14.67g(0.141mol)、アクリロニトリル4.89g(0.092mol)およびTEMPO 0.137g(8.8 10-4mol)の混合物を、漏斗によって素早く添加する。混合物を撹拌し、10分間にわたってアルゴンで泡立たせて脱気する。室温で30分後、混合物を24時間にわたって加熱還流する。2時間および24時間後に反応フラスコから試料を抜き取り、70℃で24時間にわたって真空乾燥する。モノマー転化を重量分析によって測定し、ポリマーの分子量をGPCによって測定する。表3は、GPCによって得た結果を示す。
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)の存在下でのスチレン/アクリロニトリルの重合
機械攪拌機、還流冷却器、温度計および漏斗を取り付けた100mLの4口丸底フラスコに、スチレン14.67g(0.141mol)、アクリロニトリル4.89g(0.092mol)およびTEMPO 0.137g(8.8 10-4mol)の混合物を、漏斗によって素早く添加する。混合物を撹拌し、10分間にわたってアルゴンで泡立たせて脱気する。室温で30分後、混合物を24時間にわたって加熱還流する。2時間および24時間後に反応フラスコから試料を抜き取り、70℃で24時間にわたって真空乾燥する。モノマー転化を重量分析によって測定し、ポリマーの分子量をGPCによって測定する。表3は、GPCによって得た結果を示す。
化合物1(8.8 10-4mol)と同じモル量のTEMPO(8.8 10-4mol)を使用した場合、TEMPOの存在下でのSANの重合は、化合物1と過酢酸との組み合わせの存在下でのSANの重合と比較してかなり遅い。実際に、化合物1および過酢酸の存在下に2.33時間後のモノマー転化率89.5%と比較して、TEMPOの存在下に還流させた24時間後に僅か55%のモノマー転化率を生じる。
容器の乾燥
機械攪拌機、還流冷却器および温度計を取り付けた300mLの4口平底フラスコに、蒸留シクロヘキサン(100mL)およびスチレン(1g)をアルゴン雰囲気下に添加する。次に、混合物を60℃に加熱し、2mLのsec−ブチルリチウム(Aldrich;1.3M)を添加する。重合媒体がオレンジ色になり、30分後に重合媒体を除去する。次に、反応器をアルゴンで満たし、蒸留シクロヘキサン50mLで洗浄する。
機械攪拌機、還流冷却器および温度計を取り付けた300mLの4口平底フラスコに、蒸留シクロヘキサン(100mL)およびスチレン(1g)をアルゴン雰囲気下に添加する。次に、混合物を60℃に加熱し、2mLのsec−ブチルリチウム(Aldrich;1.3M)を添加する。重合媒体がオレンジ色になり、30分後に重合媒体を除去する。次に、反応器をアルゴンで満たし、蒸留シクロヘキサン50mLで洗浄する。
重合
乾燥した反応器に、シクロヘキサン200mLおよびスチレン20g(0.192mol)を添加し、アルゴン雰囲気下に温度を40℃に上げる。sec−ブチルリチウム15.4mL(Aldrich;1.3M;0.02mol)を添加して、スチレンの重合を開始する。重合媒体がオレンジ色になり、温度が64.4℃に上がる(発熱反応)。1時間の反応後、温度は41.1℃であり、N−ベンジリデン−tert−ブチルアミン3.22g(0.02mol)を添加する。重合媒体が急速に無色になる。41.1℃で30分後、イソプロパノール3.1mL(0.04mol)を添加する。次に、有機溶液を水200mLで1回、1N HCl 200mLで2回、および水200mLで1回洗浄し、次に、Na2SO4で乾燥し、濾過し、最後に、溶媒および残留モノマーを70℃で真空除去する。化合物1'(22.72g)を白色固形物として採収する。
乾燥した反応器に、シクロヘキサン200mLおよびスチレン20g(0.192mol)を添加し、アルゴン雰囲気下に温度を40℃に上げる。sec−ブチルリチウム15.4mL(Aldrich;1.3M;0.02mol)を添加して、スチレンの重合を開始する。重合媒体がオレンジ色になり、温度が64.4℃に上がる(発熱反応)。1時間の反応後、温度は41.1℃であり、N−ベンジリデン−tert−ブチルアミン3.22g(0.02mol)を添加する。重合媒体が急速に無色になる。41.1℃で30分後、イソプロパノール3.1mL(0.04mol)を添加する。次に、有機溶液を水200mLで1回、1N HCl 200mLで2回、および水200mLで1回洗浄し、次に、Na2SO4で乾燥し、濾過し、最後に、溶媒および残留モノマーを70℃で真空除去する。化合物1'(22.72g)を白色固形物として採収する。
GPCによって測定した化合物1'の分子特性は次の通りである。
Mn=1054g/mol
Mw=1140g/mol
Mw/Mn=1.08
Mn=1054g/mol
Mw=1140g/mol
Mw/Mn=1.08
実施例4
本発明による、実施例3で合成した化合物1'および過酢酸の存在下でのスチレンとアクリロニトリルの共重合
機械攪拌機、還流冷却器、温度計および漏斗を取り付けた100mLの4口丸底フラスコに、過酢酸0.096g(Aldrich、35wt%;4.418 10-4mol)を添加する。次に、化合物1'を0.5g、スチレン14.67g(0.141mol)およびアクリロニトリル4.89g(0.092mol)の混合物を、漏斗によって素早く添加する。混合物を撹拌し、10分間にわたってアルゴンで泡立たせて脱気する。室温で30分後、混合物を2時間にわたって加熱還流する。1時間および2時間後に、反応フラスコから試料を抜き取り、50℃で24時間にわたって真空乾燥する。モノマー転化を重量分析によって測定し、ポリマーの分子量をGPCによって測定する。表4は、GPCによって得た結果を示す。
本発明による、実施例3で合成した化合物1'および過酢酸の存在下でのスチレンとアクリロニトリルの共重合
機械攪拌機、還流冷却器、温度計および漏斗を取り付けた100mLの4口丸底フラスコに、過酢酸0.096g(Aldrich、35wt%;4.418 10-4mol)を添加する。次に、化合物1'を0.5g、スチレン14.67g(0.141mol)およびアクリロニトリル4.89g(0.092mol)の混合物を、漏斗によって素早く添加する。混合物を撹拌し、10分間にわたってアルゴンで泡立たせて脱気する。室温で30分後、混合物を2時間にわたって加熱還流する。1時間および2時間後に、反応フラスコから試料を抜き取り、50℃で24時間にわたって真空乾燥する。モノマー転化を重量分析によって測定し、ポリマーの分子量をGPCによって測定する。表4は、GPCによって得た結果を示す。
モノマー転化に伴うポリマーの分子量増加、および狭い多分散性は、制御法と一致している。
さらに、実際に文献に記載されている他のNMP系と対比して、化合物1'および過酢酸の存在、付加的開始剤の不存在におけるSANの重合は、極めて速く起こる(2.5時間後にほぼ終了する)。
実施例5
実施例3で合成した化合物1'および過酢酸の存在下でのスチレンとアクリロニトリルの共重合:制御された高分子量SANの合成
機械攪拌機、還流冷却器、温度計および漏斗を取り付けた250mLの4口丸底フラスコに、過酢酸0.192g(Aldrich、35wt%;8.83 10-4mol)を添加する。次に、化合物1'を1g、スチレン58.68g(0.563mol)およびアクリロニトリル19.56g(0.369mol)の混合物を、漏斗によって素早く添加する。混合物を撹拌し、10分間にわたってアルゴンで泡立たせて脱気する。室温で30分後、混合物を5.2時間にわたって加熱還流する。1.5時間、4時間および5.33時間後に、反応フラスコから試料を抜き取り、50℃で24時間にわたって真空乾燥する。モノマー転化を重量分析によって測定し、ポリマーの分子量をGPCによって測定する。得られた結果を表5に示す。
実施例3で合成した化合物1'および過酢酸の存在下でのスチレンとアクリロニトリルの共重合:制御された高分子量SANの合成
機械攪拌機、還流冷却器、温度計および漏斗を取り付けた250mLの4口丸底フラスコに、過酢酸0.192g(Aldrich、35wt%;8.83 10-4mol)を添加する。次に、化合物1'を1g、スチレン58.68g(0.563mol)およびアクリロニトリル19.56g(0.369mol)の混合物を、漏斗によって素早く添加する。混合物を撹拌し、10分間にわたってアルゴンで泡立たせて脱気する。室温で30分後、混合物を5.2時間にわたって加熱還流する。1.5時間、4時間および5.33時間後に、反応フラスコから試料を抜き取り、50℃で24時間にわたって真空乾燥する。モノマー転化を重量分析によって測定し、ポリマーの分子量をGPCによって測定する。得られた結果を表5に示す。
モノマー転化に伴うポリマーの分子量増加、および狭い多分散性は、制御法と一致している。制御された高分子量SANは、化合物1'を使用して短い反応時間で合成しうる。
比較例C
TEMPOの存在下でのスチレンとアクリロニトリルの共重合
機械攪拌機、還流冷却器、温度計および漏斗を取り付けた100mLの4口丸底フラスコに、TEMPOを0.0548g(3.5 10-4mol)、スチレン29.34g(0.563mol)およびアクリロニトリル9.78g(0.369mol)の混合物を添加する。混合物を撹拌し、10分間にわたってアルゴンで泡立たせて脱気する。次に、混合物を24時間にわたって加熱還流する。2時間、12時間および24時間後に、反応フラスコから試料を抜き取り、50℃で24時間にわたって真空乾燥する。モノマー転化を重量分析によって測定し、ポリマーの分子量をGPCによって測定する。得られた結果を表6に示す。
TEMPOの存在下でのスチレンとアクリロニトリルの共重合
機械攪拌機、還流冷却器、温度計および漏斗を取り付けた100mLの4口丸底フラスコに、TEMPOを0.0548g(3.5 10-4mol)、スチレン29.34g(0.563mol)およびアクリロニトリル9.78g(0.369mol)の混合物を添加する。混合物を撹拌し、10分間にわたってアルゴンで泡立たせて脱気する。次に、混合物を24時間にわたって加熱還流する。2時間、12時間および24時間後に、反応フラスコから試料を抜き取り、50℃で24時間にわたって真空乾燥する。モノマー転化を重量分析によって測定し、ポリマーの分子量をGPCによって測定する。得られた結果を表6に示す。
重合は極めて遅く(2時間の重合後に、極少量のポリマーが得られるにすぎない)、24時間の反応後に、64.8%のモノマー転化率を生じるにすぎない。
実施例6
実施例3で合成した化合物1'および過酢酸の存在下での、n−ブチルアクリレート、スチレンおよびアクリロニトリルの共重合
機械攪拌機、還流冷却器、温度計および漏斗を取り付けた100mLの4口丸底フラスコに、過酢酸0.192g(Aldrich、35wt%;8.83 10-4mol)を添加する。次に、化合物1'を1g、n−ブチルアクリレート19.56g(0.152mol)、スチレン14.67g(0.141mol)およびアクリロニトリル4.89g(0.092mol)の混合物を、漏斗によって素早く添加する。混合物を撹拌し、10分間にわたってアルゴンで泡立たせて脱気する。室温で30分後、混合物を110℃で4時間にわたって加熱する。1時間、2時間および4時間後に、反応フラスコから試料を抜き取り、80℃で24時間にわたって真空乾燥する。モノマー転化を重量分析によって測定し、ポリマーの分子量をGPCによって測定する。得られた結果を表7に示す。
実施例3で合成した化合物1'および過酢酸の存在下での、n−ブチルアクリレート、スチレンおよびアクリロニトリルの共重合
機械攪拌機、還流冷却器、温度計および漏斗を取り付けた100mLの4口丸底フラスコに、過酢酸0.192g(Aldrich、35wt%;8.83 10-4mol)を添加する。次に、化合物1'を1g、n−ブチルアクリレート19.56g(0.152mol)、スチレン14.67g(0.141mol)およびアクリロニトリル4.89g(0.092mol)の混合物を、漏斗によって素早く添加する。混合物を撹拌し、10分間にわたってアルゴンで泡立たせて脱気する。室温で30分後、混合物を110℃で4時間にわたって加熱する。1時間、2時間および4時間後に、反応フラスコから試料を抜き取り、80℃で24時間にわたって真空乾燥する。モノマー転化を重量分析によって測定し、ポリマーの分子量をGPCによって測定する。得られた結果を表7に示す。
モノマー転化に伴うポリマーの分子量増加、および狭い多分散性は、制御法と一致している。さらに、どのような活性剤も添加せずに、共重合が急速に起こる:低温(110℃)で4時間後に76.5%のモノマー転化率。
容器の乾燥
機械攪拌機、還流冷却器および温度計を取り付けた300mLの4口平底フラスコに、蒸留シクロヘキサン(100mL)およびスチレン(1g)をアルゴン雰囲気下に添加する。次に、混合物を60℃で加熱し、2mLのsec−ブチルリチウム(Aldrich;1.4M)を添加する。重合媒体がオレンジ色になり、30分後に重合媒体を除去する。次に、反応器をアルゴンで満たし、蒸留シクロヘキサン50mLで洗浄する。
機械攪拌機、還流冷却器および温度計を取り付けた300mLの4口平底フラスコに、蒸留シクロヘキサン(100mL)およびスチレン(1g)をアルゴン雰囲気下に添加する。次に、混合物を60℃で加熱し、2mLのsec−ブチルリチウム(Aldrich;1.4M)を添加する。重合媒体がオレンジ色になり、30分後に重合媒体を除去する。次に、反応器をアルゴンで満たし、蒸留シクロヘキサン50mLで洗浄する。
重合
乾燥した反応器に、シクロヘキサン200mLおよびsec−ブチルリチウム14.3mL(Aldrich;1.4M)を添加する。溶液を40℃で加熱し、乾燥トリエチルアミン2mL(シクロヘキサン中1M)を添加する。次に、シクロヘキサン中のジビニルベンゼンの溶液(シクロヘキサン10mL中1.3g、0.01mol、sec−ブチルリチウムに基づき0.5当量)を、15分間で反応フラスコにゆっくり添加する。反応溶液が濃赤色になる。40℃で30分後、スチレン20g(0.192mol)を添加し、反応を60℃で30分間撹拌する。次に、N−ベンジリデンtert−ブチルアミン3.23g(0.02mol)を添加する。重合媒体が急速に無色になる。60℃で30分後、イソプロパノール2mL(0.026mol)を添加する。次に、有機溶液をHCl 1N 200mLで2回、水100mLで1回、およびNaOH 1N 200mLで2回洗浄し、次に、Na2SO4で乾燥し、濾過し、最後に、溶媒および残留モノマーを70℃で真空除去する。化合物2(24.33g)を白色固形物として採収する。
乾燥した反応器に、シクロヘキサン200mLおよびsec−ブチルリチウム14.3mL(Aldrich;1.4M)を添加する。溶液を40℃で加熱し、乾燥トリエチルアミン2mL(シクロヘキサン中1M)を添加する。次に、シクロヘキサン中のジビニルベンゼンの溶液(シクロヘキサン10mL中1.3g、0.01mol、sec−ブチルリチウムに基づき0.5当量)を、15分間で反応フラスコにゆっくり添加する。反応溶液が濃赤色になる。40℃で30分後、スチレン20g(0.192mol)を添加し、反応を60℃で30分間撹拌する。次に、N−ベンジリデンtert−ブチルアミン3.23g(0.02mol)を添加する。重合媒体が急速に無色になる。60℃で30分後、イソプロパノール2mL(0.026mol)を添加する。次に、有機溶液をHCl 1N 200mLで2回、水100mLで1回、およびNaOH 1N 200mLで2回洗浄し、次に、Na2SO4で乾燥し、濾過し、最後に、溶媒および残留モノマーを70℃で真空除去する。化合物2(24.33g)を白色固形物として採収する。
GPCによって測定した化合物2の分子特性は下記の通りである。
Mn=1946
Mw=2348
Mw/Mn=1.20
Mn=1946
Mw=2348
Mw/Mn=1.20
実施例8
実施例7で合成した化合物2および過酢酸の存在下でのスチレンとアクリロニトリルの共重合
機械攪拌機、還流冷却器、温度計および漏斗を取り付けた100mLの4口丸底フラスコに、過酢酸0.222g(Aldrich、35wt%;1 10-3mol)を添加する。次に、化合物2を1g、スチレン29.34g(0.281mol)およびアクリロニトリル9.78g(0.184mol)の混合物を、漏斗によって素早く添加する。混合物を撹拌し、10分間にわたってアルゴンで泡立たせて脱気する。室温で30分後、混合物を2時間にわたって加熱還流する。1時間および2時間後に、反応フラスコから試料を抜き取り、50℃で24時間にわたって真空乾燥する。モノマー転化を重量分析によって測定し、ポリマーの分子量をGPCによって測定する。得られた結果を表8に示す。
実施例7で合成した化合物2および過酢酸の存在下でのスチレンとアクリロニトリルの共重合
機械攪拌機、還流冷却器、温度計および漏斗を取り付けた100mLの4口丸底フラスコに、過酢酸0.222g(Aldrich、35wt%;1 10-3mol)を添加する。次に、化合物2を1g、スチレン29.34g(0.281mol)およびアクリロニトリル9.78g(0.184mol)の混合物を、漏斗によって素早く添加する。混合物を撹拌し、10分間にわたってアルゴンで泡立たせて脱気する。室温で30分後、混合物を2時間にわたって加熱還流する。1時間および2時間後に、反応フラスコから試料を抜き取り、50℃で24時間にわたって真空乾燥する。モノマー転化を重量分析によって測定し、ポリマーの分子量をGPCによって測定する。得られた結果を表8に示す。
モノマー転化に伴う分子量増加、および狭い多分散性によって示されるように、制御重合が観察される。
驚くことに、高分子量SANが形成されるが、重合は、従来のNMP法と比較して極めて速く起こる:還流下に、わずか2時間後に、73.2%のモノマー転化率が得られる。
容器の乾燥
機械攪拌機、還流冷却器および温度計を取り付けた300mLの4口平底フラスコに、蒸留シクロヘキサン(100mL)およびスチレン(1g)をアルゴン雰囲気下に添加する。次に、混合物を60℃で加熱し、2mLのsec−ブチルリチウム(Aldrich;1.4M)を添加する。重合媒体がオレンジ色になり、30分後に重合媒体を除去する。次に、反応器をアルゴンで満たし、蒸留シクロヘキサン50mLで洗浄する。
機械攪拌機、還流冷却器および温度計を取り付けた300mLの4口平底フラスコに、蒸留シクロヘキサン(100mL)およびスチレン(1g)をアルゴン雰囲気下に添加する。次に、混合物を60℃で加熱し、2mLのsec−ブチルリチウム(Aldrich;1.4M)を添加する。重合媒体がオレンジ色になり、30分後に重合媒体を除去する。次に、反応器をアルゴンで満たし、蒸留シクロヘキサン50mLで洗浄する。
重合
乾燥した反応器に、シクロヘキサン200mLおよびsec−ブチルリチウム14.3mL(Aldrich;1.4M)を添加する。溶液を40℃で加熱し、乾燥トリエチルアミン2mL(シクロヘキサン中1M)を添加する。次に、シクロヘキサン中のジビニルベンゼンの溶液(シクロヘキサン10mLに溶解したジビニルベンゼン1.95g)を、15分間で反応フラスコにゆっくり添加する。40℃で30分後、スチレン20g(0.192mol)を添加し、反応を60℃で30分間継続する。その後、N−ベンジリデンtert−ブチルアミン3.23g(0.02mol)を添加する。重合媒体が急速に無色になる。60℃で30分後、イソプロパノール2mL(0.026mol)を添加する。次に、有機溶液をHCl 1N 200mLで2回、水100mLで1回、およびNaOH 1N 200mLで2回洗浄し、次に、Na2SO4で乾燥し、濾過し、最後に、溶媒および残留モノマーを70℃で真空除去する。化合物3(24.52g)を白色固形物として採収する。
乾燥した反応器に、シクロヘキサン200mLおよびsec−ブチルリチウム14.3mL(Aldrich;1.4M)を添加する。溶液を40℃で加熱し、乾燥トリエチルアミン2mL(シクロヘキサン中1M)を添加する。次に、シクロヘキサン中のジビニルベンゼンの溶液(シクロヘキサン10mLに溶解したジビニルベンゼン1.95g)を、15分間で反応フラスコにゆっくり添加する。40℃で30分後、スチレン20g(0.192mol)を添加し、反応を60℃で30分間継続する。その後、N−ベンジリデンtert−ブチルアミン3.23g(0.02mol)を添加する。重合媒体が急速に無色になる。60℃で30分後、イソプロパノール2mL(0.026mol)を添加する。次に、有機溶液をHCl 1N 200mLで2回、水100mLで1回、およびNaOH 1N 200mLで2回洗浄し、次に、Na2SO4で乾燥し、濾過し、最後に、溶媒および残留モノマーを70℃で真空除去する。化合物3(24.52g)を白色固形物として採収する。
GPCによって測定した化合物3の分子特性は下記の通りである:
Mn=2795
Mw=3603
Mw/Mn=1.28
Mn=2795
Mw=3603
Mw/Mn=1.28
実施例10
実施例9で合成した化合物3および過酢酸の存在下でのスチレンとアクリロニトリルの共重合
機械攪拌機、還流冷却器、温度計および漏斗を取り付けた100mLの4口丸底フラスコに、過酢酸0.2336g(Aldrich、35wt%;1 10-3mol)を添加する。次に、化合物3を1g、スチレン14.67g(0.14mol)およびアクリロニトリル4.89g(0.092mol)の混合物を、漏斗によって素早く添加する。混合物を撹拌し、10分間にわたってアルゴンで泡立たせて脱気する。室温で30分後、混合物を3時間にわたって加熱還流する。
2時間および3時間後に、反応フラスコから試料を抜き取り、50℃で24時間にわたって真空乾燥する。モノマー転化を重量分析によって測定し、ポリマーの分子量をGPCによって測定する。得られた結果を表9に示す。
実施例9で合成した化合物3および過酢酸の存在下でのスチレンとアクリロニトリルの共重合
機械攪拌機、還流冷却器、温度計および漏斗を取り付けた100mLの4口丸底フラスコに、過酢酸0.2336g(Aldrich、35wt%;1 10-3mol)を添加する。次に、化合物3を1g、スチレン14.67g(0.14mol)およびアクリロニトリル4.89g(0.092mol)の混合物を、漏斗によって素早く添加する。混合物を撹拌し、10分間にわたってアルゴンで泡立たせて脱気する。室温で30分後、混合物を3時間にわたって加熱還流する。
2時間および3時間後に、反応フラスコから試料を抜き取り、50℃で24時間にわたって真空乾燥する。モノマー転化を重量分析によって測定し、ポリマーの分子量をGPCによって測定する。得られた結果を表9に示す。
モノマー転化に伴う分子量の増加、および狭い多分散性は、制御法を示すものである。さらに、驚くことに、重合は極めて速く起こる(還流下わずか3時間後に、約80%のモノマー転化率)。
実施例11
実施例9で合成した化合物3および過酢酸の存在下でのスチレンとアクリロニトリルの共重合
機械攪拌機、還流冷却器、温度計および漏斗を取り付けた1Lの4口丸底フラスコに、過酢酸3.58g(Aldrich、35wt%;1.64 10-2mol)を添加する。次に、化合物3を15.337g、スチレン450g(4.32mol)およびアクリロニトリル150g(2.82mol)の混合物を、漏斗によって素早く添加する。混合物を撹拌し、10分間にわたってアルゴンで泡立たせて脱気する。室温で30分後、混合物を8時間にわたって加熱還流する。次に、反応を停止し、ポリマーを60℃で24時間にわたって真空乾燥する。モノマー転化を重量分析によって測定し、ポリマーの分子量をGPCによって測定する。得られた結果を表10に示す。
実施例9で合成した化合物3および過酢酸の存在下でのスチレンとアクリロニトリルの共重合
機械攪拌機、還流冷却器、温度計および漏斗を取り付けた1Lの4口丸底フラスコに、過酢酸3.58g(Aldrich、35wt%;1.64 10-2mol)を添加する。次に、化合物3を15.337g、スチレン450g(4.32mol)およびアクリロニトリル150g(2.82mol)の混合物を、漏斗によって素早く添加する。混合物を撹拌し、10分間にわたってアルゴンで泡立たせて脱気する。室温で30分後、混合物を8時間にわたって加熱還流する。次に、反応を停止し、ポリマーを60℃で24時間にわたって真空乾燥する。モノマー転化を重量分析によって測定し、ポリマーの分子量をGPCによって測定する。得られた結果を表10に示す。
狭い多分散性を有する高分子量SANが合成される。
例示のために本発明を前記に詳しく説明したが、そのような説明は例示するものに過ぎず、請求の範囲によって限定される以外は、本発明の意図および範囲を逸脱せずに、当業者によって変更を加えうるものと理解される。
Claims (9)
- (コ)オリゴマーまたは(コ)ポリマーの製造法であって、下記の工程:
(I) 下記のものを含有する混合物を製造する工程:
・ 少なくとも1つの、一般式(M)のモノエチレン性不飽和モノマー:
HR1C=CR2R3 (M)
[式中、R1、R2、R3は、それぞれ独立に、水素、C1〜C20アルキル、C1〜C20シクロアルキル、C6〜C24アリール、ハロゲン、シアノ、C1〜C20アルキルエステル、C1〜C20シクロアルキルエステル、C1〜C20アルキルアミド、C1〜C20シクロアルキルアミド、C6〜C24アリールエステルおよびC6〜C24アリールアミドから成る群から選択される];
・ 少なくとも1つの酸化剤(A);
・ 少なくとも1つの、一般式(I)のポリマーまたはオリゴマー:
Yは、一般式HR1C=CR2R3のエチレン性不飽和モノマー(M)に基づく有機残基であり;
R1、R2、R3は、前記に定義した通りであり;
mは、1〜50の整数であり;
nは、1〜300の整数であり;
I1は、開始剤を表し;
R4は、第二級または第三級炭素原子を表し、独立に、C1〜C18アルキル、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C3〜C12シクロアルキルまたはC3〜C12ヘテロシクロアルキル、C6〜C24アリールから成る群から選択され、それらは非置換であるかまたはNO2、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ケトン、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキルチオまたはC1〜C4アルキルアミノによって置換されていてもよく;
Xは、第二級または第三級炭素原子を表し、独立に、C1〜C18アルキル、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C3〜C12シクロアルキルまたはC3〜C12ヘテロシクロアルキル、C6〜C24アリールから成る群から選択され、それらは非置換であるかまたはNO2、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ケトン、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキルチオまたはC1〜C4アルキルアミノによって置換されていてもよい];
・ 任意のラジカル開始剤(B);および
(II) 0℃〜220℃の範囲の温度で該混合物を加熱する工程
を含んで成る方法。 - 混合物が、水、アルコール、エステル、エーテル、ケトン、アミド、スルホキシドおよび炭化水素から成る群から選択される溶媒をさらに含有する請求項1に記載の方法。
- モノマー(M)が、スチレン、置換スチレン、共役ジエン、アクロレイン、ビニルアセテート、アクリロニトリル、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレートおよび無水マレイン酸から成る群から選択される請求項1に記載の方法。
- 酸化剤(A)が、過酢酸、過プロピオン酸、過酸化水素、過酸化水素/チタン含有触媒、ペルオキシ一硫酸カリウム(2KHSO5・KHSO4・K2SO4)、酸化銀および酸化鉛(IV)から成る群から選択される請求項1に記載の方法。
- 工程(II)における温度が50〜180℃である請求項1に記載の方法。
- 工程(II)における温度が70〜150℃である請求項1に記載の方法。
- 混合物を0〜100℃の温度で製造する請求項1に記載の方法。
- 混合物を0〜50℃の温度で製造する請求項1に記載の方法。
- 一般式(III):
Yは、一般式HR1C=CR2R3のエチレン性不飽和モノマー(M)に基づく有機残基であり;
R1、R2、R3は、独立に、水素、C1〜C20アルキル、C1〜C20シクロアルキル、C6〜C24アリール、ハロゲン、シアノ、C1〜C20アルキルエステル、C1〜C20シクロアルキルエステル、C1〜C20アルキルアミド、C1〜C20シクロアルキルアミド、C6〜C24アリールエステルおよびC6〜C24アリールアミドから成る群から選択され;
mは、1〜50の整数であり;
nは、1〜300の整数であり;
I1は、開始剤を表し;
R4は、第二級または第三級炭素原子を表し、独立に、C1〜C18アルキル、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C3〜C12シクロアルキルまたはC3〜C12ヘテロシクロアルキル、C6〜C24アリールから成る群から選択され、それらは非置換であるかまたはNO2、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ケトン、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキルチオまたはC1〜C4アルキルアミノによって置換されていてもよく;
Xは、C1〜C18アルキル、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C3〜C12シクロアルキルまたはC3〜C12ヘテロシクロアルキル、C6〜C24アリールから成る群から選択される第二級または第三級炭素原子を表し、それらは非置換であるかまたはNO2、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ケトン、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキルチオまたはC1〜C4アルキルアミノによって置換されていてもよい]
のニトロキシルラジカルの製造法であって、下記の工程:
・ 一般式(I)のポリマーまたはオリゴマー:
および酸化剤を含有する混合物を形成する工程;および
・ 一般式(III)の化合物を単離する工程
を含んで成る方法。
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